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特開2023-174443送信電力制御方法及び装置、電子機器、読み取り可能な記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174443
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】送信電力制御方法及び装置、電子機器、読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/3827 20150101AFI20231130BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H04B1/3827 120
H04B1/04 E
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134432
(22)【出願日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】202210590580.9
(32)【優先日】2022-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】張 華
(72)【発明者】
【氏名】王 徳乾
(72)【発明者】
【氏名】張 傑
(72)【発明者】
【氏名】武 超
(72)【発明者】
【氏名】劉 水
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲シン▼
【テーマコード(参考)】
5K011
5K060
【Fターム(参考)】
5K011BA04
5K011DA02
5K011DA26
5K011EA03
5K011KA12
5K060CC04
5K060DD08
5K060EE05
5K060LL01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】送信電力がSAR要件に適合し、かつ、電子機器の使用体験の低下を生じさせない送信電力制御方法、装置、電子機器及び読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【解決手段】方法は、電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウを複数の送信周期に分割する目標数を決定する。予め設定された時間ウィンドウは電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルである。方法はまた、予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力の平均値がSAR要件を満たすように前記各送信周期の送信電力の上限値及び/又は下限値を決定するステップと、前記各送信周期において対応する送信電力を利用して信号を送受信するように前記電子機器を制御するステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に適用される送信電力制御方法であって、
前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するステップであって、前記予め設定された時間ウィンドウは電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルであるステップと、
各送信周期の送信電力の上限値及び/または下限値を決定するステップであって、前記予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力の平均値がSAR要件を満たすステップと、
前記各送信周期において対応する送信電力を利用して信号を送受信するように前記電子機器を制御するステップと、を含む、
ことを特徴とする送信電力制御方法。
【請求項2】
前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに含まれる持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、前記目標数の値を大きくするように決定するステップと、
前記トラフィックシナリオに含まれる非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ないほど、前記目標数の値を小さくするように決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオが第1のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第1の数として決定するステップであって、前記第1のトラフィックシナリオは、電子機器における現在のトラフィックのタイプが非持続型及び/または非リアルタイム型であることを意味するステップ、
または、
前記トラフィックシナリオが第2のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第2の数として決定するステップであって、前記第2のトラフィックシナリオは、電子機器における現在のトラフィックのタイプが持続的かつリアルタイム型であることを意味するステップ、
または、
前記トラフィックシナリオが第3のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第3の数として決定するステップであって、前記第3のトラフィックシナリオは、前記電子機器における現在のトラフィックのタイプが混合トラフィックタイプであることを意味し、ここで、混合トラフィックタイプは、非持続型及び非リアルタイム型のうちの少なくとも1つのタイプと、持続的かつリアルタイム型とを含むことを意味するステップを含み、
前記第1の数は、前記第3の数より小さく、前記第3の数は、前記第2の数より小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各送信周期の送信電力の上限値を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに基づいて前記各送信周期内の送信電力の上限調整量を決定するステップと、
SAR要件での制限電力と前記上限調整量との和を取得し、前記各送信周期内の送信電力の上限値を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記各送信周期内の送信電力の上限調整量を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに含まれる持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、前記送信電力の上限調整量を大きくするように決定するステップと、
前記トラフィックシナリオに含まれる非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ないほど、前記送信電力の上限調整量を小さくするように決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
電子機器の送受信信号の現在の強度と調整量とのマッピング関係に基づいて各送信周期の送信電力の上限値を決定するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
電子機器の送受信信号の現在の強度と調整量とのマッピング関係に基づいて各送信周期の送信電力の上限値を決定するステップは、
前記現在の強度が第1の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第1の予め設定された調整量として決定するステップと、
前記現在の強度が第2の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第2の予め設定された調整量として決定するステップと、
前記現在の強度が第3の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第3の予め設定された調整量として決定するステップと、
各送信周期の送信電力の上限値を制限電力SAR要件での制限電力と前記現在の強度に対応する調整量との和として決定するステップと、を含み、
前記第1の範囲、前記第2の範囲及び前記第3の範囲は、送受信信号の強度の値の範囲を構成し、前記第1の予め設定された調整量、前記第2の予め設定された調整量及び前記第3の予め設定された調整量が順次小さくなる、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記予め設定された時間ウィンドウ内のすべての送信周期の上限値が同じであるか、または前記予め設定された時間ウィンドウ内の少なくとも1つの送信周期の上限値が他の送信周期と異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
各送信周期の送信電力の下限値を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに基づいて前記送信電力の下限調整量を決定するステップと、
SAR要件での制限電力と前記下限調整量との差分を取得し、前記各送信周期内の送信電力の下限値を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記トラフィックシナリオに基づいて前記送信電力の下限調整量を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに含まれる持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、前記送信電力の下限調整量を大きくするように決定するステップと、
前記トラフィックシナリオに含まれる非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ないほど、前記送信電力の下限調整量を小さくするように決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
電子機器に適用される送信電力制御装置であって、
前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するように構成される目標数取得モジュールであって、前記予め設定された時間ウィンドウは電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルである目標数取得モジュールと、
各送信周期の送信電力の上限値及び/または下限値を決定するように構成される送信電力制御モジュールであって、前記予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力の平均値がSAR要件を満たす送信電力制御モジュールと、
前記各送信周期において対応する送信電力を利用して信号を送受信するように前記電子機器を制御するように構成される送信電力制御モジュールと、を含む、
ことを特徴とする送信電力制御装置。
【請求項12】
電子機器であって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法を実現するために、前記メモリ内のコンピュータプログラムを実行するように構成される、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項13】
前記記憶媒体中の実行可能なコンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法を実現することができる、
ことを特徴とする非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御技術分野に関し、特に、送信電力制御方法及び装置、電子機器、読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器が基地局に電波を送信する際に、電子機器の送信電力がある強度を超えた場合に、人体の健康に影響を及ぼす可能性がある。したがって、電子機器の送信機能は、SAR(Specific Absorption Rate、比吸収率)に関する規定に適合する必要がある。
【0003】
送信電力がSAR要件に適合することを保証するために、関連技術では、時間平均SARの方案が提供されており、電子機器は、設定された時間ウィンドウ(ICNIRPとFCCには異なる時間ウィンドウがあり、sub6G周波数帯域を例として、ICNIRPは360s、FCCは100s)の一定時間内にフル電力Pmaxで送信し、この設定された時間ウィンドウの残りの時間帯に比較的低い電力で送信し、当該時間ウィンドウ内の平均電力がPlimit以下であることを保証すればよい。ここで、Plimitは一定の電力上限値である。
【0004】
しかしながら、関連技術に係る方案では、大電力の送信を1回行うには比較的長い時間間隔が必要であり、ゲームや通話などの持続的なトラフィックシナリオでは、該時間内にアップリング信号が悪化し、使用体験が低下する。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、関連技術の不足を解決するために、送信電力制御方法及び装置、電子機器、読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、電子機器に適用される送信電力制御方法が提供され、前記方法は、
前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するステップであって、前記予め設定された時間ウィンドウは電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルであるステップと、
各送信周期の送信電力の上限値及び/または下限値を決定するステップであって、前記予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力の平均値がSAR要件を満たすステップと、
前記各送信周期において対応する送信電力を利用して信号を送受信するように前記電子機器を制御するステップと、を含む。
【0007】
選択可能に、前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに含まれる持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、前記目標数の値を大きくするように決定するステップと、
前記トラフィックシナリオに含まれる非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ないほど、前記目標数の値を小さくするように決定するステップと、を含む。
【0008】
選択可能に、前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオが第1のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第1の数として決定するステップであって、前記第1のトラフィックシナリオは、電子機器における現在のトラフィックのタイプが非持続型及び/または非リアルタイム型であることを意味するステップ、
または、
前記トラフィックシナリオが第2のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第2の数として決定するステップであって、前記第2のトラフィックシナリオは、電子機器における現在のトラフィックのタイプが持続的かつリアルタイム型であることを意味するステップ、
または、
前記トラフィックシナリオが第3のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第3の数として決定するステップであって、前記第3のトラフィックシナリオは、前記電子機器における現在のトラフィックのタイプが混合トラフィックタイプであることを意味し、ここで、混合トラフィックタイプは、非持続型及び非リアルタイム型のうちの少なくとも1つのタイプと、持続的かつリアルタイム型とを含むことを意味するステップを含み、
前記第1の数は、前記第3の数より小さく、前記第3の数は、前記第2の数より小さい。
【0009】
選択可能に、前記トラフィックシナリオに基づいて各送信周期の送信電力の上限値を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに基づいて前記各送信周期内の送信電力の上限調整量を決定するステップと、
SAR要件での制限電力と前記上限調整量との和を取得し、前記各送信周期内の送信電力の上限値を得るステップと、を含む。
【0010】
選択可能に、前記各送信周期内の送信電力の上限調整量を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに含まれる持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、前記送信電力の上限調整量を大きくするように決定するステップと、
前記トラフィックシナリオに含まれる非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ないほど、前記送信電力の上限調整量を小さくするように決定するステップと、を含む。
【0011】
選択可能に、前記方法は、
電子機器の送受信信号の現在の強度と調整量とのマッピング関係に基づいて各送信周期の送信電力の上限値を決定するステップをさらに含む。
【0012】
選択可能に、電子機器の送受信信号の現在の強度と調整量とのマッピング関係に基づいて各送信周期の送信電力の上限値を決定するステップは、
前記現在の強度が第1の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第1の予め設定された調整量として決定するステップと、
前記現在の強度が第2の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第2の予め設定された調整量として決定するステップと、
前記現在の強度が第3の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第3の予め設定された調整量として決定するステップと、
各送信周期の送信電力の上限値を制限電力SAR要件での制限電力と前記現在の強度に対応する調整量との和として決定するステップと、を含み、
前記第1の範囲、前記第2の範囲及び前記第3の範囲は、送受信信号の強度の値の範囲を構成し、前記第1の予め設定された調整量、前記第2の予め設定された調整量及び前記第3の予め設定された調整量が順次小さくなる。
【0013】
選択可能に、前記予め設定された時間ウィンドウ内のすべての送信周期の上限値が同じであるか、または前記予め設定された時間ウィンドウ内の少なくとも1つの送信周期の上限値が他の送信周期と異なる。
【0014】
選択可能に、前記トラフィックシナリオに基づいて各送信周期の送信電力の下限値を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに基づいて前記送信電力の下限調整量を決定するステップと、
SAR要件での制限電力と前記下限調整量との差分を取得し、前記各送信周期内の送信電力の下限値を得るステップと、を含む。
【0015】
選択可能に、前記トラフィックシナリオに基づいて前記送信電力の下限調整量を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに含まれる持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、前記送信電力の下限調整量を大きくするように決定するステップと、
前記トラフィックシナリオに含まれる非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ないほど、前記送信電力の下限調整量を小さくするように決定するステップと、を含む。
【0016】
本開示の実施例の第2の態様によれば、電子機器に適用される送信電力制御装置が提供され、前記装置は、
前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するように構成される目標数取得モジュールであって、前記予め設定された時間ウィンドウは電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルである目標数取得モジュールと、
各送信周期の送信電力の上限値及び/または下限値を決定するように構成される送信電力制御モジュールであって、前記予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力の平均値がSAR要件を満たす送信電力制御モジュールと、
前記各送信周期において対応する送信電力を利用して信号を送受信するように前記電子機器を制御するように構成される送信電力制御モジュールと、を含む。
【0017】
本開示の実施例の第3の態様によれば、電子機器が提供され、前記電子機器は、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、上記の方法を実現するために、前記メモリ内のコンピュータプログラムを実行するように構成される。
【0018】
本開示の実施例の第4の態様によれば、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供され、前記記憶媒体中の実行可能なコンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、上記の方法を実現することができる。
【0019】
本開示の実施例に係る技術案は以下の有益な効果を含むことができる。
上記の実施例から分かるように、本開示の実施例に係る方案は、前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定することができ、前記予め設定された時間ウィンドウは、電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルであり、そして、各送信周期の送信電力の上限値及び/または下限値を決定し、前記予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力の平均値がSAR要件を満たし、そして、前記各送信周期において対応する送信電力を利用して信号を送受信するように前記電子機器を制御する。本実施例において予め設定された時間ウィンドウを目標数の送信周期に分割し、このように送信周期ごとに上限値を利用して信号を送受信することができ、または上限値を利用して信号を送受信する周波数を増やすことで、SAR要件を満たす場合に信号品質を向上させ、通話中に無音になったり、通話が途切れたりするなどの問題を回避し、電子機器の使用体験を向上させることができる。
【0020】
なお、以上の一般的な説明及び後の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、本開示を限定するためのものではない。
ここでの図面は、明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本開示に適合する実施例が示され、明細書とともに本開示の原理を説明することに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】例示的な一実施例に係る送信電力制御方法のフローチャート
図2】例示的な一実施例に係る各送信周期の送信電力の上限値を取得するためのフローチャート
図3】例示的な一実施例に係る上限調整量を取得するための概略効果図
図4】例示的な一実施例に係る予め設定された時間ウィンドウに2つの送信周期を設ける概略効果図
図5】例示的な一実施例に係る予め設定された時間ウィンドウに2つの送信周期を設けて送信電力の上限値を調整する概略効果図
図6】例示的な一実施例に係る下限調整量を取得するフローチャート
図7】例示的な一実施例に係る各送信周期内の送信電力の下限値を調整する概略効果図
図8】例示的な一実施例に係る送信電力制御装置のブロック図
図9】例示的な一実施例に係る電子機器のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここでは、例示的な実施例を詳細に説明し、その例示は図面に示される。以下の説明は、別段な表示がない限り、図面に関する場合、異なる図面内の同じ数字が同じまたは類似の要素を表す。以下の例示的に説明される実施例は、本開示に一致する全ての実施例を表すものではない。むしろ、添付された特許請求の範囲に詳述された、本開示のいくつかの態様に一致する装置の例に過ぎない。なお、衝突しない限り、下記の実施例及び実施形態中の特徴は互いに組み合わせることができる。
【0023】
上記技術的課題を解決するために、本開示の実施例は、送信電力制御方法を提供し、図1は、例示的な一実施例に係る送信電力制御方法のフローチャートである。図1を参照すると、送信電力制御方法は、ステップ11~ステップ13を含む。
【0024】
ステップ11において、前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定し、前記予め設定された時間ウィンドウは電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルである。
【0025】
本実施例において、電子機器は、現在のトラフィックのタイプを取得することができる。現在のトラフィックのタイプが非持続的及び/または非リアルタイム型、例えば、ウェーブページ、マイクロブログまたはアップロードされたファイルなどである場合、電子機器は、電子機器のトラフィックシナリオを第1のトラフィックシナリオとして決定することができる。現在のトラフィックのタイプが持続的及びリアルタイム型、例えば、通話及びゲームなどである場合、電子機器は、電子機器のトラフィックシナリオを第2のトラフィックシナリオとして決定することができる。現在のトラフィックのタイプが混合トラフィックタイプである場合、電子機器は、電子機器のトラフィックシナリオを第3のトラフィックシナリオとして決定することができ、ここで、混合トラフィックタイプは、非持続型及び非リアルタイム型のうちの少なくとも1つのタイプと、持続的かつリアルタイム型とを含むか、または現在のトラフィックが持続的かつリアルタイム型のトラフィックを含むとともに、非持続型及び/または非リアルタイム型のトラフィックも含むことを意味する。
【0026】
本実施例において、電子機器のトラフィックシナリオを決定した後、電子機器は、上記トラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定することができる。ここで、予め設定された時間ウィンドウは、電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルであり、例えば、ICNIRPとFCCには異なる時間ウィンドウがあり、sub6G周波数帯域を例として、ICNIRPに対応する予め設定された時間ウィンドウが360sであり、FCCに対応する予め設定された時間ウィンドウが100sである。関連技術では、上記予め設定された時間ウィンドウにおいて比較的高い送信電力及び比較的低い送信電力を1回ずつ配置する。SAR要件を満たすことを保証するために、低電力送信の時間は通常長く、持続的かつリアルタイム型のトラフィックを利用しない。
【0027】
本実施例において、電子機器は、予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定することができる。
【0028】
トラフィックシナリオに含まれている持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、電子機器は、送信周期の目標数の値を大きくするように決定することができ、またはトラフィックシナリオに含まれている非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、電子機器は、送信周期の目標数の値を小さくするように決定することができる。
【0029】
なぜなら、持続的かつリアルタイム型のトラフィックに対して比較的高いリアルタイム要件があるからであり、通話を例として、関連技術において、1つの予め設定された時間ウィンドウ内の1つの時間帯(以下に、第1の時間帯と称する)だけは比較的高い送信電力を利用して信号を送受信し、当該第1の時間帯における通話品質が高く、しかしながら、残りの時間帯(以下に、第2の時間帯と称する)は比較的低い送信電力を利用して信号を送受信し、第2の時間帯における通話品質が低く、通話が途切れるという問題もある。
【0030】
本実施例において、予め設定された時間ウィンドウを複数の送信周期に分割し、各送信周期には信号の送受信のための比較的高い送信電力(第1の時間帯)及び信号の送受信のための比較的低い送信電力(第2の時間帯)が含まれている場合、第1の時間帯における通話品質が高く、第2の時間帯における通話品質が低く、送信周期の数が増加する場合、各送信周期の第2の時間帯の長さが予め設定された時間ウィンドウの第2の時間帯の長さより短くなり、すなわち、各送信周期の第2の時間帯は通話品質が通話に影響を与える(または通話品質が低下しているとユーザに感じられる)まで下がる前に次の送信周期に移行することを考慮すると、比較的高い送信電力を引き続き利用して信号を送受信して高品質の通話に復帰し、高品質の通話を保証するという効果を達成する。
【0031】
トラフィックシナリオに3つのトラフィックシナリオが含まれているのを例として、電子機器は、以下のように、予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定することができる。
前記トラフィックシナリオが第1のトラフィックシナリオである場合、電子機器は、送信周期の目標数を第1の数として決定することができる。または、前記トラフィックシナリオが第2のトラフィックシナリオである場合、電子機器は、前記送信周期の目標数を第2の数として決定することができる。または、前記トラフィックシナリオが第3のトラフィックシナリオである場合、電子機器は、前記送信周期の目標数を第3の数として決定することができ、前記第3のトラフィックシナリオは、前記電子機器における現在のトラフィックのタイプが混合トラフィックタイプであることを指す。ここで、第1の数は第3の数より小さく、第3の数は第2の数より小さい。
【0032】
一実施例において、混合トラフィックタイプには持続的かつリアルタイム型のトラフィックが占める比率が異なることを考慮すると、第3の数の値は、複数であってもよく、いずれも第1の数及び第2の数を端点値とする時に形成された区間内に含まれる。なお、第1の数、第3の数及び第2の数は、具体的なシナリオに基づいて適切な値を選択してもよく、例えば、第1の数が2であり、第2の数が10であり、第3の数の値の範囲が3~9であり、対応する方案は本開示の保護範囲に含まれている。
【0033】
一実施例において、電子機器にトラフィックシナリオと目標数とのマッピング関係が記憶されてもよく、例えば、電子機器内でサポートされているトラフィックタイプに応じて複数のトラフィックシナリオ、例えば、第1のトラフィックシナリオ、第2のトラフィックシナリオ及び第3のトラフィックシナリオを構築し、そして、各トラフィックシナリオに対応する目標数を決定し、例えば、第1のトラフィックシナリオに対応する目標数が2であり、第2のトラフィックシナリオに対応する目標数が10であり、第3のトラフィックシナリオに対応する目標数が3~9であり、その後、トラフィックシナリオと目標数とを一対一にマッピングし、データテーブルを予め設定されたトラフィックシナリオと目標数のマッピング関係として取得し、キャッシュ、ローカルストレージまたはクラウドなどの指定された位置に記憶する。このように、電子機器は、トラフィックシナリオを取得した後、トラフィックシナリオのシナリオ識別コードに基づいて上記データテーブルをクエリし、対応する目標数を得ることができる。
【0034】
ステップ12において、各送信周期の送信電力の上限値及び/または下限値を決定し、前記予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力の平均値がSAR要件を満たす。
【0035】
本実施例において、電子機器は、電子機器の予め設定された時間ウィンドウ内の各送信周期における送信電力の上限値及び/または下限値を決定することができる。ここで、送信電力の上限値は、送信周期の第1の時間帯における電子機器の送信電力の最大値であり、送信電力の下限値は、時間ウィンドウの第2の時間帯における電子機器の送信電力の最小値である。第1の時間帯と第2の時間帯は1つの送信周期を構成し、第1の時間帯と送信周期との比は、送信電力の上限値のデューティサイクルであり、第2の時間帯と送信周期との比は、送信電力の下限値のデューティサイクルである。なお、上限値(または下限値)、平均値及びデューティサイクルのうちの2つが分かっている場合に、3つ目のものを決定することができる。
【0036】
一例において、電子機器は、トラフィックシナリオに基づいて各送信周期における電子機器の送信電力の上限値を決定し、送信電力の下限値を一定に維持することができ、図2を参照すると、ステップ21~ステップ22を含む。
【0037】
ステップ21において、電子機器は、電子機器のトラフィックシナリオに基づいて各送信周期内の送信電力の上限値調整量を決定することができる。ここで、予め設定された時間ウィンドウ内のすべての送信電力の上限値は同じであり、または予め設定された時間ウィンドウ内の少なくとも1つの送信周期の上限値は他の送信周期と異なり、技術者は具体的なトラフィックシナリオに基づいて各送信周期の上限値を選択することができる。
【0038】
このステップにおいて、上限調整量は、SARシナリオに対応する制限電力Plimit(例えば、20dBm)に基づいて送信電力の増加可能な電力変化量、すなわち、上記制限電力を超えてもよい電力の分である。前記トラフィックシナリオに含まれている持続的かつリアルタイム型のトラフィック数が多いほど、電子機器は、前記送信電力の上限調整量を大きくするように決定することができる。または、前記トラフィックシナリオに含まれている非持続型及び非リアルタイム型のトラフィック数が少ないほど、電子機器は、前記送信電力の上限調整量を小さくするように決定することができる。例えば、トラフィックシナリオが第1のトラフィックシナリオである場合、電子機器は、上限調整量を第1の調整量として決定することができる。また例えば、トラフィックシナリオが第2のトラフィックシナリオである場合、電子機器は、上限調整量を第2の調整量として決定することができ、さらに例えば、トラフィックシナリオが第3のトラフィックシナリオである場合、電子機器は、上限調整量を第3の調整量として決定することができ、前記第2の調整量は第3の調整量より小さく、第3の調整量は第1の調整量より小さい。
【0039】
この例において、上記の上限調整量は、1つの固定値(例えば、5dBm)に設定してもよいし、動的な値に設定してもよい。上限調整量が動的な値である場合、図3を参照すると、電子機器は、ステップ31~ステップ33を含む以下の方式によって取得することができる。
【0040】
ステップ31において、電子機器は、電子機器の送受信信号の現在の強度を取得することができる。ここで、上記現在の強度は、送信信号の強度、受信信号の強度、または端末と基地局との間のチャンネル品質であってもよく、具体的なシナリオに基づいて選択することができ、ここでは限定しない。現在の強度が送信信号強度(SITx)と受信信号強度(SIRX)であるのを例として、電子機器は、送信信号強度及び受信信号強度を取得した後、上記送信信号強度及び受信信号強度を予め設定された式y=aSITx+bSIRX+cに入力することができ、現在の強度yが得られる。もちろん、技術者は、現在の強度の内容に応じて計算方式を調整することができ、対応する方案は本開示の保護範囲に含まれている。
【0041】
ステップ32において、電子機器は、前記現在の強度及び予め設定された強度範囲に基づいて前記電子機器の信号状態を決定し、予め設定された信号状態と調整量とのマッピング関係に基づいて現在の強度に対応する調整量を決定することができる。引き続き現在の強度が送信信号強度(SITx)と受信信号強度(SIRX)であるのを例として、電子機器は、第1の範囲、第2の範囲及び第3の範囲との3つの予め設定された強度範囲を設定することができる。第1の範囲、前記第2の範囲及び前記第3の範囲は、電子機器の受信信号の強度の値の範囲を構成し、第1の範囲内の各値は、いずれも第2の範囲内の各値より大きく、第2の範囲内の各値は、いずれも第3の範囲内の各値より大きい。現在の強度が取得された後、電子機器は、現在の強度と各予め設定された強度範囲の大きさを対比し、現在の強度がどの予め設定された強度範囲内にあるかを決定し、当該予め設定された強度範囲に対応する調整量を取得することができる。
【0042】
例えば、現在の強度が第1の範囲内にある場合、電子機器は、予め設定された信号状態と調整量とのマッピング関係に基づいて現在の強度に対応する調整量を第1の予め設定された調整量として決定することができる。また例えば、現在の強度が第2の範囲内にある場合、電子機器は、現在の強度に対応する調整量を第2の予め設定された調整量として決定することができる。さらに例えば、現在の強度が第3の範囲内にある場合、電子機器は、現在の強度に対応する調整量を第3の予め設定された調整量として決定することができる。なお、信号状態は、具体的なシナリオに応じて設定することができ、例えば4つの信号状態などと設定し、対応する方案は本開示の保護範囲に含まれている。
【0043】
【表1】
【0044】
このようにして、この例は、異なる信号強度に対して異なる上限調整量を設定することができ、すなわち、上限調整量は、信号が弱まるに伴って小さくなり、送信電力の大きさの低下に有利であり、送信周期内の第2の時間帯における送信電力のデューティサイクルが大きすぎるのを回避し、アップリンク信号が悪化するという問題を回避することができる。
【0045】
ステップ22において、電子機器は、SARシナリオでの制限電力と前記上限調整量との和を取得し、各送信周期内の電子機器の送信電力の上限値を得る。
【0046】
電子機器は、SARシナリオでの制限電力及び上限調整量に基づいて各送信周期の第1の時間帯における電子機器の送信電力を決定することができ、すなわち、上限値は、制限電力と上限調整量との和に等しい。例えば、制限電力Plimitが15dBmであり、上限調整量が3dBmである場合、電子機器の各送信周期での送信電力Pmaxは15+3=18dBmであり、効果は、図4に示す。
【0047】
図4に示すように、左側は、関連技術における予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力のグラフであり、例えば、0~100sに1つの第1の時間帯(0~20s、24dBm)及び1つの第2の時間帯(20~100s、12dBm)が含まれ、右側は、本開示における2つの送信周期時の各周期の送信電力であり、例えば、300~400sに2つの第1の時間帯(300~310s、350~360s、24dBm)及び2つの第2の時間帯(310~350s、360~400s、12dBm)が含まれている。図4の左側と右側との対比から分かるように、電子機器は、予め設定された時間ウィンドウにおいて、右側の第1の時間帯の数(例えば2)は、左側の第1の時間帯の数(例えば1)より増加する。
【0048】
引き続き図4を参照すると、左側と右側の送信電力の上限値が同じである場合、左側の予め設定された時間ウィンドウ内の第1の時間帯の期間と、右側のすべての送信電力内の第1の時間帯の期間の和は等しいが、右側の送信周期の数の増加という点で相違する。この相違点によって、予め設定された時間ウィンドウ内の第1の時間帯の周波数が増加して、各第1の時間帯は、いずれも上限値を利用して信号を送受信し、通信品質を向上させる。
【0049】
図5を参照すると、右側の送信周期内の送信電力の上限値が左側の送信電力の上限値未満である場合、図4に示す上限値と比べて、図5に示す上限値の変化量は破線で示し、右側のすべての送信周期の第1の時間帯の期間の和が増加し、予め設定された時間ウィンドウ内の比較的大きい送信電力のデューティサイクルが増加し、通信品質の向上に有利である。
【0050】
他の例において、電子機器は、電子機器の送信電力の下限値を決定し、上限値を一定に維持することができ、図6を参照すると、ステップ61~ステップ62を含む。ステップ61において、電子機器は、トラフィックシナリオに基づいて送信電力の下限調整量を決定することができる。ここで、下限調整量は、SARシナリオに対応する制限電力Plimitに基づいて送信電力の減少可能な電力変化量、すなわち、上記制限電力を下回ってもよい電力の分である。ステップ62において、電子機器は、SARシナリオでの制限電力と前記下限調整量との差分を取得し、各送信電力内の電子機器の送信電力の下限値を得る。
【0051】
なお、上記下限調整量は、1つの固定値(例えば、3dBm)に設定してもよいし、動的な値に設定してもよい。下限調整量が動的な値である場合、その設定方式は、上限調整量の設定方式を参照してもよく、すなわち、電子機器の信号状態に基づいて下限調整量の値を決定し、第2の時間帯を短縮させ、または第2の時間帯における送信電力を向上させることができる場合、得られた上限予め設定された量の値は、いずれも本開示の保護範囲に含まれている。
【0052】
一例において、下限調整量が動的な値である場合、電子機器は、現在のトラフィックシナリオに基づいて決定することができる。例えば、前記トラフィックシナリオが第1のトラフィックシナリオである場合、電子機器は、前記下限調整量を第4の予め設定された調整量(例えば、4dBm)として決定することができる。また例えば、前記トラフィックシナリオが第2のトラフィックシナリオである場合、電子機器は、前記下限調整量を第5の予め設定された調整量(例えば、1dBm)として決定することができる。トラフィックシナリオが第3のトラフィックシナリオである場合、電子機器は、前記下限調整量を第6の予め設定された調整量(例えば、3dBm)として決定することができる。この例において、第4の予め設定された調整量が第6の予め設定された調整量より大きく、第6の予め設定された調整量が第5の予め設定された調整量より大きい。第4の予め設定された調整量が第6の予め設定された調整量より大きいのを例として、第3のトラフィックシナリオに大きな下限送信電力を提供するためであり、すなわち、各送信周期の第2の時間帯における送信電力が大きくなる。
【0053】
電子機器は、SARシナリオでの制限電力及び下限調整量に基づいて各送信周期の第2の時間帯における電子機器の送信電力を決定することができる。例えば、制限電力Plimitが20dBmであり、下限調整量が6dBmである場合、電子機器の各送信周期での送信電力の下限値は20-6=14dBmであり、効果は、図7に示す。
【0054】
図7を参照すると、左側は、関連技術における予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力のグラフであり、例えば、予め設定された時間ウィンドウ0~100sに1つの第1の時間帯(0~20s、24dBm)及び1つの第2の時間帯(20~100s、12dBm)が含まれ、右側は、本開示における2つの送信周期時の各周期の送信電力であり、例えば、予め設定された時間ウィンドウ300~400sに2つの第1の時間帯(300~310s、350~360s、24dBm)及び2つの第2の時間帯(310~350s、360~400s、14dBm)が含まれている。図7の左側と右側との対比から分かるように、電子機器は、予め設定された時間ウィンドウにおいて右側の第1の時間帯の数(例えば2)が左側の第1の時間帯の数(例えば1)より増加し、予め設定された時間ウィンドウ内の第1の時間帯の頻度が増加し、各第1の時間帯はいずれも上限値を利用して信号を送受信することにより、通信品質を向上させる。右側の第2の時間帯の送信電力は左側の第2の時間帯の送信電力よりも2dBm大きく、同様に第2の通信時間帯の通信品質を向上させることができる。
【0055】
なお、上記図2に例示された方案では、各送信周期の送信電力の上限値を調整する方案しか例示されず、上記図5に例示した方案では、各送信周期の送信電力の下限値を調整する方案しか例示されない。さらに別の実施例において、各送信周期内の送信電力をよりよく調整するために、図2図5の方案を組み合わせ、送信電力の上限値と下限値を同時に調整することができ、組み合わせた方案は、本開示の保護範囲に含まれている。
【0056】
ステップ13において、前記各送信周期において対応する送信電力を利用して信号を送受信するように前記電子機器を制御する。
【0057】
ここまで、本開示の実施例に係る方案は、前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定することができ、前記予め設定された時間ウィンドウは、電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルであり、そして、各送信周期の送信電力の上限値及び/または下限値を決定し、前記予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力の平均値がSAR要件を満たし、そして、前記各送信周期において対応する送信電力を利用して信号を送受信するように前記電子機器を制御する。本実施例において予め設定された時間ウィンドウを目標数の送信周期に分割し、これにより各送信周期内に上限値を利用して信号を送受信することができ、または上限値を利用して信号を送受信する周波数を増やすことで、SAR要件を満たす場合に信号品質を向上させ、通話中に無音になったり、通話が途切れたりするなどの問題を回避し、電子機器の使用体験を向上させることができる。
【0058】
本開示の実施例に係る送信電力制御方法に基づいて、本開示の実施例は、電子機器に適用される送信電力制御装置をさらに提供し、図8を参照すると、前記装置は、
前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するように構成される目標数取得モジュール81であって、前記予め設定された時間ウィンドウは電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルである目標数取得モジュール81と、
各送信周期の送信電力の上限値及び/または下限値を決定するように構成される送信電力決定モジュール82であって、前記予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力の平均値がSAR要件を満たす送信電力決定モジュール82と、
前記各送信周期において対応する送信電力を利用して信号を送受信するように前記電子機器を制御するように構成される送信電力制御モジュール83と、を含む。
【0059】
一実施例において、前記目標数取得モジュールは、
前記トラフィックシナリオに含まれている持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多い場合、前記目標数の値が大きいと決定するように構成される第1の決定ユニットと、
前記トラフィックシナリオに含まれている非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ない場合、前記目標数の値が小さいと決定するように構成される第2の決定ユニットと、を含む。
【0060】
一実施例において、前記目標数取得モジュールは、
前記トラフィックシナリオが第1のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第1の数として決定するように構成される第1の数決定ユニットであって、前記第1のトラフィックシナリオは、電子機器における現在のトラフィックのタイプが非持続型及び/または非リアルタイム型であることを意味する第1の数決定ユニット、
または、
前記トラフィックシナリオが第2のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第2の数として決定するように構成される第2の数決定ユニットであって、前記第2のトラフィックシナリオは、電子機器における現在のトラフィックのタイプが持続的かつリアルタイム型であることを意味する第2の数決定ユニットと、
または、
前記トラフィックシナリオが第3のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第3の数として決定するように構成される第3の数決定ユニットであって、前記第3のトラフィックシナリオは、前記電子機器における現在のトラフィックのタイプが混合トラフィックタイプであることを意味し、ここで、混合トラフィックタイプは、非持続型及び非リアルタイム型のうちの少なくとも1つのタイプと、持続的かつリアルタイム型とを含むことを意味する第3の数決定ユニットを含み、
前記第1の数は、前記第3の数より小さく、前記第3の数は、前記第2の数より小さい。
【0061】
一実施例において、前記送信電力決定モジュールは、
前記トラフィックシナリオに基づいて前記各送信周期内の送信電力の上限調整量を決定するように構成される調整量決定サブモジュールと、
SAR要件での制限電力と前記上限調整量との和を取得し、前記各送信周期内の送信電力の上限値を得るように構成される上限値取得サブモジュールと、を含む。
【0062】
一実施例において、前記送信電力決定モジュールは、
前記トラフィックシナリオに含まれる持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、前記送信電力の上限調整量を大きくするように決定するように構成される第1の調整量決定ユニットと、
前記トラフィックシナリオに含まれる非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ないほど、前記送信電力の上限調整量を小さくするように決定するように構成される第2の調整量決定ユニットと、を含む。
【0063】
一実施例において、前記装置は、電子機器の送受信信号の現在の強度と調整量とのマッピング関係に基づいて各送信周期の送信電力の上限値を決定するように構成される上限値決定モジュールをさらに含む。
【0064】
一実施例において、前記上限値決定モジュールは、
前記現在の強度が第1の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第1の予め設定された調整量として決定するように構成される第1の決定ユニットと、
前記現在の強度が第2の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第2の予め設定された調整量として決定するように構成される第2の決定ユニットと、
前記現在の強度が第3の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第3の予め設定された調整量として決定するように構成される第3の決定ユニットと、
各送信周期の送信電力の上限値を制限電力SAR要件での制限電力と前記現在の強度に対応する調整量との和として決定し、
前記第1の範囲、前記第2の範囲及び前記第3の範囲は、送受信信号の強度の値の範囲を構成し、前記第1の予め設定された調整量、前記第2の予め設定された調整量及び前記第3の予め設定された調整量が順次小さくなる。
【0065】
一実施例において、前記予め設定された時間ウィンドウ内のすべての送信周期の上限値が同じであるか、または前記予め設定された時間ウィンドウ内の少なくとも1つの送信周期の上限値が他の送信周期と異なる。
【0066】
一実施例において、前記送信電力決定モジュールは、
前記トラフィックシナリオに基づいて前記送信電力の下限調整量を決定するように構成される調整量決定サブモジュールと、
SAR要件での制限電力と前記下限調整量との差分を取得し、前記各送信周期内の送信電力の下限値を得るように構成される下限値取得サブモジュール、を含む。
【0067】
一実施例において、前記調整量決定サブモジュールは、
前記トラフィックシナリオに含まれる持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、前記送信電力の下限調整量を大きくするように決定するように構成される第1の調整量決定サブモジュールと、
前記トラフィックシナリオに含まれる非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ないほど、前記送信電力の下限調整量を小さくするように決定するように構成される第2の調整量決定サブモジュールと、を含む。
【0068】
なお、本実施例に示される装置及び機器は、方法の実施例の内容と一致し、上記方法の実施例の内容を参照することができ、ここでは詳しく説明しない。
【0069】
図9は、例示的な実施例に係る電子機器のブロック図である。例えば、電子機器900は、スマートフォン、コンピュータ、デジタル放送端末、タブレット機器、医療機器、フィットネス機器、パーソナルデジタルアシスタントなどであってもよい。
【0070】
図9を参照すると、電子機器900は、処理コンポーネント902、メモリ904、電源コンポーネント906、マルチメディアコンポーネント908、オーディオコンポーネント910、入力/出力(I/O)のインタフェース912、センサコンポーネント914、通信コンポーネント916、画像収集コンポーネント918のうちの1つまたは複数のコンポーネントを含むことができる。
【0071】
処理コンポーネント902は、通常、表示、電話呼び出し、データ通信、カメラ操作及び記録操作に関連する操作など、電子機器900の全体的な操作を制御する。処理コンポーネント902は、指令を実行して上記方法の全部または一部のステップを完成するための1つまたは複数のプロセッサ920を含むことができる。また、処理コンポーネント902は、処理コンポーネント902と他のコンポーネントとの間のインタラクションを容易にするための1つまたは複数のモジュールを含むことができる。例えば、処理コンポーネント902は、マルチメディアコンポーネント908と処理コンポーネント902との間のインタラクションを容易にするためのメディアモジュールを含むことができる。
【0072】
メモリ904は、電子機器900での操作を支援するように、様々なデータを記憶するように構成される。これらのデータの例は、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、画像、動画などの電子機器900で操作するためのいずれかのアプリケーションまたは方法の指令を含む。メモリ904は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、ディスク、光ディスクなどの任意のタイプの一時的または非一時的な記憶媒体、またはそれらの組み合わせによって実現することができる。
【0073】
電源コンポーネント906は、電子機器900の様々なコンポーネントに電力を提供する。電源コンポーネント906は、電源管理システム、1つまたは複数の電源、及び電子機器900の電力の生成、管理及び分配に関連する他のコンポーネントを含むことができる。電源コンポーネント906は、電源チップを含むことができ、コントローラは、電源チップと通信し、スイッチコンポーネントをオン/オフにするように電源チップを制御することができ、電池がマザーボード回路に電源を供給するか、または供給しないようにする。
【0074】
マルチメディアコンポーネント908は、電子機器900と目標対象との間に1つの出力インタフェースを提供するスクリーンを含む。いくつかの実施例において、スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)及びタッチパネル(TP)を含むことができる。スクリーンは、タッチパネルを含む場合、目標対象からの入力信号を受信するためのタッチスクリーンとして実現することができる。タッチパネルは、タッチ、スライド及びタッチパネル上のジェスチャーを検知するための1つまたは複数のタッチセンサを含む。タッチセンサは、タッチまたはスライド動作の境界線を検知するだけではなく、タッチまたはスライド操作に関連する持続時間及び圧力も検出する。
【0075】
オーディオコンポーネント910は、オーディオ信号を出力及び/または入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント910は、1つのマイクロフォン(MIC)を含み、マイクロフォンは、電子機器900が呼び出しモード、記録モード及び音声認識モードなどの操作モードにある場合、外部オーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号は、メモリ904にさらに記憶されるか、または通信コンポーネント916を介して送信されてもよい。いくつかの実施例において、オーディオコンポーネント910は、オーディオ信号を出力するためのスピーカーをさらに含む。
【0076】
I/Oインタフェース912は、処理コンポーネント902と周辺インタフェースモジュールとの間にインタフェースを提供し、上記周辺インタフェースモジュールは、キーパッド、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。
【0077】
センサコンポーネント914は、電子機器900のために様々な方面の状態評価を提供するための1つまたは複数のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント914は、電子機器900のオン/オフ状態、コンポーネントの相対的な位置付けを検出することができ、例えば、コンポーネントが電子機器900のディスプレイ及び小キーパッドであり、センサコンポーネント914は、電子機器900または1つのコンポーネントの位置変化、目標対象と電子機器900との接触の有無、電子機器900の方位または加速/減速及び電子機器900の温度変化を検出することもできる。この例において、センサコンポーネント914は、磁気センサ、ジャイロ及び磁界センサを含むことができ、磁界センサは、ホールセンサ、薄膜磁気抵抗センサ、磁性液体加速度センサのうちの少なくとも1つを含む。
【0078】
通信コンポーネント916は、電子機器900と他のデバイスとの有線または無線方式の通信を容易にするように構成される。電子機器900は、WiFi、2G、3G、4G、5Gまたはそれらの組み合わせなどの通信標準に基づく無線ネットワークにアクセスすることができる。例示的な一実施例において、通信コンポーネント916は、放送チャンネルを介して外部放送管理システムからの放送信号または放送に関連する情報を受信する。例示的な一実施例において、通信コンポーネント916は、近距離通信を容易にするために、近距離通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールは、無線周波数認識(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(BT)技術、及び他の技術に基づいて実現することができる。
【0079】
例示的な実施例において、電子機器900は、1つまたは複数のアプリケーション特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または他の電子部品によって実現することができる。
【0080】
例示的な実施例において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えば、指令を含むメモリ904をさらに提供し、上記実行可能なコンピュータプログラムは、プロセッサによって実行される。ここで、読み取り可能な記憶媒体は、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などであってもよい。
【0081】
当業者であれば、明細書を考慮して本明細書に開示された開示を実践した後、本開示の他の実施形態を容易に想到し得る。本開示は、本開示のいかなる変形、用途または適応的な変化をカバーすることを意図し、これらの変形、用途または適応的な変化は、本開示の一般的な原理に従い、本開示に開示されていない当分野における周知技術または慣用的な技術手段を含む。明細書及び実施例は、例示的なものとしてのみ見なされ、本開示の真の範囲及び精神は、本開示の請求項によって示される。
【0082】
本開示は、以上に説明され、図面に示された正確な構造に限定されず、その範囲を逸脱することなく、様々な修正及び変更が可能であることを理解すべきである。本開示の範囲は、添付された特許請求の範囲のみによって限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に適用される送信電力制御方法であって、
前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するステップであって、前記予め設定された時間ウィンドウは電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルであるステップと、
各送信周期の送信電力の上限値及び/または下限値を決定するステップであって、前記予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力の平均値がSAR要件を満たすステップと、
前記各送信周期において対応する送信電力を利用して信号を送受信するように前記電子機器を制御するステップと、を含む、
ことを特徴とする送信電力制御方法。
【請求項2】
前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに含まれる持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、前記目標数の値を大きくするように決定するステップと、
前記トラフィックシナリオに含まれる非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ないほど、前記目標数の値を小さくするように決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオが第1のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第1の数として決定するステップであって、前記第1のトラフィックシナリオは、電子機器における現在のトラフィックのタイプが非持続型及び/または非リアルタイム型であることを意味するステップ、
または、
前記トラフィックシナリオが第2のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第2の数として決定するステップであって、前記第2のトラフィックシナリオは、電子機器における現在のトラフィックのタイプが持続的かつリアルタイム型であることを意味するステップ、
または、
前記トラフィックシナリオが第3のトラフィックシナリオである場合、前記送信周期の目標数を第3の数として決定するステップであって、前記第3のトラフィックシナリオは、前記電子機器における現在のトラフィックのタイプが混合トラフィックタイプであることを意味し、ここで、混合トラフィックタイプは、非持続型及び非リアルタイム型のうちの少なくとも1つのタイプと、持続的かつリアルタイム型とを含むことを意味するステップを含み、
前記第1の数は、前記第3の数より小さく、前記第3の数は、前記第2の数より小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各送信周期の送信電力の上限値を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに基づいて前記各送信周期内の送信電力の上限調整量を決定するステップと、
SAR要件での制限電力と前記上限調整量との和を取得し、前記各送信周期内の送信電力の上限値を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記各送信周期内の送信電力の上限調整量を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに含まれる持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、前記送信電力の上限調整量を大きくするように決定するステップと、
前記トラフィックシナリオに含まれる非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ないほど、前記送信電力の上限調整量を小さくするように決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
電子機器の送受信信号の現在の強度と調整量とのマッピング関係に基づいて各送信周期の送信電力の上限値を決定するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
電子機器の送受信信号の現在の強度と調整量とのマッピング関係に基づいて各送信周期の送信電力の上限値を決定するステップは、
前記現在の強度が第1の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第1の予め設定された調整量として決定するステップと、
前記現在の強度が第2の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第2の予め設定された調整量として決定するステップと、
前記現在の強度が第3の範囲内にある場合、前記現在の強度に対応する調整量を第3の予め設定された調整量として決定するステップと、
各送信周期の送信電力の上限値を制限電力SAR要件での制限電力と前記現在の強度に対応する調整量との和として決定するステップと、を含み、
前記第1の範囲、前記第2の範囲及び前記第3の範囲は、送受信信号の強度の値の範囲を構成し、前記第1の予め設定された調整量、前記第2の予め設定された調整量及び前記第3の予め設定された調整量が順次小さくなる、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記予め設定された時間ウィンドウ内のすべての送信周期の上限値が同じであるか、または前記予め設定された時間ウィンドウ内の少なくとも1つの送信周期の上限値が他の送信周期と異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
各送信周期の送信電力の下限値を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに基づいて前記送信電力の下限調整量を決定するステップと、
SAR要件での制限電力と前記下限調整量との差分を取得し、前記各送信周期内の送信電力の下限値を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記トラフィックシナリオに基づいて前記送信電力の下限調整量を決定するステップは、
前記トラフィックシナリオに含まれる持続的かつリアルタイム型のトラフィックの数が多いほど、前記送信電力の下限調整量を大きくするように決定するステップと、
前記トラフィックシナリオに含まれる非持続型及び非リアルタイム型のトラフィックの数が少ないほど、前記送信電力の下限調整量を小さくするように決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
電子機器に適用される送信電力制御装置であって、
前記電子機器のトラフィックシナリオに基づいて予め設定された時間ウィンドウが送信周期に分割される目標数を決定するように構成される目標数取得モジュールであって、前記予め設定された時間ウィンドウは電子機器に対してSARコンプライアンステストを行う際に使用されるテストサイクルである目標数取得モジュールと、
各送信周期の送信電力の上限値及び/または下限値を決定するように構成される送信電力決定モジュールであって、前記予め設定された時間ウィンドウ内の送信電力の平均値がSAR要件を満たす送信電力決定モジュールと、
前記各送信周期において対応する送信電力を利用して信号を送受信するように前記電子機器を制御するように構成される送信電力制御モジュールと、を含む、
ことを特徴とする送信電力制御装置。
【請求項12】
電子機器であって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法を実現するために、前記メモリ内のコンピュータプログラムを実行するように構成される、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項13】
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体中の実行可能なコンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法を実現することができる、
ことを特徴とする非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。