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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174207
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/27 20180101AFI20231130BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20231130BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20231130BHJP
   F21S 43/20 20180101ALI20231130BHJP
   F21S 43/50 20180101ALI20231130BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20231130BHJP
   F21W 103/60 20180101ALN20231130BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231130BHJP
【FI】
F21S43/27
F21S43/14
F21S43/19
F21S43/20
F21S43/50
F21V5/00 600
F21W103:60
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086939
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川村 孝幸
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光学部品を精度よく取り付けることが可能な車両用灯具を提供する。
【解決手段】車両用灯具100は、光源11と、光源11から出射された光を集光する集光レンズ21と集光レンズ21を保持する集光レンズフレーム23とが一つの部材として形成された集光レンズ部材20と、集光レンズ21で集光された光の一部を通過させるスリット33を有するスリット形成部31とスリット形成部31を保持する遮光フレーム32とが一つの部材として形成された遮光部材30と、スリット33を通過した光を路面に投影して照射パターンを形成する投影レンズ41が形成された投影レンズ部材40と、光源11を支持する支持部材50とを備え、集光レンズ部材20、遮光部材30及び投影レンズ部材40は、集光レンズフレーム23及び遮光フレーム32が光軸AX方向に重なるように支持部材50に固定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射された光を集光する集光レンズと前記集光レンズを保持する集光レンズフレームとが一つの部材として形成された集光レンズ部材と、
前記集光レンズで集光された前記光の一部を通過させるスリットを有するスリット形成部と前記スリット形成部を保持する遮光フレームとが一つの部材として形成された遮光部材と、
前記スリットを通過した前記光を路面に投影して照射パターンを形成する投影レンズが形成された投影レンズ部材と、
前記光源を支持する支持部材と
を備え、
前記集光レンズ部材、前記遮光部材及び前記投影レンズ部材は、前記集光レンズフレーム及び前記遮光フレームが光軸方向に重なるように前記支持部材に固定される
車両用灯具。
【請求項2】
前記集光レンズ部材は、前記集光レンズを構成する材料を用いて全体が形成され、
前記遮光部材は、前方から見て前記集光レンズ部材の前記集光レンズ及び前記集光レンズフレームを覆うように形成される
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記投影レンズ部材は、前記投影レンズと当該投影レンズを保持する投影レンズフレームとが一つの部材として形成され、
前記集光レンズ部材、前記遮光部材及び前記投影レンズ部材は、前記集光レンズフレーム、前記遮光フレーム及び前記投影レンズフレームが前記光軸方向に重なるように前記支持部材に固定される
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記集光レンズ部材は、前記集光レンズフレームに対して前記集光レンズが前記光軸方向の後方に配置され、
前記投影レンズ部材は、前記投影レンズフレームに対して前記投影レンズが前記光軸方向の前方に配置される
請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記支持部材は、前記光源を支持する支持面を有するベース部と、前記集光レンズフレーム、前記遮光フレーム及び前記投影レンズフレームを固定する固定部とを有し、
前記固定部は、前記支持面から突出している
請求項4に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記固定部は、前記集光レンズフレーム、前記遮光フレーム及び前記投影レンズフレームを固定する基準面となる端面が突出方向の先端に設けられ、
前記端面は、前記光軸方向に直交するように形成される
請求項5に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
路面にパターンを照射することが可能な車両用灯具が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の車両用灯具では、光源からの光を集光レンズで集光し、集光した光を遮光部材のスリットに照射し、スリットを透過した光を投影レンズにより車両前方の路面に照射する構成である。この構成において、集光レンズ、遮光部材及び投影レンズの各光学部材は、それぞれフレーム、ケース等の部品により保持された状態で支持部材に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-111465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような車両用灯具においては、各光学部材を精度よく取り付けることが求められる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、光学部品を精度よく取り付けることが可能な車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用灯具は、光源と、前記光源から出射された光を集光する集光レンズと前記集光レンズを保持する集光レンズフレームとが一つの部材として形成された集光レンズ部材と、前記集光レンズで集光された前記光の一部を通過させるスリットを有するスリット形成部と前記スリット形成部を保持する遮光フレームとが一つの部材として形成された遮光部材と、前記スリットを通過した前記光を路面に投影して照射パターンを形成する投影レンズが形成された投影レンズ部材と、前記光源を支持する支持部材とを備え、前記集光レンズ部材、前記遮光部材及び前記投影レンズ部材は、前記集光レンズフレーム及び前記遮光フレームが光軸方向に重なるように前記支持部材に固定される。
【0007】
上記の車両用灯具において、前記集光レンズ部材は、前記集光レンズを構成する材料を用いて全体が形成され、前記遮光部材は、前方から見て前記集光レンズ部材の前記集光レンズ及び前記集光レンズフレームを覆うように形成される。
【0008】
上記の車両用灯具において、前記投影レンズ部材は、前記投影レンズと当該投影レンズを保持する投影レンズフレームとが一つの部材として形成され、前記集光レンズ部材、前記遮光部材及び前記投影レンズ部材は、前記集光レンズフレーム、前記遮光フレーム及び前記投影レンズフレームが前記光軸方向に重なるように前記支持部材に固定される。
【0009】
上記の車両用灯具において、前記集光レンズ部材は、前記集光レンズフレームに対して前記集光レンズが前記光軸方向の後方に配置され、前記投影レンズ部材は、前記投影レンズフレームに対して前記投影レンズが前記光軸方向の前方に配置される。
【0010】
上記の車両用灯具において、前記支持部材は、前記光源を支持する支持面を有するベース部と、前記集光レンズフレーム、前記遮光フレーム及び前記投影レンズフレームを固定する固定部とを有し、前記固定部は、前記支持面から突出している。
【0011】
上記の車両用灯具において、前記固定部は、前記集光レンズフレーム、前記遮光フレーム及び前記投影レンズフレームを固定する基準面となる端面が突出方向の先端に設けられ、前記端面は、前記光軸方向に直交するように形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光学部品を精度よく取り付けることが可能な車両用灯具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を示す分解斜視図である。
図2図2は、車両用灯具を前方から見た状態を示す図である。
図3図3は、図2におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
図4図4は、図2におけるB-B断面に沿った構成を示す図である。
図5図5は、車両用灯具の動作の一例を示す図である。
図6図6は、車両用灯具により路面に形成される照射パターンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0015】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具100の一例を示す分解斜視図である。図2は、車両用灯具100を前方から見た状態を示す図である。図3は、図2におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。図4は、図2におけるB-B断面に沿った構成を示す図である。図4は、固定部53に固定される部分を拡大して示している。図1から図4に示すように、車両用灯具100は、光源部10と、集光レンズ部材20と、遮光部材30と、投影レンズ部材40と、支持部材50とを備える。
【0016】
光源部10は、光源11及び基板12を有する。光源11は、例えばLED等の半導体型光源である。光源11は、光を出射する発光面11aを有する。発光面11aは、集光レンズ部材20の集光レンズ21に対向して配置される。光源11は、発光面11aから例えば橙色(アンバー)の光を出射する。光源11は、車両搭載状態における上下方向に並んだ状態で配置される。光源11は、例えば2つ配置される。なお、光源11の配置及び個数については、上記に限定されない。また、発光面11aから出射される光の色は、橙色に限定されず、例えば白色等の他の色であってもよい。
【0017】
基板12は、光源11が実装される。基板12は、光源11に信号を伝達する配線、回路等が形成される。基板12は、後述する支持部材50のベース部51に固定される。
【0018】
集光レンズ部材20は、集光レンズ21と、筒状部22と、集光レンズフレーム23とを有する。集光レンズ部材20は、集光レンズ21、筒状部22及び集光レンズフレーム23が一つの部材として形成される。集光レンズ部材20は、集光レンズ21を構成する材料を用いて全体が形成される。集光レンズ21は、光源11からの光を透過可能な材料を用いて形成される。このような材料としては、例えばポリカーボネート等の樹脂材料が挙げられるが、アクリル等の他の材料が用いられてもよい。この場合、集光レンズ21を構成する材料を用いて一体成型することで、集光レンズ部材20の全体を容易に形成することができる。なお、集光レンズ部材20は、集光レンズ21とは異なる部分、すなわち筒状部22及び集光レンズフレーム23のうちの少なくとも一部が集光レンズ21とは異なる材料を用いて形成されてもよい。
【0019】
集光レンズ21は、光源11から出射された光を集光する。集光レンズ21は、図3に示すように、第1入射面21aと、第2入射面21bと、反射面21cと、出射面21dとを有する。第1入射面21aは、光源11の前方に配置される。第1入射面21aは、光源11から前方に出射された光が入射する。
【0020】
第2入射面21bは、第1入射面21aの外周に沿って配置される。第2入射面21bは、光源11から光軸AXに対して傾いて出射された光が入射する。本実施形態において、光軸方向Dは、光軸AXに沿った方向である。本実施形態において、光軸方向Dは、前後方向に一致するものとする。
【0021】
反射面21cは、第2入射面21bから入射した光を内面反射する。
【0022】
出射面21dは、第1入射面21aから入射した光、及び第2入射面21bから入射して反射面21cで内面反射された光を前方に出射する。
【0023】
筒状部22は、集光レンズ21を保持する。筒状部22は、例えば円筒状である。筒状部22は、集光レンズ21と集光レンズフレーム23との間を接続する。筒状部22は、集光レンズフレーム23に対して後方(光源側)に突出するように設けられる。この構成により、集光レンズ21が集光レンズフレーム23に対して後方に配置された状態となる。
【0024】
集光レンズフレーム23は、筒状部22を介して集光レンズ21を保持する。集光レンズフレーム23は、平板状である。集光レンズフレーム23は、筒状部22から上下方向に突出する環状部25と、筒状部22から左右方向に突出する帯状部26とを有する。環状部25は、筒状部22の外周に沿って環状に設けられる。帯状部26は、筒状部22から左右方向に直線状に設けられる。帯状部26の左右方向の両側の角部は、丸みを帯びた形状となっている。帯状部26は、後述する支持部材50の固定部53の端面53cに支持される。帯状部26は、位置決め用開口部26a及び固定用開口部26bを有する。位置決め用開口部26aは、後述する支持部材50の位置決め用突出部53aが挿入される。固定用開口部26bは、後述する固定部材60が挿入される。帯状部26は、接触部26c、26dを有する。接触部26cは、位置決め用開口部26aの外周に沿って配置され、帯状部26から前方に突出する。接触部26dは、固定用開口部26bの外周に沿って配置され、帯状部26から前方に突出する。接触部26c、26dは、突出方向の先端面が平面状に形成される。集光レンズフレーム23は、接触部26c、26dにおいて遮光部材30に接触する。この構成により、帯状部26のうち接触部26c、26dの突出方向の高さ等の寸法を適切に規定することで、集光レンズフレーム23の位置精度を確保することができる。
【0025】
遮光部材30は、スリット形成部31及び遮光フレーム32を有する。遮光部材30は、スリット形成部31及び遮光フレーム32が一つの部材として平板状に形成される。遮光部材30は、光を遮光可能な材料を用いて全体が形成される。このような材料としては、例えば金属等の材料が挙げられるが、他の材料が用いられてもよい。
【0026】
スリット形成部31は、例えば円形状に設けられる。スリット形成部31は、スリット33を有する。スリット33は、集光レンズ21で集光された光の一部を通過させる。スリット33は、例えば上下方向に3つ並んだ状態で形成される。スリット33の数及び配置については上記に限定されない。
【0027】
遮光フレーム32は、スリット形成部31から左右方向に直線状に突出する。遮光フレーム32は、左右方向の両側の角部は、丸みを帯びた形状となっている。遮光フレーム32は、前側及び後側の両面が平面状である。遮光フレーム32は、集光レンズフレーム23の帯状部26の接触部26c、26dに支持される。遮光フレーム32は、接触部26c、26dに支持されることにより、遮光フレーム32は、位置決め用開口部32a及び固定用開口部32bを有する。位置決め用開口部32aは、後述する支持部材50の位置決め用突出部53aが挿入される。固定用開口部32bは、後述する固定部材60が挿入される。
【0028】
遮光部材30は、前方から見て、集光レンズ部材20の集光レンズ21及び集光レンズフレーム23を覆うように形成される。例えば、スリット形成部31は、集光レンズ21に対応する位置に配置され、集光レンズ21に対応する形状及び寸法に形成される。また、遮光フレーム32は、集光レンズフレーム23に対応する位置に配置され、集光レンズフレーム23に対応する形状及び寸法に形成される。本実施形態において、遮光部材30は、前方から見て集光レンズ部材20と外形が一致又はほぼ一致するように形成される。この構成により、集光レンズ21及び集光レンズフレーム23を通過した光を遮光部材30により遮光することが可能となる。
【0029】
投影レンズ部材40は、投影レンズ41と、筒状部42と、投影レンズフレーム43とを有する。投影レンズ41は、スリット33を通過した光を車両前方の路面に投影して照射パターンを形成する。投影レンズ部材40は、投影レンズ41、筒状部42及び投影レンズフレーム43が一つの部材として形成される。投影レンズ部材40は、光を透過する材料を用いて全体が形成される。投影レンズ41は、光源11からの光を透過可能な材料を用いて形成される。このような材料としては、例えばアクリル等の樹脂材料が挙げられるが、他の材料が用いられてもよい。この場合、投影レンズ41を構成する材料を用いて一体成型することで、投影レンズ部材40の全体を容易に形成することができる。投影レンズ部材40は、集光レンズ部材20とは異なる材料により全体が形成された構成であるが、集光レンズ部材20と同一の材料を用いて全体が形成されてもよい。なお、投影レンズ部材40は、投影レンズ41とは異なる部分、すなわち筒状部42及び投影レンズフレーム43のうちの少なくとも一部が投影レンズ41とは異なる材料を用いて形成されてもよい。
【0030】
投影レンズ41は、図3に示すように、入射面41aと、出射面41bとを有する。入射面41aは、スリット33を通過した光が入射する。出射面41bは、入射面41aから入射した光を前方に出射する。
【0031】
筒状部42は、投影レンズ41を保持する。筒状部42は、例えば円筒状である。筒状部42は、投影レンズ41と投影レンズフレーム43との間を接続する。筒状部42は、投影レンズフレーム43に対して前方に突出するように設けられる。この構成により、投影レンズ41が投影レンズフレーム43に対して前方に配置された状態となる。
【0032】
投影レンズフレーム43は、筒状部42を介して投影レンズ41を保持する。投影レンズフレーム43は、平板状である。投影レンズフレーム43は、筒状部42から上下方向に突出する環状部45と、筒状部42から左右方向に突出する帯状部46とを有する。環状部45は、筒状部42の外周に沿って環状に設けられる。帯状部46は、筒状部42から左右方向に直線状に設けられる。帯状部46の左右方向の両側の角部は、丸みを帯びた形状となっている。帯状部46は、位置決め用開口部46a及び固定用開口部46bを有する。位置決め用開口部46aは、後述する支持部材50の位置決め用突出部53aが挿入される。固定用開口部46bは、後述する固定部材60が挿入される。帯状部46は、接触部46c、46dを有する。接触部46cは、位置決め用開口部46aの外周に沿って配置され、帯状部46から後方に突出する。接触部46dは、固定用開口部46bの外周に沿って配置され、帯状部46から後方に突出する。接触部46c、46dは、突出方向の先端面が平面状に形成される。投影レンズフレーム43は、接触部46c、46dにおいて遮光部材30に接触する。この構成により、帯状部46のうち接触部46c、46dの突出方向の高さ等の寸法を適切に規定することで、投影レンズフレーム43の位置精度を確保することができる。
【0033】
支持部材50は、ベース部51と、フィン52と、固定部53とを有する。ベース部51は、平板状である。ベース部51は、光源部10を支持する支持面51aを有する。支持面51aは、ベース部51の前側の面であり、基板12を支持する。
【0034】
フィン52は、ベース部51から後方に突出する。フィン52は、複数設けられる。フィン52は、光源11において発生する熱を放出する。
【0035】
固定部53は、ベース部51の支持面51aから前方に突出している。固定部53は、集光レンズフレーム23、遮光フレーム32及び投影レンズフレーム43を固定する。固定部53は、位置決め用突出部53aと、固定用開口部53bとを有する。位置決め用突出部53a及び固定用開口部53bは、固定部53の前方の端面53cに設けられる。
【0036】
位置決め用突出部53aは、前方に突出し、集光レンズフレーム23の帯状部26に設けられる位置決め用開口部26a、遮光フレーム32に設けられる位置決め用開口部32a、投影レンズフレーム43の帯状部46に設けられる位置決め用開口部46aを前後方向に貫通する。固定用開口部53bは、後述する固定部材60が挿入される。
【0037】
端面53cは、例えば平面状に形成される。図4に示すように、端面53cは、光軸AXに垂直又はほぼ垂直となるように形成される。上記した集光レンズ部材20、遮光部材30及び投影レンズ部材40は、光軸方向Dに重なるように集光レンズ部材20が端面53cに支持される。つまり、端面53cは、集光レンズ部材20、遮光部材30及び投影レンズ部材40を支持する際の基準面となる。この基準面となる端面53cが光軸AXに垂直又はほぼ垂直となるように形成されるため、集光レンズ部材20、遮光部材30及び投影レンズ部材40を当該光軸AXに沿って適切に配置することができる。
【0038】
固定部材60は、集光レンズフレーム23、遮光フレーム32及び投影レンズフレーム43を固定部53に固定する。固定部材60は、例えばねじ等の締結部材が用いられる。固定部材60は、集光レンズフレーム23の帯状部26に設けられる固定用開口部26b、遮光フレーム32に設けられる固定用開口部32b、投影レンズフレーム43の帯状部46に設けられる固定用開口部46bを貫通して、固定部53の固定用開口部53bに挿入される。
【0039】
次に、上記のように構成された車両用灯具100の動作の一例を説明する。図5は、車両用灯具100の動作の一例を示す図である。運転者によって車両側の方向指示器の操作又はハザードスイッチの操作等、所定の操作が行われた場合、車両用灯具100は、当該操作に応じて、光源11の発光面11aから光を出射する。
【0040】
発光面11aから出射された光Lの一部は、集光レンズ21の第1入射面21a及び第2入射面21bに入射する。このうち、第1入射面21aに入射した光L1は、集光レンズ21の内部を進行して出射面21dから前方に出射される。第2入射面21bに入射した光L2は、反射面21cで前方に反射され、出射面21dから前方に出射される。また、発光面11aから出射された光Lの一部は、筒状部22又は集光レンズフレーム23に入射する。筒状部22又は集光レンズフレーム23に入射した光L3は、当該筒状部22及び集光レンズフレーム23を透過して前方に出射される。
【0041】
出射面21dから前方に出射された光L1、L2、筒状部22又は集光レンズフレーム23から前方に出射された光L3は、遮光部材30のスリット形成部31に到達する。スリット形成部31に到達した光L1、L2の一部は、遮光部材30のスリット33を通過し、残りは遮光部材30により遮光される。また、光L3は、遮光部材30の遮光フレーム32に到達し、当該遮光フレーム32により遮光される。本実施形態では、光軸方向Dから見て集光レンズ部材20及び遮光部材30の外形が重なるように設けられる。したがって、集光レンズ部材20において集光レンズ21以外の部分、つまり筒状部22又は集光レンズフレーム23から前方に出射された光L3が遮光部材30により遮光される。したがって、グレアの発生を防止できる。
【0042】
スリット33を通過した光L1、L2は、投影レンズ41の入射面41aに入射し、出射面41bから車両前方に出射される。図6は、車両用灯具100により路面に形成される照射パターンの一例を示す図である。図6に示すように、車両前方に出射された光L1、L2により、車両前方の路面上に照射パターンPが形成される。
【0043】
以上のように、本実施形態に係る車両用灯具100は、光源11と、光源11から出射された光を集光する集光レンズ21と集光レンズ21を保持する集光レンズフレーム23とが一つの部材として形成された集光レンズ部材20と、集光レンズ21で集光された光の一部を通過させるスリット33を有するスリット形成部31とスリット形成部31を保持する遮光フレーム32とが一つの部材として形成された遮光部材30と、スリット33を通過した光を路面に投影して照射パターンPを形成する投影レンズ41が形成された投影レンズ部材40と、光源11を支持する支持部材50とを備え、集光レンズ部材20、遮光部材30及び投影レンズ部材40は、集光レンズフレーム23及び遮光フレーム32が光軸方向Dに重なるように支持部材50に固定される。
【0044】
この構成によれば、集光レンズフレーム23及び遮光フレーム32が光軸方向Dに重なるように支持部材50に固定されるため、集光レンズ部材20、遮光部材30及び投影レンズ部材40の各光学部材を固定するために要する部品点数を少なくすることができる。固定に要する部品点数を少なくすることにより、各光学部材を精度よく取り付けることができる。
【0045】
本実施形態に係る車両用灯具100において、集光レンズ部材20は、全体が光を透過する材料を用いて形成され、遮光部材30は、前方から見て集光レンズ部材20の集光レンズ21及び集光レンズフレーム23を覆うように形成される。この構成によれば、光を透過するレンズ部分を構成する材料を用いて集光レンズ部材20の全体を形成することができる。このため、集光レンズ部材20を容易にかつ低コストで形成することができる。また、この構成において、光源11からの光が集光レンズ部材20の集光レンズ21以外の部分を透過しても、遮光部材30により遮光することができる。したがって、グレア光の発生を防止できる。
【0046】
本実施形態に係る車両用灯具100において、投影レンズ部材40は、投影レンズ41と当該投影レンズ41を保持する投影レンズフレーム43とが一つの部材として形成され、集光レンズ部材20、遮光部材30及び投影レンズ部材40は、集光レンズフレーム23、遮光フレーム32及び投影レンズフレーム43が光軸方向Dに重なるように支持部材50に固定される。この構成によれば、集光レンズフレーム23及び遮光フレーム32に加えて、投影レンズフレーム43についても光軸方向Dに重なるように支持部材50に固定されるため、各光学部材を精度よく取り付けることができる。
【0047】
本実施形態に係る車両用灯具100において、集光レンズ部材20は、集光レンズフレーム23に対して集光レンズ21が光軸方向の後方に配置され、投影レンズ部材40は、投影レンズフレーム43に対して投影レンズ41が光軸方向の前方に配置される。この構成によれば、集光レンズ21及び投影レンズ41を効率的に配置できる。
【0048】
本実施形態に係る車両用灯具100において、支持部材50は、光源11を支持する支持面51aを有するベース部51と、集光レンズフレーム23、遮光フレーム32及び投影レンズフレーム43を固定する固定部53とを有し、固定部53は、支持面51aから突出している。この構成によれば、支持部材50において集光レンズ21を配置するスペースを十分に確保することができる。
【0049】
本実施形態に係る車両用灯具100において、固定部53は、集光レンズフレーム23、遮光フレーム32及び投影レンズフレーム43を固定する基準面となる端面53cが突出方向の先端に設けられ、端面53cは、光軸AXに直交するように形成される。この構成によれば、集光レンズ部材20、遮光部材30及び投影レンズ部材40を当該光軸AXに沿って適切に配置することができる。
【0050】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、集光レンズ部材20の全体が光を透過する材料を用いて形成された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。集光レンズ部材20は、少なくとも集光レンズ21が光を透過する材料を用いて形成された構成であればよく、筒状部22及び集光レンズフレーム23については光を透過しない材料であってもよい。
【0051】
同様に、上記実施形態では、投影レンズ部材40の全体が光を透過する材料を用いて形成された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。投影レンズ部材40は、少なくとも投影レンズ41が光を透過する材料を用いて形成された構成であればよく、筒状部42及び投影レンズフレーム43については光を透過しない材料であってもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、集光レンズ部材20において集光レンズフレーム23に対して集光レンズ21が光軸方向の後方に配置され、投影レンズ部材40において投影レンズフレーム43に対して投影レンズ41が光軸方向の前方に配置される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、集光レンズフレーム23及び投影レンズフレーム43の厚さがそれぞれ集光レンズ21、投影レンズ41と同様の構成であってもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、支持部材50において、固定部53が支持面51aから突出している構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、集光レンズフレーム23が支持面51a側に突出した構成であってもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、車両用灯具100が車両Mの前部に配置される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。車両用灯具100は、車両Mの後部又は側部に配置される構成であり、車両Mの後方又は側方の路面に照射パターンを形成する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
AX…光軸、D…光軸方向、L,L1,L2,L3…光、M…車両、P…照射パターン、10…光源部、11…光源、11a…発光面、12…基板、20…集光レンズ部材、21…集光レンズ、21a…第1入射面、21b…第2入射面、21c…反射面、21d,41b…出射面、22,42…筒状部、23…集光レンズフレーム、25,45…環状部、26,46…帯状部、26a,32a,46a…位置決め用開口部、26b,32b,46b,53b…固定用開口部、26c,26d,46c,46d…接触部、30…遮光部材、31…スリット形成部、32…遮光フレーム、33…スリット、40…投影レンズ部材、41…投影レンズ、41a…入射面、43…投影レンズフレーム、50…支持部材、51…ベース部、51a…支持面、52…フィン、53…固定部、53a…位置決め用突出部、53c…端面、60…固定部材、100…車両用灯具
図1
図2
図3
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図5
図6