(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174390
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】充放電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087225
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志谷 和真
(72)【発明者】
【氏名】中本 篤志
(72)【発明者】
【氏名】田畑 智大
(72)【発明者】
【氏名】佐野 博哉
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA04
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA07
5G503FA01
5G503FA06
5G503GB03
(57)【要約】
【課題】筐体の内部に雨又は雪等が入ることを抑制する。
【解決手段】充放電装置1は、筐体2と、電力変換回路14と、ファン部16と、を備える。筐体2は、室外の設置面に設置される。電力変換回路14は、筐体2の内部空間Sp0に配置され、充放電のための電力変換を行う。ファン部16は、内部空間Sp0に配置されている。筐体2は、吸気口351と、排気口49と、第1流路21と、第2流路22と、を有する。吸気口351は、ファン部16の動作時に内部空間Sp0に空気を吸気する。排気口49は、ファン部16の動作時に内部空間Sp0から空気を排気する。第1流路21は、吸気口351から上方に向かう。第2流路22は、第1流路21の上端から排気口49まで連続し、下方又は斜め下方に向かうように屈曲する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外の設置面に設置される筐体と、
前記筐体の内部空間に配置され、充放電のための電力変換を行う電力変換回路と、
前記内部空間に配置されているファン部と、
を備え、
前記筐体は、
前記ファン部の動作時に前記内部空間に空気を吸気する吸気口と、
前記ファン部の動作時に前記内部空間から空気を排気する排気口と、
前記吸気口から上方に向かう第1流路と、
前記第1流路の上端から前記排気口まで連続し、下方又は斜め下方に向かうように屈曲する第2流路と、
を有する、
充放電装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記第2流路の一部を遮る仕切部を更に有する、
請求項1に記載の充放電装置。
【請求項3】
前記仕切部は、
開口部と、
前記開口部の下方に形成され、前記第2流路の下端部を遮る壁部と、
を有する、
請求項2に記載の充放電装置。
【請求項4】
前記仕切部は、所定以上の大きさの塵埃を捕捉し前記開口部に設けられるエアフィルタを更に有する、
請求項3に記載の充放電装置。
【請求項5】
前記仕切部は、前記開口部の下方に形成されている突出部を更に有し、
前記突出部は、板状に形成されており、前記壁部から上下方向と直交する方向に沿って前記排気口側に突出している、
請求項3に記載の充放電装置。
【請求項6】
前記突出部は、前記開口部の縁部に形成されている、
請求項5に記載の充放電装置。
【請求項7】
前記排気口は、前記突出部よりも下方に配置されている、
請求項5に記載の充放電装置。
【請求項8】
前記筐体は、
前記吸気口を有する第1筐体と、
前記排気口を有し、前記第1筐体の上方に配置され、前記第1筐体に対して着脱可能に構成されている第2筐体と、
を有し、
前記第1流路は前記第1筐体の内部空間に形成されており、
前記第2流路は前記第2筐体の内部空間に形成されている、
請求項1に記載の充放電装置。
【請求項9】
前記第1筐体と、前記第2筐体の少なくとも一部とを上方から覆うカバーを更に備え、
前記排気口は、上面視において前記カバーから後方に突出している、
請求項8に記載の充放電装置。
【請求項10】
前記排気口は、斜め下方であって前記第1流路から遠ざかる方を向いている、
請求項1に記載の充放電装置。
【請求項11】
前記筐体の前記内部空間は、第1空間と第2空間とに区分けされており、
前記電力変換回路は、前記第1空間に配置され、
前記ファン部は、前記第2空間に配置され、
前記第1流路は、前記第2空間に形成されている、
請求項1に記載の充放電装置。
【請求項12】
前記電力変換回路と熱的に接続された放熱部を更に備え、
前記放熱部は、前記第1流路内に配置されている、
請求項1に記載の充放電装置。
【請求項13】
前記ファン部は、前記吸気口の上方かつ前記放熱部の下方に配置されている、
請求項12に記載の充放電装置。
【請求項14】
前記電力変換回路は、第1回路及び第2回路を有し、
前記第1回路は、第1基板を有し、
前記第1基板は、複数の回路部品が実装されている実装面を有し、
前記第2回路は、第2基板を有し、
前記第2基板は、複数の回路部品が実装されている実装面を有し、
前記第1基板の前記実装面の法線及び前記第2基板の前記実装面の法線は、上下方向と直交し、
前記第2回路は前記第1回路の下方に配置されており、
前記第1空間にはファンが配置されていない、
請求項11に記載の充放電装置。
【請求項15】
外部電源から電力が入力される電力入力ケーブルと、
電力変換した電力を出力する電力出力ケーブルと、
を更に備え、
前記第2基板の前記実装面には、前記電力入力ケーブル及び前記電力出力ケーブルと電気的に接続される一対のリレーが実装されている、
請求項14に記載の充放電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に充放電装置に関し、より詳細には、電力変換回路を備える充放電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、キャビネットと、仕切板と、放熱部ファンと、を備える発熱体収納装置が開示されている。仕切板は、発熱部と放熱部とを区画している。キャビネットは、放熱部の下側に設けられた放熱部吸込口と、放熱部の上側に設けられた放熱部排出口と、を有する。放熱部ファンは、放熱部排出口の上流側に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような放熱部排出口(排気口)を有する装置(充放電装置)は、屋外に設置された際に、キャビネット(筐体)の内部に雨又は雪等が入る場合がある。特に気温が低い場合にキャビネットの内部に雨又は雪等が入り込むと、放熱部ファン(ファン部)が凍結する可能性があった。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、筐体の内部に雨又は雪等が入ることを抑制する充放電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る充放電装置は、筐体と、電力変換回路と、ファン部と、を備える。前記筐体は、室外の設置面に設置される。前記電力変換回路は、前記筐体の内部空間に配置され、充放電のための電力変換を行う。前記ファン部は、前記内部空間に配置されている。前記筐体は、吸気口と、排気口と、第1流路と、第2流路と、を有する。前記吸気口は、前記ファン部の動作時に前記内部空間に空気を吸気する。前記排気口は、前記ファン部の動作時に前記内部空間から空気を排気する。前記第1流路は、前記吸気口から上方に向かう。前記第2流路は、前記第1流路の上端から前記排気口まで連続し、下方又は斜め下方に向かうように屈曲する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の上記態様に係る充放電装置によれば、筐体の内部に雨又は雪等が入ることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る充放電装置を一の角度から見た斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の充放電装置を別の角度から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の充放電装置の要部の分解斜視図である。
【
図6】
図6は、同上の充放電装置の別の要部を一の角度から見た分解斜視図である。
【
図7】
図7は、同上の充放電装置の別の要部を別の角度から見た分解斜視図である。
【
図8】
図8は、同上の充放電装置の電力変換回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する場合がある。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、図面中の各方向を示す矢印は一例であり、充放電装置1の使用時の方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0010】
なお、本開示でいう「直交(垂直)」は、二者間の角度が厳密に90°である状態だけでなく、二者がある程度の誤差の範囲内で直交する状態も含む意味である。つまり、直交する二者間の角度は、90°に対してある程度の差(一例として10°以下)の範囲内に収まる。すなわち、本開示でいう「直交」は、二者でなす角度が80°以上100°以下である場合を含む。本開示でいう「平行」についても同様に、厳密に二者が交わらない状態だけでなく、二者がある程度の差の範囲内で平行である状態も含む意味である。例えば、本開示でいう「平行」は、一方に対する他方の傾きが10°以下であることを含む。すなわち、本開示でいう「平行」は、一方と他方とでなす角度が-10°以上10°以下である場合を含む。
【0011】
(実施形態)
(1)概要
まず、本実施形態に係る充放電装置1の概要について、
図1~
図5を参照して説明する。
【0012】
なお、以下の説明では、重力方向を下方向と規定する。ただし、下方向は重力方向に対して所定の許容角度以内(例えばプラスマイナス10°)以内のずれがあってもよい。下方向の反対を上方向と規定する。また、上方向及び下方向をあわせて「上下方向」と呼ぶことがある。
【0013】
図1~
図3に示す充放電装置1は、例えば、車等の移動体の蓄電池を充電するために、電力を出力する装置である。充放電装置1は、本実施形態では、移動体としての電気自動車の専用の充電器である。充電器としては、本実施形態では普通充電器であるが、急速充電器であってもよい。
【0014】
本開示でいう「移動体」は、上述のように、蓄電池を備え、蓄電池に充電された電気エネルギを用いて移動する。「移動体」は、電気自動車、エンジンの出力と電動機の出力とを組み合わせて走行するプラグインハイブリッド車、電動カート、電動二輪車、電動三輪車、電動四輪バギー、ドローン又は航空機等の飛行体等を含み得る。「電動二輪車」は、オートバイ、電動バイク及び電動アシスト二輪車を含み得る。また、「電動三輪車」は、電動バイク及び電動アシスト三輪車を含み得る。
【0015】
図4に示すように、本実施形態の充放電装置1は、筐体2と、電力変換回路14と、ファン部16と、を備える。
【0016】
電力変換回路14は、筐体2の内部空間Sp0に配置される。電力変換回路14は、充放電のための電力変換を行う。
【0017】
ファン部16は、筐体2の内部空間Sp0に配置されている。
【0018】
筐体2は、室外の設置面100(
図1参照)に設置される。筐体2は、吸気口351と、排気口49と、第1流路21と、第2流路22と、を有する。
【0019】
本開示でいう「設置面100」は、充放電装置1の筐体2が、直接又は後述するベース9(
図1参照)を介してその上に設置される面を意味し、例えば車両用の駐車スペース横の、地面等である。設置面100は、水平面と平行であってもよいし、水平面から傾いていてもよい。また設置面100は、平面に限らず、凹凸面であってもよい。
【0020】
吸気口351は、ファン部16の動作時に筐体2の内部空間Sp0に空気を吸気する。
【0021】
排気口49は、ファン部16の動作時に筐体2の内部空間Sp0から空気を排気する。
【0022】
第1流路21は、吸気口351から上方に向かうように形成されている。
【0023】
図5に示すように、第2流路22は、第1流路21の上端から排気口49(開口面491)まで連続するように形成されている。第2流路22は、下方又は斜め下方に向かうように屈曲している。
【0024】
本実施形態の充放電装置1によれば、第1流路21から排気口49まで続く第2流路22が、下方又は斜め下方に向かうように屈曲しているため、雨又は雪等が排気口49から筐体2の内部(内部空間Sp0)に入ることを抑制することができる。
【0025】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る充放電装置1の詳細な構成について説明する。
【0026】
(2.1)充放電装置
図1~
図3に示すように、充放電装置1は、筐体2と、カバー5と、ベース9と、操作表示パネル10と、第1ケーブル11と、コネクタ12と、コネクタホルダ13と、第2ケーブル15(
図8参照)と、を備える。また、
図4に示すように、充放電装置1は、放熱部7と、第2区画部8と、電力変換回路14と、ファン部16と、を備える。
【0027】
(2.2)操作表示パネル
図3に示すように、操作表示パネル10は、カバー5の前板53の開口部531に配置されている。操作表示パネル10は、その前面に、複数(
図3の例では5つ)の操作ボタン101及び複数(
図3の例では6つ)の表示灯102を備えている。複数の操作ボタン101は、充電の開始を指示するための充電指令を出力する充電開始ボタン、充電の停止を指示するための停止指令を出力する充電停止ボタン等を含み得る。複数の表示灯102は、例えば、点灯又は点滅することによって、充放電装置1の複数の動作状態(例えば、充電中の状態、充電完了の状態、異常発生状態等)を表示する。
【0028】
(2.3)コネクタ
図1に示すように、コネクタ12は、第1ケーブル11の一端と繋がっている。コネクタ12は、移動体の充電口に接続可能に構成されている。コネクタ12が充電口に接続された状態で、電力変換回路14(
図4参照)から電力が出力されることで、移動体の蓄電池に電力を充電することができる。また、コネクタ12が充電口に接続された状態で、移動体から出力された電気信号を、コネクタ12及び第1ケーブル11を介して電力変換回路14に伝えることができる。
【0029】
(2.4)コネクタホルダ
コネクタホルダ13は、筐体2に取り付けられている。コネクタホルダ13は、コネクタ12を保持可能に構成されている。コネクタホルダ13は、非使用時のコネクタ12を保持する。
【0030】
(2.5)第1ケーブル
第1ケーブル11は、電力変換回路14(
図4参照)とコネクタ12とを電気的に接続している。なお、本開示でいう「電気的に接続」とは、電気的に導通した状態の接続を意味し、直接的な接続だけでなく、例えば電線等の導体、ブレーカ、コネクタ、又はリレー(接続装置)等を介した間接的な接続も含み得る。
【0031】
第1ケーブル11は、少なくとも、電力変換回路14から出力された電力をコネクタ12へ伝える。すなわち、本実施形態の第1ケーブル11は、電力変換回路14が電力変換した電力を出力する電力出力ケーブルとして機能する。本実施形態では、第1ケーブル11は、移動体からコネクタ12へ出力された電気信号を、電力変換回路14に伝える機能も有する。第1ケーブル11は、可とう性を有しており、例えば、真っ直ぐにしたり、巻き回したりなどの変形が可能である。
【0032】
(2.6)第2ケーブル
第2ケーブル15(
図8参照)は、電力変換回路14と外部電源とを電気的に接続している。第2ケーブル15は、少なくとも、外部電源から出力された電力を電力変換回路14へ伝える。すなわち、本実施形態の第2ケーブル15は、外部電源から電力が入力される電力入力ケーブルとして機能する。第2ケーブル15は、可とう性を有しており、例えば、真っ直ぐにしたり、巻き回したりなどの変形が可能である。
【0033】
(2.7)ベース
図1~
図3に示すように、ベース9は、筐体2の下方に配置されている。ベース9は、上面及び下面が開口した中空の箱状である。ベース9は、例えば金属で形成されている。ベース9は、ベース本体90と、ベースパネル93と、を備える。
【0034】
ベース本体90は、一対の側板92及び後板91を備える。ベース本体90の形状は、上面視においてU字状である。
【0035】
なお、以下の説明では、一対の側板92のうちの一方から他方に向かう方向を左方向と規定する。また、左方向の反対を右方向と規定する。また、左方向及び右方向をあわせて「左右方向」と呼ぶことがある。左右方向は、上下方向と直交する。さらに、後板91からベースパネル93に向かう方向を前方向と規定する。また、前方向の反対を後方向と規定する。また、前方向及び後方向をあわせて「前後方向」と呼ぶことがある。前後方向は、上下方向及び左右方向と直交する。
【0036】
後板91は、矩形板状に形成されている。後板91の下端には、貫通孔911が形成されている。貫通孔911は、後板91の下縁の左右方向の中央から上方に延びる第1部分と、第1部分の上端から左右に延びる第2部分とを有する。貫通孔911の形状は、背面視においてT字状である。貫通孔911には、第1ケーブル11が通されている。なお、貫通孔911には、第2ケーブル15が通されていてもよい。
【0037】
一対の側板92の各々は、矩形板状に形成されている。一対の側板92は、左右方向における後板91の両端から前方に突出している。
【0038】
図3に示すように、ベース本体90は、一対の第1取付板94と、一対(
図3の例では1つ)の第2取付板95と、一対のパネル取付部96と、を更に有する。なお、
図3では、第1ケーブル11、第2ケーブル15、及びコネクタ12の図示を省略している。
【0039】
一対の第1取付板94は、矩形板状に形成されている。一対の第1取付板94は、一対の側板92の下端から左右方向に沿って内方(互いに近付く方向)へ突出している。一対の第1取付板94の各々には、ベース本体90を設置面100へねじによって取り付けるための複数(
図3の例では2つ)の貫通孔941が形成されている。
【0040】
一対の第2取付板95は、矩形板状に形成されている。一対の第2取付板95は、一対の側板92の上端から左右方向に沿って内方(互いに近付く方向)へ突出している。一対の第2取付板95の各々には、ベース本体90を筐体2へねじによって取り付けるための複数(
図3の例では2つ)の貫通孔951が形成されている。
【0041】
一対のパネル取付部96は、矩形板状に形成されている。一対のパネル取付部96は、一対の側板92の前端から左右方向に沿って内方(互いに近付く方向)へ突出している。
【0042】
ベースパネル93は、矩形板状に形成されている。ベースパネル93は、ベース本体90の前側の開口を塞ぐように、ベース本体90に取り付けられている。より具体的には、ベースパネル93は、一対のパネル取付部96に、ねじによって取り付けられている。
【0043】
(2.8)電力変換回路
図4に示すように、電力変換回路14は、筐体2の内部空間Sp0に配置されている。より具体的には、電力変換回路14は、筐体2の後述する第1空間Sp1に配置されている。
【0044】
電力変換回路14は、第2ケーブル15(
図8参照)等を介して、外部電源(例えば、蓄電池、太陽光発電装置等の直流電源)に電気的に接続される。電力変換回路14は、外部電源から電力の供給を受ける。また、電力変換回路14は、第1ケーブル11、及びコネクタ12等を介して、移動体の蓄電池へ充電可能な電力を供給する。なお、外部電源は、商用交流電源等の交流電源であってもよい。
【0045】
電力変換回路14は、第1回路141と、第2回路142と、を有する。
【0046】
第1回路141は、第2回路142の上方に配置されている。第1回路141は、第1基板143を有する。第1基板143は、複数の回路部品が実装されている実装面を有する。実装面の法線は、上下方向と直交している。具体的には、実装面の法線は、前後方向に沿っている。
【0047】
本実施形態の第1回路141は、移動体が有する蓄電池の充放電のための電力変換を行う。
図8に示すように、本実施形態の第1回路141は、電線等の導体L1,L2を介して第2回路142の電気的に接続されている。例えば、第1回路141は、導体L1及び第2回路142等を介して、外部電源から電力の供給を受ける。また第1回路141は、導体L2及び第2回路142等を介して、電力変換を行った電力を移動体の蓄電池へ出力する。
【0048】
本実施形態の第1基板143の実装面には、例えば、電源平滑用のコンデンサ、トランス、及び、発熱量が大きいパワーデバイス等の複数の回路部品が実装されている。本実施形態の第1基板143に実装されている電源平滑用のコンデンサは、定格温度がトランス等の他の回路部品と比べて相対的に低い回路部品である。電源平滑用のコンデンサは、トランスよりも下方に配置されている。より具体的には、電源平滑用のコンデンサは、上下方向における第1基板143の中央部よりも下方に配置されている。
【0049】
図4に示すように、第2回路142は、第1回路141の下方に配置されている。第2回路142は、第2基板144を有する。第2基板144は、複数の回路部品が実装されている実装面を有する。実装面の法線は、上下方向と直交している。具体的には、実装面の法線は、前後方向に沿っている。
【0050】
本実施形態の第2回路142は、例えばコンデンサ及びインダクタ等を有するフィルタ回路である。第2回路142は、外部電源から供給される電力及び移動体に出力する電力から、例えば高周波成分等のノイズ成分を低減する。
【0051】
図8に示すように、本実施形態の第2基板144の実装面には、一対のリレー145が実装されている。一対のリレー145の一方は、例えばコネクタ等を介して、第2ケーブル15(電力入力ケーブル)と電気的に接続されている。また、一対のリレー145の他方は、例えばコネクタ等を介して、第1ケーブル11(電力出力ケーブル)と電気的に接続されている。すなわち、第2ケーブル15及び第1ケーブル11は、第2回路142と電気的に接続されている。一対のリレー145は、例えば、機械接点を有するメカニカルリレー、又は、機械接点を有しない半導体リレーである。
【0052】
本実施形態の第2基板144に実装されている一対のリレー145は、定格温度がトランス等の第1回路141の第1基板143に実装されている他の回路部品と比べて相対的に低い回路部品である。例えば本実施形態では、第2基板144に実装されている一対のリレー145の定格温度と、第1基板143に実装されている電源平滑用のコンデンサの定格温度とは同じ温度である。
【0053】
(2.9)放熱部
図4に示すように、放熱部7は、電力変換回路14の後方に配置されている。より具体的には、本実施形態の放熱部7は、第1回路141の後方に配置されている。放熱部7は、例えばアルミニウム又は鉄等の金属で形成されている。本実施形態の放熱部7は、電力変換回路14のヒートシンクとして機能する。放熱部7は、本体部71と、フィン部72と、を有する。
【0054】
本体部71は、矩形板状に形成されている。本体部71の主面(前面及び後面)の法線は、前後方向に沿っている。本体部71は、例えば発熱量が大きい回路部品の裏側に設けられる放熱土台等を介して、電力変換回路14(第1回路141)と熱的に接続されている。
【0055】
本実施形態の本体部71は、第1区画部としても機能する。本体部71は第2区画部8と共に区画部の一部である。区画部は、筐体2の内部空間Sp0を第1空間Sp1と第2空間Sp2とに区画している。第1空間Sp1は、区画部を介して、第2空間Sp2の前方に位置する空間である。本体部71は、筐体2の内部空間Sp0の上側において、内部空間Sp0を第1空間Sp1と第2空間Sp2とに区画している。
【0056】
フィン部72は、矩形板状の複数のフィンを有する。複数のフィンは、本体部71の後面から後方に突出している。複数のフィンの各々の主面(左面及び右面)の法線は、左右方向に沿っている。フィン部72は、第1流路21内に配置されている。ファン部16の動作時に空気の通路となる第1流路21内にフィン部72が配置されているため、電力変換回路14を効率的に空冷することができる。
【0057】
(2.10)第2区画部
図4に示すように、第2区画部8は、放熱部7の本体部71(第1区画部)と共に区画部の一部である。第2区画部8は、放熱部7の本体部71の下方に配置されている。第2区画部8は、矩形板状の形成されている。第2区画部8の主面(前面及び後面)の法線は、前後方向に沿っている。第2区画部8は、筐体2の内部空間Sp0の下側において、内部空間Sp0を第1空間Sp1と第2空間Sp2とに区画している。第2区画部8の後面と、放熱部7の本体部71の後面とは面一である。
【0058】
なお、本開示でいう「面一」は、厳密に同一平面にある場合だけでなく、略同一平面にある場合、つまり実質的に面一である場合も含んでいる。例えば、AがBと面一であるという場合、AとBとは完全には同一平面になくてもよい。つまり、AがBと面一であるという場合、AはBと略同一平面にあればよく、AがBより僅かに突出している(出っ張っている)か、AがBより僅かに凹んでいてもよい。例えば、第2区画部8の後面は、放熱部7の本体部71より僅かに凹んでいてもよい。
【0059】
(2.11)筐体
図1~
図4に示すように、筐体2は、設置面100上に設置される。例えば、ベース9が設置面100上に設置され、筐体2がベース9の上に設置される。本実施形態の筐体2は、第1筐体3と、第2筐体4と、仕切部6(
図4参照)と、を有する。
【0060】
(2.11.1)第1筐体
第1筐体3は、矩形箱状に形成されている。第1筐体3は、例えば金属で形成されている。第1筐体3は、本体部30と、前面カバー33と、を有する。
【0061】
本体部30は、前面が開口の矩形箱状に形成されている。本体部30は、後板31と、一対の側板32と、天板34と、底板35と、を有する。
【0062】
後板31は、矩形板状に形成されている。後板31の主面の法線は、前後方向に沿っている。
【0063】
一対の側板32の各々は、矩形板状に形成されている。一対の側板32は、左右方向における後板31の両端から前方に突出している。一対の側板32の主面の法線は、左右方向に沿っている。
【0064】
天板34は、矩形板状に形成されている。天板34は、後板31の上端から前方に突出している。天板34の主面の法線は、上下方向に沿っている。
図6及び
図7に示すように、天板34の後側の中央部には、貫通孔341が形成されている。貫通孔341は、第1流路21と第2流路22とを連続させる貫通孔である。本実施形態の貫通孔341は、長手方向が左右方向に沿った矩形状の孔である。
【0065】
図3に示すように、底板35は、矩形板状に形成されている。底板35は、後板31の下端から前方に突出している。底板35の主面の法線は、上下方向に沿っている。
図3に示すように、底板35の後側の中央部には、吸気口351が形成されている。言い換えると、第1筐体3は、吸気口351を有する。上述のように、吸気口351は、ファン部16の動作時に筐体2の内部空間Sp0(第2空間Sp2)に空気を吸気する。本実施形態の吸気口351は、複数の貫通孔を有する。
【0066】
また、底板35には、貫通孔352と、貫通孔353とが形成されている。貫通孔352は、第1ケーブル11を通すための孔である。また、貫通孔353は、第2ケーブル15を通すための孔である。すなわち、本実施形態の充放電装置1では、第1ケーブル11(電力出力ケーブル)及び第2ケーブル15(電力入力ケーブル)は、筐体2の下部から筐体2の外部に出ている。
【0067】
前面カバー33は、矩形板状に形成されている。前面カバー33の主面の法線は前後方向に沿っている。前面カバー33は、本体部30の前側の開口を塞ぐように、例えばねじによって本体部30に取り付けられている。
【0068】
上述の第1空間Sp1は、前面カバー33、一対の側板32、区画部(放熱部7の本体部71及び第2区画部8)、天板34、及び底板35に囲まれた空間である。第1空間Sp1は密閉された空間である。なお、本開示でいう「密閉」は、全く隙間のない状態で閉じられていること、及び、多少隙間のある状態で閉じられていることを含み得る。
【0069】
本実施形態の第1空間Sp1には、ファンが配置されていない。第1空間Sp1にファンが配置されていないことで、電力変換回路14の動作時における第1空間Sp1の温度分布は、上方にいくほど温度が高い分布となる。相対的に定格温度が低い回路部品を、相対的に温度が低い第1空間Sp1の下側に配置することで、相対的に定格温度が低い回路部品が定格温度を超えることを抑制することができる。本実施形態では、相対的に定格温度が低い一対のリレー145が第1回路141の下方に位置する第2回路142の第2基板144に実装されているため、一対のリレー145が定格温度を超えることを抑制することができる。
【0070】
上述の第2空間Sp2は、後板31、一対の側板32、及び区画部(放熱部7の本体部71及び第2区画部8)に囲まれた空間である。第2空間Sp2は、天板34の貫通孔341及び排気口49を介して、又は、底板35の吸気口351を介して筐体2の外部空間と連続する空間である。後述するように、第2空間Sp2にはファン部16が配置されており、本実施形態の第2空間Sp2は、第1流路21として機能する。言い換えると、第1流路21は、第1筐体3の第2空間Sp2に形成されている。
【0071】
第1流路21として機能する第2空間Sp2を第1空間Sp1と区分けし、電力変換回路14を第1空間Sp1に配置することで、電力変換回路14の防水性能及び防塵性能を向上させつつ、筐体2の内部空間Sp0を冷却することができる。
【0072】
(2.11.2)第2筐体
図6及び
図7に示すように、第2筐体4は、下面が開口の箱状に形成されている。第2筐体4は、第1筐体3の上方に配置されている。より具体的には、第2筐体4は、第1筐体3の天板34の後側の中央部において天板34の貫通孔341の全体を覆うようにして配置されている。第2筐体4は、第1筐体3に対して着脱可能に構成されている。第2筐体4は、例えば金属で形成されている。
【0073】
第2筐体4は、前板41と、第1取付板42と、第1傾斜板43と、天板44と、第2傾斜板45と、一対の側板46と、一対の突出板47と、一対の第2取付板48と、排気口49と、を有する。
【0074】
前板41は、矩形板状に形成されている。前板41の主面の法線は、前後方向に沿っている。
【0075】
第1取付板42は、矩形板状に形成されている。第1取付板42は、前板41の下端から前方に突出している。第1取付板42の主面の法線は、上下方向に沿っている。第1取付板42は、例えばねじによって、第1筐体3の天板34に取り付けられる。
【0076】
第1傾斜板43は、矩形板状に形成されている。第1傾斜板43は、前板41の上端から上斜め後方に突出している。第1傾斜板43の主面の法線は、前方に向かうにつれて上方に向かう線である。
【0077】
天板44は、矩形板状に形成されている。天板44は、第1傾斜板43の上端から後方に突出している。天板44の主面の法線は、上下方向に沿っている。
【0078】
一対の側板46は、板状に形成されている。一対の側板46は、左右方向における天板44の両端及び第1傾斜板43の両端から下方に突出している。一対の側板46の各々の主面における法線は、左右方向に沿っている。一対の側板46の各々は、前板41の左右端と連続している。なお、側面視において、一対の側板46の後端と、第1筐体3の後板31とは面一である。
【0079】
一対の第2取付板48は、矩形板状に形成されている。一対の第2取付板48は、一対の側板46の下端から左右方向に沿って外方(互いに遠ざかる向き)に突出している。一対の第2取付板48の各々の主面における法線は、上下方向に沿っている。一対の第2取付板48は、例えばねじによって、第1筐体3の天板34に取り付けられる。
【0080】
第2傾斜板45は、矩形板状に形成されている。第2傾斜板45は、天板44の後端から下斜め後方に突出している。第2傾斜板45の主面の法線は、前方に向かうにつれて下方に向かう線である。
【0081】
一対の突出板47は、三角板状に形成されている。一対の突出板47は、一対の側板46の後端から後方に突出している。一対の突出板47の各々の主面における法線は、左右方向に沿っている。一対の突出板47の各々は、第2傾斜板45の左右端と連続している。一対の突出板47の各々は、第1辺471と、第2辺472と、第3辺473と、を有する。
【0082】
第1辺471は、
図6及び
図7において一点鎖線で示されている。第1辺471は、一対の側板46の各々の後端でもある。第1辺471は、上下方向に沿った辺である。本実施形態の第1辺471の下端は、第1筐体3の天板34よりも下方に位置している。
【0083】
第2辺472は、第2傾斜板45の左右端でもある。第2辺472は、第1辺471の上端から下斜め後方に延びる辺である。本実施形態の第2辺472の下端は、第1筐体3の天板34よりも上方に位置している。
【0084】
第3辺473は、第1辺471の下端と第2辺472の下端とを結ぶ辺である。第3辺473は、第2辺472の下端から下斜め前方に延びる辺である。
【0085】
上述のように、排気口49は、ファン部16の動作時に第2空間Sp2(内部空間Sp0)から空気を排気する。本実施形態の排気口49の少なくとも一部は、一対の突出板47と第2傾斜板45とによって形成されている。
【0086】
図4及び
図5に示すように、排気口49は、開口面491を有する。本実施形態の開口面491は矩形状である。より具体的には、本実施形態の開口面491は、一対の突出板47の第3辺473と、第2傾斜板45の下辺451(
図7参照)と、第1筐体3の後板31の後面の一部とを、各辺とする矩形状である。開口面491の法線は、後方に向かうにつれて下方に向かう線である。すなわち、開口面491は、下斜め後方を向いている。言い換えると、本実施形態の排気口49は、斜め下方であって第1流路21から遠ざかる方(後方)を向いている。排気口49が斜め下方であって第1流路21から遠ざかる方を向いていることで、排気口49から排気された空気が再び吸気口351から第1流路21に吸気されることを抑制することができる。
【0087】
第2筐体4の内部空間Sp3は、第1筐体3の第2空間Sp2と、第1筐体3の天板34の貫通孔341を介して連続している。第2筐体4の内部空間Sp3は、第1筐体3の天板34の貫通孔341から排気口49(開口面491)まで連続し、下斜め後方に向かうように屈曲している。
【0088】
より具体的には、第2筐体4の内部空間Sp3は、仕切部6によって、第3空間Sp4と第4空間Sp5とに区分けされている。第3空間Sp4は、仕切部6より内側の空間である。第3空間Sp4は、第1筐体3の第2空間Sp2と、第1筐体3の天板34の貫通孔341を介して連続している。第4空間Sp5は、仕切部6より外側の空間である。第4空間Sp5は、開口面491を介して筐体2の外部空間と連続している。
【0089】
第2筐体4の内部空間Sp3は、第2流路22として機能する。言い換えると、第2流路22は、第2筐体4の内部空間Sp3に形成されている。第2流路22が第1筐体3に対して着脱可能な第2筐体4の内部空間Sp3に形成されているため、第2筐体4と従来の第2筐体とを取り換えることにより、雨又は雪等が排気口49(開口面491)から筐体の内部空間に入ることを抑制することができる。
【0090】
(2.11.3)仕切部
図4及び
図5に示すように、仕切部6は、第2筐体4の内部空間Sp3に配置されている。仕切部6は、第2流路22の一部を遮る。より具体的には、仕切部6は、第2筐体4の一対の側板46の一方から他方にわたって、第2流路22の一部を遮っている。すなわち、仕切部6の左右方向の長さは、第2筐体4の一対の側板46間の長さと等しい。
【0091】
風が強い場合等に排気口49から雨又は雪等が第2流路22(第2筐体4の第4空間Sp5)に入った時でも、第2流路22の一部を仕切部6が遮っているため、雨又は雪が第1流路21(第2筐体4の第4空間Sp5)に入ることを抑制することができる。
【0092】
仕切部6は、例えば金属で形成されている。
図6及び
図7に示すように、本実施形態の仕切部6は、設置部61と、第1壁部62と、第2壁部63と、開口部64と、エアフィルタ65と、突出部66と、取付部67と、を有する。
【0093】
設置部61は、矩形板状に形成されている。設置部61の主面の法線は、上下方向に沿っている。設置部61は、第1筐体3の天板34の貫通孔341と、天板34の後端との間に配置されている。設置部61は、第1筐体3の天板34に接するようにして天板34の上に配置されている。なお、設置部61は、例えばシール部材等を介して天板34の上に配置されていてもよい。
【0094】
第1壁部62は、矩形板状に形成されている。第1壁部62は、設置部61の前端から上斜め前方に突出している。第1壁部62の主面の法線は、前方に向かうにつれて下方に向かう線である。第1壁部62は、開口部64(第2壁部63)の下方に形成されている。第1壁部62は、第2筐体4の一対の側板46の一方から他方にわたって、第2流路22の下端部を遮っている。下(斜め下)を向く排気口49の下側から雨又は雪が第2流路22(第2筐体4の第4空間Sp5)に入った場合であっても、第1壁部62が第2流路22の下端部を遮っているため、雨又は雪が第1流路21(第2筐体4の第3空間Sp4)に入ることを抑制することができる。
【0095】
第2壁部63は、矩形板状に形成されている。第2壁部63は、第1壁部62の上端から上方に突出している。第2壁部63の主面の法線は、前後方向に沿っている。第2壁部63の中央部には、第2壁部63を前後方向に沿って貫通する開口部64が形成されている。
【0096】
開口部64は、空気を排気口49側へ通すための開口である。本実施形態の開口部64は、矩形状である。なお、開口部64は、円形状、楕円形状、又は矩形状以外の多角形状であってもよい。
【0097】
エアフィルタ65は、開口部64に設けられている。エアフィルタ65は、所定以上の大きさの塵埃を捕捉する。エアフィルタ65は、例えばHEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)等である。開口部64にエアフィルタ65が設けられていることにより、排気口49から第2流路22(第2筐体4の第4空間Sp5)に入った塵埃、雨又は雪等が開口部64を通って第1流路21(第2筐体4の第3空間Sp4)に入ることを抑制することができる。
【0098】
突出部66は、矩形板状に形成されている。突出部66は、開口部64の下方に形成されている。突出部66は、第1壁部62から前後方向(上下方向と直交する方向)に沿って排気口49側(後方)に突出している。突出部66の主面の法線は、上下方向に沿っている。排気口49から第2流路22(第2筐体4の第4空間Sp5)に入った雨又は雪等が突出部66に引っ掛かるため、雨又は雪等が開口部64を通って第1流路21(第2筐体4の第3空間Sp4)に入ることを抑制することができる。
【0099】
本実施形態の突出部66は、開口部64の下側の縁部(下縁)の全長にわたって形成されている。開口部64により近い位置に突出部66が形成されていることで、雨又は雪が開口部64を通って第1流路21(第2筐体4の第3空間Sp4)に入ることをより抑制することができる。
【0100】
なお、本実施形態の排気口49は、突出部66よりも下方に配置されている。より具体的には、排気口49の開口面491の全体が突出部66よりも下方に配置されている。雨又は雪等の進入が、突出部66の下方からの侵入に限定されるため、雨又は雪が開口部64を通って第1流路21(第2筐体4の第3空間Sp4)に入ることをより抑制することができる。
【0101】
取付部67は、矩形板状に形成されている。取付部67は、第2壁部63の上端から前方に突出している。取付部67の主面の法線は、上下方向に沿っている。取付部67は、複数(
図6及び
図7の例では3つ)の貫通孔671が形成されている。取付部67は、貫通孔671を通ったねじによって、第2筐体4の天板44に対して固定される。
【0102】
(2.12)カバー
図5~
図7に示すように、カバー5は、下面、前面の一部、後面の一部が開口した箱状に形成されている。カバー5は、例えば合成樹脂で形成されている。カバー5は、第1筐体3と、第2筐体4の少なくとも一部と、操作表示パネル10と、を上方から覆う。カバー5は、例えばねじによって第1筐体3の天板44に取り付けられる。カバー5は、天板51と、一対の側板52と、前板53と、後板54と、を有する。
【0103】
天板51は、矩形板状に形成されている。天板51の主面の法線は、上下方向に沿っている。
【0104】
一対の側板52は、矩形板状に形成されている。一対の側板52は、天板51の左右端から下方に突出している。一対の側板52の各々の主面における法線は、左右方向に沿っている。
【0105】
前板53は、矩形板状に形成されている。前板53は、天板51の前端から下方に突出している。前板53の主面の法線は、前後方向に沿っている。前板53の中央部には矩形状の開口部531が形成されている。上述のように、開口部531には、操作表示パネル10が配置されている。
【0106】
後板54は、矩形板状に形成されている。後板54は、天板51の後端から下方に突出している。後板54の主面の法線は、前後方向に沿っている。後板54の中央部には矩形状の開口部541が形成されている。開口部541には、第2筐体4の排気口49が通される。排気口49は、上面視においてカバー5から後方に突出している。より具体的には、排気口49は、開口部541から下斜め後方に向かって突出している。カバー5から排気口49が突出しているため、排気口49を充放電装置1の持ち運びの際の取手として用いることができる。
【0107】
(2.13)ファン部
図4に示すように、ファン部16は、第1筐体3の第2空間Sp2に配置されている。本実施形態のファン部16は、例えば2つ(
図4の例では1つ)の軸流ファンを有する。本実施形態の軸流ファンは、上方に空気を排出するファンである。ファン部16が動作することにより、第1筐体3の第2空間Sp2が第1流路21として機能し、第2筐体4の内部空間Sp3が第2流路22として機能する。
【0108】
具体的には、ファン部16が動作することにより、第1筐体3の吸気口351から第2空間Sp2に空気が吸気される。第2空間Sp2(第1流路21)に給気された空気は、上方に移動し第1筐体3の貫通孔341を通って第2筐体4の第3空間Sp4(第2流路22)に移動する。空気は、第1流路21を移動する際に、放熱部7のフィン部72から熱を得て移動する。第2筐体4の第3空間Sp4に移動した空気は、上方に移動し仕切部6の開口部64を通って第2筐体4の第4空間Sp5に移動する。さらに、第4空間Sp5に移動した空気は、下斜め後方に移動して排気口49(開口面491)から筐体2の外部に出ていく。すなわち、排気口49から吸気された空気は、180°回転させたJ字状を描くように、上方に移動した後に下斜め後方に移動して排気口49から排気される。なお、第2筐体4の第1傾斜板43及び第2傾斜板45が天板44に対して斜めに設けられているため、空気がスムーズに流れるという利点がある。
【0109】
また、本実施形態のファン部16は、吸気口351の上方かつ放熱部7のフィン部72の下方に配置されている。放熱部7のフィン部72の下方にファン部16を配置することで、相対的に温度が低い位置にファン部16を配置することができる。
【0110】
(3)変形例
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0111】
充放電装置1は、移動体の蓄電池から放電された電力を、外部の電気回路へ出力可能である。すなわち、充放電装置1の電力変換回路14は、更に、移動体の蓄電池から放電された電力を受け取り、受け取った電力を外部の電気回路へ出力するよう構成されている。要するに、充放電装置1は、移動体の蓄電池の充電及び放電の両方が可能な装置である。なお、移動体の蓄電池の放電時には、第1ケーブル11が電力入力ケーブルとして機能し、第2ケーブル15が電力出力ケーブルとして機能する。また、移動体の蓄電池の放電時には、第1回路141は、導体L2及び第2回路142等を介して、移動体の蓄電池から電力の供給を受ける。そして、第1回路141は、導体L1及び第2回路142等を介して、電力変換を行った電力を外部の電気回路へ出力する。
【0112】
上記実施形態では、排気口49の開口面491の全体が突出部66よりも下方に配置されている場合を例示したが、少なくとも開口面491の下端が突出部66よりも下方に配置されるようにしてもよい。
【0113】
上記実施形態では、第1流路21及び第2流路22が筐体2の後側に形成されている場合を例示したが、第1流路21及び第2流路22の位置は筐体2の後側に限定されない。例えば第1流路21及び第2流路22が筐体2の前側に形成されていてもよい。
【0114】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る充放電装置(1)は、筐体(2)と、電力変換回路(14)と、ファン部(16)と、を備える。筐体(2)は、室外の設置面(100)に設置される。電力変換回路(14)は、筐体(2)の内部空間(Sp0)に配置され、充放電のための電力変換を行う。ファン部(16)は、内部空間(Sp0)に配置されている。筐体(2)は、吸気口(351)と、排気口(49)と、第1流路(21)と、第2流路(22)と、を有する。吸気口(351)は、ファン部(16)の動作時に内部空間(Sp0)に空気を吸気する。排気口(49)は、ファン部(16)の動作時に内部空間(Sp0)から空気を排気する。第1流路(21)は、吸気口(351)から上方に向かう。第2流路(22)は、第1流路(21)の上端から排気口(49)まで連続し、下方又は斜め下方に向かうように屈曲する。
【0115】
この態様によれば、第1流路(21)から排気口(49)まで続く第2流路(22)が、下方又は斜め下方に向かうように屈曲しているため、雨又は雪等が排気口(49)から筐体(2)の内部空間(Sp0)に入ることを抑制することができる。
【0116】
第2の態様に係る充放電装置(1)では、第1の態様において、筐体(2)は、第2流路(22)の一部を遮る仕切部(6)を更に有する。
【0117】
この態様によれば、風が強い場合等に排気口(49)から雨又は雪等が第2流路(22)に入った時でも、第2流路(22)の一部を仕切部(6)が遮っているため、雨又は雪が第1流路(21)に入ることを抑制することができる。
【0118】
第3の態様に係る充放電装置(1)では、第2の態様において、仕切部(6)は、開口部(64)と、壁部(第1壁部62)と、を有する。壁部は、開口部(64)の下方に形成され、第2流路(22)の下端部を遮る。
【0119】
この態様によれば、下(斜め下)を向く排気口(49)の下側から雨又は雪が第2流路(22)に入った場合であっても、壁部(第1壁部62)が第2流路(22)の下端部を遮っているため、雨又は雪が第1流路(21)に入ることを抑制することができる。
【0120】
第4の態様に係る充放電装置(1)では、第3の態様において、仕切部(6)はエアフィルタ(65)を更に有する。エアフィルタ(65)は、所定以上の大きさの塵埃を捕捉する。エアフィルタ(65)は、開口部(64)に設けられている。
【0121】
この態様によれば、開口部(64)にエアフィルタ(65)が設けられていることにより、排気口(49)から第2流路(22)に入った塵埃、雨又は雪等が開口部(64)を通って第1流路(21)に入ることを抑制することができる。
【0122】
第5の態様に係る充放電装置(1)では、第3又は第4の態様において、仕切部(6)は、開口部(64)の下方に形成されている突出部(66)を更に有する。突出部(66)は、板状に形成されており、壁部(第1壁部62)から上下方向と直交する方向に沿って排気口(49)側に突出している。
【0123】
この態様によれば、排気口(49)から第2流路(22)に入った雨又は雪等が突出部(66)に引っ掛かるため、雨又は雪等が開口部(64)を通って第1流路(21)に入ることを抑制することができる。
【0124】
第6の態様に係る充放電装置(1)では、第5の態様において、突出部(66)は、開口部(64)の縁部に形成されている。
【0125】
この態様によれば、開口部(64)により近い位置に突出部(66)が形成されていることで、雨又は雪が開口部(64)を通って第1流路(21)に入ることをより抑制することができる。
【0126】
第7の態様に係る充放電装置(1)では、第5又は第6の態様において、排気口(49)は、突出部(66)よりも下方に配置されている。
【0127】
この態様によれば、雨又は雪等の進入が、突出部(66)の下方からの侵入に限定されるため、雨又は雪が開口部(64)を通って第1流路(21)に入ることをより抑制することができる。
【0128】
第8の態様に係る充放電装置(1)では、第1から第7のいずれかの態様において、筐体(2)は、第1筐体(3)と、第2筐体(4)と、を有する。第1筐体(3)は、吸気口(351)を有する。第2筐体(4)は、排気口(49)を有する。第2筐体(4)は、第1筐体(3)の上方に配置され、第1筐体(3)に対して着脱可能に構成されている。第1流路(21)は第1筐体(3)の内部空間(Sp0)に形成されている。第2流路(22)は第2筐体(4)の内部空間(Sp3)に形成されている。
【0129】
この態様によれば、第2流路(22)が第1筐体(3)に対して着脱可能な第2筐体(4)の内部空間(Sp3)に形成されているため、第2筐体(4)と従来の第2筐体とを取り換えることにより、雨又は雪等が排気口(49)から筐体(2)の内部空間(Sp0)に入ることを抑制することができる。
【0130】
第9の態様に係る充放電装置(1)は、第8の態様において、カバー(5)を更に備える。カバー(5)は、第1筐体(3)と、第2筐体(4)の少なくとも一部とを上方から覆う。排気口(49)は、上面視においてカバー(5)から後方に突出している。
【0131】
この態様によれば、カバー(5)から排気口(49)が突出しているため、排気口(49)を充放電装置(1)の持ち運びの際の取手として用いることができる。
【0132】
第10の態様に係る充放電装置(1)では、第1から第9のいずれかの態様において、排気口(49)は、斜め下方であって第1流路(21)から遠ざかる方を向いている。
【0133】
この態様によれば、排気口(49)が斜め下方であって第1流路(21)から遠ざかる方を向いていることで、排気口(49)から排気された空気が再び吸気口(351)から第1流路(21)に吸気されることを抑制することができる。
【0134】
第11の態様に係る充放電装置(1)では、第1から第10のいずれかの態様において、筐体(2)の内部空間(Sp0)は、第1空間(Sp1)と第2空間(Sp2)とに区分けされている。電力変換回路(14)は、第1空間(Sp1)に配置されている。ファン部(16)は、第2空間(Sp2)に配置されている。第1流路(21)は、第2空間(Sp2)に形成されている。
【0135】
この態様によれば、第1流路(21)が形成されている第2空間(Sp2)を第1空間(Sp1)と区分けし、電力変換回路(14)を第1空間(Sp1)に配置することで、電力変換回路(14)の防水性能及び防塵性能を向上させつつ、筐体(2)の内部空間(Sp0)を冷却することができる。
【0136】
第12の態様に係る充放電装置(1)は、第1から第11のいずれかの態様において、電力変換回路(14)と熱的に接続された放熱部(7)を更に備える。放熱部(7)は、第1流路(21)内に配置されている。
【0137】
この態様によれば、ファン部(16)の動作時に空気の通路となる第1流路(21)内に放熱部(7)が配置されているため、電力変換回路(14)を効率的に空冷することができる。
【0138】
第13の態様に係る充放電装置(1)では、第12の態様において、ファン部(16)は、吸気口(351)の上方かつ放熱部(7)の下方に配置されている。
【0139】
この態様よれば、放熱部(7)の下方にファン部(16)を配置することで、相対的に温度が低い位置にファン部(16)を配置することができる。
【0140】
第14の態様に係る充放電装置(1)では、第11の態様において、電力変換回路(14)は、第1回路(141)及び第2回路(142)を有する。第1回路(141)は、第1基板(143)を有する。第1基板(143)は、複数の回路部品が実装されている実装面を有する。第2回路(142)は、第2基板(144)を有する。第2基板(144)は、複数の回路部品が実装されている実装面を有する。第1基板(143)の実装面の法線及び第2基板(144)の実装面の法線は、上下方向と直交する。第2回路(142)は第1回路(141)の下方に配置されている。第1空間(Sp1)にはファンが配置されていない。
【0141】
この態様によれば、第1空間(Sp1)にファン部(16)が配置されていないことで、電力変換回路(14)の動作時における第1空間(Sp1)の温度分布は、上方にいくほど温度が高い分布となる。例えば相対的に定格温度が低い回路部品を、相対的に温度が低い第1空間(Sp1)の下側(例えば第2基板144)に配置することで、相対的に定格温度が低い回路部品が定格温度を超えることを抑制することができる。
【0142】
第15の態様に係る充放電装置(1)は、第14の態様において、電力入力ケーブル(第2ケーブル15)と、電力出力ケーブル(第1ケーブル11)と、を更に備える。電力入力ケーブルは、外部電源から電力が入力される。電力出力ケーブルは、電力変換した電力を出力する。第2基板(144)の実装面には、電力入力ケーブル及び電力出力ケーブルと電気的に接続される一対のリレー(145)が実装されている。
【0143】
この態様によれば、一対のリレー(145)が第1回路(141)の下方に位置する第2回路(142)の第2基板(144)に実装されているため、一対のリレー(145)が定格温度を超えることを抑制することができる。
【0144】
第1の態様以外の構成については、充放電装置(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0145】
1 充放電装置
100 設置面
11 第1ケーブル(電力出力ケーブル)
14 電力変換回路
141 第1回路
142 第2回路
143 第1基板
144 第2基板
145 リレー
15 第2ケーブル(電力入力ケーブル)
16 ファン部
2 筐体
21 第1流路
22 第2流路
3 第1筐体
351 吸気口
4 第2筐体
49 排気口
5 カバー
6 仕切部
62 第1壁部(壁部)
64 開口部
65 エアフィルタ
66 突出部
7 放熱部
Sp0 内部空間(第1筐体の内部空間)
Sp1 第1空間
Sp2 第2空間
Sp3 内部空間(第2筐体の内部空間)