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特開2023-174315定規、定規の使用方法、定規セット及び定規セットの使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174315
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】定規、定規の使用方法、定規セット及び定規セットの使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 3/04 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
G01B3/04
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087098
(22)【出願日】2022-05-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】522212446
【氏名又は名称】株式会社旭建設
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小林 政弘
【テーマコード(参考)】
2F061
【Fターム(参考)】
2F061AA16
2F061AA31
2F061DD26
2F061GG01
2F061JJ02
2F061JJ07
2F061JJ17
2F061LL41
2F061LL51
2F061VV01
(57)【要約】
【課題】運びやすさをさらに向上させることができ、かつ、保管が容易な定規、定規の使用方法、定規セット及び定規セットの使用方法を提供する。
【解決手段】定規1は、所定の全長を有し、片面又は両面において長さ方向に沿って合計2列の同一単位の数値11,12を有する目盛りが設けられた板状の本体部2を備え、本体部2の長さ方向一端2aは、長さ方向に対して垂直な端面を有し、目盛りは、本体部2の長さ方向一端2aからの長さを示す数値11と、本体部2の全長に長さ方向一端2aからの長さが加算された値を示す数値12とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の全長を有し、片面又は両面において長さ方向に沿って合計2列以上の同一単位の数値を有する目盛りが設けられた板状の本体部を備え、
前記本体部の長さ方向一端は、前記長さ方向に対して垂直な端面を有し、
前記目盛りは、
前記本体部の前記長さ方向一端からの長さを示す第1数値と、
前記本体部の前記全長に前記長さ方向一端からの長さが加算された値を示す第2数値と、
を有する定規。
【請求項2】
前記本体部において複数の孔が形成されている請求項1に記載の定規。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の定規の使用方法であって、
前記本体部の前記長さ方向一端を床に設置するステップと、
前記床に設置された前記本体部に沿って測定対象の高さを測定するステップと、
を備える定規の使用方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の定規の使用方法であって、
前記本体部の前記長さ方向一端を床に設置したときの前記本体部の長さ方向他端を基準位置にして、前記基準位置に前記本体部の前記長さ方向一端を設置するステップと、
前記基準位置に基づいて設置された前記本体部に沿って測定対象の高さを測定するステップと、
を備える定規の使用方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の定規と、
前記本体部の前記長さ方向の端部を支持する支持具と、
を備える定規セットであって、
前記定規は、前記本体部の前記長さ方向一端又は前記本体部の長さ方向他端において、前記支持具の形状に応じて切り欠かれた切欠部が形成されており、
前記支持具は、
一側に形成され、柱又は壁に固定される固定部と、
前記切欠部に接して、又は、前記本体部の長さ方向他端若しくは前記本体部の長さ方向一端に接して、前記本体部を支持可能な支持部と、
を有する定規セット。
【請求項6】
請求項5に記載の定規セットの使用方法であって、
前記本体部の前記長さ方向一端を床に設置したときの前記本体部の長さ方向他端を基準位置にして、前記基準位置に前記本体部の前記長さ方向一端が設置されるように、前記支持具に前記定規の前記切欠部又は前記本体部の前記長さ方向一端を設置するステップと、
前記支持具に設置された前記本体部に沿って測定対象の高さを測定するステップと、
を備える定規セットの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定規、定規の使用方法、定規セット及び定規セットの使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
子供や家族の成長記録として、家の柱などに、名前や日付と共に身長を示す印が付けられたり刻まれたりすることがある。しかし、転居又は家のリフォームなどで柱に記録された印を移動できなかったり消失したりすることがあり、これらの記録を維持させることは難しい。
【0003】
そこで、下記の特許文献1から3に記載されているように、柱や壁に対して、目盛りを有するスケール又は定規を取り付け可能とすることが提案されている。これらのスケール又は定規に身長を示す印を記録することで、柱等に直接印を付ける場合と異なり、転居などが生じた場合でも、子供の成長記録を保存することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭48-41091号公報
【特許文献2】実用新案登録第3116411号公報
【特許文献3】特開2016-182804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
人の身長は、乳幼児から成人に至るまで1m前後以上の幅があり、長年にわたって記録しようとすると、全長200cmぐらいの定規が必要になる。特許文献2及び3では、折畳み式や分割・組み立て式とすることで定規を持ち運びやすくしている。
【0006】
しかし、定規の端部を床面に設置して成人の身長まで測定可能にしようとすると、折り畳まれたり分割されたりした状態でも、全長約200cmとなる定規は重量があるため、必ずしも持ち運びやすいとは限らない。また、定規が折り畳まれたり分割されたりしたとき、定規を構成する板材が複数枚に重ね合わされて厚くなり、保管のために厚みを有するスペースが必要となる。特に、定規を、木材や厚みを有する板材とした場合、これらの課題が顕著となる。
【0007】
さらに、分割・組み立て式の場合、各板材がばらばらになったり1枚でも紛失したりしないように保管の際に注意を払う必要がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、運びやすさをさらに向上させることができ、かつ、保管が容易な定規、定規の使用方法、定規セット及び定規セットの使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の定規、定規の使用方法、定規セット及び定規セットの使用方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る定規は、所定の全長を有し、片面又は両面において長さ方向に沿って合計2列以上の同一単位の数値を有する目盛りが設けられた板状の本体部を備え、前記本体部の長さ方向一端は、前記長さ方向に対して垂直な端面を有し、前記目盛りは、前記本体部の前記長さ方向一端からの長さを示す第1数値と、前記本体部の前記全長に前記長さ方向一端からの長さが加算された値を示す第2数値とを有する。
【0010】
この構成によれば、所定の全長を有する板状の本体部において、片面又は両面において長さ方向に沿って合計2列以上の同一単位の数値を有する目盛りが設けられており、目盛りは、本体部の長さ方向一端からの長さを示す第1数値と、本体部の全長に長さ方向一端からの長さが加算された値を示す第2数値とを有する。また、本体部の長さ方向一端が長さ方向に対して垂直な端面を有することから、本体部は床に対して垂直に設置されやすい。
【0011】
本体部が床に対して垂直に設置されたとき、床面から本体部の長さ方向他端まで(全長1つ分まで)の測定対象(人)の高さ(身長)が測定可能となる。また、本体部の長さ方向一端が床に設置されたときの本体部の長さ方向他端が基準位置にされて、基準位置に本体部の長さ方向一端が設置されたとき、すなわち、本体部の設置位置が床面から本体部の全長1つ分ずらされたとき、本体部の全長1つ分以上全長2つ分以下の測定対象の高さが測定可能となる。このとき、本体部には第2数値が設けられており、第2数値は本体部の全長に本体部の長さ方向一端からの長さが加算された値を示すことから、測定者は測定対象の床面からの高さをすみやかに知ることができる。
【0012】
上記発明では、前記本体部において複数の孔が形成されてもよい。
この構成によれば、本体部において形成された複数の孔を用いることで、定規が壁面に沿って設置された状態で、定規表面に沿って金具(フックなど)を引っ掛けて取り付けることができる。
【0013】
本発明に係る定規の使用方法は、前記本体部の前記長さ方向一端を床に設置するステップと、前記床に設置された前記本体部に沿って測定対象の高さを測定するステップとを備える。
【0014】
この構成によれば、本体部の長さ方向一端が床に対して垂直に設置されることによって、床面から本体部の長さ方向他端まで(全長1つ分まで)の測定対象の高さが測定可能である。
【0015】
本発明に係る定規の使用方法は、前記本体部の前記長さ方向一端を床に設置したときの前記本体部の長さ方向他端を基準位置にして、前記基準位置に前記本体部の前記長さ方向一端を設置するステップと、前記基準位置に基づいて設置された前記本体部に沿って測定対象の高さを測定するステップとを備える。
【0016】
この構成によれば、本体部の長さ方向一端を床に設置したときの本体部の長さ方向他端を基準位置にして、基準位置に本体部の長さ方向一端が設置されることによって、本体部の全長1つ分以上全長2つ分以下の測定対象の高さが測定可能である。
【0017】
本発明に係る定規セットは、上述した定規と、前記本体部の前記長さ方向の端部を支持する支持具とを備える定規セットであって、前記定規は、前記本体部の前記長さ方向一端又は前記本体部の長さ方向他端において、前記支持具の形状に応じて切り欠かれた切欠部が形成されており、前記支持具は、一側に形成され、柱又は壁に固定される固定部と、前記切欠部に接して、又は、前記本体部の長さ方向他端若しくは前記本体部の長さ方向一端に接して、前記本体部を支持可能な支持部とを有する。
【0018】
この構成によれば、定規セットが、上記の定規と支持具とを備え、支持具が定規の本体部の長さ方向の端部を支持する。定規には、本体部の長さ方向一端又は本体部の長さ方向他端において、支持具の形状に応じて切り欠かれた切欠部が形成されている。支持具は、固定部と支持部とを有し、固定部によって支持具の一側が壁に固定され、支持部によって定規の本体部が支持される。支持部は、本体部の長さ方向一端又は本体部の長さ方向他端に形成された切欠部と接しつつ本体部を支持したり、本体部の長さ方向他端又は本体部の長さ方向一端と接しつつ本体部を支持したりする。
【0019】
本発明に係る定規セットの使用方法は、前記本体部の前記長さ方向一端を床に設置したときの前記本体部の長さ方向他端を基準位置にして、前記基準位置に前記本体部の前記長さ方向一端が設置されるように、前記支持具に前記定規の前記切欠部又は前記本体部の前記長さ方向一端を設置するステップと、前記支持具に設置された前記本体部に沿って測定対象の高さを測定するステップとを備える。
【0020】
この構成によれば、支持具に定規の切欠部が設置されたとき、本体部の長さ方向一端を床に設置したときの本体部の長さ方向他端を基準位置にして、基準位置に本体部の長さ方向一端が設置される。その結果、本体部の全長1つ分以上全長2つ分以下の測定対象の高さが測定可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、目盛りに2列以上の数値が設けられており、定規の全長が成人の身長を計測する際に必要な高さよりも短い場合であっても、子供の身長計測と成人の身長計測のいずれにも使用可能できる。そのため、運びやすさをさらに向上させることができ、かつ、保管が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態に係る定規を示す正面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る定規を示す背面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る定規の使用方法を示す説明図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る定規の変形例を示す正面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る定規セットの使用方法を示す説明図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る定規を示す正面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る定規セットを示す縦断面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る定規セットを示す部分拡大斜視図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る定規セットを示す部分拡大斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る定規の変形例を示す正面図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る定規セットの変形例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る定規1について、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態に係る定規1は、図1及び図2に示すように、1方向に長い所定の全長を有する板状の本体部2を備える。図1は、定規1を示す正面図であり、図2は、定規1を示す背面図である。本体部2の全長は例えば100cmである。この場合、図3(A)に示すように、本体部2を床20に対して垂直に設置した場合、床面0cmから本体部2の全長1つ分である100cmまでの人(測定対象)の身長(高さ)を測定できる。また、図3(B)に示すように、本体部2の設置位置を床面に対して本体部2の全長1つ分である100cm分上方にずらした場合、本体部2の全長1つ分の100cm以上全長2つ分の200cm以下の人の身長を測定できる。
【0024】
本体部2は、図1及び図2に示すように、板面の片面又は両面において目盛りが設けられており、かつ、板面には測定された身長を示す印や名前及び日付等を記録可能なスペースが設けられている。本体部2の材料は、例えば木材である。なお、本体部2の材料は、木材に限定されず、合成樹脂材、金属材などでもよい。
【0025】
また、本体部2の長さ方向一端2aは、本体部2の長さ方向に対して垂直な端面を有する。これにより、本体部2の長さ方向一端2aが床20に設置されるとき、本体部2は床20に対して垂直に設置されやすい。
【0026】
本体部2には、例えば図1に示すように、片面において長さ方向に沿って例えば合計2列の同一単位の数値11,12を有する目盛りが設けられる。各列とも同一単位の数値であるため、1列の数値がメートル単位であれば他の列の数値もメートル単位である。2列のうち一方の列の数値11(第1数値)は、本体部2の長さ方向一端2aである端面からの長さを示す。2列のうち他方の列の数値12(第2数値)は、本体部2の全長に、長さ方向一端2aである端面からの長さが加算された値を示す。例えば、本体部2の全長が100cmである場合、1列目には0から100cmの間の数値11が記載され、2列目には100cmから200cmまでの間の数値12が記載される。2列目の数値12は、本体部2の全長に、長さ方向一端2aの端面からの長さが加算された値を示すことから、本体部2の設置位置を床面に対して本体部2の全長1つ分上方にずらした場合、測定者は床面に立つ人の身長をすみやかに知ることができる。
【0027】
なお、本体部2に設けられる目盛りは、片面に1列ずつ両面で合計2列設けられてもよいし、片面又は両面において合計3列以上設けられてもよい。図1及び図2に示す例では、表側の面に2列の目盛りが設けられ、裏側の面に1列の目盛りが設けられている。
【0028】
図1及び図2に示すように、本体部2には、本体部2を壁や柱に設置するためのねじ8(図3参照)や釘を挿通させることが可能な貫通孔7が予め形成されてもよい。本体部2の幅方向、すなわち、長さ方向に対して垂直方向の長さは特に限定されない。本体部2の幅が広ければ、身長を記録できる人の数を増やすことができ、また、板面に複数列の領域を設けることによって、領域ごとに各人の身長を記録することもできる。
【0029】
また、本体部2は、図4に示すように、複数の孔9が形成されている有孔ボードでもよい。複数の孔9は、例えば等間隔に設けられる。本体部2において形成された複数の孔9を用いることで、定規1が壁面に沿って設置された状態で、定規1の表面に沿って金具(フックなど)を引っ掛けて取り付けることができる。
【0030】
なお、有孔ボードの孔9に金具を取り付けるため、本体部2は壁に密着して設置するのではなく、壁面から所定間隔の隙間を設けた状態で壁面に平行に設置されることが望ましい。
【0031】
上述した本実施形態に係る定規1の使用方法について説明する。
定規1は、目盛りが設けられているため、例えば図2の例に示す面を利用しながら、通常の物差しとしても使用できるが、柱や壁に沿って垂直に設置されることで身長測定用定規として使用可能である。
【0032】
まず、1番目の身長測定方法として、図3(A)に示すように、本体部2の長さ方向一端2aが床20に設置される。このとき、本体部2は床20に対して垂直に設置される。そして、床20に設置された本体部2に沿って人の身長が測定される。本体部2の全長が100cmである場合、本体部2を床20に対して垂直に設置することで、定規1によって、床面0cmから本体部2の全長1つ分である100cmまでの人の身長を測定できる。
【0033】
また、2番目の身長測定方法として、図3(A)に示すように本体部2の長さ方向一端2aを床20に設置したときの本体部2の長さ方向他端2bの高さを基準位置P1にして、図3(B)に示すように、基準位置P1に本体部2の長さ方向一端2aが設置される。そして、基準位置P1に基づいて設置された本体部2に沿って人の身長が測定される。
【0034】
本体部2の全長が100cmである場合、基準位置P1は、本体部2の長さ方向一端2aを床20に設置したときの本体部2の長さ方向他端2bの位置、すなわち、床面から100cmの位置(高さ)である。そして、図3(B)に示すように、床面から100cmの位置に本体部2の長さ方向一端2aが設置される。したがって、本体部2は、床面に対して本体部2の全長1つ分である100cm分上方にずらして設置される。これにより、定規1によって、本体部2の全長1つ分の100cm以上全長2つ分の200cm以下の人の身長を測定できる。
【0035】
身長が測定された後、本体部2の板面には、身長を示す印や名前、日付が記録されてもよい。なお、本体部2の板面には、子供の出産時の身長に対応する位置に印や名前、誕生日、体重等が記録されてもよい。これにより、出産時からの子供の成長記録として定規1を用いることができる。
【0036】
上記実施形態では、本体部2の全長が100cmである場合について説明したが、全長はこの例に限定されない。例えば、本体部2の全長が70cmでもよい。本体部2を床20に対して垂直に設置した場合、床面0cmから本体部2の全長1つ分である70cmまでの人(測定対象)の身長(高さ)を測定できる。また、本体部2の設置位置を床面に対して本体部2の全長1つ分である70cm分上方にずらした場合、本体部2の全長1つ分の70cm以上全長2つ分の140cm以下の人の身長を測定できる。さらに、本体部2の設置位置を床面に対して本体部2の全長2つ分である140cm分上方にずらした場合、本体部2の全長2つ分の140cm以上全長3つ分の210cm以下の人の身長を測定できる。
【0037】
この場合、本体部2において、片面又は両面において長さ方向に沿って例えば合計3列の同一単位の数値を有する目盛りが設けられる。1列目と2列目の数値は、上述した実施形態と同様である。3列目の数値は、本体部2の全長の2倍の長さに長さ方向一端2aからの長さが加算された値を示す。1列目には0から70cmの間の数値が記載され、2列目には70cmから140cmまでの間の数値が記載され、3列目には140cmから210cmまでの間の数値が記載される。
【0038】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る定規セット10について、図5から図11を参照して説明する。
定規1は、本体部2が壁や柱に対してねじ8や釘によって固定される場合に限られず、図5に示すように、支持具3を介して壁又は柱に固定されてもよい。定規セット10は、例えば、定規1と、支持具3によって構成される。
【0039】
定規1は、図6に示すように、本体部2の長さ方向一端2a、すなわち、定規1が柱又は壁に沿って設置されたときの下端において、支持具3の形状に応じて切り欠かれた切欠部4が形成される。切欠部4は、本体部2の幅方向中央に形成される。定規1の本体部2における目盛りなどの構成は上述した第1実施形態と同一であるため詳細な説明を省略する。なお、切欠部4は、図10に示すように、本体部2の長さ方向他端2b、すなわち、定規1が柱又は壁に沿って設置されたときの上端において切り欠かれて形成されてもよい。
【0040】
支持具3は、図7に示すように、一体的に形成された固定部5と支持部6を有する。支持具3は、例えば、板状部材によって形成されて、断面L字状の屈曲部を2箇所有する。
【0041】
固定部5は、支持具3の一側に形成され、柱又は壁に対してねじ13等によって固定される。固定部5は、支持具3が柱又は壁に固定されたとき、固定部5の板面が柱面又は壁面に対して平行になるように設置される。
【0042】
支持部6は、固定部5の一端部に連続して設けられて固定部5の板面に対して垂直な板部6aと、板部6aの板面に対して垂直かつ固定部5の板面に対して平行な板部6bとを有する。支持具3が柱又は壁に固定されたとき、支持部6の板部6aは、床面に対して平行であり、支持部6の板部6bは、柱面又は壁面に対して平行である。
【0043】
なお、本実施形態では、支持具3が板状部材によって形成される場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。すなわち、定規1を支持することができ、かつ、定規1を支持する部材を柱又は壁に固定することができれば、支持具は他の形状でもよく他の材料が用いられてもよい。例えば、支持具は、棒状部材が組み合わされたフレーム構造を有するものでもよい。
【0044】
図7に示すように、支持部6の板部6aの奥行方向の長さ、すなわち、互いに平行な固定部5と支持部6の板部6bとの間隔は、定規1の本体部2の厚さとほぼ等しい。これにより、板部6bと柱又は壁の間に定規1が挟まれて、定規1が緩みなく確実に固定される。
【0045】
支持具3の幅方向中央には、固定部5を固定するねじ13のための貫通孔が形成される。図7から図9に示すように、支持具3は、貫通孔に挿通されたねじ13の軸心周りに回動可能である。これにより、支持部6の設置方向が、固定部5に対して下側又は上側に変更され得る。支持具3の設置方向が調整されて、図5(A),図7(A)及び図8に示すように、支持部6が固定部5に対して下側にあるとき、支持具3は、床面に設置された定規1の上端部を支持する。また、図5(B),図7(B)及び図9に示すように、支持部6が固定部5に対して上側にあるとき、支持具3は、支持部6の板部6aに設置された定規1の下端部を支持する。
【0046】
図6に示すように、定規1の本体部2の下端に切欠部4が形成されているとき、図5(A),図7(A)及び図8に示すように、固定部5に対して下側に位置された支持部6の板部6aが、床面に設置された定規1の上端と接する位置となるように、支持具3が柱又は壁に設けられる。なお、この場合、支持具3のねじ13による固定を少し緩めることで、本体部2を壁面に沿ってスライドさせながら、定規1を支持具3から取り外したり支持具3に取り付けることができる。
【0047】
図5(B),図7(B)及び図9に示すように、支持部6の板部6aが固定部5に対して上側に位置された状態で切欠部4の底面が板部6aに載置されたとき、本体部2の下端が基準位置P1(床面に設置された定規1の上端)に位置するように、本体部2が切り欠かれて切欠部4が形成される。
【0048】
他方、図10に示すように、定規1の本体部2の上端に切欠部4が形成されているとき、図11(A)に示すように、支持部6の板部6aが固定部5に対して下側に位置された状態で切欠部4が板部6aに固定されたとき、板部6aが切欠部4の内側に位置するように、本体部2が切り欠かれて切欠部4が形成される。図11(B)に示すように、固定部5に対して上側に位置された支持部6の板部6aが、基準位置P1に設置された定規1の本体部2の長さ方向他端2bと接する位置となるように、支持具3が柱又は壁に設けられる。
【0049】
上述した本実施形態に係る定規セット10の使用方法について説明する。
まず、1番目の身長測定方法として、図5(A)に示すように、本体部2の長さ方向一端2aが床20に設置される。このとき、本体部2は柱又は壁に沿って床20に対して垂直に設置される。
【0050】
図7(A)及び図8に示すように、支持具3は、支持部6の板部6aが固定部5に対して下側に位置されるように柱又は壁に設置される。図6に示すように、定規1の本体部2の下端に切欠部4が形成されているとき、支持部6の板部6aは、床面に設置された定規1の上端(長さ方向他端2b)と接する位置となる。他方、図10に示すように、定規1の本体部2の上端に切欠部4が形成されているとき、図11(A)に示すように、支持部6の板部6aは、切欠部4の内側に位置する。これにより、床20に設置された定規1が支持具3を介して柱又は壁に固定される。
【0051】
そして、床20に設置された本体部2に沿って人の身長が測定される。このとき、床面から本体部2の全長1つ分までの人の身長を測定できる。
【0052】
また、2番目の身長測定方法として、図5(B)に示すように、本体部2の長さ方向一端2aを床20に設置したときの本体部2の長さ方向他端2bの高さを基準位置P1にして、基準位置P1に本体部2の長さ方向一端2aが設置される。
【0053】
図7(B)及び図9に示すように、支持具3は、支持部6の板部6aが固定部5に対して上側に位置されるように柱又は壁に設置される。図6に示すように、定規1の本体部2の下端に切欠部4が形成されているとき、支持部6の板部6aに本体部2の切欠部4の底面が載置される。他方、図10に示すように、定規1の本体部2の上端に切欠部4が形成されているとき、図11(B)に示すように、支持部6の板部6aに本体部2の下端(長さ方向他端2b)が載置される。このとき、いずれの場合も、本体部2の長さ方向他端2bは、基準位置P1(床面に設置された本体部2の長さ方向一端2aの高さ)に位置する。また、基準位置P1に基づいて設置された本体部2の上端は、図5(B)に示すように、別の支持具3又はねじ等によって柱又は壁に固定される。
【0054】
以上より、図5(B),図7(B)及び図9に示すように、定規1は、本体部2の下端が基準位置P1に設置されるとき、支持具3を介して柱又は壁に固定される。これにより、基準位置P1に基づいて設置された本体部2に沿って人の身長が測定される。このとき、本体部2の全長1つ分以上全長2つ分以下の人の身長を測定できる。
【0055】
本実施形態に係る支持具3を用いることによって、支持具3の固定高さは変更しないまま、床20に設置された定規1の本体部2の上端を支持したり、定規1の下端が基準位置P1に位置する定規1の本体部2の下端を支持したりすることができる。また、定規1に切欠部4が形成されることによって、支持具3の設置方向を調整するだけで、定規1の下端が基準位置P1となるように支持具3に定規1の本体部2を設置できる。したがって、定規1の下端が基準位置P1となるように設置する際(本体部2の全長1つ分上方にずらして設置する際)、基準位置P1をわざわざメジャー等で測定して位置決めする必要がなく、定規1の設置の際の手間を省くことができる。
【0056】
以上、上述した第1実施形態に係る定規1及び第2実施形態に係る定規セット10によれば、身長が測定された後、身長を示す印や名前、日付が、本体部2の板面に記録されることによって、子供や家族の成長記録として定規1を用いることができる。
【0057】
本実施形態に係る定規1は、持ち運び可能であることから、家の柱などに身長を記録する場合と異なり、転居やリフォームなどがあっても成長記録を長年にわたって残すことができる。
【0058】
本実施形態に係る定規1は、目盛りに少なくとも2列の数値が設けられており、定規1の全長が成人の身長を計測する際に必要な高さよりも短いが、子供の身長計測と成人の身長計測のいずれにも使用可能である。
【0059】
目盛りに設けられた1列目の数値は、本体部2の長さ方向一端2aからの長さを示していることから、定規1の本体部2が床面に設置されることで、特に子供の身長を計測できる。また、目盛りに設けられた2列目の数値は、本体部2の全長に、本体部2の長さ方向一端2aからの長さが加算された値を示していることから、本体部2の全長1つ分上方にずらして本体部2が設置されることで、人の身長を計測できる。本体部2が全長1つ分上方にずらされるとき、本体部2の下端位置は、床面に本体部2が設置されたときの本体部2の上端と一致することから、本体部2の位置決めが容易である。
【0060】
また、本実施形態によれば、全長200cmぐらいの定規が不要になるだけでなく、定規を構成する板材を折り畳み可能としたり組み立て可能とすることも不要である。そのため、全体の重量が低減できて持ち運びしやすい。さらに、定規を構成する板材は1枚であるため、定規が折り畳まれたり分割されたりする場合に比べて、保管時の厚みが低減されて保管スペースが減少する。またさらに、分割・組み立て式の場合と異なり、各板材がばらばらになったり紛失したりするおそれがないため、保管が容易である。
【0061】
また、目盛りに設けられる数値が2列以上である特徴的な外観を有するため、定規1の本体部2の材料の選定を工夫したり、本体部2を有孔ボードとしたりすることによって、定規1をインテリアの一部とすることもできる。さらに、本体部2が木材である場合、ヒノキ材であれば抗菌作用や耐久性に優れた定規1とすることができる。また、本体部2に間伐材を用いることで森林保全、自然環境保全を配慮した製品とすることができる。
【0062】
定規1や定規セット10は、成長記録として用いることができるため、子供用品・ベビー用品、出産祝い品、ホビー商品に適しているだけでなく、建築業(新築・リフォーム)の設計提案や、DIY、ホームセンター等におけるインテリア装飾品としても適している。
【符号の説明】
【0063】
1 :定規
2 :本体部
2a :長さ方向一端
2b :長さ方向他端
3 :支持具
4 :切欠部
5 :固定部
6 :支持部
6a,6b :板部
7 :貫通孔
8 :ねじ
9 :孔
10 :定規セット
11 :数値(第1数値)
12 :数値(第2数値)
13 :ねじ
20 :床
P1 :基準位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11