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特開2023-174211情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174211
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231130BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20231130BHJP
   H04M 3/56 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
H04M3/56 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086945
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】棟朝 洋樹
【テーマコード(参考)】
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K201BA15
5K201BB10
5K201CC01
5K201CC04
5K201CC08
5K201EA05
5K201EC06
5K201ED07
5K201EF10
5L049AA03
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】会議に対する騒音の影響を事前に予測可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】会議サーバー20は、会議予定情報取得部91と、オフィスレイアウト情報取得部92と、ユーザー位置情報取得部93と、音声履歴情報取得部94と、騒音情報作成部95とを有する。会議予定情報部91は、会議の予定に関する会議予定情報を取得する。オフィスレイアウト情報取得部92は、会議に参加するユーザーが会議において在席するオフィスのオフィスレイアウト情報を取得する。ユーザー位置情報取得部は、ユーザーの会議におけるユーザー位置情報を取得する。音声履歴情報取得部94は、音声履歴情報を取得する。騒音情報作成部95は、会議予定情報、オフィスレイアウト情報、ユーザー位置情報、及び音声履歴情報に基づいて、騒音情報を作成する。騒音情報は、ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議の予定に関する会議予定情報を取得する会議予定情報取得部と、
前記会議に参加するユーザーが前記会議において在席するオフィスのオフィスレイアウト情報を取得するオフィスレイアウト情報取得部と、
前記ユーザーの前記会議におけるユーザー位置情報を取得するユーザー位置情報取得部と、
音声履歴情報を取得する音声履歴情報取得部と、
前記会議予定情報、前記オフィスレイアウト情報、前記ユーザー位置情報、及び前記音声履歴情報に基づいて、騒音情報を作成する騒音情報作成部と、を備え、
前記騒音情報は、前記ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザーの勤怠情報を取得する勤怠情報取得部を備え、
前記騒音情報作成部は、前記勤怠情報に基づいて、前記会議において前記オフィスに実際に在席する前記ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報を含む前記騒音情報を作成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記騒音情報は、騒音の影響予測範囲を前記オフィスレイアウト情報に重ねて表示した騒音影響予測範囲描画データを含み、
前記ユーザーの使用するクライアント機器に、前記騒音影響予測範囲描画データを表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記会議における前記ユーザーの位置が、騒音の影響予測範囲内に含まれる場合には、前記会議の主催者の使用するクライアント機器と前記ユーザーの使用するクライアント機器の少なくとも一方に、前記ユーザーに対する騒音の影響を回避するための対応を提案するリコメンド情報を表示する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記リコメンド情報は、前記会議の行われる場所の変更、前記会議の行われる時間帯の変更、前記会議への遠隔地からの参加、のうち少なくとも1つを提案するものである、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
会議の予定に関する会議予定情報を取得する工程と、
前記会議に参加するユーザーが前記会議において在席するオフィスのオフィスレイアウト情報を取得する工程と、
前記ユーザーの前記会議におけるユーザー位置情報を取得する工程と、
音声履歴情報を取得する工程と、
前記会議予定情報、前記オフィスレイアウト情報、前記ユーザー位置情報、及び前記音声履歴情報に基づいて、騒音情報を作成する工程と、を備え、
前記騒音情報は、前記ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報を含む、情報処理方法。
【請求項7】
会議予定情報取得部と、オフィスレイアウト情報取得部と、ユーザー位置情報取得部と、音声履歴情報取得部と、騒音情報作成部とを有するサーバーと、
会議の予定に関する会議予定情報を含む情報を前記サーバーと通信可能なクライアント機器とを備え、
前記会議予定情報取得部は、前記会議予定情報を取得し、
前記オフィスレイアウト情報取得部は、前記会議に参加するユーザーが前記会議において在席するオフィスのオフィスレイアウト情報を取得し、
前記ユーザー位置情報取得部は、前記ユーザーの前記会議におけるユーザー位置情報を取得し、
前記音声履歴情報取得部は、音声履歴情報を取得し、
前記騒音情報作成部は、前記会議予定情報、前記オフィスレイアウト情報、前記ユーザー位置情報、及び前記音声履歴情報に基づいて、前記ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報を含む騒音情報を作成する、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、遠隔会議システムが開示されている。特許文献1の遠隔会議システムにおいては、遠隔地に設置された複数の会議端末をネットワークにより接続し、遠隔会議を行わせるようになっている。そして特許文献1においては、遠隔会議のための音響処理の制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-060460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の遠隔会議システムでは、会議の行われる会議室の音響特性に合わせた音響処理が行われるに過ぎない。したがって、別の会議によって発生する音声が、音響処理の対象となる会議へ騒音として影響を与えることに対しては対策が行われていない。
【0005】
特に遠隔会議においては防音対策が成された会議室で会議が行われるとは限らず、各ユーザーが日常の業務を行うオフィスの座席に在席したまま遠隔会議が行われることがある。したがって、会議を行うユーザーの近くに会議と無関係なユーザーが存在することもある。すると、会議と無関係なユーザーによる発話が会議に対して騒音となって会議に影響を及ぼすおそれがある。また、会議と無関係なユーザーに会議の内容が漏洩するおそれもある。
【0006】
会議に対して騒音となる発話が、近隣で散発的に行われる短時間の会話であれば、会議を行うユーザーが、会議と無関係な近隣のユーザーに、発話の音量を下げて欲しいと直接要望してもよい。しかしながら、騒音となる発話が、別の会議によるものである場合には、一方の会議のユーザーが、他方に対して発話の音量を下げて欲しいと一方的に要請することは難しい。なぜならば、複数の会議が近距離で行われる場合、各会議の発話が相互に影響を及ぼし合い、自身の会議における発話が相手の会議に影響を及ぼす可能性もあるからである。
【0007】
上記の問題点に鑑み、本開示は、会議に対する騒音の影響を事前に予測可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の局面によれば、情報処理装置は、会議予定情報取得部と、オフィスレイアウト情報取得部と、ユーザー位置情報取得部と、音声履歴情報取得部と、騒音情報作成部と、を備える。会議予定情報取得部は、会議の予定に関する会議予定情報を取得する。オフィスレイアウト情報取得部は、会議に参加するユーザーが会議において在席するオフィスのオフィスレイアウト情報を取得する。ユーザー位置情報取得部は、ユーザーの前記会議におけるユーザー位置情報を取得する。音声履歴情報取得部は、音声履歴情報を取得する。騒音情報作成部は、会議予定情報、オフィスレイアウト情報、ユーザー位置情報、及び音声履歴情報に基づいて、騒音情報を作成する。騒音情報は、ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報を含む。
【0009】
本開示の第2の局面によれば、情報処理方法は、会議の予定に関する会議予定情報を取得する工程と、会議に参加するユーザーが会議において在席するオフィスのオフィスレイアウト情報を取得する工程と、ユーザーの前記会議におけるユーザー位置情報を取得する工程と、音声履歴情報を取得する工程と、会議予定情報、オフィスレイアウト情報、ユーザー位置情報、及び音声履歴情報に基づいて、騒音情報を作成する工程と、を備える。騒音情報は、ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報を含む。
【0010】
本開示の第3の局面によれば、情報処理システムは、サーバーと、クライアント機器とを備える。サーバーは、会議予定情報取得部と、オフィスレイアウト情報取得部と、ユーザー位置情報取得部と、音声履歴情報取得部と、騒音情報作成部とを有する。クライアント機器は、会議の予定に関する会議予定情報を含む情報を前記サーバーと通信可能である。会議予定情報取得部は、会議の予定に関する会議予定情報を取得する。オフィスレイアウト情報取得部は、会議に参加するユーザーが会議において在席するオフィスのオフィスレイアウト情報を取得する。ユーザー位置情報取得部は、ユーザーの前記会議におけるユーザー位置情報を取得する。音声履歴情報取得部は、音声履歴情報を取得する。騒音情報作成部は、会議予定情報、オフィスレイアウト情報、ユーザー位置情報、及び音声履歴情報に基づいて、騒音情報を作成する。騒音情報は、ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報を含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムによれば、会議に対する騒音の影響を事前に予測可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態の一例に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】会議予定情報の一例を示す図である。
図3】オフィスレイアウトMAPの一例を示す図である。
図4】騒音影響予測範囲描画MAPの一例を示す図である。
図5】主催者ユーザーのクライアント機器に表示されるリコメンド情報の一例を示す図である。
図6】参加者ユーザーのクライアント機器に表示されるリコメンド情報の一例を示す図である。
図7】情報処理システムの動作の一例を示す第1フロー図である。
図8】情報処理システムの動作の一例を示す第2フロー図である。
図9】情報処理システムの動作の一例を示す第3フロー図である。
図10】参加者ユーザーのクライアント機器にリコメンド情報の埋め込まれた会議予約メールが届いた場合の動作の一例を示すフロー図である。
図11】騒音の影響予測範囲を算出する動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0014】
図1を参照して、実施形態の一例に係る情報処理システム10について説明する。図1は、情報処理システム10の構成を示すブロック図である。
【0015】
情報処理システム10は、例えば、会議を管理するために使用される。図1に示されているように、情報処理システム10は、ネットワーク網12と、会議サーバー20と、会議クライアントPC(主催者)30と、会議クライアントPC(参加者)40と、勤怠サーバー50と、メール・予定表サーバー60とを備える。
【0016】
会議サーバー20と、会議クライアントPC(主催者)30と、会議クライアントPC(参加者)40と、勤怠サーバー50と、メール・予定表サーバー60は、インターネット及び社内ネットワークなどによるネットワーク網12を介して互いに通信可能となっている。
【0017】
会議サーバー20は情報処理システム10において会議を管理するための情報処理を行う情報処理装置である。会議クライアントPC(主催者)30は、会議を主催する主催者ユーザーが使用するクライアント機器(例えばPC:Personal Computer)である。会議クライアントPC(参加者)40は、会議に参加する参加者ユーザーが使用するクライアント機器である。
【0018】
勤怠サーバー50は、主催者ユーザー及び参加者ユーザーの勤怠情報を管理する装置である。メール・予定表サーバー60は、主催者ユーザー及び参加者ユーザーのメールデータ及び予定表データを管理する装置である。
【0019】
図1の会議サーバー20は、通信部21と、ユーザー情報DB22(DB:Data Base)と、会議音声履歴DB25と、MAPデータ26と、会議予定DB27と、会議予定情報取得部91と、オフィスレイアウト情報取得部92と、ユーザー位置情報取得部93と、音声履歴情報取得部94と、騒音情報作成部95と、勤怠情報取得部96とを備える。
【0020】
会議サーバー20は、通信部21によってネットワーク網12へ接続され、他の装置との通信を行う。通信部21は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0021】
ユーザー情報DB22、会議音声履歴DB25、MAPデータ26、及び会議予定DB27は、会議サーバー20が有する記憶装置に記憶されるデータである。また、会議予定情報取得部91、オフィスレイアウト情報取得部92、ユーザー位置情報取得部93、音声履歴情報取得部94、騒音情報作成部95、及び勤怠情報取得部96は、会議サーバー20の記憶装置に記憶されるプログラムである。記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)のような半導体メモリーあるいはHDD(Hard Disk Drive)のようなストレージデバイスである。また記憶装置に記憶されたプログラムは、会議サーバー20が有するプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit)によって実行される。
【0022】
ユーザー情報DB22はユーザーに関するデータが格納されるデータベースである。ユーザー情報DB22に格納されるデータにはユーザーの位置情報22aとユーザーの音声情報22bが含まれる。ユーザーの位置情報22aは、ユーザーの位置を示す情報である。ユーザーの位置情報22aは例えば、オフィスにおけるどの部屋にユーザーが在席しているかを示す居室ID、及び部屋内のどの座席に着席しているかを示すユーザーの座席位置である。ユーザーの音声情報22bは、ユーザーの音声に関する情報である。ユーザーの音声情報22bは例えば、ユーザーの発話音量平均値、及びユーザーの発話が騒音として影響を及ぼす予測範囲値を示す騒音影響予測範囲値である。
【0023】
会議音声履歴DB25は、過去に行われた会議における各ユーザーの発話の音声に関する音声履歴情報が蓄積されたデータベースである。会議音声履歴DB25には例えば、ユーザーがどれだけの音量(例えばdB:デシベル単位のデータ)の音声でどれだけの時間発話したかのデータが、ユーザー別に記憶されている。
【0024】
MAPデータ26は、会議が行われるオフィスの状態を視覚的に表現するデータである。MAPデータ26には例えば、オフィスレイアウトMAP26aと、騒音影響予測範囲描画MAP26bが含まれる。オフィスレイアウトMAP26aは、会議が行われるオフィスにどのような什器及び備品がどのように配置されているかを示すオフィスレイアウト情報に、各ユーザーの位置を重畳して表示したデータである。オフィスレイアウトMAP26aは例えば、ユーザーの使用する机及び座席の配置を示す平面図データである。騒音影響予測範囲描画MAP26bは、各ユーザーによる発話がオフィス内でどの程度の範囲に影響を及ぼすかを示す騒音影響予測範囲描画データである。騒音影響予測範囲描画MAP26bは例えば、オフィスレイアウト情報を含むオフィスレイアウトMAP26aに各ユーザーによる騒音の影響予測範囲を示す騒音サークルを重畳して(重ねて)表示した描画データである。
【0025】
会議予定DB27は、オフィスにおいて行われる会議の予定に関する会議予定情報が蓄積されたデータベースである。会議予定DB27には例えば、会議の名前(会議名)、会議の主催者(主催者ユーザー)、会議の開始時刻、会議の終了時刻、会議の行われる場所、会議の参加者(参加者ユーザー)に関する情報が格納される。なお、会議予定DB27のデータは会議クライアントPC(主催者)30から入力される。
【0026】
会議予定情報取得部91は、会議予定DB27から会議の予定に関する会議予定情報を取得する処理を行うプログラムである。オフィスレイアウト情報取得部92は、会議が行われるオフィスのオフィスレイアウト情報を含むオフィスレイアウトMAPをMAPデータ26から取得する処理を行うプログラムである。ユーザー位置情報取得部93は、ユーザー情報DBから会議におけるユーザーの位置情報22aを取得する処理を行うプログラムである。音声履歴情報取得部94は、会議音声履歴DBから音声履歴情報を取得する処理を行うプログラムである。騒音情報作成部95は、会議予定情報、オフィスレイアウトMAP、ユーザーの位置情報22a、及び音声履歴情報に基づいて、騒音情報を作成するプログラムである。なお騒音情報は参加者ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報を含むものであり、例えば騒音影響予測範囲描画MAP26bを含む。勤怠情報取得部96は、ネットワーク網12を介して勤怠サーバー50から参加者ユーザーの勤怠情報を取得するプログラムである。
【0027】
図1の会議クライアントPC(主催者)30は、通信部31と、メールクライアントアプリ32と、会議クライアントアプリ33と、発話音量検出部34と、予定管理クライアントアプリ35と、Webブラウザ36を備える。
【0028】
会議クライアントPC(主催者)30は、通信部31によってネットワーク網12へ接続され、他の装置との通信を行う。通信部31は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0029】
発話音量検出部34は主催者ユーザーの発話音量を検出し、発話音量のデータを、ネットワーク網12を介して会議音声履歴DBへ送信する。発話音量検出部34は例えばPCに設けられた音声入出力端子である。音声入出力端子にはヘッドホン/マイク37が接続され、主催者ユーザーがヘッドホン/マイク37に対して発話を行うと、発話の音量が検出される。会議においては、発話の内容が他のユーザーに音声として伝わる。
【0030】
メールクライアントアプリ32、会議クライアントアプリ33、予定管理クライアントアプリ35、及びWebブラウザ36は、会議クライアントPC(主催者)30の記憶装置に記憶されるプログラムである。
【0031】
メールクライアントアプリ32は、ネットワーク網12を介して、主催者ユーザーのメールデータを会議クライアントPC(主催者)30とメール・予定表サーバー60との間で送受信するプログラムである。
【0032】
会議クライアントアプリ33は、ネットワーク網12を介して、主催者ユーザーが主催する会議の予定に関する会議予定情報を会議クライアントPC(主催者)30と会議サーバー20との間で送受信するプログラムである。
【0033】
予定管理クライアントアプリ35は、ネットワーク網12を介して、主催者ユーザーの予定を示す予定表データを会議クライアントPC(主催者)30とメール・予定表サーバー60との間で送受信するプログラムである。
【0034】
Webブラウザ36は、ウェブページデータをユーザーに対して表示し、表示されたウェブページに対するユーザーの操作を受け付けるプログラムである。ネットワーク網12を介した遠隔会議において、会議の映像、音声などの情報がWebブラウザ36を介してユーザーに提供される場合がある。また、メールクライアントアプリ32、会議クライアントアプリ33、及び予定管理クライアントアプリ35のユーザーインターフェースとして、Webブラウザ36が用いられる場合がある。さらに、例えば勤怠サーバー50に勤怠情報を記したウェブページデータが記憶されているならば、ユーザーはネットワーク網12を介して、勤怠サーバー50で管理されている勤怠情報を閲覧することができる。
【0035】
図1の会議クライアントPC(参加者)40は、会議クライアントPC(主催者)30と同様に、通信部41と、メールクライアントアプリ42と、会議クライアントアプリ43と、発話音量検出部44と、予定管理クライアントアプリ45と、Webブラウザ46を備える。また発話音量検出部44にはヘッドホン/マイク47が接続されている。
【0036】
会議クライアントPC(参加者)40の通信部41、メールクライアントアプリ42、発話音量検出部44、予定管理クライアントアプリ45、Webブラウザ46、及びヘッドホン/マイク47の機能は、それぞれ会議クライアントPC(主催者)30の通信部31、メールクライアントアプリ32、発話音量検出部34、予定管理クライアントアプリ35、及びヘッドホン/マイク37と同様である。
【0037】
会議クライアントPC(参加者)40の会議クライアントアプリ43は、ネットワーク網12を介して、参加者ユーザーが参加する会議の予定に関する会議予定情報を会議クライアントPC(参加者)40と会議サーバー20との間で送受信するプログラムである。ただし会議クライアントPC(主催者)30の会議クライアントアプリ33と、会議クライアントPC(参加者)40の会議クライアントアプリ43は同じプログラムであってもよい。ユーザーが会議を主催するか、会議に参加するかに応じてプログラムの動作が変化するようになっていればよい。
【0038】
図1の勤怠サーバー50は、通信部51と、勤怠情報格納部52とを備える。勤怠サーバー50は、通信部51によってネットワーク網12へ接続され、他の装置との通信を行う。通信部51は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0039】
勤怠情報格納部52は勤怠サーバー50が備える記憶装置に設けられた記憶領域の一部である。勤怠情報格納部52には各ユーザー(主催者ユーザー及び参加者ユーザー)の勤怠情報が記憶される。勤怠情報としては例えば、各ユーザーの過去・現在・未来の勤務状態が記録される。勤務状態としては例えば、オフィスの各営業日について出社・在宅勤務・休日などの履歴又は予定がユーザー毎に記録される。
【0040】
なお、勤怠情報格納部52に記憶される勤怠情報が外部から変更可能になっていてもよい。特に未来の勤務状態の予定については、各ユーザーが変更する(例えば出社を在宅勤務に変更する)ことが可能であると好ましい。例えば勤怠サーバー50にウェブページデータが記憶されており、会議クライアントPC(主催者)30のWebブラウザ36、又は会議クライアントPC(参加者)40のWebブラウザ46を介してユーザーが操作を行うことによって勤怠情報が変更可能になっているとよい。
【0041】
図1のメール・予定表サーバー60は、通信部61と、メールデータ格納部62と、予定表データ格納部63を備える。メール・予定表サーバー60は、通信部61によってネットワーク網12へ接続され、他の装置との通信を行う。通信部61は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0042】
メールデータ格納部62及び予定表データ格納部63はメール・予定表サーバー60が備える記憶装置に設けられた記憶領域の一部である。メールデータ格納部62には各ユーザー(主催者ユーザー及び参加者ユーザー)のメール(電子メール)のデータが格納される。予定表データ格納部63には各ユーザーの予定を示す予定表データが格納される。
【0043】
次に、図2図3、及び図4を参照して、会議予約が実行される際に会議に対する騒音の影響を事前に予測可能するために作成される騒音影響予測範囲描画MAP26bについて説明する。図2には、会議予定DB27に蓄積される会議予定情報の一例が示されている。図3には、「会議1」におけるオフィスレイアウトMAPの一例が示されている。図4には、「会議2」の参加者による「会議1」に対する騒音の影響を示す騒音影響予測範囲描画MAPの一例が示されている。
【0044】
図2の会議予定情報には、会議名、主催者、開始時刻、場所、終了時刻、及び参加者の情報が含まれる。なお図2において場所情報が「各自席」となっているデータは、会議が専用の会議室で行われるのではなく、参加者ユーザーが各自の座席から遠隔会議を行うことを意味する。なお、以下の実施形態においては、会議の参加者ユーザーは全員同じオフィスの同じ居室に在席しているものとする。
【0045】
図2に示されている会議予定情報では、会議名が「会議1」、「会議2」、「会議3」の3件の予約情報が記録されている。「会議1」の主催者ユーザーはユーザーNである。「会議1」の開始時刻は9:30、終了時刻は11:00、場所は「各自席」である。「会議1」の参加者はユーザーB、ユーザーC、ユーザーD、ユーザーE、ユーザーF、ユーザーG、ユーザーH、及びユーザーJの8人である。なお「会議1」の主催者ユーザーであるユーザーN自身は、「会議1」に参加しない(参加者ユーザーに含まれていない)。
【0046】
「会議2」の主催者ユーザーはユーザーAである。「会議2」の開始時刻は9:00、終了時刻は10:00、場所は「各自席」である。「会議2」の参加者はユーザーA、及びユーザーIの2人である。「会議3」の主催者ユーザーはユーザーPである。「会議3」の開始時刻は9:00、終了時刻は12:00、場所は「会議コーナーZ」である。「会議3」の参加者はユーザーP、ユーザーQ、ユーザーR、及びユーザーSの4人である。
【0047】
以下、「会議1」に対する騒音について考える。図2の「会議1」と「会議2」は、参加者ユーザーが異なるものの、会議の時間帯が一部(9:30から10:00の間)重複している。したがって、「会議2」の参加者ユーザーの発話が「会議1」に対して騒音となる可能性がある。同様に、「会議1」と「会議3」は、時間帯が9:30から11:00まで重複している。したがって、「会議3」の参加者ユーザーの発話が「会議1」に対して騒音となる可能性がある。
【0048】
図3は、「会議1」に参加するユーザーが「会議1」において在席するオフィス70のオフィスレイアウトMAPの一例を示す。図3はオフィス70の平面図である。図3は「会議1」に参加するユーザーB、ユーザーC、ユーザーD、ユーザーE、ユーザーF、ユーザーG、ユーザーH、及びユーザーJがそれぞれ各自の座席に在席している状態を示している。また図3のオフィス70には会議コーナーZが設けられており、「会議3」は会議コーナーZで行われる。
【0049】
次に図4は、「会議2」の参加者による「会議1」に対する騒音の影響を示す騒音影響予測範囲描画MAPの一例を示す。図4には「会議1」の参加者ではないユーザーA及びユーザーIがそれぞれの座席の位置に仮想線で示されている。そして、ユーザーAの発話による騒音が影響を及ぼすと予測される範囲が、騒音サークルA1(参加者ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報の一例)として示されている。同様に、ユーザーIの発話による騒音が影響を及ぼすと予測される範囲が、騒音サークルI1として示されている。
【0050】
騒音サークルI1内には「会議1」の参加者ユーザーの座席(位置)は含まれないため、ユーザーIの発話による騒音が「会議1」に影響を及ぼすことはない。しかし、騒音サークルA1内にはユーザーB及びユーザーEの座席が含まれるため、ユーザーAの発話による騒音が「会議1」に影響を及ぼすおそれがある。また、「会議2」の内容がユーザーB及びユーザーEに漏洩するおそれもある。
【0051】
また図4には会議コーナーZで行われる「会議3」による騒音が影響を及ぼすと予測される範囲(騒音の影響予測範囲)が、騒音サークルZ1として示されている。なお騒音サークルZ1は、会議コーナーZ全体として発生する騒音の影響範囲を示している。騒音サークルZ1は「会議3」に参加する各ユーザーの発話による音量情報及び会議コーナーZに設けられた機器(スピーカーなど)の音量情報などを考慮して設定される。騒音サークルZ1内にはユーザーG及びユーザーHの座席が含まれるため、会議コーナーZでの会議による騒音が「会議1」に影響を及ぼすおそれがある。また、会議コーナーZでの会議の内容がユーザーG及びユーザーHに漏洩するおそれもある。
【0052】
本実施形態の情報処理システム10においては、会議の予約が行われた際に、図4に示されているように、他の会議からの騒音の影響の有無が予測される。例えば、「会議2」と「会議3」が既に予約されている状態で、「会議1」が予約されると、「会議1」が「会議2」と「会議3」からの騒音を受けることが予測される。そして会議における参加者ユーザーの位置が、騒音の影響予測範囲内に含まれる場合(他の会議からの騒音の影響が予測される場合)には、会議の主催者ユーザーと参加者ユーザーの少なくとも一方に対し、騒音の影響を回避するための対応を提案するリコメンド情報が表示される。リコメンド情報は、会議の主催者ユーザーと参加者ユーザーの一方だけに対して表示されてもよいし、両方のユーザーに対して表示されてもよい。以下においては、主催者ユーザーの使用する会議クライアントPC(主催者)30と参加者ユーザーの使用する会議クライアントPC(参加者)40の両方にリコメンド情報が表示される場合について説明する。
【0053】
図5に、主催者ユーザーに対するリコメンド情報81が示されている。騒音の影響が予測される場合、主催者ユーザーが会議の予約を行った際に、会議クライアントPC(主催者)30における会議クライアントアプリ33のユーザーインターフェース上に、リコメンド情報81が表示される。
【0054】
リコメンド情報81は、同時間帯に行われる別の会議の会話音声による混信の影響(騒音の影響)及び情報漏洩のおそれを主催者ユーザーに対して提示する。そしてリコメンド情報81は、騒音の影響を回避するための対応として、時間帯の変更、在宅場所からの接続(遠隔地からの参加)、実会議室での開催(会議の行われる場所の変更)を提案している。なお、時間帯の変更、在宅場所からの接続、実会議室での開催の選択肢のうち、いずれかが行われれば会議に対する騒音の影響は解消されるので、リコメンド情報81は上記選択肢のうち少なくとも1つを提案するものであればよい。
【0055】
リコメンド情報81には、予約内容変更ボタン81a及び予約実行ボタン81bが含まれている。主催者ユーザーがリコメンド情報81を確認して騒音の影響を回避すべきと考えたならば、予約内容変更ボタン81aを押して会議の予約内容を変更すればよい。一方、主催者ユーザーが騒音の影響を回避する必要はないと考えたならば、予約実行ボタン81bを押してそのまま予約を実行すればよい。
【0056】
図6には、会議の参加者ユーザーに対するリコメンド情報82が示されている。主催者ユーザーが会議の予約を実行した後、会議の参加者ユーザーには会議の招待状が送付される。会議の招待状は例えば会議クライアントPC(参加者)40に電子メールによって送付される。騒音の影響が予測される場合、招待状の文面内に、リコメンド情報82が表示される。
【0057】
リコメンド情報82は、同時間帯に行われる別の会議の会話音声による混信の影響(騒音の影響)及び情報漏洩のおそれを参加者ユーザーに対して提示する。そしてリコメンド情報82は、騒音の影響を回避するための対応として、在宅場所からの接続(遠隔地からの参加)、実会議室からの接続(会議の行われる場所の変更)、日時変更の依頼(時間帯の変更)を提案している。
【0058】
リコメンド情報82には、オフィスMAP表示ボタン82a、在宅勤務申請ボタン82b、会議室予約ボタン82c、日時変更依頼ボタン82dが含まれている。他の会議からどのような影響を受けるかを参加者ユーザーが確認したい場合には、オフィスMAP表示ボタン82aを押すとよい。オフィスMAP表示ボタン82aが押されると、図4に示されているような騒音影響予測範囲描画MAPが参加者ユーザーに対して表示される。
【0059】
参加者ユーザーが在宅場所からの接続を希望する場合には、在宅勤務申請ボタン82bを押して、在宅勤務の申請を行うとよい。参加者ユーザーが実会議室からの接続を希望する場合には、会議室予約ボタン82cを押して、会議室の使用を予約するとよい。参加者ユーザーが日時変更の依頼を希望する場合には、日時変更依頼ボタン82dを押して、会議の日時変更を依頼するとよい。
【0060】
以上のように、本実施形態によれば、主催者ユーザーが会議の予約を行う際、及び参加者ユーザーが会議の招待状を受信した際に、事前に予測された、他の会議によって発生する騒音の影響が表示される。また、騒音の影響範囲をオフィスレイアウトMAPに重ねて表示した騒音影響予測範囲描画MAPがユーザーに対して表示されることで、騒音の影響が視覚的にわかりやすくなる。さらに騒音の影響が予測される場合には、騒音の影響を回避するための対応が提案される。したがって、実際に会議を行った際に他の会議から騒音の影響を受けることや、会議の内容が漏洩してしまうことが抑止される。
【0061】
次に、本実施形態の情報処理システム10の動作、すなわち情報処理方法の手順をフロー図を用いて説明する。
【0062】
図7は、情報処理システム10の動作の一例を示す第1フロー図である。まず会議を開催しようとする主催者ユーザーが、自身の使用する会議クライアントPC(主催者)30を起動し、会議クライアントアプリ33を用いて新規会議の予約を行う(ステップS11)。
【0063】
次に主催者ユーザーは、会議の開始時刻、終了時刻、参加者ユーザーなどの、会議予定情報を入力する(ステップS12)。なお、後述の会議予約変更処理が行われた場合(後述の処理で番号「4」へ進んだ場合)も、会議予定情報を入力するところから処理がやり直される。会議予定情報が入力されたら、ユーザー位置情報取得部93が、ユーザー情報DB22から参加者ユーザーの位置情報22aを取得する(ステップS13)。
【0064】
次にオフィスレイアウト情報取得部92が、MAPデータ26から、参加者ユーザーが会議において在席するオフィスに関するオフィスレイアウトMAP(オフィスレイアウト情報を含むデータ)を取得する(ステップS14)。参加者ユーザーが会議において在席するオフィスとは、会議の際に参加者ユーザーが在席している予定のオフィスである。例えば会議の場所が「各自席」であれば、参加者ユーザー各自の座席を含むオフィスが、参加者ユーザーが会議において在席するオフィスである。会議の場所が「会議コーナーZ」であれば、会議コーナーZを含むオフィスが、参加者ユーザーが会議において在席するオフィスである。
【0065】
そして、会議予定情報取得部91が会議予定DB27から、予約済みの会議予定情報を取得し、今回入力された会議予定情報と時間帯が重複する他の会議予定が存在するかどうかを判定する(ステップS15)。他の会議予定が存在しない場合(ステップS15-NO)は、そのまま予約して問題ないので、後述の第3フロー図に示す会議招待メール送信のステップに進む(番号「2」へ)。
【0066】
他の会議予定が存在する場合(ステップS15-YES)、ユーザー位置情報取得部93が、他の会議の参加者ユーザーの位置情報22aをユーザー情報DB22から取得する(ステップS16)。そして、他の会議の参加者ユーザーと、今回の会議の参加者ユーザーとが同じ部屋(居室)に在席しているか否かを判定する(ステップS17)。他の会議の参加者ユーザーと、今回の会議の参加者ユーザーとが別の居室であるならば(ステップS17-NO)、そのまま予約して問題ないので、後述の第3フロー図に示す会議招待メール送信のステップに進む(番号「2」へ)。他の会議の参加者ユーザーと、今回の会議の参加者ユーザーとが同じ居室であるならば(ステップS17-YES)、第2フロー図の処理に進む(番号「1」へ)。
【0067】
図8は、情報処理システム10の動作の一例を示す第2フロー図である。他の会議の参加者ユーザーと、今回の会議の参加者ユーザーとが同じ居室であった場合、オフィスレイアウトMAP26aに他の会議の参加者ユーザーの位置を重畳表示する(ステップS21)。
【0068】
次に、騒音情報作成部95が、ユーザー情報DB22から他の会議の参加者ユーザーの音声情報22bを取得する(ステップS22)。騒音情報作成部95は、オフィスレイアウトMAP26aに、他の会議の参加者ユーザーの音声情報22bを基に、騒音サークル(騒音影響予測範囲)を重畳表示する(ステップS23)。そして騒音情報作成部95は、騒音サークルが重畳表示された騒音影響予測範囲描画MAP26bを騒音情報を示す描画ファイルとして保存する(ステップS24)。その後、第3フロー図の処理に進む(番号「3」へ)。
【0069】
図9は、情報処理システムの動作の一例を示す第3フロー図である。騒音影響予測範囲描画MAP26bが作成された後、騒音サークル内に今回の参加者ユーザーの位置(座席)が含まれるかが判定される(ステップS31)。騒音サークル内に今回の参加者ユーザーの位置が含まれない(ステップS31-NO)のであれば、後述の会議招待メール送信のステップへ進む(番号「2」へ)。
【0070】
騒音サークル内に今回の参加者ユーザーの位置が含まれる(ステップS31-YES)場合は、勤怠情報取得部24が、勤怠サーバー50から騒音を受けるユーザー(騒音サークル内に含まれるユーザー)の勤怠情報を取得する(ステップS32)。
【0071】
そして、騒音を受けるユーザーが会議の時間帯に出社予定であるか否かが判定される(ステップS33)。騒音を受けるユーザーが出社予定ではない(例えば休日又は在宅勤務予定)である場合(ステップS33-NO)には、後述の会議招待メール送信のステップへ進む(番号「2」へ)。
【0072】
騒音を受けるユーザーが会議の時間帯に出社予定である(ステップS33-YES)場合には、主催者ユーザーの使用するクライアント機器である会議クライアントPC(主催者)30に主催者ユーザー用のリコメンド情報81が表示される(ステップS34)。
【0073】
リコメンド情報81が表示されたら、主催者ユーザーが予約内容の変更指示を行ったかどうかが判定される(ステップS35)。予約内容の変更指示があった場合(ステップS35-YES)には、会議予約の変更処理が行われる(ステップS36)。具体的には、会議予定情報入力のステップS14がやり直される(番号「4」へ進む)。ここで、会議予定情報入力のやり直しの際に、主催者ユーザーの入力の手間が最小限となるように、ステップS36において、それまでに入力された内容をステップS14へと引き継ぐ処理が行われてもよい。
【0074】
予約内容の変更指示がない場合(ステップS35-NO)には、参加者ユーザーに対する会議招待メールに、参加者ユーザー用のリコメンド情報82が埋め込まれる(ステップS37)。
【0075】
そして、参加者ユーザー用のリコメンド情報82が埋め込まれた会議招待メールが送信される(ステップS38)。なお、ここまでの処理において番号「2」へ進んでいた場合は、ステップS38でリコメンド情報82の埋め込まれていない会議招待メールを送信して会議予約の動作は終了となる。
【0076】
図10は、参加者ユーザーの使用するクライアント機器である会議クライアントPC(参加者)40にリコメンド情報82の埋め込まれた会議招待メールが届いた場合の動作の一例を示すフロー図である。
【0077】
まず参加者ユーザーのクライアント機器は、会議招待メールの受信処理を行う(ステップS41)。次に、会議招待メールの開封処理を行う(ステップS42)。そして、参加者ユーザーがオフィスMAP表示ボタン82aを押したかどうかが判定される(ステップS43)。
【0078】
参加者ユーザーがオフィスMAP表示ボタン82aを押した場合(ステップS43-YES)には、参加者ユーザーのクライアント機器の会議クライアントアプリ43が起動する(ステップS44)。会議クライアントアプリ43は、会議サーバー20から騒音影響予測範囲描画MAP(描画データ)を取得し、参加者ユーザーに対して表示する(ステップS45)。参加者ユーザーがオフィスMAP表示ボタン82aを押さなかった場合(ステップS43-NO)には、ステップS44及びステップS45はスキップされる。
【0079】
次に、リコメンド情報82を見た参加者ユーザーが、在宅勤務申請ボタン82bを押したかどうかが判定される(ステップS46)。在宅勤務申請ボタン82bが押された場合(ステップS46-YES)には、勤怠サーバー50が呼び出され(勤怠サーバー50へのアクセスが行われ)、会議時間帯の参加者の予定を在宅勤務に変更する処理が行われる(ステップS47)。在宅勤務申請ボタン82bが押されなかった場合(ステップS46-NO)には、ステップS47はスキップされる。
【0080】
次に、会議予約変更依頼処理が行われる(ステップS48)。会議予約変更依頼処理においては、参加者ユーザーが会議室予約ボタン82c又は日時変更依頼ボタン82dを押していた場合に、会議室の予約処理又は会議日時の変更依頼を行う処理が行われる。なお会議室予約ボタン82c及び日時変更依頼ボタン82dが押されていない場合には、会議予約変更依頼処理において処理は行われない。
【0081】
以上のようにして、主催者ユーザーと参加者ユーザーの少なくとも一方に対してリコメンド情報が表示される(それぞれが使用するクライアント機器にリコメンド情報が表示される)。なお騒音の影響が予想される場合に主催者ユーザーと参加者ユーザーの少なくとも一方に対して表示される騒音情報は、参加者ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報を含むものであればよい。騒音サークルを重畳表示した騒音影響予測範囲描画MAPや、会議の予定を変更することを促す表示は必ずしも表示されなくともよい。例えば、騒音情報として単に「他の会議から騒音の影響を受ける可能性があります」とだけ表示されてもよい。
【0082】
なお騒音情報に含まれる、参加者ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示す情報は、会議においてオフィスに実際に在席する参加者ユーザーと騒音の影響予測範囲との関係を示すものであればよい。すなわち、会議においてオフィスに実際に在席しないユーザー(例えば休日のユーザー、及び在宅勤務などにより遠隔地から参加しているユーザーなど)と騒音の影響予測範囲との関係については考慮する必要はない。会議においてオフィスに実際に在席しないユーザーは、勤怠情報から割り出すことができる。オフィスに実際に在席しないユーザーと騒音の影響予測範囲との関係について考慮しないようにすれば、会議が騒音の影響を受けると判定される割合が低減し、会議予約がスムーズに行われるようになる。
【0083】
次に、各ユーザーに関する騒音サークル(騒音影響予測範囲)の大きさをどのようにして算出するかを説明する。図11は、騒音の影響予測範囲を算出する動作の一例を示すフロー図である。
【0084】
まず会議が行われる際に、参加者ユーザーの会議クライアントPC(参加者)40に対するログインが行われる(ステップS51)。参加者ユーザーがログインしたら、会議が開始される(ステップS52)。会議中に、発話音量検出部44により、参加者ユーザーの発話音量情報が取得される(ステップS53)。そして発話音量情報が会議サーバー20に送信される。会議クライアントPC(参加者)40における処理はこれで終了となる。
【0085】
会議サーバー20は発話音量情報を受信すると共に、会議がどこで行われたかの場所情報を受信する(ステップS55)。受信された発話音量情報は、会議音声履歴DB25に音声履歴情報として格納される(ステップS56)。
【0086】
会議サーバー20の音声履歴情報取得部94は、会議音声履歴DB25から音声履歴情報を取得し、ユーザーごとに発話音量平均値を算出する(ステップS57)。そして発話音量平均値を基に、ユーザーの発話による騒音が影響を与えうる範囲を、騒音予測範囲として算出する(ステップS58)。以上により、各ユーザーに関する騒音の影響予測範囲を算出する動作は終了となる。
【0087】
なお、騒音影響予測範囲の形状は円形(騒音サークル)に限るものではない。ユーザーの向き、及び音の指向性を考慮して、楕円形や扇形の騒音影響予測範囲を算出してもよい。またユーザーの向き、及び音の指向性を考慮して、騒音影響予測範囲の中心をユーザーの座席からずらしてもよい。また発話音量平均値ではなく、発話音量の最大値を基に騒音影響予測範囲を算出してもよい。
【0088】
また、ユーザー単位でなく会議コーナー単位で発生する音声の音量情報が記録され、会議コーナー単位での騒音影響予測範囲の算出が行われてもよい。会議コーナー単位で発生する音声の音量情報には、各ユーザーの発話による音量情報だけでなく、会議コーナーに設けられた会議用の機器(他のオフィスとの通話用スピーカーなど)の発する音の音量情報が含まれてもよい。
【0089】
また、会議中に各ユーザーの在席する座席が予め指定されていない場合でも、会議中におけるユーザーの位置情報が特定可能であれば、ユーザーに対する騒音の影響の予測は可能である。例えば会議中の各ユーザーの座席をユーザー自身でユーザー情報DB22に入力させる、あるいは各座席に着座センサーを設けてユーザーの位置を検出する、などの方法で、会議中におけるユーザーの位置情報を特定することができる。
【0090】
また、上記の実施形態では説明のために、会議の参加者ユーザーは全員同じオフィスの同じ居室に在席しているものとしたが、遠隔会議システムにおいて、複数の参加者ユーザーがそれぞれ別々のオフィスに在席していてもよい。例えば遠く離れたオフィス同士で会議が行われる場合や、一部の参加者ユーザーが本来の勤務先とは異なるオフィスに赴いている場合などがある。複数のオフィス間で遠隔会議が行われる場合には、参加者ユーザー各自が会議において在席するそれぞれのオフィスのレイアウト情報が参照される。そして、それぞれのオフィスについて、時間帯が重複する他の会議から、参加者ユーザーが騒音の影響を受けるか否かが判定されるとよい。
【0091】
以上、図面を参照しながら本開示の実施形態を説明した。但し、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本開示は情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムを提供する。本開示は特に、参加者ユーザーがそれぞれの座席からネットワーク網を介して会議を行う遠隔会議システムに利用可能である。以上のように、本開示は産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0093】
10 情報処理システム
12 ネットワーク網
20 会議サーバー
21 通信部
22 ユーザー情報DB
22a 位置情報
22b 音声情報
25 会議音声履歴DB
26 MAPデータ
26a オフィスレイアウトMAP
26b 騒音影響予測範囲描画MAP
27 会議予定DB
30 会議クライアントPC(主催者)
31 通信部
32 メールクライアントアプリ
33 会議クライアントアプリ
34 発話音量検出部
35 予定管理クライアントアプリ
36 Webブラウザ
37 ヘッドホン/マイク
40 会議クライアントPC(参加者)
41 通信部
42 メールクライアントアプリ
43 会議クライアントアプリ
44 発話音量検出部
45 予定管理クライアントアプリ
46 Webブラウザ
47 ヘッドホン/マイク
50 勤怠サーバー
51 通信部
52 勤怠情報格納部
60 メール・予定表サーバー
61 通信部
62 メールデータ格納部
63 予定表データ格納部
70 オフィス
81 リコメンド情報
81a 予約内容変更ボタン
81b 予約実行ボタン
82 リコメンド情報
82a オフィスMAP表示ボタン
82b 在宅勤務申請ボタン
82c 会議室予約ボタン
82d 日時変更依頼ボタン
91 会議予定情報取得部
92 オフィスレイアウト情報取得部
93 ユーザー位置情報取得部
94 音声履歴情報取得部
95 騒音情報作成部
96 勤怠情報取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11