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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174201
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/22 20060101AFI20231130BHJP
   E03C 1/23 20060101ALI20231130BHJP
   A47K 1/14 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
E03C1/22 C
E03C1/23 Z
A47K1/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086922
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】▲する▼木 剛
(72)【発明者】
【氏名】笹川 知久
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA01
2D061DB03
2D061DB07
2D061DE11
(57)【要約】
【課題】
既設の排水栓装置に対して、後から電動駆動部による開閉機能や給湯器との連動機能を付与することが可能な操作装置を提供する。
【解決手段】
槽体Bに形成された排水口100を開閉する栓蓋210と、栓蓋210の操作を行う操作部220とを備えた既設の排水栓装置200に対して、操作装置11を取り付ける。操作装置11は通電によって駆動する電動駆動部13と、操作部220の近傍に配置され、電動駆動部13によって突出する作動部14とを備える。操作装置11は使用者からの操作指示に基づいて電動駆動部13を駆動させ、作動部14によって操作部220を作動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽体に形成された排水口を開閉する栓蓋と、前記栓蓋の操作を行う操作部とを備えた排水栓装置に取り付け可能な操作装置であって、
通電によって駆動する電動駆動部と、
前記電動駆動部を制御する制御部と、
前記操作部の近傍に配置され、前記電動駆動部の駆動により前記操作部を作動させる作動部とを備えることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記操作部は、所定方向に変位することで前記排水口を開閉させる変位部を備え、
前記作動部は、前記操作部の取付面又は前記操作装置の取付面よりも前記所定方向に向けて突出し、前記変位部を変位させることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記作動部は、前記所定方向に向けて突出する量を調整可能であることを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
使用者による接触操作又は非接触操作を検知する検知部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項5】
前記排水口の開閉状態又は前記電動駆動部の動作状態のいずれか一方又は両方を検出するセンサ機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項6】
前記排水口の開閉状態又は前記電動駆動部の動作状態のいずれか一方又は両方を検出するセンサ機構を備えたことを特徴とする請求項4に記載の操作装置。
【請求項7】
前記制御部は、
遠隔操作による指示に基づいて前記電動駆動部を制御可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項8】
前記制御部は、
遠隔操作による指示に基づいて前記電動駆動部を制御可能であることを特徴とする請求項4に記載の操作装置。
【請求項9】
前記制御部は、
遠隔操作による指示に基づいて前記電動駆動部を制御可能であることを特徴とする請求項5に記載の操作装置。
【請求項10】
前記制御部は、
遠隔操作による指示に基づいて前記電動駆動部を制御可能であることを特徴とする請求項6に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、槽体に形成された排水口を開閉する排水栓装置に取り付け可能な操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の排水栓装置は、槽体に形成された排水口を覆う栓蓋(弁体)を備えており、当該栓蓋を昇降させることによって排水口を開閉する構造となっている。又、栓蓋の昇降操作は槽体縁部に取り付けられた操作部によって行う。操作部は使用者による手動操作によって上下に変位する変位部(ボタン部材)と、変位部の変位を栓蓋へと伝達する伝達部(レリースワイヤ)と、栓蓋の上昇状態を保持するロック機構(ロック機構部)とを備えており、使用者によって変位部が押動されると、伝達部を介して栓蓋が昇降するとともに、栓蓋の昇降状態はロック機構によって保持される。
特許文献2に記載の排水栓装置は、操作部の内部に配置された電動駆動部によって変位部を変位させることで、使用者が変位部を直接押動することなく、排水口を開閉することが可能となっている。又、排水栓装置が給湯器と通信することによって、給湯器の湯張り動作等に連動して自動で排水口を開閉することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-48682号公報
【特許文献2】特開2021-025260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の排水栓装置は、手動操作によって所定以上の応力が直接変位部に加えられないと排水口を開閉することができず、使用者によっては排水口の開閉が困難であった。特に、槽体内に湯水が貯留されていると、栓蓋に加わる水圧によって、変位部を変位させるために必要な応力が増加し、排水口の開閉が一層困難となる。
一方、特許文献2に記載の排水栓装置においては、電動駆動部を駆動させることによって、変位部に強い応力を加えることなく容易に排水口を開閉することが可能となる。しかし、電動駆動部は排水栓装置の内部に組み込まれており、電動駆動部を備えていない排水栓装置に対して後から電動駆動部による開閉機能を付与することは困難であった。
又、特許文献2に記載の排水栓装置は給湯器と連動して動作する機能を有しているが、このような連動機能も、既設の排水栓装置に対して後から付与することは困難であった。
【0005】
そこで、本発明は既設の排水栓装置に対して、後から電動駆動部による開閉機能や給湯器との連動機能を付与することが可能な操作装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の発明は、槽体に形成された排水口を開閉する栓蓋と、前記栓蓋の操作を行う操作部とを備えた排水栓装置に取り付け可能な操作装置であって、
通電によって駆動する電動駆動部と、
前記電動駆動部を制御する制御部と、
前記操作部の近傍に配置され、前記電動駆動部の駆動により前記操作部を作動させる作動部とを備えることを特徴とする操作装置である。
【0007】
第二の発明は、前記操作部は、所定方向に変位することで前記排水口を開閉させる変位部を備え、
前記作動部は、前記操作部の取付面又は前記操作装置の取付面よりも前記所定方向に向けて突出し、前記変位部を変位させることを特徴とする請求項1に記載の操作装置である。
【0008】
第三の発明は、前記作動部は、前記所定方向に向けて突出する量を調整可能であることを特徴とする請求項2に記載の操作装置である。
【0009】
第四の発明は、使用者による接触操作又は非接触操作を検知する検知部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の操作装置である。
【0010】
第五の発明は、前記排水口の開閉状態又は前記電動駆動部の動作状態のいずれか一方又は両方を検出するセンサ機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の操作装置である。
【0011】
第六の発明は、前記排水口の開閉状態又は前記電動駆動部の動作状態のいずれか一方又は両方を検出するセンサ機構を備えたことを特徴とする請求項4に記載の操作装置である。
【0012】
第七の発明は、前記制御部は、
遠隔操作による指示に基づいて前記電動駆動部を制御可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の操作装置である。
【0013】
第八の発明は、前記制御部は、
遠隔操作による指示に基づいて前記電動駆動部を制御可能であることを特徴とする請求項4に記載の操作装置である。
【0014】
第九の発明は、前記制御部は、
遠隔操作による指示に基づいて前記電動駆動部を制御可能であることを特徴とする請求項5に記載の操作装置である。
【0015】
第十の発明は、前記制御部は、
遠隔操作による指示に基づいて前記電動駆動部を制御可能であることを特徴とする請求項6に記載の操作装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、既設の排水栓装置に対して、後から電動駆動部による開閉機能や給湯器との連動機能を付与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第一実施形態に係る(a)操作装置を示す断面図、(b)図1(a)より作動部が突出した状態を示す断面図である。
図2】第一実施形態に係る設備機器及び操作装置を示す概略図である。
図3】第一実施形態に係る浴室を示す斜視図である。
図4】第一実施形態に係る操作装置が取り付けられた状態を示す断面図である。
図5図4より作動部が突出した状態を示す断面図である。
図6】第一実施形態に係る排水システムを示す概略図である。
図7】第一実施形態に係る排水システムを示す概略図である。
図8】第二実施形態に係る操作装置を示す斜視図である。
図9】第二実施形態に係る(a)操作装置を示す斜視図、(b)作動部が突出した状態を示す斜視図である。
図10】既設の設備機器を示す概略図である。
図11】既設の排水栓装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。尚、以下に記載する発明は実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって発明が制限して理解されるものではない。
【0019】
1.第一実施形態
図10及び図11を用いて本発明の操作装置11が取り付けられる既設の設備機器について説明する。
【0020】
槽体Bは浴室UB内に配置された浴槽であり、使用者が洗髪等を行う洗い場に隣接して配置されている。又、槽体Bは底面に排水口100が形成されており、当該排水口100は排水栓装置200によって開閉可能となっている。
給湯器120は風呂往き管及び風呂戻り管(図示せず)によって槽体Bに接続され、操作パネル130に対して操作が加えられることによって湯張り動作や追い焚き動作等を行う。尚、操作パネル130は浴室UB内、及び浴室UBに隣接する部屋に取り付けられており、浴室UB外に取り付けられた操作パネル130はWi-Fi(登録商標)等のインターネットを介して中継器21と通信可能となっている。
【0021】
図11に示すように、排水栓装置200は、槽体Bに施工された既設の設備機器であり、栓蓋210、操作部220、伝達部230を備える。
栓蓋210は排水口100を覆う円盤状の蓋体であって、周囲にパッキンが嵌着されている。又、栓蓋210は操作部220によって昇降可能となっており、下降時にはパッキンが排水口100の周縁に当接する。この時、パッキンによって排水口100が閉塞され、槽体Bの内部に湯水が貯留可能となる。一方、栓蓋210の上昇時にはパッキンが排水口100の周縁から離間することにより、槽体Bの内部に貯留された湯水を下水側へと排出する。
操作部220は槽体Bの縁部に取り付けられており、使用者によって直接押動される変位部221と、変位部221の変位状態を保持するロック機構222とを有する。
変位部221は上面が浴室UB内に露出する円盤状であって、所定方向(本実施形態においては上下方向)に変位可能となっており、裏面にはロック機構222が嵌合されている。尚、変位部221の上面は、排水口100が閉塞された状態において槽体Bの縁部と略面一となっており、下方に向けて変位可能となっている。又、排水口100が開口された状態においては、槽体Bの縁部よりも下方に位置する。
ロック機構222は上端が変位部221に嵌着され、変位部221に連動して変位可能な軸部223を有しており、下端には伝達部230が接続されている。又、ロック機構222は内部に回転ギアと固定ギア(図示せず)を有し、軸部223が所定量変位する都度、回転ギアと固定ギアの噛合と噛合の解除が切り替えられることで、変位した軸部223の位置が保持される。
伝達部230は樹脂製のチューブであるアウターチューブ及び金属製のインナーワイヤから成る動力伝達部材である。伝達部230は一端がロック機構222に接続されているとともに、他端が栓蓋210に接続されており、軸部223の変位に伴いアウターチューブ内をインナーワイヤが摺動することによって、栓蓋210を昇降させる。
【0022】
上記排水栓装置200は、栓蓋210が下降状態にある時、排水口100が栓蓋210によって閉塞されており、槽体Bの内部に湯水を貯留可能となっている。ここで、変位部221に対して押動操作が加えられると、変位部221及び軸部223が下方へと変位し、当該変位が伝達部230によって伝達され、栓蓋210が上昇する。この時、ロック機構222の内部に配置された回転ギアと固定ギアが噛合し、栓蓋210の上昇状態、及び変位部221の下降状態が保持される。
一方、栓蓋210が上昇し、排水口100が開口された状態にある時に、再度変位部221に対して押動操作が加えられると、ロック機構222の内部に配置された回転ギアと固定ギアの噛合が解除され、ロック機構222に配置されたスプリング(図示せず)及び自重によって栓蓋210が下降し、再び排水口100が閉塞される。
【0023】
以上のように、既設の排水栓装置200は、手動による押動操作によってのみ、槽体Bに形成された排水口100を開閉することが可能となっている。
【0024】
次に、上記既設の排水栓装置200に取り付けられる操作装置11について説明する。
【0025】
図1(a)に示すように、操作装置11はケーシング12、電動駆動部13、作動部14、検知部15、センサ機構16、制御部18、電源17を備える。又、操作装置11は中継器21又は携帯端末31とBluetooth(登録商標)等の近距離無線を通じて通信可能となっている。
ケーシング12は円筒状であって、外径は変位部221よりも大径をなし、図2及び図3に示すように、操作部220の上方を覆う様に載置可能となっている。又、ケーシング12は図示しないパッキン等によって防水処理が成されており、内部への湯水の流入が防止されている。
電動駆動部13は通電によって駆動するモータであり、制御部18によってその駆動が制御されている。又、電動駆動部13は作動部14と連結されており、電動駆動部13が作動すると、作動部14が上下方向に変位する。
ここで、図1(b)に示すように、作動部14は電動駆動部13の駆動により変位した際、下端がケーシング12の下面中央より下方に向けて貫通し、操作装置11の取付面(槽体Bの縁部)よりも下方まで突出する。又、作動部14の突出量は制御部18によって制御されており、取り付けられる排水栓装置200に応じて適宜変更可能となっている。
検知部15はケーシング12の上方に配置され、使用者の接触操作又は非接触操作を検知するとともに、検知した情報を制御部18へと送信する。尚、使用者の接触による操作は感圧式や静電式により検知し、非接触による操作は赤外線等の光学式により検知する等、どのような方法によって検知されても良い。又、検知部15は接触操作のみを検知する構造でも良く、非接触操作のみを検知しても良い。又、ケーシング12の上面に接触操作により押動されるボタンを突出させ、当該ボタンの押動を検知部15によって検知しても良い。
センサ機構16は排水口100の開閉状態及び電動駆動部13の動作状態を検出するとともに、検出した情報を制御部18へと送信する。尚、センサ機構16による検出方法は、磁気による検出の他、光学式や接触式、その他の検出方法であって良い。又、センサ機構16は作動部14の位置(突出量)に基づいて排水口100の開閉状態を検出しても良く、変位部221の位置に基づいて排水口100の開閉状態を検出しても良い。更に、センサ機構16は上記作動部14が所定の位置(突出量)とは異なる位置(突出量)であった際に、電動駆動部13の動作状態に異常があると検出しても良く、上記変位部221が所定の位置とは異なる位置であった際に、電動駆動部13の動作状態に異常があることを検出しても良い。即ち、センサ機構16は排水口100の開閉状態や電動駆動部13の動作状態が検出できれば良いものであり、検出方法や検出対象は何ら限定されるものではない。
電源17はケーシング12の内部に着脱可能に配置された電池である。尚、電池の大きさや種類は限定されるものではない。又は、電源17は外部からの電源供給であっても良い。
制御部18は電動駆動部13の動作を制御可能な基板であって、検知部15によって検知された接触操作又は非接触操作に基づいて電動駆動部13の駆動を制御する。又、制御部18は近距離無線を介して中継器21又は携帯端末31と通信可能な通信部としての機能を備えており、中継器21又は携帯端末31から伝送された遠隔操作に基づいて電動駆動部13の動作を制御可能となっている。更に、制御部18はセンサ機構16によって検知した排水口100の開閉状態や電動駆動部13の動作状態を、近距離無線を通じて中継器21又は携帯端末31に対して伝送可能となっている。
【0026】
中継器21は浴室UB外のいずれかの部屋の壁面に配置され、近距離無線を介して操作装置11と通信可能であるとともに、インターネットを介して給湯器120の操作パネル130や携帯端末31と通信可能となっている。又、中継器21は操作パネル130から発信される湯張り信号を検知して、操作装置11へ閉栓操作を指示することができる。尚、本実施形態において、中継器21は操作パネル130の近傍に配置されているが、配置箇所は何ら限定されるものではなく、近距離無線によって操作装置11と通信可能な距離であればどこに配置されても良い。
【0027】
携帯端末31は使用者が所持するスマートフォンやタブレット等の端末であり、専用アプリにより、インターネットを介した中継器21との通信の他、近距離無線を介して直接操作装置11との通信を行うことができる。又、専用アプリは操作によって作動部14が所定方向に向けて突出する量や突出する速度や突出する時間を適宜調整可能となっているとともに、制御部18から伝送された排水口100の開閉状態を表示可能となっている。又、専用アプリは中継器21を介して給湯器120と通信し、湯張り動作等を指示することもできる。
【0028】
上記操作装置11は、ケーシング12の下面に張り付けられた両面テープによって、槽体Bの縁部に直接固定される。この時、図3乃至図5に示すように、作動部14は変位部221の直上に配置され、電動駆動部13が駆動した際に変位部221を押動し、操作部220を作動できる位置に取り付けられる。尚、本実施形態において、操作装置11は操作部220の直上に取り付けられるが、操作部220の近傍であって、作動部14が変位部221を押動可能であれば、取り付け位置は操作部220の直上に限るものではない。
【0029】
以下に、上記操作装置11を用いた操作方法について説明する。
【0030】
[操作方法1]
図4に示すように、栓蓋210が下降し、排水口100は閉塞された状態となっている。この時、作動部14は下方に向けて突出しておらず、初期位置に配置されている。
操作装置11の検知部15に対して直接的に接触操作又は非接触操作が加えられると、図5に示すように、電動駆動部13が駆動することによって作動部14が下方に向けて突出し、変位部221を変位させる。ここで、ロック機構222によって栓蓋210の上昇状態、及び変位部221の下降状態が保持されると、作動部14は初期位置まで復動する。
再度操作装置11の検知部15に対して直接的に接触操作又は非接触操作が加えられると、作動部14が再び下方に向けて突出し、排水栓装置200が作動する。この時、ロック機構222の内部に配置されたギアの噛合が解除され、スプリングの反発及び自重によって栓蓋210が下降し、排水口100が閉塞される。又、作動部14は初期位置まで復動する。
このように、使用者は直接操作部220の変位部221を押動することなく、排水口100を開閉させることが可能となる。
【0031】
[操作方法2]
以下に、図6に示すように、中継器21を用いた排水システムによる操作方法と、当該操作方法による操作装置11の動作について説明する。
まず、図4に示すように、栓蓋210が下降し、排水口100は閉塞された状態となっており、当該排水口100の開閉状態及び電動駆動部13の動作状態は近距離無線を介して中継器21に伝送されている。又、当該排水口100の開閉状態及び電動駆動部13の動作状態は、インターネットを介して中継器21より携帯端末31に伝送されており、使用者はアプリの画面を通じて確認することができる。
次に、携帯端末31に対して操作が加えられると、インターネットを介して中継器21より遠隔操作による指示が制御部18へと送信される。
次に、中継器21からの指示を受信した制御部18は、当該指示に基づいて電動駆動部13を駆動させる。この時、図5に示すように、作動部14が下方へと突出するとともに、変位部221を押し下げると、伝達部230によって栓蓋210が上昇し、排水口100が開口される。ここで、ロック機構222によって栓蓋210の上昇状態、及び変位部221の下降状態が保持されると、作動部14は初期位置まで復動する。
次に、センサ機構16によって、排水口100の開閉状態及び電動駆動部13の動作状態が検出され、排水口100の開閉状態及び電動駆動部13の動作状態が制御部18によって近距離無線を介して中継器21へと伝送される。又、中継器21はインターネットを介して排水口100の開閉状態を携帯端末31へと伝送する。この時、携帯端末31には現在の排水口100の開閉状態が表示される。又、センサ機構16によって電動駆動部13の動作状態に異常が検出された場合には、エラー情報が携帯端末31に表示される。
そして、排水口100が開口された状態にある時に、再度検知部15又は中継器21より操作指示が制御部18へと伝送されると、制御部18によって電動駆動部13が駆動され、再度作動部14が下方へ向けて突出し、変位部221を押し下げる。この時、ロック機構222の内部に配置されたギアの噛合が解除され、スプリングの反発及び自重によって栓蓋210が下降し、排水口100が閉塞される。又、作動部14は初期位置まで復動する。
次に、センサ機構16によって排水口100の開閉状態及び電動駆動部13の動作状態が検出され、当該開閉状態が制御部18によってインターネットを介して中継器21を通じて給湯器120及び携帯端末31へと伝送される。この時、携帯端末31には現在の排水口100の開閉状態が表示される。
【0032】
[操作方法3]
次に、中継器21を用いない場合の排水システムによる操作方法について説明する。
中継器21を用いない場合、図7に示すように、携帯端末31は近距離無線によって操作装置11と直接通信し、専用アプリによる指示に基づいて排水栓装置200の操作部220を作動させる。尚、操作装置11の動作については先に述べた操作方法と同様であるため省略する。
【0033】
本発明の操作装置11の操作方法は以上であるが、本発明の操作装置11は中継器21を通じ、インターネットを介して給湯器120の操作パネル130と通信可能となっている。従って、操作装置11を湯張り動作と連動させることができる。例えば、操作パネル130により湯張り動作が指示されると、中継器21を介して操作装置11に対して排水口100を閉塞する様に指示が伝送されるとともに、給湯器120に対しては湯張り動作が指示される。又、操作装置11からは排水口100の開閉状態が伝送され、給湯器120からは湯張り動作の状況等が伝送され、専用アプリによって携帯端末31に表示される。
【0034】
本発明の第一実施形態は以上であるが、本発明の操作装置11によれば、既設の排水栓装置200に対して電動駆動部13による開閉機能を付与することが可能になる。従って、排水口100の開閉に際して変位部221を直接押動する必要がなくなるため、どのような使用者であっても容易に排水口100を開閉することが可能となる。
又、中継器21によってインターネットを介して給湯器120や携帯端末31と制御部18を通信させることによって、既設の排水栓装置200に対して、浴室外からの遠隔操作によって排水口100の開閉を行う機能や、給湯器120の湯張り動作との連動機能を付与することが可能となる。
更に、操作装置11は中継器21を用いず、近距離無線を介して携帯端末31と直接通信することによって、遠隔操作による指示に基づいて電動駆動部13を制御することも可能となっている。
又、既設の排水栓装置200は装置によって操作部220を作動させるために必要な変位量が異なる場合があるが、本発明における操作装置11は専用アプリによって作動部14が突出する量を調整することで、どのような既存の排水栓装置200であっても対応することができる。
【0035】
2.第二実施形態
次に、本発明の第二実施形態について、図8及び図9を用いて上記第一実施形態との相違点を中心に説明する。
図8に示すように、第二実施形態においては、操作装置11はアダプター41を介して取り付けられる。
アダプター41は下面が槽体Bの縁部に対して接着その他の方法によって着脱不可能となるように取り付けられているとともに、上面は図示しない係合部を有し、操作装置11が着脱可能に取り付け可能となっている。このようにすることで、操作装置11の清掃・メンテナンスや電源17の交換の際に操作装置11を容易に取り外すことが可能となる。尚、アダプター41の取付方法については接着・テープ・ビス止め等どのような方法であっても良く、アダプター41と操作装置11は係合以外の方法によって着脱可能であっても良い。
又、上記第一実施形態において、操作装置11の作動部14はケーシング12の下方から突出するように構成されていたが、第二実施形態において、作動部14はケーシング12の側方から突出する略L字状であって、電動駆動部13によって上下に変位するように構成されている。又、第一実施形態においては、操作装置11は変位部221の直上に載置され、変位部221の全面を覆っていたが、第二実施形態においては、操作装置11を変位部221の近傍において隣接して配置され、変位部221の一部が露出するよう構成されている。これによって、変位部221を露出箇所から押動可能となり、手動によっても操作部220を操作することが可能となる。
【0036】
3.他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を加えても良い。
【0037】
例えば上記第一実施形態において、専用アプリによって給湯器120の湯張り動作と操作装置11とを連動させていたが、槽体Bの自動洗浄動作と連動させても良い。この場合には、専用アプリによって槽体Bの洗浄が指示されると、操作装置11に対して排水口100を開口させるよう指示が伝送されるとともに、洗浄装置に対しては洗浄の開始が指示される。これにより、洗浄が開始される際に確実に排水口100を開口させ、洗浄水を排水口100から排出することが可能となる。
【0038】
又、上記各実施形態から不要な構造を省略しても良い。例えば、操作装置11からセンサ機構16を省略し、電動駆動部13の動作回数によって、排水口100の開閉状態を判断しても良い。
【0039】
又、操作装置11に対して、排水口100の開閉状態を表示する表示部を設けても良い。当該表示部は発光による表示や「開」「閉」といった文字が表示される等、表示方法が制限されるものではない。
【0040】
又、上記第一実施形態において、操作装置11が取り付けられる既設の排水栓装置200は、操作部220が槽体Bの縁部に取り付けられており、変位部221は上下方向に変位可能な構造であったが、本発明の操作装置11が取り付けられる既設の排水栓装置200は、操作部220が槽体Bの側面に取り付けられる構造であっても良い。この場合、既設の排水栓装置200の変位部221は水平方向に変位する構造となり、操作装置11も槽体Bの側面に取り付けられ、作動部14は水平方向に向けて突出する。
【0041】
又、上記第一実施形態において、操作装置11は両面テープによって脱着不可能に取り付けられていたが、ビスによるネジ締めや接着等、両面テープ以外の方法によって取り付けられても良い。
又、重りや吸着シート、吸盤や磁石等によって脱着可能に取り付けられても良い。
【0042】
又、上記各実施形態において、制御部31は携帯端末31により伝送路を介して伝送された指示に基づいて電動駆動部13を制御していたが、携帯端末31以外によって指示を行っても良い。例えば、音声入力機器により入力された操作指示が中継器21を介して制御部31に伝送され、電動駆動部13を制御しても良い。
【0043】
尚、上記専用アプリにおいて表示されるレイアウトや操作ボタンは限定されるものではない。例えば専用アプリを起動した際に携帯端末31の画面上に「開」「閉」のボタンが表示され、使用者は希望するボタンを適宜選択することによって操作指示を行っても良い。この場合、専用アプリは選択された操作指示と検知部15によって検出された排水口100の開閉状態とを照らし合わせ、選択された指示と現在の排水口100の開閉状態が異なる場合には制御部18によって電動駆動部13を駆動させるよう構成しても良い。
【0044】
又、操作装置11が取り付けられる槽体は浴槽に限られるものではなく、流し台のシンクや洗面ボウルに取り付けられても良い。更に、屋外の門扉やガレージシャッターの開閉ボタン等に取り付けられても良い。
【符号の説明】
【0045】
11 操作装置
12 ケーシング
13 電動駆動部
14 作動部
15 検知部
16 センサ機構
17 電源
18 制御部
21 中継器
31 携帯端末
41 アダプター
100 排水口
120 給湯器
130 操作パネル
200 排水栓装置
210 栓蓋
220 操作部
221 変位部
222 ロック機構
223 軸部
230 伝達部
B 槽体
UB 浴室
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