(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174501
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】テープ巻付機
(51)【国際特許分類】
B65H 35/07 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
B65H35/07 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027884
(22)【出願日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】P 2022085752
(32)【優先日】2022-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100187791
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晃志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100187791
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晃志郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩
(72)【発明者】
【氏名】松永 浩利
【テーマコード(参考)】
3F062
【Fターム(参考)】
3F062AB02
3F062BA08
3F062BD01
3F062BE02
3F062BF03
(57)【要約】
【課題】被着体に対して巻乱れが少ないテープ巻付機を提供すること。
【解決手段】テープ巻付機1は、被着体29にテープ10を巻き付ける装置である。テープ巻付機1は、被着体29の外周を周回可能な回転体4と、テープ10の非巻付予定箇所へのテープ10の移動を抑制するテープ規制部5を備える。回転体4は、テープ10を被着体29に押圧する接触部7を有し、テープ規制部5は、接触部7の回転方向の先に配置される。テープ巻付機1の回転体4は、弾性部材6を備える。接触部7は、弾性部材6の弾性力によってテープ10を挟んだ状態で、被着体29に追従しながら押圧する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体にテープを巻き付けるテープ巻付機であって、
前記被着体の外周を周回可能な回転体と、
前記テープの非巻付予定箇所への前記テープの移動を抑制するテープ規制部を備え、
前記回転体は、前記テープを前記被着体に押圧する接触部を有し、
前記テープ規制部は、前記回転体の回転に伴って前記接触部が移動する先に配置されるテープ巻付機。
【請求項2】
前記回転体は、弾性部材を備え、
前記接触部は、前記弾性部材の弾性力によって前記テープを挟んだ状態で、前記被着体に追従しながら押圧する請求項1に記載のテープ巻付機。
【請求項3】
前記接触部は、前記回転体に備えられる押さえ部材であり、
前記押さえ部材は、被着体中心軸に対して直交する方向に移動可能であり、前記弾性部材の弾性力によって前記被着体に追従しながら押圧する請求項2に記載のテープ巻付機。
【請求項4】
前記接触部は、前記回転体の回転に伴う移動によって回転可能なローラであり、
前記ローラは、被着体中心軸に対して直交する方向に移動可能であり、前記弾性部材の弾性力によって前記被着体に追従しながら押圧する請求項2に記載のテープ巻付機。
【請求項5】
前記接触部は、前記弾性部材であって前記回転体に備えられる板バネ部材であり、
前記板バネ部材は、前記テープに直接接触して挟んだ状態で前記被着体を押圧する請求項2に記載のテープ巻付機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被着体にテープを巻き付けるテープ巻付機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物にテープを巻き付けるテープ巻付機が提案されている。例えば、特許文献1には、以下のように記載されている。テープ巻付機は、回転プレートに固定された回動軸で連結されたアームにロールテープを保持し、回転プレートが回転し、ロールテープからテープを対象物に巻き付けるとき、ロールテープと対象物の間に加わる張力によって、アームに保持されたロールテープが対象物の方向に移動することで、ロールテープと対象物の間に加わる張力が抑制され、対象物に貼り付けたテープ端部が、対象物から外れる(分離する)ことが抑制される。また、アームに保持されたロールテープが対象物の方向に移動することで、アームに備えられた押圧部が、ロールテープと対象物の間に張り渡されたテープを押圧し、テープの皺を抑制しながら、テープを対象物に強く巻き付ける。押圧部に備えられたテープ位置規制部が、ロールテープから対象物に張り渡されたテープのテープ幅方向の位置を規制することで、対象物の長手方向の正確な位置にテープを巻き付ける。
【0003】
これによれば、ロールテープの巻き付け性能に優れたテープ巻付機、及び、そのテープ巻付機を備えたテープ巻付装置を提供できる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す従来例には以下の課題がある。特許文献1に記載のテープ巻付機は、アームに保持されたロールテープが対象物の方向に移動することで、アームに備えられた押圧部が、ロールテープと対象物の間に張り渡されたテープを押圧し、テープの皺を抑制しながら、テープを対象物に強く巻き付ける構成である。対象物が例として軸の場合、軸が全長に渡って真直の場合を除いて、軸がテーパを有する場合に問題となる。
【0006】
すなわち、テープはロールテープと対象物との間に張り渡されて張力がかかった状態である。軸がテーパを有する場合、テープは加えられた張力によって軸のテーパに倣って巻き付けられ、巻乱れが発生する。軸はテーパを有することがあり、巻乱れが発生することが課題となる。
【0007】
本発明の目的は、被着体に対して巻乱れが少ないテープ巻付機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様に係るテープ巻付機は、被着体にテープを巻き付けるテープ巻付機であって、前記被着体の外周を周回可能な回転体と、前記テープの非巻付予定箇所への前記テープの移動を抑制するテープ規制部を備え、前記回転体は、前記テープを前記被着体に押圧する接触部を有し、前記テープ規制部は、前記回転体の回転に伴って前記接触部が移動する先に配置される。
【0009】
これによれば、テープ巻付機は、回転体がテープを被着体に押圧する接触部を有するので、回転体が被着体の外周を周回することでテープを被着体に巻き付けることができる。また、テープ規制部は、被着体に対して接触部が移動する先に配置されるので、テープは予め非巻付予定箇所への移動が抑制された状態で被着体に押圧される。よって、テープ巻付機は、巻乱れが少ない状態で被着体にテープを巻き付けることができる。
【0010】
また、前記テープ巻付機は、前記回転体が弾性部材を備え、前記接触部は、前記弾性部材の弾性力によって前記テープを挟んだ状態で、前記被着体に追従しながら押圧してもよい。
【0011】
この場合、接触部は弾性部材の弾性力によって被着体に追従しながら押圧するので、被着体の断面形状が真円でない場合でも、巻乱れが少ない状態で被着体にテープを巻き付けることができる。
【0012】
また、前記テープ巻付機は、前記接触部が前記回転体に備えられる押さえ部材であり、前記押さえ部材は、被着体中心軸に対して直交する方向に移動可能であり、前記弾性部材の弾性力によって前記被着体に追従しながら押圧してもよい。
【0013】
この場合、接触部は、被着体の中心軸に対して直交する方向に移動可能な押さえ部材である。押さえ部材は、弾性力によって被着体に追従しながらテープを挟んで被着体を押圧するので、巻乱れが少ない状態で被着体にテープを巻き付けることができる。
【0014】
また、前記テープ巻付機は、前記接触部が前記回転体の回転に伴う移動によって回転可能なローラであり、前記ローラは、被着体中心軸に対して直交する方向に移動可能であり、前記弾性部材の弾性力によって前記被着体に追従しながら押圧してもよい。
【0015】
この場合、接触部は、被着体の中心軸に対して直交する方向に移動可能なローラである。ローラは、弾性部材の弾性力によって被着体に追従しながら被着体を押圧し、回転体の回転に伴う移動によって回転可能である。よって、ローラはテープを巻き付けるときに回転するので、巻き付け時の抵抗が低減され、より巻乱れが少ない状態で被着体にテープを巻き付けることができる。
【0016】
また、前記テープ巻付機は、前記接触部が前記弾性部材であって前記回転体に備えられる板バネ部材であり、前記板バネ部材は、前記テープに直接接触して挟んだ状態で前記被着体を押圧してもよい。
【0017】
この場合、接触部は板バネ部材なので、被着体に追従しながら被着体を押圧する。よって、簡単な構造であり、かつ、巻乱れが少ない状態で被着体にテープを巻き付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明のテープ巻付機1の全体を、第一実施形態のテープ巻付機1aを例にして示した斜視図である。
【
図2】
図1における要部拡大図であり、第一実施形態のテープ巻付機1aを示した斜視図である。
【
図3】第一実施形態のテープ巻付機1aを示した、
図1におけるA視図であり、テープ巻付機1aにアームレスト28をセットする前の状態を示した図である。
【
図4】第一実施形態のテープ巻付機1aを示した、
図1におけるA視図であり、テープ巻付機1aにアームレスト28をセット後の状態を示した図である。
【
図5】第一実施形態のテープ巻付機1aを示した、
図1におけるB視図であり、テープ巻付機1aにアームレスト28をセット後の状態を示した図である。
【
図6】
図5におけるE部詳細図であり、テープ規制部5aと被着体29との位置関係を示した図である。
【
図7】
図4におけるD部詳細図であって、押さえ部材7aと被着体29との関係を示した図であり、(a)は被着体29の長径部分を押圧する状態を示し、(b)は被着体29の短径部分を押圧する状態を示す。
【
図8】第一実施形態のテープ巻付機1aを示した、
図4における断面I-Iを示す断面図を反時計回りに90度回転させた図であり、押さえ部材7aがセットされてテープ10の巻き付け開始の状態を示す図である。
【
図9】
図8の状態から押さえ部材7aが時計回りに90度回転した、テープ10の巻き付け途中の状態を示す図である。
【
図10】第二実施形態のテープ巻付機1bを示し、
図4における断面I-Iに相当する断面図を反時計回りに90度回転させた図であり、ローラ7bがセットされてテープ10の巻き付け開始の状態を示す図である。
【
図11】
図10の状態からローラ7bが時計回りに90度回転した、テープ10の巻き付け途中の状態を示す図である。
【
図12】第三実施形態のテープ巻付機1cの要部を拡大した斜視図である。
【
図13】第三実施形態のテープ巻付機1cを示し、
図12におけるF視図であり、テープ巻付機1cにアームレスト28をセット後の状態を示した図である。
【
図14】第三実施形態のテープ巻付機1cを示した、
図12におけるG視図であり、テープ巻付機1cにアームレスト28をセット後の状態を示した図である。
【
図15】第三実施形態のテープ巻付機1cを示し、
図13における断面II-IIに示す断面図を反時計回りに90度回転させた図であり、板バネ部材7cがセットされてテープ10の巻き付け開始の状態を示す図である。
【
図16】
図15の状態から板バネ部材7cが時計回りに90度回転した、テープ10の巻き付け途中の状態を示す図である。
【
図17】第三実施形態のテープ巻付機1cを示し、
図13における断面II-IIに示す断面図を反時計回りに90度回転させた図であり、被着体29にテープ10を巻き付ける工程を順に説明した図である。
【
図18】第四実施形態のテープ巻付機1dの全体を示す斜視図である。
【
図19】
図18におけるH視図であり、左側の要部を拡大した斜視図である。
【
図21】
図18におけるJ視図であり、右側の要部を拡大した斜視図である。
【
図23】アクチュエータ34の制御装置50を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明を具現化したテープ巻付機1を説明する。なお、発明を実施するための形態、及び参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。本発明はこれらに限定されるものではない。図面に記載されている構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0020】
<各実施形態に共通の構成>
図1等を参照して、本発明の態様に係るテープ巻付機1において、各実施形態に共通の構成を説明する。テープ巻付機1は、被着体29にテープ10を巻き付ける装置である。テープ巻付機1は、被着体29の外周を周回可能な回転体4と、テープ10の非巻付予定箇所へのテープ10の移動を抑制するテープ規制部5を備える。回転体4は、テープ10を被着体29に押圧する接触部7を有し、テープ規制部5は、回転体4の回転に伴って接触部7が移動する先に配置される。
【0021】
さらに、
図2等に示すように、テープ巻付機1の回転体4は、弾性部材6を備える。接触部7は、弾性部材6の弾性力によってテープ10を挟んだ状態で、被着体29に追従しながら押圧する。
【0022】
図1から
図22までに示す例では、被着体29は、自動車用のアームレスト28に取り付けられている軸である。被着体29である軸は、アームレスト28が自動車の車内に取り付けられ、図示しないヒンジを中心にしてアームレスト28を回転させたとき、ストッパ-として回転を止める役割を果たすものである。被着体29である軸は、ストッパーとして対象物に当たるときの衝撃を和らげるために、外周にテープ10を巻き付ける。被着体29である軸は、断面形状が扁平部分を有する楕円形状である。なお、軸の断面形状は種々の形状が想定される。また、本発明のテープ巻付機1は、被着体29がアームレスト28に付属するものに限定されず、片持ち構造で形成される軸状の被着体29に対して適用可能である。
【0023】
テープ10は、例として被着体29に接する側に粘着剤が塗布された粘着テープを使用する。なお、テープ10は、粘着剤が塗布されていないものを使用する場合もある。また、テープ10は短冊状のものを使用する。ロール状に巻回された状態でもよいが、ロール部分は予め巻を弛めておき、テープ10を引き出すときの引出負荷を低減させておくことが望ましい。
【0024】
次に、テープ巻付機1を含めた装置の全体構成を説明する。
図1に示すように、支持台25aが移動可能な方向を前後方向とし、図示のように上下方向と左右方向を定義する。なお、装置の全体構成は、本発明の態様に係る第一実施形態のテープ巻付機1aを例に説明するが、他の実施形態も同様である。
図1に示すように、テープ巻付機1は、例としてフレーム24に取り付けられた支持台25aにテープ巻付機1が配置される。テープ巻付機1は、フレーム24に取り付けられたガイドレール21に沿って、支持台25aと共に図示の前後方向に移動可能である。
【0025】
図1に示すように、アームレスト28はフレーム24に載置され、一方はアームレスト28に取り付けられているヒンジ軸がフレーム24に取り付けられ、他方は支持軸26がレバー27によってセットされる。
【0026】
図2に示すように、テープ巻付機1は、さらに、駆動源2と、駆動源2によって回転駆動される駆動軸3を備える。回転体4は、駆動軸3に接続され、被着体29の外周を周回可能である。駆動軸3の駆動軸中心と、被着体29の被着体中心軸Cとは同一直線上になるよう設定される。この際、上下方向は予め駆動軸中心と被着体中心軸Cとが調整されており、前後方向は支持台25aを移動させることで調整する。
【0027】
次に、
図6を参照して、テープ規制部5を説明する。被着体29がテーパ状の形状を有し、被着体29の位置により被着体中心軸Cと直交する方向の被着体寸法に大小関係があるとき、テープ規制部5は、テープ10の幅方向の端部のうち、少なくとも被着体寸法が大きい側に巻き付けられる側の端部を案内する。
図6に示す例では、被着体29である軸は、先端部である左側が細くなるテーパ形状を有しているため、テープ規制部5は軸の太い側であるテープ10の右端を案内する。なお、
図6においてテープ規制部5は格子状のハッチングを付している。
【0028】
テーパ形状を有する被着体29にテープ10を巻き付ける場合、テープ10はテーパに沿って軸の太い側に寄ることで斜めに巻き付けられる傾向がある。テープ規制部5が被着体29の軸の太い側であるテープ10の右端を案内するのは、この巻乱れを低減するためである。逆に、被着体29である軸が、先端に向かうほど太くなる場合、テープ規制部5はテープ10の左端を案内するよう構成する。なお、テープ規制部5は、テープ10の両側端部の移動を抑制するよう形成してもよい。
【0029】
なお、
図6に示すように、巻付予定箇所とは、被着体29である軸に対してテープ10を巻き付けるべき領域である。非巻付予定箇所とは、テープ10を巻き付けるべき領域以外の箇所である。例として非巻付予定箇所は、テープ10が図示の右側へ斜行し、被着体29である軸からはみ出してしまう領域である。巻乱れがひどい場合は、アームレスト28の壁面に沿って貼り付いてしまう場合がある。本発明は、このような不具合を抑制するものである。
【0030】
また、
図8から
図11まで、及び
図15から
図17までに示すように、テープ規制部5は、駆動軸3の周りを回転体4の回転に伴って移動しながら、テープ10の幅方向の少なくとも一方の端部において非巻付予定箇所への移動を抑制する。
【0031】
また、
図8から
図11まで、及び
図15から
図17までに示すように、テープ巻付機1は、テープ規制部5と一体に形成される曲折案内部15を備えてもよい。曲折案内部15は、回転体4の回転に伴い、テープ10のうち被着体29へ巻き付けられる側とは反対側の面に接触し、テープ10を巻き付け方向に曲折する。さらに、接触部7は、巻き付け方向に曲折された状態のテープ10を押圧する。
【0032】
また、
図2、
図12、
図19、及び
図21に示すように、テープ巻付機1は、接触部7よりもテープ10の供給側にテープ案内部8を備えてもよい。テープ案内部8は、少なくともテープ規制部5がテープ10の移動を抑制する幅方向の端部とは反対側の端部を案内する。
図2等の例では、テープ規制部5はテープ10の右側の端部において移動を抑制するので、テープ案内部8はテープ10の左側の端部を案内する。なお、テープ案内部8は、テープ10の両側の端部を案内するよう形成してもよい。
【0033】
<各実施形態に共通の構成による効果>
以上説明した、テープ巻付機1の共通の構成により、以下の効果を奏する。
図8から
図11まで、及び
図15から
図17までの例に示すように、テープ巻付機1は、回転体4がテープ10を被着体29に押圧する接触部7を有するので、回転体4が被着体29の外周を周回することでテープ10を被着体29に巻き付けることができる。また、テープ規制部5は、被着体29に対して接触部7が移動する先に配置されるので、テープ10は予め非巻付予定箇所への移動が抑制された状態で被着体29に押圧される。よって、テープ巻付機1は、仮に被着体29がテーパを有していても、巻乱れが少ない状態で被着体29にテープ10を巻き付けることができる。
【0034】
また、
図8から
図11まで、及び
図15から
図17までの例に示すように、接触部7は弾性部材6の弾性力によって被着体29に追従しながら押圧する。よって、テープ巻付機1は、被着体29の断面形状が真円でない場合でも、巻乱れが少ない状態で被着体29にテープ10を巻き付けることができる。
【0035】
また、
図6に示すように、テープ規制部5は、テープ10の幅方向の端部のうち、少なくとも被着体寸法が大きい側に巻き付けられる側の端部を案内する。よって、被着体29がテーパ状の形状を有していても、より巻乱れが少ない状態で被着体29にテープ10を巻き付けることができる。
【0036】
また、
図8から
図11まで、及び
図15から
図17までに示すように、テープ規制部5は、回転体4の回転に伴って移動しながらテープ10の幅方向の少なくとも一方の端部の移動を抑制する。よって、テープ巻付機1は、被着体29にテープ10を巻き付ける過程において、継続的にテープ10の非巻付予定箇所への移動を抑制することができる。仮に被着体29がテーパを有していても、巻乱れが少ない状態で被着体29にテープ10を巻き付けることができる。
【0037】
また、
図8から
図11まで、及び
図15から
図17までに示すように、曲折案内部15は、接触部7がテープ10を挟んで被着体29を押圧するのに先駆けて、テープ10を巻き付け方向に曲折する。よって、テープ巻付機1は、より巻乱れが少ない状態で被着体29にテープ10を巻き付けることができる。
【0038】
また、
図2、
図12、
図19、及び
図21に示すように、テープ巻付機1は、テープ10の供給側にテープ案内部8を備えるので、巻き付けの初期段階においてテープ10の移動を抑制した状態で被着体29への巻き付けを行うことができる。よって、巻乱れが少ない状態で被着体29にテープ10を巻き付けることができる。
【0039】
<第一実施形態のテープ巻付機1aの構成>
次に、
図1から
図9までを参照して、本発明の態様に係る第一実施形態のテープ巻付機1aに固有の構成を説明する。すでに説明した共通の構成に含まれるものは説明を省略する。テープ巻付機1aの接触部7は、回転体4aに備えられる押さえ部材7aである。押さえ部材7aは、被着体中心軸Cに対して直交する方向に移動可能であり、弾性部材6の弾性力によって被着体29に追従しながら押圧する。回転体4aを回転させる駆動源2は例として電気駆動式モータ2aである。
【0040】
詳細に説明すると、
図7に示すように、押さえ部材7aは丸棒状の部材である。押さえ部材7aは、回転体4aに固定された軸9との間で磁力によって互いに引き合う。
図7(a)は、押さえ部材7aが、被着体29である軸の長径の部分を押圧する場合を示し、押さえ部材7aと軸9とがほぼ直線状に並んだ状態である。押さえ部材7aは、弾性部材6である圧縮コイルバネの弾性力により押圧駒11によって押圧され、被着体29に追従して図示の上下方向に移動する。
図2及び
図7に示すように、弾性部材6である圧縮コイルバネは、回転体4aに取り付けられたバネ受けプレート12に支持される。
【0041】
図7(b)は、押さえ部材7aが、被着体29である軸の短径の部分を押圧する場合を示し、押さえ部材7aは軸9に対して図示の下側へずれた状態である。押さえ部材7aは、被着体29の外形に追従し、弾性部材6の弾性力によって軸9との間の磁力に逆らいながら平行移動する。なお、
図7(a)及び
図7(b)は、回転体4aが回転するので必ずしも図示の上下方向が実際の上下方向と一致するわけではない。
【0042】
テープ規制部5aは、
図2及び
図6に示すように、回転体4aに取り付けられる規制部支持プレート13に接続され、回転体4aの回転に伴って駆動軸3aの周りを移動する。
図6及び
図8に示すように、曲折案内部15aは、テープ規制部5aと規制部支持プレート13との接続部に形成される。
【0043】
次に、
図8、
図9を参照して、被着体29にテープ10が巻き付けられる過程を説明する。
図8は、テープ巻付機1aにアームレスト28をセットした状態である。すなわち、駆動軸3aの駆動軸中心と、被着体29の被着体中心軸Cとを同一直線上にし、被着体29である軸の長径部分に押さえ部材7aを押圧させた状態である。このとき、テープ10の端部が被着体29である軸に貼り付けられ、または押圧された状態である。
図8に示すように、テープ巻付機1aが被着体29にテープ10を巻き付け開始するときは、テープ案内部8がテープ10を案内する。
【0044】
図8及び
図9に示す例では、押さえ部材7aは、回転体4aが時計回りに回転するのに伴って移動しながら被着体29にテープ10を巻き付ける。被着体29である軸にテープ10を巻き付けるとき、テープ10は停止させておき、押さえ部材7aを周回させる。テープ10は停止した状態なので、張力が加わることが抑制される。仮に、被着体29に傾斜がある場合、テープ10に張力が加わっていると、傾斜に沿って斜めに巻き付けられる傾向にある。これに対し、他の実施形態を含めて、本発明のテープ巻付機1aはテープ10に加わる張力が抑制さられた状態で、被着体29にテープ10が巻き付けられる。
【0045】
図8及び
図9に示すT1は、バネ受けプレート12及びテープ規制部5aの軌跡を示し、T2は接触部7である押さえ部材7aの軌跡を示す。なお、回転体4aの回転方向は、時計回りに限定されず、反時計回りでもよい。また、
図8及び
図9に示す例では、テープ10は図示の右側から挿入するが、左側から挿入するようにテープ巻付機1aを構成してもよい。他の実施形態も同様である。
【0046】
図8及び
図9に示す例では、テープ規制部5aは、接触部7である押さえ部材7aよりも時計回りの略90度先に形成される。
図8に示す状態では、テープ規制部5aはテープ10と離間した状態である。回転体4aの回転に伴い、押さえ部材7aがテープ10を挟んで被着体29を押圧しながら移動すると、
図9に示すようにテープ規制部5aがテープ10の端部と接触しながら非巻付予定箇所への移動を継続的に抑制する。
【0047】
また、
図9に示すように、テープ規制部5aがテープ10の非巻付予定箇所への移動を抑制すると同時に、曲折案内部15aがテープ10のうち被着体29へ巻き付けられる側とは反対側の面に接触し、テープ10を巻き付け方向に曲折する。テープ10は、被着体29である軸に対して略二重巻されるが、巻き数は一重以上であれば何巻でもよい。
【0048】
<第一実施形態のテープ巻付機1aの構成による効果>
以上説明した第一実施形態のテープ巻付機1aの構成によれば、以下の効果を奏する。
図8に示すように、テープ巻付機1aは、被着体中心軸Cに対して直交する方向に移動可能な押さえ部材7aである。押さえ部材7aは、弾性力によって被着体29に追従しながらテープ10を挟んで被着体29を押圧するので、より巻乱れが少ない状態で被着体29にテープ10を巻き付けることができる。
【0049】
また、
図7に示すように、押さえ部材7aは軸9との間で磁力によって引き合いながら移動可能なので、仮に被着体29の軸の偏芯量が大きい場合でも追従して押圧することができる。テープ規制部5aは、押さえ部材7aとは別体で構成されるので、テープ10の非予定巻付範囲外への移動を抑制する位置を設定する自由度が大きい。
【0050】
<第二実施形態のテープ巻付機1bの構成>
次に、
図10及び
図11を参照して、本発明の態様に係る第二実施形態のテープ巻付機1bの構成を説明する。テープ巻付機1bの接触部7は、回転体4b(図示せず)の回転に伴う移動によって回転可能なローラ7bである。ローラ7bは、被着体中心軸Cに対して直交する方向に移動可能であり、弾性部材6の弾性力によって被着体29に追従しながら押圧する。
【0051】
図10及び
図11に示すように、テープ巻付機1bはテープ巻付機1aに対して接触部7の構造のみが異なる。テープ巻付機1aは、接触部7が押さえ部材7aであって回転を伴わないが、テープ巻付機1bは押さえ部材7aの丸棒に相当する部分にローラ7bを取り付けた構造である。ローラ7bは、テープ巻付機1aの押さえ部材7aと同様の動きに加えて回転体4bの回転に伴う移動により、テープ10に接触しながら従動回転し、被着体29にテープ10を巻き付ける。テープ規制部5b及び曲折案内部15bは、テープ巻付機1aと同様である。
【0052】
<第二実施形態のテープ巻付機1bの構成による効果>
以上説明したテープ巻付機1bの構成によれば、以下の効果を奏する。
図10及び
図11に示すように、テープ巻付機1bの接触部7は、被着体29の中心軸に対して直交する方向に移動可能なローラ7bである。ローラ7bは、弾性部材6の弾性力によって被着体29に追従しながら被着体29を押圧し、回転体4bの回転に伴う移動によりテープ10に接触しながら従動回転可能である。よって、ローラ7bはテープ10を巻き付けるときの抵抗が低減され、より巻乱れが少ない状態で被着体29にテープ10を巻き付けることができる。
【0053】
<第三実施形態のテープ巻付機1cの構成>
次に、
図12から
図17までを参照して、本発明の態様に係る第三実施形態のテープ巻付機1cを説明する。テープ巻付機1cの接触部7は、弾性部材6であって回転体4cに備えられる板バネ部材7cである。板バネ部材7cは、テープ10に直接接触して挟んだ状態で被着体29を押圧する。
【0054】
図12から
図14までに示すように、板バネ部材7cは板バネ支持部材14に取り付けられ、板バネ支持部材14は駆動軸3cに取り付けられる。エアー駆動式モータ2cの回転によって駆動軸3cが回転すると、板バネ部材7cが回転する。テープ巻付機1cは、テープ巻付機1aと同様に、フレーム24の支持台25cに配置され、ガイドレール21によって前後方向に移動可能である。被着体29に対してテープ巻付機1cの位置を調整する方法は、テープ巻付機1aと同様である。
【0055】
図15等に示すように、テープ巻付機1cの板バネ部材7cには、弾性部材6とテープ規制部5c、及び曲折案内部15cが一体で形成される。
図15は、テープ巻付機1aの
図8に対応する図であり、テープ巻付機1cにアームレスト28をセットしてテープ10の巻き付けを開始する状態を示す。板バネ部材7cは、被着体29である軸の長径部分を押圧するため変形量が大きい状態であり、テープ規制部5cはテープ10と離間した状態である。
図15に示すように、テープ巻付機1cが被着体29にテープ10を巻き付け開始するときは、テープ案内部8がテープ10を案内する。
【0056】
図16に示すように、板バネ部材7cが時計回りに回転すると、テープ規制部5cがテープ10の経路に沿って非巻付予定箇所へのテープ10の移動を抑制する。同時に、曲折案内部15cが、テープ10のうち被着体29へ巻き付けられる側とは反対側の面に接触し、テープ10は巻き付け方向に曲折される。T1は、テープ規制部5c及び曲折案内部15cの軌跡を示し、T2は、接触部7である板バネ部材7cと被着体29とが接触する部分の軌跡を示す。
【0057】
図15及び
図16に示すように、テープ巻付機1cにおいて、被着体29である軸にテープ10が巻き付けられる工程は、接触部7が第一実施形態のテープ巻付機1aにおける押さえ部材7aの替わりに板バネ部材7cによって行われる。
図17を参照して、巻き付け工程を詳細に説明する。
図17(a)は、被着体29にテープ10の端部を止める状態を示す。テープ10が粘着剤付きの場合はそのまま貼り付け、粘着剤を有さない場合は、粘着剤等を塗布して貼り付けてもよい。このとき、板バネ部材7cはテープ10を挟まず、被着体29を直接押下している。図示の時計回りに板バネ部材7cが回転すると、
図17(b)から
図17(j)の状態まで順に遷移する。
【0058】
図17(b)及び
図17(c)に示す状態は、板バネ部材7cがテープ10に接触せずに被着体29の周りを回転する工程を示す。
図17(d)から
図17(g)までは、被着体29に対して、テープ10を一周巻き付ける工程を示し、
図17(g)は、被着体29に対してテープ10を一周巻き付けた状態を示す。
【0059】
図17(h)から
図17(j)までは、すでに巻き付けられたテープ10の外側に対してさらに重ね巻きする工程を示す。
図17(j)は、被着体29に対してテープ10を約1.5巻きした状態を示す。テープ10の長さは、被着体29を約1.5周巻き付ける長さに設定してある。
【0060】
図17(d)から
図17(j)までは、板バネ部材7cが接触部7としてテープ10を挟んで被着体29へ押下し続け、さらに、曲折案内部15cが、テープ10を巻き付け方向へ曲折し続ける。以上説明した工程は、第三実施形態のテープ巻付機1cを例に説明したが、第一実施形態のテープ巻付機1a、及び第二実施形態のテープ巻付機1bも同様の工程によって被着体29にテープ10を巻き付ける。接触部7が、押さえ部材7aであるか、ローラ7bであるか、或いは板バネ部材7cであるかの違いのみである。巻き付け工程において、接触部7がテープ10を挟んで被着体29へ押下し続け、さらに、曲折案内部15が、テープ10を巻き付け方向へ曲折し続けることは同様である。
【0061】
<第三実施形態のテープ巻付機1cの構成による効果>
以上説明した第三実施形態のテープ巻付機1cの構成によれば、以下の効果を奏する。テープ巻付機1cは、接触部7が板バネ部材7cなので、被着体29に追従しながら被着体29を連続的に押圧する。さらに、曲折案内部15cは、テープ10を巻き付け方向へ連続的に曲折する。よって、簡単な構造であり、かつ、巻乱れが少ない状態で被着体29にテープ10を巻き付けることができる。
【0062】
<第四実施形態のテープ巻付機1dの構成>
次に、
図18から
図22までを参照して、第四実施形態のテープ巻付機1dを説明する。第四実施形態のテープ巻付機1dは、テープ巻付機1aからテープ巻付機1cまでとは異なり、回転体4及びテープ規制部5の位置を変更可能である。テープ巻付機1dは、回転体4及びテープ規制部5の位置を移動させる案内路30を備え、案内路30に沿って回転体4及びテープ規制部5を被着体29に対応する位置に移動可能である。なお、テープ巻付機1dの回転体4及びテープ規制部5は、例としてすでに説明した第一実施形態のテープ巻付機1aにおける駆動軸3a、回転体4a、及びテープ規制部5aを備える。
【0063】
図18から
図22までに示すように、案内路30は、軸状の被着体29が延びる方向に垂直であって、互いに直交する方向に形成される第一案内路31と第二案内路32を備える。回転体4a及びテープ規制部5aは、第一案内路31又は/及び第二案内路32に沿って移動可能である。第一案内路31は図示の前後方向に延び、第二案内路32は図示の上下方向に延びる。
【0064】
図19に示すように、案内路30は、さらに被着体29が延びる方向に沿って形成される第三案内路33を備える。回転体4a及びテープ規制部5aは第三案内路33に沿って移動可能である。
図19に示す例では、第三案内路33は、図示の左右方向に延びる。
図19から
図22までに示す例では、回転体4aとテープ規制部5aは駆動源2dと一体的に形成され、駆動源2dが案内路30に沿って移動可能である。詳細な説明は省略するが、例えば案内路30は内部がレール状に形成され、駆動源2dに繋がって形成された駒がレールに沿って移動可能な構成である。なお、駒は、後述するようにアクチュエータ34によって自動的に移動可能でもよいし、アクチュエータ34を用いずに手動で移動可能でもよい。
【0065】
被着体29はアームレスト28の複数箇所に備えられ、テープ巻付機1dは、回転体4aとテープ規制部5aが複数の被着体29のそれぞれに対応して備えられる。
図18に示す例では、アームレスト28は被着体29を左右方向の左端と右端に備え、テープ巻付機1dは、左右方向の左側及び右側に備えられる。
図18から
図22までに示すように、テープ巻付機1dである左側のテープ巻付機1dLと右側のテープ巻付機1dRは、左右方向の両側のそれぞれに、回転体4aとテープ規制部5a、駆動源2d、駆動軸3a、弾性部材6、接触部7である押さえ部材7a、テープ案内部8、及び軸9を備える。
【0066】
図19及び
図21に示すように、軸状の被着体29が形成されるアームレスト28は、被着体29が延びる方向に対して略平行に形成される孔42a又は軸42bを有する被固定部42を備える。
【0067】
図19及び
図21に示すように、テープ巻付機1dは、被固定部42に装着可能であって、軸部22a又は軸挿入部22bを有する固定部22を備える。
図19に示すように、左右方向の左側の被固定部42は孔42aであり、左側のテープ巻付機1dLは、孔42aに挿入可能な軸部22aを備える。また、
図21に示すように、左右方向の右側の被固定部42は軸42bであり、右側のテープ巻付機1dRは、軸42bを挿入可能な軸挿入部22bを備える。
【0068】
アームレスト28は、テープ巻付機1dに設置するとき、左側は軸部22aに孔42aを合わせ、右側は軸挿入部22bに軸42bを合わせる。
図21に示す例では、軸挿入部22bは、略U字状の溝が形成され、軸42bを溝に沿って挿入可能である。その他、軸挿入部22bは孔が形成されてもよい。
【0069】
次に、案内路30、及び案内路30に沿って回転体4とテープ規制部5を移動させるための構成を詳細に説明する。左側のテープ巻付機1dLは、
図19及び
図20に示すように、第三案内路33が支持台25Lに固定される。第三台座37は、第三案内路33に沿って左右方向に移動可能である。第一案内路31は第三台座37に固定され、第三台座37の上側に配置される第一台座35が第一案内路31に沿って前後方向に移動可能である。第二案内路32は、第一台座35に固定され、第一台座35の上側に配置される第二台座36が第二案内路32に沿って上下方向に移動可能である。駆動源2dは第二台座36と直結し、第二台座36の移動に伴って移動する。
【0070】
左側のテープ巻付機1dLは、以上の構成により、第三台座37の移動に伴って第一台座35及び第二台座36が移動する。また、第一台座35の移動に伴って第二台座36が移動する。回転体4及びテープ規制部5は、駆動源2dと一体的に移動する。駆動源2dは第二台座36に直結するので、第二台座36の移動に伴って回転体4とテープ規制部5が移動する。よって、回転体4とテープ規制部5は、三方向である前後方向と左右方向と上下方向に移動可能である。軸部22aは、第三台座37と一体的に移動するので、左右方向に移動可能である。
【0071】
右側のテープ巻付機1dRは、
図21及び
図22に示すように、第一案内路31が支持台25Rに固定される。第一台座35は、第一案内路31に沿って前後方向に移動可能である。第二案内路32は第一台座35に固定され、第一台座35の上側に配置される第二台座36が第二案内路32に沿って上下方向に移動可能である。左側のテープ巻付機1dLと同様に、駆動源2dは第二台座36と直結し、第二台座36の移動に伴って移動する。
【0072】
右側のテープ巻付機1dRは、以上の構成により、第一台座35の移動に伴って第二台座36が移動する。回転体4及びテープ規制部5は、駆動源2dと一体的に移動する。駆動源2dは第二台座36に直結するので、第二台座36の移動に伴って回転体4とテープ規制部5が移動する。よって、回転体4とテープ規制部5は、二方向である前後方向と上下方向に移動可能である。
【0073】
次に、テープ巻付機1dがアクチュエータ34を備える場合について説明する。
図19から
図22までに示すように、テープ巻付機1dは、回転体4a及びテープ規制部5aがアクチュエータ34の駆動によって案内路30に沿って移動可能である。アクチュエータ34は、例として案内路30の内部に形成される。例えば、アクチュエータ34は直動型モータ等である。
【0074】
アクチュエータ34は、固定部22と、回転体4及びテープ規制部5との相対的な位置関係が、被固定部42と被着体29との相対的な位置関係に対応するように回転体4及びテープ規制部5を移動可能である。
【0075】
具体的には、
図19に示すように、前後方向において、第一アクチュエータ34aは回転体4a及びテープ規制部5aと一体的に形成された駆動源2dを第一案内路31に沿って移動可能である。上下方向において、第二アクチュエータ34bは駆動源2d等を第二案内路32に沿って移動可能である。同様に、
図21に示すように、前後方向において、第一アクチュエータ34aは駆動源2d等を第一案内路31に沿って移動可能である。上下方向において、第二アクチュエータ34bは駆動源2d等を第二案内路32に沿って移動可能である。
【0076】
また、回転体4a及びテープ規制部5aは、被着体29が延びる方向において、アクチュエータ34により、被着体29に対応する位置へ移動可能である。具体的には、
図19に示すように、左右方向において、第三アクチュエータ34cは駆動源2d等を第三案内路33に沿って移動可能である。
【0077】
図19に示すように、アクチュエータ34は、第一アクチュエータ34aから第三アクチュエータ34cまでが備えられてもよいし、
図21に示すように、第一アクチュエータ34aと第二アクチュエータ34bが備えられてもよい。
【0078】
アームレスト28は、
図21に示すように、左右方向の右側のテープ巻付機1dRに対して設置し、その後、
図19に示すように左側にテープ巻付機1dLを設置する。このとき、
図21に示すように、右側のテープ巻付機1dRは、回転体4aとテープ規制部5aを左右方向に移動させる必要が無いので、案内路30は第一案内路31及び第二案内路32からなり、アクチュエータ34は第一アクチュエータ34aと第二アクチュエータ34bからなる。これに対して、
図19に示すように、左側のテープ巻付機1dLは、アームレスト28における左右方向の寸法に合わせて回転体4a及びテープ規制部5aを移動させる必要があるので、さらに第三案内路33及び第三アクチュエータ34cを備える。なお、以上の説明では、被着体29が備えられたアームレスト28を例に説明したが、軸状の被着体29を有すればアームレスト28に限定されず、他の部材へも適用可能である。また、右側のテープ巻付機1dRも、左側のテープ巻付機1dLと同様に、第三案内路33を備えてもよい。
【0079】
<第四実施形態のテープ巻付機1dの構成による効果>
以上説明した第四実施形態のテープ巻付機1dによれば、以下の効果を奏する。
図18等に示すように、テープ巻付機1dは、回転体4aとテープ規制部5aを被着体29に対応する位置に移動できるので、被着体29の位置が異なる対象物であるアームレスト28に対して、別のテープ巻付機1を準備することなくテープ10の巻き付けを行うことができる。
【0080】
また、
図18から
図22までに示すように、テープ巻付機1dは、回転体4a及びテープ規制部5aが、第一案内路31又は/及び第二案内路32に沿って移動可能なので、互いに直交する二方向に対して回転体4aとテープ規制部5aを移動させることができる。よって、被着体29の位置が異なる対象物であるアームレスト28に対して、別のテープ巻付機1を準備することなくテープ10の巻き付けを行うことができる。
【0081】
また、
図19に示すように、テープ巻付機1dは、回転体4a及びテープ規制部5aが、第三案内路33に沿って移動可能である。互いに直交する二方向に加えて、さらに回転体4aとテープ規制部5aを被着体29が延びる方向に対して移動できる。よって、三方向においてアームレスト28における被着体29の位置が異なる場合でも、被着体29に対して、別のテープ巻付機1を準備することなくテープ10の巻き付けを行うことができる。
【0082】
また、
図18から
図22までに示すように、被着体29は複数箇所に備えられ、テープ巻付機1dは、回転体4aとテープ規制部5aを複数の被着体29のそれぞれに対応して備えられる。よって、複数箇所に備えられる被着体29に対し、回転体4aとテープ規制部5aを移動させることにより、テープ10の巻き付けを行うことができる。
【0083】
また、
図18等に示すように、テープ巻付機1dはアクチュエータ34を備え、回転体4a及びテープ規制部5aは、アクチュエータ34の駆動によって案内路30に沿って移動可能である。よって、回転体4aとテープ規制部5aを自動で移動させることができる。
【0084】
また、テープ巻付機1dのアクチュエータ34は、固定部22と、回転体4a及びテープ規制部5aとの相対的な位置関係が、被固定部42と被着体29との相対的な位置関係に対応するように回転体4a及びテープ規制部5aを移動可能である。よって、固定部22を起点として、回転体4aとテープ規制部5aを被着体29に対する適切な位置へ移動させることができる。
【0085】
また、
図19及び
図20に示すように、テープ巻付機1dは、被着体29が延びる方向において、第三アクチュエータ34cにより回転体4a及びテープ規制部5aを被着体29に対応する適切な位置へ移動可能である。
【0086】
<アクチュエータ34の制御装置50の説明>
次に、
図23を参照して、アクチュエータ34の駆動を制御する制御装置50を説明する。制御装置50は、テープ巻付機1dの固定部22がアームレスト28の被固定部42に合わせられたことを前提とし、被着体29に対して回転体4とテープ規制部5の位置を対応させるよう駆動制御する。固定部22に対する被着体29の位置情報が入力装置51に入力されると入出力インターフェース52が受取り、CPU53が各処理を行う。CPU53は、第一アクチュエータ制御装置71による第一アクチュエータ駆動処理、第二アクチュエータ制御装置72による第二アクチュエータ駆動処理、及び第三アクチュエータ制御装置73による第三アクチュエータ駆動処理を行う。これらの処理に関し、ROM54及びRAM55は情報の記憶処理を行う。
【0087】
次に、CPU53は、処理した各駆動情報を入出力インターフェース52から各駆動回路に提供する。CPU53は、第一アクチュエータ駆動回路56に駆動情報を与えて第一アクチュエータ電源59を起動し、第一アクチュエータ34aを駆動する。同様に、第二アクチュエータ駆動回路57に駆動情報を与えて第二アクチュエータ電源60を起動し、第二アクチュエータ34b駆動する。さらに、第三アクチュエータ駆動回路58に駆動情報を与えて第三アクチュエータ電源61を起動し、第三アクチュエータ34cを駆動する。以上説明したように、制御装置50はアクチュエータ34の駆動制御を行い、回転体4a及びテープ規制部5aを被着体29に対する適切な位置へ移動させる。
【符号の説明】
【0088】
1、1a、1b、1c、1d、1dL、1dRdL テープ巻付機
4、4a、4b、4c 回転体
5、5a、5b、5c テープ規制部
6 弾性部材
7 接触部
7a 押さえ部材
7b ローラ
7c 板バネ部材
10 テープ
29 被着体
C 被着体中心軸