(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174323
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】環境制御システム、環境制御方法及び環境制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20231130BHJP
F24F 11/80 20180101ALI20231130BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20231130BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231130BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231130BHJP
G10K 11/16 20060101ALI20231130BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231130BHJP
【FI】
H04L12/28 500E
F24F11/80
F24F11/64
G06Q50/10
F21V23/00 110
G10K11/16
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087106
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 翔哉
(72)【発明者】
【氏名】小川 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】初田 健典
(72)【発明者】
【氏名】辻 郁奈
【テーマコード(参考)】
3K014
3L260
5D061
5L049
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3L260BA02
3L260BA73
3L260BA75
3L260CA12
3L260CA13
3L260CA14
3L260CA18
3L260CA20
3L260CB63
3L260CB64
3L260CB70
3L260FA03
3L260FA06
3L260FC38
5D061AA23
5D061EE40
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】個人が受けるストレスが可及的に抑制された室内環境を実現する。
【解決手段】本環境制御システムは、個人が滞在する室内の環境を制御する第1の制御部と、上記室内の環境を示す値を計測する計測部と、上記個人のストレスに応じた行動パターンと上記環境を示す値との対応関係を入力データとして構築され、上記環境を示す値の時系列変化が入力されると上記個人のストレスを抑制する目標値を出力する環境モデルと、上記計測部によって計測される上記環境を示す値が、上記環境を示す値の時系列変化を上記環境モデルに入力することで取得した上記目標値に近付くように上記第1の制御部を制御する第2の制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人が滞在する室内の環境を制御する第1の制御部と、
前記室内の環境を示す値を計測する計測部と、
前記個人のストレスに応じた行動パターンと前記環境を示す値との対応関係を入力データとして構築され、前記環境を示す値の時系列変化が入力されると前記個人のストレスを抑制する目標値を出力する環境モデルと、
前記計測部によって計測される前記環境を示す値が、前記環境を示す値の時系列変化を前記環境モデルに入力することで取得した前記目標値に近付くように前記第1の制御部を制御する第2の制御部と、を備える、
環境制御システム。
【請求項2】
前記環境を示す値は前記室内の室温を含み、
前記計測部は前記室温を計測する温度センサを含み、
前記第1の制御部は、前記室内の室温を制御する空気調和機を含み、
前記環境モデルは、前記個人のストレスに応じた行動パターンと前記室温との対応関係を入力データとして構築され、前記室温の時系列変化が入力されると前記個人のストレスを抑制する室温の目標値を出力する室温モデルを含み、
前記第2の制御部は、前記温度センサによって計測される前記室温が、前記室温の時系列変化を前記室温モデルに入力することで取得した前記室温の目標値に近付くように前記空気調和機を制御する、
請求項1に記載の環境制御システム。
【請求項3】
前記環境を示す値は前記室内の湿度を含み、
前記計測部は前記湿度を計測する湿度センサを含み、
前記第1の制御部は、前記室内の湿度を制御する加湿器を含み、
前記環境モデルは、前記個人のストレスに応じた行動パターンと前記湿度との対応関係を入力データとして構築され、前記湿度の時系列変化が入力されると前記個人のストレスを抑制する湿度の目標値を出力する湿度モデルを含み、
前記第2の制御部は、前記湿度センサによって計測される前記湿度が、前記湿度の時系列変化を前記湿度モデルに入力することで取得した前記湿度の目標値に近付くように前記加湿器を制御する、
請求項1に記載の環境制御システム。
【請求項4】
前記環境を示す値は前記室内の照度を含み、
前記計測部は前記照度を計測する照度センサを含み、
前記第1の制御部は、前記室内の照度を制御する照明器具を含み、
前記環境モデルは、前記個人のストレスに応じた行動パターンと前記照度との対応関係を入力データとして構築され、前記照度の時系列変化が入力されると前記個人のストレスを抑制する照度の目標値を出力する照度モデルを含み、
前記第2の制御部は、前記照度センサによって計測される前記照度が、前記照度の時系列変化を前記照度モデルに入力することで取得した前記照度の目標値に近付くように前記照明器具を制御する、
請求項1に記載の環境制御システム。
【請求項5】
前記環境を示す値は前記室内の音の大きさを示す値を含み、
前記計測部は前記音の大きさを計測するマイクロフォンを含み、
前記第1の制御部は、前記室内への外部からの音の侵入を抑制する遮音部を含み、
前記環境モデルは、前記個人のストレスに応じた行動パターンと前記音の大きさを示す値との対応関係を入力データとして構築され、前記音の大きさを示す値の時系列変化が入
力されると前記個人のストレスを抑制する音の大きさを示す値の目標値を出力する騒音モデルを含み、
前記第2の制御部は、前記マイクロフォンによって計測される前記音の大きさを示す値が、前記音の大きさを示す値の時系列変化を前記騒音モデルに入力することで取得した前記音の大きさを示す値の目標値に近付くように前記遮音部を制御する、
請求項1に記載の環境制御システム。
【請求項6】
前記環境を示す値は前記室内の気圧を含み、
前記計測部は前記気圧を計測する気圧センサを含み、
前記第1の制御部は、前記室内の気圧を制御する気圧調整器具を含み、
前記環境モデルは、前記個人のストレスに応じた行動パターンと前記気圧との対応関係を入力データとして構築され、前記気圧の時系列変化が入力されると前記個人のストレスを抑制する気圧の目標値を出力する気圧モデルを含み、
前記第2の制御部は、前記気圧センサによって計測される前記気圧が、前記気圧の時系列変化を前記気圧モデルに入力することで取得した前記気圧の目標値に近付くように前記気圧調整器具を制御する、
請求項1に記載の環境制御システム。
【請求項7】
個人が滞在する室内の環境を制御する第1の制御部と、前記室内の環境を示す値を計測する計測部とが配置された前記室内の環境を制御するコンピュータが、
前記個人のストレスに応じた行動パターンと前記環境を示す値との対応関係を入力データとして構築され、前記環境を示す値の時系列変化が入力されると前記個人のストレスを抑制する目標値を出力する環境モデルが記憶された記憶部にアクセスし、
前記計測部によって計測される前記環境を示す値が、前記環境を示す値の時系列変化を前記環境モデルに入力することで取得した前記目標値に近付くように前記第1の制御部を制御する、
環境制御方法。
【請求項8】
個人が滞在する室内の環境を制御する第1の制御部と、前記室内の環境を示す値を計測する計測部とが配置された前記室内の環境を制御するコンピュータに、
前記個人のストレスに応じた行動パターンと前記環境を示す値との対応関係を入力データとして構築され、前記環境を示す値の時系列変化が入力されると前記個人のストレスを抑制する目標値を出力する環境モデルが記憶された記憶部にアクセスさせ、
前記計測部によって計測される前記環境を示す値が、前記環境を示す値の時系列変化を前記環境モデルに入力することで取得した前記目標値に近付くように前記第1の制御部を制御させる、
環境制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境制御システム、環境制御方法及び環境制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人が作業する空間の環境を制御する技術が提案されている。例えば、対象者の生理情報をセンサ等によって取得し、取得した生理情報に応じて空気調和機等を制御するシステムが提案されている(例えば、特許文献1-3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-354943号公報
【特許文献2】特開2007-151933号公報
【特許文献3】特開2020-113025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、生理情報に変動が生じてから、空気調和機等の制御が行われる。そのため、室内に滞在する個人がストレスを感じない環境を実現しようとしても、空気調和機等の制御は個人の生理情報に変動が生じてから、すなわち、個人がストレスを感じてから実行されるものであり、室内環境に対する制御が後手に回っていた。
【0005】
開示の技術の1つの側面は、個人が受けるストレスが可及的に抑制された室内環境を実現できる環境制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の1つの側面は、次のような環境制御システムによって例示される。本環境制御システムは、個人が滞在する室内の環境を制御する第1の制御部と、上記室内の環境を示す値を計測する計測部と、上記個人のストレスに応じた行動パターンと上記環境を示す値との対応関係を入力データとして構築され、上記環境を示す値の時系列変化が入力されると上記個人のストレスを抑制する目標値を出力する環境モデルと、上記計測部によって計測される上記環境を示す値が、上記環境を示す値の時系列変化を上記環境モデルに入力することで取得した上記目標値に近付くように上記第1の制御部を制御する第2の制御部と、を備える。
【0007】
上記環境制御システムによれば、上記環境を示す値の時系列変化を上記環境モデルに入力することで、上記個人のストレスを抑制する目標値を取得できる。そして、上記計測部によって計測される上記環境を示す値が上記目標値に近付くように上記第1の制御部を制御することで、個人が受けるストレスが可及的に抑制した室内環境を実現することができる。
【0008】
上記環境制御システムにおいて、上記環境を示す値は上記室内の室温を含み、上記計測部は上記室温を計測する温度センサを含み、上記第1の制御部は、上記室内の室温を制御する空気調和機を含み、上記環境モデルは、上記個人のストレスに応じた行動パターンと上記室温との対応関係を入力データとして構築され、上記室温の時系列変化が入力されると上記個人のストレスを抑制する室温の目標値を出力する室温モデルを含んでもよい。そして、上記第2の制御部は、上記温度センサによって計測される上記室温が、上記室温の時系列変化を上記室温モデルに入力することで取得した上記室温の目標値に近付くように
上記空気調和機を制御してもよい。このように空気調和機が制御されることで、上記個人がストレスを感じにくい室温を維持することができる。
【0009】
上記環境制御システムにおいて、上記環境を示す値は上記室内の湿度を含み、上記計測部は上記湿度を計測する湿度センサを含み、上記第1の制御部は、上記室内の湿度を制御する加湿器を含み、上記環境モデルは、上記個人のストレスに応じた行動パターンと上記湿度との対応関係を入力データとして構築され、上記湿度の時系列変化が入力されると上記個人のストレスを抑制する湿度の目標値を出力する湿度モデルを含んでもよい。そして、上記第2の制御部は、上記湿度センサによって計測される上記湿度が、上記湿度の時系列変化を上記湿度モデルに入力することで取得した上記湿度の目標値に近付くように上記加湿器を制御してもよい。このように加湿器が制御されることで、上記個人がストレスを感じにくい湿度を維持することができる。
【0010】
上記環境制御システムにおいて、上記環境を示す値は上記室内の照度を含み、上記計測部は上記照度を計測する照度センサを含み、上記第1の制御部は、上記室内の照度を制御する照明器具を含み、上記環境モデルは、上記個人のストレスに応じた行動パターンと上記照度との対応関係を入力データとして構築され、上記照度の時系列変化が入力されると上記個人のストレスを抑制する照度の目標値を出力する照度モデルを含んでもよい。そして、上記第2の制御部は、上記照度センサによって計測される上記照度が、上記照度の時系列変化を上記照度モデルに入力することで取得した上記照度の目標値に近付くように上記照明器具を制御してもよい。このように照明器具が制御されることで、上記個人がストレスを感じにくい照度を維持することができる。
【0011】
上記環境制御システムにおいて、上記環境を示す値は上記室内の音の大きさを示す値を含み、上記計測部は上記音の大きさを計測するマイクロフォンを含み、上記第1の制御部は、上記室内への外部からの音の侵入を抑制する遮音部を含み、上記環境モデルは、上記個人のストレスに応じた行動パターンと上記音の大きさを示す値との対応関係を入力データとして構築され、上記音の大きさを示す値の時系列変化が入力されると上記個人のストレスを抑制する音の大きさを示す値の目標値を出力する騒音モデルを含んでもよい。そして、上記第2の制御部は、上記マイクロフォンによって計測される上記音の大きさを示す値が、上記音の大きさを示す値の時系列変化を上記騒音モデルに入力することで取得した上記音の大きさを示す値の目標値に近付くように上記遮音部を制御してもよい。このように遮音部が制御されることで、外部から侵入する音の大きさを上記個人がストレスを感じにくい範囲内に抑制することができる。
【0012】
上記環境制御システムにおいて、上記環境を示す値は上記室内の気圧を含み、上記計測部は上記気圧を計測する気圧センサを含み、上記第1の制御部は、上記室内の気圧を制御する気圧調整器具を含み、上記環境モデルは、上記個人のストレスに応じた行動パターンと上記気圧との対応関係を入力データとして構築され、上記気圧の時系列変化が入力されると上記個人のストレスを抑制する気圧の目標値を出力する気圧モデルを含んでもよい。そして、上記第2の制御部は、上記気圧センサによって計測される上記気圧が、上記気圧の時系列変化を上記気圧モデルに入力することで取得した上記気圧の目標値に近付くように上記気圧調整器具を制御してもよい。このように気圧調整器具が制御されることで、上記個人がストレスを感じにくい気圧を維持することができる。
【0013】
開示の技術は、環境制御方法及び環境制御プログラムの側面から把握することも可能である。
【発明の効果】
【0014】
開示の技術によれば、個人が受けるストレスが可及的に抑制された室内環境を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係る環境制御システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、環境制御システムが備える各システムのネットワーク接続を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、制御装置が有する機能部の概略構成を示す図である。
【
図4】
図4は、環境モデルの構築に用いられる計測値と行動パターンとの対応関係の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る環境制御システムの処理フロー全体の概略を示す図である。
【
図6】
図6は、環境モデルを構築する処理フローの一例を示す第1の図である。
【
図7】
図7は、環境モデルを構築する処理フローの一例を示す第2の図である。
【
図8】
図8は、制御装置による室内環境制御処理の処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<適用例>
以下、本発明の適用例について、図面を参照して説明する。本発明は、例えば、
図1に一例を示すような環境制御システム1に適用される。環境制御システム1は、空気調和機11、温度センサ11A、加湿器12、湿度センサ12A、照明器具13、照度センサ13A、カメラ200A及び制御装置100を備える。空気調和機11、加湿器12及び照明器具13を総称して、環境機器20とも称する。また、温度センサ11A、湿度センサ12A及び照度センサ13Aを総称して、環境センサ20Aとも称する。なお、環境機器20及び環境センサ20Aは部屋10内に設置されるが、環境機器20及び環境センサ20Aと通信可能であれば制御装置100の設置場所は問わない。環境制御システム1は、「環境制御システム」の一例である。環境機器20は、「第1の制御部」の一例である。制御装置100は、「第2の制御部」の一例である。環境センサ20Aは、「計測部」の一例である。
【0017】
制御装置100は、カメラ200Aによって撮影されたユーザ200の画像を基に、ユーザ200がストレスを感じたときに行う行動パターンを取得する。ストレスを感じたときに行う行動パターンは、ストレスを感じたときにユーザ200が行う「癖」ということもできる。制御装置100は、環境センサ20Aによって計測された計測値の時系列変化と、ユーザ200がストレスを感じたときに行う行動パターンとの対応関係を入力データとした機械学習によって環境モデル105を構築する。構築された環境モデル105は、環境センサ20Aによる計測値が入力されると、ユーザ200がストレスを感じない環境を部屋10に維持するための目標値を出力する。環境モデル105は、「環境モデル」の一例である。ユーザ200は、「個人」の一例である。
【0018】
制御装置100は、環境センサ20Aによって計測された計測値の所定期間における時系列変化を環境モデル105に入力することで取得した目標値を用いて、環境機器20を制御する。環境制御システム1は、環境センサ20Aによって計測された計測値の所定期間における時系列変化と環境モデル105を用いて環境機器20を制御することにより、ユーザ200が感じるストレスが抑制される環境を部屋10内に実現するシステムである。環境センサ20Aによって計測された計測値は、「環境を示す値」の一例である。
【0019】
<実施形態>
以下、図面を参照して実施形態についてさらに説明する。
図1は、実施形態に係る環境制御システム1の一例を示す図である。また、
図2は、環境制御システム1が備える各シ
ステムのネットワーク接続を模式的に示す図である。環境制御システム1では、空気調和機11、加湿器12、照明器具13、照度センサ13A、カメラ200A及び制御装置100は、ネットワークN1によって通信可能に接続される。
【0020】
部屋10は、ユーザ200が滞在し、業務や学習等を行う場所である。部屋10は、例えば、ユーザ200がリモートワークを遂行する部屋であってもよい。リモートワークを遂行する部屋は、例えば、ユーザ200が保有する自宅におけるユーザ200の自室であってもよく、リモートワークのために提供される個室であってもよい。
【0021】
空気調和機11は、部屋10の室温を制御する。また、空気調和機11は温度センサ11Aを含み、温度センサ11Aは部屋10の室温を計測する。空気調和機11は、例えば、部屋10の室温が制御装置100から指示された室温になるように、温度センサ11Aによって計測された部屋10の室温を監視しながら冷房運転を行ったり暖房運転を行ったりする。また、空気調和機11は、温度センサ11Aによって計測された室温をネットワークN1を介して制御装置100に送信する。
【0022】
加湿器12は、部屋10内の湿度を制御する。また、加湿器12は湿度センサ12Aを含み、湿度センサ12Aは部屋10内の湿度を計測する。加湿器12は、制御装置100から指示された湿度になるように、湿度センサ12Aによって計測された部屋10内の湿度を監視しながら部屋10内の空気に加湿を行う。なお、加湿器12の運転が停止されると、部屋10外の空気の流入等により、部屋10内の湿度が低下する。また、加湿器12は、湿度センサ12Aによって計測された湿度をネットワークN1を介して制御装置100に送信する。
【0023】
照明器具13は、部屋10内を照らす蛍光灯やLight Emitting Diode(LED)等を用いた照明器具である。照明器具13は、制御装置100からの指示に応じて照度を変更可能である。照度センサ13Aは、部屋10内の照度を計測する。空気調和機11、加湿器12及び照明器具13を総称して、環境機器20とも称する。また、温度センサ11A、湿度センサ12A及び照度センサ13Aを総称して、環境センサ20Aとも称する。
【0024】
カメラ200Aは、ユーザ200の顔を含む上半身を撮影する。カメラ200Aは、撮影した画像をネットワークN1を介して制御装置100に送信する。
【0025】
ネットワークN1は、コンピュータを相互に通信可能に接続するネットワークである。ネットワークN1は、例えば、Local Area Network(LAN)である。ネットワークN1は、無線のネットワークであっても有線のネットワークであってもよい。
【0026】
制御装置100は、環境センサ20Aによって計測された計測値をネットワークN1を介して取得し、取得した計測値を用いて環境機器20を制御する。
図3は、制御装置100が有する機能部の概略構成を示す図である。制御装置100は、演算装置111及び記憶装置112等を有するコンピュータとみなすことができる。
図3に示す機能部は、例えば、記憶装置112に記憶されたプログラムが演算装置111によって実行されることで実現される。制御装置100は、行動情報取得部101、行動パターン取得部102、環境情報取得部103、制御部104及び環境モデル105を有するが、これら以外の機能部を有していても構わない。
【0027】
行動情報取得部101は、カメラ200Aによって撮影された画像を取得する。行動情報取得部101は、取得した画像からユーザ200の顔、目及び手の位置を検出する。
【0028】
行動パターン取得部102は、行動情報取得部101によって検出された顔及び手の位置に基づいてユーザ200の行動パターンを取得する。行動パターン取得部102は、例えば、行動情報取得部101が取得した画像においてユーザ200の手がユーザ200の頭の位置にある場合には、ユーザ200が頭を掻いていると認識する。行動パターン取得部102は、例えば、行動情報取得部101が取得した画像においてユーザ200の手がユーザ200の目の位置にある場合には、ユーザ200が目をこすっていると認識する。頭を掻いたり目をこすったりする行動パターンは、ユーザ200が何らかのストレスを感じたときに生じる行動パターンと考えられる。
【0029】
環境情報取得部103は、環境センサ20Aによって計測された計測値をネットワークN1を介して取得する。環境情報取得部103は、取得した計測値と、当該計測値が取得されたタイミングにおいてユーザ200が行った行動パターンとを対応付けて環境モデル105を構築する。構築された環境モデル105は、記憶装置112に記憶される。
【0030】
環境モデル105は、環境センサ20Aによって計測された計測値と、当該計測値が計測された時におけるユーザ200の行動パターンとの対応関係を入力データとして機械学習によって構築されるモデルである。環境モデル105は、室温モデル105A、湿度モデル105B、照度モデル105Cを含む。室温モデル105Aは、例えば、温度センサ11Aによって計測された室温とユーザ200の行動パターンとの対応関係を入力データとして機械学習によって構築される。湿度モデル105Bは、例えば、湿度センサ12Aによって計測された湿度とユーザ200の行動パターンとの対応関係を入力データとして機械学習によって構築される。照度モデル105Cは、例えば、照度センサ13Aによって計測された照度とユーザ200の行動パターンとの対応関係を入力データとして機械学習によって構築される。
【0031】
このように構築された環境モデル105は、環境センサ20Aによって計測された計測値の所定期間における時系列変化が入力されると、ユーザ200にストレスを感じさせないように環境機器20を制御するための目標値を出力する。
【0032】
図4は、環境モデル105の構築に用いられる計測値と行動パターンとの対応関係の一例を示す図である。
図4では、縦軸が行動パターンの一例である頭を掻く頻度を示し、横軸が室温を示す。
図4の例では、室温T1を境にして急激に頭を掻く頻度が高くなっていることが理解できる。頭を掻く行動パターンは、上記の通り、ユーザ200が何らかのストレスを感じたときに生じるものと考えられることから、室温T1を超えるとユーザ200は強いストレスを感じるものと考えられる。そこで、室温モデル105Aは、室温の時系列変化が入力されると、ユーザ200が強いストレスを感じる室温T1を部屋10の室温が超えないように空気調和機11を制御するための室温の目標値を出力する。なお、
図4では、頭を掻く行動パターンと室温との関係を例として説明したが、他の行動パターンや他の計測値(湿度、照度)についても同様である。
【0033】
環境モデル105は、例えば、温度センサ11Aによって計測された室温の所定期間における時系列変化が入力されると、室温の目標値を制御部104に出力する。環境モデル105は、例えば、湿度センサ12Aによって計測された湿度の所定期間における時系列変化が入力されると、湿度の目標値を制御部104に出力する。環境モデル105は、例えば、照度センサ13Aによって計測された照度の所定期間における時系列変化が入力されると、照度の目標値を制御部104に出力する。
【0034】
制御部104は、環境センサ20Aによって計測された計測値をネットワークN1を介して取得する。制御部104は、例えば、環境モデル105が記憶された記憶装置112
にアクセスし、取得した計測値の所定期間における時系列変化を環境モデル105に入力させることで環境モデル105からユーザ200にストレスを感じさせないような目標値を取得する。制御部104は、取得した目標値を用いて環境機器20を制御する。このように環境機器20が制御されることで、部屋10内で業務や趣味等を行うユーザ200の周囲環境から受けるストレスが軽減される。
【0035】
制御部104は、例えば、温度センサ11Aによって計測された室温を空気調和機11から取得する。そして、制御部104は、室温の所定期間における時系列変化を室温モデル105Aに入力する。制御部104は、室温モデル105Aによって出力された室温の目標値を取得する。制御部104は、部屋10の室温が室温モデル105Aから取得した室温の目標値に近付くように、空気調和機11を制御すればよい。
【0036】
制御部104は、例えば、湿度センサ12Aによって計測された湿度を加湿器12から取得する。そして、制御部104は、湿度の所定期間における時系列変化を湿度モデル105Bに入力する。制御部104は、湿度モデル105Bによって出力された湿度の目標値を取得する。制御部104は、部屋10の湿度が湿度モデル105Bから取得した湿度の目標値に近付くように、加湿器12を制御すればよい。
【0037】
制御部104は、例えば、照度センサ13Aによって計測された照度を照度センサ13Aから取得する。そして、制御部104は、照度の所定期間における時系列変化を照度モデル105Cに入力する。制御部104は、照度モデル105Cによって出力された照度の目標値を取得する。制御部104は、部屋10内の照度が照度モデル105Cから取得した照度の目標値に近付くように、照明器具13を制御すればよい。
【0038】
<処理フロー>
図5は、実施形態に係る環境制御システム1の処理フロー全体の概略を示す図である。以下、
図5を参照して、環境制御システム1の処理フロー全体の概略について説明する。
【0039】
ステップS1では、制御装置100は、環境センサ20Aによって計測された計測値と、当該計測値が計測された時におけるユーザ200の行動パターンとの対応関係を入力データとして環境モデル105を構築する。ステップS1の詳細については、
図6及び
図7を参照して後述する。
【0040】
ステップS2では、制御装置100は、ステップS1において構築された環境モデル105と、環境センサ20Aによって計測された計測値とを用いて、部屋10の環境がユーザ200にストレスを感じさせないように環境機器20を制御する。ステップS2の詳細については、
図8を参照して後述する。
【0041】
図6及び
図7は、環境モデル105を構築する処理フローの一例を示す図である。
図6及び
図7では、
図5のステップS1の処理の詳細が例示される。
図6は、環境モデル105の構築に用いられる計測値及び行動パターンを取得する処理の処理フローを例示する。また、
図7は、
図6の処理で取得された計測値及び行動パターンを用いて環境モデル105を構築する処理の処理フローを例示する。まず、
図6を参照して、環境モデル105の構築に用いられる計測値及び行動パターンを取得する処理の処理フローの一例について説明する。
【0042】
ステップS11では、環境情報取得部103は、環境センサ20Aによって計測された計測値を取得する。
【0043】
ステップS12では、行動情報取得部101は、カメラ200Aによって撮影された画
像を取得する。行動情報取得部101は、取得した画像からユーザ200の顔及び手の位置を検出する。ステップS13では、行動パターン取得部102は、行動情報取得部101によって検出された顔及び手の位置に基づいてユーザ200の行動パターンを取得する。
【0044】
ステップS14では、環境情報取得部103は、ステップS11で取得した計測値とステップS13で取得した行動パターンとを対応付けて記憶装置112に記憶させる。ステップS11からステップS14までの処理は、所定間隔で繰り返し実行される。
【0045】
つづいて、
図7を参照して、
図6の処理で取得された計測値及び行動パターンを用いて環境モデル105を構築する処理の処理フローの一例について説明する。
【0046】
ステップS15では、環境情報取得部103は、
図6のステップS14において記憶装置112に記憶させた計測値とステップS13で取得した行動パターンとの対応関係を読み込む。
【0047】
ステップS16では、環境情報取得部103は、ステップS15で記憶装置112から読み込んだ対応関係を入力データとして、機械学習によって環境モデル105を構築する。
【0048】
ステップS17では、環境情報取得部103は、ステップS16で構築した環境モデル105を記憶装置112に記憶させる。
【0049】
図8は、制御装置100による室内環境制御処理の処理フローの一例を示す図である。以下、
図8を参照して、制御装置100による室内環境制御処理の処理フローの一例について説明する。
【0050】
ステップS21では、制御部104は、環境センサ20Aによって計測された計測値を所定期間継続して取得する。
【0051】
ステップS22では、制御部104は、環境モデル105が記憶された記憶装置112にアクセスして、ステップS21で取得した計測値の所定期間における時系列変化を環境モデル105へ入力する。制御部104は、例えば、温度センサ11Aによって計測された室温の時系列変化を室温モデル105Aに入力する。制御部104は、室温の時系列変化を入力したことに対する応答として室温モデル105Aから室温の目標値を取得する。制御部104は、例えば、湿度センサ12Aによって計測された湿度の時系列変化を湿度モデル105Bに入力する。制御部104は、湿度の時系列変化を入力したことに対する応答として湿度モデル105Bから湿度の目標値を取得する。制御部104は、例えば、照度センサ13Aによって計測された照度の時系列変化を照度モデル105Cに入力する。制御部104は、照度の時系列変化を入力したことに対する応答として照度モデル105Cから照度の目標値を取得する。
【0052】
ステップS23では、制御部104は、環境センサ20Aによって計測される計測値がステップS22で取得した目標値に近付くように環境機器20を制御する。制御部104は、例えば、ステップS22で取得した室温の目標値に部屋10の室温が近付くように、空気調和機11を制御する。制御部104は、例えば、ステップS22で取得した湿度の目標値に部屋10の湿度が近付くように、加湿器12を制御する。制御部104は、例えば、ステップS22で取得した照度の目標値に部屋10内の照度が近付くように、照明器具13を制御する。
【0053】
<実施形態の作用効果>
以上説明した実施形態では、環境センサ20Aによって計測された計測値の所定期間における時系列変化が入力されると、ユーザ200にストレスを感じさせないような目標値を出力する環境モデル105が構築される。そして、制御装置100は、環境センサ20Aによって計測された計測値の所定期間における時系列変化を環境モデル105に入力させて上記目標値を取得する。制御装置100は、環境センサ20Aによって計測される計測値が上記目標値に近付くように、環境機器20を制御する。そのため、本実施形態によれば、部屋10内の環境をユーザ200が受けるストレスが可及的に抑制できる室内環境とすることができる。
【0054】
例えば、企業のオフィスであれば作業に好適な環境が維持されるように、室内の室温、湿度、照度が制御されていることも考えられる。しかしながら、リモートワーク等によりユーザ200の自宅等で作業を行う場合、個々の家庭の事情等により、作業を行う部屋の室内環境が作業に好ましい環境であるとは限らない。本実施形態に係る環境制御システム1によれば、ユーザ200がストレスを感じたときに行う行動パターンと環境センサ20Aによって計測される計測値との対応関係を基に、ユーザ200のストレス抑制に好適な環境モデル105が構築される。そして、この環境モデル105と環境センサ20Aによって計測された計測値を用いて環境機器20が制御されることで、リモートワーク等によって自宅等で作業を行う場合であっても、ユーザ200が受けるストレスが可及的に抑制できる室内環境を実現できる。
【0055】
本実施形態では、例えば、温度センサ11Aによって計測された室温の時系列変化を室温モデル105Aに入力させて、ユーザ200にストレスを感じさせないような室温の目標値を取得する。制御装置100は、温度センサ11Aによって計測される室温が上記室温の目標値に近付くように、空気調和機11を制御する。そのため、本実施形態によれば、ユーザ200が受けるストレスが可及的に抑制できる室温を維持することができる。
【0056】
本実施形態では、例えば、湿度センサ12Aによって計測された湿度の時系列変化を湿度モデル105Bに入力させて、ユーザ200にストレスを感じさせないような湿度の目標値を取得する。制御装置100は、湿度センサ12Aによって計測される湿度が上記湿度の目標値に近付くように、加湿器12を制御する。そのため、本実施形態によれば、ユーザ200が受けるストレスが可及的に抑制できる湿度を維持することができる。
【0057】
本実施形態では、例えば、照度センサ13Aによって計測された照度の時系列変化を照度モデル105Cに入力させて、ユーザ200にストレスを感じさせないような照度の目標値を取得する。制御装置100は、照度センサ13Aによって計測される照度が上記照度の目標値に近付くように、照明器具13を制御する。そのため、本実施形態によれば、ユーザ200が受けるストレスが可及的に抑制できる照度を維持することができる。
【0058】
<変形例>
以上説明した実施形態では、ユーザ200のストレスを示す行動パターンとして目をこする行動パターンと頭を掻く行動パターンとが挙げられたが、ユーザ200のストレスを示す行動パターンはこれらに限定されるわけではない。ユーザ200のストレスを示す行動パターンとしては、例えば、コンピュータのキーボードをたたく強さ、顔の位置のブレ等を挙げることができる。ここで、ユーザ200がコンピュータのキーボードをたたく強さを取得する場合には、例えば、カメラ200Aに代えてマイクロフォンを採用することができる。
【0059】
以上説明した実施形態では、環境機器20として空気調和機11、加湿器12及び照明器具13が挙げられたが、環境機器20がこれらに限定されるわけではない。環境機器2
0としては、例えば、遮音性が可変なカーテンや部屋10内の気圧を調整する気圧調整器を挙げることができる。
【0060】
遮音性が可変なカーテンは、外部から部屋10への騒音の侵入を抑制する。遮音性が可変なカーテンとしては、例えば、カーテンレールにモータが組み込まれており、制御装置100からの指示にしたがって当該モータが駆動することで、カーテンの開き具合が制御されるものを挙げることができる。カーテンの開き具合が制御されることで、カーテンによる遮音性を変動させることができる。ここで、遮音性が可変なカーテンを用いる場合には、環境センサ20Aとしてマイクロフォンを採用し、当該マイクロフォンによって計測される部屋10内で生じる音の大きさを示す計測値とユーザ200の行動パターンとを用いて環境モデル105を構築すればよい。遮音性が可変なカーテンは、「遮音部」の一例である。部屋10内で生じる音の大きさを示す計測値とユーザ200の行動パターンとを用いて構築される環境モデル105は、「騒音モデル」の一例である。
【0061】
また、気圧調整器具としては、外気を部屋10内に取り込むコンプレッサーを挙げることができる。制御装置100からの指示にしたがって当該コンプレッサーが駆動することで、外気を部屋10内に取り込んで部屋10内の気圧を挙げたり、部屋10内の空気を排気して部屋10内の気圧を下げたりすることができる。ここで、気圧調整器具を用いる場合には、環境センサ20Aとして気圧センサを採用し、気圧センサによって計測される部屋10内の気圧の計測値とユーザ200の行動パターンとを用いて環境モデル105が構築されればよい。気圧の計測値とユーザ200の行動パターンとを用いて構築される環境モデル105は、「気圧モデル」の一例である。
【0062】
実施形態では、温度センサ11Aは空気調和機11に内蔵されたが、温度センサ11Aは空気調和機11とは別の機材であってもよい。実施形態では、湿度センサ12Aは加湿器12に内蔵されたが、湿度センサ12Aは加湿器12とは別の機材であってもよい。実施形態では、照度センサ13Aは照明器具13とは別の機材であったが、照度センサ13Aは照明器具13に内蔵されてもよい。
【0063】
また、実施形態では制御装置100の記憶装置112に環境モデル105は記憶されたが、環境モデル105が記憶される記憶装置が記憶装置112に限定されるわけではない。環境モデル105は、制御装置100からアクセス可能な記憶装置であれば制御装置100外の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0064】
以上説明した実施形態及び変形例は、組み合わせることができる。
【0065】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0066】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(D
AT)、8mmテープ、フラッシュメモリー、外付け型のハードディスクドライブやSolid State Drive(SSD)等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体として内蔵型のハードディスクドライブ、SSDやROM等がある。
【0067】
<付記1>
個人(200)が滞在する室内(10)の環境を制御する第1の制御部(20)と、
前記室内(10)の環境を示す値を計測する計測部(20A)と、
前記個人(200)のストレスに応じた行動パターンと前記環境を示す値との対応関係を入力データとして構築され、前記環境を示す値の時系列変化が入力されると前記個人(200)のストレスを抑制する目標値を出力する環境モデル(105)と、
前記計測部(20A)によって計測される前記環境を示す値が、前記環境を示す値の時系列変化を前記環境モデルに入力することで取得した前記目標値に近付くように前記第1の制御部(20)を制御する第2の制御部(100)と、を備える、
環境制御システム(1)。
【0068】
<付記2>
個人(200)が滞在する室内(10)の環境を制御する第1の制御部(20)と、前記室内(10)の環境を示す値を計測する計測部(20A)とが配置された前記室内(10)の環境を制御するコンピュータ(100)が、
前記個人(200)のストレスに応じた行動パターンと前記環境を示す値との対応関係を入力データとして構築され、前記環境を示す値の時系列変化が入力されると前記個人(200)のストレスを抑制する目標値を出力する環境モデル(105)が記憶された記憶部(112)にアクセスし、
前記計測部(20A)によって計測される前記環境を示す値が、前記環境を示す値の時系列変化を前記環境モデル(105)に入力することで取得した前記目標値に近付くように前記第1の制御部(20)を制御する、
環境制御方法。
【0069】
<付記3>
個人(200)が滞在する室内(10)の環境を制御する第1の制御部(20)と、前記室内(10)の環境を示す値を計測する計測部(20A)とが配置された前記室内(10)の環境を制御するコンピュータ(100)に、
前記個人(200)のストレスに応じた行動パターンと前記環境を示す値との対応関係を入力データとして構築され、前記環境を示す値の時系列変化が入力されると前記個人(200)のストレスを抑制する目標値を出力する環境モデル(105)が記憶された記憶部(112)にアクセスさせ、
前記計測部(20A)によって計測される前記環境を示す値が、前記環境を示す値の時系列変化を前記環境モデル(105)に入力することで取得した前記目標値に近付くように前記第1の制御部(20)を制御させる、
環境制御プログラム。
【符号の説明】
【0070】
1・・環境制御システム
10・・部屋
11・・空気調和機
11A・・温度センサ
12・・加湿器
12A・・湿度センサ
13・・照明器具
13A・・照度センサ
20・・環境機器
20A・・環境センサ
100・・制御装置
101・・行動情報取得部
102・・行動パターン取得部
103・・環境情報取得部
104・・制御部
105・・環境モデル
105A・・室温モデル
105B・・湿度モデル
105C・・照度モデル
111・・演算装置
112・・記憶装置
200・・ユーザ
200A・・カメラ
N1・・ネットワーク