(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174300
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
G05G 5/03 20080401AFI20231130BHJP
G05G 25/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
G05G5/03 B
G05G5/03 Z
G05G25/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087069
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白井 貴博
【テーマコード(参考)】
3J070
【Fターム(参考)】
3J070AA05
3J070AA14
3J070BA12
3J070BA19
3J070BA51
3J070BA71
3J070CB01
3J070CB37
3J070CC71
3J070CD31
3J070DA01
(57)【要約】
【課題】小型化が容易となる操作装置を提供する。
【解決手段】操作装置1は、ユーザの操作を受け付ける操作部2と、操作部2の操作に伴う節度感を生成する節度感生成部3と、磁場の強弱に基づいて節度感生成部3と共に生成する複数の節度パターンを切り替える磁場生成部4と、を備えて概略構成されている。操作装置1は、操作部2の操作を検出する検出部5と、入力した切替信号S
2に基づいて磁場生成部4の磁場の強弱を制御して複数の節度パターンを切り替えると共に、検出部5が検出した操作に応じた操作情報S
3を出力する制御部6と、を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作を受け付ける操作部と、
前記操作部の操作に伴う節度感を生成する節度感生成部と、
磁場の強弱に基づいて前記節度感生成部と共に生成する複数の節度パターンを切り替える磁場生成部と、
を備えた操作装置。
【請求項2】
前記操作部は、回転操作を受け付け、
前記節度感生成部は、前記操作部に配置され、異なる節度山を有する複数の節度部を有し、
前記磁場生成部は、前記複数の節度部と対向して配置される複数の磁場部を有し、前記複数の磁場部の前記磁場の強弱と前記複数の節度部との組み合わせによって前記複数の節度パターンを切り替える、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記操作部は、回転操作を受け付け、
前記節度感生成部は、前記操作部に配置され、異なる節度山を有する複数の節度部を上下方向に有し、
前記磁場生成部は、前記複数の節度部と対向して配置される複数の磁場部を有し、前記複数の磁場部の前記磁場の強弱と前記複数の節度部との組み合わせによって前記複数の節度パターンを切り替える、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項4】
前記操作部は、回転操作を受け付け、
前記節度感生成部は、前記操作部に配置され、第1の磁極を有すると共に前記操作部の回転軸に向かって突出する複数の第1の節度山を有する第1の節度部、及び第2の磁極を有すると共に前記第1の節度山とは逆方向に突出する複数の第2の節度山を有する第2の節度部を有し、
前記磁場生成部は、前記第1の節度部側に配置され、一方の端部が前記第1の節度山と対向すると共に前記第2の磁極を有し、他方の端部が前記第1の磁極を有すると共に前記一方の端部が前記第1の節度山と対向する際に前記第1の節度山の間に向かって複数に分岐する形状を有する少なくとも1つの第1の磁場部、及び前記第1の磁極を有して前記第2の節度部側に配置される少なくとも1つの第2の磁場部を有し、前記第1の磁場部及び前記第2の磁場部の前記磁場の強弱と前記第1の節度部及び前記第2の節度部との組み合わせによって前記複数の節度パターンを切り替える、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項5】
前記操作部は、回転操作を受け付け、
前記節度感生成部は、前記操作部に配置され、第1の磁極を有すると共に異なる節度山を有する複数の節度部を上下方向に有し、
前記磁場生成部は、前記複数の節度部側に配置され、一方の端部が前記節度山に対向すると共に第2の磁極を有し、他方の端部が前記第1の磁極を有すると共に前記一方の端部が前記節度山に対向する際に前記節度山の間に向かって複数に分岐する形状を有する複数の磁場部を有し、前記複数の磁場部の前記磁場の強弱と前記複数の節度部との組み合わせによって前記複数の節度パターンを切り替える、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項6】
前記操作部は、取付先の筐体に対して第1の方向及び前記第1の方向と反対の第2の方向にスライド操作を受け付け、
前記磁場生成部は、前記操作部又は前記筐体に配置され、
前記節度感生成部は、前記操作部又は前記筐体に配置され、
前記磁場生成部と前記節度感生成部が共に前記操作部及び前記筐体の一方に配置される場合、前記磁場生成部と前記節度感生成部が一体とされ、他方に対向するように磁性部材が配置される、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項7】
前記操作部は、取付先の筐体に対して第1の方向及び前記第1の方向と反対の第2の方向のスライド操作を受け付け、下面から前記筐体内に突出するように磁性部材が配置され、
前記節度感生成部は、前記磁性部材と対向する前記筐体に複数の節度部を有し、
前記磁場生成部は、前記複数の節度部のそれぞれと一体とされる複数の磁場部を有する、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項8】
前記操作部は、取付先の筐体の支点を中心として互いに反対方向に回転し、前記筐体内に突出するように磁性部材が配置され、
前記節度感生成部は、前記磁性部材と対向するように設けられ、
前記磁場生成部は、前記節度感生成部と一体とされる、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項9】
前記節度感生成部は、前記操作部に配置され、
前記磁場生成部は、前記複数の節度パターンとして、前記節度感生成部と対向して前記節度感生成部に作用する前記磁場を強くして生じる強磁場節度パターン、及び前記節度感生成部から離れて前記節度感生成部に作用する前記磁場を弱くして生じる弱磁場節度パターンを有する、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項10】
前記磁場生成部は、電磁石であり、
前記操作部の操作を検出する検出部と、
入力した切替信号に基づいて前記磁場生成部の前記磁場の強弱を制御して前記複数の節度パターンを切り替えると共に、前記検出部が検出した前記操作に応じた操作情報を出力する制御部と、
を有する、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、回転軸回りに回転可能なコマンダと、カテゴリ別に分類された複数のタイトルを表示可能なモニタと、を有し、コマンダの操作量に応じてモニタの表示内容が制御される操作装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この操作装置は、さらに、コマンダの所定の回転角毎に節度感を与えるようにコマンダに操作反力を付与するモータと、モータによって付与する操作反力を制御する制御手段と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の操作装置は、モータによって節度感を与えるので、複数のギアやモータを収容するための筐体が大きくなって小型化が困難となる。
【0006】
従って本発明の目的は、小型化が容易となる操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ユーザの操作を受け付ける操作部と、操作部の操作に伴う節度感を生成する節度部と、磁場の強弱に基づいて節度部と共に生成する複数の節度パターンを切り替える磁場生成部と、を備えた操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小型化を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(a)は、操作装置が配置された車両内部の一例を示す図であり、
図1(b)は、操作装置の一例を示す正面図であり、
図1(c)は、操作装置のブロック図の一例である。
【
図2】
図2(a)は、操作装置の操作部の一例を示す図であり、
図2(b)は、操作装置の側面図の一例である。
【
図3】
図3(a)は、操作装置の第1の節度パターン時における
図2(b)のC-C線で切断した断面図の一例であり、
図3(b)は、第2の節度パターン時における
図2(b)のC-C線で切断した断面図の一例である。
【
図4】
図4(a)は、操作装置の第3の節度パターン時における
図2(b)のC-C線で切断した断面図の一例であり、
図4(b)は、第4の節度パータン時における
図2(b)のC-C線で切断した断面図の一例である。
【
図5】
図5は、操作装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6(a)は、操作装置の操作部の一例を示す図であり、
図6(b)は、操作装置の側面図の一例である。
【
図7】
図7(a)は、操作装置の第1の節度パターン時における
図6(b)のD-D線で切断した断面図の一例であり、
図7(b)は、第1の節度パターン時における
図6(b)のE-E線で切断した断面図の一例である。
【
図8】
図8(a)は、操作装置の第2の節度パターン時における
図6(b)のD-D線で切断した断面図の一例であり、
図8(b)は、第2の節度パターン時における
図6(b)のE-E線で切断した断面図の一例である。
【
図9】
図9(a)は、操作装置の第3の節度パターン時における
図6(b)のD-D線で切断した断面図の一例であり、
図9(b)は、第3の節度パターン時における
図6(b)のE-E線で切断した断面図の一例である。
【
図10】
図10(a)は、操作装置の第4の節度パターン時における
図6(b)のD-D線で切断した断面図の一例であり、
図10(b)は、第4の節度パターン時における
図6(b)のE-E線で切断した断面図の一例である。
【
図11】
図11(a)は、操作装置の一例を示す図であり、
図11(b)は、操作装置の磁場生成部及び節度部の配置の一例について説明するための図である。
【
図12】
図12(a)は、操作装置の操作部を回転可能に支持する支持部の一例について説明するための図であり、
図12(b)は、操作装置のブロック図の一例である。
【
図13】
図13(a)及び
図13(b)は、操作装置が備える複数の節度パターンの一例について説明するための図である。
【
図14】
図14(a)は、操作装置の操作部の一例を示す図であり、
図14(b)は、操作装置の側面図の一例である。
【
図15】
図15(a)は、操作装置の第1の節度パターン時における
図14(b)のF-F線で切断した断面図の一例であり、
図15(b)は、第2の節度パターン時における
図14(b)のF-F線で切断した断面図の一例である。
【
図16】
図16(a)は、操作装置の第3の節度パターン時における
図14(b)のF-F線で切断した断面図の一例であり、
図16(b)は、第4の節度パターン時における
図14(b)のF-F線で切断した断面図の一例である。
【
図17】
図17(a)は、操作装置の操作部の一例を示す図であり、
図17(b)は、操作装置の側面図の一例である。
【
図18】
図18(a)は、操作装置の第1の節度パターン時における
図17(b)のG-G線で切断した断面図の一例であり、
図18(b)は、第1の節度パターン時における
図17(b)のH-H線で切断した断面図の一例である。
【
図19】
図19(a)は、操作装置の第2の節度パターン時における
図17(b)のG-G線で切断した断面図の一例であり、
図19(b)は、第2の節度パターン時における
図17(b)のH-H線で切断した断面図の一例である。
【
図20】
図20(a)は、操作装置の第3の節度パターン時における
図17(b)のG-G線で切断した断面図の一例であり、
図20(b)は、第3の節度パターン時における
図17(b)のH-H線で切断した断面図の一例である。
【
図21】
図21(a)は、操作装置の第4の節度パターン時における
図17(b)のG-G線で切断した断面図の一例であり、
図21(b)は、第4の節度パターン時における
図17(b)のH-H線で切断した断面図の一例である。
【
図22】
図22(a)は、操作装置の一例を示す図であり、
図22(b)は、操作装置の
図22(a)のM-M線で切断した断面図の一例であり、
図22(c)は、変形例1に係る操作装置の
図22(a)のM-M線で切断した断面図の一例であり、
図22(d)は、変形例2に係る操作装置の
図22(a)のM-M線で切断した断面図の一例である。
【
図23】
図23(a)は、操作装置の
図22(a)のM-M線で切断した断面図の一例であり、
図23(b)は、操作装置の
図22(a)のM-M線で切断した断面図の一例である。
【
図24】
図24(a)は、操作装置の一例を示す図であり、
図24(b)は、操作装置の
図24(a)のN-N線で切断した断面図の一例であり、
図24(c)は、操作装置の
図24(a)のO-O線で切断した断面図の一例である。
【
図25】
図25(a)は、操作装置の一例を示す図であり、
図25(b)は、操作装置の側面図の一例であり、
図25(c)は、操作装置の
図25(b)のP-P線で切断した断面図の一例である。
【
図26】
図26(a)は、操作装置の一例を示す図であり、
図26(b)は、操作装置の側面図の一例であり、
図26(c)は、操作装置の
図26(a)のQ-Q線で切断した断面図の一例である。
【
図27】
図27(a)は、操作装置の一例を示す図であり、
図27(b)は、操作装置の側面図の一例であり、
図27(c)は、操作装置の第1の節度パターン時における
図27(b)のT-T線で切断した断面図の一例である。
【
図28】
図28(a)は、操作装置の第2の節度パターン時における
図27(b)のT-T線で切断した断面図の一例であり、
図28(b)は、操作装置の第3の節度パターン時における
図27(b)のT-T線で切断した断面図の一例である。
【
図29】
図29(a)は、操作装置の一例を示す図であり、
図29(b)は、操作装置の側面図の一例であり、
図29(c)は、操作装置の
図29(b)のY-Y線で切断した断面図の一例である。
【
図30】
図30(a)は、操作装置の第1の節度パターン時における側面図の一例であり、
図30(b)は、操作装置の第2の節度パターン時における側面図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る操作装置は、ユーザの操作を受け付ける操作部と、操作部の操作に伴う節度感を生成する節度部と、磁場の強弱に基づいて節度部と共に生成する複数の節度パターンを切り替える磁場生成部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
この操作装置は、磁場生成部と節度部とによって複数の節度パターンを生成するので、複数のギアとモータを備える場合と比べて、小型化が容易となる。
【0012】
[第1の実施の形態]
(操作装置1の概要)
図1(a)は、第1の実施の形態に係る操作装置が配置された車両内部の一例を示す図であり、
図1(b)は、操作装置の一例を示す正面図であり、
図1(c)は、操作装置のブロック図の一例である。
図2(a)は、第1の実施の形態に係る操作装置の操作部の一例を示す図であり、
図2(b)は、操作装置の側面図の一例である。
図3(a)は、第1の実施の形態に係る操作装置の第1の節度パターン時における
図2(b)のC-C線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図3(b)は、第2の節度パターン時における
図2(b)のC-C線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図4(a)は、第1の実施の形態に係る操作装置の第3の節度パターン時における
図2(b)のC-C線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図4(b)は、第4の節度パータン時における
図2(b)のC-C線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
【0013】
なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率や形状は、実際の比率や形状とは異なる場合がある。また
図1(c)及び
図12(b)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。
【0014】
本実施の形態の操作装置1は、一例として、
図1(a)に示すように、車両9に搭載され、車両9の車載装置91を操作対象としている。車載装置91は、一例として、車両全体の設定や自動運転機能の制御を行う車両制御装置、車室内の温度を調整する空調装置、現在地の地図や目的地までの誘導を行うナビゲーション装置、画像を表示する表示装置92、シートの位置や傾きなどを制御するシート装置、音楽や映像を再生する音楽及び映像再生装置などである。
【0015】
本実施の形態の操作装置1は、一例として、車載装置91としての空調装置に配置され、空調装置を操作するように構成されている。この車載装置91は、一例として、車両9のセンターコンソール90に配置されている。
【0016】
操作装置1は、
図1(b)~
図3(a)に示すように、ユーザの操作を受け付ける操作部2と、操作部2の操作に伴う節度感を生成する節度感生成部3と、磁場の強弱に基づいて節度感生成部3と共に生成する複数の節度パターンを切り替える磁場生成部4と、を備えて概略構成されている。
【0017】
本実施の形態の操作装置1の操作部2は、一例として、回転操作を受け付けるように構成されている。また節度感生成部3は、操作部2に配置され、異なる節度山を有する複数の節度部を有している。さらに磁場生成部4は、複数の節度部と対向して配置される複数の磁場生成部を有し、複数の磁場生成部の磁場の強弱と複数の節度部との組み合わせによって複数の節度パターンを切り替える。
【0018】
具体的には、節度感生成部3は、操作部2に配置され、操作部2の回転軸200に向かって突出する複数の第1の節度山310を有する第1の節度部31、及び第1の節度山310とは逆方向に突出する複数の第2の節度山320を有する第2の節度部32を有している。また磁場生成部4は、第1の節度部31と対向して配置される第1の磁場部41、及び第2の節度部32と対向して配置される第2の磁場部42を有し、第1の磁場部41及び第2の磁場部42の磁場400及び磁場401の強弱と第1の節度部31及び第2の節度部32との組み合わせによって複数の節度パターンを切り替える。
【0019】
本実施の形態の磁場生成部4は、電磁石である。また本実施の形態の操作装置1は、
図1(c)に示すように、操作部2の操作を検出する検出部5と、入力した切替信号S
2に基づいて磁場生成部4の磁場の強弱を制御して複数の節度パターンを切り替えると共に、検出部5が検出した操作に応じた操作情報S
3を出力する制御部6と、を備えている。
【0020】
ここで車載装置91は、筐体910を有している。この筐体910の表面911には、表示部912と、複数のスイッチ913と、操作部2と、が配置されている。
【0021】
表示部912は、空調装置の現在の設定などを表示する。なお空調装置は、表示部912を備えずに表示装置92に現在の設定などを表示するように構成されても良い。複数のスイッチ913は、例えば、設定温度や風量などの設定可能な機能を切り替えるスイッチである。ユーザは、例えば、風量を設定する機能を割り当てられたスイッチ913を操作した場合、操作装置1の操作部2を操作することで風量を変えることができる。この操作部2は、表面911に設けられた開口910aから一部が露出するように配置されている。
【0022】
また車載装置91は、電源部914を有している。この電源部914は、車載装置91に駆動電流を供給すると共に、操作装置1に電流I1及び電流I2を供給するように構成されている。この電流I1は、第1の磁場部41に供給される。また電流I2は、第2の磁場部42に供給される。
【0023】
(操作部2の構成)
操作部2は、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、円筒形状を有している。操作部2は、上部21が筐体910から露出し、下部22が筐体910の内部に隠れている。ユーザは、操作部2の上部21を把持して回転操作を行う。また操作部2は、筐体910に隠れる下部22に節度感生成部3が設けられている。
【0024】
操作部2は、鉄やニッケル、パーマロイなどの磁力を保持する力が小さく、また透磁性が大きい軟磁性材料を用いて形成されている。なお操作部2は、少なくとも節度感生成部3が軟磁性材料で形成されても良い。
【0025】
操作部2は、
図2(a)に示すように、回転軸200の周りを矢印A方向、及び矢印A方向とは逆方向となる矢印B方向に回転するように構成されている。矢印A方向は、
図2(a)の紙面において時計回りとなる回転方向である。また矢印B方向は、
図2(a)の紙面において反時計回りとなる回転方向である。
【0026】
操作部2は、矢印A方向及び矢印B方向に無制限に回転するように構成されているがこれに限定されず、予め定められた角度、回転するように構成されても良い。
【0027】
(節度感生成部3の構成)
節度感生成部3は、一例として、磁場生成部4との間に電磁気力に基づく引力が働くように鉄などの軟磁性部材や磁石を用いて形成されているが軟磁性部材で形成する方が好ましい。節度感生成部3は、
図2(b)に示すように、操作部2の下部22に設けられている。具体的には、第1の節度部31が操作部2の下部22の内面23に形成され、第2の節度部32が操作部2の下部22の側面20に形成されている。
【0028】
第1の節度部31は、一例として、
図3(a)に示すように、回転軸200に向かって突出する6個の第1の節度山310が設けられている。従って第1の節度山310は、回転軸200を基準として60°間隔で形成されている。この第1の節度部31は、操作部2の1回転当たり6段の節度を有している。第1の節度山310は、半球形状を有しているがこれに限定されない。なお第1の節度山310は、一例として、内面23に沿って等間隔で配置されているがこれに限定されない。
【0029】
第2の節度部32は、一例として、
図3(a)に示すように、側面20から外側に向かって突出する24個の第2の節度山320が設けられている。従って第2の節度山320は、回転軸200を基準として15°間隔で形成されている。この第2の節度部32は、操作部2の1回転当たり24段の節度を有している。第2の節度山320は、第1の節度山310より小さい半球形状を有しているがこれに限定されない。なお第2の節度山320は、一例として、側面20に沿って等間隔で配置されているがこれに限定されない。
【0030】
第1の節度山310と第2の節度山320は、操作部2を介して対向して配置されている。操作装置1は、第1の節度山310と第2の節度山320とが対向して配置されることで、後述する第4の節度パターン64において4段ごとに他よりも強い節度感をユーザに付与することができる。
【0031】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、
図3(a)に示すように、操作部2の内側に配置された第1の磁場部41と、操作部2の外側に配置された第2の磁場部42と、を備えている。この第1の磁場部41及び第2の磁場部42は、電磁石であって制御部6と電気的に接続されている。
【0032】
第1の磁場部41は、コイル410と、芯部411と、を備えている。コイル410は、芯部411の両端部である端部411a及び端部411bが露出するように芯部411が挿入されている。この端部411a及び端部411bの磁極は、異なる磁極である。なお一例として、端部411aがN極であり、端部411bがS極である。
【0033】
コイル410には、制御部6の制御により、電源部914から電流I1が供給される。第1の磁場部41は、コイル410に電流I1が供給されることにより、磁場400を生成する。芯部411は、軟磁性材料を用いて棒状に形成されている。
【0034】
第2の磁場部42は、コイル420と、芯部421と、を備えている。コイル420は、芯部421の両端部である端部421a及び端部421bが露出するように芯部421が挿入されている。この端部421a及び端部421bの磁極は、異なる磁極である。なお一例として、操作部2を介して端部411aと対向する端部421aがS極であり、端部421bがN極である。
【0035】
コイル420には、制御部6の制御により、電源部914から電流I2が供給される。第2の磁場部42は、コイル420に電流I2が供給されることにより、磁場401を生成する。芯部421は、軟磁性材料を用いて棒状に形成されている。
【0036】
コイル410とコイル420は、銅などの導電性を有する線材の周囲をエナメルなどの絶縁体で被覆した電線により形成されている。コイル410とコイル420は、巻数が異なっていても良い。本実施の形態では、一例として、コイル410の方がコイル420よりも巻数が多いものとするがこれに限定されない。
【0037】
芯部411と芯部421は、長さや太さが異なっていても良い。本実施の形態の芯部411は、太さは同じで芯部421よりも長く形成されているがこれに限定されない。このコイルの巻数や芯部の形状の違いは、後述するように、節度の強弱を生成するためである。
【0038】
(検出部5の構成)
検出部5は、一例として、操作部2の回転量を検出するロータリーエンコーダを含んで形成されている。検出部5は、検出した操作部2の回転量の情報を含む検出情報S1を制御部6に出力するように構成されている。
【0039】
(制御部6の構成)
制御部6は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部6が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。また制御部6は、その内部にクロック信号を生成する手段を有し、このクロック信号に基づいて動作を行う。
【0040】
制御部6は、節度パターンの情報である節度パターン情報60を有している。節度パターン情報60は、第1の節度パターン61~第4の節度パターン64に関する情報を有している。
【0041】
制御部6は、車載装置91から出力された切替信号S2と節度パターン情報60に基づいて切り替える節度パターンを判定し、磁場生成部4を制御するように構成されている。以下では、操作装置1が備える第1の節度パターン61~第4の節度パターン64について説明する。
【0042】
・第1の節度パターン61
第1の節度パターン61は、ユーザが節度を感じない節度パターンである。制御部6は、一例として、操作装置1の電源が投入された際の初期設定の節度として第1の節度パターン61を選択する。この第1の節度パターン61では、
図3(a)に示すように、第1の磁場部41及び第2の磁場部42に電流I
1及び電流I
2が供給されず、磁場400及び磁場401を生成しないので、節度感生成部3と磁場生成部4との間に電磁気力に基づく引力が作用せず、節度が生じない。ユーザは、節度を感じずに操作部2を回転させることができる。
【0043】
なお変形例として第1の節度パターン61では、ユーザが節度を感じない程度の弱い磁場400及び磁場401を生成する電流I1及び電流I2が供給されても良い。
【0044】
・第2の節度パターン62
第2の節度パターン62は、1周当たり6段となる節度を有する節度パターンである。この第2の節度パターン62では、
図3(b)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給されるが第2の磁場部42には電流I
2が供給されない。
【0045】
従って第1の磁場部41は、電流I1によって端部411aがN極、端部411bがS極となる磁場400を生成し、第1の節度部31の第1の節度山310に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。この磁場400の引力は、第1の節度山310と芯部411の端部411a及び端部411bとが対向する際、最も大きくなる。つまりユーザは、第1の節度山310と端部411a及び端部411bとが対向する際に節度を感じる。
【0046】
一方第2の磁場部42は、磁場401を生成しないので、第2の節度部32の第2の節度山320に対して電磁気力に対する引力が作用しない。つまりユーザは、第2の節度山320と芯部421の端部421aとが対向しても引力が生じないので、節度を感じない。
【0047】
以上より、ユーザは、第2の節度パターン62の場合、操作部2の操作によって第1の節度山310と第1の磁場部41の端部411a及び端部411bとが対向する際、つまり1周当たり6段の節度を感じる。
【0048】
・第3の節度パターン63
第3の節度パターン63は、1周当たり24段となる節度を有する節度パターンである。この第3の節度パターン63では、
図4(a)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給されず、第2の磁場部42に電流I
2が供給される。
【0049】
従って第2の磁場部42は、電流I2によって端部421aがS極、端部421bがN極となる磁場401を生成し、第2の節度部32の第2の節度山320に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。この磁場401の引力は、第2の節度山320と芯部421の端部421aとが対向する際、最も大きくなる。つまりユーザは、第2の節度山320と端部421aとが対向する際に節度を感じる。
【0050】
一方第1の磁場部41は、磁場400を生成しないので、第1の節度部31の第1の節度山310に対して電磁気力に対する引力が作用しない。つまりユーザは、第1の節度山310と芯部411の端部411a及び端部411bとが対向しても引力が生じないので、節度を感じない。
【0051】
以上より、ユーザは、第3の節度パターン63の場合、操作部2の操作によって第2の節度山320と第2の磁場部42の端部421aとが対向する際、つまり1周当たり24段の節度を感じる。
【0052】
・第4の節度パターン64
第4の節度パターン64は、1周当たり24段となる節度を有する節度パターンである。さらに第4の節度パターン64では、4段ごとに他の節度よりも強い節度感を付与するようになっている。4段ごとの強い節度感は、第1の節度山310と第2の節度山320とが操作部2を介して対向していることから得られる節度感である。
【0053】
従って第4の節度パターン64は、例えば、第1の節度山310と第2の節度山320とが操作部2を介して対向せず、第1の節度山310の間にずれて第2の節度山320が位置する場合、5段ごとに節度感が他とは異なる、30段の節度をユーザに付与することができる。
【0054】
この第4の節度パターン64では、
図4(b)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給される共に、第2の磁場部42に電流I
2が供給される。
【0055】
従って第1の磁場部41は、磁場400を生成し、第1の節度部31の第1の節度山310に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。この磁場400の引力は、芯部411の端部411a及び端部411bが第1の節度山310と対向する際、最も大きくなる。
【0056】
また第2の磁場部42は、磁場401を生成し、第2の節度部32の第2の節度山320に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。この磁場401の引力は、芯部421の端部421aが第2の節度山320と対向する際、最も大きくなる。
【0057】
つまりユーザは、第1の節度山310と端部411a及び端部411bとが対向する際に節度を感じる。そしてユーザは、第1の節度山310と端部411a及び端部411bとが対向すると共に第2の節度山320と端部421aとが対向する際に他の節度よりも強い節度を感じるようになる。
【0058】
なお操作部2を介して対向する端部411aと端部421aは、磁化された際、異なる磁極となる方が好ましい。端部411aと端部421aが同じ磁極となる場合、反発して良好な操作感が得難い。
【0059】
以上より、ユーザは、第4の節度パターン64の場合、操作部2の操作によって第1の節度山310と第1の磁場部41の端部411a及び端部411bとが対向する際に節度を感じ、さらに第2の節度山320と端部421aとが対向する4段ごとに他の節度よりも強い節度を感じる。
【0060】
なお操作装置1は、磁場生成部4に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0061】
操作装置1は、一例として、温度設定のように細かく設定可能な機能の場合、節度が多い節度パターンが割り当てられ、吹出口のように細かく設定する必要がない機能の場合、節度が少ない節度パターンが割り当てられる。
【0062】
以下に本実施の形態に係る操作装置1の動作の一例について
図5のフローチャートに従って説明する。
【0063】
(動作)
操作装置1の制御部6は、電源が投入されると、初期設定の節度パターンに節度を設定する(Step1)。
【0064】
制御部6は、接続先の車載装置91から切替信号S2が入力するか監視する。制御部6は、切替信号S2が入力すると(Step2:Yes)、切替信号S2及び節度パターン情報60に基づいて節度パターンを切り替える(Step3)。
【0065】
制御部6は、操作が検出されるかを監視する。制御部6は、検出情報S1に基づいて操作が検出された場合(Step4:Yes)、検出された操作に基づいた操作情報S3を生成して接続先の車載装置91に出力し、ステップ2に処理を進める。これらのステップは、操作装置1の電源が遮断されるまで継続して行われる。
【0066】
ここでステップ2において制御部6は、切替信号S2が入力しない場合(Step2:No)、ステップ4に処理を進める。
【0067】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る操作装置1は、容易に小型化することができる。操作装置1は、第1の磁場部41及び第2の磁場部42の磁化と消磁に基づく磁場400及び磁場401の強弱を制御することによって第1の節度パターン61~第4の節度パターン64を切り替えることができるので、複数のギアとモータによって複数の節度パターンを生成する場合と比べて、小型化が容易となる。
【0068】
操作装置1は、第1の節度山310と第2の節度山320とを対向するように配置しているので、この構成を採用しない場合と比べて、ユーザに24段の節度を付与すると共に強さの異なる節度を4段ごとに付与することができ、操作部2に割り当てる機能の自由度が向上する。
【0069】
モータを使用して節度のない節度パターンを生成する構成は、モータを停止させてもコギングトルクが発生するので、操作に伴って負荷が生じ、操作感が低下する。しかし操作装置1は、モータを使用しないので、コギングトルクに起因する負荷が生じず、特に節度を感じさせない第1の節度パターン61において良好な操作感をユーザに付与することができる。
【0070】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、複数の節度部が操作部の上下に設けられている点で第1の実施の形態と異なっている。
【0071】
図6(a)は、第2の実施の形態に係る操作装置の操作部の一例を示す図であり、
図6(b)は、操作装置の側面図の一例である。
図7(a)は、第2の実施の形態に係る操作装置の第1の節度パターン時における
図6(b)のD-D線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図7(b)は、第1の節度パターン時における
図6(b)のE-E線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図8(a)は、第2の実施の形態に係る操作装置の第2の節度パターン時における
図6(b)のD-D線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図8(b)は、第2の節度パターン時における
図6(b)のE-E線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図9(a)は、第2の実施の形態に係る操作装置の第3の節度パターン時における
図6(b)のD-D線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図9(b)は、第3の節度パターン時における
図6(b)のE-E線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図10(a)は、第2の実施の形態に係る操作装置の第4の節度パターン時における
図6(b)のD-D線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図10(b)は、第4の節度パターン時における
図6(b)のE-E線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
【0072】
なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0073】
操作装置1の操作部2は、
図6(a)に示すように、一例として、回転操作を受け付けるように構成されている。また節度感生成部3は、操作部2に配置され、異なる節度山を有する複数の節度部を上下方向に有している。さらに磁場生成部4は、複数の節度部と対向して配置される複数の磁場部を有し、複数の磁場部の磁場の強弱と複数の節度部との組み合わせによって複数の節度パターンを切り替える。
【0074】
(操作部2の構成)
操作部2は、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、円筒形状を有している。この操作部2は、内面23に節度感生成部3が形成されている。また操作部2は、内面23側に磁場生成部4が配置されている。
【0075】
(節度感生成部3の構成)
本実施の形態の節度感生成部3は、一例として、複数の節度部として操作部2の内面23に第1の節度部31及び第2の節度部32を有している。なお変形例として節度感生成部3は、3つ以上の節度部を備えていても良い。この場合、操作装置1は、節度部の数に応じて磁場部が配置される。また複数の節度部は、操作部2の側面20に設けられても良い。
【0076】
第1の節度部31は、一例として、
図6(b)及び
図7(a)に示すように、回転軸200に向かって突出する6個の第1の節度山310が設けられている。従って第1の節度山310は、回転軸200を基準として60°間隔で形成されている。この第1の節度部31は、操作部2の1回転当たり6段の節度を有している。第1の節度山310は、半球形状を有しているがこれに限定されない。なお第1の節度山310は、一例として、内面23に沿って等間隔で配置されているがこれに限定されない。
【0077】
第2の節度部32は、一例として、
図6(b)及び
図7(b)に示すように、回転軸200に向かって突出する24個の第2の節度山320が設けられている。従って第2の節度山320は、回転軸200を基準として15°間隔で形成されている。この第2の節度部32は、操作部2の1回転当たり24段の節度を有している。第2の節度山320は、第1の節度山310より小さい半球形状を有しているがこれに限定されない。なお第2の節度山320は、一例として、内面23に沿って等間隔で配置されているがこれに限定されない。
【0078】
第1の節度部31は、
図6(b)~
図7(b)に示すように、第2の節度部32の上に配置されている。
【0079】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、
図6(b)に示すように、操作部2の内面23側に配置された第1の磁場部41及び第2の磁場部42を備えている。
【0080】
第1の磁場部41は、端部411a及び端部411bが第1の節度部31と対向するように配置されている。また第2の磁場部42は、端部421a及び端部421bが第2の節度部32と対向するように配置されている。
【0081】
また操作装置1は、磁場を遮蔽する遮蔽部材を複数の磁場部の間ごとに有する。本実施の形態の操作装置1は、複数の磁場部として第1の磁場部41及び第2の磁場部42を有するので、第1の磁場部41と第2の磁場部42の間に遮蔽板7が配置されている。この遮蔽板7は、一例として、鉄などの軟磁性材料によって板形状に形成されている。なお遮蔽板7は、例えば、3つの磁場部が上下に配置されている場合、それぞれの間に配置される。
【0082】
以下では、本実施の形態の操作装置1が備える第1の節度パターン61~第4の節度パターン64について説明する。
【0083】
・第1の節度パターン61
第1の節度パターン61は、ユーザが節度を感じない節度パターンである。制御部6は、一例として、操作装置1の電源が投入された際の初期設定の節度として第1の節度パターン61を選択する。この第1の節度パターン61では、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、第1の磁場部41及び第2の磁場部42に電流I
1及び電流I
2が供給されず、磁場400及び磁場401を生成しないので節度が生じない。ユーザは、節度を感じずに操作部2を回転させることができる。
【0084】
・第2の節度パターン62
第2の節度パターン62は、1周当たり6段となる節度を有する節度パターンである。この第2の節度パターン62では、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給されるが第2の磁場部42には電流I
2が供給されない。
【0085】
従って第1の磁場部41は、端部411aがN極、端部411bがS極となる磁場400を生成し、第1の節度部31の第1の節度山310に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。そのため、ユーザは、第1の節度山310と端部411a及び端部411bとが対向する際に節度を感じる。
【0086】
一方第2の磁場部42は、磁場401を生成しない。そのため、ユーザは、節度を感じない。
【0087】
以上より、ユーザは、第2の節度パターン62の場合、操作部2の操作によって第1の節度山310と第1の磁場部41の端部411a及び端部411bとが対向する際、つまり1周当たり6段の節度を感じる。
【0088】
・第3の節度パターン63
第3の節度パターン63は、1周当たり24段となる節度を有する節度パターンである。この第3の節度パターン63では、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給されず、第2の磁場部42に電流I
2が供給される。
【0089】
従って第2の磁場部42は、端部421aがN極、端部421bがS極となる磁場401を生成し、第2の節度部32の第2の節度山320に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。そのため、ユーザは、第2の節度山320と端部421a及び端部421bとが対向する際に節度を感じる。
【0090】
一方第1の磁場部41は、磁場400を生成しない。そのため、ユーザは、節度を感じない。
【0091】
以上より、ユーザは、第3の節度パターン63の場合、操作部2の操作によって第2の節度山320と第2の磁場部42の端部421a及び端部421bとが対向する際、つまり1周当たり24段の節度を感じる。
【0092】
・第4の節度パターン64
第4の節度パターン64は、1周当たり24段となる節度を有する節度パターンである。さらに第4の節度パターン64では、4段ごとに他の節度よりも強い節度感を付与するようになっている。
【0093】
この第4の節度パターン64では、
図10(a)及び
図10(b)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給される共に、第2の磁場部42に電流I
2が供給される。
【0094】
従って第1の磁場部41は、磁場400を生成し、第1の節度部31の第1の節度山310に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。
【0095】
また第2の磁場部42は、磁場401を生成し、第2の節度部32の第2の節度山320に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。
【0096】
つまりユーザは、第1の節度山310と端部411a及び端部411bとが対向する際に節度を感じる。そしてユーザは、第1の節度山310と端部411a及び端部411bとが対向すると共に第2の節度山320と端部421aとが対向する際に他の節度よりも強い節度を感じるようになる。
【0097】
以上より、ユーザは、第4の節度パターン64の場合、操作部2の操作によって第1の節度山310と第1の磁場部41の端部411a及び端部411bとが対向する際に節度を感じ、さらに第2の節度山320と端部421aとが対向する4段ごとに他の節度よりも強い節度を感じる。
【0098】
なお操作装置1は、磁場生成部4に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0099】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、小型化することができる。具体的には、操作装置1は、節度感生成部3及び磁場生成部4が操作部2の内面23側に配置されるので、この構成を採用しない場合と比べて、小型化することができる。
【0100】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、3個以上の磁場生成部を備えている点で他の実施の形態と異なっている。
【0101】
図11(a)は、第3の実施の形態に係る操作装置の一例を示す図であり、
図11(b)は、操作装置の磁場生成部及び節度部の配置の一例について説明するための図である。
図12(a)は、第3の実施の形態に係る操作装置の操作部を回転可能に支持する支持部の一例について説明するための図であり、
図12(b)は、操作装置のブロック図の一例である。
図13(a)及び
図13(b)は、第3の実施の形態に係る操作装置が備える複数の節度パターンの一例について説明するための図である。
【0102】
操作装置1の操作部2は、一例として、回転操作を受け付けるように構成されている。また節度感生成部3は、操作部2に配置され、異なる節度山を有する複数の節度部を有している。さらに磁場生成部4は、複数の節度部と対向して配置される複数の磁場部を有し、複数の磁場部の磁場の強弱と複数の節度部との組み合わせによって複数の節度パターンを切り替える。
【0103】
操作装置1は、
図11(a)に示すように、筐体10が上部筐体10aと下部筐体10bとに分かれている。この下部筐体10bは、
図11(b)に示すように、操作部2が回転可能に取り付けられている。操作部2は、筐体10の開口12から上部が露出している。
【0104】
(操作部2の構成)
操作部2は、円筒形状を有し、その上にはカバー25が取り付けられている。このカバー25は、操作部2の円筒部26の上に取り付けられている。カバー25及び円筒部26は、一例として、樹脂材料を用いて形成されている。
【0105】
円筒部26は、
図11(b)に示すように、下部にフランジ部261を有している。このフランジ部261には、複数の開口262と複数の開口263とが交互に周方向に沿って設けられている。開口262は、開口263より回転軸200に近く、また開口263より径方向に長く形成されている。
【0106】
操作部2は、
図12(a)に示すように、下部筐体10bの支持部102から立ち上がるように設けられた複数の支持体103によって回転可能に支持されている。支持部102には、一例として、8個の支持体103が等間隔に設けられている。
【0107】
支持体103には、ローラ104が設けられている。このローラ104は、操作部2の円筒部26の内側に接触して操作部2の回転時の摩擦を低減している。
【0108】
(節度感生成部3の構成)
節度感生成部3は、
図13(a)及び
図13(b)に示すように、複数の節度部材311を有する第1の節度部31と、複数の節度部材321を有する第2の節度部32と、を備えている。節度部材311及び節度部材321は、鉄などの軟磁性材料を用いて形成されている。
【0109】
第1の節度部31は、一例として、節度部材311を24個有している。また第2の節度部32は、一例として、節度部材321を24個有している。節度部材311及び節度部材321は、交互に等間隔に並ぶように配置されている。
【0110】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、
図12(b)~
図13(b)に示すように、第1の節度部31と対向して配置される第1の磁場部41、及び第2の節度部32と対向して配置される第2の磁場部42を備えている。
【0111】
第1の磁場部41は、第1の内側磁場部41a~第4の内側磁場部44aを有している。第2の磁場部42は、第1の外側磁場部45a~第4の外側磁場部48aを有している。
【0112】
第1の内側磁場部41a~第4の内側磁場部44aは、支持部102の表面105に設けられた配置開口106に配置されている。この配置開口106は、
図13(a)及び
図13(b)の紙面において、時計回りに90°間隔で設けられている。配置開口106は、第1の外側磁場部45a~第4の外側磁場部48aが配置される配置開口106と対向するように設けられている。
【0113】
第1の内側磁場部41aは、コイル412と、芯部413と、を備えている。この芯部413は、端部413aが第1の節度部31の節度部材311と対向する。第2の内側磁場部42aは、コイル422と、芯部423と、を備えている。この芯部423は、端部423aが節度部材311と対向する。第3の内側磁場部43aは、コイル432と、芯部433と、を備えている。この芯部433は、端部433aが節度部材311と対向する。第4の内側磁場部44aは、コイル442と、芯部443と、を備えている。この芯部443は、端部443aが節度部材311と対向する。
【0114】
第1の外側磁場部45a~第4の外側磁場部48aは、下部筐体10bの表面100に設けられた配置開口101に配置されている。この配置開口101は、
図13(a)及び
図13(b)の紙面において、時計回りに90°間隔で設けられている。
【0115】
第1の外側磁場部45aは、コイル452と、芯部453と、を備えている。この芯部453は、端部453aが第2の節度部32の節度部材321と対向する。第2の外側磁場部46aは、コイル462と、芯部463と、を備えている。この芯部463は、端部463aが節度部材321と対向する。第3の外側磁場部47aは、コイル472と、芯部473と、を備えている。この芯部473は、端部473aが節度部材321と対向する。第4の外側磁場部48aは、コイル482と、芯部483と、を備えている。この芯部483は、端部483aが節度部材321と対向する。
【0116】
第1の内側磁場部41a~第4の内側磁場部44a、及び第1の外側磁場部45a~第4の外側磁場部48aは、
図12(b)に示すように、制御部6と電気的に接続されている。第1の内側磁場部41a~第4の内側磁場部44a、及び第1の外側磁場部45a~第4の外側磁場部48aは、電流I
1~電流I
8の供給に基づいて磁場400及び磁場401を生成する。
【0117】
・節度パターンについて
操作装置1は、主に、以下に示す複数の節度パターンを備えている。
【0118】
・第1の節度パターン
まず操作装置1は、ユーザが節度を感じない第1の節度パターンを有する。具体的には、制御部6は、一例として、操作装置1の電源が投入された際の初期設定の節度としてこの節度のない第1の節度パターンを選択する。この第1の節度パターンでは、第1の磁場部41及び第2の磁場部42に電流I1~電流I8が供給されず、磁場400及び磁場401を生成しないので節度が生じない。ユーザは、節度を感じずに操作部2を回転させることができる。
【0119】
・第2の節度パターン
操作装置1は、第1の磁場部41に電流I1~電流I4が供給されるが第2の磁場部42には電流I5~電流I8が供給されないことで生じる第2の節度パターンを有する。この場合、ユーザは、1周当たり12段の節度を感じる。
【0120】
この第2の節度パターンでは、第1の磁場部41が磁場400を生成させる。そのため、ユーザは、端部413a~端部443aが第1の節度部31の節度部材311と対向する際に節度を感じる。
【0121】
一方第2の磁場部42は、磁場401を生成しない。そのため、ユーザは、節度を感じない。
【0122】
以上より、ユーザは、この第2の節度パターンの場合、操作部2の操作によって第1の節度部31の節度部材311と第1の磁場部41の端部413a~端部443aとが対向する際、つまり1周当たり12段の節度を感じる。
【0123】
・第3の節度パターン
操作装置1は、第1の磁場部41に電流I1~電流I4が供給されず、第2の磁場部42には電流I5~電流I8が供給されることで生じる第3の節度パターンを有する。この場合、ユーザは、上記の第2の節度パターンより弱い、1周当たり12段の節度を感じる。
【0124】
この第3の節度パターンでは、第2の磁場部42が磁場401を生成させる。そのため、ユーザは、端部453a~端部483aが第2の節度部32の節度部材321と対向する際に節度を感じる。なお節度部材321は、第1の節度部31の節度部材311と比べて体積が小さいので、引力が弱くなり、第2の節度パターンと比べて節度が弱くなる。
【0125】
一方第1の磁場部41は、磁場400を生成しない。そのため、ユーザは、節度を感じない。
【0126】
以上より、ユーザは、この第3の節度パターンの場合、操作部2の操作によって第2の節度部32の節度部材321と第2の磁場部42の端部453a~端部483aとが対向する際、つまり1周当たり12段の節度を感じる。
【0127】
・第4の節度パターン
第4の節度パターンは、1周当たり24段となる節度を有する節度パターンである。さらに第4の節度パターンでは、交互に強弱のついた節度感を付与されるようになっている。
【0128】
この第4の節度パターンでは、第1の磁場部41に電流I1~電流I4が供給される共に、第2の磁場部42に電流I5~電流I8が供給される。
【0129】
従って第1の磁場部41は、磁場400を生成し、第1の節度部31の第1の節度山310に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。
【0130】
また第2の磁場部42は、磁場401を生成し、第2の節度部32の第2の節度山320に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。
【0131】
つまりユーザは、端部413a~端部443aが節度部材311と対向する際に節度を感じ、端部453a~端部483aが節度部材321と対向する際に節度を感じる。
【0132】
以上より、ユーザは、第4の節度パターン64の場合、操作部2の操作によって第1の節度部31の節度部材311と第1の磁場部41の端部413a~端部443aとが対向し、第2の節度部32の節度部材321と第2の磁場部42の端部453a~端部483aとが対向する際に節度を感じ、さらに交互に強弱のついた節度を感じる。
【0133】
・他の節度パターン
第1の節度パターン~第4の節度パターンは、電流を供給しない、また第1の磁場部41及び第2の磁場部42の少なくとも一方に電流を供給することで生成される節度パターンであったがこれに限定されず、第1の内側磁場部41a~第4の内側磁場部44a、及び第1の外側磁場部45a~第4の外側磁場部48aの少なくとも1つを制御することで節度パターンを生成しても良い。言い換えるなら操作装置1は、第1の内側磁場部41a~第4の内側磁場部44a、及び第1の外側磁場部45a~第4の外側磁場部48aを組み合わせて節度パターンを生成しても良い。
【0134】
さらに操作装置1は、磁場生成部4に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0135】
(第3の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、90°間隔で第1の内側磁場部41a~第4の内側磁場部44a、及び第1の外側磁場部45a~第4の外側磁場部48aが配置されるので、この構成を採用しない場合と比べて、節度が生成される場所の偏りがなく、ユーザに良い節度感を付与することができる。
【0136】
操作装置1は、磁場生成部4が複数の磁場部を有しているので、この構成を採用しない場合と比べて、節度パターンの自由度が向上する。
【0137】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、節度部が磁化されている点で他の実施の形態と異なっている。
【0138】
図14(a)は、第4の実施の形態に係る操作装置の操作部の一例を示す図であり、
図14(b)は、操作装置の側面図の一例である。
図15(a)は、第4の実施の形態に係る操作装置の第1の節度パターン時における
図14(b)のF-F線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図15(b)は、第2の節度パターン時における
図14(b)のF-F線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図16(a)は、第4の実施の形態に係る操作装置の第3の節度パターン時における
図14(b)のF-F線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図16(b)は、第4の節度パターン時における
図14(b)のF-F線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
【0139】
操作装置1の操作部2は、
図14(a)に示すように、一例として、回転操作を受け付けるように構成されている。また節度感生成部3は、
図14(b)~
図16(b)に示すように、操作部2に配置され、第1の磁極を有すると共に操作部2の回転軸200に向かって突出する複数の第1の節度山310を有する第1の節度部31、及び第2の磁極を有すると共に第1の節度山310とは逆方向に突出する複数の第2の節度山320を有する第2の節度部32を有する。さらに磁場生成部4は、第1の節度部31側に配置され、一方の端部411aが第1の節度山310と対向すると共に第2の磁極を有し、他方の端部411bが第1の磁極を有すると共に一方の端部411aが第1の節度山310と対向する際に第1の節度山310の間に向かって複数に分岐する形状を有する少なくとも1つの第1の磁場部41、及び第1の磁極を有して第2の節度部32側に配置される少なくとも1つの第2の磁場部42を有し、第1の磁場部41及び第2の磁場部42の磁場の強弱と第1の節度部31及び第2の節度部32との組み合わせによって複数の節度パターンを切り替える。
【0140】
本実施の形態は、第1の磁極がN極であり、第2の磁極がS極であるがこれに限定されず、第1の磁極がS極であり、第2の磁極がN極であっても良い。
【0141】
(節度感生成部3の構成)
節度感生成部3は、磁石を用いて形成されている。節度感生成部3は、
図14(b)に示すように、操作部2の下部22に設けられている。具体的には、第1の節度部31が操作部2の下部22の内面23に形成され、第2の節度部32が操作部2の下部22の側面20に形成されている。
【0142】
第1の節度部31は、N極に着磁されている。この第1の節度部31は、一例として、
図15(a)に示すように、回転軸200に向かって突出する6個の第1の節度山310が設けられている。従って第1の節度山310は、回転軸200を基準として60°間隔で形成されている。この第1の節度部31は、操作部2の1回転当たり6段の節度を有している。
【0143】
第2の節度部32は、S極に着磁されている。この第2の節度部32は、一例として、
図15(a)に示すように、側面20から外側に向かって突出する24個の第2の節度山320が設けられている。従って第2の節度山320は、回転軸200を基準として15°間隔で形成されている。この第2の節度部32は、操作部2の1回転当たり24段の節度を有している。
【0144】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、
図15(a)に示すように、操作部2の内側に配置された第1の磁場部41と、操作部2の外側に配置された第2の磁場部42と、を備えている。この第1の磁場部41及び第2の磁場部42は、電磁石であって制御部6と電気的に接続されている。
【0145】
第1の磁場部41は、コイル410と、芯部411と、を備えている。コイル410は、芯部411の両端部である端部411a及び端部411bが露出するように芯部411に挿入されている。端部411aは、コイル410に電流I1が供給されることで、第1の節度部31の磁極と反対の磁極であるS極となる。この際、端部411bは、第1の節度部31と同じ磁極であるN極となる。
【0146】
コイル410には、制御部6の制御により、電源部914から電流I1が供給される。第1の磁場部41は、コイル410に電流I1が供給されることにより、磁場400を生成する。
【0147】
第1の磁場部41の芯部411は、
図15(a)に示すように、端部411bが分岐端部411c及び分岐端部411dに分岐している。端部411aが第1の節度山310と対向する際、分岐端部411c及び分岐端部411dは、第1の節度山310と対向しないようにされている。
【0148】
端部411aは、第1の節度部31と異なる磁極とされるので、第1の節度山310と対向すると電磁気力に基づく引力が作用する。端部411bは、端部411aと異なる磁極となるので、分岐しない場合、第1の節度部31と同じ磁極となり反発力が作用し、操作部2が端部411aが第1の節度山310と対向した状態で安定しない。そこで端部411bが分岐端部411c及び分岐端部411dに分岐することで、反発力を弱めることが可能となり、端部411aが第1の節度山310と対向した状態で操作部2を保持することができる。
【0149】
第2の磁場部42は、コイル420と、芯部421と、を備えている。コイル420は、芯部421の両端部である端部421a及び端部421bが露出するように芯部421に挿入されている。端部411aは、コイル420に電流I2が供給されることで、第2の節度部32の磁極と反対の磁極であるN極となる。
【0150】
コイル420には、制御部6の制御により、電源部914から電流I2が供給される。第2の磁場部42は、コイル420に電流I2が供給されることにより、磁場401を生成する。
【0151】
以下では、操作装置1が備える第1の節度パターン61~第4の節度パターン64について説明する。
【0152】
・第1の節度パターン61
第1の節度パターン61は、ユーザが節度を感じない節度パターンである。制御部6は、一例として、操作装置1の電源が投入された際の初期設定の節度として第1の節度パターン61を選択する。この第1の節度パターン61では、
図15(a)に示すように、第1の磁場部41及び第2の磁場部42に電流I
1及び電流I
2が供給されず、芯部411及び芯部421が磁化されないので節度が生じない。ユーザは、節度を感じずに操作部2を回転させることができる。
【0153】
・第2の節度パターン62
第2の節度パターン62は、1周当たり6段となる節度を有する節度パターンである。この第2の節度パターン62では、
図15(b)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給されるが第2の磁場部42には電流I
2が供給されない。
【0154】
従って第1の磁場部41は、端部411aが第1の節度部31と異なる磁極となるので、第1の節度山310に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。そのため、ユーザは、第1の節度山310と端部411aが対向する際に節度を感じる。
【0155】
一方第2の磁場部42は、芯部421が磁化されない。そのため、ユーザは、節度を感じない。
【0156】
以上より、ユーザは、第2の節度パターン62の場合、操作部2の操作によって第1の節度山310と第1の磁場部41の端部411aとが対向する際、つまり1周当たり6段の節度を感じる。
【0157】
・第3の節度パターン63
第3の節度パターン63は、1周当たり24段となる節度を有する節度パターンである。この第3の節度パターン63では、
図16(a)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給されず、第2の磁場部42に電流I
2が供給される。
【0158】
従って第2の磁場部42は、端部421aが第2の節度部32と異なる磁極となるので、第2の節度山320に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。そのため、ユーザは、第2の節度山320と端部421aとが対向する際に節度を感じる。
【0159】
一方第1の磁場部41は、芯部411が磁化されない。そのため、ユーザは、節度を感じない。
【0160】
以上より、ユーザは、第3の節度パターン63の場合、操作部2の操作によって第2の節度山320と第2の磁場部42の端部421aとが対向する際、つまり1周当たり24段の節度を感じる。
【0161】
・第4の節度パターン64
第4の節度パターン64は、1周当たり24段となる節度を有する節度パターンである。さらに第4の節度パターン64では、4段ごとに他の節度よりも強い節度感を付与するようになっている。
【0162】
この第4の節度パターン64では、
図16(b)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給される共に、第2の磁場部42に電流I
2が供給される。
【0163】
従って第1の磁場部41は、端部411aが第1の節度部31と異なる磁極となるので、第1の節度山310に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。
【0164】
また第2の磁場部42は、端部421aが第2の節度部32と異なる磁極となるので、第2の節度山320に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。
【0165】
つまりユーザは、第1の節度山310と端部411aとが対向する際に節度を感じる。そしてユーザは、第1の節度山310と端部411aとが対向すると共に、第2の節度山320と端部421aとが対向する際に他の節度よりも強い節度を感じるようになる。
【0166】
以上より、ユーザは、第4の節度パターン64の場合、操作部2の操作によって第1の節度山310と第1の磁場部41の端部411aとが対向する際に節度を感じ、さらに第2の節度山320と端部421aとが対向する4段ごとに他の節度よりも強い節度を感じる。
【0167】
なお操作装置1は、磁場生成部4に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0168】
(第4の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、節度感生成部3が予め磁化されているので、この構成を採用しない場合と比べて、強い節度感をユーザに付与することができる。
【0169】
操作装置1は、磁場生成部4の芯部411の一方の端部411bが節度を生成する際に第1の節度山310と対向しないように分岐端部411c及び分岐端部411dに分岐しているので、この構成を採用しない場合と比べて、同極が対向することによる反発力を抑制して操作性を向上させることができる。
【0170】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態は、節度感生成部3が予め磁化される共に上下に配置される点で他の実施の形態と異なっている。
【0171】
図17(a)は、第5の実施の形態に係る操作装置の操作部の一例を示す図であり、
図17(b)は、操作装置の側面図の一例である。
図18(a)は、第5の実施の形態に係る操作装置の第1の節度パターン時における
図17(b)のG-G線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図18(b)は、第1の節度パターン時における
図17(b)のH-H線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図19(a)は、第5の実施の形態に係る操作装置の第2の節度パターン時における
図17(b)のG-G線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図19(b)は、第2の節度パターン時における
図17(b)のH-H線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図20(a)は、第5の実施の形態に係る操作装置の第3の節度パターン時における
図17(b)のG-G線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図20(b)は、第3の節度パターン時における
図17(b)のH-H線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図21(a)は、第5の実施の形態に係る操作装置の第4の節度パターン時における
図17(b)のG-G線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図21(b)は、第4の節度パターン時における
図17(b)のH-H線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
【0172】
操作装置1の操作部2は、一例として、回転操作を受け付けるように構成されている。また節度感生成部3は、操作部2に配置され、第1の磁極を有すると共に異なる節度山を有する複数の節度部を上下方向に有している。さらに磁場生成部4は、複数の節度部側に配置され、一方の端部が節度山に対向すると共に第2の磁極を有し、他方の端部が第1の磁極を有すると共に一方の端部が節度山に対向する際に節度山の間に向かって複数に分岐する形状を有する複数の磁場生成部を有し、複数の磁場生成部の磁場の強弱と複数の節度部との組み合わせによって複数の節度パターンを切り替える。
【0173】
(操作部2の構成)
操作部2は、
図17(a)及び
図17(b)に示すように、円筒形状を有している。この操作部2は、内面23に節度感生成部3が形成されている。また操作部2は、内面23側に磁場生成部4が配置されている。
【0174】
(節度感生成部3の構成)
本実施の形態の節度感生成部3は、一例として、複数の節度部として操作部2の内面23に第1の節度部31及び第2の節度部32を有している。なお変形例として節度感生成部3は、3つ以上の節度部を備えていても良い。この場合、操作装置1は、節度部の数に応じて磁場部が配置される。また複数の節度部は、操作部2の側面20に設けられても良い。
【0175】
第1の節度部31は、第1の磁極としてN極に着磁されている。この第1の節度部31は、一例として、
図18(a)に示すように、回転軸200に向かって突出する6個の第1の節度山310が設けられている。従って第1の節度山310は、回転軸200を基準として60°間隔で形成されている。この第1の節度部31は、操作部2の1回転当たり6段の節度を有している。
【0176】
第2の節度部32は、第2の磁極としてS極に着磁されている。この第2の節度部32は、一例として、
図18(a)に示すように、側面20から外側に向かって突出する24個の第2の節度山320が設けられている。従って第2の節度山320は、回転軸200を基準として15°間隔で形成されている。この第2の節度部32は、操作部2の1回転当たり24段の節度を有している。
【0177】
第1の節度部31は、
図17(b)に示すように、第2の節度部32の上に配置されている。
【0178】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、
図17(b)に示すように、操作部2の内面23側に配置された第1の磁場部41及び第2の磁場部42を備えている。
【0179】
第1の磁場部41の芯部411は、
図18(a)に示すように、端部411bが分岐端部411c及び分岐端部411dに分岐している。端部411aが第1の節度山310と対向する際、分岐端部411c及び分岐端部411dは、第1の節度山310と対向しないようにされている。
【0180】
第2の磁場部42の芯部421は、
図18(b)に示すように、端部421bが分岐端部421c及び分岐端部421dに分岐している。端部421aが第2の節度山320と対向する際、分岐端部421c及び分岐端部421dは、第2の節度山320と対向しないようにされている。
【0181】
また操作装置1は、磁場を遮蔽する遮蔽部材を複数の磁場部の間ごとに有する。本実施の形態の操作装置1は、複数の磁場部として第1の磁場部41及び第2の磁場部42を有するので、第1の磁場部41と第2の磁場部42の間に遮蔽板7が配置されている。
【0182】
以下では、本実施の形態の操作装置1が備える第1の節度パターン61~第4の節度パターン64について説明する。
【0183】
・第1の節度パターン61
第1の節度パターン61は、ユーザが節度を感じない節度パターンである。制御部6は、一例として、操作装置1の電源が投入された際の初期設定の節度として第1の節度パターン61を選択する。この第1の節度パターン61では、
図18(a)及び
図18(b)に示すように、第1の磁場部41及び第2の磁場部42に電流I
1及び電流I
2が供給されず、芯部411及び芯部421が磁化されないので節度が生じない。ユーザは、節度を感じずに操作部2を回転させることができる。
【0184】
・第2の節度パターン62
第2の節度パターン62は、1周当たり6段となる節度を有する節度パターンである。この第2の節度パターン62では、
図19(a)及び
図19(b)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給されるが第2の磁場部42には電流I
2が供給されない。
【0185】
従って第1の磁場部41は、端部411aが第1の節度部31と異なる磁極となるので、第1の節度部31の第1の節度山310に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。そのため、ユーザは、第1の節度山310と端部411aが対向する際に節度を感じる。
【0186】
一方第2の磁場部42は、芯部421が磁化されない。そのため、ユーザは、節度を感じない。
【0187】
以上より、ユーザは、第2の節度パターン62の場合、操作部2の操作によって第1の節度山310と第1の磁場部41の端部411aとが対向する際、つまり1周当たり6段の節度を感じる。
【0188】
・第3の節度パターン63
第3の節度パターン63は、1周当たり24段となる節度を有する節度パターンである。この第3の節度パターン63では、
図20(a)及び
図20(b)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給されず、第2の磁場部42に電流I
2が供給される。
【0189】
従って第2の磁場部42は、端部421aが第2の節度部32と異なる磁極となるので、第2の節度山320に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。そのため、ユーザは、第2の節度山320と端部421aとが対向する際に節度を感じる。
【0190】
一方第1の磁場部41は、芯部411が磁化されない。そのため、ユーザは、節度を感じない。
【0191】
以上より、ユーザは、第3の節度パターン63の場合、操作部2の操作によって第2の節度山320と第2の磁場部42の端部421aとが対向する際、つまり1周当たり24段の節度を感じる。
【0192】
・第4の節度パターン64
第4の節度パターン64は、1周当たり24段となる節度を有する節度パターンである。さらに第4の節度パターン64では、4段ごとに他の節度よりも強い節度感を付与されるようになっている。
【0193】
この第4の節度パターン64では、
図21(a)及び
図21(b)に示すように、第1の磁場部41に電流I
1が供給される共に、第2の磁場部42に電流I
2が供給される。
【0194】
従って第1の磁場部41は、端部411aが第1の節度部31と異なる磁極となるので、第1の節度山310に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。
【0195】
また第2の磁場部42は、端部421aが第2の節度部32と異なる磁極となるので、第2の節度山320に対して電磁気力に基づく引力を作用させる。
【0196】
つまりユーザは、第1の節度山310と端部411aとが対向する際に節度を感じる。そしてユーザは、第1の節度山310と端部411aとが対向すると共に第2の節度山320と端部421aとが対向する際に他の節度よりも強い節度を感じるようになる。
【0197】
以上より、ユーザは、第4の節度パターン64の場合、操作部2の操作によって第1の節度山310と端部411aとが対向する際に節度を感じ、さらに第2の節度山320と端部421aが対向する4段ごとに他の節度よりも強い節度を感じる。
【0198】
なお操作装置1は、磁場生成部4に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0199】
(第5の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、節度感生成部3が予め磁化され、また節度感生成部3及び磁場生成部4が操作部2の内面23側に配置されるので、この構成を採用しない場合と比べて、強い節度感の生成と小型化を両立することができる。
【0200】
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態は、操作部がスライド操作可能な点で他の実施の形態と異なっている。
【0201】
図22(a)は、第6の実施の形態に係る操作装置の一例を示す図であり、
図22(b)は、操作装置の
図22(a)のM-M線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図22(c)は、変形例1に係る操作装置の
図22(a)のM-M線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図22(d)は、変形例2に係る操作装置の
図22(a)のM-M線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図23(a)は、変形例3に係る操作装置の
図22(a)のM-M線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図23(b)は、変形例4に係る操作装置の
図22(a)のM-M線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
【0202】
操作装置1の操作部2は、取付先の筐体10に対して第1の方向及び第1の方向と反対の第2の方向にスライド操作を受け付けるように構成されている。また磁場生成部4は、操作部2又は筐体10に配置されている。さらに節度感生成部3は、操作部2又は筐体10に配置されている。そして操作装置1は、磁場生成部4と節度感生成部3が共に操作部2及び筐体10の一方に配置される場合、磁場生成部4と節度感生成部3が一体とされ、他方に対向するように磁性部材8が配置される。
【0203】
本実施の形態の操作装置1は、
図22(a)及び
図22(b)に示すように、磁場生成部4が筐体10に配置され、節度感生成部3が操作部2に配置されている。
【0204】
(操作部2の構成)
操作部2は、
図22(a)に示すように、基準位置Jから第1の方向として矢印K方向、及び第2の方向として矢印L方向にスライド操作可能に筐体10に取り付けられている。この筐体10には、スライド開口107が設けられている。操作部2は、このスライド開口107に沿って移動する。
【0205】
操作部2は、例えば、下面27から筐体10の内部に伸びる突出部270を有している。この突出部270には、節度感生成部3が設けられている。
【0206】
(節度感生成部3の構成)
節度感生成部3は、
図22(b)に示すように、磁場生成部4と複数の節度山33が対向するように設けられている。この節度感生成部3は、一例として、3つの節度山33が設けられているがこれに限定されない。
【0207】
節度感生成部3は、一例として、鉄などの軟磁性部材や磁石を用いて形成されているが軟磁性部材で形成する方が好ましい。なお突出部270は、先端に節度山33が形成されて節度感生成部3となるように軟磁性材料を用いて形成されても良い。
【0208】
節度感生成部3は、基準位置J、第1の方向K及び第2の方向Lに対応した操作部2の操作位置において節度感をユーザに付与するため、3つの節度山33を有している。
【0209】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、
図22(b)に示すように、コイル402と、芯部403と、を備えている。このコイル402は、芯部403が挿入されている。芯部403は、筐体10の底部11に配置され、端部404が節度感生成部3と対向している。
【0210】
この操作装置1は、磁場生成部4に電流を供給しない場合、芯部403が磁化されないので、節度感を生成しない。また操作装置1は、磁場生成部4に電流を供給した場合、節度山33と端部404とが対向する際に節度感を生成する。従って操作装置1は、2つの節度パターンを有している。
【0211】
なお操作装置1は、磁場生成部4に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0212】
以下では、本実施の形態の操作装置1の変形例1~変形例4について説明する。
【0213】
・変形例1
変形例1の操作装置1は、
図22(c)に示すように、磁場生成部4と節度感生成部3が共に筐体10に配置されるので、磁場生成部4と節度感生成部3が一体とされ、対向するように磁性部材8が操作部2に配置されている。
【0214】
(操作部2の構成)
操作部2は、突出部270に磁性部材8が設けられている。この磁性部材8は、一例として、鉄などの軟磁性部材や磁石を用いて形成されているが軟磁性部材で形成する方が好ましい。磁性部材8は、棒形状を有している。
【0215】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、コイル402と、芯部403と、を備えている。この芯部403の端部404は、節度山33となり、磁性部材8の端部80と対向している。つまり芯部403は、節度感生成部3となっている。
【0216】
この操作装置1は、本実施の形態の操作装置1と同様に2つの節度パターンを有している。なお操作装置1は、磁場生成部4に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0217】
・変形例2
変形例2の操作装置1は、
図22(d)に示すように、磁場生成部4と節度感生成部3が共に筐体10に配置されるので、磁場生成部4と節度感生成部3が一体とされ、対向するように磁性部材8が操作部2に配置されている。
【0218】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、
図22(d)に示すように、第1の磁場部40a~第3の磁場部40cを有している。第1の磁場部40aは、
図22(d)の紙面において第2の磁場部40bと第3の磁場部40cの中央に配置されている。
【0219】
第1の磁場部40aは、コイル402aと、芯部403aと、を備えている。第2の磁場部40bは、コイル402bと、芯部403bと、を備えている。第3の磁場部40cは、コイル402cと、芯部403cと、を備えている。
【0220】
芯部403aの端部404a、芯部403bの端部404b、及び芯部403cの端部404cは、節度感生成部3の節度山33となっている。
【0221】
操作装置1は、磁場生成部4に電流を供給しない場合、芯部403a~芯部403cが磁化されないので節度を生成しない。また操作装置1は、磁場生成部4に電流を供給した場合、芯部403a~芯部403cが磁化されるので節度を生成する。つまり操作装置1は、2つの節度パターンを有している。
【0222】
なお操作装置1は、磁場生成部4に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0223】
・変形例3
変形例3の操作装置1は、
図23(a)に示すように、磁場生成部4と節度感生成部3が共に操作部2に配置されるので、磁場生成部4と節度感生成部3が一体とされ、対向するように磁性部材8が筐体10に配置されている。
【0224】
(節度感生成部3の構成)
節度感生成部3は、操作部2の突出部270に取り付けられている。この節度感生成部3は、一例として、鉄などの軟磁性材料を用いて形成されている。節度感生成部3は、先端が3つの節度山33となっている。
【0225】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、節度感生成部3がコイル402に挿入されている。つまり磁場生成部4は、コイル402によって節度感生成部3を磁化するように構成されている。
【0226】
この操作装置1は、節度の有無によって2つの節度パターンを有している。なお操作装置1は、磁場生成部4に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0227】
・変形例4
変形例4の操作装置1は、
図23(b)に示すように、磁場生成部4が操作部2に配置され、節度感生成部3が筐体10に配置されている。
【0228】
(節度感生成部3の構成)
節度感生成部3は、筐体10の底部11に配置されている。この節度感生成部3は、鉄などの軟磁性部材や磁石を用いて形成されているが軟磁性部材で形成する方が好ましい。この節度感生成部3は、磁場生成部4と対向する端部が3つの節度山33となっている。
【0229】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、コイル402と、芯部403と、を備えている。芯部403は、端部404が節度感生成部3と対向している。
【0230】
この操作装置1は、節度の有無によって2つの節度パターンを有している。なお操作装置1は、磁場生成部4に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0231】
(第6の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、スライド操作において複数の節度パターンをユーザに付与することができる。
【0232】
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態は、操作部がスライド操作を受け付けると共に、操作部の下方に複数の節度部、及び複数の磁場部を備えている点で他の実施の形態と異なっている。
【0233】
図24(a)は、第7の実施の形態に係る操作装置の一例を示す図であり、
図24(b)は、操作装置の
図24(a)のN-N線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図24(c)は、操作装置の
図24(a)のO-O線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
【0234】
操作装置1の操作部2は、
図24(a)に示すように、取付先の筐体10に対して第1の方向及び第1の方向と反対の第2の方向のスライド操作を受け付け、下面27から筐体10内に突出するように磁性部材8が配置されている。また節度感生成部3は、
図24(b)及び
図24(c)に示すように、磁性部材8と対向する筐体10に複数の節度部を有している。さらに磁場生成部4は、複数の節度部のそれぞれと一体とされる複数の磁場部を有している。
【0235】
本実施の形態の操作装置1は、複数の節度部として第1の節度部31及び第2の節度部32、複数の磁場部として第1の磁場部41及び第2の磁場部42を筐体10の底部11に有しているがこれに限定されず、さらに多くても良い。
【0236】
(操作部2の構成)
操作部2は、
図24(a)に示すように、基準位置Jから第1の方向として矢印K方向、及び第2の方向として矢印L方向にスライド操作可能に筐体10に取り付けられている。この筐体10には、スライド開口107が設けられている。
【0237】
操作部2は、突出部270に磁性部材8が設けられている。この磁性部材8は、一例として、鉄などの軟磁性部材や磁石を用いて形成されているが軟磁性部材で形成する方が好ましい。磁性部材8は、
図24(a)の紙面において上下方向に細長く、かつ第1の節度部31及び第2の節度部32の上方まで伸びた形状を有している。
【0238】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、第1の磁場部41と、第2の磁場部42と、を備えている。第1の磁場部41は、
図24(a)の紙面におけるN-N線の下方に配置されている。また第2の磁場部42は、O-O線の下方に配置されている。
【0239】
第1の磁場部41は、コイル410と、芯部411と、を備えている。この芯部411の端部411aは、第1の節度山310となり、磁性部材8の端部80と対向している。つまり芯部411は、第1の節度部31となっている。
【0240】
第2の磁場部42は、コイル420と、芯部421と、を備えている。この芯部421の端部421aは、第1の節度山310と異なる第2の節度山320となり、磁性部材8の端部80と対向している。つまり芯部421は、第2の節度部32となっている。
【0241】
第1の節度部31は、等間隔で設けられた3つの第1の節度山310を有している。また第2の節度部32は、操作部2が基準位置Jの際、磁性部材8の端部80と対向する節度山が他と比べて距離の近い2つ第2の節度山320となっている。第2の節度山320は、この2つの第2の節度山320の両側にさらに節度山を有している。つまり第2の節度部32は、基準位置Jを境に対称となる4つの第2の節度山320を有している。従って操作装置1は、矢印K方向及び矢印L方向のスライド操作に伴う節度と基準位置Jに戻った際の節度が異なる。
【0242】
この操作装置1は、磁場の有無によって2つの節度パターンを有している。なお操作装置1は、第1の磁場部41及び第2の磁場部42に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0243】
(第7の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、第1の節度部31及び第2の節度部32によって節度を生成するので、この構成を採用しない場合と比べて、スライド操作において矢印K方向及び矢印L方向のスライド操作に伴う節度と基準位置Jの節度を異なるものとすることができる。ユーザは、操作装置1に視線を移動しなくても節度によって基準位置Jに操作部2が戻ったことを認識し易くなるので、視線移動を抑制することができる。
【0244】
[第8の実施の形態]
第8の実施の形態は、操作部がスライド操作を受け付けると共に、操作部の側方に複数の節度部、及び複数の磁場部を備えている点で他の実施の形態と異なっている。
【0245】
図25(a)は、第8の実施の形態に係る操作装置の一例を示す図であり、
図25(b)は、操作装置の側面図の一例であり、
図25(c)は、操作装置の
図25(b)のP-P線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
【0246】
操作装置1の操作部2は、
図25(a)に示すように、取付先の筐体10に対して矢印K方向及び矢印L方向のスライド操作を受け付け、下面27から筐体10内に突出するように磁性部材8が配置されている。また節度感生成部3は、
図25(b)及び
図25(c)に示すように、磁性部材8と対向する筐体10に複数の節度部を有している。さらに磁場生成部4は、複数の節度部のそれぞれと一体とされる複数の磁場部を有している。
【0247】
本実施の形態の操作装置1は、複数の節度部として第1の節度部31及び第2の節度部32と、複数の磁場部として第1の磁場部41及び第2の磁場部42と、を筐体10の側方に有しているがこれに限定されず、上下に配置したり、並んで配置したり、さらにそれらを組み合わせたりしてさらに多くても良い。
【0248】
(操作部2の構成)
操作部2は、
図25(a)に示すように、基準位置Jから第1の方向として矢印K方向、及び第2の方向として矢印L方向にスライド操作可能に筐体10に取り付けられている。この筐体10には、スライド開口107が設けられている。
【0249】
操作部2は、突出部270に磁性部材8が設けられている。この磁性部材8は、一例として、鉄などの軟磁性部材や磁石を用いて形成されているが軟磁性部材で形成する方が好ましい。磁性部材8は、
図25(b)の紙面において上下方向、つまりスライド操作の方向と交差する方向に細長い形状を有している。
【0250】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、第1の磁場部41と、第2の磁場部42と、を備えている。第1の磁場部41は、
図25(b)の紙面において磁性部材8の端部80と対向する下方に配置されている。また第2の磁場部42は、磁性部材8の反対の端部81と対向する上方に配置されている。
【0251】
第1の磁場部41は、コイル410と、芯部411と、を備えている。この芯部411の端部411aは、第1の節度山310となり、磁性部材8の端部80と対向している。つまり芯部411は、第1の節度部31となっている。
【0252】
第2の磁場部42は、コイル420と、芯部421と、を備えている。この芯部421の端部421aは、第1の節度山310と異なる第2の節度山320となり、磁性部材8の端部81と対向している。つまり芯部421は、第2の節度部32となっている。
【0253】
第1の節度部31は、等間隔で設けられた3つの第1の節度山310を有している。また第2の節度部32は、操作部2が基準位置Jの際、磁性部材8の端部81と対向する節度山が他と比べて距離の近い2つ第2の節度山320となっている。第2の節度山320は、この2つの第2の節度山320の両側にさらに節度山を有している。つまり第2の節度部32は、基準位置Jを境に対称となる4つの第2の節度山320を有している。従って操作装置1は、矢印K方向及び矢印L方向のスライド操作に伴う節度と基準位置Jに戻った際の節度が異なる。
【0254】
この操作装置1は、磁場の有無によって2つの節度パターンを有している。なお操作装置1は、第1の磁場部41及び第2の磁場部42に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0255】
(第8の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、操作方向と交差する方向に複数の節度部を配置可能であると共に、筐体10の上下方向、及び筐体10の底部11、そしてそれらを組み合わせて複数の節度部を配置可能であるので、この構成を採用しない場合と比べて、より複数の節度パターンを備えることができる。
【0256】
[第9の実施の形態]
第9の実施の形態は、操作部が支点を中心として互いに反対方向に回転するシーソーノブである点で他の実施の形態と異なっている。
【0257】
図26(a)は、第9の実施の形態に係る操作装置の一例を示す図であり、
図26(b)は、操作装置の側面図の一例であり、
図26(c)は、操作装置の
図26(a)のQ-Q線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
【0258】
操作装置1の操作部2は、
図26(a)~
図26(c)に示すように、取付先の筐体10の支点201を中心として互いに反対方向に回転し、筐体10内に突出するように磁性部材8が配置されている。また節度感生成部3は、磁性部材8と対向するように設けられている。さらに磁場生成部4は、節度感生成部3と一体とされている。
【0259】
(操作部2の構成)
操作部2は、筐体10に設けられた支持部13に支持され、基準位置Jから支点201を中心として互いに反対方向に回転するシーソーノブとして構成されている。この操作部2は、支点201を中心として矢印R方向及び矢印S方向に回転する。
【0260】
操作部2は、
図26(c)に示すように、突出部270に磁性部材8が設けられている。この磁性部材8は、一例として、鉄などの軟磁性部材や磁石を用いて形成されているが軟磁性部材で形成する方が好ましい。磁性部材8は、
図26(c)の紙面において上下方向に細長い形状を有している。
【0261】
(節度感生成部3の構成)
節度感生成部3は、筐体10の底部11に配置されている。この節度感生成部3は、鉄などの軟磁性部材や磁石を用いて形成されているが軟磁性部材で形成する方が好ましい。この節度感生成部3は、磁性部材8の端部80と対向する端部が3つの節度山33となっている。
【0262】
磁性部材8は、操作部2が支点201を中心として回転するので、端部80の軌跡800が円弧状となる。そのため、節度山33は、頂点と端部80との距離が一定となるように、つまり節度感がほぼ等しくなるように軌跡800に応じて高さを変えて配置されている。従って節度山33は、中央が低く、中央の両側が高くされている。
【0263】
(磁場生成部4の構成)
磁場生成部4は、コイル402と、芯部403と、を備えている。芯部403は、端部404が磁性部材8の端部80と対向している。この端部404は、節度山33が形成されているので、芯部403が節度感生成部3となっている。
【0264】
この操作装置1は、節度の有無によって2つの節度パターンを有している。なお操作装置1は、磁場生成部4に供給する電流の強弱に基づいて磁場の強弱を制御し、さらに異なる節度パターンを有するように構成されても良い。
【0265】
(第9の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、操作部2がシーソーノブであっても節度感生成部3と磁場生成部4によって複数の節度パターンをユーザに付与することができる。
【0266】
なお変形例として上記の各実施の形態の操作装置1は、節度感生成部3及び磁場生成部4の少なくとも一方をユーザの操作に応じて機械的なリンクを介して移動させたり、アクチュエータによって駆動したりすることによる磁場の強弱によって節度パターンを切り替える構成であっても良い。
【0267】
[第10の実施の形態]
第10の実施の形態は、節度感生成部までの磁場生成部の距離に基づいて複数の節度パターンを生成する点で他の実施の形態と異なっている。
【0268】
図27(a)は、第10の実施の形態に係る操作装置の一例を示す図であり、
図27(b)は、操作装置の側面図の一例であり、
図27(c)は、操作装置の第1の節度パターン時における
図27(b)のT-T線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図28(a)は、第10の実施の形態に係る操作装置の第2の節度パターン時における
図27(b)のT-T線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図28(b)は、操作装置の第3の節度パターン時における
図27(b)のT-T線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
【0269】
操作装置1の操作部2は、
図27(a)に示すように、一例として、回転操作を受け付けるように構成されている。節度感生成部3は、操作部2に配置されている。さらに磁場生成部4は、複数の節度パターンとして、節度感生成部3と対向して節度感生成部3に作用する磁場を強くして生じる強磁場節度パターン、及び節度感生成部3から離れて節度感生成部3に作用する磁場を弱くして生じる弱磁場節度パターンを有している。
【0270】
操作装置1は、
図27(a)に示すように、基準位置Uから矢印W方向及び矢印X方向に操作可能なスライドボタン28を備えている。このスライドボタン28は、下面280から下方に伸びるリンク部281を有している。
【0271】
このリンク部281は、
図27(b)及び
図27(c)に示すように、先端に第1の磁場部41が取り付けられた第1のアーム部282と、先端に第2の磁場部42が取り付けられた第2のアーム部283と、を有している。このように磁場生成部4は、第1の磁場部41及び第2の磁場部42を有している。
【0272】
第1の磁場部41及び第2の磁場部42は、一例として、磁石である。なお第1の磁場部41及び第2の磁場部42は、電磁石として構成されても良い。また
図27(c)において、一例として、第1の磁場部41の端部411eがS極、第2の磁場部42の端部421eがN極として磁場400及び磁場401を図示しているがN極とS極の組み合わせはこれに限定されない。
【0273】
第1のアーム部282は、
図27(c)に示すように、操作部2の回転を阻害しないように下面220から操作部2の内部に伸びて第1の磁場部41を第1の節度部31と対向させるように構成されている。
【0274】
第2のアーム部283は、
図27(c)に示すように、操作部2の側面20の第2の節度部32と第2の磁場部42とを対向させるように構成されている。
【0275】
このように節度感生成部3は、第1の節度部31と、第2の節度部32と、を有している。第1の節度部31は、一例として、操作部2の内面23に6個の第1の節度山310を有している。第2の節度部32は、一例として、操作部2の側面20に24個の第2の節度山320を有している。
【0276】
操作装置1は、スライドボタン28の操作によって節度感生成部3に磁場生成部4を近づけたり、離したりして節度パターンを切り替えることができる。
【0277】
・第1の節度パターン61
第1の節度パターンは、ユーザが節度を感じない弱磁場節度パターンである。この第1の節度パターン61では、
図27(c)に示すように、第1の磁場部41の端部411eから第1の節度山310までの距離と、第2の磁場部42の端部421eから第2の節度山320までの距離と、が距離α
1で等距離となる。
【0278】
この距離α1では、第1の磁場部41の磁場400、及び第2の磁場部42の磁場401が第1の節度山310及び第2の節度山320と十分離れているので、ユーザが節度を感じない。つまり距離α1は、磁場400及び磁場401が十分弱く、ユーザが節度を感じない距離とされる。以上より、ユーザは、節度を感じずに操作部2を回転させることができる。
【0279】
・第2の節度パターン62
第2の節度パターン62は、スライドボタン28が矢印X方向にスライド操作がなされることで生成される強磁場節度パターンである。
【0280】
この第2の節度パターン62では、
図28(a)に示すように、スライドボタン28の操作によってリンク部281を介して第1の磁場部41が第1の節度部31に距離α
2まで近づき、第2の磁場部42が第2の節度部32から距離α
3まで離れる。距離α
1は、距離α
2より長く、距離α
3より短い。
【0281】
第2の磁場部42は、第2の節度山320から離れ、第2の節度山320に作用する磁場401が弱くなる。従って第2の磁場部42は、ユーザが感じるほどの節度を生成しない。
【0282】
一方第1の磁場部41は、第1の節度山310に近づくので、距離α1の場合よりも磁場400が強くなる。従ってユーザは、第1の磁場部41の端部411eと第1の節度山310との対向に基づいて6段の節度を感じる。
【0283】
以上より、ユーザは、第2の節度パターン62の場合、操作部2の操作によって第1の節度山310と第1の磁場部41の端部411eとが対向する際、つまり1周当たり6段の節度を感じる。
【0284】
・第3の節度パターン63
第3の節度パターン63は、スライドボタン28が矢印W方向にスライド操作がなされることで生成される強磁場節度パターンである。
【0285】
この第3の節度パターン63では、
図28(b)に示すように、スライドボタン28の操作によってリンク部281を介して第1の磁場部41が第1の節度部31から距離α
4まで離れ、第2の磁場部42が第2の節度部32に距離α
5まで近づく。距離α
1は、距離α
5より長く、距離α
4より短い。
【0286】
第1の磁場部41は、第1の節度山310から離れ、第1の節度山310に作用する磁場400が弱くなる。従って第1の磁場部41は、ユーザが感じるほどの節度を生成しない。
【0287】
一方第2の磁場部42は、第2の節度山320に近づくので、距離α1の場合よりも磁場401が強くなる。従ってユーザは、第2の磁場部42の端部421eと第2の節度山320の対向に基づいて24段の節度を感じる。
【0288】
以上より、ユーザは、第3の節度パターン63の場合、操作部2の操作によって第2の節度山320と第2の磁場部42の端部421aとが対向する際、つまり1周当たり24段の節度を感じる。
【0289】
なお変形例として操作装置1は、アクチュエータを用いて第1の磁場部41と第1の節度部31との距離、及び第2の磁場部42と第2の節度部32との距離を変えて、磁場の強弱によって節度パターンを切り替える構成であっても良い。
【0290】
(第10の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、スライドボタン28の操作に基づく磁場400の及び磁場401の強弱によって複数の節度パターンを切り替えることができるので、モータなどで節度パターンを切り替える場合と比べて、小型で、かつ安価に製造することができる。
【0291】
[第11の実施の形態]
第11の実施の形態は、磁場生成部を上下方向に移動させることで複数の節度パターンを生成する点で他の実施の形態と異なっている。
【0292】
図29(a)は、第11の実施の形態に係る操作装置の一例を示す図であり、
図29(b)は、操作装置の側面図の一例であり、
図29(c)は、操作装置の
図29(b)のY-Y線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図30(a)は、第11の実施の形態に係る操作装置の第1の節度パターン時における側面図の一例であり、
図30(b)は、操作装置の第2の節度パターン時における側面図の一例である。
【0293】
操作装置1の操作部2は、
図29(a)に示すように、一例として、回転操作を受け付けるように構成されている。節度感生成部3は、操作部2に配置されている。さらに磁場生成部4は、複数の節度パターンとして、節度感生成部3と対向して節度感生成部3に作用する磁場を強くして生じる強磁場節度パターン、及び節度感生成部3から離れて節度感生成部3に作用する磁場を弱くして生じる弱磁場節度パターンを有している。
【0294】
操作装置1は、
図30(a)及び
図30(b)に示すように、基準位置29aから矢印Z方向にプッシュ操作可能なプッシュボタン29を備えている。このプッシュボタン29は、下面290から下方に伸びるリンク部291を有している。なお基準位置29aは、節度感生成部3と磁場生成部4とが対向する位置である。
【0295】
このリンク部291は、
図29(c)に示すように、先端に磁場生成部4が取り付けられたアーム部292を有している。磁場生成部4は、一例として、磁石である。
【0296】
アーム部292は、
図30(a)及び
図30(b)に示すように、操作部2の側面20の近くに伸びて、操作部2の回転を阻害しないように磁場生成部4を節度感生成部3と対向させるように構成されている。
【0297】
節度感生成部3は、操作部2の側面20に24個の節度山33を有している。この節度山33は、等間隔で設けられている。なお節度感生成部3は、内面23に設けられても良い。
【0298】
操作装置1は、プッシュボタン29の操作によって節度感生成部3に磁場生成部4を近づけたり、離したりして節度パターンを切り替えることができる。
【0299】
・第1の節度パターン61
第1の節度パターン61は、プッシュボタン29が操作される前の基準位置29aにおける強磁場節度パターンである。
【0300】
この第1の節度パターン61では、
図30(a)に示すように、プッシュ操作がなされていないので、磁場生成部4が節度感生成部3と対向している。そのため、節度感生成部3に作用する磁場生成部4の磁場400が強くなる。従ってユーザは、磁場生成部4の端部411fと節度山33との対向に基づいて24段の節度を感じる。
【0301】
以上より、ユーザは、第1の節度パターン61の場合、操作部2の操作によって節度山33と磁場生成部4の端部411fとが対向する際、つまり1周当たり24段の節度を感じる。
【0302】
・第2の節度パターン62
第2の節度パターン62は、ユーザが節度を感じない弱磁場節度パターンである。この第2の節度パターン62では、
図30(b)に示すように、プッシュボタン29に対するプッシュ操作によって磁場生成部4が矢印Z方向に移動するので、節度感生成部3と磁場生成部4が対向せず、磁場生成部4の端部411fから節度山33までの距離が離れる。つまり磁場400が十分弱く、ユーザが節度を感じない距離まで磁場生成部4と節度感生成部3が離れる。以上より、ユーザは、節度を感じずに操作部2を回転させることができる。
【0303】
なお変形例として操作装置1は、アクチュエータを用いて磁場生成部4を駆動し、磁場の強弱によって節度パターンを切り替える構成であっても良い。
【0304】
(第11の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、プッシュボタン29の操作に基づいて複数の節度パターンを切り替えることができるので、モータなどで節度パターンを切り替える場合と比べて、小型で、かつ安価に製造することができる。
【0305】
なお上記の回転操作がなされるように構成された操作部2は、この構成に限定されず、スライド操作などが可能となるように構成されても良い。
【0306】
以上述べた少なくとも1つの実施の形態の操作装置1によれば、小型化することが容易に可能となる。
【0307】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0308】
1…操作装置、2…操作部、3…節度感生成部、4…磁場生成部、5…検出部、6…制御部、7…遮蔽板、8…磁性部材、10…筐体、31…第1の節度部、32…第2の節度部、33…節度山、40a~40c…第1の磁場部~第3の磁場部、41…第1の磁場部、42…第2の磁場部、41a~44a…第1の内側磁場部~第4の内側磁場部、45a~48a…第1の外側磁場部~第4の外側磁場部、61~64…第1の節度パターン~第4の節度パターン、310…第1の節度山、320…第2の節度山、400…磁場、401…磁場