(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174605
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】バッテリホルダのためのばねエレメントおよび閉鎖装置
(51)【国際特許分類】
E01C 19/34 20060101AFI20231130BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20231130BHJP
【FI】
E01C19/34 A
H01M50/244 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023086754
(22)【出願日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】10 2022 113 398.2
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】511237955
【氏名又は名称】ワッカー ノイソン プロドゥクツィオン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Wacker Neuson Produktion GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Wackerstrasse 6, D-85084 Reichertshofen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ローベアト ハートマン
【テーマコード(参考)】
2D052
5H040
【Fターム(参考)】
2D052AB01
2D052BC06
5H040AA03
5H040AA07
5H040AS19
5H040CC23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バッテリをホルダ内に確実に保持するためのバッテリホルダの提供。
【解決手段】弾性的な材料から成る長手方向の延在を有する一体的な基体を有しており、この基体は基体の第1の端部における第1の機能領域と基体の第1の端部とは反対側の基体の第2の端部における第2の機能領域と、第1の機能領域と第2の機能領域との間に配置されている伸張領域4と、を有しており、第1の機能領域には、第1のエレメントに取り付けるための第1の開口5が設けられており、第2の機能領域には、第2のエレメントに取り付けるための第2の開口6が設けられており、第1の機能領域の端面側の端部には、第1の端部ストッパ7が設けられており、第1の機能領域の、伸張領域4への移行領域には、第2の端部ストッパ8が設けられている、ばねエレメント1。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばねエレメント(1)であって、弾性的な材料から成る、長手方向の延在を有する一体的な基体(1a)を有しており、
前記基体は、
-前記基体(1a)の第1の端部における第1の機能領域(2)と、
-前記基体(1a)の前記第1の端部とは反対側の、前記基体(1a)の第2の端部における第2の機能領域(3)と、
-前記第1の機能領域(2)と前記第2の機能領域(3)との間に配置されている伸張領域(4)と、
を有しており、
-前記第1の機能領域(2)には、第1のエレメントに取り付けるための第1の開口(5)が設けられており、
-前記第2の機能領域(3)には、第2のエレメントに取り付けるための第2の開口(6)が設けられており、
-前記第1の機能領域(2)の端面側の端部には、第1の端部ストッパ(7)が設けられており、
-前記第1の機能領域(2)の、前記伸張領域(4)への移行領域には、第2の端部ストッパ(8)が設けられている、
ばねエレメント(1)。
【請求項2】
前記基体(1a)は、前記第1の端部ストッパ(7)および/または前記第2の端部ストッパ(8)の領域に、端部ストッパを有さない領域における横断面よりも大きな横断面を有している、請求項1記載のばねエレメント。
【請求項3】
前記基体(1a)は、前記伸張領域(4)に、互いに平行に配置された2つのガイド面(10)を有している、請求項1または2記載のばねエレメント。
【請求項4】
前記第1の機能領域(2)にはかつ/または前記第2の機能領域(3)には、各前記第1の開口(5)または前記第2の開口(6)と、前記機能領域(2,3)の各端面側の端部との間に、組付け補助領域(9)が設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載のばねエレメント。
【請求項5】
バッテリホルダであって、
-バッテリを支持するための支持装置(15)と、
-前記支持装置(15)に前記バッテリを保持するためのロックレバー(16)と、
を有しており、
-前記ロックレバー(16)は、開放位置と閉鎖位置との間で可動であり、
-請求項1から4までのいずれか1項記載のばねエレメント(1)が、前記ロックレバー(16)と前記支持装置(15)との間に作用するように配置されている、
バッテリホルダ。
【請求項6】
前記ばねエレメント(1)がその第1の開口(5)で前記ロックレバー(16)に取り付けられており、その第2の開口(6)で前記支持装置(15)に取り付けられている、請求項5記載のバッテリホルダ。
【請求項7】
前記ロックレバー(16)の部分領域は、前記第1の開口(5)を貫通している、請求項5または6記載のバッテリホルダ。
【請求項8】
前記ロックレバー(16)には、予め規定された機能位置で前記ばねエレメント(1)を保持するための少なくとも1つの凹部(17)が設けられている、請求項5から7までのいずれか1項記載のバッテリホルダ。
【請求項9】
-前記支持装置(15)に突起(20)が設けられており、
-前記突起(20)は、前記ばねエレメント(1)の前記第2の開口(6)を貫通している、
請求項5から8までのいずれか1項記載のバッテリホルダ。
【請求項10】
-前記ばねエレメント(1)の組付け補助領域(9)が、前記第2の開口(6)と、第2の機能領域(3)の端面側の端部との間に設けられており、
-組付け工程で、前記ばねエレメント(1)の前記第2の開口(6)を、前記突起(20)を介して引っ張るために、前記組付け補助領域(9)がアクセス可能である、
請求項5から9までのいずれか1項記載のバッテリホルダ。
【請求項11】
前記支持装置(15)に、前記ばねエレメント(1)の端部ストッパ(7,8)と協働するストッパ(18,19)が設けられている、請求項5から10までのいずれか1項記載のバッテリホルダ。
【請求項12】
前記ロックレバー(16)が開放位置にある場合に、前記第1の端部ストッパ(7)と協働する第1のストッパ(19)が、前記支持装置(15)に設けられている、請求項5から11までのいずれか1項記載のバッテリホルダ。
【請求項13】
前記ロックレバー(16)が閉鎖位置にある場合に、前記第2の端部ストッパ(8)と協働する第2のストッパ(18)が、前記支持装置(15)に設けられている、請求項5から12までのいずれか1項記載のバッテリホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばねエレメント、特に、建設機械に設けられる、閉鎖装置を備えたバッテリホルダのための多機能ばねエレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、地面締固めのための振動タンパおよび振動プレート、またはフロアソーのような建設機械は、ますます電気駆動装置によって駆動されるようになっており、電気駆動装置は、その電気エネルギを、建設機械自体に取り付けられている蓄電器(バッテリ)から受け取る。バッテリ技術における開発が進んでいることにより、高い電気容量を有するコンパクトなバッテリの構造が可能となっている。
【0003】
バッテリは、通常、建設機械に交換可能に取り付けられており、これにより作業工程を長時間中断することなく、空になったバッテリを、充電された新しいバッテリと交換できる。このために、バッテリを建設機械においてホルダ内に確実に保持する必要がある。
【0004】
バッテリの収容を確実にするために、バッテリホルダに閉鎖装置を設けることが知られている。バッテリホルダは、例えば、開放位置と閉鎖装置との間で可動なロックエレメント、特にロックレバーを有していてよい。開放位置では、バッテリを取り外して交換することができる。閉鎖位置では、バッテリは、本来のバッテリ収容部、すなわち支持装置に確実に保持されており、建設機械が(例えば振動タンパまたは振動プレートにおいて)著しい振動に曝されている硬い工事個所での作動時でも、確実にバッテリホルダにバッテリを保持することができるので、電流を持続的に駆動モータに供給することができる。
【0005】
閉鎖装置は、この場合、通常、予荷重のかけられた金属製のばねによって保持されている。しかしながら、金属製のばねは、持続的にその組付け位置に留まることができるようにするためには、場合によっては手間をかけて組み付けなければならない。さらに、金属製のばねは、製造公差に対して影響を受けやすい。
【0006】
さらに、金属製のばねの使用は、ばねを支持する部分の面を損傷するおそれがあり、これにより継続使用時に腐食が生じる可能性がある。
【0007】
公知の閉鎖装置では、さらに、金属製の端部ストッパが設けられており、例えば、ロックレバーの金属製のストッパ面が、支持装置の金属製のストッパ面に当接している。閉鎖装置における激しい当接は、オペレータにとって不快である。この場合、このような激しい当接を回避するために、場合によってはゴムクッションを組み付けなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の根底にある課題は、従来技術で知られている欠点を解消することができるばねエレメントおよび閉鎖装置を備えたバッテリホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1の特徴を備えたばねエレメントによって解決される。このばねエレメントは、有利には、バッテリホルダで使用することができる。有利な構成は、従属請求項に記載されている。
【0010】
ばねエレメントであって、弾性的な材料から成る、長手方向の延在を有する一体的な基体を有しており、この基体は、基体の第1の端部における第1の機能領域と、基体の第1の端部とは反対側の、基体の第2の端部における第2の機能領域と、第1の機能領域と第2の機能領域との間に配置されている伸張領域と、を有しており、第1の機能領域には、第1のエレメントに取り付けるための第1の開口が設けられており、第2の機能領域には、第2のエレメントに取り付けるための第2の開口が設けられており、第1の機能領域の端面側の端部には、第1の端部ストッパが設けられており、第1の機能領域の、伸張領域への移行領域には、第2の端部ストッパが設けられている、ばねエレメントが提供される。このばねエレメントは、-さらに後述するように-有利には、バッテリホルダで、特にバッテリホルダのための閉鎖装置のために使用することができる。
【0011】
この場合、ばねエレメントは、弾性的な材料、例えば、ゴム、エラストマまたはプラスチックから一体的に製造されている。したがって、ばねエレメントの製造のための製作の手間は、従来技術において使用されているような、機械的に極めて手間のかかる金属製のばね(コイルばねまたはトーションばね)の製造と比較して極めて僅かである。
【0012】
ばねエレメントは、一体的な基体を有しており、この基体は、実質的に3つの領域、すなわち第1の機能領域、第2の機能領域、およびこれらの領域の間に配置された伸張領域を有している。したがって、3つの領域は、並んでまたは一列に直線的に相前後して配置されていて、長手方向で延在する基体を成している。これによりばねエレメントは、全体としては1つの帯状の外観を有し、ゴムバンドと類似の作用をすることができる。
【0013】
両機能領域には、それぞれ開口(第1の開口、第2の開口)が設けられており、これらの開口で、基体またはばねエレメントを、それぞれ1つのエレメント(第1のエレメント、第2のエレメント)に取り付けることができる。したがって、両開口は取付け開口として機能する。両エレメントは、ばねエレメントの構成部分ではない。すなわち、ばねエレメントは、両開口によって両エレメントに取り付けられる。このようにして、両エレメントをばねエレメントによっても結合させることができる。したがって、ばねエレメントは、両エレメントの間に作用するように配置され、したがって、ばねエレメントの構成部分を形成していない別の機械的な装置を用いて、さらに後述もするように、ばねエレメントとして機能することができる。
【0014】
伸張領域は、機能領域よりも幾分減少した横断面を有していてよく、これにより、ばねエレメントの使用時に、ばねエレメントのばね機能を満たすために良好に伸長し、ひいては予荷重を加えることができる。
【0015】
開口は、取付け開口として用いられ、例えば、両エレメントに、さらなる部材(ねじ、フック、突起、金属薄板部材等)によって取り付けることができる。
【0016】
ばねエレメントにはさらに、端部ストッパ(第1の端部ストッパ、第2の端部ストッパ)が設けられており、これらの端部ストッパは、さらに後述する別のエレメントに対するストッパとして機能することができる。
【0017】
基体は、第1の端部ストッパおよび/または第2の端部ストッパの領域に、端部ストッパを有さない領域における横断面よりも大きな横断面を有していてよい。これは、例えば、基体、または端部ストッパを支持する第1の機能領域は、端部ストッパの領域で、幾分幅広であって、相対的に大きな端部ストッパ面を提供することを意味していてよい。このようにして、別の構成エレメントの相応の構成要素が各端部ストッパに当接する際に、端部ストッパにおける面加圧を減じることができる。
【0018】
基体は、伸張領域に、互いに平行に配置された2つのガイド面を有していてよい。ガイド面は、ばねエレメントが組み込まれる装置の内側で、適切な相補的なガイド面によってガイドされることができる例えば側方のガイド面であってよい。これにより、ばねエレメントが側方で破損し得ないこと、または取付け開口が外れ得ないことを保証することができる。さらにこれにより、取り囲んでいる構成部分は、ばねエレメントによって保護され、センタリングされる。伸張領域の側面またはガイド面によってセンタリングおよび材料保護が行われる。このようにして、弾性的なばねエレメントは、ある程度の範囲の誤差を補償することができるので、取り囲んでいる構成部分における製造誤差も補償することができる。
【0019】
第1の機能領域にはかつ/または第2の機能領域には、各第1の開口または第2の開口と、機能領域の各端面側の端部との間で、各端部に組付け補助領域が設けられていてよい。組付け補助領域は、長手方向で両開口の間の領域の外側に組付け補助部として配置されていてよく、ばねエレメントの組付けの際に、弾性的なばねエレメントを把持し引き伸ばすために、例えば、組付け作業者の手で把持することができる。このようにして、例えば、両取付け開口または取付け開口のうちの少なくとも1つを、フックまたは突起に引っ掛けることができ、これによりばねエレメントを、極めて迅速に、組み付け工具を使用せずに組み付けることができる。
【0020】
バッテリを支持するための支持装置を備えた、そして支持装置にバッテリを保持するまたはロックするためのロックレバーを備えたバッテリホルダであって、ロックレバーは、開放位置と閉鎖位置との間で可動であり、上述した形式のばねエレメントが、ロックレバーと支持装置との間に作用するように配置されている、バッテリホルダが提供される。
【0021】
バッテリホルダは、特に建設機械、例えば、振動プレート、振動タンパ、またはフロアソーのような建設機械で使用することができる。既に上述したように、バッテリホルダは、支持装置においてバッテリを収容するために用いられる。この場合、バッテリは、支持装置内でロックレバーによってその位置に保持され、これにより作業運転時でも確実に支持装置内に留まることができる。したがって、ロックレバーの閉鎖位置は、ロック位置でもある。
【0022】
支持装置は、ロックレバーとばねエレメントと共に、バッテリホルダのための閉鎖位置を形成している。
【0023】
ばねエレメントは、または場合によっては複数のばねエレメントも、ロックレバーと支持装置との間に作用するように配置されている。特に、ばねエレメントは、ロックレバーが移動する際に作用する。ロックレバーを、ばねエレメントによって、ばねエレメントの予荷重に基づき閉鎖位置に保持することができる。閉鎖位置から開放位置へとロックレバーが旋回するまたは移動する際に、ばねエレメントは伸張し、これによりロックレバーは、オペレータによって、ばね力の作用に抗して動かされなければならず、または開放位置で保持されなければならない。これにより、ロックレバーは常にその位置で規定されている。開放位置と閉鎖位置との間の中間位置では、ばねエレメントまたは複数のばねエレメントは、ロックレバーを閉鎖位置へと強制的に動かそうとするので、ロックレバーのオペレータによる支持なしでは、この中間位置は不可能である。
【0024】
ロックレバーを開放位置へと移動させると、バッテリは解除され、支持装置から取り外すことができる。
【0025】
ばねエレメントは、その第1の開口でロックレバーに取り付けられていてよく、その第2の開口で支持装置に取り付けられていてよい。これにより、ばねエレメントは、支持体ユニットに支持されて、ロックレバーの移動はばね力(強制力)によって負荷されて、-上述したように-ロックレバーの閉鎖位置を強制的に生じさせることができる。ロックレバーの部分領域は、第1の開口を貫通していてよい。例えば、ロックレバーは、曲げられた金属薄板から成っていてよく、金属薄板によってばねエレメントは、その第1の開口で引っ張られて、所定の組付け位置へともたらされることができる。
【0026】
代替的に、ロックレバーには、ばねエレメントの第1の開口が取付け可能である別の適切な取付け手段、例えばフックエレメントが形成されていてもよい。
【0027】
ロックレバーには、予め規定された機能位置でばねエレメントを保持するための少なくとも1つの凹部が設けられていてよい。ロックレバーの凹部は、第1の開口がこれを介して引っ張られて、この凹部を取り囲むために適している。この場合、凹部は、作動中も、例えば、ロックレバーの移動中もばねエレメントが確実に留まるべき所定の機能位置に、ばねエレメントをロックレバー上で固定する働きをする。こうすることで、ロックレバーに対してばねエレメントを簡単にスライドさせることはもはやできない。
【0028】
支持装置には突起が設けられていてよく、この場合、突起は、ばねエレメントの第2の開口を貫通する。突起は、この場合、フックと類似の形式で、ばねエレメントの第2の開口内に入り込むことができ、ばねエレメントをこれにより保持することができる。支持装置とロックレバーとが相応に構成されている場合には、ばねエレメントは、これらの間で、予荷重をかけられた状態で延在することができる。
【0029】
ばねエレメントの組付け補助領域が、第2の開口と、第2の機能領域の端面側の端部との間に設けられており、この場合、組付け工程で、ばねエレメントの第2の開口を、突起を介して引っ張るために、組付け補助領域がアクセス可能である。
【0030】
したがって、組付け作業者は、ばねエレメントを、例えば舌片または帯部材と類似に形成された組付け補助領域で把持し、第2の開口を、支持装置の突起を介して引っ張ることができる。この場合、突起は、第2の開口をフックと同様に保持する。
【0031】
支持装置には、ばねエレメントの端部ストッパと協働するストッパが設けられていてよい。ばねエレメントの端部ストッパは、特に、ロックレバーの終端位置(開放位置、閉鎖位置)で機能し、金属と金属の直接の接触なしに、ロックレバーを支持装置に対して緩衝状態で保持するために機能する。したがって、ストッパまたは端部ストッパは、ロックレバーと支持装置との間で機能する。
【0032】
ロックレバーが開放位置にある場合に、第1の端部ストッパと協働する第1のストッパ(開放ストッパ)が、支持装置に設けられていてよい。ロックレバーは、この場合、支持装置の第1のストッパに、これらの間に緩衝材として機能する、ばねエレメントの部分を介して当接する。
【0033】
ロックレバーが閉鎖位置にある場合に、第2の端部ストッパと協働する第2のストッパ(閉鎖ストッパ)が、支持装置に設けられていてよい。ロックレバーが閉鎖位置で、支持装置に、これらの間に緩衝エレメントとして機能する、ばねエレメントの部分を介して当接する際に、第2のストッパは、第1のストッパと同様に機能する。
【0034】
本発明のこのような利点およびさらなる利点、ならびに特徴を、以下に、添付の図面を参照しながら例に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明によるばねエレメントを示す斜視図である。
【
図2】バッテリホルダの一部を、閉鎖位置にあるロックレバーと共に、ただしばねエレメントを省いて示す図である。
【
図3】組み付けられたばねエレメントと共に、
図2の状態を示す図である。
【
図5】
図4に相応する状態で、バッテリホルダのより広い部分を2つのばねエレメントと共に示す図である。
【
図6】2つのばねエレメントと、閉鎖位置にあるロックレバーと共にバッテリホルダを示す斜視図である。
【
図7】開放位置にあるロックレバーを備えた、
図3と同様の図である。
【
図8】閉鎖位置にあるロックレバーを備えた、バッテリホルダの別の斜視図である。
【
図9】開放位置にあるロックレバーを備えた、
図8と同様の斜視図であるが
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、弾性的な材料、例えば、ゴム、エラストマまたは弾性プラスチックから成る一体的な基体1aを有するばねエレメント1を斜視図で示している。
【0037】
ばねエレメント1は、第1の機能領域2と第2の機能領域3とを有している。機能領域2,3の間には、伸張領域4が設けられている。
【0038】
伸張領域4は、機能領域2,3に対して幾分減少した横断面を有しており、集約部としても理解されてもよい。
【0039】
第1の機能領域2には第1の開口5が、第2の機能領域3には第2の開口6が設けられている。両開口5,6は、さらに後述するように、バッテリホルダの相応の構成要素に取り付けるために使用される。
【0040】
第1の機能領域2の上方の端面側の端部には、第1の端部ストッパ7が設けられている。
【0041】
第1の機能領域2の、伸張領域4への移行領域には、第2の端部ストッパ8が設けられている。
【0042】
図1の下側において、第2の開口6と、第2の機能領域3の端面側の端部との間には、舌片の形態の組付け補助部9が設けられている。組付け補助部9は、相応の取付け手段を介して組み付ける際にばねエレメント1を引っ張るために、オペレータの手で把持することができる。
【0043】
伸張領域4の側面には、側方のガイド面10が設けられており、このガイド面は、ばねエレメント1を組み付けるべきエレメントによってガイドされることができる。このようにして、ばねエレメント1は、関連するエレメントの誤差を補償すること、またはこれらのエレメントのセンタリングを行うこともできる。
【0044】
図2は、例えば、建設機械で使用することができるバッテリホルダの一部を部分側面図で示している。
【0045】
バッテリホルダは、支持装置15と、支持装置15に対して旋回可能に保持されているロックレバー16とを有している。さらに後述するように、図示されていないバッテリを支持装置15内に保持するために、2つ以上のロックレバー16が設けられていてもよい。
【0046】
ロックレバー16は、特に、開放位置と、
図2に示された閉鎖位置との間で、支持装置15に対して旋回されてよい。
【0047】
このような形式のバッテリホルダの構造は、自体公知であるので、この個所でこれ以上詳しく説明する必要はない。
【0048】
ロックレバー16は、変形加工された、例えば、複数回曲げられた金属薄板部品から製造され、2つの凹部17を有しており、これらの凹部には、
図3について以下でさらに示すように、ばねエレメント1の第1の開口5を被せ嵌めることができる。凹部17の間隔は、
図1に示された第1の開口5の高さ以上であるように寸法設定されているので、ばねエレメント1は第1の開口5によって、持続的に確実に、ロックレバー16上の凹部17内に保持されることができる。
【0049】
支持装置15も同様に、複雑な金属薄板部品として製造することができる。支持装置15は閉鎖ストッパ18を有しており、この閉鎖ストッパには、
図3に示された閉鎖位置でロックレバー16が当接することができる。さらに、支持装置15は開放ストッパ19を有しており、この開放ストッパには、開放位置でロックレバーが当接することができる(
図7について後述する)。
【0050】
図3は、
図2の図を示しているが、組み付けられたばねエレメント1を有している。
図4は同じ状態を斜視図で示している。
【0051】
特に、既に上述したように、ばねエレメント1の第1の開口5がロックレバー16に被せ嵌められている。
【0052】
さらに、下側の第2の機能領域3が組付け補助部9によって下方に引っ張られ、第2の開口6が、支持装置15におけるフックエレメント20を介して引っ張られている。これにより、伸張領域4では、ばねエレメント1の予荷重を生じさせる伸張が生じる。これによりロックレバー16は、
図3に示された閉鎖位置で保持される。
【0053】
第2の端部ストッパ8は、この閉鎖位置で、支持装置15の閉鎖ストッパ18に当接している。第2の端部ストッパ8は、ばねエレメント1の構成部分としてゴム弾性的な特性を有しているので、この当接はソフトに行われる。金属・金属接触は回避される。
【0054】
図5は、
図3および
図4の状態をより大きな部分図で示しており、ここでは、それぞれ支持装置15に対して旋回可能な2つのロックレバー16が設けられていることも確認することができる。
【0055】
さらに
図6は、完全なバッテリホルダを斜視図で示している。バッテリホルダは図示した例では、中間配置されたゴムダンパを介して振動分離されて保持体上に支持されている。この保持体により、振動分離されたバッテリホルダを、図示されていない建設機械に組み込むことができる。
【0056】
図7は、
図3に相当する側面図を示しているが、ここでは、開放位置にあるロックレバー16を有している。このために、オペレータは、ロックレバー16をばねエレメント1の作用に抗して動かさなければならない。第1のストッパ7は、この場合、開放ストッパ19に当接している。ばねエレメント1のばね弾性的な材料により、この当接はソフトに行われる。金属・金属接触は回避される。
【0057】
ロックレバー16を、
図2および
図3に示された閉鎖位置から、
図7の開放位置へと動かす際に、ばねエレメント1は伸張するので、そのばね力は大きくなる。オペレータは、ロックレバー16を開放位置へと動かすために、このばね力を克服しなければならない。オペレータがロックレバー16を離すと、ロックレバー16は、ばねエレメント1の作用によって再び閉鎖位置(
図2および
図3)へと動かされる。
【0058】
図8および
図9は、バッテリホルダ全体の概略図を再度示している。
図8では、両ロックレバー16は閉鎖位置に位置している。
図9では、両ロックレバー16は開放位置で立っている。
【0059】
支持装置15とロックレバー16との間に組み込まれたばねエレメント1の作用により、ロックレバー16はそれぞれ規定された終端位置(閉鎖位置)で保持される。
【外国語明細書】