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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174353
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】医療用ガウン
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/12 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A41D13/12 109
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087162
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】501270287
【氏名又は名称】帝人フロンティア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504179255
【氏名又は名称】国立大学法人 東京医科歯科大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】柴田 園未
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勝
(72)【発明者】
【氏名】久保田 英雄
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AB06
3B011AC00
3B011AC22
3B211AA01
3B211AB01
3B211AB06
3B211AC00
3B211AC22
(57)【要約】
【課題】本発明は、作業性に優れる医療用ガウンを提供することを課題とする。
【解決手段】着用者を正面側から被覆する第1シートと前記着用者の左半身を背面側から被覆する左第2シートと着用者の右半身を背面側から被覆する右第2シートとが接合されることによって形成されたガウン本体を備え、前記第1シート、前記左第2シート、及び前記右第2シートのそれぞれは不織布を有し、前記ガウン本体は各シートの不織布どうしが溶着されて各シートを接合する溶着部を有し、前記溶着部の幅が1.5mm以下である、医療用ガウン。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者を正面側から被覆する第1シートと前記着用者の左半身を背面側から被覆する左第2シートと着用者の右半身を背面側から被覆する右第2シートとが接合されることによって形成されたガウン本体を備え、
前記第1シート、前記左第2シート、及び前記右第2シートのそれぞれは、不織布を有し、
前記ガウン本体は、各シートの不織布どうしが溶着されて各シートを接合する溶着部を有し、
前記溶着部の幅が、1.5mm以下である、医療用ガウン。
【請求項2】
前記ガウン本体は、前記第1シートで形成された前身頃と、前記左第2シート及び前記右第2シートで形成された後身頃とを有し、
前記前身頃及び前記後身頃は、それぞれの上端縁部が溶着された上端溶着部によって接合されており、
前記上端溶着部は、着用者の頭部を挿通するための襟ぐり側の先端部が上方へ湾曲した形状をなしている、請求項1に記載の医療用ガウン。
【請求項3】
前記医療用ガウンは、前記ガウン本体から延びる一対の腰紐を備え、
前記腰紐の基端部の側縁部が、湾曲した形状をなしている、請求項1に記載の医療用ガウン。
【請求項4】
前記医療用ガウンは、前記着用者の両腕を被覆する一対の袖部と、前記ガウン本体から延びる一対の腰紐とを備え、
前記第1シートは、前身頃と、前記前身頃から延びる左前袖部及び右前袖部とを備え、
前記左第2シートは、左後身頃と、前記左後身頃から延びる左後袖部とを備え、
前記右第2シートは、右後身頃と、前記右後身頃から延びる右後袖部とを備え、
前記ガウン本体は、前記前身頃と前記左後身頃及び前記右後身頃との前記溶着部による接合によって構成されており、
前記一対の袖部は、前記左前袖部と前記左後袖部との前記溶着部による接合、及び、前記右前袖部と前記右後袖部との前記溶着部による接合によって構成されており、
前記腰紐の基端部が、前記ガウン本体の上端から45cm以上離れた位置に配されている、請求項1に記載の医療用ガウン。
【請求項5】
前記腰紐が、前記医療用ガウンの側端縁部から延びている、請求項4に記載の医療用ガウン。
【請求項6】
前記ガウン本体は、前記第1シートで形成された前身頃と、前記左第2シートで形成された左後身頃と、前記右第2シートで形成された右後身頃とを有し、
前記左後身頃と前記右後身頃とは、互いに溶着されておらず、
前記ガウン本体は、さらに、前記左後身頃と前記右後身頃との間に配されてこれらの重なり状態を維持する係合材を有し、
前記係合材は、前記左後身頃又は前記右後身頃の一方に接合された接合面と、前記左後身頃又は前記右後身頃の他方に着脱自在に係合する係合面とを有し、
前記係合面が、前記一方の左右方向において前記接合面よりも基端側に配されている、請求項1に記載の医療用ガウン。
【請求項7】
前記医療用ガウンは、前記着用者の両腕から手の一部までを被覆する一対の袖部を備え、
前記袖部は、前記着用者の親指を挿通するための親指口を形成する開口縁と、他の指を挿通するための袖口を形成する袖口縁とを有し、
前記袖口縁は、前記親指口から離れるにつれて前記袖部の基端部に近付くように傾斜しており、
前記開口縁のうち前記袖部の最も先端側に位置する点を第1点とし、前記袖口縁のうち前記袖部の最も基端側に位置する点を第2点としたときに、前記第1点と前記第2点とを結ぶ直線が、前記袖部の中心線方向と直交する袖幅方向に対して10°以上傾いている、請求項1に記載の医療用ガウン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用ガウンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用ガウンは、医療現場における医療従事者を汚染から保護するために用いられている。
【0003】
医療用ガウンは、一般的には1回の使用で廃棄されるものである。よって、医療用ガウンは、織物などと比較してコスト面で有利な不織布で作製されることが好ましい。また、特許文献1に記載されているように、不織布で作製される医療用ガウンは、各パーツが溶着によって接合され得るため、針孔が形成される縫合されたものと比較して、汚染物質の侵入を防止することに優れる。また、溶着部による接合は、糸による縫合と比較して、生産効率を高め得る。
【0004】
また、医療用ガウンは、着用者の作業性を損なわせないことが望まれる。作業性としては、例えば、医療従事者などの着用者が患者を処置する際の作業性(着用時の作業性)が挙げられる。また、使用後において着用者が医療用ガウンを脱衣する際の作業性(脱衣時の作業性)が挙げられる。
【0005】
脱衣時の作業性に関し、着用者が医療用ガウンの汚染された部分に接触しないように、医療用ガウンの脱衣方法が多くの医療現場においてマニュアル化されている。特許文献1の医療用ガウンは、脱衣時の作業性を改善するための工夫がなされており、前身頃及び後身頃のそれぞれの裾部分の間に設けられたスリットと、後身頃の上端から前記スリットに延びるように設けられた切り取り線とを有する。これによって、着用者は、スリットを形成する後身頃の裾部分と切り取り線との交点を起点にして切り取り線に沿って後身頃を引き裂くことによって、後身頃を左部と右部とに分離することができる。そして、後身頃が左部と右部とに分離された医療用ガウンは、脱衣が容易なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-7518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の医療用ガウンは、作業性において改善の余地がある。例えば、特許文献1の医療用ガウンは、脱衣時の作業性の改善に重点が置かれているが、着用時の作業性についての改善が十分に図られたものではない。
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、作業性に優れる医療用ガウンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る医療用ガウンは、
着用者を正面側から被覆する第1シートと前記着用者の左半身を背面側から被覆する左第2シートと着用者の右半身を背面側から被覆する右第2シートとが接合されることによって形成されたガウン本体を備え、
前記第1シート、前記左第2シート、及び前記右第2シートのそれぞれは、不織布を有し、
前記ガウン本体は、各シートの不織布どうしが溶着されて各シートを接合する溶着部を有し、
前記溶着部の幅が、1.5mm以下である。
【0010】
斯かる構成によれば、溶着部の幅が1.5mm以下であることによって、作業性に優れるものとなる。
【0011】
また、本発明に係る医療用ガウンは、好ましくは、
前記ガウン本体は、前記第1シートで形成された前身頃と、前記左第2シート及び前記右第2シートで形成された後身頃とを有し、
前記前身頃及び前記後身頃は、それぞれの上端縁部が溶着された上端溶着部によって接合されており、
前記上端溶着部は、着用者の頭部を挿通するための襟ぐり側の先端部が上方へ湾曲した形状をなしている。
【0012】
ここで、襟ぐりへの頭部の挿通の際などに生じる外力によって、襟ぐりに隣り合う上端溶着部には、その先端部からの裂けが生じ易い。特に、本発明の医療用ガウンのように溶着部の幅が1.5mm以下のように細い場合、かかる裂けが生じ易い。これに対して、上記構成によれば、上端溶着部の襟ぐり側の先端部が上方へ湾曲した形状をなしていることによって、上記のような外力を該先端部にわたって分散させることができるため、該先端部からの裂けを抑制することができる。
【0013】
また、本発明に係る医療用ガウンは、好ましくは、
前記ガウン本体から延びる一対の腰紐を備え、
前記腰紐の基端部の側縁部が、湾曲した形状をなしている。
【0014】
ここで、腰紐は、着用者が腰紐を結ぶ際などに生じる引っ張り力によって、ガウン本体との接続部である基端部から裂けてガウン本体から分断され得る。そして、分断して落下した腰紐は、医療現場の床などを汚染する汚染源となり得る。これに対して、上記構成によれば、腰紐の基端部(ガウン本体との接続部)の側縁部が湾曲した形状をなしていることによって、上記のような引っ張り力を該側縁部にわたって分散させることができるため、腰紐の分断を抑制することができる。
【0015】
また、本発明に係る医療用ガウンは、好ましくは、
前記医療用ガウンは、前記着用者の両腕を被覆する一対の袖部と、前記ガウン本体から延びる一対の腰紐とを備え、
前記第1シートは、前身頃と、前記前身頃から延びる左前袖部及び右前袖部とを備え、
前記左第2シートは、左後身頃と、前記左後身頃から延びる左後袖部とを備え、
前記右第2シートは、右後身頃と、前記右後身頃から延びる右後袖部とを備え、
前記ガウン本体は、前記前身頃と前記左後身頃及び前記右後身頃との前記溶着部による接合によって構成されており、
前記一対の袖部は、前記左前袖部と前記左後袖部との前記溶着部による接合、及び、前記右前袖部と前記右後袖部との前記溶着部による接合によって構成されており、
前記腰紐の基端部が、前記ガウン本体の上端から45cm以上離れた位置に配されている。
【0016】
斯かる構成の医療用ガウンは、ガウン本体が第1シートの前身頃と第2シートの左後身頃及び右後身頃との溶着部による接合によって構成され、且つ、一対の袖部が第1シートの左前袖部と左第2シートの左後袖部との溶着部及び第1シートの右前袖部と右第2シートの右後袖部との溶着部による接合によって構成されているため、アームホールが形成されないものとなる。そして、アームホールのない医療用ガウンは、アームホールを形成するための糸による縫合を省略できる分、生産性に優れるものとなる。
【0017】
一方で、アームホールのない医療用ガウンは、着用者の腕のつけ根付近を覆う部分が立体的な形状になり難く、腕を配するための空間を十分に確保することができないものとなる。このため、アームホールのない医療用ガウンは、着用者の腕の動きに追従してガウン本体が上方に位置ずれるおそれがある。これに対して、上記構成によれば、腰紐の基端部がガウン本体の上端から45cm以上離れた位置に配されていることによって、着用時に結束された腰紐が着用者の胴部まわりに配され易くなる。そして、胴部まわりに配された腰紐は、胴部よりも周長の長い胸部で上方への移動が規制されるため、ガウン本体の上方への位置ずれを抑制し得るものとなる。
【0018】
また、前記腰紐の基端部が前記ガウン本体の上端から45cm以上離れた位置に配されている態様においては、好ましくは、前記腰紐が、前記医療用ガウンの側端縁部から延びている。
【0019】
斯かる構成によれば、着用者を背面側からみたときに、結ばれた腰紐が、着用者の胴部まわりにわたって(左わき腹から右わき腹にかけて)配されるため、胸部によって上方への移動が規制され易くなる。
【0020】
また、本発明に係る医療用ガウンは、好ましくは、
前記ガウン本体は、前記第1シートで形成された前身頃と、前記左第2シートで形成された左後身頃と、前記右第2シートで形成された右後身頃とを有し、
前記左後身頃と前記右後身頃とは、互いに溶着されておらず、
前記ガウン本体は、さらに、前記左後身頃と前記右後身頃との間に配されてこれらの重なり状態を維持する係合材を有し、
前記係合材は、前記左後身頃又は前記右後身頃の一方に接合された接合面と、前記左後身頃又は前記右後身頃の他方に着脱自在に係合する係合面とを有し、
前記係合面が、前記一方の左右方向において前記接合面よりも基端側に配されている。
【0021】
ここで、左後身頃と右後身頃とが互いに溶着されておらず、これらが離反可能な医療用ガウンの脱衣では、着用者が前身頃を前方に引っ張ることによって、左後身頃と右後身頃とを左右に離反させることが行われる。このとき、前記係合面が前記一方の左右方向において前記接合面よりも基端側に配されていることによって、左後身頃と右前身頃とが左右方向に離反するにしたがって、係合面が接合面に支持されながら離反方向に回動し、係合面が離反方向と交差するように起立した状態となる。そして、起立した状態の係合面は、離反方向に沿った状態と比較して、容易に前記他方から離反し得る。よって、上記構成の医療用ガウンは、脱衣時の作業性に優れるものとなる。
【0022】
また、本発明に係る医療用ガウンは、好ましくは、
前記着用者の両腕から手の一部までを被覆する一対の袖部を備え、
前記袖部は、前記着用者の親指を挿通するための親指口を形成する開口縁と、他の指を挿通するための袖口を形成する袖口縁とを有し、
前記袖口縁は、前記親指口から離れるにつれて前記袖部の基端部に近付くように傾斜しており、
前記開口縁のうち前記袖部の最も先端側に位置する点を第1点とし、前記袖口縁のうち前記袖部の最も基端側に位置する点を第2点としたときに、前記第1点と前記第2点とを結ぶ直線が、前記袖部の中心線方向と直交する袖幅方向に対して10°以上傾いている。
【0023】
斯かる構成によれば、前記直線が袖幅方向に対して10°以上傾いていることによって、袖部における手を被覆する部分のだぶつきが軽減されるため、作業性に優れるものとなる。
【発明の効果】
【0024】
以上の通り、本発明によれば、作業性に優れる医療用ガウンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一実施形態に係る医療用ガウンの正面図である。
図2図1の医療用ガウンの背面図である。
図3図1の医療用ガウンの上端溶着部における先端部の拡大図である。
図4図1の医療用ガウンの腰紐の基端部の拡大図である。
図5図1の医療用ガウンの後身頃における係合材の拡大図である。
図6図5の係合材が係合状態から非係合状態に切り替わろうとするときの状態を示す図である。
図7図1の医療用ガウンの袖部における袖口部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る医療用ガウンについて説明する。
【0027】
図1図2に示すように、本実施形態の医療用ガウン1は、前身頃11及び後身頃12を有するガウン本体10と、ガウン本体10から延びる一対の袖部20と、ガウン本体10から延びる一対の腰紐30とを備えている。本実施形態の後身頃12は、左後身頃12aと右後身頃12bとを有し、これらが離反可能とされている。
【0028】
また、本実施形態の医療用ガウン1は、着用時に着用者の四肢及び頸部が配される開口として、着用者の頭部を挿通するための襟ぐり41と、両脚が配される裾口42と、親指を挿通するための一対の親指口43と、左腕及び右腕を挿通するための一対の袖口44とを有する。なお、以下では、医療用ガウン1における幅方向を左右方向d1と称し、丈方向(幅方向に直交する方向)を上下方向d2と称する。
【0029】
本実施形態の医療用ガウン1は、着用者を正面側から被覆する第1シートS1と、着用者の左半身を背面側から被覆する左第2シートS2a及び着用者の右半身を背面側から被覆する右第2シートS2bとが溶着で接合されることによって構成されている。
【0030】
第1シートS1は、着用者の首元から膝下までを正面側から被覆する前身頃11と、前身頃11から延びる左前袖部21a及び右前袖部21bと、前身頃11から延びる左前紐部31a及び右前紐部31bとを備えている。
【0031】
左第2シートS2aは、着用者の左半身における首元から膝下までを背面側から被覆する左後身頃12aと、左後身頃12aから延びる左後袖部22aと、左後身頃12aから延びる左後紐部32aとを備えている。また、右第2シートS2bは、着用者の右半身における首元から膝下までを背面側から被覆する右後身頃12bと、右後身頃12bから延びる右後袖部22bと、右後身頃12bから延びる右後紐部32bとを備えている。なお、以下では、図1及び図2に示すように、第1シートS1、左第2シートS2a、及び左第2シートS2bが一平面に沿って広げられた状態を医療用ガウン1の展開状態と称する。
【0032】
本実施形態の第1シートS1、左第2シートS2a、及び右第2シートS2bは、ラミネートフィルムを備える不織布である。前記不織布としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維を含む不織布、ナイロンなどのポリアミド系繊維を含む不織布、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維を含む不織布が好ましい。また、前記ラミネートフィルとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を含むラミネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂を含むラミネートフィルムが好ましい。これらのなかでも、ポリエチレンテレフタレート繊維を含む不織布と、ポリエチレンテレフタレート樹脂を含むラミネートフィルムとの組み合わせで構成されていることが好ましい。これによって、医療用ガウン1がリサイクルし易いものとなる。
【0033】
本実施形態では、各シートの不織布が医療用ガウン1の裏面(着用者に接し得る面)を構成し、各シートのラミネートフィルムが医療用ガウン1の表面(汚染物質が付着し得る面)を構成している。
【0034】
本実施形態の医療用ガウン1は、第1シートS1の不織布と左第2シートS2aの不織布及び右第2シートS2bの不織布とが所定の箇所で溶着された複数の溶着部を備えている。具体的には、医療用ガウン1は、前身頃11の上端縁部と左後身頃12aの上端縁部及び右後身頃12bの上端縁部とが溶着された上端溶着部51と、左前袖部21aの上端縁部と左後袖部22aの上端縁部とが溶着され且つ右前袖部21bの上端縁部と左後袖部22aの上端縁部とが溶着された袖上溶着部52と、左前袖部21aの下端縁部と左後袖部22aの下端縁部とが溶着され且つ右前袖部21bの下端縁部と左後袖部22aの下端縁部とが溶着された袖下溶着部53と、前身頃11の側端縁部と左後身頃12a及び右後身頃12bの側端縁部とが溶着された側端縁溶着部54と、左前紐部31aの側縁部と左後紐部32aの側縁部とが溶着され且つ右前紐部31bの側縁部と右後紐部32bの側縁部とが溶着された腰紐溶着部55とを備えている。
【0035】
各溶着部の幅は、1.5mm以下である。また、各溶着部の幅は、通常、1.0mm以上である。1.5mm以下の幅細の溶着部は、溶着で硬化した樹脂が比較的少ないため、着心地を改善させ得る。また、かかる溶着部は、剛性が抑えられたものとなるため、曲げられた際にクラックが生じにくく、着用者保護の観点から好ましい。なお、溶着部の幅は、各溶着部において互いに等間隔離れた5箇所の幅を測定し、これらを算術平均することによって求めることができる。
【0036】
上記のような幅を有する溶着部は、対応する線径を有するニクロム線などの電熱線を用いて形成され得る。電熱線を用いて溶着部を形成する方法としては、第1シートS1と左第2シートS2a及び右第2シートS2bとを重ね合わせた積層体を該電熱線で押圧しながら加熱することによって各シートを溶着溶断する方法が好ましい。
【0037】
各溶着部は、医療用ガウン1の外縁をなしている。ここで、従来技術の医療用ガウンとして、前身頃や後身頃などの各パーツが縫製で接合されたものが知られている。この場合、前身頃及び後身頃のそれぞれの端縁部を折り返して縫い代を形成し互いの縫い代を重ね合わせて縫合する縫合工程に加えて、縫合された縫い代が医療用ガウンの内側に配されるように反転する反転工程が必要となる。これに対して、本実施形態の医療用ガウン1は、溶着部がその外縁をなすように構成されているため、従来技術の医療用ガウンで必要となる反転工程などを省略できるため、生産性に優れる。
【0038】
上端溶着部51は、襟ぐり41を介して左右に一対形成されており、医療用ガウン1の上端縁部をなしている。図3に示すように、本実施形態の上端溶着部51は、襟ぐり41側の一対の先端部511が上方へ湾曲した形状をなしている。
【0039】
袖上溶着部52は、上端溶着部51を介して左右に一対形成されており、医療用ガウン1の袖部20における上端縁部をなしている。各袖上溶着部52は、各上端溶着部51の延長線上に形成されている。言い換えれば、上端溶着部51と袖上溶着部52とは、一直線Eの上に形成されている。
【0040】
好ましくは、図3に示すように、先端部511のなす円弧(基端511aから先端511bまでの円弧)の曲率半径をR及び中心角をθcとし、直線Eに平行し且つ上端溶着部51の襟ぐり41側の先端511bを通る平行線E´を描き、直線Eと平行線E´との間隔を先端部511の高さHとしたときに、下記式(1)を満たしている。
H≧R(1-cosθ)×生地伸び率・・・(1)
ここで、式(1)における生地伸び率は、前記不織布の伸び率を意味し、JIS L 1913(一般不織布試験方法)の「6.3 引張強さ及び伸び率(ISO法)6.3.1 標準時」に規定の測定方法によって測定される。
これによって、先端部511に外力が加わって不織布に伸びが生じた場合であっても、先端部511の湾曲した状態が維持されるため、先端部511に外力を分散させることができる。
【0041】
袖下溶着部53は、医療用ガウン1の袖部20における下端縁部をなしている。袖下溶着部53の先端部531は、袖上溶着部52の先端部521よりも左右方向d1の内方に配されている。
【0042】
側端縁溶着部54は、ガウン本体10を介して左右方向d1の両側に一対形成されており、医療用ガウン1の側端縁部をなしている。各側端縁溶着部54は、袖下溶着部53と腰紐30との間に形成された胴部溶着部54aと、腰紐30と裾口42との間に形成された脚部溶着部54bとを有する。
【0043】
胴部溶着部54aは、上端から下端に向かうにつれて医療用ガウン1の内方から外方に向かって膨むように形成されている。胴部溶着部54aは、下端において最も外方に膨くらんでおり、腰紐溶着部55(具体的には後述の外向溶着部55a)につながっている。脚部溶着部54bは、腰紐溶着部55(具体的には後述の内向溶着部55b)につながっている。
【0044】
ここで、本実施形態の腰紐30についてより具体的に説明する。前記展開状態において、本実施形態の腰紐30は、医療用ガウン1の側端縁部から延びている。また、腰紐30は、側端縁溶着部54に沿って延びるように形成されている。腰紐30は、ガウン本体10との接続部たる基端部33と、基端部33から先端部に向かって縮径するように形成された縮径部34と、縮径部34から先端部に向かって一定の幅を有するように延びる長尺部35とを有する。
【0045】
基端部33の幅は、長尺部35の幅の少なくとも2倍以上であることが好ましい。これによって、脱衣時に着用者が前身頃11を前方に引っ張った際、腰紐30が長尺部35において切断され易くなる。
【0046】
腰紐30の長さ(紐幅方向の中心をとおる中心線の長さ)は、70cm以上90cm以下であることが好ましい。前記展開状態において、上下方向d2における腰紐30の先端部の位置は、ガウン本体10の下端縁部と同じであることが好ましい。
【0047】
本実施形態の腰紐30では、腰紐溶着部55がその側縁部をなしている。そして、前記展開状態において、腰紐溶着部55は、外側に位置する外向溶着部55aと、内側に位置し側端縁溶着部54に対向する内向溶着部55bとを有する。外向溶着部55aは、側端縁溶着部54における胴部溶着部54aとつながっており、内向溶着部55bは、側端縁溶着部54における脚部溶着部54bとつながっている。
【0048】
図4に示すように、外向溶着部55aは、側端縁溶着部54の胴部溶着部54aとの接続部たる基端部551aを有する。また、内向溶着部55bは、側端縁溶着部54の脚部溶着部54bとの接続部たる基端部551bを有する。そして、外向溶着部55aの基端部551a及び内向溶着部55bの基端部551bのそれぞれは、腰紐30の基端部33における側縁部331をなしている。
【0049】
内向溶着部55bの基端部551bは、湾曲した形状をなしている。
【0050】
内向溶着部55bの基端部551bは、ガウン本体10の上端から上下方向d2において45cm以上離れた位置に配されている。すなわち、本実施形態の医療用ガウン1では、腰紐30の基端部33がガウン本体10の前記上端から45cm以上、好ましくは50cm以上離れた位置に配されている。これによって、着用者が腰紐30を結束したときに、腰紐30が着用者の胴部回りに配され易くなる。また、着用時において腰紐30が着用者の胴部における上部(着用者の胸部近傍)に配され易くなるように、腰紐30の基端部33とガウン本体10の前記上端との上下方向d2における間隔は、70cm以下であることが好ましく、好ましくは60cm以下であることがより好ましい。これによって、着用時の腰紐30が、ガウン本体10の上方への位置ずれをより一層抑制し得るものとなる。なお、本実施形態の医療用ガウン1は、第1シートS1と左第2シートS2a及び右第2シートS2bとが溶着部のみで接合されており、糸による縫合部が形成されないものである。このため、本実施形態の医療用ガウン1は、アームホールを有していない。アームホールを有さない医療用ガウンは、着用者の腕のつけ根付近を覆う部分が立体的な形状になり難く、腕を配するための空間を十分に形成することができないものである。よって、アームホールを有さない医療用ガウンは、アームホールを有するものと比較して、着用者の腕の動きに追従してガウン本体が位置ずれし易い。この対策として、本実施形態の医療用ガウン1は、腰紐30の取り付け位置に上記のような工夫がなされている。
【0051】
アームホールがないことに対するさらなる工夫として、本実施形態の袖部20は、基端の幅が先端の幅に対して2倍以上とされている。具体的には、袖部20の基端における幅は、20cm以上である。これによって、アームホールがないわりには、着用者の腕回りの窮屈感が抑制される。
【0052】
図2に示すように、本実施形態の後身頃12は、左後身頃12aと右後身頃12bとが上下方向d2にわたって互いに重なるように構成されている。本実施形態では、内側に配された左後身頃12aに右後身頃12bが外側から重なっている。これによって、左後身頃12aは、右後身頃12bに重なる先端縁121aを有し、且つ、右後身頃12bは、左後身頃12aに重なる先端縁121bを有するものとなる。先端縁121a及び先端縁121bは、上下方向d2に沿って延びている。なお、内側に配された右後身頃12bに左後身頃12aが外側から重なっていてもよい。前記展開状態において、左後身頃12aと右後身頃12bとの重なった領域の幅(先端縁121aと先端縁121bとの間隔)は、10cm以上であることが好ましい。また、先端縁121aと先端縁121bとの間隔は、襟ぐり41の幅以下であることが好ましい。
【0053】
また、図5及び図6に示すように、後身頃12は、左後身頃12aと右後身頃12bとが重なった状態を維持する係合材60を有する。本実施形態の係合材60には、面ファスナの一方(フック部を有する方)が用いられている。具体的には、面ファスナは、フック部と該フック部に係合するループ部とを備えており、通常はこれらが組み合わせられて用いられるが、該フック部が前記不織布に係合可能であるため、本実施形態の係合材60では、面ファスナのうち前記フック部のみが用いられている。これによって、前記面ファスナが用いられる場合と比較して、左後身頃12aと右後身頃12bとの間に形成され得る隙間が、前記ループ部がない分小さくなるため、着用者保護の観点から好ましい。
【0054】
本実施形態の前記フック部は、平坦な長方形状であり、前記不織布の繊維と係合し得る複数のフックが形成されたフック面と、前記フック面の反対側の面であり前記不織布には係合しない平滑面とを有する。前記フック部は、前記平滑面が左後身頃12aの表面をなすラミネートフィルムに溶着されることで左後身頃12aとの接合面61をなしており、且つ、前記フック面が右後身頃12bの裏面をなす不織布と係合することで右後身頃12bとの係合面62をなしている。そして、前記フック部は、係合面62を右後身頃12bに係合させて左後身頃12aと右後身頃12bとが重なり合った係合状態と、係合面62を右後身頃12bから離反させて左後身頃12aと右後身頃12bとを離反させる非係合状態とを切り替え可能となっている。
【0055】
さらに、本実施形態では、前記フック部は、前記フック面が内側を向くように(言い換えれば前記平滑面が外側を向くように)長さ方向の端部領域が折り曲げられた屈曲体60aとされている。屈曲体60aは、左後身頃12aに溶着により接合された接合面61を有する第1面たる裏面61aと、右後身頃12bに係合する係合面62を有する第2面たる表面62bとを有する。また、屈曲体60aは、上下方向d2に延びる第1側端縁64aと第2側端縁65aとを有する。
【0056】
本実施形態の屈曲体60aは、全体が左後身頃12aに重なるように配されている。屈曲体60aは、第1側端縁64a(左後身頃12aの先端縁121aに近い方の側端縁)が先端縁121aに重なるように配されていてもよく、先端縁121aから左右方向d1に離れるようにして配されていてもよい。なお、屈曲体60aは、一部が左後身頃12aと重ならずに左後身頃12aからはみ出していてもよい。
【0057】
屈曲体60aの裏面61aは、左後身頃12aの先端縁121a側に配された接合面61と、前記平滑面で構成されており接合面61の左側に隣り合うように配された裏側非係合面631とを有する。一方、屈曲体60aの表面62bは、前記フック面で構成された係合面62と、前記平滑面で構成されており係合面62を介して左右方向d1の両側に配された表側非係合面632とを有する。
【0058】
係合面62は、左後身頃12aの左右方向d1において接合面61よりも基端側(左後身頃12aと前身頃11とを接合する側端縁溶着部54に近い側)に配されている。これによって、図6に示すように、左後身頃12aと右後身頃12bとに左右方向d1に離反させる力が加えられたときに、右後身頃12bに係合した係合面62が、接合面61に支持されながら右後身頃12bの離反方向(右回り)に回動することによって、離反方向と交差するように起立した状態となる。この状態から、さらに前記離反させる力が加えられると、係合面62が、第1側端縁64a側から第2側端縁65a側の順に右後身頃12bから離反する。この場合、前記離反させる力が弱い場合であっても、比較的容易に係合面62を右後身頃12bから離反させることができる。
【0059】
好ましくは、接合面61の表側には表側非係合面632が配されており、係合面62の裏側には裏側非係合面631が配されている。また、裏側非係合面63は、係合材60が前記係合状態とされたときに、接合面61から右後身頃12bの先端縁121bに向かって延出するように形成され、且つ、延出方向先端部が係合材60の第2側端縁65aをなしている。これによって、医療用ガウン1(左後身頃12aと右後身頃12bとが係合材60によって係合した状態)を着用しようとする着用者が、第2側端縁65aの近傍を摘まみ易くなり、これによって、前記係合状態から前記非係合状態にして左後身頃12aと右後身頃12bとを離反させ易くなる。
【0060】
図7に示すように、本実施形態の袖部20は、親指口43を形成する開口縁23と、他の指を挿通するための袖口44を形成する袖口縁24とを有する。
【0061】
開口縁23は、袖上溶着部52を袖部20の基端側と先端側とに分断するように形成されている。言い換えれば、袖上溶着部52の前記基端側と前記先端側とは、開口縁23を介してつながっている。開口縁23は、下方に向かって凹入するように形成されている。
【0062】
袖口縁24は、袖上溶着部52の先端部521から袖下溶着部53の先端部531に向かうにつれて袖部20の基端部に近付くように傾斜している。すなわち、袖口縁24は、親指口43から離れるにつれて袖部20の基端部に近付くように傾斜している。さらに、袖口縁24は、袖部20の基端部に向かって湾曲した形状をなしている。
【0063】
ここで、開口縁23のうち袖部20の最も先端側に位置する点を第1点P1とし、袖口縁24のうち袖部20の最も基端側に位置する点を第2点P2とする。第1点P1は、着用者の親指と人差し指との間の部分に支持される点となる。また、着用者が腕を延ばして親指と人差し指との間に第1点P1を支持させたときに、第2点P2は、袖口縁24における着用者に最も近い点となる。そして、第1点P1と第2点P2とを結ぶ直線Lが、袖部20の中心線CLと直交する袖幅方向d3に対して10°(図7のθが示す角度)以上傾いていることが好ましく、15°以上傾いていることがより好ましい。これによって、袖部20における手を被覆する部分のだぶつきが軽減される。また、直線Lの袖幅方向d3に対する傾きは、30°以下であることが好ましい。これによって、袖部20が着用者の手を十分に保護し得るものとなる。また、前記傾きが10°以上30°以下であることで、袖口縁24が各指の付け根に沿うように配され易くなるため、着用者の手における作業性が向上し得る。
【0064】
本実施形態の医療用ガウン1は、AAMIレベル1~4のサージカルガウン、AAMIレベル1~3のアイソレーションガウンとして用いられ得る。
【0065】
以上のように、例示として一実施形態を示したが、本発明に係る医療用ガウンは、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明に係る医療用ガウンは、上記作用効果により限定されるものでもない。本発明に係る医療用ガウンは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0066】
例えば、上記実施形態では、第1シートS1、左第2シートS2a、及び右第2シートS2bは、ラミネートフィルムを備える不織布であるが、本発明はこれに限定されず、各シートは、ラミネートフィルムを備えていない不織布であってもよい。すなわち、各シートは、不織布のみを備えていてもよい。
【0067】
また、前記係合材に関し、屈曲体は、長方形状の前記フック部が前記フック面が外側を向くように(前記平滑面が内側を向くように)長さ方向の中央部で折り曲げられたものであってもよい。かかる屈曲体は、前記フック面で構成された外面と、前記平滑面で構成された内面とを有するものとなる。そして、該屈曲体は、前記外面における前記中央部を介した一方側の第1領域が前記左後身頃に接合されて前記接合面をなし、前記外面における前記中央部を介した他方側の第2領域が前記右後身頃に係合する前記係合面をなすように、前記左後身頃に接合されるのが好ましい。また、該屈曲体は、前記第1領域及び前記第2領域の両方が、前記中央部から前記右後身頃の前記先端縁に向かって延出するように接合されることが好ましい。これによって、前記左後身頃と前記右後身頃とに左右方向に離反させる力が加えられたときに、前記係合面が起立した状態となり得る。
【0068】
また、係合材は、面ファスナ(フック部とループ部とを備えるもの)の他、粘着テープで構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1:医療用ガウン、d1:左右方向、d2:上下方向、S1:第1シート、S2a:左第2シート、S2b:右第2シート、10:ガウン本体、11:前身頃、12:後身頃、12a:左後身頃、121a:先端縁、12b:右後身頃、121b:先端縁、20:袖部、21a:左前袖部、21b:右前袖部、22a:左後袖部、22b:右後袖部、23:開口縁、24:袖口縁、30:腰紐、31a:左前紐部、31b:右前紐部、32a:左後紐部、32b:右後紐部、33:基端部、331:側縁部、34:縮径部、35:長尺部、41:襟ぐり、42:裾口、43:親指口、44:袖口、51:上端溶着部、511:先端部、511a:基端、511b:先端、R:曲率半径、θc:中心角、52:袖上溶着部、53:袖下溶着部、54:側端縁溶着部、54a:胴部溶着部、54b:脚部溶着部、55:腰紐溶着部、55a:外向溶着部、55b:内向溶着部、551b:基端部、60:係合材、60a:屈曲体、61:接合面、62:係合面、61a:裏面、62b:表面、631:裏側非係合面、632:表側非係合面、64a:第1側端縁、65a:第2側端縁、E:直線、E´:平行線、H:高さ、P1:第1点、P2:第2点、L:直線、CL:中心線、d3:袖幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7