(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174212
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 15/14 20060101AFI20231130BHJP
F24C 15/02 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
F24C15/14 B
F24C15/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086946
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】宇野 正行
(72)【発明者】
【氏名】丸尾 和広
(57)【要約】
【課題】従来の加熱調理器よりつゆ受けが着脱しやすく、つゆ受けの強度も向上させることができる加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器100は、開口12を有する筐体10と、脚部20と、つゆ受け30とを備える。脚部20は、筐体10の底部14であって、開口12寄りの位置に設けられる。つゆ受け30は、脚部20に着脱可能である。つゆ受け30は、保持部50を有する。保持部50は、つゆ受け30の外面42から脚部20に向かって突出し、脚部20につゆ受け30を取付けて保持する。保持部50は、第1湾曲部51と、第2湾曲部52とを有する。第1湾曲部51は、突出方向から、突出方向よりも側方へ湾曲している。第2湾曲部52は、第1湾曲部51よりもつゆ受け30の外面42から距離をおいた位置に設けられ、第1湾曲部51と異なる方向に湾曲している。第1湾曲部51の曲率半径は、第2湾曲部52の曲率半径よりも小さい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する筐体と、
前記筐体の底部であって、前記開口寄りの位置に設けられる脚部と、
前記脚部に着脱可能なつゆ受けと
を備え、
前記つゆ受けは、前記つゆ受けの外面から前記脚部に向かって突出し、前記脚部に前記つゆ受けを取付けて保持する保持部を有し、
前記保持部は、
突出方向から、前記突出方向よりも側方へ湾曲している第1湾曲部と、
前記第1湾曲部よりも前記つゆ受けの前記外面から距離をおいた位置に設けられ、前記第1湾曲部と異なる方向に湾曲している第2湾曲部とを有し、
前記第1湾曲部の曲率半径は、前記第2湾曲部の曲率半径よりも小さい、加熱調理器。
【請求項2】
前記第1湾曲部は、前記つゆ受けの前記外面寄りに設けられる、請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記保持部は、
前記つゆ受けの前記外面と、前記第1湾曲部との間に設けられる第1線状部と、
前記第1湾曲部と、前記第2湾曲部との間に設けられる第2線状部とを有する、請求項1に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器内に留まった水が設置台にこぼれないように、つゆ受けを備える加熱調理器が知られている。特許文献1に記載された加熱調理器は、2つの前脚に装着される露受容器を備える。露受容器の両側には、露受容器を前脚に装着するための湾曲アーム部及びガイド部がそれぞれ設けられている。そして、露受容器を前脚に装着させる際、湾曲アームが弾性変形することによりガイド部と協働して前脚を挟み込む。その結果、露受容器が前脚に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1の加熱調理器の湾曲アーム部は、なだらかに湾曲している形状を有する。つまり湾曲の度合いが小さく、変形する度合いも小さい。このため、露受容器の着脱の際、湾曲アーム部に発生する応力を緩和させ、露受容器の着脱に要する力を低減することが難しい場合も無くはなかった。
【0005】
本発明の目的は、従来の加熱調理器よりつゆ受けが着脱しやすく、つゆ受けの強度も向上させる加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、加熱調理器は、開口を有する筐体と、脚部と、つゆ受けとを備える。前記脚部は、前記筐体の底部であって、前記開口寄りの位置に設けられる。前記つゆ受けは、前記脚部に着脱可能である。前記つゆ受けは、保持部を有する。前記保持部は、前記つゆ受けの外面から前記脚部に向かって突出し、前記脚部に前記つゆ受けを取付けて保持する。前記保持部は、第1湾曲部と、第2湾曲部とを有する。前記第1湾曲部は、突出方向から、前記突出方向よりも側方へ湾曲している。前記第2湾曲部は、前記第1湾曲部よりも前記つゆ受けの前記外面から距離をおいた位置に設けられ、前記第1湾曲部と異なる方向に湾曲している。前記第1湾曲部の曲率半径は、前記第2湾曲部の曲率半径よりも小さい。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る加熱調理器によれば、従来の加熱調理器よりつゆ受けが着脱しやすく、つゆ受けの強度も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る加熱調理器の斜視図である。
【
図2】
図1に示す加熱調理器のつゆ受けの一部と、脚部を後方から見た斜視図である。
【
図3】
図2に示すつゆ受けの保持部の平面図である。
【
図4】
図3に示す保持部が脚部に取り付けられる前の状態を、底面側から見た説明図である。
【
図5】
図4の保持部が脚部に取り付けられる際の動きを示す図である。
【
図6】
図5の保持部が脚部に取り付けられた状態を示す図である。
【
図7】
図2のつゆ受けが脚部に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して詳しい説明は繰り返さない。
【0010】
<実施形態>
まず、本実施形態に係る加熱調理器100の概要を説明する。
図1は、本実施形態に係る加熱調理器100の斜視図である。この図に示すように、加熱調理器100は、筐体10と、少なくとも一対の脚部20、20と、つゆ受け30とを備える。つゆ受け30は、保持部50を備える。保持部50により、つゆ受け30を一対の脚部20、20に対し着脱可能とし保持することができる。
【0011】
本実施形態の加熱調理器100は、後述するつゆ受け30の保持部50の形状を、従来のものと比して湾曲の度合いを大きくしている。これにより、つゆ受け30を脚部20に着脱する際、保持部50に生じる応力を緩和している。応力を緩和することにより、着脱に必要な力を低減し、つゆ受け30を容易に着脱することができ、保持部50の強度も向上させることができる。
【0012】
また、加熱調理器100は、マグネトロン(図示せず)を備えた電子レンジの形態であってもよい。マグネトロンは、被加熱物が収容される加熱室11にマイクロ波を供給する。マグネトロンは、マイクロ波発生装置の一例である。なお、本実施形態に係る加熱調理器100は、電子レンジとオーブンのいずれか一方、または両方の機能を備えてもよい。
【0013】
次に、各部材の詳細を説明する。
図1に例示する筐体10は、正面を開放した略直方体形状である。筐体10の内部には、加熱室11が設けられる。加熱室11は、正面に開口12を形成している。ユーザは、開口12を介して加熱室11内部に被加熱物を出し入れする。この開口12は、扉13により開閉される。扉13は、筐体10の下側の辺10aを水平軸として、この水平軸のまわりに回動可能に筐体10に取り付けられている。
【0014】
加熱調理器100はさらに、一対の脚部20、20を備える。一対の脚部20、20は、筐体10の底部14であって、開口12寄りの位置、つまり筐体10の下側前方にそれぞれ設けられる。脚部20の形状は、つゆ受け30が脚部20に取り付けられれば任意の形状でよく、本実施形態では柱状としている。なお、筐体10は、後方にもさらに一対の脚部を設け、前後左右に4つの脚部を備えてもよい。
【0015】
図2は、
図1に示す加熱調理器100のつゆ受け30の一部と、脚部20とを後方から見た斜視図である。この図に示すように、脚部20は、第1側面21と、第2側面22とを有する。第1側面21は、加熱調理器100の外側に面している。第2側面22は、加熱調理器100の内側に面している。
【0016】
第1側面21は、第1受止部24を有する。第1受止部24は、つゆ受け30の保持部50を受け止める部材である。一例として、第1受止部24は、断面視で概ねU字状の凹部である。第1受止部24の上部には第1溝壁24aが、下部には第2溝壁24bが形成されている。第1溝壁24a及び第2溝壁24bの形状は任意である。本実施形態では、第1溝壁24aを脚部20の後方に向かって下方向に傾斜するように形成している。第2溝壁24bは、水平方向に形成している。つまり、第1受止部24は、脚部20の後方に向かって先細りの形状を有する。
【0017】
第1受止部24はさらに、溝底面23と、突起部24cを有する。溝底面23は、第1溝壁24aと、第2溝壁24bとの間に設けられる。突起部24cは、溝底面23から第1側面21に向かって突出している。この突起部24cは、例えば、脚部20の前面寄りの位置に設けられる。
【0018】
また、第2側面22は第2受止部25を有する。第2受止部25は、後述するガイド部60を受ける部材である。第2受止部25は、ガイド部60を受けることができれば任意の形状でよく、本実施形態では、断面視で概ねU字状の凹部としている。
【0019】
加熱調理器100はさらに、つゆ受け30を備える。
図1に例示するつゆ受け30は、上部41を開放した有底形状である。つゆ受け30の材料は、任意の材料でよく、本実施形態では樹脂製としている。つゆ受け30を脚部20、20に取り付け、保持することにより、加熱室11内に生じた水を受けることができる。
【0020】
つゆ受け30は、水受け部40と、一対の保持部50、50とを有する。水受け部40は、筐体10の辺10aに沿った概ね直方体状である。水受け部40の上部41は、開放されている。つゆ受け30が脚部20、20に取り付けられた際、水受け部40は、扉13の下方に配置される。そして、加熱室11内に生じた水、例えば扉13の、開口12を覆う面から流れ落ちる水を受ける。
【0021】
次に一対の保持部50、50について説明する。一対の保持部50、50は、水受け部40の後ろ側の外面42、つまり脚部20と対向する面の両側にそれぞれ設けられる。但し、本実施形態の保持部50は、水受け部40の両側にそれぞれ設けられる態様に限定されない。どちらか一方に1つの保持部50を備え、他方は従来のものを使用してもよい。
【0022】
図2に例示するように、保持部50は、脚部20の第1受止部24に受け止められ、つゆ受け30を脚部20に保持させる部材である。外面42の脚部20に対応する部分には、凹部43が形成されている。保持部50は、凹部43において、外面42から脚部20に向かって突出している。
【0023】
保持部50の形状は、任意の形状でよく、本実施形態では概ね舌片状としている。保持部50の上面50aは、第1受止部24の第1溝壁24aに対応するように、保持部50の先端に向かって傾斜している。つまり、保持部50は、先端に向かって保持部50の幅が小さくなるように傾斜している。保持部50の底面50bは、第2溝壁24bに対応するように、水平方向に伸びている。
【0024】
また保持部50は、水受け部40と一体成形されている。但し、本実施形態の保持部50は、水受け部40と一体成形される態様に限定されず、別部材として作製されてもよい。
【0025】
次に、保持部50の具体例を説明する。
図3は、
図2に示すつゆ受け30の保持部50の平面図である。この図に示すように、保持部50は、第1湾曲部51と、第2湾曲部52とを有する。第1湾曲部51は、保持部50の突出方向から、前記突出方向よりも側方(
図3では右側)へ湾曲している。言い換えれば、保持部50を脚部20に取り付けた状態において、第1湾曲部51は脚部20から離れる方向に湾曲している。
【0026】
第2湾曲部52は、第1湾曲部51よりも外面42から距離をおいた位置に設けられる。この第2湾曲部52は、第1湾曲部51と異なる方向に湾曲している。ここで、「異なる方向」とは、第1湾曲部51が湾曲している方向と正反対の方向のみを意味するものではない。
【0027】
そして、第1湾曲部51の曲率半径は、第2湾曲部52の曲率半径よりも小さい。つまり、従来のものと比して第1湾曲部51の湾曲の度合いを大きくしている。
【0028】
したがって、つゆ受け30を脚部20に取り付ける際、従来のものより第1湾曲部51で応力を緩和させ、保持部50をたわみやすくすることができる。その結果、つゆ受け30の着脱の際に必要な力を低減でき、つゆ受け30の着脱を従来のものよりもさらに容易にしている。
【0029】
つゆ受け30はまた、脚部20に取り付けられ、保持されている間、加熱調理器100内の水を受け、水を溜めている。このため、つゆ受け30を取り外す際、大きい力が付加されると、つゆ受け30が大きく揺れ、中の水がこぼれる可能性も無くはない。これに対し、本実施形態の保持部50は、上述のようにつゆ受け30の着脱に要する力を低減している。その結果、つゆ受け30を取り外す際、水がこぼれにくく、利便性の向上を図っている。
【0030】
さらに、つゆ受け30を着脱する際に保持部50で発生する応力を緩和させることにより、保持部50の強度の向上を図り、かなりの回数の着脱の繰り返しにも耐えうることを可能としている。さらにまた、保持部50が摩耗しにくくなることも可能としている。
【0031】
ここで本実施形態において、第1湾曲部51は、外面42寄りの位置に設けられている。保持部50は、第1湾曲部51を起点として、つゆ受け30の着脱の際、側方にたわむようにしている。したがって、第1湾曲部51を外面42寄りの位置に形成することにより、保持部50を根元部分からたわませ、保持部50を側方に開きやすくしている。但し、本実施形態の保持部50は、外面42寄りの位置に形成する態様に限定されない。第1湾曲部51は、例えば、保持部50の先端部分寄りに形成してもよい。
【0032】
保持部50はさらに、立上り部53と、第1線状部54と、第2線状部55とを有する。立上り部53は、外面42から概ね垂直方向に突出している。第1線状部54は、立ち上り部53から連続し、立上り部53から概ね横方向に伸びている。言い換えれば、第1線状部54は、第1湾曲部51と、外面42との間に設けられる。ここで、本明細書において「線状部」とは、真っ直ぐに伸びた部分を指すだけでなく、若干曲がっている部分があってもよい。
【0033】
第2線状部55は、第1湾曲部51と、第2湾曲部52との間に設けられる。第2線状部55は、前後方向で第1線状部54から離れる方向に向かって伸びている。そして、第2線状部55は第2湾曲部52に連続している。但し、本実施形態の保持部50において、第1線状部54及び第2線状部55が伸びる方向、傾き、長さ等は、取り付ける脚部20の第1受止部24の形状に応じて適宜変更可能である。
【0034】
このように、第1線状部54及び第2線状部55を設けることにより、第1湾曲部51をより側方で湾曲させ、たわむ部分を大きくしている。その結果、つゆ受け30を容易に着脱することを可能としている。
【0035】
また、第2湾曲部52は、第2-1湾曲部52aと、第3線状部52bと、第4線状部52cと、第5線状部52dとを有する。第2-1湾曲部52aは、第2線状部55から連続しており、内側(
図3では左方向)に湾曲している。第3線状部52bは、第2-1湾曲部52aから連続している。
【0036】
第4線状部52cは、第3線状部52bから連続している。後述するが、この第4線状部52cの内側の面52ca(
図3では左側)が脚部20の第1受止部24と接触し、つゆ受け30を脚部20に保持する。第5線状部52dは、第4線状部52cから連続している。そして、第5線状部52dは、第4線状部52cが伸びる方向よりも外側(
図3では右側)の方向に角度を変えて伸びている。
【0037】
これら第2-1湾曲部52a、第3線状部52b、第4線状部52c及び第5線状部52dにより、第1湾曲部51より曲率半径の大きい第2湾曲部52を形成している。但し、第2湾曲部52は、上記態様に限定されない。保持部50が取り付けられる脚部20の第1受止部24の形状に応じて、第2湾曲部52の形状を適宜変更してもよい。例えば、第1受止部24の形状に応じて、第3線状部52b及び第4線状部52cの長さを変更してもよいし、第3線状部52bを省略してもよい。
【0038】
つゆ受け30はまた、
図2に例示するように、ガイド部60を備えてもよい。本実施形態では、一対のガイド部60、60を、一対の保持部50、50と対向する位置にそれぞれ設けている。各ガイド部60は、水受け部40の凹部43において、外面42から脚部20に向かって突出している。そして、脚部20の第2受止部25に受け止められる。
【0039】
第2受止部25が、ガイド部60を受ける際、第2受止部25とガイド部60は密着せず、スペースを設けてもよいし、設けなくてもよい。本実施形態では、ガイド部60が、第2受止部25の内側に密着して収納されていない。ガイド部60と、第2受止部25との間には若干のスペースが形成されている。
【0040】
ガイド部60を設けることにより、保持部50を脚部20に取り付ける際、ガイド部60に案内されながら取り付けることができる。このため、つゆ受け30の取付けをスムーズに行うことができる。また、ガイド部60により、つゆ受け30が左右方向に強く押されたときは、振動を防止することもできる。
【0041】
次に、
図4~
図7を参照してつゆ受け30を脚部20に取り付ける方法を説明する。
図4は、
図3に示す保持部50が脚部20に取り付けられる前の状態を、底面側から見た説明図である。
図5は、
図4の保持部50が脚部20に取り付けられる際の動きを示す図である。
図6は、
図5の保持部50が脚部20に取り付けられた状態を示す図である。
図7は、
図2のつゆ受け30が脚部20に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【0042】
図4に例示するように、つゆ受け30が脚部20に取り付けられていないとき、保持部50は、概ね垂直方向に突出している。この状態で、つゆ受け30を脚部20に近づける。そして
図5に例示するように、つゆ受け30の保持部50を、脚部20の第1受止部24に装着していく。具体的には、
図2の第1溝壁24aに保持部50の上面50aを対向させる。一方で、第2溝壁24bに保持部50の底面50bを接触させる。
【0043】
その後、第1溝壁24a及び第2溝壁24bに沿って保持部50を脚部20の奥に向かって移動させる。そして
図5の保持部50は、
図4に示す状態から第1湾曲部51によってたわんで変形し、側方、つまり
図5の矢印の方向に移動する。保持部50が移動する距離は、適宜設定可能である。本実施形態では、2mm程度としている。
【0044】
ここで、上述したように、第1湾曲部51の湾曲の度合いが大きい形状により、保持部50に発生する応力を緩和することができる。すると、保持部50の取り付けに必要な力も低減される。その結果、保持部50を簡単に脚部20に取り付けることができる。例えば、
図5に例示するような保持部50の変形に要する力は、従来のものより半分程度に低減することも可能である。
【0045】
また、保持部50が変形し、側方に移動することにより、保持部50の先端部分、例えば、第5線状部52d、第4線状部52c及び第3線状部52bが突起部24cを避けてスムーズに通過することができる。
【0046】
その後、保持部50が奥に行けば行くほど、第1溝壁24aと、保持部50の上面50aとの隙間がなくなっていく。最終的には保持部50が第1溝壁24a及び第2溝壁24bに挟まれて、第1受止部24に固定され、
図6及び
図7に示すような状態となる。
【0047】
図6に例示するように、保持部50の先端部分が突起部24cを通過した後、突起部24cは、例えば、第2湾曲部52の第3線状部52bから第1湾曲部51にかけての保持部50の内部空間に収容される。このとき、突起部24cは、保持部50の内部形状に沿ってぴったりと収まる必要はない。つまり、突起部24cには、保持部50における特定の部分が接していれば足りる。本実施形態では、突起部24cと保持部50の内面との間にはある程度のスペースが形成されている。
【0048】
また、保持部50の先端部分が突起部24cを通過した後、第4線状部52cの内側の面52caは、溝底面23と接触する。そして
図6及び
図7に例示するように、第4線状部52cが脚部20を抱きかかえるようにして、つゆ受け30を脚部20に保持している。
【0049】
一方、つゆ受け30を脚部20から取り外すには、
図6及び
図7の状態からつゆ受け30を取り付ける方向と逆の方向に引っ張るだけでよい。この場合も第1湾曲部51が上述のようにたわむため、取り外しがしやすくなる。
【0050】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、加熱調理器を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0052】
10 筐体
12 開口
14 底部
20 脚部
30 つゆ受け
42 外面
50 保持部
51 第1湾曲部
52 第2湾曲部
54 第1線状部
55 第2線状部
100 加熱調理器