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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174670
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20231201BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231201BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20231201BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20231201BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 670A
G09G3/20 670C
G09G3/20 670E
G09G3/20 621J
G09G3/20 612J
G09G3/20 612A
G09G3/20 622A
G09G3/20 623A
G02F1/133 580
B60K35/00 Z
H04N5/66 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023151938
(22)【出願日】2023-09-20
(62)【分割の表示】P 2021160714の分割
【原出願日】2018-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2017172957
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017172960
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017172965
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉野 泰寛
(72)【発明者】
【氏名】川田 真司
(72)【発明者】
【氏名】野間口 葉子
【テーマコード(参考)】
2H193
3D344
5C006
5C058
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZA04
2H193ZF43
2H193ZF44
2H193ZH21
2H193ZH30
2H193ZH79
2H193ZK06
2H193ZK09
2H193ZK14
2H193ZK17
2H193ZR07
3D344AA17
3D344AA27
3D344AD01
3D344AD13
5C006AF41
5C006AF43
5C006AF45
5C006AF53
5C006AF57
5C006AF64
5C006AF65
5C006AF67
5C006AF68
5C006BB16
5C006BC03
5C006BC11
5C006BC20
5C006BF09
5C006BF25
5C006EA01
5C006EB01
5C006EC09
5C058AA06
5C058BA35
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080BB06
5C080CC07
5C080DD16
5C080EE12
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080KK20
(57)【要約】
【課題】液晶表示装置の構成部品であるICが単体では自己の異常を検出できない場合でも異常の検出が可能な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は、複数行のゲート線、複数列のソース線、複数個のスイッチ、及び複数個の液晶セルを有する画素アレイと、前記ゲート線に接続されるゲートドライバICと、前記ソース線に接続されるソースドライバICと、前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICの動作のタイミングを制御するタイミング制御ICと、前記ソースドライバICに電源電圧を供給するシステム電源ICと、を有する。前記タイミング制御IC及びシステム電源ICそれぞれが、前記ゲートドライバICの異常及び前記ソースドライバICの異常を検出する機能を有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数行のゲート線、複数列のソース線、複数個のスイッチ、及び複数個の液晶セルを有する画素アレイと、
前記ゲート線に接続されるゲートドライバICと、
前記ソース線に接続されるソースドライバICと、
前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICの動作のタイミングを制御するタイミング制御ICと、
前記ソースドライバICに電源電圧を供給するシステム電源ICと、
を有し、
前記タイミング制御IC及びシステム電源ICそれぞれが、前記ゲートドライバICの異常及び前記ソースドライバICの異常を検出する機能を有する、液晶表示装置。
【請求項2】
前記タイミング制御ICが、前記ソースドライバICからのフィードバック信号に基づいて、前記ソースドライバICの異常を検出する、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記タイミング制御ICが、前記ソースドライバICに出力する制御信号の電圧値に基づいて、前記ソースドライバICの異常を検出する、請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記タイミング制御ICが、前記ゲートドライバICからのフィードバック信号に基づいて、前記ゲートドライバICの異常を検出する、請求項1~3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記システム電源ICが、前記ソースドライバICに供給する電源電圧の値に基づいて、前記ソースドライバICの異常を検出する、請求項1~4のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記液晶表示装置が、前記タイミング制御ICから供給される制御信号のレベルをシフトした上で前記ゲートドライバICに伝達するレベルシフタを有し、
前記システム電源ICが、前記レベルシフタに供給する電源電圧の値に基づいて、前記ゲートドライバICの異常を検出する、請求項1~5のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記システム電源ICが、前記タイミング制御ICに電源電圧を供給し、前記タイミング制御ICに供給する電源電圧の値に基づいて、前記タイミング制御ICの異常を検出する、請求項1~6のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記タイミング制御ICによる異常の検出結果及び前記システム電源ICによる異常の検出結果に基づいて、前記液晶表示装置の故障態様を判定する判定部を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
請求項1~9のいずれか一項に記載の液晶表示装置を有する、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、テレビ受像機の出力部やパーソナルコンピュータのモニタとして用いられるだけでなく、例えば車載カメラで撮影した車両周囲の映像を表示するモニタ等としても用いられる。
【0003】
例えば車載カメラで撮影した車両周囲の映像を表示するモニタとして液晶表示装置を用いる場合には、車両の安全を確保するために液晶表示装置の故障検出技術が特に重要視される。
【0004】
また、複数の表示装置を有する映像表示システムの一例として、複数の車載カメラで撮影した車両周囲の映像を車両内の複数の表示装置に表示させる映像表示システムが従来より知られている。
【0005】
例えば特許文献1で提案されている映像表示システムは、左ミラー系の左サイド表示装置と、右ミラー系の右サイド表示装置と、バックミラー系のセンター表示装置と、を有する(特許文献1の段落0061及び0062参照)。左サイド表示装置は、車両の左方向を撮影範囲に含む左サイドカメラで撮影された映像を表示する。右サイド表示装置は、車両の右方向を撮影範囲に含む右サイドカメラで撮影された映像を表示する。センター表示装置は、車両の後方正面を撮影範囲に含むセンターカメラで撮影された映像を表示する。
【0006】
そして、特許文献1には、例えば右ミラー系の撮影・表示機能のみに故障があった場合に左サイド表示装置及びセンター表示装置に故障を報知させてもよいことが記載されている。また、特許文献1には、撮影・表示機能に故障があった場合に撮影・表示機能に故障があった旨の音声を車内音声出力装置に出力させてもよいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-188903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1では、表示装置が液晶表示装置であれば、当該液晶表示装置の液晶駆動用の信号電圧およびバックライトの駆動信号の異常の有無を検出することで、当該液晶表示装置の故障の有無を検出してもよいことが開示されている(特許文献1の段落0087参照)。
【0009】
しかしながら、特許文献1では、液晶駆動用の信号電圧の異常を具体的にどのように検出するかが明らかでなく、特にIC(Integrated Circuit)が異常を自己検出できない場合にどのように対応しているかが不明である。
【0010】
また、特許文献1で提案されている映像表示システムでは、撮影・表示機能の故障を車両内のドライバに報知することはできるものの、表示機能の故障によって表示できなくなった映像を車両内のドライバに提供することはできなかった。
【0011】
また、特許文献1では、表示装置を制御する制御装置が当該表示装置に問合せ信号を出力し、その出力に応じた応答信号が返ってくるか否かに基づいて当該制御装置、当該表示装置、及びそれらを繋ぐケーブルの故障の有無が検出されている(特許文献1の段落0052参照)。さらに、特許文献1には、表示装置が液晶表示装置であれば、当該液晶表示装置の液晶駆動用の信号電圧およびバックライトの駆動信号の異常の有無を検出することで、当該液晶表示装置の故障の有無を検出してもよいことが開示されている(特許文献1の段落0087参照)。
【0012】
しかしながら、特許文献1で提案されている故障検出技術では、信号や電圧に基づいて有無を検出しているため、例えばソースドライバIC(Integrated Circuit)の基板からの一部剥離、ゲートドライバICの基板からの一部剥離、液晶パネルの破損等を検出することが困難であった。
【0013】
本発明は、上記の状況に鑑み、液晶表示装置の構成部品であるICが単体では自己の異常を検出できない場合でも異常の検出が可能な液晶表示装置を提供することを第1の目的とする。
【0014】
本発明は、上記の状況に鑑み、複数の表示装置を有する映像表示システムであって、一部の表示装置が故障した場合に故障を確実に報知できるとともに、故障した表示装置で表示できなくなった映像を出力することができる映像表示システムを提供することを第2の目的とする。
【0015】
本発明は、上記の状況に鑑み、液晶表示装置の故障を検出する故障検出装置であって、信号や電圧に基づく検出では検出困難な故障を容易に検出できる故障検出装置を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本明細書中に開示されている液晶表示装置は、複数行のゲート線、複数列のソース線、複数個のスイッチ、及び複数個の液晶セルを有する画素アレイと、前記ゲート線に接続されるゲートドライバICと、前記ソース線に接続されるソースドライバICと、前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICの動作のタイミングを制御するタイミング制御ICと、前記ソースドライバICに電源電圧を供給するシステム電源ICと、を有し、前記タイミング制御IC及びシステム電源ICそれぞれが、前記ゲートドライバICの異常及び前記ソースドライバICの異常を検出する機能を有する構成(第1の構成)である。
【0017】
上記第1の構成の液晶表示装置において、前記タイミング制御ICが、前記ソースドライバICからのフィードバック信号に基づいて、前記ソースドライバICの異常を検出する構成(第2の構成)にしてもよい。
【0018】
上記第1又は第2の構成の液晶表示装置において、前記タイミング制御ICが、前記ソースドライバICに出力する制御信号の電圧値に基づいて、前記ソースドライバICの異常を検出する構成(第3の構成)にしてもよい。
【0019】
上記第1~第3いずれかの構成の液晶表示装置において、前記タイミング制御ICが、前記ゲートドライバICからのフィードバック信号に基づいて、前記ゲートドライバICの異常を検出する構成(第4の構成)にしてもよい。
【0020】
上記第1~第4いずれかの構成の液晶表示装置において、前記システム電源ICが、前記ソースドライバICに供給する電源電圧の値に基づいて、前記ソースドライバICの異常を検出する構成(第5の構成)にしてもよい。
【0021】
上記第1~第5いずれかの構成の液晶表示装置において、前記液晶表示装置が、前記タイミング制御ICから供給される制御信号のレベルをシフトした上で前記ゲートドライバICに伝達するレベルシフタを有し、前記システム電源ICが、前記レベルシフタに供給する電源電圧の値に基づいて、前記ゲートドライバICの異常を検出する構成(第6の構成)にしてもよい。
【0022】
上記第1~第6いずれかの構成の液晶表示装置において、前記システム電源ICが、前記タイミング制御ICに供給する電源電圧の値に基づいて、前記タイミング制御ICの異常を検出する構成(第7の構成)にしてもよい。
【0023】
上記第1~第7いずれかの構成の液晶表示装置において、前記タイミング制御ICによる異常の検出結果及び前記システム電源ICによる異常の検出結果に基づいて、前記液晶表示装置の故障態様を判定する判定部を有する構成(第8の構成)にしてもよい。
【0024】
上記第1~第8いずれかの構成の液晶表示装置において、前記タイミング制御ICは上面視で第1辺~第4辺を有する略矩形の半導体パッケージであって、前記第1辺と前記第3辺とが対向し、前記第2辺と前記第4辺とが対向し、映像信号を受け取る複数のピンの少なくとも一部は前記第1辺に配置され、前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに出力データを供給する複数のピンの少なくとも一部は前記第3辺に配置される構成(第9の構成)にしてもよい。
【0025】
上記第9の構成の液晶表示装置において、前記映像信号を受け取る複数のピンは、前記第1辺及び前記第2辺に配置される構成(第10の構成)にしてもよい。
【0026】
上記第10の構成の液晶表示装置において、前記第1辺に配置され前記映像信号を受け取るピンは、前記第2辺側に片寄って前記第1辺に配置され、前記第2辺に配置され前記映像信号を受け取るピンは、前記第1辺側に片寄って前記第2辺に配置される構成(第11の構成)にしてもよい。
【0027】
上記第10又は第11の構成の液晶表示装置において、前記第1辺に配置され前記映像信号を受け取るピンの個数は、前記第2辺に配置され前記映像信号を受け取るピンの個数以上である構成(第12の構成)にしてもよい。
【0028】
上記第9の構成の液晶表示装置において、前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに前記出力データを供給する複数のピンは、前記第3辺及び前記第2辺に配置される構成(第13の構成)にしてもよい。
【0029】
上記第13の構成の液晶表示装置において、前記第3辺に配置され前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに前記出力データを供給するピンは、前記第2辺側に片寄って前記第3辺に配置され、前記第2辺に配置され前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに前記出力データを供給するピンは、前記第3辺側に片寄って前記第2辺に配置される構成(第14の構成)にしてもよい。
【0030】
上記第13又は第14の構成の液晶表示装置において、前記第3辺に配置され前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに前記出力データを供給するピンの個数は、前記第2辺に配置され前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに前記出力データを供給するピンの個数以上である構成(第15の構成)にしてもよい。
【0031】
上記第10~第15いずれかの構成の液晶表示装置において、前記ゲートドライバICの異常及び前記ソースドライバICの異常に関する検出結果を出力するピンと、前記システム電源ICから供給される前記ゲートドライバICの異常及び前記ソースドライバICの異常に関する検出結果を入力するピンの少なくとも一方が、前記第4辺に配置される構成(第16の構成)にしてもよい。
【0032】
上記第9~第16いずれかの構成の液晶表示装置において、前記タイミング制御ICにおいて、前記ソースドライバICの書き込み開始トリガとなる第1パルス信号を出力するピンと、前記第1パルス信号をトリガとして書き込みが開始される前記ソースドライバICの書き込みが正常に実行されれば、第2パルス信号を入力するピンとが隣接して設けられる構成(第17の構成)にしてもよい。
【0033】
上記第9~第16いずれかの構成の液晶表示装置において、前記タイミング制御ICにおいて、前記ソースドライバICの書き込み開始トリガとなる第1パルス信号を出力するピンと、前記第1パルス信号をトリガとして書き込みが開始される前記ソースドライバICの書き込みが正常に実行されれば、第2パルス信号を入力するピンとの間に、他のピンが設けられる構成(第18の構成)にしてもよい。
【0034】
本明細書中に開示されている映像表示システムは、複数の表示装置を有する映像表示システムであって、前記複数の表示装置それぞれが自己の故障を検出する故障検出機能を有し、前記複数の表示装置のうち、或る表示装置に故障が検出された場合に、前記複数の表示装置のうち、前記或る表示装置以外の少なくとも一つの表示装置、及び、表示以外の報知を行う報知装置の少なくとも一方が、前記或る表示装置に故障が検出されたことを報知するとともに、前記複数の表示装置のうち、前記或る表示装置以外の少なくとも一つの表示装置が、前記或る表示装置用の映像を表示する構成(第19の構成)である。
【0035】
上記第19の構成の映像表示システムにおいて、前記複数の表示装置のうち、或る表示装置に故障が検出された場合に、前記複数の表示装置のうち、前記或る表示装置以外の少なくとも一つの表示装置が、自己用の映像と前記或る表示装置用の映像とを、自己と前記或る表示装置との位置関係に応じた配置で表示する構成(第20の構成)にしてもよい。
【0036】
上記第19又は第20の構成の映像表示システムにおいて、前記複数の表示装置のうち少なくとも一つが、カメラによって撮影された映像を表示し、前記映像表示システムが、前記カメラから前記表示装置に送信される映像信号の異常を検出する異常検出部を有し、前記異常検出部によって前記映像信号の異常が検出された場合に、前記複数の表示装置のうち、前記或る表示装置以外の少なくとも一つの表示装置、及び、表示以外の報知を行う報知装置の少なくとも一方が、前記映像信号の異常が検出されたことを報知する構成(第21の構成)にしてもよい。
【0037】
上記第19~第21いずれかの構成の映像表示システムにおいて、前記表示装置は、複数行のゲート線、複数列のソース線、複数個のスイッチ、及び複数個の液晶セルを有する画素アレイと、前記ゲート線に接続されるゲートドライバICと、前記ソース線に接続されるソースドライバICと、前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICの動作のタイミングを制御するタイミング制御ICと、前記ソースドライバICに電源電圧を供給するシステム電源ICと、を有する液晶表示装置であって、前記タイミング制御IC及びシステム電源ICそれぞれが、前記ゲートドライバICの異常及び前記ソースドライバICの異常を検出する機能を有する構成(第22の構成)にしてもよい。
【0038】
上記第22の構成の映像表示システムにおいて、前記タイミング制御ICが、前記ソースドライバICからのフィードバック信号に基づいて、前記ソースドライバICの異常を検出する構成(第23の構成)にしてもよい。
【0039】
上記第22又は第23の構成の映像表示システムにおいて、前記タイミング制御ICが、前記ソースドライバICに出力する制御信号の電圧値に基づいて、前記ソースドライバICの異常を検出する構成(第24の構成)にしてもよい。
【0040】
上記第22~第24いずれかの構成の映像表示システムにおいて、前記タイミング制御ICが、前記ゲートドライバICからのフィードバック信号に基づいて、前記ゲートドライバICの異常を検出する構成(第25の構成)にしてもよい。
【0041】
上記第22~第25いずれかの構成の映像表示システムにおいて、前記システム電源ICが、前記ソースドライバICに供給する電源電圧の値に基づいて、前記ソースドライバICの異常を検出する構成(第26の構成)にしてもよい。
【0042】
上記第22~第26いずれかの構成の映像表示システムにおいて、前記液晶表示装置が、前記タイミング制御ICから供給される制御信号のレベルをシフトするレベルシフタを有し、前記システム電源ICが、前記レベルシフタに供給する電源電圧の値に基づいて、前記ゲートドライバICの異常を検出する構成(第27の構成)にしてもよい。
【0043】
上記第22~第27いずれかの構成の映像表示システムにおいて、前記システム電源ICが、前記タイミング制御ICに供給する電源電圧の値に基づいて、前記タイミング制御ICの異常を検出する構成(第28の構成)にしてもよい。
【0044】
上記第22~第28いずれかの構成の映像表示システムにおいて、前記液晶表示装置が、前記タイミング制御ICによる異常の検出結果及び前記システム電源ICによる異常の検出結果に基づいて、前記液晶表示装置の故障態様を判定する判定部を有する構成(第29の構成)にしてもよい。
【0045】
上記第22~第29いずれかの構成の映像表示システムにおいて、前記タイミング制御ICは上面視で第1辺~第4辺を有する略矩形の半導体パッケージであって、前記第1辺と前記第3辺とが対向し、前記第2辺と前記第4辺とが対向し、映像信号を受け取る複数のピンの少なくとも一部は前記第1辺に配置され、前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに出力データを供給する複数のピンの少なくとも一部は前記第3辺に配置される構成(第30の構成)にしてもよい。
【0046】
上記第30の構成の映像表示システムにおいて、前記映像信号を受け取る複数のピンは、前記第1辺及び前記第2辺に配置される構成(第31の構成)にしてもよい。
【0047】
上記第31の構成の映像表示システムにおいて、前記第1辺に配置され前記映像信号を受け取るピンは、前記第2辺側に片寄って前記第1辺に配置され、前記第2辺に配置され前記映像信号を受け取るピンは、前記第1辺側に片寄って前記第2辺に配置される構成(第32の構成)にしてもよい。
【0048】
上記第31又は第32の構成の映像表示システムにおいて、前記第1辺に配置され前記映像信号を受け取るピンの個数は、前記第2辺に配置され前記映像信号を受け取るピンの個数以上である構成(第33の構成)にしてもよい。
【0049】
上記第30の構成の映像表示システムにおいて、前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに前記出力データを供給する複数のピンは、前記第3辺及び前記第2辺に配置される構成(第34の構成)にしてもよい。
【0050】
上記第34の構成の映像表示システムにおいて、前記第3辺に配置され前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに前記出力データを供給するピンは、前記第2辺側に片寄って前記第3辺に配置され、前記第2辺に配置され前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに前記出力データを供給するピンは、前記第3辺側に片寄って前記第2辺に配置される構成(第35の構成)にしてもよい。
【0051】
上記第34又は第35の構成の映像表示システムにおいて、前記第3辺に配置され前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに前記出力データを供給するピンの個数は、前記第2辺に配置され前記ゲートドライバIC及び前記ソースドライバICに前記出力データを供給するピンの個数以上である構成(第36の構成)にしてもよい。
【0052】
上記第31~第36いずれかの構成の映像表示システムにおいて、前記ゲートドライバICの異常及び前記ソースドライバICの異常に関する検出結果を出力するピンと、前記システム電源ICから供給される前記ゲートドライバICの異常及び前記ソースドライバICの異常に関する検出結果を入力するピンの少なくとも一方が、前記第4辺に配置される構成(第37の構成)にしてもよい。
【0053】
上記第30~第37いずれかの構成の映像表示システムにおいて、前記タイミング制御ICにおいて、前記ソースドライバICの書き込み開始トリガとなる第1パルス信号を出力するピンと、前記第1パルス信号をトリガとして書き込みが開始される前記ソースドライバICの書き込みが正常に実行されれば、第2パルス信号を入力するピンとが隣接して設けられる構成(第38の構成)にしてもよい。
【0054】
上記第30~第37いずれかの構成の映像表示システムにおいて、前記タイミング制御ICにおいて、前記ソースドライバICの書き込み開始トリガとなる第1パルス信号を出力するピンと、前記第1パルス信号をトリガとして書き込みが開始される前記ソースドライバICの書き込みが正常に実行されれば、第2パルス信号を入力するピンとの間に、他のピンが設けられる構成(第39の構成)にしてもよい。
【0055】
本明細書中に開示されている故障検出装置は、複数行のゲート線と、複数列のソース線と、複数個のスイッチと、複数個の液晶セルと、を有する画素アレイの充電電流及び放電電流の少なくとも一方を検出する電流検出部の検出結果を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記電流検出部の検出結果に基づいて、前記画素アレイを有する液晶表示装置の故障を検出する故障検出部と、を有する構成(第40の構成)である。
【0056】
上記第40の構成の故障検出装置において、前記画素アレイの表示領域を複数の分割領域に分割し、1つの前記分割領域の表示のみを変化させたときに前記取得部が前記電流検出部の検出結果を取得する構成(第41の構成)にしてもよい。
【0057】
上記第40又は第41の構成の故障検出装置において、前記故障検出部は、初期時に前記取得部によって取得された前記電流検出部の検出結果と、非初期時に前記取得部によって取得された前記電流検出部の検出結果と、の比較結果に基づいて、前記非初期時における前記画素アレイを有する液晶表示装置の故障を検出する構成(第42の構成)にしてもよい。
【0058】
上記第42の構成の故障検出装置において、前記故障検出部は、前記初期時に前記取得部によって取得された前記電流検出部の検出結果と、前記非初期時であって前記画素アレイに光を照射するバックライトが消灯しているときに前記取得部によって取得された前記電流検出部の検出結果と、の比較結果に基づいて、前記非初期時であって前記バックライトが消灯しているときにおける前記画素アレイを有する液晶表示装置の故障を検出する構成(第43の構成)にしてもよい。
【0059】
上記第40~第43いずれかの構成の故障検出装置において、前記故障検出部によって検出される前記液晶表示装置の故障に、前記画素アレイの物理的破壊が含まれる構成(第44の構成)にしてもよい。
【0060】
上記第40~第44いずれかの構成の故障検出装置において、前記故障検出部によって検出される前記液晶表示装置の故障に、前記ソース線に電圧を印加するソースドライバICの異常が含まれる構成(第45の構成)にしてもよい。
【0061】
上記第40~第45いずれかの構成の故障検出装置において、前記故障検出部によって検出される前記液晶表示装置の故障に、前記ゲート線に電圧を印加するゲートドライバICの異常が含まれる構成(第46の構成)にしてもよい。
【0062】
本明細書中に開示されている液晶表示装置は、複数行のゲート線と、複数列のソース線と、複数個のスイッチと、複数個の液晶セルと、を有する画素アレイと、前記画素アレイの充電電流及び放電電流の少なくとも一方を検出する電流検出部と、上記第40~第46いずれかの構成の故障検出装置と、を有する構成(第47の構成)である。
【0063】
上記第47の構成の液晶表示装置において、前記電流検出部は、前記ソース線に電圧を印加するソースドライバICに前記ソースドライバICの電源電圧を供給する第1の電源供給ラインに流れる電流又は前記ゲート線に電圧を印加するゲートドライバICの電源電圧を供給する第2の電源供給ラインに流れる電流を検出する構成(第48の構成)にしてもよい。
【0064】
上記第48の構成の液晶表示装置において、前記電流検出部は、前記第1の電源供給ライン又は前記第2の電源供給ラインに設けられる抵抗と、前記抵抗の一端の電圧を分圧する第1分圧回路と、前記抵抗の他端の電圧を分圧する第2分圧回路と、を有する構成(第49の構成)にしてもよい。
【0065】
上記第47又は第48の構成の液晶表示装置において、前記電流検出部の検出ばらつきを補正する補正部を有する構成(第50の構成)にしてもよい。また、上記第49の構成の液晶表示装置において、前記液晶表示装置は、前記電流検出部の検出ばらつきを補正する補正部を有し、前記電流検出部は、前記第1分圧回路から出力される電圧を補正する電圧補正回路を有し、前記補正部は、前記電圧補正回路を含む構成(第51の構成)にしてもよい。
【0066】
本明細書中に開示されている車両は、上記第1~第18いずれかの構成の液晶表示装置、上記第19~第39いずれかの構成の映像表示システム、及び上記第47~第51いずれかの構成の液晶表示装置の少なくとも一つを有する構成(第52の構成)である。
【発明の効果】
【0067】
本明細書中に開示されている液晶表示装置によれば、液晶表示装置の構成部品であるICが単体では自己の異常を検出できない場合でも異常の検出が可能である。
【0068】
本明細書中に開示されている映像表示システムによれば、一部の表示装置が故障した場合に故障を確実に報知できるとともに、故障した表示装置で表示できなくなった映像を出力することができる。
【0069】
本明細書中に開示されている故障検出装置によれば、液晶表示装置の故障であって信号や電圧に基づく検出では検出困難な故障を、容易に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1】車両の外観図
図2】車両の室内を示す図
図3】一実施例に係る映像表示システムの構成を示すブロック図
図4】一実施例に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図
図5】画素アレイの一構成例を示す図
図6】インストルメント・クラスタの表示例を示す図
図7】インストルメント・クラスタの他の表示例を示す図
図8】タイミング制御IC、システム電源IC、及びMPUの概略的な接続関係を示すブロック図
図9】タイミング制御ICとソースドライバICとの概略的な接続関係を示すブロック図
図10】異常の判定内容を示す図
図11】液晶表示装置の図4に示す構成以外の構成例を示すブロック図
図12】電流検出部の一構成例を示す図
図13】画素アレイの分割例を示す図
図14】画素アレイの表示例を示す図
図15】画素アレイの表示例を示す図
図16】タイミング制御ICの上面図
図17】各実装部品の実装領域が示されている基板の上面図
図18】基板の最も上方に位置する金属層の概略形状を示す上面図
【発明を実施するための形態】
【0071】
<1.映像表示システムの構成等>
後述する映像表示システム1は、例えば、図1で示す車両101に搭載される。後述する映像表示システム1を図1で示す車両101に搭載する場合、後述する映像表示システム1は、例えばカーナビゲーションの地図表示などを行うCID (Center Information Display)102、インストルメント・クラスタ103、電子サイドミラーシステムの表示装置104L及び104R、電子バックミラーシステムの表示装置105(図2参照)のうち少なくとも二つの表示装置を備えるようにする。なお、インストルメント・クラスタ103は、複数の計器に関する表示を行う1つの液晶表示装置で構成されてもよく、各々が少なくとも1つの計器に関する表示を行う複数の液晶表示装置で構成されてもよい。
【0072】
以下の説明では、映像表示システム1が、インストルメント・クラスタ103と、電子サイドミラーシステムの表示装置104L及び104Rとを有し、インストルメント・クラスタ103が複数の計器に関する表示を行う1つの液晶表示装置で構成されている場合を例に挙げて説明する。
【0073】
図3は、一実施例に係る映像表示システム1の構成を示すブロック図である。映像表示システム1は、MPU(Micro-processing unit)5A及び5Bと、GPU(Graphics Processing Unit)6A及び6Bと、トランスミッタ7A及び7Bと、レシーバ8A及び8Bと、液晶表示装置9A~9Cと、を有する。液晶表示装置9Aは表示装置104Lとして用いられる。液晶表示装置9Bは表示装置104Rとして用いられる。液晶表示装置9Cはインストルメント・クラスタ103として用いられる。
【0074】
車両101の左側及び左側後方を撮影するカメラ2Aは、トランスミッタ3A及びレシーバ4Aを介して映像表示システム1のGPU6Aに接続される。車両101の右側及び右側後方を撮影するカメラ2Bは、トランスミッタ3B及びレシーバ4Bを介して映像表示システム1のGPU6Aに接続される。
【0075】
GPU6Aは、MPU5Aによって制御される。GPU6Aは、トランスミッタ3A及びレシーバ4Aを介してカメラ2Aから送られてきた撮影映像信号をトランスミッタ7A及びレシーバ8Aを介して表示装置9Aに送る。また、GPU6Aは、トランスミッタ3B及びレシーバ4Bを介してカメラ2Bから送られて撮影映像信号をトランスミッタ7B及びレシーバ8Bを介して表示装置9Bに送る。
【0076】
GPU6Bは、MPU5Bによって制御される。MPU5BはLIN(Local Interconnect Network)、CAN(Controller Area Network)、MOST(Media Oriented Systems Transport)などの車内通信ネットワークを介して各種センサ(例えば、車速センサ、エンジン回転数検知センサ、燃料残量検知センサなど)の出力情報を取得し、取得した各種センサの出力情報をGPU6Bに送る。GPU6Bは、各種センサの出力情報に基づいて、各種センサの出力情報をドライバに表示するための映像信号を生成し、その生成した映像信号をLVDS(Low Voltage Differential Signaling)信号の形式で液晶表示装置9Cに送る。なお、上記の車内通信ネットワークの代わりに、Ethernetなどの通信ネットワークを用いてもよく、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信を用いてもよい。
【0077】
<2.液晶表示装置の構成等>
次に、液晶表示装置9(液晶表示装置9A~9C)の構成例について説明する。図4は、液晶表示装置9の構成を示すブロック図である。液晶表示装置9は、画素アレイ11と、システム電源IC12と、タイミング制御IC13と、ゲートドライバ15と、ソースドライバ16と、不図示のバックライトと、を有する。ゲートドライバ15は、複数のゲートドライバICを備える。各々のゲートドライバICは、レベルシフタ14と、出力段のスイッチ(不図示)と、を含む。
【0078】
図5に示すように、画素アレイ11は、複数行複数列に配置された複数の画素回路11Aと、複数行に対応してそれぞれ設けられた複数のゲート線GLと、複数列に対応してそれぞれ設けられた複数のソース線SLと、を有する。各ゲート線GLの一端はゲートドライバ15に接続される。各ソース線SLの一端はソースドライバ16に接続される。
【0079】
画素回路11Aは、TFT(Thin Film Transistor)11Bと、液晶セル11Cと、を有する。なお、本実施例とは異なりTFTの代わりにTFT以外のスイッチであってゲート線GLに印加される電圧に応じてオン/オフ制御可能なスイッチを用いてもよい。各TFT11Bのゲートは、対応するゲート線GLに接続される。各TFT11Bのソースは、対応するソース線SLに接続される。各TFT11Bのドレインは、対応する液晶セル11Cを介してコモン電圧が印加される不図示のコモンラインに接続される。液晶セル11Cは、互いに対向する2枚の透明電極と、その2枚の透明電極の間に封入された液晶と、を有する。
【0080】
ゲート線GLがLowレベルになっている場合、すなわちゲート線GLに後述の負電源電圧VOFFが印加されている場合、TFT11Bはオフ状態になる。一方、ゲート線GLがHighレベルになっている場合、すなわちゲート線GLに後述の正電源電圧VONが印加されている場合、TFT11Bはオン状態になる。TFT11Bがオン状態のときに、ソース線SLの電圧がTFT11Bのドレインと液晶セル11Cとの間の記憶ノードN1に書き込まれ、記憶ノードN1に書き込まれた電圧はTFT11Bがオン状態からオフ状態に切り替わることによって記憶ノードN1にて保持される。液晶セル11Cの光透過率は、記憶ノードN1に書き込まれた電圧に応じて変化する。画素アレイ11がノーマリホワイト型であれば、記憶ノードN1に書き込まれた電圧が上記のコモン電圧と等しいときに液晶セル11Cの光透過率が最大になる。一方、画素アレイ11がノーマリブラック型であれば、記憶ノードN1に書き込まれた電圧が上記のコモン電圧と等しいときに液晶セル11Cの光透過率が最小になる。
【0081】
図4に戻ってシステム電源部12は、入力電圧VIN(例えば+5V)の供給を受けて動作し、アナログ系電源電圧AVDD(例えば+13V)、ロジック系電源電圧VDD(例えば+3.3V、+1.8V、+1.2V)、正電源電圧VON(例えば+28V)、及び負電圧VOFF(例えば-12V)をそれぞれ生成して装置各部に供給する。
【0082】
タイミング制御IC13は、ロジック系電源電圧VDDの供給を受けて動作し、例えば図4において不図示のGPUから供給される映像信号V-SIGに基づいて、ゲートドライバ15及びソースドライバ16の動作のタイミングを制御する。なお、本実施形態とは異なり、タイミング制御IC13は、液晶表示装置の外部に設けられる外部電源から電源電圧の供給を受けて動作してもよい。
【0083】
ゲートドライバIC内のレベルシフタ14は、正電源電圧VON及び負電源電圧VOFFの供給を受けて動作し、タイミング制御IC13から供給される制御信号のレベルをシフトする。
【0084】
ゲートドライバ15は、画素アレイ11の複数のゲート線GLを所定時間ずつ順次選択する。ゲートドライバ15は、選択したゲート線GLをHighレベルにする。
【0085】
本実施例では、上記の通りゲートドライバ15は、複数のゲートドライバICを有する。各ゲートドライバICには複数のゲート線GLが割り当てられ、各ゲート線GLはいずれか1つのゲートドライバICに接続される。なお、本実施形態とは異なり、ゲートドライバ15が単一のゲートドライバICによって構成されてもよい。
【0086】
また本実施例では、液晶パネルのガラス基板に各ゲートドライバICがCOG(Chip On Glass)実装される。なお、本実施形態とは異なり、各ゲートドライバICがガラス基板に実装されずガラス基板以外の基板(例えばプリント回路基板など)に実装されてもよい。また、本実施形態とは異なり、画素アレイと各ゲートドライバICの出力段スイッチに相当する回路部分とを備えるタイプのパネル(Gate In Panel(GIP)或いはGate On Array(GOA)等と称されるタイプのパネル)を用いてもよい。当該タイプのパネルを用いる場合には、ゲートドライバICのうち出力段スイッチに相当する回路部分だけが液晶パネル上に形成され、レベルシフタ14は液晶パネルの外部に配置される。
【0087】
ソースドライバ16は、各ソース線SLを介して、ゲートドライバ15によって選択されたゲート線GLに対応する各画素回路11Aの記憶ノードN1に、映像信号V-SIGに応じたレベルの電圧を書き込む。
【0088】
本実施例では、ソースドライバ16は、複数のソースドライバICを有する。各ソースドライバICには複数のソース線SLが割り当てられ、各ソース線SLはいずれか1つのソースドライバICに接続される。なお、本実施形態とは異なり、ソースドライバ16が単一のソースドライバICによって構成されてもよい。
【0089】
また本実施例では、液晶パネルのガラス基板に各ソースドライバICがCOG(Chip On Glass)実装される。なお、本実施形態とは異なり、各ソースドライバICがガラス基板に実装されずガラス基板以外の基板(例えばプリント回路基板など)に実装されてもよい。
【0090】
不図示のバックライトは、画素アレイ11の背面に光を面照射する。画素アレイ11の背面から入射した光は、画素アレイ11の各画素において、各液晶セル11Cの光透過率に応じて輝度調整された後、画素アレイ11の正面から出射する。
【0091】
液晶表示装置9は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)17をさらに有する。EEPROM17は、自己が搭載されている液晶表示装置と他の液晶表示装置との位置関係などを記憶する。EPROM17の代わりに、EEPROM17以外の不揮発性メモリを用いてもよい。タイミング制御IC13は、液晶表示画面に故障に関する情報等をOSD(On Screen Display)表示するためのOSD表示データを生成するOSD部13Aを有する。
【0092】
上記構成の液晶表示装置9は、自己の故障(異常)を検出する故障検出機能を有する。故障検出機能の詳細については後述する。
【0093】
<3.故障の報知>
ここで、液晶表示装置9Aが故障を検出した場合を例に挙げて、故障が検出された場合の映像表示装置1の動作について説明する。
【0094】
液晶表示装置9Aが故障を検出すると、液晶表示装置9Aは自己が故障していることをMPU5Aに通知する。MPU5Aは車内通信ネットワークを利用して、液晶表示装置9Aが故障していることをMPU5Bに通知する。また、MPU5Aは、カメラ2Aから送られてきた撮影映像信号の解像度を下げる処理をGPU6Aに行わせたのち、車内通信ネットワークを利用して、解像度低下処理後のカメラ2Aから送られてきた撮影映像信号をMPU5Bに通知する。
【0095】
MPU5Bは、液晶表示装置9Aが故障していることを把握すると、液晶表示装置9Aが故障している旨を液晶表示装置9Cに表示させるととともに、カメラ2Aの撮影映像を液晶表示装置9Cに表示させる。これにより、一部の表示装置(ここでは液晶表示装置9A)が故障した場合に故障を確実に報知できるとともに、故障した表示装置(ここでは液晶表示装置9A)で表示できなくなった映像を出力することができる。
【0096】
MPU5Bは、液晶表示装置9Aが故障していることを把握すると、複数の計器に関する表示画像の解像度を下げる処理をGPU6Bに行わせる。
【0097】
なお、カメラ2Aの撮影映像と複数の計器に関する表示画像は、液晶表示装置9A(液晶表示装置104L)と液晶表示装置9C(インストルメント・クラスタ103)との位置関係に応じた配置で液晶表示装置9に表示されることが望ましい。すなわち、ドライバから見て液晶表示装置9C(インストルメント・クラスタ103)の左側に液晶表示装置9A(液晶表示装置104L)が位置しているので、液晶表示装置9Aが故障していないときに液晶表示装置9C(インストルメント・クラスタ103)が図6に示す表示を行い、液晶表示装置9Aが故障したときに液晶表示装置9C(インストルメント・クラスタ103)が図7に示すようにカメラ2Aの撮影映像の表示領域をドライバから見て複数の計器に関する表示画像の表示領域の左側にすることが望ましい。これにより、液晶表示装置9A(液晶表示装置104L)が故障したときの液晶表示装置9C(インストルメント・クラスタ103)の表示が、ドライバにとって見易い表示になる。
【0098】
さらに、MPU5Aが、カメラ2AからGPU6Aに至る迄の経路における映像信号の異常を検出し、カメラ2BからGPU6Aに至る迄の経路における映像信号の異常を検出するようにし、これらの異常を検出した場合には、液晶表示装置9Cに異常の発生を報知させるようにしてもよい。カメラ2A又は2BからGPU6Aに至る迄の経路における映像信号の異常検出は、例えば映像のフリーズを監視するためにCRCデータを用いてもよく、カメラ2A又は2B自体の故障を監視するために、カメラ2A又は2BとGPU6Aとの間の双方向通信を利用して、GPU6Aがカメラ2A又は2Bに対して状態を問い合わせてもよい。
【0099】
<4.故障の検出>
次に、液晶表示装置9の故障検出機能について説明する。液晶表示装置9では、システム電源IC12及びタイミング制御IC13それぞれが、ゲートドライバICの異常及びソースドライバICの異常を検出する機能を有する。
【0100】
図8に示すように、システム電源IC12は、異常検出通知ラインL1を介して、MPU5及びタイミング制御IC13それぞれにゲートドライバICの異常及びソースドライバICの異常に関する検出結果FAIL_DET1を通知する。なお、本実施例とは異なり、異常検出通知ラインL1がタイミング制御IC13につながっておらず、システム電源IC12が、異常検出通知ラインL1を介して、MPU5にのみゲートドライバICの異常及びソースドライバICの異常に関する検出結果FAIL_DET1を通知してもよい。
【0101】
図8に示すように、タイミング制御IC13は、異常検出通知ラインL2を介して、MPU5にゲートドライバICの異常及びソースドライバICの異常に関する検出結果FAIL_DET2を通知する。
【0102】
図8に示すように、MPU5、システム電源IC12、及びタイミング制御IC13は、I2CやSPIなどのバスラインL3で接続されており、双方向通信が可能になっている。
【0103】
本実施例では、タイミング制御IC13が、ソースドライバICからのフィードバック信号に基づいて、ソースドライバICの異常を検出する。
【0104】
画素アレイ11の左半分の領域に対応するソースドライバICが、タイミング制御IC13の端子T1と端子T2との間に接続され、画素アレイ11の右半分の領域に対応するソースドライバICが、タイミング制御IC13の端子T3と端子T4との間に接続される(図9参照)。タイミング制御IC13は、画素アレイ11の左半分の領域に対応するソースドライバICの書き込み開始トリガとなるパルス信号を端子T1から出力する。画素アレイ11の左半分の領域に対応するソースドライバICの書き込みが正常に実行されれば、映像の各フレームでフィードバック信号(各フレームで1つのパルス信号)がソースドライバ部16から端子T2に供給される。また、タイミング制御IC13は、画素アレイ11の右半分の領域に対応するソースドライバICの書き込み開始トリガとなるパルス信号を端子T3から出力する。画素アレイ11の右半分の領域に対応するソースドライバICの書き込みが正常に実行されれば、映像の各フレームでフィードバック信号(各フレームで1つのパルス信号)がソースドライバ部16から端子T4に供給される。したがって、タイミング制御IC13は、端子T2及びT4に印加される電圧において、映像の各フレームでパルスのエッジを検出できなければ、ソースドライバICの異常を検出する。
【0105】
例えば、映像信号がソースドライバICに来ない、ソースドライバICの出力がLowレベルに固定されている、ソースドライバICが基板から脱離している、映像信号が不定である等の異常が発生している場合、ソースドライバIC内部のレジスタのデータが更新されなくなる。この異常は、ソースドライバICの自己検出によって検出することができないが、上記の手法を採用することによって検出可能となる。
【0106】
また、例えば、映像信号がソースドライバICに来ない、映像信号が不定である等の異常が発生している場合、その要因としてタイミング制御IC13とソースドライバ部16との間の通信異常が考えられる。しかしながら、ソースドライバ部16側では、タイミング制御IC13とソースドライバ部16との間の通信異常が発生しているのか、他の異常が発生しているのかを判別することができない。
【0107】
そこで、本実施例では、タイミング制御IC13が、ソースドライバICに出力する制御信号の電圧値に基づいて、ソースドライバICの異常を検出する。例えば、タイミング制御IC13が、ソースドライバICに出力する制御信号の電圧値が1.8V以上又は0.25V以下である場合に、ソースドライバICの異常を検出すればよい。
【0108】
本実施例では、タイミング制御IC13が、ゲートドライバICからのフィードバック信号に基づいて、ゲートドライバICの異常を検出する。
【0109】
タイミング制御IC13とゲートドライバICとの接続関係は、レベルシフタ14の有無を除いて、タイミング制御IC13とソースドライバICとの接続関係と基本的に同様である。したがって、タイミング制御IC13は、ゲートドライバ部15から供給されるフィードバック信号において、映像の各フレームでパルスのエッジを検出できなければ、ゲートドライバICの異常を検出する。
【0110】
例えば、ゲートドライバICが基板から脱離している、映像信号が異常である等の異常が発生している場合、ゲートドライバIC内部のレジスタのデータが更新されなくなる。この異常は、ゲートドライバICの自己検出によって検出することが難しいが、上記の手法を採用することによって容易に検出可能となる。
【0111】
本実施例では、システム電源IC13は、アナログ系電源電圧AVDDの値が許容下限値より小さいか否かを判定し、これらの判定結果に基づいて、ソースドライバICの異常を検出する。具体的には、アナログ系電源電圧AVDDの値が許容下限値より小さい場合、システム電源IC13はソースドライバICの異常を検出する。
【0112】
本実施例では、システム電源IC13は、ロジック系電源電圧VDDが許容下限値より小さいか否かを判定し、この判定結果に基づいて、タイミング制御IC13の異常を検出する。具体的には、ロジック系電源電圧VDDが許容下限値より小さい場合、システム電源IC13はタイミング制御IC13の異常を検出する。
【0113】
本実施例では、システム電源IC13は、正電源電圧VONが許容下限値より小さいか否かを判定し、負電圧VOFFが許容上限値より大きいか否かを判定し、これらの判定結果に基づいて、ゲートドライバICの異常を検出する。具体的には、正電源電圧VONが許容下限値より小さい場合、又は、負電圧VOFFが許容上限値より大きい場合、システム電源IC13はゲートドライバICの異常を検出する。
【0114】
なお、システム電源IC13は、入力電圧VINが最低動作電圧よりも小さくなると、各種電源電圧の出力を停止する。ゲートドライバICの異常及びソースドライバICの異常に関する検出結果FAIL_DET1及びFAIL_DET2それぞれを、異常が検出されなかった場合にHighレベルとし、異常が検出された場合にLowレベルとすると、例えば図10に示すような判定結果を得ることができる。なお、図10中の総合判定はMPU5によって実行される。
【0115】
<5.液晶表示装置の他の構成例>
図11は、液晶表示装置の図4に示す構成以外の構成例を示すブロック図である。なお、図11において、図4と同一の部分には同一の符号を付している。液晶表示装置10は、画素アレイ11と、システム電源IC12と、タイミング制御部13と、ゲートドライバ15と、ソースドライバ16と、不図示のバックライトと、を有する。ゲートドライバ15は、複数のゲートドライバICを備える。各々のゲートドライバICは、レベルシフタ14と、出力段のスイッチ(不図示)と、を含む。
【0116】
上述した図5に示すように、画素アレイ11は、複数行複数列に配置された複数の画素回路11Aと、複数行に対応してそれぞれ設けられた複数のゲート線GLと、複数列に対応してそれぞれ設けられた複数のソース線SLと、を有する。各ゲート線GLの一端はゲートドライバ15に接続される。各ソース線SLの一端はソースドライバ16に接続される。
【0117】
画素回路11Aは、TFT(Thin Film Transistor)11Bと、液晶セル11Cと、を有する。なお、本実施例とは異なりTFTの代わりにTFT以外のスイッチであってゲート線GLに印加される電圧に応じてオン/オフ制御可能なスイッチを用いてもよい。各TFT11Bのゲートは、対応するゲート線GLに接続される。各TFT11Bのソースは、対応するソース線SLに接続される。各TFT11Bのドレインは、対応する液晶セル11Cを介してコモン電圧が印加される不図示のコモンラインに接続される。液晶セル11Cは、互いに対向する2枚の透明電極と、その2枚の透明電極の間に封入された液晶と、を有する。
【0118】
ゲート線GLがLowレベルになっている場合、すなわちゲート線GLに後述の負電源電圧VOFFが印加されている場合、TFT11Bはオフ状態になる。一方、ゲート線GLがHighレベルになっている場合、すなわちゲート線GLに後述の正電源電圧VONが印加されている場合、TFT11Bはオン状態になる。TFT11Bがオン状態のときに、ソース線SLの電圧がTFT11Bのドレインと液晶セル11Cとの間の記憶ノードN1に書き込まれ、記憶ノードN1に書き込まれた電圧はTFT11Bがオン状態からオフ状態に切り替わることによって記憶ノードN1にて保持される。液晶セル11Cの光透過率は、記憶ノードN1に書き込まれた電圧に応じて変化する。画素アレイ11がノーマリホワイト型であれば、記憶ノードN1に書き込まれた電圧が上記のコモン電圧と等しいときに液晶セル11Cの光透過率が最大になる。一方、画素アレイ11がノーマリブラック型であれば、記憶ノードN1に書き込まれた電圧が上記のコモン電圧と等しいときに液晶セル11Cの光透過率が最小になる。以下の説明では、画素アレイ11をノーマリブラック型とする。
【0119】
図11に戻ってシステム電源部12は、入力電圧VIN(例えば+5V)の供給を受けて動作し、アナログ系電源電圧AVDD(例えば+13V)、ロジック系電源電圧VDD(例えば+3.3V、+1.8V、+1.2V)、正電源電圧VON(例えば+28V)、及び負電圧VOFF(例えば-12V)をそれぞれ生成して装置各部に供給する。
【0120】
タイミング制御部13は、ロジック系電源電圧VDDの供給を受けて動作し、例えば不図示のGPU(Graphics Processing Unit)から供給される映像信号V-SIGに基づいて、ゲートドライバ15及びソースドライバ16の動作のタイミングを制御する。
【0121】
ゲートドライバIC内のレベルシフタ14は、正電源電圧VON及び負電源電圧VOFFの供給を受けて動作し、タイミング制御部13から供給される制御信号のレベルをシフトする。
【0122】
ゲートドライバ15内の複数のゲートドライバICは、画素アレイ11の複数のゲート線GLを所定時間ずつ順次選択する。ゲートドライバ15内の複数のゲートドライバICは、選択したゲート線GLをHighレベルにする。
【0123】
本実施例では、上記の通りゲートドライバ15は、複数のゲートドライバICを有する。各ゲートドライバICには複数のゲート線GLが割り当てられ、各ゲート線GLはいずれか1つのゲートドライバICに接続される。なお、本実施形態とは異なり、ゲートドライバ15が単一のゲートドライバICによって構成されてもよい。
【0124】
また本実施例では、液晶パネルのガラス基板に各ゲートドライバICがCOG(Chip On Glass)実装される。なお、本実施形態とは異なり、各ゲートドライバICがガラス基板に実装されずガラス基板以外の基板(例えばプリント回路基板など)に実装されてもよい。また、本実施形態とは異なり、画素アレイと各ゲートドライバICの出力段スイッチに相当する回路部分とを備えるタイプのパネル(Gate In Panel(GIP)或いはGate On Array(GOA)等と称されるタイプのパネル)を用いてもよい。当該タイプのパネルを用いる場合には、ゲートドライバICのうち出力段スイッチに相当する回路部分だけが液晶パネル上に形成され、レベルシフタ14は液晶パネルの外部に配置される。
【0125】
ソースドライバ16は、各ソース線SLを介して、ゲートドライバ15によって選択されたゲート線GLに対応する各画素回路11Aの記憶ノードN1に、映像信号V-SIGに応じたレベルの電圧を書き込む。
【0126】
本実施例では、ソースドライバ16は、複数のソースドライバICを有する。各ソースドライバICには複数のソース線SLが割り当てられ、各ソース線SLはいずれか1つのソースドライバICに接続される。なお、本実施形態とは異なり、ソースドライバ16が単一のソースドライバICによって構成されてもよい。
【0127】
また本実施例では、液晶パネルのガラス基板に各ソースドライバICがCOG(Chip On Glass)実装される。なお、本実施形態とは異なり、各ソースドライバICがガラス基板に実装されずガラス基板以外の基板(例えばプリント回路基板など)に実装されてもよい。
【0128】
不図示のバックライトは、画素アレイ11の背面に光を面照射する。画素アレイ11の背面から入射した光は、画素アレイ11の各画素において、各液晶セル11Cの光透過率に応じて輝度調整された後、画素アレイ11の正面から出射する。
【0129】
液晶表示装置10は、EEPROM17と、電流検出部18と、をさらに有する。また、タイミング制御部13は、取得部13B、故障検出部13C、及び基準電圧出力部13Dを有する。基準電圧出力部13Dは、EEPROM17に記憶されている設定値に応じた基準電圧VRを生成し、その基準電圧VRを電流検出部18に出力する。なお、本実施形態とは異なり、EEPROM17の代わりに、EEPROM17以外の不揮発性メモリを用いてもよい。
【0130】
電流検出部18は、画素アレイ11の充電電流及び放電電流を検出する。図12に示すように電流検出部18は、抵抗Rsと、抵抗R1A、R2A、及びR2Bと、抵抗R1B及びR3と、オペアンプOP1と、抵抗R1Cと、を有する。抵抗Rsは、ソースドライバ16にアナログ系電源電圧AVDDを供給する電源供給ラインL1に設けられる。抵抗R1A、R2A、及びR2Bによって構成される第1分圧回路は、抵抗Rsの一端の電圧を分圧する。抵抗R1B及びR3によって構成される第2分圧回路は、抵抗Rsの他端の電圧を分圧する。
【0131】
第1分圧回路の出力端は、オペアンプOP1の非反転入力端子に接続される。第2分圧回路の出力端は、オペアンプOP1の反転入力端子に接続される。そして、オペアンプOP1の出力端子と反転入力端子とが抵抗R1Cを介して接続される。
【0132】
各抵抗の抵抗値は下記の(1)式を満たすように設定される。これにより、電流検出部18の出力すなわちオペアンプOP1の出力Voutは下記の(2)式を満たす。ただし、抵抗Rsの抵抗値をrsとし、抵抗R1A及びR1Bの各抵抗値をr1とし、抵抗R2A及びR2Bの合成抵抗値をr2とし、抵抗R3の抵抗値をr3とし、抵抗R1Cの抵抗値をN×r1としている。
【0133】
r2(N×r1+r3+N×r3)/{r3(r1+r2)}=N ・・・(1)
Vout=N(rs×IAVDD) ・・・(2)
【0134】
第1分圧回路及び第2分圧回路を設けることにより、オペアンプOP1の各入力端子にかかる電圧を低くすることができるので、耐圧の低いオペアンプをオペアンプOP1として用いることができる。
【0135】
各抵抗の抵抗値は製品ばらつきによってばらつくため、実際には上記の(1)式を満たすことは困難である。そこで、図12に示す電流検出部18は、抵抗R2Bの一端にグランド電位ではなく基準電圧VRを印加し、基準電圧VRを例えば0V~3Vの範囲で調整することで第1分圧回路から出力される電圧を補正している。基準電圧VRの調整は、タイミング制御部13の基準電圧出力部13Dによって行われる。すなわち、図12に示す電流検出部18は、第1分圧回路から出力される電圧を補正する電圧補正回路を有する構成である。タイミング制御部13の基準電圧出力部13Dと、電流検出部18の電圧補正回路とが、電流検出部18の検出ばらつきを補正する補正部に該当する。当該補正部により、電流検出部18の検出精度が向上する。
【0136】
本実施例とは異なり、電流検出部18が、ゲートドライバICの電源電圧を供給する電源供給ラインに流れる電流を検出することによって、画素アレイ11の充電電流及び放電電流を検出するようにしてもよく、システム電源IC12に入力電圧VINを供給する電源供給ラインを流れる電流を検出することによって、画素アレイ11の充電電流及び放電電流を検出するようにしてもよい。
【0137】
図11に戻って取得部13Bは、電流検出部18の検出結果をA/D変換して取得する。初期時(例えば工場出荷前の検査工程時)に取得部13Bによって取得された電流検出部18の検出結果はEEPROM17に記憶される。
【0138】
故障検出部13Cは、取得部13Bによって取得された電流検出部18の検出結果に基づいて、液晶表示装置10の故障を検出する。より具体的には、故障検出部13Cは、初期時に取得部13Bによって取得された電流検出部18の検出結果と、非初期時(例えば液晶表示装置10の工場出荷後の各電源投入時又は所定回数おきの電源投入時など)に取得部13Bによって取得された電流検出部18の検出結果と、の比較結果に基づいて、非初期時における液晶表示装置10の故障を検出する。
【0139】
なお、非初期時に取得部13Bが電流検出部18の検出結果を取得している期間中は、タイミング制御部13がバックライトの駆動制御部にバックライトの点灯を禁止する指令を出して、バックライトを消灯させておくことが好ましい。これにより、非初期時に取得部13Bが電流検出部18の検出結果を取得している期間中に、液晶表示装置10が映像信号V-SIGと無関係な画像を表示していても、その映像信号V-SIGと無関係な画像が目立たなくなる。なお、タイミング制御部13又はシステム電源IC12がバックライトの駆動を制御するようにし、非初期時に取得部13Bが電流検出部18の検出結果を取得している期間中バックライトを消灯させてもよい。
【0140】
本実施例では、取得部13Bは、図13に示すように画素アレイ11の表示領域を10個の分割領域に分割する。初期時及び非初期時のいずれにもおいても、例えば図13に示す丸数字の順番で1つの分割領域の表示のみを変化させたときに取得部13Bが電流検出部18の検出結果を取得する。
【0141】
例えばまず図14に示すように画素アレイ11の全表示領域を黒表示(光透過率が最小)にした後、図15に示すように画素アレイ11の丸数字1に対応する表示領域のみを白表示(光透過率が最大)にすることで、取得部13Bは、丸数字1に対応する表示領域の表示のみを変化させたときの画素アレイ11の充電電流(より詳細には充電電流の積算値。以下同様。)を取得することができる。同様の手順を繰り返すことで、取得部13Bは、丸数字2~10それぞれに対応する各表示領域の表示のみを変化させたときの画素アレイ11の充電電流を取得することができる。このような表示シーケンスは、タイミング制御部13がゲートドライバ15及びソースドライバ16を制御して実現してもよく、ソースドライバ16の各ソースドライバIC自身にテストモードの動作シーケンスを不揮発的に記憶させておき、各ソースドライバICが上記の初期時(例えば工場出荷前の検査工程時)及び上記の非初期時(例えば液晶表示装置10の工場出荷後の各電源投入時又は所定回数おきの電源投入時など)にテストモードの動作シーケンスを自律的に実行するようにしてもよい。各ソースドライバICがテストモードの動作シーケンスを自律的に実行する場合、タイミング制御部13の起動が完了する前にテストモードの動作シーケンスを開始することができるので、故障検出に要する時間を短縮することができる。なお、初期時には、EEPROM17が丸数字1~10それぞれに対応する各表示領域の表示のみを変化させたときの画素アレイ11の充電電流を記憶する。
【0142】
なお、本実施例とは異なり、初期時においては、まず画素アレイ11の全表示領域を黒表示(光透過率が最小)にした後、画素アレイ11の全表示領域を白表示にすることで、取得部13Bは、全表示領域の表示を変化させたときの画素アレイ11の充電電流を取得するようにしてもよい。この場合、EEPROM17は、初期時に全表示領域の表示を変化させたときの画素アレイ11の充電電流を記憶する。そして、故障検出部13Cによる初期時と非初期時との比較においては、初期時に全表示領域の表示を変化させたときの画素アレイ11の充電電流を10等分した値を用いるとよい。なお、各分割領域の画素数が同一でない場合は、初期時に全表示領域の表示を変化させたときの画素アレイ11の充電電流を画素数の割合で分けた値を用いるとよい。なお、上記の変形例は、画素アレイ11において画素回路11Bの特性バラツキがないことを前提としているため、初期時に丸数字1~10それぞれに対応する各表示領域の表示のみを変化させたときの画素アレイ11の充電電流を実際に検出する実施例の方が上記の変形例よりも好ましい。
【0143】
また、本実施例とは異なり、各分割領域は1まとまりになっていなくてもよい。例えば、奇数番目のゲート線GL及び奇数番目のソース線SLに配置された画素回路11Aを第1の分割領域とし、偶数番目のゲート線GL及び奇数番目のソース線SLに配置された画素回路11Aを第2の分割領域とし、奇数番目のゲート線GL及び偶数番目のソース線SLに配置された画素回路11Aを第3の分割領域とし、偶数番目のゲート線GL及偶数番目のソース線SLに配置された画素回路11Aを第4の分割領域としてもよい。
【0144】
なお、1つの分割領域の表示のみを変化させる際の表示制御を容易にする観点から、分割領域はソースドライバIC単位で分割されていることが好ましい。
【0145】
本実施例では、故障検出部13Cが分割領域毎に液晶表示装置10の故障を検出することになるので、故障検出が容易になる。例えば、液晶表示装置10の故障により、初期時に対して丸数字1に対応する表示領域の容量性負荷が画素アレイ11全体の容量性負荷の3%分減少した場合を想定する。当該想定において、画素アレイ11の全表示領域の表示を変化させるのであれば、画素アレイ11の充電電流は初期時に対して3%減少するだけである。一方、当該想定において、丸数字1に対応する表示領域のみの表示を変化させるのであれば、画素アレイ11の充電電流は初期時に対して30%も減少する。したがって、故障検出部13Cが分割領域毎に液晶表示装置10の故障を検出することによって、液晶表示装置10の軽微な(故障による容量性負荷の変化が小さい)故障を検出することができる。
【0146】
故障検出部13Cは、非初期時における画素アレイ11の充電電流と初期時における画素アレイ11の充電電流との差の絶対値が第1所定値以上である場合に、初期時と非初期時との比較を行っている分割領域において、画素アレイ11の物理的破壊(例えば割れや欠陥など)の可能性がある液晶表示装置10の故障が起こっていると判断する。このような判断を行う理由は、画素アレイ11の物理的破壊により充電電流が変化するからである。なお、上記の第1所定値は例えばEEPROM17に記憶させておくとよい。また、第1所定値をオープン系破壊検出用第1所定値とショート系破壊検出用第1所定値に分け、初期時における画素アレイ11の充電電流から非初期時における画素アレイ11の充電電流を引いた値がオープン系破壊検出用第1所定値以上であれば、オープン系の破壊が生じていると判断し、非初期時における画素アレイ11の充電電流から初期時における画素アレイ11の充電電流を引いた値がショート系破壊検出用第1所定値以上であれば、ショート系の破壊が生じていると判断してもよい。オープン系破壊検出用第1所定値及びショート系破壊検出用第1所定値はそれぞれ正の値である。オープン系破壊検出用第1所定値とショート系破壊検出用第1所定値とは異なる数値であってもよく、同一の数値であってもよい。
【0147】
また、故障検出部13Cは、非初期時における画素アレイ11の充電電流と初期時における画素アレイ11の充電電流との差の絶対値が第2所定値以上である場合に、初期時と非初期時との比較を行っている分割領域において、ソースドライバICの異常(例えば基板からの一部剥離、基板からの脱離、IC自体の破損など)の可能性がある液晶表示装置10の故障が起こっていると判断する。このような判断を行う理由は、ソースドライバICの異常により充電電流が変化するからである。なお、上記の第2所定値は例えばEEPROM17に記憶させておくとよい。また、第2所定値をオープン系破壊検出用第2所定値とショート系破壊検出用第2所定値に分け、初期時における画素アレイ11の充電電流から非初期時における画素アレイ11の充電電流を引いた値がオープン系破壊検出用第2所定値以上であれば、オープン系の破壊が生じていると判断し、非初期時における画素アレイ11の充電電流から初期時における画素アレイ11の充電電流を引いた値がショート系破壊検出用第2所定値以上であれば、ショート系の破壊が生じていると判断してもよい。オープン系破壊検出用第2所定値及びショート系破壊検出用第2所定値はそれぞれ正の値である。オープン系破壊検出用第2所定値とショート系破壊検出用第2所定値とは異なる数値であってもよく、同一の数値であってもよい。
【0148】
また、故障検出部13Cは、非初期時における画素アレイ11の充電電流と初期時における画素アレイ11の充電電流との差の絶対値が第3所定値以上である場合に、初期時と非初期時との比較を行っている分割領域において、ゲートドライバICの異常(例えば基板からの一部剥離、基板からの脱離、IC自体の破損など)の可能性がある液晶表示装置10の故障が起こっていると判断する。このような判断を行う理由は、ゲートドライバICの異常によりTFT11Bのゲートが不定となり、分割領域の表示のみを変化させたときに想定通りの表示変化が起こらず、分割領域の表示のみを変化させたときの画素アレイ11の充電電流が正常時に対して変化すると考えられるからである。なお、上記の第3所定値は例えばEEPROM17に記憶させておくとよい。また、第3所定値をオープン系破壊検出用第3所定値とショート系破壊検出用第3所定値に分け、初期時における画素アレイ11の充電電流から非初期時における画素アレイ11の充電電流を引いた値がオープン系破壊検出用第3所定値以上であれば、オープン系の破壊が生じていると判断し、非初期時における画素アレイ11の充電電流から初期時における画素アレイ11の充電電流を引いた値がショート系破壊検出用第3所定値以上であれば、ショート系の破壊が生じていると判断してもよい。オープン系破壊検出用第3所定値及びショート系破壊検出用第3所定値はそれぞれ正の値である。オープン系破壊検出用第3所定値とショート系破壊検出用第3所定値とは異なる数値であってもよく、同一の数値であってもよい。
【0149】
また、故障検出部13Cは、故障が検出された分割領域が列方向に欠けることなく並んでいる場合にソースドライバICの異常又は画素アレイ11の物理的破壊であると判別し、故障が検出された分割領域が行方向に欠けることなく並んでいる場合にゲートドライバICの異常又は画素アレイ11の物理的破壊であると判別し、それ以外の場合に画素アレイ11の物理的破壊であると判別してもよい。
【0150】
液晶表示装置10は、例えば、上述した図1で示す車両101に搭載される。液晶表示装置10を図1で示す車両101に搭載する場合、例えばカーナビゲーションの地図表示などを行うCID (Center Information Display)102、インストルメント・クラスタ103、電子サイドミラーシステムの表示装置104L及び104R、電子バックミラーシステムの表示装置105など(上述した図2参照)の少なくとも一つに利用するとよい。なお、インストルメント・クラスタ103は、複数の計器に関する表示を行う1つの液晶表示装置で構成されてもよく、各々が少なくとも1つの計器に関する表示を行う複数の液晶表示装置で構成されてもよい。
【0151】
<6.タイミング制御ICのピン配置>
タイミング制御IC13は、装置外部との電気的な接続を確立する手段として、複数のピンを有する。例えば、タイミング制御IC13は図16に示すように上面視で略矩形の半導体パッケージであって、略矩形の第1辺SD1~第4辺SD4それぞれに25本のピンが配置される。第1辺SD1にピンP1~P25が配置され、第1辺SD1に対向する第3辺SD3にピンP51~P75が配置される。第1辺SD1及び第3辺SD3に隣接する第2辺SD2にピンP26~P50が配置され、第2辺SD2に対向する第4辺SD4にピンP76~P100が配置される。
【0152】
なお、略矩形の第1辺SD1~第4辺SD4それぞれに配置されるピンの本数は本実施例に限定されない。また、本実施形態では、各辺に配置されるピンの本数が同一であるが、四辺それぞれで配置されるピンの本数が異なっていてもよく、配置されるピンの本数が四辺のうち二辺のみ又は三辺のみ同一であってもよい。また、本実施形態では略矩形が略正方形であるが、略矩形は略長方形であってもよい。
【0153】
不図示のGPUから供給される入力データ(図4中の映像信号V-SIG)を受け取る複数のピンの少なくとも一部は第1辺SD1に配置され、ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバIC(図4参照)に出力データを供給する複数のピンの少なくとも一部は第3辺SD3に配置される。
【0154】
これにより、例えば図17及び図18に示す基板にタイミング制御IC13を実装する場合、下記(i)~(iv)が順に並ぶことになるためプリント配線の設計が容易になる。
(i)不図示のGPUから供給される入力データを伝送するケーブルの端部に接続されるコネクタ
(ii)不図示のGPUから供給される入力データを受け取る複数のピンの少なくとも一部
(iii)ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給する複数のピンの少なくとも一部
(iv)ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給するケーブルの端部に接続されるコネクタ
【0155】
なお、図17及び図18に示す基板は、第1辺SD11~第4辺SD14を有する上面視で略矩形の基板である。図18において黒塗り部分が金属層(金属パターン)を示している。図17及び図18に示す基板は、タイミング制御IC13のピン以外の部分が実装される領域R101を有する。図17及び図18に示す基板は、タイミング制御IC13のピンP1~P25が実装される領域R101Aと、タイミング制御IC13のピンP26~P50が実装される領域R101Bと、タイミング制御IC13のピンP51~P75が実装される領域R101Cと、タイミング制御IC13のピンP76~P100が実装される領域R101Dと、をさらに有する。領域R101A~101Dは、ピンP15~P38が実装される第1グループG1と、ピンP39~P72が実装される第2グループG2と、ピンP1~P14、P73~P100が実装される第3グループG3と、に分類される。図17に示すように、領域R101は領域R101A~101Dによって囲まれている。図17及び図18に示す基板は、不図示のGPUから供給される入力データを伝送するケーブルの端部に接続されるコネクタが実装される領域R102と、ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給するケーブルの端部に接続されるコネクタが実装される領域R103と、をさらに有する。なお、図18に示す符号R101~R104はそれぞれ、領域R101~R104を基板の法線方向に投射した領域を示している。領域R102に実装されるコネクタからタイミング制御IC13に入力データを伝送する各配線の長さが同一になるように、図17及び図18に示す基板は設計されている。本実施例では、図18中の配線湾曲部CV1を設けることによって、領域R102に実装されるコネクタからタイミング制御IC13に入力データを伝送する各配線の長さが同一になるようにしている。また、タイミング制御IC13から領域R103に実装されるコネクタに出力データを伝送する各配線の長さが同一になるように、図17及び図18に示す基板は設計されている。本実施例では、図18中の配線湾曲部CV2を設けることによって、タイミング制御IC13から領域R103に実装されるコネクタに出力データを伝送する各配線の長さが同一になるようにしている。図17及び図18に示す基板は、上面視で略矩形の半導体パッケージであるシステム電源IC12が実装される領域R104をさらに有する。領域R101、R101A、R101C、R102、及びR103は、第2辺SD12及び第4辺SD14に平行な方向に、第1辺SD11側から第3辺SD13側に向かって、領域R102、領域R101、領域R101C、領域R103の順に並んでいる。第2辺SD12及び第4辺SD14に平行な方向において、領域R101、R101A、及びR101Cは領域R102に対向している。一方、第2辺SD12及び第4辺SD14に平行な方向において、領域R103は、領域R101、R101A、R101C、及びR102のいずれにも対向していない。第2辺SD12及び第4辺SD14に平行な方向において、領域R104は、領域R101、R101A、R101C、R102、及びR103のいずれにも対向していない。第2辺SD12及び第4辺SD14に平行な方向に対して垂直な領域R101の中心線CL1は、第2辺SD12及び第4辺SD14に平行な方向に対して垂直な領域R102の中心線CL2よりも第4辺SD14に近い。第2辺SD12及び第4辺SD14に平行な方向に対して垂直な領域R102の中心線CL2は、第2辺SD12及び第4辺SD14に平行な方向に対して垂直な領域R103の中心線CL3よりも第4辺SD14に近い。第2辺SD12及び第4辺SD14に平行な方向に対して垂直な領域R103の中心線CL3は、第2辺SD12及び第4辺SD14に平行な方向に対して垂直な領域R104の中心線CL4よりも第4辺SD14に近い。第1辺SD11及び第3辺SD13に平行な方向において、領域R104は領域R101、R101B、及びR101Dに対向している。一方、第1辺SD11及び第3辺SD13に平行な方向において、領域R102及びR103はそれぞれ、領域R101、R101B、R101D、及びR104のいずれにも対向していない。
【0156】
本実施例では、ピンP15~P24、P27~P36が、不図示のGPUから供給される入力データを受け取る複数のピンである。すなわち、不図示のGPUから供給される入力データを受け取る複数のピンは、第1辺SD1及び第2辺SD2に配置される。これにより、不図示のGPUから供給される入力データを受け取る複数のピンの配置領域が第1辺SD1だけで収まらない場合にも対応できる。なお、不図示のGPUから供給される入力データを受け取る複数のピンの配置領域が第1辺SD1だけで収まるのであれば、不図示のGPUから供給される入力データを受け取る複数のピンの全てを第1辺SD1に配置してもよい。
【0157】
また、本実施形態のように、第1辺SD1に配置され不図示のGPUから供給される入力データを受け取るピンは、第2辺SD2側に片寄って第1辺SD1に配置され、第2辺SD2に配置され不図示のGPUから供給される入力データを受け取るピンは、第1辺SD1側に片寄って第2辺SD2に配置されることが望ましい。これにより、不図示のGPUから供給される入力データを受け取るピンの配置領域をコンパクトにまとめることができる。
【0158】
第1辺SD1に配置され不図示のGPUから供給される入力データを受け取るピンの個数は、第2辺SD2に配置され不図示のGPUから供給される入力データを受け取るピンの個数以上であることが望ましい。これにより、上記(i)~(iv)が順に並ぶことの意義が大きくなる。
【0159】
本実施例では、ピンP39~P52、P56~P72が、ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給する複数のピンである。すなわち、ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給する複数のピンは、第3辺SD3及び第2辺SD2に配置される。これにより、ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給する複数のピンの配置領域が第3辺SD3だけで収まらない場合にも対応できる。なお、ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給する複数のピンの配置領域が第3辺SD3だけで収まるのであれば、ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給する複数のピンの全てを第3辺SD3に配置してもよい。
【0160】
また、本実施形態のように、第3辺SD3に配置されゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給するピンは、第2辺SD2側に片寄って第3辺SD3に配置され、第2辺SD2に配置されゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給するピンは、第3辺SD3側に片寄って第2辺SD2に配置されることが望ましい。これにより、ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給する複数のピンの配置領域をコンパクトにまとめることができる。
【0161】
第3辺SD3に配置されゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給するピンの個数は、第2辺SD2に配置されゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給するピンの個数以上であることが望ましい。これにより、上記(i)~(iv)が順に並ぶことの意義が大きくなる。
【0162】
ゲートドライバICの異常及びソースドライバICの異常に関する検出結果FAIL_DET2(図8参照)を出力するピンと、システム電源IC12から供給されるゲートドライバICの異常及びソースドライバICの異常に関する検出結果FAIL_DET1(図8参照)を入力するピンとは、互いに第1辺SD1~第4辺SD4の異なる辺に配置される。本実施例では、ピンP9が検出結果FAIL_DET2を出力するピンであり、ピンP100が検出結果FAIL_DET1を入力するピンである。なお、本実施形態とは異なり、検出結果FAIL_DET2を出力するピンと検出結果FAIL_DET1を入力するピンとは第1辺SD1~第4辺SD4のうちの同じ辺に配置されてもよい。
【0163】
なお、不図示のGPUから供給される入力データを受け取るピンとゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給するピンの少なくとも一方が第2辺SD2に配置されている場合、検出結果FAIL_DET2を出力するピンと検出結果FAIL_DET1を入力するピンの少なくとも一方は第4辺SD4に配置されることが望ましい。第1辺SD1~第4辺SD4のうち第4辺SD4がピンの機能割り当てに関して最も余裕を有しているためである。
【0164】
本実施例では、ソースドライバICの書き込み開始トリガとなる第1パルス信号を出力するピン(図9に示す端子T1に相当)と、第1パルス信号をトリガとして書き込みが開始されるソースドライバICの書き込みが正常に実行されれば、映像の各フレームでフィードバック信号(各フレームで1つの第2パルス信号)が入力されるピン(図9に示す端子T2に相当)とが隣接している。これにより、タイミング制御IC13の内部において、第1パルス信号及び第2パルス信号に関連する回路をコンパクトにまとめて配置することができる。
【0165】
第1パルス信号は、画素アレイ11の左半分の領域に対応するソースドライバICの書き込み開始トリガとなるパルス信号である。本実施形態では、ピンP73が第1パルス信号を出力するピンであり、ピンP74が第2パルス信号を入力するピンである。
【0166】
本実施例では、ソースドライバICの書き込み開始トリガとなる第1パルス信号を出力するピン(図9に示す端子T1に相当)と、第1パルス信号をトリガとして書き込みが開始されるソースドライバICの書き込みが正常に実行されれば、映像の各フレームでフィードバック信号(各フレームで1つの第2パルス信号)を入力するピン(図9に示す端子T2に相当)とが隣接している。これにより、タイミング制御IC13の内部において、第1パルス信号及び第2パルス信号に関連する回路をコンパクトにまとめて配置することができる。
【0167】
また本実施例では、ソースドライバICの書き込み開始トリガとなる第3パルス信号を出力するピン(図9に示す端子T3に相当)と、第3パルス信号をトリガとして書き込みが開始されるソースドライバICの書き込みが正常に実行されれば、映像の各フレームでフィードバック信号(各フレームで1つの第4パルス信号)を入力するピン(図9に示す端子T4に相当)とが隣接している。これにより、タイミング制御IC13の内部において、第3パルス信号及び第4パルス信号に関連する回路をコンパクトにまとめて配置することができる。
【0168】
第3パルス信号は、画素アレイ11の右半分の領域に対応するソースドライバICの書き込み開始トリガとなるパルス信号である。本実施形態では、ピンP75が第3パルス信号を出力するピンであり、ピンP76が第4パルス信号を入力するピンである。
【0169】
本実施例では、ソースドライバICの書き込み開始トリガとなる第3パルス信号を出力するピン(図9に示す端子T3に相当)と、第3パルス信号をトリガとして書き込みが開始されるソースドライバICの書き込みが正常に実行されれば、映像の各フレームでフィードバック信号(各フレームで1つの第4パルス信号)を入力するピン(図9に示す端子T4に相当)とが隣接している。これにより、タイミング制御IC13の内部において、第3パルス信号及び第4パルス信号に関連する回路をコンパクトにまとめて配置することができる。
【0170】
本実施例では、第3辺SD3の端部且つ第4辺SD4の端部である略矩形の角部近傍に第1パルス信号を出力するピン及び第2パルス信号を入力するピンが配置される。これにより、ゲートドライバ15及びソースドライバ16に出力データを供給するピンを第3辺SD3に配置し易くなる。同様に、本実施例では、第3辺SD3の端部且つ第4辺SD4の端部である略矩形の角部近傍に第3パルス信号を出力するピン及び第4パルス信号を入力するピンが配置される。これにより、ゲートドライバ15及びソースドライバ16に出力データを供給するピンを第3辺SD3に配置し易くなる。
【0171】
なお、本実施例と異なり、例えばピンP73及びP74をオープン状態にし、第3パルス信号を画素アレイ11の全ての領域に対応するソースドライバICの書き込み開始トリガとなるパルス信号としてもよい。
【0172】
また、本実施例と異なり、例えば第1パルス信号を出力するピンと第2パルス信号を入力するピンとの間に他のピンが配置されてもよい。これより、タイミング制御IC13の第1パルス信号を出力するピンと第2パルス信号を入力するピンとの間に接続されるソースドライバICと、タイミング制御IC13との接続が容易になる。同様に、本実施例と異なり、例えば第3パルス信号を出力するピンと第4パルス信号を入力するピンとの間に他のピンが配置されてもよい。これより、タイミング制御IC13の第3パルス信号を出力するピンと第4パルス信号を入力するピンとの間に接続されるソースドライバICと、タイミング制御IC13との接続が容易になる。
【0173】
本実施例では、ゲートドライバICの書き込み開始トリガとなる第5パルス信号を出力するピンと、第5パルス信号をトリガとして書き込みが開始されるゲートドライバICの書き込みが正常に実行されれば、映像の各フレームでフィードバック信号(各フレームで1つの第6パルス信号)が入力されるピンとが隣接している。これにより、タイミング制御IC13の内部において、第5パルス信号及び第6パルス信号に関連する回路をコンパクトにまとめて配置することができる。
【0174】
本実施形態では、ピンP86が第5パルス信号を出力するピンであり、ピンP85が第6パルス信号を入力するピンである。
【0175】
なお、本実施例と異なり、例えば第5パルス信号を出力するピンと第6パルス信号を入力するピンとの間に他のピンが配置されてもよい。これより、タイミング制御IC13の第5パルス信号を出力するピンと第6パルス信号を入力するピンとの間に接続されるゲートドライバICと、タイミング制御IC13との接続が容易になる。
【0176】
本実施形態では、ピンP1~P100が第1~第3グループG1~G3に分類される。
【0177】
ピンP15~P38が第1グループG1に分類される。第1グループG1は、不図示のGPUから供給される入力データを受け取るピンを主として含んでいる。上述した通り、ピンP15~P24、P27~P36が、不図示のGPUから供給される入力データを受け取るピンである。なお、ピンP25、P26、P37、P38はそれぞれ、所定の電圧が印加されるピン又はグランド電位に接続されるピンのいずれかである。第1グループG1に分類されるピンP15~P38は2つの辺に跨がって配置される。具体的には、第1グループG1に分類されるピンP15~P38は第1辺SD1及び第2辺SD2に跨がって配置される。
【0178】
ピンP39~P72が第2グループG2に分類される。第2グループG2は、ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給するピンを主として含んでいる。上述した通り、ピンP39~P52、P56~P72が、ゲートドライバ15のゲートドライバIC及びソースドライバ16のソースドライバICに出力データを供給するピンである。なお、ピンP53、P54、P55はそれぞれ、所定の電圧が印加されるピン又はグランド電位に接続されるピンのいずれかである。第2グループG2に分類されるピンP39~P72は2つの辺に跨がって配置される。具体的には、第2グループG2に分類されるピンP39~P72は第2辺SD2及び第3辺SD3に跨がって配置される。
【0179】
ピンP1~P14、P73~P100が第3グループG3に分類される。第3グループG3は、設定用のピンを主として含んでいる。第3グループG3に分類されるピンP1~P14、P73~P100は3つの辺に跨がって配置される。具体的には、第3グループG3に分類されるピンP1~P14、P73~P100は第1辺SD1、第3辺SD3、及び第4辺SD4に跨がって配置される。
【0180】
<7.留意点>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0181】
例えば上記実施形態では正常な液晶表示装置が、他の液晶表示装置の故障を表示によって報知したが、表示による報知に代えて、又は、表示による報知に加えて、表示以外の手法(例えば音声や振動)によって故障を報知してもよい。この場合、MPU5A及び5Bが音声出力装置や振動発生装置などを制御するようにすればよい。
【0182】
また、正常な液晶表示装置による報知や表示以外の手法(例えば音声や振動)による報知に加えて、故障した液晶表示装置自身が故障した旨の表示を試みてもよい。
【0183】
上述した実施形態とは異なり、一部の表示装置が故障した場合に故障を確実に報知できるとともに、故障した表示装置で表示できなくなった映像を出力することができるという効果を得ることができない構成であってもよい。この場合、一つの液晶表示装置が単独で使用されてもよく、他の液晶表示装置とともに使用されてもよい。
【0184】
例えば上記実施形態では表示装置として液晶表示装置を用いたが、液晶表示装置以外の表示装置(例えば有機EL(Electroluminescence)表示装置など)を用いてもよい。
【0185】
例えば液晶表示装置10では取得部13B及び故障検出部13Cをタイミング制御部13内に設けているが、取得部13B、故障検出部13C、及び基準電圧出力部13Dをタイミング制御部13内ではなくシステム電源IC12内に設けてもよい。
【0186】
例えば液晶表示装置10では画素アレイ11の充電電流のみに基づいて故障検出を行ったが、画素アレイ11の放電電流のみに基づいて故障検出を行ってもよく、画素アレイ11の充電電流及び放電電流に基づいて故障検出を行ってもよい。
【0187】
また、上記の初期時(例えば工場出荷前の検査工程時)及び上記の非初期時(例えば液晶表示装置10の工場出荷後の各電源投入時又は所定回数おきの電源投入時など)以外に通常の映像表示を行っている際も、取得部13B及び故障検出部13Cを動作させてもよい。通常の映像表示では表示の内容が変化していくので、液晶表示装置10に重大な故障が生じていなければ表示の内容に応じて、画素アレイ11の充放電電流が発生するはずである。したがって、例えば、通常の映像表示を行っている際に所定時間が経過しても画素アレイ11の充放電電流が全く発生しない(画素アレイ11の電流が全く変化しない)場合などに故障検出部13Cが故障を検出するようにすればよい。
【0188】
また、例えば液晶表示装置10に設けられている故障検出装置すなわち取得部13B及び故障検出部13Cを有する故障検出装置を、液晶表装置9に設けてもよい。
【0189】
すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0190】
1 映像表示システム
2A 左サイドカメラ
2B 右サイドカメラ
3A、3B、7A、7B トランスミッタ
4A、4B、8A、8B レシーバ
5、5A、5B MPU
6A、6B GPU
9、9A~9C 液晶表示装置
12 システム電源IC
13 タイミング制御IC
101 車両
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