(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174609
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】ディスプレイをカラーマッチングするようにディスプレイシステムを構成するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04N 9/64 20230101AFI20231130BHJP
H04N 1/60 20060101ALI20231130BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20231130BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H04N9/64 A
H04N1/60
G09G5/00 X
G09G5/02 B
G09G5/00 550X
G09G5/00 510V
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087081
(22)【出願日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】17/827,426
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518072003
【氏名又は名称】フォルシア イリステック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100123124
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 昌大
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ユ ヒョンジン
(72)【発明者】
【氏名】アカヴァン タラ
(72)【発明者】
【氏名】ウォード グレゴリー
【テーマコード(参考)】
5C066
5C182
【Fターム(参考)】
5C066AA03
5C066AA11
5C066BA20
5C066CA17
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA04
5C182AB25
5C182BA14
5C182BA26
5C182BB01
5C182BC01
5C182BC25
5C182CA36
5C182CA37
5C182CA42
5C182DA44
5C182DA70
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2つ以上の電子ディスプレイをカラーマッチングするためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】方法は、スペクトル応答デバイスから第1、第2のスペクトル応答読取値を取得し210、第1、第2のスペクトル応答読取値に基づいて第1、第2のスペクトル応答曲線及び第1、第2のスペクトルパワー分布を決定し220、230、第1のスペクトル応答曲線及び第1のスペクトルパワー分布に基づいて第1のデバイス対独立カラーマッピングを決定し240、第2のスペクトル応答曲線及び第2のスペクトルパワー分布に基づいて、第2のデバイス対独立カラーマッピングを決定し250、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイを有するディスプレイシステムを、第1のデバイス対独立カラーマッピング及び第2のデバイス対独立カラーマッピングに基づいて、表示されている色をマッチングさせる260。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイシステムの2つ以上の電子ディスプレイをカラーマッチングするための方法であって、
1つ以上のスペクトル応答デバイスから、第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値及び第2の電子ディスプレイに対する第2のスペクトル応答読取値を取得することと、
前記第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトル応答曲線を決定し、前記第2のスペクトル応答読取値に基づいて第2のスペクトル応答曲線を決定することと、
前記第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトルパワー分布を決定し、前記第2のスペクトル応答読取値に基づいて第2のスペクトルパワー分布を決定することと、
第1の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す第1のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、前記第1のデバイス対独立カラーマッピングは、前記第1のスペクトル応答曲線及び前記第1のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、
第2の色空間と前記独立色空間との間のマッピングを表す第2のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、前記第2のデバイス対独立カラーマッピングは、前記第2のスペクトル応答曲線及び前記第2のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、
前記第1の電子ディスプレイ及び前記第2の電子ディスプレイを有するディスプレイシステムを、前記第1のデバイス対独立カラーマッピング及び前記第2のデバイス対独立カラーマッピングを使用することに基づいて、表示されている色をマッチングさせるように構成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の電子ディスプレイに対する前記第1のスペクトル応答読取値及び前記第2の電子ディスプレイに対する前記第2のスペクトル応答読取値が、N回の反復を有する反復プロセスを含むグレースケールランピング技法の使用を通して、前記1つ以上のスペクトル応答デバイスから取得され、前記合計N回の反復の各反復nに対して、前記反復プロセスは、
デジタルグレースケール入力inによって表される画像をそれぞれのディスプレイに表示することと、
前記スペクトル応答デバイスのうちの少なくとも1つを使用してスペクトル応答読取値を取得することと、
を含み、
次の反復n+1に対して、デジタルグレースケール入力in+1は、前記それぞれの電子ディスプレイに対応するカラーセットの各チャネルに対する入力値を、現在の反復nに対するデジタルグレースケール入力inに対して使用されたそれらの入力値に対して均等に増加又は減少させることによって取得され、前記第1のスペクトル応答読取値は、前記それぞれのディスプレイが前記第1の電子ディスプレイである前記反復プロセスを使用して取得され、前記第2のスペクトル応答読取値は、前記それぞれのディスプレイが前記第2の電子ディスプレイである前記反復プロセスを使用して取得される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のスペクトル応答曲線及び前記第2のスペクトル応答曲線が、前記スペクトル応答読取値によって示される相対照度と、その画像のために前記スペクトル応答読取値が取得される前記画像を生成するために前記それぞれのディスプレイによって使用された前記デジタルグレースケール入力との間の関係を取得することによって決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のスペクトルパワー分布及び前記第2のスペクトルパワー分布が、前記スペクトル応答読取値に基づいて放射パワーと波長との間の関係を取得することによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のスペクトルパワー分布が、前記第1のスペクトル応答読取値が前記1つ以上のスペクトル応答デバイスによって取得されるグレースケールランピング技法を使用して取得される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記構成するステップが、カラーマッピング情報を前記ディスプレイシステムのメモリに記憶することを含み、前記カラーマッピング情報は、決定された前記第1のデバイス対独立カラーマッピング及び決定された前記第2のデバイス対独立カラーマッピングに基づいて生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カラーマッピング情報が、基準ディスプレイとして前記第1の電子ディスプレイ上の表示となるべきディスプレイ入力をカラーマッチングするように構成され、それにより、カラーマッチングディスプレイ入力がマッチングディスプレイとしての前記第2の電子ディスプレイ上の表示のために生成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ディスプレイシステムが、前記カラーマッピング情報と、ディスプレイ入力の一部であるカラー入力とを使用することに基づいて、前記カラーマッチングディスプレイ入力を生成するように構成されたカラーマッチング関数を用いて構成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記構成するステップが、複数のカラーマッピング情報エントリを前記ディスプレイシステムのメモリに記憶することを含み、前記カラーマッピング情報エントリの各々は、決定された前記第1のデバイス対独立カラーマッピングに基づいて生成され、かつ前記カラーマッピング情報エントリのうちの少なくとも1つは、決定された前記第2のデバイス対独立カラーマッピングに基づいて生成される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ディスプレイシステムが、第3の電子ディスプレイを含み、前記カラーマッピング情報エントリのうちの少なくとも1つは、決定された前記第2のデバイス対独立カラーマッピング以外のカラーマッピングに基づいて生成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ディスプレイシステムが、前記第2の電子ディスプレイを前記第1の電子ディスプレイのためのディスプレイ入力の第1のカラーマッチングサブ部分とカラーマッチングさせ、前記第3の電子ディスプレイを前記第1の電子ディスプレイのための前記ディスプレイ入力の第2のカラーマッチングサブ部分とカラーマッチングさせるように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のカラーマッチングサブ部分が、カラーマッチング関数を使用することによって前記第2の電子ディスプレイにカラーマッチングされ、前記第2の電子ディスプレイ及び前記第1の電子ディスプレイに対するカラーマッピング情報は、前記カラーマッチング関数によって使用されて、表示のために前記第1の電子ディスプレイに渡されるべきカラーマッチングされたディスプレイ入力を生成する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記構成するステップが、前記ディスプレイシステムのメモリに、前記第1のデバイス対独立カラーマッピング及び/又は前記第2のデバイス対独立カラーマッピングを表す第1のデータ構造を記憶することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ディスプレイシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサによってアクセス可能なコンピュータ命令を記憶するメモリとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記コンピュータ命令を実行するとき、前記ディスプレイシステムに、ディスプレイシステムの2つ以上の電子ディスプレイをカラーマッチングするためのプロセスを実行させ、前記プロセスは、
ディスプレイ入力を受信することと、
カラーマッチングされたディスプレイ入力を取得するために、カラーマッピング情報を使用して前記ディスプレイ入力にカラーマッチングを適用することと、
前記カラーマッチングされたディスプレイ入力をマッチングディスプレイに表示させることと、
を含み、
前記カラーマッピング情報は、ディスプレイ構成プロセスによって取得され、ディスプレイ構成プロセスは、
1つ以上のスペクトル応答デバイスから、第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値及び第2の電子ディスプレイに対する第2のスペクトル応答読取値を取得することと、
前記第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトル応答曲線を決定し、前記第2のスペクトル応答読取値に基づいて第2のスペクトル応答曲線を決定することと、
前記第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトルパワー分布を決定し、前記第2のスペクトル応答読取値に基づいて第2のスペクトルパワー分布を決定することと、
第1の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す第1のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、前記第1のデバイス対独立カラーマッピングは、前記第1のスペクトル応答曲線及び前記第1のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、
第2の色空間と前記独立色空間との間のマッピングを表す第2のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、前記第2のデバイス対独立カラーマッピングは、前記第2のスペクトル応答曲線及び前記第2のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、
前記カラーマッピング情報を用いてディスプレイシステムを表示されている色をマッチングさせるように構成することであって、前記カラーマッピング情報は、前記第1のデバイス対独立カラーマッピング及び前記第2のデバイス対独立カラーマッピングに基づく、構成することと、
を含む、
ディスプレイシステム。
【請求項15】
前記第1の電子ディスプレイ及び前記第2の電子ディスプレイを更に備え、前記第1の電子ディスプレイが基準ディスプレイであり、前記第2の電子ディスプレイが前記マッチングディスプレイである、請求項14に記載のディスプレイシステム。
【請求項16】
前記ディスプレイシステムが、車載ディスプレイシステムである、請求項14に記載のディスプレイシステム。
【請求項17】
前記ディスプレイシステムが、複数のディスプレイを動作させるように構成されており、前記ディスプレイのうちの少なくとも2つは、異なる技術である、請求項16に記載のディスプレイシステム。
【請求項18】
前記第1の電子ディスプレイがディスプレイモニタであり、前記第2の電子ディスプレイが非解像度ディスプレイである、請求項17に記載のディスプレイシステム。
【請求項19】
前記車載ディスプレイシステムが、バックエンドサーバから更新されたカラーマッピング情報を取得するように構成されている、請求項16に記載のディスプレイシステム。
【請求項20】
ディスプレイシステムの2つ以上の電子ディスプレイをカラーマッチングするための方法であって、
1つ以上のスペクトル応答デバイスから第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値を取得することであって、前記第1の電子ディスプレイに対する前記第1のスペクトル応答読取値は、N回の反復を有する反復プロセスを含むグレースケールランピング技法の使用を通して、前記1つ以上のスペクトル応答デバイスから取得され、前記合計N回の反復の各反復nに対して、前記反復プロセスは、
デジタルグレースケール入力inによって表される画像を前記第1の電子ディスプレイに表示することと、
前記スペクトル応答デバイスのうちの少なくとも1つを使用してスペクトル応答読取値を取得することと、
を含み、
次の反復n+1に対して、前記デジタルグレースケール入力in+1は、前記第1の電子ディスプレイに対応するカラーセットの各チャネルに対する入力値を、前記現在の反復nに対する前記デジタルグレースケール入力inに対して使用されたそれらの入力値に対して均等に増加又は減少させることによって取得される、取得することと、
前記第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトル応答曲線を決定することと、
前記第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトルパワー分布を決定することと、
第1の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す第1のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、前記第1のデバイス対独立カラーマッピングは、前記第1のスペクトル応答曲線及び前記第1のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、
前記第1の電子ディスプレイを有するディスプレイシステムを、前記第1のデバイス対独立カラーマッピングを使用することに基づいて、表示されている色をマッチングさせるように構成することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスプレイシステムのディスプレイによって生成された色をマッチングさせるための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、自動車のコックピットで使用されるような特定のディスプレイシステムは、異なる技術のいくつかのカラーディスプレイデバイス(又は「電子ディスプレイ」)を組み合わせるディスプレイシステムを含む場合があり、これにより、実際に出力される、又は知覚される出力の間に望ましくない色差が生じる可能性がある。本明細書で使用される「電子ディスプレイ」という用語は、可視光出力を提供し、例えば、RGB制御可能な光源(例えば、発光ダイオード(LED))を使用して様々なレベルの原色を出力することなどによって、出力色を変化させることができる任意の電子デバイスを指す。電子ディスプレイは、ディスプレイモニタ(液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ベースのディスプレイ(例えば、有機LED(OLED)、LED LCD)、又は他の好適な画像ディスプレイデバイスであり得る、テレビディスプレイ及びコンピュータモニタなど)、プロジェクタ(例えば、LCDプロジェクタ、デジタル光処理(DLP)プロジェクタ)、周囲又は拡散光源(LED又は他の光源技術を使用し得る)、及び/又はLEDアレイ、LEDストリングなどのアレイ又は個別のライトを含む、多くの異なるデバイスのうちのいずれかであり得る。この意味で、OLED高解像度テレビ画面と、可視光を生成するために使用される単一のLEDを含むデバイスは両方とも、電子ディスプレイと見なされる。いくつかの従来のマルチディスプレイシステムは、ディスプレイシステムのディスプレイのために同じ又は同様の(例えば、RGBベースの)色空間を使用することに依存し得るが、そのような場合であっても、色は、しばしば、異なるディスプレイ間で異なって見える(特に、それらが異なるモデル又は異なる技術であるとき)。2つの電子ディスプレイが、sRGBなどの標準と想定される色空間に従って動作するように指定されているときであっても、ディスプレイによって生成される実際の色は異なることが多く、この意味で、各ディスプレイは、それ自体のデバイス固有色空間を有すると考えられる。
【0003】
色出力におけるそのような不一致に対処し、好ましくは、照度及びディスプレイの明るさの変化に対してより堅牢であり、かつ/又は異なる技術の電子ディスプレイのマッチングにより良く適合する解決策が必要とされている。「異なる技術」という用語は、電子ディスプレイを指す文脈で使用されるとき、電子ディスプレイが異なるタイプのデバイス(例えば、LEDライトストリップに対するコンピュータモニタ)であること、及び/又は電子ディスプレイが特定の色又は特定の知覚の光を生成するために異なる原理を使用することを意味し、例えば、OLEDモニタ及びLCDモニタは、この意味で異なる技術である。また、自動車用のディスプレイシステムを製造及び構成する目的などのために、そのようなカラーマッチング技術を用いて効率的な方法でディスプレイシステムを構成及び/又はプロビジョニングするための解決策も必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様によれば、ディスプレイシステムの2つ以上の電子ディスプレイをカラーマッチングするための方法が提供される。本方法は、1つ以上のスペクトル応答デバイスから、第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値及び第2の電子ディスプレイに対する第2のスペクトル応答読取値を取得することと、第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトル応答曲線を決定し、第2のスペクトル応答読取値に基づいて第2のスペクトル応答曲線を決定することと、第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトルパワー分布を決定し、第2のスペクトル応答読取値に基づいて第2のスペクトルパワー分布を決定することと、第1の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す第1のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、第1のデバイス対独立カラーマッピングは、第1のスペクトル応答曲線及び第1のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、第2の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す第2のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、第2のデバイス対独立カラーマッピングは、第2のスペクトル応答曲線及び第2のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイを有するディスプレイシステムを、第1のデバイス対独立カラーマッピング及び第2のデバイス対独立カラーマッピングを使用することに基づいて、表示されている色をマッチングさせるように構成することと、を含む。
【0005】
様々な実施形態によれば、本方法は、以下の特徴のいずれか1つ、又は以下の特徴のいくつか若しくはすべての、技術的に実現可能な任意の組合せを更に含むことができる。
-第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値及び第2の電子ディスプレイに対する第2のスペクトル応答読取値は、N回の反復を有する反復プロセスを含むグレースケールランピング技法の使用を通して、1つ以上のスペクトル応答デバイスから取得され、合計N回の反復の各反復nに対して、反復プロセスは、
デジタルグレースケール入力inによって表される画像をそれぞれのディスプレイに表示することと、
スペクトル応答デバイスのうちの少なくとも1つを使用してスペクトル応答読取値を取得することと、
を含み、
次の反復n+1に対して、デジタルグレースケール入力in+1は、それぞれの電子ディスプレイに対応するカラーセットの各チャネルの入力値を、現在の反復nに対するデジタルグレースケール入力inに対して使用されたそれらの入力値に対して均等に増加又は減少させることによって取得され、第1のスペクトル応答読取値は、それぞれのディスプレイが第1の電子ディスプレイである反復プロセスを使用して取得され、第2のスペクトル応答読取値は、それぞれのディスプレイが第2の電子ディスプレイである反復プロセスを使用して取得され、
-第1のスペクトル応答曲線及び第2のスペクトル応答曲線は、スペクトル応答読取値によって示される相対照度と、その画像のためにスペクトル応答読取値が取得される画像を生成するためにそれぞれのディスプレイによって使用されるデジタルグレースケール入力との間の関係を取得することによって決定され、
-第1のスペクトルパワー分布及び第2のスペクトルパワー分布は、スペクトル応答読取値に基づいて放射パワーと波長との間の関係を取得することによって決定され、
-第1のスペクトルパワー分布は、第1のスペクトル応答読取値が1つ以上のスペクトル応答デバイスによって取得されるグレースケールランピング技法を使用して取得され、
-構成するステップは、カラーマッピング情報をディスプレイシステムのメモリに記憶することを含み、カラーマッピング情報は、決定された第1のデバイス対独立カラーマッピング及び決定された第2のデバイス対独立カラーマッピングに基づいて生成され、
-カラーマッピング情報は、基準ディスプレイとして第1の電子ディスプレイ上に表示されるべきディスプレイ入力をカラーマッチングするように構成され、それにより、カラーマッチングディスプレイ入力がマッチングディスプレイとしての第2の電子ディスプレイ上の表示のために生成され、
-ディスプレイシステムは、カラーマッピング情報と、ディスプレイ入力の一部であるカラー入力とを使用することに基づいて、カラーマッチングディスプレイ入力を生成するように構成されたカラーマッチング関数を用いて構成され、
-構成するステップは、複数のカラーマッピング情報エントリをディスプレイシステムのメモリに記憶することを含み、カラーマッピング情報エントリの各々は、決定された第1のデバイス対独立カラーマッピングに基づいて生成され、かつカラーマッピング情報エントリのうちの少なくとも1つは、決定された第2のデバイス対独立カラーマッピングに基づいて生成され、
-ディスプレイシステムは、第3の電子ディスプレイを含み、カラーマッピング情報エントリのうちの少なくとも1つは、決定された第2のデバイス対独立カラーマッピング以外のカラーマッピングに基づいて生成され、
-ディスプレイシステムは、第2の電子ディスプレイを第1の電子ディスプレイのためのディスプレイ入力の第1のカラーマッチングサブ部分とカラーマッチングさせ、第3の電子ディスプレイを第1の電子ディスプレイのためのディスプレイ入力の第2のカラーマッチングサブ部分とカラーマッチングさせるように構成されており、
-第1のカラーマッチングサブ部分は、カラーマッチング関数を使用することによって第2の電子ディスプレイにカラーマッチングされ、第2の電子ディスプレイ及び第1の電子ディスプレイに対するカラーマッピング情報は、カラーマッチング関数によって使用されて、表示のために第1の電子ディスプレイに渡されるカラーマッチングされたディスプレイ入力を生成し、かつ/又は、
-構成するステップは、ディスプレイシステムのメモリに、第1のデバイス対独立カラーマッピング及び/又は第2のデバイス対独立カラーマッピングを表す第1のデータ構造を記憶することを含む。
【0006】
本開示の別の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによってアクセス可能なコンピュータ命令を記憶するメモリとを含む、ディスプレイシステムが提供される。少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ命令を実行するとき、ディスプレイシステムに、ディスプレイシステムの2つ以上の電子ディスプレイをカラーマッチングするためのプロセスを実行させ、プロセスは、ディスプレイ入力を受信することと、カラーマッチングされたディスプレイ入力を取得するために、カラーマッピング情報を使用してディスプレイ入力にカラーマッチングを適用することと、カラーマッチングされたディスプレイ入力をマッチングディスプレイに表示させることと、を含む。カラーマッピング情報は、1つ以上のスペクトル応答デバイスから、第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値及び第2の電子ディスプレイに対する第2のスペクトル応答読取値を取得することと、第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトル応答曲線を決定し、第2のスペクトル応答読取値に基づいて第2のスペクトル応答曲線を決定することと、第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトルパワー分布を決定し、第2のスペクトル応答読取値に基づいて第2のスペクトルパワー分布を決定することと、第1の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す第1のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、第1のデバイス対独立カラーマッピングは、第1のスペクトル応答曲線及び第1のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、第2の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す第2のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、第2のデバイス対独立カラーマッピングは、第2のスペクトル応答曲線及び第2のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、カラーマッピング情報を用いてディスプレイシステムを表示されている色をマッチングさせるように構成することであって、カラーマッピング情報は、第1のデバイス対独立カラーマッピング及び第2のデバイス対独立カラーマッピングに基づく、構成することと、を含むディスプレイ構成プロセスによって取得される。
【0007】
様々な実施形態によれば、本ディスプレイシステムは、以下の特徴のうちのいずれか1つ、又は以下の特徴のいくつか若しくはすべての、技術的に実現可能な任意の組合せを更に含むことができ、
-第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイを更に備え、第1の電子ディスプレイは基準ディスプレイであり、第2の電子ディスプレイはマッチングディスプレイであり、
-ディスプレイシステムは車載ディスプレイシステムであり、
-ディスプレイシステムは、複数のディスプレイを動作させるように構成され、ディスプレイのうちの少なくとも2つは、異なる技術であり、
-第1の電子ディスプレイはディスプレイモニタであり、第2の電子ディスプレイは非解像度ディスプレイであり、及び/又は
-車載ディスプレイシステムは、バックエンドサーバから更新されたカラーマッピング情報を取得するように構成されている。
【0008】
本開示の別の態様によれば、ディスプレイシステムの2つ以上の電子ディスプレイをカラーマッチングするための方法が提供される。本方法は、1つ以上のスペクトル応答デバイスから第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値を取得することであって、第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値は、グレースケールランピング技法の使用を通して1つ以上のスペクトル応答デバイスから取得される、取得することと、第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトル応答曲線を決定することと、第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトルパワー分布を決定することと、第1の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す第1のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、第1のデバイス対独立カラーマッピングは、第1のスペクトル応答曲線及び第1のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、第1の電子ディスプレイを有するディスプレイシステムを、第1のデバイス対独立カラーマッピングを使用することに基づいて、表示されている色をマッチングさせるように構成することと、を含む。N回の反復を有する反復プロセスを含むグレースケールランピング技法であって、合計N回の反復のうちの各反復nに対して、反復プロセスは、デジタルグレースケール入力inによって表される画像を第1の電子ディスプレイに表示することと、スペクトル応答デバイスのうちの少なくとも1つを使用してスペクトル応答読取値を取得することとを含み、次の反復n+1に対して、デジタルグレースケール入力in+1は、第1の電子ディスプレイに対応するカラーセットの各チャネルに対する入力値を、現在の反復nに対するデジタルグレースケール入力inに対して使用されたそれらの入力値に対して均等に増加又は減少させることによって取得される、グレースケールランピング技法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下、添付の図面を参照しながら、好ましい例示的な実施形態が説明されるが、図面中の同様の指定は同様の要素を示している。
【
図1】一実施形態による、本明細書で説明される方法のうちの1つ以上を実行するために使用され得るディスプレイシステム及びディスプレイ構成システムを含む動作環境の概略図である。
【
図2】一実施形態による、
図1のディスプレイ構成システムなどのディスプレイ構成システムによって構成された車載ディスプレイシステムを含む通信システムの概略図である。
【
図3】一実施形態による、ディスプレイシステムの2つ以上の電子ディスプレイをカラーマッチングするための方法を描写するフローチャートを示す。
【
図4】一実施形態による、
図3の方法の一部として使用することができる、1つ以上のスペクトル応答デバイスから第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値及び第2の電子ディスプレイに対する第2のスペクトル応答読取値を取得するための、グレースケールランピングプロセス及びステップを描写するフローチャートを示す。
【
図5】
図4のグレースケールランピングプロセスを使用して得られた、
図3の方法の一部として使用される、それぞれのディスプレイのデジタル入力と出力照度との間の関係を示す応答曲線を示すグラフの例を示す。
【
図6】
図4のグレースケールランピングプロセスを使用して得られ、
図3の方法の一部として使用されるスペクトルパワー分布の例を示す図である。
【
図7】ディスプレイシステムで使用するためにカラーマッチングされる2つ以上の電子ディスプレイのディスプレイ特性を取得するための方法を描写するフローチャートを示す。
【
図8】マッチングディスプレイの色が基準ディスプレイの色とマッチングするように、カラーマッチングされたディスプレイ出力をマッチングディスプレイ上に表示する方法を描写するフローチャートを示す。
【
図9】本明細書で説明される方法(複数可)に従って構成された車載ディスプレイシステムを有する例示的な車両コックピットの斜視図を示す。
【
図10】
図9の車載ディスプレイシステムの第1の電子ディスプレイの概略図であり、複数のカラーマッチングサブ部分から成るカラーマッチング部分とともにディスプレイ入力を表示することが示されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ディスプレイシステムの2つ以上の電子ディスプレイをカラーマッチングするためのシステム及び方法であって、例えば、入力画像が電子ディスプレイ上に表示されるとき、放射された色出力又は実際の色出力(すなわち、ディスプレイから放出された実際の色)がマッチングするか、又は同じ(許容可能な範囲内)であるような、システム及び方法。第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイの放射色出力(又はスペクトル応答)を測定して、応答曲線及びスペクトルパワー分布(SPD)などのディスプレイ特性を決定することができる。第1の電子ディスプレイのディスプレイ特性は、次いで、第1の色空間の独立色空間へのマッピングを表す、第1のデバイス対独立カラーマッピングを決定するために使用され、少なくともいくつかの実施形態では、第1の色空間は、第1の電子ディスプレイのデバイス固有色空間である。第2の電子ディスプレイのディスプレイ特性は、第2の色空間の独立色空間へのマッピングを表す、第2のデバイス対独立カラーマッピングを決定するために使用され、少なくともいくつかの実施形態では、第2の色空間は、第2の電子ディスプレイのデバイス固有色空間である。第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイを含むディスプレイシステムは、第1のデバイス対独立カラーマッピング及び第2のデバイス対独立カラーマッピングに基づいて、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイ上に表示されている色をマッチングさせるように構成される。
【0011】
第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイを含み得るディスプレイシステムは、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイ上に表示されている色をマッチングさせるように構成され、それは、第1のデバイス対独立カラーマッピング及び第2のデバイス対独立カラーマッピングを使用することを含む。したがって、ディスプレイシステムは、入力画像が第1の電子ディスプレイによって第1の表示画像として表示され、第2の電子ディスプレイによって第2の表示画像として表示されるとき、第1の表示画像の放射色出力が第2の表示画像の放射色出力とマッチングするように構成される。ディスプレイシステムは、ディスプレイシステムを構成するために使用される、本明細書に説明される1つ以上の方法を実行するために使用される、ディスプレイ構成システムによって構成されてもよい。ディスプレイ構成システムは、1つ以上のプロセッサと、コンピュータ命令を記憶するメモリとを含み、コンピュータ命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、本明細書で説明される方法(複数可)を実行させる。
【0012】
少なくともいくつかの実施形態によれば、ディスプレイシステムの2つ以上の電子ディスプレイをカラーマッチングするための方法が提供される。本方法は、ディスプレイ構成システムによって実行され得る。本方法は、1つ以上のスペクトル応答デバイスから、第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値及び第2の電子ディスプレイに対する第2のスペクトル応答読取値を取得することと、第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトル応答曲線を決定し、第2のスペクトル応答読取値に基づいて第2のスペクトル応答曲線を決定することであって、第1のスペクトル応答曲線及び第2のスペクトル応答曲線は、スペクトル応答読取値によって示される相対照度と、その画像のためにスペクトル応答読取値が取得される画像を生成するためにそれぞれのディスプレイによって使用されるデジタルグレースケール入力との間の関係を取得することによって決定される、決定することと、第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトルパワー分布を決定し、第2のスペクトル応答読取値に基づいて第2のスペクトルパワー分布を決定することであって、前記第1のスペクトルパワー分布及び前記第2のスペクトルパワー分布は、前記スペクトル応答読取値に基づいて放射パワーと波長との間の関係を取得することによって決定される、決定することと、第1の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す第1のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、第1のデバイス対独立カラーマッピングは、第1のスペクトル応答曲線及び第1のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、第2の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す第2のデバイス対独立カラーマッピングを決定することであって、第2のデバイス対独立カラーマッピングは、第2のスペクトル応答曲線及び第2のスペクトルパワー分布に基づいて決定される、決定することと、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイを有するディスプレイシステムを、第1のデバイス対独立カラーマッピング及び第2のデバイス対独立カラーマッピングを使用することに基づいて、表示されている色をマッチングさせるように構成することと、を含む。
【0013】
少なくとも1つの実施形態によれば、第1のスペクトル応答読取値及び第2のスペクトル応答読取値は、N回の反復を有する反復プロセスを含むグレースケールランピング技法を使用して取得され、合計N回の反復の各反復nに対して、プロセスは、デジタルグレースケール入力inによって表される画像を個別のディスプレイ上に表示することと、スペクトル応答デバイスのうちの少なくとも1つを使用してスペクトル応答読取値を取得することとを含む。次の反復n+1に対して、デジタルグレースケール入力in+1は、それぞれの電子ディスプレイに対応する色空間の各チャネルの入力値を、現在の反復nに対するデジタルグレースケール入力inに対して使用されたそれらの入力値に対して均等に増加又は減少させることによって取得される。第1のスペクトル応答読取値は、それぞれのディスプレイが第1の電子ディスプレイである反復プロセスを使用して取得され、第2のスペクトル応答読取値は、それぞれのディスプレイが第2の電子ディスプレイである反復プロセスを使用して取得される。スペクトル応答読取値は、ある数の反復の後、それぞれのディスプレイに対する反復プロセスの後(すべてのN反復の後)、及び別のそれぞれのディスプレイに対する反復プロセスを開始する前に、取得されるとき記憶されてもよい。
【0014】
一実施形態では、ディスプレイシステムは、乗用車などの車両の車両電子機器の一部であり(又は一部となるものであり)、車載ディスプレイシステムと見なされる。一実施形態では、車載ディスプレイシステムは、OLED15インチモニタである第1の電子ディスプレイを含み、第2の電子ディスプレイは、例えば、LED素子のマトリックス(又は矩形アレイ)を含むLEDアレイである。一実施形態によれば、車載ディスプレイシステムは、本明細書で説明される方法(複数可)を使用するディスプレイ構成システムによって構成され、車載ディスプレイシステムは、第1の電子ディスプレイと第2の電子ディスプレイとをカラーマッチングするために使用されるディスプレイ構成情報を更に含む。ディスプレイ構成情報は、カラーマッピング情報として指定されてもよく、第1の電子ディスプレイのための第1のデバイス対独立カラーマッピング及び第2の電子ディスプレイのための第2のデバイス対独立カラーマッピングを含んでもよく、又はそれらに基づいてもよい。ディスプレイ構成情報は、車載ディスプレイシステムのメモリに記憶され、第1の電子ディスプレイ及び/又は第2の電子ディスプレイを使用して光を出力するときに車載ディスプレイシステムによって使用され得る、1つ以上の値又は関数によって表されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、車載ディスプレイシステムは、ディスプレイ構成情報を選択的に使用して、第1の電子ディスプレイと第2の電子ディスプレイとをマッチングさせてもよい。これは、例えば、車載ディスプレイシステムが第3の電子ディスプレイなどの3つ以上のディスプレイを含むときに有用であり得る。ディスプレイシステムが第3の電子ディスプレイを含む場合などのいくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、ディスプレイの各ペアリングのためのディスプレイ構成情報を記憶してもよく、すなわち、第1及び第2のディスプレイペアリングは、第1-第2のディスプレイ構成情報によって表され、第2及び第3のディスプレイペアリングは、第1-第3のディスプレイ構成情報によって表され、第2及び第3のディスプレイペアリングは、第2-第3のディスプレイ構成情報によって表される。したがって、ディスプレイシステムは、特定のディスプレイがアクティブであるか、及び/又はカラーマッチングされるべきかどうかなど、ディスプレイシステムの動作に基づいて、対応するディスプレイ構成情報を選択的に使用又は適用するように構成され得る。いくつかの実施形態では、3つ以上のディスプレイが、一緒に「ペアリング」(又はグループ化)され得、すべてのディスプレイの色をマッチングさせるために使用されるディスプレイ構成情報によって表され得る。
【0016】
図1を参照すると、第1の電子ディスプレイデバイス12と、第2の電子ディスプレイデバイス14と、第1の電子ディスプレイデバイス12及び第2の電子ディスプレイデバイス14に動作可能に接続されたコンピュータネットワークを表すネットワーク16とを有する、ディスプレイシステム10が示されている。
図1はまた、電子デバイス30及びスペクトル応答デバイス52を示し、スペクトル応答デバイス52は、ディスプレイシステム10の一部とはみなされないが、スペクトル応答デバイス52から得られる情報に基づいてディスプレイシステム10を構成するために使用されるディスプレイカラーマッチング測定システム(又はディスプレイ構成システム)の一部として使用されてもよい。第1の電子ディスプレイデバイス12は、電子ディスプレイ(第1の電子ディスプレイと呼ばれる)18と、少なくとも1つのプロセッサ20と、メモリ22とを有する。第2の電子ディスプレイデバイス14は、電子ディスプレイ(第2の電子ディスプレイと呼ばれる)24と、少なくとも1つのプロセッサ26と、メモリ28とを有する。ディスプレイシステム10は、第1の電子ディスプレイデバイス12及び第2の電子ディスプレイデバイス14とは別個であり、少なくとも1つのプロセッサ32及びメモリ34を含む、電子デバイス30を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム10は、ネットワーク16及び/又は電子デバイス30を含まない。例えば、第1の電子ディスプレイデバイス12及び第2の電子ディスプレイデバイス14は、本明細書で述べられた方法を使用してカラーマッチングされてもよく、次いで、第1の電子ディスプレイデバイス12及び第2の電子ディスプレイデバイス14の一方又は両方は、第1のデバイス対独立マッピング及び第2のデバイス対独立マッピングに基づき得る、決定されたカラーマッチングに従って構成される。
【0017】
第1の電子ディスプレイデバイス12及び第2の電子ディスプレイ14はそれぞれが電子ディスプレイデバイスであり、これは、環境光を生成するため、及び/又はグラフィック、写真、ビデオなどの画像を表示するために可視光を出力する電子ディスプレイを含む電子デバイスである。第1の電子ディスプレイデバイス12は第1の電子ディスプレイ18を含み、第2の電子ディスプレイデバイス14は第2の電子ディスプレイ24を含み、これらの各々は、LEDアレイ、LEDストリング、単一のLEDデバイス、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、LCDプロジェクタなどの電子ディスプレイである。少なくともいくつかの実施形態では、第1の電子ディスプレイ18及び第2の電子ディスプレイ24は、異なるモデルのディスプレイであり、これらのディスプレイ18、24の各々の放射色出力は、同じ入力画像を表示するときであっても互いに異なる場合がある。しかしながら、本明細書で説明されるように、カラーマッチングプロセスは、これらのディスプレイ18、24の各々の放射色出力をマッチングしようとする。更に、本明細書で述べられたカラーマッチングは、少なくともいくつかの実施形態によれば、同じモデルの2つのディスプレイの色をマッチングさせるために適用され得る。第1の電子ディスプレイデバイス12は、少なくとも1つのプロセッサ20及びメモリ22を含み、第2の電子ディスプレイデバイス14は、少なくとも1つのプロセッサ26及びメモリ28を含む。
【0018】
上述したように、ネットワーク16は、第1の電子ディスプレイデバイス12及び第2の電子ディスプレイデバイス14に動作可能に接続されたコンピュータネットワークを表し、様々な異なるネットワーキング構成要素及びコンピュータ構成要素として実装されてもよい。例えば、ネットワーク16は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり得、又はコントローラエリアネットワーク(CAN)バスを用いて実装され得る。もちろん、これらは単なる例であるので、他のネットワーク技法及びハードウェアが使用されてもよい。スペクトル応答デバイス52とネットワーク16との間の破線は、スペクトル応答デバイス52が、ディスプレイシステム10が接続されているネットワークに任意選択的に接続され得ることを表す。これは、方法300(
図6)中に、例えば、ディスプレイ構成情報が第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイに対して決定されるときに使用され得る。他の実施形態では、スペクトル応答読取値又はデータは、次いでディスプレイ構成情報を準備し、この情報をディスプレイシステムに組み込むオペレータ又は他のシステムによって取得及び使用されてもよい。しかしながら、一実施形態では、1つ以上のプロセッサが、本明細書で述べられた方法を使用するなど、ディスプレイ構成情報を生成するために使用されてもよく、次いで、このディスプレイ構成情報を使用して、ディスプレイシステム10を構成するために使用されてもよい。これは自動的に実行されてもよく、したがって、様々なディスプレイの互いに対するカラーマッチングを効率化するために使用されてもよい。
【0019】
スペクトル応答デバイス52は、単一のデバイスとして示されている。しかしながら、2つ以上のスペクトル応答デバイスを使用することができることを理解されたい。スペクトル応答デバイス52は、分光光度計又は比色計であってもよい。使用され得る分光光度計の一例は、X-Rite(商標)からのi1Display Pro(商標)であるが、様々な他のスペクトル応答デバイスが使用され得ることを理解されたい。比色計を使用する場合、比色計は、比色計が測定しているそれぞれの電子ディスプレイを用いた測定のために較正又はプロファイリングされてもよい。この較正情報は、分光光度計を使用して、又はArgyll Color Management System(ArgyllCMS)にコンパイルされているものなどの所定の較正情報を選択して決定することができる。少なくともいくつかの実施形態では、第1の電子ディスプレイ18及び第2の電子ディスプレイ24からのスペクトル応答読取値を測定するために、同じスペクトル応答デバイス52が使用される。単一のスペクトル応答デバイス52が示され、説明されているが、任意の数のスペクトル応答デバイスが、ディスプレイ(複数可)からスペクトル応答データを取得するために使用されてもよく、本明細書の説明は、スペクトル応答デバイス52に対して適用されるように、これらの他のスペクトル応答デバイスに等しく適用されることを理解されたい。また、ディスプレイシステム10は、2つのディスプレイを含むものとして示され、説明されているが、ディスプレイシステム10は、任意の数のディスプレイを含んでもよく、本明細書の方法及び説明は、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイに適用されるように、これらの他のディスプレイに等しく適用されることを更に理解されたい。
【0020】
図1はまた、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ命令を記憶するメモリと、スペクトル応答デバイス52とを含むディスプレイ構成システム11を示す。いくつかの実施形態では、ディスプレイ構成システム11は、2つ以上のスペクトル応答デバイスを含む。一実施形態では、ディスプレイ構成システム11は、電子デバイス30を含み、電子デバイス30は、本明細書に説明されるディスプレイ構成方法(複数可)の一部分を支援する及び/又は部分的に実行するためにオペレータによって使用されるパーソナルコンピュータであってもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ構成システム11の少なくとも1つのプロセッサ及びメモリは、プロセッサ(複数可)20、プロセッサ(複数可)26、及び/若しくはプロセッサ(複数可)32、並びに/又はメモリ22、メモリ28、及び/若しくはメモリ34を含む。
【0021】
図2を参照すると、通信システム100と、第1の電子ディスプレイ118及び第2の電子ディスプレイ124を含むディスプレイシステム110を含む車両電子機器104を有する車両102と、地上ネットワーク106と、1つ以上のバックエンドサーバ108と、無線キャリアシステム140とを備える動作環境が示されている。ディスプレイシステム110は、車載ディスプレイシステムとしての車両用途の文脈で述べられるが、ディスプレイシステム10は、ディスプレイシステム10がハンドヘルドモバイルデバイス(例えば、スマートフォン)、パーソナルコンピュータ(例えば、ラップトップ、デスクトップコンピュータ)、及び/又はクラウド処理システムを有するシステムに組み込まれる場合など、種々の他の用途又は文脈の一部として使用されてもよいことを理解されたい。
【0022】
地上ネットワーク106及び無線キャリアシステム140は、例えば、車両102とバックエンドサーバ(複数可)108との間の例示的な長距離通信接続を提供する。地上ネットワーク106及び無線キャリアシステム140のいずれか又は両方は、車両102、バックエンドサーバ(複数可)108、又は長距離通信のための他の構成要素によって使用され得る。地上ネットワーク106は、1つ以上の固定電話機に接続されている従来の地上ベースの遠隔通信ネットワークであってもよく、無線キャリアシステム140をバックエンドサーバ(複数可)108に接続する。例えば、地上ネットワーク106は、ハードワイヤード電話、パケット交換データ通信、及びインターネットインフラストラクチャを提供するために使用されるような公衆交換電話網(PSTN)を含むことができる。地上ネットワーク106の1つ以上のセグメントは、標準有線ネットワーク、ファイバ若しくは他の光ネットワーク、ケーブルネットワーク、電力線、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)などの他の無線ネットワーク、若しくはブロードバンド無線アクセス(BWA)を提供するネットワーク、又はそれらの任意の組合せの使用を通じて実装され得る。
【0023】
無線キャリアシステム140は、セルラ電話システムなどの任意の適切な長距離データ伝送システムであってよい。無線キャリアシステム140は、単一のセルラタワー142を含むものとして示されている。しかしながら、無線キャリアシステム140は、追加のセルラタワー、並びに使用されているセルラ技術に依存し得る以下の構成要素のうちの1つ以上を含むことができ、構成要素としては、基地トランシーバ局、モバイル交換センタ、基地局コントローラ、発展型ノード(例えば、eノードB)、モビリティ管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ及びPGNゲートウェイなど、並びに、無線キャリアシステム140を地上ネットワーク106と接続するために、又は無線キャリアシステム140をユーザ機器(例えば、車両102内のテレマティクス機器を含み得るUE)と接続するために使用される任意の他のネットワーキング構成要素であり、それらのすべてが全体的に144で示される。無線キャリアシステム140は、例えば、GSM/GPRS技術、CDMA又はCDMA2000技術、LTE技術、5Gなどを含む、任意の好適な通信技術を実装してもよい。少なくとも1つの実施形態では、無線キャリアシステム140は、5Gセルラ通信技術を実装し、好適なハードウェア及び構成を含む。いくつかのそのような実施形態では、無線キャリアシステム140は、車両102から遠隔に位置するバックエンドサーバ(複数可)108又は他のコンピュータ/デバイスと通信するために車両102によって使用可能な5Gネットワークを提供する。一般的に、無線キャリアシステム140、その構成要素、その構成要素の配置、構成要素間の相互作用などは、当該技術分野で一般に知られている。
【0024】
1つ以上のバックエンドサーバ108は、車両102、ディスプレイシステム110、及び/又はシステム100の他の構成要素にバックエンドを提供するために使用され得る。少なくとも1つの実施形態では、バックエンドサーバ(複数可)108は、方法200(
図3)などの本明細書で説明される方法の1つ以上のステップを実行するように構成された1つ以上のコンピュータ又はコンピューティングデバイス(まとめて「コンピュータ」)を含む。別の実施形態では、バックエンドサーバ(複数可)108は、方法200(
図3)を使用して決定されたディスプレイ構成情報及び/又は方法200(
図3)において以下で述べられたカラーマッチングプロセスにおいて独立した色空間として使用され得る1つ以上の色空間に関連するものなどの、所定のグラフィックス(又は他の画像)及び/又は所定の特性又は情報など、車両102又はディスプレイシステム110に関する及び/又は関連する情報を記憶するために使用される。バックエンドサーバ(複数可)108は、1つ以上のコンピュータによって実装又はホストされ得、その各々は、プロセッサと、プロセッサによってアクセス可能である非一時的コンピュータ可読メモリとを含む。
【0025】
バックエンドサーバ(複数可)108は、1つ以上のプロセッサ148及び非一時的コンピュータ可読メモリ150を含むものとして示されている。一実施形態では、バックエンドサーバ(複数可)108は、方法200(
図3)など、本明細書で説明される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行するために使用されるディスプレイ構成システム11を構成することができる。そのような実施形態では、バックエンドサーバ(複数可)108は、メモリ150上に記憶されたコンピュータ命令がプロセッサ(複数可)148によって実行されるとき、バックエンドサーバ(複数可)108が、本明細書で述べられたようなバックエンドサーバ(複数可)108に起因する機能のいずれかなど、特定のステップ及び/又は機能を実行させるように構成され得る。一実施形態では、プロセッサ(複数可)148及びコンピュータ命令を記憶するメモリ150は、以下で説明される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行するように構成されたディスプレイシステムを形成することができる。
【0026】
車両102は、図示された実施形態では乗用車として示されているが、オートバイ、トラック、スポーツユーティリティビークル(SUV)、レクリエーショナルビークル(RV)、自転車、道路又は歩道などで使用することができる他の車両又は移動デバイスを含む任意の他の車両を使用することもできることを理解されたい。図示された実施形態に示されるように、車両102は、第1の電子ディスプレイ118を有する第1の電子ディスプレイデバイス112と、第2の電子ディスプレイ124を有する第2の電子ディスプレイデバイス114と、車両通信バス116と、車載車両コンピュータ130と、1つ以上のカメラ136と、ネットワークアクセスデバイス138とを含む、車両電子機器104を含む。
図2は、車両電子機器104の特定の構成要素の例を提供するが、様々な実施形態によれば、車両電子機器104は、
図2に示す構成要素に加えて、又はその代わりに、1つ以上の他の構成要素を含むことができることを理解されたい。
【0027】
1つ以上のカメラ136はそれぞれ、車両の環境の画像データを取得するために使用され、カメラ(複数可)136によって捕捉された画像を表す画像データは、色情報を指定するピクセルのアレイとして表すことができ、色情報は、例えば、RGBベースの色空間を使用するとき、RGBトリプレットの集合によって表すことができる。カメラ(複数可)136はそれぞれ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラ/センサなどの任意の適切なデジタルカメラ又は画像センサであってもよい。カメラ(複数可)136はそれぞれ、車両通信バス116に接続されており、画像データを車載車両コンピュータ130に提供することができる。いくつかの実施形態では、カメラ(複数可)136のうちの1つ以上からの画像データは、バックエンドサーバ(複数可)108に提供される。カメラ(複数可)136は、車両の内部又は周囲の様々な部分を見るように取り付けられてもよい。
【0028】
ネットワークアクセスデバイス138は、車両オペレータのホームWi-Fi(商標)ネットワーク又はバックエンドサーバ(複数可)108の1つ以上のネットワークなど、車両102の外部にあるネットワーク(複数可)にアクセスするために車両102によって使用される。ネットワークアクセスデバイス138は、無線通信のために使用される短距離無線通信(SRWC)回路(図示せず)及びセルラチップセット(図示せず)を含む。SRWC回路は、アンテナを含み、IEEE 802.11プロトコル(例えば、IEEE 802.11p、Wi-Fi(商標))、WiMAX(商標)、ZigBee(商標)、Z-Wave(商標)、Wi-Fi direct(商標)、Bluetooth(商標)(例えば、Bluetooth(商標)Low Energy(BLE))、及び/又は近距離無線通信(NFC)のうちの任意の1つ以上などの1つ以上のSRWC技術を実行するように構成される。セルラチップセットは、アンテナを含み、車両102と、バックエンドサーバ(複数可)108を実装するものなどの1つ以上の遠隔デバイス/コンピュータとの間の通信を実行する目的などのために、無線キャリアシステム140とのセルラ通信又は長距離無線通信を実行するために使用される。
【0029】
第1の電子ディスプレイデバイス112は第1の電子ディスプレイ118を含み、第2の電子ディスプレイデバイス114は第2の電子ディスプレイ124を含む。第1の電子ディスプレイ118及び第2の電子ディスプレイ124の各々は、周囲照明を提供するため、並びに/又はグラフィックス及び/若しくは写真などの画像を表示するためなど、可視光を出力するために使用される電子ディスプレイである。第1の電子ディスプレイ118及び第2の電子ディスプレイ124は、例えば、高解像度画像を表示するLCD又はOLEDモニタ、単一のLED、LEDストリング又はライトストリング、ライトアレイ(例えば、LEDライトの5×10アレイ)、白熱灯又はハロゲン灯(複数可)などを含む、種々の電子ディスプレイのうちのいずれかであってもよい。いくつかの実施形態によれば、第1の電子ディスプレイ118は、本明細書で述べられた方法において使用するための基準ディスプレイであり、他の実施形態によれば、第2の電子ディスプレイ124は、本明細書で述べられた方法において使用するための基準ディスプレイであり、いくつかの実施形態では、車両102のユーザは、車両102のインフォテインメントユニットのタッチスクリーン上に提示されるグラフィックユーザインターフェースの使用を通してなど、どのディスプレイを基準ディスプレイとして使用するかを選択してもよい。基準ディスプレイは、ディスプレイシステムの複数のディスプレイから選択されたディスプレイであり、知覚される色出力の知覚のための基礎を設定するものとして使用される。すなわち、ディスプレイ構成情報(又は方法(複数可)(例えば、方法200)を使用して決定されるカラーマッピング)は、ディスプレイシステムによって使用され、ディスプレイシステムの他の電子ディスプレイ(複数可)(基準ディスプレイではないディスプレイシステムのディスプレイ(複数可))の出力色を基準ディスプレイにマッチングさせ、所与の色入力に対して、他の電子ディスプレイ(複数可)(マッチングディスプレイ(複数可))によって使用される入力が、カラーマッピング(又はディスプレイ構成情報)を使用して修正されるようにし、その結果マッチングディスプレイ(複数可)の出力可視光が基準ディスプレイの出力可視光と同じになる(又は厳密にマッチングする)ようにする。
【0030】
車載車両コンピュータ130は、車両102によって運ばれるという点で車載コンピュータであり、車両電子機器104の一部であるので、車両コンピュータと見なされる。車載車両コンピュータ130は、少なくとも1つのプロセッサ132と、少なくとも1つのプロセッサ132によってアクセス可能な非一時的なコンピュータ可読メモリ134とを含む。車載車両コンピュータ130は、車両102で実行される様々な処理のために使用されてもよく、少なくとも1つの実施形態では、ディスプレイシステム110の少なくとも一部を形成し、方法400(
図8)などの本明細書で説明される方法のうちの1つ以上の、1つ以上のステップを実行するために使用される。車載車両コンピュータ130は、車両通信バス116に接続されており、このバス116を使用して他の車両構成要素にメッセージを送信し、他の車両構成要素からメッセージを受信することができる。車載車両コンピュータ130は、車載車両コンピュータ130とバックエンドサーバ(複数可)108などのリモートネットワークとの間でデータが通信され得るように、ネットワークアクセスデバイス138に通信可能に結合され得る。
【0031】
一実施形態では、車載車両コンピュータ130は、メモリ134に、基準ディスプレイ及びマッチングディスプレイの色をマッピングするためのカラーマッピング情報などのディスプレイ構成情報を記憶する。いくつかの実施形態では、車載車両コンピュータ130は、複数のカラーマッピング情報エントリをメモリ134に記憶することができ、カラーマッピング情報エントリの各々は、方法200(
図3)を使用して決定することができる、基準ディスプレイのためのデバイス対独立カラーマッピング及びマッチングディスプレイのためのデバイス対独立カラーマッピングに基づいて生成される。いくつかの実施形態では、更新された又は新しいカラーマッピング情報エントリ(又はカラーマッピング情報)が生成され得、かつ/又はバックエンドサーバ(複数可)108から車載ディスプレイシステム110に(1つ以上の無線(over the air、OTA)メッセージを使用して)送信され得る。次いで、車載ディスプレイシステム110は、車載車両コンピュータ130の使用などを通して、受信された新しい又は更新されたカラーマッピング情報を使用するように更新され得る。
【0032】
図示される実施形態に示されるように、ディスプレイシステム110は、第1及び第2のディスプレイデバイス112、144を含み、車載車両コンピュータ130を更に含んでもよい。一実施形態では、ディスプレイシステム110の一部を形成する、車両102によって持ち運ばれる1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つは、グラフィック処理ユニット(GPU)である。メモリ(非一時的なコンピュータ可読メモリであり得る)134は、少なくとも1つのプロセッサ132によって実行されるとディスプレイシステム110に起因する1つの機能を実行させる、コンピュータ命令を記憶する。
【0033】
本明細書で述べられたプロセッサのうちの任意の1つ以上は、コンピュータ命令を処理することが可能な任意の好適な電子ハードウェアとして実装されてもよく、それが使用される用途に基づいて選択されてもよい。使用され得るプロセッサのタイプの例は、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどを含む。本明細書で述べられた非一時的コンピュータ可読メモリのうちの任意の1つ以上は、記憶されたデータ又は情報がプロセッサによって消費可能であるように、データ又は情報を不揮発性方式かつ電子形態で記憶することが可能な任意の適切なタイプのメモリとして実装され得る。メモリは、任意の様々な異なる電子メモリタイプであってもよく、メモリが使用される用途に基づいて選択されてもよい。使用され得るメモリのタイプの例は、磁気ディスクドライブ又は光学ディスクドライブ、ROM(読み出し専用メモリ)、ソリッドステートドライブ(SSD)(ソリッドステートハイブリッドドライブ(SSHDs)などの他のソリッドステートストレージを含む)、他のタイプのフラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)などを含む。本明細書で述べられたコンピュータの任意の1つ以上が、プロセッサによって使用される、及び/以上プロセッサによって使用される、揮発性RAMなどの他のメモリを含んでもよいことを理解されたい。
【0034】
図3を参照すると、ディスプレイシステムの2つ以上の電子ディスプレイをカラーマッチングさせるようにディスプレイシステムを構成する方法200の実施形態が示されている。少なくともいくつかの実施形態によれば、方法200は、ある入力色空間において指定され得る(かつデジタルフォーマットであり得る)共通の入力色値が、カラーマッチングされた2つ以上のディスプレイによって同じ色として放射されるように、2つ以上の電子ディスプレイを、それらの放射色出力が一致するように構成するために使用される。第1の電子ディスプレイは、基準入力画像を表示するときに第1の電子ディスプレイによって放射される色のセットに対応する第1の色空間を有すると考えられ、第2の電子ディスプレイは、基準入力画像を表示するときに第2の電子ディスプレイによって放射される色のセットに対応する第2の色空間を有すると考えられる。
【0035】
方法200は、2つ以上のディスプレイをカラーマッチングさせるようにディスプレイシステムを構成するために使用される情報である、ディスプレイ構成情報を生成するために使用される。少なくともいくつかの実施形態によれば、ディスプレイ構成情報は、したがって、ディスプレイプロセスのためのディスプレイシステムによる使用に有効であり、プロセスでは、色を指定する色入力が受信され、色入力は、基準電子ディスプレイによって表示され、色入力は、変換された色入力に変換され、変換された色入力は、マッチング電子ディスプレイによって表示され、マッチング電子ディスプレイは、基準ディスプレイではないディスプレイシステムの電子ディスプレイである。色入力は、RGBベースの色空間などの所定の色空間において指定されてもよく、そのような実施形態では、色入力は、例えば、各チャネルが0~255の間の整数(境界値を含む)である{R,G,B}に対する{213,239,67}などのRGBトリプレットとして指定されてもよい。色入力は、少なくともいくつかの実施形態では、表示されるべきディスプレイ入力を形成する画像又はグラフィックのピクセルに対応し得る。
【0036】
一実施形態では、第1の電子ディスプレイは、テキスト、シンボル、又は他のグラフィックスを提示するために使用され得るOLEDモニタ又はLCDなどのディスプレイモニタである。一実施形態では、第2の電子ディスプレイは非解像度ディスプレイであり、これはディスプレイモニタではなく、ピクセル量を示す解像度によっては一般に定義されない電子ディスプレイであるが、ディスプレイモニタは一般にそのような解像度の方法で指定される。非解像度ディスプレイの例には、単一のRGB制御可能LED、複数のRGB制御可能LEDを有するLEDライトストリング又はストリップ、領域(車両の客室又はコックピットなど)の照明のためのライト、及び導波路を通して照明を提供するために使用されるバックライト付き光学デバイス(例えば、車両内部又はコックピット内のアクセント照明に使用される光ファイバを実装する)が含まれる。
【0037】
他の実施形態では、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイは、両方とも、LCD及び/又はOLEDディスプレイなどのディスプレイモニタであり、更に別の実施形態では、電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイは、両方とも、非解像度ディスプレイである。一実施形態によれば、ディスプレイシステムの複数のディスプレイから基準ディスプレイとなるディスプレイを選択するための選択プロセスは、どのディスプレイが、生成され得る色のカラーセットのより低い色域又はサイズを有するかに基づいて、基準ディスプレイを選択することを含む。
【0038】
方法200は、ディスプレイ構成システム11などのディスプレイ構成システムによって実行され得る。方法200は、特定の順序でステップ210~260を実行することに関して説明され得るが、ステップ210~260は、ステップ240及び250が逆の順序で又は同時に実行される場合など、任意の技術的に実現可能な順序で実行され得ることを理解されたい。
【0039】
方法200は、ステップ210で始まり、第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値及び第2の電子ディスプレイに対する第2のスペクトル応答読取値が、1つ以上のスペクトル応答デバイスから取得される。少なくとも1つの実施形態では、第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値及び第2の電子ディスプレイに対する第2のスペクトル応答読取値は、グレースケールランピング技法の使用を通して得られる。1つ以上のスペクトル応答デバイスは、スペクトル応答デバイス52であってもよく、又はスペクトル応答デバイス52を含んでもよく、スペクトル応答デバイス52は、上述したように分光光度計又は比色計であってもよい。比色計を使用する場合、比色計は、比色計が測定しているそれぞれの電子ディスプレイを用いた測定のために較正又はプロファイリングされてもよい。この較正情報は、分光光度計を使用して、又はArgyll Color Management System(ArgyllCMS)にコンパイルされているものなどの所定の較正情報を選択して決定することができる。少なくともいくつかの実施形態では、同じスペクトル応答デバイスが、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイからのスペクトル応答読取値を測定するために使用される。しかしながら、他の実施形態では、デバイスは、異なるスペクトル応答デバイスを使用して測定されてもよく、それらは、同じ又は異なるモデルのスペクトル応答デバイスであってもよい。
【0040】
図4を参照すると、例示的なグレースケールランピングプロセス211が、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイの両方に対して実行されるグレースケールランピング技法として使用される、ステップ210の実施形態が示されている。グレースケールランピングプロセス211は、それぞれのディスプレイと呼ばれることもある電子ディスプレイに対して実行される。方法200において、グレースケールランピングプロセス211は、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイに対して実行される。そのような実施形態では、第2の電子ディスプレイは、カラーマッピングのための基準ディスプレイとして機能してもよい。グレースケールランピングプロセス211は、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイを参照して説明されるが、プロセス211は、任意の数のディスプレイに対して実行され得ることを理解されたい。一実施形態によれば、プロセス211は、第1の電子ディスプレイに対して実行され、次いで、第2の電子ディスプレイに対して実行される。
【0041】
グレースケールランピングプロセス211及びステップ210は、反復プロセス213の第1のステップから開始し、第1のステップは、ステップ212であり、デジタルグレースケール入力inによって表される画像が、それぞれのディスプレイに表示される。グレースケール画像と称され得る画像は、それぞれのディスプレイ(例えば、第1の電子ディスプレイ、第2の電子ディスプレイ)によって表示され、ディスプレイは、制御された周囲環境設定内に位置してもよく、かつ/又は所定の構成に初期化されてもよい。それぞれのディスプレイを所定の構成に初期化することは、少なくともいくつかの実施形態では、それぞれのディスプレイを明るさ又は色温度などの1つ以上の所定の設定に調整することを含み得る。デジタルグレースケール入力inは、RGBトリプレット又はCMYKクアドラプルなどのデジタルカラーモデルによって表され、それぞれのディスプレイの解像度に従ってサイズ決定され得る。それぞれのディスプレイは、色空間上で定義された色域を有し、色空間は、Adobe RGB又はsRGBなどのデバイス固有色空間であり得る。ステップ212の第1の反復は、初期デジタルグレースケール入力inを使用することを含む。少なくともいくつかの実施形態では、各反復のデジタルグレースケール入力inは、単一色の画像を定義し、単一色は、それぞれのディスプレイの色空間の各チャネルが同じ値を有するようなものである。例えば、RGBベースの色空間を使用するとき、初期デジタルグレースケール入力inに対するRGBトリプレットは、{R,G,B}に対して{0、0、0}であり得、ここで、各チャネル(例えば、赤色チャネルR)は、可能な値0~255を有し得る。この例示的な初期デジタルグレースケール入力inは、この例では黒色に対応する。他の実施形態では、初期デジタルグレースケール入力inは、白色に対応する{255,255,255}であってもよい。方法200はステップ214に続く。
【0042】
反復プロセス213の第2のステップと考えられるステップ214において、スペクトル応答は、上述のスペクトル応答デバイスのうちの少なくとも1つであり得るスペクトル応答デバイスを使用して取得される。スペクトル応答デバイスは、任意のスペクトル応答を最初に捕捉又は取得する前に構成され、これは以下で述べられ、スペクトル応答デバイスのセンサ(複数可)がそれぞれのディスプレイによって放射された光を捕捉することができるように、並びに/又はスペクトル応答デバイスが選択された視点に配置される、及び/若しくは向けられるように、それぞれのディスプレイに面するようにスペクトル応答デバイスを配置する、及び/又は向けることを含むことができる。スペクトル応答がスペクトル応答デバイスによって捕捉されたか、又は別様に取得された後、スペクトル応答は、スペクトル応答デバイスのメモリ、又はスペクトル応答デバイスに通信可能に結合されているそのようなメモリを有するコンピュータ若しくは他の電子デバイスのメモリなどのメモリに記憶されてもよい。他の実施形態では、スペクトル応答は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)などの揮発性メモリ内に保持され、次いで、プロセス213の各反復がそれぞれのディスプレイに対して実行された後など、後の時点で記憶されてもよい。方法200はステップ216に続く。
【0043】
ステップ216において、プロセス213のもう一度の反復が実行されるべきかどうかが決定される。上述したように、プロセス211の単一の実行は、それぞれのディスプレイに対して合計N回の反復を実行することを含む。プロセス211の複数回の実行は、単一のそれぞれのデバイスに対して実行されてもよいが、したがって、総反復回数はN*Mのスケールであり、ここでMは実行回数であり、反復回数Nは実行ごとに変化してもよいことも理解されたい。例えば、一実施形態では、プロセス211の3回(M=3)の実行が、単一のそれぞれのディスプレイに対して実行され、各実行mは、異なる設定明るさでそれぞれのディスプレイを使用し、例えば、第1の実行(m=1)は、100%の明るさ設定でそれぞれのディスプレイを使用し、第2の実行(m=2)は、80%の明るさ設定でそれぞれのディスプレイを使用し、第3の実行(m=3)は、40%の明るさ設定でそれぞれのディスプレイを使用する。これら3つの実行の各々は、実行mに対してNmとして表すことができる異なる反復回数Nを有することができる。上記の例では、N1は20であり得、N2は20であり得、N3は15であり得、これは、より低い照度(又は明るさ)におけるスペクトル応答が、RGBベースの色空間における各チャネルに対する低レベルなど、暗い色に対する有用なデータとして提供しない場合があるという事実を説明し得る。実行のための反復の総数がまだ実行されていない場合(例えば、実行された反復の数<N)、方法200は、ステップ212に戻って継続する(そして、現在の反復は、「n=n+1」によって示されるように前進させられる)。そうでなければ、プロセス211は終了し、方法はステップ220に続く。
【0044】
方法200がステップ212に戻って継続するとき、デジタルグレースケール入力inは、変更され、少なくともいくつかの実施形態では、以前のデジタルグレースケール入力in-1と比較して、それぞれの電子ディスプレイに対応する色空間の各チャネルに対して均等に増加又は減少される。ここで、「均等に」とは、同じ大きさの各チャネルにおける変化を指し、それぞれの電子ディスプレイに対応する色空間は、画像を表示するために使用される電子ディスプレイの色空間を指す。例えば、前のデジタルグレースケール入力in-1が{0,0,0}であるとき、各チャネルは、{+16、+16、+16}などの所定の量だけ増加されて{16、16、16}をもたらす。そのような例では、反復の総数は、グレースケール画像が黒色{0,0,0}から白色{255,255,255}に及ぶように、N=16に設定され得る。そのような例における反復のうちの1つは、16の代わりに15だけ増加され、したがって、最後の値は255を超えないことに留意されたい。値が各反復に対してと同じである所定の量だけ増加又は減少されるそのような実施形態において(N=16である上記の例など、多くても1つの反復を除く)、デジタルグレースケール入力inは線形に変化している、又は単に線形である、と言われる。他の実施形態では、最初のデジタルグレースケール入力inが白色であり、最後のデジタルグレースケール入力inが黒色である場合などでは、デジタルグレースケール入力inは、増加される代わりに減少される。他の実施形態では、増加又は減少は、曲線(又は他の所定の関数)又は反復間の値のいくつかの変化が他よりも大きい所定の値のセットに従い得る場合など、非線形であってもよい。
【0045】
図3に戻って参照すると、ステップ220は、第1のスペクトル応答読取値に基づいて第1のスペクトル応答曲線を決定し、第2のスペクトル応答読取値に基づいて第2のスペクトル応答曲線を決定することを含む。少なくともいくつかの実施形態では、第1のスペクトル応答曲線及び第2のスペクトル応答曲線は、その画像のためにスペクトル応答読取値が取得される画像を生成するために、スペクトル応答読取値によって示される相対照度γ[0,1]と、それぞれのディスプレイによって使用されるデジタルグレースケール入力in(下記の応答曲線式におけるx)との間の関係(例えば、第1のスペクトル応答曲線を決定する目的のための第1の電子ディスプレイに対する第1のスペクトル応答読取値、第2のスペクトル応答曲線を決定する目的のための第2の電子ディスプレイに対する第2のスペクトル応答読取値)を得ることによって決定される。例示的な応答曲線を
図5に示す。応答曲線は、
図5に示されるようなガンマ形状を有してもよく、これは、222で示される0~255で指定されるデジタル入力と、224で示される相対照度γ[0,1]との間の関係を提供するものとして示される。応答曲線は、ディスプレイjに対してFunRCj(x)として記述されてもよく、応答曲線がガンマ形状を有する(226で示される)実施形態では、応答曲線は、一般に、FunRCj(x)=xγとして定義されてもよく、逆応答曲線関数Inv_FunRCj(x)は、Inv_FunRCj(x)=x1/γとして定義されてもよい(228で示される)。逆応答曲線は、測定された応答曲線の逆の関係を示す応答曲線と考えられることを理解されたい。少なくともいくつかの実施形態では、第1のスペクトル応答曲線及び第2のスペクトル応答曲線は、同時に決定される必要はなく、第1の電子ディスプレイのためのステップ210及びステップ220の部分は、第2の電子ディスプレイのためのステップ210及びステップ220の部分を実行する前に行われてもよいことを理解されたい。方法200はステップ230に続く。
【0046】
ステップ230において、第1のスペクトル応答読取値に基づく第1のスペクトルパワー分布と、第2のスペクトル応答読取値に基づく第2のスペクトルパワー分布とが決定される。少なくともいくつかの実施形態では、第1のスペクトルパワー分布及び第2のスペクトルパワー分布は、スペクトル応答読取値に基づいて放射パワーと波長との間の関係を取得することによって決定される。例えば、第1の電子ディスプレイに対して、第1のスペクトルパワー分布は、N個のスペクトル応答読取値を含み得る第1のスペクトル応答読取値を使用して取得され得る。
図6は、N個のスペクトル応答読取値234a~j(10個のみに符号が付されている)に基づいて取得される例示的なスペクトルパワー分布232を示す。スペクトルパワー分布232は、スペクトルパワー分布(236で示される)が238で示される可視範囲の波長に対して示されるグラフとして示されている。一実施形態では、スペクトル応答読取値234aが最初に取得され、この第1の読取値234aに対するデジタルグレースケール入力inは、白色を表すRGB空間に対する{255,255,255}の入力であった。次の反復(n=2の場合)は、読取値234bを生成し、これは、{255}入力から、例えばRGBベースの空間に対する{245,245,245}色に対する{245}などに線形にステップダウンされた。
【0047】
スペクトルパワー分布のうちの任意の1つ以上(例えば、第1のスペクトルパワー分布及び第2のスペクトルパワー分布)は、CIE XYZ又はCIE Labの色空間値などの独立色空間値に表現又は変換されてもよい。スペクトルパワー分布はまた、行列として表され、従属対独立色空間マッピング行列と呼ばれ得る従属対独立色空間マッピングを計算するか、又はさもなければ決定するために使用され得る。
【0048】
少なくともいくつかの実施形態によれば、第1の従属対独立色空間マッピング行列
【0049】
【数1】
(第1の電子ディスプレイに対してj=1)が第1の電子ディスプレイに対して決定され、第2の従属対独立色空間マッピング行列
【0050】
【数2】
(第2の電子ディスプレイに対してj=2)が第2の電子ディスプレイに対して決定される。一実施形態では、従属対独立色空間マッピング行列が以下のように
【0051】
【0052】
【数4】
であり、ここで、ディスプレイの各原色(例えば、赤色R、緑色G、青色B)及び白色Wは、Rx、Ry、Gx、Gy、Bx、By、Wx及びWyが得られるように、Color={R,G,B,W}でColorx=ColorX/(ColorX+ColorY+ColorZ)及びColory=ColorY/(ColorX+ColorY+ColorZ)によって計算される。Color={R,G,B,W}のそれぞれに対するColorX,ColorY,及びColorZの値は、ステップ210において、例えばスペクトル応答デバイス52の使用を通じて、特に、RGBベースの色空間を使用するときのような各色及び白色に対するCIE XYZトリプレットなどの独立色空間に対する値の集合によって表すことができるスペクトルパワー分布を通じて決定される。これにより、値が得られるのは、赤色Rに対するRX、RY及びRZ、緑色Gに対するGX、GY及びGZ、青色Bに対するBX、BY及びBZ、白色Wに対するWX、WY及びWZである。従属対独立色空間マッピング行列が使用される特定の用途例及び実装形態に応じて、逆従属対独立色空間マッピング行列
【0053】
【数5】
が使用されてもよく、そのような逆従属対独立色空間マッピング行列は、従属対独立色空間マッピング行列と同一であるが、逆行列であるので、従属対独立色空間マッピング行列であるとも考えられることを理解されたい。いくつかの実施形態では、従属対独立色空間マッピング行列及び/又は従属対独立色空間マッピング行列の逆行列は、第1の電子ディスプレイ及び/又は第2の電子ディスプレイのためにメモリに記憶され得る。方法200はステップ240に続く。
【0054】
ステップ240では、第1のスペクトルパワー分布及び第1のスペクトル応答曲線に基づくなど、第1の電子ディスプレイの1つ以上のディスプレイ特性に基づいて第1のデバイス対独立カラーマッピングが決定される。第1のデバイス対独立カラーマッピングは、第1の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す。一実施形態では、第1のデバイス対独立カラーマッピング及び第2のデバイス対独立カラーマッピングはそれぞれ、以下を使用して定義される。
【0055】
【数6】
であり、
ここで、第1の電子ディスプレイに対してはj=1であり、第2の電子ディスプレイに対してはj=2である。上記の式に示されるように、応答関数又は演算FunRCjは入力画像ピクセルの各チャネルの各値に適用され、これは、赤色に対してr、緑色に対してg、青色に対してbによって表される。上記のデバイス対独立カラーマッピングにおいて、デバイス従属色空間は、Adobe RGB又はsRGBであり得るRGBベースの色空間であり、マッピングがディスプレイのデバイス従属色空間を使用するディスプレイの測定データ(又は、具体的には、スペクトル応答読取値)に基づくという点で、測定されたデバイス対独立カラーマッピングと考えられる。独立色空間における色値が従属色空間における色値にマッピングされ得るデバイス対独立カラーマッピングとして、このデバイス対独立カラーマッピングの逆表現が使用されてもよい。逆デバイス対独立カラーマッピングは、以下のように定義され得る。
【0056】
【数7】
であり、
ここで、入力色値(このマッピングにおけるCIE XYZトリプレット)は、X,Y,Zによって表され、そしてrj,gj,bjは、この実施形態ではRGBベースの色空間であるデバイス依存色空間における出力色値である。方法は、ステップ250に続く。
【0057】
ステップ250では、第2のスペクトルパワー分布及び第2のスペクトル応答曲線に基づくなど、第2の電子ディスプレイの1つ以上のディスプレイ特性に基づいて第2のデバイス対独立カラーマッピングが決定される。第2のデバイス対独立カラーマッピングは、第2の色空間と独立色空間との間のマッピングを表す。第1のデバイス対独立カラーマッピングに関するステップ240における上記の説明は、第2のデバイス対独立カラーマッピングを決定することに関するこのステップに等しく適用される。ステップ240及び/又はステップは、同時に、又はステップ240の前にステップ250が、又はステップ250の前にステップ240が実行されてもよいことを理解されたい。方法は、ステップ260に続く。
【0058】
ステップ260において、第1の電子ディスプレイ及び第2の電子ディスプレイを有するディスプレイシステムは、第1のデバイス対独立カラーマッピング及び第2のデバイス対独立カラーマッピングを使用することに基づいて、表示されている色をマッチングさせるように構成される。少なくともいくつかの実施形態では、これは、第1のデバイス対独立カラーマッピング及び第2のデバイス対独立カラーマッピングに基づいて導出されるディスプレイ構成情報を用いてディスプレイシステムを構成することを含む。一実施形態では、ディスプレイシステムは、このカラーマッピング情報(又はディスプレイ構成情報)をカラーマッチング関数とともに使用して、カラーマッチングされたディスプレイ入力を生成するように構成されてもよく、これは次いで、マッチングディスプレイの色が基準ディスプレイの色とマッチングするように、表示のためにマッチングディスプレイによって使用される。以下のカラーマッチング関数において、第1の電子ディスプレイ(j=1)は基準ディスプレイであり、第2の電子ディスプレイ(j=2)はマッチングディスプレイである。
【0059】
【数8】
第1の電子ディスプレイのデバイス従属色空間における入力色値は、RGBトリプレットr、g、bとして表され、第1の電子ディスプレイのデバイス従属色空間内にある出力色値は、RGBトリプレットr2、g2、b2として表される。上述したように、この関数は、カラーマッチング関数と呼ばれてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、このステップは、ディスプレイシステムのメモリ内に、第1のデバイス対独立カラーマッピング及び第2のデバイス対独立カラーマッピングを表す1つ以上のデータ構造を含むディスプレイ確認情報を記憶することによって、ディスプレイシステムを構成することを含む。一実施形態では、例えば、1つ以上のデータ構造は、第1のデバイス対独立カラーマッピングに対する
【0060】
【数9】
及び、第2のデバイス対独立カラーマッピングに対する
【0061】
【数10】
を表す値を含むことができる。いくつかの実施形態では、応答曲線は、1つ以上のデータ構造の一部として記憶されてもよい。様々なデジタル表現が、デバイス対独立カラーマッピングをメモリに記憶するために使用され得ることを理解されたい。
【0062】
一実施形態では、ステップ260は、ディスプレイ構成情報を生成することを含み、ディスプレイ構成情報は、ディスプレイシステムのディスプレイ間で、及び方法200の説明の文脈において、第1の電子ディスプレイと第2の電子ディスプレイとの間で、色をマッチングさせるために使用される任意の情報である。一実施形態では、ディスプレイ構成情報を使用して、1つ以上のマッチングディスプレイによって出力される色(複数可)を、基準ディスプレイによって出力される色(複数可)にマッチングさせる。上述のように、基準ディスプレイは、知覚される色出力の知覚のための基礎を設定するものとして使用され、したがって、決定されたカラーマッピングに基づいて生成され得るディスプレイ構成情報は、ディスプレイシステムの他の電子ディスプレイ(複数可)であるマッチングディスプレイの出力色をマッチングさせるためにディスプレイシステムによって使用される。したがって、ディスプレイシステムは、所与の色入力が受信されると、所与の色入力が、カラーマッチング色出力を取得するように、ディスプレイ構成情報を用いて又はそれに従って所与の色入力を処理することによって修正され、次いで、カラーマッチング色出力が、マッチングディスプレイに送信され、光を出力するためにマッチングディスプレイによって使用されるように構成され得る。カラーマッチングのためのいかなる処理も伴わない色入力であろう、提示又は表示のためにディスプレイに渡される入力に対応するであろう、かつマッチングディスプレイが別様に使用するであろう入力は、ディスプレイ構成情報に従って修正される。提示/表示のためにディスプレイに渡される入力に対応するであろうものとして、カラーマッチングのためのいかなる処理も伴わない入力として表される元の入力は、カラーマッチングのために行われた処理がないことを含む、いかなる処理も伴わずに、表示のために基準ディスプレイに渡される。次いで、方法200は終了する。
【0063】
図7を参照すると、ディスプレイシステムで使用するためにカラーマッチングされるべき2つ以上の電子ディスプレイのディスプレイ特性を取得する方法300が示されている。方法300は、スペクトル応答デバイスを使用してディスプレイ出力を測定するための場所の周囲特性が構成されるステップ310から始まる。この場所は、ディスプレイ測定場所と呼ばれてもよく、その周囲特性は、例えば、明度及び色温度によって特徴付けられてもよい。場所は、例えば、周囲特性を制御するために使用され得る、発光ダイオード(LED)又は白熱電球などの種々の光源を備える閉鎖された室内であってもよい。いくつかの実施形態では、最小限の周辺光を有する暗い部屋が使用されてもよい。別の例として、ディスプレイ測定場所は、特定の周囲条件が存在する時間中(例えば、日中)に屋外であるように選択されてもよく、正確な周囲条件が記録されてもよい。方法300はステップ320に続く。
【0064】
ステップ320において、電子ディスプレイは、プロセス211(
図4)において上記で説明されているものなどのグレースケールランピング技法が行われる、グレースケールランピングプロセスのために初期化される。一実施形態では、このステップは、電子ディスプレイのうちの少なくとも1つのためのディスプレイ明るさ又はカラーセット/色域を構成することを含む。これは、色温度などの他の設定を調整することも含むことができる。一実施形態では、電子ディスプレイは、車載ディスプレイシステムなどのディスプレイシステムに統合されるときに使用される構成に従って構成される。一実施形態では、電子ディスプレイは、異なるアプリケーションの実行中に、又は特定のアプリケーションによって要求若しくは実装されるように、異なるカラーモードで動作してもよい。したがって、そのような実施形態では、単一の電子ディスプレイは、6500Kの色温度及び100%のディスプレイ明るさを有する第1のカラーモード、並びに5000Kの色温度及び60%のディスプレイ明るさを有する第2のカラーモードなど、複数のカラーモードで動作すると言うことができる。電子ディスプレイは、したがって、本方法300のためのこれらのカラーモードのうちの1つに初期化されてもよく、それは、明るさ又は色温度などのディスプレイの1つ以上のディスプレイ又はカラー設定を調節することを含んでもよい。例えば、一実施形態では、第2のカラーモードは、ディスプレイシステムの動作中に第2の電子ディスプレイの動作と併せて使用されるモードであってもよい。したがって、第2のカラーモードは、複数のモードから選択されてもよく、選択された(ここでは、第2の)カラーモードの周囲条件は、電子ディスプレイを初期化するために使用されてもよい。方法300はステップ330に続く。
【0065】
ステップ330において、スペクトル応答デバイスは、グレースケールランピングプロセスにおいて使用するために構成される。スペクトル応答デバイスが比色計であるような一実施形態では、比色計は、Argyll Color Management System(ArgyllCMS)にコンパイルされているものなどの所定の較正情報を使用して較正することができる。この情報は、出力が測定されるべき電子ディスプレイに従って選択されてもよい。スペクトル応答デバイスは、電子ディスプレイからの予め選択された位置(例えば、距離、進行方向、及び高度によって表される)及び向きに従って位置決めされてもよく、これは、所定の視点に基づいて事前設定されてもよい。例えば、所定の視点は、電子ディスプレイを有する車両のコックピット内の運転者又は乗客の視点であってもよい。方法300はステップ340に続く。
【0066】
ステップ340において、第1の電子ディスプレイに対してグレースケールランピングプロセスが実行される。グレースケールランピングプロセス211(
図4)は、第1のスペクトル応答を取得するために、それぞれのディスプレイである第1の電子ディスプレイを用いて実行されてもよく、第1のスペクトル応答は、次いで、方法200(
図3)において説明されているものなどのディスプレイシステムを構成するために(第2の電子ディスプレイなどのディスプレイシステム内の1つ以上の他のディスプレイのスペクトル応答とともに(ステップ350参照))使用されてもよい。方法300はステップ350に続く。
【0067】
ステップ350において、第2の電子ディスプレイに対してグレースケールランピングプロセスが実行される。グレースケールランピングプロセス211(
図4)は、第2のスペクトル応答を取得するために、それぞれのディスプレイである第2の電子ディスプレイを用いて実行されてもよく、第2のスペクトル応答は、次いで、方法200(
図3)において説明されているものなどのディスプレイシステムを構成するために使用されてもよい。ステップ340及び/又はステップは、同時に、又はステップ340の前にステップ350が、又はステップ350の前にステップ340が実行されてもよいことを理解されたい。方法300はステップ360に続く。
【0068】
ステップ360において、第1のスペクトル応答及び第2のスペクトル応答は、第1の電子ディスプレイと第2の電子ディスプレイとの間で色をマッチングさせるために使用されるディスプレイ構成情報を取得するために使用される。このディスプレイ構成情報は、方法200のステップ260で述べられた、第1及び第2のデバイス対独立カラーマッピングを含むマッピング情報であってもよい。この情報は、ディスプレイシステムのメモリに記憶されてもよい。次いで、方法300は終了する。
【0069】
図8を参照すると、マッチングディスプレイの色が基準ディスプレイの色とマッチングするように、カラーマッチングされたディスプレイ出力をマッチングディスプレイ上に表示する方法400の実施形態が示されている。少なくとも1つの実施形態において、方法400は、ディスプレイシステム10(
図1)によって実行される。また、一実施形態において、方法400は、車載車両コンピュータ130の使用を通じて車載ディスプレイシステム110(
図2)によって実行される。方法400は、ステップ410で始まり、ディスプレイ入力が受信される。ディスプレイ入力は、表示されるべき色情報を表す任意の入力である。ディスプレイ入力は、デジタル形式であってもよく、1つ以上のカメラ136によって捕捉されるような車両環境の画像及び/又は所定のグラフを含む、多数の画像及び/又はグラフィックスのうちのいずれかを備えてもよい。ディスプレイ入力は、各々が黒色に対する{0,0,0}などのRGBトリプレットによって表される複数のピクセルによって表され得る。もちろん、ディスプレイ入力の他の表現及び形式が使用されてもよい。ディスプレイ入力は、ディスプレイシステムのマッチングディスプレイによって提示されるべき画像又はグラフィックに対応する。方法400は、ディスプレイシステムのマッチングディスプレイの各々に対して実行され得ることを理解されたい。方法400はステップ420に続く。
【0070】
ステップ420において、カラーマッチングをディスプレイ入力に適用することが決定される。一実施形態では、ディスプレイシステムの構成に基づいて、ディスプレイ入力にカラーマッチングを適用することが決定される。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、特定のディスプレイ(マッチングディスプレイ)を別のディスプレイと常にマッチングさせるように構成されてもよく、したがって、ディスプレイシステムが、カラーマッチングされたディスプレイ入力を生成する目的で、ディスプレイ入力にカラーマッチングを適用するソフトウェアモジュール(論理関数)にディスプレイ入力を渡すように動作するとき、このマッチングディスプレイにカラーマッチングを適用することが決定されている、と言うことができる。別の実施形態では、このステップ420は、ディスプレイ入力として表示される画像のカラーマッチング部分を決定することを含み、画像のカラーマッチング部分は、画像全体よりも小さい画像の一部を構成する。カラーマッチングされた部分は、画像の少なくとも1つの連続部分を含むが、いくつかの実施形態では、カラーマッチング部分は、画像の複数の連続部分を含んでもよいことを理解されたい。画像のカラーマッチング部分は、カラーマッチングされるべき画像の部分(カラーマッチングされた部分)を識別するための論理及び/又は機械学習技法を実装するコンピュータ命令に基づいてプログラム的に選択され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、ステップ420は、カラーマッチング部分に適用するカラーマッピングを選択することを更に含む。カラーマッピングは、基準ディスプレイを少なくとも1つのマッチングディスプレイとカラーマッチングするために使用される情報(1つ又は複数の関数において具現化され得る)を表す。カラーマッピング情報は、方法200を使用して決定されてもよく、方法200のステップ240及び250のデバイス対独立カラーマッピングに対応してもよい。カラーマッピング情報は、カラーマッピング(例えば、方法200のステップ240及び250のデバイス対独立カラーマッピング)を使用してカラーマッチング機能を実装する種々のデータ構造又はコンピュータ命令などの多くの形態をとってもよく、このカラーマッピング情報は、カラーマッピングから導出されることを理解されたい。一実施形態では、ディスプレイシステムは、カラーマッピング情報をカラーマッチング部分のセットと関連付ける、カラーマッピング関連付け(又はカラーマッピング情報エントリ)を示す、無線メッセージを使用して事前構成又はプロビジョニングされた所定の情報などの情報を取得してもよい。例えば、ディスプレイ入力(又は少なくともディスプレイ入力のカラーマッチング部分)が所定のグラフィックスから構成されるとき、カラーマッチング部分のセットは事前設定することができ、次いでこれらのカラーマッチング部分(所定のカラーマッチング部分と呼ぶことができる)は、マッチングデバイス及び基準デバイスに対するデバイス対独立カラーマッピングに基づくカラーマッピング情報などの所定のカラーマッピング情報に関連付けられる。カラーマッピングは、そのカラーマッチング部分に対して存在するカラーマッピング関連付けがあるかどうかで選択され得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、カラーマッピング関連付け情報は、満たされているときに、関連付けられたカラーマッチング部分が指定されたカラーマッピング情報とカラーマッチングされていることを示すカラーマッピング関連付け条件を指定する。したがって、そのような実施形態では、カラーマッピング関連付け情報は、カラーマッチング関連付け条件と、条件が満たされた場合に適用されるべきカラーマッピング情報とを指定する。例えば、カラーマッチング関連付け条件は、色入力が、色空間のチャネルに対する所定の範囲(例えば、RGBベースの色空間における赤色R、緑色G、及び青色Bに対する範囲)に基づき得る赤色である場合、カラーマッピングが適用され、カラーマッピングは、OLEDモニタ(マッチングディスプレイとして使用されるディスプレイモニタの一例)上に表示されるディスプレイ入力の赤色を、RGB制御可能LEDライト(基準ディスプレイとして使用される非解像度ディスプレイの一例)によって出力される赤色とマッチングさせるためのものであり得ることを指定し得る。方法400はステップ430に続く。
【0073】
ステップ430において、カラーマッチングがディスプレイ入力に適用され、カラーマッチングされたディスプレイ入力を得る。少なくとも1つの実施形態では、カラーマッチングは、マッチングディスプレイのデバイス対独立カラーマッピング及び基準ディスプレイのデバイス対独立カラーマッピングに基づくカラーマッピング情報を使用して適用される。いくつかの実施形態では、カラーマッピング情報は、(方法200のステップ260において上述したように)以下に対応し得るカラーマッピング関数への入力としてカラーマッチングされるべきディスプレイ入力とともに使用される。
【0074】
【数11】
この方法は、カラーマッチングされた出力を生成するために、カラーマッチングされるべきディスプレイ入力の各ピクセル(又はディスプレイ入力のカラーマッチング部分)に対して適用されて、カラーマッチングされた出力[r2,g2,b2]を生成し得る。個々のピクセルに対応し得る色入力は、上記では、r,g,bによって表され、及び、カラーマッピング情報は、基準ディスプレイに対する
【0075】
【0076】
【数13】
によって表される。また、上記の式に示されるように、入力は、基準ディスプレイに対するFunRC1及びマッチングディスプレイに対するFunRC2によって表されるような応答曲線情報を使用して調整されてもよい。この関数(又はカラーマッピング関数)は、論理に縮小されてもよく、カラーマッピング情報(基準ディスプレイに対する
【0077】
【0078】
【数15】
及びカラー入力を入力として取り込み、カラーマッチングされた出力[r2,g2,b2]を生成するコンピュータ命令によって表されてもよい。カラーマッピング情報は、カラーマッピング関数とともにディスプレイシステムのメモリに記憶されてもよい。カラーマッチングは、カラーマッチングされた出力を生成するように、ディスプレイ入力のカラーマッチング部分の各ピクセル(カラー入力)に対して適用されてもよい。カラーマッチングされた出力の各々(その各々は個々のピクセルに対応し得る)は、ディスプレイ入力におけるカラー入力の代わりに使用され得、それにより、ディスプレイ入力は、カラーマッチングされたディスプレイ入力を生成するように変換される。方法400はステップ440に続く。
【0079】
ステップ440において、カラーマッチングされたディスプレイ入力がマッチングディスプレイに表示される。一実施形態では、マッチングディスプレイ及び/又は基準ディスプレイとは別個の電子デバイスが、カラーマッチングされたディスプレイ入力を生成するようにステップ410~430を実行する。方法400がディスプレイシステム110を使用して実行される場合には車載車両コンピュータ130であり得るこの電子デバイスは、次いで、カラーマッチングされたディスプレイ入力をマッチングディスプレイによって表示させるように、カラーマッチングされたディスプレイ入力をマッチングディスプレイに送信することができる。したがって、少なくともいくつかの実施形態によれば、カラーマッチングされたディスプレイ入力は、方法200(
図3)の結果としてディスプレイシステムに含まれ得るディスプレイ構成情報を使用して生成され、次いで、カラーマッチングされたディスプレイ入力は、(カラーマッチングなしで)表示のためにマッチングディスプレイに単に渡されるであろうディスプレイ入力に代えて(又はその代わりに)使用される。したがって、少なくともいくつかの実施形態によれば、本明細書で説明される方法(複数可)は、照度及びディスプレイ明るさの変化に左右されない単純かつ迅速なカラーマッチングプロセスを提供するために使用され得る。更に、いくつかの実施形態によれば、本明細書で説明される方法(複数可)は、OLEDディスプレイをLCDディスプレイにカラーマッチングさせるため、又はLCDディスプレイを単純なLEDライトストリング(すなわち、LEDライトのストリング)にカラーマッチングさせるためなど、異なる技術の電子ディスプレイをマッチングさせることにより良く適合するカラーマッチング技法を提供するために使用され得る。次いで、方法400は終了する。
【0080】
図9を参照すると、車載ディスプレイシステム510を有する例示的な車両コックピット500が示されている。車載ディスプレイシステム510は、複数のディスプレイ、すなわち、モニタとして示される第1の電子ディスプレイ512と、同じくモニタとして示される第2の電子ディスプレイ514と、コックピット500全体にわたって疎らに配置されている複数のLEDとして示される第3の電子ディスプレイ516と、コックピット500のAピラー部分に配置されたライトストリップとして示される第4の電子ディスプレイ518と、乗客セットに面して配置されているライトストリップとして示される第5の電子ディスプレイ520とを含む。この例示的な車両コックピット500及び車載ディスプレイシステム510は例示的なものであり、コックピット500及び/又はディスプレイシステム510の一部として様々な他の構成及びデバイスを使用することができることを理解されたい。車載ディスプレイシステム510は、上記のディスプレイシステム10(
図1)及び/又は車載ディスプレイシステム110(
図2)の任意の1つ以上の構成要素を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、車載ディスプレイシステム510は、ディスプレイ512~520のうちの2つ以上をカラーマッチングするためのカラーマッピング情報などのディスプレイ構成情報を用いて構成されている、ディスプレイシステム110(
図2)の車載車両コンピュータ130などのコンピュータを含む。第1の電子ディスプレイ512及び第2の電子ディスプレイ514は、図示の実施形態ではディスプレイモニタである。いくつかの実施形態では、第3の電子ディスプレイ516、第4の電子ディスプレイ518、及び/又は第5の電子ディスプレイ520はそれぞれ、例えば、多色LEDを含み、それぞれ、非解像度ディスプレイと考えられる。一実施形態では、例えば、多色LEDは、赤色LED、青色LED、及び緑色LEDなどの3つ以上の発光源を使用することができ、多種多様な色を生成するように原色出力を変化させることができる。
【0081】
一実施形態では、第1の電子ディスプレイ512は、主インフォテインメントディスプレイモニタ(例えば、LCD、OLEDモニタ)などの主車載ディスプレイモニタである。この主車載ディスプレイは、車両のダッシュボード内に、運転者と助手席との間に置かれるか又は配置されてもよく、車両ユーザ(例えば、運転者、乗客)のための主制御インターフェースとして使用されてもよい。いくつかの実施形態では、主車載ディスプレイは、車両ユーザからの入力を可能にするタッチスクリーンであってもよい。
【0082】
図10を参照し、更に
図9も参照すると、ディスプレイ入力を表示するために使用されるものとして以下で説明される、車載ディスプレイシステム510の第1の電子ディスプレイ512の概略図が示されている。ディスプレイ512のディスプレイ入力は、第1のカラーマッチングサブ部分532a、第2のカラーマッチングサブ部分532b、及び第3のカラーマッチングサブ部分532cを含む3つのサブ部分からなるカラーマッチング部分530を含むものとして示されている。ディスプレイ入力はまた、カラーマッチング部分530の外側の領域に対応するディスプレイ入力の部分(すなわち、カラーマッチング部分ではないディスプレイ入力の部分)である非カラーマッチング部分534を含むものとして示されている。一例として、車載ディスプレイシステム510は、第1の電子ディスプレイ512を、複数のディスプレイ(及び
図10に示すように同時に複数の表示)をマッチングさせるように構成されたマッチングディスプレイとして使用するように構成されてもよい。
【0083】
特に、この例では、車載ディスプレイシステム510は、第1のカラーマッチングサブ部分532aを第3の電子ディスプレイ516(基準ディスプレイ)にマッチングさせ、第2のカラーマッチングサブ部分532bを第2の電子ディスプレイ514(基準ディスプレイ)にマッチングさせ、第3のカラーマッチングサブ部分532cを第5の電子ディスプレイ520(基準ディスプレイ)にマッチングさせるように構成されている。そのような例では、車載ディスプレイシステム510は、マッチングデバイス(第1の電子ディスプレイ512)及び基準ディスプレイ(第3の電子ディスプレイ516、第2の電子ディスプレイ514、及び第5の電子ディスプレイ520)のためのデバイス対独立カラーマッピングに基づくカラーマッピング情報(カラーマッピング情報エントリ)をメモリに記憶していてもよい。車載ディスプレイシステム510はまた、マッチングされるべきディスプレイに従って選択されるカラーマッピング情報とともに色入力(例えば、ディスプレイ入力のカラーマッチング部分のピクセル)を取り得る、上記のカラーマッチング機能を実装する記憶されたコンピュータ命令を有し得る。例えば、第1のカラーマッチングサブ部分532a内のピクセルに対して、第1の電子ディスプレイ512をマッチングディスプレイとして使用し、第3の電子ディスプレイ516を基準ディスプレイとして使用することに基づいて生成されるカラーマッピング情報が使用され、カラーマッピング関数に入力されて、各ピクセルに対するカラーマッチング出力が得られる。第1のカラーマッチングサブ部分532aのこれらのカラーマッチングされたピクセルは、カラーマッチング関数を使用してカラーマッチングされるが、第2の電子ディスプレイ514及び第5の電子ディスプレイ520を基準ディスプレイとして有する、第2のカラーマッチングサブ部分532b及び第3のカラーマッチングサブ部分532cのカラーマッチングされたピクセルとともに、カラーマッチングされたディスプレイ入力の一部を形成する。
【0084】
別の実施形態によれば、他の電子ディスプレイ514~520のうちの1つ以上は、少なくともいくつかの実施形態に従って、マッチングディスプレイとして使用されてもよく、主車載ディスプレイ512は、(マッチングディスプレイとして構成された)他の電子ディスプレイ(複数可)514~520のそれぞれの出力色が、上述したように、主車載ディスプレイ512又はその一部の出力色にマッチングするように調整され得るように、基準ディスプレイとして使用されてもよい。実施形態では、主車載ディスプレイ512などの単一の電子ディスプレイは、基準ディスプレイとして使用され、(現在説明されている実施形態では)部分532a~cに対応し得る1つ以上の色基準サブ部分を含み、これらの各々は、異なるマッチングディスプレイの色をマッチングさせるための基準として使用され得る。そのような実施形態では、方法(複数可)200、300、及び/又は400は、スペクトル応答デバイスがディスプレイ512の特定の色基準サブ部分に向けられ、異なるデバイス対独立カラーマッピングが各色基準サブ部分に対して決定され得るように実行され得る。そのような実施形態は、ディスプレイモニタの領域にわたって変化する照度及び/又は色出力特性を有し得るディスプレイモニタ(例えば、LCD、OLEDモニタ)に有用であり得る。例えば、グローバルディミングLCDは、ディスプレイスクリーンのすべての部分においては一貫した照度を出力しない場合がある。
【0085】
実施形態によれば、上記の方法200、300、及び400、並びにディスプレイシステム及びディスプレイ構成システムは、スマートフォンなどのハンドヘルドモバイルデバイス上の、又はラップトップ若しくはデスクトップコンピュータなどのパーソナルコンピュータ上のディスプレイ入力のカラーマッチングなど、非車両用途において使用され得る。
【0086】
前述の説明は、本発明の1つ以上の実施形態のものであることを理解されたい。本発明は、本明細書に開示される特定の実施形態(複数可)に限定されず、むしろ、以下の特許請求の範囲によってのみ定義される。更に、前述の説明に含まれる記述は、開示された実施形態(複数可)に関するものであり、用語又は語句が上で明示的に定義されている場合を除いて、本発明の範囲又は特許請求の範囲で使用される用語の定義に対する限定として解釈されるべきではない。様々な他の実施形態、並びに開示された実施形態(複数可)に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかになるであろう。
【0087】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、用語「例えば」、「例えば」、「例として」、「など」、及び「同様」、並びに動詞「備える」、「有する」、「含む」、及びそれらの他の動詞形は、1つ以上の構成要素又は他の項目の列挙と併せて使用されるとき、それぞれ、オープンエンドとして解釈されるべきであり、列挙が他の追加の構成要素又は項目を除外すると見なされるべきではないことを意味する。他の用語は、異なる解釈を必要とする文脈で使用されない限り、それらの最も広い妥当な意味を使用して解釈されるべきである。加えて、「及び/又は」という用語は、包括的なOR(又は)として解釈されるべきである。したがって、例えば、語句「A、B、及び/又はC」は、以下のすべて、「A」、「B」、「C」、「A及びB」、「A及びC」、「B及びC」、並びに「A、B、及びC」を包含するものとして解釈されるべきである。