(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174584
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 15/16 20060101AFI20231130BHJP
B41J 11/02 20060101ALI20231130BHJP
B41J 11/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B41J15/16
B41J11/02
B41J11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085005
(22)【出願日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2022086216
(32)【優先日】2022-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石津 知宏
(72)【発明者】
【氏名】作山 正義
【テーマコード(参考)】
2C058
2C060
【Fターム(参考)】
2C058AC07
2C058AE04
2C058AF29
2C058AF31
2C058AF59
2C058DA38
2C060CB02
2C060CB13
(57)【要約】
【課題】記録媒体を精度よく搬送することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】ロール状に巻き取られている連続したシートを搬送し、搬送しているシートに画像を形成して記録を行うことが可能な画像形成装置の搬送ユニットにおいて、搬送方向における下流側に搬送ベルト、搬送方向における上流側に搬送ローラとピンチローラを配置し、搬送ベルトによる記録媒体の搬送速度を、搬送ローラによる記録媒体の搬送速度よりも速い速度とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対して画像を形成する画像形成装置であって、
画像を形成する記録ヘッドと、
前記記録媒体を搬送方向に搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラとの間で前記記録媒体を挟持するピンチローラと、
前記搬送方向において前記搬送ローラよりも下流側に位置し、前記記録媒体を前記搬送方向へ搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ローラと前記搬送ベルトとを駆動して前記記録媒体の搬送を行う搬送モータと、
を有し、
前記搬送ベルトの搬送速度は、前記搬送ローラの搬送速度よりも速い速度である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記搬送ベルトは、複数本が架け渡されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送ベルトは開口を有し、前記搬送ベルトの前記開口から空気を吸引するファンを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送方向と逆の方向に前記記録媒体を搬送するとき、前記搬送モータによる駆動は前記搬送ベルトに伝達されないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無端ベルトをかけ渡した搬送機構で記録媒体を搬送し、搬送機構によって記録領域に搬送された記録媒体に対して記録ヘッドで記録を行う画像形成装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2 0 0 7 - 5 0 5 4 4号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の搬送機構では、無端ベルトのみを用いているため、記録媒体を搬送するときに無端ベルトの伸び縮みが生じ、記録媒体を精度よく搬送することが出来ないという課題があった。本発明は、このような従来の技術に存在する課題に鑑みてなされたものであり、記録媒体を精度よく搬送することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための、本発明に係る一実施形態は、インクジェット方式の記録ヘッドと、前記記録媒体を搬送方向に搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラとの間で前記記録媒体を狭持するピンチローラと、前記搬送方向において前記搬送ローラよりも下流側に位置し、前記記録媒体を前記搬送方向へ搬送する搬送ベルトと、前記搬送ローラと前記搬送ベルトとを駆動して前記記録媒体の搬送を行う搬送モータと、を有し、前記搬送ベルトの搬送速度は、前記搬送ローラの搬送速度よりも速い速度であることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、記録媒体を精度よく搬送することができる画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【
図5】搬送ローラと搬送ベルトの構成を説明する図である。
【
図6】搬送ローラと搬送ベルトの構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本実施形態の画像形成装置を示した斜視図である。画像形成装置100は、LCD及びタッチパネルからなる操作部102が設けられた装置本体101と、記録媒体がロール状に巻き取られたロールシートを装填するロールシートホルダ103と、を備えている。画像形成装置100は、ロールシートを搬送手段によって搬送しつつ、そのロールシートに付されたラベルに合わせて、ホストコンピュータ104から受信した画像データを印刷する。画像形成装置100とホストコンピュータ104とは、プリンタケーブル105によってつながれている。
【0009】
図2は、本実施形態の画像形成装置100の模式断面図である。画像形成装置100は、ロールシートホルダ103に装填している記録媒体としてのロールシート200を、搬送ユニット201で搬送するよう構成されている。ロールシート200は、搬送ユニット201の搬送ローラ202と搬送ベルト207とで搬送される。搬送ユニット201の内部にはファン208が設けられ、搬送ユニット201は、ファン208によって負圧を発生させてロールシート200を搬送ベルト207に吸いつけながらロールシート200の搬送を行う。
【0010】
本実施形態の画像形成装置はインクを吐出して記録を行う画像形成手段を有するインクジェット画像形成装置であり、インクを吐出する多数のノズルを有する記録ヘッド210が搬送ベルト207の記録媒体を搬送する面と対向するように保持されている。この記録ヘッド210には不図示のインクタンクが接続されている。そして、記録に際しては搬送ユニット201によって搬送されるロールシート200に対して、画像信号に応じて記録ヘッド210からインクを吐出することにより画像を形成する。また、画像形成装置には記録ヘッド210のノズルを覆うことが可能な不図示のキャップが設けられている。キャップには不図示のポンプユニットが接続され、キャップ内を負圧とすることによりノズル内のインクを吸引することができる。吸引や吐出によりノズル内部のインクをキャップに排出することで、ノズルの目詰まりを防止することができる。
【0011】
記録ヘッド210よりもロールシート200の搬送方向上流側の位置には、ロールシート200に貼付されたラベルの有無を検出することが可能なメディアセンサ209が配置されている。ロールシート200の構成を
図8に示す。ロールシート200は連続したシートをロール状に巻き取ったものであるが、台紙701上にラベル702が等間隔に貼り付けられている。画像形成装置100は、ロールシート200を搬送し、ラベル702に記録を行う。
【0012】
<制御部>
図3は本実施形態の画像形成装置100の動作を制御する制御部の構成を示すブロック図である。画像形成装置100は制御部からの制御信号により、記録動作や後述するクリーニング動作を実行する。
【0013】
図3において、301は画像形成装置全体を制御するメインコントローラであり、データを格納する格納手段としての機能、及びデータ制御手段及び、設定データに基づいて本体の動作を変更する設定手段としての機能などを有する。メインコントローラ301はホストコンピュータ104に接続され、互いに信号の授受を行う。302はメインコントローラ301に接続され、制御プログラムなどが格納されているROMであり、それらのプログラムに従いメインコントローラ301はRAM303を作業用メモリとして使用する。304は前記ホストコンピュータ104から送信されてきた画像データを格納するイメージバッファである。305は前記記録ヘッド210に内蔵される発熱体(不図示)を駆動させる駆動回路であり、前記メインコントローラ301に接続されたドライバコントローラ306が、前記イメージバッファに格納されたビットマップ形式の画像データに従ってヘッド駆動回路305を制御することで画像を記録する。307は搬送部等に設けられた搬送モータ206を駆動する駆動回路であり、メインコントローラ301によって制御される。そして、操作部102のLCDに表示する画面や、ユーザがタッチパネルを操作した場合の挙動もメインコントローラ301によって制御される。また、センサ回路309によってメディアセンサ209等の検出が行われる。
【0014】
<搬送ユニット>
図4から
図6を用いて搬送ユニット201の説明を行う。
図4は搬送ユニット201の斜視図である。搬送ユニット201は、記録を行う際、ロールシート200を矢印Aの方向に搬送する。搬送ユニット201は、搬送ローラ202、ピンチローラ203、搬送ベルト207、プラテン402、シートガイド403を備えている。
【0015】
本実施形態の搬送ローラ202は、表面をセラミックでコーティングすることで、搬送するロールシート200との摩擦力を高めている。セラミックによるコーティングの他に、表面にブラスト処理を施したローラを搬送ローラとして用いることで、ロールシート200との摩擦力を高めることも可能である。搬送ローラ202は、後述する搬送ローラ軸に複数取り付けられている。
【0016】
ピンチローラ203は、バネ401の弾性力によって、搬送ローラ202へ向けて付勢されている。搬送ローラ202とピンチローラ203とでロールシート200を挟持する。
【0017】
搬送ベルト207は、搬送方向(矢印A)において搬送ローラ202よりも下流側に、搬送方向(矢印A)に沿って架け渡される。搬送ベルト207には、開口が設けられている。搬送ユニット201の内部には
図2に示すファン208が設けられており、ファン208で発生させた負圧によって、搬送ベルト207の開口から空気が吸い込まれる。搬送ユニット201にロールシート200がセットされているとき、搬送ベルト207の開口への吸気によって、ロールシート200の裏面は搬送ベルト207の上面に吸い付けられる。
【0018】
プラテン402の上面は、搬送ベルト207の上面と同じ高さとなるように構成されている。プラテン402の上面には、搬送ベルト207と同様に、開口が設けられている。プラテン402の開口からも、ファン208で発生させた負圧によって空気が吸い込まれ、ロールシート200の裏面をプラテン402の上面に吸いつける。ロールシート200が搬送されるとき、ロールシート200の裏面は、プラテン402の上面に接触しながら搬送される。
【0019】
プラテン402において、
図4の矢印Bで示す範囲は、記録ヘッド210によるロールシート200への記録が行われる領域である。プラテン402上で矢印Bの範囲を吸引することにより、ロールシート200の記録を行う領域をプラテン402の表面に吸い付ける。そして、ロールシート200の浮き上がりを抑制することで、ロールシート200が記録ヘッド210に接触するのを抑えたり、ロールシート200と記録ヘッド210との間隔が狭くなって記録画質が低下するのを抑えたりすることが出来る。
【0020】
シートガイド403は、ロールシート200の幅方向の位置を規制する。シートガイドは幅方向の両端部を規制するために一対で構成されている。一対のシートガイド403は、ラックアンドピニオンの機構によって、片方を幅方向に移動させると、他方が連動して逆方向に同距離だけ移動する。この機構により、異なる幅のロールシート200に記録する場合であっても、ロールシート200の幅方向における中心は同じ位置となる。
【0021】
搬送ベルト207のベルト幅方向の中心は、シートガイド403によって規制されるシート幅の中心と一致するように配置されている。そのため、異なる幅のロールシート200が画像形成装置にセットされた場合でも、搬送ベルト207はロールシート200の幅方向の中心部分に接触して搬送することが出来る。
【0022】
図5を用いて、搬送ローラ202と搬送ベルト207を駆動する機構について説明する。搬送ローラ202と搬送ベルト207は、共通の駆動源である搬送モータ206によって駆動される。無端の搬送ベルト207は、ベルトプーリ501と従動コロ502の間に架け渡される。ベルトプーリ501は、ベルト駆動軸503に取り付けられる。搬送モータ206による駆動は、第1駆動ベルト505によってベルト駆動軸503に伝わり、ベルト駆動軸503に取り付けられたベルトプーリ501が回転することで、搬送ベルト207に伝わる。なお、ベルトプーリ501には不図示のワンウェイクラッチが内蔵されている。そして、ベルト駆動軸503がロールシート200を搬送方向に搬送するときの回転方向で回転するときにだけ、ベルトプーリ501はベルト駆動軸503と一緒に回転する。ベルト駆動軸503がこれと逆方向に回転するときには、ベルト駆動軸503だけが回転し、ベルトプーリ501は回転しない。
【0023】
搬送ローラ202は、搬送ローラ軸504に取り付けられている。搬送モータ206が第1駆動ベルト505を介してベルト駆動軸503を回転させると、ベルト駆動軸503が第2駆動ベルト506を介して搬送ローラ軸504を回転させる。そして、搬送ローラ軸504に取り付けられた搬送ローラ202が回転する。
【0024】
図6は
図5を別の角度から見た図である。搬送ユニット201は、ロータリーエンコーダ601とメディアセンサ209を備えている。ロータリーエンコーダ601のコードホイールは、搬送ローラ軸に取り付けられている。ロータリーエンコーダ601の出力を
図3のセンサ回路で監視することで、搬送ローラ軸504の回転量や回転速度を検出することが出来る。搬送ローラ軸504の回転量や回転速度は、ロールシート200の搬送の制御や記録ヘッド210による記録タイミングの制御に用いられる。
【0025】
メディアセンサ209は、画像形成装置100にセットされたロールシート200上に貼り付けられているラベル702を検出する。メディアセンサ209は光学式の透過型センサや反射型センサを用いて、ラベル702の有無を検出する。メディアセンサ209の出力は、記録ヘッド210による記録開始タイミングの制御に用いられる。
【0026】
本実施形態では、搬送モータ206からベルト駆動軸503への動力伝達と、ベルト駆動軸503から搬送ローラ軸504への動力伝達とを、歯付きプーリとコグベルトの組み合わせによって行う。平ベルトとプーリの組み合わせを用いることも可能であるが、搬送モータ206による駆動をロスなく搬送ローラ202に伝えるとともに、搬送ローラ202によるロールシート200の搬送精度を高めるためには、滑りが生じにくい歯付きプーリとコグベルトの組み合わせが望ましい。
【0027】
本実施形態においては、搬送ローラ202によるロールシート200の搬送速度よりも搬送ベルト207による搬送速度を速くしている。搬送ローラ202によるロールシート200の搬送は、搬送ローラ202とピンチローラ203でロールシートを挟持しながら行われる。一方、搬送ベルト207によるロールシート200の搬送は、ファン208で発生させた負圧によって、ロールシート200を搬送ベルト207に吸い付けながら行われる。搬送ローラ202とピンチローラ203によるロールシート200の保持力は、搬送ベルト207と吸引ファン208によるロールシート200の保持力を上回る。その為、ロールシート200の移動速度は搬送ローラ202の搬送速度によって決まる。そして、ロールシート200と搬送ベルト207との間に滑りが生じることで、ロールシート200の移動速度と搬送ベルト207の搬送速度との差が解消される。
【0028】
搬送ベルト207は、搬送ローラ202よりも搬送方向下流側に位置している。そして、搬送ベルト207の搬送速度は、搬送ローラ202よりも速く設定している。そのため、ロールシート200は、搬送方向下流側に引っ張られながら搬送される。ロールシート200を引っ張りながら搬送することで、プラテン402上でロールシート200に弛みが生じるのを抑制することが出来る。
【0029】
搬送ベルト207と搬送ローラ202の搬送速度の差は、小さすぎるとプラテン402上でのロールシート200の弛みを抑制する効果が弱くなってしまう。一方、搬送ベルト207と搬送ローラ202の搬送速度の差が大きすぎると、ロールシート200の裏面と搬送ベルトの表面との間の摩擦によって、ロールシート200の裏面に擦れた痕跡が残ったり、搬送ベルト207の表面の摩耗が進みやすくなったりする。そのため、搬送ベルト207による搬送速度が搬送ローラ202による搬送速度よりも3~5%程度速くなるようにするのが好適である。
【0030】
搬送ベルト207の搬送速度は、搬送モータ206の回転数の他に、歯付きプーリの歯数とベルトプーリ501の外径とによって設定される。搬送ローラ202の搬送速度は、搬送モータ206の回転数の他に、歯付きプーリの歯数と搬送ローラ202の外径とによって設定される。本実施形態においては、搬送モータ206を搬送ベルト207と搬送ローラ202とを駆動する共通駆動源とし、歯付きプーリを共通の部品としている。そのため、ベルトプーリ501の外径を搬送ローラ202の外径よりも大きくすることで、搬送速度を調整している。
【0031】
ロールシート200を画像形成装置100にセットするときや、ロールシート200に記録を行うにあたってラベル702の先端を記録開始位置へ移動させるときに、画像形成装置100はロールシート200を搬送方向と逆方向へ移動させるバックフィードを行う。バックフィードを行う場合に、搬送ベルト207の搬送速度が搬送ローラ202の搬送速度よりも速く設定されていると、ロールシート200に弛みが生じる恐れがある。これは、移動方向の上流側の搬送速度が下流側の搬送速度よりも速くなるためである。本実施形態では、ベルトプーリ501にワンウェイクラッチを内蔵させているため、バックフィードを行う際には、搬送ベルト207による搬送は行われない。従って、ロールシート200のバックフィードを行う場合、ロールシート200は搬送ローラ202とピンチローラ203とで搬送されるので、ロールシート200に弛みが生じることを抑制できる。
【0032】
図7を用いてジャム検出用ホイールについて説明する。ジャム検出用ホイール612は従動ローラ611と同じ軸に取り付けられており、従動ローラ611が回転するとジャム検出用ホイール612も回転する。ジャム検出用ホイール612には一定の角度ごとにスリットが設けられている。フォトインタラプタ613は発光部と受光部の間をジャム検出ホイール612のスリットが通過するように設置される。フォトインタラプタ613の受光部が光の検出と非検出を繰り返すことで、ジャム検出ホイールが回転していることを検出する。逆に受光部が光を検出し続けたり非検出が一定時間以上続いたりする場合は、ジャム検出用ホイール612が回転していないことを検出する。ジャム検出用ホイール612が回転していないときは従動ローラ611も回転していない状態である。
【0033】
従動ローラ611はロールシート200の幅方向と搬送方向において、搬送ベルト207と重なる位置に配置されている。従動ローラ611は回動可能に軸支されている。ロールシート200がセットされているとき、従動ローラ611はロールシート200に接触しておりロールシート200の移動に応じて従動回転する。ロールシート200がセットされていないとき、従動ローラ611は搬送ベルト207と接触しており搬送ベルト207の移動に応じて従動回転する。
【0034】
ロールシート200がセットされた状態で搬送ベルト207が移動しているにもかかわらず、ジャム検出用ホイール612が回転していないことがフォトインタラプタ613によって検出された場合、ロールシート200のジャム(詰まり)が発生している可能性があることから、ロールシート200の搬送を停止する。
【0035】
従動ローラ611と搬送ベルト207の位置がずれている場合、従動ローラ611がロールシート200をプラテン402に押し付けることになる。ロールシート200をプラテン402に押し付けると摩擦抵抗が増すため、ロールシート200の搬送効率が低下したりロールシート200の直進性が低下したりする。そのため、従動ローラ611は搬送ベルト207と重なる位置に配置することが望ましい。
【0036】
<変形例>
本実施形態では、搬送ユニット201において1本の搬送ベルト207を架け渡す構成としたが、複数本のベルトを架け渡す構成としても良い。その場合、シートガイド403で規制するシート幅の中央を中心線として、シート幅方向で線対称となるように複数のベルトを配置するのが望ましい。このように配置することによって、ロールシート200を搬送する方向が幅方向にずれにくくなる。また、搬送ベルト207の配置はプラテン中央付近に限定されるものではなく搬送するロールシートが通過するどちらかの端部付近に設けても良い。また、本実施形態では、開口を有している搬送ベルト207を用いて、ファン208による吸引でロールシート200を搬送ベルトに吸い付けながら搬送している。しかし、開口のない搬送ベルトを用いて、プラテン402の開口のみで吸引する形態でもよい。また、ファンによる吸引を行わずに、拍車を用いてロールシート200がプラテン402から浮き上がるのを抑制する構成としても良い。また、搬送ベルト207と搬送ローラ202をそれぞれ別のモータで駆動する構成としても良い。
【0037】
以上、説明したように、本発明によれば、記録媒体を精度よく搬送することができる画像形成装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
ロールシート 200
搬送ユニット 201
搬送ローラ 202
ピンチローラ 203
ベルトプーリ 204
搬送モータ 206
搬送ベルト 207
ファン 208
メディアセンサ 209
記録ヘッド 210
バネ 401
プラテン 402
シートガイド 403
ベルトプーリ 501
従動コロ 502
ベルト駆動軸 503
搬送ローラ軸 504
第1駆動ベルト 505
第2駆動ベルト 506
ロータリーエンコーダ 601
従動ローラ 611
ジャム検出用ホイール 612
フォトインタラプタ 613
台紙 701
ラベル 702