IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-冷却ユニット 図1
  • 特開-冷却ユニット 図2
  • 特開-冷却ユニット 図3
  • 特開-冷却ユニット 図4
  • 特開-冷却ユニット 図5
  • 特開-冷却ユニット 図6
  • 特開-冷却ユニット 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174284
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】冷却ユニット
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20231130BHJP
   H01L 23/467 20060101ALI20231130BHJP
   G06F 1/20 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H05K7/20 M
H05K7/20 H
H01L23/46 C
G06F1/20 C
G06F1/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087047
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】川田 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】渡慶次 鋭彦
(72)【発明者】
【氏名】玉岡 健人
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA05
5E322BA01
5E322BA03
5E322BB03
5E322DA01
5E322DA04
5E322FA01
5E322FA04
5F136CA06
5F136FA01
5F136FA51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大型になることを抑制しつつ空気を効率的に流通させる冷却ユニットを提供する。
【解決手段】冷却ユニット100は、熱源62としての電解コンデンサ、電力用半導体モジュール及びプリント基板と、熱的に接触するコールドプレート61と接続可能であり、第一マニホールド2と、第二マニホールド3と、ラジエータ4と、を備える。第一マニホールドは、第一配管21内を流通した冷媒を複数の流出口24からコールドプレートに向けて流出させる。第二マニホールドでは、コールドプレートから複数の流入口34に流入した冷媒が第二配管31内を流通する。ラジエータでは、第二配管内を流通した冷媒が、間隔を隔てて並ぶ複数の流路431を流通する。第一配管及び第二配管の各々は、ラジエータの一部と第一方向D1に対向する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源と熱的に接触するコールドプレートと接続可能な冷却ユニットであって、
第一配管と、複数の流出口とを有しており、前記第一配管内を流通した冷媒を前記複数の流出口から前記コールドプレートに向けて流出させる第一マニホールドと、
複数の流入口と、第二配管とを有しており、前記コールドプレートから前記複数の流入口に流入した冷媒が前記第二配管内を流通する第二マニホールドと、
間隔を隔てて並ぶ複数の流路を有しており、前記第二配管内を流通した冷媒が前記複数の流路を流通するラジエータと、
前記複数の流路と直交する第一方向に前記複数の流路の間を流れる気流を発生させる送風部と
を備え、
前記第一配管及び前記第二配管の各々は、前記ラジエータの一部と前記第一方向に対向する、冷却ユニット。
【請求項2】
前記第一配管及び前記第二配管は、前記第一方向に直交する第二方向に並んでおり、
前記第一配管及び前記第二配管の各々の前記第二方向における幅は、前記ラジエータの前記第二方向における幅の半分よりも小さい、請求項1に記載の冷却ユニット。
【請求項3】
前記第一配管及び前記第二配管は、前記第一方向に直交する第二方向に並んでおり、
前記第二方向において、前記第一配管及び前記第二配管は間隔を隔てて並ぶ、請求項1に記載の冷却ユニット。
【請求項4】
2つの前記第一マニホールドと、
2つの前記第二マニホールドと
を備え、
前記ラジエータが有する前記複数の流路には、前記第二マニホールドの各々が有する前記第二配管内を流通した冷媒が流通し、
前記第一マニホールドの各々が有する前記第一配管、及び前記第二マニホールドの各々が有する前記第二配管の各々は、前記ラジエータの一部と前記第一方向に対向する、請求項1に記載の冷却ユニット。
【請求項5】
前記送風部は、前記ラジエータの少なくとも一部と前記第一方向に対向する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷却ユニット。
【請求項6】
前記第一マニホールド及び前記第二マニホールドは、前記ラジエータよりも前記気流の上流側に位置し、
前記送風部は、前記ラジエータよりも前記気流の下流側に位置する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷却ユニット。
【請求項7】
前記第一方向において、前記ラジエータと前記送風部との間隔は、前記第一配管と前記ラジエータとの間隔よりも大きい、請求項6に記載の冷却ユニット。
【請求項8】
前記第一配管及び前記第二配管は、前記第一方向に直交する第二方向に並んでおり、
前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向において、前記送風部の最大寸法は、前記ラジエータの最大寸法よりも大きい、請求項1に記載の冷却ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷却装置が記載されている。冷却装置の筐体内には、熱源としての電解コンデンサ、電力用半導体モジュール及びプリント基板が設けられている。熱源が動作することで周囲温度が上昇する。冷却装置は、筐体内の空気を冷却する。冷却装置内では、マイクロファンにより空気が循環させられる。空気の熱は、冷却装置の空気冷却フィンにより集められた後、ヒートパイプにより冷却体に移送される。冷却体は、吸入口及び排出口を有する。吸入口及び排出口には、冷却パイプが一本ずつ接続されている。冷却体内には、冷却パイプを通じて吸入口から、低温の冷媒が流入する。ヒートパイプから移送されてきた熱は、冷却体内で冷媒に移動する。その後、高温の冷媒は、排出口から冷却装置外に流出する。これにより、電子機器内の熱は、電気機器外へと運び出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-60515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、複数の冷却体の各々に二本の冷却パイプが接続される。従って、多数の冷却パイプの引き回しによっては、冷却装置が大型になる。なお、特許文献1には、各冷却パイプの具体的な引き回しは記載されていない。
【0005】
また、特許文献1では、マイクロファンにより空気を効率的に流通させるための内蔵部品の最適配置等は何ら考慮されていない。
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、大型になることを抑制しつつ空気を効率的に流通させる冷却ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の例示的な冷却ユニットは、熱源と熱的に接触するコールドプレートと接続可能である。前記冷却ユニットは、第一マニホールドと、第二マニホールドと、ラジエータと、送風部とを備える。前記第一マニホールドは、第一配管と、複数の流出口とを有している。前記第一マニホールドは、前記第一配管内を流通した冷媒を前記複数の流出口から前記コールドプレートに向けて流出させる。前記第二マニホールドは、複数の流入口と、第二配管とを有している。前記第二マニホールドでは、前記コールドプレートから前記複数の流入口に流入した冷媒が前記第二配管内を流通する。前記ラジエータは、間隔を隔てて並ぶ複数の流路を有している。前記ラジエータでは、前記第二配管内を流通した冷媒が前記複数の流路を流通する。前記送風部は、前記複数の流路と直交する第一方向に前記複数の流路の間を流れる気流を発生させる。前記第一配管及び前記第二配管の各々は、前記ラジエータの一部と前記第一方向に対向する。
【発明の効果】
【0008】
例示的な本開示によれば、大型になることを抑制しつつ空気を効率的に流通させる冷却ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態に係る冷却ユニットにおける冷媒回路を示す図である。
図2図2は、図1に示される冷却ユニットの外観を示す斜視図である。
図3図3は、図2に示される冷却ユニットの内部構成を示す斜視図である。
図4図4は、図3に示される冷却ユニットの内部構成を、図3とは異なる視方向から見たときの斜視図である。
図5図5は、図4に示される線V-Vに沿う冷却ユニットの縦断面図である。
図6図6は、図5に示される第一マニホールド2及び第二マニホールド3を示す図である。
図7図7は、図5に示される線VI-VIに沿う冷却ユニットの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
図1は、本開示の実施形態に係る冷却ユニット100における冷媒回路を示す図である。図1に示されるように、冷却ユニット100は、ポンプ部1と、二つの第一マニホールド2と、二つの第二マニホールド3と、ラジエータ4と、送風部5とを備える。
【0012】
本明細書では、理解の容易のため、互いに直交する第一方向D1、第二方向D2、及び第三方向D3を適宜記載している。第一方向D1は、ラジエータ4における複数の流路431(枠W1内を参照)と直交する方向である。また、第二方向D2は、第一方向D1に直交する方向である。詳細には、第二方向D2は、各流路431が延びる方向である。
【0013】
また、第一方向D1の一方側を第一方向一方側D11と記載し、第一方向D1の他方側を第一方向他方側D12と記載する。第一方向一方側D11は、ラジエータ4において複数の流路431の間で空気が流れる方向である。第二方向D2の一方側を第二方向一方側D21と記載し、第二方向D2の他方側を第二方向他方側D22と記載する。第二方向一方側D21は、複数の流路431において冷媒が流れる方向である。第三方向D3の一方側を第三方向一方側D31と記載し、第三方向D3の他方側を第三方向他方側D32と記載する。ただし、あくまで説明の便宜のために方向を定義したに過ぎず、特に水平方向、鉛直方向を定義する必要がある場合を除き、本開示の例示的なコールドプレートの使用時の向きを限定しない。また、本明細書において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。
【0014】
ポンプ部1は、三つのポンプユニット11を有する。各ポンプユニット11は、例えば二つの遠心型ポンプを有する。しかし、各ポンプユニット11は、遠心型に限らず、他の種類を有していてもよい。各ポンプユニット11は、吸込口11Aと、吐出口11Bと、羽根車(図示せず)を有する。各ポンプユニット11は、自身が有する羽根車の回転により、ラジエータ4から流出した冷媒を吸込口11Aで吸い込み、吸い込んだ冷媒を吐出口11Bから吐出する。冷媒は、冷却液である。冷却液としては不凍液又は純水が例示される。不凍液の典型例は、エチレングリコール水溶液又はプロピレングリコール水溶液である。
【0015】
各第一マニホールド2は、第一配管21と、流入口22と、複数の出口管23と、複数の流出口24と、流路25とを有している。第一配管21は、第二方向D2に延びる管状の部材である。第二方向一方側D21における第一配管21の端部には、流入口22が形成されている。第二方向他方側D22における第一配管21の端部は閉塞されている。流入口22は、流路91を介して各吐出口11Bと接続されている。流路91により、各吐出口11Bから流入口22へと冷媒が流通可能になる。各出口管23は、第一配管21の周面から突出し、第一方向D1に沿って延びている。複数の出口管23は、第二方向D2において間隔をあけて並んでいる。各出口管23の先端には、流出口24が一つずつ形成されている。複数の流路25は、流入口22と、複数の流出口24とを、冷媒が流通可能に繋ぐ。なお、第一マニホールド2の各々は、硬質材料により作製される。硬質材料は、金属又は樹脂である。
【0016】
ポンプ部1から吐出された冷媒は、流路91を通じて、各流入口22から第一配管21内に流入する。冷媒は、第一配管21及び各出口管23内の流路25を流通し、複数の流出口24から流出する。複数の流出口24は、複数の流路92により複数のコールドプレート61と接続される。複数の流路92により、複数の流出口24から複数のコールドプレート61へと冷媒が流通可能になる。即ち、各第一マニホールド2は、複数の流出口24から複数のコールドプレート61に向けて冷媒を流出させる。
【0017】
各コールドプレート61には、少なくとも一つの熱源62が熱的に接触する。従って、冷却ユニット100は、各熱源62と熱的に接触するコールドプレート61と接続可能である。各熱源62は、コンピュータ装置の構成部品である。コンピュータ装置の動作により、各熱源62は発熱する。各熱源62は、例えば、電解コンデンサ、電力用半導体モジュール及びプリント回路基板のいずれかである。詳細には、コールドプレート61は、熱源62の外表面に、直接的に又は熱伝導材料を介して接触する。熱伝導材料は、シリコン又は熱伝導グリスである。
【0018】
各コールドプレート61は、流入口61Aと、流出口61Bと、流路61Cとを有する。なお、図1では、都合上、参照符号「61A」、「61B」及び「61C」は、一つのコールドプレート61のみに付されている。各流入口61Aには、自身と接続された流路92から冷媒が流入する。冷媒は、流入口61Aから流出口61Bへと流路61C内で流通する。従って、熱源62で発生した熱は、流路61Cを流通する冷媒に移動する。その後、冷媒は、流出口61Bから流出する。
【0019】
各第二マニホールド3は、第二配管31と、流出口32と、複数の入口管33と、複数の流入口34と、流路35とを有している。第二配管31は、第二方向D2に延びる筒状の部材である。第二方向一方側D21における第二配管31の端部は閉塞されている。第二方向他方側D22における第二配管31の端部には、流出口32が形成されている。複数の入口管33は、第二配管31の周面から突出し、第一方向D1に沿って延びている。複数の入口管33は、第二方向D2に間隔をあけて並んでいる。各入口管33の先端には、流入口34が一つずつ形成されている。複数の流入口34は、複数の流路93を介して複数のコールドプレート61における流出口61Bと接続されている。複数の流路93により、複数の流出口61Bから複数の流入口34へと冷媒が流通可能になる。複数の流路35は、複数の流入口34と流出口32とを、冷媒が流通可能に繋ぐ。なお、第二マニホールド3の各々は、第一マニホールド2と同様の硬質材料で作製されればよい。
【0020】
複数の流出口61Bから流出した冷媒は、複数の流路93を通じて、複数の流入口34から第二配管31内に流入する。冷媒は、各第二配管31における流路35を流通する。従って、複数の第二マニホールド3では、複数のコールドプレート61から複数の流入口34に流入した冷媒が第二配管31内を流通する。その後、冷媒は、各流出口32から流出する。
【0021】
ラジエータ4は、第一タンク41と、第二タンク42と、ラジエータコア43とを有する。
【0022】
第一タンク41及び第二タンク42は、第二方向D2において距離を隔てて配置されている。第一タンク41及び第二タンク42の各々は、略直方体形状である。第一タンク41は、流入口41Aを有する。流入口41Aは、複数の流路94を介して各第二マニホールド3の流出口32と接続されている。複数の流路94により、複数の流出口32から流入口41Aへと冷媒が流通可能になる。第二タンク42は、流出口42Aを有する。流出口42Aは、流路95を介してポンプ部1の各吸込口11Aと接続されている。流路95により、流出口42Aから各吸込口11Aへと冷媒が流通可能になる。
【0023】
ラジエータコア43は、第一タンク41及び第二タンク42の間に位置する。ラジエータコア43は、図1の枠W1内に示されるように、第一方向D1から視て略矩形形状の外形を有する。ラジエータコア43は、複数の流路431と、複数のフィン432とを有する。複数の流路431の各々は、第一タンク41から第二タンク42まで第二方向D2に沿って延びている。複数の流路431の各々は、第一タンク41及び第二タンク42の各々と、冷媒が流通可能に接続されている。また、複数の流路431は、第三方向D3に間隔を隔てて並んでいる(枠W1内を特に参照)。複数のフィン432の各々は、薄い金属板等で波形状に形成されている。複数のフィン432の各々は、複数の流路431に熱的に接触している。また、波形状の各フィン432と、各流路431とは、第一方向D1に延びる通風路433を形成する。なお、図1では、単一の通風路にのみ参照符号「433」が付されている。複数の通風路433により、第一方向一方側D11へと複数の流路431の間を空気が流れることが可能になる。
【0024】
各流出口32から流出した冷媒は、流入口41Aから第一タンク41に流入し、第一タンク41内で一時的に貯留される。次に、冷媒は、第一タンク41から複数の流路431へと流出する。次に、冷媒は、複数の流路431内を流通した後、第二タンク42へと流入する。次に、冷媒は、第二タンク42の流出口42Aから流路95に流出する。更に、冷媒は、流路95内を流通した後、ポンプ部1の吸込口11Aから吸い込まれる。
【0025】
送風部5は、五つのファンユニット51を有する。各ファンユニット51は、二つの軸流ファン等を有する。各軸流ファンは、羽根車を有する。送風部5は、各羽根車の回転により、複数の流路431の間で通風路433に沿って流れる気流を発生させる。図1では、気流は、矢印A1~A3により模式的に示されている。この気流により、ラジエータ4が有する複数の流路431内で流れる冷媒が冷却される。
【0026】
図2は、図1に示される冷却ユニット100の外観を示す斜視図である。図3は、図2に示される冷却ユニット100の内部構成を示す斜視図である。図4は、図3に示される冷却ユニット100の内部構成を、図3とは異なる視方向から見たときの斜視図である。図5は、図4に示される線V-Vに沿う冷却ユニット100の縦断面図である。図6は、図5に示される第一マニホールド2及び第二マニホールド3を示す図である。図7は、図5に示される線VI-VIに沿う冷却ユニット100の横断面図である。
【0027】
図2から図7に示されるように、冷却ユニット100は、筐体7と、複数の隔壁8とを更に備える。
【0028】
筐体7は、例えば金属製の外装体である。筐体7の外形は、略直方体形状である。筐体7は、外壁73~76を有する。外壁73~76は、内部空間71を規定する。実施形態では、外壁73,74は、第三方向D3に距離を隔てて位置する。外壁75,76は、第二方向D2に距離を隔てて位置する。
【0029】
筐体7は、第一方向他方側D12の端部に開口72を有する(図4を特に参照)。開口72は、内部空間71と繋がっている。内部空間71には、複数の隔壁8と、ポンプ部1と、二つの第一マニホールド2と、二つの第二マニホールド3と、ラジエータ4と、送風部5とが配置される(図3から図7とを特に参照)。
【0030】
複数の隔壁8は、第一隔壁81と、複数の第二隔壁82と、複数の第三隔壁83とを含む(図3図4とを特に参照)。
【0031】
第一隔壁81は、内部空間71において第一方向他方側D12に位置する。第一隔壁81は、第三方向D3において外壁73,74の間に位置する。第一隔壁81は、第三方向D3に薄い板状であり、第一方向D1及び第二方向D2に拡がる。
【0032】
複数の第二隔壁82は、第一隔壁81と外壁73との間に位置する(図3を特に参照)。複数の第二隔壁82は、第二方向D2に薄い板状であり、第一方向D1及び第三方向D3に拡がる。複数の第二隔壁82は、第二方向D2において間隔をあけて位置する。
【0033】
複数の第三隔壁83は、第一隔壁81と外壁74との間に位置する点を除き、複数の第二隔壁82と同様である(図4を特に参照)。
【0034】
第一隔壁81と、複数の第二隔壁82と、複数の第三隔壁83とは、内部空間71を複数の装着空間77に仕切る。複数の装着空間77の各々には、コールドプレート61と熱源62との組み合わせ(図1参照)が装着される。各装着空間77にコールドプレート61と熱源62とが装着されたとき、コールドプレート61及び熱源62と、第二隔壁82又は第三隔壁83の間には隙間が形成される。この隙間により、開口72から流入した空気は、ラジエータ4の方へと抜ける。
【0035】
ポンプ部1は、外壁74上において第一方向一方側D11及び第二方向一方側D21の各端部に位置する。ポンプ部1に含まれる三つのポンプユニット11は、第二方向D2に並んでいる。
【0036】
各第一マニホールド2は、第一方向D1において、ポンプ部1及びラジエータ4と第一隔壁81との間に位置する(図3図4とを特に参照)。二つの第一マニホールド2は、第三方向D3に距離を隔てて位置する(図5を特に参照)。各第一マニホールド2は、外壁75,76の間で第二方向D2に沿って延びている。
【0037】
各第一マニホールド2は、互いに同一の仕様を有することが好ましい。また、各第一マニホールド2のうち少なくとも第一配管21は、第三方向D3において重なり合っていることが好ましい(図3図6とを特に参照)。これにより、筐体7が第一方向D1及び第二方向D2の各々に大型になることが抑制される。
【0038】
また、各第一マニホールド2の流入口22は、外壁75,76のうち外壁75に近い位置に設けられる(図7を特に参照)。詳細には、各流入口22の第二方向D2における位置は互いに揃っている。これにより、ポンプ部1と各第一マニホールド2とを繋ぐ流路91の長さが抑えられる。なお、図7では、流路91は、破線により示されている。
【0039】
各出口管23は、一つの装着空間77に向けて第一方向他方側D12へと第一配管21から延びている。
【0040】
各第二マニホールド3は、第一方向D1において、ポンプ部1及び第一隔壁81の間に位置する(図7を特に参照)。各第二マニホールド3は、第三方向D3に間隔をあけて位置する(図6を特に参照)。詳細には、一方の第二マニホールド3は、二つの第一マニホールド2の間に、各第一マニホールド2から間隔をあけて位置する(図6を特に参照)。他方の第二マニホールド3は、他方の第一マニホールド2と、筐体7の外壁73との間に位置する(図5を特に参照)。各第二マニホールド3は、外壁75,76の間で第二方向D2に沿って延びている。
【0041】
各第二マニホールド3は、互いに同一の仕様を有することが好ましい。また、各第二マニホールド3のうち少なくとも第二配管31は、第三方向D3において互いに重なり合うことが好ましい(図3図6図7とを特に参照)。各第二マニホールド3は、第三方向D3において各第一マニホールド2とも重なり合うことが好ましい(図6図7とを特に参照)。これにより、筐体7が第一方向D1及び第二方向D2の各々に大型になることが抑制される。
【0042】
詳細には、各第二マニホールド3における流出口32は、外壁75,76のうち外壁76に近い位置に設けられる。各流出口32の第二方向D2における位置は互いに揃っている(図7を特に参照)。これにより、各第二マニホールド3とラジエータ4とを繋ぐ流路94の長さが抑えられる。
【0043】
各入口管33は、一つの装着空間77に向けて第一方向他方側D12へと第二配管31から延びている。
【0044】
ラジエータ4は、第一マニホールド2及び第二マニホールド3の各々よりも第一方向一方側D11に離れて位置する(図7を特に参照)。即ち、第一マニホールド2及び第二マニホールド3の各々は、ラジエータ4よりも気流の上流側に位置する。気流の上流側は、第一方向他方側D12である。また、ラジエータ4は、筐体7における第一方向一方側D11の端部から第一方向他方側D12に離れて位置する。ラジエータ4は、外壁73,74の間に位置する(図5を特に参照)。第一方向D1において、ラジエータ4の一部は、第一配管21及び第二配管31の各々と対向する(図5を特に参照)。従って、第一配管21、第二配管31及びラジエータ4が内部空間71において高密度に配置される。その結果、冷却ユニット100が大型になることが抑制される。また、送風部5の羽根車が回転することにより、開口72から内部空間71へと空気が流入する。空気は、内部空間71において装着空間77を経由して第一配管21及び第二配管31の間に流入する。空気は、第一配管21及び第二配管31の間の空間を流通した後、複数の流路431の間(即ち、通風路433)に導入される。各通風路433は、第一配管21及び第二配管31に対して第一方向一方側D11(即ち、送風部5側)で近接するため、空気は、第一マニホールド2及び第二マニホールド3から効率的に通風路433へと導かれる。
【0045】
各第一配管21及び各第二配管31は、第三方向D3において間隔を隔てて並んでいる(図5を特に参照)。第一配管21及び第二配管31において第三方向D3の幅は、ラジエータコア43の第三方向D3における幅の四分の一よりも小さい。その結果、第一配管21及び第二配管31の間に空気が通る空間が確保され、流路431間に形成される通風路433に空気が効率的に導入される。
【0046】
また、実施形態では、筐体7には、第一マニホールド2と第二マニホールド3との組み合わせが二組設けられる。従って、冷却ユニット100は、比較的多くの熱源62を冷却できる。また、各第一マニホールド2における第一配管21と、各第二マニホールド3における第二配管31とは、第三方向D3において間隔を隔てて並んでいる状態で、第一方向他方側D12におけるラジエータ4の一部と対向する(図3図4を特に参照)。従って、筐体7内に多くの熱源62を装着可能でありながらも、通風路433を通過する風量が減ることが抑制される。
【0047】
送風部5は、外壁73,74の間において第一方向一方側D11の端部に位置する。詳細には、送風部5は、ラジエータ4よりも第一方向一方側D11に距離を隔てて位置する。詳細には、送風部5において、四つのファンユニット51は、ポンプ部1よりも第二方向他方側D22で、第一方向一方側D11においてラジエータコア43と対向する。残る一つのファンユニット51は、四つのファンユニット51よりも第二方向一方側D21で、ポンプ部1よりも第三方向一方側D31に位置する。即ち、第二方向D2において、送風部5の最大寸法L1は、ラジエータ4の最大寸法L2よりも大きいことが好ましい(図3を特に参照)。その結果、筐体7内を通過する風量が大きくなる。
【0048】
また、送風部5及びラジエータコア43の各々における第二方向他方側D22の端部の間には、第一整流板84が設けられる。送風部5及びラジエータコア43の各々における第二方向一方側D21の端部の間には、第二整流板85が設けられる。五つのファンユニット51の各羽根車が回転することにより、ラジエータ4の通風路433を通過した空気は、第一整流板84及び第二整流板85の間を通過して、筐体7の外部に排出される。
【0049】
送風部5において四つのファンユニット51がラジエータコア43と第一方向D1において対向する(図3図4とを特に参照)。従って、送風部5は、ラジエータ4の少なくとも一部と第一方向D1において対向する。また、ラジエータコア43と四つのファンユニット51との間には、冷却ユニット100の構成が配置されない。即ち、ラジエータ4及び送風部5の間における通風抵抗を比較的小さくできる。従って、ラジエータコア43から送風部5へと効率的に空気が導かれる。
【0050】
また、実施形態では、第一マニホールド2及び第二マニホールド3は、ラジエータ4よりも気流の上流側に位置する。送風部5は、ラジエータ4よりも気流の下流側に位置する。気流の上流側及び下流側は、第一方向他方側D12及び第一方向一方側D11である。即ち、ラジエータ4と送風部5との間には、第一マニホールド2及び第二マニホールド3の各々が配置されない。従って、第一マニホールド2、第二マニホールド3、ラジエータ4及び送風部5を効率的にレイアウトできる。
【0051】
また、図7に示されるように、ラジエータコア43と送風部5との間の第一方向D1における間隔G1は、第一配管21及び第二配管31とラジエータコア43との間の第一方向D1における間隔G2より広い。従って、ラジエータコア43から流出した空気を、送風部5から筐体7の外部に排出されるまでの間に、第一整流板84及び第二整流板85の間で冷ますことができる。従って、冷却ユニット100の外部に高温の空気が排出されることを抑制できる。
【0052】
以上、図面を参照して本開示の実施形態について説明した。ただし、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0053】
また、図面は、本開示の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0054】
実施形態では、冷却ユニット100は、第一マニホールド2及び第二マニホールド3の組み合わせを二組備えていた。しかし、これに限らず、冷却ユニット100は、第一マニホールド2及び第二マニホールド3を少なくとも一組備えていればよい。第一マニホールド2及び第二マニホールド3が一組の場合、第一配管21及び第二配管31における第三方向D3の幅は、ラジエータコア43の第三方向D3における幅の二分の一よりも小さいことが好ましい。
【0055】
実施形態では、送風部5は、ラジエータ4よりも第一方向一方側D11、即ち、下流側に位置していた。しかし、これに限らず、送風部5は、ラジエータ4よりも第一方向他方側D12に位置していてもよい。
【0056】
実施形態では、第二方向D2において、送風部5の最大寸法L1は、ラジエータ4の最大寸法L2よりも大きかった。しかし、これに限らず、第二方向D2における最大寸法L1は、最大寸法L2以下でもよい。
【0057】
実施形態では、第一方向D1においてラジエータコア43と送風部5との間隔G1は、第一配管21及び第二配管31の各々とラジエータコア43との間隔G2よりも大きい。しかし、これに限らず、間隔G1は、間隔G2以下でもよい。
【0058】
実施形態では、熱源62は、コンピュータ装置の構成部品であった。しかし、熱源62は、コンピュータ装置の構成部品以外であって、発熱する機器であれば何でもよい。
【0059】
実施形態では、送風部5は、ファンユニット51を有していた。しかし、送風部5は、ファンユニット51に代えて、ブロアから構成されてもよい。
【0060】
なお、本技術は、以下のような構成を採用することも可能である。
【0061】
(1)熱源と熱的に接触するコールドプレートと接続可能な冷却ユニットであって、
第一配管と、複数の流出口とを有しており、前記第一配管内を流通した冷媒を前記複数の流出口から前記コールドプレートに向けて流出させる第一マニホールドと、
複数の流入口と、第二配管とを有しており、前記コールドプレートから前記複数の流入口に流入した冷媒が前記第二配管内を流通する第二マニホールドと、
間隔を隔てて並ぶ複数の流路を有しており、前記第二配管内を流通した冷媒が前記複数の流路を流通するラジエータと、
前記複数の流路と直交する第一方向に前記複数の流路の間を流れる気流を発生させる送風部と
を備え、
前記第一配管及び前記第二配管の各々は、前記ラジエータの一部と前記第一方向に対向する、冷却ユニット。
【0062】
(2)前記第一配管及び前記第二配管は、前記第一方向に直交する第二方向に並んでおり、
前記第一配管及び前記第二配管の各々の前記第二方向における幅は、前記ラジエータの前記第二方向における幅の半分よりも小さい、(1)に記載の冷却ユニット。
【0063】
(3)前記第一配管及び前記第二配管は、前記第一方向に直交する第二方向に並んでおり、
前記第二方向において、前記第一配管及び前記第二配管は間隔を隔てて並ぶ、(1)又は(2)に記載の冷却ユニット。
【0064】
(4)2つの前記第一マニホールドと、
2つの前記第二マニホールドと
を備え、
前記ラジエータが有する前記複数の流路には、前記第二マニホールドの各々が有する前記第二配管内を流通した冷媒が流通し、
前記第一マニホールドの各々が有する前記第一配管、及び前記第二マニホールドの各々が有する前記第二配管の各々は、前記ラジエータの一部と前記第一方向に対向する、(1)から(3)のいずれかに記載の冷却ユニット。
【0065】
(5)前記送風部は、前記ラジエータの少なくとも一部と前記第一方向に対向する、(1)から(4)のいずれかに記載の冷却ユニット。
【0066】
(6)前記第一マニホールド及び前記第二マニホールドは、前記ラジエータよりも前記気流の上流側に位置し、
前記送風部は、前記ラジエータよりも前記気流の下流側に位置する、(1)から(5)のいずれかに記載の冷却ユニット。
【0067】
(7)前記第一方向において、前記ラジエータと前記送風部との間隔は、前記第一配管と前記ラジエータとの間隔よりも大きい、(1)から(6)のいずれかに記載の冷却ユニット。
【0068】
(8)前記第一配管及び前記第二配管は、前記第一方向に直交する第二方向に並んでおり、
前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向において、前記送風部の最大寸法は、前記ラジエータの最大寸法よりも大きい、(1)から(7)のいずれかに記載の冷却ユニット。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本開示に係る冷却ユニットは、電子機器の冷却に好適である。
【符号の説明】
【0070】
100 冷却ユニット
1 ポンプ部
2 第一マニホールド
21 第一配管
22 流入口
24 流出口
3 第二マニホールド
31 第二配管
32 流出口
34 流入口
4 ラジエータ
41 第一タンク
42 第二タンク
43 ラジエータコア
431 流路
432 フィン
433 通風路
5 送風部
61 コールドプレート
62 熱源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7