(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174391
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】照明制御システム、仮想再生装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20231130BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20231130BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20231130BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B47/155
H05B47/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087226
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 浩暁
(72)【発明者】
【氏名】土井 祐司
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA05
3K273PA09
3K273QA07
3K273QA37
3K273RA02
3K273RA04
3K273RA08
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA68
3K273TA78
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、実際の照明空間を使わずに照明光を利用した空間演出を再現することである。
【解決手段】照明制御システムA1は、複数の照明装置B1を各別に制御し、複数の照明装置B1のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行う。仮想再生装置C1は、複数の照明装置B1のそれぞれの位置座標と、複数の照明装置B1のそれぞれの配光特性と、を含む設計データに基づいて決定された、仮想現実の照明空間VL1における複数の照明装置B1のモデルBM1のそれぞれの位置、及び複数の照明装置B1のモデルBM1のそれぞれの向きに一致させるように仮想現実の照明空間VL1に複数の照明装置B1のモデルBM1を配置する。仮想再生装置C1は、制御データに応じて、複数の照明装置B1のモデルBM1を各別に制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明装置を各別に制御し、前記複数の照明装置のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行う照明制御システムであって、
前記複数の照明装置のそれぞれと通信可能な通信装置と、
操作入力を受け付ける入力装置と、
前記操作入力に応じて前記空間演出を行うための制御データを生成する制御装置と、
前記制御データを取得可能な仮想再生装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記制御データに対応した制御信号を前記通信装置から送信させて前記複数の照明装置を制御し、
前記仮想再生装置は、前記複数の照明装置のそれぞれの位置座標と、前記複数の照明装置のそれぞれの配光特性と、を含む設計データに基づいて決定された、仮想現実の照明空間における前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの位置、及び前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの向きに一致させるように前記仮想現実の照明空間に前記複数の照明装置のモデルを配置し、
前記仮想再生装置は、前記制御データに応じて、前記複数の照明装置のモデルを各別に制御する、
照明制御システム。
【請求項2】
前記仮想再生装置は、3次元のコンピュータグラフィックスで前記仮想現実の照明空間を作成する、
請求項1記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記制御データを記憶する記憶装置を更に備え、
前記制御装置及び前記仮想再生装置は、前記記憶装置から前記制御データを取得可能である、
請求項1又は2記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記仮想再生装置は、
前記操作入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部で受け付けた前記操作入力に応じて前記制御データを生成するデータ生成部と、
生成した前記制御データに応じて、前記仮想現実の照明空間に配置されている前記複数の照明装置のモデルを各別に制御する制御部と、
を有する、
請求項1又は2記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記仮想再生装置は、前記操作入力を受け付ける入力受付部と、前記入力受付部で受け付けた前記操作入力に応じて前記制御データを生成し、生成した前記制御データに応じて、前記仮想現実の照明空間に配置されている前記複数の照明装置のモデルを各別に制御する、
請求項3記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記通信装置は、照明制御に適した通信プロトコルによって通信する、
請求項1又は2記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記通信装置は、照明制御に適した通信プロトコルによって通信する、
請求項3記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記通信装置は、照明制御に適した通信プロトコルによって通信する、
請求項4記載の照明制御システム。
【請求項9】
前記通信装置は、照明制御に適した通信プロトコルによって通信する、
請求項5記載の照明制御システム。
【請求項10】
複数の照明装置のそれぞれの位置座標と、前記複数の照明装置のそれぞれの配光特性と、を含む設計データに基づいて決定された、仮想現実の照明空間における前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの位置、及び前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの向きに一致させるように前記仮想現実の照明空間に前記複数の照明装置のモデルを配置し、
前記複数の照明装置を各別に制御することで前記複数の照明装置のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行うための制御データに応じて、前記複数の照明装置のモデルを各別に制御する、
仮想再生装置。
【請求項11】
複数の照明装置のそれぞれの位置座標と、前記複数の照明装置のそれぞれの配光特性と、を含む設計データに基づいて決定された、仮想現実の照明空間における前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの位置、及び前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの向きに一致させるように前記仮想現実の照明空間に配置された前記複数の照明装置のモデルを各別に制御するプログラムであって、
1つ以上のプロセッサに、
前記複数の照明装置を各別に制御することで前記複数の照明装置のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行うための制御データに応じて、前記複数の照明装置のモデルを各別に制御する処理を行わせる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明制御システム、仮想再生装置、及びプログラムに関し、より詳細には、照明光を利用して空間演出を行う照明制御システム、当該空間演出を仮想空間で再生する仮想再生装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の照明制御システム(照明効果体感システム)を例示する。特許文献1記載の従来例は、見学者に照明効果を体感させる照明効果体感システムであって、屋内の居住空間を模した模擬屋内空間と、模擬屋内空間に配置される複数の屋内照明装置と、複数の屋内照明装置を制御する制御部と、予め照明効果を示す複数のシーンと、それぞれの屋内照明装置の状態と、を関連付けて記憶する記憶部と、を備える。特許文献1記載の従来例は、複数のシーンから1つのシーンの選択を受け付け可能に表示する表示操作部を更に備える。表示操作部がいずれかのシーンを受け付けると、制御部は、当該シーンに関連付けて記憶部に記憶されている状態に、屋内照明装置をそれぞれ制御する。
【0003】
特許文献1記載の従来例は、例えば、住宅及び住宅に設置される設備の性能や効果を見学者に体感させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、実際の照明空間に出向かずに屋内照明装置による空間演出の内容を確認したいという要望があるが、特許文献1記載の従来例では、当該要望に添うことは困難であった。
【0006】
本開示の目的は、実際の照明空間を使わずに照明光を利用した空間演出を再現できる照明制御システム、仮想再生装置、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明制御システムは、複数の照明装置を各別に制御し、前記複数の照明装置のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行う。前記照明制御システムは、前記複数の照明装置のそれぞれと通信可能な通信装置と、操作入力を受け付ける入力装置と、前記操作入力に応じて前記空間演出を行うための制御データを生成する制御装置と、前記制御データを取得可能な仮想再生装置と、を備える。前記制御装置は、前記制御データに対応した制御信号を前記通信装置から送信させて前記複数の照明装置を制御する。前記仮想再生装置は、前記複数の照明装置のそれぞれの位置座標と、前記複数の照明装置のそれぞれの配光特性と、を含む設計データに基づいて決定された、仮想現実の照明空間における前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの位置、及び前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの向きに一致させるように前記仮想現実の照明空間に前記複数の照明装置のモデルを配置する。前記仮想再生装置は、前記制御データに応じて、前記複数の照明装置のモデルを各別に制御する。
【0008】
本開示の一態様に係る仮想再生装置は、複数の照明装置のそれぞれの位置座標と、前記複数の照明装置のそれぞれの配光特性と、を含む設計データに基づいて決定された、仮想現実の照明空間における前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの位置、及び前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの向きに一致させるように前記仮想現実の照明空間に前記複数の照明装置のモデルを配置する。前記仮想再生装置は、前記複数の照明装置を各別に制御することで前記複数の照明装置のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行うための制御データに応じて、前記複数の照明装置のモデルを各別に制御する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、複数の照明装置のそれぞれの位置座標と、前記複数の照明装置のそれぞれの配光特性と、を含む設計データに基づいて決定された、仮想現実の照明空間における前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの位置、及び前記複数の照明装置のモデルのそれぞれの向きに一致させるように前記仮想現実の照明空間に配置された前記複数の照明装置のモデルを各別に制御する。前記プログラムは、1つ以上のプロセッサに、前記複数の照明装置を各別に制御することで前記複数の照明装置のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行うための制御データに応じて、前記複数の照明装置のモデルを各別に制御する処理を行わせる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の照明制御システム、仮想再生装置、及びプログラムは、実際の照明空間を使わずに照明光を利用した空間演出を再現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る照明制御システムのシステム構成図である。
【
図2】
図2は、同上の照明制御システムで制御される複数の照明装置の正面図である。
【
図3】
図3Aは、本開示の実施形態に係る仮想再生装置によってモニタ装置に表示された仮想現実の照明空間及び照明装置のモデルを示す図である。
図3Bは、同上の仮想再生装置によってモニタ装置に表示された仮想現実の照明空間及び照明装置のモデルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の実施形態に係る照明制御システム、仮想再生装置、及びプログラムを詳細に説明する。ただし、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(1)概要
本開示の実施形態に係る照明制御システムA1は、複数の照明装置B1を各別に制御し、複数の照明装置B1のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行う(
図1参照)。複数の照明装置B1は、例えば、野球場、サッカー場、ラグビー場、陸上競技場などに設置される投光器であり、競技者が競技を行うグランド、フィールドを照明する用途(投光照明、あるいはスタジアム照明とも呼ばれる。)に用いられる。ただし、照明装置B1は、体育館などの屋内施設に用いられても構わない。また、複数の照明装置B1から放射される照明光の光色(色温度)が2種類以上であっても構わない。
【0014】
本実施形態における「空間演出」とは、例えば、縦横に並べて設置された複数の照明装置B1が各別に点灯、消灯、調光、及び調色されることにより、文字・図形・模様などを表示することである。このような「空間演出」は、野球の試合における攻守交代の時間、サッカー及びラグビーの試合におけるハーフタイムのように競技者が競技していないときに観客を退屈させずに競技を盛り上げることを目的に行われる。なお、本実施形態において、競技中にグランド等に照明光を照射する投光照明(スタジアム照明)をベース照明と呼ぶ。
【0015】
実施形態に係る照明制御システムA1は、通信装置2と、入力装置3と、制御装置1と、仮想再生装置C1と、を備える。通信装置2は、複数の照明装置B1のそれぞれと通信可能である。入力装置3は、操作入力を受け付ける。制御装置1は、操作入力に応じて空間演出を行うための制御データを生成し、制御データに対応した制御信号を通信装置2から送信させて複数の照明装置B1を制御する。仮想再生装置C1は、複数の照明装置B1のそれぞれの位置座標と、複数の照明装置B1のそれぞれの配光特性と、を含む設計データに基づいて決定された、仮想現実の照明空間VL1における複数の照明装置B1のモデルBM1のそれぞれの位置、及び複数の照明装置B1のモデルBM1のそれぞれの向きに一致させるように仮想現実の照明空間VL1に複数の照明装置B1のモデルBM1を配置する。仮想再生装置C1は、制御データを取得可能であり、取得した制御データに応じて、複数の照明装置B1のモデルBM1を各別に制御する。
【0016】
すなわち、実施形態に係る照明制御システムA1では、制御装置1が現実の照明空間における空間演出を行い、仮想再生装置C1が仮想現実の照明空間VL1における空間演出を行う。しかも、仮想現実の照明空間VL1においては、現実の照明空間における複数の照明装置B1の設計データに基づいて、複数の照明装置B1のモデルBM1の配置が決定される。しかして、実施形態に係る照明制御システムA1は、実際の照明空間(現実の照明空間)を使わずに照明光を利用した空間演出を再現できるという利点がある。さらに、実施形態に係る照明制御システムA1は、現実の照明空間における複数の照明装置B1の設計データに基づいて決定した位置及び向きに一致させるように複数の照明装置B1のモデルBM1を配置するので、空間演出の再現性の向上を図ることができる。同様に、実施形態に係る仮想再生装置C1は、実際の照明空間を使わずに照明光を利用した空間演出を再現でき、かつ、空間演出の再現性の向上を図ることができるという利点がある。さらに、実施形態に係るプログラム(コンピュータプログラム)は、仮想再生装置C1が行う処理を1つ以上のプロセッサに実行させることにより、実際の照明空間を使わずに照明光を利用した空間演出を再現でき、かつ、空間演出の再現性の向上を図ることができるという利点がある。
【0017】
(2)詳細
実施形態に係る照明制御システムA1(以下、照明制御システムA1と略す。)は、制御装置1、通信装置2、入力装置3、記憶装置4、及び仮想再生装置C1を備えている(
図1参照)。照明制御システムA1は、観客席とナイター用の照明設備(複数の照明装置B1)を設置した野球場で使用される。ただし、照明制御システムA1は、サッカー場、ラグビー場、陸上競技場などの野球場以外の競技施設、あるいは、バスケットボール、バレーボールなどの競技が行われる体育館のような競技施設で使用されても構わない。
【0018】
(2-1)照明装置
複数の照明装置B1はそれぞれ、投光照明(スタジアム照明)用の投光器である。これらの照明装置B1は、野球場の内外野の観客席の外側に建てられた照明塔の先端部分に、縦横に並べて設置される(
図2参照)。なお、照明装置B1は、例えば、一部の内野席の上方に設置された屋根のへりに並べて設置される場合もある。
【0019】
(2-2)通信装置
通信装置2は、第1通信ケーブルLs1を介して制御装置1と通信可能に接続される。第1通信ケーブルLs1は、3心又は5心の電気ケーブルが好適である。また、通信装置2は、第2通信ケーブルLs2を介して複数の照明装置B1と通信可能に接続される。第2通信ケーブルLs2は、第1通信ケーブルLs1と同様の3心又は5心の電気ケーブルが好適である。さらに、通信装置2は、非シールドより対線からなるLANケーブルLxを介して、他の通信装置2と通信可能に接続される。
【0020】
通信装置2は、第1通信ケーブルLs1を通信媒体とし、制御装置1との間でDMX(Digital Multiplex)512Aの規格に準拠した信号(以下、DMX信号と呼ぶ。)を送受信することができる。同様に、通信装置2は、第2通信ケーブルLs2を通信媒体とし、複数の照明装置B1との間でDMX信号を送受信することができる。さらに、複数の通信装置2同士は、LANケーブルLxを通信媒体とし、イーサネット(登録商標)の規格に準拠した信号(以下、LAN信号と呼ぶ。)を送受信することができる。つまり、通信装置2は、制御装置1から送信されるDMX信号を各照明装置B1に中継する機能と、制御装置1から送信されるDMX信号をLAN信号に変換して他の通信装置2に送信する機能と、を有している。なお、このような信号変換機能を有する通信装置2は、例えば、DMXノードと呼ばれる通信機器で実現可能である。
【0021】
ただし、通信装置2は、照明制御に適した通信プロトコルによって通信すればよく、DMX512A以外にもDALI(Digital Addressable Lighting Interface:IEC62386参照:登録商標)などの規格に準拠した通信プロトコルで通信してもよい。
【0022】
(2-3)入力装置
入力装置3は、キーボード、マウス、タッチパネル、などのヒューマン・マシン・インタフェース(HMI)を有し、これらのHMIを用いた作業者による操作入力を受け付ける。また、入力装置3は、受け付けた操作入力に対応した操作データをDMX信号に変換する。さらに、入力装置3は、変換したDMX信号を、第3通信ケーブルLs3を介して制御装置1に送信する。入力装置3は、調光操作卓又はパーソナルコンピュータで実現可能である。ただし、入力装置3がパーソナルコンピュータで実現される場合、入力装置3と制御装置1の通信は、例えば、RS232-Cなどの汎用のシリアル通信で行われる。
【0023】
入力装置3が受け付ける操作入力は、複数の照明装置B1のそれぞれの動作状態(点灯、消灯、調光、調色)を組み合わせたパターン(制御パターン)を作成するためのデータである。当該データは、個々の照明装置B1に割り当てられた固有のID、動作状態の継続時間、などを含んでいる。入力装置3は、操作入力から取得したデータに基づいて制御パターンを生成し、生成した制御パターンをDMX信号によって制御装置1に送信する。
【0024】
(2-4)記憶装置
記憶装置4は、例えば、電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリを有する。記憶装置4は、第4通信ケーブルLs4を介して制御装置1と通信可能に接続される。記憶装置4は、第4通信ケーブルLs4を介して制御装置1から受信する制御パターンを記憶する。なお、記憶装置4は、HDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、メモリカードなどの記憶媒体で構成されて制御装置1と一体に設けられても構わない。
【0025】
(2-5)制御装置
制御装置1は、1つ以上のプロセッサ及びメモリを主構成とするコンピュータシステムを含む。制御装置1は、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを1つ以上のプロセッサが実行することによって実現される。プログラムは、メモリにあらかじめ記録されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を通じて提供されてもよい。さらに、プログラムは、プロセッサが読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0026】
プロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1つ以上の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0027】
なお、制御装置1、通信装置2、入力装置3及び記憶装置4は、1つの筐体に収容されても構わないし、2つ以上の筐体に分散して収容されても構わない。また、後述する制御装置1の一部の機能がクラウドコンピューティング等によって実現されても構わない。
【0028】
制御装置1は、例えば、タイマによる内部トリガ、及びDMX信号、接点入力等による外部トリガに応じて記憶装置4から制御データを読み出す。さらに、制御装置1は、記憶装置4から読み出した制御データをDMX信号によって第1通信ケーブルLs1を介して通信装置2に送信する。通信装置2は、制御装置1から受信するDMX信号を第2通信ケーブルLs2を介して複数の照明装置B1に中継する。さらに、通信装置2は、DMX信号をLAN信号に変換し、LANケーブルLxを介して他の通信装置2に送信する。他の通信装置2は、LANケーブルLxを介して受信するLAN信号をDMX信号に再変換し、当該DMX信号を第2通信ケーブルLs2を介して複数の照明装置B1に中継する。
【0029】
しかして、制御装置1は、記憶装置4に記憶されている制御データを、DMX信号によって複数の照明装置B1に与えることにより、複数の照明装置B1を制御してベース照明を行わせることができる。
【0030】
(2-6)照明制御システムによる空間演出
照明制御システムA1は、試合中のグランド及び観客席を照明するベース照明だけでなく、空間演出のための照明(以下、演出照明という。)を行わせるように複数の照明装置B1を制御する。具体的には、照明制御システムA1は、縦横に並べて設置される複数の照明装置B1(
図2参照)を電光掲示板に見立て、複数の照明装置B1の動作状態を制御することにより、文字、図形、記号などを静止画又は動画で表示させることができる。
【0031】
しかして、照明制御システムA1は、複数の照明装置B1を制御して、攻守交代の時間のように試合の進行が止まっているときに観客を退屈させずに競技を盛り上げる空間演出を行うことができる。
【0032】
(2-7)仮想再生装置
仮想再生装置C1は、入力受付部50、データ生成部51、及び制御部52を有する(
図1参照)。
【0033】
入力受付部50は、キーボード、マウス、タッチパネル、などのHMIを有し、これらのHMIを用いた作業者による操作入力を受け付ける。
【0034】
データ生成部51は、入力受付部50で受け付けた操作入力に応じて制御テータを生成する。なお、データ生成部51が生成する制御データは、制御装置1が複数の照明装置B1を制御して演出照明を行わせるための制御データと同じ内容であることが望ましい。
【0035】
制御部52は、データ生成部51が生成した制御データに応じて、仮想現実の照明空間VL1に配置されている複数の照明装置B1のモデルBM1を各別に制御する(
図3A及び
図3B参照)。なお、
図3A及び
図3Bに示す仮想現実の照明空間VL1及び照明装置B1のモデルBM1は、3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)で形成されている。この3DCGは、後述するように、ベース照明のための設計データに基づき、実際の照明空間(野球場)及び照明装置B1を撮像した2次元画像に画像処理を実行して作成される。
【0036】
また、制御部52は、第5通信ケーブルLs5を介して制御装置1と通信可能に接続される(
図1参照)。制御部52は、第5通信ケーブルLs5を介して、制御装置1からDMX信号を受信することができる。制御部52は、制御装置1から受信するDMX信号(制御データ)に応じて、仮想現実の照明空間VL1に配置されている複数の照明装置B1のモデルBM1を各別に制御することができる。
【0037】
さらに、制御部52は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface:登録商標)規格に対応した電気ケーブルLyを介してモニタ装置6と電気的に接続される。モニタ装置6は、液晶パネル又は有機ELパネルなどの表示デバイスに3DCGなどの画像(静止画及び動画)を表示する表示装置である。ただし、制御部52とモニタ装置6は、HDMI規格以外の規格、例えば、DVI(Digital Visual Interface)規格などに対応した電気ケーブルで接続されても構わない。
【0038】
制御部52は、1つ以上のプロセッサ及びメモリを主構成とするコンピュータシステムを含む。制御部52は、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラム(本開示の実施形態に係るプログラム)を1つ以上のプロセッサが実行することによって実現される。プログラムは、メモリにあらかじめ記録されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を通じて提供されてもよい。さらに、プログラムは、プロセッサが読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0039】
プロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1つ以上の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0040】
(2-8)設計データに基づく3DCGの作成
複数の照明装置B1でベース照明を行うにあたり、現実空間における複数の照明装置B1のそれぞれの配置(位置)、及び複数の照明装置B1のそれぞれの向き(配光特性に基づくビームの向き)を決定する作業(照明設計作業)が行われる。この照明設計作業は、照明設計用のアプリケーションソフトウェア(以下、照明設計アプリと略す。)を用いて行われる。
【0041】
まず、照明設計アプリは、現実空間(野球場)の図面データを読み込み、読み込んだ図面データから照明塔の位置情報を取得する。さらに、照明設計アプリは、照明塔に設置される複数の照明装置B1のそれぞれの位置情報を取得する。なお、照明塔及び複数の照明装置B1のそれぞれの位置情報は、現実空間の任意の位置を原点とする3次元直交座標系によって表される。ただし、xy平面が水平面とされる。
【0042】
また、照明設計アプリは、使用する照明装置B1の配光データ(例えば、IES形式:IESNA:LM-63-2002/1995の配光データ)を用い、任意の照射点(例えば、グランド上の位置)にビームを照射させるように複数の照明装置B1のそれぞれの向き(鉛直角)を調節する。そして、照明設計アプリは、複数の照明装置B1の配光データとそれぞれの照射点の情報に基づいて照射面(例えば、グランド)の照度分布を演算する。
【0043】
さらに、照明設計アプリは、演算した照度分布が現実空間における所要の照度分布と一致するまで各照明装置B1の照射点の位置(照明装置B1の向き)を調整する。そして、照度分布の演算結果が現実空間における所要の照度分布と一致すれば、照明設計アプリは、その時点の複数の照明装置B1のそれぞれの位置情報及び向きの情報(設計データ)を3DCGを作成するアプリケーションソフトウェア(以下、3DCG作成アプリと略す。)に渡す。
【0044】
3DCG作成アプリは、照明設計アプリから受け取った設計データの位置情報に基づき、現実空間における複数の照明装置B1の配置と向きに一致させるように、仮想現実の照明空間VL1における複数の照明装置B1のモデルBM1を配置する。さらに、3DCGアプリは、照明設計アプリから受け取った設計データの向きの情報に基づき、仮想現実の照明空間VL1における複数の照明装置B1のモデルBM1の向きを調節する。
【0045】
このようにして、設計データに基づいた仮想現実の照明空間VL1と複数の照明装置B1のモデルBM1を含む3DCGが作成される。
【0046】
(2-9)照明制御システムの動作
照明制御システムA1は、現実空間の照明装置B1を制御する第1制御モードと、仮想空間における照明装置B1のモデルBM1を制御する第2制御モードと、第1制御モードと第2制御モードを同期させる第3制御モードと、を有している。
【0047】
(2-9-1)第1制御モード
照明制御システムA1の第1制御モードは、制御装置1によって実行される制御モードである。
【0048】
制御装置1は、例えば、外部からトリガ信号が入力されることで第1制御モードを開始する。まず、制御装置1は、記憶装置4から第1制御モード用の制御データを読み出す。第1制御モード用の制御データは、試合の進行中にグランド及び観客席を照明するベース照明用の制御データと、試合の進行停止中(攻守交代の時間等)に電光掲示板に見立てた照明塔に文字等を表示させる空間演出用の制御データと、を含む。
【0049】
制御装置1は、記憶装置4から読み出した第1制御モード用の制御データをDMX信号によって通信装置2に送信する。通信装置2は、制御装置1から受信するDMX信号を第2通信ケーブルLs2を介して複数の照明装置B1に送信(中継)する。複数の照明装置B1はそれぞれ、通信装置2から受信するDMX信号に応じて動作状態を変える。例えば、制御データがベース照明用の制御データの場合、複数の照明装置B1はそれぞれ、制御データで指定された調光レベル(例えば、100%~90%)で点灯する。なお、調光レベルとは、照明装置B1の定格点灯時の明るさ(光束)を100%とし、消灯時の明るさを0%としたときの明るさの比(光束比)を表している。また、制御データが空間演出用の制御データの場合、複数の照明装置B1は制御データで指定された調光レベルで点灯又は消灯することにより、文字、図形、記号などを静止画又は動画で表示する。
【0050】
(2-9-2)第2制御モード
照明制御システムA1の第2制御モードは、仮想再生装置C1の制御部52によって実行される制御モードである。
【0051】
制御部52は、例えば、入力受付部50でトリガ入力を受け付けることで第2制御モードを開始する。まず、制御部52は、データ生成部51で生成された制御データを受け取る。第2制御モード用の制御データは、3DCGで作成された仮想現実の照明空間VL1に配置されている複数の照明装置B1のモデルBM1を各別に制御し、電光掲示板に見立てた照明塔に文字等を表示させる空間演出用の制御データを含む。
【0052】
制御部52は、データ生成部51から受け取った第2制御モード用の制御データに基づき、3DCGで作成された照明空間VL1及び複数の照明装置B1のモデルBM1の動作状態を変えるようにモニタ装置6に映像信号(HDMI信号)を出力する(
図1参照)。例えば、制御部52は、
図3Aに示すように、外野席後方の照明塔に設置されている照明装置B1のモデルBM1に「GO」の文字を表示させる。また、制御部52は、
図3Bに示すように、内野席後方及び左翼の外野席後方の照明塔に設置されている照明装置B1のモデルBM1に打者の背番号である「3」の数字を表示させる。ただし、これらの表示内容は一例である。
【0053】
(2-9-3)第3制御モード
照明制御システムA1の第3制御モードは、制御装置1と仮想再生装置C1の制御部52によって実行される制御モードである。
【0054】
制御装置1は、例えば、外部からトリガ信号が入力されることで第3制御モードを開始する。まず、制御装置1は、記憶装置4から第3制御モード用の制御データを読み出す。第3制御モード用の制御データは、第1制御モードにおける空間演出用の制御データと共通である。
【0055】
制御装置1は、記憶装置4から読み出した第3制御モード用の制御データをDMX信号によって制御部52と通信装置2に送信する。通信装置2は、制御装置1から受信するDMX信号を第2通信ケーブルLs2を介して複数の照明装置B1に送信(中継)する。複数の照明装置B1は制御データで指定された調光レベルで点灯又は消灯することにより、文字、図形、記号などを静止画又は動画で表示する。
【0056】
制御部52は、制御装置1から受け取った第3制御モード用の制御データに基づき、3DCGで作成された照明空間VL1及び複数の照明装置B1のモデルBM1の動作状態を変えるようにモニタ装置6に映像信号を出力する。このとき、制御部52は、制御データに含まれるタイムコードを参照し、タイムコードに基づいて、モニタ装置6に映像信号を出力するタイミングを、複数の照明装置B1の制御のタイミングに同期させる。
【0057】
しかして、第3制御モードにおいて、照明制御システムA1は、現実空間の照明装置B1と仮想現実の照明空間VL1の照明装置B1のモデルBM1を同期させて制御することができる。
【0058】
(3)実施形態に係る照明制御システム及び仮想再生装置の利点
上述のように照明制御システムA1は、制御装置1によって現実の照明空間における空間演出を行い、仮想再生装置C1によって仮想現実の照明空間VL1における空間演出を行うので、現実の照明空間を使わずに照明光を利用した空間演出を再現できるという利点がある。しかも、仮想再生装置C1が空間演出を行う仮想現実の照明空間VL1及び複数の照明装置B1のモデルBM1は、現実空間の複数の照明装置B1の配置及び向きのそれぞれの設計データに基づいて作成されている。つまり、照明制御システムA1は、現実の照明空間における複数の照明装置B1の設計データに基づいて決定した位置及び向きに一致させるように複数の照明装置B1のモデルBM1を配置するので、複数の照明装置B1のモデルBM1を単に並べて発光させる場合と比較して、空間演出の再現性の向上を図ることができる。
【0059】
同様に仮想再生装置C1は、実際の照明空間を使わずに照明光を利用した空間演出を再現でき、かつ、空間演出の再現性の向上を図ることができるという利点がある。また、仮想再生装置C1によって実際の照明空間を使わずに空間演出を再現できるので、空間演出の様々な内容を検討する際の検討時間の短縮化を図ることができる。
【0060】
また、照明制御システムA1は、仮想再生装置C1が3次元のコンピュータグラフィックスで仮想現実の照明空間VL1を作成するので、仮想現実の照明空間VL1(照明装置B1のモデルBM1を含む。)を作成する費用の削減を図ることができる。
【0061】
さらに、照明制御システムA1は、制御データを記憶する記憶装置4を備えており、制御装置1及び仮想再生装置C1が、記憶装置4から制御データを取得可能である。そのため、照明制御システムA1は、制御装置1と仮想再生装置C1が共通の制御データを使用することにより、現実空間の照明装置B1と仮想現実の照明空間VL1の照明装置B1のモデルBM1を同期させて制御することができる。
【0062】
(4)実施形態に係るプログラム
実施形態に係るプログラムは、1つ以上のプロセッサに、複数の照明装置B1を各別に制御することで複数の照明装置B1のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行うための制御データに応じて、仮想現実の照明空間VL1に配置されている複数の照明装置B1のモデルBM1を各別に制御する処理を行わせる。なお、実施形態に係るプログラムを実行する1以上のプロセッサは、制御部52が備えるコンピュータシステムのプロセッサでもよい。あるいは、実施形態に係るプログラムを実行する1以上のプロセッサは、クラウドコンピューティングで実現されてもよい。
【0063】
実施形態に係るプログラムによれば、汎用のコンピュータシステム等を用いて、実施形態に係る仮想再生装置C1と同等の機能を実現することができ、現実の照明空間を使わずに照明光を利用した空間演出を再現でき、かつ、空間演出の再現性の向上を図ることができるという利点がある。
【0064】
(5)まとめ
本開示の第1の態様に係る照明制御システム(A1)は、複数の照明装置(B1)を各別に制御し、複数の照明装置(B1)のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行う。第1の態様に係る照明制御システム(A1)は、複数の照明装置(B1)のそれぞれと通信可能な通信装置(2)と、操作入力を受け付ける入力装置(3)と、操作入力に応じて空間演出を行うための制御データを生成する制御装置(1)と、制御データを取得可能な仮想再生装置(C1)と、を備える。制御装置(1)は、制御データに対応した制御信号を通信装置(2)から送信させて複数の照明装置(B1)を制御する。仮想再生装置(C1)は、複数の照明装置(B1)のそれぞれの位置座標と、複数の照明装置(B1)のそれぞれの配光特性と、を含む設計データに基づいて決定された、仮想現実の照明空間(VL1)における複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)のそれぞれの位置、及び複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)のそれぞれの向きに一致させるように仮想現実の照明空間(VL1)に複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)を配置する。仮想再生装置(C1)は、制御データに応じて、複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)を各別に制御する。
【0065】
第1の態様に係る照明制御システム(A1)は、現実の照明空間を使わずに照明光を利用した空間演出を再現できる。しかも、第1の態様に係る照明制御システム(A1)は、空間演出の再現性の向上を図ることができる。
【0066】
本開示の第2の態様に係る照明制御システム(A1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明制御システム(A1)において、仮想再生装置(C1)は、3次元のコンピュータグラフィックスで仮想現実の照明空間(VL1)を作成することが好ましい。
【0067】
第2の態様に係る照明制御システム(A1)は、仮想現実の照明空間(VL1)を作成する費用の削減を図ることができる。
【0068】
本開示の第3の態様に係る照明制御システム(A1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明制御システム(A1)は、制御データを記憶する記憶装置(4)を更に備えることが好ましい。制御装置(1)及び仮想再生装置(C1)は、記憶装置(4)から制御データを取得可能であることが好ましい。
【0069】
第3の態様に係る照明制御システム(A1)は、制御装置(1)と仮想再生装置(C1)が共通の制御データを使用することにより、現実空間の照明装置(B1)と仮想現実の照明空間(VL1)の照明装置(B1)のモデル(BM1)を同期させて制御することができる。
【0070】
本開示の第4の態様に係る照明制御システム(A1)は、第1-第3のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明制御システム(A1)において、仮想再生装置(C1)は、入力受付部(50)と、データ生成部(51)と、制御部(52)と、を有することが好ましい。入力受付部(50)は、操作入力を受け付けることが好ましい。データ生成部(51)は、入力受付部(50)で受け付けた操作入力に応じて制御テータを生成することが好ましい。制御部(52)は、生成した制御データに応じて、仮想現実の照明空間(VL1)に配置されている複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)を各別に制御することが好ましい。
【0071】
第4の態様に係る照明制御システム(A1)は、仮想再生装置(C1)によって実際の照明空間を使わずに制御データを作成できるので、空間演出の様々な内容を検討する際の検討時間の短縮化を図ることができる。
【0072】
本開示の第5の態様に係る照明制御システム(A1)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明制御システム(A1)において、通信装置(2)は、照明制御に適した通信プロトコルによって通信することが好ましい。
【0073】
第5の態様に係る照明制御システム(A1)は、照明制御に適した通信プロトコルを利用することで汎用性を高めることができる。
【0074】
本開示の第6の態様に係る仮想再生装置(C1)は、複数の照明装置(B1)のそれぞれの位置座標と、複数の照明装置(B1)のそれぞれの配光特性と、を含む設計データに基づいて決定された、仮想現実の照明空間(VL1)における複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)のそれぞれの位置、及び複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)のそれぞれの向きに一致させるように仮想現実の照明空間(VL1)に複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)を配置する。複数の照明装置(B1)を各別に制御することで複数の照明装置(B1)のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行うための制御データに応じて、複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)を各別に制御する。
【0075】
第6の態様に係る仮想再生装置(C1)は、現実の照明空間を使わずに照明光を利用した空間演出を再現できる。しかも、第6の態様に係る仮想再生装置(C1)は、空間演出の再現性の向上を図ることができる。
【0076】
本開示の第7の態様に係るプログラムは、複数の照明装置(B1)のそれぞれの位置座標と、複数の照明装置(B1)のそれぞれの配光特性と、を含む設計データに基づいて決定された、仮想現実の照明空間(VL1)における複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)のそれぞれの位置、及び複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)のそれぞれの向きに一致させるように仮想現実の照明空間(VL1)に配置された複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)を各別に制御する。第7の態様に係るプログラムは、1つ以上のプロセッサに、複数の照明装置(B1)を各別に制御することで複数の照明装置(B1)のそれぞれから放射される照明光を利用して空間演出を行うための制御データに応じて、複数の照明装置(B1)のモデル(BM1)を各別に制御する処理を行わせる。
【0077】
第7の態様に係るプログラムは、現実の照明空間を使わずに照明光を利用した空間演出を再現できる。しかも、第7の態様に係るプログラムは、空間演出の再現性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0078】
A1 照明制御システム
B1 照明装置
C1 仮想再生装置
VL1 仮想現実の照明空間
BM1 照明装置のモデル
1 制御装置
2 通信装置
3 入力装置
4 記憶装置
50 入力受付部
51 データ生成部
52 制御部