(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174402
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20231130BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20231130BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G02F1/1333
H04N5/64 571A
H04N5/64 571E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087254
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】有年 巧
【テーマコード(参考)】
2H189
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA55
2H189AA62
2H189AA63
2H189HA12
5G435AA17
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE02
5G435EE04
5G435EE07
5G435KK02
5G435LL04
(57)【要約】
【課題】表示装置の組み立て時の作業効率をより向上させる。
【解決手段】リブ(12)は、バックシャーシ(3)の開口部(31)に挿入され、かつバックシャーシ(3)における開口部(31)の第1内周縁に接する。フック部(13)は、バックシャーシ(3)の開口部(31)に挿入され、かつバックシャーシ(3)における開口部(31)の第2内周縁に接する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルの背面に配置されるバックシャーシと、
前記バックシャーシに取り付けられ、かつ表示装置の背面方向に突出する腕部を有する係合部材と、
前記バックシャーシの背面に配置され、かつ前記腕部に係合される突起部を有する背面キャビネットとを備えており、
前記バックシャーシには、前記表示装置の表示画面と平行な第1方向に延伸する開口部が形成されており、
前記係合部材は、
前記開口部に挿入され、かつ前記バックシャーシにおける前記開口部の第1内周縁に接するリブと、
前記開口部に挿入され、かつ前記第1内周縁と対向する第2内周縁に係合するフック部とを有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記係合部材は、前記フック部の先端において表示装置の背面方向に突出する凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記バックシャーシには、前記開口部よりも前記バックシャーシの面内方向において異なる位置に設けられる第2開口部が形成されており、
前記係合部材は、前記係合部材において前記フック部と対向する位置に設けられ、かつ第2開口部に対して係合される係合片部をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記係合部材と前記バックシャーシとを固定するビスをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、シャーシと、前記シャーシの背面側に取り付けられる背面キャビネットとを有するディスプレイ装置であって、前記シャーシおよび前記背面キャビネットの一方である第1部材には、互いに対向する2本の係合腕部を有する係合部材が取り付けられており、前記シャーシおよび前記背面キャビネットの他方である第2部材には、前記係合部材の前記2本の係合腕部に挟まれるように係合する係合突起部が設けられており、前記係合部材は、前記第1部材に対して第1方向に摺動可能となるように取り付けられており、前記係合部材の係合腕部に係合された前記係合突起部は、前記係合腕部に対して前記第1方向に対して直交する第2方向に摺動可能であることを特徴とするディスプレイ装置が開示される。
【0003】
特許文献1によれば、背面キャビネットをシャーシに固定する場合に装置背面に露出するビスを削減でき、かつ、熱膨張にも対応可能なディスプレイ装置が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術には、ディスプレイ装置の組み立て時の作業効率をより向上させることができる余地がある。
【0006】
本開示の一態様は、表示装置の組み立て時の作業効率をより向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルの背面に配置されるバックシャーシと、前記バックシャーシに取り付けられ、かつ表示装置の背面方向に突出する腕部を有する係合部材と、前記バックシャーシの背面に配置され、かつ前記腕部に係合される突起部を有する背面キャビネットとを備えており、前記バックシャーシには、前記表示装置の表示画面と平行な第1方向に延伸する開口部が形成されており、前記係合部材は、前記開口部に挿入され、かつ前記バックシャーシにおける前記開口部の第1内周縁に接するリブと、前記開口部に挿入され、かつ前記第1内周縁と対向する第2内周縁に係合するフック部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、表示装置の組み立て時の作業効率をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の正面を示す正面図である。
【
図3】表示装置の鉛直方向の断面を示す断面図である。
【
図4】背面キャビネットを取り外した状態の表示装置の背面を示す図である。
【
図5】バックシャーシにおける係合部材が取り付けられる位置の詳細を示す図である。
【
図9】バックシャーシに対する係合部材の取り付けを説明する図である。
【
図10】バックシャーシに取り付けられた状態の係合部材の断面を示す断面図である。
【
図11】背面キャビネットが取り付けられた状態の表示装置の断面を示す断面図である。
【
図16】本実施形態の変形例に係る係合部材Aの構成を示す図である。
【
図17】本実施形態の変形例に係るバックシャーシAの構成を示す図である。
【
図18】本実施形態の変形例に係るバックシャーシAに固定された係合部材Aを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(表示装置1の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の正面を示す正面図である。
図2は、表示装置1の背面を示す背面図である。
図3は、表示装置1の鉛直方向の断面を示す断面図である。これらの図に示すように、表示装置1は、表示パネル2、バックシャーシ3、および背面キャビネットを備えている。
【0011】
表示パネル2は、文字、画像、および動画などの各種の情報を表示パネル2の画面に表示する。表示パネル2は、例えば液晶表示パネルまたは有機ELパネルであればよい。バックシャーシ3は、表示パネル2の背面に配置される。バックシャーシ3は、表示パネル2を固定すると共に、表示パネル2を動作させるための各種の部品(電源、駆動回路など)をバックシャーシ3の背面側に搭載する。背面キャビネット4は、バックシャーシ3の背面に配置されており、バックシャーシ3上に搭載される各種の部品を覆うように表示装置1に取り付けられている。
【0012】
図4は、背面キャビネット4を取り外した状態の表示装置1の背面を示す図である。
図3および
図4に示すように、表示装置1は、係合部材10をさらに備えている。係合部材10は、背面キャビネット4をバックシャーシ3に固定するために使用される部材であり、バックシャーシ3に取り付けられている。
図4には1つの係合部材10のみを図示しているが、実際には複数の係合部材10が表示装置1に用いられている。係合部材10は、バックシャーシ3における端部に近い位置に配置されている。
【0013】
図5は、バックシャーシ3における係合部材10が取り付けられる位置の詳細を示す図である。この図に示すように、バックシャーシ3には、開口部31およびネジ穴32が形成されている。開口部31は、係合部材10をバックシャーシ3に取り付ける際に使用される。ネジ穴32は、係合部材10をバックシャーシ3にネジ止めして固定する際に使用される。開口部31は、表示装置1の表示画面と平行な方向に延伸している。本例では、開口部31は、表示画面の縦方向に沿って延伸している。すなわち、開口部31の長辺は、表示画面の縦方向と平行である。
【0014】
図6~
図8は、係合部材10の詳細な構造を示す図である。これらの図に示すように、係合部材10は、2つの腕部11、リブ12、フック部13、および複数の突起部14を備えている。係合部材10における平らな基部の表面に、腕部11が形成されている。さらに、係合部材10における基部の裏面に、リブ12、フック部13、複数の突起部14が形成されている。腕部11は、表示装置1の背面方向に突出している。リブ12、フック部13、複数の突起部14は、表示装置1の前面方向(表示方向)に突出している。
【0015】
図9は、バックシャーシ3に対する係合部材10の取り付けを説明する図である。この図に示すように、表示装置1の製造を担当する作業者は、係合部材10のフック部13およびリブ12をバックシャーシ3の開口部31内に挿入することによって、係合部材10をバックシャーシ3に取り付ける。
【0016】
図10は、バックシャーシ3に取り付けられた状態の係合部材10の断面を示す断面図である。係合部材10がバックシャーシ3に取り付けられた状態では、係合部材10のリブ12は、バックシャーシ3における開口部31の第1内周縁に接する。さらに、フック部13は、バックシャーシ3における開口部31第1内周縁と対向する第2内周縁に係合する。これにより、係合部材10がバックシャーシ3に安定的に固定される。作業者は、
図10に示すように、係合部材10をバックシャーシ3に取り付けた後、ビス20で係合部材10をバックシャーシ3にネジ止めする。これにより、バックシャーシ3に対する係合部材10の固定強度を高めることができる。さらに、係合部材10をフック部13およびビス20の2点でバックシャーシ3に保持することによって、バックシャーシ3の板厚が小さい場合であってもバックシャーシ3の変形を防ぐことができる。
【0017】
さらに、係合部材10の基部の裏面自体は係合部材10の取り付けが完了した状態ではバックシャーシ3に接しておらず、複数の突起部14がバックシャーシ3と接触している。これにより、バックシャーシ3が熱等の原因で膨張する際、バックシャーシ3と係合部材10との接触面積が不必要に増大せずに済む。したがって、バックシャーシ3に対する係合部材10の摩擦の強度を抑えることができる。
【0018】
図11は、背面キャビネット4が取り付けられた状態の表示装置1の断面を示す断面図である。この図に示すように、背面キャビネット4は、係合部材10の腕部11に係合される突起部41を有する。作業者は、係合部材10をバックシャーシ3に取り付けた後、背面キャビネット4の突起部41を係合部材10の腕部11に係合させるようにして、背面キャビネット4を表示装置1に取り付ける。これにより、突起部41を通じて背面キャビネット4を固定することができる。したがって、背面キャビネット4をバックシャーシ3に固定するためのビス等の固定部材を減らすことができる。
【0019】
図12は、係合部材10の利点を説明する図である。表示装置1では、係合部材10をバックシャーシ3に取り付ける際、バックシャーシ3の係合部材10における開口部31の第1内周縁に係合部材10のフック部13が係合する。さらに、フック部13と対向しているリブ12が、係合部材10において第1内周縁に対向する第2内周縁に当接する。これにより、係合部材10は、表示画面の縦方向と直交する横方向において、第1内周縁および第2内周縁の双方との2点で当接することになる。これにより、係合部材10がバックシャーシ3に対して仮固定されるため、重力によって表示装置1が背面方向に傾こうとしてリブ12がバックシャーシ3の内周縁と当接してそれ以上の移動が規制される。すなわち、
図12に示す範囲71を超えた移動を防ぐことができる。したがって、係合部材10とバックシャーシ3との係合関係が正常に維持される。
【0020】
このように、表示装置1では、係合部材10のみでバックシャーシ3に対して係合部材10を仮固定することができ、係合部材10が表示装置1の背面方向に移動することが規制される。それゆえ、表示装置の組み立て時の作業効率をより向上させることができる。
【0021】
図13は、フック部13の変形例を示す図である。この図に示すように、フック部13は、フック部13の先端において表示装置1の背面方向に突出する凸部16を有してもよい。これにより、フック部13の先端に設けられた凸部16が、バックシャーシ3と背面方向に接する。したがって、板厚が様々に異なる各種のバックシャーシ3に対して係合部材10を固定することができる。
図14は、バックシャーシ3の変形例を示す図である。この図に示すように、フック部13が凸部16を有する場合、開口部31は、凸部16を逃すための逃げ形状33を有してもよい。とくに、より板厚がより大きいバックシャーシ3を採用する場合は、開口部31が逃げ形状33を有することが好ましい。
【0022】
図15および
図16は、本実施形態の変形例に係る係合部材10Aの構成を示す図である。係合部材10Aは、腕部11、リブ12、フック部13、および係合片部50を有する。係合片部50は、係合部材10においてフック部13と対向する位置に設けられている。
【0023】
係合片部50は、湾曲部51、延出部52、および先端部53を備えている。湾曲部51の一端は係合部材10Aの基部の端部に接続されている。湾曲部51はそこから表示装置1の背面方向に延伸し、それからバックシャーシ3に向かって湾曲する。延出部52の一端は、湾曲部51の他端に接続されている。延出部52はそこからバックシャーシ3の方向に延出している。先端部53は、延出部52の他端に接続されている。
【0024】
図17は、本実施形態の変形例に係るバックシャーシ3Aの構成を示す図である。バックシャーシ3Aには、開口部31に加えて、開口部31よりもバックシャーシ3の面内方向において異なる位置に設けられる第2開口部33が形成されている。
【0025】
図18は、本実施形態の変形例に係るバックシャーシ3Aに固定された係合部材10Aを示す図である。本変形例では、バックシャーシ3Aに対して係合部材10Aを取り付ける際、第2開口部33に対して係合片部50が係合することによって、係合部材10Aがバックシャーシ3Aに対してより一層強固に固定される。これにより、ビス20等を追加の固定手段を用いることなく、係合部材10Aをバックシャーシ3Aに安定的に固定することができる。
【0026】
係合部材10Aの先端部53におけるバックシャーシ3への係合箇所は、バックシャーシへの係合方向に漸次傾斜している。これにより、係合片部50をバックシャーシ3の第2開口部33に挿入する際に先端部53が第2開口部33の開口縁に接触したとしても係合片部50を第2開口部33にスムーズに挿入することができる。
【0027】
係合片部50の湾曲部51は、バックシャーシ3に対して少なくとも係合部材10Aの基部よりも背面方向から湾曲している。さらに、湾曲部51からバックシャーシ3の方向に対して、フック部13よりも前面に係合片部50の先端部53が位置するように、延出部52が延出している。これにより、リワーク等により係合部材10Aをバックシャーシ3から取り外す際に、湾曲部51に接続される延出部52を解除方向(放線方向における下方)に押圧することによって係合片部50とバックシャーシ3の第2開口部33との係合を解除することができ、作業効率を向上することができる。
【0028】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルの背面に配置されるバックシャーシと、前記バックシャーシに取り付けられ、かつ表示装置の背面方向に突出する腕部を有する係合部材と、前記バックシャーシの背面に配置され、かつ前記腕部に係合される突起部を有する背面キャビネットとを備えており、前記バックシャーシには、前記表示装置の表示画面と平行な第1方向に延伸する開口部が形成されており、前記係合部材は、前記開口部に挿入され、かつ前記バックシャーシにおける前記開口部の第1内周縁に接するリブと、前記開口部に挿入され、かつ前記第1内周縁と対向する第2内周縁に係合するフック部とを有する構成である。
【0029】
本発明の態様2に係る表示装置は、上記の態様1において、前記係合部材は、前記フック部の先端において表示装置の背面方向に突出する凸部を有する構成としてもよい。
【0030】
本発明の態様3に係る表示装置は、上記の態様1または2において、前記バックシャーシには、前記開口部よりも前記バックシャーシの面内方向において異なる位置に設けられる第2開口部が形成されており、前記係合部材は、前記係合部材において前記フック部と対向する位置に設けられ、かつ第2開口部に対して係合される係合片部をさらに有する構成としてもよい。
【0031】
本発明の態様4に係る表示装置は、上記の態様1~3のいずれかにおいて、前記係合部材と前記バックシャーシとを固定するビスをさらに備えている構成としてもよい。
【0032】
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることによって、新しい技術的特徴を形成することもできる。
【符号の説明】
【0033】
1 表示装置
2 表示パネル
3、3A バックシャーシ
4 背面キャビネット
10、10A、係合部材
11 腕部
12 リブ
13 フック部
14 凸部
20 ビス
31 開口部
32 ネジ穴
33 第2開口部
33 逃げ形状
41 突起部
50 係合片部
51 湾曲部
52 延出部
53 先端部