(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174285
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】コールドプレート
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20231130BHJP
H01L 23/473 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H05K7/20 N
H01L23/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087049
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】川田 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】渡慶次 鋭彦
(72)【発明者】
【氏名】玉岡 健人
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA05
5E322AA10
5E322AA11
5E322DA01
5E322DA04
5E322FA01
5F136BA03
5F136CB07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】不均一な形状を有する発熱部品を効率よく冷却することが可能なコールドプレートを提供する。
【解決手段】コールドプレートは、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bを有する対向部と、カバー部12と、熱交換室13と、を有する。対向部は、発熱部品に対して第1方向一方側に対向する。カバー部は、対向部の第1方向他方側Z2に配置される。熱交換室は、少なくとも対向部とカバー部とで構成され、対向部を介して発熱部品の熱を冷媒に伝導する。対向部は、第1冷却面11Aと、第2冷却面11Bとを有する。第1冷却面は、第1方向一方側Z1設けられる。第2冷却面も、第1方向一方側Z1に設けられる。第2冷却面は、第1冷却面に対して第1方向に離れて位置する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品に対して第1方向一方側に対向する対向部と、
前記対向部の第1方向他方側に配置されるカバー部と、
少なくとも前記対向部と前記カバー部とで構成され、前記対向部を介して前記発熱部品の熱を冷媒に伝導する熱交換室と
を有し、
前記対向部は、
第1方向一方側に設けられた第1冷却面と、
第1方向一方側に設けられた第2冷却面と
を有し、
前記第2冷却面は、前記第1冷却面に対して第1方向に離れて位置する、コールドプレート。
【請求項2】
前記第1冷却面と前記第2冷却面とは、単一の部材で構成される、請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項3】
前記熱交換室は、
前記冷媒が通る第1流路と、
前記冷媒が通る第2流路と
を有し、
前記第1流路は、前記第1冷却面の第1方向他方側に設けられ、
前記第2流路は、前記第2冷却面の第1方向他方側に設けられ、
前記第1流路及び前記第2流路は、第1方向に直交する第2方向に互いに並んで配置される、請求項1又は請求項2に記載のコールドプレート。
【請求項4】
前記対向部は、
前記発熱部品の熱を前記冷媒に伝導する第1フィン部と、
前記発熱部品の熱を前記冷媒に伝導する第2フィン部と
を有し、
前記第1フィン部は、前記第1冷却面の第1方向他方側に設けられ、
前記第2フィン部は、前記第1冷却面の第1方向他方側に設けられ、
前記第1フィン部の第1方向他方側の面が前記カバー部の第1方向一方側の面と接触し、
前記第2フィン部の第1方向他方側の面が前記カバー部の第1方向一方側の面と接触する、請求項3に記載のコールドプレート。
【請求項5】
前記カバー部は、前記第1流路と前記第2流路とを仕切る仕切部を有し、
前記仕切部は、前記カバー部の第1方向一方側に設けられ、前記第1流路及び前記第2流路に沿って延びる、請求項3に記載のコールドプレート。
【請求項6】
前記カバー部は、
前記熱交換室の外部から内部に前記冷媒を案内する第1案内部と、
前記熱交換室の内部から外部に前記冷媒を案内する第2案内部と
を有し、
前記第1案内部は、第2方向一方側に位置し、
前記第2案内部は、第2方向他方側に位置する、請求項3に記載のコールドプレート。
【請求項7】
前記第1流路及び前記第2流路は、前記第1案内部及び前記第2案内部に対して並列に接続している、請求項6に記載のコールドプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールドプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の冷却装置は、発熱体からの熱を冷媒により受熱する受熱部材は、発熱体に熱接続するベース部材を備える(例えば、特許文献1)。ベース部材において、発熱体に熱接続する対向平面の所定領域が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、発熱部品において、受熱部材の対向平面と対向する面に起伏がある場合、特許文献1の冷却装置では、発熱体に熱接続する所定領域の面積が小さくなり、発熱体の十分な冷却が困難である。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、不均一な形状を有する発熱部品を効率よく冷却することが可能なコールドプレートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の例示的なコールドプレートは、対向部と、カバー部と、熱交換室とを有する。前記対向部は、発熱部品に対して第1方向一方側に対向する。前記カバー部は、前記対向部の第1方向他方側に配置される。前記熱交換室は、少なくとも前記対向部と前記カバー部とで構成され、前記対向部を介して前記発熱部品の熱を冷媒に伝導する。前記対向部は、第1冷却面と、第2冷却面とを有する。前記第1冷却面は、第1方向一方側に設けられる。前記第2冷却面は、第1方向一方側に設けられる。前記第2冷却面は、前記第1冷却面に対して第1方向に離れて位置する。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本発明によれば、不均一な形状を有する発熱部品を効率よく冷却することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態のコールドプレートを有する冷却システムの概要を示す図である。
【
図2】
図2は、冷却ユニットの一部を示す図である。
【
図3】
図3は、発熱部品から分離させたコールドプレートを示す図である。
【
図4】
図4は、
図3の発熱部品及びコールドプレートを別角度から示す図である。
【
図5】
図5は、対向部とカバー部とを分離させた状態のコールドプレートを示す図である。
【
図6】
図6は、
図5の対向部及びカバー部を別角度から示す図である。
【
図7】
図7は、第1方向他方側から透視した熱交換室を示す図である。
【
図8】
図8は、熱交換室の第2方向に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本明細書では、理解の容易のため、互いに直交する第1方向Z、第2方向X及び第3方向Yを適宜記載している。また、第1方向Zの一方側を第1方向一方側Z1と記載し、第1方向Zの他方側を第1方向他方側Z2と記載する。また、第2方向Xの一方側を第2方向一方側X1と記載し、第2方向Xの他方側を第2方向他方側X2と記載する。また、第3方向Yの一方側を第3方向一方側Y1と記載し、第3方向Yの他方側を第3方向他方側Y2と記載する。ただし、あくまで説明の便宜のために方向を定義したに過ぎず、特に水平方向、鉛直方向を定義する必要がある場合を除き、本開示の例示的なコールドプレートの使用時の向きを限定しない。また、本明細書において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。
【0010】
図1を参照して、例示的な実施形態のコールドプレートP1を有する冷却システム100を説明する。
図1は、冷却システム100の概要を示す図である。
【0011】
冷却システム100は、例えばコンピュータ装置200に設けられる。冷却システム100は、コンピュータ装置200を冷却する。コンピュータ装置200は、電子機器の一例である。冷却システム100は、一例として、3つの冷却ユニットU1、U2、U3と、マニホールドM1と、マニホールドM2と、ポンプ部21と、熱交換器22とを有する。なお、冷却システム100は、コンピュータ装置200以外に設けられてもよい。
【0012】
ポンプ部21は、例えば、1つ又は複数のポンプ装置を有する。複数のポンプ装置は、互いに直列又は並列に接続される。ポンプ装置の各々は、冷媒を吸込むとともに冷媒を吐出する1つ又は複数のポンプを有する。複数のポンプは、互いに直列又は並列に接続される。
【0013】
ポンプ部21は、例えば、マニホールドM1と、流路M3及び熱交換器22を介してマニホールドM2とに接続される。マニホールドM1は、例えば、ポンプ部21と、冷却ユニットU1、U2、U3とを接続するパイプである。流路M3は、例えば、ポンプ部21と熱交換器22とを接続するパイプである。マニホールドM1、M2及び流路M3は、内部を冷媒が通る。
【0014】
ポンプ部21は、マニホールドM1に冷媒を供給する。冷媒は、マニホールドM1の内部を通る。マニホールドM1は、ポンプ部21から供給された冷媒を冷却ユニットU1、U2、U3に分配して供給する。冷却ユニットU1、U2、U3の各々に供給された冷媒は、冷却ユニットU1、U2、U3の各々を通り、マニホールドM2に供給される。以下、冷却ユニットU1を代表的に説明する。冷却ユニットU2、U3の構成及び機能は、冷却ユニットU1と同じである。
【0015】
冷却ユニットU1は、例えば、コールドプレートP1を有する。コールドプレートP1は、図示しない発熱部品から受熱し、発熱部品を冷却する。発熱部品は、例えば、コンピュータ装置200に配置されるCPU等の演算装置、及びメモリー等の記憶装置などである。冷媒は、冷却ユニットU1の内部を通る際、コールドプレートP1内を通る。例えば、冷媒がコールドプレートP1内で熱交換することで、熱を持った冷媒が冷却システム100内を循環する。冷却ユニットU1は、コールドプレートP1を含む2つ以上のコールドプレートを有してもよい。
【0016】
マニホールドM2は、例えば、冷却ユニットU1、U2、U3と熱交換器22とを接続するパイプである。冷媒は、マニホールドM2の内部を通る。マニホールドM2は、冷却ユニットU1、U2、U3の各々を通った冷媒を合流させて熱交換器22に供給する。熱交換器22に供給された冷媒は、例えば、熱交換器22を通る。例えば、熱交換器22は、熱を持った冷媒が通ることで、熱を外部へ放熱するラジエータである。熱交換器22の内部には、冷媒が内部を通る複数の冷媒管と、冷媒管の周囲に配置される複数のフィンとを有する。複数のフィンの各々の一部は、冷媒管に接する。より詳しくは、フィンと冷媒管とは、溶接等で接合される。フィンは、冷媒管及び冷媒の熱を吸収し、外気へ放熱することで、冷媒の温度を低下させる。ただし、熱交換器22は、熱を外部に放熱するラジエータに限定されない。例えば、熱交換器22は、冷媒が通る流路とは別の冷媒が通る流路へと熱交換を行うものであってもよい。
【0017】
熱交換器22を通った冷媒は、流路M3を通って、ポンプ部21に供給される。ポンプ部21に供給された冷媒は、再び、ポンプ部21によってマニホールドM1に供給される。以上のように、冷却システム100において、冷媒は、ポンプ部21、マニホールドM1、冷却ユニットU1、U2、U3、マニホールドM2、熱交換器22及び流路M3を循環する。
図1では、冷媒の循環を矢印で示す。なお、冷媒の循環方向は、逆向きであってもよい。また、冷却ユニットU1、U2、U3、ポンプ部21、及び熱交換器22の配置は、一例であり、上記以外の配置でもよい。
【0018】
次に、
図2~
図4を参照して、コールドプレートP1について詳細に説明する。
図2は、冷却ユニットU1の一部を示す図である。
図3は、発熱部品H1から分離させたコールドプレートP1を示す図である。
図4は、
図3の発熱部品H1及びコールドプレートP1を別角度から示す図である。
【0019】
例えば、冷却ユニットU1は、コンピュータ装置200に配置された基板B1に対向して配置される。具体的には、冷却ユニットU1のコールドプレートP1は、基板B1に配置された発熱部品H1と対向する。本実施形態において、発熱部品H1は、基板B1の実装面に対して垂直な第1方向Zに沿って延びている。発熱部品H1の第1方向一方側Z1の端面は、基板B1に実装されている。発熱部品H1の第1方向他方側Z2の端面は、コールドプレートP1と対向する。つまり、コールドプレートP1は、発熱部品H1の第1方向他方側Z2に位置する。本実施形態において、発熱部品H1の端面は、第1方向Zに起伏を有する。
【0020】
コールドプレートP1は、対向部11と、カバー部12と、熱交換室13とを有する。対向部11は、発熱部品H1に対して第1方向一方側Z1に対向する。カバー部12は、対向部11の第1方向他方側Z2に配置される。熱交換室13は、少なくとも対向部11とカバー部12とで構成される。熱交換室13は、対向部11を介して発熱部品H1の熱を冷媒に伝導する。対向部11は、第1冷却面11Aと第2冷却面11Bとを有する。第1冷却面11Aは、第1方向一方側Z1に設けられる。第2冷却面11Bは、第1方向一方側Z1に設けられる。第2冷却面11Bは、第1冷却面11Aに対して第1方向Zに離れて位置する。
【0021】
したがって、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bは、発熱部品H1の第1方向他方側Z2の端面に対向するため、例えば、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bと、発熱部品H1の第1方向他方側Z2の端面とが接触する領域の面積が大きくなる。そのため、コールドプレートP1は、第1方向の位置が異なる複数の面を有する発熱部品H1を効率よく冷却できる。その結果、複数の面ごとにコールドプレートを設ける場合と比べて、複数のコールドプレート同士を接続する配管を減らすことができる。よって、コールドプレートの冷却面のスペースをより広くすることができ、発熱部品H1をより効率よく冷却できる。
【0022】
図2~
図4に示す例では、第2冷却面11Bは、第1冷却面11Aに対して第1方向Zに離れて位置する。第2冷却面11Bは、第1冷却面11Aに対して第1方向一方側Z1に離れて位置する。
【0023】
具体的には、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bは、発熱部品H1の第1方向他方側Z2の端面の起伏に沿って、第1方向Zに段違いに設けられる。つまり、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bは、発熱部品H1の第1方向他方側Z2の端面に沿った形状を示す。例えば、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bは、略平行である。例えば、第1冷却面11Aの形状は、略長方形である。第2冷却面11Bの形状は、略長方形である。第1冷却面11A及び第2冷却面11Bは、互いに第1方向Zに直交する第2方向Xに並んで配置される。具体的には、第2冷却面11Bは、第1冷却面11Aより第2方向一方側X1に位置する。言い換えると、第1冷却面11Aは、第2冷却面11Bより第2方向他方側X2に位置する。なお、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bの形状は、略長方形に限定されない。例えば、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bの形状は、発熱部品H1の第1方向他方側Z2の端面と同じ形状である。
【0024】
例えば、第1冷却面11Aと第2冷却面11Bとは、単一の部材で構成される。したがって、対向部11を1部品として製造することが容易になるとともに、コールドプレートP1における部材点数を削減できる。言い換えると、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bを含む対向部11は、単一の部材で構成された1部品として形成される。一例として、対向部11は、熱伝導率の高い金属で構成される。
【0025】
なお、本実施形態において、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bが第2方向Xに繋がって配置されているが、これに限らず、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bは、互いに離れて配置されてもよい。また、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bは、異なる部材で構成されてもよい。また、本実施形態において、
図2及び
図3に示すように、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bは、発熱部品H1の第1方向他方側Z2の端面と直接接触しているが、これに限らず、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bは、例えば、熱伝導シート等を介して発熱部品H1の第1方向他方側Z2の端面と対向してもよい。
【0026】
例えば、カバー部12の形状は、略直方体である。カバー部12の第1方向一方側Z1(
図6)の面は、開口を有する。カバー部12は、対向部11を覆う。例えば、カバー部12は、樹脂又は金属等で形成される。
【0027】
対向部11がカバー部12で覆われると、熱交換室13が形成される。言い換えると、熱交換室13は、対向部11と、カバー部12の第1方向他方側Z2(
図6)の面と、カバー部12の第1方向他方側Z2の面における四方の縁から第1方向一方側Z1に向かって延びる4つの面とで囲まれた領域である。例えば、対向部11とカバー部12とは、ろう接及び溶接等によって固着される。熱交換室13には、冷媒が通る。
【0028】
次に、
図5~
図9を参照して、熱交換室13について詳細に説明する。
図5は、対向部11とカバー部12とを分離させた状態のコールドプレートP1を示す図である。
図6は、
図5の対向部11及びカバー部12を別角度から示す図である。
図7は、第1方向他方側Z2から透視した熱交換室13を示す図である。
図8は、熱交換室13の第2方向Xに沿った断面図である。
図9は、
図8に示す断面図を模式的に示す図である。
【0029】
図5~
図7に示すように、カバー部12は、第1案内部15Aと、第2案内部15Bとを有する。第1案内部15Aは、熱交換室13の外部から内部に冷媒を案内する。第2案内部15Bは、熱交換室13の内部から外部に冷媒を案内する。例えば、第1案内部15Aは、マニホールドM1に接続される。第1案内部15Aは、マニホールドM1によって供給された冷媒を熱交換室13の内部に案内する。また、例えば、第2案内部15Bは、コールドプレートP2に接続される。第2案内部15Bは、熱交換室13を通った冷媒をコールドプレートP2に案内する。なお、第1案内部15A及び第2案内部15Bの接続先は、それぞれ、マニホールドM1及びコールドプレートP2に限定されない。
【0030】
熱交換室13は、第1流路17Aと、第2流路17Bとを有する。第1流路17Aは、第1冷却面11Aの第1方向他方側Z2に設けられる。第2流路17Bは、第2冷却面11Bの第1方向他方側Z2に設けられる。つまり、第1流路17A及び第2流路17Bは、第2方向Xに互いに並んで配置される。本実施形態において、第1流路17A及び第2流路17Bは、第1方向Z及び第2方向Xに対して直交する第3方向Yに沿って延びる。例えば、第1流路17A及び第2流路17Bにおいて、第3方向一方側Y1は、下流側であり、第3方向他方側Y2は、上流側である。
【0031】
具体的には、対向部11は、第1フィン部14Aと、第2フィン部14Bとを有する。第1フィン部14Aは、第1冷却面11Aの第1方向他方側Z2に設けられる。第2フィン部14Bは、第2冷却面11Bの第1方向他方側Z2に設けられる。第1フィン部14A及び第2フィン部14Bは、それぞれ、複数のフィンを有する。第1フィン部14Aのフィンは、第1フィン部14Aの第1方向他方側Z2に突出するとともに、第3方向Yに沿って延びる。第2フィン部14Bのフィンは、第2フィン部14Bの第1方向他方側Z2に突出するとともに、第3方向Yに沿って延びる。
【0032】
図8及び
図9に示すように、第1フィン部14Aの第1方向他方側Z2の面は、カバー部12の第1方向一方側Z1の面と接触する。第2フィン部14Bの第1方向他方側Z2の面は、カバー部12の第1方向一方側Z1の面と接触する。
【0033】
また、
図6~
図9に示すように、カバー部12は、仕切部16を有する。仕切部16は、カバー部12の第1方向一方側Z1に設けられる。具体的には、仕切部16は、カバー部12の第1方向一方側Z1に突出するとともに、第3方向Yに沿って延びる。つまり、仕切部16は、第1フィン部14A及び第2フィン部14Bのフィンの延びる方向、及び第1流路17A及び第2流路17Bに沿って延びる。仕切部16は、第1フィン部14Aと第2フィン部14Bとの間に位置する。言い換えると、仕切部16は、第1フィン部14Aと第2フィン部14B、つまり、第1流路17Aと第2流路17Bとを仕切る。したがって、コールドプレートP1において、仕切部16の製造が容易になるとともに、コールドプレートP1における部材点数を削減できる。例えば、仕切部16は、カバー部12と単一の部材で構成された1部品として形成される。
【0034】
以上のように、熱交換室13において、カバー部12とフィンとの間、フィンとフィンとの間、及び仕切部16とフィンとの間に第1流路17A又は第2流路17Bが形成される。第1案内部15Aによって熱交換室13の内部に案内された冷媒のうちの一部は、第1流路17Aを通る。また、第1案内部15Aによって熱交換室13の内部に案内された冷媒のうち、第1流路17Aを通らなかった一部は、第2流路17Bを通る。したがって、冷媒を第1流路17Aと第2流路17Bに分岐させて通すことで、より効率よく発熱部品H1を冷却できる。具体的には、
図7では、熱交換室13における冷媒の移動を矢印で示す。第2案内部15Bは、第1流路17Aを通過後の冷媒と、第2流路17Bを通過後の冷媒とを、熱交換室13の外部に案内する。
【0035】
詳細には、第1フィン部14A及び第2フィン部14Bにおいて、第1冷却面11A及び第2冷却面11Bと各フィンとを介して、各フィンの間に形成された第1流路17A又は第2流路17Bを通る冷媒に発熱部品H1の熱が伝導する。言い換えると、第1フィン部14A及び第2フィン部14Bは、発熱部品H1の熱を冷媒に伝導する。このように、フィン間に形成された第1流路17A又は第2流路17Bを冷媒が通ることで、冷媒とフィンとが接触する表面積が大きくなり、コールドプレートP1の冷却性能が向上する。
【0036】
本実施形態において、例えば、第1流路17A及び第2流路17Bは、第1案内部15A及び第2案内部15Bに対して並列に接続している。したがって、第1案内部15Aを通った冷媒は、第1流路17A及び第2流路17Bに分岐しやすくなる。その結果、第1流路17A及び第2流路17Bに同じ温度の冷媒が通るため、発熱部品H1に対する第1冷却面11A及び第2冷却面11Bにおける冷却性能を略同じにできる。具体的には、第1案内部15Aは、第3方向他方側Y2に位置する。第2案内部15Bは、第3方向一方側Y1に位置する。つまり、第1案内部15Aは、第1流路17A及び第2流路17Bに対して上流側に位置する。第2案内部15Bは、第1流路17A及び第2流路17Bに対して下流側に位置する。
【0037】
また、例えば、第1案内部15Aは、第2方向他方側X2に位置する。第2案内部15Bは、第2方向一方側X1に位置する。したがって、第1案内部15Aから第1流路17Aを通り第2案内部15Bに至る経路の距離と、第1案内部15Aから第2流路17Bを通り第2案内部15Bに至る経路との距離が略同じになる。その結果、熱交換室13において、より効率的に発熱部品H1を冷却可能な流路が形成される。つまり、第1案内部15Aと第2案内部15Bとは、第1流路17A及び第2流路17Bの並ぶ方向に沿って互いに反対側に位置する。
【0038】
なお、第1案内部15A及び第2案内部15Bの配置は、上記に限定されない。具体的には、第1案内部15Aが第1流路17A及び第2流路17Bに対して下流側に位置し、第2案内部15Bが第1流路17A及び第2流路17Bに対して上流側に位置してもよい。また、例えば、第1案内部15Aが第2方向一方側X1に位置し、第2案内部15Bが第2方向他方側X2に位置してもよい。更に、第1案内部15Aと第2案内部15Bとが、第2方向Xに沿って略同じ位置に位置してもよい。
【0039】
以上、図面(
図1~
図9)を参照して本開示の実施形態について説明した。ただし、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0040】
また、図面は、開示の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0041】
なお、本技術は、以下のような構成をとることが可能である。
(1)発熱部品に対して第1方向一方側に対向する対向部と、
前記対向部の第1方向他方側に配置されるカバー部と、
少なくとも前記対向部と前記カバー部とで構成され、前記対向部を介して前記発熱部品の熱を冷媒に伝導する熱交換室と
を有し、
前記対向部は、
第1方向一方側に設けられた第1冷却面と、
第1方向一方側に設けられた第2冷却面と
を有し、
前記第2冷却面は、前記第1冷却面に対して第1方向に離れて位置する、コールドプレート。
(2)前記第1冷却面と前記第2冷却面とは、単一の部材で構成される、(1)に記載のコールドプレート。
(3)前記熱交換室は、
前記冷媒が通る第1流路と、
前記冷媒が通る第2流路と
を有し、
前記第1流路は、前記第1冷却面の第1方向他方側に設けられ、
前記第2流路は、前記第2冷却面の第1方向他方側に設けられ、
前記第1流路及び前記第2流路は、第1方向に直交する第2方向に互いに並んで配置される、(1)又は(2)に記載のコールドプレート。
(4)前記対向部は、
前記発熱部品の熱を冷媒に伝導する第1フィン部と、
前記発熱部品の熱を冷媒に伝導する第2フィン部と
を有し、
前記第1フィン部は、前記第1冷却面の第1方向他方側に設けられ、
前記第2フィン部は、前記第1冷却面の第1方向他方側に設けられ、
前記第1フィン部の第1方向他方側の面が前記カバー部の第1方向一方側の面と接触し、
前記第2フィン部の第1方向他方側の面が前記カバー部の第1方向一方側の面と接触する、(1)~(3)のいずれかに記載のコールドプレート。
(5)前記カバー部は、前記第1流路と前記第2流路とを仕切る仕切部を有し、
前記仕切部は、前記カバー部の第1方向一方側に設けられ、前記第1流路及び前記第2流路に沿って延びる(3)又は(4)に記載のコールドプレート。
(6)前記カバー部は、
前記熱交換室の外部から内部に前記冷媒を案内する第1案内部と、
前記熱交換室の内部から外部に前記冷媒を案内する第2案内部と
を有し、
前記第1案内部は、第2方向一方側に位置し、
前記第2案内部は、第2方向他方側に位置する、(3)~(5)のいずれかに記載のコールドプレート。
(7)前記第1流路及び前記第2流路は、前記第1案内部及び前記第2案内部に対して並列に接続している、(3)~(6)のいずれかに記載のコールドプレート。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本開示は、コールドプレートの分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
11 :対向部
11A :第1冷却面
11B :第2冷却面
12 :カバー部
13 :熱交換室
14A :第1フィン部
14B :第2フィン部
15A :第1案内部
15B :第2案内部
16 :仕切部
17A :第1流路
17B :第2流路
H1 :発熱部品
P1 :コールドプレート
X :第2方向
X1 :第2方向一方側
X2 :第2方向他方側
Y :第3方向
Y1 :第3方向一方側
Y2 :第3方向他方側
Z :第1方向
Z1 :第1方向一方側
Z2 :第1方向他方側