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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174668
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】縫合装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/062 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
A61B17/062
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023151486
(22)【出願日】2023-09-19
(62)【分割の表示】P 2020161858の分割
【原出願日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】62/908,503
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/908,524
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/908,554
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アダム・リー・スミス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB05
(57)【要約】
【課題】静脈、動脈又は他の導管を伴う外科的吻合手技において実行され得るような縫合を促進するために針を駆動するための新規な装置を提供する。
【解決手段】開示された実施形態は、外科的吻合手技において実行され得るような縫合を促進するために針を駆動するための装置を含む。例示的な実施形態では、装置は、2つの略平行なローラ120を逆回転可能に支持するように構成されたフレーム110を含む。フレームによって支持された第1のローラは、螺旋形状の針のシャフト191の第1の面と回転可能に係合するように構成された平坦な表面を有する。フレームによって支持された第2のローラは、シャフトの第2の面を少なくとも部分的に受容するように構成された溝を画定する溝付き表面を有する。溝の底部は、第2の面と少なくとも同じ幅の底部幅を有し、第2の面よりも広い表面幅を有する、溝付き表面の溝開口部まで延在する側部によって境界付けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
2つの略平行なローラを逆回転可能に支持するように構成されたフレームと、
前記フレームによって支持された第1のローラであって、前記第1のローラが、螺旋形状の針のシャフトと転動可能に係合するように構成された平坦表面を有する、第1のローラと、
前記フレームによって支持された第2のローラであって、前記第2のローラが、前記シャフトを少なくとも部分的に受容するように構成されている螺旋溝を画定する溝付き表面を有し、前記第2のローラは前記溝の前方端部で複数の側面によって境界付けられる補正凹部を更に画定し、前記補正凹部は前記溝の前記前方端部において先細に構成され、
前記補正凹部は前記螺旋溝に対して拡開状の開口を画定し、前記拡開状の開口は前記螺旋溝の最大幅に対する拡幅領域を含む
装置。
【請求項2】
前記螺旋形状の溝の前端部が前記第1のローラと前記第2のローラとの前記逆回転に応じて前記補正凹部に受容されるとき、前記複数の側面のうちのすくなくとも一つは前記前端部に係合し、前記前端部を前記溝の前記前方端部へと案内する
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記補正凹部の前記複数の側面のうちの少なくとも一つは、前記溝の前記前方端部の縁部から接線方向に分岐する
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記補正凹部は、台形形状を有する
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記補正凹部の最大幅が、前記針の外部物体通過時の前記前端部の偏向、及び前記針が前記外部物体を通過する際の前記フレームの回転によって引き起こされた前記前端部の偏向のうちの少なくとも1つから生じる、前記前端部の偏向後、前記針の前記前端部を受容するようにサイズ決定されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記溝の前記前方端部における前記溝の第1の深さが、前記溝の後縁部に向かって前記溝の第2の深さよりも浅くなる、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
回転力を付与する回転部材を受容し、前記回転力を前記ローラに適用して、前記ローラを平行な回転軸に沿って逆回転させるように構成された回転機構を更に備える
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
システムであって、
螺旋形状の針であって、フィラメントを引っ張るように構成された後端部と、物体を穿孔するように成形された前端部と、を有するシャフトを含む、螺旋形状の針と、
針駆動機構と、を備え、前記針駆動機構が、
2つの略平行なローラを逆回転可能に支持するように構成されたフレームと、
前記フレームによって支持された第1のローラであって、前記第1のローラが、螺旋形状の針と転動可能に係合するように構成された平坦表面を有する、第1のローラと、
前記フレームによって支持された第2のローラであって、前記第2のローラが、真っ直ぐな側面を含む螺旋溝を画定する溝付き表面を有し、前記螺旋溝は前記螺旋形状の針の前記シャフトを少なくとも部分的に受容するように構成され、前記第2のローラが前記溝の前方端部において側面によって境界付けされた補正凹部を更に画定し、前記溝の前記前方端部において前記溝の幅に向かって先細りになる、第2のローラと、
前記フレームに固定され、前記ローラを逆回転させ、かつ前記フィラメントによって縫合される物体の縁部に沿って前記フレームを移動させるように構成された駆動機構と、を含む、
システム。
【請求項9】
前記前端部が前記第1のローラと前記第2のローラとの前記逆回転に応じて前記補正凹部に受容されるとき、前記複数の側面のうちのすくなくとも一つは前記前端部に係合し、前記前端部を前記溝の前記前方端部へと案内する
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記補正凹部の前記複数の側面のうちの少なくとも一つは、前記溝の前記前方端部の縁部から接線方向に分岐する
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記補正凹部は、台形形状を有する
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記補正凹部の最大幅が、前記針の外部物体通過時の前記前端部の偏向、及び前記針が前記外部物体を通過する際の前記フレームの回転によって引き起こされた前記前端部の偏向のうちの少なくとも1つから生じる、前記前端部の偏向後、前記針の前記前端部を受容するようにサイズ決定されている、
請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記溝の前記前方端部における前記溝の第1の深さが、前記溝の後縁部に向かって前記溝の第2の深さよりも浅くなる、
請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記螺旋形状の針の半径が、前記第2のローラの半径の整数倍未満である、
請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
前記螺旋形状の針の前記半径が、前記第2のローラの前記半径の整数倍の約5パーセント未満である、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記針の前記シャフトが、略矩形の断面を有する、
請求項8に記載のシステム。
【請求項17】
前記溝が、前記針の前記シャフトの前記略矩形の正方形断面を受容するように構成された、略矩形の断面、及び台形形状の断面のうちの1つを有する、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
螺旋形状の針を、溝付きローラと対向する平坦表面を有するローラとの間で逆回転させるように動かすステップと、
前記針の前端部を、前記溝付きローラによって画定される螺旋溝の前方端部おける補正凹部で受容するステップであって、前記補正凹部は前記針を前記螺旋溝に導く拡開状の開口を画定し、前記拡開状の開口は前記螺旋溝の最大幅に対する拡幅領域を含む、ステップと、
前記針の前記前端部を前記補正凹部の側面の少なくとも一つと係合させるステップと、
前記針の前記前端部を、前記側面のうちの少なくとも一つに沿って前記螺旋溝の前記前方端部へと案内するステップと、
を含む方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記針の外部物体通過時の前記前端部の偏向、及び前記針が前記外部物体を通過する際の前記フレームの回転によって引き起こされた前記前端部の偏向のうちの少なくとも1つから生じる、前記前端部が偏向された後に、前記針の前記前端部を、前記補正凹部内に係合させるステップを更に含む
方法。
【請求項20】
半径が、前記溝付きローラの半径の整数倍未満である針を選択するステップを更に含む、
請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2つの導管の接合部などの物体を縫合するための装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションにおける記述は、単に、本開示に関する背景情報を提供し、先行技術を構成しない場合もある。
【0003】
外科吻合は、冠動脈バイパス移植(coronary artery bypass graft、CABG)手技などの、1つ以上の動脈、血管、腸、又は任意の他の導管のセグメントの接続若しくは再接続を可能にする。CABG手技では、例えば、伏在静脈を患者の下肢から採取し、冠動脈閉塞を回避するために移植することができる。このような手技は、非常に有用であり、通常命を助け、かつ寿命を延ばすことができる。
【0004】
しかしながら、CABG手技及び同様の手技は、高度に侵襲的な手術を伴う。例えば、典型的なCABG手技は、患者の胸骨に沿って垂直切開が行われる胸骨正中切開を実行することを伴い、その後、胸骨自体が実際にこじ開けられて、心臓及び周囲の動脈へのアクセスを提供する。胸骨正中切開術は、移植片を挿入し、移植片を冠状動脈に縫合して、処理を完了するための空間を外科医に提供する。しかしながら、かなりのサイズの切開及び胸骨の破断は、有意な瘢痕、不快感、及び感染リスクを伴うことがあり、罹患した構造の治癒に著しい回復時間を必要とする場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示された実施形態は、静脈、動脈、又は他の導管を伴う外科的吻合手技において実行され得るような縫合を促進するために針を駆動するための装置、システム、及び方法を含む。
【0006】
例示的な実施形態では、装置は、フレームを含む。第1のローラ及び第2のローラは、フレーム内で互いに平行に回転可能に取り付けられ、螺旋状に形成された針のシャフトとその間で係合するように構成されている。第1のローラ及び第2のローラは、逆回転するように構成されている。針は、第1のローラ及び第2のローラの逆回転に応答して、第1のローラの周りで回転可能である。駆動機構は、フレームに固定され、フレームを移動させるように構成されている。
【0007】
別の実施形態では、システムは、螺旋形状に形成された針を含み、針は、フィラメントを引っ張るように構成された後端部と、物体を穿孔するように成形された前端部と、を有するシャフトを含む。駆動トラックは、針の経路を案内するように位置決め可能である。針駆動機構は、フレームを含む。第1のローラ及び第2のローラは、フレーム内で互いに平行に回転可能に取り付けられ、螺旋状に形成された針のシャフトとその間で係合するように構成されている。第1のローラ及び第2のローラは、逆回転するように構成されている。針は、第1のローラ及び第2のローラの逆回転に応答して、第1のローラの周りで回転可能である。駆動機構は、フレームに固定され、駆動トラックに沿ってフレームを移動させるように構成されている。
【0008】
更なる例示的な実施形態では、例示的な方法において、針のシャフトの対向する側部が、第1のローラ及び第2のローラの平行面の間で係合され、針は、螺旋形状で形成され、フィラメントをその後端部から引っ張るように構成されている。第1のローラ及び第2のローラは、逆回転させて、螺旋形状の針を、物体に隣接して位置決めされた第1のローラの周りで回転させて、針の前端部を第1のローラの外面に隣接する物体に穿孔させる。第1のローラ及び第2のローラは、物体の縁部に沿って並進される。第1のローラ及び第2のローラを逆回転させ、第1のローラ及び第2のローラを並進させることにより、針がフィラメントを引っ張り、第1のローラの外面に隣接する物体の縁部を縫合させる。
【0009】
別の例示的な実施形態では、装置は、2つの略平行なローラを逆回転可能に支持するように構成されたフレームを含む。フレームによって支持された第1のローラは、螺旋形状の針のシャフトの第1の面と転動可能に係合するように構成された平坦な表面を有する。フレームによって支持された第2のローラは、シャフトの第2の面を少なくとも部分的に受容するように構成された溝を画定する溝付き表面を有する。溝の底部は、第2の面と少なくとも同じ幅の底部幅を有し、第2の面よりも広い表面幅を有する、溝付き表面の溝開口部まで延在する側部によって境界付けられる。
【0010】
別の実施形態では、システムは、螺旋形状の針を含み、針は、フィラメントを引っ張るように構成された後端部と、物体を穿孔するように成形された前端部と、を有するシャフトを含む。針駆動機構は、間隙を挟んで2つの略平行なローラを逆回転可能に支持するように構成されたフレームを含む。第1のローラは、螺旋形状の針のシャフトの第1の面と転動可能に係合するように配設された平坦な表面を有する。フレームによって支持された第2のローラは、シャフトの第2の面を少なくとも部分的に受容するように構成された溝を画定する溝付き表面を有する。溝の底部は、第2の面と少なくとも同じ幅の底部幅を有し、第2の面よりも広い表面幅を有する、溝付き表面の溝開口部まで延在する側部によって境界付けられる。駆動機構は、フレームに固定され、ローラを逆回転させ、フィラメントによって縫合される物体の縁部に沿ってフレームを移動させるように構成されている。
【0011】
更なる例示的な実施形態では、例示的な方法において、螺旋形状の針のシャフトの対向する面は、第1のローラと第1のローラと平行な第2のローラとの間で係合される。第1のローラは、シャフトの第1の面と係合する平坦な表面を含み、第2のローラは、溝内のシャフトの第2の面を少なくとも部分的に受容する溝を画定する溝付き表面を含む。溝の底部は、第2の面と少なくとも同じ幅の底部幅を有し、第2の面よりも広い表面幅を有する、溝付き表面の溝開口部まで延在する側部によって境界付けられる。第1のローラ及び第2のローラは、逆回転させて、螺旋形状の針を、物体に隣接して位置決めされた第1のローラの周りで回転させて、針の前端部を第1のローラの外面に隣接する物体に穿孔させる。第1のローラ及び第2のローラは、物体の縁部に沿って並進される。第1のローラ及び第2のローラを逆回転させ、第1のローラ及び第2のローラを並進させることにより、針がフィラメントを引き込み、第1のローラの外面に隣接する物体の縁部を縫合させる。
【0012】
更に別の実施形態では、装置は、2つの略平行なローラを逆回転可能に支持するように構成されたフレームを含む。第1のローラは、フレームによって支持され、第1のローラは、螺旋形状の針のシャフトの第1の面と転動可能に係合するように構成された平坦な表面を有する。第2のローラは、フレームによって支持され、第2のローラは、シャフトの第2の面を少なくとも部分的に受容するように構成された螺旋溝を画定する溝付き表面を有する。第2のローラは、溝の前方端部において溝の幅まで先細になる溝の前方端部において、側面によって境界付けられた補正凹部を更に画定する。第1のローラ及び第2のローラの逆回転に応答して、前端部が、補正凹部内に受容されるとき、側面のうちの少なくとも1つは、前端部と係合し、前端部を溝の前方端部に案内する。
【0013】
更に別の実施形態では、システムは、螺旋形状の針を含み、針は、フィラメントを引っ張るように構成された後端部と、物体を穿孔するように成形された前端部と、を有するシャフトを含む。フレームは、2つの略平行なローラを逆回転可能に支持するように構成されている。第1のローラは、フレームによって支持され、第1のローラは、螺旋形状の針のシャフトの第1の面と回転可能に係合するように構成された平坦な表面を有する。第2のローラは、フレームによって支持され、第2のローラは、シャフトの第2の面を少なくとも部分的に受容するように構成された螺旋溝を画定する溝付き表面を有する。第2のローラは、溝の前方端部において溝の幅まで先細になる溝の前方端部において、側面によって境界を付けられた補正凹部を更に画定する。第1のローラ及び第2のローラの逆回転に応答して、前端部が、補正凹部内に受容されるとき、側面のうちの少なくとも1つは、前端部と係合し、前端部を溝の前方端部に案内する。駆動機構は、フレームに固定され、ローラを逆回転させ、フィラメントによって縫合される物体の縁部に沿ってフレームを移動させるように構成されている。
【0014】
更に別の実施形態では、例示的な方法において、螺旋形状の針は、溝付きローラと対向する平坦ローラとの間で逆回転可能に動かされる。針の前端部は、溝付きローラによって画定された螺旋溝の前方端部において、補正凹部内に受容される。針の前端部は、補正凹部の少なくとも1つの側面によって係合される。針の前端部は、少なくとも1つの側面に沿って、螺旋溝の前方端部に案内される。
【0015】
更なる実施形態では、装置は、縫合機構から延在するように構成された少なくとも1つの案内部材を含み、縫合機構は、針が、縫合される物体の周りで針が前進しながら、軸の周りで螺旋形状の針を回転させるように構成されている。案内トラックは、物体の周りに位置決めされ、物体の周りの関節のある経路内に縫合機構を案内するように構成されている。案内トラックは、案内部材を受容するように構成された少なくとも1つの案内チャネ
ルを画定する。少なくとも1つの案内チャネルは、案内部材の移動を方向付けて、縫合機構を枢動させ、軸を湾曲した案内トラックに接線方向に再位置合わせさせるように構成されている。
【0016】
更なる実施形態では、システムは、後端部からフィラメントを引っ張るように構成された螺旋形状の針を含む。縫合機構は、縫合される物体の周りで縫合機構を転動可能に前進させ、少なくとも1つの案内部材を支持しながら、軸の周りで針を回転させるように構成されている。案内トラックは、物体の周りに位置決めされ、物体の周りの関節のある経路内に縫合機構を案内するように構成されている。案内トラックは、案内部材を受容するように構成された少なくとも1つの案内チャネルを画定する。少なくとも1つの案内チャネルは、案内部材の移動を方向付けて、縫合機構を枢動させ、軸を湾曲した案内トラックに接線方向に再位置合わせさせるように構成されている。
【0017】
更に別の実施形態では、例示的な方法において、縫合機構は、湾曲した経路の周りで転動可能に前進し、縫合機構は、螺旋形状の針を軸の周りで回転させるように構成されている。針は、針の前端部及び後端部に身体を通過させるように回転される。縫合機構は、縫合機構に湾曲した経路の周りの場所で枢動させるように、関節のある経路に沿って案内され、ここで針の前端部及び後端部は、針の前端部が次に身体を穿孔する前に、軸を湾曲した経路の接線方向に再位置合わせするように身体から離れている。
【0018】
更なる特徴、利点、及び適用分野は、本明細書に提供される説明から明らかになるであろう。説明及び具体的な例は、単に例示目的のために意図され、本開示の範囲を限定することは意図されないことを理解されたい。
【0019】
本明細書に説明される図面は、単に例示目的のためであり、決して本開示の範囲を制限することは意図されない。図面における構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、開示された実施形態の原理を例示することに重点を置かれる。図面において以下を含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】螺旋形状の針で物体を縫合するための装置の一実施形態の斜視図である。
図2図1の装置の部分切り取り形態の斜視図である。
図3図1の装置を案内するための駆動トラック上に位置決めされた、図1の装置の、それぞれ上面斜視図、及び底面斜視図である。
図4図1の装置を案内するための駆動トラック上に位置決めされた、図1の装置の、それぞれ上面斜視図、及び底面斜視図である。
図5図1の装置を使用して縫合するプロセスを例示するために、図3及び図4の案内トラックに沿った異なる場所における、図1の装置の図である。
図6図1の装置を使用して縫合するプロセスを例示するために、図3及び図4の案内トラックに沿った異なる場所における、図1の装置の図である。
図7図1の装置に回転力を付与するモータを有するシステムの斜視図である。
図8】物体を縫合する例示的な方法のフロー図である。
図9】螺旋形状の針で物体を縫合するための装置の別の実施形態の、部分切欠形態における斜視図である。
図10図9の装置と連動して使用される螺旋形状の針の側面図である。
図11図10の針の断面図である。
図12図11の針と係合する、図9の装置のローラの概略図である。
図13】矩形状の溝に針を係合する図12のローラの概略図である。
図14】針のシャフトに衝突し、針のシャフトに対して力を適用する、溝の側面の概略図である。
図15】溝の側面が針のシャフトに衝突することを防止するようにサイズ決定された拡幅溝の概略図である。
図16】溝の側部が針のシャフトに衝突することを防止するために、拡開状の側部を有する溝の概略図である。
図17】針を圧縮する横断力にさらされる針と係合する図9の装置のローラの概略図である。
図18】補正凹部内に針を受容する図9の装置のローラの概略図である。
図19】補正凹部内に針を受容する図9の装置のローラの概略図である。
図20】補正凹部内に針を受容する図9の装置のローラの概略図である。
図21】補正凹部によって受容され、溝に案内される針の側面図である。
図22】補正凹部によって受容され、溝に案内される針の側面図である。
図23】補正凹部によって受容され、溝に案内される針の側面図である。
図24】補正凹部の他の形状を用いる、図9の装置の溝付きローラの概略図である。
図25】補正凹部の別の実施形態における針を受容する、図9の装置のローラの概略図である。
図26A】溝付きローラ上の補正凹部を潜在的に欠いている針の概略軸方向図である。
図26B】溝付きローラ上の補正凹部を潜在的に欠いている針の概略軸方向図である。
図27A】螺旋状半径を有する針の概略軸方向図である。
図27B】螺旋状半径を有する針の概略軸方向図である。
図28A】溝付きローラの表面に衝突し、次いで補正凹部内に受容される、図27A及び図27Bの針の概略図である。
図28B】溝付きローラの表面に衝突し、次いで補正凹部内に受容される、図27A及び図27Bの針の概略図である。
図29】吻合手技において2つの導管を接合する部分として枢動されている螺旋形状の針の概略図である。
図30】湾曲したトラックの周りで回転されている、図9の縫合機構の概略図である。
図31】代表的な関節のある縫合経路の概略図である。
図32】例示的な案内トラックの上面平面図である。
図33】縫合機構が図32の案内トラックの周りを移動する際に縫合機構を枢動させる案内部材の概略図である。
図34】縫合機構が図32の案内トラックの周りを移動する際に縫合機構を枢動させる案内部材の概略図である。
図35】縫合機構が図32の案内トラックの周りを移動する際に縫合機構を枢動させる案内部材の概略図である。
図36】縫合機構が図32の案内トラックの周りを移動する際に縫合機構を枢動させる案内部材の概略図である。
図37】物体を縫合する例示的な方法のフロー図である。
図38】物体を縫合する別の例示的な方法のフロー図である。
図39】物体を縫合する別の例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
3桁の参照番号の第1の桁は、要素が最初に現れる図の番号に対応することに留意されたい。
【0022】
以下の説明は、例示としてのみであり、限定するものではない、外科的吻合手技において、共に接合される導管の接合部などの物体を縫合するための非侵襲性装置、システム、及び方法の様々な実施形態を説明する。
【0023】
非限定的な概要として考え、かつ図1を参照すると、様々な実施形態では、装置100は、フレーム110を含む。ローラ120及び121は、フレーム110内で互いに平行に回転可能に取り付けられ、螺旋状に形成された針190のシャフト191とその間で係合するように構成されている。ローラ120及び121は、逆回転するように構成されている。針190は、ローラ120及び121の逆回転に応答してローラ120の周りで回転可能である。駆動機構150は、フレーム110に固定され、フレーム110を移動させるように構成されている。
【0024】
ここで、概要が与えられており、様々な実施形態の詳細は、例示としてのみ与えられた非限定的な例として説明され、限定するものではない。
【0025】
更に図1を参照すると、様々な実施形態では、装置100は、導管又は他の物体を共に縫合するのに十分に適することができる。このような実施形態では、フレーム110は、ローラ120及び121を支持するように適合される。ローラ120及び121は、1つ以上の物体(図1には図示せず)を縫合するために、フィラメントを引っ張るように針190を駆動するように構成されている。CABG手技の例では、物体は、吻合手技を完了するために縫合糸で接合され得る受容導管内のドナー導管の端部及び開口部を含み得る。様々な実施形態では、装置100は、例えば、患者の胸骨(図示せず)の下に作製された剣状切開部を介する患者の胸腔への挿入によって、体腔に挿入するために小型であるように適合される。縫合に使用するために比較的小さい切開を通して挿入された装置100の挿入は、従来のCABG手技におけるドナー静脈の埋め込み及び縫合を行うために一般的に使用され得るように、中央胸骨切開術の性能から生じる可能性がある潜在的外傷、リスク、及び長期間の治癒プロセスの低減に寄与するのに役立ち得ることが理解されるであろう。
【0026】
しかしながら、装置100の使用は、CABG手技に限定されないことが理解されるであろう。非限定的な例として考えると、装置100は、限定するものではないが、動脈と透析のための静脈との間に動静脈瘻を縫合すること、腸壁の腸と皮膚との間、又は以前に介在する部分が除去されたときに腸区分の結合端部に形成された大腸瘻を縫合するために使用されてもよい。したがって、そのような制限は意図されず、推測されるべきではないことが理解されるであろう。
【0027】
様々な実施形態では、フレーム110内の凹部は、図2を参照して以下で更に説明されるように、ローラ120及び121を受容する。フレーム内の凹部は、ローラ120及び121が回転し、外部の回転力源によって駆動されることを可能にする。ローラ120のみが図1で露出されるが、ローラ121は、図2を参照して以下で説明されるように、ローラ120の構造と同様の構造を有し得る。ローラ120は、針190のシャフト191と係合するようにサイズ決定され、かつ成形される多数の溝124を画定するシリンダ122を含む。具体的には、溝124は、針190のシャフト191を少なくとも部分的に受容するための幅及び断面形状を有するように成形される。溝124はまた、針190のピッチに適応するように角度付けされる。溝124の幅及びピッチは、図2を参照して以下で更に説明される。様々な実施形態では、ローラ120のシリンダ122はまた、ローラ121がローラ120の溝124に針190を押圧するように構成された略平滑な表面又は略テクスチャ加工された表面を有しながら、溝124の特徴部を画定してもよい。
【0028】
様々な実施形態では、駆動ギア126及び127は、ローラ120及び121にそれぞれ係合するように構成されている。いくつかの実施形態では、駆動ギア126及び127は、それぞれ、ローラ120及び121と結合されてもよい。いくつかの他の実施形態では、駆動ギア126及び127は、それぞれ、ローラ120及び121の一部として一体的に形成されてもよい。駆動ギア126及び127は、ローラ120の第1の方向への回転が、ローラ121を第2の反対方向に逆回転させるように交互配置される。その結果、ローラ121に回転力を付与することにより、例えば、ローラ121を(矢印128で示されるように)第1の回転方向に回転させ、かつローラ120を(第1の回転方向とは反対側の矢印129で示されるように)第2の回転方向に逆回転させる。駆動シャフト又は駆動ケーブルなどの回転可能な部材130は、ローラ120及び121の一方に回転力を提供してローラ120及び121を逆回転させるために、ローラ120又はローラ121に直接機械的に結合され得る。
【0029】
様々な実施形態では、針190は、針190がその周りで回転するローラ120の半径よりも大きい半径を有する。それゆえ、針190のシャフト191が、ローラ120とローラ121との間に係合されるとき、針190の軸及びローラ120の軸は、共線ではない。結果として、(ローラ120及び121の逆回転によって引き起こされる)針190の回転は、針190にローラ120の周りを回転させる。ローラ120の周りの針190の回転は、ローラ120及び121が針190を駆動することを可能にし、それにより、針190がローラ120に隣接する物体(図1には図示せず)を繰り返し穿孔させる。
【0030】
様々な実施形態では、装置100は、縫合される物体(図1には図示せず)の周りで特定のコースに沿って動作するように装置100を案内する駆動トラック(図1には図示せず)に従うように適合されてもよい。かかる実施形態では、案内ブラケット140は、フレーム110上に配設されてもよい。案内ブラケット140は、駆動トラックの縁部を受容してフレーム110を駆動トラック上に保持するように成形された内部案内部142を画定する。案内ブラケット140はまた、駆動機構150を受容し、駆動機構150を駆動トラックに対して保持して、駆動機構150が駆動トラックに沿って装置100を動かすことを可能にするように構成され得る。フレーム110は、フレーム110を駆動トラックに保持するために駆動トラックと転動可能に係合するように構成された1つ以上の横方向ローラ146を含んでもよい。横方向ローラ146は、図1に示されるように、案内ブラケット140上又は案内ブラケット140に隣接してフレーム110上に取り付けられてもよい。
【0031】
様々な実施形態では、駆動機構150は、ウォームギア152を含み、これはウォームギア152の回転が駆動トラックに沿って装置100を移動させるようにピッチされる。いくつかの実施形態では、ウォームギア152は、ウォームギア152に回転力を提供する回転可能な駆動部材154と係合するように構成されている。いくつかの他の実施形態では、ウォームギア152は、回転可能部材130又はローラ120及び121のうちの1つ以上と、1つ以上のギア(図1に図示せず)を通して係合されて、ウォームギア152に回転力を提供してもよい。
【0032】
付加的に図2を参照すると、様々な実施形態では、ローラ120及び121の両方は、針190のシャフト191と係合するために、それぞれ溝124及び225を含む。図2に示されるように、溝124及び225は、針190のシャフト191とピンチ可能に、かつ転動可能に係合するように反対方向にピッチされる。溝124及び225の幅247は、針190のシャフト191の幅290と解放可能に係合するようにサイズ決定される。溝124及び225のピッチφは、針190のピッチθと一致する。対応する幅247及び290並びに対応するピッチφ及びθは、ローラ120及び121が逆回転すると、ローラ120及び121がローラ120の周りで針190の回転を駆動することを可能にする。針190自体は、装置100(図1)によって共に縫合されるドナーの縁部及び受容導管を含み得る非限定的組織などの、物体又は複数の物体を穿孔するように成形される前端部292を含む。針190はまた、物体を共に縫合するために使用されるフィラメント299を受容するか、又はフィラメント299に取り付けられるように構成された後端部294を含んでもよい。
【0033】
更に図2を参照すると、ローラ120及び121は、それぞれ、フレーム110内に回転可能に受容されるシリンダ122及び223を含む。一端において、シリンダ122及
び223は、フレーム110を通って延在する円筒形開口部214内に回転可能に受容されてもよい。対向する端部において、シリンダ122及び223の各々は、丸みを帯びた凹部212又は円筒形開口部214内に受容されてもよい。いくつかの実施形態では、円筒形開口部214は、ローラ121と固定可能に結合された駆動シャフト229が、フレーム110を通って延在することを可能にし得る。かかる実施形態では、駆動シャフト229は、それゆえ回転可能部材130と係合し、それによりローラ121に回転力を提供することができる。回転力はまた、交互配置された駆動ギア126及び127を介してローラ120に提供され、それによりローラ120及びローラ121を逆回転させる。いくつかの他の実施形態では、駆動シャフト229は、ローラ120と固定可能に結合され得、そのため交互配置された駆動ギア126及び127が、ローラ121に回転力を付与し、それによりローラ120及びローラ121を逆回転させることが理解されるであろう。
【0034】
様々な実施形態では、回転可能部材130は、結合部232によって駆動シャフト229に機械的に接合されてもよく、結合部232は、非限定的に、はめ込みねじなどの取り付けデバイス234によって固定可能であり、かつ取り外し可能であり得る。回転可能部材130は、装置100の外部に配設されたモータ(図2には図示せず)によって駆動されてもよい。円筒形の開口部214及び/又は丸みのある凹部212は、ローラ120及び121とフレーム110との間、並びに/若しくは駆動軸229とフレーム110との間の、摩擦及び/又は振動を低減するために、ナイロン又は他の材料で形成されたブッシング(図2には図示せず)を含んでもよい。
【0035】
図3を更に参照すると、様々な実施形態では、駆動トラック300は、縫合される物体の周りに装置(図3には図示せず)を案内するために使用される。図3は、吻合手技におけるなど、受容導管(図3には図示せず)に接合される遠位縁部361を有するドナー導管360を示す。駆動トラック300は、ドナー導管360などの物体の周りに位置決めされ得、次いで接合部304で機械的に結合され得る別個の区分302及び303を含んでもよい。駆動トラック300は、ウォームギア152によって係合されるように成形され、かつサイズ決定された歯306を支持する。様々な実施形態では、回転駆動部材154によって付与される回転力は、ウォームギア152を駆動し、それゆえ、ウォームギア152が、装置100を案内トラック300に沿って並進させる。ウォームギア152と駆動トラック300との相互作用は、それゆえ、装置100を、ドナー導管360の遠位端部361などの物体の縁部に沿って並進させる。様々な実施形態では、駆動トラック300は、物体に沿って画定された内側チャネル308を含み、この内側チャネル308は、針(図3に図示されず)が装置100から物体まで及び物体を通って延在することを可能にする。
【0036】
加えて図4を参照すると、フレーム110の案内ブラケット140は、駆動トラック300に沿って装置100を案内する。受容導管362は、駆動トラック300の下に開口部363を画定する。案内ブラケット140は、駆動トラック300と係合し、駆動トラック300は、案内ブラケット140によって画定された内部案内部142内に受容される。前述されたように、案内ブラケット140は、駆動トラック300の歯306に対してウォームギア152を保持する。結果として、回転駆動部材154によってウォームギア152に付与される回転力は、針190が駆動トラック300内のチャネル308を通過して、物体を縫合する際に、ウォームギア152が、駆動トラックの周りで装置100を移動させる。
【0037】
加えて図5及び図6を参照すると、装置100は、針190が回転して、物体を縫合する際に、駆動トラック300の周りを移動する。図5に示されるように、装置100は、駆動トラック300に沿って第1の点500に位置し、針190は、駆動トラック300内の第1のチャネル501を通って延在する。図6に示されるように、ウォームギア15
2の回転は、針190が回転されている間に、案内トラック300に沿って装置100を第2の点600に移動させている。結果として、針190は、ここで、駆動トラック300内の第2のチャネル603を通って延在する。針190が物体を通って回転される際の、案内トラック300の周りの装置100の運動は、それゆえ物体を縫合する(この非限定的な例では、ドナー導管360と受容導管362との接合部である)。
【0038】
図3図6に示されるように、駆動トラック300は、例えば、導管を共に接合するために、物体の周りに装置100を導いて、物体を縫合するように構成された丸みのあるトラックであることが理解されるであろう。しかしながら、線形駆動トラックは、例えば、創傷又は切開を閉じるために線形縫合を形成するために使用され得ることが理解されるであろう。それゆえ、開示される実施形態は、任意の特定の形状又はサイズの駆動トラック300に限定されることを意図するものではなく、そのような制限は推測されるべきではないことが理解されるであろう。
【0039】
加えて図7を参照すると、及び様々な実施形態では、例示的なシステム700では、駆動トラック300は、縫合される物体又は複数の物体の周りに位置決めされる。モータ780は、ローラ120及び121(図7には図示せず)を回転させ、ウォームギア152を駆動するための回転力を提供する。様々な実施形態では、単一のモータ780又は複数のモータ(図示せず)を使用して、駆動機構150のローラ120及び121及びウォームギア152に回転力を提供することができる。モータ780は、ギアボックス782を含み得、そのため、所望に応じて、単一のモータ780が、ローラ120及び121に結合された回転部材130及び駆動機構150のウォームギア152に結合された回転駆動部材154に異なる速度で回転力を提供してもよい。システム700は、回転部材130及び回転駆動部材154と接続するための駆動リンク機構784及び786を含んでもよい。駆動リンク機構784及び786は、装置100の運動及び位置決めを調節しながら、回転力を提供するための可撓性駆動ケーブルを含んでもよい。
【0040】
様々な実施形態では、図7に示されるように、ギアボックス782は、ローラ120及び121並びに駆動機構150に延在する複数の駆動リンク機構784及び786を有するモータ780に、又はそれに隣接して位置決めされ得る。いくつかの他の実施形態では、ギアボックス782は、装置100に位置決めされてもよく、そのためローラ120及び121のうちの1つに付与される回転力は、駆動機構150に機械的に伝達されてもよく、又はその逆であってもよい。その結果、モータ780から装置まで延在する単一のリンク機構のみにより、かかる実施形態では、回転力が、ローラ120及び121並びに駆動機構150の両方に提供されてもよい。
【0041】
加えて図8を参照すると、様々な実施形態では、吻合などの物体を縫合する例示的な方法800が、提供される。方法800は、ブロック805で開始する。ブロック810において、針のシャフトの対向する側部が、第1のローラ及び第2のローラの平行面の間に係合され、針は螺旋形状で形成され、フィラメントをその後端部から引っ張るように構成されている。ブロック820において、第1のローラ及び第2のローラは、逆回転されて、螺旋形状の針を物体に隣接して位置決めされる第1のローラの周りで回転させる。第1のローラ及び第2のローラの逆回転は、針の前端部に、第1のローラの外側面に隣接する物体を穿孔させる。ブロック830において、第1のローラ及び第2のローラは、物体の縁部に沿って並進される。第1のローラ及び第2のローラを逆回転させ、第1のローラ及び第2のローラを並進させることにより、針がフィラメントを引っ張り、第1のローラの外面に隣接する物体の縁部を縫合させる。物体が縫合されると、方法800は、ブロック835で終了する。
【0042】
再び図2を参照すると、様々な実施形態では、ローラ120及び121の両方は、針190のシャフト191と係合するために、それぞれ、溝124及び225を含む。対照的に、他の実施形態では、ローラのうちの1つのみが、針190のシャフト191と係合する溝を含み得る。
【0043】
図9を参照すると、装置900は、同じ構成要素の多くを含み、1つの例外を有するが、図2を参照して説明された装置100と同じ様式で動作する。装置900では、ローラ921は、ローラ121の表面の周りに巻き付いて、針990のシャフト991の一方の側部と係合する溝925を含む。図2の装置100と同様に、溝925のピッチは、以下に更に説明されるように、針990のピッチに対応するように角度付けされる。しかしながら、図2の装置100とは対照的に、対向するローラ920の表面928は、針990を受容する溝を含まないか、又は画定しない。
【0044】
図2の装置100と同様に、針990のシャフト991は、ローラ920及び921によって対向する側部上で再度摩擦係合される。対照的に、図2の装置100では、針190のシャフト191は、それぞれ、ローラ120及び121の溝124及び225によって両側上に係合された。しかしながら、図9の装置900では、針990のシャフト991は、一方の側部上のローラ920の表面928と、反対側のローラ921の溝925と、によって摩擦係合される。図2の装置100と同様に、ローラ921及び920が逆回転しながら、ローラ921及び920が針990のシャフト991の対向する側部と摩擦係合すると、針990を回転させる。また、図2の装置100と同様に、針990の回転により、針990の前端部992が、針990の後端部994によって引っ張られたフィラメント299によって縫合される物体を穿孔する。
【0045】
図2を参照して前述されたように、溝925のピッチφは、針990が溝921内に嵌合するように、針990のピッチθと一致する。針990は、ローラ921よりもその軸の周りでより大きな半径を有し、図9に示されるように、ローラ921は、1回で溝925の全ての回転において針990と係合せず、ローラ921は、針990の各回転に対して複数回回転し得ることが理解されるであろう。それゆえ、溝925のピッチφは、針990が溝925に戻って回転するとき、針990を受容するように、針990のピッチθに対応するが、これは、溝925のピッチφが、針990のピッチθに等しいことを意味しないことが理解されるであろう。
【0046】
図10を参照すると、螺旋状針990は、逆回転ローラ920及び921(図9)によって動かされるとき、その周りを回転する軸1001を有する。図12で以下に示されるように、また図2の装置100の場合と同様に、軸1001は、ローラ920及び921のいずれかの軸と同軸上に位置決めされていない。その代わりに、軸1001は、ローラ920及び921の軸と平行であり、それにより、針がローラ920及び921によって係合される場所とは反対側の針990の側で、針990がそれ自体の軸1001を中心に回転して縫合される身体(図9には図示せず)と係合ながら、ローラ920及び921によって回転されることを可能にする。様々な実施形態では、針990のシャフト991は、以下に更に記載されるように、矩形又は正方形の断面を有してもよい。
【0047】
図10の軸10-10に沿って取られた針990のシャフト991の部分における図11を参照すると、針990のシャフト991は、略矩形又は正方形の断面1100の対向する側部を境界付ける、対向する平坦表面1102及び1104を有する。対向する平坦表面1102及び1104は、ローラ921の溝925内の一方の側部で係合可能であり、他方の側部ではローラ920の表面928によって係合可能である。
【0048】
図12を参照すると、針990のシャフト991は、ローラ921の矩形状の溝925内に受容される。矩形状の溝925は、ローラ921の溝付き表面1220において、開口部1214に各々延在する略平坦な側部1216によって境界付けられる略平坦な底部1212によって境界付けられる。
【0049】
図13を参照すると、針990のシャフト991は、ローラ921の溝925内に受容される。針990のシャフト991は、ローラ921の溝925の開口部1212を通って受容される。針990のシャフト991の側部上の平坦表面1102は、溝925の略平坦な側面1216の間の溝925の略平坦な底部1212によって係合される。対向するローラ920の表面928は、針990のシャフト991の反対側と係合し、針990のシャフト991を溝925内に押圧し、そのため針990のシャフト991は、両方の側部上で摩擦係合される。
【0050】
様々な実施形態では、溝925の底部1212は、シャフト991の側部上の平坦表面1102の幅よりも大きくなるようにサイズ決定された幅Wを有する。針990は螺旋形状であるため、シャフト991は、針990の縁部上の平坦表面1102から離れて角度をなす。幅Wが平坦な表面1102の幅よりも大きいことにより、溝925の側部1216が針990のシャフト991の側部993に衝突することなく、螺旋形状の針990が、溝925内に受容されることを可能にする。
【0051】
図14を参照すると、溝925が針990の縁部上の平坦表面1102よりも広い幅Wを有することなく、針990のシャフト991の側部993に衝突する溝925の側部1216は、針990を不必要に変形させ得る。針990が対向するローラ920(図14には図示せず)によって溝に押圧される際に、溝が針990の縁部上の平坦表面1102に等しいか又はそれよりわずかに大きい幅Woを有する場合、溝925の側部1216は、針990のシャフト991の側部993に力1401を適用するはずである。力1401は、螺旋形状の針990をその軸1001に沿って圧縮し、その結果、溝925に嵌合するように捻られた針990の再位置合わせされた形態1491をもたらすことができる。針990の圧縮は、溝925及び針990のそれぞれ相対的なピッチφ及びθ、それ以上一致することはなく、それにより、溝925が針990を案内する能力を妨げ、又は他の望ましくない効果もたらし得る。
【0052】
幅Wの溝925を有する図15を参照すると、針990のシャフト991は、溝925の側部1216が針990のシャフト991の側部993に衝突することなく、溝925内に嵌合する。その結果、溝925の拡幅された幅Wは、その軸1001に沿った針990の圧縮などの望ましくない効果を回避する。様々な実施形態では、各側部における針990の平坦表面1102の幅よりも20パーセント大きい溝幅Wを使用することで、側部1216が針990のシャフト991に衝突することなく、溝925内の針990のシャフト991に適切に適応する。
【0053】
図16を参照すると、溝付きローラ1621の様々な実施形態は、針990のシャフト991に適応するために2つの拡開状の側部1650を有する溝1625を含み得る。それゆえ、図16に示されるように、溝1625は、略台形の断面を有し、図13図15を参照して前述されたように、針990の螺旋形状により、針のシャフト991が溝925の側部1216に向かって(又は側部1216に)角度付けされるため、幅Wを有する溝925を有することが、針990のシャフト991を受容するために望ましい。幅Wは、針990のシャフト991が針990の縁部に沿って平坦表面1102から離れて角度をなすので、針990のシャフト991の側部993に適応するために使用される。それゆえ、図16に示されるように、溝1625の底部1612は、Wよりも小さくてもよいが、溝1625の側部1650は、溝1625の底部1612から、溝付きローラ1621の表面1620における開口部1614での幅Wまで拡開する。拡開状の側部1650は、シャフト991に衝突することなく、針990のシャフト990に適応して、前述されたように針990を変形させる場合がある、針990に力を加えることを回避する。
【0054】
図17を参照すると、針990上の力1702はまた、前端部992が、縫合されている身体(図17に図示せず)を出て、溝付きローラ121に向かって戻るように回転する際、針991の前端部992が溝225を逃すことがある。溝225に回転する代わりに、針990の前端部992は、溝225の外側のローラ121の表面1704に衝突する。力1702は、いずれかの方向に作用することができ、それにより、針990の前端部992が、いずれかの側部上の溝225を逃す可能性があることが理解されるであろう。
【0055】
図18を参照すると、補正凹部1810は、溝付きローラ1821の溝1825の前方端部1812に位置してもよい。補正凹部1810は、以下に説明されるように、針990の前端部992を溝1825に戻すように方向付けるじょうご又は案内部として機能する、拡開状の側面1830及び1831によって境界付けられ得る。側面1830及び1831は、針991の前端部992を受容するための拡幅領域を画定する。それゆえ、力1702は、針990に作用しない(これにより針990の前端部992に、溝1825を逃し、ローラ121の表面1704に衝突させる)。代わりに、針の前端部992は、補正凹部1810内に受容される。次いで、後述するように、ローラ1821及び920の逆回転は、補正凹部1810を針990の前端部992に対して回転させて、針990を溝1825に戻すように案内させることになる。
【0056】
図19を参照すると、ローラ1821及び920が方向1920に回転する溝付きローラ1821と逆回転する際、補正凹部1810は、対向するローラ920に向かって回転する。補正凹部1810の移動により、補正凹部1810の側面1830が針990の前端部992に衝突することになる。側面1830は、針990の前端部992を方向1940に移動させて、前端部992を溝1825の前方端部1812に向かって案内する。
【0057】
図20を参照すると、溝付きローラ1821の方向1920への更なる回転により、針の前端部992は、溝1825の前方端部1812に案内される。補正凹部(図20には図示せず)は、付加的な縫合を形成した後に、針990の後に続く回転で針990の前端部992を受容するための位置に繰り返し回転することになる。
【0058】
図20を引き続き参照すると、様々な実施形態では、溝1825は、溝1825の残りの部分2050の規則的な深さd2と比較して、溝1825の前方端部1812において、又はその付近に、低減された深さd1を有し得る。前方端部1812における低減された深さd1は、前方端部1812における溝1825と対向するローラ920との間の低減されたクリアランスをもたらし得る。かかる低減されたクリアランスにより、対向するローラ920が、溝1825の前方端部1812において針990に対してより高い圧力の適用をもたらすことができる。低減された深さd1(及び結果として生じるより高い圧力)は、針990が補正凹部1810によって溝1825に再度方向付けされた後、その次の回転を開始する際に、ローラ920及び1821が針990を確実に把持することを可能にする。
【0059】
図21図23を参照すると、針の前端部992は、補正凹部1810の側面1830によって、溝付きローラ1821の溝1825の前方端部1812に方向付けられる。図21を参照すると、針990の前端部992は、補正凹部1810の側部を画定する側面1830と側面1831との間の補正凹部1810に受容される。図18を参照して前述されたように、針990の前端部992は、溝1825の外側に置かれ、その側部は、図21図23で点線で表現される。
【0060】
図22を参照すると、溝付きローラ1821が図19を参照して説明されるように回転されると、補正凹部1810の側面1830は、針990の前端部992と係合する。溝付きローラ1821が図19を参照して説明されるように回転されると、補正凹部1810は、側面1830と側面1831との間で狭くなることが理解されるであろう。図23を参照すると、溝付きローラ1821が、図20を参照して説明されるように更に回転されると、補正凹部1810の側面1830及び1831(図20には図示せず)が、溝1825の前方端部1812に合流する。それゆえ、補正凹部1810は、溝1825の外側の場所で針990の前端部992を受容し、針990の前端部992を溝1825に方向付ける。
【0061】
図24及び図25を参照すると、溝付きローラは、図17図23を参照して説明されたもの以外の形状の補正凹部を含んでもよい。図24を参照すると、例えば、溝付きローラ2421は、一方の側部でのみ広がっている補正凹部2410を含んでもよい。例えば、針990上に作用する力のみが、針990を方向2502に偏向させるであろうことが予想され得る。それゆえ、補正凹部2410は、溝2425の前方端部2412から真っ直ぐに延在する1つの側面2431と、針990の前端部992の方向2402への偏向に適応する1つの拡開状の側面2430と、を含んでもよい。単一の拡開状の側面2430は、針990の前端部992の任意の予想される偏向に適応するべきである。
【0062】
補正凹部の側面は、直線状の拡開形状に限定されないことが理解されるであろう。図25を参照すると、例えば、補正凹部2510は、針990の前端部992と係合するために、1つ以上の湾曲した、又は他の非直線の表面2530及び2531を含んでもよい。湾曲した側面2530及び2531はまた、前端部992を溝2525の前方端部2512に案内するために、針990の前端部992に衝突する働きをしてもよい。補正凹部の側面は、任意の特定の幾何学的形状に限定されない。
【0063】
図26A及び図26Bを参照すると、針990によって遭遇される抵抗、又はローラ920とローラ1821との間の針990の滑りなどの螺旋状の針990の移動に影響を及ぼし得る力に基づいて、前端部992が補正凹部1810に向かって回転するときに、針990の前端部992に補正凹部1810を逃させることができる。
【0064】
図26Aを参照すると、針990の一部分は、針990がローラ920の周りを回転することを図示する。図26A図26B、及び図27Aにおける針990の軸方向図、並びに図27A及び図27Bにおける針2790の軸方向図は、それらの軸の周りで完全な円弧未満で記載する、針990及び2790の突起部を示すことが理解されるであろう。しかしながら、実際には、針990及び2790は、縫合を形成する際にそれらの軸の周りを完全に回転するので、ローラ920及び1821が、針990及び2790のシャフトと係合することを可能にするように、それらの軸の周りで完全な円弧を超えて事実上記載する。
【0065】
針990及び2790は、それぞれ針990及び2790の狭小で、尖った前端部992及び2792を考慮するために、部分的に、それらの軸の周りで完全な円弧を超えて記載し、これは、ローラ920及び1821によって係合されるには狭すぎる場合がある。同様に、針990及び2790が、縫合(図26A図27Bに図示せず)を形成するために使用される、それらが引っ張るフィラメントに係合するように、狭小であり又は先細りになり得る、針990及び2790の後端部は、ローラ920及び1821によって係合されるには、狭すぎる場合がある。したがって、針990及び2790は、ローラ920及び1821によって係合可能でなくてもよい端部を可能にするために、それらの軸の周りで完全な円弧を超えて記載する。いずれの場合も、図26A図27Bの針990及び2790は、それらの軸の周りで完全な円弧を記載しないで表現されて、前端部992又は2792の位置が、針990又は2790の重なり合う部分によって潜在的に不明瞭になることなく、それぞれ、針990又は2790の前端部992又は2792の位置を示すことができる。
【0066】
図26Aを引き続き参照すると、針990が、ローラ920及び1821の逆回転の結果として、方向2601に回転する際、針990の前端部992は、溝付きローラ1821の表面に形成された補正凹部1810に接近する。図26Bを参照すると、記載されるようないくつかの力が、針990の移動を妨げるとき、補正凹部1810が回転するように、溝付きローラ1821が回転してもよく、そのため針990の前端部992は、補正凹部1810によって受容されない。一般的に言えば、螺旋状の針990の半径Rは、溝付きローラの半径rの整数倍ということになり、そのため、補正凹部1810の移動が、針990の回転と同期して、針990の前端部992を受容する。換言すれば、針990の半径R(又は針の直径)とローラ1810の半径r(又は針990の直径)との間の比は、2以上の整数ということになる。しかしながら、針990上に作用する力は、針990及び溝付きローラ1810の回転の同期を妨げることがあり、それゆえ、針990が、ローラ1810の半径rの整数倍未満であり得る半径Rを有することを示す(又はRのrに対する比は、2又は別の整数未満のRのrに対する比であるべきである)。
【0067】
図27A及び図28Bを参照すると、螺旋状の針990の半径を減少させることは、溝付きローラ1810との同期問題を回避するために、針の回転を妨げ得る力を補償することができる。図27Aを参照すると、螺旋状の針2790は、針990の半径R(針2790との比較のために、図27Aにおいて破線形態で表現される)よりも約5パーセント小さい半径R’を有する。それゆえ、溝付きローラ1810の半径rの2倍の半径Rを有する針990とは対照的に、針は、約1.9R、又はRより5パーセント小さい半径R’を有する。半径Rの針990を有する図26Aとは対照的に、短くなった半径R’を有することで、針2790の前端部2792は、針2790の回転のこの時点で、針990の前端部992よりも溝付きローラ1821により近い。図27Bを参照すると、針2790が方向2701に回転するので、針2790の前端部2792は、補正凹部1810内に受容される。
【0068】
図28A及び図28Bを参照すると、針2790の前端部2792は、補正凹部1810が針2790の前端部2792を受容する位置に回転される前に、溝付きローラ1821の表面2804に到達し得る。針2790は、前述されたように、溝付きローラ1810の半径rの整数倍未満の半径R’を有するので、針2790は、この実施例では、針2790の半分未満の半径rを有する溝付きローラが2回転を完了する前に、回転を完了し得る。それゆえ、針2790の前端部2792は、補正凹部1810が針2790の前端部2792を受容する位置になる前に、溝付きローラ1821の表面2804に到達し得る。図28Aを参照すると、針2790の前端部2792は、それゆえ、補正凹部1810の外側の溝付きローラ1821の表面2804上に衝突し得る。
【0069】
しかしながら、図28Bを参照すると、溝付きローラ1821がローラ920との逆回転で方向2801に回転し続ける際、補正凹部1810は、針2790の前端部2792の下で回転する。それゆえ、補正凹部1810が前端部2792を受容する位置になる前に、半径R’を有する針2790の前端部2792が補正凹部1810と係合する位置にある場合であっても、前端部2792は、補正凹部1810に摺動することができるまで溝付きローラ1821の表面2804に沿って摺動することになる。
【0070】
前端部2792が補正凹部1810に受容される前に、前端部2792が、溝付きローラ1821の表面2804と対向するローラ920の表面2821との間の間隙2825に到達する必要がある場合であっても、針2790は、ローラ1821とローラ920との間の間隙2825に滑り込むことができない。螺旋状の針990又は2790は、溝付きローラ1821の溝2425内に受容されたときにのみ、ローラ920とローラ1821との間に嵌合するようにサイズ決定されることが想起され、理解されるであろう。したがって、針2790は、間隙2825に嵌合するには、幅が広すぎる。それゆえ、針2790の前端部2792は、補正凹部2810が、針2790の前端部2792の下を回転するまで、溝付きローラ1821の表面2804に沿って摺動することになる。その時点で、針2790の前端部2792は、図18図25を参照して前述されたように、補正凹部1810によって捕捉され、チャネル2425に案内されることになる。
【0071】
図29を参照すると、螺旋形状の針2910は、ドナー導管2922と受容導管2924との間に形成されている吻合接合部2920の周りで移動される。針2910は、接合部2920の周りを移動する際に枢動して、針2910がその軸の周りを回転するにつれて、導管2922及び2924を接合するように縫合するために、針2910を適所に配置することが理解されるであろう。(針2910の経路に続く連続的なストランドで針2910によって引っ張られる縫合糸は、図29に図示されない。)特に、針2910の回転が、導管2922及び2924を通過する針の前端部及び後端部をもたらすように、針2910は、その軸が接合部に対して略接線方向になるように枢動される。
【0072】
第1の位置2930において、針2910は、2つの点2932及び2934で受容導管2924を穿孔し、単一の点2938において、ドナー導管2922を穿孔することも理解されるであろう。針2910が、受容導管2924の組織を2つの点2932及び2934で穿孔するので、第1の位置2930において、針2910を枢動させることを試みることは、受容導管2924の組織を変形及び/又は伸張させることになり、それにより受容導管の組織を破断させ、かつ/又は針2910を変形させる可能性がある。対照的に、第2の位置2940において、針2910は、針2910が単一の点2942において受容導管2924の組織を穿孔し、単一の点2948においてドナー導管2922を穿孔するように回転する。針2910は、受容導管2924及びドナー導管2922の各々の組織を、各々1つの点2942及び2948で、それぞれ穿孔するので、第2の位置2940において針2910を枢動させることは、受容導管2924の組織の変形若しくは伸張、受容導管の組織の破断、及び/又は針2910の変形を、低減又は回避する。それゆえ、針2910が、好ましくは1点のみである、最小数の点で組織を穿孔する位置において、針2910を枢動させることが望ましい。
【0073】
図30を参照すると、システム3000は、図1を参照して前述されたものと同様の、縫合機構3010を含む。縫合機構3010は、図4図7を参照して前述されたように、案内トラック3050の周りで移動される。縫合機構3010は、前述されたように、組織(図30に図示せず)を通して螺旋形状の針2910を駆動して、縫合を形成する。案内トラック3020は、接合される導管(図30に図示せず)の周りに位置する開口部3052を画定する。案内トラック3020はまた、縫合機構3010の駆動機構(図30に図示せず)によって係合される外向きの歯又はノッチを含んで、縫合機構3010を案内トラック3050の周りで移動させることができる。案内トラック3050は、案内トラック3010が(図29に図示されるように)ドナー導管の周りに位置する及び/又はドナー導管の周りから除去されることを可能にするために、継手3065において接合可能な区分3061及び3063から形成されてもよい。
【0074】
縫合機構3010は、縫合機構が案内トラック3050の周りを移動し、及び/又は縫合を形成する際に枢動される、3つの異なる場所3020、3030、及び3040に図示される。第1の位置3020において、縫合機構3010は、静止しており、針2910は、単一の点3022において組織(図30に図示せず)を穿孔する。図29を参照して説明されるように、これは、縫合機構3010が、枢動して、組織の変形若しくは破断、及び/又は針2910の変形を低減又は回避するために枢動され得る状況である。第2
の位置3030において、縫合機構3010は、方向3031に移動し、針2910は、単一の点3032において組織(図30に図示せず)を穿孔する。縫合機構3010が、方向3031に移動しているので、針2910と組織との間の力3034が存在し得、組織及び/又は針2910を変形させ得る。第3の位置3040において、縫合機構3010は、方向3031に移動しており、針2910は、単一の点3032において組織(図30に図示せず)を穿孔する。方向3041に移動する縫合機構3010の移動は、それぞれ、針が組織を穿孔する、点3042及び3046において、針2910と組織との間の力3044及び3048をもたらす。複数の非平行力3044及び3048は、組織及び/又は針2910の著しい変形をもたらし得る。それゆえ、縫合機構3010が静止しながら、又は少なくとも針2910が組織を単一の点で穿孔して、組織又は針を変形させ得る力を低減させながら、縫合機構3010を枢動させることが望ましいことが理解されるであろう。選択的枢動を促進するために案内トラック3050を形成することにより、このプロセスを促進することができる。
【0075】
図31を参照すると、案内トラック(図31に図示せず)は、関節のある経路3100を判定することによって形成されてもよい。様々な実施形態では、関節のある経路3100は、縫合される物体の周りの経路3110を含む。様々な実施形態では、経路3110は、縫合機構(図31に図示せず)が枢動される、多くの点3120を含む。これらの点3120は、例えば、針(図31に図示せず)が単一の場所で組織を穿孔するだけの、経路3110の周りの間隔における場所を含んでもよい。同時に、図30を参照して説明されるように、縫合機構が、場所2720、2730、及び2740、並びに移動2731、及び2741を参照して説明されるように、枢動されながら、案内トラックの周辺部の周りの移動を最小限に抑えることが望ましい。それゆえ、案内トラックは、縫合機構が枢動され、次いで点3120間のセグメント3130に沿って方向付けられる点3120から開始することによって計画される。実際には、針(図31には図示せず)を回転させて、縫合を形成し、縫合を一時停止し、次いで縫合機構を点3120の次に移動させるためにステッパモータを使用することが望ましい場合がある。案内トラックは、以下で更に説明されるように、縫合機構を点3120で枢動させ、縫合機構を次の点に方向付けるように成形されてもよい。
【0076】
図32を参照すると、案内トラック3200は、関節のある案内チャネル3210を画定する。関節のある案内チャネル3210は、縫合機構(図32には図示せず)によって支持された第1の案内部材3250を受容し、かつ係合するように構成されている。第1の案内部材3250は、縫合機構から直接固定可能に延在してもよく、又は第1の案内部材3250と固定可能に結合され、縫合機構と結合可能な基部(図32には図示せず)から延在してもよい。縫合機構及び/又は基部の配向は、図32図35内の物体3260によって表現される。
【0077】
関節のある案内チャネル3210は、案内トラック3200の周辺部の周りに多数の隆起部3220を含む。隆起部3220は、物体3260の外縁3254に沿って駆動機構(図32には図示せず)によって付与された接線移動3256に応答して、案内部材3250を、案内トラック3200に沿って横方向及び半径方向に移動させるように交互に方向付け、それにより物体3260を案内トラック3200の周りで動かす。
【0078】
加えて、案内トラック3200はまた、第2の案内部材3290を受容かつ係合するように構成された、均一な案内チャネル3280を含んでもよい。第2の案内部材3290は、縫合機構から直接固定可能に延在してもよく、又は第2の案内部材3250と固定可能に結合され、縫合機構と結合可能である基部(図32には図示せず)から延在してもよい。第2の案内部材3290は、縫合される物体の周りの楕円形又は他の経路内で移動する。以下で更に説明されるように、案内部材3250及び3280のそれぞれのチャネルにおける相対移動は、物体3260を並進及び回転させて、関節のある経路3100に沿った移動をもたらす(図31)。関節のある経路3100に沿ったこの移動により、縫合機構(図示せず)が、ある点での縫合を形成することと、枢動することと、次の点へ移動することと、接合部がその周辺部の周りに縫合されるまでプロセスを繰り返すことと、を可能にする。
【0079】
駆動機構によって物体3260の外側縁部3254に沿って付与された接線方向の移動3256により、案内部材3250及び3290とそれぞれの案内チャネル3210及び3280との係合は、物体3260の枢動及び移動を方向付ける。図33図36を参照して更に説明されるように、隆起部3220の枢動部分3230は、物体3260の枢動をもたらし、隆起部3220の並進部分3240は、物体3260の枢動点間の半径方向移動をもたらす。
【0080】
第1の案内部材3250が、隆起部3220の枢動部分3230のうちの1つに沿って移動するとき、第1の案内部材3250は、関節のある案内チャネル3210に沿って半径方向、及び案内トラック3200の中心から外向きの両方で移動する。第1の案内部材3250は、半径方向に移動しながら、部分的に、枢動部分3230に沿って外向きに移動するので、(第1の案内部材3250に強固に接続されている)第2の案内部材3290は、概して、均一な案内チャネル3280を通って移動することが阻止される。その結果、第1の案内部材3250が、隆起部3220の枢動部分3230のうちの1つに沿って移動する間、物体3260は、略静止した第2の案内部材3290の周りを枢動する。
【0081】
対照的に、第1の案内部材3250が、隆起部3220の並進部分3240のうちの1つに沿って移動するとき、第1の案内部材3250は、案内トラック3200の中心に向かって内向きに移動しながら、関節のある案内チャネル3210に沿って、移動しないか、又はわずかに半径方向に移動するのみである。第1の案内部材3250は、部分的に、並進部分3240に沿って内向きに移動するので、第2の案内部材3290が、均一な案内チャネル3280を通って前進する際、物体3260は、第1の案内部材3250の周りを枢動する。その結果、第1の案内部材3250は、隆起部3220の並進部分3240のうちの1つに沿って移動しながら、物体3260は、案内トラック3200の周りを半径方向に移動する。それゆえ、(縫合機構であるか、又は縫合機構と結合されている)物体3260の交互の枢動及び並進は、組織又は針(どちらも図32に図示せず)の変形を低減しながら、図31の関節のある経路3100に、物体の縫合を方向付けることをもたらす。
【0082】
図33図36を参照すると、案内チャネル3210及び3280と案内部材3250及び3290の係合は、隆起部3220(図32)が、どのように案内トラックの周りで物体3260の枢動及び並進を方向付けるかについての実施例を提供する。図33図36の各々において、図32を参照して前述されたように、接線方向移動3256は、駆動機構(図33図36に図示せず)によって物体3260に適用される。
【0083】
図33を参照すると、第1の案内部材3250は、隆起部3220(図32)のうちの1つの第1の並進部分3301と係合する。第1の案内部材3250が半径方向の移動を遮断され、第1の並進部分3301によって内向きに移動するように方向付けられながら、接線方向移動3256が物体3260に適用されて、第2の案内部材3290は、第1の案内部材3250の周りを枢動し、均一な案内チャネル3280を通って、セグメント3303に沿って移動する。その結果、物体3260は、案内トラックの周りで次の枢動点に並進する。
【0084】
図34を参照すると、第1の案内部材3250は、隆起部3220(図32)のうちの1つの第1の枢動部分3401と係合する。第1の案内部材3250が、第1の枢動部分3401に沿ってわずかに外向き及び半径方向に方向付けられながら、接線方向移動3256が物体3260に適用されて、第2の案内部材3290は、均一な案内チャネル3280を通って前方に移動することが阻止され、物体3260は弧3405を通って回転する。それゆえ、物体3260は、第2の案内部材3200の周りを枢動する。
【0085】
図35を参照すると、第1の案内部材3250は、隆起部3220(図32)のうちの1つの第2の並進部分3501と係合する。第1の案内部材3250が半径方向の移動を再度遮断され、第1の並進部分3501によって内向きに移動するように再度方向付けられながら、接線方向移動3256が物体3260に適用されて、第2の案内部材3290は、第1の案内部材3250の周りを枢動し、均一な案内チャネル3280を通って、セグメント3503に沿って移動する。その結果、物体3260は、案内トラックの周りで次の枢動点に並進する。
【0086】
図36を参照すると、第1の案内部材3250は、隆起部3220(図29)のうちの1つの第2の枢動部分3601と係合する。第1の案内部材3250が、第1の枢動部分3601に沿ってわずかに外向き及び半径方向に再度方向付けられながら、接線方向移動3256が物体3260に適用されて、第2の案内部材3290は、均一な案内チャネル3280を通って前方に移動することが再度阻止され、物体3260は弧3605を通って回転する。それゆえ、物体3260は、第2の案内部材3290の周りを再度枢動する。このプロセスは、第1の案内部材3250が、関節のある案内チャネル3210に沿って、交互の並進部分23240及び隆起部3220の枢動部分3230の各々と連続的に係合する際、繰り返される。
【0087】
図37を参照すると、様々な実施形態では、例示的な方法3700が、少なくとも1つの拡開状の側部を備える溝を有する溝付きローラを使用して、吻合などの物体を縫合するために提供される。方法3700は、ブロック3705で開始する。ブロック3710において、螺旋形状の針のシャフトの対向する面は、第1のローラと第1のローラと平行な第2のローラとの間で係合される。第1のローラは、シャフトの第1の面と係合する平坦な表面を含み、第2のローラは、溝内のシャフトの第2の面を少なくとも部分的に受容する溝を画定する溝付き表面を含む。図15及び図16を参照して説明されるように、溝の底部は、第2の面と少なくとも同じ幅の底部幅を有し、第2の面よりも広い表面幅を有する、溝付き表面の溝開口部まで延在する側部によって境界付けられる。ブロック3720において、第1のローラ及び第2のローラは、逆回転される。ブロック3730において、針は、第1のローラ及び第2のローラの逆回転に応答して、第1のローラの周りを回転する。ブロック3740において、物体は、第1のローラ及び第2のローラの逆回転に応答して、針の前端部で穿孔される。ブロック3750において、針は、第1のローラ及び第2のローラの逆回転に応答して、2つの第1のローラ及び第2のローラの間に戻される。ブロック3760において、針は、第1のローラ及び第2のローラの逆回転に応答して、溝内に受容される。方法3700は、ブロック3765で終了する。
【0088】
図38を参照すると、様々な実施形態では、例示的な方法3800が、補正凹部内に針を捕捉し、逆回転ローラの溝に戻るように案内するために提供される。方法3800は、ブロック3805で開始する。ブロック3810において、螺旋形状の針は、溝付きローラと対向する平坦ローラとの間で回転可能に動かされる。ブロック3820において、針の前端部は、図18及び図24を参照して前述されたように、溝付きローラによって画定された螺旋溝の前方端部の補正凹部内に受容される。ブロック3830において、針の前端部は、図19及び図22を参照して前述されたように、補正凹部の少なくとも1つの側面によって係合される。ブロック3740において、針の前端部は、図20及び図23を参照して前述されたように、少なくとも1つの側面に沿って螺旋溝の前方端部に案内される。方法3700は、ブロック3845で終了する。
【0089】
図39を参照すると、様々な実施形態では、提示的な方法3900が、縫合機構を選択的に枢動及び並進させるために提供される。方法3900は、ブロック3905で開始する。ブロック3910において、縫合機構は、湾曲した経路の周りに動かされ、縫合機構が、螺旋形状の針を軸の周りで回転させるように構成されている。ブロック3920において、針は、回転されて、針の前端部及び後端部に身体を通過させる。ブロック3930において、縫合機構は、図32図36を参照して前述されたように、関節のある経路に沿って案内されて、縫合機構を湾曲した経路の周りの場所で枢動させる。縫合機構は、針の前端部が身体を穿孔する前に、針の前端部及び後端部が身体から離れて、軸が湾曲した経路の接線方向に再位置合わせされるとき、枢動する。方法3900は、ブロック3935で終了する。
【0090】
さらに、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。
条項1.装置であって、
2つの略平行なローラを逆回転可能に支持するように構成されたフレームと、
前記フレームによって支持された第1のローラであって、前記第1のローラが、螺旋形状の針のシャフトの第1の面と転動可能に係合するように構成された平坦表面を有する、第1のローラと、
前記フレームによって支持された第2のローラであって、前記第2のローラが、前記シャフトの第2の面を少なくとも部分的に受容するように構成されている螺旋溝を画定する溝付き表面を有し、前記第2のローラが、前記溝の前方端部において側面によって境界付けされた補正凹部を更に画定し、前記溝の前記前方端部において前記溝の幅に向かって先細りになり、前記第1及び前記第2のローラの逆回転に応答して、前記前端部が、前記補正凹部内に受容されるとき、前記側面のうちの少なくとも1つが、前記前端部と係合し、前記前端部を前記溝の前記前方端部に案内する、第2のローラと、を備える、装置。
条項2.前記補正凹部の前記側面のうちの少なくとも1つが、前記溝の前記前方端部の縁部から接線方向に分岐する、条項1に記載の装置。
条項3.前記補正凹部が、台形形状である、条項2に記載の装置。
条項4.前記補正凹部の最大幅が、前記針の外部物体通過時の前記前端部の偏向、及び前記針が前記外部物体を通過する際の前記フレームの回転によって引き起こされた前記前端部の偏向のうちの少なくとも1つから生じる、前記前端部の偏向後、前記針の前記前端部を受容するようにサイズ決定されている、条項1に記載の装置。
条項5.前記溝の前記前方端部における前記溝の第1の深さが、前記溝の後縁部に向かって前記溝の第2の深さよりも浅くなる、条項1に記載の装置。
条項6.前記螺旋形状の針の半径が、前記第2のローラの半径の整数倍未満である、条項1に記載の装置。
条項7.前記螺旋形状の針の前記半径が、前記第2のローラの前記半径の整数倍の約5パーセント未満である、条項6に記載の装置。
条項8.回転力を付与する回転部材を受容し、前記回転力を前記ローラに適用して、前記ローラを平行な回転軸に沿って逆回転させるように構成された回転機構を更に備える、条項1に記載の装置。
条項9.システムであって、
螺旋形状の針であって、フィラメントを引っ張るように構成された後端部と、物体を穿孔するように成形された前端部と、を有するシャフトを含む、螺旋形状の針と、
針駆動機構と、を備え、前記針駆動機構が、
2つの略平行なローラを逆回転可能に支持するように構成されたフレームと、
前記フレームによって支持された第1のローラであって、前記第1のローラが、螺旋形状の針のシャフトの第1の面と転動可能に係合するように構成された平坦表面を有する、第1のローラと、
前記フレームによって支持された第2のローラであって、前記第2のローラが、前記シャフトの第2の面を少なくとも部分的に受容するように構成された螺旋溝を画定する溝付き表面を有し、前記第2のローラが、前記溝の前方端部において側面によって境界付けされた補正凹部を更に画定し、前記溝の前記前方端部において前記溝の幅に向かって先細りになり、前記第1及び前記第2のローラの逆回転に応答して、前記前端部が、前記補正凹部内に受容されるとき、前記側面のうちの少なくとも1つが、前記前端部と係合し、前記前端部を前記溝の前記前方端部に案内する、第2のローラと、
前記フレームに固定され、前記ローラを逆回転させ、かつ前記フィラメントによって縫合される物体の縁部に沿って前記フレームを移動させるように構成された駆動機構と、を含む、システム。
条項10.前記補正凹部の前記側面のうちの少なくとも1つが、前記溝の前記前方端部の縁部から接線方向に分岐する、条項9に記載のシステム。
条項11.前記補正凹部が、台形形状である、条項10に記載のシステム。
条項12.前記補正凹部の最大幅が、前記針の外部物体通過時の前記前端部の偏向、及び前記針が前記外部物体を通過する際の前記フレームの回転によって引き起こされた前記前端部の偏向のうちの少なくとも1つから生じる、前記前端部の偏向後、前記螺旋形状の針の前記前端部を受容するようにサイズ決定されている、条項9に記載のシステム。
条項13.前記螺旋溝の前記前方端部における前記溝の第1の深さが、前記溝の後縁部に向かって前記溝の第2の深さよりも浅くなる、条項9に記載のシステム。
条項14.前記螺旋形状の針の半径が、前記第2のローラの半径の整数倍未満である、条項9に記載のシステム。
条項15.前記螺旋形状の針の前記半径が、前記第2のローラの前記半径の整数倍の約5パーセント未満である、条項14に記載のシステム。
条項16.前記針の前記シャフトが、略矩形の断面を有する、条項9に記載のシステム。
条項17.前記溝が、前記針の前記シャフトの前記略矩形の正方形断面を受容するように構成された、略矩形の断面、及び台形形状の断面のうちの1つを有する、条項16に記載のシステム。
条項18.装置であって、
縫合機構から延在するように構成された少なくとも1つの案内部材であって、前記縫合機構が、縫合される物体の周りで針が前進しながら、軸の周りで螺旋形状の針を回転させるように構成されている、案内部材と、
前記物体の周りに位置決めされており、前記物体の周りの関節のある経路内に前記縫合機構を案内するように構成された案内トラックであって、前記案内トラックが、前記案内部材を受容するように構成された少なくとも1つの案内チャネルを画定し、前記少なくとも1つの案内チャネルが、前記縫合機構を枢動させて、前記軸を前記湾曲した案内トラックに接線方向に再位置合わせさせるように、前記案内部材の移動を方向付けるように構成されている、案内トラックと、を備える、装置。
条項19.前記少なくとも1つの案内チャネルが、前記少なくとも1つの案内チャネルの少なくとも1つの側に形成された複数の隆起部を含み、前記複数の隆起部の各々が、前記縫合機構を枢動させるために、前記少なくとも1つの案内部材と係合するように位置決めされている、条項18に記載の装置。
条項20.前記案内トラックが、2つの案内チャネルを画定し、前記2つの案内チャネルが、
前記縫合機構から延在する第1の案内部材を受容するように構成された均一な案内チャネルと、
前記複数の隆起部を含み、前記縫合機構から延在する第2の案内部材を受容するように構成された関節のある案内チャネルであって、前記関節のある案内チャネルが、前記第2の案内部材と選択的に係合して、前記縫合機構を前記第2の案内部材の周りで枢動させる、関節のある案内チャネルと、を含む、条項19に記載の装置。
条項21.前記均一な案内チャネルが、縫合される前記物体に隣接する内側案内経路を含み、
前記関節のある案内チャネルが、前記内側案内経路を取り囲む外側案内経路を含む、条項20に記載の装置。
条項22.前記複数の隆起部の各々が、前記縫合機構を前記第2の案内部材の周りで枢動させるために、前記第1の案内部材が前記均一な案内チャネルを通って前進しながら、前記関節のある案内チャネルを通る前記第2の案内部材の前進を選択的に制限するように成形されている、条項20に記載の装置。
条項23.前記複数の隆起部の各々が、前記第2の案内部材を前記物体から外向きに移動するように案内して、前記縫合機構を枢動させるように構成された枢動部分と、前記第2の案内部材を前記関節のある案内チャネルを通って前進させるように方向付けるように構成された並進部分と、を含む、条項22に記載の装置。
条項24.前記案内トラックが、前記湾曲した案内トラックの周りで前記縫合機構を転動可能に前進させるように構成された転動可能な駆動機構を受容するために、前記案内トラックの外側リムの周りに駆動トラックを更に備える、条項18に記載の装置。
条項25.前記案内トラックが、前記縫合機構上のギア付き駆動部を受容するように構成されたギア付きトラックを含む、条項24に記載の装置。
条項26.前記案内トラックが、前記湾曲したトラックを形成するために前記物体の周りに結合可能な複数のトラック区分を含む、条項18に記載の装置。
条項27.システム装置であって、
後端部からフィラメントを引っ張るように構成された螺旋形状の針と、
縫合される物体の周りで前記縫合機構を転動可能に前進させ、少なくとも1つの案内部材を支持しながら、軸の周りで前記針を回転させるように構成された縫合機構と、
前記物体の周りに位置決めされており、前記物体の周りの関節のある経路内に前記縫合機構を案内するように構成された案内トラックであって、前記案内トラックが、前記案内部材を受容するように構成された少なくとも1つの案内チャネルを画定し、前記少なくとも1つの案内チャネルが、前記縫合機構を枢動させて、前記軸を前記湾曲した案内トラックに接線方向に再位置合わせさせるように、前記案内部材の移動を方向付けるように構成されている、案内トラックと、を備える、システム装置。
条項28.前記少なくとも1つの案内チャネルが、前記少なくとも1つの案内チャネルの少なくとも1つの側に形成された複数の隆起部を含み、前記複数の隆起部の各々が、前記縫合機構を枢動させるために、前記少なくとも1つの案内部材と係合するように位置決めされている、条項27に記載のシステム。
条項29.前記案内トラックが、2つの案内チャネルを画定し、前記2つの案内チャネルが、
前記縫合機構から延在する第1の案内部材を受容するように構成された均一な案内チャネルと、
前記複数の隆起部を含み、前記縫合機構から延在する第2の案内部材を受容するように構成された関節のある案内チャネルであって、前記関節のある案内チャネルが、前記第2の案内部材と選択的に係合して、前記縫合機構を前記第2の案内部材の周りで枢動させる、関節のある案内チャネルと、を含む、条項28に記載のシステム。
条項30.前記均一な案内チャネルが、縫合される前記物体に隣接する内側案内経路を含み、
前記関節のある案内チャネルが、前記内側案内経路を取り囲む外側案内経路を含む、条項29に記載のシステム。
条項31.前記複数の隆起部の各々が、前記縫合機構を前記第2の案内部材の周りで枢動させるために、前記第1の案内部材が前記均一な案内チャネルを通って前進しながら、前記関節のある案内チャネルを通る前記第2の案内部材の前進を選択的に制限するように成形されている、条項29に記載のシステム。
条項32.前記複数の隆起部の各々が、前記第2の案内部材を前記物体から外向きに移
動するように案内して、前記縫合機構を枢動させるように構成された枢動部分と、前記第2の案内部材を前記関節のある案内チャネルを通って前進させるように方向付けるように構成された並進部分と、を含む、条項31に記載のシステム。
条項33.前記案内トラックが、前記湾曲した案内トラックの周りで前記縫合機構を転動可能に前進させるように構成された転動可能な駆動機構を受容するために、前記案内トラックの外側リムの周りに駆動トラックを更に備える、条項27に記載のシステム。
条項34.前記案内トラックが、前記縫合機構上のギア付き駆動部を受容するように構成されたギア付きトラックを含む、条項33に記載のシステム。
条項35.前記案内トラックが、前記湾曲したトラックを形成するために前記物体の周りに結合可能な複数のトラック区分を含む、条項27に記載のシステム。
【0091】
上に示した発明を実施するための形態は、本質的に単に例示的なものであり、請求項に係る主題の主旨及び/又は趣旨から逸脱しない変形が、請求項の範囲内にあることが意図されることが理解されよう。このような変形は、請求項に係る主題の趣旨及び範囲から逸脱するものとしてみなされない。
【符号の説明】
【0092】
100 装置
110 フレーム
120 ローラ
121 ローラ
122 シリンダ
124 溝
126 駆動ギア
127 駆動ギア
130 回転可能部材
140 案内ブラケット
142 内部案内部
146 横方向ローラ
150 駆動機構
152 ウォームギア
154 回転駆動部材
190 針
191 シャフト
212 凹部
214 円筒形開口部
223 シリンダ
225 溝
229 駆動シャフト
232 結合部
234 デバイス
292 前端部
294 後端部
299 フィラメント
300 案内トラック
304 接合部
306 歯
308 内側チャネル
360 ドナー導管
361 遠位縁部
362 受容導管
363 開口部
500 第1の点
501 第1のチャネル
600 第2の点
603 第2のチャネル
700 システム
780 モータ
782 ギアボックス
784 駆動リンク機構
786 駆動リンク機構
900 装置
920 逆回転ローラ
921 逆回転ローラ
925 溝
928 表面
990 螺旋状針
991 シャフト
992 前端部
993 側部
994 後端部
1001 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図27A
図27B
図28A
図28B
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
【外国語明細書】