(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174504
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】チェーンベルト用屈曲ガイド
(51)【国際特許分類】
B65G 21/16 20060101AFI20231130BHJP
B65G 21/22 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B65G21/16
B65G21/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023029300
(22)【出願日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2022172778
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000128485
【氏名又は名称】株式会社オーイズミ
(72)【発明者】
【氏名】石坂 直輝
(72)【発明者】
【氏名】大津 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】菊谷 彰
【テーマコード(参考)】
3F025
【Fターム(参考)】
3F025CA15
3F025CB01
3F025CB03
3F025CB05
3F025CB09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】チェーンコンベア装置を簡便な構成で汎用性の高い部品で任意のカーブを実現し、設置現場のさまざまな状況に応じて設置可能にするチェーンベルト用屈曲ガイドを提供する。
【解決手段】垂直軸付レール10等と軸受付レール12等とは、垂直軸付レール10等の第1垂直軸71、第2垂直軸等及び軸受付レール12等の第1直軸受81、第2垂直軸受等によって連結されて左右方向に屈曲可能となる。この第1、第2垂直軸及び第1、第2垂直軸受等は搬送側走行路13を平面視した場合に搬送側走行路13の範囲内に配置される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、
前記複数のレールは、
垂直方向に突出する第1垂直軸及び第2垂直軸を有する垂直軸付レールと、
前記第1垂直軸を挿通可能な第1垂直軸受及び前記第2垂直軸を挿通可能な第2垂直軸受を有するレールであって前記垂直軸付レールとは異なる別個の軸受付レールとを含み、
前記第1垂直軸を前記第1垂直軸受に挿通すると共に、前記第2垂直軸を前記第2垂直軸受に挿通することによって前記垂直軸付レールと前記軸受付レールとを連結し、
前記垂直軸付レール又は前記軸受付レールの少なくともいずれか一方に前記搬送側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸及び前記第1垂直軸受を前記搬送側走行路の上方に配置し、前記第2垂直軸及び前記第2垂直軸受を前記搬送側走行路の下方に配置すると共に、前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路の範囲内に配置した
ことを特徴とするチェーンベルト用屈曲ガイド。
【請求項2】
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、
前記複数のレールは、
垂直方向に突出する第1垂直軸及び第2垂直軸を有する垂直軸付レールと、
前記第1垂直軸を挿通可能な第1垂直軸受及び前記第2垂直軸を挿通可能な第2垂直軸受を有するレールであって前記垂直軸付レールとは異なる別個の軸受付レールとを含み、
前記第1垂直軸を前記第1垂直軸受に挿通すると共に、前記第2垂直軸を前記第2垂直軸受に挿通することによって前記垂直軸付レールと前記軸受付レールとを連結し、
前記垂直軸付レール及び前記軸受付レールには前記搬送側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸及び前記第1垂直軸受並びに前記第2垂直軸及び前記第2垂直軸受を、前記搬送側走行路の下方に配置すると共に前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路の範囲内に配置した
ことを特徴とするチェーンベルト用屈曲ガイド。
【請求項3】
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向で屈曲走行させると共に、戻り側の前記チェーンベルトを前記搬送側走行路の下方に設けた戻り側走行路上を走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、
前記複数のレールは、
垂直方向に突出する第1垂直軸及び第2垂直軸を有する垂直軸付レールと、
前記第1垂直軸を挿通可能な第1垂直軸受及び前記第2垂直軸を挿通可能な第2垂直軸受を有するレールであって前記垂直軸付レールとは異なる別個の軸受付レールとを含み、
前記第1垂直軸を前記第1垂直軸受に挿通すると共に、前記第2垂直軸を前記第2垂直軸受に挿通することによって前記垂直軸付レールと前記軸受付レールとを連結し、
前記垂直軸付レール及び前記軸受付レールには前記搬送側走行路及び前記戻り側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸及び前記第1垂直軸受並びに前記第2垂直軸及び前記第2垂直軸受を、前記搬送側走行路の下方かつ戻り側の前記チェーンベルトの上方に配置すると共に、前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路の範囲内に配置した
ことを特徴とするチェーンベルト用屈曲ガイド。
【請求項4】
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、垂直軸付レールと、軸受付レールとを含み、
前記垂直軸付レールは、垂直方向に突出する第1垂直軸及び第2垂直軸と、を有し、
前記軸受付レールは、前記垂直軸付レールとは異なる別個のレールであって、前記第1垂直軸を挿通可能な第1垂直軸受及び前記第2垂直軸を挿通可能な第2垂直軸受を有し、
前記第1垂直軸を前記第1垂直軸受に挿通すると共に、前記第2垂直軸を前記第2垂直軸受に挿通することによって前記垂直軸付レールと前記軸受付レールとを連結し、
前記垂直軸付レール又は前記軸受付レールの少なくともいずれか一つに前記搬送側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸、前記第1垂直軸受、前記第2垂直軸及び前記第2垂直軸受を、前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路の範囲内に配置し、
前記垂直軸付レール及び前記軸受付レールのうちの少なくとも一つには、
前記搬送側走行路を支持する左側板及び右側板と、
前記左側板及び右側板を最下部において接続する底板と、
を備えることを特徴とするチェーンベルト用屈曲ガイド。
【請求項5】
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、垂直軸付レールと、軸受付レールとを含み、
前記垂直軸付レールは、垂直方向に突出する第1垂直軸及び第2垂直軸と、を有し、
前記軸受付レールは、前記垂直軸付レールとは異なる別個のレールであって、前記第1垂直軸を挿通可能な第1垂直軸受及び前記第2垂直軸を挿通可能な第2垂直軸受を有し、
前記第1垂直軸を前記第1垂直軸受に挿通すると共に、前記第2垂直軸を前記第2垂直軸受に挿通することによって前記垂直軸付レールと前記軸受付レールとを連結し、
前記垂直軸付レール又は前記軸受付レールの少なくともいずれか一つに前記搬送側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸、前記第1垂直軸受、前記第2垂直軸及び前記第2垂直軸受を、前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路の範囲内に配置し、
前記垂直軸付レール及び前記軸受付レールのうちの少なくとも一つには、
前記搬送側走行路を支持する左側板及び右側板と、
前記左側板の最下部において更に左側に演出する足部、又は前記右側板の最下部において更に右側に演出する足部と
を備えることを特徴とするチェーンベルト用屈曲ガイド。
【請求項6】
前記第1垂直軸及び前記第2垂直軸の突出方向は逆方向である
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のチェーンベルト用屈曲ガイド。
【請求項7】
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、軸受付レールと、左右屈曲用軸受孔付レールと、垂直連結軸とを含み、
前記軸受付レールは、垂直方向に同軸の第1垂直軸受及び第2垂直軸受を有し、
前記左右屈曲用軸受孔付レールは、前記軸受付レールとは異なる別個のレールであって、垂直方向に同軸の第1垂直軸受孔及び第2垂直軸受孔を有し、
前記垂直連結軸は、前記第1垂直軸受、前記第1垂直軸受孔、前記第2垂直軸受及び前記第2垂直軸受孔とに挿通することで、前記軸受付レールと前記左右屈曲用軸受孔付レールとを水平方向に屈曲可能に連結するものであり、
前記軸受付レール及び前記左右屈曲用軸受孔付レールの少なくともいずれか一つに前記搬送側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸受、前記第1垂直軸受孔、前記第2垂直軸受及び前記第2垂直軸受孔を、前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路の範囲内に配置した
ことを特徴とするチェーンベルト用屈曲ガイド。
【請求項8】
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、軸受付レールと、左右屈曲用軸受孔付レールと、垂直連結軸とを含み、
前記軸受付レールは、垂直方向に同軸の第1垂直軸受及び第2垂直軸受を有し、
前記左右屈曲用軸受孔付レールは、前記軸受付レールとは異なる別個のレールであって、垂直方向に同軸の第1垂直軸受孔及び第2垂直軸受孔を有し、
前記垂直連結軸は、前記第1垂直軸受、前記第1垂直軸受孔、前記第2垂直軸受及び前記第2垂直軸受孔とに挿通することで、前記軸受付レールと前記左右屈曲用軸受孔付レールとを水平方向に屈曲可能に連結するものであり、
前記軸受付レール及び前記左右屈曲用軸受孔付レールの少なくともいずれか一つに前記搬送側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸受、前記第1垂直軸受孔、前記第2垂直軸受及び前記第2垂直軸受孔を、前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路の範囲内に配置し、
前記左右屈曲用軸受孔付レール及び前記軸受付レールのうちの少なくとも一つには、
前記搬送側走行路を支持する左側板及び右側板と、
前記左側板及び右側板を最下部において接続する底板と、
を備えることを特徴とするチェーンベルト用屈曲ガイド。
【請求項9】
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、軸受付レールと、左右屈曲用軸受孔付レールと、垂直連結軸とを含み、
前記軸受付レールは、垂直方向に同軸の第1垂直軸受及び第2垂直軸受を有し、
前記左右屈曲用軸受孔付レールは、前記軸受付レールとは異なる別個のレールであって、垂直方向に同軸の第1垂直軸受孔及び第2垂直軸受孔を有し、
前記垂直連結軸は、前記第1垂直軸受、前記第1垂直軸受孔、前記第2垂直軸受及び前記第2垂直軸受孔とに挿通することで、前記軸受付レールと前記左右屈曲用軸受孔付レールとを水平方向に屈曲可能に連結するものであり、
前記軸受付レール及び前記左右屈曲用軸受孔付レールの少なくともいずれか一つに前記搬送側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸受、前記第1垂直軸受孔、前記第2垂直軸受及び前記第2垂直軸受孔を、前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路の範囲内に配置し、
前記左右屈曲用軸受孔付レール及び前記軸受付レールのうちの少なくとも一つには、
前記搬送側走行路を支持する左側板及び右側板と、
前記左側板の最下部において更に左側に演出する足部、又は前記右側板の最下部において更に右側に演出する足部と
を備えることを特徴とするチェーンベルト用屈曲ガイド。
【請求項10】
前記垂直連結軸は、第1の垂直連結軸と、第2の垂直連結軸とを含み、
前記第1の垂直連結軸は、前記第1垂直軸受と前記第1垂直軸受孔とに挿通し、
前記第2の垂直連結軸は、前記第2垂直軸受と前記第2垂直軸受孔とに挿通する
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のチェーンベルト用屈曲ガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の遊技媒体使用機(例えばスロットマシン等の遊技機、メダル等を貸し出すメダル貸出機、メダル等を計数する遊技媒体計数機等)が並設された遊技機島には、遊技機島内で遊技媒体(例えばメダル)を循環させるための遊技媒体循環システムが構築されている。
【0003】
遊技媒体循環システムは、チェーンコンベア装置を用いて、スロットマシンから余剰メダルとして排出されたメダルや遊技媒体計数機から排出されたメダルを搬送し、遊技機島端の貯留タンクに一時貯留後、必要に応じて各スロットマシンやメダル貸出機への搬送を行うものである。そして、チェーンコンベア装置として、チェーン駒が複数連結されたチェーンベルトを一定方向に回転してメダルの搬送をするものが知られている。
【0004】
そのようなチェーンコンベア装置において、チェーンベルトを屈曲走行させることが可能なチェーンベルト用屈曲ガイドを用いたものが知られている(例えば、特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-002937号公報
【特許文献2】特開2006-096440号公報
【特許文献3】特開2021-088466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1、2のチェーンベルト用屈曲ガイドは、フレーム材や連結ブロック等、多くの部品点数を要し煩雑であり、広い設置スペースを必要としている。
【0007】
特許文献1及び3のチェーンベルト用屈曲ガイドは、左右方向に屈曲可能なレールを有しているが、各レールの走行路側壁は直線で形成されている。そのため、チェーンベルトが屈曲走行路を走行する際には、チェーンベルトの屈曲半径が逐次変化しながら走行することになるので、チェーンベルトが脈動を生じて駆動抵抗が増大したり、振動や騒音が発生するという不具合を生じていた。
【0008】
また、特許文献2のレール屈曲部において張出し量を調節して使用する滑動面(51)は、搬送チェーンの車輪の側面に接触させる部材であるが、その用途は、外方への所定の張力を付与することと、搬送チェーンが各ガイド片に引っ掛かることを防止するための部材であり、走行路を屈曲させた際のチェーンベルトの脈動を積極的に減少させるためものではない。そして、屈曲走行路を形成した際に、必ず張出し量の調節が必要になるため、設置時の作業工程が増大するという不具合を生じている。
【0009】
また、特許文献2のチェーンベルト用屈曲ガイドは、設置場所のカーブ曲率および長さを予め定めて専用のフレーム材を手配する必要がある。このように、走行フレーム装置のカーブが予め定まっているため、設置現場における想定外の状況に適応させるための自由度が乏しいという問題があった。
【0010】
また、特許文献3のチェーンベルト用屈曲ガイドは、前後対称でない部品形状をしているため、前後の進行方向を誤って組み立ててしまうという不具合が発生していた。さらに、上下対称でない部品形状をしているため、上下を誤って逆さまに組み立ててしまう不具合が発生していた。また、前後方向に対して対称な形状でないため、チェーンベルトによる搬送方向が一方向のみであり、双方向のベルト動作に対応していないという問題があった。
【0011】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便な構成で汎用性の高い部品で任意のカーブを実現し、設置現場のさまざまな状況に応じて設置可能なチェーンベルト用屈曲ガイドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(手段1:搬送側走行路の上方及び下方)上記の課題を解決するため、本発明は、
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルト(3)を、複数連結したレールの搬送側走行路(13)上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイド(1)であって、
前記複数のレールは、
垂直方向に突出する第1垂直軸(71)及び第2垂直軸(72)を有する垂直軸付レール(10)と、前記第1垂直軸(71)を挿通可能な第1垂直軸受(81)及び前記第2垂直軸(72)を挿通可能な第2垂直軸受(82)を有するレールであって前記垂直軸付レール(10)とは異なる別個の軸受付レール(12)とを含み、
前記第1垂直軸(71)を前記第1垂直軸受(81)に挿通すると共に、前記第2垂直軸(72)を前記第2垂直軸受(82)に挿通することによって前記垂直軸付レール(10)と前記軸受付レール(12)とを連結し(例えば、
図9)、
前記垂直軸付レール(10)又は前記軸受付レール(12)の少なくともいずれか一方に前記搬送側走行路(13)が形成されており(例えば、
図6、
図8)、
前記第1垂直軸(71)及び前記第1垂直軸受(81)を前記搬送側走行路(13)の上方に配置し、前記第2垂直軸(72)及び前記第2垂直軸受(82)を前記搬送側走行路(13)の下方に配置すると共に、前記搬送側走行路(13)を平面視した場合に前記搬送側走行路(13)の範囲内に配置した(例えば、
図6、
図8、
図13)。
【0013】
(手段2::搬送側走行路の下方)上記の課題を解決するため、本発明は、
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルト(3、45、145)を、複数連結したレールの搬送側走行路(13)上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイド(1)であって、
前記複数のレールは、
垂直方向に突出する第1垂直軸(71)及び第2垂直軸(72)を有する垂直軸付レール(30、40、140、150)と、前記第1垂直軸(71)を挿通可能な第1垂直軸受(81)及び前記第2垂直軸(72)を挿通可能な第2垂直軸受(82)を有するレールであって前記垂直軸付レール(30、40、140、150)とは異なる別個の軸受付レール(32、42、142、152)とを含み、
前記第1垂直軸(71)を前記第1垂直軸受(81)に挿通すると共に、前記第2垂直軸(72)を前記第2垂直軸受(82)に挿通することによって前記垂直軸付レール(30、40、140、150)と前記軸受付レール(32、42、142、152)とを連結し(例えば、
図22、
図30、
図31、
図42、
図51)、
前記垂直軸付レール(30、40、140、150)及び前記軸受付レール(32、42、142、152)には前記搬送側走行路(13)が形成されており(例えば、
図19、
図21、
図27、
図29、
図42、
図51)、
前記第1垂直軸(71)及び前記第1垂直軸受(81)並びに前記第2垂直軸(72)及び前記第2垂直軸受(82)を、前記搬送側走行路(13)の下方に配置すると共に前記搬送側走行路(13)を平面視した場合に前記搬送側走行路(13)の範囲内に配置した(例えば、
図19、
図21、
図27、
図29、
図42、
図51)。
【0014】
(手段3:搬送側走行路の下方かつ戻り側チェーンベルトの上方)上記の課題を解決するため、本発明は、
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルト(3、45、145)を、複数連結したレールの搬送側走行路(13)上を水平方向に屈曲走行させると共に、戻り側の前記チェーンベルト(3、45、145)を前記搬送側走行路(13)の下方に設けた戻り側走行路(14)上を走行させるチェーンベルト用屈曲ガイド(1)であって、
前記複数のレールは、
垂直方向に突出する第1垂直軸(71)及び第2垂直軸(72)を有する垂直軸付レール(30、40、140)と、前記第1垂直軸(71)を挿通可能な第1垂直軸受(81)及び前記第2垂直軸(72)を挿通可能な第2垂直軸受(82)を有するレールであって前記垂直軸付レール(30、40、140)とは異なる別個の軸受付レール(32、42、142)とを含み、
前記第1垂直軸(71)を前記第1垂直軸受(81)に挿通すると共に、前記第2垂直軸(72)を前記第2垂直軸受(82)に挿通することによって前記垂直軸付レール(30、40、140)と前記軸受付レール(32、42、142)とを連結し(例えば、
図22、
図30、
図31、
図42、
図51)、
前記垂直軸付レール(30、40、140)及び前記軸受付レール(32、42、142)には前記搬送側走行路(13)及び前記戻り側走行路(14)が形成されており(例えば、
図19、
図21、
図27、
図29、
図42、
図51)、
前記第1垂直軸(71)及び前記第1垂直軸受(81)並びに前記第2垂直軸(72)及び前記第2垂直軸受(82)を、前記搬送側走行路(13)の下方かつ戻り側の前記チェーンベルトの上方に配置すると共に、前記搬送側走行路(13)を平面視した場合に前記搬送側走行路(13)の範囲内に配置した(例えば、
図19、
図21、
図27、
図29、
図42)。
【0015】
(手段4:垂直軸及び底板)上記の課題を解決するため、本発明は、
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルト(3、145)を、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、垂直軸付レール(10、150)と、軸受付レール(12、152)とを含み、
前記垂直軸付レール(10、150)は、垂直方向に突出する第1垂直軸(71)及び第2垂直軸(72)と、を有し、
前記軸受付レール(12、152)は、前記垂直軸付レール(10、150)とは異なる別個のレールであって、前記第1垂直軸を挿通可能な第1垂直軸受(81)及び前記第2垂直軸を挿通可能な第2垂直軸受(82)を有し、
前記第1垂直軸(71)を前記第1垂直軸受(81)に挿通すると共に、前記第2垂直軸(72)を前記第2垂直軸受(82)に挿通することによって前記垂直軸付レール(10、150)と前記軸受付レール(12、152)とを連結し、
前記垂直軸付レール(10、150)又は前記軸受付レール(12、152)の少なくともいずれか一つに前記搬送側走行路(13)が形成されており、
前記第1垂直軸(71)、前記第1垂直軸受(81)、前記第2垂直軸(72)及び前記第2垂直軸受(82)を、前記搬送側走行路(13)を平面視した場合に前記搬送側走行路(13)の範囲内に配置し、
前記垂直軸付レール(10、150)及び前記軸受付レール(12、152)のうちの少なくとも一つには、
前記搬送側走行路を支持する左側板(104、124、1504、1524)及び右側板(105、125、1505、1525)と、
前記左側板(104、124、1504、1524)及び右側板(105、125、1505、1525)を最下部において接続する底板(103、123、1503、1523)とを備える(例えば、
図6、
図8、
図51、
図53)。
【0016】
(手段5:垂直軸及び足部)上記の課題を解決するため、本発明は、
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルト(145)を、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、垂直軸付レール(150)と、軸受付レール(152)とを含み、
前記垂直軸付レール(150)は、垂直方向に突出する第1垂直軸(71)及び第2垂直軸(72)と、を有し、
前記軸受付レール(152)は、前記垂直軸付レール(150)とは異なる別個のレールであって、前記第1垂直軸(71)を挿通可能な第1垂直軸受(81)及び前記第2垂直軸を挿通可能な第2垂直軸受(82)を有し、
前記第1垂直軸(71)を前記第1垂直軸受(81)に挿通すると共に、前記第2垂直軸(72)を前記第2垂直軸受(82)に挿通することによって前記垂直軸付レール(150)と前記軸受付レール(152)とを連結し、
前記垂直軸付レール(150)又は前記軸受付レール(152)の少なくともいずれか一つに前記搬送側走行路(13)が形成されており、
前記第1垂直軸(71)、前記第1垂直軸受(81)、前記第2垂直軸(72)及び前記第2垂直軸受(82)を、前記搬送側走行路(13)を平面視した場合に前記搬送側走行路(13)の範囲内に配置し、
前記垂直軸付レール(10、150)及び前記軸受付レール(12、152)のうちの少なくとも一つには、
前記搬送側走行路(13)を支持する左側板(1504、1524)及び右側板(1505、1525)と、
前記左側板の最下部において更に左側に演出する足部(1506、1526)、又は前記右側板の最下部において更に右側に演出する足部(1506、1526)とを備える(例えば
図51、
図53)。
【0017】
(手段6:突出方向は逆方向)手段1~5のいずれかにおいて、前記第1垂直軸及び前記第2垂直軸の突出方向は逆方向であるように構成することができる(例えば、
図6、
図19、
図27、
図42、
図51)。
【0018】
(手段7:垂直連結軸)上記の課題を解決するため、本発明は、
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルト(3、45、145)を、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、軸受付レール(142(32、42、152))と、左右屈曲用軸受孔付レール(160(30、40、140、150))と、垂直連結軸(163)とを含み、
前記軸受付レールは、垂直方向に同軸の第1垂直軸受(81)及び第2垂直軸受(82)を有し、
前記左右屈曲用軸受孔付レール(160等)は、前記軸受付レール(142等)とは異なる別個のレールであって、垂直方向に同軸の第1垂直軸受孔(81a)及び第2垂直軸受孔(82a)を有し、
前記垂直連結軸(163)は、前記第1垂直軸受(81)、前記第1垂直軸受孔(81a)、前記第2垂直軸受(82)及び前記第2垂直軸受孔(82a)とに挿通することで、前記軸受付レール(142等)と前記左右屈曲用軸受孔付レール(160等)とを水平方向に屈曲可能に連結するものであり、
前記軸受付レール(142等)及び前記左右屈曲用軸受孔付レール(160等)の少なくともいずれか一つに前記搬送側走行路(13)が形成されており、
前記第1垂直軸受(81)、前記第1垂直軸受孔(81a)、前記第2垂直軸受(82)及び前記第2垂直軸受孔(82a)を、前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路(13)の範囲内に配置した(例えば、
図54(
図19、
図27、
図42))。
【0019】
(手段8:垂直連結軸及び底板)上記の課題を解決するため、本発明は、
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルト(145)を、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、軸受付レール(152(142))と、左右屈曲用軸受孔付レール(150(160))と、垂直連結軸(163)とを含み(
図51、
図54)、
前記軸受付レール(142等)は、垂直方向に同軸の第1垂直軸受(81)及び第2垂直軸受(82)を有し(
図53、
図54)、
前記左右屈曲用軸受孔付レール(160等)は、前記軸受付レール(142等)とは異なる別個のレールであって、垂直方向に同軸の第1垂直軸受孔(81a)及び第2垂直軸受孔(82a)を有し(
図54)、
前記垂直連結軸(163)は、前記第1垂直軸受(81)、前記第1垂直軸受孔(81a)、前記第2垂直軸受(82)及び前記第2垂直軸受孔(82a)とに挿通することで、前記軸受付レール(142等)と前記左右屈曲用軸受孔付レール(160等)とを水平方向に屈曲可能に連結するものであり(
図54)、
前記軸受付レール(142等)及び前記左右屈曲用軸受孔付レール(160等)の少なくともいずれか一つに前記搬送側走行路(13)が形成されており(
図51、
図54)、
前記第1垂直軸受(81)、前記第1垂直軸受孔(81a)、前記第2垂直軸受(82)及び前記第2垂直軸受孔(82a)を、前記搬送側走行路(13)を平面視した場合に前記搬送側走行路(13)の範囲内に配置し(
図54)、
前記左右屈曲用軸受孔付レール(160等)及び前記軸受付レール(142等)のうちの少なくとも一つには、
前記搬送側走行路を支持する左側板(1504、1524、(1404))及び右側板(1505、1525、(1405))と、
前記左側板(1504、1524、(1404))及び右側板(1505、1525、(1405))を最下部において接続する底板(1503、1523)とを備える(例えば、
図51、
図53(
図54))。
【0020】
(手段9:垂直連結軸及び足部)上記の課題を解決するため、本発明は、
複数のチェーン駒を連結したチェーンベルト(145)を、複数連結したレールの搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンベルト用屈曲ガイドであって、軸受付レール(152(142))と、左右屈曲用軸受孔付レール(150(160))と、垂直連結軸(163)とを含み(
図51、
図54)、
前記軸受付レール(142等)は、垂直方向に同軸の第1垂直軸受(81)及び第2垂直軸受(82)を有し(
図53、
図54)、
前記左右屈曲用軸受孔付レール(160等)は、前記軸受付レール(142等)とは異なる別個のレールであって、垂直方向に同軸の第1垂直軸受孔(81a)及び第2垂直軸受孔(82a)を有し(
図54)、
前記垂直連結軸(163)は、前記第1垂直軸受(81)、前記第1垂直軸受孔(81a)、前記第2垂直軸受(82)及び前記第2垂直軸受孔(82a)とに挿通することで、前記軸受付レール(142等)と前記左右屈曲用軸受孔付レール(160等)とを水平方向に屈曲可能に連結するものであり(
図54)、
前記軸受付レール(142等)及び前記左右屈曲用軸受孔付レール(160等)の少なくともいずれか一つに前記搬送側走行路(13)が形成されており(
図51、
図54)、
前記第1垂直軸受(81)、前記第1垂直軸受孔(81a)、前記第2垂直軸受(82)及び前記第2垂直軸受孔(82a)を、前記搬送側走行路(13)を平面視した場合に前記搬送側走行路(13)の範囲内に配置し(
図54)、
前記左右屈曲用軸受孔付レール(160等)及び前記軸受付レール(142等)のうちの少なくとも一つには、
前記搬送側走行路(13)を支持する左側板(1504、1524、(1404))及び右側板(1505、1525、(1405))と、
前記左側板の最下部において更に左側に演出する足部(1506、1526)、又は前記右側板の最下部において更に右側に演出する足部(1506、1526)とを備える(例えば
図51、
図53、(
図54))。
【0021】
(手段10:第1及び第2の垂直連結軸)上記の課題を解決するため、本発明は、
前記垂直連結軸(163)は、第1の垂直連結軸と、第2の垂直連結軸とを含み、
前記第1の垂直連結軸は、前記第1垂直軸受(81)と前記第1垂直軸受孔(81a)とに挿通し、
前記第2の垂直連結軸は、前記第2垂直軸受(82)と前記第2垂直軸受孔(82a)とに挿通することを特徴とする(10、30、40、140、150、160、
図11、
図22、
図30、
図42、
図51、
図54)。
【0022】
本発明によれば、垂直軸付レールと、軸受付レールとを交互に組み合わせて屈曲ガイドを形成することによって、簡便な構成で汎用性の高い任意のカーブを実現することができ、設置現場のさまざまな状況に応じて、コンベアレイアウトの自由度を向上させることができる。
また、本発明によれば、チェーンベルト用屈曲ガイドを前後対称な形状にすることができるので、その場合にチェーンベルトの正転時と逆転時において、走行特性に差異が生じない。
また、本発明によれば、チェーンベルト用屈曲ガイドを上下対称な形状にすることができるので、その場合に上下を逆さに組み立てた際の不具合が発生しない。
また、本発明によれば、チェーンベルトの搬送側走行路及び戻り側走行路の摺動面が、上下を逆さに組み立てた際には別の部位となるため、一定期間稼働後にチェーンベルト用屈曲ガイドの上下を逆さに組み替えることで、チェーンベルト用屈曲ガイドの損耗による寿命を延命することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図9】垂直軸付レールと軸受付レールを連結した状態を示す外観斜視図である。
【
図10】水平軸付レールと軸受付レールを連結した状態を示す外観斜視図である。
【
図11】水平方向に屈曲可能な屈曲ガイドの外観斜視図である。
【
図12】屈曲ガイドを縦に切断した側面断面図である。
【
図13】屈曲ガイドを横に切断した平面断面図である。
【
図14】横に切断した屈曲ガイドの一部を拡大した平面断面図である。
【
図15】軸受付レールを用いて直線ガイドを連結した状態を示す説明図である。
【
図16】屈曲ガイドの使用態様を示す説明図である。
【
図17】屈曲ガイドの使用態様を示す説明図である。
【
図18】屈曲ガイドの使用態様を示す説明図である。
【
図19】変形例1に係る垂直軸付レールの外観斜視図である。
【
図20】変形例1に係る水平軸付レールの外観斜視図である。
【
図21】変形例1に係る軸受付レールの外観斜視図である。
【
図22】変形例1に係る垂直軸付レールと軸受付レールを連結した状態を示す外観斜視図である。
【
図23】変形例1に係る水平軸付レールと軸受付レールを連結した状態を示す外観斜視図である。
【
図24】変形例1に係る屈曲ガイドの外観斜視図である。
【
図25】変形例1に係る屈曲ガイドの外観斜視図である。
【
図26】変形例1に係る屈曲ガイドの外観斜視図である。
【
図27】変形例2に係る垂直軸付レールの外観斜視図である。
【
図28】変形例2に係る水平軸付レールの外観斜視図である。
【
図29】変形例2に係る軸受付レールの外観斜視図である。
【
図30】変形例2に係る垂直軸付レールと軸受付レールを連結した状態を示す外観斜視図である。
【
図31】変形例2に係る垂直軸付レールと軸受付レールを連結した状態を示す外観斜視図である。
【
図32】変形例2に係る垂直軸付レールと軸受付レールと水平軸付レールを連結した状態を示す外観斜視図である。
【
図33】変形例2に係る屈曲ガイドを支持部材に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図34】変形例2に係る屈曲ガイドを支持部材に取り付けた状態を示す正面図である。
【
図35】変形例2に係る屈曲ガイドの外観斜視図である。
【
図36】変形例2に係る屈曲ガイドの外観斜視図である。
【
図37】変形例2に係る屈曲ガイドの外観斜視図である。
【
図38】屈曲ガイドを使用した製造ラインを説明する平面図である。
【
図39】変形例3に係るチェーンコンベア装置の正面図、平面図、右側面図である。
【
図40】変形例3に係る屈曲ガイドの正面図、平面図、右側面図(一部断面図)である。
【
図41】変形例3に係るチェーンベルトの側面図、平面図、正面図、下面図である。
【
図42】変形例3に係る垂直軸付レールと軸受付レールとを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
【
図43】変形例3に係る垂直軸付レール又は水平軸付レールの乗り移り部の側面視形状を説明する図である。
【
図44】変形例3に係る垂直軸付レール又は水平軸付レールと軸受け付レールと連結した状態における乗り移り部の側面視形状を説明する図である。
【
図45】変形例3に係る垂直軸付レール又は水平軸付レールの側壁乗り移り部の平面視断面形状を説明する図である。
【
図46】変形例3に係る垂直軸付レール又は水平軸付レールと軸受け付レールと連結した状態における側壁乗り移り部の平面視断面形状を説明する図である。
【
図47】変形例3に係る水平軸付レールと軸受付レールとを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
【
図48】変形例3に係る軸受付レールの正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
【
図49】変形例3に係る水平軸付レールの乗り移り部の側面視形状を説明する図である。
【
図50】変形例3に係る水平軸付レールの側壁乗り移り部の平面視断面形状を説明する図である。
【
図51】変形例4に係る垂直軸付レールと軸受付レールとを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
【
図52】変形例4に係る水平軸付レールと軸受付レールとを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
【
図53】変形例4に係る軸受付レールの正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
【
図54】変形例5に係る左右屈曲用軸受孔付レールと軸受付レールとを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
【
図55】変形例5に係る上下屈曲用軸受孔付レールと軸受付レールとを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[構成]
まず、本実施形態の構成について説明する。
【0025】
[チェーンコンベア装置]
本実施形態のチェーンコンベア装置は、例えば、メダルを搬送する装置であって、所定の箇所において所定角度だけ水平方向及び垂直方向に屈曲した搬送路を形成することを可能とするものである。
【0026】
図1に示すように、本実施形態のチェーンコンベア装置Cは、円形島Sの内部かつ上部に配置される補給コンベアとして機能する。スロットマシンP、および、遊技者が座る椅子Rはそれぞれ、円形島Sの周方向に等間隔で配置されている。また、スロットマシンPの隣にはメダル貸機Qが配置されている。チェーンコンベア装置Cを補給コンベアとして使用した場合は、チェーンコンベア装置Cは、スロットマシンPおよびメダル貸機Qにメダルを補給する。
【0027】
チェーンコンベア装置Cは、複数の屈曲ガイド1と、複数の直線ガイド2と、コンベア駆動ユニットU1と、コンベアリターンユニットU2とを備える。屈曲ガイド1は、チェーンコンベア装置Cが形成する搬送路の屈曲部分を構成する。直線ガイド2は、チェーンコンベア装置Cが形成する搬送路の直線部分を構成する。
【0028】
複数の屈曲ガイド1と、複数の直線ガイド2は交互に接続されており、屈曲ガイド1の各々が所定角度だけ水平方向に屈曲している。よって、チェーンコンベア装置Cは、円形島Sの円孤に沿った搬送路を形成することができる。
【0029】
コンベア駆動ユニットU1は、チェーンコンベア装置Cが備えるチェーンベルト3(
図4参照)を搬送物の搬送方向に駆動する。コンベア駆動ユニットU1は、搬送物の搬送路の終端部に配置されている。チェーンベルト3は周回移動する無端のベルトである。
【0030】
コンベア駆動ユニットU1は、チェーンベルト3を搬送方向に駆動するための駆動モータU1a(
図2参照)を備える。また、コンベア駆動ユニットU1は、無端のチェーンベルト3を巻回する駆動スプロケット(図示せず)を備える。
【0031】
コンベアリターンユニットU2は、コンベア駆動ユニットU1の駆動に従動することで、チェーンベルト3を搬送路の搬送方向に駆動する。コンベアリターンユニットU2は、搬送路の始端部に配置されている。コンベアリターンユニットU2は、円形島Sにメダルを補給するメダル自動補給装置T内に配置されており、メダル自動補給装置Tがメダルを補給したときに、メダルの受け入れ口として機能する。また、コンベアリターンユニットU2は、無端のチェーンベルト3を巻回する従動スプロケット(図示せず)を備える。なお、メダル自動補給装置Tの手前の屈曲ガイド1は、高さを合わせるために、上方向に屈曲させた設置をすることもできる。
【0032】
メダル自動補給装置TからコンベアリターンユニットU2に補給されたメダルは、屈曲ガイド1内と直線ガイド2内とを交互に所定回通過して、スロットマシンP内又はメダル貸機Q内に到達する。そして、スロットマシンP内又はメダル貸機Q内に補給されなかったメダルは、コンベア駆動ユニットU1内に到達し、回収コンベアとして使用しているチェーンコンベア装置CのコンベアリターンユニットU2へ落下する。
【0033】
図2に示すように、補給コンベアでは、スロットマシンPに対して、分岐ユニットB1と、補給蛇腹B2とが設けられている。
【0034】
分岐ユニットB1は、補給コンベアとして使用しているチェーンコンベア装置Cが搬送しているメダルを、搬送方向から、対応のスロットマシンPに向けて分岐する。分岐ユニットB1は、直線ガイド2に取り付けられている。
【0035】
補給蛇腹B2は、分岐ユニットB1によって分岐されたメダルをスロットマシンP内に案内する。補給蛇腹B2は、分岐ユニットB1およびスロットマシンPに取り付けられている。
【0036】
なお、メダル貸機Q(
図1参照)に対しても、分岐ユニットB1相当および補給蛇腹B2相当が設けられており、搬送されたメダルがメダル貸機Q内に案内される。
【0037】
また、屈曲ガイド1および直線ガイド2は、接続部Mによって接続される。
【0038】
図3に示すように、本実施形態のチェーンコンベア装置Cは、円形島Sの内部かつ下部に配置される回収コンベアとして機能することもできる。チェーンコンベア装置Cを回収コンベアとして使用している場合は、チェーンコンベア装置Cは、スロットマシンPおよびメダル貸機Qからメダルを回収する。回収コンベアとしてのチェーンコンベア装置Cの構成は、補給コンベアとしてのチェーンコンベア装置Cの構成と同じである。
【0039】
回収コンベア側では、スロットマシンPおよびメダル貸機Qに対して、回収受皿D1、D2が設けられている。回収受皿D1は、スロットマシンPから排出されたメダルをチェーンコンベア装置C内に流す。回収受皿D2は、メダル貸機Qから排出されたメダルをチェーンコンベア装置C内に流す。
【0040】
スロットマシンPおよびメダル貸機Qから回収されたメダルは、屈曲ガイド1内と直線ガイド2内とを交互に所定回通過して、コンベア駆動ユニットU1内に到達し、メダル自動補給装置T内へ落下する。
【0041】
[チェーンベルト]
図4に示すように、チェーンベルト3は、上面に搬送物の載置面3aを有するトッププレート付のチェーン駒3bを複数の連結ピンで複数個連結したベルトである。チェーン駒3bの素材として、例えばポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、超高分子量ポリエチレン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレートを用いることができるが、これに限定されるものではない。また、連結ピンの素材として、例えば、ポリアミド樹脂、ステンレス、黄銅等の金属を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0042】
[屈曲ガイド]
図5は、組立後の屈曲ガイド1の外観斜視図である。同図に示す屈曲ガイド1は、チェーンベルト3を屈曲走行させるための走行路を備える複数のレール(符号で示すと12-10-12-11…の繰り返し)を連結して形成してある。符号10は、枠体に垂直軸を有する垂直軸付レール10であり、走行路を左右方向に屈曲させる際に連結するレールである。符号11は、枠体に水平軸を有する水平軸付レール11であり、走行路を上下方向に屈曲させる際に連結するレールである。符号12は、枠体に付レール垂直軸受及び付レール水平軸受を有する軸受付レール12であり、垂直軸付レール10、水平軸付レール11、又は直線ガイド2に取り付けた接続部Mと連結することができる。
【0043】
屈曲ガイド1を構成するにあたり、垂直軸付レール10と軸受付レール12とを連結すると水平方向に屈曲可能となり、水平軸付レール11と軸受付レール12とを連結すると上下方向に屈曲可能となる。
【0044】
そして、垂直軸付レール10と水平軸付レール11との間に軸受付レール12を連結することにより、屈曲ガイド1は、水平方向及び上下方向の双方に屈曲可能となる。なお、垂直軸付レール10、水平軸付レール11、軸受付レール12の素材として、例えばポリカーボネート、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、超高分子量ポリエチレン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレートを用いることができるが、これに限定されるものではない。垂直軸付レール10、水平軸付レール11又は軸受付レール12を透明な素材で一体形成することにより、搬送物の状態やチェーンベルト3の状態を外部から確認することが容易となる。
【0045】
図5(a)に示す例では、屈曲ガイド1を図中右上から左下にかけて水平方向及び上下方向に屈曲させている。また、
図5(b)に示す例では、屈曲ガイド1を図中左上から右下にかけて水平方向及び上下方向に屈曲させている。すなわち、屈曲ガイド1は、任意の角度で水平方向及び上下方向に屈曲させることが可能である。
【0046】
また、搬送側のチェーンベルト3は、屈曲ガイド1内に形成される搬送側走行路13を走行し、戻り側のチェーンベルト3は戻り側走行路14を走行する。
【0047】
[垂直軸付レール]
図6は垂直軸付レール10の外観斜視図である。同図に示す垂直軸付レール10は、上下左右前後対称な形状にしてある。よって、
図6では説明の便宜上、上下(天地)、左右、前後を設定して説明するが、
図6に示す垂直軸付レール10の上下(天地)、左右、前後を逆にしても同様の構成である。
【0048】
図6に示す垂直軸付レール10は略矩形状の枠体であり、天板102と、底板103と、天板102及び底板103の両端同士を接続する左側板104と、右側板105とを有する。左側板104と右側板105の内面側には、左右の側板同士を接続する上下2つの水平板1051及び1052と、上下2つの水平板1051と1052同士を接続する左右2つの垂直板1053と1054とを備えている。水平板1051の上面には搬送側走行路13を形成し、搬送側走行路13と接続する側板の内面側には走行路側壁15を形成してある。底板103の上面には戻り側走行路14を形成し、戻り側走行路14と接続する側板の内面側にも走行路側壁15を形成してある。走行路側壁15の上方には、チェーンベルト3の搬送方向に沿って延びる突条の浮き上がり防止部16を形成してある。また、左側板104及び右側板105の前後の端縁は、当接部17aとして機能する。
【0049】
天板102の左右中央部の前方及び後方には、係合片70と、その係合片70の左右両側に切り欠きCWを形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、上方に突出する第1垂直軸71をそれぞれ形成してある。
【0050】
底板103の左右中央部の前方及び後方にも、係合片70と、その係合片70の左右両側に切り欠きCWを形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、下方に突出する第2垂直軸72をそれぞれ形成してある。第2垂直軸72は、第1垂直軸71とは逆方向に向けて突出させてある。
【0051】
搬送側走行路13は、搬送側のチェーンベルト3を下方から支持してチェーンベルト3の摺動走行の上下方向の案内をする機能を有する。
【0052】
戻り側走行路14は、戻り側のチェーンベルト3を下方から支持してチェーンベルト3の摺動走行の上下方向の案内をする機能を有する。
【0053】
走行路側壁15は、搬送側又は戻り側のチェーンベルト3を側方から支持してチェーンベルト3の摺動による走行の左右方向の案内をする機能を有する。走行路側壁15は、左右の屈曲半径に応じて平面視内側に凸形状に形成して、チェーンベルト3の旋回半径を一定に保持することができる(
図14参照)。これにより、チェーンベルト3の旋回動作を滑らかに行わせることができ、チェーンベルト3の駆動時の脈動を少なくすることができるので、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0054】
浮き上がり防止部16は、走行中のチェーンベルト3が搬送側走行路13又は戻り側走行路14から離間して浮き上がってしまう不具合を防止するための突条である。垂直軸付レール10を左又は右方向に屈曲させた状態で、搬送側走行路13上及び戻り側走行路14上をチェーンベルト3が走行する際には、チェーンベルト3に加わる駆動用の張力によって、チェーンベルト3の旋回外周部が搬送側走行路13又は戻り側走行路14から離間する方向に浮き上がることがある。また、搬送側走行路13が側面視凹状に上方向に屈曲している場合には、チェーンベルト3が最短距離を移動しようとしてチェーンベルト3全体が搬送側走行路13から離間する方向に浮き上がることがある。また、戻り側走行路14が側面視凹状に上方向に屈曲している場合には、チェーンベルト3が最短距離を移動しようとしてチェーンベルト3全体が戻り側走行路14から離間する方向に浮き上がることがある。その場合であっても、チェーンベルト3の端部上面を浮き上がり防止部16に当接させることによって、チェーンベルト3が搬送側走行路13又は戻り側走行路14から大きく浮き上がることを抑制することができる。
【0055】
天板102の上面及び係合片70は、後段にて説明する軸受付レール12の天板122における係合基部80の下面と当接し、底板103の下面及び係合片70は、軸受付レール12の底板123における係合基部80の上面と当接して、垂直軸付レール10と軸受付レール12との上下方向の位置決めを行う。
【0056】
第1垂直軸71及び第2垂直軸72は、搬送側走行路13を平面視した場合に搬送側走行路13の範囲内(チェーンベルト3が走行する範囲内の上方又は下方)に配置してある。これにより、垂直軸付レール10を軸受付レール12に対して左右方向に屈曲させた場合に、チェーンベルト3が摺接する屈曲内側の走行路側壁15同士の隙間(走行時の前後方向の隙間)は狭くなるので、チェーンベルト3の旋回時における乗り移り動作を滑らかに行わせることができる。これにより、チェーンベルト3の駆動時の脈動を少なくすることができ、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる(
図13参照)。
【0057】
第1垂直軸71及び第2垂直軸72は、後段にて説明する軸受付レール12の軸受に挿通させて、垂直軸付レール10と軸受付レール12とを連結すると共に、左右方向への回動を可能にするものである。第1垂直軸71及び第2垂直軸72を、係合片70に対して上方向及び下方向の逆方向に突出させることにより、第1垂直軸71及び第2垂直軸72を2か所に形成しても軸及び軸受を薄型に形成できるので、屈曲ガイド1を小型にすることができ、屈曲ガイド1をより狭い場所に通すことが可能となる。なお、
図6乃至
図8に示す実施例では、例えば係合片70と第1垂直軸71と第1垂直軸受81とを含めた全体の高さは5mm程度であるため、天板122の厚さの範囲内に第1垂直軸71と第1垂直軸受81とを収めることができる。したがって第1垂直軸71と第1垂直軸受81とが存在することに伴う上下方向の寸法の増加分は殆ど無い(参考:
図12)。
【0058】
係合片70は、第1垂直軸71又は第2垂直軸72に上下方向の力を加えた際に、曲げモーメントによる弾性変形を生じさせて、第1垂直軸71又は第2垂直軸72を上下方向に揺動させて退避させることを可能にする弾性変形部として機能する。退避させるために第1垂直軸71又は第2垂直軸72に加えていた上下方向の力を解除すると、係合片70(弾性変形部)は天板102又は底板103と平行な状態に戻る。
【0059】
切り欠きCWは、係合片70(弾性変形部)の断面積を少なくすることにより、係合片70(弾性変形部)の曲げ剛性を低下させて、作業者の指に力によって第1垂直軸71及び第2垂直軸72の上下動を容易に行うことを可能にするために形成してある。これにより、軸受付レール12の軸受に第1垂直軸71又は第2垂直軸72を挿通して連結する際、あるいは、軸受付レール12の軸受から第1垂直軸71又は第2垂直軸72を抜いて解結する際に、第1垂直軸71又は第2垂直軸72を容易に退避させることが可能となり、垂直軸付レール10と軸受付レール12との連結と解結とを容易に行うことが可能となる。
【0060】
図6に示す第1垂直軸71及び第2垂直軸72は、垂直軸付レール10において一体成型した実施例を示してあるが、退避可能な退避構造を複数の部品から構成することもできる。
【0061】
天板102、底板103、搬送側走行路13及び戻り側走行路14の前後方向(搬送方向)の長さは、左右屈曲時の屈曲角度ぶんだけ、中心部から左右両端に向かって徐々に短くなるように形成してある。
【0062】
天板102、底板103、搬送側走行路13及び戻り側走行路14は、搬送方向に直交する左右方向の幅よりも搬送方向(前後方向)の長さが短くなるように寸法を設定してある。このように構成することによって、垂直軸付レール10の一駒あたりの左右の屈曲角度を小さくすると共に、この少ない屈曲角度の駒を多く組み合わせることによってチェーンベルト3の旋回動作を滑らかに行わせることができる。これにより、チェーンベルト3の駆動時の脈動を少なくすることができ、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0063】
当接部17aは、後段にて説明する軸受付レール12の当接部17bと当接することにより、垂直軸付レール10と軸受付レール12との垂直軸回りの屈曲角度を所定の角度に制限する回動制限部として機能する部位である。当接部17aとして機能する部位は、左側板104及び右側板105の前後の端縁に限られず、天板102、底板103、水平板1051、1052、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の左右半分の前後の端縁、垂直板1053若しくは1054の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0064】
[水平軸付レール]
図7に示す水平軸付レール11は略矩形状の枠体であり、天板112と、底板113と、天板112及び底板113の両端同士を接続する左側板114と、右側板115とを有する。左側板114と右側板115との内面側には、左右の側板同士を接続する上下2つの水平板1151及び1152と、上下2つの水平板1151と1152同士を接続する左右2つの垂直板1153と1154とを備えている。水平板1151の上面には搬送側走行路13を形成し、搬送側走行路13と接続する側板の内面側には走行路側壁15を形成してある。底板113の上面には戻り側走行路14を形成し、戻り側走行路14と接続する側板の内面側にも走行路側壁15を形成してある。走行路側壁15の上方には、チェーンベルト3の搬送方向に沿って延びる突条の浮き上がり防止部16を形成してある。また、天板112と底板113の前後の端縁は、当接部18aとして機能する。なお、垂直軸付レール10の構成について説明した機能と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0065】
左側板114の上下中央部の前方及び後方には、係合片70と、その係合片70の上下両側に切り欠きCWを形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、左方に突出する第1水平軸73をそれぞれ形成してある。
【0066】
右側板115の上下中央部の前方及び後方にも、係合片70と、その係合片70の上下両側に切り欠きCWを形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、右方に突出する第2水平軸74をそれぞれ形成してある。
【0067】
左側板114の左外面及び係合片70は、後段にて説明する軸受付レール12の左側板124における係合基部80の内面と当接し、右側板115の右外面及び係合片70は、軸受付レール12の右側板125における係合基部80の内面と当接して、水平軸付レール11と軸受付レール12との左右方向の位置決めを行う。
【0068】
左側板114の係合片70からは、左方に向けて第1水平軸73を突出させてある。右側板115の係合片70からは、逆方向の右方に向けて第2水平軸74を突出させてある。
【0069】
第1水平軸73及び第2水平軸74は、後段にて説明する軸受付レール12の軸受に挿通させて、水平軸付レール11と軸受付レール12とを連結すると共に、上下方向への回動を可能にするものである。第1水平軸73及び第2水平軸74を、係合片70に対して左方向及び右方向の逆方向に突出させることにより、第1水平軸73及び第2水平軸74を2か所に形成しても軸及び軸受を薄型に形成できるので、屈曲ガイド1を小型にすることができ、屈曲ガイド1をより狭い場所に通すことが可能となる。
【0070】
図7に示す第1水平軸73及び第2水平軸74は、水平軸付レール11において一体成型した実施例を示してあるが、退避可能な退避構造を複数の部品から構成することもできる。
【0071】
左側板114及び右側板115の前後方向(搬送方向)の長さは、上下屈曲時の屈曲角度ぶんだけ、中心部から上下両端に向かって徐々に短くなるように形成してある。
【0072】
天板112、底板113、搬送側走行路13及び戻り側走行路14は、搬送方向に直交する上下方向の高さよりも搬送方向(前後方向)の長さが短くなるように寸法を設定してある。このように構成することによって、水平軸付レール11の一駒あたりの上下の屈曲角度を小さくすると共に、この少ない屈曲角度の駒を多く組み合わせることによってチェーンベルト3の上下方向への走行を滑らかに行わせることができる。これにより、チェーンベルト3の駆動時の脈動を少なくすることができ、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0073】
当接部18aは、後段にて説明する軸受付レール12の当接部18bと当接することにより、水平軸付レール11と軸受付レール12との水平軸回りの屈曲角度を所定の角度に制限する回動制限部として機能する部位である。当接部18aとして機能する部位は、天板112と底板113の前後の端縁に限られず、水平板1151、1152、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の前後の端縁、垂直板1153若しくは1154の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0074】
[軸受付レール]
図8に示す軸受付レール12は略矩形状の枠体であり、天板122と、底板123と、天板122及び底板123の両端同士を接続する左側板124と、右側板125とを有する。左側板124と右側板125との内面側には、左右の側板同士を接続する上下2つの水平板1251及び1252と、上下2つの水平板1251と1252同士を接続する左右2つの垂直板1253と1254とを備えている。水平板1251の上面には搬送側走行路13を形成し、搬送側走行路13と接続する側板の内面側には走行路側壁15を形成してある。底板123の上面には戻り側走行路14を形成し、戻り側走行路14と接続する側板の内面側にも走行路側壁15を形成してある。走行路側壁15の上方には、チェーンベルト3の搬送方向に沿って延びる突条の浮き上がり防止部16を形成してある。天板122と、底板123と、左側板124と、右側板125の前方部分及び後方部分は、前後方向中央部の肉厚部よりも薄肉の係合基部80を前方及び後方に向けて延出させてある。また、天板122及び底板123の前後中央部の肉厚部と係合基部80の薄肉部との段部には当接部18bを形成し、左側板124及び右側板125の前後中央部の肉厚部と係合基部80の薄肉部との段部には当接部17bを形成してある。なお、垂直軸付レール10の構成について説明した機能と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0075】
当接部17bは、垂直軸付レール10と連結した際に、垂直軸付レール10の当接部17aと当接することにより、垂直軸回りの左右方向の回動角度を制限するための部位である。当接部18bは、水平軸付レール11と連結した際に、水平軸付レール11の当接部18aと当接することにより、水平軸回りの上下方向の回動角度を制限するための部位である。当接部17bとして機能する部位は、左側板124及び右側板125の前後の端縁に限られず、天板122、底板123、水平板1251、1252、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の左右半分の前後の端縁、垂直板1253若しくは1254の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。また、当接部18bとして機能する部位は、天板122と底板123の前後の端縁に限られず、水平板1251、1252、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の前後の端縁、垂直板1253若しくは1254の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0076】
天板122の前後の係合基部80における左右中央部には第1垂直軸受81を形成し、底板123の前後の係合基部80における左右中央部には第2垂直軸受82を形成してある。係合基部80は薄肉に形成してあるので、第1垂直軸71又は第2垂直軸72を挿通する際、又は取り外す際に、係合基部80に上下方向の力を加えて弾性変形を生じさせて、垂直軸付レール10と軸受付レール12との連結と解結とを、更に容易に行うことが可能となる。
【0077】
左側板124の前後の係合基部80における上下中央部には第1水平軸受83を形成し、右側板125の前後の係合基部80における上下中央部には第2水平軸受84を形成してある。係合基部80は薄肉に形成してあるので、第1水平軸73又は第2水平軸74を挿通する際、又は取り外す際に、係合基部80に左右方向の力を加えて弾性変形を生じさせて、水平軸付レール11と軸受付レール12との連結と解結とを、更に容易に行うことが可能となる。
【0078】
天板122の係合基部80の内面は、垂直軸付レール10の天板102の上面及び係合片70と当接し、底板123の係合基部80の内面は、垂直軸付レール10の底板103の下面及び係合片70と当接して、垂直軸付レール10と軸受付レール12との上下方向の位置決めを行うことができる。またこのとき、左側板124の係合基部80の内面は垂直軸付レール10の左側板104の外面を左側から覆い、右側板125の係合基部80の内面は垂直軸付レール10の右側板105の外面を右側から覆うことによって、連結時に生じる隙間を覆う機能を有する。
【0079】
また、左側板124の係合基部80の内面は、水平軸付レール11の左側板114の左外面及び係合片70と当接し、右側板125の係合基部80の内面は、水平軸付レール11の右側板115の右外面及び係合片70と当接して、水平軸付レール11と軸受付レール12との左右方向の位置決めを行うことができる。またこのとき、天板122の係合基部80の内面は、水平軸付レール11の天板112の上面を上側から覆い、底板123の係合基部80の内面は、水平軸付レール11の底板113の下面を下側から覆うことによって、連結時に生じる隙間を覆う機能を有する。
【0080】
第1垂直軸受81及び第2垂直軸受82は、垂直軸付レール10の第1垂直軸71及び第2垂直軸72を挿通して、軸受付レール12と垂直軸付レール10とを連結すると共に、左右方向の回動を可能にするものである。第1水平軸受83及び第2水平軸受84は、水平軸付レール11の第1水平軸73及び第2水平軸74を挿通して、軸受付レール12と水平軸付レール11とを連結すると共に、上下方向の回動を可能にするものである。
【0081】
天板122及び底板123の前後方向中央部の肉厚部分及び、搬送側走行路13並びに戻り側走行路14は、搬送方向に直交する左右方向の幅よりも搬送方向(前後方向)の長さが短くなるように寸法を設定することができる。このように構成することによって、軸受付レール12の一駒あたりの左右の屈曲角度を小さくすることができる。また、左側板124及び右側板125の前後方向中央部の肉厚部は、搬送方向に直交する上下方向の高さよりも搬送方向(前後方向)の長さが短くなるように寸法を設定することができる。このように構成することによって、軸受付レール12の一駒あたりの左右又は上下の屈曲角度を小さくすると共に、この少ない屈曲角度の駒を多く組み合わせることによってチェーンベルト3の旋回動作又は上下方向への走行を滑らかに行わせることができる。これにより、チェーンベルト3の駆動時の脈動を少なくすることができ、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0082】
[垂直軸の突出方向に関する他の実施例]
図6に示す実施例では、第1垂直軸71を上方に向けて突出させると共に、第2垂直軸72を逆方向の下向きに突出させた実施例を示した。これとは逆に、例えば
図6に示す第1垂直軸71の代わりに第1垂直軸受を形成すると共に第2垂直軸72の代わりに第2垂直軸受を形成しておき、
図8に示す第1垂直軸受81の代わりに第1垂直軸を下方に向けて突出させると共に、第2垂直軸受82の代わりに第2垂直軸を逆方向の上方に向けて突出させる構成を用いることができる。
【0083】
[水平軸の突出方向に関する他の実施例]
図7に示す実施例では、第1水平軸73を左方に向けて突出させると共に、第2水平軸74を逆方向の右向きに突出させた実施例を示した。これとは逆に、例えば
図7に示す第1水平軸73の代わりに第1水平軸受を形成すると共に第2水平軸74の代わりに第2水平軸受を形成しておき、
図8に示す第1水平軸受83の代わりに第1水平軸を右方に向けて突出させると共に、第2水平軸受84の代わりに第2水平軸を逆方向の左方に向けて突出させる構成を用いることができる。
【0084】
[搬送側走行路13又は戻り側走行路14に関する他の実施例]
図6乃至
図8に示す実施例では、垂直軸付レール10及び水平軸付レール11並びに軸受付レール12の全てに搬送側走行路13及び戻り側走行路14を形成した実施例を示したが、垂直軸付レール10及び水平軸付レール11又は軸受付レール12のいずれかにおいて搬送方向(前後方向)の長さを更に短く形成したり、搬送側走行路13及び戻り側走行路14を省略したりすることもできる。
【0085】
[垂直軸付レールと軸受付レールの連結]
図9に示すように、垂直軸付レール10の第1、第2垂直軸71、72を軸受付レール12の第1、第2垂直軸受81、82に挿通することによって、垂直軸付レール10と軸受付レール12を連結できる。そして、連結により生じる隙間は軸受付レール12の係合基部80によって覆われる。これにより、搬送物の飛び出しや異物の混入を防ぐことができる。
【0086】
垂直軸付レール10と軸受付レール12を連結すると、垂直軸付レール10の搬送側走行路13と軸受付レール12の搬送側走行路13とが近接して、連なった搬送側走行路13を形成する。また、垂直軸付レール10の戻り側走行路14と軸受付レール12の戻り側走行路14とが、連なった戻り側走行路14(
図5参照)を形成する。
【0087】
本実施形態では、第1、第2垂直軸71、72及び第1、第2垂直軸受81、82を離れた2か所に形成することによって、第1、第2垂直軸71、72と第1、第2垂直軸受81、82のクリアランスに起因する連結状態でのがたつきを抑制するとともに、第1、第2垂直軸71、72と第1、第2垂直軸受81、82とに加わる捩じり方向の力を減少させることができるので、第1、第2垂直軸71、72及び第1、第2垂直軸受81、82の構成を小型化できる。
【0088】
また、垂直軸付レール10と軸受付レール12とを用いてチェーンベルト3を任意の角度で左右方向に屈曲走行させることができる。このため、簡便な構成で汎用性の高い部品で任意のカーブを実現し、設置現場のさまざまな状況に応じて設置可能にすることができる。
【0089】
[水平軸付レールと軸受付レールの連結]
図10に示すように、水平軸付レール11の第1、第2水平軸73、74を軸受付レール12の第1、第2垂直軸受83、84に挿通することによって、水平軸付レール11と軸受付レール12を連結することができる。この連結により、水平軸付レール11の搬送側走行路13と軸受付レール12の搬送側走行路13とが連なった搬送側走行路13を形成する。また、水平軸付レール11の戻り側走行路14と軸受付レール12の戻り側走行路14とが連なった戻り側走行路14(
図5参照)を形成する。
【0090】
また、軸受付レール12、水平軸付レール11及び垂直軸付レール10の浮き上がり防止部16同士が近接して、チェーンベルト3の浮き上がりが防止される。
【0091】
[作用]
次に、本実施形態の作用について、
図11乃至14を用いて説明する。
【0092】
[チェーンコンベア装置Cの動作]
まず、本実施形態のチェーンコンベア装置Cの動作について説明する。ここでは、複数の垂直軸付レール10と複数の軸受付レール12を連結して水平方向にチェーンベルト3を屈曲走行させることが可能な屈曲ガイド1を用いたチェーンコンベア装置Cの動作について説明する。また、チェーンコンベア装置Cを、円形島S(
図1参照)の内部かつ上部に配置して、メダルを補給する補給コンベアとして用いた場合について説明する。しかし、この説明は、円形島S(
図1参照)の内部かつ下部に配置され、メダルを回収する回収コンベアとして用いた場合についてもあてはまる。
【0093】
図11は水平方向の屈曲ガイド1を示す外観斜視図である。
図12は
図11に示す屈曲ガイド1のY-Y断面図(側面断面図)であり、
図13は
図11に示す屈曲ガイド1のZ-Z断面図(平面断面図)であり、
図14は
図13に示す平面断面図における屈曲ガイドの一部を拡大した図である。
【0094】
コンベア駆動ユニットU1によって周回移動するチェーンベルト3が屈曲ガイド1内に進入した場合、チェーンベルト3の下側は搬送側走行路13及び戻り側走行路14上を摺接しながら、屈曲走行する。
【0095】
そして、
図11及び
図12に示すように、浮き上がり防止部16は、チェーンベルト3の駆動用の張力に起因して外周部が浮き上がろうとするチェーン駒3bに当接し、チェーン駒3bの浮き上がりを防止する。
【0096】
また、
図13及び
図14に示すように、屈曲ガイド1を右方向に屈曲させてゆくと、垂直軸付レール10の屈曲内側の当接部17aが1つ手前の軸受付レール12の屈曲内側の当接部17bに当接する。これにより、屈曲ガイド1の第1、第2垂直軸71、72回りの回動が制限される。
【0097】
他方、垂直軸付レール10の屈曲外側の当接部17aと、1つ手前の軸受付レール12の屈曲外側の当接部17bとの間には屈曲に伴って相当量の隙間CLが形成される。
【0098】
しかし、
図13及び
図14に示すように、屈曲ガイド1が最大限右方向に屈曲した場合であっても(本実施形態では、チェーンベルト3の旋回半径及び走行路側壁15の曲率半径が425mm)、屈曲外側に生ずる隙間CLは軸受付レール12の係合基部80により覆われているために、搬送物のメダルが屈曲ガイド1の外部に漏れ出ることはない。
【0099】
また、右屈曲走行時において、チェーンベルト3の右側(屈曲内側)の側端縁は、垂直軸付レール10及び軸受付レール12の走行路側壁15の内面に摺接するが、屈曲の内側においては垂直軸付レール10及び軸受付レール12の走行路側壁15同士の隙間は狭くなっているか又は密着しているために、チェーンベルト3が走行路側壁15同士の隙間に入り込んで左右に振れながら走行を行うことは抑制される。
【0100】
そして、右屈曲走行時においては、チェーンベルト3の左側(屈曲外側)の側端縁は、垂直軸付レール10及び軸受付レール12の走行路側壁15からは離間して走行するので、走行路側壁15同士の隙間CLが生じていても、チェーンベルト3の走行には無関係である。
【0101】
なお、本実施形態では、垂直軸付レール10、水平軸付レール11、軸受付レール12は前後対称の形状であるため、チェーンベルト3の正転時と、逆転時において性能に差異が生じないため、正転時の性能試験及び耐久試験を行なうだけでよく、逆転時の試験は不要となる。
【0102】
また、屈曲ガイド1においては、軸受付レール12を介して垂直軸付レール10と水平軸付レール11を交互に連結することによって、搬送側走行路13を水平方向及び上下方向の双方に屈曲させることも可能である。例えば、屈曲ガイド1を上方向に屈曲させた場合には、水平軸付レール11と軸受付レール12とが、第1、第2水平軸73、74を中心にして上方向に屈曲する。このとき、水平軸付レール11の上側の当接部18aは、1つ手前の軸受付レール12の下側の当接部18bに当接する。これにより、屈曲ガイド1の第1、第2水平軸73、74回りの回動が制限される。
【0103】
[軸受付レールの使用態様]
図15は、2つの直線ガイド2を連結した際の外観図である。直線ガイド2の両端に接続部Mを取り付けておき、2つの直線ガイド2の接続部Mの間に軸受付レール12を連結することによって、直線ガイド2同士を連結することができる。このように、直線ガイド2同士を連結する用途にも軸受付レール12を流用することができるので、チェーンコンベア装置Cの部品点数を減らしつつ、直線ガイド2同士の連結を容易に行うことができる。
【0104】
[上下方向の屈曲ガイドの使用態様]
図16は、3つの直線ガイド2を上下方向に屈曲させて、上昇搬送、又は下降搬送を実現する使用態様を示す図である。
図16の使用態様では、3つの直線ガイド2の間に上下方向に屈曲する屈曲ガイド1を連結する例を示している。屈曲ガイド1は、2つの水平軸付レール11と3つの軸受付レール12とを交互に連結して形成してある。この場合の直線ガイド2の支持には、直線ガイド2の高さ及び水平位置を変えて支持することが可能な可変スタンド20を使用する。
【0105】
図16に示すように、可変スタンド20は、ベース201と、ベース201を支える4つの足202と、ベース201に対して高さ及び水平位置を調節可能な支持アーム203とを備えている。
【0106】
支持アーム203は、ベース201に形成されている溝201a内をスライド移動させることにより、水平方向の位置を調節することができる。また、支持アーム203は、ロック機構を周方向に回転させてロックを解除すると上下に昇降させることができ、これにより、垂直方向の高さを調節することができる。
【0107】
このような屈曲ガイド1を用いることによって、例えば、メダル自動補給装置T内でのコンベアリターンユニットU2の高さを調節することができる。例えば、高い位置に通した回収コンベアをメダル自動補給装置Tの手前で下降させて、メダル自動補給装置Tの標準回収口に引き込むための対応設計や、回収コンベアの設置作業が容易になる。
【0108】
また、メダル自動補給装置Tの標準補給口から低い位置に通した補給コンベアまで補給コンベアを下降させるための対応設計や、補給コンベアの設置作業が容易になる。
【0109】
[水平方向の屈曲ガイドの使用態様]
図17は、3つの直線ガイド21、22、23を水平方向に屈曲させて、搬送方向を左右方向に変更する使用態様を示す図である。
図18は、3つの直線ガイド21、22、23を水平方向に屈曲させずに直線配置した場合の使用態様を示す。
図17及び
図18の使用態様では、
図15に示す態様(例えば6°程度の範囲で屈曲角度の微調整が可能な態様)よりも広範囲な左右屈曲が可能な態様で連結し、直線ガイド22と直線ガイド23とを積極的に水平方向に屈曲させる例を示している。
【0110】
図17に示す例では、3つの可変スタンド20をメダルの搬送方向に沿って並べるとともに、直線ガイド21~23の各々を各支持アーム203に取り付けて、直線ガイド22と直線ガイド23の水平方向の角度が変化するように支持アーム203の左右方向の位置を調節することができる。なお、支持アーム203の高さは3つとも同一に設定してある。
【0111】
このような構成とすることにより、直線ガイド21と直線ガイド22とを連結するとともに搬送路を屈曲させることができる。なお、
図17の例では、コンベアリターンユニットU2側からコンベア駆動ユニットU1に向かって左曲がりとなるように支持アーム203の位置が調節されている。
【0112】
また、
図18に示す例では、屈曲ガイド1の下方に、搬送物から滴下した水分や、粉状物(塵埃など)を床に落とさないための受皿24を配置してある。
【0113】
受皿24はベース板241を備えている。ベース板241には一対の懸垂ホルダ242が回動可能に立設されている。そして、懸垂ホルダ242は直線ガイド22、23を挟むように、搬送の前後方向に対して摺動可能に掛けられている。
図18に示す状態から屈曲ガイド1を水平方向に屈曲させた場合であっても、受皿24は屈曲ガイド1の下方に位置して搬送物から滴下した水分や、粉状物を受け止めることができる。
【0114】
[変形例1]
次に、上記実施形態の変形例1について説明する。上記実施形態の屈曲ガイド1は、搬送用のチェーンベルト3が側板と天板で囲われた内部を走行する実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の変形例1で説明するように天板を有さないレールで構成することも可能である。なお、上記実施形態と同様の機能を有する部分については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0115】
[垂直軸付レール]
図19は垂直軸付レール30の外観斜視図である。同図に示す垂直軸付レール30は、上下左右前後対称な形状にしてある。よって、
図19では説明の便宜上、上下(天地)、左右、前後を設定して説明するが、
図19に示す垂直軸付レール30の上下(天地)、左右、前後を逆にしても同様の構成である。
【0116】
図19に示す垂直軸付レール30は正面視略H形状であり、左側板301と、右側板302とを有する。左側板301と右側板302の内面側には、左右の側板同士を接続する上下2つの水平板3031及び3032と、上下2つの水平板3031と3032同士を接続する左右2つの垂直板3023と3034とを備えている。左側板301と右側板302の上端には内側に向かって対向突出する一対の突出片3011及び3021を備えている。また、左側板301と右側板302の下端には内側に向かって対向突出する一対の突出片3012及び3022を備えている。そして、水平板3031の上面には搬送側走行路13を形成し、搬送側走行路13と接続する側板の内面側には走行路側壁15を形成してある。一対の突出片3012及び3022の上面には戻り側走行路14を形成し、戻り側走行路14と接続する側板の内面側にも走行路側壁15を形成してある。突出片3011、3021の下面は搬送側走行路13の浮き上がり防止部16として機能し、水平板3032の下面は戻り側走行路14の浮き上がり防止部16として機能する。また、左側板301及び右側板302の前後の端縁は、当接部17aとして機能する。
【0117】
水平板3031の左右中央部の前方及び後方には係合片70を形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、上方に突出する第1垂直軸71をそれぞれ形成してある。更に、水平板3031の左端及び右端において係合片70のみを前方及び後方に延出させておき、後段にて説明する軸受付レール32の水平板3231の下面と係合させることによって、垂直軸付レール30と軸受付レール32との連結時における捩じり方向の剛性を更に高めると共に、捩じり方向の変位を減少させることができる。
【0118】
水平板3032の左右中央部の前方及び後方にも、係合片70を形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、(第1垂直軸71に対して逆方向の)下方に突出する第2垂直軸72をそれぞれ形成してある。更に、垂直軸を伴わない係合片70のみを水平板3032の左端側及び右端側において、前方及び後方に延出させておき、軸受付レール32の水平板3232の上面と係合させることによって、垂直軸付レール30と軸受付レール32との連結時における捩じり方向の剛性を更に高めると共に、捩じり方向の変位を減少させることができる。
【0119】
搬送側走行路13は、搬送側のチェーンベルト3を下方から支持してチェーンベルト3の摺動走行の上下方向の案内をする機能を有する。
【0120】
戻り側走行路14は、戻り側のチェーンベルト3を下方から支持してチェーンベルト3の摺動走行の上下方向の案内をする機能を有する。
【0121】
走行路側壁15は、搬送側又は戻り側のチェーンベルト3を側方から支持してチェーンベルト3の摺動による走行の左右方向の案内をする機能を有する。走行路側壁15は、左右の屈曲半径に応じて平面視内側に凸形状に形成して、チェーンベルト3の旋回半径を一定に保持することができる(
図14参照)。これにより、チェーンベルト3の旋回動作を滑らかに行わせることができ、チェーンベルト3の駆動時の脈動を少なくすることができるので、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0122】
浮き上がり防止部16は、走行中のチェーンベルト3が搬送側走行路13又は戻り側走行路14から離間して浮き上がってしまう不具合を防止するための面である。
【0123】
浮き上がり防止部16として機能する左右の突出片3011及び3021は、当該突出片における前後方向の長さを根元から先端に向けて長くするための斜辺部25(浮き上がり防止部16におけるチェーン駒3b端部の乗り移り部)を備えている。この斜辺部25は、垂直軸付レール30と、後段にて説明する軸受付レール32とを連結したときに、軸受付レール32の左右の突出片3211及び3221の斜辺部26(
図21参照)と対向する部位である。
【0124】
戻り側走行路14として機能する左右の突出片3012及び3022は、当該突出片における前後方向の長さを根元から先端に向けて長くするための斜辺部25(戻り側走行路14における乗り移り部)を備えている。この斜辺部25は、垂直軸付レール30と軸受付レール32とを連結したときに、後段にて説明する軸受付レール32の左右の突出片3212及び3222の斜辺部26(
図21参照)と対向する部位である。
【0125】
水平板3031の係合片70は、後段にて説明する軸受付レール32の水平板3231の下面と当接し、水平板3032の係合片70は、軸受付レール32の水平板3232の上面と当接して、垂直軸付レール30と軸受付レール32との上下方向の位置決めを行う。
【0126】
第1垂直軸71及び第2垂直軸72は、搬送側走行路13を平面視した場合に搬送側走行路13の範囲内(チェーンベルト3が走行する範囲内)に配置してある。これにより、垂直軸付レール30を軸受付レール32に対して左右方向に屈曲させた場合に、チェーンベルト3が摺接する屈曲内側の走行路側壁15同士の隙間(走行時の前後方向の隙間)は狭くなるので、チェーンベルト3の旋回時における乗り移り動作を滑らかに行わせることができる。これにより、チェーンベルト3の駆動時の脈動を少なくすることができ、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0127】
第1垂直軸71及び第2垂直軸72は、後段にて説明する軸受付レール32の軸受に挿通させて、垂直軸付レール30と軸受付レール32とを連結すると共に、左右方向への回動を可能にするものである。第1垂直軸71及び第2垂直軸72を、係合片70に対して上方向及び下方向の逆方向に突出させることにより、第1垂直軸71及び第2垂直軸72を2か所に形成しても軸及び軸受を薄型に形成できる。なお、
図19乃至
図21に示す実施例では、例えば係合片70と第1垂直軸71と第1垂直軸受81とを含めた全体の高さは5mm程度であるため、水平板3231及び3232(
図22参照)の間に2組の第1垂直軸71及び第1垂直軸受81を収めることができる。したがって第1垂直軸71と第1垂直軸受81及び、第2垂直軸72と第2垂直軸受82とが存在することに伴う上下方向の寸法の増加分は殆ど無く、屈曲ガイド1を小型にすることができる。
【0128】
係合片70は、第1垂直軸71又は第2垂直軸72に上下方向の力を加えた際に、曲げモーメントによる弾性変形を生じさせて、第1垂直軸71又は第2垂直軸72を上下方向に揺動させて退避させることを可能にする弾性変形部として機能する。第1垂直軸71又は第2垂直軸72に加えていた上下方向の力を解除すると、係合片70(弾性変形部)は水平板3031及び3032と平行な状態に戻る。
【0129】
図19に示す第1垂直軸71及び第2垂直軸72は、垂直軸付レール30において一体成型した実施例を示してあるが、退避可能な退避構造を複数の部品から構成することもできる。
【0130】
水平板3031及び3032の前後方向(搬送方向)の長さは、左右屈曲時の屈曲角度ぶんだけ、中心部から左右両端に向かって徐々に短くなるように形成してある。
【0131】
水平板3031及び3032は、搬送方向に直交する左右方向の幅よりも搬送方向(前後方向)の長さが短くなるように寸法を設定してある。このように構成することによって、垂直軸付レール30の一駒あたりの左右の屈曲角度を小さくすると共に、この少ない屈曲角度の駒を多く組み合わせることによってチェーンベルト3の旋回動作を滑らかに行わせることができる。これにより、チェーンベルト3の駆動時の脈動を少なくすることができ、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0132】
当接部17aは、後段にて説明する軸受付レール32の当接部17bと当接することにより、垂直軸付レール30と軸受付レール32との垂直軸回りの屈曲角度を所定の角度に制限する回動制限部として機能する部位である。当接部17aとして機能する部位は、左側板301及び右側板302の前後の端縁に限られず、水平板3031、3032、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の左右半分の前後の端縁、垂直板3023若しくは3034の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0133】
[水平軸付レール]
図20に示す水平軸付レール31は正面視略H形状の枠体であり、左側板311と、右側板312とを有する。左側板311と右側板312との内面側には、左右の側板同士を接続する上下2つの水平板3131及び3132と、上下2つの水平板3131と3132同士を接続する左右2つの垂直板3133と3134とを備えている。水平板3131の上面には搬送側走行路13を形成し、搬送側走行路13と接続する側板の内面側には走行路側壁15を形成してある。左側板311と右側板312の上端には内側に向かって対向突出する一対の突出片3111及び3121を備えている。また、左側板311と右側板312の下端には内側に向かって対向突出する一対の突出片3112及び3122を備えている。一対の突出片3112及び3122の上面には戻り側走行路14を形成し、戻り側走行路14と接続する側板の内面側にも走行路側壁15を形成してある。突出片3111及び3121の下面は搬送側走行路13の浮き上がり防止部16として機能し、水平板3132の下面は戻り側走行路14の浮き上がり防止部16として機能する。また、左側板311及び右側板312の前後の端縁は、当接部18aとして機能する。なお、垂直軸付レール30の構成について説明した機能と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0134】
左側板311の上下中央部の前方及び後方には、係合片70と、その係合片70の上下両側に切り欠きCWを形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、左方に突出する第1水平軸73をそれぞれ形成してある。
【0135】
右側板312の上下中央部の前方及び後方にも、係合片70と、その係合片70の上下両側に切り欠きCWを形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、右方に突出する第2水平軸74をそれぞれ形成してある。
【0136】
左側板311の左外面及び係合片70は、後段にて説明する軸受付レール32の左側板321の覆部85の内面と当接し、右側板312の右外面及び係合片70は、軸受付レール32の右側板322の覆部85の内面と当接して、水平軸付レール31と軸受付レール32との左右方向の位置決めを行う。
【0137】
第1水平軸73及び第2水平軸74は、後段にて説明する軸受付レール32の軸受に挿通させて、水平軸付レール31と軸受付レール32とを連結すると共に、上下方向への回動を可能にするものである。第1水平軸73及び第2水平軸74を、係合片70に対して左方向及び右方向の逆方向に突出させることにより、第1水平軸73及び第2水平軸74を2か所に形成しても軸及び軸受を薄型に形成できるので、屈曲ガイド1を小型にすることができ、屈曲ガイド1をより狭い場所に通すことが可能となる。
【0138】
図20に示す第1水平軸73及び第2水平軸74は、水平軸付レール31において一体成型した実施例を示してあるが、退避可能な退避構造を複数の部品から構成することもできる。
【0139】
左側板311及び右側板312の前後方向(搬送方向)の長さは、上下屈曲時の屈曲角度ぶんだけ、中心部から上下両端に向かって徐々に短くなるように形成してある。
【0140】
当接部18aは、後段にて説明する軸受付レール32の当接部18bと当接することにより、水平軸付レール31と軸受付レール32との水平軸回りの屈曲角度を所定の角度に制限する回動制限部として機能する部位である。当接部18aとして機能する部位は、左側板311及び右側板312の前後の端縁に限られず、水平板3131、3132、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の前後の端縁、垂直板3133若しくは3134の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0141】
浮き上がり防止部16として機能する左右の突出片3111及び3121は、当該突出片における前後方向の長さを根元から先端に向けて長くするための斜辺部25(浮き上がり防止部16におけるチェーン駒3b端部の乗り移り部)を備えている。この斜辺部25は、水平軸付レール31と、後段にて説明する軸受付レール32とを連結したときに、軸受付レール32の左右の突出片3211及び3221の斜辺部26(
図21参照)と対向する部位である。
【0142】
戻り側走行路14として機能する左右の突出片3112及び3122は、当該突出片における前後方向の長さを根元から先端に向けて長くするための斜辺部25(戻り側走行路14における乗り移り部)を備えている。この斜辺部25は、水平軸付レール31と、後段にて説明する軸受付レール32とを連結したときに、軸受付レール32の左右の突出片3212及び3222の斜辺部26(
図21参照)と対向する部位である。
【0143】
[軸受付レール]
図21に示す軸受付レール32は正面視略H形状の枠体であり、左側板321と、右側板322とを有する。左側板321と右側板322との内面側には、左右の側板同士を接続する上下2つの水平板3231及び3232と、上下2つの水平板3231と3232同士を接続する左右2つの垂直板3233と3234とを備えている。水平板3231の上面には搬送側走行路13を形成し、搬送側走行路13と接続する側板の内面側には走行路側壁15を形成してある。左側板321と右側板322の上端には内側に向かって対向突出する一対の突出片3211及び3221を備えている。また、左側板321と右側板322の下端には内側に向かって対向突出する一対の突出片3212及び3222を備えている。一対の突出片3212及び3222の上面には戻り側走行路14を形成し、戻り側走行路14と接続する側板の内面側にも走行路側壁15を形成してある。突出片3211及び3221の下面は搬送側走行路13の浮き上がり防止部16として機能し、水平板3232の下面は戻り側走行路14の浮き上がり防止部16として機能する。左側板321と、右側板322の前方部分及び後方部分は、前後方向中央部の肉厚部よりも薄肉の覆部85を前方及び後方に向けて延出させてある。また、左側板321及び右側板322の前後端部における、肉厚部と覆部85の薄肉部との段部には当接部17b、18bを形成してある。なお、垂直軸付レール30の構成について説明した機能と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0144】
当接部17bは、垂直軸付レール30と連結した際に、垂直軸付レール30の当接部17aと当接することにより、垂直軸回りの左右方向の回動角度を制限するための部位である。当接部18bは、水平軸付レール31と連結した際に、水平軸付レール31の当接部18aと当接することにより、水平軸回りの上下方向の回動角度を制限するための部位である。当接部17bとして機能する部位は、左側板321及び右側板322の前後の端縁に限られず、水平板3231、3232、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の左右半分の前後の端縁、垂直板3233若しくは3234の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。また、当接部18bとして機能する部位は、左側板321及び右側板322の前後の端縁に限られず、水平板3231、3232、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の前後の端縁、垂直板3233若しくは3234の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0145】
水平板3231における左右中央部には第1垂直軸受81を前後2か所に形成し、水平板3232における左右中央部には第2垂直軸受82を前後2か所に形成してある。
【0146】
左側板321の上下中央部には第1水平軸受83を前後2か所に形成し、右側板322の上下中央部には第2水平軸受84を前後2か所に形成してある。
【0147】
水平板3231の下面は、垂直軸付レール30の水平板3031の係合片70と当接し、水平板3232の上面は、垂直軸付レール30の水平板3032の係合片70と当接して、垂直軸付レール30と軸受付レール32との上下方向の位置決めを行うことができる。
【0148】
更に、垂直軸付レール30において、垂直軸を伴わない係合片70が水平板3031及び水平版3032の左端側及び右端側において、前方及び後方に延出させてある場合には、軸受付レール32の水平板3231の下面及び水平板3232の上面と係合させることによって、垂直軸付レール30と軸受付レール32との連結時における捩じり方向の剛性を更に高めると共に、捩じり方向の変位を減少させることができる。
【0149】
また、左側板321の覆部85の内面は垂直軸付レール30の左側板301の外面を左側から覆い、右側板322の覆部85の内面は垂直軸付レール30の右側板302の外面を右側から覆うことによって、連結時に生じる隙間を覆う機能を有する。
【0150】
また、左側板321の内面は、水平軸付レール31の左側板311の係合片70と当接し、右側板322の内面は、水平軸付レール31の右側板312の係合片70と当接して、水平軸付レール31と軸受付レール32との左右方向の位置決めを行うことができる。
【0151】
また、左側板321の覆部85の内面は、水平軸付レール31の左側板311の左外面と当接し、右側板322の覆部85の内面は、水平軸付レール31の右側板312の右外面と当接して、水平軸付レール31と軸受付レール32との左右方向の位置決めを行うと共に、連結時に生じる隙間を覆う機能を有する。
【0152】
第1垂直軸受81及び第2垂直軸受82は、垂直軸付レール30の第1垂直軸71及び第2垂直軸72を挿通して、軸受付レール32と垂直軸付レール30とを連結すると共に、左右方向の回動を可能にするものである。第1水平軸受83及び第2水平軸受84は、水平軸付レール31の第1水平軸73及び第2水平軸74を挿通して、軸受付レール32と水平軸付レール31とを連結すると共に、上下方向の回動を可能にするものである。
【0153】
搬送側走行路13及び戻り側走行路14は、搬送方向に直交する左右方向の幅よりも搬送方向(前後方向)の長さが短くなるように寸法を設定することができる。このように構成することによって、軸受付レール32の一駒あたりの左右の屈曲角度を小さくすると共に、この少ない屈曲角度の駒を多く組み合わせることによってチェーンベルト3の旋回動作を滑らかに行わせることができる。これにより、チェーンベルト3の駆動時の脈動を少なくすることができ、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0154】
戻り側走行路14として機能する左右の突出片3212及び3222は、当該突出片における前後方向の長さを根元から先端に向けて短くするための斜辺部26(戻り側走行路14における乗り移り部)を備えている。
【0155】
浮き上がり防止部16として機能する左右の突出片3211及び3221は、当該突出片における前後方向の長さを根元から先端に向けて短くするための斜辺部26(浮き上がり防止部16におけるチェーン駒3b端部の乗り移り部)を備えている。
【0156】
[垂直軸付レールと軸受付レールの連結]
図22に示すように、垂直軸付レール30の第1、第2垂直軸71、72を軸受付レール32の第1、第2垂直軸受81、82に挿通することによって、垂直軸付レール30と軸受付レール32を連結することができる。この連結により、垂直軸付レール30の搬送側走行路13と軸受付レール32の搬送側走行路13とが近接して、連なった搬送側走行路13を形成する(
図24~
図26参照)。また、垂直軸付レール30の戻り側走行路14と軸受付レール32の戻り側走行路14とが近接して、連なった戻り側走行路14を形成する(
図24~
図26参照)。
【0157】
また、垂直軸付レール30と軸受付レール32とを連結すると、垂直軸付レール30の浮き上がり防止部16と、軸受付レール32の浮き上がり防止部16とが近接して、連なった浮き上がり防止部16を形成する。更に、浮き上がり防止部16には斜辺部25、26(乗り移り部)を形成してある。これにより、垂直軸付レール30と軸受付レール32とを左右方向に屈曲させたことによって、屈曲外側の突出片3011と3211との間の隙間が広くなった場合であっても、浮き上がったチェーン駒3bの載置面が軸受付レール32の浮き上がり防止部16から、垂直軸付レール30の浮き上がり防止部16に乗り移る際には、必ず双方の浮き上がり防止部16に接触する区間(斜辺部25と斜辺部26とが対向する範囲)が存在する。この斜辺部25、26(乗り移り部)を形成したことによって、チェーン駒3bの載置面の角が離間した突出片(例えば3011、3211)同士の隙間に入り込んで引っ掛りながら走行する不具合を防止できる。
【0158】
同様に、垂直軸付レール30と軸受付レール32とを連結すると、垂直軸付レール30の戻り側走行路14と、軸受付レール32の戻り側走行路14とが近接して、連なった戻り側走行路14を形成する。更に、戻り側走行路14にも斜辺部25、26(乗り移り部)を形成してある。これにより、垂直軸付レール30と軸受付レール32とを左右方向に屈曲させたことによって、屈曲外側の突出片3012と3212との間の隙間が広くなった場合であっても、チェーン駒3bの載置面が軸受付レール32の戻り側走行路14から、垂直軸付レール30の戻り側走行路14に乗り移る際には、必ず双方の戻り側走行路14に接触する区間(斜辺部25と斜辺部26とが対向する範囲)が存在する。この斜辺部25、26(乗り移り部)を形成したことによって、チェーン駒3bの載置面の角が離間した突出片(例えば3012、3212)同士の隙間に入り込んで引っ掛りながら走行する不具合を防止できる。
【0159】
[水平軸付レールと軸受付レールの連結]
図23に示すように、水平軸付レール31の第1、第2水平軸73、74を軸受付レール32の第1、第2水平軸受83、84に挿通することによって、水平軸付レール31と軸受付レール32とを連結することができる。この連結により、水平軸付レール31の搬送側走行路13と軸受付レール32の搬送側走行路13とが近接して、連なった搬送側走行路13を形成する(
図25参照)。また、水平軸付レール31の戻り側走行路14と軸受付レール32の戻り側走行路14とが近接して、連なった戻り側走行路14を形成する(
図25参照)。
【0160】
また、水平軸付レール31と軸受付レール32とを連結すると、水平軸付レール31の浮き上がり防止部16と、軸受付レール32の浮き上がり防止部16とが近接して、連なった浮き上がり防止部16を形成する。更に、浮き上がり防止部16には斜辺部25、26(乗り移り部)を形成してある。そのため、水平軸付レール31と軸受付レール32とを側面視凹状に上方向に屈曲させたことにより浮き上がろうとするチェーン駒3bの載置面が、水平軸付レール31の突出片3111及び3121から、軸受付レール32の突出片3211及び3221へと乗り移る際において、チェーン駒3bの載置面が必ず双方の突出片(の浮き上がり防止部16)に接触する区間(斜辺部25と斜辺部26とが対向する範囲)が存在する。この斜辺部25、26(乗り移り部)を形成したことによって、チェーン駒3bの載置面の角が突出片同士の角で引っ掛りながら走行する不具合を減少させることができる。なお、上水平板3031、3131、3231の搬送側走行路13に斜辺部25、26(乗り移り部)に相当する部位を形成することもできる。
【0161】
同様に、水平軸付レール31と軸受付レール32とを連結すると、水平軸付レール31の戻り側走行路14と、軸受付レール32の戻り側走行路14とが近接して、連なった戻り側走行路14を形成する。更に、戻り側走行路14には斜辺部25、26(乗り移り部)を形成してある。そのため、チェーン駒3bの載置面が水平軸付レール31の突出片3112及び3122から、軸受付レール32の突出片3212及び3222へと乗り移る際において、チェーン駒3bの載置面が必ず双方の突出片(の戻り側走行路14)に接触する区間(斜辺部25と斜辺部26とが対向する範囲)が存在する。この斜辺部25、26(乗り移り部)を形成したことによって、チェーン駒3bの載置面の角が突出片同士の角で引っ掛りながら走行する不具合を減少させることができる。なお、下水平板3032、3132、3232の浮き上がり防止部16に斜辺部25、26(乗り移り部)に相当する部位を形成することもできる。
【0162】
[屈曲ガイドの屈曲]
図24に示すように、屈曲ガイド1を垂直軸付レール30と軸受付レール32とで構成することによって第1、第2垂直軸71、72を中心にして右周りに屈曲させることができる。このとき、屈曲内側の垂直軸付レール30の右側板302の当接部17aが1つ手前の軸受付レール32の右側板322の当接部17bに当接する。これにより、垂直軸付レール30と軸受付レール32の第1、第2垂直軸71、72回りの回動が制限される。
【0163】
またこのとき、屈曲外側の垂直軸付レール30の左側板301の当接部17aと、1つ手前の軸受付レール32の左側板321の当接部17bとの間には相当量の隙間CLが形成される。
【0164】
この屈曲外側に隙間CLが形成された場合であっても、軸受付レール32の覆部85が垂直軸付レール30の側板301及び302を外側から覆う。このため、搬送物のメダルが屈曲ガイド1の外部に漏れ出ることはない。
【0165】
また、
図25及び
図26に示すように、屈曲ガイド1を垂直軸付レール30と水平軸付レール31と軸受付レール32とで構成し、屈曲ガイド1を水平方向(すなわち、左右方向)に屈曲させるとともに上下方向に屈曲させることが可能となる。これにより、レイアウトの自由度が広がり、設置場所に応じて屈曲ガイド1を最適に設置することができる。
【0166】
なお、本実施形態では、垂直軸付レール30、水平軸付レール31、軸受付レール32は前後対称の形状であるため、チェーンベルト3の正転、逆転が可能であり、正転時と、逆転時において性能に差異が生じない。
【0167】
[変形例2]
次に、上記実施形態の変形例2について説明する。上記実施形態の屈曲ガイド1は、チェーンベルト3を側方及び下方から支持するU字型の案内路を上下対称に形成した実施形態について説明したが、以下の
図33及び
図34に示す変形例2で説明するように、π字型の案内路を上下対称に形成して、跨座型モノレールのように案内路上をチェーンベルト45が走行する構成を採用することが可能である。なお、上記実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0168】
[チェーンベルト45]
図33及び
図34に示すように、変形例2のチェーンベルト45は、正面視π字型の走行路を上下対称に組み合わせた形状を有する屈曲ガイド1の、上部(搬送側)を跨いで走行(跨座型)し、下部(戻り側)を跨いで懸垂走行する。なお、屈曲ガイド1は、垂直軸付レール40と軸受付レール42と水平軸付レール41とを連結して構成することができる。
【0169】
チェーンベルト45のチェーン駒は、載置面45aと、連結凹部45cと、連結凸部45dと、連結ピン孔45fと、レール取付溝451とを有する。レール取付溝451は、跨座摺動面452と、横摺動面453と、懸垂摺動面454とを有する。
【0170】
載置面45aは、チェーン駒において搬送物を載置する部位である。
【0171】
連結凹部45cは、他のチェーン駒の連結凸部45dを挿入する部位である。連結凹部45c及び連結凸部45dには、チェーン駒同士を連結するための連結ピンを挿通させる連結ピン孔45fを開設してある。
図33では、チェーン駒は1つのみ記載してある。
【0172】
レール取付溝451は、チェーン駒の下部において前後方向に沿って対向して形成した溝である。搬送側のチェーンベルト45のレール取付溝451は、垂直軸付レール40と軸受付レール42と水平軸付レール41における上水平板の左右方向両端縁を上下方向から挟み込むようにして、上下方向及び左右方向を屈曲ガイド1に案内される。このようにして、搬送側のチェーンベルト45は屈曲ガイド1上を走行することが可能になる。
【0173】
また、戻り側のチェーンベルト45のレール取付溝451は、垂直軸付レール40と軸受付レール42と水平軸付レール41における下水平板の左右方向両端縁を上下方向から挟み込むようにして、上下方向及び左右方向を屈曲ガイド1に案内される。このようにして、搬送側のチェーンベルト45は屈曲ガイド1の下部にぶら下がって懸垂式の走行をすることが可能になる。
【0174】
跨座摺動面452は、垂直軸付レール40と軸受付レール42と水平軸付レール41とにおける上水平板の搬送側走行路13と摺接する部位であり、上下方向に支持される部位である。
【0175】
横摺動面453は、垂直軸付レール40と軸受付レール42と水平軸付レール41とにおける走行路側壁15と摺接する部位であり、左右方向に支持される部位である。
【0176】
戻り側のチェーンベルト45の懸垂摺動面454は、垂直軸付レール40と軸受付レール42と水平軸付レール41における下水平板の戻り側走行路14と摺接する部位であり、懸垂支持される部位である。
【0177】
他方、搬送側のチェーンベルト45の懸垂摺動面454は、垂直軸付レール40と軸受付レール42と水平軸付レール41における上水平板の浮き上がり防止部16と摺接する部位であり、搬送側のチェーンベルト45が浮き上がることを防止することができる。
【0178】
[垂直軸付レール]
図27は垂直軸付レール40の外観斜視図である。同図に示す垂直軸付レール40は、上下左右前後対称な形状にしてある。よって、
図27では説明の便宜上、上下(天地)、左右、前後を設定して説明するが、
図27に示す垂直軸付レール40の上下(天地)、左右、前後を逆にしても同様の構成である。
【0179】
図27に示す垂直軸付レール40は、上水平板401と、下水平板402と、上水平板401及び下水平板402同士を接続する左右2つの垂直板403と404とを備えている。上水平板401の上面には搬送側走行路13を形成してある。下水平板402の左右端部の上面には戻り側走行路14を形成してある。上水平板401及び下水平板402の左右方向両端縁には、走行路側壁15を形成してある。上水平板401及び下水平板402の左右方向両端部の下面は、チェーンベルト45(
図33、34参照)が浮き上がることを防止するための浮き上がり防止部16として機能する。また、上水平板401及び下水平板402の左右方向両端部における前後の端縁は、当接部17aとして機能する。また、上水平板401及び下水平板402の左右方向両端部における前後の端縁に段差部4014及び4024を突出させると共に、段差部4014及び4024の側端縁には側壁乗り移り部27を形成してある。
【0180】
上水平板401の左右中央部下面の前方及び後方には、係合片70と、その係合片70の左右両側に切り欠きCWを形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、上方に突出する第1垂直軸71をそれぞれ形成してある。
【0181】
下水平板402の左右中央部上面の前方及び後方にも、係合片70と、その係合片70の左右両側に切り欠きCWを形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、下方に突出する第2垂直軸72をそれぞれ形成してある。
【0182】
搬送側走行路13は、搬送側のチェーンベルト45を支持してチェーンベルト45の摺動走行の上下方向の案内をする機能を有する。
【0183】
戻り側走行路14は、戻り側のチェーンベルト45を支持してチェーンベルト45の摺動走行の上下方向の案内をする機能を有する。
【0184】
走行路側壁15は、搬送側及び戻り側のチェーンベルト45を側方から支持してチェーンベルト45の摺動による走行の左右方向の案内をする機能を有する。走行路側壁15は、左右の屈曲半径に応じて平面視外側に凸形状に形成して、チェーンベルト45の旋回半径を一定に保持することができる。これにより、チェーンベルト45の旋回動作を滑らかに行わせることができ、チェーンベルト45の駆動時の脈動を少なくすることができるので、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0185】
浮き上がり防止部16は、走行中のチェーンベルト45が駆動用の張力により、搬送側走行路13又は戻り側走行路14から離間して浮き上がってしまう不具合を防止するための部位である。
【0186】
側壁乗り移り部27は、走行路側壁15の前後の端部に存在して、後段にて説明する軸受付レール42と当該垂直軸付レール40とを連結した際に、軸受付レール42の側壁乗り移り部28の一部と上下方向に重なる部位である。
【0187】
垂直軸付レール40と軸受付レール42とを連結した状態でチェーンベルト45を左右方向に屈曲走行させる場合には、屈曲外側の走行路側壁15とチェーンベルト45の横摺動面453(
図33参照)とが摺接する。このとき、チェーンベルト45の駆動用の張力によって、強い力でチェーンベルト45の横摺動面453がレールの走行路側壁15を押圧する。そのため、チェーンベルト45の横摺動面453が、軸受付レール42の走行路側壁15から当該垂直軸付レール40の走行路側壁15へと乗り移る際には、不連続とならないように連続して滑らかに乗り移る動作が行われることが望ましい。
【0188】
本発明によれば、垂直軸付レール40の側壁乗り移り部27と、軸受付レール42の側壁乗り移り部28とが上下方向で重なる範囲が存在する。したがって、チェーンベルト45の横摺動面453が、軸受付レール42の走行路側壁15から垂直軸付レール40の走行路側壁15へと乗り移る際には、必ず側壁乗り移り部27と側壁乗り移り部28の双方に接触している範囲が存在するために、チェーンベルト45と2つの走行路側壁15との摺動状態が連続するので、旋回時における乗り移り動作を滑らかに行わせることができる。したがって、チェーンベルト45の駆動時の脈動を少なくすることができるので、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0189】
上水平板401の係合片70の上面は、後段にて説明する軸受付レール42の上水平板421の下面と当接する。他方、下水平板402の係合片70の下面は、軸受付レール42の下水平板422の上面と当接して、垂直軸付レール40と軸受付レール42との上下方向の位置決めを行う。
【0190】
上水平板401の係合片70からは、上方に向けて第1垂直軸71を突出させてある。
下水平板402の係合片70からは、逆方向の下方に向けて第2垂直軸72を突出させてある。
【0191】
第1垂直軸71及び第2垂直軸72は、後段にて説明する軸受付レール42の軸受に挿通させて、垂直軸付レール40と軸受付レール42とを連結すると共に、左右方向への回動を可能にするものである。第1垂直軸71及び第2垂直軸72を、係合片70に対して上方向及び下方向の逆方向に突出させることにより、第1垂直軸71及び第2垂直軸72を2か所に形成しても軸及び軸受を薄型に形成できるので、屈曲ガイド1を小型にすることができ、屈曲ガイド1をより狭い場所に通すことが可能となる。なお、
図27乃至
図29に示す実施例では、例えば係合片70と第1垂直軸71と第1垂直軸受81とを含めた全体の高さは5mm程度であるため、上水平板421及び下水平版422(
図30参照)の間に2組の第1垂直軸71と第1垂直軸受81及び、第2垂直軸72と第2垂直軸受82を収めることができる。したがって第1垂直軸71と第1垂直軸受81及び、第2垂直軸72と第2垂直軸受82とが存在することに伴う上下方向の寸法の増加分は殆ど無く、屈曲ガイド1を小型にすることができる。
【0192】
係合片70は、第1垂直軸71又は第2垂直軸72に上下方向の力を加えた際に、曲げモーメントによる弾性変形を生じさせて、第1垂直軸71又は第2垂直軸72を上下方向に揺動させて退避させることを可能にする弾性変形部として機能する。第1垂直軸71又は第2垂直軸72に加えていた上下方向の力を解除すると、係合片70(弾性変形部)は上水平板401又は下水平板402と平行な状態に戻る。
【0193】
切り欠きCWは、係合片70(弾性変形部)の断面積を少なくすることにより、係合片70(弾性変形部)の曲げ剛性を低下させて、作業者の指に力によって第1垂直軸71及び第2垂直軸72の上下動を容易に行うことを可能にするために形成してある。これにより、軸受付レール42の軸受に第1垂直軸71又は第2垂直軸72を挿通して連結する際、あるいは、軸受付レール42の軸受から第1垂直軸71又は第2垂直軸72を抜いて解結する際に、第1垂直軸71又は第2垂直軸72を容易に退避させることが可能となり、垂直軸付レール40と軸受付レール42との連結と解結とを容易に行うことが可能となる。
【0194】
図27に示す第1垂直軸71及び第2垂直軸72は、垂直軸付レール40において一体成型した実施例を示してあるが、退避可能な退避構造を複数の部品から構成することもできる。
【0195】
なお、搬送側走行路13及び戻り側走行路14の前後方向(搬送方向)の長さは、左右屈曲時の屈曲角度ぶんだけ、中心部から左右両端に向かって徐々に短くなるように形成してもよい。
【0196】
搬送側走行路13及び戻り側走行路14は、搬送方向に直交する左右方向の幅よりも搬送方向(前後方向)の長さが短くなるように寸法を設定してある。このように構成することによって、垂直軸付レール40の一駒あたりの左右の屈曲角度を小さくすると共に、この少ない屈曲角度の駒を多く組み合わせることによってチェーンベルト45の旋回動作を滑らかに行わせることができる。これにより、チェーンベルト45の駆動時の脈動を少なくすることができ、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0197】
当接部17aは、後段にて説明する軸受付レール42の当接部17bと当接することにより、垂直軸付レール40と軸受付レール42との垂直軸回りの屈曲角度を所定の角度に制限する回動制限部として機能する部位である。当接部17aとして機能する部位は、上水平板401及び下水平板402の左右方向両端部の前後の端縁に限られず、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の左右半分の前後の端縁、垂直板403若しくは404の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0198】
段差部4014の上面及び4024の下面は、
図29に示す軸受付レール42の段差部4215の下面及び4225の上面と係合させることによって、垂直軸付レール40と軸受付レール42との連結時における捩じり方向の剛性を更に高めると共に、捩じり方向の変位を減少させることができる。
【0199】
[水平軸付レール]
図28に示す水平軸付レール41は、上水平板411と、下水平板412と、上水平板411及び下水平板412同士を接続する左右2つの垂直板413と414とを備えている。上水平板411の上面には搬送側走行路13を形成してある。下水平板412の左右端部の上面には戻り側走行路14を形成してある。上水平板411及び下水平板412の左右方向両端縁には、走行路側壁15を形成してある。上水平板411及び下水平板412の左右方向両端部の下面は、チェーンベルト45(
図33、34参照)が浮き上がることを防止するための浮き上がり防止部16として機能する。また、上水平板411と下水平板412の左右方向中央部の前後の端縁は、当接部18aとして機能する。また、上水平板411及び下水平板412の左右方向両端部の前後の端縁に段差部4114及び4124を突出させると共に、段差部4114及び4124の側端縁には側壁乗り移り部27を形成してある。なお、垂直軸付レール40の構成について説明した機能と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0200】
垂直板413の上下中央部内面の前方及び後方には、係合片70と、その係合片70の上下両側に切り欠きCWを形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、左方に突出する第1水平軸73をそれぞれ形成してある。
【0201】
垂直板414の上下中央部内面の前方及び後方にも、係合片70と、その係合片70の上下両側に切り欠きCWを形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、右方に突出する第2水平軸74をそれぞれ形成してある。
【0202】
垂直板413の係合片70は、後段にて説明する軸受付レール42の垂直板423の内面と当接する。他方、垂直板414の係合片70は、軸受付レール42の垂直板424の内面と当接して、水平軸付レール41と軸受付レール42との左右方向の位置決めを行う。
【0203】
第1水平軸73及び第2水平軸74は、後段にて説明する軸受付レール42の軸受に挿通させて、水平軸付レール41と軸受付レール42とを連結すると共に、上下方向への回動を可能にするものである。第1水平軸73及び第2水平軸74を、係合片70に対して左方向及び右方向の逆方向に突出させることにより、第1水平軸73及び第2水平軸74を2か所に形成しても軸及び軸受を薄型に形成できるので、屈曲ガイド1を小型にすることができ、屈曲ガイド1をより狭い場所に通すことが可能となる。
図27乃至
図29に示す実施例では、垂直板423及び424(
図30参照)の間に2組の第1水平軸73と第1水平軸受83及び、第2水平軸74と第2水平軸受84を収めることができる。したがって第1水平軸73と第1水平軸受83及び、第2水平軸74と第2水平軸受84とが存在することに伴う左右方向の寸法の増加分は無く、屈曲ガイド1を小型にすることができる。
【0204】
図28に示す第1水平軸73及び第2水平軸74は、水平軸付レール41において一体成型した実施例を示してあるが、退避可能な退避構造を複数の部品から構成することもできる。
【0205】
当接部18aは、後段にて説明する軸受付レール42の当接部18bと当接することにより、水平軸付レール41と軸受付レール42との水平軸回りの屈曲角度を所定の角度に制限する回動制限部として機能する部位である。当接部18aとして機能する部位は、上水平板411と下水平板412の前後の端縁に限られず、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の前後の端縁、垂直板413若しくは414の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0206】
段差部4114の上面及び4124の下面は、
図29に示す軸受付レール42の段差部4215の下面及び4225の上面と係合させることによって、水平軸付レール41と軸受付レール42との連結時における捩じり方向の剛性を更に高めると共に、捩じり方向の変位を減少させることができる。
【0207】
[軸受付レール]
図29に示す軸受付レール42は、上水平板421と、下水平板422と、上水平板421及び下水平板422同士を接続する左右2つの垂直板423と424とを備えている。上水平板421の上面には搬送側走行路13を形成してある。下水平板422の左右端部の上面には戻り側走行路14を形成してある。上水平板421及び下水平板422の左右方向両端縁には、走行路側壁15を形成してある。上水平板421及び下水平板422の左右方向両端部の下面は、チェーンベルト45(
図33、34参照)が浮き上がることを防止するための浮き上がり防止部16として機能する。上水平板421及び下水平板422の左右方向両端部の前後の端縁には当接部17bを形成してある。また、上水平板421及び下水平板422の左右方向中央部の前後の端縁には当接部18bを形成してある。また、上水平板421及び下水平板422の左右方向両端部の前後の端縁に段差部4215及び4225を突出させると共に、段差部4215及び4225の側端縁には側壁乗り移り部28を形成してある。なお、垂直軸付レール40の構成について説明した機能と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0208】
当接部17bは、垂直軸付レール40と連結した際に、垂直軸付レール40の当接部17aと当接することにより、垂直軸回りの左右方向の回動角度を制限するための部位である。当接部18bは、水平軸付レール41と連結した際に、水平軸付レール41の当接部18aと当接することにより、水平軸回りの上下方向の回動角度を制限するための部位である。当接部17bとして機能する部位は、上水平板421及び下水平板422の前後の端縁に限られず、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の左右半分の前後の端縁、垂直板423若しくは424の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。また、当接部18bとして機能する部位は、上水平板421及び下水平板422の前後の端縁に限られず、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の前後の端縁、垂直板423若しくは424の前後の端縁又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0209】
上水平板421の左右中央部には第1垂直軸受81を前後2か所に形成し、下水平板422の左右中央部には第2垂直軸受82を前後2か所に形成してある。
【0210】
垂直板423の上下中央部上面には第1水平軸受83を前後2か所に形成し、垂直板424の上下中央部には第2水平軸受84を前後2か所に形成してある。また、垂直板423の上下中央部かつ左右中央部にはスタンド取付部4232を形成し、垂直板424の上下中央部かつ左右中央部にはスタンド取付部4242を形成してある。
【0211】
側壁乗り移り部28は、走行路側壁15の前後の端部に存在して、軸受付レール42と垂直軸付レール40又は水平軸付レール41とを連結した際に、垂直軸付レール40及び水平軸付レール41の側壁乗り移り部27の一部と上下方向に重なる部位である。
【0212】
上水平板421の下面は、垂直軸付レール40の上水平板401の係合片70と当接する。他方、下水平板422の上面は、垂直軸付レール40の下水平板402の係合片70と当接して、垂直軸付レール40と軸受付レール42との上下方向の位置決めを行うことができる。
【0213】
また、垂直板423の内面は、水平軸付レール41の垂直板413の係合片70と当接する。他方、垂直板424の内面は、水平軸付レール41の垂直板414の係合片70と当接して、水平軸付レール41と軸受付レール42との左右方向の位置決めを行うことができる。
【0214】
第1垂直軸受81及び第2垂直軸受82は、垂直軸付レール40の第1垂直軸71及び第2垂直軸72を挿通して、軸受付レール42と垂直軸付レール40とを連結すると共に、左右方向の回動を可能にするものである。第1水平軸受83及び第2水平軸受84は、水平軸付レール41の第1水平軸73及び第2水平軸74を挿通して、軸受付レール42と水平軸付レール41とを連結すると共に、上下方向の回動を可能にするものである。
【0215】
垂直板423のスタンド取付部4232及び垂直板424のスタンド取付部4242は、後段にて説明するスタンド46を取り付けるため部位である。
【0216】
上水平板421並びに下水平板422の前後方向の幅、搬送側走行路13並びに戻り側走行路14は、搬送方向に直交する左右方向の幅よりも搬送方向(前後方向)の長さが短くなるように寸法を設定することができる。このように構成することによって、軸受付レール42の一駒あたりの左右の屈曲角度を小さくすると共に、この少ない屈曲角度の駒を多く組み合わせることによってチェーンベルト45の旋回動作を滑らかに行わせることができる。これにより、チェーンベルト45の駆動時の脈動を少なくすることができ、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0217】
[垂直軸付レールと軸受付レールの連結]
図30及び
図31に示すように、垂直軸付レール40の第1、第2垂直軸71、72を軸受付レール42の第1、第2垂直軸受81、82に挿通することによって、垂直軸付レール40を軸受付レール42に連結することができる。この連結により、垂直軸付レール40の搬送側走行路13と軸受付レール42の搬送側走行路13とが近接して、連なった搬送側走行路13を形成する(
図35参照)。また、垂直軸付レール40の戻り側走行路14と軸受付レール42の戻り側走行路14とが近接して、連なった戻り側走行路14を形成する(
図35参照)。
【0218】
また、垂直軸付レール40と軸受付レール42とを連結すると、垂直軸付レール40の浮き上がり防止部16と、軸受付レール42の浮き上がり防止部16とが近接して、連なった浮き上がり防止部16を形成する。
【0219】
また、垂直軸付レール40と軸受付レール42とを連結すると、垂直軸付レール40の段差部4014の上面と、軸受付レール42の段差部4215の下面とが対面して重なり合う。同様に、垂直軸付レール40の段差部4024の下面と、軸受付レール42の段差部4225の上面とが対面して重なり合う。また、垂直軸付レール40の側壁乗り移り部27と、軸受付レール42の側壁乗り移り部28とが上下方向で重なる範囲が存在する。
【0220】
垂直軸付レール40及び軸受付レール42において、第1垂直軸71及び第1垂直軸受81並びに第2垂直軸72及び第2垂直軸受82を、搬送側走行路13の下方かつ戻り側のチェーンベルト45の上方に配置すると共に、搬送側走行路13を平面視した場合に搬送側走行路13の範囲内に配置することにより、第1垂直軸71及び第2垂直軸72を2か所に形成しても軸及び軸受を薄型に形成できるので、屈曲ガイド1を小型にすることができ、屈曲ガイド1をより狭い場所に通すことが可能となる。
【0221】
[垂直軸付レールと水平軸付レールと軸受付レールの連結]
また、
図32に示すように、上述したように、軸受付レール42を介して垂直軸付レール40と水平軸付レール41を接続することもできる。なお、軸受付レール42に水平軸付レール41のみを連結することも可能である。
【0222】
水平軸付レール41と軸受付レール42とは、水平軸付レール41の第1、第2水平軸73、74を軸受付レール42の第1、第2水平軸受83、84に挿通することによって連結される。
【0223】
このとき、水平軸付レール41の搬送側走行路13と軸受付レール42の搬送側走行路13とが近接して、連なった搬送側走行路13(
図36参照)を形成する。また、水平軸付レール41の戻り側走行路14と軸受付レール42の戻り側走行路14とが近接して、連なった戻り側走行路14(
図36参照)を形成する。
【0224】
また、水平軸付レール41と軸受付レール42とを連結すると、水平軸付レール41の浮き上がり防止部16と、軸受付レール42の浮き上がり防止部16とが近接して、連なった浮き上がり防止部16を形成する。
【0225】
また、水平軸付レール41と軸受付レール42とを連結すると、水平軸付レール41の段差部4114の上面と、軸受付レール42の段差部4215の下面とが対面して重なり合う。同様に、水平軸付レール41の段差部4124の下面と、軸受付レール42の段差部4225の上面とが対面して重なり合う。また、水平軸付レール41の側壁乗り移り部27と、軸受付レール42の側壁乗り移り部28とが上下方向で重なる範囲が存在する。
【0226】
[屈曲ガイドの支持方法]
図33及び
図34に示すように、変形例2に係る屈曲ガイド1は、スタンド46によって支持することが可能である。スタンド46は、ブラケット461と、ブラケット461を支持する円柱状の垂直支持部462と、軸受付レール42を取り付けるレールホルダ463を備えている。
【0227】
ブラケット461は、コの字側に折り曲げ形成されたフレームからなる。そして、ブラケット461の底面に垂直支持部462を取り付けている。レールホルダ463は円柱状に形成されており、その両端をブラケット461の両側板にねじ止めしている。
【0228】
そして、レールホルダ463は軸受付レール42のスタンド取付部4232、4242に挿通された状態でブラケット461に固定する。これにより、スタンド46によって軸受付レール42を保持することができる。
【0229】
垂直軸付レール40や軸受付レール42を軸受付レール42に連結した状態で軸受付レール42をレールホルダ463によって保持することにより、屈曲ガイド1を所定の位置に設置することができる。
【0230】
[上水平板の幅寸法]
図34に示すように本実施形態においては、垂直軸付レール40の上水平板401、水平軸付レール41の上水平板411、軸受付レール42の上水平板421の幅寸法WUを、垂直軸付レール40の下水平板402、水平軸付レール41の下水平板412、軸受付レール42の下水平板422の幅寸法WDよりも狭い部分を設けることができる。
【0231】
更に
図34に示す実施例では、上水平板の幅寸法WUがチェーンベルト45の左右一対の懸垂摺動面454の内法WLよりも狭い部分を設けてある。これにより、搬送側のチェーンベルト45を、搬送側走行路13から容易に取り外すことができるため、チェーンベルト45の交換やメンテナンス作業を容易に行うことができるようになる。なお、レールの屈曲部においては、駆動時の張力によってチェーンベルト45は屈曲内側に引っ張られて屈曲外周の隙間WC=0となり、チェーンベルト45における屈曲外側のレール取付溝451が、上水平板における屈曲外側の走行路側壁15を挟み込む形で摺動する。そのため屈曲走行時においては、上水平板の幅寸法WUが懸垂摺動面454の内法WLよりも狭い部分が存在していても、チェーンベルト45が屈曲ガイド1から脱落することはない。
【0232】
一方、下水平板の幅寸法WDは垂摺動面454の内法WLよりも大きく形成することによって、直線部分において下水平板からチェーンベルト45が脱落する不具合を防止している。
【0233】
なお、上水平板の幅寸法WUと下水平板の幅寸法WDを同一、又は、略同一寸法とすることにより、搬送側走行路13側及び戻り側走行路14の双方においてチェーンベルト45を取り外すことができないように構成することも可能である。
【0234】
[屈曲ガイドの屈曲]
図35に示すように、屈曲ガイド1を垂直軸付レール40と軸受付レール42とで構成して、屈曲ガイド1を右方向に屈曲させた場合には、垂直軸付レール40と軸受付レール42の各々が、第1、第2垂直軸71、72を中心にして右周りに屈曲する。このとき、垂直軸付レール40の屈曲内側の当接部17aが1つ手前の軸受付レール42の屈曲内側の当接部17bに当接する。これにより、垂直軸付レール40と軸受付レール42との間で屈曲ガイド1の垂直軸回りの回動が制限される。
【0235】
逆に、屈曲外側においては、垂直軸付レール40の屈曲外側の当接部17aと、1つ手前の軸受付レール42の屈曲外側の当接部17bとの間には相当量の隙間CLが形成される。前述したように、屈曲外側ではチェーンベルト45におけるレール取付溝451が、上水平板における屈曲外側の走行路側壁15を挟み込む形で摺動する。屈曲外側の走行路側壁15が隙間CLにより離間してしまうと、チェーンベルト45が離間した部分に落ち込んでチェーンベルト45の走行が不安定になるおそれがある。そうすると、チェーンベルト45の横摺動面453が隙間CLを通過する際の走行抵抗が増加して、チェーンベルト45の走行に脈動が発生する。
【0236】
そこで本実施例では、この屈曲外側に隙間CLが形成された場合であっても、垂直軸付レール40に側壁乗り移り部27を形成すると共に、軸受付レール42に側壁乗り移り部28を形成することによって、双方の走行路側壁15が連続するようにして、チェーンベルト45に脈動が発生することを防止している。
【0237】
また、
図36及び
図37に示すように、屈曲ガイド1を垂直軸付レール40と水平軸付レール41と軸受付レール42とで構成し、屈曲ガイド1を水平方向(すなわち、左右方向)に屈曲させるとともに上下方向に屈曲させることも可能である。これにより、レイアウトの自由度が広がり、設置場所に応じて屈曲ガイド1を最適に設置することができる。
【0238】
上下方向の屈曲角度の制限は、当接部18aと当接部18bとが当接することによってなされる。例えば、下方向に屈曲させた場合は、水平軸付レール41の当接部18aが1つ手前の軸受付レール42の当接部18bに当接して、屈曲角度が制限される。これにより、水平軸付レール41と軸受付レール42との間で屈曲ガイド1の水平軸回りの回動が制限される。
【0239】
なお、本実施形態においては垂直軸付レール40、水平軸付レール41、軸受付レール42は前後対称の形状であるため、チェーンベルト45の正転、逆転が可能であり、正転時と、逆転時において性能に差異が生じないという特徴を有する。
【0240】
[屈曲ガイドの使用例]
次に、上述した屈曲ガイド1の使用例について
図38を用いて説明する。
図38は、製品A及び製品Bの製造ライン50を説明する平面図である。
【0241】
図38に示すように製造ライン50は、仕掛品58を製造する組立機51(図中、組立機-1)を備えている。組立機51には、部品52~54をストックする部品コンベア55~57が接続されている。そして、部品コンベア55~57から組立機51に部品52~54が供給され、組立機51により仕掛品58が製造される。
【0242】
組立機59(図中、組立機-2)は、仕掛品58を用いて完成品64(製品A)を製造する組立機である。組立機51と組立機59とは、屈曲ガイド1を介して接続してある。
組立機51で組み立てられた仕掛品58は、屈曲ガイド1により組立機59に搬送される。組立機59には部品60~61をストック・供給する部品コンベア62~63が接続されている。組立機59では、仕掛品58と部品60~61を用いて完成品64(製品A)が組み立てられる。
【0243】
梱包機65は、完成品64(製品A)を梱包する装置である。組立機59と梱包機65とは、屈曲ガイド1を介して接続してある。組立機59で組み立てられた完成品64(製品A)は梱包機65に搬送される。梱包機65では完成品64が梱包され、梱包品66が出荷される。
【0244】
組立機99(図中、組立機-3)は、仕掛品58を用いて完成品94(製品B)を製造する組立機である。組立機51と組立機99とは、段取り替えにより屈曲ガイド1を介して接続することができる。組立機51で組み立てられた仕掛品58は、屈曲ガイド1により組立機99に搬送される。組立機99には部品90~91をストック・供給する部品コンベア92~23が接続されている。組立機99では、仕掛品58と部品90~91を用いて完成品94(製品B)が組み立てられる。
【0245】
組立機99と梱包機65とは、段取り替えにより屈曲ガイド1を介して接続することができる。組立機99で組み立てられた完成品94(製品B)は梱包機65に搬送される。
【0246】
[組立機にトラブルが発生した際の対応]
組立機59においてトラブルが発生した場合のように、半完成品である仕掛品58の搬送経路を変更する場合における屈曲ガイド1の役割について以下に説明する。
【0247】
例えば、後工程の組立機59に一時的な故障や部品60~61の不足などのトラブルが発生した場合には、組立機51に接続されている屈曲ガイド1の屈曲方向を変化させてアキュムレータ68へと仕掛品58の搬送先を変更して、アキュムレータ68に仕掛品58を蓄積させつつ、組立機51における仕掛品58の製造を継続する。その後、組立機59のトラブルが解消した場合には、アキュムレータ68と組立機59とを他の屈曲ガイド1を用いて接続して、アキュムレータ68に蓄積されている仕掛品58を組立機59に搬送して完成品64(製品A)を製造する。
【0248】
一般的に後工程の組立機59の方が前工程の組立機51よりも処理能力が高いので、時間の経過とともにアキュムレータ68に蓄積されている仕掛品58は減少してゆき、アキュムレータ68における蓄積量が無くなった時点で、アキュムレータ68の使用を中止して、組立機51と組立機59とを屈曲ガイド1を用いて直接接続して、元の状態に戻すことができる。
【0249】
このとき、屈曲ガイド1は屈曲自在であるので自由度が高く、組立機51、組立機59、及びアキュムレータ68との接続と接続解除時の位置合わせ作業は容易である。したがって、アキュムレータ68の仮設場所も厳密である必要はない。また、本発明ではチェーンベルトを駆動させたままの状態で、屈曲ガイド1の接続先を変更することもできるため、組立機59にトラブルが発生した場合であっても、製造量の減少を最小限に留めることができる。
【0250】
[段取り替えの対応]
完成品64(製品A)を組み立てていた状態から、完成品64(製品B)を組み立てる状態に段取り替えを行う場合における屈曲ガイド1の役割について以下に説明する。
【0251】
完成品64(製品A)の組立と、完成品94(製品B)の組立とでは、使用する部品が異なるために、異なる組立機99(図中、組立機-3)を使用する。従来の製造ラインにおける段取り替えでは、予め屈曲角度が定められているコンベアをそれぞれの組立機に予め接続すると共に、仕掛品又は完成品の流路を変更する分岐部を設けておき、この分岐部で搬送先を切り替えることによって段取り替えを行っていた。
【0252】
しかしながら、予めコンベアをそれぞれの組立機に接続してしまうと、コンベアで囲まれた領域(
図38に示す例では部品コンベア92~93が設置されている領域)に立ち入ることが困難になるため、部品コンベア92~93に対する部品の供給や、組立機59、99へのアクセスが制限されることによるメンテナンス性の悪化が生じていた。
【0253】
本発明に係る屈曲ガイド1を用いることにより、完成品64(製品A)の組立と、完成品94(製品B)の組立との段取り替えを、屈曲ガイド1の接続変更によって容易に行うことができるので、部品コンベア92~93が設置されている領域への立ち入りが制限されない。したがって、組立機59、99へのアクセスが制限されないので、部品コンベア92~93に対する部品の補充や、機器のメンテナンス性が悪化することはない。
【0254】
上述の説明では、垂直軸付レール(10、30、40)において第1垂直軸71及び第2垂直軸72を一体に形成し、水平軸付レール(11、31、41)において第1水平軸73及び第2水平軸74を一体に形成した実施形態を示したが、これらの軸を一体成型せずに、別途独立した連結軸を用いることもできる。例えば第1垂直軸71、第2垂直軸72、第1水平軸73及び第2水平軸74に代えて軸受孔を開設しておき、当該軸受孔と対応する軸受とに受容可能な屈曲軸を挿通する構成を採用することもできる。
【0255】
[変形例3]
次に、実施形態の変形例3について、
図39(a)~(c)に示すチェーンコンベア装置Cの組立図、及び
図40(a)~(c)に示す屈曲ガイド1の組立図を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0256】
図39(a)~(c)に示すチェーンコンベア装置Cは、正面視「エ」字形のチェーンベルト145が屈曲ガイド1に案内されて走行するチェーンコンベア装置Cの外観図である。
図39(a)は、チェーンコンベア装置Cを、チェーンベルト145の搬送の前後方向から観察した正面図である。
図39(b)は、チェーンコンベア装置Cを、チェーンベルト145の搬送の上方向から観察した平面図である。
図39(c)は、チェーンコンベア装置Cを、チェーンベルト145の搬送方向に対して右側から観察した右側面図である。
【0257】
[変形例3のチェーンコンベア装置の構成]
図39(a)~(c)に示すチェーンコンベア装置Cのチェーンベルト145は、上下対称の形状を有する屈曲ガイド1の上部(搬送側)に乗って走行し、下部(戻り側)にぶら下がって走行する。
【0258】
図40(a)~(c)に示す屈曲ガイド1は、屈曲ガイド1の連結状態を見やすくするために、
図39(a)~(c)に示す組立図からチェーンベルト145を取り除いた状態を示す外観図及び側面断面図である。
図40(a)は、屈曲ガイド1を、チェーンベルト145の搬送の前後方向から観察した正面図である。
図40(b)は、屈曲ガイド1を、チェーンベルト145の搬送の上方向から観察した平面図である。
図40(c)は、屈曲ガイド1を、チェーンベルト145の搬送方向に対して右側から観察した図であり、
図40(a)に示すX-X矢視断面図である。
【0259】
屈曲ガイド1は、垂直軸付レール140と軸受付レール142と水平軸付レール141とを連結して構成することができる。垂直軸付レール140と軸受付レール142とは、第1垂直軸71及び第2垂直軸72を中心として左右方向に屈曲することが可能である(例えば左右に各3°)。水平軸付レール141と軸受付レール142とは、第1水平軸73及び第2水平軸74を中心として上下方向に屈曲することが可能である(例えば上下に各3°)。なお、第1垂直軸71と第2垂直軸72とは同軸である。また、第1水平軸73と第2水平軸74とは同軸である。
【0260】
[チェーンベルト]
図41(a)、(b)、(c)、(d)は、チェーンベルト145の側面図、平面図、正面図、下面図である。チェーンベルト145のチェーン駒は、載置面145aと、連結凹部145cと、連結凸部145dと、連結ピン孔145fと、レール取付溝1451とを有する。レール取付溝1451は、載置下摺動面1452と、横摺動面1453と、懸垂摺動面1454とを有する。
【0261】
載置面145aは、チェーン駒において搬送物を載置する部位である。
【0262】
連結凹部145cは、他のチェーン駒の連結凸部145dを挿入する部位である。連結凸部145dと、連結凹部145cの左右両脇とには、チェーン駒同士を連結するための連結ピンを挿通させる連結ピン孔145fを開設してある。
【0263】
レール取付溝1451は、チェーン駒の上下方向の中央部において左右外向きに開放した溝であり、前後方向に沿って形成されている。搬送側のチェーンベルト145のレール取付溝1451は、垂直軸付レール140と軸受付レール142と水平軸付レール141とにおける搬送側走行路13と、走行路側壁15と、浮き上がり防止部16とから構成される対向端部を挟み込む部位である。このレール取付溝1451により、搬送側のチェーンベルト145は上下方向及び左右方向に規制されて、屈曲ガイド1の上面を前後方向に走行することが可能になる。
【0264】
また、戻り側のチェーンベルト145のレール取付溝1451は、垂直軸付レール140と軸受付レール142と水平軸付レール141における戻り側走行路14と、走行路側壁15と、浮き上がり防止部16とから構成される対向端部を上下方向から挟み込む部位である。このレール取付溝1451により、戻り側のチェーンベルト145は上下方向及び左右方向に規制されて、屈曲ガイドの下部にぶら下がって前後方向に懸垂式の走行をすることが可能になる。
【0265】
載置下摺動面1452は、垂直軸付レール140と軸受付レール142と水平軸付レール141とにおける上水平板の搬送側走行路13と摺接する部位であり、上下方向に支持される部位である。
【0266】
横摺動面1453は、垂直軸付レール140と軸受付レール142と水平軸付レール141とにおける走行路側壁15と摺接する部位であり、左右方向に支持される部位である。
【0267】
戻り側のチェーンベルト145の懸垂摺動面1454は、垂直軸付レール140と軸受付レール142と水平軸付レール141における下水平板の戻り側走行路14と摺接する部位であり、懸垂支持される部位である。
【0268】
搬送側のチェーンベルト145の懸垂摺動面1454は、垂直軸付レール140と軸受付レール142と水平軸付レール141における搬送側走行路13の下側の浮き上がり防止部16と摺接する部位であり、搬送側のチェーンベルト145が浮き上がることを防止することができる。
【0269】
戻り側のチェーンベルト145の載置下摺動面1452は、垂直軸付レール140と軸受付レール142と水平軸付レール141における戻り側走行路14の下側の浮き上がり防止部16と摺接する部位であり、戻り側のチェーンベルト145が浮き上がることを防止することができる。
【0270】
[垂直軸付レール]
図42(a)、(b)、(c)は垂直軸付レール140を説明する図であり、垂直軸付レール140と軸受付レール142とを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
図42(a)は、垂直軸付レール140及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送の前後方向から観察した正面図である。
図42(b)は、垂直軸付レール140及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送の上方向から観察した平面図である。
図42(c)は、垂直軸付レール140及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送方向に対して右側から観察した図であり、
図42(a)に示すW-W矢視断面図である。
【0271】
同図に示す垂直軸付レール140は、上下、左右、前後に対称な形状にしてある。よって、
図42では説明の便宜上、上下(天地)、左右、前後を設定して説明するが、
図42に示す垂直軸付レール140の上下(天地)、左右、前後を逆にしても同様の構成である。
【0272】
図42に示す垂直軸付レール140は、搬送側走行路13と、戻り側走行路14と、走行路側壁15と、浮き上がり防止部16と、当接部17aと、斜辺部25と、側壁乗り移り部27と、上下乗り移り部29と、係合片70と、第1垂直軸71と、第2垂直軸72と、左側板1404と、右側板1405と、段差部4014、4024と、上水平板1401と、下水平板1402と、上水平板1401及び下水平板1402同士を接続する左右2つの垂直板1406と1407とを備えている。
【0273】
搬送側走行路13は、搬送側のチェーンベルト145の載置下摺動面1452を支持してチェーンベルト145の摺動走行の上下方向の案内をする機能を有する。
【0274】
戻り側走行路14は、戻り側のチェーンベルト145の懸垂摺動面1454を支持してチェーンベルト145の摺動走行の上下方向の案内をする機能を有する。
【0275】
走行路側壁15は、搬送側走行路13と浮き上がり防止部16との間の垂直面、及び戻り側走行路14と浮き上がり防止部16との間の垂直面であり、左右の走行路側壁15は対向して形成してある。走行路側壁15は、チェーンベルト145の横摺動面1453と摺接する部位であり、チェーンベルト145の左右方向を支持してチェーンベルト145を前後方向に案内する。
【0276】
走行路側壁15は、左右の屈曲半径に応じて平面視内側に凸形状に形成して、チェーンベルト145の旋回半径CRを一定に保つことができる。これにより、チェーンベルト145の旋回動作を滑らかに行わせることができ、チェーンベルト145の駆動時の脈動を少なくすることができるので、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0277】
浮き上がり防止部16は、走行中のチェーンベルト145が駆動用の張力により、搬送側走行路13又は戻り側走行路14から離間して浮き上がってしまう不具合を防止するための部位である。
【0278】
当接部17aは、垂直軸付レール140と軸受付レール142との間の垂直軸回りの屈曲角度を所定の角度に制限する回動制限部として機能する部位であり、左側板1404及び右側板1405の前後の端縁に形成することができる。また、当接部17aとして機能する部位は、左側板1404及び右側板1405の前後の端縁に限られず、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の左右半分の前後の端縁、垂直板1406若しくは1407の前後の端縁、走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁、又は上水平板1401若しくは下水平板1402の左右の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0279】
垂直軸付レール140と軸受付レール142とは垂直軸回りに屈曲することが可能であるので、
図42(b)に示すように、垂直軸付レール140の当接部17aと、軸受付レール142の当接部17bとの間の隙間(屈曲時に広くなったり狭くなったりする隙間)は、左右屈曲時の屈曲角度ぶんだけ、中央部から左右両端に向かって徐々に広くなるように形成することができる。
【0280】
図42(b)に示される斜辺部25は、搬送側走行路13、戻り側走行路14及び浮き上がり防止部16の前後の端部において、平面視した場合に前後方向に凸状に形成したことにより、チェーンベルト145の乗り移り部として機能する部分である。この平面視凸状の斜辺部25は、垂直軸付レール140と軸受付レール142とを連結したときに、軸受付レール142に形成されている平面視凹状の斜辺部26に入り込む部位である。
図42(b)に示す実施形態では、塵埃の噛み込みによる乗り移り時の衝撃を緩和するために斜辺部25、26を直線形状の斜辺で形成してあるが、矩形や曲線を用いることもできる。また、
図42(b)に示す実施形態では、垂直軸付レール140の斜辺部25を平面視凸状に形成し、軸受付レール142の斜辺部26を平面視凹状に形成してあるが、この実施形態とは逆に、垂直軸付レール140の斜辺部25を凹状に形成し、軸受付レール142の斜辺部26を凸状に形成することもできる。
【0281】
ここで、側壁乗り移り部27の側面視形状について
図43及び
図44を用いて説明し、平面視形状について
図45及び
図46を用いて説明する。
図43及び
図44は、
図42(c)の範囲Eを拡大して説明する側面図である。
図45及び
図46は、
図42(b)の範囲Fを拡大して説明する平面断面図であり、その切断面は、
図42(a)に示すV-V矢視断面である。
【0282】
側壁乗り移り部27は、走行路側壁15の前後の端部において側面視した場合に、前後方向に凸状に形成したことにより、チェーンベルト145の乗り移り部として機能する部分である(
図42(c)、
図43、
図44参照)。この凸状の側壁乗り移り部27は、垂直軸付レール140と軸受付レール142とを連結したときに、軸受付レール142に形成されている凹状の側壁乗り移り部28に入り込む部位である(
図42(c)、
図44参照)。
図42(c)及び
図44に示す実施形態では、塵埃の噛み込みによる乗り移り時の衝撃を緩和するために、側壁乗り移り部27、28の側面視形状に直線を組み入れて先細の凸状に形成してあるが、矩形や曲線を用いることもできる。また、
図42(c)及び
図44に示す実施形態では、側壁乗り移り部27を側面視凸状に形成し、軸受付レール142の側壁乗り移り部28を側面視凹状に形成してあるが、この実施形態とは逆に、垂直軸付レール140の側壁乗り移り部27を側面視凹状に形成し、軸受付レール142の側壁乗り移り部28を側面視凸状に形成することもできる。
【0283】
次に、側壁乗り移り部27の平面形状について、
図45、
図46を参照して説明する。
図45に示すように、側壁乗り移り部27の平面形状は、走行路側壁15に乗り移り左右傾斜部27aを形成して、先細形状にしてある。また、
図46に示すように、相手方の軸受付レール142の側壁乗り移り部28の平面形状も、走行路側壁15に乗り移り左右傾斜部28aを形成して、先細形状にしてある。側壁乗り移り部27及び側壁乗り移り部28の乗り移り左右傾斜は、平面視直線に形成することもできるし、平面視曲線に形成することもできる。乗り移り左右傾斜部27a及び乗り移り左右傾斜部28aの斜面同士は、垂直軸付レール140と軸受付レール142とを左右に屈曲させた状態においても、平面視した場合に180°に近い鈍角で交差する組み合わせが好ましい。
【0284】
このように側壁乗り移り部27、28を形成して垂直軸付レール140と軸受付レール142とを連結すると、チェーンベルト145が走行して垂直軸付レール140から軸受付レール142へと乗り移る際に、チェーンベルト145の横摺動面1453が、垂直軸付レール140の走行路側壁15→側壁乗り移り部27(乗り移り左右傾斜部27a)→軸受付レール142の側壁乗り移り部28(乗り移り左右傾斜部28a)→走行路側壁15と接触しながら摺動する。このときチェーンベルト145の横摺動面1453は、側壁乗り移り部27の斜面と側壁乗り移り部28の斜面との双方に接触しながら乗り移る。このように、乗り移り左右傾斜部27a、28aで摺動状態が連続するように形成してある。
【0285】
したがって、垂直軸付レール140と軸受付レール142とを屈曲させた場合であっても、屈曲角度や隙間の増減にかかわらずチェーンベルト145の横摺動面1453は滑らかに垂直軸付レール140から軸受付レール142へと乗り移ることができ、チェーンベルト145の脈動を減少させることができる。また、軸受付レール142から垂直軸付レール140へチェーンベルト145が乗り移る際も同様にチェーンベルト145の脈動を減少させることができる。そして、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0286】
垂直軸付レール140と軸受付レール142とを連結した状態でチェーンベルト145を左右方向に屈曲走行させる場合には、屈曲内側の走行路側壁15とチェーンベルト145の横摺動面1453とが摺接する。このとき、チェーンベルト145の駆動用の張力によって、強い力でチェーンベルト145の横摺動面1453が屈曲内側のレールの走行路側壁15を押圧する。そのため、チェーンベルト145の横摺動面1453が、軸受付レール142の走行路側壁15から当該垂直軸付レール40の走行路側壁15へと乗り移る際には、上述のように不連続とならないように連続して滑らかに乗り移る動作が行われることが望ましい。
【0287】
上下乗り移り部29は、斜辺部25に形成した側面形状の特徴部分である。
図43に示すように斜辺部25の上下乗り移り部29は、搬送側走行路13(又は戻り側走行路14)及び浮き上がり防止部16の前後の端部に乗り移り上下傾斜部29aを形成して、上下乗り移り部29を先細形状にしてある。また、
図44に示すように、相手方の軸受付レール142の斜辺部26にも、側面形状に特徴を有する上下乗り移り部29を形成してある。斜辺部26の上下乗り移り部29も、搬送側走行路13(又は戻り側走行路14)及び浮き上がり防止部16の前後の端部に乗り移り上下傾斜部29aを形成して、上下乗り移り部29を先細形状にしてある。上下乗り移り部29の乗り移り上下傾斜は、側面視直線に形成することもできるし、側面視曲線に形成することもできる。斜辺部25及び斜辺部26の上下乗り移り部29の斜面同士は、垂直軸付レール140と軸受付レール142とを左右に屈曲させた状態においても、側面視した場合に180°に近い鈍角で交差する組み合わせが好ましい。
【0288】
このように上下乗り移り部29を形成して垂直軸付レール140と軸受付レール142とを連結すると、搬送側のチェーンベルト145が走行して垂直軸付レール140から軸受付レール142へと乗り移る際に、チェーンベルト145の載置下摺動面1452が、垂直軸付レール140の搬送側走行路13→上下乗り移り部29(乗り移り上下傾斜部29a)→軸受付レール142の上下乗り移り部29(乗り移り上下傾斜部29a)→搬送側走行路13と接触しながら摺動する。このとき、このときチェーンベルト145の載置下摺動面1452(又は懸垂摺動面1454)は、垂直軸付レール140及び軸受付レール142の双方の上下乗り移り部29の斜面に接触しながら乗り移る。このように、乗り移り上下傾斜部で摺動状態が連続するように形成してある。
【0289】
したがって、チェーンベルト145の載置下摺動面1452は、屈曲に伴う垂直軸付レール140と軸受付レール142との間の屈曲角度や隙間の増減にかかわらず、滑らかに垂直軸付レール140から軸受付レール142へと乗り移ることができ、チェーンベルト145の脈動を減少させることができる。そして、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0290】
なお、軸受付レール142から垂直軸付レール140へチェーンベルト145が乗り移る際も同様にチェーンベルト145の脈動を減少させることができる。また同様に、戻り側のチェーンベルト145の懸垂摺動面1454も、滑らかに垂直軸付レール140の戻り側走行路14から上下乗り移り部29を介して軸受付レール142の戻り側走行路14へと乗り移ることができる。また同様に、チェーンベルト145の懸垂摺動面1454(及び載置下摺動面1452)も、垂直軸付レール140の浮き上がり防止部16から上下乗り移り部29を介して軸受付レール142の浮き上がり防止部16へと乗り移ることができる。
【0291】
上水平板1401の左右中央部の前方及び後方には、係合片70を形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、上方に突出する第1垂直軸71をそれぞれ形成してある。
【0292】
下水平板1402の左右中央部の前方及び後方にも、係合片70を形成してある。前側の係合片70の前端部と、後側の係合片70の後端部とには、下方に突出する第2垂直軸72をそれぞれ形成してある。
【0293】
第1垂直軸71及び第2垂直軸72の左右両側の上水平板1401及び下水平板1402の前後の端縁には、段差部4014及び4024を前方向及び後方向に突出させてある。段差部4014の上面は、当該垂直軸付レール140を連結する相手である軸受付レール142の上水平板1421の下面と係合させることによって、垂直軸付レール140と軸受付レール142との連結時における捩じり方向の剛性を更に高めると共に、捩じり方向の変位を減少させることができる。また同様に、段差部4024の下面は、当該垂直軸付レール140を連結する相手である軸受付レール142の下水平板1422の上面と係合させることによって、垂直軸付レール140と軸受付レール142との連結時における捩じり方向の剛性を更に高めると共に、捩じり方向の変位を減少させることができる。
【0294】
[水平軸付レール]
図47(a)、(b)、(c)は水平軸付レール141を説明する図であり、水平軸付レール141と軸受付レール142とを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
図47(a)は、水平軸付レール141及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送の前後方向から観察した正面図である。
図47(b)は、水平軸付レール141及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送の上方向から観察した平面図である。
図47(c)は、水平軸付レール141及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送方向に対して右側から観察した図であり、
図47(a)に示すU-U矢視断面図である。
【0295】
同図に示す水平軸付レール141は、上下、左右、前後に対称な形状にしてある。よって、
図47では説明の便宜上、上下(天地)、左右、前後を設定して説明するが、
図47に示す水平軸付レール141の上下(天地)、左右、前後を逆にしても同様の構成である。
【0296】
図47に示す水平軸付レール141は、搬送側走行路13と、戻り側走行路14と、走行路側壁15と、浮き上がり防止部16と、当接部18aと、斜辺部25と、側壁乗り移り部27と、上下乗り移り部29と、係合片70と、第1水平軸73と、第2水平軸74と、左側板1414と、右側板1415と、上水平板1411と、下水平板1412と、上水平板1411及び下水平板1412同士を接続する左右2つの垂直板1416と1417と、スタンド取付部4232とを備えている。なお、垂直軸付レール140の構成について説明した機能と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0297】
当接部18aは、水平軸付レール141と軸受付レール142との間の水平軸回りの屈曲角度を所定の角度に制限する回動制限部として機能する部位であり、左側板1414及び右側板1415の上下方向の前後の端縁に形成することができる。また、当接部18aとして機能する部位は、左側板1414及び右側板1415の上下方向の前後の端縁に限られず、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の前後の端縁、垂直板1416若しくは1417の上下方向の前後の端縁、走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁、又は上水平板1411及び下水平板1412の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0298】
水平軸付レール141と軸受付レール142とは水平軸回りに屈曲することが可能であるので、
図47(c)に示すように、水平軸付レール141の当接部18aと、軸受付レール142の当接部18bとの間の隙間(屈曲時に広くなったり狭くなったりする隙間)は、上下屈曲時の屈曲角度ぶんだけ、中央部から上下両端に向かって徐々に広くなるように形成することができる。
【0299】
斜辺部25と、側壁乗り移り部27、乗り移り左右傾斜部27a、上下乗り移り部29、乗り移り上下傾斜部29aの形状および機能については、
図43及び
図44の範囲Eの説明、
図45及び
図46の範囲Fの説明と同様であるため、その詳細説明は省略する。
【0300】
スタンド取付部4232は、左側板1414及び右側板1415の上下中央部かつ左右中央部に形成してある。スタンド取付部4232は、
図33に示すスタンド46等を取り付けるため部位である。
【0301】
水平軸付レール141と軸受付レール142とを連結すると、上下方向に屈曲することが可能である。このとき、搬送側のチェーンベルト145の昇降半径CRが一定になるように、浮き上がり防止部16を下に凸の形状(半径CR)に形成することもできる。また、搬送側走行路13を上に凹形状(半径CR)に形成することもできる。また、戻り側のチェーンベルト145の昇降半径CRが一定になるように、戻り側走行路14を上に凸の形状(半径CR)に形成することもできる。
【0302】
[軸受付レール]
図48(a)、(b)、(c)は、軸受付レール142の正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
図48(a)は、軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送の前後方向から観察した正面図である。
図48(b)は、軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送の上方向から観察した平面図である。
図48(c)は、軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送方向に対して右側から観察した図であり、
図42(a)に示すS-S矢視断面図である。
【0303】
同図に示す軸受付レール142は、上下、左右、前後に対称な形状にしてある。よって、
図48では説明の便宜上、上下(天地)、左右、前後を設定して説明するが、
図48に示す軸受付レール142の上下(天地)、左右、前後を逆にしても同様の構成である。
【0304】
図48に示す軸受付レール142は、搬送側走行路13と、戻り側走行路14と、走行路側壁15と、浮き上がり防止部16と、当接部17b、当接部18bと、斜辺部26と、側壁乗り移り部28と、上下乗り移り部29と、第1垂直軸受81と、第2垂直軸受82と、第1水平軸受83と、第2水平軸受84と、左側板1424と、右側板1425と、上水平板1421と、下水平板1422と、上水平板1421及び下水平板1422同士を接続する左右2つの垂直板1426と1427と、スタンド取付部4232とを備えている。なお、垂直軸付レール140又は水平軸付レール141等の構成について説明した機能と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略するものとする。なお、第1垂直軸受81と第2垂直軸受82とは同軸である。また、第1水平軸受83と第2水平軸受84とは同軸である。
【0305】
当接部17bは、垂直軸付レール140と軸受付レール142との間の垂直軸回りの屈曲角度を所定の角度に制限する回動制限部として機能する部位であり、左側板1424及び右側板1425の前後の端縁に形成することができる。また、当接部17bとして機能する部位は、左側板1424及び右側板1425の前後の端縁に限られず、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の左右の前後の端縁、垂直板1426若しくは1427の前後の端縁、又は走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁、上水平板1421及び下水平板1422の左右の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0306】
当接部18bは、水平軸付レール141と軸受付レール142との間の水平軸回りの屈曲角度を所定の角度に制限する回動制限部として機能する部位であり、左側板1424及び右側板1425の上下方向の前後の端縁に形成することができる。また、当接部18bとして機能する部位は、左側板1424及び右側板1425の上下方向の前後の端縁に限られず、搬送側走行路13若しくは戻り側走行路14の前後の端縁、垂直板1426若しくは1427の上下方向の前後の端縁、走行路側壁15若しくは浮き上がり防止部16の前後の端縁、又は上水平板1421及び下水平板1422の前後の端縁の少なくとも一部に形成することができる。
【0307】
斜辺部26は、搬送側走行路13、戻り側走行路14及び浮き上がり防止部16の前後の端部において、平面視した場合に前後方向に凹状に形成したことにより、チェーンベルト145の乗り移り部として機能する部分である。この平面視凹状の斜辺部26は、垂直軸付レール140又は水平軸付レール141と軸受付レール142とを連結したときに、垂直軸付レール140又は水平軸付レール141に形成されている平面視凸状の斜辺部25が入り込む部位である。
【0308】
ここで、側壁乗り移り部28の側面視形状について
図49及び
図44を用いて説明し、平面視形状について
図50及び
図46を用いて説明する。なお、
図49は、
図48(c)の範囲Gを拡大して説明する側面図である。
図50は、
図48(b)の範囲Hを拡大して説明する平面断面図であり、その切断面は、
図48(a)に示すV-V矢視断面である。
【0309】
側壁乗り移り部28は、走行路側壁15の前後の端部において、側面視した場合に前後方向に凹状に形成したことにより、チェーンベルト145の乗り移り部として機能する部分である(
図48(c)、
図49、
図44参照)。この凹状の側壁乗り移り部28は、垂直軸付レール140又は水平軸付レール141と軸受付レール142とを連結したときに、垂直軸付レール140又は水平軸付レール141に形成されている凸状の側壁乗り移り部27が入り込む部位である(
図42(c)、
図47(c)、
図44参照)。
【0310】
次に、側壁乗り移り部28の平面形状について、
図50を参照して説明する。
図50に示すように、側壁乗り移り部28の平面形状は、走行路側壁15に乗り移り左右傾斜部28aを形成して、先細形状にしてある。
【0311】
このように側壁乗り移り部28を形成して垂直軸付レール140又は水平軸付レール141と軸受付レール142とを連結すると、チェーンベルト145の横摺動面1453は滑らかに垂直軸付レール140又は水平軸付レール141から軸受付レール142へと乗り移ることができ、チェーンベルト145の脈動を減少させることができる。また、軸受付レール142から垂直軸付レール140又は水平軸付レール141へチェーンベルト145が乗り移る際も同様にチェーンベルト145の脈動を減少させることができる。そして、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0312】
上下乗り移り部29は、斜辺部26に形成した側面形状の特徴部分である。
図49に示すように斜辺部26の上下乗り移り部29は、搬送側走行路13(又は戻り側走行路14)及び浮き上がり防止部16に乗り移り上下傾斜部29aを形成して、上下乗り移り部29を先細形状にしてある。また、
図44に示すように、相手方の垂直軸付レール140又は水平軸付レール141の斜辺部25にも、側面形状に特徴がある上下乗り移り部29を形成してある。上下乗り移り部29の乗り移り上下傾斜は、側面視直線に形成することもできるし、側面視曲線に形成することもできる。
【0313】
このように上下乗り移り部29を形成して垂直軸付レール140又は水平軸付レール141と軸受付レール142とを連結すると、チェーンベルト145の載置下摺動面1452は滑らかに垂直軸付レール140から軸受付レール142へと乗り移ることができ、チェーンベルト145の脈動を減少させることができる。そして、駆動抵抗と駆動時の振動や騒音を減少させることができる。
【0314】
なお、軸受付レール142から垂直軸付レール140又は水平軸付レール141へチェーンベルト145が乗り移る際も同様にチェーンベルト145の脈動を減少させることができる。また同様に、戻り側のチェーンベルト145の懸垂摺動面1454も、滑らかに垂直軸付レール140又は水平軸付レール141の戻り側走行路14から上下乗り移り部29を介して軸受付レール142の戻り側走行路14へと乗り移ることができる。また同様に、チェーンベルト145の懸垂摺動面1454(及び載置下摺動面1452)も、垂直軸付レール140又は水平軸付レール141の浮き上がり防止部16から上下乗り移り部29を介して軸受付レール142の浮き上がり防止部16へと乗り移ることができる。
【0315】
スタンド取付部4232は、左側板1424及び右側板1425の上下中央部かつ左右中央部に形成してある。スタンド取付部4232は、
図33に示すスタンド46等を取り付けるため部位である。
【0316】
なお、本実施形態においては垂直軸付レール140、水平軸付レール141、軸受付レール142は前後対称の形状であるため、チェーンベルト145の正転、逆転が可能であり、正転時と、逆転時において性能に差異が生じないという特徴を有する。
【0317】
[変形例4]
次に、実施形態の変形例4について、
図51~
図53を用いて説明する。変形例4の屈曲ガイド1は、上述の変形例3と同一のチェーンベルト145を用いるものであり、変形例3において説明した搬送側走行路13、戻り側走行路14、走行路側壁15、浮き上がり防止部16、当接部17a、当接部17b、当接部18a、当接部18b、斜辺部25、斜辺部26、側壁乗り移り部27、上下乗り移り部29、係合片70、第1垂直軸71、第1水平軸73、第2水平軸74、第1垂直軸受81、第1水平軸受83、第2水平軸受84、段差部4014、段差部4024、上水平板1401、下水平板1402、垂直板1406、及び垂直板1407等は同一形状であるので、その説明は省略する。
【0318】
変形例4が上述の変形例3と相違する点は、上述の変形例3が、スタンド取付部4232を用いて水平軸付レール141や軸受付レール142を設置する構成であったのに対し、変形例4では左右の側板を戻り側のチェーンベルト145よりも下方まで伸ばして脚の機能を持たせて、水平な底板又は足部に接続して、この底板又は足部により屈曲ガイド1を設置することを可能にした点である。
【0319】
[垂直軸付レール]
図51(a)、(b)、(c)は垂直軸付レール150を説明する図であり、垂直軸付レール150と軸受付レール152とを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
図51(a)は、垂直軸付レール150及び軸受付レール152を、チェーンベルト145の搬送の前後方向から観察した正面図である。
図51(b)は、垂直軸付レール150及び軸受付レール152を、チェーンベルト145の搬送の上方向から観察した平面図である。
図51(c)は、垂直軸付レール150及び軸受付レール152を、チェーンベルト145の搬送方向に対して右側から観察した図であり、
図51(a)に示すR-R矢視断面図である。
【0320】
同図に示す垂直軸付レール150は、左右、前後に対称な形状にしてある。よって、
図51では説明の便宜上、上下(天地)、左右、前後を設定して説明するが、
図51に示す垂直軸付レール150の左右、前後を逆にしても同様の構成である。
【0321】
底板1503は、戻り側のチェーンベルト145の下方において、左側板1504及び右側板1505を接続する部位である。
【0322】
左側板1504及び右側板1505は、戻り側のチェーンベルト145よりも下方まで伸ばすことで脚の機能を持たせて、最下部において水平な底板1503又は足部1506に接続してある。足部1506は、左側板1504よりも左側(外側)に延出させてあり、右側板1505よりも右側(外側)にも延出させてある。この底板1503又は足部1506により垂直軸付レール150の設置を容易にすることができる。
【0323】
足部1506には、固定孔1590を開設してある。固定孔1590に螺子やピンを挿通することで、垂直軸付レール150を設置台に位置決めしたり、固定することが容易となる。
【0324】
切除部1507は、足部1506を左側板1504又は右側板1505から容易に取り外すことを可能にするための部位である。例えば切除部1507として、左側板1504又は右側板1505と足部1506との間に薄肉部を形成することができる。この場合には、足部1506を左側板1504又は右側板1505に対して大きく屈曲させることによって、切除部1507において破断を発生させて、左側板1504又は右側板1505から足部1506を取り外すことができる。チェーンコンベア装置Cの設置時において、一部の足部1506の存在が邪魔になる場合には、足部1506を容易に取り外すことができ、設置作業が容易になる。
【0325】
第1垂直軸71は、上水平板1401の左右中央部の前方及び後方に延出する係合片70から、上方に突出させてある。
【0326】
第2垂直軸72は、垂直軸による支持幅を広くして、連結時の剛性や強度を増すために、底板1503の左右中央部の前方及び後方に延出する係合片70から、下方に突出させてある。なお、第2垂直軸72は、変形例3と同様に上水平板1401から延出させた係合片70から下方に突出させることも可能である。ここで、第1垂直軸71と第2垂直軸72とは同軸である。
【0327】
[水平軸付レール]
図52(a)、(b)、(c)は水平軸付レール151を説明する図であり、水平軸付レール151と軸受付レール152とを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
図52(a)は、水平軸付レール151及び軸受付レール152を、チェーンベルト145の搬送の前後方向から観察した正面図である。
図52(b)は、水平軸付レール151及び軸受付レール152を、チェーンベルト145の搬送の上方向から観察した平面図である。
図52(c)は、水平軸付レール151及び軸受付レール152を、チェーンベルト145の搬送方向に対して右側から観察した図であり、
図52(a)に示すQ-Q矢視断面図である。
【0328】
同図に示す水平軸付レール151は、左右、前後に対称な形状にしてある。よって、
図52では説明の便宜上、上下(天地)、左右、前後を設定して説明するが、
図57に示す水平軸付レール151の左右、前後を逆にしても同様の構成である。
【0329】
底板1513は、戻り側のチェーンベルト145の下方において、左側板1514及び右側板1515を接続する部位である。
【0330】
左側板1514及び右側板1515は、戻り側のチェーンベルト145よりも下方まで伸ばすことで脚の機能を持たせて、最下部において水平な底板1513又は足部1516に接続してある。足部1516は、左側板1514の更に左側(外側)に延出させてあり、右側板1515の更に右側(外側)に延出させてある。この底板1513又は足部1516により水平軸付レール151の設置を容易にすることができる。
【0331】
足部1516には、固定孔1590を開設してある。固定孔1590に螺子やピンを挿通することで、水平軸付レール151を設置台に位置決めしたり、固定することが容易となる。
【0332】
切除部1517は、容易に足部1516を左側板1514又は右側板1515から取り外すことを可能にするための部位である。例えば切除部1517として、左側板1514又は右側板1515と足部1516との間に薄肉部を形成することができる。この場合には、足部1516を左側板1514又は右側板1515に対して大きく屈曲させることによって、切除部1517において破断を発生させて、左側板1514又は右側板1515から足部1516を取り外すことができる。チェーンコンベア装置Cの設置時において、一部の足部1516の存在が邪魔になる場合には、足部1516を容易に取り外すことができ、設置作業が容易になる。
【0333】
[軸受付レール]
図53(a)、(b)、(c)は、軸受付レール152の正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
図53(a)は、軸受付レール152を、チェーンベルト145の搬送の前後方向から観察した正面図である。
図53(b)は、軸受付レール152を、チェーンベルト145の搬送の上方向から観察した平面図である。
図53(c)は、軸受付レール152を、チェーンベルト145の搬送方向に対して右側から観察した図であり、
図53(a)に示P-P矢視断面図である。
【0334】
同図に示す軸受付レール152は、左右、前後に対称な形状にしてある。よって、
図53では説明の便宜上、上下(天地)、左右、前後を設定して説明するが、
図53に示す軸受付レール152の左右、前後を逆にしても同様の構成である。
【0335】
底板1523は、戻り側のチェーンベルト145の下方において、左側板1524及び右側板1525を接続する部材である。
【0336】
左側板1524及び右側板1525は、戻り側のチェーンベルト145よりも下方まで伸ばすことで脚の機能を持たせて、最下部において水平な底板1523又は足部1526に接続してある。足部1526は、左側板1524の更に左側(外側)に延出させてあり、右側板1525の更に右側(外側)に延出させてある。この底板1523又は足部1526により軸受付レール152の設置を容易にすることができる。
【0337】
足部1526には、固定孔1590を開設してある。固定孔1590に螺子やピンを挿通することで、軸受付レール152を設置台に位置決めしたり、固定することが容易となる。
【0338】
切除部1527は、容易に足部1526を左側板1524又は右側板1525から取り外すことを可能にするための部位である。例えば切除部1527として、左側板1524又は右側板1525と足部1526との間に薄肉部を形成することができる。この場合には、足部1526を左側板1524又は右側板1525に対して大きく屈曲させることによって、切除部1527において破断を発生させて、左側板1524又は右側板1525から足部1526を取り外すことができる。チェーンコンベア装置Cの設置時において、一部の足部1526の存在が邪魔になる場合には、足部1526を容易に取り外すことができ、設置作業が容易になる。
【0339】
第1垂直軸受81は、上水平板1421の左右中央部の前部及び後部の前後2か所に形成してある。第2垂直軸受82は、底板1523の左右中央部の前部及び後部の前後2か所に形成してある。なお、第2垂直軸受82は、下水平板1422の左右中央部の前部及び後部の前後2か所に形成することもできる。
【0340】
なお、本実施形態においては垂直軸付レール150、水平軸付レール151、軸受付レール152は前後対称の形状であるため、チェーンベルト145の正転、逆転が可能であり、正転時と、逆転時において性能に差異が生じないという特徴を有する。
【0341】
[変形例5]
次に、実施形態の変形例5について、
図54~
図55を用いて説明する。変形例5の屈曲ガイド1は、上述の変形例3と同一のチェーンベルト145と軸受付レール142を用いるものであり、変形例3において説明した搬送側走行路13、戻り側走行路14、走行路側壁15、浮き上がり防止部16、当接部17a、当接部17b、当接部18a、当接部18b、斜辺部25、斜辺部26、側壁乗り移り部27、上下乗り移り部29、係合片70、第1垂直軸受81、第2垂直軸受82、第1水平軸受83、第2水平軸受84、段差部4014、段差部4024、上水平板1401、下水平板1402、垂直板1406、及び垂直板1407等は同一形状であるので、その説明は省略する。
【0342】
変形例5が上述の変形例3と相違する点は、上述の変形例3では、垂直軸付レール140が第1垂直軸71及び第2垂直軸72を有すると共に、水平軸付レール141が第1水平軸73及び第2水平軸74を有していたのに対して、変形例5では、これらの軸に代えて、第1垂直軸受孔81a、第2垂直軸受孔82a、第1水平軸受孔83a、第2水平軸受孔84aを開設して、垂直連結軸163及び水平連結軸173を用いて連結することを可能にした点である。
【0343】
[左右屈曲用軸受孔付レール]
図54(a)、(b)、(c)は左右屈曲用軸受孔付レール160を説明する図であり、左右屈曲用軸受孔付レール160と軸受付レール142とを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
図54(a)は、左右屈曲用軸受孔付レール160及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送の前後方向から観察した正面図である。
図54(b)は、左右屈曲用軸受孔付レール160及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送の上方向から観察した平面図である。
図54(c)は、左右屈曲用軸受孔付レール160及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送方向に対して右側から観察した図であり、
図54(a)に示すN-N矢視断面図である。
【0344】
同図に示す左右屈曲用軸受孔付レール160は、上下、左右、前後に対称な形状にしてある。よって、
図54では説明の便宜上、上下(天地)、左右、前後を設定して説明するが、
図54に示す左右屈曲用軸受孔付レール160の上下、左右、前後を逆にしても同様の構成である。
【0345】
上水平板1401の左右中央部の前方及び後方には、係合片70を突出させてある。
図54に示す実施形態では、上水平板1401の係合片70は、軸受付レール142の上水平板1421の下面に摺接する。そして、上下方向に支持される。
【0346】
上水平板1401の係合片70には、第1垂直軸71に代えて第1垂直軸受孔81aを開設してある。左右屈曲用軸受孔付レール160と軸受付レール142とを連結する際には、左右屈曲用軸受孔付レール160の第1垂直軸受孔81aと、軸受付レール142の第1垂直軸受81との軸心を一致させることができる。
【0347】
下水平板1402の左右中央部の前方及び後方にも、係合片70を突出させてある。
図54に示す実施形態では、下水平板1402の係合片70は、軸受付レール142の下水平板1422の上面に摺接する。そして、上下方向に支持される。
【0348】
下水平板1402の係合片70には、第2垂直軸72に代えて第2垂直軸受孔82aを開設してある。第1垂直軸受孔81aと第2垂直軸受孔82aとは同軸である。左右屈曲用軸受孔付レール160と軸受付レール142とを連結する際には、左右屈曲用軸受孔付レール160の第2垂直軸受孔82aと、軸受付レール142の第2垂直軸受82との軸心を一致させることができる。
【0349】
垂直連結軸163は、左右屈曲用軸受孔付レール160と軸受付レール142とを連結するために用いる部材であると共に、左右屈曲用の垂直軸として機能する部材である。左右屈曲用軸受孔付レール160と軸受付レール142とを連結する際には、左右屈曲用軸受孔付レール160の第1垂直軸受孔81a及び軸受付レール142の第1垂直軸受81と、左右屈曲用軸受孔付レール160の第2垂直軸受孔82a及び軸受付レール142の第2垂直軸受82との軸心を合わせておき、垂直連結軸163を第1垂直軸受81と、第1垂直軸受孔81aと、第2垂直軸受孔82aと、第2垂直軸受82とに挿通して連結することができる。なお、垂直連結軸163を第1の連結軸と第2の連結軸との2つに分けることもできる。このとき第1の連結軸は、第1垂直軸受孔81aと第1垂直軸受81とに挿通し、第2の連結軸は第2垂直軸受82と第2垂直軸受孔82aとに挿通する。
【0350】
垂直連結軸163は、連結軸頭部164と、連結軸弾性変形部165と、連結軸先端掛部166とを有している。連結軸頭部164は、軸受付レール142の第1垂直軸受81に垂直連結軸163を挿通した際に、第1垂直軸受81の周囲における上水平板1421の上面に当接することで、垂直連結軸163を上下方向に位置決めして、脱落を防止する大径の部位である。連結軸弾性変形部165は、垂直連結軸163の軸部と連結軸先端掛部166との間に形成した屈曲部位であり、ここの屈曲動作により、垂直連結軸163を第1垂直軸受81、第1垂直軸受孔81a、第2垂直軸受孔82a及び第2垂直軸受82に挿通する際、又は抜脱する際に、外径が大きい連結軸先端掛部166を第1垂直軸受81、第1垂直軸受孔81a、第2垂直軸受孔82a及び第2垂直軸受82の直径内に狭める様に力を加えることで、連結軸先端掛部166の退避動作を行うことができる。連結軸先端掛部166に加えた狭める力を開放すると、連結軸先端掛部166は元の大径の位置に戻り、垂直連結軸163が所定の位置に位置決めされる。垂直連結軸163の軸部は、屈曲軸の摺動軸部として機能する。
【0351】
連結軸先端掛部166は、垂直連結軸163における連結軸頭部164の反対側の端部に形成した部位であり、軸受付レール142の第2垂直軸受82に垂直連結軸163を挿通した際に、第2垂直軸受82の周囲における下水平板1422の下面に当接することで、垂直連結軸163を上下方向に位置決めして、脱落を防止する大径の部位である。
【0352】
図54に示す実施形態では、垂直連結軸163の着脱に際して連結軸弾性変形部165を変形させることにより垂直連結軸163の挿抜と位置決めを可能にしているが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、螺子による位置決め、割ピン及びワッシャを併用した位置決め、EリングやCリングを用いた位置決め等を用いることもできる。
【0353】
[上下屈曲用軸受孔付レール]
図55(a)、(b)、(c)は上下屈曲用軸受孔付レール161を説明する図であり、上下屈曲用軸受孔付レール161と軸受付レール142とを連結した状態における正面図、平面図、側面図(一部断面図)である。
図55(a)は、上下屈曲用軸受孔付レール161及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送の前後方向から観察した正面図である。
図55(b)は、上下屈曲用軸受孔付レール161及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送の上方向から観察した平面図である。
図55(c)は、上下屈曲用軸受孔付レール161及び軸受付レール142を、チェーンベルト145の搬送方向に対して右側から観察した図であり、
図55(a)に示すM-M矢視断面図である。
【0354】
同図に示す上下屈曲用軸受孔付レール161は、上下、左右、前後に対称な形状にしてある。よって、
図55では説明の便宜上、上下(天地)、左右、前後を設定して説明するが、
図55に示す上下屈曲用軸受孔付レール161の上下、左右、前後を逆にしても同様の構成である。
【0355】
左側板1414の上下中央部の前方及び後方には、係合片70を突出させてある。
図55に示す実施形態では、左側板1414の係合片70は、軸受付レール142の左側板1424の右内面に摺接する。
【0356】
左側板1414の係合片70には、第1水平軸73に代えて第1水平軸受孔83aを開設してある。上下屈曲用軸受孔付レール161と軸受付レール142とを連結する際には、上下屈曲用軸受孔付レール161の第1水平軸受孔83aと、軸受付レール142の第1水平軸受83との軸心を一致させることができる。
【0357】
右側板1415の上下中央部の前方及び後方には、係合片70を突出させてある。
図55に示す実施形態では、右側板1415の係合片70は、軸受付レール142の右側板1425の左内面に摺接する。
【0358】
右側板1415の係合片70には、第2水平軸74に代えて第2水平軸受孔84aを開設してある。第1水平軸受孔83aと第2水平軸受孔84aとは同軸である。上下屈曲用軸受孔付レール161と軸受付レール142とを連結する際には、上下屈曲用軸受孔付レール161の第2水平軸受孔84aと、軸受付レール142の第2水平軸受84との軸心を一致させることができる。
【0359】
水平連結軸173は、上下屈曲用軸受孔付レール161と軸受付レール142とを連結するために用いる部材であると共に、上下屈曲用の水平軸として機能する部材である。上下屈曲用軸受孔付レール161と軸受付レール142とを連結する際には、上下屈曲用軸受孔付レール161の第1水平軸受孔83a及び軸受付レール142の第1水平軸受83と、上下屈曲用軸受孔付レール161の第2水平軸受孔84a及び軸受付レール142の第2水平軸受84との軸心を合わせておき、水平連結軸173を第1水平軸受83と、第1水平軸受孔83aと、第2水平軸受孔84aと、第2水平軸受84とに挿通して連結することができる。なお、水平連結軸173を第1の連結軸と第2の連結軸との2つに分けることもできる。このとき第1の連結軸は、第1水平軸受孔83aと第1水平軸受83とに挿通し、第2の連結軸は第2水平軸受84と第2水平軸受孔84aとに挿通する。
【0360】
水平連結軸173は、連結軸頭部174と、連結軸弾性変形部175と、連結軸先端掛部176とを有している。連結軸頭部174は、軸受付レール142の第1水平軸受83に水平連結軸173を挿通した際に、第1水平軸受83の周囲における左側板1424の左側面に当接することで、水平連結軸173を左右方向に位置決めして、脱落を防止する大径の部位である。連結軸弾性変形部175は、水平連結軸173の軸部と連結軸先端掛部176の間に形成した屈曲部位であり、ここの屈曲動作により、水平連結軸173を第1水平軸受83、第1水平軸受孔83a、第2水平軸受孔84a及び第2水平軸受84に挿通する際、又は抜脱する際に、外径が大きい連結軸先端掛部176を第1水平軸受83、第1水平軸受孔83a、第2水平軸受孔84a及び第2水平軸受84の直径内に狭める様に力を加えることで、連結軸先端掛部176の退避動作を行うことができる。連結軸先端掛部176に加えた狭める力を開放すると、連結軸先端掛部176は元の大径の位置に戻り、水平連結軸173が所定の位置に位置決めされる。水平連結軸173の軸部は、屈曲軸の摺動軸部として機能する。
【0361】
連結軸先端掛部176は、水平連結軸173における連結軸頭部174の反対側の端部に形成した部位であり、軸受付レール142の第2水平軸受84に水平連結軸173を挿通した際に、第2水平軸受84の周囲における右側板1425の左側面に当接することで、水平連結軸173を左右方向に位置決めして、脱落を防止する大径の部位である。
【0362】
図55に示す実施形態では、水平連結軸173の着脱に際して連結軸弾性変形部175を変形させることにより水平連結軸173の挿抜と位置決めを可能にしているが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、螺子による位置決め、割ピン及びワッシャを併用した位置決め、EリングやCリングを用いた位置決め等を用いることもできる。
【0363】
図54及び
図55に示す垂直連結軸163及び水平連結軸173を用いたレールの連結方法は、
図5、
図26、
図32、
図40、
図50及び
図51に示す屈曲ガイドにおける各レールの連結(垂直軸付レール10と軸受付レール12との連結、水平軸付レール11と軸受付レール12との連結、垂直軸付レール30と軸受付レール32との連結、水平軸付レール31と軸受付レール32との連結、垂直軸付レール40と軸受付レール42との連結、水平軸付レール41と軸受付レール42との連結、垂直軸付レール140と軸受付レール142との連結、水平軸付レール141と軸受付レール142との連結、垂直軸付レール150と軸受付レール152との連結、水平軸付レール151と軸受付レール152との連結)にも適用することができる。
なお、本実施形態においては左右屈曲用軸受孔付レール160、上下屈曲用軸受孔付レール161、軸受付レール142は前後対称の形状であるため、チェーンベルト145の正転、逆転が可能であり、正転時と、逆転時において性能に差異が生じないという特徴を有する。
【0364】
[その他、変形例]
上記実施形態では、垂直軸付レール10等と軸受付レール12等のいずれにも搬送側走行路13を設ける例を挙げて説明したが、例えば軸受付レール12等の搬送側走行路13の前後方向の長さを短く設定してもよいし、いずれか一方にのみ搬送側走行路13を設ける構成を用いてもよい。
【0365】
上記実施形態では、垂直軸付レール10等と水平軸付レール11と軸受付レール12等のいずれにも搬送側走行路13を設ける例を挙げて説明したが、いずれか2つに搬送側走行路13を設けてもよい。
【0366】
本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。上述した実施形態で挙げたチェーンコンベア装置Cやチェーンベルト3、45、145は例示であり、上述した態様に限定されるものではない。
【0367】
なお、上記実施形態は以下の発明を含むものである。
【0368】
(1)複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレール部材の搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンコンベア装置(例えば、チェーンコンベア装置C)であって、
前記複数のレール部材は、垂直方向に突出する第1垂直軸及び第2垂直軸を有する垂直軸付レールと、前記第1垂直軸を挿通可能な第1垂直軸受及び前記第2垂直軸を挿通可能な第2垂直軸受を有するレールであって前記垂直軸付レールとは異なる別個の軸受付レールとを含み、
前記第1垂直軸を前記第1垂直軸受に挿通すると共に、前記第2垂直軸を前記第2垂直軸受に挿通することによって前記垂直軸付レールと前記軸受付レールとを連結し、
前記垂直軸付レール又は前記軸受付レールの少なくともいずれか一方に前記搬送側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸及び前記第1垂直軸受は前記搬送側走行路の上方に配置し、前記第2垂直軸及び前記第2垂直軸受は前記搬送側走行路の下方に配置すると共に、前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路の範囲内に配置したことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0369】
(2)複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレール部材の搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンコンベア装置(例えば、チェーンコンベア装置C)であって、
前記複数のレール部材は、垂直方向に突出する第1垂直軸及び第2垂直軸を有する垂直軸付レールと、前記第1垂直軸を挿通可能な第1垂直軸受及び前記第2垂直軸を挿通可能な第2垂直軸受を有するレールであって前記垂直軸付レールとは異なる別個の軸受付レールとを含み、
前記第1垂直軸を前記第1垂直軸受に挿通すると共に、前記第2垂直軸を前記第2垂直軸受に挿通することによって前記垂直軸付レールと前記軸受付レールとを連結し、
前記垂直軸付レール又は前記軸受付レールの少なくともいずれか一方に前記搬送側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸及び前記第1垂直軸受並びに前記第2垂直軸及び前記第2垂直軸受を、前記搬送側走行路の下方に配置すると共に前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路の範囲内に配置したことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0370】
(3)複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレール部材の搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させると共に、戻り側の前記チェーンベルトを前記搬送側走行路の下方に設けた戻り側走行路上を走行させるチェーンコンベア装置(例えば、チェーンコンベア装置C)であって、
前記複数のレール部材は、垂直方向に突出する第1垂直軸及び第2垂直軸を有する垂直軸付レールと、前記第1垂直軸を挿通可能な第1垂直軸受及び前記第2垂直軸を挿通可能な第2垂直軸受を有するレールであって前記垂直軸付レールとは異なる別個の軸受付レールとを含み、
前記第1垂直軸を前記第1垂直軸受に挿通すると共に、前記第2垂直軸を前記第2垂直軸受に挿通することによって前記垂直軸付レールと前記軸受付レールとを連結し、
前記垂直軸付レール又は前記軸受付レールの少なくともいずれか一方に前記搬送側走行路及び前記戻り側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸及び前記第1垂直軸受並びに前記第2垂直軸及び前記第2垂直軸受を、前記搬送側走行路の下方かつ戻り側の前記チェーンベルトの上方に配置すると共に、前記搬送側走行路を平面視した場合に前記搬送側走行路の範囲内に配置したことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0371】
(4)複数のチェーン駒を連結したチェーンベルトを、複数連結したレール部材の搬送側走行路上を水平方向に屈曲走行させるチェーンコンベア装置(例えば、チェーンコンベア装置C)であって、
前記複数のレール部材は、垂直方向に突出する第1垂直軸及び第2垂直軸を有する垂直軸付レールと、前記第1垂直軸を挿通可能な第1垂直軸受及び前記第2垂直軸を挿通可能な第2垂直軸受を有するレールであって前記垂直軸付レールとは異なる別個の軸受付レールとを含み、
前記第1垂直軸を前記第1垂直軸受に挿通すると共に、前記第2垂直軸を前記第2垂直軸受に挿通することによって前記垂直軸付レールと前記軸受付レールとを連結し、
前記垂直軸付レール又は前記軸受付レールの少なくともいずれか一方に前記搬送側走行路が形成されており、
前記第1垂直軸及び前記第2垂直軸の突出方向は逆方向であることを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0372】
(5)(1)~(4)のいずれかにおいて、前記搬送側走行路を平面視した場合に、前記第1垂直軸、前記第1垂直軸受、前記第2垂直軸、及び前記第2垂直軸受を、前記搬送側走行路の幅方向中央に配置したことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0373】
(6)(1)~(5)のいずれかにおいて、前記垂直軸付レールと前記軸受付レールとを連結した状態で前記垂直軸付レールと前記軸受付レールとの前記垂直軸回りの回動を制限する回動制限部を備えたことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0374】
(7)(1)~(6)のいずれかにおいて、前記搬送側走行路は、搬送方向に対して直行する方向での幅よりも搬送方向での幅のほうが短いことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0375】
(8)(1)~(7)のいずれかにおいて、前記第1垂直軸を前記第1垂直軸受に挿通するとき、又は、前記第1垂直軸を前記第1垂直軸受から取り外すときに、前記第1垂直軸又は前記第1垂直軸受を退避させることが可能な退避構造を備え、前記第2垂直軸を前記第2垂直軸受に挿通するとき、又は、前記第2垂直軸を前記第2垂直軸受から取り外すときに、前記第2垂直軸又は前記第2垂直軸受を退避させることが可能な退避構造を備えたことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0376】
(9)(1)~(8)のいずれかにおいて、前記垂直軸付レール又は前記軸受付レールの少なくともいずれか一方に前記チェーンベルトの浮き上がりを防止する浮き上がり防止部を設けたことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0377】
(10)(1)~(9)のいずれかにおいて、チェーンベルトの左右の屈曲半径が一定になるように、走行路側壁(15)を左に凸及び右に凸の形状に形成したことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0378】
(11)(1)~(10)のいずれかにおいて、垂直軸付レール又は左右屈曲用軸受孔付レールと、軸受付レールとを連結して屈曲させた際においても、(チェーンベルトの進行方向に対して直交する線上において)チェーンベルトが、必ず双方のレールの搬送側走行路(13)に接触する区間(上下乗り移り部29、乗り移り上下傾斜部29a)を形成したことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0379】
(12)(1)~(11)のいずれかにおいて、垂直軸付レール又は左右屈曲用軸受孔付レールと、軸受付レールとを連結して屈曲させた際においても、(チェーンベルトの進行方向に対して直交する線上において)チェーンベルトが、必ず双方のレールの戻り側走行路(14)に接触する区間(上下乗り移り部29、乗り移り上下傾斜部29a)を形成したことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0380】
(13)(1)~(12)のいずれかにおいて、垂直軸付レール又は左右屈曲用軸受孔付レールと、軸受付レールとを連結して屈曲させた際においても、(チェーンベルトの進行方向に対して直交する線上において)チェーンベルトが、必ず双方のレールの浮き上がり防止部(16)に接触する区間(上下乗り移り部29、乗り移り上下傾斜部29a)を形成したことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【0381】
(14)(1)~(13)のいずれかにおいて、垂直軸付レール又は左右屈曲用軸受孔付レールと、軸受付レールとを連結して屈曲させた際においても、(チェーンベルトの進行方向に対して直交する線上において)チェーンベルトが、必ず双方のレールの走行路側壁(15)に接触する区間(側壁乗り移り部27、28、乗り移り左右傾斜部27a、28a)を形成したことを特徴とするチェーンコンベア装置。
【符号の説明】
【0382】
1 屈曲ガイド
2 直線ガイド
3、45、145 チェーンベルト
3a 載置面
3b チェーン駒
10 垂直軸付レール
11 水平軸付レール
12 軸受付レール
13 搬送側走行路
14 戻り側走行路
15 走行路側壁
16 浮き上がり防止部
17a 当接部
17b 当接部
18a 当接部
18b 当接部
20 可変スタンド
21~23 直線ガイド
24 受皿
25、26 斜辺部
27 側壁乗り移り部
27a 乗り移り左右傾斜部(変形例3、4、5)
28 側壁乗り移り部
28a 乗り移り左右傾斜部(変形例3、4、5)
29 上下乗り移り部
29a 乗り移り上下傾斜部(変形例3、4、5)
30 垂直軸付レール
31 水平軸付レール
32 軸受付レール
40 垂直軸付レール
41 水平軸付レール
42 軸受付レール
45 チェーンベルト
45a 載置面
45c 連結凹部
45d 連結凸部
45f 連結ピン孔
46 スタンド
50 製造ライン
51 組立機
52~54 部品
55~57 部品コンベア
58 仕掛品
59、99 組立機
60~61 部品
62~63 部品コンベア
64 完成品
65 梱包機
66 梱包品
68 アキュムレータ
70 係合片
71 第1垂直軸
72 第2垂直軸
73 第1水平軸
74 第2水平軸
80 係合基部
81 第1垂直軸受
81a 第1垂直軸受孔(変形例5)
82 第2垂直軸受
82a 第2垂直軸受孔(変形例5)
83 第1水平軸受
83a 第1水平軸受孔(変形例5)
84 第2水平軸受
84a 第2水平軸受孔(変形例5)
85 覆部
90~91 部品
92~23 部品コンベア
92~93 部品コンベア
99 組立機
102 天板
103 底板
104 左側板
105 右側板
112 天板
113 底板
114 左側板
115 右側板
122 天板
123 底板
124 左側板
125 右側板
140 垂直軸付レール(変形例3)
141 水平軸付レール(変形例3)
142 軸受付レール(変形例3)
145 チェーンベルト(変形例3)
145a 載置面(変形例3)
145c 連結凹部(変形例3)
145d 連結凸部(変形例3)
145f 連結ピン孔(変形例3)
150 垂直軸付レール(変形例4)
151 水平軸付レール(変形例4)
152 軸受付レール(変形例4)
160 左右屈曲用軸受孔付レール(変形例5)
161 上下屈曲用軸受孔付レール(変形例5)
163 垂直連結軸(変形例5)
164 連結軸頭部(変形例5)
165 連結軸弾性変形部(変形例5)
166 連結軸先端掛部(変形例5)
173 水平連結軸(変形例5)
174 連結軸頭部(変形例5)
175 連結軸弾性変形部(変形例5)
176 連結軸先端掛部(変形例5)
201 ベース
201a 溝
202 足
203 支持アーム
241 ベース板
242 懸垂ホルダ
301 左側板
301 側板
302 右側板
311 左側板
312 右側板
321 左側板
322 右側板
401 上水平板
402 下水平板
403 垂直板
411 上水平板
412 下水平板
413 垂直板
414 垂直板
421 上水平板
422 下水平板
422 下水平版
423 垂直板
424 垂直板
451 レール取付溝
452 跨座摺動面
453 横摺動面
454 懸垂摺動面
461 ブラケット
462 垂直支持部
463 レールホルダ
1051、1052 水平板
1053 垂直板
1151、1152 水平板
1153 垂直板
1251、1252 水平板
1253 垂直板
1401 上水平板(変形例3、4、5)
1402 下水平板(変形例3、4、5)
1404 左側板(変形例3、4、5)
1405 右側板(変形例3、4、5)
1406、1407 垂直板(変形例3、4、5)
1411 上水平板(変形例3、4、5)
1412 下水平板(変形例3、4、5)
1414 左側板(変形例3、4、5)
1415 右側板(変形例3、4、5)
1416、1417 垂直板(変形例3、4、5)
1421 上水平板(変形例3、4、5)
1422 下水平板(変形例3、4、5)
1424 左側板(変形例3、4、5)
1425 右側板(変形例3、4、5)
1426、1427 垂直板(変形例3、4、5)
1451 レール取付溝(変形例3、4、5)
1452 載置下摺動面(変形例3、4、5)
1453 横摺動面(変形例3、4、5)
1454 懸垂摺動面(変形例3、4、5)
1503 底板(変形例4)
1504 左側板(変形例4)
1505 右側板(変形例4)
1506 足部(変形例4)
1507 切除部(変形例4)
1513 底板(変形例4)
1514 左側板(変形例4)
1515 右側板(変形例4)
1516 足部(変形例4)
1517 切除部(変形例4)
1523 底板(変形例4)
1524 左側板(変形例4)
1525 右側板(変形例4)
1526 足部(変形例4)
1527 切除部(変形例4)
1590 固定孔
3011、3021 突出片
3012 突出片
3023 垂直板
3031、3032 水平板
3031、3131 上水平板
3032 水平版
3032、3132 下水平板
3111 突出片
3112 突出片
3131、3132 水平板
3133 垂直板
3211 突出片
3212 突出片
3231、3232 水平板
3233 垂直板
4014、4024、4114、4124、4215、4225 段差部
4232、4242 スタンド取付部
A 製品
B 製品
B1 分岐ユニット
B2 補給蛇腹
C チェーンコンベア装置
CL 隙間
CR 旋回半径
CW 切り欠き
D1 回収受皿
D1、D2 回収受皿
D2 回収受皿
E 拡大説明(
図42、
図47)
F 拡大説明(
図42、
図47)
G 拡大説明(
図48)
H 拡大説明(
図48)
M 接続部
P スロットマシン
Q メダル貸機
R 椅子
S 円形島
T メダル自動補給装置
U1 コンベア駆動ユニット
U1a 駆動モータ
U2 コンベアリターンユニット
WC 隙間
WD 幅寸法
WL 内法
WU 幅寸法