(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174555
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】風力タービン用アセンブリおよび方法
(51)【国際特許分類】
F03D 13/10 20160101AFI20231130BHJP
【FI】
F03D13/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023078241
(22)【出願日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】22382495.4
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】513131419
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック レノバブレス エスパーニャ, エセ.エレ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】トマ・ドロ
(72)【発明者】
【氏名】ヨセプ・ボッシュ・コラード
(72)【発明者】
【氏名】パブロ・ポゾ・トレス
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178BB77
3H178CC14
3H178CC16
3H178DD67Z
(57)【要約】
【課題】発電機ローター及びシャフトから取り外し可能に構成されたローターハブを備える風力タービン用アセンブリおよび方法を提供する。
【解決手段】本開示は、ローターハブと、発電機ローターと、発電機ローターを固定フレームに支持するためのシャフトとを備えるアセンブリに関し、ローターハブは、発電機ローターをシャフトから分解することなく、発電機ローターおよびシャフトから取り外し可能に構成される。本開示は、さらに、組み立てのための方法に関する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン用のアセンブリであって、
ローターハブ(20)と、
発電機ローター(100)と、
発電機ローター(100)を固定フレーム(111)に支持するためのシャフト(110)と、
ローターハブ(20)、発電機ローター(100)およびシャフト(111)を少なくとも部分的に通って延びる複数の主ファスナ(130)と、
を備え、
ローターハブ(20)は、シャフト(110)から発電機ローター(100)を分解することなく、発電機ローター(100)およびシャフト(110)から取り外し可能なように構成される、アセンブリ。
【請求項2】
複数の主ファスナ(130)がボルトであり、ボルトのヘッド(131)が、ローターハブ(20)を発電機ローター(100)またはシャフト(110)に対して接触および押圧するように配置されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
複数の主ファスナ(130)は、ローターハブ(20)および発電機ローター(100)の貫通孔(121、122)を通って延び、シャフト(110)のブラインドホール(123)内に延びる、請求項1および2のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項4】
ブラインドホール(123)は、1つまたは複数の雌ねじ(126、127)を含む、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
複数の貫通孔(121、151、122)およびブラインドホール(123)は、ローターハブ(20)、発電機ローター(100)およびシャフト(110)の回転軸(RA)の周りに少なくとも1列に等間隔かつ半径方向に分布する、請求項3または4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
発電機ローター(20)をシャフト(110)に接続するように構成された複数の補助ファスナ(140)をさらに含む、請求項1乃至5のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項7】
複数の補助ファスナ(140)は、ローターハブ(20)が発電機ローター(100)及びシャフト(110)から分解されるときに、発電機ローター(20)をシャフト(110)に一時的に接続するように構成される、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
発電機ローター(100)又はシャフト(110)の穴(122)は、補助ファスナ(142)のヘッドと嵌合するように構成され、ローターハブ(20)の穴(121)は、主ファスナ(131)のヘッドと嵌合するように構成されることを特徴とする請求項6または7記載のアセンブリ。
【請求項9】
ローターハブ(20)は、主ファスナ(130)を受けるための複数の主穴(120)と、補助ファスナ(140)を受けるための複数の補助穴(150)とを備える、請求項6乃至8のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項10】
補助穴(150)は、発電機ローターまたはシャフトの穴(122)よりも大きい最小直径を有するローターハブの貫通孔(151)を含む、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
ローターハブ(20)、発電機ローター(100)およびシャフト(110)を少なくとも部分的に通って延びる複数の穴(121、122、123、151)を備え、穴(121、122、123、151)は、主ファスナ(130)および補助ファスナ(140)を選択的に受け入れるように構成されている、請求項6乃至10のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項12】
補助ファスナ(140)が、ローターハブ(20)を通る主穴(151)の最小径よりも小さく、発電機ローター(100)および/またはシャフト(110)を通る主穴(122)の最小径よりも大きい直径を有するヘッド(142)を含む、請求項6乃至11いずれかに記載のアセンブリ。
【請求項13】
組み立て方法(600)であって、
シャフト(110)および発電機ローター(100)を提供するステップと、
複数の補助ファスナ(140)でシャフト(110)を発電機ローター(100)に結合して、シャフトと発電機ローターのアセンブリを形成するステップと、
シャフト(110)、発電機ローター(100)および風力タービンローターハブ(20)を少なくとも部分的に貫通して延びる主ファスナ(130)を用いて、風力タービンローターハブ(20)をシャフトと発電機ローターのアセンブリに結合するステップと、
を含む、方法(600)。
【請求項14】
主ファスナ(130)および補助ファスナ(140)をそれぞれ受けるための主貫通孔(120)および補助貫通孔(150)を備えるローターハブ(20)を提供するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法(600)。
【請求項15】
複数の補助ファスナ(140)のうちの、少なくとも選択されたものを除去するステップと、
補助ファスナ(140)の取り外しによって空いた補助貫通孔(150)に、1つ以上の主ファスナ(130)を結合させるステップと、
をさらに含む、請求項13および14のいずれかに記載の方法(600)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、風力タービン用アセンブリ及び風力タービン用アセンブリを提供するための方法に関し、より詳細には、発電機ローター及びシャフトから取り外し可能に構成されたローターハブを備える風力タービン用アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、風力タービンは、電力網に電力を供給するために使用されるのが一般的である。この種の風力タービンは、一般に、タワーと、タワー上に配置されたローターとから構成される。ローターは、通常、ハブと複数のブレードから構成され、ブレードへの風の影響により回転する。この回転によりトルクが発生し、通常、ローターシャフトを介して、直接(「直接駆動」または「ギアレス」)またはギアボックスの使用により発電機に伝達される。このようにして、発電機は電力を生成し、電力網(electrical grid)に供給することができる。
【0003】
ダイレクトドライブ風力タービンでは、ローターハブが発電機ローターに直接(すなわち、ギアボックスなしで)結合される。発電機ローターとハブの重量を支えるために、1つ以上の剛性フレーム(rigid frames)が設けられることがある。一部の風力発電機の構成では、ハブ(及び発電機ローター)はシャフトに連結される。シャフトは、固定フレーム(stationary frame:静止フレーム)を中心に回転するように配置される。シャフトと固定フレームとの間には、1つ以上のベアリング(bearings:軸受)が設けられている場合がある。
【0004】
いくつかの既知の構成では、ローターハブは、複数のボルトで発電機ローターのフランジ又は結合面に連結されるフランジを有することができる。発電機ローターは、順番に、別の複数のボルトでシャフトのフランジまたは結合面に結合される場合があり、すなわち、2つのボルト接続が提供される場合がある。
【0005】
このタイプのツーバイツー接続(two-by-two connection)は、すべての接続点を適合させるために、部品間の接触面積を比較的大きくする必要がある場合がある。そのため、構成要素は、一般に、接続が行われる比較的大きく厚いフランジを構成する。したがって、接続点の構成によるフランジの大きな寸法は、負荷要件のために、重いアセンブリ(組立体)を導き、これらが回転するように設定されたときに可動部品の慣性(inertia of the moving parts)を増加させることができる。フランジのサイズと厚みは、これらの部品()コンポーネント)の材料コストに直接影響する。
【0006】
その結果、本開示は、ローターハブ、発電機ローターおよびシャフト間の堅牢で汎用性のある接続を提供する、前述の欠点の一部を少なくとも部分的に克服する方法およびシステムを提供する。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一態様では、風力タービン用のアセンブリが提供される。アセンブリは、ローターハブと、発電機ローターと、発電機ローターを固定フレームに支持するためのシャフトと、を備える。アセンブリは、ローターハブ、発電機ローター、及びシャフトを少なくとも部分的に貫通して延びる複数の主ファスナを更に備える。さらに、ローターハブは、発電機ローターをシャフトから分解することなく、発電機ローター及びシャフトから取り外し可能であるように構成される。
【0008】
この態様によれば、ローターハブが発電機ローターおよびシャフトから取り外し可能に構成されていることにより、汎用性の高いアセンブリ(versatile assembly)となる。この構成により、風力タービン回転構造体の設置および分解工程が簡略化される。したがって、この態様によれば、発電機ローターを所定の位置に保持するための追加の装置を必要とせずに、アップタワー作業(uptower operations、例えば、メンテナンス)中にローターハブを取り外すことができる。同時に、発電機ローターとシャフトとの間に、別個のボルト付きフランジ接続は必要ない。
【0009】
追加の態様において、アセンブリを提供するための方法が提供される。本方法は、シャフトと発電機ローターを提供することを含んでいる。さらに、本方法は、複数の補助ファスナを用いて支持フレームを発電機ローターに結合してシャフトと発電機ローターのアセンブリ(shaft-generator rotor assembly)を形成することと、主ファスナを用いて風力タービンハブをシャフトと発電機ローターのアセンブリに結合することとを含む。主ファスナは、シャフト、発電機ローター、風力タービンハブを貫通して延びている。
【0010】
この追加的な態様によれば、この方法は、最初に発電機ローターをシャフトと結合させ、後に風力タービンハブをシャフトと発電機ローターのアセンブリと一緒にすることを可能にするものである。したがって、この方法は、前述のナセル部品の組立/分解を分割することを可能にし、クレーンなどの吊り上げ装置の吊り上げ要件(lifting requirements)を低減することもできる。さらに、シャフトと発電機ローターのアセンブリをローターハブから独立させることができるため、風力タービンローターハブを組み立てることなく、アセンブリを試運転し、シャフトと発電機ローターのアセンブリの試験、例えば熱運点試験(heat run tests)などを実施することができる。
【0011】
ローターアセンブリのシャフトは、発電機ローターを支持する回転可能な支持フレームと見なすことができる。
【0012】
本開示の実施形態の追加の目的、利点および特徴は、本明細書の検討により当業者に明らかになるか、または本発明の実施により知ることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】風力発電機の一例を模式的に示す透視図である。
【
図2】風力発電機のハブとナセルの一例を示す図である。
【
図3】風力タービンアセンブリの一例を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図3の風力タービンアセンブリの断面の詳細図を模式的に示す。
【
図5】
図4の半径方向平面A-A’を横切る半径方向断面を模式的に示す。
【
図6】
図4の半径方向平面B-B’を横切る半径方向断面を模式的に示す。
【
図7】風力タービンアセンブリを提供するための方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、本教示の実施形態について詳細に言及するが、その1つまたは複数の例が図面に例示されている。各例は、説明のためにのみ提供され、限定として提供されるものではない。実際、本教示の範囲または精神から逸脱することなく、様々な修正および変形を行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として図示または説明された特徴は、別の実施形態と共に使用され、さらに別の実施形態をもたらすことができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内に入るような修正および変形をカバーすることが意図される。
【0015】
図1は、風力タービン10の一例を示す透視図である。本実施例では、風力タービン10は、水平軸型風力タービン(horizontal-axis wind turbine)である。あるいは、風力タービン10は、垂直軸型風力タービン(vertical-axis wind turbine)であってもよい。実施例では、風力タービン10は、地面12上の支持システム14から延びるタワー15と、タワー15に取り付けられたナセル16と、ナセル16に結合されるローター18と、を含む。ローター18は、回転可能なハブ20と、ハブ20に結合され、ハブ20から外側に伸びる少なくとも1つのローターブレード22とを含む。例では、ローター18は、3つのローターブレード22を有する。代替実施形態では、ローター18は、3つよりも多い又は少ない数のローターブレード22を含む。タワー15は、支持システム14とナセル16との間に空洞(
図1には示されていない)を規定するために、管状鋼から製作され得る。代替的な実施形態では、タワー15は、任意の適切な高さを有する任意の適切なタイプのタワーである。代替によれば、タワーは、コンクリート製の部分と管状鋼製の部分とを備えるハイブリッドタワーとすることができる。また、タワーは、部分的または完全なラティスタワーとすることができる。
【0016】
ローターブレード22は、ローター18を回転させて運動エネルギーを風から使用可能な機械エネルギー、ひいては電気エネルギーに変換できるようにするために、ハブ20に対して間隔を空けて配置されている。ローターブレード22は、複数の荷重伝達領域26においてブレード根元部分24をハブ20に結合することによって、ハブ20に嵌合される。荷重伝達領域26は、ハブ荷重伝達領域とブレード荷重伝達領域(いずれも
図1には示されていない)を有することができる。ローターブレード22に誘起された荷重は、荷重伝達領域26を介してハブ20に伝達される。
【0017】
例では、ローターブレード22は、約15m~約90m以上の範囲の長さを有することができる。ローターブレード22は、風力タービン10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の適切な長さを有してもよい。例えば、ブレードの長さの非限定的な例としては、20m以下、37m、48.7m、50.2m、52.2m、または91mを超える長さが挙げられる。風向28からローターブレード22に風が当たると、ローター18はローター軸30を中心に回転される。ローターブレード22が回転して遠心力を受けると、ローターブレード22にも様々な力やモーメントがかかる。そのため、ローターブレード22は、中立位置(neutral position)、すなわち非偏向位置(non-deflected position)から偏向位置(deflected position)まで偏向および/または回転することがある。
【0018】
さらに、ローターブレード22のピッチ角、すなわち、風向きに対するローターブレード22の向きを決定する角度をピッチシステム32によって変更し、風ベクトルに対する少なくとも1つのローターブレード22の角度位置を調整することによって風力タービン10によって発生する負荷および電力を制御することができる。ローターブレード22のピッチ軸34が示される。風力タービン10の動作中、ピッチシステム32は、特に、複数のローターブレード(の一部)の迎え角(angle of attack)が減少するようにローターブレード22のピッチ角を変更することができ、これにより、回転速度の低減を容易にし、及び/又はローター18の失速(stall)を容易にする。
【0019】
実施例では、各ローターブレード22のブレードピッチは、風力発電機コントローラ36によって、またはピッチ制御システム80によって個別に制御される。あるいは、全てのローターブレード22のブレードピッチは、これらの制御システムによって同時に制御されてもよい。
【0020】
さらに、本実施例では、風向28が変化すると、ナセル16のヨー方向をヨー軸38を中心に回転させて、風向28に対してローターブレード22を配置してもよい。
【0021】
実施例では、風力タービン制御装置36は、ナセル16内に集中配置されているように示されているが、風力タービン制御装置36は、風力タービン10全体、支持システム14上、風力発電所(wind farm:ウインドファーム)内、及び/又は遠隔制御センターでの分散システムであってもよい。風力タービン制御装置36は、本明細書に記載の方法及び/又はステップを実行するように構成されたプロセッサ40を含む。さらに、本明細書に記載される他の構成要素の多くは、プロセッサを含む。
【0022】
本明細書で使用する場合、「プロセッサ:processor」という用語は、当該技術分野でコンピュータと呼ばれる集積回路に限定されず、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、アプリケーション固有の、集積回路、および他のプログラマブル回路を広く指し、これらの用語は、本明細書で交換可能に使用される。プロセッサおよび/または制御システムは、メモリ、入力チャネル、および/または出力チャネルも含むことができることを理解されたい。
【0023】
図2は、風力タービン10の一部を示す拡大断面図である。本実施例において、風力タービン10は、ナセル16と、ナセル16に回転可能に結合されるローター18とを含む。より具体的には、ローター18のハブ20は、メインシャフト44、ギアボックス46、高速シャフト48、及びカップリング50によって、ナセル16内に配置された電気発電機42に回転可能に結合される。実施例では、メインシャフト44は、ナセル16の長手方向軸(図示せず)と少なくとも部分的に同軸上に配置される。メインシャフト44の回転は、ローター18およびメインシャフト44の比較的遅い回転運動を高速シャフト48の比較的速い回転運動に変換することによって、その後高速シャフト48を駆動するギアボックス46を駆動する。後者は、カップリング50の助けを借りて、電気エネルギーを生成するための発電機42に接続される。さらに、400V~1000Vの電圧を有する発電機42によって生成された電気エネルギーを中電圧(10~35KV)を有する電気エネルギーに変換するために、ナセル16内に変圧器90および/または適切な電子機器、スイッチおよび/またはインバータを配置することができる。電気エネルギーは、ナセル16からタワー15に電力ケーブルを介して伝導される。
【0024】
ギアボックス46、発電機42および変圧器90は、任意にメインフレーム52として具現化されるナセル16の主支持構造フレーム(main support structure frame)によって支持されてもよい。ギアボックス46は、1つまたは複数のトルクアーム103によってメインフレーム52に接続されるギアボックスハウジングを含んでもよい。実施例では、ナセル16は、主前方支持ベアリング60と主後方支持ベアリング62も含む。さらに、発電機42は、特に、発電機42の振動がメインフレーム52に導入され、それによって騒音放出源が生じることを防止するために、デカップリング支持手段54によってメインフレーム52に取り付けられることができる。
【0025】
任意選択で、メインフレーム52は、ローター18及びナセル16の構成要素の重量、並びに風荷重及び回転荷重によって生じる荷重全体を担持(carry)し、更に、これらの荷重を風力タービン10のタワー15に導入するように構成される。ローターシャフト44、発電機42、ギアボックス46、高速シャフト48、カップリング50、並びに支持体52、並びに前方支持ベアリング60及び後方支持ベアリング62を含むがこれらに限定されない任意の関連する締結、支持、及び固定デバイスは、駆動列(drive train:駆動系)64と称されることがある。
【0026】
いくつかの例では、風力タービンは、ギアボックス46のないダイレクトドライブ風力タービンであってもよい。発電機42は、ダイレクトドライブ風力タービンにおいてローター18と同じ回転速度で動作する。したがって、それらは一般に、ギアボックスを有する風力タービンよりも同程度の電力を供給するために、ギアボックス46を有する風力タービンで使用される発電機よりもはるかに大きな直径を有する。
【0027】
ナセル16はまた、風向28に対するローターブレード22の遠近(perspective)を制御するために、ナセル16を回転させ、それによってまたローター18をヨー軸38を中心に回転させるために使用され得るヨー駆動機構56を含み得る。
【0028】
風向28に関してナセル16を適切に位置決めするために、ナセル16は、風向計および風速計を含み得る少なくとも1つの気象測定システム58も含み得る。気象測定システム58は、風向28および/または風速を含み得る情報を風力タービン制御装置36に提供することができる。実施例では、ピッチシステム32は、少なくとも部分的に、ハブ20にピッチアセンブリ66として配置される。ピッチアセンブリ66は、1つまたは複数のピッチ駆動システム68と、少なくとも1つのセンサ70とを含む。各ピッチ駆動システム68は、ピッチ軸34に沿ったローターブレード22のピッチ角を変調するために、それぞれのローターブレード22(
図1に示す)に結合される。
図2には、3つのピッチ駆動システム68のうちの1つだけが示されている。
【0029】
実施例では、ピッチアセンブリ66は、それぞれのローターブレード22をピッチ軸34を中心に回転させるために、ハブ20とそれぞれのローターブレード22(
図1に示す)に結合された少なくとも1つのピッチベアリング72を含む。ピッチ駆動システム68は、ピッチ駆動モータ74と、ピッチ駆動ギアボックス76と、ピッチ駆動ピニオン78とを含む。ピッチ駆動モータ74は、ピッチ駆動モータ74がピッチ駆動ギアボックス76に機械的な力を付与するように、ピッチ駆動ギアボックス76に結合される。ピッチ駆動ギアボックス76は、ピッチ駆動ピニオン78がピッチ駆動ギアボックス76によって回転されるように、ピッチ駆動ピニオン78に結合される。ピッチベアリング72は、ピッチ駆動ピニオン78の回転がピッチベアリング72の回転を引き起こすように、ピッチ駆動ピニオン78に結合される。
【0030】
ピッチ駆動システム68は、風力タービン制御装置36からの1つまたは複数の信号の受信時にローターブレード22のピッチ角を調整するために風力タービン制御装置36に結合される。実施例では、ピッチ駆動モータ74は、ピッチアセンブリ66が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、電力及び/又は油圧システムによって駆動される任意の適切なモータである。あるいは、ピッチアセンブリ66は、油圧シリンダ、バネ、および/またはサーボ機構など(ただし、これらに限定されない)の任意の適切な構造、構成、配置、および/または構成要素を含み得る。特定の実施形態では、ピッチ駆動モータ74は、ハブ20の回転慣性から抽出されたエネルギー及び/又は風力タービン10の構成要素にエネルギーを供給する貯蔵エネルギー源(図示せず)によって駆動される。
【0031】
ピッチアセンブリ66はまた、特定の優先された状況の場合、および/またはローター18の過速度の間、風力タービン制御装置36からの制御信号に従ってピッチ駆動システム68を制御するための1つまたは複数のピッチ制御システム80を含むことができる。実施例では、ピッチアセンブリ66は、風力タービン制御装置36から独立してピッチ駆動システム68を制御するために、それぞれのピッチ駆動システム68に通信可能に結合された少なくとも1つのピッチ制御システム80を含む。実施例では、ピッチ制御システム80は、ピッチ駆動システム68と、センサ70とに結合される。風力タービン10の通常運転中、風力タービン制御装置36は、ローターブレード22のピッチ角を調整するためにピッチ駆動システム68を制御し得る。
【0032】
実施形態によれば、例えばバッテリ及び電気コンデンサを備える発電機84が、ハブ20に又はハブ20内に配置され、センサ70、ピッチ制御システム80、及びピッチ駆動システム68に結合され、これらの構成要素に電力源を提供する。本実施例では、発電機84は、風力タービン10の運転中にピッチアセンブリ66に継続的な電力源を提供する。代替実施形態では、発電機84は、風力タービン10の電力損失事象の間だけ、ピッチアセンブリ66に電力を供給する。電力損失事象は、電力網の損失またはディップ、風力タービン10の電気システムの誤動作、および/または風力タービン制御装置36の故障を含み得る。電力損失事象の間、発電機84は、ピッチアセンブリ66が電力損失事象(electrical power loss event)の間に動作できるように、ピッチアセンブリ66に電力を供給するために動作する。
【0033】
実施例では、ピッチ駆動システム68、センサ70、ピッチ制御システム80、ケーブル、および発電機84はそれぞれ、ハブ20の内面88によって規定されるキャビティ86内に配置される。代替実施形態では、これらの構成要素は、ハブ20の外面に対して位置決めされ、外面に直接又は間接的に結合され得る。
図2に関して説明されたいくつかの技術的特徴は、
図3に示されるように、ダイレクトドライブ風力発電機にも存在し得ることに留意されたい。
【0034】
図3は、風力タービン用アセンブリの一例を示す断面図である。アセンブリは、ローターハブ20と、発電機ローター100と、発電機ローター100を固定フレーム(stationary frame)111に支持するためのシャフト110 とから構成される。
図3は、アセンブリが、ローターハブ20、発電機ローター100、およびシャフト110を少なくとも部分的に通って延びる複数の主ファスナ(main fasteners)130をさらに備えることを概略的に示している。ローターハブ20は、発電機ローター100をシャフト110から分解(disassemble)することなく、発電機ローター100およびシャフト110から取り外し可能に構成される。前述の接続に関する例は、
図4から
図6に詳述されている。
【0035】
さらに、
図3の例は、ローターハブ20、発電機ローター100、およびシャフト110が共通の回転軸RAを構成することを示す。この例では、発電機ローター100は、発電機ステータ101を半径方向に取り囲んでいるが、アセンブリは、代替的に、発電機ステータ101の半径方向の内側に位置する発電機ローター100から構成されてもよい。同様に、シャフト110は、単一の構造体であってもよいし、他の風力タービン構成要素が取り付けられる複数の構造体から構成されてもよい。
【0036】
図3はまた、発電機ローター100がシャフト110のフランジとローターハブ20の間に固定されていることを示す。他の例では、発電機ローター100は、ローターハブ20の反対側に、すなわちシャフト110を挟んで固定されていてもよい。
【0037】
さらに、
図3の断面図には2つの主ファスナ130のみが図示されているが、風力タービンローターハブ20、発電機ローター100及びシャフト110を結合するファスナの数、配置、及びタイプは変化し得ることに留意されたい。例えば、複数の主ファスナ130は、ボルトであってもよく、ボルトのヘッド(頭部)は、ローターハブ20を発電機ローター100又はシャフト110に対して接触及び押圧するように配置されてもよい。また、ナット付きスタッド等の締結具も使用可能である。
【0038】
本明細書で説明するように、ハブ20は、発電機100およびシャフト110を分解することなく、風力発電機から取り外すことができる。ハブがない場合(ハブを取り外した後、又はハブを最初に取り付ける前のいずれか)、発電機全体の構造はそのまま維持され、試験を実施することができる。本実施例における発電機全体の構造は、発電機回転構造(シャフト110、発電機ローター100を含む)、発電機静止構造(固定フレーム111、発電機ステータ101を含む)、および発電機回転構造と発電機静止構造の間のベアリングによって形成されている。
【0039】
図4は、組立部品(assembly components:アセンブリコンポーネント)間の結合を示す
図3に示された風力タービンアセンブリの詳細図である。この図は、ローターハブ20と発電機ローター100との間の接触領域(contact region)と、発電機ローター100とシャフト110との間の別の接触領域とを示す。図示のように、この結合を固定するファスナ130、140は、異なるメトリックのねじ付きボルト(threaded bolts of different metrics)であってもよい。
【0040】
図4に示される例は、主ファスナ130が、ローターハブ20及び発電機ローター100の貫通孔(through-holes)を通って延び、シャフト110のブラインドホール(blind holes)を通って延びる、すなわち、主ファスナがローターハブ20及び発電機ローター100を通って完全に延び、シャフト110のフランジを通って一部だけ延びることがあることを示す。
【0041】
シャフト110がローターハブ20と発電機ローター100との間に配置され得る風力タービンアセンブリの他の例では、主ファスナ130は、ローターハブ20及びシャフト110の貫通孔を通って、発電機ローター100のブラインドホールを通って延びることがある。さらにさらなる例では、主ファスナは、ハブに向かう反対方向から、すなわち、支持フレーム110から、発電機ローター100を通り、ハブ20のフランジまで延びることがある。
【0042】
さらに、
図4の例に示すように、アセンブリは、発電機ローター100をシャフト110に接続するように構成された複数の補助ファスナ140をさらに含んでもよい。補助ファスナ140は、主ファスナ130とは異なる長さ、及びメトリックを有することができる。両方のタイプのファスナは、その特定の用途のために最適化されてもよい。
【0043】
さらに、風力タービンアセンブリの複数の貫通孔及びブラインドホールは、ローターハブ20、発電機ローター100及びシャフト110によって規定される回転軸RAの周りに少なくとも一列に等間隔かつ半径方向に分布することができる。穴、したがってファスナの半径方向の分布は、回転軸RAに関する風力タービンアセンブリのバランスを維持する半径方向の対称性で荷重を分割(split)することを可能にする。
【0044】
図4の例では、複数の貫通孔およびブラインドホールは、回転軸RAの周りに2つの列、すなわち、回転軸RAに対して半径方向外側の列、および回転軸RAに対して半径方向内側の列で半径方向に分布している。より具体的には、穴の分布は、内側列の複数の穴が、発電機ローター100をシャフト110に取り付けるための補助ファスナ140を受けるように構成され、外側列の別の複数の穴が、ローターハブ20を発電機ローター100およびシャフト110に取り付けるための主ファスナ130を受けるように構成される内側列を定めるようになっていてよい。さらに具体的には、穴の分布は、全ての穴が、ローターハブ20を発電機ローター100及びシャフト110に取り付けるための主ファスナ130を受け取るように構成されている外側列と、全ての穴が補助ファスナのみを受け取るように構成されている内側列とを規定するようにしてもよい。穴及びファスナをそのように配置することは、固定解除プロセス中にオペレータを支援し、保守及び交換作業における全体時間を短縮することができる。
【0045】
さらに別の例では、
図6に見られるように、同じ穴が主ファスナと補助ファスナの両方を選択的に受け入れるように構成されることがある。
【0046】
補助ファスナ140は、ローターハブ20が発電機ローター100およびシャフト110から分解されるときに、発電機ローター100をシャフト110に一時的に接続するように構成され得る。この結果、主ファスナ130及び補助ファスナ140が2つの異なるタイプの接続を提供し、保守及び交換作業を容易にすることができる、汎用性のある接続構成となる。組み立て方法に関して説明するように、第1段階において、発電機ローター100とシャフト110は、(一時的:temporary)補助ファスナ140を使用して取り付けられることができる。次に、主ファスナ130を用いてローターハブ20を発電機ローター100及びシャフト110に組み付ける際に、補助ファスナ140(又はその選択)を取り外すことができる。
【0047】
図4はまた、ローターハブ20の複数の貫通孔、発電機ローター100の貫通孔、およびシャフト110のブラインドホールが、前述の構成要素を取り付けるためにファスナ130、140を受け取るように構成された穴120、150を規定するように位置合わせされ得ることを示す。同様に、発電機ローター100の貫通孔及びシャフト110のブラインドホールの複数の整列は、ローターハブ20から独立してこれら2つの構成要素を接続するためのファスナ140を受け取るように構成された接続経路を画定することも可能である。
【0048】
図5は、
図4に描かれた半径方向平面A-A’を横切る断面の半径方向投影図であり、穴120,150及びファスナ130,140の構成例を模式的に示す。穴(holes)120,150の他の列は、図示されたものに対して(回転軸RAに対して)半径方向の内側または外側に配置されてもよい。
【0049】
図5は、図示された穴の列(row of holes)120、150が、主ファスナ130を受けるための複数の主穴120と、補助ファスナ140を受けるための複数の補助穴150とを備えることを示す。視覚化を助けるために、第1の主穴(main holes:メインホール)120および補助穴150(左から右へ:from left to right)はファスナ130,140なしで図示され、第2の主穴120および補助穴150は対応するファスナ130,140で図示されている。また、
図5には、主ファスナ130が、ローターハブ20の複数の貫通孔121,151の最小径よりも大きい直径を有するヘッド(head:頭部)131からなり得ることが図示されている。主ファスナのヘッド131は、いくつかの例では、ハブの表面に対して静止することができる。或いは、
図5に開示されるように、主穴120は、主ファスナのヘッド131を受けることができる形状を有していてもよい。
【0050】
一方、補助ファスナ140は、ローターハブ20の貫通孔(through-holes)151の最小径よりも小さいが、発電機ローター100の貫通孔122のそれぞれの最小径よりも大きい直径を有するヘッド141を含んでいてもよい。ローターハブ20の主および補助貫通孔121、151は、補助ファスナ140のヘッド141を受け入れるように構成されてもよいことに留意されたい。
【0051】
更に、発電機ローター100及びローターハブ20の貫通孔121、122、151の形状は、それぞれ補助及び主ファスナ140、130のヘッド141、131(又はその一部)と嵌合(mate)するように適合させることができる。より正確には、発電機ローターの貫通孔122は、少なくとも、部分的に補助ファスナ140のヘッド142部分を受容するための局所的な拡がり(local widening)155を含んでいてもよい。同様に、ローターハブの貫通孔121は、主ファスナ130のヘッド131部分を部分的に受け入れるための局所的な拡がり124を構成することができる。
【0052】
図5に図示された例では、アセンブリは、異なる形態を有する孔、すなわち主穴120及び補助穴150から構成されている。しかしながら、
図6に図示されているように、アセンブリが、ローターハブ20、発電機ローター100及びシャフト110を少なくとも部分的に通って延びる複数の穴を含むことも可能であり、穴は、主ファスナ130及び補助ファスナ140を選択的に受け入れるように構成される。したがって、穴の少なくともいくつかは、実質的に同じ内部形状を有するように構成され得る。これは、これらの穴が、風力タービンの組立、保守又は交換の間の異なる時点で主ファスナ130及び補助ファスナ140を受け取り得ることを意味することになる。
【0053】
図5に示すブラインドホール123はまた、ファスナ132、142のねじ山に一致するように構成された内側ねじ山(inner thread)126を構成する。議論されたように、内側ねじ山126は、各ファスナに一致するように、主穴120では補助穴150とは異なるメトリックを有するかもしれない。あるいは、全てのねじ山(all threads)126、132、142は、ファスナの交換を可能にするために同じであってよい。
【0054】
図6は、
図4に描かれた半径方向平面B-B’を横切る断面の半径方向投影図であり、穴120,150およびファスナ130,140の構成例を模式的に示している。
図5と同様に、2つのファスナ130,140のみが示されている。
【0055】
この例では、複数のブラインドホール123は、1つまたは複数の内側ねじ山126、127から構成され得る。より具体的には、シャフト110は、2つの内側ねじ山、主ファスナ130を受けて一致するように構成された第1の内側ねじ山126、および補助ファスナ140を受けて一致するように構成された第2の内側ねじ山127を有するブラインドホール123を構成する。ブラインドホール123は、風力タービンアセンブリの全体構成に応じて、発電機ローター100またはシャフト110のいずれかに配置され得ることに留意されたい。
【0056】
さらなる例(図には示されていない)では、シャフトは、発電機ローターとハブとの間に挟まれることがある。この場合、ブラインドホールは発電機ローターにも配置されるかもしれない。ブラインドホールは、アセンブリの前部「風上:upwind」端または後部「風下:downwind」端のいずれかに配置することができる。さらに別の例では、主穴及び/又は補助穴は、3つの構成要素全てを貫通して延びる貫通孔であってもよい。
【0057】
図6はまた、補助穴150が、発電機ローター100の対応する貫通孔122の最小直径よりも大きい最小直径を有するローターハブ20の貫通孔151から構成されてもよいことを示す。先に述べたように、主穴120は、これらが特定の組立期間中に補助ファスナ140を受け取ることも意図されている場合、前述の特徴を有することもできる。
【0058】
本開示はまた、ローターハブ20と、発電機ローター100と、シャフト110と、複数の主および補助ファスナ130、140とを備える風力タービンアセンブリを提供する。ローターハブ20は、複数の主および補助穴120、150を備える。発電機ローター100は、複数の貫通孔122を含んで構成される。シャフト110は、複数のブラインドホール123を含んで構成される。さらに、複数の主ファスナ130は、ローターハブ20、発電機ローター100の主穴120を貫通し、シャフト110の中に延びる。さらに、補助貫通孔151は、シャフト110を発電機ローター100に接続するように構成された補助ファスナ140を受け入れるように構成される。
【0059】
本開示の一態様において、前述の実施例及び含まれる技術的特徴のいずれか1つに従った風力タービンアセンブリを含む風力タービン10が提供される。
【0060】
本開示の別の態様では、組み立てのための方法600が提供される。方法600は、本開示で開示される技術的特徴に従った風力発電機のためのアセンブリを提供するのに適している。方法600は、
図7に概略的に示される。
【0061】
本方法は、ブロック601において、シャフト110と発電機ローター100を提供することを含んでいる。方法600はまた、ブロック602において、複数の補助ファスナ140を用いて支持フレーム110を発電機ローター100に結合して、シャフトと発電機ローターのアセンブリを形成することを含む。さらに、方法600は、ブロック603において、シャフト110、発電機ローター100、および風力発電機ローターハブ20を少なくとも部分的に通って延びる主ファスナ130を用いて、風力タービンハブ20をシャフト-発電機ローターアセンブリに結合することを含む。
【0062】
この態様によれば、本方法は、シャフトと発電機ローターのアセンブリを風力発電機ローターハブ20から独立して取り付けることができる。この独立性により、風力発電機からの組立及び分解作業の全体的な複雑さが軽減される。さらに、現場で試験を行い、ローターハブ20を結合する前にシャフトと発電機ローターのアセンブリを検証することも可能である。
【0063】
実施例では、方法600は、主ファスナ130および補助ファスナ140をそれぞれ受けるための主貫通孔121および補助貫通孔151を含むローターハブ20を提供することをさらに含むことができる。さらに、方法600は、複数の補助ファスナのうち少なくとも選択されたものを除去することも含んでよい。さらに、方法600は、補助ファスナの除去によって空いた補助貫通孔に1つまたは複数の主ファスナを結合するステップを含んでいてもよい。方法のこれらの追加ステップにより、風力タービンアセンブリを主ファスナで固定することができ、風力タービンを動作させる前に、より安全な結合を提供することができる。
【0064】
さらに、方法600は、すべての主ファスナ130の連結を解除してローターハブ20をシャフトと発電機ローターのアセンブリから解放し、保守または交換作業のためにローターハブ20をタワーから下ろす(bringing downtower)ステップも含むことができる。
【0065】
発明の詳細な説明では、好ましい実施形態を含む教示を開示するために例を用い、また、当業者であれば、任意の装置またはシステムの製造および使用、ならびに組み込まれた任意の方法の実行を含む、本書に開示した教示を実践することができるようにする。特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に思い浮かぶ他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的でない差異を有する同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。説明した様々な実施形態からの側面、およびそのような各側面に対する他の既知の等価物は、本願の原理に従って追加の実施形態および技術を構築するために、当業者によって混合およびマッチング(mixed and matched)させることができる。図面に関連する参照符号が請求項において括弧内に配置されている場合、それらは単に請求項の分かりやすさを向上させようとするためのものであり、請求項の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0066】
10:風力タービン 12:地面 14:支持システム 15:タワー 16:ナセル 18:ローター 20:ハブ 22:ローターブレード 23:基準線 24:ブレード根元部分 25:ピッチ角 26:荷重伝達領域 28:風向 30:ローター軸 32:ピッチシステム 34:ピッチ軸 36:風力タービン制御装置 38:ヨー軸 40:プロセッサ 42:発電機 43:通信モジュール 44:メインシャフト 46:ギアボックス 48:高速シャフト 50:カップリング 52:メインフレーム 54:デカップリング支持手段 56:ヨー駆動機構 58:気象測定システム 60:主前方支持ベアリング 62:後方支持ベアリング 64:駆動列 66:ピッチアセンブリ 68:ピッチ駆動システム 70:センサ 72:ピッチベアリング 74:ピッチ駆動モータ 78:ピッチ駆動ピニオン 80:ピッチ制御システム 84:電源 86:キャビティ 88:内面 90:変圧器 100:発電機ローター 101:発電機ステータ 103:トルクアーム 110:シャフト 111:固定フレーム 120:主穴 123:ブラインドホール 124、155:局所的な拡がり 126:雌ねじ 130:主ファスナ 131、141:ヘッド 132、142:ファスナ 140:補助ファスナ 150:補助穴 151:貫通孔 RA:回転軸
【外国語明細書】