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特開2023-174597経中隔穿刺装置のためのポート及び深さストップ並びに先端特徴
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174597
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】経中隔穿刺装置のためのポート及び深さストップ並びに先端特徴
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023086017
(22)【出願日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】17/825,233
(32)【優先日】2022-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】デビー・イー・ハイスミス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK13
4C160KK36
4C160KK37
4C160KK58
(57)【要約】
【課題】経中隔装置を提供すること。
【解決手段】経中隔装置は、本体アセンブリと、シャフトアセンブリと、先端部材と、を含む。シャフトアセンブリは、本体アセンブリから遠位に延在し、遠位端部及びルーメンを含む。先端部材は、シャフトの遠位端部に固定されている。先端部材及びシャフトの遠位端部は、ヒト対象の心臓の腔内に嵌合するようにサイズ決定及び構成されている。先端部材は、遠位先端部及び少なくとも1つの流体通路を含む。遠位先端部は、電気エネルギーを組織に送達するように構成されている。少なくとも1つの流体通路は、シャフトのルーメンと流体連通している。先端部材の流体通路の少なくとも一部分は、シャフトの遠位端部に対して近位に位置付けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経中隔装置であって、
(a)本体アセンブリと、
(b)前記本体アセンブリから遠位に延在するシャフトであって、前記シャフトが、
(i)遠位端部と、
(ii)ルーメンと、を含む、シャフトと、
(c)前記シャフトの前記遠位端部に固定された先端部材であって、前記先端部材及び前記シャフトの前記遠位端部が、ヒト対象の心臓の腔内に嵌合するようにサイズ決定及び構成されており、前記先端部材が、
(i)電気エネルギーを組織に送達するように構成された遠位先端部と、
(ii)前記シャフトの前記ルーメンと流体連通する少なくとも1つの流体通路であって、前記先端部材の前記少なくとも1つの流体通路の少なくとも一部分が、前記シャフトの前記遠位端部に対して近位に位置付けられている、少なくとも1つの流体通路と、を含む、先端部材と、を備える、経中隔装置。
【請求項2】
前記先端部材が、本体を更に含み、前記少なくとも1つの流体通路が、前記本体の側部に形成された凹部を含む、請求項1に記載の経中隔装置。
【請求項3】
前記凹部が、遠位部分及び近位部分を含み、前記遠位部分が、前記シャフトの前記遠位端部に対して遠位に位置付けられ、前記近位部分が、前記シャフトの前記遠位端部に対して近位に位置付けられている、請求項2に記載の経中隔装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの流体通路が、前記本体を通って延在する中心長手方向軸の周りに等距離で互いから角度的に離隔された少なくとも2つの凹部を含む、請求項2に記載の経中隔装置。
【請求項5】
前記凹部が、前記本体を通って延在する中心長手方向軸に向かって内向きに延在する、請求項2に記載の経中隔装置。
【請求項6】
前記先端部材が、遠位本体と、前記遠位本体と結合された近位本体と、を備え、前記近位本体が、前記シャフトに固定されており、前記少なくとも1つの流体通路が、前記近位本体を通って形成されている、請求項1に記載の経中隔装置。
【請求項7】
前記近位本体が、ディスク形状を含む、請求項6に記載の経中隔装置。
【請求項8】
前記ルーメンが、内径を備え、前記遠位本体が、第1の外径を画定し、前記近位本体が、第2の外径を画定し、前記第2の内径が、前記内径に対応するようにサイズ決定されており、前記第1の内径は、前記遠位本体が前記シャフトとの間隙を画定するように、前記内径よりも小さい、請求項6に記載の経中隔装置。
【請求項9】
前記間隙、及び前記近位本体を通って形成された前記少なくとも1つの流体通路が、協働して、前記ルーメンと前記先端部材の外部の領域との間の流体連通のための経路を提供するように構成されている、請求項8に記載の経中隔装置。
【請求項10】
前記近位本体が、前記シャフトの前記ルーメン内に位置付けられている、請求項6に記載の経中隔装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの流体通路が、前記近位本体を通って形成された複数の開口部を含み、前記開口部が、前記近位本体を通って延在する中心長手方向軸の周りに互いから角度的に離隔されている、請求項6に記載の経中隔装置。
【請求項12】
前記先端部材が、前記近位本体と前記遠位本体との間に介在する中間本体を更に備える、請求項6に記載の経中隔装置。
【請求項13】
前記中間本体が、前記近位本体及び前記遠位本体よりも狭い、請求項12に記載の経中隔装置。
【請求項14】
前記遠位先端部が、ドーム形状を含む、請求項1に記載の経中隔装置。
【請求項15】
前記本体アセンブリが、ハンドル本体及び深さストップ部材を含み、前記深さストップ部材が、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対して移動可能であり、前記深さストップ部材が、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対する前記深さストップ部材の位置に基づいて、誘導シース内への前記シャフトの挿入の深さを制限するように構成されている、請求項1に記載の経中隔装置。
【請求項16】
前記本体アセンブリが、アクチュエータを更に備え、前記アクチュエータが、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対する前記深さストップ部材の移動を駆動するように動作可能である、請求項15に記載の経中隔装置。
【請求項17】
前記本体アセンブリが、前記シャフトの前記ルーメンと流体連通するポートを更に備え、前記ポートが、管と結合するように構成されている、請求項15に記載の経中隔装置。
【請求項18】
経中隔装置であって、
(a)本体アセンブリと、
(b)前記本体アセンブリから遠位に延在するシャフトであって、前記シャフトが、
(i)遠位端部と、
(ii)ルーメンと、を含む、シャフトと、
(c)前記シャフトの前記遠位端部に固定された先端部材であって、前記先端部材及び前記シャフトの前記遠位端部が、ヒト対象の心臓の腔内に嵌合するようにサイズ決定及び構成されており、前記先端部材が、
(i)電気エネルギーを組織に送達するように構成された、ドーム形状の遠位先端部と、
(ii)前記シャフトの前記ルーメンと流体連通する中空内部領域と、
(iii)前記中空内部領域と流体連通する少なくとも1つの開口部と、を含む、先端部材と、を備える、経中隔装置。
【請求項19】
経中隔装置であって、
(a)本体アセンブリであって、前記本体アセンブリが、
(i)ハンドル本体と、
(ii)深さストップと、を含む、本体アセンブリと、
(b)前記本体アセンブリから遠位に延在するシャフトであって、前記シャフトが、
(i)遠位端部と、
(ii)ルーメンと、を含む、シャフトと、
(c)前記シャフトの前記遠位端部に固定された先端部材であって、前記先端部材及び前記シャフトの前記遠位端部が、ヒト対象の心臓の腔内に嵌合するようにサイズ決定及び構成されており、前記先端部材が、
(i)電気エネルギーを組織に送達するように構成された遠位先端部と、
(ii)前記シャフトの前記ルーメンと流体連通する少なくとも1つの流体通路と、を含む、先端部材と、を含み、
前記深さストップ部材が、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対して移動可能であり、前記深さストップ部材が、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対する前記深さストップ部材の位置に基づいて、誘導シース内への前記シャフトの挿入の深さを制限するように構成されている、経中隔装置。
【請求項20】
誘導シースを更に備え、前記誘導シースが、前記シャフト及び前記先端部材を受容するように構成された挿入ポートを含み、前記深さストップ部材が、前記挿入ポートと係合し、それによって、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対する前記深さストップ部材の位置に基づいて、前記誘導シース内への前記シャフトの挿入の深さを制限するように構成されている、請求項19に記載の経中隔装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心房細動などの心不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。電気エネルギー(例えば、高周波(ACタイプ)又はパルスフィールド(DCタイプ)エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的にアブレーションすることにより、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能となり得る。アブレーションプロセスは、組織を横切る異常な電気信号の通信を効果的に遮断する電気絶縁性病変又は瘢痕組織を形成することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0002】
一部の処置では、1つ又は2つ以上の電極を有するカテーテルを使用して、心臓血管系内にアブレーションを提供することができる。カテーテルを主要な静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)に挿入し、次いで前進させて、心臓内又は心臓に隣接する心臓血管構造(例えば、肺静脈)内に電極を位置決めすることができる。1つ又は2つ以上の電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触させて配置し、次いで電気のエネルギーで作動させることによって、接触した組織をアブレーションすることができる。場合によっては、電極は双極であってもよい。いくつかの他の場合において、患者と接触している接地パッド又は患者と接触している他の基準電極と組み合わせて、単極電極が使用され得る。灌注を使用して、アブレーションカテーテルのアブレーション構成要素から熱を引き出し、アブレーション部位付近に血栓が形成されるのを防ぐことができる。
【0003】
場合によっては、心房中隔を横断して、電気生理学的又は構造的試験、治療(例えば、アブレーション)、又はマッピングを含む、心臓の左心房における様々なタイプの心臓介入のアクセスを促進することが望ましくあり得る。心房中隔の横断を達成するために、針又は他の器具が、中隔を通して開口部を形成するために使用され得る。経中隔針及び関連する構成要素の例は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2006年2月7日に発行された「Method and Device for Transseptal Facilitation Based on Injury Patterns」と題する米国特許第6,994,094号、開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2012年4月10日に発行された「Retractable Dilator Needle」と題する米国特許第8,152,829号、開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月26日に発行された「Ablation Catheter with Dedicated Fluid Paths and Needle Centering Insert」と題する米国特許第9,848,943号、開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2004年11月4日に公開され、現在は放棄されている「Method and Device for Transseptal Facilitation Using Location System」と題する米国特許出願公開第2004/0220471号、及び開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2004年11月4日に公開され、現在は放棄されている「Transseptal Facilitation Using Sheath with Electrode Arrangement」と題する米国特許出願公開第2004/0220461号に開示されている。いくつかの経中隔針器具は、心房中隔を通して形成された開口部を更に拡張する拡張特徴を含む。
【0004】
経中隔穿刺システム及び方法が作製及び使用されてきたが、流体連通機能、ユーザワークフローに対する改善、及び他の改善が望まれている。本発明者らよりも以前に、本明細書に記載、例示及び特許請求の範囲に記載される本発明を製造又は使用したものはないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療処置の概略図を示す。
図2図1のカテーテルアセンブリとともに使用され得る誘導シースの一実施例の斜視図を示す。
図3A】心房中隔に接近するシースの一実施例の概略図を示す。
図3B】拡張器が心房中隔に接近するように、図3Aのシースに対して遠位に前進させられた拡張器の概略図を示す。
図3C】針が心房中隔を貫通して開口部を形成するように、図3Aのシース及び図3Bの拡張器に対して遠位に前進させられた針器具の概略図を示す。
図3D】拡張器が針によって形成された開口部を拡張するように、図3Cの針器具によって形成された開口部を通して遠位に前進させられた図3Bの拡張器の概略図である。
図3E図3Bの拡張器及び図3Aのシースが近位に後退させられ、それによって心房中隔内の拡張された開口部から出る概略図を示す。
図4図3Cの針器具、図3Bの拡張器、及び図3Aのシースによって形成されたアセンブリの遠位端面図を示す。
図5】針器具の中間部分が省略された、図3Cの針器具の側面図を示す。
図6図3Cの針器具の一部分の側面図を示す。
図7図3Cの針器具の遠位部分の側断面図である。
図8】針器具のシャフトが横断面図で示される、針器具の一実施例の遠位部分の立面図を示す。
図9図8の針器具の遠位端部の端面図を示す。
図10図8の線6-6に沿って取られた、図8の器具の断面図を示す。
図11】針器具のシャフトが横断面図で示される、針器具の別の実施例の遠位部分の立面図を示す。
図12図11の針器具の遠位端部の端面図を示す。
図13図11の線9-9に沿って取られた、図11の針器具の断面図を示す。
図14】針器具の別の実施例の遠位部分の立面図を示す。
図15図14の針器具の横断面図を示す。
図16A】ハンドルアセンブリが図2の誘導シースから離隔されるように、深さストップ部材が近位位置にある、ハンドルアセンブリが近位位置にある、図8の針器具のためのハンドルアセンブリの一実施例の横断面図を示す。
図16B】ハンドルアセンブリが図2の誘導シースから離隔されたままであるように、深さストップ部材が遠位位置にあり、ハンドルアセンブリが近位位置にある、図16Aのハンドルアセンブリの横断面図を示す。
図16C】深さストップ部材が図2の誘導シースと係合するように、深さストップ部材が遠位位置にあり、ハンドルアセンブリが遠位位置にある、図16Aのハンドルアセンブリの横断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。
【0007】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0008】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素集合を、本明細書に記載のその意図された目的に沿って機能させるのに適した寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、挙げた値の±20%の値の範囲を指す場合があり、例えば「約90%」は、70%~110%の値の範囲を指す場合がある。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。
【0009】
I.カテーテルシステムの実施例の概要
図1は、上に言及した、EPマッピング又は心臓アブレーションを行うために使用できる心臓カテーテルシステムの例示的な医療手技及び関連する構成要素を示す。具体的には、図1は、カテーテルアセンブリ(100)のハンドルアセンブリ(110)を把持する医師(physician、PH)を示し、カテーテルアセンブリ(100)のカテーテルのエンドエフェクタ(図示せず)は、患者(patient、PA)の心臓(heart、H)内又はその近くの組織の電位をマッピングするか、又は組織をアブレーションするように患者(PA)内に配設されている。エンドエフェクタは、電気エネルギーを標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタに付与された外力を追跡し、エンドエフェクタの場所を追跡し、及び/又は流体を分散させるように構成されている、種々の電極、センサ、及び/又は他の特徴を含み得る。
【0010】
カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)と結合されている。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)と結合されている。一組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下方に位置付けられ、別のケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)と結合されている。磁場発生器(20)は、単に任意選択である。本実施例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)及びディスプレイ(18)を含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)及び第2のドライバモジュール(16)を含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)と結合されている。一部の変形例では、第1のドライバモジュール(14)は、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタのマイクロ電極を介して取得されたEPマッピング信号を受け取るように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理し、それによって、当該技術分野において既知のEPマッピングを行うプロセッサ(図示せず)を含む。
【0011】
本実施例の第1のドライバモジュール(14)は、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタの遠位先端部材に電力を供給し、それによって、組織をアブレーションするように更に動作可能である。第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)と結合されている。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を活性化させて、患者(PA)の心臓(H)の周りに交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0012】
第1のドライバモジュール(14)はまた、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタ内又はその近くのナビゲーションセンサアセンブリから位置表示信号を受け取るように動作可能である。このような変形例では、コンソール(12)のプロセッサはまた、ナビゲーションセンサアセンブリからの位置表示信号を処理して、それによって、患者(PA)内のカテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタの位置を判定するように動作可能である。いくつかの変形例では、ナビゲーションセンサアセンブリは、患者(PA)内のカテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタの位置及び配向を示す信号を生成するように動作可能な2つ又はそれ以上のコイルを含む。コイルは、磁場発生器(20)によって発生した交流電磁場の存在に応答して、電気信号を生成するように構成されている。
【0013】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサと結合されており、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、手術前又は手術中に取得された一組の画像(例えば、CTスキャン又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づき得る。ディスプレイ(18)を通して提供される患者の解剖学的構造のビューはまた、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタのナビゲーションセンサアセンブリからの信号に基づいて動的に変化し得る。例えば、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタが患者(PA)内を移動すると、ナビゲーションセンサからの対応する位置データにより、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタが患者(PA)内を移動するときにエンドエフェクタの周りの患者の解剖学的構造の領域を描写するために、ディスプレイ(18)の患者の解剖学的構造をリアルタイムで更新し得る。更に、コンソール(12)のプロセッサは、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタを用いた電気生理学的(electrophysiological、EP)マッピングによって検出されるように、又は他の方法で(例えば、専用のEPマッピングカテーテルを使用するなど)検出されるように、異常な導電性組織部位の場所を示すようにディスプレイ(18)を駆動し得る。単なる例として、コンソール(12)のプロセッサは、照明ドット、十字線、又は異常な導電性組織部位のいくつかの他の形式の視覚的指示を重ね合わせることなどによって、異常な導電性組織部位の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。
【0014】
コンソール(12)のプロセッサはまた、ディスプレイ(18)を駆動し、照射された点、十字線、エンドエフェクタのグラフィック表現、又は他の形態の視覚的表示を重ね合わせるなどにより、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタの現在の位置を患者の解剖学的構造の画像に重ね合わせ得る。このような重ね合わされた視覚的表示はまた、医師が患者(PA)内でカテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタを移動させると、リアルタイムでディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内で移動することができ、それによって、エンドエフェクタが患者(PA)内で移動すると、患者(PA)内のエンドエフェクタの位置に関するリアルタイムの視覚的フィードバックを操作者に提供する。したがって、ディスプレイ(18)を介して提供された画像は、エンドエフェクタを見る光学機器(即ち、カメラ)を必ずしも持たなくても、患者(PA)内のカテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタの位置を追跡するビデオを効果的に提供し得る。同じビューにおいて、ディスプレイ(18)は、EPマッピングによって検出された異常な導電性組織部位の位置を同時に視覚的に示すことができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、マッピングされた異常な導電性組織部位及び患者(PA)内の隣接する解剖学的構造の画像に関連して、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタのリアルタイムの位置を観察し得る。
【0015】
本実施例の流体源(42)は、生理食塩水又は一部の他の好適な流体を収容するバッグを含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に駆動するように動作可能なポンプ(44)に更と結合されている可撓性チューブを含む。そのような流体は、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタの遠位先端部材の開口部を通して排出され得る。そのような流体は、本明細書の教示に照らして当業者に明らかである任意の好適な方法で提供されてもよい。
【0016】
II.誘導シースの実施例
いくつかの処置によっては、医師(PH)は、誘導シースを介してカテーテル(100)を患者(PA)に導入することを望む場合がある。いくつかのこのような処置では、誘導シースを患者(PA)に挿入し(例えば、患者(PA)の脚又は鼠径部を介して)、次いで、静脈又は動脈に沿って前進させて、心臓(H)内又は心臓(H)付近の位置に到達させ得る。誘導シースが患者(PA)内に好適に位置付けられると、医師(PA)は、エンドエフェクタが誘導シースの遠位端部を出るまで、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタ及びカテーテルを誘導シース内に前進させてもよい。次いで、医師(PA)は、EPマッピング、アブレーション、又は患者(PA)の心臓(H)内若しくは心臓(H)付近での任意の他の種類の操作を行うために、カテーテルアセンブリ(100)を操作してもよい。
【0017】
図2は、このような処置で使用され得る誘導シース(200)の一実施例を示す。この実施例の誘導シース(200)は、ハンドルアセンブリ(210)の遠位端部(216)から遠位方向に延在する中空シャフト(220)を有するハンドルアセンブリ(210)の形態の本体を含む。ハンドルアセンブリ(210)は、ケーシング(212)を把持するように構成されている。中空シャフト(220)の開放遠位端部(240)は、シャフトの長手方向軸(longitudinal axis、LA)から離れて横方向に偏向するように動作可能である。この偏向は、ハンドルアセンブリ(210)の遠位端部(216)にある回転ノブ(214)によって制御される。回転ノブ(214)は、長手方向軸(LA)を中心にケーシング(212)に対して回転可能であり、それによって、中空シャフト(220)の開放遠位端部(240)の横方向の偏向を駆動する構成要素を作動させる。あくまで一例として、このような作動構成要素は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、1つ又は2つ以上のプルワイヤ、バンド、又は任意の他の好適な構造体を備えてもよい。この実施例では、誘導シース(200)の本体はハンドルアセンブリ(210)の形態であるが、本体は他の形態をとってもよい。例えば、いくつかの変形例は、誘導シース(200)のロボット制御された形態を提供してもよい。いくつかのそのような変形例では、本体は、ロボットアーム及び/又は他の種類のロボット駆動特徴と機械的にインターフェース接続する構造の形態をとってもよい。
【0018】
図2に示されるように、管(202)は、ハンドルアセンブリ(210)の近位端部(218)から横方向に延在する。この実施例の管(202)は、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された中空内部(図示せず)と流体連通し、中空内部は、中空シャフト(220)の内部と流体連通している。本実施例の管(202)は、流体源(204)と更に流体連通している。あくまで一例として、流体源(204)は、生理食塩水、蛍光透視法造影剤流体又は任意の他の好適な流体を含んでもよい。いくつかの変形例では、流体は、針器具(290)の文脈で以下により詳細に記載されるように、中空シャフト(220)内に配設された器具を介して連通される。いくつかのそのような変形例では、管(202)は省略され、中空シャフト(220)内の器具は、流体源(204)と直接結合される。
【0019】
また図2に示すように、ハンドルアセンブリ(210)の近位端部(218)は、挿入ポート(250)を更に含む。挿入ポート250は、長手方向軸(LA)と位置合わせされ、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタ及びカテーテルを中空シャフト(220)に挿入するためのポートを提供する。この例の挿入ポート(250)は、開口部を画定する環状突出部(252)(例えば、図16Aに示すような)を含む。突出部(252)は、近位端部(218)においてケーシング(212)から近位に突出する。いくつかの変形例では、突出部(252)は省略される。
【0020】
シール(図示せず)は、挿入ポート(250)の開口部内に位置付けられる。あくまで一例として、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、そのシールは、エラストマ膜又は他の種類の構成要素を含み得る。挿入ポート(250)の開口部内のシールは、シールを通した器具(例えば、カテーテルアセンブリ(100)のカテーテルなど)の挿入を容易にするように構成されたスリット構成を更に含み得る。挿入ポート(250)の開口部内のシールを通して何も挿入されていないときに、シールは、挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路の部分から流体が漏れることを防止し、かつ挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路に空気が入ることを防止する、流体密封シールを提供するように構成されている。挿入ポート(250)の開口部内のシールを通して器具が挿入されるときに、シールは、依然として、ポート(250)の流体密封シールを実質的に維持し、挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路から流体が漏れることを防止し、かつ挿入ポート(250)の開口部内のシールに対して並進することを依然として可能にしながら、挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路に空気が入ることを防止する。したがって、器具が挿入ポート(250)内に配置されているかどうかにかかわらず、シールは、流体が挿入ポート(250)を通って漏出することを防止し、かつ、空気が挿入ポート(250)を介して患者(PA)の心臓(H)内に吸引されることを防止することができる。
【0021】
III.心臓における経中隔貫通の実施例
A.概要
いくつかの処置では、標的心臓血管構造に到達するために、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタに心房中隔を横断させることが望ましい場合がある。例えば、エンドエフェクタは、右心房を介して心臓(H)に入ってもよく、一方、標的心臓血管構造は、左心房から延在する肺静脈である。心房中隔が右心房と左心房との間に解剖学的障壁を提示する状態で、穿孔器具を使用して心房中隔を通る開口部を形成し、それによってカテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタが右心房から左心房及び隣接する構造に到達するための通路を提供することができる。
【0022】
図3A図3Eは、針器具(290)を使用して、心房中隔(septum、S)を通して開口部(opening、O)を形成し、かつ拡張器(280)を使用して、開口部(O)を拡大する処置の一実施例を示す。図3Aに示されるように、処置は、シース(270)の開放遠位端部(272)が中隔(S)の穿通標的場所に向かって配向されるように、右心房内に位置付けられるシース(270)から開始する。あくまで一例として、シース(270)は、上述の誘導シース(200)などの汎用誘導シースを含んでもよいし、又は、拡張器(280)及び針器具(290)とともに使用するために特に構成されたシース(例えば、キットの一部としてなど)であってもよい。
【0023】
シース(270)の遠位端部(272)が適切に位置付けられると、図3Bに示すように、拡張器(280)がシース(270)に対して遠位に前進し、その結果、拡張器(280)がシース(270)の遠位端部(272)から遠位に突出する。この実施例の拡張器(280)は、開放遠位端部(282)と、遠位端部(282)に向かって狭くなるテーパ状外側表面(284)とを有する。いくつかの変形例では、テーパ状外側表面(284)は、線形テーパを有する。いくつかの変形例では、テーパ状外側表面(284)は、湾曲したテーパを有する。代替的には、テーパ状外側表面(284)は、任意の他の好適な構成を有し得る。拡張器(280)がシース(270)に対して遠位に前進した状態で、拡張器(280)の遠位端部(282)は、中隔(S)の貫通標的位置に向かって配向される。
【0024】
拡張器(280)の遠位端部(282)が適切に位置付けられると、図3Cに示すように、針器具(290)が拡張器(280)に対して遠位に前進し、その結果、針器具(290)の遠位シャフト(292)が拡張器(280)の遠位端部(282)から遠位に突出する。針器具(290)が拡張器(280)に対して遠位に前進すると、針器具(290)の遠位先端部(294)及び遠位シャフト(262)の一部が中隔(S)を貫通し、それによって、開口部(O)を形成する。本実施例では、遠位先端部(294)は鈍い構成を有する。例えば、遠位先端部(294)は、ドーム形状又は任意の他の好適な構成を有してもよい。したがって、「針」という用語は、針器具(290)という用語において使用されるが、これは、針器具(290)が鋭利な遠位先端部(294)を有することを必要とするものとして読まれるべきではない(針器具(290)のいくつかの変形例は、実際には鋭い遠位先端部(294)を有する場合があるが)。本実施例の遠位先端部(294)は、電極(296)を更に含み、この電極は、電気エネルギー(例えば、高周波(ACタイプ)又はパルスフィールド(DCタイプ)エネルギー)を中隔(S)の組織に印加するように作動され、それによって、中隔(S)の貫通を補助する。1つの電極(296)が示されているが、遠位先端部(294)は、代替的に、2つ以上の電極(296)を含んでもよい。
【0025】
針器具(290)が開口部(O)を形成した後、拡張器(280)は、図3Dに示すように開口部(O)の中へ遠位に前進する。図3Dに示す実施例では、針器具(290)は、拡張器(280)が開口部(O)内に遠位に前進する前に、拡張器(280)内に近位に後退して戻る。いくつかの他のシナリオでは、針器具(290)は、拡張器(280)が開口部(O)内に遠位に前進するときに、拡張器(280)に対して遠位に前進したままである。図3Dにも示されるように、シース(270)は、拡張器(280)が開口部(O)内に遠位に前進するときに、拡張器(280)とともに遠位に前進する。いくつかの他のシナリオでは、シース(270)は静止したままであるが、拡張器(280)は開口部(O)内に遠位に前進する。シース(270)と針器具(290)との相対的な位置付けにかかわらず、拡張器(280)が開口部(O)内に遠位に前進するときに、拡張器(280)のテーパ状外側表面(284)は、開口部(O)の内側縁部を圧迫し、それによって開口部(O)を拡張させる。
【0026】
拡張器(280)が開口部(O)を十分に拡張したら、図3Eに示すように、拡張器(280)を開口部(O)に対して近位に後退させ、その結果、拡張器(280)が拡張した開口部(O)から出る。示される実施例では、シース(270)は、拡張器(280)とともに近位に後退する。いくつかのシナリオでは、拡張器(280)及び針器具(290)は、図3Eに示す状態に到達した後にシース(270)から完全に除去されるが、シース(270)は右心房内に配設されたままである。次いで、追加の器具(例えば、心臓マッピングカテーテル、心臓アブレーションカテーテルなど)が、シース(270)を通して、次いで拡張された開口部(O)を通して挿入され得る。いくつかの他のシナリオでは、シース(270)が右心房から除去され、別のシース(例えば、誘導シース(200))が右心房に導入され、追加の器具類(例えば、心臓マッピングカテーテル、心臓アブレーションカテーテルなど)が、上記別のシースを通って前進して、最終的に、拡張された開口部(O)を通過する。
【0027】
あくまで一例として、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタは、拡張された開口部(O)を通して右心房から前進し、それによって、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタを、左心房内、肺静脈内、及び/又は中隔(S)側の任意の他の好適な解剖学的領域内に位置決めし得る。いくつかのシナリオでは、シース(270)、又は誘導シース(200)の中空シャフト(220)は、拡張された開口部(O)を通過して、カテーテルアセンブリ(100)のエンドエフェクタを左心房内、肺静脈内、及び/又は中隔(S)側の任意の他の好適な解剖学的領域内に誘導することを更に支援する。処置の完了時に、開口部(O)は、任意の好適な技法を使用して閉鎖され得る。
【0028】
図4は、シース(270)、拡張器(280)、及び針器具(290)の組み合わせの遠位端面図を提供する。本実施例では、シース(270)及び拡張器(280)は、図3Bに示すように、拡張器(280)がシース(270)に対して遠位に前進するときに、拡張器(280)の外径がシース(270)の外径とほぼ一致するように構成されている。言い換えれば、シース(270)の遠位端部(272)において、拡張器(280)の外径とシース(270)の外径との間に滑らかな移行がある。これにより、シース(270)の遠位端部(272)における拡張器(280)の外径とシース(270)の外径との間の移行部での引っ掛かりのリスクを低減し得る。いくつかの変形例は、遠位端部(272)は、シース(270)の外径から拡張器(280)の外径への滑らかな移行を提供するように、傾斜しているか、丸みを帯びているか、又は別様に構成されている。
【0029】
図5は、針器具(290)を更に詳細に示している。図示のように、遠位シャフト(292)は、グリップ(291)から遠位に延在する近位シャフト(298)と結合される。グリップ(291)は、近位ポート(293)及び流体継手(295)を更に含む。近位ポート(293)は、1つ又は2つ以上のワイヤ、フレックス回路構成要素、及び/又は他の電気通信構成要素を含み得るケーブル(13)を介してコンソール(12)と結合される。したがって、近位ポート(293)は、ケーブル(295)と、最終的に電極(296)、ナビゲーションセンサ、及び/又は針器具(290)内の任意の他の種類の電気構成要素につながる針器具(290)内の1つ又は2つ以上のワイヤ、トレース、又は他の電気通信構成要素との間の電気通信のためのインターフェースを提供する。いくつかの変形例では、コンソール(12)は、電気エネルギーを針アセンブリ(290)、カテーテルアセンブリ(100)、及び/又は他の器具類に提供するように動作可能である。いくつかの他の変形例では、針器具(290)は、いくつかの他の電源(例えば、針器具(290)専用の電源)と結合される。本実施例の流体継手295は、流体源46と結合するように構成されている。流体源(46)は、生理食塩水、蛍光透視法造影剤流体又は任意の他の好適な種類の流体を含み得る。以下に提供される教示に従って、流体源(46)からの流体は、流体継手(295)を介して針器具(290)に到達してもよく、最終的に針器具(290)から排出され得る。
【0030】
図6及び図7は、針アセンブリ(290)の遠位部分をより詳細に示している。図示のように、遠位シャフト(292)の近位部分は、近位シャフト(299)内に挿入され、その結果、遠位シャフト(292)の近位端部(297)が近位シャフト(298)の遠位端部(299)に対して距離(distance、D)だけ近位に位置付けられる。あくまで一例として、この距離(D)は、ほぼ0.5インチであってもよい。代替的には、距離は、任意の他の好適な値を有してもよい。本実施例では、遠位シャフト(292)は、溶接を介して近位シャフト(298)に固定されている。代替的には、遠位シャフト(292)は、接着剤を介して、及び/又は任意の他の好適な様式で、近位シャフト(298)にしっかりと固定されてもよい。図6及び図7に見られるように、遠位端部(299)において、近位シャフト(298)の外径と遠位シャフト(292)の外径との間に階段状の移行がある。いくつかの変形例では、遠位端部(299)におけるこの構成は、図3B及び図3Cの順序で示されるように、針アセンブリ(290)が拡張器(280)に対して遠位に前進するときに、拡張器(280)の遠位端部(282)の近くの内面と係合する。言い換えれば、遠位端部(299)における構成及び遠位端部(282)の近くの内面は、協働して、針アセンブリ(290)が拡張器(280)に対して遠位に前進し得る距離を制限する深さストップを提供し得る。代替的には、任意の他の好適な構造を使用して、針アセンブリ(290)が拡張器(280)に対して遠位に前進され得る距離を制限してもよい。
【0031】
上記のものに加えて又はその代わりに、針器具(290)は、米国特許第6,994,094号、米国特許第8,152,829号、米国特許第9,848,943号、米国特許出願公開第2004/0220471号、及び/又は米国特許出願公開第2004-/0220461号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され得、かつ動作可能であり得る。これらの参考文献の各々の開示は、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの拡張器(280)及び/又は針器具(290)はまた、拡張器(280)及び/又は針器具(290)の遠位端部に操縦性を提供する1つ又は2つ以上のプルワイヤ及び/又は他の特徴を含んでもよい。したがって、いくつかのそのような変形例は、拡張器(280)の遠位端部(280)及び/又は器具の遠位先端部(2が中空シャフト(220)の開放遠位端部(240)を出た後に、追加の程度の操縦性を提供し得る。いくつかの経中隔針器具はまた、心房中隔(S)の中への先端(264)のための一次係合及び引き込みを提供することを補助するために、先端(264)にワイヤを含み得る。
【0032】
通電された先端を装備した経中隔穿刺装置は、本明細書の針の例を具体的に参照して記載されているが、代替として、誘導ワイヤの形態をとってもよいことに留意する。ガイドワイヤと針との間の構造の違いは、主にシャフトの材料及び構造に関係し、経中隔アクセスのためのガイドワイヤと針との間の選択は、主に医師の好みに応じたものである。したがって、本明細書で使用される場合、「経中隔穿刺装置」又は「経中隔装置」は、添付の特許請求の範囲内で本明細書に記載の先端特徴及び/又は深さストップ特徴を有するガイドワイヤ又は針のいずれかを意味する。
【0033】
A.経中隔針アセンブリのための流体連通特徴の実施例
組織に電気エネルギーを印加するように動作可能な針アセンブリ(290)のいくつかの変形例では、そのような変形例が先端(264)において流体(例えば、造影剤又は生理食塩水)を提供することを更に可能にすることが望ましい場合がある。そのような流体は、蛍光透視下での使用のための造影剤、心臓内心エコー図(intracardiac echocardiogram、ICE)のための生理食塩水、圧力モニタ、又は所望され得る流体の他の局所適用を提供し得る。
【0034】
1.先端に別個の凹部を有する経中隔針アセンブリの実施例
図8図10は、図3A図3Eを参照して上述したように、心房中隔(S)を貫通する開口部(O)を形成するために使用され得る針アセンブリ(300)の遠位部分を示す。言い換えれば、針アセンブリ(300)は、針器具(290)に組み込まれ得る。この実施例の針アセンブリ(300)は、シャフト(310)と、先端部材(320)と、を含む。シャフト(310)は、流体源(302)と流体結合されるルーメン(312)を画定する。流体源(302)は、生理食塩水バッグ、ポンプ、シリンジ、及び/又は任意の他の好適な構成要素を含み得る。シャフト(310)は、拡張器(280)を通して挿入されるようなサイズ決定される。したがって、シース(270)及び拡張器(280)は、図3A図3Eを参照して上述したように、先端部材(320)を中隔(S)の貫通標的場所に対して位置決めするのを補助するために使用され得る。シャフト(310)は、金属材料(例えば、316SSなどのステンレス鋼)、プラスチック材料、及び/又は任意の他の好適な種類の材料、又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施例では、シャフトは、ステンレス鋼編組と組み合わせられたナイロン及びポリエーテルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)から構成され得る。シャフト(310)の外面はまた、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene、PTFE)などの電気絶縁性コーティング(図示せず)で覆われ得る。
【0035】
いくつかの変形例では、シャフト(310)及び/又は先端部材(320)は、患者(PA)内のシャフト(310)の位置及び配向を示す信号を(例えば、磁場発生器(20)によって発生した交流電磁場の存在に応答して)発生させるように動作可能な位置又は場所センサ(図示せず)とも呼ばれる1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサを含む。ナビゲーションセンサは、先端部材(320)に対して所定の空間的関係でシャフト(310)上に配設されてもよい。センサは、磁気センサ及び/又は少なくとも1つのシャフト電極を含み得る。磁気センサが、回転を含む場所及び配向の位置データを提供するための、例えば二軸コイル配列又は三軸コイル配列などの少なくとも1つのコイルを含んでもよいが、これらに限定されない。システム(10)は、針アセンブリ(300)のシャフト(310)及び/又は先端部材(320)の位置及び配向を、磁気センサ及び/又は例えば、磁気センサのいずれかの側のシャフト(310)に取り付けられたシャフト電極によって提供される信号に基づいて決定し得る。
【0036】
本実施例の先端部材(320)は、遠位先端部(324)及び近位端部(326)を有する本体(322)を含む。本実施例の遠位先端部(324)は、遠位先端部(324)が非外傷性であるように、ドーム形状を有する。いくつかの他の変形例では、遠位先端部(324)は、鋭いか、又はいくつかの他の構造的構成を有する。先端部材(320)の近位端部(326)は、シャフト(310)の遠位端部(314)内に挿入され、シャフト(310)にしっかりと固定される。あくまで一例として、先端部材(320)は、シャフト(310)に溶接されるか、シャフト(310)にはんだ付けされるか、接着剤又はエポキシを使用してシャフト(310)に接着されるか、シャフト(310)に圧入されるか、及び/又は任意の他の好適な方法でシャフト(310)にしっかりと固定され得る。いくつかの変形例では、先端部材(320)は、患者(PA)内の先端部材(320)の位置及び配向を示す信号を(例えば、場発生器(20)によって発生した交流電磁場の存在に応答して)発生させるように動作可能な1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサ(図示せず)を含む。
【0037】
先端部材(320)は、接触時に標的組織を破壊することが可能な電気(例えば、熱)及び好ましくはRFエネルギーを伝導するのに好適な任意の数の好適な材料から構成され得る。この実施例では、先端部材(320)は、白金イリジウム(約90%及び10%のイリジウム)から構成され、これはまた、有益に放射線不透過性であり、蛍光透視法下での先端の視認性の向上を可能にする。更に、先端部材(320)は、機械加工、プラズマ溶接、又は当技術分野で理解される他の手段によって製造され得る。先端部材(320)はまた、超音波撮像の目的で先端部材(320)のエコー源性を向上させるために、ガラスブラスト、ディンプル加工、又は当該技術分野において既知の他の表面修正などのエコー源性表面修正を任意選択で含み得る。
【0038】
先端部材(320)の本体(322)は、この実施例では、複数の凹部(328)を更に含む。凹部(328)は、上述したように流体用のポート孔として機能する。本実施例における凹部(328)は、近位端部(326)から本体(322)の長手方向中間領域まで延在する。各凹部(328)の近位部分は、シャフト(310)の遠位端部(314)に対して近位に位置付けられ、一方、各凹部(328)の遠位部分は、シャフト(310)の遠位端部(314)に対して遠位に位置付けられている。凹部(328)は、本体(322)の長さに沿って任意の好適な程度まで延在し得る。同様に、凹部(328)は、本体(322)内で任意の好適な深さまで延在し得る。開口部(328)は、シャフト(310)のルーメン(312)、及び先端部材(320)の外側の環境と流体連通している。したがって、凹部(328)は、ルーメン(312)を通じて連通された流体がシャフト(310)の遠位端部(314)を通して遠位に出るための経路を提供する。これは、流体が遠位端部(314)から突出する先端部材(320)の領域に到達することと、中隔(S)の組織に到達することと、を可能にする。いくつかのシナリオでは、凹部(328)はまた、凹部(328)が通気経路の一部を形成し得るように、空気又は他のガスが先端部材(320)を介してシャフト(310)のルーメン(312)に入るための経路を提供し得る。代替的な実施例では、必要に応じて、より少ない(例えば、1つのみ)又はより多くの凹部が含まれ得、円形、楕円形、長方形などを含む任意の数の形状及びサイズを有し得る。
【0039】
図8及び図9に示すように、シャフト(310)は、外径(outer diameter、OD)及び内径(inner diameter、ID)を有するが、先端部材(320)は外径(OD)を有する。先端部材320の外径(OD)は、シャフト(310)の内径(ID)にほぼ等しいが、シャフト(310)の外径(OD)よりも小さい。いくつかの変形例では、シャフト(310)は、遠位端部(314)においてテーパを提供し、それによって、外径(OD)から外径(OD)への滑らかな移行を提供し、これは、シャフト(310)の遠位部分が中隔(S)を通過する変形例において中隔(S)を完全に貫通するために必要な力を低減し得る。いくつかの変形例では、外径(OD)と外径(OD)との間の階段状の移行は、中隔(S)を通した針アセンブリ(300)の遠位前進を制限する深さストップとしての役割を果たし得るか、又は少なくとも、医師(PH)が、遠位端部(314)が中隔(S)と係合する点まで中隔(S)を通して針アセンブリ(300)を前進させたときに、抵抗の形態で触覚フィードバックを提供する。いくつかのそのようなシナリオでは、医師(PH)は、遠位端部(314)が中隔(S)と係合すると、針アセンブリ(300)の前進をストップし得る。したがって、シャフト(310)に対して遠位に露出される先端部材(320)の部分の長さは、心房中隔(S)の厚さよりも少なくともわずかに長くてもよく、それによって、先端部材(320)による心房中隔(S)の完全な貫通を提供する。針アセンブリ(300)が拡張器(280)とともに使用されるシナリオでは、針器具(290)の近位シャフト(298)の外径と遠位シャフト(292)の外径との間の遠位端部(299)における階段状の移行に関連して上述したように、外径(OD)と外径(OD)との間の階段状の移行は、拡張器(280)に対する針アセンブリ(300)の遠位前進を制限する深さストップとしての役割を果たし得る。
【0040】
上記のように、いくつかの変形例では、先端部材(320)は、白金イリジウムなどの金属材料から形成される。いくつかのそのような変形例では、凹部(328)は、ボールエンドミルを使用して形成される。代替的には、金属射出成形、キャストなどの任意の他の好適なミル技法を含むがこれらに限定されない任意の他の好適な製造技法が使用され得る。先端部材(320)は本実施例では2つの凹部(328)を有するが、先端部材(320)は、任意の他の好適な数の凹部(328)を有し得る。例えば、先端部材(320)のいくつかの変形例は、1つの凹部(328)のみを有する。先端部材(320)のいくつかの他の変形例は、3つの凹部(328)、4つの凹部(328)、5つの凹部(328)、6つの凹部(328)、又は7つ以上の凹部(328)を有する。凹部(328)は、この例では、本体(322)を通って延在する中心長手方向軸(LA)の周りに等間隔で互いに離隔されているが、任意の他の好適な配置が提供され得る。凹部(328)は、同様に、円、楕円、スリットなどを含む任意の数の形状及びサイズを有し得る。
【0041】
図8に示すように、先端部材(320)はまた、発電機(304)と結合されている。例えば、1つ又は2つ以上のワイヤ、トレース、又は他の導電性要素が、シャフト(310)に沿って延在して、先端部材(320)を電力発生器(304)と電気的に結合してもよく、この発電機は、熱アブレーションのためのRFエネルギー(すなわち、高周波AC信号)又は非熱アブレーション(すなわち、不可逆電気穿孔又はパルス場アブレーション)のための低電圧高エネルギーDC電流を発生させることができる。先端部材(320)と発生器(304)との間にワイヤ導体を採用する変形例では、ワイヤは、MP35N(登録商標)などのニッケル-コバルト基合金から構成され、レーザ溶接を介して先端に接合されてもよい。先端部材(320)は、中隔(S)の組織に電気エネルギーを印加するように動作可能である。そのような電気エネルギーは、先端部材(320)が中隔(S)を貫通するのを支援し得る。先端部材(320)が金属材料(例えば、上述のような白金イリジウム)から形成されるいくつかの変形例では、先端部材(320)は、接地パッドが患者(PA)に接触して電気エネルギーの戻り経路を提供し得るように、単一の単極電気電極としての役割を果たし得る。いくつかのそのような変形例では、特にシャフト(310)が導電性材料で形成される場合、電気絶縁材料が先端部材(320)とシャフト(310)との間に介在してもよい。代替的には、先端部材(320)は、遠位先端部(324)において電気電極を含み得、電気絶縁材料が電極と本体(322)との間に介在している。更に別の変形例として、先端部材(320)は、遠位先端部(324)において2つ以上の電気電極を有し得、そのような電極は、双極電気エネルギーを中隔(S)の組織に印加するように動作可能である。
【0042】
先端部材(320)は、接触時に標的組織を破壊することが可能な電気(例えば、熱)及び好ましくはRFエネルギーを伝導するのに好適な任意の数の好適な材料から構成され得る。この実施例では、先端部材(320)は、白金イリジウム(約90%及び10%のイリジウム)から構成され、これはまた、有益に放射線不透過性であり、蛍光透視法下での先端の視認性の向上を可能にする。更に、先端部材(320)は、機械加工、プラズマ溶接、又は当技術分野で理解される他の手段によって製造され得る。先端部材(320)はまた、超音波撮像の目的で先端部材(320)のエコー源性を向上させるために、ガラスブラスト、ディンプル加工、又は当該技術分野において既知の他の表面修正などのエコー源性表面修正を任意選択で含み得る。
【0043】
2.先端に環状間隙を有する経中隔針アセンブリの実施例
図11図13は、図3A図3Eを参照して上述したように、心房中隔(S)を貫通する開口部(O)を形成するために使用され得る別の針アセンブリ(400)の遠位部分を示す。言い換えれば、針アセンブリ(400)は、針器具(290)に組み込まれ得る。この実施例の針アセンブリ(400)は、シャフト(410)と、先端部材(420)と、を含む。シャフト(410)は、流体源(402)と流体結合されるルーメン(412)を画定する。流体源(402)は、生理食塩水バッグ、ポンプ、シリンジ、及び/又は任意の他の好適な構成要素を含み得る。シャフト(410)は、拡張器(280)を通して挿入されるようなサイズ決定される。したがって、シース(270)及び拡張器(280)は、図3A図3Eを参照して上述したように、先端部材(420)を中隔(S)の貫通標的場所に対して位置決めするのを補助するために使用され得る。シャフト(410)は、金属材料(例えば、316SSなどのステンレス鋼)、プラスチック材料、及び/又は任意の他の好適な種類の材料、又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施例では、シャフトは、ステンレス鋼編組と組み合わせられたナイロン及びポリエーテルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)から構成され得る。シャフト(410)の外面はまた、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの電気絶縁性コーティング(図示せず)で覆われ得る。
【0044】
いくつかの変形例では、シャフト(410)及び/又は先端部材(420)は、患者(PA)内のシャフト(410)の位置及び配向を示す信号を(例えば、場発生器(20)によって発生した交流電磁場の存在に応答して)発生させるように動作可能な1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサ(図示せず)を含む。ナビゲーションセンサは、先端部材(420)に対して所定の空間的関係でシャフト(410)上に配設されてもよい。センサは、磁気センサ及び/又は少なくとも1つのシャフト電極を含み得る。磁気センサが、回転を含む場所及び配向の位置データを提供するための、例えば二軸コイル配列又は三軸コイル配列などの少なくとも1つのコイルを含んでもよいが、これらに限定されない。システム(10)は、針アセンブリ(400)のシャフト(410)及び/又は先端部材(420)の位置及び配向を、磁気センサ及び/又は例えば、磁気センサのいずれかの側のシャフト(410)に取り付けられたシャフト電極によって提供される信号に基づいて決定し得る。
【0045】
本実施例の先端部材(420)は遠位部分(430)、中間部分(440)、及び近位部分(450)を含む。遠位部分(430)は、遠位先端部(434)と近位端部(436)とを有する本体(432)を含む。本実施例の遠位先端部(434)は、遠位先端部(434)が非外傷性であるように、ドーム形状を有する。いくつかの他の変形例では、遠位先端部(434)は、鋭いか、又はいくつかの他の構造的構成を有する。近位端部(436)は、中間部分(440)の本体(442)と一体である。中間部分(440)の本体(442)はまた、近位部分(450)の本体(452)と一体である。本実施例の本体(442)は、本体(432、452)よりも狭く、その結果、本体(442)は、本体(432)を本体(452)に接続する狭くなったネック領域を形成する。いくつかの他の変形例では、本体(432)は本体(452)から直接延在し、その結果、本体(442)は、省略されてもよい。
【0046】
近位部分(450)、中間部分(440)、及び近位端部(436)は、シャフト(410)の遠位端部(414)内に位置付けられている。先端部材(420)は、近位部分(450)を介してシャフト(410)に堅固に固定される。あくまで一例として、近位部材(450)は、シャフト(410)に溶接されるか、シャフト(410)にはんだ付けされるか、接着剤又はエポキシを使用してシャフト(410)に接着されるか、シャフト(410)に圧入されるか、及び/又は任意の他の好適な方法でシャフト(410)にしっかりと固定され得る。いくつかの変形例では、先端部材(420)は、患者(PA)内の先端部材(420)の位置及び配向を示す信号を(例えば、場発生器(20)によって発生した交流電磁場の存在に応答して)発生させるように動作可能な1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサ(図示せず)を含む。
【0047】
先端部材(420)は、接触時に標的組織を破壊することが可能な電気(例えば、熱)及び好ましくはRFエネルギーを伝導するのに好適な任意の数の好適な材料から構成され得る。この実施例では、先端部材(420)は、白金イリジウム(約90%及び10%のイリジウム)から構成され、これはまた、有益に放射線不透過性であり、蛍光透視法下での先端の視認性の向上を可能にする。更に、先端部材(420)は、機械加工、プラズマ溶接、又は当技術分野で理解される他の手段によって製造され得る。先端部材(420)はまた、超音波撮像の目的で先端部材(420)のエコー源性を向上させるために、ガラスブラスト、ディンプル加工、又は当該技術分野において既知の他の表面修正などのエコー源性表面修正を任意選択で含み得る。
【0048】
図11及び図12に示すように、シャフト(410)は、外径(OD)及び内径(ID)を有するが、先端部材(420)の遠位部分(430)は外径(OD)を有する。図13に示すように、先端部材(420)の近位部分(450)の本体(452)は、ディスク形状を有し、外径(OD)を画定する。近位部分(450)の外径(OD)は、シャフト410の内径IDにほぼ等しいが、シャフト(410)の外径(OD)よりも小さい。遠位部分(430)の外径(OD)は、シャフト(410)の内径(ID)、シャフト(410)の外径(OD)、及び近位部分(450)の外径(OD)よりも小さい。したがって、遠位部分(430)は、本体(432)の外面と、シャフト(410)の内面との間に間隙(416)を画定する。この間隙(416)は、ルーメン(412)、及び先端部材(420)の外側の環境と流体連通している。近位部分(450)の本体(452)は、ルーメン(412)とも流体連通している開口部の形態の複数の流体通路(454)を画定する。したがって、流体通路(454)及び間隙(416)はともに、ルーメン(412)を通じて連通される流体がシャフト(410)の遠位端部(414)を通して遠位に出るための経路を提供する。これは、流体が遠位端部(414)から突出する先端部材(420)の領域に到達すること、及び中隔(S)の組織に到達することを可能にする。いくつかのシナリオでは、流体通路(454)及び間隙(416)はまた、空気又は他のガスがシャフト(410)のルーメン(412)に入るための経路を提供してもよく、その結果、流体通路(454)及び間隙(416)はともに換気経路の一部を形成し得る。先端部材(420)は、本実施例では4つの流体通路(454)を有するが、先端部材(420)は、任意の他の好適な数の流体通路(454)を有し得る。流体通路(454)は、この実施例では、本体(452)を通って延在する中心長手方向軸(LA)の周りに等間隔で互いに離隔されているが、任意の他の好適な配置が提供され得る。
【0049】
いくつかの変形例では、遠位部分(430)の外径(OD)とシャフト(410)の外径(OD)との間の階段状の移行は、中隔Sを通した針アセンブリ(400)の遠位前進を制限する深さストップとしての役割を果たし得るか、少なくとも、医師(PH)が、遠位端部(414)が中隔(S)と係合する点まで隔壁(S)を通して針アセンブリ(400)を前進させたときに、抵抗の形態で触覚フィードバックを提供する。いくつかのそのようなシナリオでは、医師(PH)は、遠位端部(414)が中隔(S)と係合すると、針アセンブリ(400)の前進をストップし得る。したがって、シャフト(410)に対して遠位に露出される先端部材(420)の部分の長さは、心房中隔(S)の厚さよりも少なくともわずかに長くてもよく、それによって、先端部材(420)による心房中隔(S)の完全な貫通を提供する。針アセンブリ(400)が拡張器(280)とともに使用されるシナリオでは、針器具(290)の近位シャフト(298)の外径と遠位シャフト(292)の外径との間の遠位端部(299)における階段状の移行に関連して上述したように、外径(OD)と外径(OD)との間の階段状の移行は、拡張器(280)に対する針アセンブリ(400)の遠位前進を制限する深さストップとしての役割を果たし得る。
【0050】
図11に示すように、先端部材(420)はまた、電力発生器(404)と結合されている。例えば、1つ又は2つ以上のワイヤ、トレース、又は他の導電性要素が、シャフト(410)に沿って延在して、先端部材(420)を電力発生機(404)と電気的に結合してもよく、この発電機は、熱アブレーションのためのRFエネルギー(すなわち、高周波AC信号)又は非熱アブレーション(すなわち、不可逆電気穿孔又はパルス場アブレーション)のための低電圧高エネルギーDC電流を発生させることができる。先端部材(420)と発生器(404)との間にワイヤ導体を採用する変形例では、ワイヤは、MP35N(登録商標)などのニッケル-コバルト基合金から構成され、レーザ溶接を介して先端に接合されてもよい。先端部材(420)は、中隔(S)の組織に電気エネルギーを印加するように動作可能である。そのような電気エネルギーは、先端部材(420)が中隔(S)を貫通するのを支援し得る。先端部材(420)が金属材料(例えば、白金イリジウム)から形成されるいくつかの変形例では、先端部材(420)は、接地パッドが患者(PA)に接触して電気エネルギーの戻り経路を提供し得るように、単一の単極電気電極としての役割を果たし得る。いくつかのそのような変形例では、特にシャフト(410)が導電性材料で形成される場合、電気絶縁材料が先端部材(420)とシャフト(410)との間に介在してもよい。代替的には、先端部材(420)は、遠位先端部(434)において電気電極を含み得、電気絶縁材料が電極と本体(432)との間に介在している。更に別の変形例として、先端部材(420)は、遠位先端部(434)において2つ以上の電気電極を有し得、そのような電極は、双極電気エネルギーを中隔(S)の組織に印加するように動作可能である。
【0051】
先端部材(420)は、接触時に標的組織を破壊することが可能な電気(例えば、熱)及び好ましくはRFエネルギーを伝導するのに好適な任意の数の好適な材料から構成され得る。この実施例では、先端部材(420)は、白金イリジウム(約90%及び10%のイリジウム)から構成され、これはまた、有益に放射線不透過性であり、蛍光透視法下での先端の視認性の向上を可能にする。更に、先端部材(420)は、機械加工、プラズマ溶接、又は当技術分野で理解される他の手段によって製造され得る。先端部材(420)はまた、超音波撮像の目的で先端部材(420)のエコー源性を向上させるために、ガラスブラスト、ディンプル加工、又は当該技術分野において既知の他の表面修正などのエコー源性表面修正を任意選択で含み得る。
【0052】
3.先端に開口部を有する経中隔針アセンブリの実施例
図14及び図15は、図3A図3Eを参照して上述したように、心房中隔(S)を貫通する開口部(O)を形成するために使用され得る別の針アセンブリ(500)の遠位部分を示す。言い換えれば、針アセンブリ(500)は、針器具(290)に組み込まれ得る。この実施例の針アセンブリ(500)は、シャフト(510)と、先端部材(520)と、を含む。シャフト(510)は、流体源(502)と流体結合されるルーメン(512)を画定する。流体源(502)は、生理食塩水バッグ、ポンプ、シリンジ、及び/又は任意の他の好適な構成要素を含み得る。シャフト(510)は、拡張器(280)を通して挿入されるようなサイズ決定される。したがって、シース(270)及び拡張器(280)は、図3A図3Eを参照して上述したように、先端部材(520)を中隔(S)の貫通標的場所に対して位置決めするのを補助するために使用され得る。シャフト(510)は、金属材料(例えば、316SSなどのステンレス鋼)、プラスチック材料、及び/又は任意の他の好適な種類の材料、又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施例では、シャフトは、ステンレス鋼編組と組み合わせられたナイロン及びポリエーテルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)から構成され得る。シャフト(310)の外面はまた、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの電気絶縁性コーティング(図示せず)で覆われ得る。
【0053】
いくつかの変形例では、シャフト(510)及び/又は先端部材(320)は、患者(PA)内のシャフト(510)の位置及び配向を示す信号を(例えば、場発生器(20)によって発生した交流電磁場の存在に応答して)発生させるように動作可能な1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサ(図示せず)を含む。ナビゲーションセンサは、先端部材(520)に対して所定の空間的関係でシャフト(510)上に配設されてもよい。センサは、磁気センサ及び/又は少なくとも1つのシャフト電極を含み得る。磁気センサが、回転を含む場所及び配向の位置データを提供するための、例えば二軸コイル配列又は三軸コイル配列などの少なくとも1つのコイルを含んでもよいが、これらに限定されない。システム(10)は、針アセンブリ(500)のシャフト(510)及び/又は先端部材(520)の位置及び配向を、磁気センサ及び/又は例えば、磁気センサのいずれかの側のシャフト(510)に取り付けられたシャフト電極によって提供される信号に基づいて決定し得る。
【0054】
本実施例の先端部材(520)は、遠位先端部(524)及び近位端部(526)を有する本体(522)を含む。本実施例の遠位先端部(524)は、遠位先端部(524)が非外傷性であるように、ドーム形状を有する。いくつかの他の変形例では、遠位先端部(524)は、鋭いか、又はいくつかの他の構造的構成を有する。先端部材(520)の近位端部(526)は、シャフト(510)の遠位端部(514)内に挿入され、シャフト(510)にしっかりと固定される。あくまで一例として、先端部材(520)は、シャフト(510)に溶接されるか、シャフト(510)にはんだ付けされるか、接着剤又はエポキシを使用してシャフト(510)に接着されるか、シャフト(510)に圧入されるか、及び/又は任意の他の好適な方法でシャフト(510)にしっかりと固定され得る。いくつかの変形例では、先端部材(520)は、患者(PA)内の先端部材(520)の位置及び配向を示す信号を(例えば、場発生器(20)によって発生した交流電磁場の存在に応答して)発生させるように動作可能な1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサ(図示せず)を含む。
【0055】
シャフト(510)の遠位端部(514)は、シャフト(510)の外径と先端部材(520)の外径との間に階段状の移行を提供し得る。上述したように、この階段状の移行は、遠位端部(514)が中隔(S)と係合するときに深さストップ及び/又は触覚フィードバックを提供し得る。代替的には、この階段状の移行は、遠位端部(514)が拡張器(280)の遠位端部(282)の近くの内部構造と係合するときに、深さストップ及び/又は触覚フィードバックを提供し得る。
【0056】
先端部材(520)は、接触時に標的組織を破壊することが可能な電気(例えば、熱)及び好ましくはRFエネルギーを伝導するのに好適な任意の数の好適な材料から構成され得る。この実施例では、先端部材(520)は、白金イリジウム(約90%及び10%のイリジウム)から構成され、これはまた、有益に放射線不透過性であり、蛍光透視法下での先端の視認性の向上を可能にする。更に、先端部材(520)は、機械加工、プラズマ溶接、又は当技術分野で理解される他の手段によって製造され得る。先端部材(520)はまた、超音波撮像の目的で先端部材(520)のエコー源性を向上させるために、ガラスブラスト、ディンプル加工、又は当該技術分野において既知の他の表面修正などのエコー源性表面修正を任意選択で含み得る。
【0057】
先端部材(520)の本体(522)は、中空であり、その結果、本体(522)が内部空間(530)を画定する。この実施例では、本体(522)は、複数の開口部(532)を更に含む。本体(522)は、本実施例では6つの開口部(532)を有するが、本体(522)は、任意の他の好適な数の開口部(532)を有してもよい。本実施例では、開口部(532)は、細長いスロットの形態であるが、開口部(532)は、任意の他の好適な構成を有してもよく、例えば、1つ又は2つ以上の開口部がスリット開口部の形態をとるように、先端部材の近位端部(526)まで近位に延在し得る。同様に、開口部(532)は、図14及び図15に示す配置以外の任意の他の好適な配置を本体(522)上に有し得る。本実施例の開口部(532)は、内部空間(530)、及び先端部材(420)の外側の環境と流体連通している。内部空間(530)は、シャフト(510)のルーメン(512)と更に流体連通している。したがって、開口部(532)及び内部空間(530)はともに、ルーメン(512)を通じて連通された流体が先端部材(520)を通して遠位に出るための経路を提供する。これは、流体が先端部材(520)の本体(522)を冷却することと、中隔(S)の組織に到達することと、を可能にする。いくつかのシナリオでは、開口部(532)及び内部空間(530)はともに、空気又は他のガスが先端部材(520)を介してシャフト(510)のルーメン(512)に入るための経路を提供してもよく、その結果、開口部(532)及び内部空間(530)はともに換気経路の一部を形成し得る。
【0058】
図14に示すように、先端部材(520)はまた、電力発生器(504)と結合されている。例えば、1つ又は2つ以上のワイヤ、トレース、又は他の導電性要素が、シャフト(510)に沿って延在して、先端部材(520)を電力発生機(504)と電気的に結合してもよく、この電力発生機は、熱アブレーションのためのRFエネルギー(すなわち、高周波AC信号)又は非熱アブレーション(すなわち、不可逆電気穿孔又はパルス場アブレーション)のための低電圧高エネルギーDC電流を発生させることができる。先端部材(520)と発生器(504)との間にワイヤ導体を採用する変形例では、ワイヤは、MP35N(登録商標)などのニッケル-コバルト基合金から構成され、レーザ溶接を介して先端に接合されてもよい。先端部材(520)は、中隔(S)の組織に電気エネルギーを印加するように動作可能である。そのような電気エネルギーは、先端部材(520)が中隔(S)を貫通するのを支援し得る。先端部材(520)が金属材料(例えば、上述のような白金イリジウム)から形成されるいくつかの変形例では、先端部材(520)は、接地パッドが患者(PA)に接触して電気エネルギーの戻り経路を提供し得るように、単一の単極電気電極としての役割を果たし得る。いくつかのそのような変形例では、特にシャフト(510)が導電性材料で形成される場合、電気絶縁材料が先端部材(520)とシャフト(510)との間に介在してもよい。代替的には、先端部材(520)は、遠位先端部(524)において電気電極を含み得、電気絶縁材料が電極と本体(522)との間に介在している。更に別の変形例として、先端部材(520)は、遠位先端部(524)において2つ以上の電気電極を有し得、そのような電極は、双極電気エネルギーを中隔(S)の組織に印加するように動作可能である。
【0059】
先端部材(520)は、接触時に標的組織を破壊することが可能な電気(例えば、熱)及び好ましくはRFエネルギーを伝導するのに好適な任意の数の好適な材料から構成され得る。この実施例では、先端部材(520)は、白金イリジウム(約90%及び10%のイリジウム)から構成され、これはまた、有益に放射線不透過性であり、蛍光透視法下での先端の視認性の向上を可能にする。更に、先端部材(520)は、機械加工、プラズマ溶接、又は当技術分野で理解される他の手段によって製造され得る。先端部材(520)はまた、超音波撮像の目的で先端部材(520)のエコー源性を向上させるために、ガラスブラスト、ディンプル加工、又は当該技術分野において既知の他の表面修正などのエコー源性表面修正を任意選択で含み得る。
【0060】
B.経中隔針アセンブリのための深さストップ特徴の実施例
上述したように、誘導シース(200)は、針器具(290)又は針アセンブリ(300、400、500)を心房中隔(S)の標的貫通標的場所に誘導するために使用され得る。誘導シース(200)の中空シャフト(220)の長さと、異なる針器具(290)のシャフト(262)の長さとの間に変動があるシナリオがあり得る。同様に、誘導シース(200)の中空シャフト(220)の長さと、異なる針アセンブリ(300、400、500)のシャフト(310、410、510)の長さとの間に変動があるシナリオがあり得る。それぞれの長さのそのような変動は、医師(PH)が、針アセンブリ(300、400、500)が誘導シース(200)に対してどれくらい遠位に前進するべきかを慎重に判定することを要求してもよく、遠位先端部(264、324、434、524)が心房中隔(S)を過ぎた心臓(H)の壁又は他の構造と係合する(又は更には貫通する)点まで針器具(290)又は針アセンブリ(300、400、500)が不注意であまりにも遠くに前進するシナリオを回避する。
【0061】
したがって、処置が始まる前に調整され得る深さ制限特徴を提供することが望ましい場合があり、深さ制限特徴は、針器具(290)又は針アセンブリ(300、400、500)が誘導シース(200)に対して遠位に前進し得る深さを機械的に制限し得る。したがって、このような深さ制限特徴は、針器具(290)又は針アセンブリ(300、400、500)の不注意による過剰前進を防止し、それによって、遠位先端部(264、324、434、524)が心房中隔(S)を通過した心臓(H)の壁又は他の構造と不注意に係合(又は貫通)するのを防止し得る。
【0062】
図16A図16Cは、針器具(290)又は針アセンブリ(300、400、500)が誘導シース(200)に対して遠位に前進し得る深さを制限するために調整及び使用され得る深さ制限特徴の一実施例を示す。この例では、誘導シース(200)が示され説明されているが、同じ教示が、針器具(290)がシース(270)に挿入される文脈において容易に適用され得る。この例では、深さ制限特徴は、針アセンブリ(300)のハンドルアセンブリ(600)に組み込まれた深さストップ部材(620)の形態である。したがって、ハンドルアセンブリ(600)は、図5に示すグリップ(291)の代わりに用いられてもよい。この例では、ハンドルアセンブリ(600)に針アセンブリ(300)が設けられているが、ハンドルアセンブリ(600)には、針器具(290)、針アセンブリ(400、500)、又は任意の他の好適な針器具/アセンブリが容易に設けられ得る。
【0063】
この実施例のハンドルアセンブリ(600)は、キャビティ(604)を画定する本体(602)、及び近位ポート(608)を含む。針アセンブリ(300)のシャフト(310)は、本体(602)にしっかりと固定される。あくまで一例として、シャフト(310)は、オーバーモールド、圧入、接着剤を介して、及び/又は任意の他の好適な技法を使用して、本体(602)にしっかりと固定され得る。近位端部(316)は、近位ポート(608)に隣接して位置付けられる。いくつかの変形例では、近位ポート(608)は、シャフト(310)をチューブ又は他の流体連通特徴と結合するための構造を提供する。例えば、近位ポート(608)と結合されたチューブは、蛍光透視法造影剤流体源への流体経路を提供し得る。いくつかの他の変形例では、近位ポート(608)は、ケーブル(13)と結合するための特徴を提供する(例えば、グリップ(291)のポート(293)などと同様)。
【0064】
サムホイール(610)は、本体(602)によって回転可能に支持され、複数の歯(612)を含む。深さストップ部材(620)は、本体(602)及びシャフト(310)に対して長手方向に並進するように動作可能であるように、深さストップ部材(620)は、本体(602)及びシャフト(310)と摺動可能に結合される。深さストップ部材(620)は、サムホイール(610)の歯(612)と噛み合う一組の歯(622)を含み、そのため、深さストップ部材(620)及びサムホイール(610)は、この実施例ではラックアンドピニオン配置を形成する。したがって、サムホイール(610)は、本体(620)に対して回転し、第1の位置(例えば、図16Aに示すような)と第2の位置(例えば、図16Bに示すような)との間に深さストップ部材(620)の並進を駆動し得る。代替的には、本体(602)及びシャフト(310)に対する深さストップ部材(620)の並進を駆動するために、スライダ、枢動ロッカー、ダイヤルなどを含むがこれらに限定されない任意の他の好適な特徴が使用され得る。
【0065】
本実施例の深さストップ部材(620)は、遠位フランジ(624)を更に含む。遠位フランジ(624)は、誘導シース(200)の挿入ポート(250)の突出部(252)と係合し、それによって、誘導シース(200)に対するハンドルアセンブリ(600)の遠位前進を阻止するようにサイズ決定及び構成されている。したがって、本体(602)及びシャフト(220)に対する深さストップ部材(620)の長手方向位置が調整されて、シャフト(310)及び先端部材(320)が誘導シース(200)の中空シャフト(310)の遠位端部(240)を越えて遠位に突出し得る長さを調整し得る。いくつかの変形例では、深さストップ部材(620)は、挿入深さ、突出距離、又は医師(PH)が手元のシャフト(310)及びシャフト(220)のそれぞれの長さに基づいて本体(602)に対して深さストップ部材(620)をどれだけ前進させるかを判定するのを支援し得る他の値を識別するために視覚的に観察され得る印を含み得る。同様に、深さストップ部材(620)は、医師(PH)が本体(602)に対する深さストップ部材(620)の調整された位置を適切に測定するのを支援するために、所定の長さ増分に関連付けられた戻り止め特徴を含み得る。このような戻り止め特徴はまた、所望の長手方向位置に到達すると、本体(602)に対する深さストップ部材(620)の相対的な長手方向位置を実質的に保持し得る。更に又は代替的に、ハンドルアセンブリ(600)は、本体(602)に対する深さストップ部材(620)の長手方向位置を選択的にロック又はロック解除するように動作可能であるロック特徴(例えば、ラッチなど)を含み得る。
【0066】
ハンドルアセンブリ(600)の使用例では、深さストップ部材(620)は、最初に、図16Aに示すような最近位位置で開始してもよく、ここで、深さストップ部材(620)の近位端部(626)は、キャビティ(604)の近位端部(606)に直接隣接する。次いで、医師(PH)は、サムホイール(610)を回転させて、図16Bに示すように、深さストップ部材(620)が本体(602)及びシャフト(310)に対して所望の長手方向位置に達するまで、深さストップ部材(620)を本体(602)及びシャフト(310)に対して遠位に駆動し得る。ハンドルアセンブリ(600)がロック機構を含む変形例では、この段階でロック機構を作動させて、本体(602)及びシャフト(310)に対して深さストップ部材(620)の長手方向位置をロックし得る。図16A及び図16Bは、シャフト(310)が既に誘導シース(200)内に配設されている間に実行される深さストップ部材(620)調整プロセスを示すが、この調整プロセスは、代替的には、シャフト(310)が誘導シース(200)内に挿入される前に実行されてもよい。シャフト(310)の一部が既に誘導シース(200)内に配設されている間に調整プロセスが実行されるシナリオでは、それにもかかわらず、調整プロセスが、シャフト(310)が誘導シース(200)内で完全に前進する前に実行されてもよい。
【0067】
深さストップ部材(620)が本体(602)及びシャフト(310)に対して所望の長手方向位置にあり、かつシャフト(310)が誘導シース(200)内に少なくとも部分的に配設された後、医師(PH)は、図16Cに示すように、遠位フランジ(624)が挿入ポート(250)の突出部(252)と係合するまで、ハンドルアセンブリ(600)の本体(602)を誘導シース(200)に向かって遠位に前進させ得る。この段階で、シャフト(310)及び先端部材(320)は、本体(602)及びシャフト(310)に対する深さストップ部材(620)の長手方向位置によって支配される程度まで、誘導シース(200)の中空シャフト(220)の遠位端部(240)を越えて遠位に突出する。いくつかの変形例では、医師(PH)は、深さストップ部材(620)の遠位フランジ(624)と挿入ポート(250)の突出部(252)との間の係合を示す視覚フィードバック及び/又は触覚フィードバックに依拠して、シャフト(310)が誘導シース(200)に対して十分に遠位に前進したことを判定し、それによって、医師(PH)は、深さストップ部材(620)の遠位フランジ(624)と挿入ポート(250)の突出部(252)との間の係合を見たとき及び/又は感じると、そのような遠位前進をストップする。更に又は代替的に、深さストップ部材(620)の遠位フランジ(624)及び挿入ポート(250)の突出部(252)は、協働して、誘導シース(200)に対するシャフト(310)の更なる遠位前進を物理的に防止するハードストップを提供し得る。いずれのシナリオにおいても、深さストップ部材(620)は、誘導シース(200)に対するシャフト(310)の過剰挿入を防止するか、又は防止を補助し得る。
【0068】
更に別の変形例として、クランプ部材は、シャフト(262、310、410、510)の近位領域に沿った好適な場所に選択的に固定されて、深さストップとしての役割を果たし得る。例えば、そのようなクランプ部材は、遠位フランジ(624)に関して上述したものと同様の方式で、挿入ポート(250)の突出部(252)と係合し、それによって、誘導シース(200)に対するシャフト(262、310、410、510)の遠位前進を阻止し得る。
【0069】
IV.組み合わせの例
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略し得ることも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【実施例0070】
経中隔装置であって、(a)本体アセンブリと、(b)本体アセンブリから遠位に延在するシャフトであって、シャフトが、(i)遠位端部と、(ii)ルーメンと、を含む、シャフトと、(c)シャフトの遠位端部に固定された先端部材であって、先端部材及びシャフトの遠位端部が、ヒト対象の心臓の腔内に嵌合するようにサイズ決定及び構成されており、先端部材が、(i)電気エネルギーを組織に送達するように構成された遠位先端部と、(ii)シャフトのルーメンと流体連通する少なくとも1つの流体通路であって、先端部材の少なくとも1つの流体通路の少なくとも一部分が、シャフトの遠位端部に対して近位に位置付けられている、少なくとも1つの流体通路と、を含む、先端部材と、を備える、経中隔装置。
【実施例0071】
先端部材が、本体を更に含み、少なくとも1つの流体通路が、本体の側部に形成された凹部を含む、実施例1に記載の経中隔装置。
【実施例0072】
凹部が、遠位部分及び近位部分を含み、遠位部分が、シャフトの遠位端部に対して遠位に位置付けられ、近位部分が、シャフトの遠位端部に対して近位に位置付けられている、実施例2に記載の経中隔装置。
【実施例0073】
少なくとも1つの流体通路が、本体を通って延在する中心長手方向軸の周りに等距離で互いから角度的に離隔された少なくとも2つの凹部を含む、実施例2又は3のいずれかに記載の経中隔装置。
【実施例0074】
凹部が、本体を通って延在する中心長手方向軸に向かって内向きに延在する、実施例2~4のいずれかに記載の経中隔装置。
【実施例0075】
先端部材が、遠位本体と、遠位本体と結合された近位本体と、を備え、近位本体が、シャフトに固定されており、少なくとも1つの流体通路が、近位本体を通って形成されている、実施例1~5のいずれかに記載の経中隔装置。
【実施例0076】
近位本体が、ディスク形状を含む、実施例6に記載の経中隔装置。
【実施例0077】
ルーメンが、内径を備え、遠位本体が、第1の外径を画定し、近位本体が、第2の外径を画定し、第2の内径が、内径に対応するようにサイズ決定されており、第1の内径は、遠位本体がシャフトとの間隙を画定するように、内径よりも小さい、実施例6又は7のいずれかに記載の経中隔装置。
【実施例0078】
間隙、及び近位本体を通って形成された少なくとも1つの流体通路が、協働して、ルーメンと先端部材の外部の領域との間の流体連通のための経路を提供するように構成されている、実施例8に記載の経中隔装置。
【実施例0079】
近位本体が、シャフトのルーメン内に位置付けられている、実施例6~9のいずれかに記載の経中隔装置。
【実施例0080】
少なくとも1つの流体通路が、近位本体を通って形成された複数の開口部を含み、開口部が、近位本体を通って延在する中心長手方向軸の周りに互いから角度的に離隔されている、請求項6~10のいずれかに記載の経中隔装置。
【実施例0081】
先端部材が、近位本体と遠位本体との間に介在している中間本体を更に備える、実施例6~11のいずれかに記載の経中隔装置。
【実施例0082】
中間本体が、近位本体及び遠位本体よりも狭い、実施例12に記載の経中隔装置。
【実施例0083】
遠位先端部が、ドーム形状を含む、実施例1~13のいずれかに記載の経中隔装置。
【実施例0084】
本体アセンブリが、ハンドル本体及び深さストップ部材を含み、深さストップ部材が、ハンドル本体及びシャフトに対して移動可能であり、深さストップ部材が、ハンドル本体及びシャフトに対する深さストップ部材の位置に基づいて、誘導シース内へのシャフトの挿入の深さを制限するように構成されている、実施例1~14のいずれかに記載の経中隔装置。
【実施例0085】
本体アセンブリが、アクチュエータを更に備え、アクチュエータが、ハンドル本体及びシャフトに対する深さストップ部材の移動を駆動するように動作可能である、実施例15に記載の経中隔装置。
【実施例0086】
本体アセンブリが、シャフトのルーメンと流体連通するポートを更に備え、ポートが、管と結合するように構成されている、実施例15又は16のいずれかに記載の経中隔装置。
【実施例0087】
経中隔装置であって、(a)本体アセンブリと、(b)本体アセンブリから遠位に延在するシャフトであって、シャフトが、(i)遠位端部と、(ii)ルーメンと、を含む、シャフトと、(c)シャフトの遠位端部に固定された先端部材であって、先端部材及びシャフトの遠位端部が、ヒト対象の心臓の腔内に嵌合するようにサイズ決定及び構成されており、先端部材が、(i)電気エネルギーを組織に送達するように構成された、ドーム形状の遠位先端部と、(ii)シャフトのルーメンと流体連通する中空内部領域と、(iii)中空内部領域と流体連通する少なくとも1つの開口部と、を含む、先端部材と、を備える、経中隔装置。
【実施例0088】
経中隔装置であって、(a)本体アセンブリであって(i)ハンドル本体と、(ii)深さストップと、を含む、本体アセンブリと、(b)本体から遠位に延在するシャフトであって、シャフトが、(i)遠位端部と、(ii)ルーメンと、を含む、シャフトと、(c)シャフトの遠位端部に固定された先端部材であって、先端部材及びシャフトの遠位端部が、ヒト対象の心臓の腔内に嵌合するようにサイズ決定及び構成されており、先端部材が、(i)電気エネルギーを組織に送達するように構成された遠位先端部と、(ii)シャフトのルーメンと流体連通する少なくとも1つの流体通路と、を含む、先端部材と、を含み、深さストップ部材が、ハンドル本体及びシャフトに対して移動可能であり、深さストップ部材が、ハンドル本体及びシャフトに対する深さストップ部材の位置に基づいて、誘導シース内へのシャフトの挿入の深さを制限するように構成されている、経中隔装置。
【実施例0089】
誘導シースを更に備え、誘導シースが、シャフト及び先端部材を受容するように構成された挿入ポートを含み、深さストップ部材が、挿入ポートと係合し、それによって、ハンドル本体及びシャフトに対する深さストップ部材の位置に基づいて、誘導シース内へのシャフトの挿入の深さを制限するように構成されている、実施例19に記載の経中隔装置。
【0090】
V.その他
本明細書に記載の器具のいずれも、処置前及び/又は処置後に洗浄及び滅菌することができる。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスは、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に置かれ得る。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌容器内に保管され得る。デバイスはまた、限定されないが、ベータ線又はガンマ線、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、及びガスプラズマ又は水蒸気を伴う又は伴わない気相滅菌を含む当技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0091】
本明細書に記載の実施例のいずれも、上述のものに加えて又はそれらに代わって、様々な他の特徴を含み得ることを理解されたい。単なる例として、本明細書に記載の実施例のいずれも、参照により本明細書に組み込まれている様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。
【0092】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0093】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又は他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0094】
本発明の様々な変形例について図示し説明してきたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適応は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0095】
〔実施の態様〕
(1) 経中隔装置であって、
(a)本体アセンブリと、
(b)前記本体アセンブリから遠位に延在するシャフトであって、前記シャフトが、
(i)遠位端部と、
(ii)ルーメンと、を含む、シャフトと、
(c)前記シャフトの前記遠位端部に固定された先端部材であって、前記先端部材及び前記シャフトの前記遠位端部が、ヒト対象の心臓の腔内に嵌合するようにサイズ決定及び構成されており、前記先端部材が、
(i)電気エネルギーを組織に送達するように構成された遠位先端部と、
(ii)前記シャフトの前記ルーメンと流体連通する少なくとも1つの流体通路であって、前記先端部材の前記少なくとも1つの流体通路の少なくとも一部分が、前記シャフトの前記遠位端部に対して近位に位置付けられている、少なくとも1つの流体通路と、を含む、先端部材と、を備える、経中隔装置。
(2) 前記先端部材が、本体を更に含み、前記少なくとも1つの流体通路が、前記本体の側部に形成された凹部を含む、実施態様1に記載の経中隔装置。
(3) 前記凹部が、遠位部分及び近位部分を含み、前記遠位部分が、前記シャフトの前記遠位端部に対して遠位に位置付けられ、前記近位部分が、前記シャフトの前記遠位端部に対して近位に位置付けられている、実施態様2に記載の経中隔装置。
(4) 前記少なくとも1つの流体通路が、前記本体を通って延在する中心長手方向軸の周りに等距離で互いから角度的に離隔された少なくとも2つの凹部を含む、実施態様2に記載の経中隔装置。
(5) 前記凹部が、前記本体を通って延在する中心長手方向軸に向かって内向きに延在する、実施態様2に記載の経中隔装置。
【0096】
(6) 前記先端部材が、遠位本体と、前記遠位本体と結合された近位本体と、を備え、前記近位本体が、前記シャフトに固定されており、前記少なくとも1つの流体通路が、前記近位本体を通って形成されている、実施態様1に記載の経中隔装置。
(7) 前記近位本体が、ディスク形状を含む、実施態様6に記載の経中隔装置。
(8) 前記ルーメンが、内径を備え、前記遠位本体が、第1の外径を画定し、前記近位本体が、第2の外径を画定し、前記第2の内径が、前記内径に対応するようにサイズ決定されており、前記第1の内径は、前記遠位本体が前記シャフトとの間隙を画定するように、前記内径よりも小さい、実施態様6に記載の経中隔装置。
(9) 前記間隙、及び前記近位本体を通って形成された前記少なくとも1つの流体通路が、協働して、前記ルーメンと前記先端部材の外部の領域との間の流体連通のための経路を提供するように構成されている、実施態様8に記載の経中隔装置。
(10) 前記近位本体が、前記シャフトの前記ルーメン内に位置付けられている、実施態様6に記載の経中隔装置。
【0097】
(11) 前記少なくとも1つの流体通路が、前記近位本体を通って形成された複数の開口部を含み、前記開口部が、前記近位本体を通って延在する中心長手方向軸の周りに互いから角度的に離隔されている、実施態様6に記載の経中隔装置。
(12) 前記先端部材が、前記近位本体と前記遠位本体との間に介在する中間本体を更に備える、実施態様6に記載の経中隔装置。
(13) 前記中間本体が、前記近位本体及び前記遠位本体よりも狭い、実施態様12に記載の経中隔装置。
(14) 前記遠位先端部が、ドーム形状を含む、実施態様1に記載の経中隔装置。
(15) 前記本体アセンブリが、ハンドル本体及び深さストップ部材を含み、前記深さストップ部材が、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対して移動可能であり、前記深さストップ部材が、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対する前記深さストップ部材の位置に基づいて、誘導シース内への前記シャフトの挿入の深さを制限するように構成されている、実施態様1に記載の経中隔装置。
【0098】
(16) 前記本体アセンブリが、アクチュエータを更に備え、前記アクチュエータが、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対する前記深さストップ部材の移動を駆動するように動作可能である、実施態様15に記載の経中隔装置。
(17) 前記本体アセンブリが、前記シャフトの前記ルーメンと流体連通するポートを更に備え、前記ポートが、管と結合するように構成されている、実施態様15に記載の経中隔装置。
(18) 経中隔装置であって、
(a)本体アセンブリと、
(b)前記本体アセンブリから遠位に延在するシャフトであって、前記シャフトが、
(i)遠位端部と、
(ii)ルーメンと、を含む、シャフトと、
(c)前記シャフトの前記遠位端部に固定された先端部材であって、前記先端部材及び前記シャフトの前記遠位端部が、ヒト対象の心臓の腔内に嵌合するようにサイズ決定及び構成されており、前記先端部材が、
(i)電気エネルギーを組織に送達するように構成された、ドーム形状の遠位先端部と、
(ii)前記シャフトの前記ルーメンと流体連通する中空内部領域と、
(iii)前記中空内部領域と流体連通する少なくとも1つの開口部と、を含む、先端部材と、を備える、経中隔装置。
(19) 経中隔装置であって、
(a)本体アセンブリであって、前記本体アセンブリが、
(i)ハンドル本体と、
(ii)深さストップと、を含む、本体アセンブリと、
(b)前記本体アセンブリから遠位に延在するシャフトであって、前記シャフトが、
(i)遠位端部と、
(ii)ルーメンと、を含む、シャフトと、
(c)前記シャフトの前記遠位端部に固定された先端部材であって、前記先端部材及び前記シャフトの前記遠位端部が、ヒト対象の心臓の腔内に嵌合するようにサイズ決定及び構成されており、前記先端部材が、
(i)電気エネルギーを組織に送達するように構成された遠位先端部と、
(ii)前記シャフトの前記ルーメンと流体連通する少なくとも1つの流体通路と、を含む、先端部材と、を含み、
前記深さストップ部材が、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対して移動可能であり、前記深さストップ部材が、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対する前記深さストップ部材の位置に基づいて、誘導シース内への前記シャフトの挿入の深さを制限するように構成されている、経中隔装置。
(20) 誘導シースを更に備え、前記誘導シースが、前記シャフト及び前記先端部材を受容するように構成された挿入ポートを含み、前記深さストップ部材が、前記挿入ポートと係合し、それによって、前記ハンドル本体及び前記シャフトに対する前記深さストップ部材の位置に基づいて、前記誘導シース内への前記シャフトの挿入の深さを制限するように構成されている、実施態様19に記載の経中隔装置。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
【外国語明細書】