(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174453
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】抱き枕
(51)【国際特許分類】
A61N 1/10 20060101AFI20231130BHJP
A47G 9/10 20060101ALI20231130BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
A61N1/10
A47G9/10 V
A47G9/10 T
A61H23/02 332
A61H23/02 360
A61H23/02 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163918
(22)【出願日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2022087136
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】595084807
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 奈津貴
【テーマコード(参考)】
3B102
4C053
4C074
【Fターム(参考)】
3B102AB07
4C053EE12
4C053EE17
4C074AA03
4C074AA04
4C074CC01
4C074DD01
4C074FF01
4C074GG02
4C074HH03
(57)【要約】
【課題】 移動が容易な電位治療用の抱き枕を提供する。
【解決手段】 使用者に電位を与えることで電位治療するための電池治療用の抱き枕1である。抱き枕1は、弾性体からなる本体2と、電位を発生させる電位発生部4とを含んでいる。抱き枕1は、電位発生部4に電気を供給するための電源部5と、電位発生部4の電位を制御する制御部6とを含んでいる。電位発生部4には、制御部6を介して電源部5からの電気が供給される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電位治療用の抱き枕であって、
弾性体からなる本体と、電位を発生させる電位発生部と、前記電位発生部に電気を供給するための電源部と、前記電位発生部の電位を制御する制御部とを含む、
抱き枕。
【請求項2】
前記電源部は、前記本体の内部に配された二次電池である、請求項1に記載の抱き枕。
【請求項3】
前記電位発生部は、金属糸から形成された通電シートである、請求項1に記載の抱き枕。
【請求項4】
前記本体は、ポリウレタンから形成された第1半体及び第2半体を含む、請求項1に記載の抱き枕。
【請求項5】
前記制御部は、前記電位発生部が一定時間電位を発生させた後に電気の供給を停止する、請求項1に記載の抱き枕。
【請求項6】
前記本体の内部に配されかつ振動を発生させる振動部を含む、請求項1に記載の抱き枕。
【請求項7】
前記本体には、使用者の手又は足を挿入可能なスリットが設けられている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の抱き枕。
【請求項8】
前記本体は、凸形状に湾曲する第1辺と、凹形状に湾曲する第2辺とにより三日月状に形成された面を含み、
前記スリットは、前記第2辺に沿って形成される、請求項7に記載の抱き枕。
【請求項9】
前記電源部及び前記制御部は、それぞれ、前記スリットと前記第1辺との間に配される、請求項8に記載の抱き枕。
【請求項10】
前記電位発生部は、前記スリットと前記第1辺との間に配される、請求項8に記載の抱き枕。
【請求項11】
前記電位発生部は、前記本体の表面形状に沿って配される、請求項7に記載の抱き枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電位治療用の抱き枕に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電位を発生させる電位発生部を有する電位治療用機器が種々提案されている。電位治療用機器は、使用者に電位を与えることで、頭痛、肩こり、不眠症及び慢性便秘の緩解を目的とする機器である。例えば、下記特許文献1は、電位発生部を収容したマット本体を有する電位治療用マットを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の電位治療用マットは、大型であり、重量も重いことから、任意の場所で使用するために移動させることが困難であった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、移動が容易な電位治療用の抱き枕を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電位治療用の抱き枕であって、弾性体からなる本体と、電位を発生させる電位発生部と、前記電位発生部に電気を供給するための電源部と、前記電位発生部の電位を制御する制御部とを含む、抱き枕である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の抱き枕は、上述の構成を備えることにより、移動が容易であり、任意の場所で使用することも容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の抱き枕の一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】抱き枕からカバーを外した状態の平面図である。
【
図8】他の実施形態の抱き枕からカバーを外した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態の抱き枕1を示す斜視図である。
図1に示されるように、本実施形態の抱き枕1は、使用者に電位を与えることで電位治療するための電位治療用の抱き枕1である。抱き枕1は、例えば、弾性体からなる本体2と、本体2を覆うカバー3とを含んでいる。
【0010】
図2は、抱き枕1からカバー3を外した状態の平面図であり、
図3は、
図2の抱き枕1の側面図である。
図2及び
図3に示されるように、本実施形態の抱き枕1は、電位を発生させる電位発生部4と、電位発生部4に電気を供給するための電源部5と、電位発生部4の電位を制御する制御部6とを含んでいる。電位発生部4は、本体2の内部に配されるのが望ましい。本実施形態の電位発生部4には、制御部6を介して電源部5からの電気が供給される。このような抱き枕1は、必要な機能がコンパクトにまとめられており、任意の場所への移動が容易である。なお、
図2及び
図3において、電気的な配線は、その記載が省略されている。
【0011】
図1ないし
図3に示されるように、より好ましい態様として、本体2は、凸形状に湾曲する第1辺2aと、凹形状に湾曲する第2辺2bとにより三日月状に形成された面を含んでいる。本実施形態の三日月状に形成された面は、互いに対向する第1面2cと第2面2dとを含んでいる。このような本体2は、使用時に第1辺2aを使用者の身体に沿わせることができ、快適性を向上させることができる。
【0012】
図3に示されるように、本体2は、第1辺2aと第2辺2bとの中間位置付近で、第1面2cと第2面2dとの距離が最も離間するのが望ましい。これにより、本実施形態の本体2は、側面視で洋ナシ型の形状を呈している。このような本体2は、使用時に使用者が保持し易く、快適性を向上させることができる。
【0013】
図4は、使用時の抱き枕1の一例を示す模式図である。
図1ないし
図4に示されるように、本実施形態の本体2には、使用者の手又は足を挿入可能なスリット2eが設けられている。スリット2eは、第1面2cから第2面2dまで貫通しているのが望ましい。このようなスリット2eは、使用者の手又は足を挿入した状態で使用することで、使用時に使用者が意識的に保持することなく、抱き枕1を使用者の近くに維持させることができる。
【0014】
スリット2eは、第2辺2bに沿って形成されるのが望ましい。本実施形態のスリット2eは、第1辺2aよりも第2辺2bに近い位置に形成されている。このような本体2は、第2辺2bが凹形状であることから、スリット2eに使用者の手又は足が挿入されたときにも第2辺2bが突出することがない。このため、本実施形態の本体2は、第2辺2b側が使用者を圧迫することがなく、抱き枕1の使用時の安定性と快適性とを向上させることができる。
【0015】
図3に示されるように、本実施形態の本体2は、ポリウレタンから形成された第1半体2A及び第2半体2Bを含んでいる。ポリウレタンとしては、例えば、反発弾性の小さい低反発性ポリウレタンが好適に採用される。ここで、本明細書において、低反発性ポリウレタンとは、JIS-K6400-3に準じて測定された反発弾性が15%以下のポリウレタンを意味する。このような本体2は、使用時の触感に優れており、抱き枕1の快適性を向上させることができる。
【0016】
第1半体2A及び第2半体2Bは、例えば、互いの合わせ面2fを対向するように重ね合わせることで本体2を形成している。第1半体2Aと第2半体2Bとは、互いに略同一の外形状を有するのが望ましい。第1半体2Aと第2半体2Bとは、例えば、互いに接着等により固着されていてもよく、カバー3により一体的に保持されていてもよい。このような本体2は、製造工程を簡素化することができ、製造コストの低減に役立つ。なお、第1半体2Aと第2半体2Bとは、例えば、互いに異なる外形状であってもよい。
【0017】
図1に示されるように、カバー3は、第1辺2a及び第2辺2bに沿って設けられたファスナ(図示省略)により、本体2に対し、着脱自在に装着されるのが望ましい。カバー3は、例えば、スリット2eから装着され、第1面2c及び第2面2dを覆うように配した後、ファスナーを閉めることで、本体2に容易に装着することができる。このようなカバー3は、本体2から取り外して洗濯することができ、抱き枕1の快適性を向上させることができる。
【0018】
図示は省略されるが、カバー3は、例えば、第1辺2a及び第2辺2bに沿って設けられた縫製部等により、本体2に対し、着脱不能に装着されていてもよい。このようなカバー3は、本体2を保護することができ、また、使用者が本体2の内部に配された電位発生部4やその配線に誤って接触することを抑制することもでき、抱き枕1の安全性を向上させることができる。
【0019】
カバー3は、例えば、第1辺2aに沿って設けられた縫製部と、第2辺2bに沿って設けられたファスナーとにより、本体2に対し、着脱不能に装着されていてもよい。このようなカバー3は、本体2の保護や抱き枕1の安全性を向上させ、作業性を向上させることにも役立つ。
【0020】
カバー3は、例えば、縫製等により着脱不能に装着され、その外側に装着された着脱自在な保護カバーで覆われてもよい。このような保護カバーは、カバー3から取り外して洗濯することができ、抱き枕1の快適性を向上することができる。このような抱き枕1は、カバー3による本体2の保護や安全性の向上と、保護カバーによる快適性の向上とを両立することに役立つ。
【0021】
図5は、
図2のA-A線の端面図である。
図2及び
図5に示されるように、電位発生部4は、本体2の内部に埋設されるのが望ましい。電位発生部4は、第1半体2A及び第2半体2Bの少なくとも一方、本実施形態では両方の合わせ面2fのそれぞれに設けられた第1凹部2gにより、本体2の内部に形成された空間に保持されている。第1凹部2gは、例えば、合わせ面2fに形成されたスリット状の有底溝である。第1凹部2gは、このような態様に限定されるものではなく、例えば、後述する第2凹部2hと同様に、合わせ面2fに形成された偏平矩形状の空間であってもよい。
【0022】
このような電位発生部4は、使用者に直接接触するおそれがなく、抱き枕1の安全性を向上させることができる。また、このような本体2は、第1面2cと第2面2dとを滑らかに形成することができ、抱き枕1の快適性を向上させることができる。このため、本実施形態の抱き枕1は、安全性と快適性をと両立することができる。
【0023】
電位発生部4は、例えば、第1面2cに形成された凹部に挿入されることで、本体2の内部に配されてもよい。この凹部は、例えば、本体2の第1面2cに形成されたスリット状の有底溝である。このような第1面2cに形成された凹部は、電位発生部4を容易に保持することができ、挿入作業も簡便であることから、製造コストを低減することに役立つ。
【0024】
本実施形態の電位発生部4は、スリット2eと第1辺2aとの間に配される。電位発生部4は、本体2のスリット2eと第1辺2aとの間の第1面2cと第2面2dとの距離が大きい部分に配されるのが望ましい。すなわち、電位発生部4は、第2辺2bとスリット2eとの間の第1面2cと第2面2dとの間の最大距離よりも大きい本体2の厚さを有する位置に配されるのが望ましい。このような電位発生部4は、配される位置の本体2の厚さが大きいことから、電位発生部4の大きさや配置位置の自由度を高めることに役立つ。
【0025】
図6は、電位発生部4の模式図である。
図6に示されるように、電位発生部4は、例えば、金属糸から形成された通電シートである。通電シートは、例えば、金属糸から織られた織物であってもよく、金属糸が編み込まれた編物であってもよい。通電シートは、例えば、電位シートや導子と呼ばれることもある。通電シートは、例えば、配線4aにより、制御部6に電気的に接続されている。
【0026】
このような電位発生部4は、柔軟性に優れ、本体2の内部に任意の形状で配することができる。なお、電位発生部4は、このような態様に限定されるものではなく、導電性と柔軟性とを有するものであれば、例えば、カーボン素材や金属板等、種々の材料から形成されていてもよい。
【0027】
電位発生部4には、例えば、-150~-300Vの交流電圧が印加される。これにより、本実施形態の電位発生部4は、低圧電位を発生させることができる。電位発生部4は、電源部5が直流電源であったとしても、制御部6で交流に変換されて印加されるのが望ましい。このような電位発生部4は、使用者にマイナスの低圧電位を与えることができ、少ないエネルギーで電位治療を行うことができる。なお、電位発生部4には、例えば、プラスとマイナスとが変化する交流電圧が印加されてもよく、マイナスの直流電圧が印加されてもよい。
【0028】
図7は、
図2のB-B線の端面図である。
図2、
図3及び
図7に示されるように、電源部5は、例えば、本体2の内部に配された充放電自在な二次電池である。このような抱き枕1は、電源部5の移動も容易であるため、任意の場所での使用がより容易になる。なお、電源部5は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、家庭用の外部電源であってもよく、本体2の外部に設けられたバッテリーであってもよい。
【0029】
本実施形態の電源部5は、本体2の内部に埋設されている。電源部5は、第1半体2A及び第2半体2Bの少なくとも一方、本実施形態では両方の合わせ面2fのそれぞれに設けられた第2凹部2hにより、本体2の内部に形成された空間に保持されている。第2凹部2hは、例えば、合わせ面2fに形成された電源部5の外形に略等しい内部空間を有する偏平矩形状の空間である。第2凹部2hは、このような態様に限定されるものではなく、例えば、第1凹部2gと同様に、合わせ面2fに直交する方向に長い矩形状の空間を形成するものであってもよい。
【0030】
このような電源部5は、使用者に直接接触するおそれがなく、抱き枕1の安全性を向上させることができる。また、このような本体2は、第1面2cと第2面2dとを滑らかに形成することができ、抱き枕1の快適性を向上させることができる。このため、本実施形態の抱き枕1は、安全性と快適性をと両立することができる。
【0031】
電源部5は、例えば、第1面2cに形成された凹部に挿入されることで、本体2の内部に配されてもよい。この凹部は、例えば、第1面2cに形成されたスリット状の有底溝である。このような第1面2cに形成された凹部は、電源部5を容易に保持することができ、挿入作業も簡便であることから、製造コストを低減することに役立つ。
【0032】
本実施形態の電源部5は、スリット2eと第1辺2aとの間に配される。電源部5は、本体2のスリット2eと第1辺2aとの間の第1面2cと第2面2dとの距離が大きい部分に配されるのが望ましい。すなわち、電源部5は、第2辺2bとスリット2eとの間の第1面2cと第2面2dとの間の最大距離よりも大きい本体2の厚さを有する位置に配されるのが望ましい。
【0033】
このような電源部5は、配される位置の本体2の厚さが大きいことから、電源部5の大きさや配置位置の自由度を高めることに役立つ。また、このような抱き枕1は、電源部5が硬質であったとしても、使用者と電源部5とが直接接触することを抑制することができる。
【0034】
制御部6は、回路基板、演算処理器等が内蔵された制御ボックスを含むのが望ましい。制御部6は、例えば、電源部5から直流電圧が供給された場合、この直流電圧を交流電圧に変換して電位発生部4に印加することで、-150~-300Vのマイナス電位を与えている。このような制御部6は、本体2の内部の任意の位置に配することが容易である。
【0035】
なお、制御部6は、例えば、電源部5からの直流電圧をプラスとマイナスとが変化する交流電圧に変換して電位発生部4に印加することで、プラス電位とマイナス電位とを与えるようにしてもよい。また、制御部6は、例えば、電源部5からの直流電圧をマイナスの直流電圧に変換して電位発生部4に印加することで、マイナス電位を与えるようにしてもよい。
【0036】
制御部6は、本体2の内部に電源部5と共に埋設されるのが望ましい。制御部6は、第1半体2A及び第2半体2Bの少なくとも一方、本実施形態では第2半体2Bの合わせ面2fに設けられた第2凹部2hにより、本体2の内部に形成された空間に保持されている。制御部6を保持する空間は、例えば、電源部5を保持する空間と共通する空間である。制御部6を保持する第2凹部2hは、このような態様に限定されるものではなく、例えば、電源部5を保持する空間とは異なる位置に空間を形成してもよい。
【0037】
このような制御部6は、使用者に直接接触するおそれがなく、破損を防止することができる。また、このような本体2は、第1面2cと第2面2dとを滑らかに形成することができ、快適性を向上させることができる。このような抱き枕1は、制御部6の移動も容易であるため、任意の場所での使用がより容易になる。
【0038】
本実施形態の制御部6は、スリット2eと第1辺2aとの間に配される。制御部6は、本体2のスリット2eと第1辺2aとの間の第1面2cと第2面2dとの距離が大きい部分に配されるのが望ましい。すなわち、制御部6は、第2辺2bとスリット2eとの間の第1面2cと第2面2dとの間の最大距離よりも大きい本体2の厚さを有する位置に配されるのが望ましい。
【0039】
このような制御部6は、配される位置の本体2の厚さが大きいことから、制御部6の大きさや配置位置の自由度を高めることに役立つ。また、このような抱き枕1は、制御部6が硬質であったとしても、使用者と制御部6とが直接接触することを抑制することができる。
【0040】
本実施形態の制御部6は、操作部7の操作により、電位発生部4への電気の供給を開始又は停止する。制御部6は、電位発生部4が一定時間電位を発生させた後に電気の供給を停止するのが望ましい。このような制御部6は、使用者が操作部7から電位発生部4への電気の供給を停止しない場合にも、一定の時間経過後に電位の発生を停止することができ、安全性を確保している。
【0041】
図2及び
図5に示されるように、本体2には、振動部8が埋設されるのが望ましい。振動部8は、例えば、制御部6を介して電源部5からの電気が供給されることで回転する振動モータである。振動モータは、回転軸に偏心錘が取り付けられているのが望ましい。振動部8は、第1半体2A及び第2半体2Bの少なくとも一方、本実施形態では両方の合わせ面2fのそれぞれに設けられた第3凹部2iにより、本体2の内部に形成された空間に保持されている。
図2では、振動部8が電位発生部4の近傍に配される態様が示されているが、振動部8の位置は、このような態様に限定されるものではなく、本体2の内部であれば、任意の位置に埋設されていてもよい。
【0042】
このような振動部8は、本体2の全体に振動を伝えることができ、使用者をリラックスさせることができる。また、このような本体2は、第1面2cと第2面2dとを滑らかに形成することができ、快適性を向上させることができる。これにより、本実施形態の抱き枕1は、電位発生部4により使用者に電位を与えつつ、振動部8により、使用者にリラックス効果を与えることができる。
【0043】
振動部8は、例えば、操作部7により、振動の開始又は停止が操作される。すなわち、制御部6は、操作部7からの操作に基づき、振動部8への電気の供給を制御するのが望ましい。制御部6は、例えば、振動モータの回転数を一定の周期で変動させて、マッサージ強度に強弱をつけてもよく、振動モータの回転と停止とを一定の周期で繰り返してもよい。
【0044】
このような振動部8は、使用者に与えるリラックス効果をより高めることができ、快適性をより向上させることができる。なお、抱き枕1は、例えば、振動部8により、マッサージ効果を与えるように構成されてもよい。また、図示は省略されるが、抱き枕1は、例えば、ヒータ等の温熱機構を備えていてもよい。
【0045】
図1ないし
図4に示されるように、操作部7は、例えば、第1面2cに設けられる。操作部7は、電位発生部4への電気の供給を開始又は停止を操作する第1スイッチ7Aと、振動部8への電気の供給を開始又は停止を操作する第2スイッチ7Bとを備えるのが望ましい。このような抱き枕1は、電位発生部4及び振動部8への電気の供給の開始又は停止が容易であり、簡便に使用することができる。
【0046】
操作部7には、電位発生部4の作動状態や電源部5の状態を示す少なくとも1つの、本実施形態では2つの表示灯7Cが設けられている。表示灯7Cは、発光ダイオードであるのが望ましい。このような表示灯7Cは、抱き枕1の作動状態を容易に把握することができる。
【0047】
操作部7には、例えば、外部から電気を供給するためのコネクタ7Dが設けられている。このようなコネクタ7Dは、本体2の内部に配された電源部5に電気を供給して電源部5を充電することや、電位発生部4及び振動部8に外部からの電気を供給することが容易である。
【0048】
図4に示されるように、抱き枕1は、絶縁体9と併用されるのが望ましい。本実施形態の抱き枕1は、使用者が絶縁体9の上に乗ることで、使用者の体を絶縁した状態で使用可能である。このような絶縁体9は、電位が床面に逃げることを抑制することができる。絶縁体9としては、例えば、ベッド、絶縁材料からなる椅子、絶縁シート等が挙げられる。絶縁体9は、例えば、椅子と絶縁シートとが併用されてもよい。この場合の抱き枕1は、使用者が椅子に着座した状態で、使用者の足の下に絶縁シートを配置することで、使用者の体を絶縁した状態で使用可能である。
【0049】
図8は、他の実施形態の抱き枕10からカバー3を外した状態の斜視図であり、
図9は、
図8の抱き枕10の平面図である。上述の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号が付されその説明が省略される。
図8及び
図9に示されるように、この実施形態の抱き枕10は、弾性体からなる本体11と、電位を発生させる電位発生部12とを含んでいる。抱き枕10は、上述の抱き枕1と同様、図示省略のカバー3と、電源部5と、制御部6と、操作部7と、振動部8とを含むのが望ましい。
【0050】
この実施形態の本体11は、上述の本体2と同様、凸形状に湾曲する第1辺11aと、凹形状に湾曲する第2辺11bとにより三日月状に形成された面を含んでいる。三日月状に形成された面は、互いに対向する第1面11cと第2面11dとを含むのが望ましい。このような本体11は、使用時に第1辺11aを使用者の身体に沿わせることができ、快適性を向上させることができる。
【0051】
図10は、
図9のC-C線の端面図である。C-C線は、第1辺11aの中心点P1と第2辺11bの中心点P2とを通る中心線CLに沿った線である。
図8及び
図10に示されるように、この実施形態の電位発生部12は、本体11の第1辺11aの近傍に配されている。電位発生部12は、本体11の表面形状に沿って横断面が円弧状になるように配されるのが望ましい。このような抱き枕10は、電位発生部12を使用者の近くに位置させることができ、使用者に効率よく電位を与えることができる。
【0052】
この実施形態の本体11は、ポリウレタンで一体的に形成された本体部11Aと、本体部11Aの内部に収納された電源部5及び制御部6を保護する蓋部11Bとを含んでいる。蓋部11Bは、例えば、本体部11Aと同様、ポリウレタンから形成されている。第1面11c及び第2面11dは、本体部11Aに形成されるのが望ましい。本体部11Aには、使用者の手又は足を挿入可能なスリット11eが設けられている。このような抱き枕1は、組立作業を簡略化することができ、生産コストを低減させることができる。なお、本体11は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、上述の本体2と同様、第1半体と第2半体とを含んでいてもよい。
【0053】
図10に示されるように、電位発生部12は、本体部11Aの表面形状に沿って形成された凹部11fに配されるのが望ましい。この実施形態の凹部11fは、本体部11Aの第1辺11a側から第2辺11b側に向けて凹む方向に、第1辺11aに沿って形成されている。このような電位発生部12は、本体部11Aの表面形状に沿って取り付けることができ、使用者の快適性を向上させることができる。また、この電位発生部12は、本体部11Aの表面から突出していないので、使用時において接触等による剥離といった不具合が発生し難く、耐久性を向上させることができる。
【0054】
電位発生部12は、外蓋部13により表面側が覆われているのが望ましい。外蓋部13は、本体部11Aと同様、ポリウレタンから形成されるのが望ましい。このような外蓋部13は、電位発生部12を保護することができ、耐久性をより向上させることができる。
【0055】
この実施形態の電位発生部12は、第1辺11aを跨いで第1面11cから第2面11dにかけて配されている。電位発生部12は、第1辺11aに対して線対称に配されるのが望ましい。このような抱き枕10は、使用の向きによらず電位発生部12を使用者の近くに位置させることができ、使用者の利便性を向上させることができる。
【0056】
図11は、
図8の電位発生部12の模式図である。
図11に示されるように、この実施形態の電位発生部12は、上述の電位発生部4と同様、金属糸から形成された通電シートである。通電シートは、例えば、抱き枕10の本体11(
図8に示す)に取り付けられたときに、蓋部11Bと本体部11Aとの間に位置する入力部12aと、電位を発生する発生部12bとを含んでいる。
【0057】
通電シートは、入力部12aから配線12cにより、本体11の内部に配された制御部6(図示省略)に電気的に接続されるのが望ましい。このような電位発生部12は、柔軟性に優れ、本体11に取り付けられたときに配線12cが使用者に接触するおそれがない。
【0058】
電位発生部12には、上述の電位発生部4と同様、例えば、マイナスの交流電圧又はマイナスの直流電圧が印加される。このような電位発生部12は、使用者にマイナスの低圧電位を与えることができ、少ないエネルギーで電位治療を行うことができる。
【0059】
図10及び
図11に示されるように、電位発生部12は、一対の保護部材14により挟持されるのが望ましい。一対の保護部材14は、例えば、電位発生部12の本体部11A側に配される内側保護部材14Aと、電位発生部12の外蓋部13側に配される外側保護部材14Bとを含んでいる。このような保護部材14は、電位発生部12を保護することができ、耐久性をより向上させることができる。
【0060】
保護部材14は、絶縁性と防水性とを有する樹脂シートで形成されるのが望ましい。保護部材14は、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)から形成されている。このような保護部材14は、軽量で柔軟性にも優れており、電位発生部12と共に横断面が円弧状になるように配することができ、使用時の快適性を向上させることができる。
【0061】
保護部材14は、電位発生部12の入力部12a及び発生部12bを覆うように、電位発生部12よりも大きく形成されている。このような保護部材14は、電位発生部12の全体を保護することができ、耐久性をより向上させることができる。
【0062】
一対の保護部材14は、例えば、接着部材15を介して、互いに固着されている。接着部材15としては、例えば、接着剤が挙げられる。この場合の電位発生部12は、一対の保護部材14の内部に配されている。内側保護部材14Aは、本体11の凹部11fに接着剤を介して固着されるのが望ましい。外側保護部材14Bは、例えば、外蓋部13に接着剤を介して固着されている。このような抱き枕10は、本体11と、電位発生部12、保護部材14、外蓋部13とを一体的に構成することができ、使用時に電位発生部12の位置がずれるといった不具合が生じるおそれがない。
【0063】
電位発生部12は、発生部12bの中心点P3が中心線CL近傍に位置するように、本体11に取り付けられるのが望ましい。本実施形態の電位発生部12は、発生部12bの中心点P3が中心線CL上に位置するように、本体11に取り付けられている。このような抱き枕10は、電位を本体11の周囲に均等に発生させることに適している。
【0064】
電位発生部12の配置は、このような態様に限定されるものではなく、抱き枕10の内部に配されるものであれば、任意の位置に配することができる。電位発生部12は、例えば、本体11の表面に配されていてもよく、カバー3の内面に配されていてもよい。このような電位発生部12は、カバー3により保護することができる。
【0065】
なお、カバー3は、例えば、電位発生部12に対応する部分を薄い生地にして、電位を透過し易くしてもよく、反対に、電位発生部12に対応する部分を厚い生地にして、電位発生部12の保護機能を向上させてもよい。
【0066】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
【0067】
[付記]
本発明は、次のとおりである。
【0068】
[本発明1]
電位治療用の抱き枕であって、弾性体からなる本体と、電位を発生させる電位発生部と、前記電位発生部に電気を供給するための電源部と、前記電位発生部の電位を制御する制御部とを含む、抱き枕。
【0069】
[本発明2]
前記電源部は、前記本体の内部に配された二次電池である、本発明1に記載の抱き枕。
【0070】
[本発明3]
前記電位発生部は、金属糸から形成された通電シートである、本発明1又は2に記載の抱き枕。
【0071】
[本発明4]
前記本体は、ポリウレタンから形成された第1半体及び第2半体を含む、本発明1ないし3のいずれかに記載の抱き枕。
【0072】
[本発明5]
前記制御部は、前記電位発生部が一定時間電位を発生させた後に電気の供給を停止する、本発明1ないし4のいずれかに記載の抱き枕。
【0073】
[本発明6]
前記本体の内部に配されかつ振動を発生させる振動部を含む、本発明1ないし5のいずれかに記載の抱き枕。
【0074】
[本発明7]
前記本体には、使用者の手又は足を挿入可能なスリットが設けられている、本発明1ないし6のいずれかに記載の抱き枕。
【0075】
[本発明8]
前記本体は、凸形状に湾曲する第1辺と、凹形状に湾曲する第2辺とにより三日月状に形成された面を含み、前記スリットは、前記第2辺に沿って形成される、本発明7に記載の抱き枕。
【0076】
[本発明9]
前記電源部及び前記制御部は、それぞれ、前記スリットと前記第1辺との間に配される、本発明8に記載の抱き枕。
【0077】
[本発明10]
前記電位発生部は、前記スリットと前記第1辺との間に配される、本発明8又は9に記載の抱き枕。
【0078】
[本発明11]
前記電位発生部は、前記本体の表面形状に沿って配される、本発明1ないし9のいずれかに記載の抱き枕。
【符号の説明】
【0079】
1 抱き枕
2 本体
4 電位発生部
5 電源部
6 制御部