(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174214
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/48 20060101AFI20231130BHJP
H01L 23/28 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H01L23/48 H
H01L23/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086950
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】大森 謙伍
【テーマコード(参考)】
4M109
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109BA01
(57)【要約】
【課題】内部インダクタンスの低減を図った半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置A1は、素子主面2aを有するスイッチング素子2と、複数のリード1と、複数の接合層3と、封止樹脂4と、を備える。スイッチング素子2は、各々が素子主面2aに形成された第1電極21、第2電極22および第3電極23を有する。複数のリード1は、第1リード11、第2リード12および第3リード13を含む。複数の接合層3は、第1リード11と第1電極21とを接合する第1接合層31、第2リード12と第2電極21とを接合する第2接合層32、および、第3リード13と第3電極23とを接合する第3接合層33を含む。封止樹脂4は、素子主面2aと同じ方向を向く樹脂第1面41を有する。第1リード11、第2リード12および第3リード13はそれぞれ、樹脂第1面41において露出する第1端子部113、第2端子部123、第3端子部133を含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向の一方を向く素子主面を有するスイッチング素子と、
互いに離間し、各々が前記厚さ方向において前記素子主面に対向する複数のリードと、
各々が前記スイッチング素子と前記複数のリードとの間に個別に介在する複数の接合層と、
前記複数のリードの一部ずつを露出させつつ、前記スイッチング素子および前記複数の接合層の各々を覆う封止樹脂と、
を備え、
前記スイッチング素子は、各々が前記素子主面に形成された第1電極、第2電極および第3電極を有し、
前記複数のリードは、前記第1電極に導通する第1リード、前記第2電極に導通する第2リード、および、前記第3電極に導通する第3リードを含み、
前記複数の接合層は、前記第1リードと前記第1電極とを接合する少なくとも1つの第1接合層、前記第2リードと前記第2電極とを接合する少なくとも1つの第2接合層、および、前記第3リードと前記第3電極とを接合する少なくとも1つの第3接合層を含み、
前記封止樹脂は、前記素子主面と同じ方向を向く樹脂第1面を有し、
前記第1リードは、前記樹脂第1面において露出する第1端子部を含み、
前記第2リードは、前記樹脂第1面において露出する第2端子部を含み、
前記第3リードは、前記樹脂第1面において露出する第3端子部を含む、半導体装置。
【請求項2】
前記第1電極は、前記素子主面において互いに離間する複数の第1パッド部を含み、
前記第2電極は、前記素子主面において互いに離間する複数の第2パッド部を含み、
前記複数の第1パッド部と前記複数の第2パッド部とは、前記厚さ方向に直交する第1方向において、交互に配列される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の第1パッド部の各々および前記複数の第2パッド部の各々は、前記厚さ方向に見て、前記厚さ方向および前記第1方向に直交する第2方向に延びる帯状である、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第3電極は、前記素子主面において複数の第1パッド部および複数の第2パッド部から離間する第3パッド部を含み、
前記第3パッド部は、前記複数の第1パッド部および前記複数の第2パッド部のうちの前記第1方向の少なくとも一方側において最も外側に配置されたものに対して、前記第2方向の一方側に位置する、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1リードは、前記厚さ方向に見て前記第2方向に延びる複数の第1帯状部を有し、
前記少なくとも1つの第1接合層は、複数の第1接合層を含み、
前記複数の第1帯状部は、前記複数の第1接合層により、前記複数の第1パッド部にそれぞれ個別に接合される、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記複数の第1帯状部の各々は、前記厚さ方向の両側において前記封止樹脂に覆われている、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2リードは、前記厚さ方向に見て前記第2方向に延びる複数の第2帯状部を有し、
前記少なくとも1つの第2接合層は、複数の第2接合層を含み、
前記複数の第2帯状部は、前記複数の第2接合層により、前記複数の第2パッド部にそれぞれ個別に接合される、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記複数の第2帯状部の各々は、前記厚さ方向の両側において前記封止樹脂に覆われている、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記スイッチング素子は、素子本体を含み、
前記封止樹脂は、前記厚さ方向において前記樹脂第1面と反対側を向く樹脂第2面と、前記樹脂第2面に形成された開口と、を有し、
前記素子本体は、前記開口から露出する、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記素子本体は、基板と、前記厚さ方向において前記基板に対して前記素子主面側に位置し、かつ前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に導通する半導体層と、を有し、
前記基板は、前記厚さ方向において、前記樹脂第2面と同じ方向を向く基面を有し、
前記基面は、前記開口から露出する、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記基面は、前記樹脂第2面と面一である、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記基面は、前記厚さ方向において、前記樹脂第2面に対して前記樹脂第1面から遠ざかる側に位置する、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記基面は、前記厚さ方向において、前記樹脂第2面に対して前記樹脂第1面に近づく側に位置する、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記スイッチング素子は、窒化物半導体を含む、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1電極は、ドレインであり、
前記第2電極は、ソースであり、
前記第3電極は、ゲートである、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記スイッチング素子の素子耐圧は、200V以下である、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記複数の接合層の各々は、はんだ、Ag、CuまたはAuのいずれかを含む、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの半導体素子を備える半導体装置が知られている。たとえば、特許文献1には、従来の半導体装置が開示されている。特許文献1に記載の半導体装置は、複数のリードと、半導体素子と、複数のワイヤと、を備える。複数のリードは、半導体素子を支持するとともに、半導体素子と導通している。半導体素子は、トランジスタである。半導体素子は、複数のリードのいずれかに搭載される。複数のワイヤはそれぞれ、半導体素子と複数のリードのいずれかとに接合される。このような構成では、半導体素子は、ワイヤを介して、複数のリードのいずれかに導通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体素子のスイッチング時にサージ電圧が発生することがある。発生したサージ電圧が半導体素子の耐電圧を超えると、半導体素子が劣化し破損に至るおそれがある。サージ電圧は、半導体装置の内部インダクタンスが大きいほど大きくなるため、サージ電圧の低減には、半導体装置の内部インダクタンスを低減させることが望ましい。特許文献1に記載の半導体装置においては、内部インダクタンスを低減する上で、未だ改善の余地があった。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、内部インダクタンスの低減を図った半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によって提供される半導体装置は、厚さ方向の一方を向く素子主面を有するスイッチング素子と、互いに離間し、各々が前記厚さ方向において前記素子主面に対向する複数のリードと、各々が前記スイッチング素子と前記複数のリードとの間に個別に介在する複数の接合層と、前記複数のリードの一部ずつを露出させつつ、前記スイッチング素子および前記複数の接合層の各々を覆う封止樹脂と、を備え、前記スイッチング素子は、各々が前記素子主面に形成された第1電極、第2電極および第3電極を有し、前記複数のリードは、前記第1電極に導通する第1リード、前記第2電極に導通する第2リード、および、前記第3電極に導通する第3リードを含み、前記複数の接合層は、前記第1リードと前記第1電極とを接合する少なくとも1つの第1接合層、前記第2リードと前記第2電極とを接合する少なくとも1つの第2接合層、および、前記第3リードと前記第3電極とを接合する少なくとも1つの第3接合層を含み、前記封止樹脂は、前記素子主面と同じ方向を向く樹脂第1面を有し、前記第1リードは、前記樹脂第1面において露出する第1端子部を含み、前記第2リードは、前記樹脂第1面において露出する第2端子部を含み、前記第3リードは、前記樹脂第1面において露出する第3端子部を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の半導体装置によれば、内部インダクタンスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかる半導体装置を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の平面図において、封止樹脂を想像線で示した図である。
【
図3】
図3は、
図2の平面図において、半導体素子を想像線で示した図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態にかかる半導体装置を示す底面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態にかかる半導体装置を示す正面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態にかかる半導体装置を示す背面図である。
【
図8】
図8は、
図2のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態にかかる半導体装置を示す平面図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態にかかる半導体装置を示す断面図であって、
図8の断面に対応する。
【
図14】
図14は、第2実施形態の第1変形例にかかる半導体装置を示す断面図であって、
図8の断面に対応する。
【
図15】
図15は、第2実施形態の第2変形例にかかる半導体装置を示す平面図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態の第2変形例にかかる半導体装置を示す断面図であって、
図8の断面に対応する。
【
図17】
図17は、第2実施形態の第3変形例にかかる半導体装置を示す断面図であって、
図8の断面に対応する。
【
図18】
図18は、第3実施形態にかかる半導体装置を示す平面図であって、封止樹脂を想像線で示した図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態にかかる半導体装置を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の半導体装置の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。以下では、同一あるいは類似の構成要素に、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0010】
本開示において、「ある物Aがある物Bに形成されている」および「ある物Aがある物B(の)上に形成されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接形成されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに形成されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物Bに配置されている」および「ある物Aがある物B(の)上に配置されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接配置されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに配置されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物B(の)上に位置している」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに接して、ある物Aがある物B(の)上に位置していること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物が介在しつつ、ある物Aがある物B(の)上に位置していること」を含む。また、「ある方向に見てある物Aがある物Bに重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bのすべてに重なること」、および、「ある物Aがある物Bの一部に重なること」を含む。また、「ある物A(の材料)がある材料Cを含む」とは、「ある物A(の材料)がある材料Cからなる場合」、および、「ある物A(の材料)の主成分がある材料Cである場合」を含む。
【0011】
図1~
図11は、第1実施形態にかかる半導体装置A1を示している。半導体装置A1は、複数のリード1、スイッチング素子2、複数の接合層3および封止樹脂4を備える。半導体装置A1は、表面実装型の電子部品である。図示された例では、半導体装置A1は、ノンリード型のパッケージ構造(たとえばDFN:Dual Flatpack No-leaded型)であり、平面視において、封止樹脂4から複数のリード1のいずれも突き出ていない。この例とは異なり、複数のリード1がガルウィング状に突き出たパッケージ構造(たとえばSOP:Small Outline Package型)であってもよいし、BGA(Ball Grid Array)、あるいは、LGA(Land Grid Array)などのパッケージ構造であってもよい。本開示の半導体装置のパッケージ構造は、技術的な矛盾が生じない範囲において、何ら限定されない。
【0012】
説明の便宜上、半導体装置A1の厚さ方向を「厚さ方向z」という。以下の説明では、厚さ方向zの一方側をz1側、他方側をz2側ということがある。また、厚さ方向zの一方を上方といい、他方を下方ということがある。なお、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「上面」および「下面」などの記載は、厚さ方向zにおける各部品等の相対的位置関係を示すものであり、必ずしも重力方向との関係を規定する用語ではない。また、「平面視」とは、厚さ方向zに見たときをいう。厚さ方向zに対して直交する方向を「第1方向x」という。厚さ方向zおよび第1方向xに直交する方向を「第2方向y」という。以下の説明では、第1方向xの一方側をx1側、他方側のx2側といい、第2方向yの一方側をy1側、他方側をy2側ということがある。
【0013】
複数のリード1は、
図1~
図11に示すように、スイッチング素子2を支持するとともに、半導体装置A1を、電子機器などの回路基板に実装するための端子をなしている。
図1~
図11に示すように、複数のリード1の各々の一部ずつは、封止樹脂4に覆われている。複数のリード1は、厚さ方向zにおいて、スイッチング素子2よりもz2側に位置する。複数のリード1は、単一のリードフレームから形成される。当該リードフレームは、たとえば、銅(Cu)または銅合金を含む。複数のリード1の各厚さ(厚さ方向zの寸法)は、たとえば0.15mm以上0.25mm以下である。この厚さとは、各リード1において、厚さ方向zにおいて最も大きい部位(後述の第1端子部113、第2端子部123、第3端子部133)の寸法である。複数のリード1は、第1リード11、第2リード12および第3リード13を含む。
【0014】
第1リード11は、
図3、
図4、
図7、
図8、
図10および
図11に示すように、第1基部111、複数の第1帯状部112および複数の第1端子部113を含む。
【0015】
第1基部111は、
図3に示すように、平面視において、第1方向xを長手方向とする矩形状である。第1基部111は、
図2および
図3に示すように、平面視において、スイッチング素子2に重なりつつ、スイッチング素子2から第2方向yのy1側に突き出ている。第1基部111は、封止樹脂4に覆われている。
【0016】
複数の第1帯状部112の各々は、第1基部111から第2方向yのy2側に延出する。複数の第1帯状部112の各々は、平面視において、第2方向yを長手方向とする。複数の第1帯状部112は、間隔を空けて、第1方向xに並んで配置される。複数の第1帯状部112のうち、第1方向xの両側において、最も外側に位置する2つは、その他のものよりも、第2方向yの寸法が短い。複数の第1帯状部112の各々は、平面視において、スイッチング素子2に重なる。
図8および
図11に示すように、複数の第1帯状部112の各々は、封止樹脂4に覆われている。
【0017】
複数の第1端子部113の各々は、第1基部111よりも肉厚の部位であり厚さ方向zにおいて、第1基部111よりも厚さ方向zのz2側に突き出る。図示された例では、複数の第1端子部113の各々の一部は、平面視において、第1基部111よりも第2方向yのy1側に突き出る。複数の第1端子部113の各々の一部は、封止樹脂4から露出する。本実施形態では、複数の第1端子部113は、封止樹脂4の下面(後述の樹脂第1面41)および封止樹脂4の第2方向yのy1側の側面(後述の一対の樹脂第4面44の一方)から露出する。
【0018】
第2リード12は、
図3、
図4および
図8~
図10に示すように、第2基部121、複数の第2帯状部122および複数の第2端子部123を含む。
【0019】
第2基部121は、
図3に示すように、平面視において、第1方向xを長手方向とする矩形状である。第2基部121は、
図2および
図3に示すように、平面視において、スイッチング素子2に重なりつつ、スイッチング素子2から第2方向yのy2側に突き出ている。第2基部121は、封止樹脂4に覆われている。
【0020】
複数の第2帯状部122の各々は、第2基部121から第2方向yのy1側に延出する。複数の第2帯状部122の各々は、平面視において、第2方向yを長手方向とする。複数の第2帯状部122は、間隔を空けて、第1方向xに並んで配置される。
図3に示すように、複数の第1帯状部112と複数の第2帯状部122とは、第1方向xに交互に配置される。複数の第2帯状部122の各々は、平面視において、スイッチング素子2に重なる。
図8および
図10に示すように、複数の第2帯状部122の各々は、封止樹脂4に覆われている。
【0021】
複数の第2端子部123の各々は、第2基部121よりも肉厚の部位であり、厚さ方向zにおいて、第2基部121よりも厚さ方向zのz2側に突き出る。図示された例では、複数の第2端子部123の各々の一部は、平面視において、第2基部121よりも第2方向yのy2側に突き出る。複数の第2端子部123の各々の一部は、封止樹脂4から露出する。本実施形態では、複数の第2端子部123は、封止樹脂4の下面(後述の樹脂第1面41)および封止樹脂4の第2方向yのy2側の側面(後述の一対の樹脂第4面44の他方)から露出する。
【0022】
第3リード13は、第2リード12に対して、第1方向xのx1側に位置する。第3リード13は、
図3、
図4、
図9および
図11に示すように、第3基部131、第3帯状部132および第3端子部133を含む。
【0023】
第3基部131は、
図3に示すように、矩形状である。第3基部131は、
図2および
図3に示すように、平面視において、スイッチング素子2に重なりつつ、スイッチング素子2から第2方向yのy2側に突き出ている。第3基部131は、封止樹脂4に覆われている。
【0024】
第3帯状部132は、第3基部131から第2方向yのy1側に延出する。第3帯状部132に平面視において、スイッチング素子2に重なる。
図11に示すように、第3帯状部132は、封止樹脂4に覆われている。第3帯状部132は、複数の第1帯状部112のうち、第1方向xのx1側において最も外側に位置する第1帯状部112に対して、第2方向yのy2側に位置する。
【0025】
第3端子部133は、第3基部131よりも肉厚の部位であり、厚さ方向zにおいて、第3基部131よりも厚さ方向zのz2側に突き出る。図示された例では、第3端子部133の一部は、平面視において、第3基部131よりも第2方向yのy2側に突き出る。第3端子部133は、封止樹脂4から露出する。本実施形態では、第3端子部133は、封止樹脂4の下面(後述の樹脂第1面41)および封止樹脂4の第2方向yのy2側の側面(後述の一対の樹脂第4面44の他方)から露出する。
【0026】
スイッチング素子2は、半導体装置A1の電気的機能を発揮する要素である。スイッチング素子2は、窒化物半導体を含む。当該窒化物半導体は、たとえば窒化ガリウム(GaN)である。この例とは異なり、スイッチング素子2は、ケイ素(Si)あるいは炭化ケイ素(SiC)などの他の半導体材料を含んでいてもよい。本実施形態では、スイッチング素子2は、HEMT(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)である。この例とは異なり、スイッチング素子2は、MOSFETあるいはIGBTなどの他のトランジスタであってもよい。スイッチング素子2の平面視形状は、たとえば矩形である。スイッチング素子2の厚さ(厚さ方向zの寸法)は、たとえば50μm以上350μm以下である。スイッチング素子2の素子耐圧は、何ら限定されないが、たとえば200V以下である。
【0027】
スイッチング素子2は、素子主面2aおよび素子裏面2bを有する。
図8、
図10および
図11に示すように、素子主面2aおよび素子裏面2bは、厚さ方向zにおいて互いに反対側を向く。本実施形態では、素子主面2aは、厚さ方向zの下方(z2側)を向き、複数のリード1(第1リード11、第2リード12および第3リード13)に対向する。素子裏面2bは、厚さ方向zの上方(z1側)を向く。
【0028】
スイッチング素子2は、
図8、
図10および
図11に示すように、素子本体20、第1電極21、第2電極22および第3電極23を備える。
【0029】
素子本体20は、スイッチング素子2の主要部をなす。
図8、
図10および
図11に示すように、素子本体20は、基板201および半導体層202を有する。
【0030】
基板201は、厚さ方向zのz2側において、半導体層202と、第1電極21、第2電極22および第3電極23とを支持する。基板201は、半導体材料を含む。当該半導体材料は、たとえばケイ素(Si)または炭化ケイ素(SiC)である。
図8、
図10および
図11に示すように、基板201は、基面201aを有する。基面201aは、厚さ方向zの上方(z1側)を向く。半導体装置A1では、基面201aによって、素子裏面2bが構成される。半導体装置A1では、基面201aは、封止樹脂4に覆われている。
【0031】
半導体層202は、厚さ方向zにおいて、基板201に対して、複数のリード1に対向する側に位置する。半導体層202は、厚さ方向zにおいて、基面201aと反対側を向く基板201の面に積層されている。半導体層202は、素子本体20のうち、バッファ層および窒化物層(いずれも図示略)が積層された部位である。半導体層202は、ドープされる元素量の相違に基づく複数種類のp型半導体およびn型半導体を含む。スイッチング素子2のHEMTとしてのスイッチング機能は、このp型半導体およびn型半導体により構成される。
【0032】
第1電極21、第2電極22および第3電極23の各々は、
図8、
図10および
図11に示すように、素子主面2aに形成されている。よって、第1電極21、第2電極22および第3電極23の各々は、厚さ方向zにおいて、複数のリード1に対向する側に位置する。第1電極21、第2電極22および第3電極23はそれぞれ、素子本体20に繋がる。半導体装置A1では、たとえば、第1電極21は、ドレイン電極であり、第2電極22は、ソース電極であり、第3電極23は、ゲート電極である。この例とは異なり、第1電極21はソース電極であり、第2電極22はドレイン電極であってもよい。
【0033】
第1電極21は、
図2および
図8に示すように、複数の第1パッド部211を含む。図示された例では、第1電極21は、5つの第1パッド部211を含むが、第1パッド部211の数は、特に限定されない。複数の第1パッド部211の各々は、平面視において、第2方向yに延びる。図示された例では、複数の第1パッド部211の各々は、平面視において、第2方向yのy1側からy2側に向かうほど先細りした形状である。この例とは異なり、各第1パッド部211の平面視形状は、矩形であってもよい。先述の複数の第1帯状部112は、複数の第1パッド部211にそれぞれ個別に対応するように設けられる。つまり、第1帯状部112の数は、第1パッド部211の数と同数である。なお、各第1パッド部211の形状に応じて、各第1帯状部112の少なくとも先端を、第2方向yのy1側からy2側に向かうほど先細りした形状としてもよい。
【0034】
第2電極22は、
図2および
図8に示すように、複数の第2パッド部221を含む。図示された例では、第2電極22は、4つの第2パッド部221を含むが、第2パッド部221の数は、特に限定されない。各第2パッド部221は、複数の第1パッド部211から離間する。複数の第2パッド部221の各々は、平面視において、第2方向yに延びる。図示された例では、複数の第2パッド部221の各々は、平面視において、第2方向yのy2側からy1側に向かうほど先細りした形状である。この例とは異なり、各第2パッド部221の平面視形状は、矩形であってもよい。先述の複数の第2帯状部122は、複数の第2パッド部221にそれぞれ個別に対応するように設けられる。つまり、第2帯状部122の数は、第2パッド部221の数と同数である。なお、各第2パッド部221の形状に応じて、各第2帯状部122の少なくとも先端を、第2方向yのy2側からy1側に向かうほど先細りした形状としてもよい。
【0035】
複数の第1パッド部211と複数の第2パッド部221とは、第1方向xにおいて交互に配置される。図示された例では、複数の第1パッド部211と複数の第2パッド部221とのうち、第1方向xの両側において最も外側に配置されるものは、第1パッド部211である。
【0036】
第3電極23は、
図2に示すように、2つの第3パッド部231を含む。この例とは異なり、第3電極23は、1つの第3パッド部231を含んだ構成であってもよい。各第3パッド部231は、平面視において、矩形状である。各第3パッド部231は、複数の第1パッド部211および複数の第2パッド部221から離間する。各第3パッド部231は、平面視において、スイッチング素子2の四隅のうちの、第2方向yのy1側の端縁と第1方向xのx1側の端縁とが繋がる角部、および、第2方向yのy1側の端縁と第1方向xのx2側の端縁とが繋がる角部にそれぞれ配置される。2つの第3パッド部231は、複数の第1パッド部211および複数の第2パッド部221のうちの、第1方向xの両側のそれぞれにおいて最も外側に配置されたもの(半導体装置A1では第1パッド部211)に対して、第2方向yのy2側に位置する。
【0037】
複数の接合層3は、複数のリード1とスイッチング素子2とを接合する。複数の接合層3の各々は、導電性の接合材により構成される。複数の接合層3の各々は、たとえばはんだである。複数の接合層3の各々は、はんだではなく、金属ペーストまたは焼結金属であってもよい。金属ペーストまたは焼結金属は、たとえば銀(Ag)、銅または金を含む。複数の接合層3の各厚さ(厚さ方向zの寸法)は、たとえば5μm以上50μm以下である。複数の接合層3は、複数の第1接合層31と、複数の第2接合層32と、第3接合層33とを含む。
【0038】
複数の第1接合層31の各々は、第1リード11と第1電極21とを導通接合する。よって、第1リード11は、各第1接合層31を介して、第1電極21に導通する。半導体装置A1では、第1電極21はドレイン電極であるので、第1リード11の第1端子部113は、ドレイン端子である。複数の第1接合層31の各々は、複数の第1帯状部112と複数の第1パッド部211とをそれぞれ個別に接合する。
【0039】
複数の第2接合層32の各々は、第2リード12と第2電極22とを導通接合する。よって、第2リード12は、各第2接合層32を介して、第2電極22に導通する。半導体装置A1では、第2電極22はソース電極であるので、第2リード12の第2端子部123は、ソース端子である。複数の第2接合層32の各々は、複数の第2帯状部122と複数の第2パッド部221とをそれぞれ個別に接合する。
【0040】
第3接合層33は、第3リード13と第3電極23とを導通接合する。よって、第3リード13は、第3接合層33を介して第3電極23に導通する。半導体装置A1では、第3電極23はゲート電極であるので、第3リード13の第3端子部133は、ゲート端子である。第3接合層33は、第3帯状部132と、2つの第3パッド部231のうちのいずれか(半導体装置A1ではx1側の第3パッド部231)とを接合する。
【0041】
封止樹脂4は、複数のリード1の一部ずつ、スイッチング素子2および複数の接合層3をそれぞれ覆う。封止樹脂4は、たとえば絶縁性樹脂材料を含む。当該絶縁性樹脂材料は、たとえばエポキシ樹脂である。封止樹脂4の平面視形状は、たとえば矩形である。封止樹脂4は、たとえばモールド成形により形成される。なお、このモールド成形前に、アンダーフィル剤によって、スイッチング素子2と複数のリード1の間に封止樹脂4の一部を形成しておいてもよい。
【0042】
封止樹脂4は、
図1~
図11に示すように、樹脂第1面41、樹脂第2面42、一対の樹脂第3面43および一対の樹脂第4面44を有する。
【0043】
樹脂第1面41と樹脂第2面42とは、
図5および
図6に示すように、厚さ方向zにおいて互いに離間し、且つ、厚さ方向zにおいて互いに反対側を向く。
図10および
図11に示すように、樹脂第1面41は、素子主面2aと同じ方向を向き、樹脂第2面42は、素子裏面2bと同じ方向を向く。
図4に示すように、樹脂第1面41からは、複数の第1端子部113と、複数の第2端子部123と、第3端子部133とが露出する。
【0044】
一対の樹脂第3面43および一対の樹脂第4面44は、厚さ方向zにおいて、樹脂第1面41および樹脂第2面42に挟まれ、且つ、樹脂第1面41および樹脂第2面42に繋がる。一対の樹脂第3面43および一対の樹脂第4面44はそれぞれ、平坦である。一対の樹脂第3面43は、
図1~
図4および
図5~
図9に示すように、第1方向xにおいて互いに離間し、且つ、第1方向xにおいて互いに反対側を向く。一対の樹脂第4面44は、
図1~
図4、
図10および
図11に示すように、第2方向yにおいて互いに離間し、且つ、第2方向yにおいて互いに反対側を向く。
図6に示すように、一対の樹脂第4面44の一方(第2方向yのy1側の樹脂第4面44)からは、複数の第1端子部113が露出する。
図5に示すように、一対の樹脂第4面44の他方(第2方向yのy2側の樹脂第4面44)からは、複数の第2端子部123および第3端子部133が露出する。
【0045】
半導体装置A1の作用および効果は、次の通りである。
【0046】
半導体装置A1では、第1リード11と第1電極21とが第1接合層31によって接合され、第2リード12と第2電極22とが第2接合層32によって接合され、第3リード13と第3電極23とが第3接合層33によって接合される。この構成によれば、第1リード11と第1電極21とが、第2リード12と第2電極22とが、および、第3リード13と第3電極23とがそれぞれ、ボンディングワイヤを介することなく導通する。したがって、半導体装置A1は、従来の半導体装置(特許文献1に記載の半導体装置)よりも、内部インダクタンスを低減させることができる。
【0047】
半導体装置A1では、スイッチング素子2は、窒化物半導体(たとえばGaN)を含む。このような構成では、スイッチング素子2がSiを含む場合(すなわち、スイッチング素子2がSiデバイスである場合)と比較して、最大定格電圧が低いので、サージ電圧への耐性が低い。したがって、スイッチング素子2が窒化物半導体を含む構成において、半導体装置A1の内部インダクタンスを低減させることは、スイッチング素子2の破壊を抑制する上で非常に有効である。たとえば、半導体装置A1において、スイッチング素子2の素子耐圧は、200V以下とすることが可能である。
【0048】
半導体装置A1では、第1リード11は複数の第1帯状部112を含む。この構成によれば、スイッチング素子2の第1電極21の構成(複数の第1パッド部211を含む構成)に応じて、複数の第1帯状部112と複数の第1パッド部211とをそれぞれ個別に接合することができる。また、第2リード12は複数の第2帯状部122を含む。この構成によれば、スイッチング素子2の第2電極22の構成(複数の第2パッド部221を含む構成)に応じて、複数の第2帯状部122と複数の第2パッド部221とをそれぞれ個別に接合することができる。
【0049】
半導体装置A1では、複数の第1帯状部112の各々は、厚さ方向zの両側において、封止樹脂4に覆われている。この構成によれば、第1リード11が封止樹脂4から抜けることを抑制できる。さらに、半導体装置A1では、第1基部111が封止樹脂4に覆われている。これにより、半導体装置A1は、第1リード11が封止樹脂4から抜けることをさらに抑制できる。
【0050】
半導体装置A1では、複数の第2帯状部122の各々は、厚さ方向zの両側において、封止樹脂4に覆われている。この構成によれば、第2リード12が封止樹脂4から抜けることを抑制できる。さらに、半導体装置A1では、第2基部121が封止樹脂4に覆われている。これにより、半導体装置A1は、第2リード12が封止樹脂4から抜けることをさらに抑制できる。
【0051】
半導体装置A1では、第3帯状部132は、厚さ方向zの両側において、封止樹脂4に覆われている。この構成によれば、第3リード13が封止樹脂4から抜けることを抑制できる。さらに、半導体装置A1では、第3基部131が封止樹脂4に覆われている。これにより、半導体装置A1は、第3リード13が封止樹脂4から抜けることをさらに抑制できる。
【0052】
以下に、本開示の半導体装置の他の実施形態および変形例について、説明する。なお、各実施形態および各変形例における各部の構成は、技術的な矛盾が生じない範囲において相互に組み合わせ可能である。
【0053】
図12および
図13は、第2実施形態にかかる半導体装置A2を示している。同図に示すように、半導体装置A2は、半導体装置A1と比較して、スイッチング素子2の素子本体20が封止樹脂4から露出する点で異なる。
【0054】
半導体装置A2において、封止樹脂4の樹脂第2面42は、開口42aを有する。スイッチング素子2の素子裏面2b(すなわち基板201の基面201a)は、当該開口42aから露出する。この構成により、素子本体20は、封止樹脂4の樹脂第2面42から露出する。スイッチング素子2の素子裏面2bは、樹脂第2面42と面一である。つまり、基板201の基面201aは、樹脂第2面42と面一である。
【0055】
図14は、第2実施形態の第1変形例にかかる半導体装置A21を示している。同図に示すように、半導体装置A21は、半導体装置A2と比較して、スイッチング素子2の一部が封止樹脂4の樹脂第2面42よりも厚さ方向zのz1側に突き出ている点で異なる。
【0056】
半導体装置A21においては、封止樹脂4の素子裏面2b(すなわち基板201の基面201a)は、厚さ方向zにおいて、樹脂第2面42に対して樹脂第1面41から遠ざかる側に位置する。つまり、封止樹脂4の素子裏面2bは、封止樹脂4の樹脂第2面42よりも厚さ方向zのz1側に位置する。
【0057】
図15および
図16は、第2実施形態の第2変形例にかかる半導体装置A22を示している。半導体装置A22は、半導体装置A21と比較して、次の点で異なる。それは、封止樹脂4の樹脂第2面42に窪みがあり、当該窪みからスイッチング素子2の素子裏面2bが露出している点である。
【0058】
半導体装置A22においては、封止樹脂4の素子裏面2b(すなわち基板201の基面201a)は、厚さ方向zにおいて、樹脂第2面42に対して樹脂第1面41に近づく側に位置する。つまり、封止樹脂4の素子裏面2bは、封止樹脂4の樹脂第2面42よりも厚さ方向zのz2側に位置する。また、半導体装置A22においては、
図15に示すように、開口42aは、平面視において、スイッチング素子2よりも大きい。この例とは異なり、開口42aは、平面視において、スイッチング素子2と同じ大きさであってもよいし、スイッチング素子2よりも小さくてもよい。
【0059】
図17は、第2実施形態の第3変形例にかかる半導体装置A23を示している。半導体装置A23は、半導体装置A22と比較して、開口42aの壁面が厚さ方向zに対して傾斜している点で異なる。
【0060】
半導体装置A23においては、開口42aの平面が傾斜することから、開口42aは、厚さ方向zのz2側からz1側に向かうほど、厚さ方向zに直交する断面の面積が大きい。
【0061】
半導体装置A2,A21,A22,A23は、半導体装置A1と同様に、第1リード11と第1電極21とが第1接合層31によって接合され、第2リード12と第2電極22とが第2接合層32によって接合され、第3リード13と第3電極23とが第3接合層33によって接合される。したがって、半導体装置A2,A21,A22,A23は、半導体装置A1と同様に、従来の半導体装置(特許文献1に記載の半導体装置)よりも、内部インダクタンスを低減させることができる。
【0062】
半導体装置A2,A21,A22,A23では、スイッチング素子2の素子裏面2bが封止樹脂4から露出する。この構成によれば、スイッチング素子2の通電時において発生する熱を、素子裏面2bから放出することができる。したがって、半導体装置A2,A21,A22,A23は、半導体装置A1と比較して、放熱性を向上できる。
【0063】
図18~
図21は、第3実施形態にかかる半導体装置A3を示している。半導体装置A3は、半導体装置A1と比較して、複数のリード1の構成が異なる。
【0064】
半導体装置A3の第1リード11は、複数の第1帯状部112、第1端子部113および複数の第1連結部114を含む。第1端子部113は、平面視において矩形状である。
図19に示すように、第1端子部113の下面(厚さ方向zのz2側を向く面)は、その上面(厚さ方向zのz1側を向く面)と同じ大きさで封止樹脂4の樹脂第1面41から露出する。第1端子部113の厚さ(厚さ方向zの寸法)は、複数の第1帯状部112の各厚さ(厚さ方向zの寸法)と同じである。図示された例では、第1端子部113は、スイッチング素子2よりも第2方向yのy1側に位置する。複数の第1帯状部112の各々は、
図21に示すように、第1端子部113よりも厚さ方向zの上方(z1側)に位置する。複数の第1帯状部112の各々は、厚さ方向zの両側において封止樹脂4に覆われている。複数の第1連結部114の各々は、第1端子部113と、複数の第1帯状部112のうちの対応する1つとを繋ぐ。複数の第1連結部114は、
図21に示すように、厚さ方向zに直交する平面(x-y平面)に対して、傾斜する。このような各第1連結部114の構成により、第1リード11のうちの第1端子部113と各第1帯状部112とを繋ぐ部位は、厚さ方向zに屈曲した形状となる。
【0065】
半導体装置A3の第2リード12は、複数の第2帯状部122、第2端子部123および複数の第2連結部124を含む。第2端子部123は、平面視において矩形状である。
図19に示すように、第2端子部123の下面(厚さ方向zのz2側を向く面)は、その上面(厚さ方向zのz1側を向く面)と同じ大きさで封止樹脂4の樹脂第1面41から露出する。第2端子部123の厚さ(厚さ方向zの寸法)は、複数の第2帯状部122の各厚さ(厚さ方向zの寸法)と同じである。図示された例では、第2端子部123は、スイッチング素子2よりも第2方向yのy2側に位置する。複数の第2帯状部122の各々は、
図20に示すように、第2端子部123よりも厚さ方向zの上方(z1側)に位置する。複数の第2帯状部122の各々は、
図20に示すように、厚さ方向zの両側において封止樹脂4に覆われている。複数の第2連結部124の各々は、第2端子部123と、複数の第2帯状部122のうちの対応する1つとを繋ぐ。複数の第2連結部124は、
図20に示すように、x-y平面に対して、傾斜する。このような各第2連結部124の構成により、第2リード12のうちの第2端子部123と各第2帯状部122とを繋ぐ部位は、厚さ方向zに屈曲した形状となる。
【0066】
同様に、半導体装置A3の第3リード13は、第3帯状部132、第3端子部133および第3連結部134を含む。第3端子部133は、平面視において矩形状である。
図19に示すように、第3端子部133の下面(厚さ方向zのz2側を向く面)は、その上面(厚さ方向zのz1側を向く面)と同じ大きさで封止樹脂4の樹脂第1面41から露出する。第3端子部133の厚さ(厚さ方向zの寸法)は、第3帯状部132の厚さ(厚さ方向zの寸法)と同じである。図示された例では、第3端子部133は、スイッチング素子2よりも第2方向yのy2側に位置する。第3帯状部132は、
図21に示すように、第3端子部133よりも厚さ方向zの上方(z1側)に位置する。第3帯状部132は、
図21に示すように、厚さ方向zの両側において封止樹脂4に覆われている。第3連結部134は、第3端子部133と、第3帯状部132とを繋がる。第3連結部134は、
図21に示すように、x-y平面に対して、傾斜する。このような第3連結部134の構成により、第3リード13のうちの第3端子部133と第3帯状部132とを繋ぐ部位は、厚さ方向zに屈曲した形状となる。
【0067】
半導体装置A3は、半導体装置A1と同様に、第1リード11と第1電極21とが第1接合層31によって接合され、第2リード12と第2電極22とが第2接合層32によって接合され、第3リード13と第3電極23とが第3接合層33によって接合される。したがって、半導体装置A3は、半導体装置A1と同様に、従来の半導体装置(特許文献1に記載の半導体装置)よりも、内部インダクタンスを低減させることができる。また、半導体装置A3は、半導体装置A1と同様に、各第1帯状部112、各第2帯状部122および第3帯状部132のそれぞれが、厚さ方向zの両側において封止樹脂4に覆われている。したがって、半導体装置A3は、半導体装置A1と同様に、第1リード11、第2リード12および第3リード13が封止樹脂4から抜けることを抑制できる。
【0068】
半導体装置A3は、半導体装置A1と比較して、第1端子部113、第2端子部123および第3端子部133の平面視面積が大きい。この構成によれば、半導体装置A3を電子機器などの回路基板に実装した際、当該回路基板との導通を良好にできる。また、半導体装置A3は、半導体装置A1と比較して実装面積が大きくなるので、回路基板への接合強度も向上する。
【0069】
第1実施形態ないし第3実施形態では、スイッチング素子2がトランジスタ(たとえばHEMT)である例を示したが、これに限定されず、スイッチング素子2は、トランジスタとして機能するスイッチング回路と、当該スイッチング回路を制御する制御回路とを含む構成であってもよい。つまり、スイッチング素子2は、制御回路を内蔵する複合型の素子であってもよい。あるいは、スイッチング素子2とは別に、先述の制御回路が構成された制御素子(たとえばIC)をさらに備えていてもよい。この変形例において制御素子は、スイッチング素子2と同様に、フリップチップ接合により複数のリードに導通する構成であってもよいし、ボンディングワイヤを介して、複数のリードに導通する構成であってもよい。
【0070】
本開示にかかる半導体装置は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、本開示の半導体装置は、以下の付記に関する実施形態を含む。
付記1.
厚さ方向の一方を向く素子主面を有するスイッチング素子と、
互いに離間し、各々が前記厚さ方向において前記素子主面に対向する複数のリードと、
各々が前記スイッチング素子と前記複数のリードとの間に個別に介在する複数の接合層と、
前記複数のリードの一部ずつを露出させつつ、前記スイッチング素子および前記複数の接合層の各々を覆う封止樹脂と、
を備え、
前記スイッチング素子は、各々が前記素子主面に形成された第1電極、第2電極および第3電極を有し、
前記複数のリードは、前記第1電極に導通する第1リード、前記第2電極に導通する第2リード、および、前記第3電極に導通する第3リードを含み、
前記複数の接合層は、前記第1リードと前記第1電極とを接合する少なくとも1つの第1接合層、前記第2リードと前記第2電極とを接合する少なくとも1つの第2接合層、および、前記第3リードと前記第3電極とを接合する少なくとも1つの第3接合層を含み、
前記封止樹脂は、前記素子主面と同じ方向を向く樹脂第1面を有し、
前記第1リードは、前記樹脂第1面において露出する第1端子部を含み、
前記第2リードは、前記樹脂第1面において露出する第2端子部を含み、
前記第3リードは、前記樹脂第1面において露出する第3端子部を含む、半導体装置。
付記2.
前記第1電極は、前記素子主面において互いに離間する複数の第1パッド部を含み、
前記第2電極は、前記素子主面において互いに離間する複数の第2パッド部を含み、
前記複数の第1パッド部と前記複数の第2パッド部とは、前記厚さ方向に直交する第1方向において、交互に配列される、付記1に記載の半導体装置。
付記3.
前記複数の第1パッド部の各々および前記複数の第2パッド部の各々は、前記厚さ方向に見て、前記厚さ方向および前記第1方向に直交する第2方向に延びる帯状である、付記2に記載の半導体装置。
付記4.
前記第3電極は、前記素子主面において複数の第1パッド部および複数の第2パッド部から離間する第3パッド部を含み、
前記第3パッド部は、前記複数の第1パッド部および前記複数の第2パッド部のうちの前記第1方向の少なくとも一方側において最も外側に配置されたものに対して、前記第2方向の一方側に位置する、付記3に記載の半導体装置。
付記5.
前記第1リードは、前記厚さ方向に見て前記第2方向に延びる複数の第1帯状部を有し、
前記少なくとも1つの第1接合層は、複数の第1接合層を含み、
前記複数の第1帯状部は、前記複数の第1接合層により、前記複数の第1パッド部にそれぞれ個別に接合される、付記3または付記4に記載の半導体装置。
付記6.
前記複数の第1帯状部の各々は、前記厚さ方向の両側において前記封止樹脂に覆われている、付記5に記載の半導体装置。
付記7.
前記第2リードは、前記厚さ方向に見て前記第2方向に延びる複数の第2帯状部を有し、
前記少なくとも1つの第2接合層は、複数の第2接合層を含み、
前記複数の第2帯状部は、前記複数の第2接合層により、前記複数の第2パッド部にそれぞれ個別に接合される、付記5または付記6に記載の半導体装置。
付記8.
前記複数の第2帯状部の各々は、前記厚さ方向の両側において前記封止樹脂に覆われている、付記7に記載の半導体装置。
付記9.
前記スイッチング素子は、素子本体を含み、
前記封止樹脂は、前記厚さ方向において前記樹脂第1面と反対側を向く樹脂第2面と、前記樹脂第2面に形成された開口と、を有し、
前記素子本体は、前記開口から露出する、付記1ないし付記8のいずれかに記載の半導体装置。
付記10.
前記素子本体は、基板と、前記厚さ方向において前記基板に対して前記素子主面側に位置し、かつ前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に導通する半導体層と、を有し、
前記基板は、前記厚さ方向において、前記樹脂第2面と同じ方向を向く基面を有し、
前記基面は、前記開口から露出する、付記9に記載の半導体装置。
付記11.
前記基面は、前記樹脂第2面と面一である、付記10に記載の半導体装置。
付記12.
前記基面は、前記厚さ方向において、前記樹脂第2面に対して前記樹脂第1面から遠ざかる側に位置する、付記10に記載の半導体装置。
付記13.
前記基面は、前記厚さ方向において、前記樹脂第2面に対して前記樹脂第1面に近づく側に位置する、付記10に記載の半導体装置。
付記14.
前記スイッチング素子は、窒化物半導体を含む、付記1ないし付記13のいずれかに記載の半導体装置。
付記15.
前記第1電極は、ドレインであり、
前記第2電極は、ソースであり、
前記第3電極は、ゲートである、付記1ないし付記14のいずれかに記載の半導体装置。
付記16.
前記スイッチング素子の素子耐圧は、200V以下である、付記1ないし付記15のいずれかに記載の半導体装置。
付記17.
前記複数の接合層の各々は、はんだ、Ag、CuまたはAuのいずれかを含む、付記1ないし付記16のいずれかに記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0071】
A1,A2,A21,A22,A23,A3:半導体装置
1 :リード
11 :第1リード
111 :第1基部
112 :第1帯状部
113 :第1端子部
114 :第1連結部
12 :第2リード
121 :第2基部
122 :第2帯状部
123 :第2端子部
124 :第2連結部
13 :第3リード
131 :第3基部
132 :第3帯状部
133 :第3端子部
134 :第3連結部
2 :半導体素子
2a :素子主面
2b :素子裏面
20 :素子本体
201 :基板
201a :基面
202 :半導体層
21 :第1電極
211 :第1パッド部
22 :第2電極
221 :第2パッド部
23 :第3電極
231 :第3パッド部
3 :接合層
31 :第1接合層
32 :第2接合層
33 :第3接合層
4 :封止樹脂
41 :樹脂第1面
42 :樹脂第2面
42a :開口
43 :樹脂第3面
44 :樹脂第4面