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特開2023-174233金属製メッシュベルトの蛇行制限機構及び金属製メッシュベルトの蛇行制限方法
<図1>
  • 特開-金属製メッシュベルトの蛇行制限機構及び金属製メッシュベルトの蛇行制限方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174233
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】金属製メッシュベルトの蛇行制限機構及び金属製メッシュベルトの蛇行制限方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/64 20060101AFI20231130BHJP
   B65G 15/48 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B65G15/64
B65G15/48
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086977
(22)【出願日】2022-05-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-10
(71)【出願人】
【識別番号】000223931
【氏名又は名称】株式会社フジワラテクノアート
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】弁理士法人森特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大賀 直行
【テーマコード(参考)】
3F023
3F024
【Fターム(参考)】
3F023AA01
3F023AB10
3F023BA02
3F023BB01
3F023BC01
3F023GA07
3F024CA02
3F024CA04
(57)【要約】
【課題】金属製メッシュベルト及びガイドローラの破損を防止し、蛇行修正のためのベルトの張力調整は不要であることにより、ベルト寿命を縮めることなく、安定した搬送も損なわれない蛇行制限機構及び蛇行制限方法を提供する。
【解決手段】蛇行制限機構2は、ガイドローラ22を支持する支持体25と、伸縮構造21の一方の端部を保持する保持部24と、伸縮構造21の他方の端部を支持する固定部23とを備え、金属製メッシュベルト11の偏りによってガイドローラ22に対する金属製メッシュベルト11の押圧力が増大すると、保持部24と固定部23との間の間隔が縮んで、ガイドローラ22が金属製メッシュベルト11の外方向に変位する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドプーリとテールプーリに掛け渡した無端帯の金属製メッシュベルトに搬送物を積載して搬送するコンベヤにおける蛇行制限機構であって、
ローラと回転軸を有し、前記金属製メッシュベルトのベルトエッジに対向するガイドローラと、
前記ローラを前記回転軸を介して回転可能に支持する支持体と、
伸縮部材を有する伸縮構造と、
前記支持体に取り付けられ、前記伸縮構造の一方の端部を保持する保持部と、
前記コンベヤの架台フレームに固定され、前記伸縮構造の他方の端部を支持する固定部とを備え、
前記保持部と前記固定部との間に前記伸縮部材が介在しており、
前記金属製メッシュベルトの偏りによって前記ガイドローラに対する前記金属製メッシュベルトの押圧力が増大すると、前記保持部と前記固定部との間の間隔が縮んで、前記ガイドローラが前記金属製メッシュベルトの外方向に変位することを特徴とする金属製メッシュベルトの蛇行制限機構。
【請求項2】
前記伸縮部材の伸縮により、前記保持部と前記固定部との間の間隔が伸縮し、前記金属製メッシュベルトの押圧力と前記伸縮構造により発生する反力が釣り合うことで前記金属製メッシュベルト及び前記ガイドローラの破損を防止しながら蛇行を制限する請求項1に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限機構。
【請求項3】
前記伸縮部材が圧縮コイルバネである請求項1に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限機構。
【請求項4】
前記蛇行制限機構の1つ分が複数の前記ガイドローラを有し、前記保持部に前記支持体が旋回可能に取り付けられており、前記金属製メッシュベルトが進行方向に対して傾斜したときに、前記複数のガイドローラが前記ベルトエッジに当接して追従する請求項1に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限機構。
【請求項5】
ヘッドプーリとテールプーリに掛け渡した無端帯の金属製メッシュベルトに搬送物を積載して搬送するコンベヤにおいて、蛇行制限機構を用いた蛇行制限方法であって、
前記蛇行制限機構は、
ローラと回転軸を有し、前記金属製メッシュベルトのベルトエッジに対向するガイドローラと、
前記ローラを前記回転軸を介して回転可能に支持する支持体と、
伸縮部材を有する伸縮構造と、
前記支持体に取り付けられ、前記伸縮構造の一方の端部を保持する保持部と、
前記コンベヤの架台フレームに固定され、前記伸縮構造の他方の端部を支持する固定部とを備え、
前記保持部と前記固定部との間に前記伸縮部材が介在しており、
前記金属製メッシュベルトの偏りによって前記ガイドローラに対する前記金属製メッシュベルトの押圧力が増大すると、前記保持部と前記固定部との間の間隔が縮んで、前記ガイドローラを前記金属製メッシュベルトの外方向に変位させることを特徴とする金属製メッシュベルトの蛇行制限方法。
【請求項6】
前記伸縮部材の伸縮により、前記保持部と前記固定部との間の間隔を伸縮させ、
前記金属製メッシュベルトの押圧力と前記伸縮構造により発生する反力を釣り合わせることで前記金属製メッシュベルト及び前記ガイドローラの破損を防止しながら蛇行を制限する請求項5に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限方法。
【請求項7】
前記伸縮部材が圧縮コイルバネである請求項5に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限方法。
【請求項8】
前記蛇行制限機構の1つ分が複数の前記ガイドローラを有し、前記保持部に前記支持体が旋回可能に取り付けられており、前記金属製メッシュベルトが進行方向に対して傾斜したときに、前記複数のガイドローラを前記ベルトエッジに当接して追従させる請求項5に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限方法。
【請求項9】
前記金属製メッシュベルトのリターン側かつテールプーリ側において、一対の前記蛇行制限機構を前記金属製メッシュベルトの両側に配置する請求項5に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端帯の金属製メッシュベルトに原料などのばら物(搬送物)を積載して連続的に搬送するコンベヤにおける金属製メッシュベルトの蛇行制限機構及び金属製メッシュベルトの蛇行制限方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原料などのばら物(搬送物)を連続的に搬送するコンベヤとして、ヘッドプーリ、テールプーリ、両プーリに掛け渡した無端帯のベルト、ベルト受けローラ、ヘッドプーリを回転する駆動モータ、架台フレーム等で構成されたものが知られている。この構成では、搬送物はベルトのキャリア側(搬送側)に積載され、テールプーリ側からヘッドプーリ側に向けて搬送される。ベルトは、用途や搬送物の種類に応じて、金属製メッシュベルト、スチールベルト、ゴムベルトなどの各種ベルトが選択される。
【0003】
醸造工業や食品工業においては、搬送物が高温になる場合や搬送物に通気する必要がある場合には、スチールベルトと比べてコンパクトに装置を構成することが可能であり、安価な金属製メッシュベルトが多用されている。金属製メッシュベルトはベルトの幅方向で弾性が低いため、ベルトの全域において幅方向では湾曲させることができず、水平に保持する必要がある。
【0004】
金属製メッシュベルトを使用したコンベヤでは、ヘッドプーリ、テールプーリ及びベルト受けローラの各回転軸の平行度が確保されて、それぞれが水平に設置され、かつ金属製メッシュベルトの幅方向において均等に張力が掛かっているなどの条件が整えば、搬送物を載せていない空運転では基本的には蛇行しない。
【0005】
しかし、搬送物がベルトの幅方向で偏って積載されたり、搬送物の温度が高くて部分的にベルトが伸びてベルトの張力が不均一になったり、搬送物から発生する水蒸気により結露が生じてベルトとヘッドプーリの摩擦力が不均一になったりすることで、金属製メッシュベルトは蛇行する。
【0006】
ベルトの蛇行防止に関し、特許文献1には、ベルトコンベアー(ベルト単体)の端面にガイドローラーを当接せしめて配置した蛇行防止装置が開示されている(請求項1)。同文献の第2図によれば、リターン側のベルトコンベアー1に対してガイドローラー6が設けられている。同第2図によれば、キャリア側のベルトコンベアー1がキャリアーローラー2に沿って幅方向で湾曲しているため、特許文献1のベルトはゴムベルトと推察されるが、従来、金属製メッシュベルトにおいても、ベルトのリターン側で特許文献1記載の蛇行防止装置と同様の機構が採用されていた。
【0007】
特許文献2には、金属製のメッシュベルトの蛇行修正は極めて困難であったことに鑑み(段落[0003])、平メッシュベルトの蛇行を蛇行検知センサで検出し、平メッシュベルトに対してその表面に平行する方向に軸を有し該平メッシュベルトを挟み込むように配置された一対の蛇行修正用ローラの軸の向く方向を平メッシュベルトの面内方向において変更することを特徴とする平メッシュベルトコンベア蛇行修正方法が開示されている(請求項1)。
【0008】
特許文献3には、ベルトとして金属製の無端状のメッシュベルトを前提とし、ベルトの幅方向に亘って同一のローラ軸心周りに回転自在であり、そのローラ軸心が戻り軌道におけるベルトの長さ方向および上下方向の少なくともいずれかの方向に傾斜するように向き変更可能であるとともに、戻り軌道のベルトを弛ませた状態で下方から持ち上げて支持し、戻り軌道のベルトは、蛇行修正ローラの設置箇所において持ち上げられた山部となり、蛇行修正ローラの前後両側において下方に円弧上に弛んだ谷部となる搬送装置が開示されている(請求項1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開昭49-83779号公報
【特許文献2】特開2008-127113号公報
【特許文献3】特許第6726790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1記載の蛇行防止装置や従来の金属製メッシュベルトの蛇行防止のように、装置に固定したガイドローラによってベルトの蛇行を制限すると、ガイドローラが装置に完全に位置固定されているため、蛇行によりベルトの押圧力が増大した場合、金属製メッシュベルト又はガイドローラが破損するおそれがあった。
【0011】
特許文献2記載の蛇行修正方法においては、蛇行修正ローラとベルト間の摩擦力を確保するためにベルトの張力を増大させているため(段落[0024]、[0027]、図1)、ベルトの寿命が短くなってしまう。こうした特許文献2の不具合を防止するため、特許文献3記載の搬送装置においては、ベルトを自重でたわませて摩擦力を確保しているが、装置の規模やベルトの走行速度によっては、ヘッドプーリが回転駆動されていてもベルトの滑りが発生して搬送対象物を搬送できなくなることが想定される。
【0012】
本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、金属製メッシュベルト及びガイドローラの破損を防止し、蛇行修正のためのベルトの張力調整は不要であることにより、ベルト寿命を縮めることなく、安定した搬送も損なわれない金属製メッシュベルトの蛇行制限機構及び金属製メッシュベルトの蛇行制限方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、金属製メッシュベルトのベルトエッジとガイドローラのローラが当接して金属製メッシュベルトの蛇行を制限する機構及び方法である。以下、本発明の説明に関して、「金属製メッシュベルトの幅方向の端部であるベルトエッジが変形又は摩耗して損傷することにより、全体として金属製メッシュベルトが破損する」の意味で、単に「金属製メッシュベルトが破損する」と記載する。同様に、「ガイドローラを構成するローラが変形又は摩耗して損傷することにより、全体としてガイドローラが破損する」の意味で、単に「ガイドローラが破損する」と記載する。
【0014】
本発明の金属製メッシュベルトの蛇行制限機構は、ヘッドプーリとテールプーリに掛け渡した無端帯の金属製メッシュベルトに搬送物を積載して搬送するコンベヤにおける蛇行制限機構であって、ローラと回転軸を有し、前記金属製メッシュベルトのベルトエッジに対向するガイドローラと、前記ローラを前記回転軸を介して回転可能に支持する支持体と、伸縮部材を有する伸縮構造と、前記支持体に取り付けられ、前記伸縮構造の一方の端部を保持する保持部と、前記コンベヤの架台フレームに固定され、前記伸縮構造の他方の端部を支持する固定部とを備え、前記保持部と前記固定部との間に前記伸縮部材が介在しており、前記金属製メッシュベルトの偏りによって前記ガイドローラに対する前記金属製メッシュベルトの押圧力が増大すると、前記保持部と前記固定部との間の間隔が縮んで、前記ガイドローラが前記金属製メッシュベルトの外方向に変位することを特徴とする。
【0015】
本発明の金属製メッシュベルトの蛇行制限方法は、ヘッドプーリとテールプーリに掛け渡した無端帯の金属製メッシュベルトに搬送物を積載して搬送するコンベヤにおいて、蛇行制限機構を用いた蛇行制限方法であって、前記蛇行制限機構は、ローラと回転軸を有し、前記金属製メッシュベルトのベルトエッジに対向するガイドローラと、前記ローラを前記回転軸を介して回転可能に支持する支持体と、伸縮部材を有する伸縮構造と、前記支持体に取り付けられ、前記伸縮構造の一方の端部を保持する保持部と、前記コンベヤの架台フレームに固定され、前記伸縮構造の他方の端部を支持する固定部とを備え、前記保持部と前記固定部との間に前記伸縮部材が介在しており、前記金属製メッシュベルトの偏りによって前記ガイドローラに対する前記金属製メッシュベルトの押圧力が増大すると、前記保持部と前記固定部との間の間隔が縮んで、前記ガイドローラを前記金属製メッシュベルトの外方向に変位させることを特徴とする。
【0016】
前記本発明の金属製メッシュベルトの蛇行制限機構及び金属製メッシュベルトの蛇行制限方法によれば、金属製メッシュベルトの偏りによってガイドローラに対する金属製メッシュベルトの押圧力が増大しても、ガイドローラが金属製メッシュベルトの外方向に変位するので、金属製メッシュベルト及びガイドローラの破損を防止することができる。また、このような破損防止は、ガイドローラと伸縮構造を主要構成とする蛇行制限機構をコンベヤに設けることにより実現できるので、蛇行修正のためのベルトの張力調整は不要であり、ベルト寿命を縮めることはなく、安定した搬送も損なわれない。
【0017】
前記本発明の金属製メッシュベルトの蛇行制限機構及び金属製メッシュベルトの蛇行制限方法においては、前記伸縮部材の伸縮により、前記保持部と前記固定部との間の間隔が伸縮し、前記金属製メッシュベルトの押圧力と前記伸縮構造により発生する反力が釣り合うことで前記金属製メッシュベルト及び前記ガイドローラの破損を防止しながら蛇行を制限することが好ましい。この構成によれば、金属製メッシュベルトの押圧力の大きさに応じて、金属製メッシュベルトの外方向へのガイドローラの変位量が変化して、押圧力と反力が釣り合った状態になる。このため、押圧力と反力が釣り合った状態のガイドローラの位置を目視又はエリアセンサなどの電気信号により認識することが可能となり、ガイドローラの位置から金属製メッシュベルトの蛇行の程度を把握することができる。つまり、ガイドローラが金属製メッシュベルトの外方向へ変位するほど押圧力が増大していき、破損領域に近づいていくことが分かる。したがって、ガイドローラの位置を指標として、金属製メッシュベルト及びガイドローラが破損する以前の適正な時期に、運転状況の確認を実施するとともに蛇行に関係する機械部品の保守点検や交換を実施することができるようになる。
【0018】
前記本発明の金属製メッシュベルトの蛇行制限機構及び金属製メッシュベルトの蛇行制限方法においては、前記伸縮部材が圧縮コイルバネであることが好ましい。この構成によれば、金属製メッシュベルトのベルトエッジ及びガイドローラのローラの強度を考慮して圧縮コイルバネを選定するだけで、金属製メッシュベルトの押圧力が増大したときの、ガイドローラが金属製メッシュベルトの外方向に変位する効果が確実に得られる。
【0019】
前記本発明の金属製メッシュベルトの蛇行制限機構及び金属製メッシュベルトの蛇行制限方法においては、前記蛇行制限機構の1つ分が複数の前記ガイドローラを有し、前記保持部に前記支持体が旋回可能に取り付けられており、前記金属製メッシュベルトが進行方向に対して傾斜したときに、前記複数のガイドローラが前記ベルトエッジに当接して追従することが好ましい。この構成によれば、金属製メッシュベルトが進行方向に対して傾斜しても、複数のガイドローラがベルトエッジに当接して追従するので、金属製メッシュベルトの破損防止効果がより高まることに加え、ガイドローラの破損防止を図ることもできる。
【0020】
前記本発明の金属製メッシュベルトの蛇行制限方法においては、前記金属製メッシュベルトのリターン側かつテールプーリ側において、一対の前記蛇行制限機構を前記金属製メッシュベルトの両側に配置することが好ましい。この構成によれば、確実に金属製メッシュベルトの蛇行を制限することができ、金属製メッシュベルト及びガイドローラの破損防止効果をより有効に発揮することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果は前記のとおりであり、本発明の金属製メッシュベルトの蛇行制限機構及び金属製メッシュベルトの蛇行制限方法によれば、金属製メッシュベルトの偏りによってガイドローラに対する金属製メッシュベルトの押圧力が増大しても、ガイドローラが金属製メッシュベルトの外方向に変位するので、金属製メッシュベルト及びガイドローラの破損を防止することができる。また、このような破損防止は、ガイドローラと伸縮構造を主要構成とする蛇行制限機構をコンベヤに設けることで実現できるので、蛇行修正のためのベルトの張力調整は不要であり、ベルト寿命を縮めることはなく、安定した搬送も損なわれない。さらに、本発明の蛇行制限機構をコンベヤを新設する場合に採用するだけでなく、既設のコンベヤに対して追加して設けることで、既設のコンベヤであっても確実に金属製メッシュベルトの蛇行を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る蛇行制限機構を備えた冷却機の側面図。
図2図1に示した冷却機の平面図。
図3図1のAA線における断面図。
図4図3に示した一対の蛇行制限機構のうち一方の蛇行制限機構の拡大図。
図5図4に示した蛇行制限機構のD方向から見た側面図。
図6】本発明の一実施形態に係る蛇行制限機構の要部を示す斜視図。
図7図6のEE線における断面図。
図8図4のCC線における断面図。
図9】本発明の一実施形態において、金属製メッシュベルトが幅方向に偏ったときの前後の様子を示す平面図。
図10】本発明の一実施形態において、金属製メッシュベルトが傾斜する方向へ偏ったときの様子を示す平面図。
図11】ガイドローラが1個の実施形態に係る蛇行制限機構の要部を示す斜視図。
図12】伸縮部材としてエアダンパーを用いた別の実施形態に係る蛇行制限機構の図。
図13】伸縮部材としてエアシリンダを用いた別の実施形態に係る蛇行制限機構の図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、コンベヤにおける蛇行制限機構及び蛇行制限方法に関するものである。コンベヤは金属製メッシュベルトを備えたものであればよく、例えば醸造工業や食品工業に用いるコンベヤが挙げられ、より具体的には蒸米機や冷却機等の醸造機器に用いるコンベヤが挙げられる。
【0024】
最初に図1及び図2を参照しながら、コンベヤの概要を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る蛇行制限機構2を備えた冷却機1の側面図を示しており、図2図1に示した冷却機1の平面図を示している。これらの図はコンベヤに関する要部のみを図示しており、外観ケースや送風機、排風機等の構造物の図示は省略している。
【0025】
図1において、ヘッドプーリ12とテールプーリ13に無端帯の金属製メッシュベルト11が掛け渡されて、コンベヤの主要部を形成している。コンベヤの主要部は、架台フレーム16により支持されている。図2のB部に金属製メッシュベルト11の部分拡大図を概略的に図示している。B部に図示したように、金属製メッシュベルト11は、螺線(スパイラル)11bとロッド(力骨)11cを組み合わせたものが一般的である。
【0026】
図1に示したヘッドプーリ12は、図2に示したベルト駆動機構15で駆動され、これに伴い金属製メッシュベルト11は上側のキャリア側(搬送側)と下側のリターン側との間で循環移動する(矢印a、c)。具体的には、キャリア側に積載された原料(搬送物)は、下流側に搬送されながら(矢印a)冷却される。搬送中、原料はピンクラッシャー17により崩壊される。
【0027】
図2に示したように、ピンクラッシャー17は金属製メッシュベルト11を横切るように配置されており、ピンクラッシャー駆動機構18により回転駆動される。図1において、搬送後の原料は、下流側端部から落下する(矢印b)。以後、金属製メッシュベルト11はリターン側において、ベルト受けローラ14で案内されて上流側に戻っていく(矢印c)。
【0028】
以下、本発明の一実施形態に係る蛇行制限機構2の構造及び蛇行制限機構2を用いた蛇行制限方法について説明する。まず、蛇行制限機構2の1つ分が複数のガイドローラを有する本実施形態について、図3図10を参照して詳細に説明する。図3図1のAA線における断面図であり、金属製メッシュベルト11のリターン側かつテールプーリ側において、一対の蛇行制限機構2を金属製メッシュベルト11の両側に配置している。図4は、図3に示した一対の蛇行制限機構2のうち一方の蛇行制限機構2の拡大図である。図5は、図4に示した蛇行制限機構2のD方向から見た側面図であり、図6は蛇行制限機構2の要部を示す斜視図である。本実施形態では図5及び図6に示したように、蛇行制限機構2の1つ分が2個のガイドローラ22を有している。
【0029】
図4及び図5において、固定部23は水平部231、垂直部232及びボス233で構成されており、各部材は溶接等により固定されて一体になっている。水平部231は、取付け具3により架台フレーム16に固定されている。具体的には、水平部231及び架台フレーム16にボルト31を挿通させ、ボルト31にナット32を螺合させている。このことにより、蛇行制限機構2全体が架台フレーム16に固定されている。取付け具3には適宜ばね座金や平座金を用いればよい。また、固定部23が架台フレーム16に固定されればよく、固定構造は図4の構成に限るものではない。
【0030】
図3図4及び図6に示したように、ガイドローラ22が金属製メッシュベルト11のベルトエッジ11aに対向している。図7を参照しながら、ガイドローラ22の構造について説明する。図7図6のEE線における断面図である。ガイドローラ22は、ローラ221と回転軸222を有している。回転軸222は両端に縮径部222aを設けており、段差部222bが形成されている。縮径部222aにはねじが形成されており、縮径部222aに、ナット261及びばね座金262で構成される締付け具26が取り付けられている。
【0031】
このことにより、回転軸222は、段差部222bが支持体25に挟まれた状態で支持体25に固定されている。ローラ221と回転軸222との間には僅かな隙間があり、ローラ221は、回転軸222を中心として回転可能である。したがって、ローラ221は、回転軸222を介して支持体25に回転可能に支持されている。図7に示したように、スペーサ27でローラ221の端面を保護してもよい。
【0032】
図6において、保持部24が支持体25に取り付けられている。より具体的には、図7において保持部24の両端に凸部24aが形成されている。保持部24は、凸部24aが支持体25に形成された孔25aを挿通した状態で支持体25に取り付けられている。凸部24aと孔25aの間には僅かな隙間があり、支持体25は、凸部24aを中心として旋回可能である。この効果については、後に説明する。
【0033】
図4図6及び図8に示したように、伸縮構造21は、伸縮部材である圧縮コイルバネ211内にガイドシャフト212を挿通させたものであり、圧縮コイルバネ211は固定部23と保持部24との間に介在している。図8を参照しながら、伸縮構造21の構造について説明する。図8図4のCC線における断面図である。
【0034】
図8において、ガイドシャフト212の一端は保持部24に固定され、圧縮コイルバネ211の一端は保持部24に当接している。このことにより、伸縮構造21の一方の端部は保持部24により保持されている。固定部23を構成する垂直部232及びボス233に形成された孔にガイドシャフト212を挿通させ、ガイドシャフト212のボス233からの出代部にはナット291、ばね座金292及び平座金293で構成されるシャフト固定具29を取り付けている。このことにより、伸縮構造21の他方の端部は固定部23により支持されている。シャフト固定具29はガイドシャフト212が軸方向に移動可能かつ垂直部232及びボス233に形成された孔から抜けることのないように取り付ければよく、その構造は図8の構成に限るものではない。
【0035】
固定部23は架台フレーム16に固定されており不動体である(図4参照)。このため、ガイドローラ22に負荷が加わり、保持部24が圧縮コイルバネ211を圧縮する方向に移動すると(矢印d)、保持部24と固定部23との間の間隔Wが縮む。負荷が無くなると、圧縮コイルバネ211は伸びて復元し、間隔Wは図8に示した初期の間隔に戻る。すなわち、伸縮部材である圧縮コイルバネ211の伸縮により、保持部24と固定部23との間の間隔が伸縮する。
【0036】
以下、蛇行制限機構2を用いた蛇行制限方法について説明する。図9は、金属製メッシュベルト11が幅方向に偏ったときの前後の様子を示す平面図である。本図は説明の便宜のため、金属製メッシュベルト11が幅方向にのみ偏った状態を図示している。また、蛇行制限機構2は、図8と同じ断面で図示している。矢印eは、金属製メッシュベルト11の進行方向である。図9(a)は、金属製メッシュベルト11の偏り前の状態を示している。この状態では、金属製メッシュベルト11のベルトエッジ11aとガイドローラ22のローラ221との間に間隔sの隙間が確保されている。
【0037】
図9(b)は、金属製メッシュベルト11の偏り後の状態を示している。この状態では、金属製メッシュベルト11は偏り量s1だけ平行移動している。このことにより、ベルトエッジ11aがローラ221に当接するとともに、ガイドローラ22が固定部23の垂直部232側に変位量s2だけ移動し、ガイドシャフト212の端面も変位量s2だけ移動している。あわせて、ガイドシャフト212がボス233の端面から変位量s2だけ露出している。これらは、金属製メッシュベルト11の偏りによってガイドローラ22が押圧されたことにより、圧縮コイルバネ211が圧縮されて、保持部24と固定部23との間の間隔が縮んだことによるものである。
【0038】
図9において、金属製メッシュベルト11の偏り量s1が増大すると、ガイドローラ22に対する押圧力が増大し、圧縮コイルバネ211の圧縮量が大きくなって、ガイドローラ22の変位量s2も大きくなる。すなわち、本実施形態に係る蛇行制限機構2によれば、金属製メッシュベルト11の偏りによってガイドローラ22に対する金属製メッシュベルト11の押圧力が増大しても、ガイドローラ22が金属製メッシュベルト11の外方向に変位するので、金属製メッシュベルト11及びガイドローラ22の破損を防止することができる。
【0039】
したがって、本実施形態に係る蛇行制限機構2を用いた蛇行制限方法によれば、伸縮部材である圧縮コイルバネ211の伸縮により、保持部24と固定部23との間の間隔を伸縮させ、金属製メッシュベルト11の押圧力と伸縮構造21により発生する反力を釣り合わせることで金属製メッシュベルト11及びガイドローラ22の破損を防止しながら蛇行を制限することができる。
【0040】
また、このような破損防止は、ガイドローラ22と伸縮構造21を主要構成とする蛇行制限機構2をコンベヤに設けることで実現できるので、蛇行修正のためのベルトの張力調整は不要であり、ベルト寿命を縮めることはなく、安定した搬送も損なわれない。さらに、蛇行制限機構2を既設のコンベヤに対して追加して設けることで、既設のコンベヤであっても確実に金属製メッシュベルト11の蛇行を制限することができる。
【0041】
これらに加えて、前記のとおり、ガイドローラ22が押圧されると、これに伴ってガイドシャフト212がボス233の端面から露出する。この露出を外部から目視確認することにより、ガイドローラ22の位置から金属製メッシュベルト11の蛇行の程度を把握することができる。
【0042】
前記実施形態においては、伸縮構造21を構成する伸縮部材として圧縮コイルバネ211を用いており、この構成によれば、金属製メッシュベルト11のベルトエッジ11a及びガイドローラ22のローラ221の強度を考慮して圧縮コイルバネ211を選定するだけで、金属製メッシュベルト11の押圧力が増大したときの、ガイドローラ22を金属製メッシュベルト11の外方向に変位させる効果が確実に得られる。
【0043】
また、図1に示したとおり、蛇行制限機構2は、金属製メッシュベルト11のリターン側かつテールプーリ側に配置され、図3に示したとおり、金属製メッシュベルト11の両側に配置されている。この構成によれば、前記の蛇行制限機構2を用いた蛇行制限方法により確実に金属製メッシュベルト11の蛇行を制限することができ、金属製メッシュベルト11及びガイドローラ22の破損防止効果をより有効に発揮することができる。
【0044】
金属製メッシュベルト11は、幅方向への偏りにより蛇行するだけではなく、傾斜する方向への偏りにより蛇行する場合もある。以下、図10を参照しながら、金属製メッシュベルト11が傾斜する方向へ偏ったときの様子について説明する。図10では、説明の便宜上金属製メッシュベルト11が傾斜した角度を実際より大きく誇張して示している。
【0045】
図10は、金属製メッシュベルト11が傾斜する方向へ偏ったときの様子を示す平面図である。図10(a)は、金属製メッシュベルト11が幅方向に偏り、かつ進行方向(矢印e)が内側になるように傾斜したとき(矢印f)の状態を示している。2点鎖線で偏り前の状態を示している。金属製メッシュベルト11が幅方向に偏ったことにより、ガイドシャフト212はボス233の端面から変位量s3だけ露出している。
【0046】
図7を用いて説明したとおり、支持体25は保持部24の凸部24aを中心として旋回可能である。支持体25の旋回に伴って、支持体25に支持された2個のガイドローラ22も旋回する。図10(a)の状態では、金属製メッシュベルト11の傾斜に伴い、2個のローラ221をベルトエッジ11aに当接して追従させている。
【0047】
図10(b)は、金属製メッシュベルト11の傾斜方向が図10(a)の傾斜方向と異なっている。図10(b)では、金属製メッシュベルト11が幅方向に偏り、かつ進行方向(矢印e)が外側になるように傾斜したとき(矢印g)の状態を示している。この状態では、図10(a)の状態と比べると、支持体25及び2個のガイドローラ22の旋回方向が逆方向になっているが、2個のローラ221をベルトエッジ11aに当接して追従させていることについては変わりがない。
【0048】
したがって、本実施形態に係る蛇行制限機構2を用いた蛇行制限方法によれば、金属製メッシュベルト11が進行方向に対して傾斜しても、ガイドローラ22を構成する2個のローラ221をベルトエッジ11aに当接して追従させるので、金属製メッシュベルト11の破損防止効果がより高まることに加え、ガイドローラ22の破損防止を図ることもできる。
【0049】
前記実施形態においては、蛇行制限機構2の1つ分が備えるガイドローラ22は2個であったが1個でもよく、3個以上でもよい。図11に、ガイドローラ22が1個の蛇行制限機構2の要部を示す斜視図を示している。図11に示した蛇行制限機構2は、ガイドローラ22が1個である点と、支持体25が旋回する必要がないので支持体25を保持部24に位置固定している点と、レイアウトを変更している点が、図4図6に示した蛇行制限機構2と異なっている。しかし、これらの点以外の構成は、図4図6に示した蛇行制限機構2と同様である。
【0050】
また、前記実施形態においては、図4及び図8に示したように、伸縮構造21は、伸縮部材である圧縮コイルバネ211内にガイドシャフト212を挿通させたものであったが、この構成に限るものではない。図12に、伸縮構造21を別の構成とした実施形態に係る蛇行制限機構2を示している。本図に示した蛇行制限機構2は、図11に示した蛇行制限機構2において、伸縮部材である圧縮コイルバネ211を、エアダンパー213に代えたものである。エアダンパー213は、ロッド213aとシリンダ213bを備えている。シリンダ213bには予め圧縮エアを封入する。シリンダ213b内のエア圧力は、圧縮コイルバネ211を選定したように、金属製メッシュベルト11のベルトエッジ11a及びガイドローラ22のローラ221の強度を考慮して設定する。
【0051】
本実施形態において、金属製メッシュベルト11の偏りによってガイドローラ22が押圧されると、ロッド213aも押圧され、シリンダ213b内の空気が圧縮されてロッド213aが縮む。このことにより、保持部24と固定部23との間の間隔が縮み、ガイドシャフト212は軸方向に移動し、ボス233の端面から露出することになる。押圧力が弱まると圧縮された空気の反力によりロッド213aが伸びて、ガイドローラ22は初期位置に復帰する方向に移動する。したがって、本実施形態においても、伸縮部材としてのエアダンパー213の伸縮により、保持部24と固定部23との間の間隔が伸縮し、金属製メッシュベルト11の押圧力と伸縮構造21により発生する反力が釣り合うことで金属製メッシュベルト11及びガイドローラ22の破損を防止しながら蛇行を制限することができる。
【0052】
図13に、図11に示した圧縮コイルバネ211に代えて、伸縮部材としてエアシリンダ214を用いた別の実施形態に係る蛇行制限機構2を示している。エアシリンダ214は、ロッド214a、シリンダ214b及びオートスイッチ214cを備えている。シリンダ214bには図示していないコンプレッサーから圧縮エアが供給され、ロッド214aが保持部24を押す方向にエアシリンダ214の推力が掛かる。シリンダ214b内のエア圧力は任意に調整できるため、金属製メッシュベルト11及びガイドローラ22が破損しない推力になるようにエア圧力を設定する。また、シリンダ214b内のエア圧力を一定に保つために、リリーフ弁を設けることが好ましい。リリーフ弁は、エア圧力が上昇した際に空気を抜くための常用手段として設けられる。この構成によれば、エアシリンダ214の推力よりガイドローラ22に対する金属製メッシュベルト11の押圧力が勝った時点で、ガイドローラ22が金属製メッシュベルト11の外方向に変位することになる。したがって、本実施形態においては、金属製メッシュベルト11の押圧力と伸縮構造21により発生する反力が釣り合うことはなく、金属製メッシュベルト11の押圧力が伸縮構造21の反力以下であるとガイドローラ22は一定の位置に留まることとなる。
【0053】
オートスイッチ214cはロッド214aの位置を検知するものであり、検知位置はオートスイッチ214cの取付位置により変更できる。本実施形態のオートスイッチ214cは、ガイドローラ22が金属製メッシュベルト11の外方向に変位する前のロッド214aの位置を検知するように設置されている。ガイドローラ22が金属製メッシュベルト11の外方向に変位するとオートスイッチ214cがロッド214aの位置を検知できなくなり、金属製メッシュベルト11及びガイドローラ22が破損する危険な領域に近づいたことが電気信号により認識できる。この時点で、操作パネルに警報を表示させるとともにベルト駆動機構15を停止させることで金属製メッシュベルト11及びガイドローラ22を確実に保護することができる。
【0054】
前記のとおり、エアシリンダ214は伸縮部材であり、ロッド214aが縮んで、オートスイッチ214cが作動してベルト駆動機構15が停止した後は、シリンダ214bに圧縮エアを供給することにより、ロッド214aが伸びて初期位置に復帰させることができる。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記各実施形態に限るものではなく、適宜変更したものであってもよい。例えば図7において、ガイドローラ22の支持構造や保持部24と支持体25との係合構造は他の構造であってもよい。また図12において、伸縮部材としてエアダンパー213は、空気が介在して構造物が伸縮するものであればよく、ロッド213aが伸縮するものでなくてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 冷却機
11 金属製メッシュベルト
11a ベルトエッジ
12 ヘッドプーリ
13 テールプーリ
16 架台フレーム
2 蛇行制限機構
21 伸縮構造
211 圧縮コイルバネ(伸縮部材)
212 ガイドシャフト
213 エアダンパー(伸縮部材)
214 エアシリンダ(伸縮部材)
22 ガイドローラ
221 ローラ
222 回転軸
23 固定部
24 保持部
25 支持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドプーリとテールプーリに掛け渡した無端帯の金属製メッシュベルトに搬送物を積載して搬送するコンベヤにおける蛇行制限機構であって、
ローラと回転軸を有し、前記金属製メッシュベルトのベルトエッジに対向するガイドローラと、
前記ローラを前記回転軸を介して回転可能に支持する支持体と、
伸縮部材を有する伸縮構造と、
前記支持体に取り付けられ、前記伸縮構造の一方の端部を保持する保持部と、
前記コンベヤの架台フレームに固定され、前記伸縮構造の他方の端部を支持する固定部とを備え、
前記保持部と前記固定部との間に前記伸縮部材が介在しており、
前記金属製メッシュベルトの偏りによって前記ガイドローラに対する前記金属製メッシュベルトの押圧力が増大すると、前記保持部と前記固定部との間の間隔が縮んで、前記ガイドローラが前記金属製メッシュベルトの外方向に変位し、
前記蛇行制限機構の1つ分が複数の前記ガイドローラを有し、前記保持部に前記支持体が旋回可能に取り付けられており、前記金属製メッシュベルトが進行方向に対して傾斜したときに、前記複数のガイドローラが前記ベルトエッジに当接して追従することを特徴とする金属製メッシュベルトの蛇行制限機構。
【請求項2】
前記伸縮部材の伸縮により、前記保持部と前記固定部との間の間隔が伸縮し、前記金属製メッシュベルトの押圧力と前記伸縮構造により発生する反力が釣り合うことで前記金属製メッシュベルト及び前記ガイドローラの破損を防止しながら蛇行を制限する請求項1に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限機構。
【請求項3】
前記伸縮部材が圧縮コイルバネである請求項1に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限機構。
【請求項4】
ヘッドプーリとテールプーリに掛け渡した無端帯の金属製メッシュベルトに搬送物を積載して搬送するコンベヤにおいて、蛇行制限機構を用いた蛇行制限方法であって、
前記蛇行制限機構は、
ローラと回転軸を有し、前記金属製メッシュベルトのベルトエッジに対向するガイドローラと、
前記ローラを前記回転軸を介して回転可能に支持する支持体と、
伸縮部材を有する伸縮構造と、
前記支持体に取り付けられ、前記伸縮構造の一方の端部を保持する保持部と、
前記コンベヤの架台フレームに固定され、前記伸縮構造の他方の端部を支持する固定部とを備え、
前記保持部と前記固定部との間に前記伸縮部材が介在しており、
前記金属製メッシュベルトの偏りによって前記ガイドローラに対する前記金属製メッシュベルトの押圧力が増大すると、前記保持部と前記固定部との間の間隔が縮んで、前記ガイドローラを前記金属製メッシュベルトの外方向に変位させ
前記蛇行制限機構の1つ分が複数の前記ガイドローラを有し、前記保持部に前記支持体が旋回可能に取り付けられており、前記金属製メッシュベルトが進行方向に対して傾斜したときに、前記複数のガイドローラを前記ベルトエッジに当接して追従させることを特徴とする金属製メッシュベルトの蛇行制限方法。
【請求項5】
前記伸縮部材の伸縮により、前記保持部と前記固定部との間の間隔を伸縮させ、前記金属製メッシュベルトの押圧力と前記伸縮構造により発生する反力を釣り合わせることで前記金属製メッシュベルト及び前記ガイドローラの破損を防止しながら蛇行を制限する請求項に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限方法。
【請求項6】
前記伸縮部材が圧縮コイルバネである請求項に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限方法。
【請求項7】
前記金属製メッシュベルトのリターン側かつテールプーリ側において、一対の前記蛇行制限機構を前記金属製メッシュベルトの両側に配置する請求項に記載の金属製メッシュベルトの蛇行制限方法。