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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174264
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】撮影装置及び撮影方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/50 20230101AFI20231130BHJP
   H04N 23/51 20230101ALI20231130BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20231130BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20231130BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20231130BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20231130BHJP
【FI】
H04N5/225 100
H04N5/225 200
H04N5/225 600
G03B17/56 B
G03B15/02 B
G03B15/02 G
G03B15/00 P
G03B15/00 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087020
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】中西 清史
(72)【発明者】
【氏名】濱井 信二
(72)【発明者】
【氏名】河野 秀行
(72)【発明者】
【氏名】桑野 秀之
(72)【発明者】
【氏名】山岡 めぐみ
【テーマコード(参考)】
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA06
5C122DA35
5C122EA55
5C122FA06
5C122FA16
5C122FC00
5C122FK01
5C122GE01
5C122GE04
5C122GE05
5C122GE11
5C122GG03
5C122GG05
5C122GG21
5C122GG30
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】
【課題】被写体の中心がターンテーブルの中心に位置するよう、ユーザが容易に被写体をターンテーブルに置くことができる撮影装置を提供すること。
【解決手段】撮影装置は、被写体が置かれる載置台と、前記載置台の所定の位置に配置された被写体を、前記所定の位置を中心とした複数の角度から撮影するセンサと、前記載置台の前記所定の位置に光を照射する第1光源と、前記被写体の中心に光を照射する第2光源と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体が置かれる載置台と、
前記載置台の所定の位置に配置された被写体を、前記所定の位置を中心とした複数の角度から撮影するセンサと、
前記載置台の前記所定の位置に光を照射する第1光源と、
前記被写体の中心に光を照射する第2光源と、
を有する撮影装置。
【請求項2】
前記第2光源は、前記被写体の移動に追従して、前記被写体の中心に光を照射する、
請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記第1光源と前記第2光源の少なくとも一方は、前記所定の位置と前記被写体の中心との間の距離に応じて、照射する光の態様を変更する、請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記第1光源と前記第2光源の少なくとも一方は、前記所定の位置と前記被写体の中心とが合致した場合に、照射する光の態様を他の場合に照射する光と異なる態様に変更する、請求項3に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記載置台、前記センサ、前記第1光源、及び前記第2光源を収容し、開閉可能な箱をさらに有し、
前記第1光源及び前記第2光源は、前記箱が閉じられると前記光の照射を停止する、請求項1に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記被写体の中心は、前記第1光源から見た前記被写体の形状における中心である、
請求項1に記載の撮影装置。
【請求項7】
前記載置台は、回転中心を持つターンテーブルであり、
前記所定の位置は、前記回転中心である、
請求項1に記載の撮影装置。
【請求項8】
前記第1光源は、前記ターンテーブルの回転軸上に配置される、
請求項7に記載の撮影装置。
【請求項9】
前記ターンテーブルの回転中心の上方を通過し、前記ターンテーブルの回転中心を中心に回転する回転枠をさらに備える、請求項7に記載の撮影装置。
【請求項10】
前記載置台、前記センサ、前記第1光源、及び前記第2光源を収容する箱を備え、
前記箱は、光を遮断する部材によって構成され、内部に照明を有する、
請求項1に記載の撮影装置。
【請求項11】
前記センサを移動させる可動部と前記載置台との間に照明を有する、
請求項10に記載の撮影装置。
【請求項12】
前記照明は、前記被写体に当てる光の方向、波長、及び、強度の少なくとも1つが制御される、
請求項10に記載の撮影装置。
【請求項13】
前記センサと、前記センサに正対する前記被写体の平面との距離に基づいて、前記平面における1ピクセル当たりの長さを算出し、前記1ピクセル当たりの長さと、前記平面の一辺におけるピクセル数とに基づいて、前記平面の一辺における長さを算出する制御部、をさらに有する、
請求項1に記載の撮影装置。
【請求項14】
被写体が置かれる載置台と、前記載置台の所定の位置に配置された被写体を、前記所定の位置を中心とした複数の角度から撮影するセンサと、第1光源と、第2光源と、を備える装置による撮影方法であって、
前記第1光源により、前記載置台の前記所定の位置に光を照射し、
前記第2光源により、前記被写体の中心に光を照射する、
撮影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮影装置及び撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体の全周囲を撮影する全周囲撮影装置がある。例えば、特許文献1には、被写体が置かれ、回転するターンテーブルと、被写体を撮影するカメラを支持し、被写体の垂直方向における全周囲を撮影するために、ターンテーブルの周囲を移動するカメラ支持部と、を備える全周囲撮影装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-232768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、被写体の中心が、ターンテーブルの中心に位置するよう、被写体をターンテーブルに置かないと、被写体が適切に撮影されない場合がある。被写体の全周囲の画像を撮影する場合、ターンテーブルの中心において適切な画像が撮影されるようにカメラの光学的な特性を調整することで、被写体の位置がターンテーブルの中心に合致していれば、どのような角度から撮影しても歪みの少ない画像が得られる可能性が高まる。
【0005】
しかし、この場合、例えば、被写体がターンテーブルの中心から外れて置かれると、カメラの移動に伴って、カメラと被写体との距離が近くなったり、遠くなったりする。その結果、カメラと被写体との距離が近い場合には大きく、遠い場合には小さく被写体が映ってしまうため、被写体を適切に撮影できない場合がある。具体例を挙げると、立方体の形状を持つ被写体を撮影する場合に、被写体の位置が中心から外れていると、カメラとの距離が近かった面は広く、遠かった面は狭く撮影されてしまうため、歪んだ形状の画像が撮影されてしまうおそれがある。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、被写体の中心がターンテーブルの中心に位置するよう、ユーザが容易に被写体をターンテーブルに置くことができる撮影装置の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る撮影装置は、被写体が置かれる載置台と、前記載置台の所定の位置に配置された被写体を、前記所定の位置を中心とした複数の角度から撮影するセンサと、前記載置台の前記所定の位置に光を照射する第1光源と、前記被写体の中心に光を照射する第2光源と、を有する。
【0008】
本開示の一実施例に係る撮影方法は、被写体が置かれる載置台と、前記載置台の所定の位置に配置された被写体を、前記所定の位置を中心とした複数の角度から撮影するセンサと、第1光源と、第2光源と、を備える装置による撮影方法であって、前記第1光源により、前記載置台の前記所定の位置に光を照射し、前記第2光源により、前記被写体の中心に光を照射する。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム、又は、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施例によれば、ユーザは、被写体の中心がターンテーブルの中心に位置するよう、被写体を容易にターンテーブルに置くことができる。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態に係る撮影システムの構成例を示した図
図2】撮影装置の透視図
図3】箱の図示を省略した撮影装置の斜視図
図4】ターンテーブルに被写体が置かれた様子を示した図
図5】撮影装置の側面図
図6】撮影装置の上面図
図7】ターンテーブル及び回転枠の斜視図
図8】ターンテーブル及び回転枠を上方から見た図
図9】ターンテーブル及び回転枠を側方から見た図
図10】回転枠の一部斜視図
図11】撮影制御装置のハードウェア構成例を示した図
図12】撮影制御装置のブロック構成例を示した図
図13】光源の光の照射例を説明する図
図14A】被写体の位置合わせの例を説明する図
図14B】被写体の位置合わせの例を説明する図
図14C】被写体の位置合わせの例を説明する図
図15】撮影システムの動作例を示したフローチャート
図16】第2の実施の形態に係る撮影装置を側方から見た図
図17A】照明の構成例を示した図
図17B】照明の構成例を示した図
図18】照明の構成例を示した図
図19】撮影制御装置のブロック構成例を示した図
図20】撮影制御装置の表示装置に表示されるGUIの一例を示した図
図21】照明の設定画像例を示した図
図22】照明及びセンサの制御項目の一例を説明する図
図23】撮影装置のユースケースの一例を説明する図
図24】第3の実施の形態に係る撮影制御装置のブロック構成例を示した図
図25A】被写体の寸法算出の一例を説明する図
図25B】被写体の寸法算出の一例を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0014】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0015】
<第1の実施の形態>
<システム構成例>
図1は、第1の実施の形態に係る撮影システムの構成例を示した図である。図1に示すように、撮影システムは、撮影装置1と、撮影制御装置2と、を有する。以下では、撮影装置1に対し、図1に示すx、y、z軸を設定する。
【0016】
図1に示すように、撮影装置1は、箱1aを有する。撮影装置1は、箱1aの中に、被写体の画像データや深度(距離)データといった情報を取得するセンサ、被写体に光を当てる照明、被写体を置くためのターンテーブル、及び、被写体又はターンテーブルの所定の位置にレーザ光等を照射する光源といった装置を有する。以下では、被写体の画像データや深度データといった情報を被写体情報と称することがある。また、以下では、被写体の被写体情報を取得することを撮影と称することがある。
【0017】
箱1aは、扉1bを有する。ユーザは、被写体を撮影する場合、扉1bを開け、箱1aの中にあるターンテーブルの上に被写体を置く。ユーザは、扉1bを閉じ、撮影制御装置2を操作して、被写体の撮影を開始する。
【0018】
箱1aは、箱1aの外の光が内部に透過しない材料によって構成される。すなわち、撮影装置1は、外部の光に影響されないように、被写体を撮影する。また、箱1a内には、可動する部品が複数存在する。箱1aは、ユーザが可動する部品に触れないようにし、安全を確保する。なお、撮影装置1が設置されている部屋自体が外光から遮蔽されていたり、外光の影響も考慮した被写体の画像を撮影したりする場合は、箱1aは省略されていてもよい。
【0019】
撮影制御装置2は、撮影装置1と接続される。撮影制御装置2は、ユーザの操作を受付け、撮影装置1を制御する。また、撮影制御装置2は、撮影装置1が撮影した被写体の被写体情報に基づいて、被写体の画像をディスプレイに表示する。ディスプレイに表示される被写体画像は、例えば、画像データに基づく画像又は深度データに基づく画像であってもよい。撮影制御装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、又は、スマートフォンといった情報処理装置によって、構成されてもよい。
【0020】
<撮影装置の構成例>
図2は、撮影装置1の透視図である。図3は、箱1aの図示を省略した撮影装置1の斜視図である。図2及び図3に示すように、撮影装置1は、基部11と、ターンテーブル12と、回転枠13と、光源14,15と、を有する。
【0021】
図2に示すように、基部11は、箱1a内において固定される。基部11は、ターンテーブル12を、図3に示す両矢印A3a方向に回転できるよう支持する。基部11は、回転枠13を、図3に示す両矢印A3b方向に回転できるよう支持する。
【0022】
ターンテーブル12は、円板形状を有する。円板形状のターンテーブル12は、例えば、その面が水平となるように基部11に支持される。
【0023】
回転枠13は、リング形状を有する。リング形状の回転枠13は、その枠を含む平面がターンテーブル12の面と垂直に交わるように基部11に支持される。また、リング形状の回転枠13は、そのリング枠内にターンテーブル12が位置する(収まる)ように基部11に支持される。回転枠13には、ターンテーブル12上の被写体の被写体情報を取得するセンサが取り付けられる(例えば、図10のセンサ31を参照)。
【0024】
光源14は、基部11に固定される。光源14は、ターンテーブル12上の回転中心(回転軸)に光を照射する(例えば、図13の十字状の実線A13aを参照)。光源14は、撮影制御装置2の制御に応じて、光を照射する。光源14は、例えば、クロスラインレーザによって構成されてもよい。
【0025】
光源15は、照射する光の方向を変更できるように、可動可能に基部11に固定される。後述するが、光源15は、撮影制御装置2の制御に応じて可動し、ターンテーブル12の上に置かれた被写体の、上方(+z軸側)から見た中心に光を照射する(例えば、図13の点A13bを参照)。光源15は、レーザポインタによって構成されてもよい。
【0026】
図4は、ターンテーブル12に被写体Xが置かれた様子を示した図である。図4において、図3と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図4に示すように、被写体Xは、ターンテーブル12の上に置かれる。ターンテーブル12は、被写体Xの底面が、回転枠13に取り付けられたセンサによって撮影されるよう、透明の部材によって構成される。
【0027】
図5は、撮影装置1の側面図である。図5において、図3と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図5に示すように、基部11は、ガイド11a~11dを有する。ガイド11a~11dは、基部11に固定される。ガイド11a~11dは、回転枠13を回転可能に支持する。
【0028】
回転枠13は、ターンテーブル12の面と垂直に交わる平面内において回転する。回転枠13は、その回転軸がターンテーブル12の平面上に位置するように配置される。回転枠13は、図5の両矢印A3bに示すように、図5中において、時計回り及び反時計回りに回転する。
【0029】
図6は、撮影装置1の上面図である。図6において、図3と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図6に示すように、基部11は、ガイド11e~11hを有する。ガイド11e~11hは、基部11に固定される。ガイド11e~11hは、ターンテーブル12の円周端において、ターンテーブル12を回転可能に支持する。
【0030】
ターンテーブル12は、例えば、水平面内において回転する。ターンテーブル12は、その回転軸が、回転枠13の平面上に位置するように配置される。ターンテーブル12は、図6の両矢印A3aに示すように、図6中において、時計回り及び反時計回りに回転する。
【0031】
図7は、ターンテーブル12及び回転枠13の斜視図である。図7において、図3と同じ構成要素には同じ符号が付してある。なお、図7には、図5で説明した回転枠13を回転可能に支持するガイド11a~11dと、図6で説明したターンテーブル12を回転可能に支持するガイド11e~11hも示してある。
【0032】
図7に示す点線A7aは、ターンテーブル12の回転軸を示す。図7に示す一点鎖線A7bは、回転枠13の回転軸を示す。ターンテーブル12と回転枠13とは、ターンテーブル12の回転軸と、回転枠13の回転軸とが直交するように配置される。また、ターンテーブル12と回転枠13とは、円板形状のターンテーブル12の中心と、リング形状の回転枠13の中心とが一致するように配置される。従って、ターンテーブル12は、回転枠13の中心を中心に回転し、回転枠13は、ターンテーブル12の中心を中心に回転する。
【0033】
図8は、ターンテーブル12及び回転枠13を上方から見た図である。図8において、図7と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図8に示すように、撮影装置1は、駆動装置21aと、ベルト22aと、を有する。
【0034】
駆動装置21aは、回転軸を有する。駆動装置21aは、例えば、モータによって構成される。駆動装置21aは、例えば、ガイド11eに固定される。
【0035】
ベルト22aは、駆動装置21aの回転軸と、円板形状のターンテーブル12の外周とに掛けられる。駆動装置21aの回転軸が回転すると、ベルト22aが回転し、ターンテーブル12が回転する。例えば、ターンテーブル12は、図8の両矢印A8aに示すように、図8中において、時計回り及び反時計回りに回転する。
【0036】
駆動装置21aの回転軸は、撮影制御装置2の制御に応じて回転する。従って、ターンテーブル12は、撮影制御装置2の制御に応じて回転する。
【0037】
図9は、ターンテーブル12及び回転枠13を側方から見た図である。図9において、図7及び図8と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図9に示すように、撮影装置1は、駆動装置21bと、ベルト22bと、を有する。
【0038】
駆動装置21bは、回転軸を有する。駆動装置21bは、例えば、モータによって構成される。駆動装置21bは、例えば、ガイド11cに固定される。
【0039】
ベルト22bは、駆動装置21bの回転軸と、リング形状の回転枠13の外周とに掛けられる。駆動装置21bの回転軸が回転すると、ベルト22bが回転し、回転枠13が回転する。例えば、回転枠13は、図9の両矢印A9aに示すように、図9中において、時計回り及び反時計回りに回転する。
【0040】
なお、ターンテーブル12を回転させるための構造は、ベルトを使用するもの以外であってもよい。ただし、被写体をターンテーブル12の裏側から撮影した画像も取得する場合は、ターンテーブル12を回転させる機構が写りこまないようにすることが望ましい。具体的には、ターンテーブル12の側面を把持して回転させるアーム等を使用することが考えられる。また、被写体をターンテーブル12の裏側から撮影する必要がなければ、ターンテーブル12をモータ等で直接回転させるようにしてもよい。
【0041】
駆動装置21bの回転軸は、撮影制御装置2の制御に応じて回転する。従って、回転枠13は、撮影制御装置2の制御に応じて回転する。
【0042】
図10は、回転枠13の一部斜視図である。図10には、回転枠13の他に、図5で説明したガイド11aも示してある。図10に示すように、回転枠13の内側には、センサ31が固定される。回転枠13の回転に伴って、センサ31も回転する。
【0043】
センサ31は、撮影制御装置2と接続される。センサ31は、撮影制御装置2の制御に応じて、例えば、被写体の画像データや、センサ31から被写体の表面までの深度データといった被写体情報を取得する。センサ31は、ターンテーブル12の回転と、回転枠13の回転とによって、ターンテーブル12の上に置かれた被写体の一部及び全周を撮影できる。
【0044】
センサ31は、例えば、画像データを取得する撮像カメラによって構成されてもよい。また、センサ31は、例えば、センサ31から被写体までの距離を計測する深度カメラによって構成されてもよい。深度カメラは、例えば、TOF(Time Of Flight)カメラやステレオカメラであってもよい。センサ31は、取得した被写体の被写体情報を、撮影制御装置2に送信する。
【0045】
<撮影制御装置のハードウェア構成例>
図11は、撮影制御装置2のハードウェア構成例を示した図である。図11に示すように、撮影制御装置2は、プロセッサ2aと、RAM(Random Access Memory)2bと、HDD(Hard Disk Drive)2cと、通信インターフェース2dと、入力装置2eと、表示装置2fと、バス2gと、を有する。
【0046】
撮影制御装置2は、プロセッサ2aによって装置全体が制御されている。プロセッサ2aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)であってもよい。プロセッサ2aには、バス2gを介して、RAM2b、HDD2c、通信インターフェース2d、入力装置2e、及び、表示装置2fが接続される。
【0047】
RAM2bには、プロセッサ2aに実行させるOS(Operating System)及びアプリケーションプログラムが一時的に格納される。また、RAM2bには、プロセッサ2aによる処理に必要な各種データが一時的に格納される。
【0048】
HDD2cには、OS及びアプリケーションプログラムが格納される。また、HDD2cには、プロセッサ2aによる処理に必要な各種データが格納される。
【0049】
通信インターフェース2dは、有線又は無線を介し、撮影装置1と通信を行う。
【0050】
入力装置2eは、ユーザ操作を受け付け、ユーザ操作に応じた信号をプロセッサ2aに出力する。入力装置2eは、例えば、キー装置、マウス、又はタッチパネルである。
【0051】
表示装置2fは、プロセッサ2aから出力される画像信号に基づき、画像を表示する。
【0052】
<撮影制御装置のブロック構成例>
図12は、撮影制御装置2のブロック構成例を示した図である。図12に示すように、撮影制御装置2は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、を有する。制御部41は、例えば、図11に示したプロセッサ2aによって、その機能が実現される。記憶部42は、例えば、図11に示したRAM2b及びHDD2cの両方又は一方によって、その機能が実現される。通信部43は、例えば、図11に示した通信インターフェース2dによって、その機能が実現される。通信部43は、送信部と受信部とを備えてもよい。
【0053】
制御部41は、形状取得部41aと、中心算出部41bと、光源制御部41cと、撮影部41dと、を有する。
【0054】
形状取得部41aは、センサ31が取得した被写体情報に基づいて、被写体の形状を取得する。形状取得部41aが取得する形状データは、例えば、被写体の2次元データ又は被写体の3次元データであってもよい。
【0055】
中心算出部41bは、形状取得部41aが取得した被写体の形状に基づいて、被写体の中心を算出する。中心算出部41bは、被写体を上方から見たときの被写体の形状から、被写体を上方から見たときの被写体の中心を算出してもよい。被写体を上方から見たときの被写体の中心は、例えば、被写体を上方から見たときの被写体平面における幾何中心であってもよい。
【0056】
光源制御部41cは、光源14,15の光の出射を制御する。また、光源制御部41cは、中心算出部41bが算出した被写体の中心(中心位置)に基づいて、光源14の動きを制御する。例えば、光源制御部41cは、光源14が、ターンテーブル12の上に置かれた被写体の中心に光を照射するように、光源14の動きを制御する。
【0057】
撮影部41dは、ターンテーブル12及び回転枠13の回転を制御し、ターンテーブル12の上に置かれた被写体を撮影する。例えば、撮影部41dは、ターンテーブル12及び回転枠13の回転を制御し、ターンテーブル12の上に置かれた被写体の一部又は全周を撮影する。
【0058】
<光源の光の照射例>
図13は、光源14,15の光の照射例を説明する図である。図13には、撮影装置1の一部を図示し、また、その形状を簡略化して図示してある。図13には、基部11の一部と、ターンテーブル12と、回転枠13と、光源14,15と、が示してある。また、図13には、ターンテーブル12の上に置かれた被写体Xが示してある。
【0059】
光源14は、基部11に固定され、ターンテーブル12の中心を示すように光を照射する。例えば、光源14は、図13の実線A13aに示すように、十字状の光を照射する。十字の交わる部分が、ターンテーブル12の中心を示す。
【0060】
光源14は、例えば、ターンテーブル12の中心を通る、ターンテーブル12の垂直線上において、基部11に固定されてもよい。これにより、被写体X上に照射される十字状の光の交点は、常にターンテーブル12の回転軸上(中心軸上)にある。
【0061】
光源15は、基部11に可動可能に固定され、被写体Xを上方から見たときの、被写体Xの中心を示すように光を照射する。例えば、光源15は、図13の点A13bに示すように、点状の光を、被写体Xを上方から見たときの、被写体Xの中心に照射する。
【0062】
上記したように、光源15は、基部11に可動可能に固定される。ユーザがターンテーブル12上の被写体Xを移動すると、光源15は、撮影制御装置2の制御に応じて可動し、移動される被写体Xの、上方から見たときの中心に光を照射する。別言すれば、撮影制御装置2は、移動する被写体Xの、上方から見たときの中心に光を照射するように、光源15の動きを制御する。以下では、被写体をターンテーブル12の上方(光源14)から見たときの中心を、上面中心と称することがある。
【0063】
なお、光源14が照射する光は、十字状に限定されない。例えば、光源14は、点状の光を照射してもよい。この場合、光源15が照射する点状の光と区別されるように、光源14は、光源15が照射する光とは異なる色の点状の光を照射してもよい。または、光源14は、光源15が照射する光とは異なる大きさの点状の光を照射してもよい。または、光源14が照射する光を構成する線の数は2本よりも多くてもよいし、角度は90度以外の角度でもよい。また、同心円や矢印など、他の形状の光を照射してもよい。すなわち、被写体を移動すべき位置を直感的に認識できる形状であればどのような形状の光を照射してもよい。
【0064】
また、光源15が照射する光は、点状に限定されない。例えば、光源15は、十字状の光を照射してもよい。この場合、光源14が照射する十字状の光と区別されるように、光源15は、光源14が照射する光とは異なる色の十字状の光を照射してもよい。または、光源15は、光源14が照射する光とは異なる太さの十字状の光を照射してもよい。
【0065】
<被写体の位置の合わせこみ例>
被写体の上面中心が、ターンテーブル12の中心(回転軸)に位置するよう、被写体をターンテーブル12に置かないと、被写体が適切に撮影されない場合がある。例えば、被写体がターンテーブル12の中心から外れて置かれると、センサ31の回転に伴って、又は、ターンテーブル12の回転に伴って、センサ31と被写体とが近くなったり、遠くなったりして、被写体を適切に撮影できない場合がある。例えば、被写体の画像データに基づく画像や被写体の深度データに基づく画像に歪みが生じる場合がある。そのため、被写体は、ターンテーブル12の中心に置かれることが重要となる。
【0066】
図14(A)~図14(C)は、被写体の位置合わせの例を説明する図である。図14(A)~図14(C)には、撮影装置1の上方から見たときの被写体Xが示してある。また、図14(A)~図14(C)には、光源14が照射する十字状の光L1,L2と、光源15が照射する点状の光L3と、が示してある。光L1,L2の交点は、ターンテーブル12の中心を示す。光L3は、被写体Xの上面中心を示す。
【0067】
ユーザは、例えば、図14(A)に示すように、被写体Xをターンテーブル12に置く。光L1,L2の交点と光L3との位置は異なっている。そのため、ユーザは、被写体Xの上面中心が、ターンテーブル12の中心に位置していないことを認識できる。
【0068】
被写体Xの上面中心と、ターンテーブル12の中心とが一致していないことを認識したユーザは、被写体Xに照射されている光L3が、光L1,L2の交点に重なるように、被写体Xを移動する。例えば、ユーザは、図14(B)に示すように、被写体Xに照射されている光L3が、光L1,L2の交点に近づくように移動し、図14(C)に示すように、被写体Xに照射されている光L3が、光L1,L2の交点に重なるように移動する。
【0069】
すなわち、ユーザは、被写体Xの上面中心をターンテーブル12の中心に合わせるには、被写体Xの上面中心を示す、被写体Xに照射される光L3が、ターンテーブル12の中心を示す光L1,L2の交点に重なるように、被写体Xを移動すればよい。これにより、ユーザは、被写体Xの上面中心がターンテーブル12の中心に位置するように容易に被写体Xを置くことができる。
【0070】
光L1,L2の交点と、光L3とが重なった場合、被写体Xの上面中心を通る垂直線と、ターンテーブル12の回転軸と、が重なる。従って、光L1,L2の交点と、光L3とが重なるようにターンテーブル12の上に置かれた被写体Xは、ターンテーブル12が回転すると、被写体Xの上面中心を通る軸を回転軸として回転する。これにより、撮影装置1では、センサ31の回転に伴って、又は、ターンテーブル12の回転に伴って、センサ31と被写体とが近くなったり、遠くなったりすることが抑制される。
【0071】
<撮影システムの動作例>
図15は、撮影システムの動作例を示したフローチャートである。撮影システムは、例えば、扉1bが閉じられた状態において、撮影装置1及び撮影制御装置2の電源がオンされた場合に、図15に示すフローチャートの動作を開始してもよい。
【0072】
撮影制御装置2は、センサ31が、ターンテーブル12の上方であって、ターンテーブル12の回転軸上に位置するよう、回転枠13の回転を制御する(S1)。
【0073】
ここで、ユーザは、撮影装置1の扉1bを開け、ターンテーブル12の上に被写体を置く。
【0074】
撮影制御装置2は、撮影装置1の扉1bが開けられると、光源14から、ターンテーブル12の中心に光を照射する(S2)。光源14は、例えば、十字状の光を照射する。
【0075】
撮影制御装置2は、センサ31を制御し、ターンテーブル12の上に置かれた被写体の上面を撮影する(S3)。
【0076】
撮影制御装置2は、センサ31から送信される被写体情報に基づいて、被写体の上面中心を算出する(S4)。例えば、撮影制御装置2は、センサ31から送信される画像データ又は深度データに基づいて、被写体の上面における形状を算出し、被写体の上面中心を算出する。
【0077】
撮影制御装置2は、光源15を制御し、被写体の上面中心に光を照射する(S5)。光源15は、例えば、被写体の上面中心に点状の光を照射する。
【0078】
ここで、ユーザは、例えば、被写体に照射された光源15の点状の光と、被写体に照射された光源14の十字状の光の交点とが重なるように、ターンテーブル12上の被写体を移動する。ユーザは、被写体に照射された光源15の点状の光を、被写体に照射された光源14の十字状の光の交点に重ねた後、撮影制御装置2の入力装置2eを操作し、撮影の開始を指示する。
【0079】
撮影制御装置2は、ユーザから撮影開始の操作を受け付けたか否かを判定する(S6)。
【0080】
撮影制御装置2は、ユーザから撮影開始の操作を受付けていないと判定した場合(S6のNo)、処理をS3に移行する。例えば、撮影制御装置2は、ユーザがターンテーブル12上の被写体を動かしている間、処理をS3に移行する。
【0081】
すなわち、撮影制御装置2は、ユーザによって移動される被写体の上面中心を算出し、移動する被写体の上面中心に光源15の光が照射されるよう、光源15の動きを制御する。これにより、光源15の光は、被写体の移動に追従して移動し、常に被写体の上面中心を照射する。
【0082】
一方、撮影制御装置2は、ユーザから撮影開始の操作を受付けた判定した場合(S6のYes)、ターンテーブル12及び回転枠13の両方又は一方を動かして、ターンテーブル12の上の被写体の全体(全周)又は一部を撮影する(S7)。例えば、撮影制御装置2は、ユーザが設定した範囲において、被写体を撮影する。
【0083】
撮影制御装置2は、S7にて撮影した被写体の被写体情報に基づいて、表示装置2fに被写体の画像を表示する(S8)。そして、撮影システムは、図15に示すフローチャートの処理を終了する。
【0084】
なお、光源14及び光源15が投影する光は、被写体の中心とターンテーブルの中心との位置合わせに用いるものであるため、実際に被写体を撮影する場合には必要ない。そのため、光源14及び光源15が投影する光は、撮影開始までのいずれかのタイミングで消灯する。具体的には、ユーザからの撮影開始の操作を受け付けた場合に、消灯してもよい。このようにすることで、ユーザが光源14及び光源15を点灯させたまま撮影を開始してしまうミスを防止することができる。
【0085】
また、扉1bが開いていない状態で、被写体の位置合わせを行うことは考えにくいため、扉1bが開いていれば光源14及び光源15から光を投影し、扉1bが閉じていれば光源14及び光源15を消灯するように制御してもよい。このような構成にすることで、ユーザは、センサ31が撮影した画像を確認することで、扉1bが閉じた後、かつ、実際に撮影指示が行われる前のタイミングにおける、光源14及び光源15からの光がない状態の画像を確認することができるため、本当に撮影を開始すべきか否かの判断を正確に行うことができる。また、扉1bの開閉という自然な動作で光源14及び光源15の点灯を制御できるため、ユーザに光源14及び光源15の制御のみを目的とした特殊な操作を行わせる必要がなくなる。
【0086】
<第1の実施の形態のまとめ>
撮影装置1は、被写体が置かれるターンテーブル12と、被写体を撮影するセンサ31を備え、ターンテーブル12の回転中心の上方を通過し、ターンテーブル12の回転中心を中心に回転する回転枠13と、ターンテーブル12の回転中心に光を照射する光源14と、被写体の中心に光を照射する光源15と、を有する。これにより、ユーザは、被写体の中心に照射される光が、ターンテーブル12の回転中心に照射される光に重なるよう、被写体をターンテーブル12に置けばよく、被写体の中心がターンテーブル12の中心に位置するよう、被写体を容易にターンテーブル12に置くことができる。
【0087】
なお、上述した実施の形態では、ターンテーブル12の回転中心に光源14からの光を照射していたが、他の位置を照射の対象としてもよい。例えば、カメラのパラメータ等が回転中心と異なる箇所に合わせられている場合には、その位置を照射してよい。また、ターンテーブル12に替えて、回転しない台を使用した場合は、回転中心そのものが存在しないため、台の中心など、撮影装置1の設計者又はユーザが、適切な画像を撮影するための位置として設定した箇所に、光源14からの光を照射してもよい。
【0088】
また、上述した実施の形態では、被写体の位置の調整は、ユーザが扉1bを開けて直接行うことを想定していた。しかし、撮影装置1にロボットアーム等を搭載し、扉1bを閉じた状態でも被写体の位置を調整することができるようにしてもよい。このような場合も、センサ31が撮影している画像を参照し、光源14及び光源15によって照射される光を確認しながら、ロボットアーム等を操作することで正確かつ容易に被写体を適切な位置に移動させることができる。
【0089】
<変形例1>
撮影制御装置2は、被写体に照射された光源14の光と、被写体に照射された光源15の光とが一致した場合、被写体の中心がターンテーブル12の中心に位置したことを、ユーザに通知してもよい。例えば、撮影制御装置2は、被写体に照射された光源14の光と、被写体に照射された光源15の光とが一致した場合、音、又は、撮影制御装置2の表示装置2fの画面において、被写体の中心がターンテーブル12の中心に位置したことを、ユーザに通知してもよい。また、光源14の光及び光源15の光の少なくとも一方の表示態様を変更することで、被写体の中心がターンテーブル12の中心に位置したことを通知してもよい。例えば、被写体の中心がターンテーブル12の中心に位置することを条件に、照射する光の色を変えたり、光の照射を停止したりしてもよい。
【0090】
また、被写体の中心とターンテーブル12の中心との間の距離に応じて、ユーザへ異なる通知を行ってもよい。例えば、距離に応じて音を発する周期を変更したり、光の点滅の周期を変更したりしてもよい。また、距離に応じて光の大きさや形状を変更してもよい。例えば、距離が遠い場合は大まかな移動方向を示す矢印を投影し、距離が短くなるとターンテーブル12の位置を正確に示す十字状の光を投影するよう変更してもよい。また、距離が所定の閾値より遠い場合は、被写体に光源14からの光を照射しないようにしてもよい。被写体に照射された光は、被写体の中心とターンテーブル12の中心とを位置合わせするために用いる情報であるため、距離が遠い間は照射する意義が薄いためである。
【0091】
なお、ユーザは、被写体に注目しながら被写体を移動させるため、被写体の中心がターンテーブル12の中心に位置したことや、被写体の中心とターンテーブル12の中心との間の距離を、光源14又は光源15から照射される光で通知することで、ユーザは直感的に状況を理解することができる。
【0092】
なお、撮影制御装置2は、例えば、光源15が照射している光の方向に基づいて、被写体に照射された光源14の光と、被写体に照射された光源15の光とが一致したか否かを判定する。例えば、撮影制御装置2は、光源15の回転角度といった動作制御から、光源15が照射している光の方向を算出する。
【0093】
<変形例2>
上記では、撮影制御装置2は、被写体の上面の形状に基づいて、被写体の上面中心を算出するとしたが、これに限られない。撮影制御装置2は、被写体の全周(全面)における形状(形状データ)を算出して、被写体の全周における中心を算出してもよい。
【0094】
例えば、撮影制御装置2は、ターンテーブル12及び回転枠13を動かし、被写体の全周をセンサ31で撮影する。撮影制御装置2は、被写体の全周を撮影した被写体情報から、被写体の全周における形状データを生成する。撮影制御装置2は、生成した形状データから、被写体の全周における中心を算出する。
【0095】
また、被写体の中心以外の点を光源15によって指示してもよい。例えば、柄の長いモップ等のように特殊な形状をしている被写体の場合、実際に着目される位置と中心位置とが異なっている場合がある。撮影画像の歪みはターンテーブル12の回転中心から離れるほど大きくなるため、このような場合は、幾何学的な中心よりも注目したい位置が、ターンテーブル12の回転中心に近い方が、人間の感覚では歪みの少ない画像が得られる可能性が高い。このような場合、例えば、光源15が光を照射すべき位置をユーザの操作によって調整できるようにしてもよい。
【0096】
<変形例3>
センサ31は、2以上であってもよい。センサ31が2以上の場合、被写体の撮影時間を短縮できる。例えば、被写体の全周を撮影する場合、ターンテーブル12及び回転枠13を360度回転しなくて済み、撮影時間を短縮できる。
【0097】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、撮影装置1の照明について説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
【0098】
撮影装置1を用いて、被写体の画像を取得する場合、その画像の使用目的等に応じて、多様な照明環境での画像を取得したい場合がある。例えば、被写体が店頭に置かれる商品等の場合、店舗の環境によっては、同一の商品でも全く異なる場所にハイライトが発生したりする。そのため、商品が店舗等に配置された状況を再現した画像を取得する場合には、ハイライトや陰影等も含めて再現することが望ましい。
【0099】
一方、カタログ等に載せる予定の画像を取得する場合には、特定の環境に依存する情報をなるべく排除した画像を取得した方が、カタログ等を見た人物に対して商品の正確な印象を与えることができる。そのため、カタログ等に掲載する画像を取得する場合には、どのような方向から見てもハイライトや陰影がない画像を取得することが望ましい。
【0100】
そこで、本実施の形態では、撮影装置1において、多様な照明環境を実現するための構成と制御について説明する。
【0101】
<照明の構成例>
図16は、第2の実施の形態に係る撮影装置1を側方から見た図である。図16において、第1の実施の形態における撮影装置1の構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図16では、形状を簡略化して撮影装置1を図示している。図16には、ターンテーブル12と、回転枠13と、センサ31と、照明51,52,53と、被写体Xと、が示してある。
【0102】
照明51は、例えば、1つの光源を備えた照明である。照明51は、例えば、基部11に固定されてもよい。図16では、照明51を4つ示しているが、3以下であってもよいし、5以上であってもよい。照明51は、例えば、被写体Xに対し、各方向から光を照射できるように、偏らないよう分散して配置される。
【0103】
照明52は、例えば、1つの光源を備えた照明である。照明52は、回転枠13の内側に固定される。図16では、照明52を8つ示しているが、7以下であってもよいし、9以上であってもよい。
【0104】
照明53は、板状の照明である。照明53は、複数の光源を備えた照明である。照明53は、例えば、直方体形状の箱1aの内壁の全ての面(例えば、6面)において固定されてもよい。照明53は、主に撮影環境全体の明るさを調整するために用いられる。なお、外光を直接的に反映した画像データ等を取得することを目的とする場合は、箱1aおよび照明53を設置しなくともよい。また、他の照明で十分な明るさが得られるようであれば、照明53の一部または全部を設けないようにしてもよい。
【0105】
図17(A)及び図17(B)は、照明51の構成例を示した図である。図17(A)及び図17(B)において、同じ構成要素には同じ符号が付してある。
【0106】
図17(A)及び図17(B)に示すように、照明51は、LED(Light Emitting Diode)51aと、レンズ51cと、を有する。照明51は、図17(A)に示すように、LED51aと、レンズ51cとの間に拡散板51bを有するものと、図17(B)に示すように、LED51aと、レンズ51cとの間に拡散板51bを有さないものがある。
【0107】
なお、照明51は、LED51aと、レンズ51cとの間に、撮影制御装置2の制御に応じて、LED51aの光を拡散できる拡散板を有してもよい。ここで、拡散板51bを有する照明51と、拡散板51bを有さない照明51との、どちらを使用するかをユーザの操作に応じて切り替えることで、LED51aの光を拡散するかしないかを切り替えることができる。すなわち、照明51は、撮影制御装置2の入力装置2eに対するユーザの操作に応じて、LED51aの光を拡散し、又は、拡散しないようにしてもよい。
【0108】
なお、LED51aの光を拡散すると、より広い範囲を全般的に照らすことができ、ハイライトの発生を抑えつつ被写体を明るく照らすことができる。一方、LED51aの光を拡散しないと、狭い範囲を強く照らすことができ、被写体にハイライトを発生させやすくすることができる。そのため、ユーザは、ハイライトを発生させた画像を撮影したいか否か等に応じて、拡散するかしないかを切り替えることで所望の画像を得ることができる。なお、照明51は、任意の場所に設置してよく、また、照明52または照明53と統合してもよいが、本実施の形態では、箱1aの角近傍に配置している。
【0109】
回転枠13の内側に固定される照明52も、照明51と同様の構成を有する。照明52は、被写体を照らす用途に加え、他の照明が回転枠13等と干渉して発生させた影を消す用途で使用してもよい。なお、本変形例では、照明52は回転枠13の内側に固定されているが、ターンテーブル12と回転枠13との間の他の位置に配置されていてもよい。この位置に配置されていれば、回転枠13の影を消すことができるためである。
【0110】
図18は、照明53の構成例を示した図である。図18に示すように、照明53は、格子状に複数の光源を有する。光源は、図17(A)及び図17(B)で説明した照明51であってもよい。
【0111】
照明53は、撮影制御装置2の制御に応じて、全ての光源又は一部の光源から光を出射する。例えば、照明53は、図18の点線枠A18a,A18bに囲まれた光源において、光を出射してもよい。また、照明53は、リング状の光源から、光を出射してもよい。照明53は、図18の点線枠A18a,A18bに示す形状、及び、リング状に限らず、撮影制御装置2の制御に応じて、様々な形状を構成する光源から光を照射してもよい。
【0112】
<撮影制御装置のブロック構成例>
図19は、撮影制御装置2のブロック構成例を示した図である。図19において、図12と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図19に示すように、撮影制御装置2の制御部41は、照明制御部41eを有する。
【0113】
照明制御部41eは、ユーザの入力装置2eの操作に応じて、照明51~53を制御する。例えば、照明制御部41eは、複数の照明51~53のうち、ユーザによって指定された照明51~53から光を出射する。また、照明制御部41eは、照明53の複数の光源のうち、ユーザによって指定された光源から光を出射する。
【0114】
また、照明制御部41eは、ユーザの入力装置2eの操作に応じて、照明51~53から出射される光の拡散の有無、波長、及び、強度を制御する。
【0115】
照明制御部41eは、ユーザからの照明51~53に対する制御を、GUI(Graphical User Interface)を介して受付けてもよい。
【0116】
<表示装置に表示されるGUI例>
図20は、撮影制御装置2の表示装置2fに表示されるGUIの一例を示した図である。表示装置2fには、撮影装置1の箱1a内の照明の様子が3次元表示される。箱1a内の様子を示す画像は、入力装置2eの操作に応じて、視点が変更できる。例えば、箱1a内の様子を示す画像は、入力装置2eの操作に応じて、様々な方向に回転表示できる。
【0117】
表示装置2fには、ターンテーブル12を表す画像12aと、回転枠13を表す画像13aと、照明51~53を表す画像51a~53aと、が表示される。照明51~53を表す画像51a~53aが選択(例えば、クリック)されると、撮影制御装置2は、選択された照明51~53の設定画像(プロパティ)を表示する。ユーザは、設定画像において、選択した照明51~53の光の拡散の有無、波長、及び、強度を設定する。
【0118】
図21は、照明の設定画像例を示した図である。図20のGUI上において、ユーザによって選択された照明は、図21に示すように、設定画像が表示される。設定画像には、光の拡散の有無を選択するボックスと、光の色(波長)を選択する色マップと、光の強度を制御するスライドバーとが表示される。照明は、例えば、光の強度が0に設定された場合、消灯する。撮影制御装置2は、ユーザがGUI上において選択した照明に対し、ユーザが設定画像において設定した光が出射されるように制御する。
【0119】
なお、撮影制御装置2は、リアルタイムに照明の光を制御してもよい。撮影制御装置2は、図20に示したGUIに重ねて、又は、図20に示したGUIに並行して、センサ31が撮影する被写体の画像を表示してもよい。これにより、ユーザは、照明51~53の光が実際に照射されている被写体を見ながら、照明51~53の光を制御できる。
【0120】
<照明の制御項目及びユースケース>
図22は、照明51~53及びセンサ31の制御項目の一例を説明する図である。ユーザは、照明51~53の光、及び、センサ31の位置を制御することによって、てかりのある被写体、てかりの無い被写体、影のある被写体、影のない被写体、自然光における被写体といった様々な状態における被写体を撮影できる。例えば、ユーザは、図22に示す制御項目、制御対象、及び制御内容に基づいて撮影装置1を制御することにより、制御目的に示す様々な状態における被写体を撮影できる。
【0121】
図23は、撮影装置1のユースケースの一例を説明する図である。ユーザは、例えば、図23に示すユースケースにおいて、照明51~53及びセンサ31を制御してもよい。
【0122】
なお、撮影制御装置2は、図23に示すユースケースのそれぞれにおける照明51~53の制御情報及びセンサ31の位置といった制御情報を、記憶部42に記憶してもよい。撮影制御装置2は、図23に示すユースケースのいずれかがユーザによって選択された場合、選択されたユースケースにおける制御情報に基づいて、照明51~53及びセンサ31を制御してもよい。そして、撮影制御装置2は、例えば、表示装置2fにて、実際に被写体の撮影画像を見たユーザから、図21に示した設定画像において、照明51~53及びセンサ31の微調整を受付けてもよい。
【0123】
また、撮影制御装置2は、例えば、ユーザによって選択されたユースケースにおいて、光を調整すべき照明51~53を、GUI上において目立つように表示してもよい。例えば、ユースケース“視野全体的に暗いため調整”が選択された場合、撮影制御装置2は、視野を全体的に明るくするための照明51~53を、GUI上において目立つように表示してもよい。
【0124】
また、視野全体を照らす照明は、例えば、センサ31付近の照明51又は照明53が望ましい。また、視野全体を照らす照明は、例えば、センサ31に対する左右上下の照明51又は照明53であって、拡散光が望ましい。
【0125】
また、被写体を照らす照明は、例えば、センサ31付近の照明52が望ましい。また、被写体全体を照らす照明は、例えば、センサ31に対する左右上下の照明52であって、直接光が望ましい。
【0126】
上述した実施の形態では、ユーザの選択したユースケースに基づいて照明等の制御を行っていた。しかし、照明等の制御を、撮影制御装置2が自動的に行ってもよい。例えば、撮影制御装置2にサンプル画像を提供して解析させることで、そのサンプル画像に近い照明環境を再現するユースケースを自動的に選択するようにしてもよい。具体的には、サンプル画像の右側が左側より明るければ、右側に配置されている照明を左側に配置されている照明よりも明るくなるように制御すればよい。なお、サンプル画像の解析結果から照明環境を完全に再現することは難しいため、簡単に解析可能な範囲で照明を制御し、細かい調整はユーザが手動で行うように制御してもよい。
【0127】
<学習用画像データの生成例>
撮影装置1が撮影した被写体の被写体情報は、例えば、商品を人工知能によって認識(識別)する認識装置の学習に用いられてもよい。
【0128】
例えば、認識装置が、カメラを用いて商品を実際に認識する環境を、撮影装置1において再現する。例えば、認識装置のカメラが商品を撮影する方向、認識装置の照明が商品に光を当てる方向、照明の形(例えば、バー型やリング型)、照明の光の波長、及び、光の強度を、撮影装置1において再現する。そして、認識装置が認識する商品を、撮影装置1において撮影し、画像データ又は深度データを生成する。生成した画像データ又は深度データを、認識装置において学習させる。
【0129】
これにより、例えば、学習のための画像データ又は深度データを作成するために、認識装置が実際に商品を認識する現場に赴き、商品を撮影しなくて済む。
【0130】
また、生成した画像データ又は深度データは、認識装置の認識評価にも使用できる。例えば、生成した画像データ又は深度データを認識装置に読み込ませ、画像データ又は深度データの商品を正しく認識できたか否かを評価できる。
【0131】
また、撮影装置1が撮影した被写体の被写体情報は、被写体の3次元CGの生成など他の用途で用いられてもよい。
【0132】
<第2の実施の形態のまとめ>
撮影装置1の照明51~53は、被写体に当てる光の方向、波長、及び強度の少なくとも1つが制御される。これにより、撮影装置1は、例えば、商品の認識装置の学習データを容易に生成できる。
【0133】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、撮影した被写体の寸法(実寸値)算出について説明する。特に、撮影した被写体情報を基に、現実に販売されている商品のデータベース等を生成する場合、その商品が実店舗の棚等に配置可能か否かの判断を行うため、被写体の寸法を正確に取得する必要がある。そこで、本実施の形態では、撮影装置1を用いて撮影された被写体の寸法を正確に算出するための構成と制御について説明する。
【0134】
<撮影制御装置のブロック構成例>
図24は、第3の実施の形態に係る撮影制御装置2のブロック構成例を示した図である。図24において、図12と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図24に示すように、撮影制御装置2の制御部41は、寸法算出部41fを有する。
【0135】
寸法算出部41fは、形状取得部41aが取得した形状データに、寸法データを与える。例えば、被写体(形状データ)は、平面(平面データ)の貼り合わせによって構成され、寸法算出部41fは、平面を形成する辺に、例えば、cmといった単位で示される寸法データを与える。
【0136】
形状データの1ピクセル当たりの長さは、センサ31と被写体との距離に比例して長くなる。センサ31と被写体との距離と、1ピクセル当たりの長さとの比例関係(比例係数)が予め分かっていれば、センサ31から或る距離離れた被写体平面の1ピクセル当たりの長さ(或る距離における単位長さ)を算出できる。
【0137】
比例係数は、例えば、記憶部42に予め記憶される。寸法算出部41fは、記憶部42に予め記憶された比例係数を用いて、センサ31からの或る距離における被写体平面の1ピクセル当たりの長さ(或る距離における単位長さ)を算出する。そして、寸法算出部41fは、算出した単位長さを用いて、或る距離における被写体平面の辺の長さを算出する。
【0138】
<被写体の寸法算出例>
図25(A)及び図25(B)は、被写体の寸法算出の一例を説明する図である。図25(A)には、上方から見た撮影装置1が示してある。図25(A)には、ターンテーブル12と、センサ31と、被写体Xと、が示してある。図25(A)では、各部の形状を簡略化して図示してある。センサ31は、ターンテーブル12と同じ高さに位置している。
【0139】
図25(B)には、図25(A)のセンサ31から見た撮影装置1が示してある。図25(B)において、図25(A)と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
【0140】
上記したように、形状データの1ピクセル当たりの長さは、センサ31からの距離に比例して大きくなる。センサ31から或る距離離れた1ピクセル当たりの長さは、予め算出した比例係数を用いて算出できる。
【0141】
例えば、撮影制御装置2は、図25(A)に示すように、センサ31から60cm離れた1ピクセル当たりの長さは3cmと算出できる。撮影制御装置2は、センサ31から40cm離れた1ピクセル当たりの長さは2cmと算出できる。
【0142】
従って、撮影制御装置2は、センサ31から、センサ31と正対する被写体Xの平面までの距離が分かれば、その距離と比例係数とを用いて、センサ31と正対する被写体Xの平面の辺の、1ピクセル当たりの長さ(単位長さ)を算出できる。そして、撮影制御装置2は、算出した単位長さと、平面の辺のピクセル数とから、センサ31と正対する被写体Xの平面の各辺の長さを算出できる。
【0143】
例えば、撮影制御装置2は、被写体情報に含まれる深度データに基づいて、センサ31に正対する平面を検出する。撮影制御装置2は、センサ31から、検出した平面までの距離を算出する。撮影制御装置2は、算出した距離に基づいて、センサ31と正対する平面の辺の、1ピクセル当たりの長さ(単位長さ)を算出する。撮影制御装置2は、単位長さを算出すると、センサ31に正対する被写体Xの平面の各辺のピクセル数を取得する。撮影制御装置2は、取得したピクセル数に、単位長さを乗算して、センサ31に正対する被写体Xの平面の各辺の長さを算出する。
【0144】
例えば、図25(A)に示すように、センサ31から、センサ31と正対する被写体Xの平面までの距離を40cmとする。撮影制御装置2は、距離“40cm”と、記憶部42に記憶されている比例係数とを用いて、例えば、1ピクセル当たりの長さ“2cm”を算出する。撮影制御装置2は、単位長さ“2cm”を算出すると、図25(B)に示すように、センサ31に正対する被写体Xの平面の各辺のピクセル数“a”及び“b”を取得する。撮影制御装置2は、取得したピクセル数“a”及び“b”に、単位長さ“2cm”を乗算し、センサ31に正対する被写体Xの平面の各辺の長さ(実寸値)を算出する。
【0145】
撮影制御装置2は、被写体を構成する全平面における辺の寸法を算出するまで、上記の処理を繰り返す。例えば、撮影制御装置2は、ターンテーブル12及び回転枠13を動かし、センサ31に正対する平面を検出する。撮影制御装置2は、検出した平面の各辺の長さを算出する。撮影制御装置2は、被写体を構成する全平面における辺の寸法を算出するまで、前記の処理を繰り返す。
【0146】
<第3の実施の形態のまとめ>
撮影制御装置2は、センサ31と、センサ31に正対する被写体の平面との距離に基づいて、被写体の平面における1ピクセル当たりの長さを算出する。そして、撮影制御装置2は、算出した1ピクセル当たりの長さと、正対する被写体の平面の一辺におけるピクセル数とに基づいて、平面の一辺における長さを算出する。これにより、撮影システムは、被写体の2次元又は3次元における実寸値を含む形状データを生成できる。
【0147】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例又は修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【0148】
上記で説明した撮影装置1と撮影制御装置2とは、1つの装置と捉え、撮影装置と称されてもよい。
【0149】
また、上記では、ターンテーブル12と回転枠13を備える撮影装置1を例に説明した。しかし、被写体を任意の方向から撮影することができるのであれば、撮影装置1の構成は上記で説明した構造と異なっていてもよい。例えば、被写体を載置する載置台として、回転する機能を持たない台を採用してもよい。この場合、載置台が回転しない代わりに、カメラの可動域を広げればよい。また、回転枠13を設けず、ロボットアーム等の他の可動部を用いてカメラ等の位置を制御してもよい。ターンテーブル12は、載置台の一種と捉えてもよい。また、回転枠13は、可動部の一種と捉えてもよい。
【0150】
また、上記では、撮影装置1の例として全周囲画像の撮影を前提とした装置を説明した。しかし、上述の実施の形態の思想は、他の装置にも適用できる。例えば、一部の角度からしか被写体を撮影できない装置であっても、適した画像を撮影するためには、その撮影に適した位置に被写体の位置を合わせることが求められる。したがって、第1の実施の形態と同様の手法により、載置台の位置と被写体の位置を合わせることは有用である。同様に、一部の角度からしか被写体を撮影できない装置に対して、被写体の撮影に適した照明を再現したり、撮影した被写体の実寸を算出したりするために、第2の実施の形態や第3の実施の形態と同様の手法を適用してもよい。
【0151】
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0152】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0153】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0154】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本開示は、被写体の全周囲の撮影が可能な撮影装置に有用である。
【符号の説明】
【0156】
1 撮影装置
1a 箱
1b 扉
2 撮影制御装置
11 基部
11a~11h ガイド
12 ターンテーブル
13 回転枠
21a,21b 駆動装置
22a,22b ベルト
31 センサ
41 制御部
41a 形状取得部
41b 中心算出部
41c 光源制御部
41d 撮影部
41e 照明制御部
42 記憶部
43 通信部
51~53 照明
図1
図2
図3
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図14B
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図17B
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図25A
図25B