(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174265
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】画像送信装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20231130BHJP
H04L 51/08 20220101ALI20231130BHJP
H04L 67/141 20220101ALI20231130BHJP
【FI】
H04N1/00 K
H04L51/08
H04L67/141
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087021
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】森 保
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA32
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB25
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC24
5C062AC28
5C062AC38
5C062AC42
5C062AE02
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF03
5C062AF13
5C062BA02
5C062BB02
5C062BC06
5C062BD09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、容易にFAXを送信可能な画像送信装置を提供する。
【解決手段】デジタル複合機1は、FAX送受信部18と、ネットワークを通じて外部のユーザー端末から電子メールを受信する通信部15と、電話帳及びユーザー情報を含むデータベースを保持する記憶部13と、電子メールを解析するメール解析部16と、FAX送信用の送り状を作成する送り状作成部19と、制御部10と、を備える。制御部は、画像を添付した電子メールを受信した場合、メール解析部に電子メールを解析させ、電子メールの件名にFAX番号が含まれる場合、データベースからFAX番号に該当する電話帳の宛先を検索し、送り状作成部に宛先及び電子メール送信者のユーザー情報に基づき、予め定められたフォーマットに従い送り状を作成させ、添付された画像に送り状をつけてFAX送信させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
FAXデータを送受信するFAX送受信部と、
ネットワークを通じて外部のユーザー端末から電子メールを受信する通信部と、
電話帳およびユーザー情報を含むデータベースを保持する記憶部と、
前記電子メールを解析するメール解析部と、
FAX送信用の送り状を作成する送り状作成部と、
前記FAX送受信部、前記通信部、前記記憶部、前記メール解析部および前記送り状作成部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記通信部が画像を添付した電子メールを受信した場合、前記メール解析部に前記電子メールを解析させ、解析の結果、前記電子メールの件名にFAX番号が含まれる場合、前記データベースから前記FAX番号に該当する前記電話帳の宛先を検索し、該当する宛先が存在する場合、前記送り状作成部に前記電子メールの情報、前記宛先および前記電子メールの送信者のユーザー情報に基づき、予め定められたフォーマットに従って送り状を作成させ、前記電子メールに添付された画像に前記送り状をつけて前記FAX送受信部にFAX送信させることを特徴とする画像送信装置。
【請求項2】
前記制御部は、FAX送信用の送り状の作成に不足する情報がある場合、前記電子メールの送信者に対し前記通信部に確認メールを返信させ、前記送信者から受信した回答に基づき、予め定められたフォーマットに従って送り状を作成させる請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】
前記確認メールには、前記FAX送信の相手先および送信者に関する情報が含まれ、前記送信者から受信した回答に基づき、前記送信者による前記情報の修正および追加登録を受け付ける請求項2に記載の画像送信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記送り状作成部に送り状を作成させた後、前記電子メールの送信者に対し前記通信部にFAX送信用の原稿を添付した確認メールを返信させ、前記送信者から前記原稿のFAX送信の許可を受信した場合、前記FAX送受信部に前記原稿をFAX送信させる請求項1~3のいずれか1つに記載の画像送信装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記電子メールおよび前記FAXデータの送信履歴をさらに保持し、
前記制御部は、前記FAX送受信部がFAXデータを受信した場合、前記FAXデータの相手先のFAX番号に該当する前記送信履歴を検索し、前記送信履歴から特定された電子メールの送信者に対し前記通信部に前記FAXデータを受信した旨の確認メールを送信させ、前記送信者から前記FAXデータの転送の許可を受信した場合、前記送信者に対し前記通信部に前記FAXデータの受信原稿の画像を添付した電子メールを送信させる請求項1~3のいずれか1つに記載の画像送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、画像送信装置に関し、より詳細には、FAXデータを送受信する機能を有する画像送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの画像形成装置において、FAXデータを送受信するFAX送受信機能を有するものがある。
【0003】
このようなFAX送信機能を有する画像送信装置において、ユーザーがFAXを送信する際には、送信したい原稿のほかに相手先への送り状を準備した上で、送信原稿および送り状をセットして相手先のFAX番号を入力する必要があるため、事前の準備に少なからず手間がかかっていた。
【0004】
そこで、従来、名刺をCCD読取り装置に挿入することによって名刺に表示された情報からファクシミリ通信に必要な情報を文字認識処理回路によって取出し、コード化してメモリに格納し、この格納データに基づいて相手先への自動発呼、送り状の自動作成を実行することで、操作者の手間を省き、より簡単な操作で原稿を送信することができるファクシミリ装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ここ近年、FAX送信する機会が少なくなったこともあり、スマートフォンや電子メールの扱いには慣れているものの、FAX送信が必要になった場合に、どのようにFAX送信すればいいのか分からない人が若者を中心に増えている。
【0007】
また昨今、リモートワークのため在宅勤務をする人が増えているが、自宅にFAX装置がなく、相手先がFAX装置しか受け付けない場合、職場のFAX送信機能を有するMFPをリモートで使用して、相手先にFAX送信する必要がある。
【0008】
しかしながら、このような在宅勤務者は、名刺をCCD読取り装置に挿入して送り状を自動作成できないため、送り状を準備する必要があり、手間がかかっていた。
【0009】
この開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを送信可能な画像送信装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この開示による画像送信装置は、FAXデータを送受信するFAX送受信部と、ネットワークを通じて外部のユーザー端末から電子メールを受信する通信部と、電話帳およびユーザー情報を含むデータベースを保持する記憶部と、前記電子メールを解析するメール解析部と、FAX送信用の送り状を作成する送り状作成部と、前記FAX送受信部、前記通信部、前記記憶部、前記メール解析部および前記送り状作成部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記通信部が画像を添付した電子メールを受信した場合、前記メール解析部に前記電子メールを解析させ、解析の結果、前記電子メールの件名にFAX番号が含まれる場合、前記データベースから前記FAX番号に該当する前記電話帳の宛先を検索し、該当する宛先が存在する場合、前記送り状作成部に前記宛先および前記電子メールの送信者のユーザー情報に基づき、予め定められたフォーマットに従って送り状を作成させ、前記電子メールに添付された画像に前記送り状をつけて前記FAX送受信部にFAX送信させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この開示によれば、ユーザー端末から受信した電子メールの情報に基づき、FAX送信用の送り状を作成してFAX送信を行うため、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを送信可能な画像送信装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この開示のデジタル複合機を含む文書管理システムの構成の一例を示す説明図である。
【
図2】
図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1の画像送信システムのFAX送信処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図1の画像送信システムのFAX送信処理の流れを示す説明図である。
【
図6】
図1のデジタル複合機のデータベース(電話帳)のリストの一例である。
【
図7】
図1のデジタル複合機のデータベース(ユーザー情報)のリストの一例である。
【
図8】
図1のデジタル複合機のデータベース(電話帳)の項目とFAX送信用の送り状の項目との関係を示すテーブルの一例である。
【
図9】
図1のデジタル複合機のデータベース(ユーザー情報)の項目とFAX送信用の送り状の項目との関係を示すテーブルの一例である。
【
図10】
図1のデジタル複合機によって作成されたFAX送信用の送り状の一例である。
【
図11】この開示の実施形態2に係る画像送信システムのFAX送信処理を示すフローチャートである。
【
図12】この開示の実施形態2に係る画像送信システムのFAX送信処理の流れを示す説明図である。
【
図13】この開示の実施形態2に係る画像送信システムの確認メールの一例を示す説明図である。
【
図14】この開示の実施形態3に係る画像送信システムのFAX送信処理を示すフローチャートである。
【
図15】この開示の実施形態3に係る画像送信システムのFAX送信処理の流れを示す説明図である。
【
図16】この開示の実施形態3に係る画像送信システムの確認メールの一例を示す説明図である。
【
図17】この開示の実施形態4に係る画像送信システムのFAX送信処理を示すフローチャートである。
【
図18】この開示の実施形態4に係る画像送信システムのFAX送信処理の流れを示す説明図である。
【
図19】この開示の実施形態4に係る画像送信システムの転送確認メールの一例を示す説明図である。
【
図20】この開示の実施形態5に係る画像送信システムのFAX送信処理を示すフローチャートである。
【
図21】この開示の実施形態5に係る画像送信システムのFAX送信処理の流れを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この開示において、「画像送信装置」は、例えば、FAX文書を送信するファクシミリ機能を有する画像形成装置である。
「外部のユーザー端末」は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット等の端末やスマートフォン等の携帯端末などである。
「前記電子メールの件名にFAX番号が含まれる場合、」は、電子メールの件名に限られず、電子メールの本文などの予め定められた箇所にFAX番号が含まれていてもよい。
「前記電子メールの情報」は、例えば、電子メールの件名や本文、送信者のアドレスに記載された情報であり、また、電子メールのヘッダーやフッター等に記載された情報を含むものであってもよい。
【0014】
さらに、この開示の好ましい態様について説明する。
【0015】
前記制御部は、FAX送信用の送り状の作成に不足する情報がある場合、前記電子メールの送信者に対し前記通信部に確認メールを返信させ、前記送信者から受信した回答に基づき、予め定められたフォーマットに従って送り状を作成させるものであってもよい。
【0016】
このようにすれば、FAX送信用の送り状の作成に不足する情報がある場合であっても、電子メールの送信者から受信した確認メールの回答に基づいて送り状を添付した上でFAX送信を行うため、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを送信可能な画像送信装置を実現できる。
【0017】
「前記FAX送信の相手先および送信者に関する情報」は、例えば、相手先の「会社名」や「担当者名」、「FAX(電話)番号」、送信者の「担当者名」や「FAX(電話)番号」などである。
【0018】
前記確認メールには、前記FAX送信の相手先および送信者に関する情報が含まれ、前記送信者から受信した回答に基づき、前記送信者による前記情報の修正および追加登録を受け付けるものであってもよい。
【0019】
このようにすれば、電子メールの送信者に送信した確認メールの回答に基づいて送り状を添付してFAX送信を行い、必要に応じてFAX送信の相手先および送信者に関する情報の修正や追加登録も行うため、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを送信可能な画像送信装置を実現できる。
【0020】
前記制御部は、前記送り状作成部に送り状を作成させた後、前記電子メールの送信者に対し前記通信部にFAX送信用の原稿を添付した確認メールを返信させ、前記送信者から前記原稿のFAX送信の許可を受信した場合、前記FAX送受信部に前記原稿をFAX送信させるものであってもよい。
【0021】
このようにすれば、ユーザー端末から受信した電子メールの情報に基づき、FAX送信用の送り状を作成して確認メールを返信し、ユーザー端末からFAX送信許可を受信した後、FAX送信を行うため、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを送信可能な画像送信装置を実現できる。
【0022】
前記記憶部は、前記電子メールおよび前記FAXデータの送信履歴をさらに保持し、前記制御部は、前記FAX送受信部がFAXデータを受信した場合、前記FAXデータの相手先のFAX番号に該当する前記送信履歴を検索し、前記送信履歴から特定された電子メールの送信者に対し前記通信部に前記FAXデータを受信した旨の確認メールを送信させ、前記送信者から前記FAXデータの転送の許可を受信した場合、前記送信者に対し前記通信部に前記FAXデータの受信原稿の画像を添付した電子メールを送信させるものであってもよい。
【0023】
このようにすれば、FAXを受信すると、前記FAXの相手先のFAX番号に該当するFAX送信履歴を検索し、当該FAX送信履歴から特定された電子メールの送信者にFAX受信原稿を添付したメールを返信し、FAX転送許可を受信するとFAX受信原稿の画像を電子メールに添付して転送させるため、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを受信可能な画像送信装置を実現できる。
【0024】
以下、図面を用いてこの開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この開示を限定するものと解されるべきではない。
【0025】
〔実施形態1〕
図1に基づき、この開示の画像送信装置の一実施形態であるデジタル複合機1について説明する。
図1は、この開示のデジタル複合機1を含む画像送信システム100の構成の一例を示す説明図である。
【0026】
図1の例において、この開示の画像送信システム100において、デジタル複合機1は、有線または無線のネットワーク3を通じてユーザー端末2A・2Bに接続され、また、ラインケーブルを通じて公衆回線網4に接続されている。
【0027】
なお、以下の説明において、ユーザー端末2Aおよび2Bをユーザー端末2と総称する。
【0028】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、コピー機能やプリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能およびメール送信機能を有するMFP等の装置である。
また、デジタル複合機1は、公衆回線網4を通じて外部のFAX装置とFAX文書データを送受信する。
【0029】
ユーザー端末2は、パーソナルコンピュータやタブレット等の端末やスマートフォン等の携帯端末などである。
【0030】
ユーザー端末2は、ネットワーク3を通じてデジタル複合機1と画像データを送受信し、デジタル複合機1に印刷やFAX送信等のジョブを実行させる。
【0031】
<デジタル複合機1の概略構成>
次に、
図2に基づき、デジタル複合機1の概略構成を説明する。
図2は、
図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像データ取得部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、メール解析部16、操作パネル17、FAX送受信部18および前記送り状作成部19を備える。
【0033】
以下、デジタル複合機1の各構成要素について説明する。
【0034】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御する部分であって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、各種のインターフェース回路等からなる。
【0035】
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0036】
画像データ取得部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
また、有線または無線のネットワーク3を経由して外部の情報処理装置等から画像データを取得するものであってもよく、USB等に記録された画像データを取得するものであってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0037】
画像形成部12は、画像データ取得部11によって取得され、画像処理部14によって処理された画像データを用紙上に印刷出力する部分である。
【0038】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体が用いられる。
【0039】
記憶部13は、印刷等のジョブに関する情報や画像データなどジョブの実行に必要なデータを記憶する。
また、記憶部13は、所定のデータベース130(電話帳やユーザー情報など)やユーザー認証用に記憶されたユーザーのログイン名やパスワードなどの情報を記憶する。
【0040】
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0041】
画像処理部14は、操作部172から入力された印刷等のジョブの指令に基づき、画像データ取得部11から入力された画像データを適正な電気信号に変換して拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0042】
通信部15は、ネットワーク3を通じて、ユーザー端末2等の外部機器との通信をおこない、これらの外部機器とデータ等を送受信する部分である。
【0043】
メール解析部16は、通信部15が受信した電子メールの件名および本文等の情報を解析して、FAX送信の相手先の情報および電子メールの送信者のメールアドレスを抽出する部分である。
【0044】
操作パネル17は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部171および操作部172を備える。
【0045】
表示部171は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0046】
操作部172は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0047】
FAX送受信部18は、公衆回線網4を通じてFAXデータを送受信する部分である。
【0048】
送り状作成部19は、FAX送受信部18により送信すべき送信原稿の送り状を作成する部分である。
【0049】
<ユーザー端末2の概略構成>
次に、
図3に基づき、ユーザー端末2の概略構成を説明する。
図3は、
図1のユーザー端末2の概略構成を示すブロック図である。
【0050】
図3に示すように、ユーザー端末2は、制御部20、記憶部21、画像処理部22、通信部23、表示部24および操作部25を備える。
【0051】
以下、ユーザー端末2の各構成要素について説明する。
【0052】
制御部20は、ユーザー端末2を統合的に制御する部分であって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
【0053】
記憶部21は、ユーザー端末2の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
【0054】
画像処理部22は、操作部25からの操作指示に基づき、表示部24に表示すべき画像データを適正な電気信号に変換して拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0055】
通信部23は、ネットワーク3を通じて、デジタル複合機1との通信をおこない、データ等を送受信する部分である。
【0056】
表示部24は、ユーザー端末2の各種情報の表示を行う部分である。
【0057】
操作部25は、ユーザー端末2を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0058】
なお、表示部24および操作部25は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルによって実現されるものであってもよい。
【0059】
<この開示の実施形態1に係る画像送信システム100のFAX送信処理>
次に、
図4~
図10に基づき、この開示の実施形態1に係る画像送信システム100のFAX送信処理について説明する。
【0060】
図4は、
図1の画像送信システム100のFAX送信処理を示すフローチャートである。
図5は、
図1の画像送信システム100のFAX送信処理の流れを示す説明図である。
【0061】
実施形態1において、
図5(A)に示すように、ユーザー端末2のユーザーがFAX送信用の送信原稿を添付した電子メールをデジタル複合機1に送信してFAX送信を実行させる場合を想定する。
【0062】
図4のステップS1において、デジタル複合機1の制御部10は、ユーザー端末2から電子メールを受信したか否かを判定する(ステップS1)。
【0063】
ユーザー端末2から電子メールを受信した場合(ステップS1の判定がYesの場合)、ステップS2において、制御部10は、メール解析部16に当該電子メールを解析させる(ステップS2)。
【0064】
続くステップS3において、制御部10は、メールの件名にFAX番号が含まれているか否かを判定する(ステップS3)。
【0065】
図5(A)の例において、ユーザー端末2からデジタル複合機1に送信された電子メールには、FAX送信用の送信原稿が添付され、メールの件名には、FAX番号が含まれている。
【0066】
なお、電子メールの件名に限られず、電子メールの本文などの予め定められた箇所にFAX番号が含まれているか否かを判定するようにしてもよい。
【0067】
メールの件名にFAX番号が含まれている場合(ステップS3の判定がYesの場合)、ステップS4において、制御部10は、記憶部13のデータベース130の電話帳から当該FAX番号に該当する宛先を検索する(ステップS4)。
【0068】
図6は、
図1のデジタル複合機1のデータベース(電話帳)のリストの一例である。
【0069】
図6の例において、リストの1番目の情報として、会社名「ABC株式会社」、FAX番号(XX-XXXX-XXXX)、電話番号(XX-XXXX-XXX1)および担当名「山田太郎」が記載されている。
【0070】
また、リストの2番目の情報として、会社名「いろは商事」、FAX番号(YY-YYYY-YYYY)、電話番号(YY-YYYY-YYY1)および担当名「田中花子」が記載されている。
【0071】
続いて、
図4のステップS5において、電話帳に当該FAX番号に該当する宛先があるか否かを判定する(ステップS5)。
【0072】
該当する宛先がある場合(ステップS5の判定がYesの場合)、ステップS6において、制御部10は、当該宛先および電子メールの送信者のユーザー情報に基づいて送り状作成部19に送り状を作成させる(ステップS6)。
【0073】
図7は、
図1のデジタル複合機1のデータベース(ユーザー情報)のリストの一例である。
【0074】
図7の例において、リストの1番目の情報として、会社名「XYZ株式会社」、FAX番号(00-0000-0000)、電話番号(00-0000-0001)、担当名「佐藤次郎」およびメールアドレス「j.satho@XYZ.co.jp」が記載されている。
【0075】
また、リストの2番目の情報として、会社名「XYZ株式会社」、FAX番号(00-0000-0000)、電話番号(00-0000-0001)、担当名「鈴木三郎」およびメールアドレス「s.suzuki@XYZ.co.jp」が記載されている。
【0076】
図8は、
図1のデジタル複合機1のデータベース(電話帳)の項目とFAX送信用の送り状の項目との関係を示すテーブルの一例である。
【0077】
図8の例において、電話帳の「会社名」、「FAX番号」、「電話番号」および「担当名」が、それぞれ送り状の「宛先(会社名部分)」、「FAX」、「電話」および「宛先(担当名部分)」に対応している。
【0078】
図9は、
図1のデジタル複合機1のデータベース(ユーザー情報)の項目とFAX送信用の送り状の項目との関係を示すテーブルの一例である。
【0079】
図9の例において、ユーザー情報の「ユーザー名」、「FAX番号」および「電話番号」が、それぞれ送り状の「担当者」、「FAX※差出欄側」および「電話※差出欄側」に対応している。
【0080】
送り状作成部19は、
図5(B)に示すように、データベースの電話帳およびユーザー情報から、
図8および
図9のテーブルの関係に基づいて送り状を作成する。
【0081】
図10は、
図1のデジタル複合機1によって作成されたFAX送信用の送り状の一例である。
【0082】
図10の例において、宛先として「ABC株式会社」、送信者の情報として「XYZ株式会社の佐藤次郎」に基づいて送り状が作成されている。
【0083】
また、
図10の例に示すように、宛先および送信者の情報の他に、送信日「2021/12/20」、送信原稿のページ数「3」およびメッセージ「いつもお世話になっております。添付の書類を送付いたしますので、ご査収の程、よろしくお願い致します。以上」も記載される。
【0084】
次に、
図4のステップS7において、制御部10は、
図5(C)に示すように、電子メールの添付原稿に送り状をつけた上で、該当する宛先に対してFAX送受信部18にFAX送信させて(ステップS7)、処理を終了する。
【0085】
一方、電子メールの件名にFAX番号が含まれていない場合(ステップS3の判定がNoの場合)や、データベースの電話帳にFAX番号に該当する宛先がない場合(ステップS5の判定がNoの場合)、制御部10は処理を終了する。
【0086】
このようにして、ユーザー端末2から受信した電子メールの情報に基づき、FAX送信用の送り状を作成してFAX送信を行うため、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを送信可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0087】
〔実施形態2〕
次に、
図11~
図13に基づき、この開示の実施形態2に係る画像送信システム100のFAX送信処理について説明する。
【0088】
実施形態1においては、ユーザー端末2から受信した電子メールの情報に基づき、FAX送信用の送り状を作成して、FAX送信を行うデジタル複合機1について説明した。
【0089】
一方、実施形態2においては、ユーザー端末2から受信した電子メールの情報に不足している情報がある場合、ユーザーに確認メールを送信し、ユーザーから受け付けた回答に基づき、FAX送信用の送り状を作成して、FAX送信を行うデジタル複合機1について説明する。
【0090】
実施形態2に係る画像送信システム100の概略構成は、実施形態1(
図1~
図3)と同一であるため、説明を省略する。
【0091】
<この開示の実施形態2に係る画像送信システム100のFAX送信処理>
図11は、この開示の実施形態2に係る画像送信システム100のFAX送信処理を示すフローチャートである。
【0092】
なお、
図11のステップS11~S15およびS21は、それぞれ
図4(実施形態1)のステップS1~S5およびS7と同じであるため、説明を省略する。
【0093】
ステップS15において、該当する宛先がある場合(ステップS15の判定がYesの場合)、ステップS16において、制御部10は、受信した電子メールの情報に基づき、送り状の作成に不足している情報があるか否かを判定する(ステップS16)。
【0094】
送り状の作成に不足している情報がない場合(ステップS16の判定がNoの場合)、ステップS17において、制御部10は、当該宛先および電子メールの送信者のユーザー情報に基づいて送り状作成部19に送り状を作成させる(ステップS17)。
【0095】
一方、送り状の作成に不足している情報がある場合(ステップS16の判定がYesの場合)、ステップS18において、制御部10は、電子メールの送信者に登録の確認メールを返信する(ステップS18)。
【0096】
図12は、この開示の実施形態2に係る画像送信システム100のFAX送信処理の流れを示す説明図である。
【0097】
ユーザー端末2のユーザーがFAX送信用の送信原稿を添付した電子メールを受信すると、デジタル複合機1は、
図12(A)に示すように、電子メールの送信者に確認メールを返信する。
【0098】
次に、
図11のステップS19において、制御部10は、通信部15が当該確認メールの回答を受信したか否かを判定する(ステップS19)。
【0099】
通信部15が当該確認メールの回答を受信した場合(ステップS19の判定がYesの場合)、ステップS20において、制御部10は、
図12(B)に示すように、受信した回答に基づいて電話帳を更新し、送り状作成部19に送り状を作成させる(ステップS20)。
【0100】
一方、当該確認メールの回答を受信しなかった場合(ステップS19の判定がNoの場合)、制御部10は、処理を終了する。
【0101】
図13は、この開示の実施形態2に係る画像送信システム100の確認メールの一例を示す説明図である。
図13(A)は確認メールの一例を示し、
図13(B)は確認メールに対する回答の一例を示す。
【0102】
図13(A)の例において、確認メールの本文には、「FAX送信要求を受け付けましたが、電話帳の登録情報に従って送信します。なお、一部不足情報があるため、追加登録が必要であれば、本メールに記載して、返信ください。追加の必要がなければ、そのまま返信ください。また、電話帳の登録変更が必要な場合は、末尾にNを追加下さい。」というメッセージが記載されている。
【0103】
また、その下には、「会社名:未登録」、「FAX番号:XX-XXXX-1234」、「電話番号:未登録」および「担当者:奈良一郎」と登録情報が記載されている。
【0104】
この確認メールに対する回答の一例として、
図13(B)に示すように、「会社名:大和電気株式会社 N」および「担当者:加藤五郎」のように修正がなされている。
【0105】
ここで、修正された「会社名:大和電気株式会社 N」には、末尾に「N」が追加されているため、データベースの電話帳の会社名の情報が「大和電気株式会社」に変更される。
【0106】
また、修正された「担当者:加藤五郎」には、末尾に「N」が追加されていないため、送り状の担当者には「加藤五郎」と記載されるものの、データベースの電話帳の担当者名は変更されない。
【0107】
次に、
図11のステップS20において、制御部10は、送り状作成部19に送り状を作成させた後(ステップS20)、ステップS21において、
図12(C)に示すように、電子メールの添付原稿に送り状をつけた上で、該当する宛先に対してFAX送受信部18にFAX送信させて(ステップS21)、処理を終了する。
【0108】
このようにして、電子メールの送信者から受信した確認メールの回答に基づいて送り状を添付してFAX送信を行い、必要に応じてデータベースの修正や追加登録も行うため、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを送信可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0109】
〔実施形態3〕
次に、
図14~
図16に基づき、この開示の実施形態3に係る画像送信システム100のFAX送信処理について説明する。
【0110】
実施形態3においては、ユーザー端末2から受信した電子メールの情報に基づき、FAX送信用の送り状を作成した後、電子メールの送信者にFAX送信画像を添付した確認メールを返信し、FAX送信許可を受信するとFAX送信を行うデジタル複合機1について説明する。
【0111】
実施形態3に係る画像送信システム100の概略構成は、実施形態1(
図1~
図3)と同一であるため、説明を省略する。
【0112】
<この開示の実施形態3に係る画像送信システム100のFAX送信処理>
図14は、この開示の実施形態3に係る画像送信システム100のFAX送信処理を示すフローチャートである。
【0113】
なお、
図14のステップS31~S36は、それぞれ
図4(実施形態1)のステップS1~S6と同じであるため、説明を省略する。
【0114】
ステップS36において、送り状作成部19に送り状を作成させた後(ステップS36)、続くステップS37において、制御部10は、電子メールの送信者に対し、電子メールの添付原稿に送り状を添付した確認メールを通信部15に返信させる(ステップS37)。
【0115】
図15は、この開示の実施形態3に係る画像送信システム100のFAX送信処理の流れを示す説明図である。
【0116】
ユーザー端末2のユーザーがFAX送信用の送信原稿を添付した電子メールを受信すると、デジタル複合機1は、
図15(A)(B)に示すように、作成した送り状を送信原稿に添付して電子メールの送信者に確認メールを返信する。
【0117】
図16は、この開示の実施形態3に係る画像送信システム100の確認メールの一例を示す説明図である。
【0118】
図16の例において、確認メールの本文には、「FAX送信要求を受け付けましたが、電話帳の登録情報に従い送り状を作成しました。添付画像をご確認の上、問題がなければ、そのまま返信ください。」というメッセージが記載されている。
【0119】
このようにして、通信部15が当該確認メールの返信を受信したとき、制御部10は、FAX送信許可を受信したものと判定する。
【0120】
次に、
図14のステップS38において、制御部10は、通信部15が電子メールの送信者からFAX送信許可を受信したか否かを判定する(ステップS38)。
【0121】
通信部15が電子メールの送信者からFAX送信許可を受信した場合(ステップS38の判定がYesの場合)、ステップS39において、制御部10は、
図15(C)に示すようにFAX送受信部18にFAX送信させて(ステップS39)、処理を終了する。
【0122】
一方、通信部15が電子メールの送信者からFAX送信許可を受信しなかった場合(ステップS38の判定がNoの場合)、制御部10は処理を終了する。
【0123】
このようにして、ユーザー端末2から受信した電子メールの情報に基づき、FAX送信用の送り状を作成して確認メールを返信し、ユーザー端末2からFAX送信許可を受信した後、FAX送信を行うため、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを送信可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0124】
〔実施形態4〕
次に、
図17~
図19に基づき、この開示の実施形態4に係る画像送信システム100のFAX送信処理について説明する。
【0125】
実施形態4においては、FAXを受信すると、データベースのFAX送信履歴から特定した電子メールの送信者にFAX受信原稿を添付したメールを返信し、FAX転送許可を受信すると、FAX受信原稿を電子メールに添付して転送させるデジタル複合機1について説明する。
【0126】
実施形態4に係る画像送信システム100の概略構成は、実施形態1(
図1~
図3)と同一であるため、説明を省略する。
【0127】
ただし、実施形態4において、記憶部13のデータベース130は、過去のFAX送信履歴を保持するものとする。
【0128】
<この開示の実施形態4に係る画像送信システム100のFAX送信処理>
図17は、この開示の実施形態4に係る画像送信システム100のFAX送信処理を示すフローチャートである。
【0129】
図17のステップS41において、デジタル複合機1の制御部10は、FAX送受信部18がFAXを受信したか否かを判定する(ステップS41)。
【0130】
FAX送受信部18がFAXを受信した場合(ステップS41の判定がYesの場合)、ステップS42において、制御部10は、相手先のFAX番号を抽出する(ステップS42)。
【0131】
続くステップS43において、制御部10は、記憶部13のデータベース130の電話帳から当該FAX番号を相手先とする過去のFAX送信履歴を検索する(ステップS43)。
【0132】
次にステップS44において、制御部10は、該当するFAX送信履歴があるか否かを判定する(ステップS44)。
【0133】
該当するFAX送信履歴がある場合(ステップS44の判定がYesの場合)、ステップS45において、制御部10は、当該FAX送信履歴の電子メールの送信者を特定し、当該送信者に対し、受信したFAX画像を添付した確認メールを通信部15に送信させる(ステップS45)。
【0134】
図18は、この開示の実施形態4に係る画像送信システム100のFAX送信処理の流れを示す説明図である。
【0135】
図18(A)に示すように、デジタル複合機1がFAXを受信すると、
図18(B)に示すように、データベースに基づいて該当するFAX送信履歴を検索する。
【0136】
該当するFAX送信履歴がある場合、デジタル複合機1は、
図18(C)に示すように、当該FAX送信履歴から特定した電子メールの送信者にFAX受信原稿を添付したメールを返信する。
【0137】
図19は、この開示の実施形態4に係る画像送信システムの転送確認メールの一例を示す説明図である。
図19(A)は転送確認メールの一例を示し、
図19(B)は転送確認メールに対する回答の一例を示す。
【0138】
図19(A)の例において、転送確認メールの本文には、「過去の送信依頼履歴より該当されると思われるFAXを受信しましたので案内します。転送の要否を本メールで返信ください。」というメッセージとともに「転送要否:Y/N」が記載されている。
【0139】
また、その下には、相手先の情報として、「会社名:大和電気株式会社」、「FAX番号:XX-XXXX-1234」、「電話番号:未登録」および「担当者:奈良一郎」と登録情報が記載されている。
【0140】
この転送確認メールに対する回答の一例として、
図19(B)に示すように、「転送要否 Y」との回答がなされている。
【0141】
次に、
図17のステップS46において、制御部10は、通信部15が電子メールの送信者からFAX転送許可を受信したか否かを判定する(ステップS46)。
【0142】
通信部15が電子メールの送信者からFAX転送許可を受信した場合(ステップS46の判定がYesの場合)、ステップS47において、制御部10は、電子メールの送信者に対し、FAX受信原稿を電子メールに添付して通信部15に転送させて(ステップS47)、処理を終了する。
【0143】
一方、ステップS44において、該当するFAX送信履歴がなかった場合(ステップS44の判定がNoの場合)や、通信部15が電子メールの送信者からFAX送信許可を受信しなかった場合(ステップS46の判定がNoの場合)、制御部10は処理を終了する。
【0144】
このようにして、FAXを受信すると、データベースに基づいて該当するFAX送信履歴を検索し、該当するFAX送信履歴がある場合、当該FAX送信履歴から特定した電子メールの送信者にFAX受信原稿を添付したメールを返信し、FAX転送許可を受信すると、FAX受信原稿を電子メールに添付して転送させるため、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを受信可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0145】
〔実施形態5〕
次に、
図20および
図21に基づき、この開示の実施形態5に係る画像送信システム100のFAX送信処理について説明する。
【0146】
実施形態1においては、ユーザー端末2から受信した電子メールの情報に基づき、FAX送信用の送り状を作成して、電子メールに添付された送信原稿に当該送り状をつけてFAX送信を行うデジタル複合機1について説明した。
【0147】
一方、実施形態5においては、ユーザー端末2から受信した電子メールに送信原稿が添付されていない場合、当該電子メールの本文から作成した送信原稿に送り状をつけてFAX送信を行うデジタル複合機1について説明する。
【0148】
実施形態5に係る画像送信システム100の概略構成は、実施形態1(
図1~
図3)と同一であるため、説明を省略する。
【0149】
<この開示の実施形態5に係る画像送信システム100のFAX送信処理>
図20は、この開示の実施形態5に係る画像送信システム100のFAX送信処理を示すフローチャートである。
図21は、この開示の実施形態5に係る画像送信システム100のFAX送信処理の流れを示す説明図である。
【0150】
実施形態5において、
図21(A)に示すように、ユーザー端末2のユーザーがメール本文のみで添付原稿のない電子メールをデジタル複合機1に送信してFAX送信を実行させる場合を想定する。
【0151】
なお、
図20のステップS51~S56は、それぞれ
図4(実施形態1)のステップS1~S6と同じであるため、説明を省略する。
【0152】
図20のステップS56において、送り状作成部19に送り状を作成させた後(ステップS56)、ステップS57において、制御部10は、電子メールに添付原稿があるか否かを判定する(ステップS57)。
【0153】
電子メールに添付原稿がある場合(ステップS57の判定がYesの場合)、ステップS58において、電子メールの添付原稿に送り状をつけた上で、該当する宛先に対してFAX送受信部18にFAX送信させて(ステップS58)、処理を終了する。
【0154】
一方、電子メールに添付原稿がない場合(ステップS57の判定がNoの場合)、ステップS59において、
図21(B)(C)に示すように、電子メールの本文から作成した送信原稿にデータベースから作成した送り状をつけた上で、該当する宛先に対してFAX送受信部18にFAX送信させて(ステップS59)、処理を終了する。
【0155】
このようにして、ユーザー端末2から受信した電子メールの情報に基づき、FAX送信用の送り状を作成し、当該電子メールに添付原稿がない場合は、メール本文から作成した送信原稿に当該送り状をつけてFAX送信を行うため、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを送信可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0156】
(実施形態5の変形例)
なお、実施形態5の変形例として、電子メールの本文から作成した原稿および添付原稿をあわせた原稿を送信原稿として、送り状をつけてFAX送信を行うようにしてもよい。
【0157】
この場合、例えば、電子メールの本文が空白(または送信者および相手先の情報のみ)で原稿が添付されている場合は、当該添付原稿のみを送信原稿とする。
【0158】
また、電子メールの本文に(送信者および相手先の情報以外の)テキストが記載されており、かつ、原稿が添付されている場合は、電子メールの本文から作成した原稿および添付原稿をあわせて送信原稿とする。
【0159】
また、電子メールの本文に(送信者および相手先の情報以外の)テキストが記載されているものの、原稿が添付されていない場合は、電子メールの本文から作成した原稿のみを送信原稿とする。
【0160】
このようにして、ユーザー端末2から受信した電子メールの情報に基づき、FAX送信用の送り状を作成し、当該電子メールの本文のテキストの有無および添付原稿の有無に基づき、メール本文から作成した送信原稿および添付原稿に送り状をつけてFAX送信を行うため、FAX送信に不慣れなユーザーや在宅勤務中で自宅にFAX装置のないユーザーであっても、従来よりも容易にFAXを送信可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0161】
この開示の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
【0162】
前述した実施の形態の他にも、この開示について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。この開示には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0163】
1:デジタル複合機、 2,2A,2B:ユーザー端末、 3:ネットワーク、 4:公衆回線網、 10:制御部、 11:画像データ取得部、 12:画像形成部、 13,21:記憶部、 14,22:画像処理部、 15,23:通信部、 16:メール解析部、 17:操作パネル、 18:FAX送受信部、 19:送り状作成部、 20:制御部、 24,171:表示部、 25,172:操作部、 100:画像送信システム、 130:データベース