(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174321
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/08 20120101AFI20231130BHJP
【FI】
G06Q20/08
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087104
(22)【出願日】2022-05-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】土門 弘典
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】オンラインで提供された所定のギフトを受け取る際のサービス利用者のユーザビリティを向上する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムする。
【解決手段】端末装置及び決済サーバが、ネットワークを介して相互に通信可能に接続される情報処理システムにおいて、決済サーバ100は、登録部131と、送金処理部135とを有する。登録部131は、個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスのサービス利用者からの要求に応じて、サービス利用者を識別するための利用者識別情報に対応付けて、サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する。送金処理部135は、集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先のサービス利用者に対して送金要求に応じた受取操作を要求することなく、送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスのサービス利用者からの要求に応じて、前記サービス利用者を識別するための利用者識別情報に対応付けて、前記サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する登録部と、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先のサービス利用者に対して前記送金要求に応じた受取操作を要求することなく、前記送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する送金処理部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送金処理部は、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求に対して、対応するテーマが設定されていることを条件として、前記送金指示取引を処理する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記サービス利用者からの要求に応じて、前記サービス利用者に紐付く前記集金用識別情報を送金先とする送金履歴を取得し、取得した送金履歴を所定の単位でスレッド化して提供する提供部
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスのサービス利用者からの要求に応じて、前記サービス利用者を識別するための利用者識別情報に対応付けて、前記サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する登録工程と、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先のサービス利用者に対して前記送金要求に応じた受取操作を要求することなく、前記送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する送金処理工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスのサービス利用者からの要求に応じて、前記サービス利用者を識別するための利用者識別情報に対応付けて、前記サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する登録手順と、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先のサービス利用者に対して前記送金要求に応じた受取操作を要求することなく、前記送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する送金処理手順と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、インターネットなどのネットワークを通じて、自主製作したコンテンツを配信することが可能なプラットフォームが整備され、オンラインコミュニケーションにおいて誰でも気軽にクリエイター側として活動することが可能な時代となりつつある。また、たとえば、このようなオンラインコミュニケーションにおいて、コンテンツの提供者を応援することを目的として、視聴者から提供者に対し、オンラインで所定のギフトを送る技術なども提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、オンラインで提供された所定のギフトを受け取る際のサービス利用者のユーザビリティの向上が求められている。たとえば、オンラインで送金されたデジタルマネーを受け取る場合、サービス利用者は、その都度、受取操作を行う必要がある。このため、受取操作の頻度が多くなれば、サービス利用者のユーザビリティは著しく低下する。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、オンラインで提供された所定のギフトを受け取る際のサービス利用者のユーザビリティを向上できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、登録部と、送金処理部とを有する。登録部は、個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスのサービス利用者からの要求に応じて、サービス利用者を識別するための利用者識別情報に対応付けて、サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する。送金処理部は、集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先のサービス利用者に対して送金要求に応じた受取操作を要求することなく、送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、オンラインで提供された所定のギフトを受け取る際のサービス利用者のユーザビリティを向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る共有コンテンツの提供処理の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る投げ銭ルームの表示例(その1)を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る投げ銭ルームの表示例(その2)を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る投げ銭要求に対応する送金指示取引の処理結果反映後の投げ銭ルームの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る投げ銭要求に対応する送金指示取引の処理結果反映後の送金先選択画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るクリエイター登録処理の概要を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る投げ銭ルームの情報提供例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るユーザ情報データベースの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るウォレット情報データベースに記憶されるウォレット情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る送金履歴データベースに記憶される情報の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る決済サーバにより実行される情報処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態に係る決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置などにより実現される情報処理について説明する。
図1は、実施形態に係る共有コンテンツの提供処理の概要を示す図である。なお、
図1では、実施形態に係る情報処理装置の一例である決済サーバ100によって、実施形態に係る情報処理などが実現されるものとする。
【0011】
(1-1.システム構成)
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSYSは、端末装置10と、決済サーバ100とを含む。端末装置10、及び決済サーバ100は、ネットワークN(たとえば、
図8参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、たとえば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、
図1に示した情報処理システムSYSには、複数の端末装置10や、複数の決済サーバ100が含まれていてもよい。
【0012】
図1に示す決済サーバ100は、実施形態に係る情報処理を実行する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステムなどにより実現される。たとえば、決済サーバ100の管理者は、端末装置10を用いた電子決済に関する電子決済サービス(コード決済による電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を提供するサービス)をサービス利用者に提供するプラットフォームサービスを展開する。決済サーバ100は、電子決済サービスに関する情報処理を実行する。また、電子決済サービスは、個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な送金サービスを含んでいる。具体的には、決済サーバ100は、コード決済を実現するための利用者端末用のアプリケーションプログラム(以下、適宜「ユーザアプリ」と称する。)を、サービス利用者である一般消費者に配布する。決済サーバ100は、ユーザアプリ専用のインターフェイスを介して、ユーザアプリからの取引要求を受け付けた場合は、その取引要求に従って、口座間(ユーザアカウントに紐づくウォレット間)における電子マネーや仮想通貨などのデジタルマネー(以下、「電子マネー」と称する。)のやり取りなどを含む情報処理を実行する。ユーザアプリは、決済先(送金先)、決済元(送金元)、及び決済金額(送金金額)などの情報を含む取引情報を決済サーバ100に送信する機能を有している。なお、取引情報には、上述の各情報の他、取引を個別に特定するための取引コードや、取引が行われた日時を特定するための日時情報(タイムスタンプ)などの情報が含まれていてもよい。
【0013】
また、決済サーバ100は、上述のサービスの一環として、サービス利用者からの要求に応じて、後述するクリエイターID(「集金用識別情報」の一例)の利用登録を受け付ける。クリエイターIDは、電子決済サービスのサービス利用者が他のサービス利用者から資金調達を行う際に利用する識別情報である。たとえば、クリエイターIDは、配信するコンテンツに対する視聴者からの応援として送金される電子マネーの送金先を示す送金先識別情報として利用される。
【0014】
図1に示す端末装置10は、決済サーバ100により提供される電子決済サービスを利用するサービス利用者(たとえば、サービス利用者UZなど)によって利用される情報処理端末である。端末装置10は、たとえば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現される。また、端末装置10は、決済サーバ100によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、
図1では、端末装置10としてスマートフォンを例示している。
【0015】
なお、端末装置10は、所定の情報処理を実現する制御情報を決済サーバ100から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、たとえばJavaScript(登録商標)などのスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語、Java(登録商標)などのプログラミング言語、HTML(HyperText Markup Language)などのマークアップ言語などにより記述される。なお、決済サーバ100から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0016】
(1-2.端末装置10を用いた決済について)
ここで、端末装置10を用いたコード決済(電子決済)の一例について説明する。以下の説明では、店舗Xに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗Xを識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、店舗Xから取引対象の提供を受けるサービス利用者UZが端末装置10を用いた決済を行う例について説明する。なお、以下に説明するコード決済の一例は、任意のサービス利用者が任意の端末装置10を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報を示す2次元コードは、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号などであってもよい。また、2次元コードは、紙などの媒体に印字された印刷物により物理的に構成される例に限られず、任意の端末に表示される画像情報により構成されていてもよい。また、店舗識別情報は、電子決済サービスの加盟店として店舗Xのブランドを識別するために個別に付与される加盟店IDと、店舗Xそのものを識別するために付与される店舗IDとが含まれていてもよい。
【0017】
たとえば、サービス利用者UZが店舗Xにて各種の商品やサービスといった取引対象の購入や利用に伴う決済を行う場合、サービス利用者UZは、端末装置10に予めインストールされたユーザアプリを起動する。そして、サービス利用者UZは、ユーザアプリを介して、店舗Xに設置された2次元コードを撮影する。このような場合、端末装置10は、取引対象の価格を入力するための画面を表示し、サービス利用者UZあるいは店舗Xの店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、端末装置10は、サービス利用者UZを識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(もしくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗Xを示す情報(たとえば、店舗ID))と、決済額とを含む取引情報を決済サーバ100へと送信する。
【0018】
決済サーバ100は、端末装置10から取引情報を受け付けると、利用者識別情報が示すサービス利用者UZの口座(ユーザアカウントに紐づくウォレット)から、店舗識別情報が示す店舗Xの口座(ユーザアカウントに紐づくウォレット)へと、決済額に相当する分の電子マネーを移行させる。このとき、決済サーバ100は、決済額に相当する分の電子マネーから店舗Xに課金する所定の手数料を差し引いてから、店舗Xの口座へ移行させてもよい。そして、決済サーバ100は、取引が完了した旨の通知を端末装置10へと送信する。このような場合、端末装置10は、取引が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる取引が完了した旨をサービス利用者UZに通知する。あるいは、決済サーバ100は、利用者識別情報が示すサービス利用者UZの口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出して店舗Xの売り上げ情報として管理し、所定のタイミングで売上に相当する額の現金を店舗Xが保有する銀行口座に振り込んでもよい。この場合、決済サーバ100は、利用者UXの口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出したタイミングで、電子マネーによる取引が完了した旨をサービス利用者UZに通知してもよい。
【0019】
なお、端末装置10を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。たとえば、端末装置10を用いた決済は、店舗Xに設置された端末装置(以下、「店舗端末」と称する。)を用いたものであってもよい。具体的には、まず、端末装置10は、サービス利用者UZを識別するための利用者識別情報を示すコード情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗端末は、端末装置10に表示されたコード情報から利用者識別情報を読み取り、読み取った利用者識別情報(もしくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者UXを示す情報(たとえば、利用者ID))と、決済額と、店舗Xを識別する情報とを含む取引情報を決済サーバ100へと送信する。
【0020】
決済サーバ100は、店舗端末から取引情報を受け付けると、利用者識別情報が示すサービス利用者UZの口座から、店舗Xの口座へと、決済額に相当する分の電子マネーを移行させる。そして、決済サーバ100は、店舗端末あるいは端末装置10に対し、取引が完了した旨の通知を送信する。店舗端末あるいは端末装置10は、取引が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる取引が完了した旨をサービス利用者UZに通知する。また、決済サーバ100は、利用者識別情報が示すサービス利用者UZの口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出して店舗Xの売り上げ情報として管理し、所定のタイミングで売上に相当する額の現金を店舗Xが保有する銀行口座に振り込んでもよい。この場合、決済サーバ100は、サービス利用者UZの口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出したタイミングで、電子マネーによる取引が完了した旨を店員あるいはサービス利用者UZに通知してもよい。
【0021】
また、端末装置10を用いた決済は、サービス利用者UZが予め電子マネーをチャージした口座から店舗Xの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、たとえば、サービス利用者UZが予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、たとえば、端末装置10は、店舗Xの口座に対して決済金額が示す額の電子マネーを移行させるとともに、サービス利用者UZのクレジットカードの運用会社に対し、決済金額が示す額を請求してもよい。
【0022】
また、端末装置10を用いた決済は、サービス利用者UZの口座から店舗Xの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、たとえば、サービス利用者UZの口座から他のサービス利用者の口座へと電子マネーを移行させる決済(すなわち、サービス利用者間での送金)であってもよい。たとえば、送金元のサービス利用者UZが利用する端末装置10は、送金先のユーザであるサービス利用者を識別する利用者識別情報(たとえば、送金先のサービス利用者が利用する端末装置10に表示される利用者識別情報)を読み取り、サービス利用者UZから送金金額の入力を受け付け、読み取った識別情報と、送金金額と、サービス利用者UZを識別する利用者識別情報とを示す情報を決済サーバ100へと送信する。このような場合、決済サーバ100は、サービス利用者UZの口座から、送金先のサービス利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させ、端末装置10または送金先のサービス利用者が利用する端末装置10に対し、送金が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、送金が行われた旨を通知してもよい。
【0023】
なお、端末装置10を用いた送金は、上述した処理に限定されるものではない。たとえば、端末装置10を用いた送金は、送金先のユーザであるサービス利用者の電話番号や、送金先のユーザであるサービス利用者を示す情報(たとえば、利用者ID)を端末装置10に入力することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、端末装置10は、送金先のサービス利用者の電話番号または利用者IDと、送金金額との入力をサービス利用者UZから受け付け、入力された電話番号または利用者ID(送金先識別情報)と、送金金額と、サービス利用者UZを識別する利用者識別情報(送金元識別情報)とを決済サーバ100へと送信する。そして、決済サーバ100は、サービス利用者UZの口座から、送信された電話番号または利用者IDに紐づけられたサービス利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0024】
ここで、送金先のユーザであるサービス利用者の電話番号や利用者IDは、当該ユーザに関する情報と紐付けてユーザアプリに予め登録されていてもよい。この場合、端末装置10は、ユーザアプリに登録されたユーザ(送金先)の指定と、当該ユーザへの送金金額の入力とを利用者UXから受け付け、指定されたユーザに紐付けられた電話番号または利用者IDと、送金金額と、利用者UXを識別する利用者識別情報とを決済サーバ100へと送信する。
【0025】
また、たとえば、端末装置10を用いた送金は、送金金額を受け取るためのリンク情報を送金先のユーザであるサービス利用者に提供することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、端末装置10は、サービス利用者UZから送金金額の入力を受け付けて送金金額を受け取るためのリンク情報を生成し、リンク情報を含む電子メールを送信したり、リンク情報を含む投稿情報をSNS(Social Networking Service)に投稿したりすることで、送金先のユーザであるサービス利用者が利用する端末装置10にリンク情報を提供する。そして、送金先のユーザであるサービス利用者がリンク情報を選択して受け取り操作を行った場合、決済サーバ100は、サービス利用者UZの口座から、送金先のユーザであるサービス利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。上述してきたように、決済サーバ100は、サービス利用者に電子決済サービスを提供する同一のプラットフォーム上で、電子マネーを用いた決済、及び電子マネーの送金に関する情報処理を実行できる。
【0026】
なお、上述した決済手段や決済サービスは、商品の購入や役務の提供に対する対価の提供(債務の精算)のためのものに限定されるものではない。たとえば、上述したように、決済手段や決済サービスは、複数のユーザが有する口座間の送金に関する機能を有していてもよい。すなわち、上述した決済手段や決済サービスは、ユーザや店舗等、電子マネーの所有者と紐づく任意の所有者の口座間における電子マネーの送受信を制御するサービスであればよい。すなわち、実施形態に係る決済手段や決済サービスは、電子マネーのやり取りを実現するための各種制御(電子マネーを介した各種の口座間送金制御のみならず、電子マネー口座と銀行口座間のやり取りに関する制御や、分割、ボーナス払いに伴う処理といった各種債権処理、その他電子マネーを含む財産のやり取りに関する各種制御)を実行する取引手段や取引サービスであれば、任意の態様で提供されるものであってもよい。また、このような取引手段や取引サービスが実現する各種の制御には、決済に関する制御と送金に関する制御の両方が含まれていてもよく、いずれか一方のみが含まれていてもよい。すなわち、「取引」とは、電子マネーに関する「決済」のみならず、電子マネーの「送金」やその他各種の処理をも含む概念である。すなわち、決済サーバ100は、任意の所有者間における電子マネーのやり取りを制御する取引手段を実現する情報処理装置であってもよい。
【0027】
(1-3.実施形態の概要について)
(1-3-1.共有コンテンツ提供処理)
以下、決済サーバ100が実行する情報処理の概要を説明する。まず、
図1を用いて、共有コンテンツの提供処理について説明する。
図1は、実施形態に係る共有コンテンツの提供処理の概要を示す図である。以下では、サービス利用者UZが電子決済サービスのプラットフォームを通じて、コンテンツを提供するクリエイターに対してオンライン送金を行う際に、決済サーバ100により実行される情報処理の一例について説明する。また、以下では、クリエイターに対して贈られるギフトが投げ銭である場合を例示する。
【0028】
図1に示すように、端末装置10-1は、サービス利用者UZにより電子マネーの送金先として指定された送金先識別情報を決済サーバ100に送信する(ステップS1)。以下、端末装置10-1に表示されるユーザアプリの画面遷移を交えつつ、決済サーバ100から端末装置10-1に対して共有コンテンツが提供されるまでの流れを具体的に説明する。
【0029】
たとえば、サービス利用者UZは、端末装置10-1を操作してユーザアプリを起動することにより、ユーザアプリのトップ画面W1を端末装置10-1に表示させる。たとえば、トップ画面W1には、電子マネーの送金を行うためのアイコンOB1が設けられている。サービス利用者UZは、ユーザアプリのトップ画面W1に設けられているアイコンOB1を操作することにより、電子マネーの送金先を選択するための送金先選択画面W2を端末装置10-1に表示させる。そして、サービス利用者UZは、送金先選択画面W2において送金先の選択を行う。
【0030】
図1に示す送金先選択画面W2には、アイコンと表示名とで構成される連絡先情報がリスト表示される。また、
図1に示す送金先選択画面W2には、サービス利用者UZにより送金先として過去に選択された送金先の選択履歴を表示するタブや、サービス利用者UZが電子決済サービスの利用登録の際に設定した連絡先を表示するタブや、サービス利用者UZにより送金先として過去に選択されたことがあるクリエイターを表示するタブが設けられている。
図1に示す送金先選択画面W2には、サービス利用者UZによる送金先の選択履歴のタブが選択されている情報が示されている。
【0031】
また、
図1に示す送金先選択画面W2には、送金先を検索するための検索ボックスが設けられている。たとえば、
図1に示すように、サービス利用者UZが、送金先選択画面W2の検索ボックスに送金先に指定するサービス利用者に紐付く情報を入力すると、検索結果を示す検索結果画面W3が端末装置10-1に表示される。検索ボックスに入力可能なサービス利用者に紐付く情報として、電子決済サービスの利用者識別情報であるユーザIDや、電話番号や、電子決済サービスにおけるユーザの表示名や、クリエイターIDなどが例示される。なお、検索ボックスに入力可能な情報は、完全な情報である必要はなく、情報の一部分を示す文字列であってもよい。
【0032】
具体的には、端末装置10-1で動作中のユーザアプリは、検索ボックスに入力された検索文字列「XXX」を決済サーバ100に送信する。決済サーバ100は、ユーザアプリから検索文字列「XXX」を受信すると、ユーザ情報を参照して、受信した検索文字列「XXX」に対応する送金先情報の検索を実行し、送金先情報を取得する。このとき、決済サーバ100は、検索文字列に対応する検索結果の中にクリエイターIDに紐付く情報が含まれる場合、クリエイターIDに紐付く送金先情報と、それ以外の送金先情報とが分けて表示されるように、検索結果をユーザアプリに応答する。ユーザアプリは、決済サーバ100から受信した検索結果を検索結果画面W3に表示する。たとえば、
図1に示す検索結果画面W3には、検索文字列「XXX」に対応する検索結果としてサービス利用者に関する情報が2つ表示されており、一方の検索結果である「USER XXX2」は検索結果画面W3においてクリエイターの欄に分けて表示されている。
【0033】
サービス利用者UZは、たとえば、検索結果画面W3に検索結果として表示されたサービス利用者の中から、送金先として指定するサービス利用者を選択する。たとえば、
図1では、サービス利用者UZにより、クリエイターの欄に分けて表示されている「USER XXX2」が選択される例が示されている。これにより、端末装置10-1で動作中のユーザアプリは、サービス利用者UZにより選択されたサービス利用者の情報を、送金先情報として決済サーバ100に送信する。たとえば、ユーザアプリは、決済サーバ100に対して、サービス利用者UZにより選択された「USER XXX2」に対応付けられているクリエイターIDを送金先情報として送信する。
【0034】
また、決済サーバ100は、個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスのサービス利用者を識別するための利用者識別情報であるユーザIDに対応付けて、送金サービスを利用して行われた送金の履歴である送金履歴を記憶する。そして、決済サーバ100は、端末装置10-1で動作中のユーザアプリから送金先情報を受信すると、受信した送金先情報がクリエイターIDであることを条件として、クリエイターIDを送金先とする送金履歴を取得する(ステップS2)。また、決済サーバ100は、取得した送金履歴に基づいて、クリエイターIDを送金先として送金を行った各サービス利用者により共有される共有コンテンツである投げ銭ルームW4を生成する(ステップS3)。なお、共有コンテンツである投げ銭ルームは、後述するクリエイター登録処理により、クリエイターIDの発行を行ったサービス利用者(たとえば、
図6に示すサービス利用者UX)から、クリエイターIDの発行と同時に行われる投げ銭ルームの作成要求に応じて、決済サーバ100により生成される。そして、決済サーバ100は、生成した投げ銭ルームW4を端末装置10-1で動作中のユーザアプリに提供(連携)する(ステップS4)。なお、決済サーバ100は、ユーザアプリから送金先情報としてクリエイターIDを受信した時点で、受信したクリエイターIDに対応する投げ銭ルームW4が作成済みである場合、作成済みの投げ銭ルームW4をユーザアプリに提供してもよいし、作成済みの投げ銭ルームW4の有無に関わらず、ユーザアプリからクリエイターIDを受け付けた時点で新たなスレッドを立ち上げて投げ銭ルームW4を作成してもよい。
【0035】
端末装置10-1で動作中のユーザアプリは、決済サーバ100から提供された投げ銭ルームW4を端末装置10-1に表示する。
図1に示す投げ銭ルームW4には、サービス利用者UZにより選択されたクリエイター「USER XXX2」を送金先とする各サービス利用者による送金金額を示す第1のオブジェクトOB1-1,OB1-2,OB1-3が送金順に表示されている。また、
図1に示す投げ銭ルームW4には、各サービス利用者により送金時に作成されたメッセージを示す第2のオブジェクトOB2-1,OB2-2,OB2-3が、対応する第1のオブジェクトOB1の各々に関連付けて表示されている。
【0036】
図1に示す表示形態に限られず、決済サーバ100は、送金金額に応じて、送金金額を示す第1のオブジェクトOB1の表示形態を変更した共有コンテンツである投げ銭ルームW4を生成してもよい。
図2は、実施形態に係る投げ銭ルームの表示例(その1)を示す図である。たとえば、決済サーバ100は、送金金額が大きいほど、第1のオブジェクトOB1の表示サイズを大きくしてもよい。具体的には、決済サーバ100は、送金金額が所定条件を満たした場合、送金金額を示す第1のオブジェクトOB1を、送金金額が基準金額よりも少ない場合に生成される第1のオブジェクトOB1よりも大きくなるように表示形態を変更した共有コンテンツである投げ銭ルームW4を生成する。例えば、基準金額が「3,000円」である場合、決済サーバ100は、送金金額がこの基準金額よりも大きければ、
図2および
図3のように表示形態を変更した共有コンテンツを生成する。
図2によれば、送金金額「10,000円」を示す第1のオブジェクトOB1-5が、送金金額「500円」を示す第1のオブジェクトOB1-6や、送金金額「800円」を示す第1のオブジェクトOB1-7よりも大きい表示サイズで構成される投げ銭ルームW4の例が示されている。また、
図2によれば、送金金額「500円」を示す第1のオブジェクトOB1-6、及び送金金額「800円」を示す第1のオブジェクトOB1-7が同一の表示サイズで構成される投げ銭ルームW4の例が示されている。なお、表示サイズは、送金金額に応じて予め設定される変動率により任意に変更されてもよい。また、決済サーバ100は、送金先であるサービス利用者(たとえば、USER XXX2)から投げ銭ルームW4に対するメッセージを受け付けた場合、そのメッセージを示す第3のオブジェクトを表示する投げ銭ルームW4を生成してもよい。
【0037】
また、決済サーバ100は、送金金額が所定金額以上(たとえば、1万円以上)の場合、共有コンテンツである投げ銭ルームW4が表示される表示画面がスクロールされても、第1のオブジェクトOB1を表示画面において固定表示するように表示形態を変更した投げ銭ルームW4を生成してもよい。
図3は、実施形態に係る投げ銭ルームの表示例(その2)を示す図である。なお、
図3に向かって、左側の図はスクロール前の投げ銭ルームW4の表示例を示し、右側の図はスクロール後の投げ銭ルームW4の表示例を示している。
図3によれば、送金金額「10,000円」を示す第1のオブジェクトOB1-5を、投げ銭ルームW4の表示画面において、
図3に向かって上方の領域に固定表示される例が示されている。また、
図3によれば、投げ銭ルームW4が表示される表示画面がスクロールにより、投げ銭ルームW4の表示画面において、送金金額「500円」を示す第1のオブジェクトOB1-6が隠れ、送金金額「300円」を示す第1のオブジェクトOB1-8が新たに出現した例が示されている。
【0038】
サービス利用者UZは、投げ銭ルームW4に設けられている応援ボタンOB3を操作することにより、投げ銭ルームW4から直接、クリエイター「USER XXX2」に対する投げ銭を行うことができる。以下、実施形態に係る投げ銭の操作および画面遷移の一例について簡単に説明する。
【0039】
端末装置10-1で動作中のユーザアプリは、応援ボタンOB3に対する操作があると、送金金額入力画面W5を端末装置10-1に表示する。送金金額入力画面W5は、金額入力を行うための複数のキーや、送金金額の入力を確定して次の処理へ進むための「次へ」ボタンが設けられている。たとえば、「次へ」ボタンは、金額の入力に連動して有効な状態に遷移してもよい。そして、ユーザアプリは、送金金額入力画面W5に設けられている「次へ」ボタンに対する操作があると、投げ銭送信画面W6を端末装置10-1に表示させる。
【0040】
図1に示す投げ銭送信画面W6には、メッセージ作成ボタンOB4や、テーマアイコンOB5-1,OB5-2,OB5-3や、投げ銭要求ボタンOB6などが設けられている。メッセージ作成ボタンOB4は、投げ銭時に付帯するメッセージを希望する際に利用される。テーマアイコンOB5は、送金の目的を示す情報をサービス利用者自身に選択させるために利用される。たとえば、テーマアイコンOB5-1は、送金の目的が投げ銭である場合にサービス利用者UZが選択するアイコンであり、テーマアイコンOB5-2は、送金の目的が割り勘の精算である場合にサービス利用者UZが選択するアイコンであり、テーマアイコンOB5-3は、送金の目的がプレゼントである場合にサービス利用者UZが選択するアイコンである。投げ銭要求ボタンOB6は、決済サーバ100に対して投げ銭の処理を要求するために利用される。
【0041】
端末装置10-1で動作中のユーザアプリは、メッセージ作成ボタンOB4に対する操作があると、メッセージ作成画面W7を端末装置10-1に表示させる。メッセージ作成画面W7には、送金元であるサービス利用者からメッセージが入力されるメッセージ入力ボックスBX1や、メッセージ追加ボタンOB7などが設けられている。
図1に示すメッセージ作成画面W7のメッセージ入力ボックスBX1には、「大事に使ってね」のメッセージが入力されている様子が示されている。また、ユーザアプリは、メッセージ追加ボタンOB7に対する操作があると、入力が確定されたメッセージを表示する投げ銭送信画面W6を端末装置10-1に再表示する。そして、ユーザアプリは、テーマアイコンOB5-1を選択した後、投げ銭要求ボタンOB6の操作があると、決済サーバ100に対して投げ銭要求を送信する。投げ銭要求には、送金先として指定されたクリエイターIDと、送金金額と、送金元であるサービス利用者UZのユーザIDと、テーマアイコンOB5-1を示す情報とが含まれる。
【0042】
決済サーバ100は、端末装置10-1で動作中のユーザアプリから投げ銭要求を受信すると、受信した投げ銭要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する。具体的には、決済サーバ100は、サービス利用者UZの口座(ユーザアカウントに紐づくウォレット)から、送金先であるサービス利用者:「USER XXX2」の口座(ユーザアカウントに紐づくウォレット)へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0043】
なお、決済サーバ100は、端末装置10-1から受信した投げ銭要求にテーマが設定されていることを条件として、投げ銭要求に対応する送金指示取引を処理してもよい。これにより、決済サーバ100は、サービス利用者UZにより投げ銭要求を目的として行われた送金の情報を効率的に管理できる。
【0044】
また、決済サーバ100は、サービス利用者UZからの投げ銭要求に対応する送金指示取引の処理が完了すると、送金指示取引の処理結果を投げ銭ルームW4に反映する。
図4は、実施形態に係る投げ銭要求に対応する送金指示取引の処理結果反映後の投げ銭ルームの一例を示す図である。
図4に示す投げ銭ルームW4には、サービス利用者UZによる投げ銭要求に対応する送金履歴として、第1のオブジェクトOB1-4および第2のオブジェクトOB2-4が反映されている。
【0045】
また、決済サーバ100は、サービス利用者UZからの投げ銭要求に対応する送金指示取引の処理が完了すると、送金指示取引の処理結果に基づく情報を送金先選択画面W2に反映する。
図5は、実施形態に係る投げ銭要求に対応する送金指示取引の処理結果反映後の送金先選択画面の一例を示す図である。
図5に示す送金先選択画面W2には、サービス利用者UZが送金先に指定した「USER XXX2」の情報がクリエイターのタブに反映されている。
【0046】
(1-3-2.クリエイター登録処理)
続いて、
図6を用いて、実施形態に係るクリエイター登録処理について説明する。
図6は、実施形態に係るクリエイター登録処理の概要を示す図である。以下、端末装置10に表示されるユーザアプリの画面遷移を交えつつ、サービス利用者UXによるクリエイター登録処理の流れを具体的に説明する。なお、
図6に示す端末装置10-2は、サービス利用者UXにより使用される情報処理端末の一例である。
【0047】
図6に示すように、サービス利用者UXは、送金先選択画面W2に対してメニューMを表示させ、メニューMに設けられているクリエイター登録ボタンOB11を操作する。これにより、端末装置10-2で動作中のユーザアプリは、サービス利用者UXによりクリエイター登録ボタンOB11が操作されると、クリエイター登録用のトップ画面W11を端末装置10-2に表示させる。
【0048】
端末装置10に表示されるクリエイター登録用のトップ画面W11には、登録処理の手順を進めるためのボタンOB12が設けられている。端末装置10-2で動作中のユーザアプリは、サービス利用者UXによりボタンOB12が操作されると、アカウント情報の設定画面W12を端末装置10-2に表示させる。設定画面W12には、表示名や、クリエイターIDや、本人確認および口座認証などの複数の設定項目の設定状況を表示するエリアと、アカウント情報を保存するための保存ボタンOB13が設けられている。
図6に示す例では、設定画面W12に、サービス利用者UXを示すデフォルトのアイコン以外、全ての情報が未設定の状態である様子が示されている。なお、サービス利用者UXを示すデフォルトのアイコンとして、電子決済サービスで利用されているアイコンがそのまま利用されてもよい。
【0049】
端末装置10-2で動作中のユーザアプリは、サービス利用者UXによりクリエイターIDのエリアが操作されると、クリエイターIDの設定画面W13を端末装置10-2に表示させる。設定画面W13には、クリエイターIDの入力領域や、クリエイターIDの設定ボタンOB14などが設けられている。
図6に示す例では、設定画面W13に、クリエイターIDとして、「CRE_XXX」が入力されている様子が示されている。たとえば、ユーザアプリは、設定画面W13にクリエイターIDとして入力された文字列の情報をリアルタイムに決済サーバ100に送信し、有効な文字列であるか否かの判定結果を決済サーバ100から逐次取得し、設定画面W13に反映させる。設定ボタンOB14は、たとえば、クリエイターIDとして適正な文字列が入力された場合に有効な状態へと遷移するようにしてもよい。なお、クリエイターIDは、サービス利用者が設定する任意の文字列に限られず、決済サーバ100がサービス利用者に対して固有に発行する2次元コードであってもよい。
【0050】
また、
図6において、図示は省略しているが、ユーザアプリは、サービス利用者UXにより設定ボタンOB14が操作されると、アカウント情報の設定画面W12を端末装置10-2に再表示させ、設定状況を更新する。そして、ユーザアプリは、設定画面12において、サービス利用者UXにより設定が済んでいないアカウント情報の設定項目に対する操作に応じて、対応する設定画面を端末装置10-2に表示させる。
【0051】
そして、端末装置10-2で動作中のユーザアプリは、サービス利用者UXにより、設定画面W12に設けられている保存ボタンOB13が操作されると、サービス利用者UXのユーザIDとともに、サービス利用者UXにより設定されたアカウント情報を決済サーバ100に送信する(ステップS11)。決済サーバ100は、端末装置10-2で動作中のユーザアプリからアカウント情報を受信すると、アカウント情報とともに受信したユーザIDに対応付けてアカウント情報を登録する登録処理を実行する(ステップS12)。決済サーバ100は、登録処理が完了すると、ユーザアプリに登録完了画面W14を提供する(ステップS13)。ユーザアプリは、決済サーバ100から受信した登録完了画面W14を端末装置10-2に表示させる。たとえば、
図6に示す登録完了画面W14には、クリエイターIDについてのチュートリアルを表示させるためのボタンOB15が設けられている。
【0052】
このようにして、決済サーバ100は、サービス利用者UZが利用中の電子決済サービスのプラットフォームを通じて、サービス利用者がギフトの提供を行うことが可能なサービスを提供する。これにより、決済サーバ100は、クリエイターの応援を望むサービス利用者UZがクリエイターと同一のプラットフォームへの登録や支払方法の登録などを行うことなく、サービス利用者が利用中の電子決済サービスのプラットフォームを利用して、クリエイターに対して手軽に投げ銭を行うことができ、サービス利用者UZのユーザビリティを向上できる。一方で、決済サーバ100は、クリエイター登録を通じて、サービス利用者の資金調達を支援することができ、クリエイターとしての活動を望むサービス利用者のユーザビリティを向上できる。より詳細には、クリエイターとして活動を望むサービス利用者の中には、楽器演奏等の実演をオンラインで配信する者もいる。このようなクリエイターは、実演中に端末装置10-1を操作して、いずれのユーザから投げ銭があったかを確認することが難しい。共有コンテンツである投げ銭ルームW4のように表示が可能であれば、クリエイターが実演中であっても、投げ銭の発生を一覧することができる、という効果を奏する。
【0053】
また、決済サーバ100は、クリエイター登録を行ったサービス利用者UXからの要求に応じて、投げ銭ルームの情報を提供してもよい。
図7は、実施形態に係る投げ銭ルームの情報提供例を示す図である。
【0054】
図7に示すように、端末装置10-2で動作中のユーザアプリは、サービス利用者UXからの要求に応じて、投げ銭ルーム情報の取得要求を決済サーバ100に送信する(ステップS21)。決済サーバ100は、ユーザアプリからの要求に応じて、サービス利用者UXに対応する投げ銭ルーム管理画面W21をユーザアプリに提供する(ステップS22)。
図7に示すように、投げ銭ルーム管理画面W21では、投げ銭ルームの情報がスレッド化された状態(投げ銭のやり取りにおける一連の流れの単位(たとえば、コンテンツの単位)で集約された状態)で管理されている。投げ銭ルームのスレッド化は、決済サーバ100がサービス利用者UXを送金先とする投げ銭要求の処理状況に基づいて自動的にスレッド化を実行してもよいし、サービス利用者UXから投げ銭ルームに対するトピックの設定(投げ銭の受付開始時刻および終了時刻を含む)を受け付けて、受け付けた設定に基づいてスレッド化を実行してもよい。また、決済サーバ100は、予め設定される期間限定で投げ銭ルームをサービス利用者に提供してもよい。
【0055】
〔2.決済サーバの構成〕
次に、
図8を用いて、決済サーバ100の構成について説明する。
図8は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
図8に示すように、決済サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0056】
(通信部110について)
通信部110は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置10などとの間で情報の送受信を行う。
【0057】
(記憶部120について)
記憶部120は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図8に示すように、記憶部120は、ユーザ情報データベース121と、ウォレット情報データベース122と、送金履歴データベース123とを有する。なお、
図8に示す例に限られず、記憶部120は、ユーザ情報データベース121とウォレット情報データベース122とが統合された1つのデータベースを記憶してもよいし、上述したデータベース以外の他の情報を記憶するデータベースを記憶してもよい。
【0058】
(ユーザ情報データベース121について)
ユーザ情報データベース121は、サービス利用者に関する情報を記憶する。
図9は、実施形態に係るユーザ情報データベースの一例を示す図である。
図9に示すように、ユーザ情報データベース121は、「ユーザID」の項目や、「クリエイターID」の項目や、「表示名」の項目や、「アイコン」の項目や、「本人確認情報」の項目や、「ウォレットID」の項目などを有しており、これらの項目は相互に対応付けられている。
【0059】
「ユーザID」の項目には、電子決済サービスを利用するサービス利用者を識別するためのユーザIDが記憶される。ユーザIDは、たとえば、電子決済サービスの利用登録の際の個別に割り当てられる。
【0060】
「クリエイターID」の項目には、クリエイター登録を行ったサービス利用者に対し、ユーザIDに対応付けて個別に割り当てられるクリエイターIDが記憶される。
【0061】
「表示名」の項目には、クリエイターIDを利用して投げ銭の受付を行う場合に、送金先情報に表示される表示名を示す情報が記憶される。
【0062】
「表示名」の項目には、クリエイターIDを利用して投げ銭の受付を行う場合に、送金先情報に表示されるアイコンを示す情報が記憶される。
【0063】
「本人確認情報」の項目には、クリエイター登録を行った際にサービス利用者により提供される本人確認情報が記憶される。
【0064】
「ウォレットID」の項目には、電子決済サービスにおいてサービス利用者に割り当てられているウォレットを識別するためのウォレットIDが記憶される。
【0065】
図9によれば、ユーザID:「U#001」で識別されるサービス利用者に対して、クリエイターID:「CRE_XXX」が対応付けられている。また、
図9によれば、クリエイターID:「CRE_XXX」を用いて、投げ銭の受付を行う場合の表示名が「USER XXX2」であり、アイコンが「アイコンEX-1」であり、クリエイター登録を行った際の本人確認情報が「本人EX-1」であり、対応するウォレットIDが「ウォレット#001」であることが示されている。
【0066】
(ウォレット情報データベース122について)
ウォレット情報データベース122は、サービス利用者に対応するウォレットに関する情報を記憶する。
図10は、実施形態に係るウォレット情報データベースに記憶されるウォレット情報の一例を示す図である。
図10に示すように、ウォレット情報データベース121は、「ウォレットID」の項目と、「マネー残高」の項目とを有し、これらの項目が相互に対応付けられている。
【0067】
「ウォレットID」の項目には、電子決済サービスにおいてサービス利用者に割り当てられているウォレットを識別するためのウォレットIDが記憶される。なお、ウォレット情報データベース122が有する「ウォレットID」の項目に記憶される情報は、ユーザ情報データベース121が有する「ウォレットID」の項目に記憶される情報に対応する。「マネー残高」の項目には、ウォレットに記録されている電子マネーの残高を示す情報が記憶される。
【0068】
図10によれば、ウォレットID:「ウォレット#001」によって識別されるウォレットに記録されているマネー残高が「マネー残高EX-1」であることが示されている。
【0069】
(送金履歴データベース123について)
送金履歴データベース123は、個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な送金サービスの各サービス利用者の送金履歴を記憶する。たとえば、送金履歴データベース123は、サービス利用者を識別するための利用者識別情報であるユーザIDに対応付けて、送金サービスを利用して行われた送金履歴に関する情報を記憶する。
図11は、実施形態に係る送金履歴データベースに記憶される情報の一例を示す図である。
【0070】
図11に示すように、送金履歴データベース123は、サービス利用者ごとに、「ユーザID」の項目や、「送金先ID」の項目や、「送金日時」の項目や、「送金金額」の項目や、「送金テーマ」の項目や、「メッセージ」の項目といった複数の項目を有する。送金履歴データベース123が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0071】
「ユーザID」項目には、電子決済サービスを利用するサービス利用者を識別するためのユーザIDが記憶される。なお、送金履歴データベース123が有する「ユーザID」の項目に記憶される情報は、ユーザ情報データベース121が有する「ユーザID」の項目に記憶される情報に対応する。
【0072】
「送金先ID」の項目には、送金先に指定された送金先を識別するための送金先IDが記憶される。たとえば、「送金先ID」の項目には、投げ銭以外の通常の送金である場合にはユーザIDが記憶され、投げ銭である場合にはクリエイターIDが記憶される。「送金先ID」の項目にクリエイターIDが記憶されている場合、クリエイターIDが受け取った送金という基準で、送金履歴を各スレッドに分けることができる。なお、クリエイターが作成するスレッドごとにクリエイターIDが受け取った送金という基準で各スレッドに分けてもよい。
【0073】
「送金日時」の項目には、送金が行われた日時を示す情報が記憶される。「送金金額」の項目には、送金金額を示す情報が記憶される。「送金テーマ」の項目には、送金や投げ銭を行う際にサービス利用者により選択されたテーマアイコン(たとえば、
図1参照)に対応する情報が記憶される。「メッセージ」の項目には、送金や投げ銭を行う際にサービス利用者により作成されたメッセージを示す情報が記憶される。
【0074】
図11によれば、ユーザID:「U#001」で識別されるサービス利用者の送金履歴の一部として、送金先ID:「CRE_XXX」で識別されるサービス利用者に対し、2022年4月1日の16時15分に、「大事に使ってね」のメッセージとともに100円の投げ銭が行われたことが記録されている。
【0075】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、決済サーバ100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現され得る。実施形態に係る制御部130は、
図8に示すように、登録部131と、判定部132と、生成部133と、提供部134と、送金処理部135とを有し、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0076】
(登録部131について)
登録部131は、サービス利用者からの要求(クリエイター登録要求)に応じて、電子決済サービスの利用者識別情報であるユーザIDに対応付けて、サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報であるクリエイターIDを登録する。
【0077】
(判定部132について)
判定部132は、サービス利用者により送金先として指定された送金先識別情報が集金用識別情報であるクリエイターID(以下、「クリエイターID」と称する。)であるか否かを判定する。判定部132は、送金先識別情報がクリエイターIDである場合、その旨を示す判定結果を生成部132に受け渡す。一方、判定部133は、送金先識別情報がクリエイターIDではない場合、送金処理部133に処理要求を送る。
【0078】
(生成部133について)
生成部133は、送金先識別情報がクリエイターIDである旨の判定結果を判定部132から受けた場合、送金履歴の中からクリエイターIDに紐付く送金履歴を取得し、取得した送金履歴に基づいて、クリエイターIDを送金先として送金を行った各サービス利用者により共有される共有コンテンツである投げ銭ルーム(たとえば、
図1~
図4参照)を生成する。
【0079】
生成部132は、各サービス利用者による送金金額を示す第1のオブジェクトを送金順に表示する共有コンテンツである投げ銭ルームを生成できる。また、生成部132は、送金金額に応じて第1のオブジェクトの表示形態を変更した共有コンテンツである投げ銭ルームを生成できる。また、生成部132は、各サービス利用者により送金時に作成されたメッセージを示す第2のオブジェクトを第1のオブジェクトに関連付けて表示する共有コンテンツである投げ銭ルームを生成できる。また、生成部132は、送金先であるサービス利用者から共有コンテンツに対するメッセージを受け付けた場合、当該メッセージを示す第3のオブジェクトを表示する共有コンテンツである投げ銭ルームを生成できる。また、生成部132は、所定の単位でスレッド化した共有コンテンツである投げ銭ルームを生成できる。
【0080】
また、生成部133は、送金金額が所定条件を満たした場合、第1のオブジェクトを、送金金額が所定金額よりも少ない場合に生成される第1のオブジェクトよりも大きくなるように表示形態を変更した共有コンテンツである投げ銭ルームを生成できる。また、生成部133は、送金金額が所定金額以上の場合、共有コンテンツである投げ銭ルームが表示される表示画面がスクロールされても、第1のオブジェクトを表示画面において固定表示するように表示形態を変更した共有コンテンツである投げ銭ルームを生成することもできる。
【0081】
(提供部134について)
提供部134は、判定部133から受け取った判定結果を参照し、サービス利用者により送金先として指定された送金先識別情報がクリエイターIDである場合、送金先の指定を行ったサービス利用者に対して投げ銭ルームを提供する。また、提供部134は、予め設定される期間限定で共有コンテンツである投げ銭ルームを提供できる。たとえば、投げ銭ルームの提供期間は、投げ銭ルームに対応する送金先であるサービス利用者により設定に基づいて決定できる。
【0082】
また、提供部134は、サービス利用者からの要求に応じて、サービス利用者に紐付く集金用識別情報を送金先とする送金履歴を取得し、取得した送金履歴を所定の単位でスレッド化してサービス利用者に提供する。
【0083】
(送金処理部135について)
送金処理部135は、提供部134により提供される共有コンテンツである投げ銭ルームを通じて、クリエイターIDを送金先とする送金要求をサービス利用者から受け付けた場合、送金要求に対応する送金指示取引を処理する。また、送金処理部135は、クリエイターIDを送金先とする送金要求である場合、送金先ユーザに対して受取操作を要求することなく、送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理できる。これにより、投げ銭が行われる度に送金先のサービス利用者が受取操作を行う必要がなく、送金先のサービス利用者のユーザビリティを向上できる。また、送金処理部135は、クリエイターIDを送金先とする送金要求に対して、対応するテーマが設定されていることを条件として、送金指示取引を処理してもよい。
【0084】
〔3.処理手順例〕
以下、実施形態に係る決済サーバ100における処理手順の一例を説明する。
図12は、実施形態に係る決済サーバにより実行される情報処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0085】
図12に示すように、判定部132は、サービス利用者により指定された送金先識別情報がクリエイターIDであるか否かを判定する(ステップS101)。
【0086】
また、生成部133は、判定部132により、送金先識別情報がクリエイターIDであると判定された場合(ステップS101:Yes)、送金履歴データベース123から、クリエイターIDを送金先とする送金履歴を取得し、取得した送金履歴に基づいて、投げ銭ルームを生成する(ステップS102)。
【0087】
また、提供部134は、生成部133により生成された投げ銭ルームを、送金識別情報を指定した送金元のサービス利用者(以下、「送金元ユーザ」と称する。)に提供する(ステップS103)。
【0088】
また、提供部134は、送金元ユーザからメッセージの入力があったかどうかを判定する(ステップS104)。提供部134は、送金元ユーザからメッセージの入力があったと判定した場合(ステップS104:Yes)、送金元ユーザに入力されたメッセージの情報を送金元ユーザに関連付ける(ステップS105)。
【0089】
また、送金処理部135は、送金元ユーザからの送金要求に応じて、送金要求に対応する送金指示取引を処理する(ステップS106)。
【0090】
また、送金処理部135は、送金指示取引の処理が完了した後、送金履歴を更新して(ステップS107)、
図12に示す処理手順を終了する。たとえば、送金処理部135は、送金元ユーザのユーザIDと、送金先識別情報と、送金金額と、ステップS105のメッセージの情報とを対応付けて、送金履歴データベース123に記録する。
【0091】
上述したステップS104において、提供部134は、送金元ユーザからメッセージの入力がなかったと判定した場合(ステップS104:No)、上述したステップS106の処理手順に移る。
【0092】
また、上述したステップS101において、生成部133は、判定部132により、送金先識別情報がクリエイターIDではないと判定された場合(ステップS101:No)、上述したステップS106の処理手順に移る。つまり、送金処理部135は、送金元ユーザからの送金要求に応じて、投げ銭以外の通常の送金指示取引を処理する。
【0093】
〔4.変形例〕
(4-1.送金金額の制限について)
上述の実施形態において、決済サーバ100は、送金元のサービス利用者から受付可能な投げ銭の金額に制限を設けてもよい。たとえば、投げ銭の金額の制限は、予め設定される所定時間当たりの制限であってもよいし、予め設定される所定期間における制限であってもよい。
【0094】
(4-2.送金元の地域の制限について)
また、上述の実施形態において、決済サーバ100は、送金元のサービス利用者の位置情報に基づいて、投げ銭を受け付ける地域に制限を設けてもよい。たとえば、決済サーバ100は、送金元のサービス利用者のIP(Internet Protocol)アドレスに基づいて、投げ銭を受付可能な否かを判定してもよい。
【0095】
(4-3.送金先について)
また、上述の実施形態では、決済サーバ100が、個人間で電子マネーのやり取りが可能な送金サービスにおける情報処理を実行する例について説明したが、送金先が個人ではなく、団体である場合にも、実施形態に係る情報処理を適用できる。
【0096】
(4-4.コンテンツ配信用のプラットフォームとの連携について)
また、上述の実施形態において、決済サーバ100は、クリエイター登録を行ったサービス利用者から、コンテンツ配信用に利用するプラットフォームの事前登録を受け付けて、コンテンツ配信を行っている間に限定して、他のサービス利用者からの投げ銭が受け付けられるように送金処理を制御してもよい。
【0097】
また、上述の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。たとえば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0098】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。たとえば、決済サーバ100の制御部130が有する判定部132、生成部133、及び提供部134は、機能的に統合されていてもよい。
【0099】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0100】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決済サーバ100は、登録部131と、送金処理部135とを有する。登録部131は、個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスのサービス利用者からの要求に応じて、サービス利用者を識別するための利用者識別情報に対応付けて、サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する。送金処理部135は、集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先のサービス利用者に対して送金要求に応じた受取操作を要求することなく、送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する。
【0101】
また、送金処理部135は、集金用識別情報を送金先とする送金要求に対して、対応するテーマが設定されていることを条件として、送金指示取引を処理する。
【0102】
また、実施形態に係る決済サーバ100は、サービス利用者からの要求に応じて、サービス利用者に紐付く集金用識別情報を送金先とする送金履歴を所定の単位でスレッド化して提供する提供部134をさらに有する。
【0103】
このようにして、実施形態に係る決済サーバ100は、上述した各部により実行される処理、又は各部のうちのいずれかの組合せにより、オンラインで提供された所定のギフトを受け取る際のサービス利用者のユーザビリティを向上できる。すなわち、決済サーバ100は、クリエイターIDを送金先とする投げ銭要求を自動的に処理するので、クリエイター登録を行ったサービス利用者が自己宛ての送金要求が発生する都度、受取操作を行う必要がなくなり、クリエイターとしての活動を望むサービス利用者のユーザビリティを向上できる。
【0104】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた本実施形態に係る決済サーバ100は、たとえば、
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図11は、実施形態に係る決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0105】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0106】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0107】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、たとえば、USBなどにより実現される。
【0108】
なお、入力装置1020は、たとえば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0109】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0110】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。たとえば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0111】
たとえば、コンピュータ1000が本実施形態に係る情報処理装置の一例である決済サーバ100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部130と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、本実施形態に係る決済サーバ100による処理を実現する。
【0112】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0113】
また、上述した決済サーバ100は、機能によっては外部のプラットフォームなどをAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0114】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。たとえば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0115】
10 端末装置
100 決済サーバ
110 通信部
120 記憶部
121 ユーザ情報データベース
122 ウォレット情報データベース
123 送金履歴データベース
130 制御部
131 登録部
132 判定部
133 生成部
134 提供部
135 送金処理部
【手続補正書】
【提出日】2022-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスと同一のプラットフォームを通じて提供される送金サービスのサービス利用者からの利用登録に応じて、前記サービス利用者を識別するための利用者識別情報に対応付けて、前記利用者識別情報とは別に、クリエイターとして活動する前記サービス利用者が他の前記サービス利用者から前記デジタルマネーの送金による投げ銭の提供を受けるための識別情報であって前記サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する登録部と、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先の前記サービス利用者に対して前記送金要求に応じた受取操作を要求することなく、前記送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する送金処理部と、
前記利用者識別情報に対応付けて、前記利用者識別情報または前記集金用識別情報を送金先とする送金履歴を記憶する送金履歴データベースと
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送金処理部は、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求に対して、対応するテーマとして投げ銭が設定されていることを条件として、前記送金指示取引を処理し、
前記送金履歴データベースには、
前記テーマが前記投げ銭以外である場合、前記利用者識別情報を送金先とする前記送金履歴が記憶され、前記テーマが前記投げ銭である場合、前記集金用識別情報を送金先とする前記送金履歴が記憶される
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記サービス利用者からの要求に応じて、前記サービス利用者に紐付く前記送金履歴のうち、前記集金用識別情報を送金先とする前記送金履歴を前記送金履歴データベースから取得し、取得した前記送金履歴を前記送金指示取引の処理状況に基づいて所定の単位で自動的にスレッド化して提供する提供部
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記サービス利用者から受け付けられた前記投げ銭の受付時間および終了時間の設定に基づいて、前記送金履歴をスレッド化する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスと同一のプラットフォームを通じて提供される送金サービスのサービス利用者からの利用登録に応じて、前記サービス利用者を識別するための利用者識別情報に対応付けて、前記利用者識別情報とは別に、クリエイターとして活動する前記サービス利用者が他の前記サービス利用者から前記デジタルマネーの送金による投げ銭の提供を受けるための識別情報であって前記サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する登録工程と、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先のサービス利用者に対して前記送金要求に応じた受取操作を要求することなく、前記送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する送金処理工程と
を含み、
前記利用者識別情報に対応付けて、前記利用者識別情報または前記集金用識別情報を送金先とする送金履歴を送金履歴データベースに記憶する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスと同一のプラットフォームを通じて提供される送金サービスのサービス利用者からの利用登録に応じて、前記サービス利用者を識別するための利用者識別情報に対応付けて、前記利用者識別情報とは別に、クリエイターとして活動する前記サービス利用者が他の前記サービス利用者から前記デジタルマネーの送金による投げ銭の提供を受けるための識別情報であって前記サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する登録手順と、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先のサービス利用者に対して前記送金要求に応じた受取操作を要求することなく、前記送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する送金処理手順と
を実行させ、
前記利用者識別情報に対応付けて、前記利用者識別情報または前記集金用識別情報を送金先とする送金履歴を送金履歴データベースに記憶する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスと同一のプラットフォームを通じて提供される送金サービスのサービス利用者からの利用登録に応じて、前記サービス利用者を識別するための利用者識別情報と、前記サービス利用者に割り当てられているウォレットを識別するためのウォレット識別情報とに対応付けて、前記利用者識別情報および前記ウォレット識別情報とは別に、クリエイターとして活動する前記サービス利用者が他の前記サービス利用者から前記デジタルマネーの送金による投げ銭の提供を受けるための識別情報であって前記サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する登録部と、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先の前記サービス利用者に対して前記送金要求に応じた受取操作を要求することなく、前記送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する送金処理部と、
前記利用者識別情報に対応付けて、前記利用者識別情報または前記集金用識別情報を送金先とする送金履歴を記憶する送金履歴データベースと
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送金処理部は、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求に対して、対応するテーマとして投げ銭が設定されていることを条件として、前記送金指示取引を処理し、
前記送金履歴データベースには、
前記テーマが前記投げ銭以外である場合、前記利用者識別情報を送金先とする前記送金履歴が記憶され、前記テーマが前記投げ銭である場合、前記集金用識別情報を送金先とする前記送金履歴が記憶される
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記サービス利用者からの要求に応じて、前記サービス利用者に紐付く前記送金履歴のうち、前記集金用識別情報を送金先とする前記送金履歴を前記送金履歴データベースから取得し、取得した前記送金履歴を前記送金指示取引の処理状況に基づいて所定の単位で自動的にスレッド化して提供する提供部
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記サービス利用者から受け付けられた前記投げ銭の受付時間および終了時間の設定に基づいて、前記送金履歴をスレッド化する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスと同一のプラットフォームを通じて提供される送金サービスのサービス利用者からの利用登録に応じて、前記サービス利用者を識別するための利用者識別情報と、前記サービス利用者に割り当てられているウォレットを識別するためのウォレット識別情報とに対応付けて、前記利用者識別情報および前記ウォレット識別情報とは別に、クリエイターとして活動する前記サービス利用者が他の前記サービス利用者から前記デジタルマネーの送金による投げ銭の提供を受けるための識別情報であって前記サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する登録工程と、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先のサービス利用者に対して前記送金要求に応じた受取操作を要求することなく、前記送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する送金処理工程と
を含み、
前記利用者識別情報に対応付けて、前記利用者識別情報または前記集金用識別情報を送金先とする送金履歴を送金履歴データベースに記憶する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
個人間でのデジタルマネーのやり取りが可能な電子決済サービスと同一のプラットフォームを通じて提供される送金サービスのサービス利用者からの利用登録に応じて、前記サービス利用者を識別するための利用者識別情報と、前記サービス利用者に割り当てられているウォレットを識別するためのウォレット識別情報とに対応付けて、前記利用者識別情報および前記ウォレット識別情報とは別に、クリエイターとして活動する前記サービス利用者が他の前記サービス利用者から前記デジタルマネーの送金による投げ銭の提供を受けるための識別情報であって前記サービス利用者に対して個別に割り当てた集金用識別情報を登録する登録手順と、
前記集金用識別情報を送金先とする送金要求を受け付けた場合、送金先のサービス利用者に対して前記送金要求に応じた受取操作を要求することなく、前記送金要求に対応する送金指示取引を自動的に処理する送金処理手順と
を実行させ、
前記利用者識別情報に対応付けて、前記利用者識別情報または前記集金用識別情報を送金先とする送金履歴を送金履歴データベースに記憶する
ことを特徴とする情報処理プログラム。