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特開2023-174534コンピュータプログラム、端末、方法およびサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174534
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、端末、方法およびサーバ
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/431 20110101AFI20231130BHJP
   H04N 21/235 20110101ALI20231130BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20231130BHJP
   H04L 51/52 20220101ALI20231130BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231130BHJP
【FI】
H04N21/431
H04N21/235
H04N21/258
H04L51/52
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067733
(22)【出願日】2023-04-18
(62)【分割の表示】P 2022125308の分割
【原出願日】2022-08-05
(31)【優先権主張番号】P 2022086444
(32)【優先日】2022-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【弁理士】
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】楊育▲珊▼
(72)【発明者】
【氏名】徐永吉
(72)【発明者】
【氏名】林芸安
(72)【発明者】
【氏名】王靖然
(72)【発明者】
【氏名】許勝凱
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164GA05
5C164MC04S
5C164SB08P
5C164SB21S
5C164SB29S
5C164SC11P
5C164SD12S
5C164YA11
5L049CC12
(57)【要約】

【課題】ライブ配信外でユーザが配信者にギフトを贈った場合でもユーザと配信者との相互作用を惹起する。
【解決手段】コンピュータプログラムは、ユーザの端末に、配信者に対するギフトの使用の指示を、ユーザが配信者のライブ配信に参加していない状態で、ユーザから受け付ける機能と、配信者のライブ配信中に、ユーザによるギフトの使用に対応するエフェクトを出力手段に出力させる機能と、を実現させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末に、
配信者に対するギフトの使用の指示を、前記ユーザが前記配信者のライブ配信に参加していない状態で、前記ユーザから受け付ける機能と、
前記配信者のライブ配信中に、前記ユーザによる前記ギフトの使用に対応するエフェクトを出力手段に出力させる機能と、を実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記出力させる機能は、前記ユーザが前記配信者のライブ配信に参加していない状態で前記配信者に対して使用したギフトの量または種類が基準を充たさない場合は前記エフェクトを出力させない機能を含む請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記エフェクトは、前記ユーザが前記配信者のライブ配信に参加していない状態で前記配信者に対して使用したギフトの量または種類に応じて異なる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記出力させる機能は、前記配信者のライブ配信への前記ユーザの参加を契機として前記エフェクトを出力させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記配信者のライブ配信の画面をディスプレイに表示させる機能をさらに前記端末に実現させ、
前記画面はコメントを表示する領域を有し、
前記領域において、前記ユーザが入力したコメントは、前記ユーザが前記配信者のライブ配信に参加していない状態で前記配信者に対して使用したギフトの量または種類に応じて異なるオブジェクトおよび/またはフレームに関連付けて表示される請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記受け付ける機能は、前記ユーザが前記配信者のライブ配信のアーカイブを視聴しているときに前記ギフトの使用の指示を受け付ける機能を含む請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記配信者のライブ配信中に、前記配信者のライブ配信に参加していない状態で前記配信者に対して使用されたギフトの量または回数を基準とするランキングをディスプレイに表示させる機能をさらに前記端末に実現させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
ユーザの端末であって、
配信者に対するギフトの使用の指示を、前記ユーザが前記配信者のライブ配信に参加していない状態で、前記ユーザから受け付ける手段と、
前記配信者のライブ配信中に、前記ユーザによる前記ギフトの使用に対応するエフェクトを出力手段に出力させる手段と、を備える端末。
【請求項9】
ユーザの端末で実行される方法であって、
配信者に対するギフトの使用の指示を、前記ユーザが前記配信者のライブ配信に参加していない状態で、前記ユーザから受け付けることと、
前記配信者のライブ配信中に、前記ユーザによる前記ギフトの使用に対応するエフェクトを出力手段に出力させることと、を含む方法。
【請求項10】
ライブ配信の配信者の端末に、
前記配信者のライブ配信中に、前記配信者のライブ配信に参加していない状態での前記配信者に対するギフトの使用に対応するオブジェクトをディスプレイに表示させる機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
ユーザが配信者のライブ配信に参加していない状態で前記配信者に対して使用したギフトに関する情報を保持する手段と、
前記ユーザによる前記配信者のライブ配信への参加の要求を、前記ユーザの端末からネットワークを介して受け付ける手段と、
前記要求が受け付けられると、前記保持する手段を参照し、前記ユーザによる前記ギフトの使用に対応するエフェクトを出力させるか否かを決定する手段と、を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータプログラム、端末、方法およびサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
IT技術の発展と共に情報のやりとりの様も移り変わってきた。昭和の時代には新聞やテレビなどの一方通行の情報伝達が主であった。平成になると、ケータイやパソコンが普及し、インターネットの通信速度も大きく改善されたので、チャットサービスなどの即時双方向通信サービスが台頭し、また記憶コストの低減に伴ってオンデマンド型の動画配信サービスが受け入れられていった。そして、現在、令和の時代となり、スマートフォンの高機能化や5Gに代表されるネットワークの速度のさらなる向上を受けて、動画によるリアルタイムのコミュニケーションを実現するサービス、特にライブ配信(Live Streaming)サービスが急速に認知度を高めている。ライブ配信サービスは、離れた場所にいても皆が同じ楽しい時間を共有できるサービスとして、若者を中心に利用者が拡大している。
【0003】
投げ銭などのギフトはライブ配信を盛り上げる重要な要素であると共に配信者の重要な収入源となっている。特許文献1には、ライブ配信中に投銭エフェクト画像を表示することで配信を盛り上げる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-017870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、ライブ配信内で視聴者がギフトを贈ると、エフェクトやコメントなどにより配信者は誰が何を投げたかをリアルタイムで知ることができ、即座に感謝を述べたり、パフォーマンスを披露するなどのアクションをとることができる。そしてそのアクションをライブ配信に参加している皆が見ることができる。これはライブ配信における配信者と視聴者とのコミュニケーションのひとつのあり方として定着している。
【0006】
一方、ライブ配信外で視聴者がギフトを贈った場合、配信者から視聴者へのフィードバックは無いか、あっても自動コメントがタイムラインに掲載される程度である。これではギフティングによる満足感を得ることは難しい。
【0007】
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ライブ配信外でユーザが配信者にギフトを贈った場合でもユーザと配信者との相互作用を惹起することができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、コンピュータプログラムに関する。このコンピュータプログラムは、ユーザの端末に、配信者に対するギフトの使用の指示を、ユーザが配信者のライブ配信に参加していない状態で、ユーザから受け付ける機能と、配信者のライブ配信中に、ユーザによるギフトの使用に対応するエフェクトを出力手段に出力させる機能と、を実現させる。
【0009】
本発明の別の態様もまた、コンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、ライブ配信の配信者の端末に、配信者のライブ配信中に、配信者のライブ配信に参加していない状態での配信者に対するギフトの使用に対応するオブジェクトをディスプレイに表示させる機能を実現させる。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、サーバである。このサーバは、ユーザが配信者のライブ配信に参加していない状態で配信者に対して使用したギフトに関する情報を保持する手段と、ユーザによる配信者のライブ配信への参加の要求を、ユーザの端末からネットワークを介して受け付ける手段と、要求が受け付けられると、保持する手段を参照し、ユーザによるギフトの使用に対応するエフェクトを出力させるか否かを決定する手段と、を備える。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施の形態に係るライブ配信システムの構成を示す模式図である。
図2図1のユーザ端末の機能および構成を示すブロック図である。
図3図1のサーバの機能および構成を示すブロック図である。
図4図3のストリームDBの一例を示すデータ構造図である。
図5図3のユーザDBの一例を示すデータ構造図である。
図6図3のギフトDBの一例を示すデータ構造図である。
図7図3の配信外ギフト履歴DBの一例を示すデータ構造図である。
図8図3の配信外ギフトランキングDBの一例を示すデータ構造図である。
図9図3の配信外ギフト合計テーブルの一例を示すデータ構造図である。
図10】アクティブユーザが配信者に配信外ギフトを贈るときのライブ配信システムにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
図11】配信者がライブ配信を開始しユーザがそのライブ配信に参加するときのライブ配信システムにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
図12】アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるプロフィール画面の代表画面図である。
図13】アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるアーカイブ再生画面の代表画面図である。
図14】アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示される配信外ギフティング画面の代表画面図である。
図15】ビッグ配信外ギフターが配信者のライブ配信に参加したときに、ビッグ配信外ギフターのユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
図16】ビッグ配信外ギフターが配信者のライブ配信に参加したときに、ビッグ配信外ギフターのユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
図17】ビッグ配信外ギフターがコメントを入力したときに、当該ビッグ配信外ギフターのユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
図18】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される配信外ギフトランキング画面の代表画面図である。
図19】本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図20】変形例に係る視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理、信号には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0014】
実施の形態に係るライブ配信システムでは、ユーザがライブ配信に参加していない状態で他のユーザにギフトを贈ることを可能とする。例えば、ユーザはお気に入りの配信者がライブ配信を行っていないときでもその配信者にギフトを贈ることができる。以下、ライブ配信内で、すなわちユーザがライブ配信に参加している状態でそのユーザがそのライブ配信の配信者に贈るギフトを配信内ギフトと呼び、ライブ配信外で、すなわちユーザがライブ配信に参加していない状態で配信者に贈るギフトを配信外ギフトと呼ぶ。配信外ギフトは、配信内ギフト以外のギフトであるとも言える。
【0015】
ユーザが配信外ギフトを配信者に贈った後の任意のタイミングでその配信者がライブ配信を開始する。配信外ギフトを贈ったユーザもそのライブ配信に参加する。本実施の形態に係るライブ配信システムでは、配信外ギフトを贈ったユーザがライブ配信に参加する際、配信外ギフトの使用に対応するエフェクトをライブ配信の画面に表示させる。これにより、配信外ギフトを贈ったユーザに特別感を与えることができると共に、配信者に、自分に配信外ギフトを贈ってくれたユーザがライブ配信に参加したことを知らせることができる。したがって、配信者は、ライブ配信のなかで改めて当該ユーザに配信外ギフトのお礼を述べることができる。その結果、配信外ギフトの使用が促進され、ライブ配信を通したユーザと配信者とのつながりがより強められる。
【0016】
図1は、本開示の実施の形態に係るライブ配信システム1の構成を示す模式図である。ライブ配信システム1は、配信者(ライバー、ストリーマ(Streamer)ともいう)LVと視聴者(オーディエンスともいう)AU(AU1、AU2、…)とがリアルタイムでやりとりできる双方向型のライブ配信サービスを提供する。図1に示すように、ライブ配信システム1は、サーバ10と、配信者側のユーザ端末20と、視聴者側のユーザ端末30(30a、30b、…)と、を備える。配信者および視聴者をユーザと総称することがある。ライブ配信を配信している配信者、ライブ配信を視聴している視聴者の他に、ライブ配信プラットフォームにログインしたが配信も視聴もしていないユーザもいる。このようなユーザをアクティブユーザという。また、本明細書では、配信外ギフトの受け手のユーザも配信者と称すことがある。その「配信者」は継続してライブ配信を行っており、配信外ギフトを受け取った後の任意のタイミングでライブ配信を行うことが想定されているからである。
【0017】
サーバ10は、ネットワークNWに接続された一または複数の情報処理装置によって構成されてもよい。ユーザ端末20、30は例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。サーバ10、ユーザ端末20およびユーザ端末30は、有線または無線の各種ネットワークNWにより互いに通信可能に接続される。
【0018】
ライブ配信システム1には、配信者LVと、視聴者AUと、サーバ10を管理する管理者(不図示)と、が関与する。配信者LVは、自分の歌や、トーク、パフォーマンス、占い、ゲーム実況などのコンテンツを自身のユーザ端末20で録音・録画してそのままサーバ10にアップロードすることで、リアルタイムにコンテンツを発信する者である。管理者は、サーバ10においてコンテンツのライブ配信のためのプラットフォームを提供し、また、配信者LVと視聴者AUとのリアルタイムのやりとりを仲介または管理する。視聴者AUは、ユーザ端末30でプラットフォームにアクセスして所望のコンテンツを選択し、視聴する。このコンテンツのライブ配信中に視聴者AUがユーザ端末30を介してコメントをしたり応援したり占いを依頼したりするための操作を行い、当該コンテンツを提供する配信者LVがそのようなコメントや応援や依頼に反応し、当該反応が映像および/または音声で視聴者AUに伝わることで、双方向のコミュニケーションが成立する。
【0019】
本明細書において「ライブ配信」は、配信者LVのユーザ端末20で録音・録画されたコンテンツが実質的にリアルタイムで視聴者AUのユーザ端末30で再生され視聴可能となる状態を実現するデータの伝送態様を意味するものであってもよく、またはそのような伝送態様により実現される配信そのものを意味してもよい。ライブ配信は、HTTP Live StreamingやCommon Media Application FormatやWeb Real-Time CommunicationsやReal-Time Messaging ProtocolやMPEG DASHなどの既存のライブ配信技術を用いて実現されてもよい。ライブ配信は、配信者LVがコンテンツを録音・録画しているときに、視聴者AUが所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴可能な伝送態様を含む。遅延の大きさについて、少なくとも、配信者LVと視聴者AUとのやりとりが成立する程度の大きさの遅延は許される。ただし、ライブ配信は、コンテンツを録音・録画したデータ全体をいったんサーバに保存し、その後の任意のタイミングでユーザからの求めに応じて当該データをサーバからユーザに提供するいわゆるオンデマンド型の配信とは区別される。
【0020】
本明細書において「動画データ」は、ユーザ端末20、30の撮像機能により生成される画像データ(ビデオデータともいう)と、ユーザ端末20、30の音声入力機能により生成される音声データ(オーディオデータともいう)と、を含むデータである。動画データは、ユーザ端末20、30で再生されることで、ユーザによるコンテンツの視聴を可能とする。本実施の形態では、動画データが配信者のユーザ端末で生成されてから視聴者のユーザ端末で再生されるまでの間に、圧縮や伸張や符号化や復号やトランスコーディングなどの、データの形式やサイズや仕様を変更する処理が行われることが想定されている。このような処理の前後で動画データが表す内容(例えば、動画像や音声)は実質的に変わらないので、本実施の形態ではそのような処理が行われた後の動画データはそのような処理が行われる前の動画データと同じであるとして説明する。すなわち、動画データが配信者のユーザ端末で生成されてからサーバ10を経由して視聴者のユーザ端末で再生される場合、配信者のユーザ端末で生成された動画データと、サーバ10を通過する動画データと、視聴者のユーザ端末で受信されて再生される動画データと、は全て同じ動画データである。
【0021】
図1の例では、配信者LVがトークをライブ配信している。配信者LVのユーザ端末20はトークを行っている配信者LVの像および音声を録画・録音することで動画データを生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。併せてユーザ端末20は、録画された配信者LVの動画像VDをユーザ端末20のディスプレイに表示させることで、配信者LVによる配信内容の確認を可能とする。
【0022】
配信者LVのライブ配信の視聴をプラットフォームに要求した視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bはそれぞれ、ネットワークNWを介してライブ配信に係る動画データを受信し、受信した動画データを再生することでディスプレイに動画像VD1、VD2を表示させると共にスピーカーから音声を出力する。各ユーザ端末30a、30bで表示される動画像VD1、VD2は配信者LVのユーザ端末20が撮像した動画像VDと実質的に同一であり、各ユーザ端末30a、30bで出力される音声も配信者LVのユーザ端末20が録音した音声と実質的に同一である。
【0023】
配信者LVのユーザ端末20における録音・録画と、視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bにおける動画データの再生と、は実質的に同時に行われる。配信者LVのトークの内容についてひとりの視聴者AU1がコメントをユーザ端末30aに入力すると、サーバ10は当該コメントをリアルタイムで配信者LVのユーザ端末20に表示させると共に各視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bにも表示させる。当該コメントを読んだ配信者LVがその内容に被せたトークを展開すると、そのトークの動画像と音声が各視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bで出力され、これにより配信者LVと視聴者AU1との会話が成立したと認識される。このように、ライブ配信システム1では、一方通行でない双方向のコミュニケーションを可能とするライブ配信が実現される。
【0024】
図2は、図1のユーザ端末20の機能および構成を示すブロック図である。ユーザ端末30はユーザ端末20と同様の機能および構成を有する。図2および以後のブロック図に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0025】
配信者LVおよび視聴者AUは、ダウンロードサイトからネットワークNWを介して、本実施の形態に係るライブ配信アプリケーションプログラム(以下、ライブ配信アプリという)をユーザ端末20、30にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、ライブ配信アプリはユーザ端末20、30にプリインストールされていてもよい。ライブ配信アプリがユーザ端末20、30により実行されることにより、ユーザ端末20、30はネットワークNWを介してサーバ10と通信し、各種機能を実現する。以下、ユーザ端末20、30(のCPUなどのプロセッサ)がライブ配信アプリを実行することにより実現する機能をユーザ端末20、30の機能として説明する。それらの機能は実際はライブ配信アプリがユーザ端末20、30に実現させる機能である。なお、他の実施の形態では、これらの機能は、サーバ10からユーザ端末20、30のウェブブラウザにネットワークNWを介して送信され、そのウェブブラウザによって実行される、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語により記述されたコンピュータプログラムにより実現されてもよい。
【0026】
ユーザ端末20は、ユーザの像および音声を記録した動画データを生成してサーバ10に提供する配信部100と、サーバ10から動画データを取得して再生する視聴部200と、アクティブユーザによる要求を処理する配信外処理部400と、を備える。ユーザは、配信を行う場合は配信部100を、視聴を行う場合は視聴部200を、視たいライブ配信を探したり配信者のプロフィールを視たりアーカイブを視たりする場合は配信外処理部400を、それぞれ起動する。配信部100がアクティブとなっているユーザ端末は配信者側、つまり動画データの生成側のユーザ端末であり、視聴部200がアクティブとなっているユーザ端末は視聴者側、つまり動画データの再生側のユーザ端末であり、配信外処理部400がアクティブとなっているユーザ端末はアクティブユーザのユーザ端末である。配信外処理部400はサーバ10の配信外ギフト処理部308と協働して配信外ギフトに係る処理を行う。
【0027】
配信部100は、撮像制御部102と、音声制御部104と、動画送信部106と、配信側UI制御部108と、配信側通信部110と、を含む。撮像制御部102は図2では不図示のカメラと接続され、カメラによる撮像を制御する。撮像制御部102はカメラから画像データを取得する。音声制御部104は図2では不図示のマイクロフォンと接続され、マイクロフォンによる音声入力を制御する。音声制御部104は、マイクロフォンから音声データを取得する。動画送信部106は、撮像制御部102により取得された画像データおよび音声制御部104により取得された音声データを含む動画データを、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。動画送信部106による動画データの送信はリアルタイムで行われる。すなわち、撮像制御部102および音声制御部104による動画データの生成と、生成された動画データの動画送信部106による送信と、は実質的に同時に行われる。
【0028】
配信側UI制御部108は、配信者向けのUIを制御する。配信側UI制御部108は、図2では不図示のディスプレイと接続され、動画送信部106による送信対象となっている動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させる。配信側UI制御部108は、図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して配信者による入力を取得する。配信側UI制御部108は、動画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、配信者から入力を受け付けるための様々なユーザインタフェースオブジェクト(以下、単にオブジェクトという)と、視聴者により入力されたコメントと、ギフトに対応するエフェクトと、サーバ10から取得した情報と、を含む。配信側UI制御部108は例えば配信者によるオブジェクトに対するタップ入力を受け付ける。
【0029】
配信側通信部110は、ライブ配信中のサーバ10との間の通信を制御する。配信側通信部110は、配信側UI制御部108が取得した配信者による入力の内容を、サーバ10にネットワークNWを介して送信する。配信側通信部110は、ライブ配信に関連付けられた各種の情報をサーバ10からネットワークNWを介して受信する。
【0030】
視聴部200は、視聴側UI制御部202と、視聴側通信部204と、を含む。視聴側通信部204は、ライブ配信中のサーバ10との間の通信を制御する。視聴側通信部204は、ネットワークNWを介してサーバ10から、配信者と視聴者とが参加するライブ配信に係る動画データを受信する。
【0031】
視聴側UI制御部202は、視聴者向けのUIを制御する。視聴側UI制御部202は、図2では不図示のディスプレイおよびスピーカと接続され、受信された動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させると共に音声をスピーカから出力させる。ディスプレイに画像が出力されると共にスピーカから音声が出力されることを、合わせて「動画データが再生」されていると言うことができる。視聴側UI制御部202は、図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して視聴者による入力を取得する。視聴側UI制御部202は、サーバ10から取得された動画データの画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、視聴者から入力を受け付けるための様々なオブジェクトと、視聴者により入力されたコメントと、ギフトに対応するエフェクトと、サーバ10から取得した情報と、を含む。視聴側通信部204は、視聴側UI制御部202が取得した視聴者による入力の内容を、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。
【0032】
配信外処理部400は、配信外UI制御部402と、配信外通信部404と、を含む。配信外UI制御部402は、アクティブユーザ向けのUIを制御する。例えば、配信外UI制御部402は、現在参加可能なライブ配信のリストを表示してアクティブユーザによるライブ配信の選択を受け付けるライブ配信選択画面を生成し、ディスプレイに表示させる。配信外UI制御部402は、任意のユーザのプロフィール画面を生成し、ディスプレイに表示させる。配信外UI制御部402は、過去のライブ配信を録音・録画することにより生成されたアーカイブを再生する。
【0033】
配信外通信部404は、ライブ配信外のサーバ10との間の通信を制御する。配信外通信部404は、ネットワークNWを介してサーバ10から、ライブ配信選択画面を生成するための情報や、プロフィール画面を生成するための情報や、アーカイブのデータを受信する。配信外通信部404は、アクティブユーザによる入力の内容を、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。
【0034】
図3は、図1のサーバ10の機能および構成を示すブロック図である。サーバ10は、配信情報提供部302と、中継部304と、配信内ギフト処理部306と、配信外ギフト処理部308と、支払い処理部310と、配信開始受付部322と、配信外ギフト集計部324と、エフェクト決定部326と、ランキング部328と、ストリームDB314と、ユーザDB318と、ギフトDB320と、配信外ギフト履歴DB330と、配信外ギフトランキングDB332と、配信外ギフト合計テーブル334と、を備える。
【0035】
図4は、図3のストリームDB314の一例を示すデータ構造図である。ストリームDB314は現在行われているライブ配信の情報を保持する。ストリームDB314は、ライブ配信システム1が提供するライブ配信プラットフォームにおいてライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者を特定するユーザIDである配信者IDと、当該ライブ配信の視聴者を特定するユーザIDである視聴者IDと、を対応付けて保持する。
【0036】
本実施の形態に係るライブ配信システム1が提供するライブ配信プラットフォームでは、ユーザがライブ配信を行う場合そのユーザは配信者となり、また同じユーザが他のユーザが配信するライブ配信を視聴する場合は視聴者となる。したがって、配信者・視聴者の別は固定的なものではなく、あるとき配信者IDとして登録されていたユーザIDが別のタイミングでは視聴者IDとして登録されることもある。
【0037】
図5は、図3のユーザDB318の一例を示すデータ構造図である。ユーザDB318は、ユーザに関する情報を保持する。ユーザDB318は、ユーザを特定するユーザIDと、当該ユーザが有しているポイントと、当該ユーザに付与された報酬と、を対応付けて保持する。ポイントは、ライブ配信プラットフォーム内で流通する電子的価値である。ユーザはクレジットカードや他の決済手段によりポイントを購入する。報酬はライブ配信プラットフォーム内で定義される電子的価値であり、配信者がライブ配信プラットフォームの管理者から受け取る金銭の額を決めるための指標である。ライブ配信プラットフォームでは、ライブ配信内やライブ配信外で視聴者が配信者にギフトを贈ると、視聴者のポイントが消費され、併せて配信者の報酬が相応分だけ増加する。
【0038】
図6は、図3のギフトDB320の一例を示すデータ構造図である。ギフトDB320は、ライブ配信において視聴者が使用可能なギフトに関する情報を保持する。ギフトは、以下の特徴を有する電子データである。
・ポイントや金銭を対価として購入可能、または無料で付与可能。
・ライブ配信内では視聴者が、ライブ配信外ではアクティブユーザが配信者に贈ることができるもの。配信者にギフトを贈ることを、ギフトを使用する、またはギフトを投げるともいう。
・ギフトの購入と使用とがセットで同時に発生するタイプのものもあれば、購入した後、視聴者が任意のタイミングで使用可能なタイプのものもある。
・配信者にギフトが贈られると、その配信者に相応の報酬が付与される。
・ギフトが使用された場合、ギフトに関連付けられた効果が生じることがある。例えば、ギフトに対応するエフェクトがライブ配信ルーム画面に表れる。
【0039】
ギフトDB320は、ギフトを特定するギフトIDと、当該ギフトを配信者に贈った場合に当該配信者に付与される報酬である付与報酬と、当該ギフトを使用する際に支払うべき対価である対価ポイントと、当該ギフトの種別と、を対応付けて保持する。視聴者は、ライブ配信の視聴中に、またはライブ配信外で、所望のギフトの対価ポイントを支払うことで配信者に当該ギフトを贈ることができる。この対価ポイントの支払いは適宜の電子的決済手段により行われてもよく、例えば対価ポイントを視聴者が管理者に支払うことで行われてもよい。あるいはまた、銀行振込やクレジットカードによる支払いが用いられてもよい。付与報酬と対価ポイントとの関係は管理者が任意に設定可能である。例えば、付与報酬=対価ポイントに設定してもよい。または付与報酬に1.2などの所定の係数を乗じて得られるポイントを対価ポイントに設定してもよいし、付与報酬に所定の手数料ポイントを加算して得られるポイントを対価ポイントに設定してもよい。
【0040】
ギフトの種別には、配信内ギフトであることを示す「配信内」と、配信外ギフトであることを示す「配信外」と、配信内でも配信外でも使用することができることを示す「両方」と、がある。配信内ギフトは配信外では使用不可に設定され、配信外ギフトは配信内では使用不可に設定される。
【0041】
ライブ配信に参加している視聴者のユーザ端末は、ネットワーク10を介して使用可能なギフトのリストをサーバ10に要求する。サーバ10の配信内ギフト処理部306は当該要求に応じてギフトDB320を参照し、種別が「配信内」、「両方」となっているギフトのギフトIDを特定する。配信内ギフト処理部306は、特定されたギフトIDのリストを生成し、要求元のユーザ端末に送信する。要求元のユーザ端末の視聴側UI制御部202は、受信したリストに含まれるギフトIDで特定されるギフトのギフトアイコンをディスプレイに表示させる。
【0042】
アクティブユーザのユーザ端末は、ネットワーク10を介して使用可能なギフトのリストをサーバ10に要求する。サーバ10の配信外ギフト処理部308は当該要求に応じてギフトDB320を参照し、種別が「配信外」、「両方」となっているギフトのギフトIDを特定する。配信外ギフト処理部308は、特定されたギフトIDのリストを生成し、要求元のユーザ端末に送信する。要求元のユーザ端末の配信外UI制御部402は、受信したリストに含まれるギフトIDで特定されるギフトのギフトアイコンをディスプレイに表示させる。
【0043】
図7は、図3の配信外ギフト履歴DB330の一例を示すデータ構造図である。配信外ギフト履歴DB330は、ユーザが配信者のライブ配信に参加していない状態で当該配信者に対して使用した配信外ギフトに関する情報を保持する。特に配信外ギフト履歴DB330は配信外ギフトの使用履歴を保持する。配信外ギフト履歴DB330は、使用された配信外ギフトごとに、当該配信外ギフトの贈り先のユーザIDと、当該配信外ギフトの贈り主のユーザIDと、当該配信外ギフトが使用された時刻と、当該配信外ギフトのギフトIDと、当該配信外ギフトの対価ポイントと、を対応付けて保持する。
【0044】
図8は、図3の配信外ギフトランキングDB332の一例を示すデータ構造図である。配信外ギフトランキングDB332は、特定の配信者に対して配信外ギフトを贈ったユーザを配信外ギフトの量で順位付けしたランキング情報を保持する。配信者ごとに配信外ギフトランキングDB332が生成される。配信外ギフトランキングDB332は、順位と、特定の配信者に対して配信外ギフトを贈った贈り主のユーザのユーザIDと、当該贈り主のユーザが特定の配信者に贈った配信外ギフトの対価ポイントの合計と、を対応付けて保持する。
【0045】
図9は、図3の配信外ギフト合計テーブル334の一例を示すデータ構造図である。配信外ギフト合計テーブル334は、配信者がライブ配信を開始すると当該ライブ配信に対応付けて生成される。配信外ギフト合計テーブル334は、対応するライブ配信の配信者に対して使用された配信外ギフトの集計結果を保持する。配信外ギフト合計テーブル334は、対応する配信者に対して配信外ギフトを贈った贈り主のユーザのユーザIDと、当該贈り主のユーザが対応する配信者に贈った配信外ギフトの対価ポイントの合計と、を対応付けて保持する。
【0046】
以下、ライブ配信外、ライブ配信内の二つのフェーズに分けて各部の処理を説明する。
(ライブ配信外)
図10は、アクティブユーザが配信者に配信外ギフトを贈るときのライブ配信システム1における一連の処理の流れを示すフローチャートである。アクティブユーザは他のユーザのプロフィールの閲覧要求や、他のユーザの過去のライブ配信のアーカイブの視聴要求をユーザ端末に入力し、当該ユーザ端末の配信外UI制御部402はそのような要求を受け付ける。配信外通信部404は、受け付けた要求に対応する情報の提供要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。配信情報提供部302は、そのように送信された情報の提供要求を受信する(S202)。配信情報提供部302は、要求された情報を取得し、要求元のアクティブユーザのユーザ端末に送信する(S204)。ユーザ端末の配信外UI制御部402は、受信した情報に基づき、アクティブユーザの要求に対応する画面を生成し、ディスプレイに表示させる。例えば、プロフィールの閲覧要求の場合、情報の提供要求はプロフィールを取得すべきユーザのユーザIDを含む。配信外通信部404が受信する情報は、情報の提供要求に含まれるユーザIDで特定されるユーザのプロフィールを含む。配信外UI制御部402は、受信したプロフィールに基づきプロフィール画面を生成し、ディスプレイに表示させる。アーカイブの視聴要求の場合、情報の提供要求はアクティブユーザに指定されたアーカイブを特定する特定情報を含む。配信外通信部404が受信する情報は、情報の提供要求に含まれる特定情報により特定されるアーカイブのデータを含む。配信外UI制御部402は、受信したデータに基づきアーカイブを再生する。
【0047】
アクティブユーザは、プロフィール画面において、またはアーカイブの再生中に、配信外ギフトの使用をユーザ端末に指示する。配信外UI制御部402は、当該指示を受け付ける。配信外通信部404は、アクティブユーザによる配信者に対する配信外ギフトの使用を示す配信外ギフト使用信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。配信外ギフト処理部308は、配信外ギフト使用信号を受信する(S206)。配信外ギフト使用信号は、配信外ギフトを使用したアクティブユーザのユーザIDと、配信外ギフトの贈り先の配信者のユーザIDと、配信外ギフトを特定するギフトIDと、を含む。
【0048】
支払い処理部310は、配信外ギフト使用信号の受信に応じて、贈り主のアクティブユーザによる配信外ギフトの対価ポイントの支払いを処理する(S208)。支払い処理部310は、ギフトDB320を参照し、配信外ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定される配信外ギフトの対価ポイントを特定する。支払い処理部310は、配信外ギフト使用信号に含まれるアクティブユーザのユーザIDに対応するポイントから特定された対価ポイントを差し引くようユーザDB318を更新する。
【0049】
配信外ギフト処理部308は、配信外ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定される配信外ギフトの付与報酬に応じて贈り先の配信者の報酬を増加させるようにユーザDB318を更新する(S210)。配信外ギフト処理部308は、ギフトDB320を参照し、受信した配信外ギフト使用信号に含まれるギフトIDに対応する付与報酬を特定する。配信外ギフト処理部308は、配信外ギフト使用信号に含まれる配信者のユーザIDに対応する報酬に、特定された付与報酬を加えるようユーザDB318を更新する。
【0050】
配信外ギフト処理部308は、配信外ギフト使用信号の受信に応じて配信外ギフト履歴DB330を更新する(S212)。配信外ギフト処理部308は、アクティブユーザが使用した配信外ギフトの情報を配信外ギフト履歴DB330に登録する。配信外ギフト処理部308は、配信外ギフト使用信号に含まれる配信者のユーザID、配信外ギフト使用信号に含まれるアクティブユーザのユーザID、配信外ギフト使用信号をサーバ10が受信した時刻、配信外ギフト使用信号に含まれるギフトID、当該ギフトIDで特定される配信外ギフトの対価ポイント、をそれぞれ贈り先ユーザID、贈り主ユーザID、実行時刻、ギフトID、対価ポイント、とするレコードを配信外ギフト履歴DB330に追加する。
【0051】
配信外ギフト処理部308は、周期的に、例えば1日1回、配信外ギフト履歴DB330にアクセスし、使用されてから所定の期間が経過した配信外ギフトを削除する。例えば、配信外ギフト処理部308は、配信外ギフト履歴DB330に保持されている各レコードについて、実行時刻と現在時刻との差が30日を上回っていればそのレコードを削除する。
【0052】
(ライブ配信内)
図11は、配信者がライブ配信を開始しユーザがそのライブ配信に参加するときのライブ配信システム1における一連の処理の流れを示すフローチャートである。配信開始受付部322は、ネットワークNWを介して、配信者のユーザ端末20からライブ配信の開始を示すライブ配信開始信号を受信する(S214)。配信開始受付部322は、開始されたライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者の配信者IDと、をストリームDB314に登録する。
【0053】
配信外ギフト集計部324は、ステップS214でライブ配信を開始した配信者に対して使用された配信外ギフトの情報を取得する(S216)。配信外ギフト集計部324は、配信外ギフト履歴DB330を参照し、ステップS214で開始されたライブ配信の配信者の配信者IDを贈り先ユーザIDとするレコードを取得すると共に、そのレコードを配信外ギフト履歴DB330から削除する。
【0054】
配信外ギフト集計部324は、ステップS214で開始されたライブ配信の配信者に対して使用された配信外ギフトを集計する(S218)。配信外ギフト集計部324は、ステップS216で取得されたレコードの対価ポイントを、贈り主ユーザIDごとに合算する。配信外ギフト集計部324は、ステップS214で開始されたライブ配信に対応付けられた配信外ギフト合計テーブル334を新規生成する。配信外ギフト集計部324は、集計結果、すなわち贈り主ユーザIDとそのユーザが贈った配信外ギフトの対価ポイントの合計値と、を配信外ギフト合計テーブル334に登録する(S220)。図7の例では、配信者「S005」がライブ配信を開始した場合、配信外ギフト集計部324は贈り主ユーザID「SS5」に対して配信外ギフトの対価ポイントの合計値「4500」(4000+500)を算出し、それを配信外ギフト合計テーブル334に登録する。以下、ライブ配信に対応付けて生成された配信外ギフト合計テーブル334に登録されている贈り主ユーザを配信外ギフターと称す。
【0055】
ステップS218で集計の対象となる配信外ギフトは、配信者が前回のライブ配信を終了してから今回のライブ配信を開始するまでの間に当該配信者に贈られた配信外ギフトである。ただし、配信外ギフト処理部308による配信外ギフト履歴DB330の周期的な更新のため、前回のライブ配信から30日以上経過している場合、ステップS218で集計の対象となる配信外ギフトは、30日前から今回のライブ配信を開始するまでの間に配信者に贈られた配信外ギフトとなる。このように、比較的古い配信外ギフトを集計の対象から外すことで、記憶に無い配信外ギフトに対して入室エフェクトを表示することでユーザや配信者を混乱させるという状況が起こりにくくなる。
【0056】
配信情報提供部302は、プッシュ通知送信基準を充たす配信外ギフター、すなわち配信外ギフターのなかでも配信外ギフトの対価ポイント合計がしきい値を上回るビッグ配信外ギフターを特定する(S222)。しきい値は管理者により設定されてもよく、例えば100、1000、3000などに設定されてもよい。配信情報提供部302は、ステップS220で生成、更新された配信外ギフト合計テーブル334を参照し、対価ポイント合計がしきい値を上回る贈り主ユーザをビッグ配信外ギフターとして特定する。
【0057】
配信情報提供部302は、ステップS214で開始されたライブ配信の情報を含むプッシュ通知を生成し、ステップS222で特定されたビッグ配信外ギフターのユーザ端末にネットワークNWを介して送信する(S224)。図9の例では、配信情報提供部302は対価ポイント合計がしきい値=3000を上回る贈り主ユーザ「SS43」、「SS5」をビッグ配信外ギフターとして特定する。配信情報提供部302は、配信者「S005」がライブ配信を開始した旨のテキストおよび当該ライブ配信に参加するためのリンクを含むプッシュ通知を生成し、ビッグ配信外ギフター「SS43」、「SS5」のユーザ端末に送信する。これにより、配信者にとっては、使用可能なプッシュ通知の数が限られているなかで、自分により多くの配信外ギフトを贈ってくれたエンゲージメントの高いビッグ配信外ギフターに選択的にプッシュ通知を送ることができるので、より少ない数のプッシュ通知でより多くの視聴者を集めることができる。また、より多くの配信外ギフトを贈ってくれたビッグ配信外ギフターのライブ配信への参加確率が高まるので、お礼の伝え忘れを低減することができる。ビッグ配信外ギフターにとっては、プッシュ通知を取得することで、後述の特別な入室エフェクトをより確実に得ることができるようになる。
【0058】
配信情報提供部302は、配信外ギフターを含む任意のアクティブユーザによる、ステップS214で開始されたライブ配信への参加の要求を、当該アクティブユーザのユーザ端末からネットワークNWを介して受け付ける(S226)。参加の要求を受け付けるルートとして、本実施の形態では以下の2通りを想定する。
(1)ステップS224で送信されたプッシュ通知に対応するルート
このルートでは、プッシュ通知を受けたユーザ端末が、プッシュ通知に応答する形で、ステップS214で開始されたライブ配信への参加の要求を生成し、サーバ10に送信する。
(2)ライブ配信選択画面を経由するルート
このルートでは、配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、アクティブユーザのユーザ端末の配信外通信部404からライブ配信に関する情報の提供要求を受ける。配信情報提供部302は、当該提供要求を受信すると、ストリームDB314を参照して現在視聴可能なライブ配信のリストを生成する。このリストには、ステップS214で開始されたライブ配信が含まれる。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、生成されたリストを要求元のユーザ端末に送信する。要求元のユーザ端末の配信外UI制御部402は、受信したリストに基づいてライブ配信選択画面を生成し、ユーザ端末のディスプレイに表示させる。配信外通信部404は、ライブ配信選択画面においてステップS214で開始されたライブ配信が選択されると、選択されたライブ配信への参加の要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。
【0059】
配信情報提供部302は、参加の要求を受け付けると、ステップS214で開始されたライブ配信の、要求元のユーザ端末への提供を開始する。配信情報提供部302は、当該ライブ配信のストリームIDの視聴者IDに要求元のユーザ端末のアクティブユーザのユーザIDが含まれるようにストリームDB314を更新する。これにより、アクティブユーザのライブ配信への参加が実現される。
【0060】
エフェクト決定部326は、参加の要求が受け付けられると、配信外ギフト合計テーブル334を参照し、参加を要求したアクティブユーザによる配信外ギフトの使用に対応する入室エフェクトを表示させるか否かを決定する。エフェクト決定部326はまず配信外ギフト合計テーブル334を参照し、参加を要求したアクティブユーザが配信外ギフターであるか否かを判定する。エフェクト決定部326は、アクティブユーザが配信外ギフターでない場合は入室エフェクトの表示は行わないと決定する。エフェクト決定部326は、アクティブユーザが配信外ギフターである場合、その配信外ギフターによる配信外ギフトの総額が基準を充たす場合、入室エフェクトを表示させると決定し、そうでなければ表示させないと決定する。エフェクト決定部326は、ステップS214で開始されたライブ配信に配信外ギフターが参加すると(S226のYES)、配信外ギフト合計テーブル334を参照し、参加した配信外ギフターの配信外ギフトの対価ポイント合計を取得する(S228)。エフェクト決定部326は、取得された対価ポイント合計としきい値とを比較する(S230)。ステップS230のしきい値とステップS222のしきい値とは同じ値に設定されてもよいし、異なるように設定されてもよい。本実施の形態では同じ値に設定される。エフェクト決定部326は、取得された対価ポイント合計がしきい値以下の場合(S230のNO)、入室エフェクトの表示は行わないと決定する。
【0061】
エフェクト決定部326は、取得された対価ポイント合計がしきい値を上回る場合(S230のYES)、配信外ギフターがビッグ配信外ギフターであると判定し、対価ポイント合計に対応する入室エフェクトを特定する(S232)。本実施の形態では、それぞれが対価ポイント合計の範囲に対応する複数の異なる入室エフェクトが提供される。一例では、対価ポイント合計が多いほどより豪華な入室エフェクトが提供される。入室エフェクトを表示するためのデータは、サーバ10に保持され、必要に応じてユーザ端末に送信されてもよい。あるいはまた、予めユーザ端末が入室エフェクトを表示するためのデータを保持しておき、エフェクト決定部326がどの入室エフェクトを表示させるかを指定する信号を生成してユーザ端末に送信してもよい。本実施の形態では、ユーザ端末が予め豪華さの異なる複数の入室エフェクトを表示するための複数のデータを保持しておく場合を説明する。エフェクト決定部326は、対価ポイント合計に対応する入室エフェクトの入室エフェクトIDを取得する。
【0062】
エフェクト決定部326は、ステップS232で特定された入室エフェクトをライブ配信ルーム画面に表示させるための入室エフェクト指定信号を生成し、ステップS214で開始されたライブ配信に参加している全てのユーザ(配信者および視聴者)のユーザ端末に送信する(S234)。入室エフェクト指定信号は、ステップS232で取得された入室エフェクトIDを含む。
【0063】
一例として、対価ポイント合計と入室エフェクトとの対応関係が以下のように設定されている場合を考える。
対価ポイント合計 入室エフェクト 入室エフェクトID
0~2999 (無し)
3000~3999 短時間の小さなエフェクト G1
4000~ 長時間の大きなエフェクト G2
配信者「S005」がライブ配信を開始すると、図9に示される配信外ギフト合計テーブル334が生成される。このライブ配信にビッグ配信外ギフター「SS43」が参加すると、エフェクト決定部326は、配信外ギフト合計テーブル334を参照し、対応する対価ポイント合計「3500」を取得する。エフェクト決定部326は上記の対応関係を参照し、入室エフェクトID「G1」を取得する。エフェクト決定部326は取得された入室エフェクトID「G1」を含む入室エフェクト指定信号を生成し、ビッグ配信外ギフター「SS43」のユーザ端末に送信する。当該ユーザ端末の視聴側UI制御部202は、受信した入室エフェクト指定信号に含まれる入室エフェクトID「G1」に対応する短時間の小さなエフェクトをライブ配信ルーム画面に表示させる。入室エフェクト指定信号は配信者のユーザ端末および他の視聴者のユーザ端末にも送信され、そのそれぞれにおいて同じ短時間の小さなエフェクトが表示される。これにより、ビッグ配信外ギフター「SS43」は自分の入室とほぼ同時に入室エフェクトを視るので、他の配信外ギフトを贈っていないユーザとは違い、自分は配信者にとってより特別な存在であるという特別感を得ることができる。また、配信者は入室エフェクトを視ることで、自分に配信外ギフトを所定量以上贈ってくれたビッグ配信外ギフターがライブ配信に参加したことを認識することができ、ライブ配信内で直接お礼を言うことができる。
【0064】
図3に戻り、他の機能部を説明する。
中継部304は、配信情報提供部302によって開始されたライブ配信において、配信者のユーザ端末20から視聴者のユーザ端末30への動画データの伝送を中継する。中継部304は、ライブ配信中すなわち動画データの再生中における視聴者によるユーザ入力を示す信号を視聴側通信部204から受信する。ユーザ入力を示す信号は、ユーザ端末30のディスプレイに表示されたオブジェクトの指定を示すオブジェクト指定信号であってもよく、当該オブジェクト指定信号は、視聴者の視聴者IDと、視聴者が視聴しているライブ配信を行っている配信者の配信者IDと、オブジェクトを特定するオブジェクトIDと、を含む。オブジェクトがギフトアイコンである場合、オブジェクトIDはギフトIDとなる。その場合のオブジェクト指定信号は、視聴者による配信者に対する配信内ギフトの使用を示す配信内ギフト使用信号となる。同様に、中継部304は、動画データの再生中における配信者によるユーザ入力を示す信号、例えばオブジェクト指定信号をユーザ端末20の配信部100の配信側通信部110から受信する。
【0065】
配信内ギフト処理部306は、配信内ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定される配信内ギフトの付与報酬に応じて配信者の報酬を増加させるようにユーザDB318を更新する。支払い処理部310は、配信内ギフト使用信号の受信に応じて、視聴者による配信内ギフトの対価の支払いを処理する。
【0066】
ランキング部328は、周期的に配信外ギフト履歴DB330を参照し、登録されている贈り先ユーザのそれぞれについてランキング情報を生成する。ランキング部328は、生成されたランキング情報で配信外ギフトランキングDB332を更新する。
【0067】
図12は、アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるプロフィール画面660の代表画面図である。アクティブユーザはユーザ端末を操作して興味のある配信者を指定し、ユーザ端末はサーバ10と通信することで指定された配信者のプロフィール画面660をディスプレイに表示させる。プロフィール画面660は、配信者のアイコン662と、当該配信者の属性などのプロフィール情報663と、当該配信者の過去のライブ配信の録音録画データから生成された編集済み動画データすなわちアーカイブを表すサムネイル664と、を有する。
【0068】
配信者は自分の過去のライブ配信の録音録画データを編集することでアーカイブを生成する。配信者がこのアーカイブをサーバ10にアップロードすると、当該配信者のプロフィール画面660に、アップロードされたアーカイブを表すサムネイル664が表示されるようになる。あるいはまた、サーバ10においてアーカイブを編集、生成できるよう構成してもよい。ライブ配信のアーカイブを生成する技術自体は公知であるから本明細書では詳述しない。
【0069】
図13は、アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるアーカイブ再生画面666の代表画面図である。図12のプロフィール画面660においてひとつのサムネイル664がタップされると、配信外UI制御部402および配信外通信部404は図10を参照して上述したようにタップされたサムネイル664に対応するアーカイブのデータをサーバ10から受信し、アーカイブ再生画面666において再生する。アーカイブ再生画面666は、タップされたサムネイル664が表すアーカイブを再生することにより得られる配信者の過去の動画像668と、配信外ギフトオブジェクト670と、視聴終了ボタン672と、を有する。
【0070】
図14は、アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示される配信外ギフティング画面674の代表画面図である。図13のアーカイブ再生画面666において配信外ギフトオブジェクト670がタップされると、図6を参照して上述したようにサーバ10からユーザ端末に配信外で使用可能なギフトのリストが送信される。配信外UI制御部402は受信したリストに基づいて、配信外ギフトのギフトアイコンを含む配信外ギフトポップアップ676を有する配信外ギフティング画面674を生成し、ディスプレイに表示させる。
【0071】
配信外ギフトポップアップ676は、再生されているアーカイブの所有者である配信者に対する配信外ギフトの使用の指示をアクティブユーザから受け付けるためのオブジェクトである。配信外ギフトポップアップ676は、配信外ギフトと次回入室時の入室エフェクトとの関係を説明するテキスト678と、配信外ギフトのギフトアイコン680と、を有する。配信外ギフトポップアップ676に表示されるギフトアイコン680が表す配信外ギフトは、ユーザ端末がサーバ10から受信したリストに含まれるギフトである。
【0072】
アクティブユーザは所望の配信外ギフトのギフトアイコン680を選択してタップすることにより、アーカイブの所有者すなわち配信者に配信外ギフトを贈ることができる。配信外UI制御部402は、タップされたギフトアイコン680を特定する。配信外通信部404は、配信外ギフトを使用したアクティブユーザのユーザIDと、ギフトアイコン680がタップされたときに再生されているアーカイブの所有者である配信者のユーザIDと、タップされたギフトアイコン680が表す配信外ギフトを特定するギフトIDと、を含む配信外ギフト使用信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。その後の配信外ギフトの処理は上述のとおりである。このように、配信外UI制御部402は、アクティブユーザが配信者のライブ配信のアーカイブを視聴しているときに配信外ギフトの使用の指示を受け付ける。
【0073】
図15は、ビッグ配信外ギフターが配信者のライブ配信に参加したときに、ビッグ配信外ギフターのユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面608の代表画面図である。図14に示される配信外ギフティング画面674などからアクティブユーザが配信者に配信外ギフトを贈り、その総額がしきい値を超えた状態で当該アクティブユーザ(すなわち、ビッグ配信外ギフター)が当該配信者のライブ配信に参加または入室すると、入室エフェクト632を含むライブ配信ルーム画面608がディスプレイに表示される。ビッグ配信外ギフターはライブ配信に参加したので、ライブ配信の視聴者となる。視聴側UI制御部202は、配信外ギフトの総額が基準を充たすビッグ配信外ギフターについて、配信者のライブ配信への当該ビッグ配信外ギフターの参加を契機として入室エフェクトを表示させる。
【0074】
ライブ配信ルーム画面608は、サーバから受信した動画データを再生することにより得られる配信者の動画像610と、ギフトオブジェクト612と、コメント入力領域616と、ランキングオブジェクト626と、コメント表示領域628と、視聴終了ボタン630と、入室エフェクト632と、を有する。ライブ配信ルーム画面608は、視聴側UI制御部202が動画データを再生することにより得られる動画像610に、他のオブジェクト、すなわちギフトオブジェクト612、コメント入力領域616、ランキングオブジェクト626、コメント表示領域628、視聴終了ボタン630、入室エフェクト632、を重畳表示させることにより生成される。
【0075】
コメント表示領域628は、ビッグ配信外ギフターにより入力されたコメントと、他の視聴者により入力されたコメントと、システムからの通知と、を含みうる。システムからの通知は、配信者に誰がどのギフトを贈ったかを示す情報や、ライブ配信に入室した視聴者の情報を含む。視聴側通信部204は、他の視聴者のコメントおよびシステムからの通知をサーバ10から受信する。視聴側UI制御部202は、受信したコメントおよび通知を含むコメント表示領域628を生成し、生成されたコメント表示領域628をライブ配信ルーム画面608に含める。
【0076】
コメント入力領域616はビッグ配信外ギフターによるコメントの入力を受け付ける。視聴側通信部204は、コメント入力領域616に入力されたコメントを含むコメント入力信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。併せてユーザ端末は、コメント入力領域616に入力されたコメントを表示するようにコメント表示領域628を更新する。
【0077】
入室エフェクト632は、ユーザ端末が送信したライブ配信への参加の要求に応じてサーバ10から受信する入室エフェクト指定信号に含まれる入室エフェクトIDで特定されるエフェクトであり、静止画またはアニメーションにより表現される。視聴部200は、配信者のライブ配信中に、ビッグ配信外ギフターによる配信外ギフトの使用に対応する入室エフェクトをディスプレイに表示させる。配信者がライブ配信を開始する前に配信外ギフターが配信者に贈った配信外ギフトの総額がしきい値を超えている場合、入室エフェクト指定信号がサーバ10から送信され、視聴側通信部204はその入室エフェクト指定信号を受信する。視聴側UI制御部202は、受信された入室エフェクト指定信号に含まれる入室エフェクトIDで特定される入室エフェクト632のデータを取得し、ビッグ配信外ギフターのライブ配信への参加または入室と実質的に同時に入室エフェクト632をライブ配信ルーム画面608に重畳表示させる。ビッグ配信外ギフターが入室するとコメント表示領域628に入室したビッグ配信外ギフターの情報634が表示されるので、そのような情報634の表示と入室エフェクト632の再生とが実質的に同時に行われる。入室エフェクト632は、贈り主のビッグ配信外ギフターのユーザIDなど対象のユーザを特定できる情報を含んでもよい。
【0078】
上述したように、サーバ10は、アクティブユーザが配信外ギフトを贈ると、贈り主と贈り先とギフトIDと時刻とを対応付けて配信外ギフト履歴DB330に登録する。配信者がライブ配信を開始するとき、サーバ10は上記DBから当該配信者に対して贈られた配信外ギフトの情報を読み出す。読み出された情報には、配信外ギフターの情報が含まれているので、サーバ10は当該情報に基づいてライブ配信への当該配信外ギフターの入室を検知することができる。当該入室が検知されると、サーバ10はまず入室した配信外ギフターの配信外ギフトの総額としきい値とを比較する。サーバ10は、前者が後者を上回る場合、入室エフェクトの表示を指示する入室エフェクト指定信号を、ライブ配信に参加している各ユーザ端末に送信する。この場合、ライブ配信を行っている配信者のユーザ端末および当該ライブ配信に参加してる全ての視聴者のユーザ端末において、ライブ配信ルーム画面に入室エフェクト632と同じ入室エフェクトが表示される。特にライブ配信の配信者のユーザ端末の配信側通信部110は入室エフェクト指定信号を受信する。配信側UI制御部108は、配信者のライブ配信中に、当該配信者に対する配信外ギフトの使用に対応する入室エフェクト632をディスプレイに表示させる。ライブ配信に参加した配信外ギフターの配信外ギフトの総額がしきい値以下の場合、サーバ10は、入室エフェクト指定信号を送信しない。すなわち、配信外ギフターのユーザ端末の視聴部200は、当該配信外ギフターが配信者に対して使用した配信外ギフトの総額がしきい値以下の場合は入室エフェクトを表示させない。
【0079】
図16は、ビッグ配信外ギフターが配信者のライブ配信に参加したときに、ビッグ配信外ギフターのユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面640の代表画面図である。視聴側UI制御部202は、配信外ギフトの総額が基準を充たすビッグ配信外ギフターについて、配信者のライブ配信への当該ビッグ配信外ギフターの参加を契機として入室エフェクト642を表示させる。ライブ配信ルーム画面640の構成は図15のライブ配信ルーム画面608の構成と、入室エフェクト642を除いて同じである。入室エフェクトは、ビッグ配信外ギフターが配信者に対して使用した配信外ギフトの量に応じて異なる。図15の例で表示される入室エフェクト632は上述の入室エフェクトID「G1」に対応するものであって短時間の小さなエフェクトである。図16の例で表示される入室エフェクト642は上述の入室エフェクトID「G2」に対応するものであって長時間の大きなエフェクトである。特に、入室エフェクトID「G2」に対応する入室エフェクトは入室エフェクトID「G1」に対応する入室エフェクトよりも豪華、または見栄えがよい、または派手となるよう作成される。
【0080】
図17は、ビッグ配信外ギフターがコメントを入力したときに、当該ビッグ配信外ギフターのユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面646の代表画面図である。ライブ配信ルーム画面646は、配信者の動画像610と、ギフトオブジェクト612と、ランキングオブジェクト626と、コメント入力領域616と、コメント表示領域648と、視聴終了ボタン630と、を有する。図15または図16で入室エフェクト632、642と共に入室したビッグ配信外ギフターは、当該入室エフェクト632、642が終了した後、「見にきたよ~」というテキストをコメント入力領域616に入力する。図17ではそのように入力されたテキストがコメント650としてコメント表示領域648に反映されている。コメント表示領域648において、コメント650は、コメント650を入力したビッグ配信外ギフターが配信者に対して使用した配信外ギフトの量に応じて異なるバッジ652およびフレームに関連付けて表示される。バッジ652はコメントを入力したビッグ配信外ギフターのユーザIDを表示する。ビッグ配信外ギフターのバッジ652の表示態様は、それ以外の視聴者のバッジの表示態様とは異なる。特にビッグ配信外ギフターのバッジ652は、それ以外の視聴者のバッジよりも目立つ態様で表示される。例えば、前者は後者より大きなサイズを有する、および/または色が異なる、および/またはフォントが異なる。ビッグ配信外ギフターのコメント650のフレームの表示態様は、それ以外の視聴者のコメントのフレームの表示態様とは異なる。特にビッグ配信外ギフターのコメント650のフレームは、それ以外の視聴者のコメントのフレームよりも目立つ態様、例えばより太い線やより大きなサイズ、で表示される。配信者のユーザ端末および他の視聴者のユーザ端末においても、ビッグ配信外ギフターのコメント650は図17と同じ態様で表示される。
【0081】
図18は、視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される配信外ギフトランキング画面654の代表画面図である。図15図16図17の画面において視聴者がランキングオブジェクト626をタップすると、視聴側UI制御部202はそのタップをランキング表示要求として取得する。視聴側通信部204は、ランキング表示要求が取得されると、配信者の配信者IDを含むランキング情報要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。サーバ10のランキング部328は、ランキング情報要求に含まれる配信者IDに対応する配信外ギフトランキングDB332を特定し、特定された配信外ギフトランキングDB332からランキング情報を取得する。ランキング部328は、取得されたランキング情報を、要求元のユーザ端末に送信する。視聴側通信部204はそのように送信されたランキング情報を受信する。視聴側UI制御部202は、受信されたランキング情報に基づき配信外ギフトランキング画面654を生成し、ディスプレイに表示させる。配信外ギフトランキング画面654は、視聴者が現在視聴しているライブ配信において有効な配信外ギフトの総額ランキングと、ライブ配信の配信者に対する配信外ギフトの総額ランキングと、を有する。前者は基本的に、ライブ配信に対応する配信外ギフト合計テーブル334を対価ポイント合計で順位付けしたデータに相当する。後者は、現在視聴中のライブ配信に関係なく、当該ライブ配信の配信者にこれまで贈られた配信外ギフトの合計で順位付けしたデータである。
【0082】
図18はライブ配信中に配信外ギフトランキング画面654を表示する例を説明するが、ライブ配信外においても配信外処理部400はアクティブユーザからの要求を受けると、上記と同様の処理により配信外ギフトランキング画面654を生成してディスプレイに表示させてもよい。この場合、配信外ギフトランキング画面654により、アクティブユーザは次回ライブ配信に参加したときに入室エフェクトを得ることができるか否かを知ることができる。また、順位が上位なほど豪華な入室エフェクトを得ることができるよう設定されている場合、アクティブユーザは自分が上位に入るよう多くの配信外ギフトを贈るようになるので、配信外ギフトの利用を促進することができる。
【0083】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0084】
本実施の形態に係るライブ配信システム1によると、ライブ配信外のギフト贈呈のフィードバックとして、当該配信外ギフトの贈り主が贈り先の配信者の次のライブ配信に入室した際、対応する入室エフェクトが生成される。これにより、視聴者がライブ配信外で配信外ギフトを贈った場合に当該視聴者が得るフィードバック感を高めることができる。すなわち、入室エフェクトによって、配信者は入室した視聴者が過去にライブ配信外で自分をサポートしてくれた人であることを知ることができ、直接謝意を示すことができる。さらに、その視聴者自身も名誉を得て報われたと感じることができる。これらの結果、ライブ配信外でのギフト贈呈を促進することができ、視聴者と配信者とのつながりをより強めることができる。
【0085】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、ライブ配信に参加した視聴者が配信者に対して過去に使用した配信外ギフトの量が基準を充たさない場合は入室エフェクトを出力させない。これにより、入室エフェクトを表示し過ぎることによる特別感の希薄化を抑えることができる。
【0086】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、ライブ配信に参加した視聴者が配信者に対して過去に使用した配信外ギフトの量が基準を充たす場合、配信者のライブ配信ルーム画面にも入室エフェクトが表示される。したがって、配信外ギフトを多く贈ってくれた視聴者への配信者による謝意の伝え忘れを抑制または防止することができる。また、ライブ配信ごとに配信者への配信外ギフトを集計するので、以前に謝意を伝えてあったがそれを配信者が忘れていてもう一度謝意を伝える、といった謝意の重複も抑制または防止することができる。
【0087】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、贈った配信外ギフトの量が多いほどより豪華な入室エフェクトが表示される。したがって、視聴者はより多くの配信外ギフトを贈ることで自分のエンゲージメントの高さを配信者にアピールすることができる。
【0088】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、配信外ギフトをしきい値より多く贈った視聴者のコメントは、そうでない視聴者のコメントよりも目立つ態様で表示される。したがって、配信外ギフトを贈った視聴者は、そうでない視聴者とコメント表示上で区別されることで特別感を得ることができる。加えて、入室エフェクトは視聴者が入室したときのみ表示されるのに対し、コメントの特別なバッジやフレームは視聴者がコメントをするたびに表示される。したがって、目立つコメントにより視聴者は繰り返し、継続して特別感を享受することができる。
【0089】
図19を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図19は、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれを実現しうる。
【0090】
情報処理装置900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)902、およびRAM(Random Access Memory)903を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、情報処理装置900は、カメラなどの撮像装置(不図示)を含む。また、情報処理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
【0091】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM902、RAM903、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれに含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM902、およびRAM903は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0092】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置であってもよいし、マイクロフォンなどの音センサ、加速度センサ、傾きセンサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報または感知した物理量に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0093】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどのディスプレイ、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
【0094】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0095】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0096】
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
【0097】
通信装置929は、例えば、ネットワークNWに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワークNWは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。なお、通信装置929は、通信部としての機能を実現する。
【0098】
カメラなどの撮像装置(不図示)は、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像するものであってもよいし、または動画を撮像するものであってもよい。
【0099】
以上、実施の形態に係るライブ配信システム1の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解される。
【0100】
実施の形態では、配信者のライブ配信へのアクティブユーザの参加を契機として入室エフェクトを表示させる場合を説明したが、これに限られない。例えば、ライブ配信の開始直後や開始から所定期間が経過した後など、任意のタイミングで配信外ギフトの使用に対応するエフェクトが表示されてもよい。この場合、配信外ギフトの贈り主がライブ配信に参加していない状態でもエフェクトが表示されうる。
【0101】
図20は、変形例に係る視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面682の代表画面図である。本変形例では、配信者がライブ配信を開始すると、前回のライブ配信から今回のライブ配信までの間に当該配信者宛に贈られた配信外ギフトの情報がライブ配信ルーム画面682に表示される。図20の例では、ライブ配信ルーム画面682は、視聴者「SS5」から配信者宛に贈られた配信外ギフトを表すオブジェクト684と、視聴者「AAA」から配信者宛に贈られた配信外ギフトを表すオブジェクト686と、視聴者「BBB」から配信者宛に贈られた配信外ギフトを表すオブジェクト688と、配信者に配信外ギフトを贈ったユーザの数689と、を有する。この場合、視聴者「SS5」、「AAA」、「BBB」がライブ配信に参加していなくても、これらのオブジェクト684、686、688がライブ配信ルーム画面682に表示される。
【0102】
視聴者のユーザ端末の視聴側通信部204は、参加したライブ配信に対応する配信外ギフト合計テーブル334に保持されている情報をサーバ10からネットワークNWを介して取得する。視聴側UI制御部202は、取得した情報に基づきオブジェクト684、686、688および人数689をライブ配信ルーム画面682に表示させる。オブジェクト684、686、688はそれぞれ配信外ギフトの対価ポイント合計の一位、二位、三位のユーザに対応する。
【0103】
図20のライブ配信ルーム画面682において視聴者が人数689をタップすると、上述のランキングオブジェクト626をタップしたときと同様の処理が行われ、視聴側UI制御部202が配信外ギフトランキング画面654をディスプレイに表示させる。
【0104】
図20に示されるようなオブジェクトの表示により、ライブ配信の参加者は、誰がオフライン(配信外)で当該配信者を応援しているかを知ることができる。また、後で配信外ギフトを贈った視聴者がライブ配信に入室した場合、オブジェクトの表示により配信者が気づき、直接その視聴者にお礼を言うこともできる。さらに、このようなオブジェクトが数多く表示される場合、その配信者がライブ配信外でも多くの人にサポートされていることを示すことができる。
【0105】
上記変形例において、オブジェクト684、686、688はライブ配信の開始時点から表示されてもよいし、ライブ配信の途中で表示が開始されてもよい。あるいはまた、視聴者または配信者が、オブジェクト684、686、688の表示開始のタイミングを設定できるように構成されてもよい。
【0106】
二人の配信者が同時に(または並行して)ライブ配信を行っているとき、一方のライブ配信の視聴者が他方のライブ配信の配信者宛に配信外ギフトを贈れるようシステムを構成してもよい。
【0107】
実施の形態では、アーカイブを視聴しているときに配信外ギフトを贈る場合を説明したが、これに限られず、例えばプロフィール画面において配信外ギフトを贈ることができるようにプロフィール画面を構成してもよい。あるいはまた、配信者のタイムライン、配信者のチャット、配信者とのダイレクトメッセージにおいて配信外ギフトを贈ることができるようにそれらの機能を構成してもよい。ライブ配信アプリを起動しており、かつ、対象の配信者のライブ配信に参加していない状態で当該配信者に贈るギフトは配信外ギフトであり、例えば配信者がライブ配信をしているときにあえてそのライブ配信に参加せずに当該配信者に配信外ギフトを贈ることも可能である。
【0108】
実施の形態では、視聴者が所定の配信者に贈った配信外ギフトの総額(または累計)がしきい値を上回ると、当該視聴者が当該配信者の次のライブ配信に入室したときに入室エフェクト(例えば、ライブ配信入室アニメーション)が表示され、そうでなければ入室エフェクトは表示されない場合を説明したが、これに限られない。例えば、配信外ギフトの総額にしきい値を設けることなく、配信外ギフトを贈った視聴者であれば誰でも入室エフェクトの表示を得ることができるよう構成してもよい。あるいはまた、配信外ギフトを贈った視聴者には一律に同じ入室エフェクト(この入室エフェクトは配信外ギフトの総額によらない)の表示を提供し、贈っていなければ入室エフェクトを表示しなくてもよい。あるいはまた、配信外ギフトに、入室エフェクトの表示を得ることができる第1種類と、そうでない第2種類の2種類を設けてもよい。この場合、アクティブユーザが第1種類の配信外ギフトを贈った場合、当該アクティブユーザが贈り先の配信者の次回のライブ配信に参加したとき入室エフェクトが表示される。アクティブユーザが第2種類の配信外ギフトを贈った場合、当該アクティブユーザが贈り先の配信者の次回のライブ配信に参加しても入室エフェクトは表示されない。この場合、配信者をサポートしたいがあまり目立ちたくないというユーザにも適した配信外ギフトの仕組みが提供される。あるいはまた、配信外ギフトの回数を基準としてもよい。
【0109】
実施の形態では、ライブ配信の開始時に配信外ギフトを集計する場合を説明したが、これに限られず、例えば、アクティブユーザがライブ配信に参加したときに、そのアクティブユーザについて参加時点までの配信外ギフトを集計してもよい。
【0110】
実施の形態では、配信外ギフトの総額でランキングを生成する場合を説明したが、これに限られず、例えば配信外ギフトの回数でランキングを生成してもよい。
【0111】
実施の形態では、配信外ギフトの総額に応じて入室エフェクトを異ならせる場合を説明したが、これに限られず、例えば配信外ギフトの種類に応じて異なる入室エフェクトを用意してもよい。あるいはまた、配信外ギフトの総額で順位付けし、順位ごとに異なる入室エフェクトを用意してもよい。
【0112】
実施の形態では、コメント650は、コメント650を入力した視聴者が配信者に対して使用した配信外ギフトの量に応じて異なるバッジおよび/またはフレームに関連付けて表示される場合を説明したが、これに限られず、例えばコメント650は配信外ギフトの種類に応じて異なるバッジおよび/またはフレームに関連付けて表示されてもよい。
【0113】
実施の形態では、配信外ギフトが贈られるとすぐに贈り先の配信者に対応する報酬が付与される場合を説明したが、これに限られない。例えばサーバ10は、配信外ギフトが贈られた段階では報酬を付与せず、贈り先の配信者がライブ配信を開始したことを条件として、または贈り先の配信者がライブ配信を開始し、当該ライブ配信に贈り主のアクティブユーザが参加したことを条件として、当該配信外ギフトに対応する報酬を配信者に付与するよう構成されてもよい。この場合、配信外ギフトの配信者への還元率(対価ポイントに占める付与報酬の割合)を配信内ギフトの還元率よりも高く設定してもよい。
【0114】
実施の形態では、視覚的な入室エフェクトを用いる場合を説明したが、これに限られず、例えば音声や振動により入室エフェクトを構成してもよいし、表示と音声と振動との任意の組み合わせにより入室エフェクトを構成してもよい。
【0115】
実施の形態におけるギフトの対価ポイントから付与報酬への換算率は一例であって、これらは例えばライブ配信システムの管理者により適宜設定されてもよい。
【0116】
実施の形態に係る技術的思想を、配信者の画像の代わりに配信者の動きと同期した動きをするアバターを用いるバーチャルライブ配信や、ライブコマースに適用してもよい。
【0117】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図、フローチャートを用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本開示の趣旨を逸脱しない限り本開示の範囲に含まれる。
【0118】
サーバ10により実現される機能の少なくとも一部は、サーバ10以外の装置、例えばユーザ端末20、30により実現されてもよい。ユーザ端末20、30により実現される機能の少なくとも一部は、ユーザ端末20、30以外の装置、例えば、サーバ10により実現されてもよい。例えば、視聴者のユーザ端末で行われる動画データの画像への所定のフレーム画像の重畳は、サーバ10で行われてもよいし、配信者のユーザ端末で行われてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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