(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174741
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】受信装置、受信方法、送信装置、及び、送信方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/435 20110101AFI20231201BHJP
H04N 21/235 20110101ALI20231201BHJP
H04H 20/28 20080101ALI20231201BHJP
H04H 20/93 20080101ALI20231201BHJP
H04H 40/18 20080101ALI20231201BHJP
H04H 60/16 20080101ALI20231201BHJP
【FI】
H04N21/435
H04N21/235
H04H20/28
H04H20/93
H04H40/18
H04H60/16
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172517
(22)【出願日】2023-10-04
(62)【分割の表示】P 2022124476の分割
【原出願日】2016-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2015028294
(32)【優先日】2015-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】北里 直久
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA11
5C164FA25
5C164MA08S
5C164MB34S
5C164PA21
5C164SB07P
5C164SB15S
5C164UB10P
5C164UB11S
5C164UB41S
5C164UC22S
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】より柔軟に、有料の放送サービスの未契約者に対するプロモーションを行うことができるようにする。
【解決手段】受信装置は、有料の放送サービスとして提供される、スクランブルされて伝送される放送コンテンツを受信し、放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報に含まれる、有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報に応じて、契約確認アプリケーションを取得し、契約確認アプリケーションの動作を制御する。本技術は、例えば、デジタル放送信号を受信可能なテレビ受像機に適用することができる。
【選択図】
図31
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料の放送サービスとして提供される、スクランブルされて伝送される放送コンテンツを受信する受信部と、
前記放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報に含まれる、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報に応じて、前記契約確認アプリケーションを取得する取得部と、
前記契約確認アプリケーションの動作を制御する制御部と
を備える受信装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記契約確認アプリケーションが存在している場合、
前記契約確認アプリケーションを実行することで、前記有料の放送サービスを契約していないことが確認されたとき、前記放送コンテンツを紹介するためのプロモーションアプリケーションを取得し、
前記契約確認アプリケーションを実行することで、前記有料の放送サービスを契約していることが確認されたとき、スクランブルが解除された前記放送コンテンツに連動して実行される連動アプリケーションを取得し、
前記制御部は、前記契約確認アプリケーションから、前記プロモーションアプリケーション又は前記連動アプリケーションに遷移させて、前記プロモーションアプリケーション又は前記連動アプリケーションの動作を制御する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記プロモーションアプリケーションを実行することで、未契約のユーザにより、前記有料の放送サービスが契約された場合、スクランブルが解除された前記放送コンテンツに連動して実行される連動アプリケーションを取得し、
前記制御部は、前記連動アプリケーションを、前記放送コンテンツに連動して実行させる
請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記制御情報は、ノンスクランブルで伝送され、
前記契約確認アプリケーションは、ノンスクランブルで伝送され、
前記プロモーションアプリケーションは、ノンスクランブルで伝送され、
前記連動アプリケーションは、スクランブルされて伝送される
請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記契約確認アプリケーション、前記プロモーションアプリケーション、及び、前記連動アプリケーションは、データとして伝送され、
前記制御情報には、アプリケーションを制御するためのアプリケーション制御情報と、データ伝送に関する情報を含むデータ伝送情報が含まれる
請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
前記有料の放送サービスとして、単一のサービスが提供され、
前記放送コンテンツ、前記制御情報、前記アプリケーション制御情報、前記データ伝送情報、前記契約確認アプリケーション、前記プロモーションアプリケーション、及び、前記連動アプリケーションは、前記有料の放送サービスのストリームとして伝送される
請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
前記有料の放送サービスとして、複数のサービスが提供され、
前記放送コンテンツ、前記制御情報、及び、前記連動アプリケーションは、前記有料の放送サービスのストリームとして伝送され、
前記アプリケーション制御情報、前記データ伝送情報、前記契約確認アプリケーション、及び、前記プロモーションアプリケーションは、他の有料の放送サービスと共通のストリームとして伝送される
請求項5に記載の受信装置。
【請求項8】
前記契約確認アプリケーションにおいて、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための機能は、API(Application Programming Interface)により提供される
請求項1に記載の受信装置。
【請求項9】
メディアトランスポート方式として、MMT(MPEG Media Transport)方式が採用され、
前記契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報は、MPT(MMT Package Table)に配置されるアクセス制御記述子に記述されるアプリケーション起動フラグである
請求項1に記載の受信装置。
【請求項10】
受信装置の受信方法において、
前記受信装置が、
有料の放送サービスとして提供される、スクランブルされて伝送される放送コンテンツを受信し、
前記放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報に含まれる、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報に応じて、前記契約確認アプリケーションを取得し、
前記契約確認アプリケーションの動作を制御する
ステップを含む受信方法。
【請求項11】
有料の放送サービスとして提供される放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報であって、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報を含む前記制御情報を生成する生成部と、
スクランブルされて伝送される前記放送コンテンツとともに、ノンスクランブルで伝送される前記制御情報を送信する送信部と
を備える送信装置。
【請求項12】
前記送信部は、前記契約確認アプリケーションが存在している場合、前記契約確認アプリケーションとともに、前記放送コンテンツを紹介するためのプロモーションアプリケーションと、スクランブルが解除された前記放送コンテンツに連動して実行される連動アプリケーションを送信する
請求項11に記載の送信装置。
【請求項13】
前記契約確認アプリケーションは、ノンスクランブルで伝送され、
前記プロモーションアプリケーションは、ノンスクランブルで伝送され、
前記連動アプリケーションは、スクランブルされて伝送される
請求項12に記載の送信装置。
【請求項14】
前記契約確認アプリケーション、前記プロモーションアプリケーション、及び、前記連動アプリケーションは、データとして伝送され、
前記制御情報には、アプリケーションを制御するためのアプリケーション制御情報と、データ伝送に関する情報を含むデータ伝送情報が含まれる
請求項13に記載の送信装置。
【請求項15】
前記有料の放送サービスとして、単一のサービスが提供され、
前記放送コンテンツ、前記制御情報、前記アプリケーション制御情報、前記データ伝送情報、前記契約確認アプリケーション、前記プロモーションアプリケーション、及び、前記連動アプリケーションは、前記有料の放送サービスのストリームとして伝送される
請求項14に記載の送信装置。
【請求項16】
前記有料の放送サービスとして、複数のサービスが提供され、
前記放送コンテンツ、前記制御情報、及び、前記連動アプリケーションは、前記有料の放送サービスのストリームとして伝送され、
前記アプリケーション制御情報、前記データ伝送情報、前記契約確認アプリケーション、及び、前記プロモーションアプリケーションは、他の有料の放送サービスと共通のストリームとして伝送される
請求項14に記載の送信装置。
【請求項17】
メディアトランスポート方式として、MMT方式が採用され、
前記契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報は、MPTに配置されるアクセス制御記述子に記述されるアプリケーション起動フラグである
請求項11に記載の送信装置。
【請求項18】
送信装置の送信方法において、
前記送信装置が、
有料の放送サービスとして提供される放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報であって、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報を含む前記制御情報を生成し、
スクランブルされて伝送される前記放送コンテンツとともに、ノンスクランブルで伝送される前記制御情報を送信する
ステップを含む送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、受信装置、受信方法、送信装置、及び、送信方法に関し、特に、より柔軟に、有料の放送サービスの未契約者に対するプロモーションを行うことができるようにした受信装置、受信方法、送信装置、及び、送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PPV(Pay Per View)等の有料の放送サービスでは、番組を紹介するプロモーション用のサービスを提供することで、それを見た未契約者に対して、有料の放送サービスの契約を誘導することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在の日本国内のデジタル放送においては、有料の放送サービスのプロモーションのために、未契約者が有料の放送サービスを選局した場合には、未契約である旨の表示と、未契約者の承諾を得た上でプロモーション用のサービスを提供している。これにより、未契約者に対して、有料の放送サービスの契約を誘導することが可能となる。
【0005】
しかしながら、より柔軟に、有料の放送サービスの未契約者に対するプロモーションを行うことができるようにしたいという要請があった。
【0006】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より柔軟に、有料の放送サービスの未契約者に対するプロモーションを行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の第1の側面の受信装置は、有料の放送サービスとして提供される、スクランブルされて伝送される放送コンテンツを受信する受信部と、前記放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報に含まれる、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報に応じて、前記契約確認アプリケーションを取得する取得部と、前記契約確認アプリケーションの動作を制御する制御部とを備える受信装置である。
【0008】
本技術の第1の側面の受信装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。また、本技術の第1の側面の受信方法は、上述した本技術の第1の側面の受信装置に対応する受信方法である。
【0009】
本技術の第1の側面の受信装置、及び、受信方法においては、有料の放送サービスとして提供される、スクランブルされて伝送される放送コンテンツが受信され、前記放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報に含まれる、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報に応じて、前記契約確認アプリケーションが取得され、前記契約確認アプリケーションの動作が制御される。
【0010】
本技術の第2の側面の送信装置は、有料の放送サービスとして提供される放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報であって、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報を含む前記制御情報を生成する生成部と、スクランブルされて伝送される前記放送コンテンツとともに、ノンスクランブルで伝送される前記制御情報を送信する送信部とを備える送信装置である。
【0011】
本技術の第2の側面の送信装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。また、本技術の第2の側面の送信方法は、上述した本技術の第2の側面の送信装置に対応する送信方法である。
【0012】
本技術の第2の側面の送信装置、及び、送信方法においては、有料の放送サービスとして提供される放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報であって、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報を含む前記制御情報が生成され、スクランブルされて伝送される前記放送コンテンツとともに、ノンスクランブルで伝送される前記制御情報が送信される。
【発明の効果】
【0013】
本技術の第1の側面、及び、第2の側面によれば、より柔軟に、有料の放送サービスの未契約者に対するプロモーションを行うことができる。
【0014】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】MMT方式を採用した放送システムのプロトコルスタックを示す図である。
【
図2】タイムドメディアデータを伝送するTLVパケットの構成を示す図である。
【
図3】ノンタイムドメディアデータを伝送するTLVパケットの構成を示す図である。
【
図7】MMT方式を採用した放送システムのID体系を示す図である。
【
図10】M2セクションメッセージの構成を示す図である。
【
図13】データ伝送関連情報の構成を示す図である。
【
図14】データディレクトリ管理テーブルの構成を示す図である。
【
図15】データアセット管理テーブルの構成を示す図である。
【
図16】データコンテント管理テーブルの構成を示す図である。
【
図17】アプリケーション伝送の具体例を示す図である。
【
図18】本技術を適用した放送通信システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【
図19】受信装置における具体的な処理の流れを説明するシーケンス図である。
【
図20】従来のプロモーションサービスを説明する図である。
【
図21】単一のサービスが提供される場合における、本技術を適用したプロモーションサービスについて説明する図である。
【
図23】
図21のアプリケーションの遷移の例を示す図である。
【
図24】複数のサービスが提供される場合における、本技術を適用したプロモーションサービスについて説明する図である。
【
図25】
図24のアプリケーションの遷移の例を示す図である。
【
図26】アプリケーションサービス記述子のシンタックスの例を示す図である。
【
図27】アクセス制御記述子のシンタックスの例を示す図である。
【
図30】送信処理を説明するフローチャートである。
【
図31】選局処理を説明するフローチャートである。
【
図32】有料関連アプリケーション処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
【0017】
1.MMT方式の概要
2.システムの構成
3.運用例
4.シンタックスの例
5.各装置の構成
6.各装置で実行される処理の流れ
7.変形例
8.コンピュータの構成
【0018】
<1.MMT方式の概要>
【0019】
現在の放送システムで広く用いられているメディアトランスポート方式は、MPEG2-TS(Moving Picture Experts Group-2 Transport Stream)方式であるが、放送と通信の連携サービスの導入を想定したメディアトランスポート方式として、MMT(MPEG Media Transport)方式が規定されている。なお、MMTによるメディアトランスポート方式については、下記の非特許文献1にその詳細な内容が記載されている。
【0020】
非特許文献1:ARIB STD-B60 1.1版 一般社団法人 電波産業会
【0021】
(プロトコルスタック)
図1は、MMT方式を採用した放送システムのプロトコルスタックを示す図である。
【0022】
図1のプロトコルスタックにおいて、最も下位の階層は、物理層(PHY:Physical Layer)とされる。MMT方式では、放送経由での伝送に限らず、一部のデータを通信経由で伝送する場合があるが、放送経由での伝送を行う場合、物理層は、物理チャンネルごとに割り当てられる周波数帯域が対応することになる。
【0023】
物理層の上位の階層は、TLV(Type Length Value)層と、UDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)層とされる。また、放送コンテンツを構成するビデオやオーディオ等のコンポーネントを伝送や利用に適した形式に変換する機能を提供するためのメディアトランスポート層として、MMT方式が採用されている。
【0024】
MMT方式においては、HEVC(High Efficiency Video Coding)で符号化されたビデオデータや、AAC(Advanced Audio Coding)で符号化されたオーディオデータは、MFU/MPU(Media Fragment Unit/Media Processing Unit)形式とされ、MMTP(MMT Protocol)ペイロードに乗せるとこで、MMTPパケット化されて、IPパケットで伝送される。
【0025】
また、放送コンテンツに関連する字幕やアプリケーションのデータについても、MFU/MPU形式とされ、MMTPペイロードに乗せてMMTPパケット化され、IPパケットで伝送される。
なお、字幕は、TTML(Timed Text Markup Language)形式で記述される。また、アプリケーションは、HTML5(HyperText Markup Language 5)形式で記述される。
【0026】
このようにして構成されるIPパケットは、TLVパケットの形式で伝送される。ここでは、1つのIPパケット又は1つのヘッダを圧縮したIPパケットが、1つのTLVパケットで伝送される。また、これらのメディアデータの他に、制御情報が伝送される。
【0027】
制御情報には、IPパケットの多重化のためのTLV多重化方式に関するTLV-SIと、メディアトランスポート方式であるMMTに関するMMT-SIがある。すなわち、TLV-SIは、IPパケットの多重に関する制御情報であり、選局のための情報やサービスとIPアドレスの対応情報を提供する。また、MMT-SIは、放送コンテンツの構成などを示す制御情報である。MMT-SIは、MMTの制御メッセージ形式とされ、MMTPペイロードに乗せて、MMTPパケット化され、IPパケットで伝送される。
【0028】
また、放送システムにおいては、絶対時刻を提供するための時刻情報として、NTP(Network Time Protocol)が伝送される。
【0029】
(TLVパケットの構成)
図2は、メディアデータのうち、ビデオやオーディオ等のタイムドメディアデータを伝送するTLVパケットの構成を示す図である。
【0030】
図2において、ビデオやオーディオ等のタイムドメディアデータに対する処理では、MPUが処理の単位となる。MPUは、1つ以上のアクセスユニットを含み、MPU単体でビデオやオーディオの復号処理を行うことができる単位となる。MPUの大きさは任意であり、フレーム間予測を用いて符号化するビデオデータ(Video ES)では、MPUを、GOP(Group Of Picture)単位とする必要がある。また、MPUにおいては、NAL(Network Abstraction Layer)ユニット単位やアクセスユニット単位で、MFUを構成することができる。
【0031】
GOP単位のMPUやMFUから、MMTPペイロードが構成される。
図2では、GOPを構成する、AUD(Access Unit Delimiter),SPS(Sequence Parameter Set),PPS(Picture Parameter Set),SEIs(Supplemental Enhancement Information)等の制御情報から1つのMMTPペイロードが構成される。また、GOPを構成する、各ピクチャを構成するスライスが、所定のデータサイズに応じて抽出されることで、複数のMMTPペイロードが構成される。各MMTPペイロードの先頭には、MMTペイロードヘッダが付加される。
【0032】
MMTPペイロードは、1つのMMTPパケットで伝送される。各MMTPパケットの先頭には、MMTパケットヘッダが付加される。ここでは、MMTPペイロードとして、ビデオやオーディオのデータの他、制御情報としてのMMT-SIが配置される。
図2において、「V」はビデオを表し、「A」はオーディオを表している。なお、
図4には、MMTPペイロードの詳細な構成を示している。また、
図5には、MMTPパケットの詳細な構成を示している。
【0033】
MMTPパケットは、1つのTLVパケットで伝送される。TLVパケットとしては、ビデオやオーディオ、MMT-SIが配置されたTLVパケットの他に、制御情報としてのTLV-SIが配置されたTLVパケットが生成される。そして、前者のTLVパケットの先頭には、TLVヘッダ、IPヘッダ、及び、UDPヘッダが付加される一方、後者のTLVパケットの先頭には、TLVヘッダのみが付加される。
【0034】
このようにして生成されるTLVパケットが、伝送路符号化や変調等がされた後に、送出されることになる。
【0035】
図3は、メディアデータのうち、ファイル形式のアプリケーション等のノンタイムドメディアデータを伝送するTLVパケットの構成を示す図である。
【0036】
図3において、ファイル形式のアプリケーション等のノンタイムドメディアデータに対する処理では、各ファイルがMPUに相当する。すなわち、MPUはファイル単位となる。また、MPUにおいては、MPUよりも小さな単位であるMFUを構成することができる。
【0037】
MPUやMFUから、MMTペイロードが構成される。
図3では、ファイルF1から1つのMMTPペイロードが構成される。また、ファイルF2が、所定のデータサイズに応じて、ファイルF2-1とファイルF2-2に分割され、分割後のファイルF2-1,F2-2に応じて、2つのMMTPペイロードが構成される。各MMTPペイロードの先頭には、MMTペイロードヘッダが付加される。
【0038】
MMTPペイロードは、1つのMMTPパケットで伝送される。各MMTPパケットの先頭には、MMTパケットヘッダが付加される。なお、
図4には、MMTPペイロードの構成を示している。
また、
図5には、MMTPパケットの構成を示している。
【0039】
MMTPパケットは、1つのTLVパケットで伝送される。ファイルが配置されたTLVパケットの先頭には、TLVヘッダ、IPヘッダ、及び、UDPヘッダが付加される。
【0040】
このようにして生成されるTLVパケットが、ビデオデータやオーディオデータ、制御情報などが配置されたTLVパケットと多重化され、伝送路符号化や変調等がされた後に、送出されることになる。
【0041】
(TLV-SIの構成)
図6は、TLV-SIの構成を示す図である。
【0042】
図6に示すように、TLV-SIのテーブルとしては、TLV-NIT(TLV-Network Information Table)と、AMT(Address Map Table)が規定されている。
【0043】
TLV-NITは、TLVパケットによる伝送において、変調周波数等の伝送路に関する情報と、サービスを関連付けるための情報が含まれる。TLV-NITでは、ネットワークID(network_id)に対して、TLVストリームループが配置される。各TLVストリームループは、TLVストリームID(TLV_stream_id)により識別され、選局情報やサービスID(service_id)が配置される。なお、
図7には、ネットワークIDやTLVストリームID、サービスIDなどのID体系が示されている。
【0044】
AMTは、各サービスを識別するサービスIDと、IPアドレスとを関連付けるための対応情報(マッピング情報)を含んでいる。この対応情報によって、TLV-NITのTLVストリームループに配置されるサービスIDと、IPアドレスとが関連付けられて、PAメッセージ等の各サービスエントリに接続することができる。
【0045】
(MMT-SIの構成)
図8は、MMT-SIの構成を示す図である。
【0046】
図8に示すように、MMT-SIは、テーブルや記述子を格納するメッセージと、特定の情報を示す要素や属性を有するテーブルと、より詳細な情報が記述された記述子との3階層から構成される。
【0047】
メッセージは、その種類に応じて1個以上のテーブルを格納することができる。メッセージは、MMTPペイロードに格納してMMTPパケットを用いて伝送する。メッセージとしては、PAメッセージ、M2セクションメッセージ、CAメッセージ、及び、M2短セクションメッセージがある。
【0048】
PAメッセージは、種々のテーブルを伝送するために用いられる。PAメッセージとしては、例えば、MMTパッケージテーブル(MPT:MMT Package Table)、パッケージリストテーブル(PLT:Package List Table)、及び、レイアウト設定テーブル(LCT:Layout Configuration Table)が配置される。なお、
図9には、PAメッセージの構成を示している。
【0049】
M2セクションメッセージは、MPEG2システムのセクション拡張形式を伝送するために用いられる。なお、
図10には、M2セクションメッセージの構成を示している。CAメッセージは、限定受信方式(CAS:Conditional Access System)の識別に用いるテーブルを伝送するために用いられる。M2短セクションメッセージは、MPEG2システムのセクション短形式を伝送するために用いられる。
【0050】
(MPTの構成)
MPTは、アセットのリストやアセットのネットワーク上の位置等のパッケージを構成する情報を含んでいる。MPTには、各種のテーブルを配置することができる。なお、
図11には、MPTの構成を示している。また、
図12には、
図11のMPTのMMT_general_location_info ()に対応したロケーション情報の構成を示している。なお、MPTは、MPテーブルと称される場合がある。
【0051】
(アプリケーションの伝送)
図13は、データ伝送関連情報の構成を示す図である。
【0052】
図13において、放送ストリームでは、ビデオやオーディオ等のタイムドメディアデータのストリームと、データ(データ放送)等のノンタイムドメディアデータのストリームが伝送されている。なお、データ(データ放送)のストリームでは、アプリケーションが伝送される。
【0053】
また、放送ストリームでは、制御情報(Signaling)のストリームが伝送されている。
この制御情報のストリームによって、例えば、PAメッセージやM2セクションメッセージ、データ伝送メッセージ(DT-Mes:Data Transmission message)などが伝送される。
【0054】
PAメッセージには、MPTなどが格納される。また、M2セクションメッセージには、MH-アプリケーション情報テーブル(MH-AIT:MH Application Information Table)などが格納される。MH-AITには、アプリケーションに関するすべての情報、及び、アプリケーションに要求された起動状態等の情報が含まれる。
【0055】
データ伝送メッセージ(DT-Mes)は、データ伝送に関するテーブルを格納するメッセージである。データ伝送メッセージには、データディレクトリ管理テーブル(DDMT:Data Directory Management Table)、データアセット管理テーブル(DAMT:Data Asset Management Table)、及び、データコンテント管理テーブル(DCCT:Data Content Configuration Table)が格納される。
【0056】
データディレクトリ管理テーブル(DDMT)は、アプリケーションのファイル構成と、ファイル伝送のための構成を分離するため、アプリケーションを構成するファイルのディレクトリ構成を提供する。なお、
図14には、データディレクトリ管理テーブル(DDMT)の構成を示している。
【0057】
データアセット管理テーブル(DAMT)は、アセット内のMPUの構成とMPUごとのバージョンを提供する。なお、
図15には、データアセット管理テーブル(DAMT)の構成を示している。
【0058】
データコンテント管理テーブル(DCCT)は、柔軟で有効なキャッシュ制御を実現するため、データコンテンツとしてのファイルの構成情報を提供する。データコンテンツ内のプレゼンテーションユニット(PU)単位で、どのファイル又はディレクトリが関係し、どのプレゼンテーションユニットとリンク関係になっているかなどを示す。なお、
図16には、データコンテント管理テーブル(DCCT)の構成を示している。
【0059】
図17には、データディレクトリ管理テーブル(DDMT)、データアセット管理テーブル(DAMT)、及び、データコンテント管理テーブル(DCCT)により管理される、アプリケーション伝送の具体例を示している。
【0060】
図17においては、ディレクトリ構造で示したHTML5形式のアプリケーションを構成するHTMLファイルや画像ファイル等が、MMT方式に従い、データアセットごとに、アイテムとしてMPU単位で伝送されている。例えば、アプリケーションを起動する場合や、アプリケーションが他のアプリケーションに遷移した場合には、対象のアプリケーションを構成するHTMLファイルや画像ファイルなどが取得されることになる。なお、アプリケーションは、インターネット90を介してサーバ30から取得される場合もある。
【0061】
<2.システムの構成>
【0062】
図18は、本技術を適用した放送通信システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【0063】
図18において、放送通信システム1は、送信装置10、受信装置20、及び、サーバ30から構成される。また、
図18においては、受信装置20とサーバ30が、インターネット90を介して相互に接続されている。
【0064】
送信装置10は、PPV等の有料の放送サービス(有料サービス)として提供される放送コンテンツ(以下、有料コンテンツという)を、MMT方式に対応したデジタル放送信号により、伝送路80を介して送信している。また、送信装置10は、データ放送により、有料コンテンツに関連して動作するアプリケーション(以下、有料関連アプリケーションという)を配信することができる。
【0065】
また、送信装置10は、受信装置20に対して、受信装置20の識別単位の関連情報(個別メッセージ)としてのEMM(Entitlement Management Message)と、各受信装置20で共通となる関連情報(共通メッセージ)としてのECM(Entitlement Control Message)を送信する。
【0066】
EMMは、暗号部と非暗号部から構成される。EMMにおいて、例えば、暗号部は、デバイス鍵(Kd)を用いて暗号化されており、そこに、ワーク鍵(Kw)等が配置される。また、ECMは、暗号部と非暗号部から構成される。ECMにおいて、例えば、暗号部は、ワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されており、そこにスクランブル鍵(Ks)などが配置される。
【0067】
なお、有料コンテンツは、例えば、いわゆる4K、8Kと称される超高精細度のコンテンツとすることができる。また、有料コンテンツは、スクランブル鍵(Ks)を用いてスクランブル(暗号化)されて伝送される。
【0068】
また、有料関連アプリケーションには、例えば、有料サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーション(Entry Application)と、有料コンテンツ(有料サービス)を紹介するためのプロモーションアプリケーション(Promotion Application)と、スクランブルが解除された有料コンテンツに連動して実行される連動アプリケーション(Program Related Application)とが含まれる。
【0069】
受信装置20は、例えば、MMT方式に対応したデジタル放送信号を受信可能なテレビ受像機であって、ユーザの自宅に配置される。受信装置20は、ユーザが有料サービスを契約している場合、伝送路80を介して送信装置10から送信されてくるデジタル放送信号を受信して、有料コンテンツを再生することが可能である。また、受信装置20は、送信装置10から伝送路80を介してデータ放送で配信される有料関連アプリケーションを受信して、実行することができる。
【0070】
また、受信装置20においては、送信装置10から送信されるEMMとECMが取得されるので、デバイス鍵(Kd)を用いてEMMを復号することで、ワーク鍵(Kw)が取得される。また、ECMを、ワーク鍵(Kw)を用いて復号することで、スクランブル鍵(Ks)が取得される。受信装置20は、このスクランブル鍵(Ks)を用いることで、有料コンテンツのスクランブルを解除することができる。
【0071】
サーバ30は、インターネット90を介して受信装置20からの要求に応じて、各種の処理を実行する。例えば、サーバ30は、受信装置20からの要求に応じて、インターネット90を介して、有料関連アプリケーションを配信することができる。この場合、受信装置20は、インターネット90を介してサーバ30から配信される有料関連アプリケーションを受信して、実行することになる。
【0072】
また、例えば、サーバ30は、PPV等の有料サービス(有料コンテンツ)のライセンスや課金決済に関する処理を行うことができる。この場合、サーバ30は、受信装置20からの要求に応じて、有料サービスのライセンスを配信することになる。また、サーバ30は、受信装置20からの要求に応じて、購入が指示された有料コンテンツに対する課金決済処理を行う。
【0073】
なお、
図18においては、説明の都合上、サーバ30が、アプリケーション配信処理、有料サービスのライセンス配信処理や課金決済処理等のすべての処理を実行するとして説明したが、機能ごとにサーバを分けて、例えば、アプリケーションサーバ、ライセンスサーバ、及び、課金決済サーバ等が別個に設けられるようにしてもよい。
【0074】
また、
図18においては、説明の都合上、1つの送信装置10と、1つの受信装置20が設けられている場合を例示しているが、例えば、送信装置10は、放送事業者(有料サービス事業者)ごとに複数設けるようにしてもよいし、受信装置20は、ユーザごとに複数設けるようにしてもよい。
【0075】
(受信装置の処理の流れ)
図19は、送信装置10から送信されるデジタル放送信号を受信する受信装置20における具体的な処理の流れを説明するシーケンス図である。
【0076】
なお、
図19において、図中の上側は、送信装置10から送信(伝送)されるデータの流れを表し、図中の下側は、それらのデータを処理する受信装置20における処理の流れを表している。また、
図19において、時間の方向は、図中の左側から右側の方向とされる。
【0077】
図19において、送信装置10は、MMT方式を採用したデジタル放送の放送波(RF Channel)を送信(伝送)している。この放送波では、有料サービスとして提供される有料コンテンツを構成するコンポーネントと、MMT-SIやTLV-SI等の制御情報のストリームが、TLVストリーム(TLV Stream)で伝送されている。
【0078】
図19に示すように、受信装置20においては、初期スキャン処理等によって、TLVストリームで伝送されているTLVパケットから、TLV-NITとAMTが取得され、NVRAM等のメモリに記録される(S11)。
【0079】
なお、受信装置20は、TLVストリームで伝送されている、MHイベント情報テーブル(MH-EIT)、MHサービス記述テーブル(MH-SDT)、MHブロードキャスタ情報テーブル(MH-BIT)、及び、MH共通データテーブル(MH-CDT)等のテーブルを取得することができる(S12)。これらのテーブルは、サービスIDによりTLV-NITと関連付けられる(S13)。
【0080】
受信装置20は、例えばユーザによりサービスの選局操作が行われた場合、メモリから選局情報(TLV-NIT,AMT)を読み出して、選局されたサービスのサービスIDに対応するIPアドレスを取得する(S14)。そして、受信装置20は、AMTのIPアドレスに従い、TLVストリームで伝送されているMMTPパケットから、MMT-SIを取得することができる(S15)。ここでは、PAメッセージとして伝送されているMPTが取得される(S16)。
【0081】
MPTには、ロケーション情報として、コンポーネントのストリームが放送で伝送される場合、コンポーネントを取得するためのパケットIDが設定されている。受信装置20は、MPTのロケーション情報に設定されるパケットIDに従い、TLVストリームで伝送されているMMTPパケットを抽出することで、ビデオデータとオーディオデータを取得することができる(S17,S18)。
【0082】
そして、受信装置20では、ビデオデータとオーディオデータをバッファに一時的に記憶させることで、バッファリング処理を行い、さらにレンダリング処理を行うことで、選局されたサービスとして提供される有料コンテンツの映像と音声が出力(再生)される。
ただし、受信装置20において、有料コンテンツを再生するためには、ユーザが有料サービスに契約している必要がある。
【0083】
なお、MPTには、タイムスタンプ情報が配置されるので、復号時刻(DTS:Decode TimeStamp)や提示時刻(PTS:Presentation TimeStamp)を算出することができる(S20)。
【0084】
<3.運用例>
【0085】
次に、
図18の放送通信システム1により提供される有料サービスの具体的な運用例を説明する。ここでは、説明を分かりやすくするため、まず、
図20を参照して、従来のプロモーションサービスを説明してその問題点を明らかにしてから、
図21乃至
図25を参照して、本技術を適用したプロモーションサービスについて説明する。
【0086】
(従来のプロモーションサービス)
図20は、従来のプロモーションサービスを説明する図である。
図20においては、送信装置10から受信装置20に伝送される放送ストリームが図示されており、そのメディアトランスポート方式として、MPEG2-TS方式が用いられている。
【0087】
図20において、放送ストリームでは、"A"であるサービスIDが割り当てられた有料サービスのストリームと、"B"であるサービスIDが割り当てられた無料プロモーションサービスのストリームが伝送されている。また、放送ストリームでは、サービスレベルの情報が記述されるSDT(Service Description Table)を含む制御情報(Signaling)のストリームが伝送されている。
【0088】
また、
図20においては、有料サービスを構成するコンポーネントとしての、ビデオ、オーディオ、及び、データ(データ放送)のストリームがスクランブル(暗号化)されている。すなわち、このスクランブルされたビデオ、オーディオ、及び、データにより有料コンテンツが構成され、有料サービスに契約したユーザのみが視聴可能とされる。ただし、図中の点線で示すように、有料サービスにおいて、例えばアプリケーション等のデータ(データ放送)のストリームを伝送するかどうかは任意である。
【0089】
一方、無料プロモーションサービスを構成するコンポーネントとしての、ビデオ、オーディオ、及び、データ(データ放送)のストリームは、ノンスクランブル(非暗号化)のストリームとされる。ただし、図中の点線で示すように、無料プロモーションサービスにおいて、ビデオとオーディオのストリームを伝送するかどうかは任意である。すなわち、データ放送によるプロモーションを行う場合、データのストリームのみが伝送されるが、プレビュー用の映像や音声を提供する場合などには、ビデオやオーディオのストリームが伝送される。
【0090】
ここで、受信装置20において、有料サービスの契約を行っていないユーザが、有料サービスの選局を行った場合、当該有料サービスが未契約である旨のメッセージが表示されるとともに、無料プロモーションサービスへの切り替えを促すメッセージが表示される。
そして、未契約のユーザにより、無料プロモーションサービスへの切り替えが承諾された場合には、無料プロモーションサービスが提供されることになる。
【0091】
このとき、放送ストリームにおいて制御情報として伝送されるSDTには、有料サービスに対して、切り替え先の無料プロモーションサービスと、その切り替え時に表示させるメッセージを指定するためのリンク記述子(Link_Desc)が配置されているので、受信装置20においては、このリンク情報を含むSDTが受信される。
【0092】
そして、受信装置20においては、レジデントアプリケーションが、SDTに含まれるリンク情報に基づいて、無料プロモーションサービスへの切り替えを促すメッセージを表示させる。また、レジデントアプリケーションは、未契約のユーザにより、無料プロモーションサービスへの切り替えが承諾された場合には、対象のサービスを、有料サービスから、無料プロモーションサービスに切り替える(
図20のS31)。
【0093】
これにより、受信装置20では、例えば、データ放送による無料プロモーションサービスのメッセージや映像などが表示される。そして、未契約のユーザは、当該プロモーションを視聴することで、有料サービスを視聴したくなった場合には、例えば電話により、有料サービス事業者に連絡して、有料サービスの加入手続を行うことで、有料サービスを視聴することが可能となる。
【0094】
以上のようにして、従来のプロモーションサービスでは、未契約のユーザを、無料プロモーションサービスに誘導することが可能となるが、レジデントアプリケーションにより行われる表示や切り替え処理は、特殊な処理となるため、受信装置20の製造者側からすれば、受信装置20において、このような特殊な処理を行わないで、無料プロモーションサービスに誘導したいという要請がある。
【0095】
また、従来のプロモーションサービスでは、未契約のユーザによる有料サービスの選局時に、単に、有料サービスから、無料プロモーションサービスに切り替えているだけであるため、有料サービス事業者側からすれば、より自由度の高い無料プロモーションサービスを提供したいという要請もあった。さらに、有料サービスと無料プロモーションサービスとを、別サービスとして用意する必要があり、運用上の制約にもなりかねない。
【0096】
そこで、次に、このような要請を満たした本技術を適用したプロモーションサービスについて説明するが、ここでは、有料サービス事業者が単一のサービスを提供する場合のプロモーションサービスと、有料サービス事業者が複数のサービスを提供する場合のプロモーションサービスに分けて説明する。
【0097】
(単一のサービスにおけるプロモーションサービス)
まず、
図21乃至
図23を参照して、有料サービス事業者が単一のサービスを提供する場合のプロモーションサービスについて説明する。
【0098】
図21は、単一のサービスを提供する場合における、本技術を適用したプロモーションサービスについて説明する図である。
図21においては、送信装置10から受信装置20に伝送される放送ストリームが図示されており、そのメディアトランスポート方式として、MMT方式が用いられている。
【0099】
図21において、放送ストリームでは、"A"であるサービスIDが割り当てられた有料サービスのストリームが伝送されている。この有料サービスのストリームには、プロモーションサービスのストリームが含まれている。
【0100】
すなわち、有料サービスのストリームには、有料サービスを構成するコンポーネントとして、スクランブル(暗号化)されているビデオ、オーディオ、及び、データ(データ放送)のストリームと、ノンスクランブル(非暗号化)のビデオ、オーディオ、及び、データ(データ放送)のストリームが含まれる。
【0101】
そして、スクランブルされたビデオ、オーディオ、及び、データにより有料コンテンツが構成され、有料サービスに契約したユーザのみが視聴可能とされる。ただし、図中の点線で示すように、スクランブルされたストリームのうち、例えばアプリケーション等のデータ(データ放送)のストリームを伝送するかどうかは任意である。また、ノンスクランブルのビデオ、オーディオ、及び、データは、プロモーションサービスを提供するために伝送されている。ただし、図中の点線で示すように、ノンスクランブルのストリームのうち、ビデオやオーディオのストリームを伝送するかどうかは任意である。
【0102】
また、有料サービスのストリームには、有料サービス用の制御情報を伝送するためのMMT-SIのストリームが含まれる。MMT-SIのストリームは、ノンスクランブル(非暗号化)のストリームとされる。
【0103】
ここで、受信装置20において、ユーザが、有料サービスの選局を行った場合、MMT-SIのストリームで、PAメッセージとして伝送されている、MPTが取得される。MPTには、アプリケーションサービス記述子(App_Service_Desc)と、アクセス制御記述子(Access_Control_Desc)が配置されている。
【0104】
アプリケーションサービス記述子は、アプリケーションに関する情報を記述するための記述子である。アプリケーションサービス記述子には、MHアプリケーション情報テーブル(MH-AIT)の取得先を示す情報や、データ伝送メッセージ(DT-Mes)が伝送されているかどうかを示す情報などが記述される。
【0105】
なお、アプリケーションサービス記述子は、必要に応じて配置される。また、アプリケーションサービス記述子の詳細な構造は、
図26のシンタックスを参照して後述する。
【0106】
アクセス制御記述子は、限定受信方式(CAS)に関する情報を記述するための記述子である。アクセス制御記述子には、アプリケーション起動フラグ(app_initiative_flag)が記述される。このアプリケーション起動フラグは、契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報である。すなわち、アプリケーション起動フラグによって、ノンスクランブルのデータ(データ放送)で伝送される有料関連アプリケーションによる、本技術を適用したプロモーションサービスに対応しているかどうかを認識することが可能となる。
【0107】
なお、アクセス制御記述子は、サービスを構成するコンポーネントが、スクランブルされている場合にのみ配置される。また、アクセス制御記述子の詳細な構造は、
図27のシンタックスを参照して後述する。
【0108】
受信装置20は、MPTに、アクセス制御記述子が配置されている場合、アクセス制御記述子に記述されるアプリケーション起動フラグを確認する。受信装置20は、アプリケーション起動フラグが、契約確認アプリケーションが存在していることを示している場合、アプリケーションサービス記述子に記述されるMHアプリケーション情報テーブル(MH-AIT)の取得先を示す情報(AIT_URL)に従い、MMT-SIのストリームで、M2セクションメッセージとして伝送されている、MHアプリケーション情報テーブル(MH-AIT)を取得する(S41)。
【0109】
また、受信装置20は、MHアプリケーション情報テーブル(MH-AIT)に記述されるアプリケーションURL(App_URL)に従い、MMT-SIのストリームで、データ伝送メッセージ(DT-Mes)として伝送される、管理テーブルを取得する(S42)。ここでは、管理テーブルとして、データディレクトリ管理テーブル(DDMT)、データアセット管理テーブル(DAMT)、及び、データコンテント管理テーブル(DCCT)が取得される。
【0110】
受信装置20は、管理テーブル(DDMT,DAMT,DCCT)の記述内容に従い、ノンスクランブルのデータ(データ放送)のストリームで伝送される、契約確認アプリケーションA1を取得する(S43)。契約確認アプリケーションA1は、現在選局中の有料サービスが再生可能であるかどうかの情報を取得するためのAPI(以下、契約確認用API(Application Programming Interface)という)を実行することができる。
【0111】
図22に示すように、契約確認用APIは、getContractStatusとして定義され、その戻り値として、ユーザが選局中の有料サービスを契約していない場合には、"0"を返し、ユーザが選局中の有料サービスを契約している場合には、"1"を返すことになる。したがって、契約確認アプリケーションA1は、契約確認用APIを実行して、選局中の有料サービスが再生可能であるかどうかを判定することができる。
【0112】
図21の説明に戻り、受信装置20は、契約確認アプリケーションA1により実行された契約確認用APIの戻り値が"0"、すなわち、有料サービスの契約がされていない場合、ノンスクランブルのデータ(データ放送)のストリームで伝送される、プロモーションアプリケーションA2を取得する(S44)。これにより、契約確認アプリケーションA1から、プロモーションアプリケーションA2に遷移して、プロモーションアプリケーションA2によって、無料プロモーションサービスのメッセージや映像などが提供されることになる。
【0113】
一方、受信装置20は、契約確認アプリケーションA1により実行された契約確認用APIの戻り値が"1"、すなわち、有料サービスの契約がされている場合、スクランブルされたデータ(データ放送)のストリームで伝送される、連動アプリケーションA3を取得する(S45)。これにより、契約確認アプリケーションA1から、連動アプリケーションA3に遷移して、連動アプリケーションA3が、有料コンテンツに連動して実行されることになる。
【0114】
より具体的には、
図23に示すように、契約確認アプリケーションA1は、契約確認用APIの戻り値に応じて、有料サービスに契約していない場合、プロモーションアプリケーションA2に遷移し(S44)、有料サービスに契約している場合、連動アプリケーションA3に遷移する(S45)。
【0115】
受信装置20では、契約確認アプリケーションA1からプロモーションアプリケーションA2に遷移した場合、無料プロモーションサービスのメッセージや映像などが表示される。そして、当該プロモーションを視聴した未契約のユーザにより、有料サービスの契約手続きが行われた場合には、契約処理(例えば、ライセンスや課金決済に関する処理など)が行われることで、受信装置20においては、有料コンテンツのスクランブルが解除され、その視聴が可能となる。なお、有料サービスの契約後においては、プロモーションアプリケーションA2から、連動アプリケーションA3に遷移して、連動アプリケーションA3を、有料コンテンツに連動して実行させることも可能となる(S46)。
【0116】
また、受信装置20では、契約確認アプリケーションA1から連動アプリケーションA3に遷移した場合、スクランブルされていた有料コンテンツのスクランブルが解除され、有料コンテンツが再生されるとともに、連動アプリケーションA3が、有料コンテンツに連動して実行されることになる。
【0117】
以上のように、有料サービス事業者が単一のサービスを提供する場合における、本技術を適用したプロモーションサービスにおいては、契約確認アプリケーションA1が契約確認用APIを実行して、その確認結果に応じてプロモーションアプリケーションA2又は連動アプリケーションA3を実行することになる。
【0118】
したがって、従来のプロモーションサービスのように、受信装置20において、レジデントアプリケーションが、無料プロモーションサービスを提供するための表示や切り替えなどの特殊な処理を実行する必要がないため、受信装置20の製造者側の要請を満たすことができる。
【0119】
また、従来のプロモーションサービスのように、単に、有料サービスから無料プロモーションサービスに切り替えるのではなく、契約確認アプリケーションA1の確認結果に応じてプロモーションアプリケーションA2や連動アプリケーションA3を実行して、より自由度の高い無料プロモーションサービスを提供することができるため、有料サービス事業者側の要請を満たすことができる。さらに、有料サービスとプロモーションサービスとが、同一のサービスとして提供されることから、それらを別サービスとして提供することによる運用上の制約を回避することができる。
【0120】
(複数のサービスにおけるプロモーションサービス)
次に、
図24乃至
図25を参照して、有料サービス事業者が複数のサービスを提供する場合のプロモーションサービスについて説明する。
【0121】
図24は、複数のサービスを提供する場合における、本技術を適用したプロモーションサービスについて説明する図である。
図24には、送信装置10から受信装置20に伝送される放送ストリームが図示されており、そのメディアトランスポート方式として、MMT方式が用いられる。
【0122】
図24において、放送ストリームでは、"A"であるサービスIDが割り当てられた有料サービス1のストリームと、"B"であるサービスIDが割り当てられた有料サービス2のストリームとが伝送されている。また、放送ストリームでは、有料サービス1と有料サービス2で共通となる、アセットとMMT-SIのストリーム(以下、共通ストリームという)が伝送されている。すなわち、
図24の放送ストリームは、例えば、2チャンネルを有している有料サービス事業者が提供する有料サービス1,2のストリームに相当している。
【0123】
有料サービス1のストリームには、有料サービス1を構成するコンポーネントとして、スクランブル(暗号化)されているビデオ、オーディオ、及び、データ(データ放送)のストリームが含まれる。すなわち、スクランブルされたビデオ、オーディオ、及び、データにより有料コンテンツ1が構成され、有料サービス1に契約したユーザのみが視聴可能とされる。ただし、図中の点線で示すように、有料サービス1において、例えばアプリケーション等のデータ(データ放送)のストリームを伝送するかどうかは任意である。
【0124】
また、有料サービス1のストリームには、有料サービス1用の制御情報を伝送するためのMMT-SIのストリームが含まれる。MMT-SIのストリームは、ノンスクランブル(非暗号化)のストリームとされる。
【0125】
有料サービス2のストリームには、有料サービス2を構成するコンポーネントとして、スクランブル(暗号化)されているビデオ、オーディオ、及び、データ(データ放送)のストリームが含まれる。すなわち、スクランブルされたビデオ、オーディオ、及び、データにより有料コンテンツ2が構成され、有料サービス2に契約したユーザのみが視聴可能とされる。ただし、図中の点線で示すように、有料サービス2において、例えばアプリケーション等のデータ(データ放送)のストリームを伝送するかどうかは任意である。
【0126】
また、有料サービス2のストリームには、有料サービス2用の制御情報を伝送するためのMMT-SIのストリームが含まれる。MMT-SIのストリームは、ノンスクランブルのストリームとされる。
【0127】
共通ストリームには、スクランブルされていないデータ(データ放送)と、MHアプリケーション情報テーブル(MH-AIT)のストリームが含まれる。
【0128】
ここで、受信装置20において、ユーザが、有料サービス1の選局を行った場合、有料サービス1のMMT-SIのストリームで、PAメッセージとして伝送されている、MPTが取得される。MPTには、アプリケーションサービス記述子(App_Service_Desc)と、アクセス制御記述子(Access_Control_Desc)が配置される。
【0129】
受信装置20は、MPTのアクセス制御記述子に記述されるアプリケーション起動フラグ(app_initiative_flag)を確認する。そして、受信装置20は、アプリケーション起動フラグが、契約確認アプリケーションが存在していることを示している場合、アプリケーションサービス記述子に記述されるMHアプリケーション情報テーブル(MH-AIT)の取得先を示す情報(AIT_URL)に従い、共通ストリームで、M2セクションメッセージとして伝送されている、MHアプリケーション情報テーブル(MH-AIT)を取得する(S51)。
【0130】
また、受信装置20は、MHアプリケーション情報テーブル(MH-AIT)に記述されるアプリケーションURL(App_URL)に従い、MH-AITのストリームで、データ伝送メッセージ(DT-Mes)として伝送される、管理テーブル(DDMT,DAMT,DCCT)を取得する(S52)。受信装置20は、管理テーブル(DDMT,DAMT,DCCT)の記述内容に従い、共通ストリームにおいて、ノンスクランブルのデータのストリームで伝送される、契約確認アプリケーションA1を取得する(S53)。
【0131】
受信装置20は、契約確認アプリケーションA1により実行される契約確認用APIの戻り値が"0"、すなわち、有料サービス1の契約がされていない場合、共通ストリームにおいて、ノンスクランブルのデータ(データ放送)のストリームで伝送される、プロモーションアプリケーションA2を取得する(S54)。これにより、契約確認アプリケーションA1から、プロモーションアプリケーションA2に遷移して、プロモーションアプリケーションA2によって、無料プロモーションサービスのメッセージや映像などが提供されることになる。
【0132】
一方、受信装置20は、契約確認アプリケーションA1により実行された契約確認用APIの戻り値が"1"、すなわち、有料サービス1の契約がされている場合、有料サービス1のストリームにおいて、スクランブルされたデータ(データ放送)のストリームとして伝送される、連動アプリケーションA3を取得する(S55)。これにより、契約確認アプリケーションA1から、連動アプリケーションA3に遷移して、連動アプリケーションA3が、有料コンテンツ1に連動して実行されることになる。
【0133】
なお、
図24において、放送ストリームでは、有料サービス2のストリームが伝送されているが、受信装置20において、有料サービス2の選局が行われた場合、有料サービス1の選局時と同様に、MPTのアクセス制御記述子のアプリケーション起動フラグが確認される。そして、受信装置20では、アプリケーション起動フラグが、契約確認アプリケーションが存在していることを示している場合には、共通ストリームで伝送されるMHアプリケーション情報テーブル(MH-AIT)と管理テーブル(DDMT,DAMT,DCCT)が取得され(S61,S62)、さらに、契約確認アプリケーションA1が取得される(S63)。
【0134】
そして、受信装置20において、契約確認アプリケーションA1により実行される契約確認用APIの戻り値が"0"、すなわち、有料サービス2の契約がされていない場合、共通ストリームにおいて、ノンスクランブルのデータ(データ放送)のストリームとして伝送される、プロモーションアプリケーションA2が取得される(S64)。この場合、受信装置20では、プロモーションアプリケーションA2により、有料サービス2に対する無料プロモーションサービスのメッセージや映像などが提供される。
【0135】
一方、受信装置20において、契約確認アプリケーションA1により実行される契約確認用APIの戻り値が"1"、すなわち、有料サービス2の契約がされている場合、有料サービス2のストリームにおいて、スクランブルされたデータ(データ放送)のストリームとして伝送される、連動アプリケーションA4を取得する(S65)。この場合、受信装置20では、連動アプリケーションA4が、有料コンテンツ2に連動して実行される。
【0136】
より具体的には、
図25に示すように、有料サービス1の選局時において、契約確認アプリケーションA1は、契約確認用APIの戻り値に応じて、有料サービス1に契約していない場合、プロモーションアプリケーションA2に遷移し(S54)、有料サービス1に契約している場合、連動アプリケーションA3に遷移する(S55)。
【0137】
受信装置20では、契約確認アプリケーションA1からプロモーションアプリケーションA2に遷移した場合、無料プロモーションサービスのメッセージや映像などが表示される。そして、当該プロモーションを視聴した未契約のユーザにより、有料サービス1の契約手続きが行われた場合には、契約処理(例えば、ライセンスや課金決済に関する処理など)が行われることで、受信装置20においては、有料コンテンツ1のスクランブルが解除され、その視聴が可能となる。なお、有料サービス1の契約後においては、プロモーションアプリケーションA2から、連動アプリケーションA3に遷移して、連動アプリケーションA3を、有料コンテンツ1に連動して実行させることも可能となる(S56)。
【0138】
また、受信装置20では、契約確認アプリケーションA1から連動アプリケーションA3に遷移した場合、スクランブルされていた有料コンテンツ1のスクランブルが解除され、有料コンテンツ1が再生されるとともに、連動アプリケーションA3が、有料コンテンツ1に連動して実行されることになる。
【0139】
一方、有料サービス2の選局時において、契約確認アプリケーションA1は、契約確認用APIの戻り値に応じて、有料サービス2に契約していない場合、プロモーションアプリケーションA2に遷移し(S64)、有料サービス2に契約している場合、連動アプリケーションA4に遷移する(S65)。
【0140】
受信装置20では、契約確認アプリケーションA1からプロモーションアプリケーションA2に遷移した場合、無料プロモーションサービスのメッセージや映像などが表示される。そして、当該プロモーションを視聴した未契約のユーザにより、有料サービス2の契約手続きが行われた場合には、契約処理(例えば、ライセンスや課金決済に関する処理など)が行われることで、受信装置20においては、有料コンテンツ2のスクランブルが解除され、その視聴が可能となる。なお、有料サービス2の契約後においては、プロモーションアプリケーションA2から、連動アプリケーションA4に遷移して、連動アプリケーションA4を、有料コンテンツ2に連動して実行させることも可能となる(S66)。
【0141】
また、受信装置20では、契約確認アプリケーションA1から連動アプリケーションA4に遷移した場合、スクランブルされていた有料コンテンツ2のスクランブルが解除され、有料コンテンツ2が再生されるとともに、連動アプリケーションA4が、有料コンテンツ2に連動して実行されることになる。
【0142】
以上のように、有料サービス事業者が複数のサービスを提供する場合における、本技術を適用したプロモーションサービスにおいては、契約確認アプリケーションA1が契約確認用APIを実行して、その確認結果に応じてプロモーションアプリケーションA2又は連動アプリケーションA3(A4)を実行することになる。
【0143】
したがって、従来のプロモーションサービスのように、受信装置20において、レジデントアプリケーションが、無料プロモーションサービスを提供するための表示や切り替えなどの特殊な処理を実行する必要がないため、受信装置20の製造者側の要請を満たすことができる。
【0144】
また、従来のプロモーションサービスのように、単に、有料サービスから無料プロモーションサービスに切り替えるのではなく、契約確認アプリケーションA1の確認結果に応じてプロモーションアプリケーションA2や連動アプリケーションA3(A4)を実行して、より自由度の高い無料プロモーションサービスを提供することができるため、有料サービス事業者側の要請を満たすことができる。
【0145】
<4.シンタックスの例>
【0146】
(アプリケーションサービス記述子)
図26は、アプリケーションサービス記述子(Application_Service_Descriptor)のシンタックスの例を示す図である。
【0147】
16ビットのdescriptor_tagは、アプリケーションサービス記述子を識別するためのタグである。8ビットのdescriptor_lengthは、アプリケーションサービス記述子の記述子長である。
【0148】
8ビットのapplication_format_mapは、アプリケーションで適用されている方式をビットマップ形式で示す。例えば、このビットマップにおいて、先頭のビット0をHTML5に割り当てて、"0x01"の固定値で運用することができる。この場合、受信装置20は、ビットマップにおけるビット0が、"1"であることのみを確認し、他のビットは無視することになる。
【0149】
1ビットのdefault_AIT_flagは、デフォルトの監視対象のAIT(MH-AIT)であるかどうかを示すフラグである。例えば、AIT(MH-AIT)が通信で伝送される場合、default_AIT_flagとして"0"が設定され、AIT(MH-AIT)が放送で伝送される場合、default_AIT_flagとして"1"が設定される。
【0150】
1ビットのDT_message_flagは、データ伝送メッセージ(DT-Mes)の配信の有無を示すフラグである。例えば、アプリケーションのデータが、放送で伝送される場合、DT_message_flagとして"1"が設定される。DT_message_flagの次には、将来の拡張用の領域として、2ビットのreserved_future_useが確保されている。
【0151】
4ビットのEMT_numは、EMT(Event Message Table)の配信数を示す。EMTの配信数の最大値は、8とされる。
【0152】
AIT_location_info()は、AIT(MH-AIT)の取得先を示す。MMT_general_location_info()は、
図12のロケーション情報に対応している。すなわち、例えば、AIT(MH-AIT)が放送で伝送される場合、location_typeとして"0"が設定され、AIT(MH-AIT)を取得するためのパケットIDが設定される。また、例えば、AIT(MH-AIT)が通信で伝送される場合、location_typeとして"5"が設定され、AIT(MH-AIT)を取得するためのURLが設定される。
【0153】
DT_message_flagとして"1"が設定された場合、DT_message_location_info()が配置される。DT_message_location_info()は、データ伝送メッセージの取得先を示す。MMT_general_location_info()は、
図12のロケーション情報に対応している。すなわち、例えば、データ伝送メッセージが放送で伝送される場合、location_typeとして"0"が設定され、データ伝送メッセージを取得するためのパケットIDが設定される。
【0154】
EMT_numが示すEMTの配信数に応じて、EMT_location_info()が設定される。EMT_location_info()は、EMTの取得先を示す。MMT_general_location_info()は、
図12のロケーション情報に対応している。すなわち、例えば、EMTが放送で伝送される場合、location_typeとして"0"が設定され、EMTを取得するためのパケットIDが設定される。
【0155】
(アクセス制御記述子)
図27は、アクセス制御記述子(Access_Control_Descriptor)のシンタックスの例を示す図である。
【0156】
16ビットのdescriptor_tagは、アクセス制御記述子を識別するためのタグである。8ビットのdescriptor_lengthは、アクセス制御記述子の記述子長である。
【0157】
16ビットのCA_system_IDは、限定受信方式の種別を示す識別子である。MMT_general_location_info()は、関連情報を含むMMTPパケットのロケーションを示す情報である。MPTに配置される場合には、ECMのロケーションを示している。
【0158】
8xNビットのprivate_dataは、任意のデータを書き込む領域である。private_dataにおいては、4ビットのdata_segment_tagが示すタグにより、データの種別が識別され、4ビットのdata_lengthによりデータ長が設定されることで、各種のデータを配置することができる。
【0159】
ここでは、data_segment_tagとして"0x1"、data_lengthとして"0x1"が設定された場合、1ビットのapp_initiative_flagが配置される。app_initiative_flagは、契約確認アプリケーションの存在の有無を示すアプリケーション起動フラグである。
【0160】
例えば、app_initiative_flagとして"1"が設定された場合、契約確認アプリケーションが存在し、有料関連アプリケーションによる、本技術を適用したプロモーションサービスに対応していることを示す。この場合、契約確認アプリケーションが実行され、その契約の確認結果に応じてプロモーションアプリケーション又は連動アプリケーションが実行される。
【0161】
なお、private_dataにおいては、将来の拡張用の領域として、7ビットのreserved_future_useが確保されている。また、
図27のアクセス制御記述子のシンタックスは一例であって、他のシンタックスを採用することもできる。
【0162】
<5.各装置の構成>
【0163】
(送信装置の構成例)
図28は、
図18の送信装置10の構成例を示す図である。
【0164】
図28において、送信装置10は、時刻情報生成部111、時刻情報処理部112、オーディオデータ取得部113、オーディオエンコーダ114、ビデオデータ取得部115、ビデオエンコーダ116、字幕データ取得部117、字幕エンコーダ118、アプリケーション生成部119、アプリケーション処理部120、MMT-SI生成部121、MMT-SI処理部122、TLV-SI生成部123、TLV-SI処理部124、スケジューラ125、マルチプレクサ(Mux)126、スクランブラ127、及び、送信部128から構成される。
【0165】
時刻情報生成部111は、NTP等の時刻情報を生成し、時刻情報処理部112に供給する。時刻情報処理部112は、時刻情報生成部111から供給される時刻情報(NTP)を処理し、マルチプレクサ126に供給する。
【0166】
オーディオデータ取得部113は、内蔵するストレージや外部のサーバ、マイクロフォン等から、コンポーネントとしてのオーディオデータを取得し、オーディオエンコーダ114に供給する。オーディオエンコーダ114は、オーディオデータ取得部113から供給されるオーディオデータを、AAC等の符号化方式に準拠して符号化し、マルチプレクサ126に供給する。
【0167】
ビデオデータ取得部115は、内蔵するストレージや外部のサーバ、カメラ等から、コンポーネントとしてのビデオデータを取得し、ビデオエンコーダ116に供給する。ビデオエンコーダ116は、ビデオデータ取得部115から供給されるビデオデータを、HEVC等の符号化方式に準拠して符号化し、マルチプレクサ126に供給する。
【0168】
字幕データ取得部117は、内蔵するストレージや外部のサーバ等から、コンポーネントとしての字幕データを取得し、字幕エンコーダ118に供給する。字幕エンコーダ118は、字幕データ取得部117から供給される字幕データを、所定の符号化方式に準拠して符号化し、マルチプレクサ126に供給する。なお、字幕データは、TTML形式で記述されている。
【0169】
アプリケーション生成部119は、有料関連アプリケーション等のアプリケーションを生成するための素データ(例えばHTMLファイルやJPEGファイル等)に基づいて、HTML5形式のアプリケーションのデータを生成し、アプリケーション処理部120に供給する。アプリケーション処理部120は、アプリケーション生成部119から供給されるHTML5形式のアプリケーションのデータに対し、例えばデータ放送として伝送するための処理等を施し、マルチプレクサ126に供給する。
【0170】
MMT-SI生成部121は、MMT-SIを生成するための素データに基づいて、MMT-SIを生成し、MMT-SI処理部122に供給する。MMT-SI処理部122は、MMT-SI生成部121から供給されるMMT-SIに対し、例えばMMTの制御情報として伝送するための処理等を施し、マルチプレクサ126に供給する。
【0171】
TLV-SI生成部123は、TLV-SIを生成するための素データに基づいて、TLV-SIを生成し、TLV-SI処理部124に供給する。TLV-SI処理部124は、TLV-SI生成部123から供給されるTLV-SIに対し、例えばTLVの制御情報として伝送するための処理等を施し、マルチプレクサ126に供給する。
【0172】
スケジューラ125は、アプリケーション生成部119乃至TLV-SI処理部124を制御して、アプリケーション、MMT-SI、及び、TLV-SIを伝送するタイミングを管理する。
【0173】
マルチプレクサ126には、時刻情報処理部112からの時刻情報(NTP)、オーディオエンコーダ114からのオーディオデータ、ビデオエンコーダ116からのビデオデータ、字幕エンコーダ118からの字幕データ、アプリケーション処理部120からのアプリケーションのデータ、MMT-SI処理部122からのMMT-SI、及び、TLV-SI処理部124からのTLV-SIが供給される。
【0174】
マルチプレクサ126は、時刻情報(NTP)と、オーディオ、ビデオ、及び、字幕のコンポーネントのデータと、アプリケーションのデータと、MMT-SI、及び、TLV-SIの制御情報とを、多重化して放送ストリームを生成し、送信部128に供給する。
【0175】
ここで、マルチプレクサ126は、IPサービスMUX131-1乃至131-N(Nは1以上の整数)と、TLVMUX132を含んで構成される。
【0176】
IPサービスMUX131-1乃至131-Nは、サービスごとに、時刻情報(NTP)と、コンポーネントのデータと、アプリケーションのデータと、制御情報(MMT-SI)とを多重化する。TLVMUX132は、IPサービスMUX131-1乃至131-Nにより多重化されたサービスごとのデータと、制御情報(TLV-SI)とをさらに多重化する。
【0177】
また、スクランブラ127は、スクランブル鍵(Ks)を用い、マルチプレクサ126に供給されるコンポーネントやアプリケーションのデータを、必要に応じてスクランブル(暗号化)する。
【0178】
例えば、スクランブラ127は、オーディオ、ビデオ、及び、字幕のコンポーネントにより有料コンテンツが構成される場合、それらのコンポーネントのデータを、スクランブル鍵(Ks)を用いてスクランブルする。また、例えば、スクランブラ127は、アプリケーションとして、有料関連アプリケーションを伝送する場合、連動アプリケーションのデータを、スクランブル鍵(Ks)を用いてスクランブルする一方、契約確認アプリケーションとプロモーションアプリケーションのデータを、ノンスクランブル(非暗号化)のデータとする。なお、説明の簡略化のため、図示していないが、放送ストリームには、制御情報としてのEMMとECMが含まれることになる。
【0179】
送信部128は、マルチプレクサ126から供給される放送ストリームを、デジタル放送信号(放送波)として、アンテナ129を介して送信する。
【0180】
なお、
図28の送信装置10では、MMT方式に対応したデジタル放送信号が送信(伝送)されることになるが、MMT方式を用いたデータ伝送の詳細な内容は、
図1乃至
図17を参照して先に述べた通りである。
【0181】
(受信装置の構成例)
図29は、
図18の受信装置20の構成例を示す図である。
【0182】
図29において、受信装置20は、チューナ212、デスクランブラ213、CASプラットフォーム214、デマルチプレクサ(Demux)215、システム制御部216、入力部217、メモリ218、時刻情報処理部219、オーディオデコーダ220、オーディオ出力部221、ビデオデコーダ222、ビデオ出力部223、字幕デコーダ224、アプリケーション制御部225、アプリケーションエンジン226、及び、通信部227から構成される。
【0183】
チューナ212は、アンテナ211を介して受信されたデジタル放送信号(放送波)を復調し、その結果得られる放送ストリームを、デスクランブラ213に供給する。
【0184】
デスクランブラ213は、チューナ212から供給される放送ストリームのうち、スクランブルされたストリームに対して、CASプラットフォーム214から供給されるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルを行う。ノンスクランブルのストリームと、スクランブルが解除されたストリームは、デマルチプレクサ215に供給される。
【0185】
CASプラットフォーム214は、受信装置20における限定受信システム(CAS)に関する機能を提供する。CASプラットフォーム214は、アプリケーションエンジン226から有料サービスのライセンスが提供された場合、そのライセンスを保持する。そして、CASプラットフォーム214は、システム制御部216からECMが入力(注入)された場合、そのECMをワーク鍵(Ks)で復号し、そこから得られる参照ライセンスキーと、保持していたライセンスのライセンスキーとを照合することで、ライセンス判定処理を行う。
【0186】
このライセンス判定処理により、ライセンス判定の条件を満たす場合には、ECMの暗号部からスクランブル鍵(Ks)が読み出され、デスクランブラ213に供給(出力)される。
なお、CASプラットフォーム214で保持されるワーク鍵(Ks)は、例えば、放送ストリームで伝送されるEMMの暗号部を、デバイス鍵(Kd)により復号することで得られる。
【0187】
デマルチプレクサ215は、システム制御部216からの制御に従い、デスクランブラ213から供給される放送ストリームを、時刻情報(NTP)と、オーディオ、ビデオ、及び、字幕のコンポーネントのデータと、アプリケーションのデータと、MMT-SI、及び、TLV-SI等の制御情報とに分離して、後段のブロックに出力する。
【0188】
具体的には、デマルチプレクサ215は、TLVフィルタ231、IPフィルタ232、UDPフィルタ233、MMTフィルタ234、及び、SIフィルタ235から構成される。
【0189】
TLVフィルタ231は、TLVヘッダに基づいて、フィルタリング処理を行い、TLV-SIをSIフィルタ235に供給する。IPフィルタ232は、IPヘッダに基づいて、フィルタリング処理を行う。UDPフィルタ233は、UDPヘッダに基づいて、フィルタリング処理を行う。
MMTフィルタ234は、MMTパケットヘッダ又はMMTペイロードヘッダに基づいて、フィルタリング処理を行う。
【0190】
TLVフィルタ231乃至MMTフィルタ234によるフィルタリング処理によって、MMT-SIがSIフィルタ235に供給される。SIフィルタ235は、所定のフィルタリング処理を行うことで、TLV-SI、又は、MMT-SI等の制御情報を、適宜、システム制御部216に供給する。また、SIフィルタ235は、MHアプリケーション情報テーブル(MH-AIT)を、アプリケーション制御部225に供給する。
【0191】
システム制御部216は、デマルチプレクサ215から供給される制御情報(MMT-SI,TLV-SI,EMM,ECM等)に基づいて、各部の動作を制御する。入力部217は、ユーザからの操作を受け付け、操作信号をシステム制御部216に供給する。メモリ218は、NVRAM(Non Volatile RAM)等の不揮発性メモリである。メモリ218は、システム制御部216からの制御に従い、各種のデータ(例えば、TLV-SI)を記録する。
【0192】
また、TLVフィルタ231乃至MMTフィルタ234によるフィルタリング処理によって、時刻情報(NTP)が時刻情報処理部219に供給され、オーディオデータがオーディオデコーダ220に供給され、ビデオデータがビデオデコーダ222に供給され、字幕データが字幕デコーダ224に供給され、アプリケーションのデータがアプリケーションエンジン226に供給される。
【0193】
時刻情報処理部219は、デマルチプレクサ215から供給される時刻情報(NTP)に基づいて、送信側と受信側とが同期をとるための処理を行う。
【0194】
オーディオデコーダ220は、デマルチプレクサ215から供給されるオーディオデータを、AAC等の復号方式に準拠して復号し、オーディオ出力部221に供給する。オーディオ出力部221は、オーディオデコーダ220から供給されるオーディオデータを、後段のスピーカ(不図示)に供給する。これにより、スピーカからは、例えば有料コンテンツの音声が出力される。
【0195】
ビデオデコーダ222は、デマルチプレクサ215から供給されるビデオデータを、HEVC等の復号方式に準拠して復号し、ビデオ出力部223に供給する。また、字幕デコーダ224は、デマルチプレクサ215から供給される字幕データを、所定の復号方式に準拠して復号し、ビデオ出力部223に供給する。
【0196】
ビデオ出力部223は、ビデオデコーダ222から供給されるビデオデータと、字幕デコーダ224から供給される字幕データを、後段の表示部(不図示)に供給する。これにより、表示部には、例えば有料コンテンツの映像や字幕が表示される。
【0197】
アプリケーション制御部225は、システム制御部216からの制御に従い、アプリケーションエンジン226を制御する。また、アプリケーション制御部225は、デマルチプレクサ215から供給されるMHアプリケーション情報テーブル(MH-AIT)に基づいて、アプリケーションエンジン226を制御する。
【0198】
アプリケーションエンジン226は、例えばHTML5に対応したブラウザである。アプリケーションエンジン226は、アプリケーション制御部225からの制御に従い、通信部227にアプリケーション(例えば、有料関連アプリケーション)の取得を要求する。
【0199】
通信部227は、アプリケーションエンジン226からの要求に応じて、インターネット90を介してサーバ30にアクセスし、アプリケーションを要求する。通信部227は、インターネット90を介してサーバ30から配信されるアプリケーションのデータを受信し、アプリケーションエンジン226に供給する。
【0200】
アプリケーションエンジン226には、デマルチプレクサ215又は通信部227から、HTML5形式のアプリケーションのデータが供給される。アプリケーションエンジン226は、アプリケーション制御部225からの制御に従い、アプリケーションを実行する。
実行中のアプリケーションに対応するビデオデータは、ビデオ出力部223に供給される。
【0201】
例えば、ビデオ出力部223は、アプリケーションエンジン226から供給されるビデオデータを、表示部に供給する。これにより、表示部には、アプリケーションの映像が表示される。また、例えば、ビデオ出力部223は、アプリケーションエンジン226から供給されるビデオデータを、ビデオデコーダ222から供給されるビデオデータと合成し、それにより得られる映像を、表示部に表示させることもできる。
【0202】
また、通信部227は、アプリケーションエンジン226からの要求に応じて、インターネット90を介してサーバ30にアクセスし、有料サービスのライセンスを要求する。
通信部227は、インターネット90を介してサーバ30から配信されるライセンスを受信し、アプリケーションエンジン226に供給する。アプリケーションエンジン226は、通信部227から供給されるライセンスを、CASプラットフォーム214に供給する。
【0203】
なお、
図29の受信装置20では、MMT方式に対応したデジタル放送信号が受信されることになるが、MMT方式を用いたデータ伝送の詳細な内容は、
図1乃至
図17を参照して先に述べた通りである。また、
図29の受信装置20では、スピーカや表示部を有していない構成を示しているが、例えばテレビ受像機として構成される場合には、スピーカや表示部を有する構成とすることができる。また、受信装置20は、固定受信機に限らず、例えば、スマートフォンやタブレット端末、携帯電話機等のモバイル受信機であってもよい。
【0204】
また、
図29においては、説明の簡略化のために図示していないが、サーバ30から、インターネット90を介して、オーディオ又はビデオのデータを受信した場合、オーディオデータはオーディオデコーダ220に供給され、ビデオデータはビデオデコーダ222に供給される。また、サーバ30から、インターネット90を介して、MMT-SI等の制御情報を受信した場合には、制御情報は、システム制御部216に供給される。
【0205】
<6.各装置で実行される処理の流れ>
【0206】
次に、
図30乃至
図32を参照して、
図18の放送通信システム1を構成する各装置で実行される具体的な処理の内容について説明する。
【0207】
(送信処理)
まず、
図30のフローチャートを参照して、
図18の送信装置10により実行される送信処理の流れについて説明する。
【0208】
ステップS101において、時刻情報生成部111は、時刻情報(NTP)を生成する。
また、ステップS101において、時刻情報処理部112は、時刻情報生成部111により生成された時刻情報(NTP)を処理する。
【0209】
ステップS102において、オーディオデータ取得部113は、ストレージ等からオーディオデータを取得する。また、ステップS102において、オーディオエンコーダ114は、オーディオデータ取得部113により取得されたオーディオデータを、AAC等の符号化方式に準拠して符号化する。
【0210】
ステップS102において、ビデオデータ取得部115は、ストレージ等からビデオデータを取得する。また、ステップS102において、ビデオエンコーダ116は、ビデオデータ取得部115により取得されたビデオデータを、HEVC等の符号化方式に準拠して符号化する。
【0211】
ステップS102において、字幕データ取得部117は、ストレージ等から字幕データを取得する。また、ステップS102において、字幕エンコーダ118は、字幕データ取得部117により取得された字幕データを、所定の符号化方式に準拠して符号化する。
【0212】
ステップS103において、アプリケーション生成部119は、スケジューラ125の管理に従い、アプリケーションの素データに基づいて、アプリケーションのデータを生成する。また、ステップS103において、アプリケーション処理部120は、アプリケーション生成部119により生成されたアプリケーションのデータを処理する。
【0213】
ステップS104において、MMT-SI生成部121は、スケジューラ125の管理に従い、MMT-SIの素データに基づいて、MMT-SIを生成する。また、ステップS104において、MMT-SI処理部122は、MMT-SI生成部121により生成されたMMT-SIを処理する。
【0214】
ステップS104において、TLV-SI生成部123は、スケジューラ125の管理に従い、TLV-SIの素データに基づいて、TLV-SIを生成する。また、ステップS104において、TLV-SI処理部124は、TLV-SI生成部123により生成されたTLV-SIを処理する。
【0215】
ステップS105において、マルチプレクサ126は、ステップS101で処理された時刻情報(NTP)と、ステップS102で処理されたビデオ、オーディオ、及び、字幕のコンポーネントのデータと、ステップS103で処理されたアプリケーションのデータと、ステップS104で処理された制御情報(MMT-SI,TLV-SI)とを、多重化して放送ストリームを生成する。
【0216】
なお、ステップS105において、スクランブラ127は、必要に応じてスクランブル鍵(Ks)を用い、マルチプレクサ126に供給されるコンポーネントやアプリケーションのデータをスクランブル(暗号化)する。
【0217】
ステップS106において、送信部128は、ステップS105の処理で生成された放送ストリームを、デジタル放送信号(放送波)として、アンテナ129を介して送信する。
【0218】
以上、送信処理の流れについて説明した。
【0219】
(選局処理)
次に、
図31のフローチャートを参照して、
図18の受信装置20により実行される選局処理の流れについて説明する。なお、
図31の選局処理は、例えば、ユーザによるリモートコントローラの操作により、所望のサービスが選局された場合に実行される。
【0220】
ステップS201において、システム制御部216は、デマルチプレクサ215を制御して、PAメッセージとして伝送されるMPTを取得する。
【0221】
ステップS202において、システム制御部216は、ステップS201の処理で取得されたMPTに、アクセス制御記述子が存在するかどうかを判定する。
【0222】
ステップS202において、MPTに、アクセス制御記述子が存在しないと判定された場合、処理は、ステップS203に進められる。この場合、ユーザにより選局されたサービスは、ノンスクランブルのサービスとされるので、ステップS203において、システム制御部216は、受信装置20の各部を制御して、ノンスクランブルのサービスの受信・再生処理を行う。
【0223】
一方、ステップS202において、MPTに、アクセス制御記述子が存在すると判定された場合、処理は、ステップS204に進められる。ステップS204において、システム制御部216は、MPTに配置されたアクセス制御記述子に基づいて、デマルチプレクサ215等を制御して、放送ストリームで伝送されるECMを取得する。
【0224】
ステップS205において、システム制御部216は、ステップS204の処理で取得されたECMを、CASプラットフォーム214に入力(注入)する。
【0225】
ステップS206において、システム制御部216は、アクセス制御記述子に記述されるアプリケーション起動フラグ(app_initiative_flag)として、"1"が設定されているかどうかを判定する。
【0226】
ステップS206において、アプリケーション起動フラグとして、"0"が設定されていると判定された場合、処理は、ステップS207に進められる。ステップS207において、システム制御部216は、ステップS205の処理でECMが入力(注入)されたCASプラットフォーム214から、スクランブル鍵(Ks)が出力されたかどうかを判定する。
【0227】
ステップS207において、CASプラットフォーム214からスクランブル鍵(Ks)が出力されたと判定された場合、処理は、ステップS208に進められる。ステップS208において、デスクランブラ213は、CASプラットフォーム214から出力されたスクランブル鍵(Ks)を用い、チューナ212により受信されたデジタル放送信号を、デスクランブルする。
【0228】
ステップS209において、システム制御部216は、受信装置20の各部を制御して、ステップS208の処理でデスクランブルされる、ユーザにより選局されたスクランブルのサービスの受信・再生処理を行う。すなわち、この場合、有料サービスとして提供される、有料コンテンツが再生されることになる。
【0229】
なお、ステップS207において、CASプラットフォーム214からスクランブル鍵(Ks)が出力されていないと判定された場合、処理は、ステップS210に進められる。この場合、ユーザにより選局されたサービス(有料サービス)に未契約となるため、未契約である旨が表示されることになる(S210)。
【0230】
また、ステップS206において、アプリケーション起動フラグとして、"1"が設定されていると判定された場合、処理は、ステップS211に進められる。ステップS211においては、有料関連アプリケーション処理が実行される。
【0231】
この有料関連アプリケーション処理では、契約確認アプリケーションが実行され、その契約の確認結果に応じてプロモーションアプリケーション又は連動アプリケーションが実行されることになる。なお、有料関連アプリケーション処理の詳細な内容については、
図32のフローチャートを参照して後述する。
【0232】
ステップS211の処理が終了すると、あるいはステップS211の処理と並行して、ステップS212の処理が実行される。ステップS212において、システム制御部216は、ステップS205の処理でECMが入力(注入)されたCASプラットフォーム214から、スクランブル鍵(Ks)が出力されたかどうかを判定する。
【0233】
ステップS212において、CASプラットフォーム214からスクランブル鍵(Ks)が出力されたと判定された場合、処理は、ステップS208に進められる。ステップS208,S209においては、スクランブルのサービスの受信・再生処理が行われる。すなわち、この場合、有料サービスとして提供される、有料コンテンツが再生されることになる。
【0234】
なお、ステップS203,S209,S210の処理が終了した場合、あるいは、ステップS212において、CASプラットフォーム214からスクランブル鍵(Ks)が出力されていないと判定された場合、
図31の選局処理は終了される。
【0235】
以上、選局処理の流れについて説明した。
【0236】
(有料関連アプリケーション処理)
次に、
図32を参照して、
図31のステップS211の処理に対応する有料関連アプリケーション処理の詳細な内容について説明する。
【0237】
ステップS241において、アプリケーションエンジン226は、アプリケーション制御部225からの制御に従い、ノンスクランブルのデータ(データ放送)のストリームで伝送される、契約確認アプリケーションを取得して起動する。
【0238】
ステップS242において、アプリケーションエンジン226は、アプリケーション制御部225からの制御に従い、契約確認アプリケーションにより契約確認用APIが実行されるようにする。
【0239】
ステップS243において、アプリケーションエンジン226は、アプリケーション制御部225からの制御に従い、契約確認用APIの戻り値が"1"、すなわち、ユーザにより選局されたサービス(有料サービス)が契約されているかどうかを判定する。
【0240】
ステップS243において、契約確認用APIの戻り値が"0"、すなわち、有料サービスの契約がされていないと判定された場合、処理は、ステップS244に進められる。ステップS244において、アプリケーションエンジン226は、アプリケーション制御部225からの制御に従い、ノンスクランブルのデータ(データ放送)のストリームで伝送される、プロモーションアプリケーションを取得して起動する。
【0241】
これにより、契約確認アプリケーションからプロモーションアプリケーションに遷移して、無料プロモーションサービスのメッセージや映像などが提供されることになる。そして、当該プロモーションを視聴した未契約のユーザにより、有料サービスの契約手続きが行われた場合には、契約処理(例えば、ライセンスや課金決済に関する処理など)が行われることで、受信装置20においては、有料コンテンツのスクランブルが解除され、その視聴が可能となる。なお、有料サービスの契約後においては、プロモーションアプリケーションから、連動アプリケーションに遷移して、当該連動アプリケーションを、有料コンテンツに連動して実行させることも可能となる(
図31のステップS208,S209)。
【0242】
一方、ステップS243において、契約確認用APIの戻り値が"1"、すなわち、有料サービスの契約がされていると判定された場合、処理は、ステップS245に進められる。ステップS245において、アプリケーションエンジン226は、アプリケーション制御部225からの制御に従い、スクランブルのデータ(データ放送)のストリームで伝送される、連動アプリケーションを取得して起動する。なお、ここでは、デスクランブラ213が、CASプラットフォーム214から出力されたスクランブル鍵(Ks)を用い、チューナ212により受信されたデジタル放送信号を、デスクランブルすることで、連動アプリケーションのスクランブルが解除される。
【0243】
これにより、契約確認アプリケーションから連動アプリケーションに遷移して、当該連動アプリケーションが、ユーザにより選局されたサービスにより提供される、スクランブルが解除された有料コンテンツに連動して実行されることになる(
図31のステップS208,S209)。
【0244】
以上、有料関連アプリケーション処理の流れについて説明した。
【0245】
<7.変形例>
【0246】
上述した説明では、メディアトランスポート方式として、MMT方式を説明したが、例えば、MPEG2-TS等の他の方式を採用してもよい。
【0247】
なお、本技術を適用可能なデジタルテレビ放送の規格としては、日本等が採用する方式であるISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)のほか、米国等で採用されているATSC(Advanced Television Systems Committee standards)や、欧州の各国等が採用する方式であるDVB(Digital Video Broadcasting)などがある。また、地上デジタルテレビ放送に限らず、衛星デジタルテレビ放送やデジタル有線テレビ放送などで採用するようにしてもよい。
【0248】
<8.コンピュータの構成>
【0249】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。
図33は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
【0250】
コンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。バス904には、さらに、入出力インターフェース905が接続されている。入出力インターフェース905には、入力部906、出力部907、記録部908、通信部909、及び、ドライブ910が接続されている。
【0251】
入力部906は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部907は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部908は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部909は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ910は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア911を駆動する。
【0252】
以上のように構成されるコンピュータ900では、CPU901が、ROM902や記録部908に記録されているプログラムを、入出力インターフェース905及びバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0253】
コンピュータ900(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア911に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0254】
コンピュータ900では、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インターフェース905を介して、記録部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記録部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記録部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0255】
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。
【0256】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0257】
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0258】
(1)
有料の放送サービスとして提供される、スクランブルされて伝送される放送コンテンツを受信する受信部と、
前記放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報に含まれる、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報に応じて、前記契約確認アプリケーションを取得する取得部と、
前記契約確認アプリケーションの動作を制御する制御部と
を備える受信装置。
(2)
前記取得部は、前記契約確認アプリケーションが存在している場合、
前記契約確認アプリケーションを実行することで、前記有料の放送サービスを契約していないことが確認されたとき、前記放送コンテンツを紹介するためのプロモーションアプリケーションを取得し、
前記契約確認アプリケーションを実行することで、前記有料の放送サービスを契約していることが確認されたとき、スクランブルが解除された前記放送コンテンツに連動して実行される連動アプリケーションを取得し、
前記制御部は、前記契約確認アプリケーションから、前記プロモーションアプリケーション又は前記連動アプリケーションに遷移させて、前記プロモーションアプリケーション又は前記連動アプリケーションの動作を制御する
(1)に記載の受信装置。
(3)
前記取得部は、前記プロモーションアプリケーションを実行することで、未契約のユーザにより、前記有料の放送サービスが契約された場合、スクランブルが解除された前記放送コンテンツに連動して実行される連動アプリケーションを取得し、
前記制御部は、前記連動アプリケーションを、前記放送コンテンツに連動して実行させる
(2)に記載の受信装置。
(4)
前記制御情報は、ノンスクランブルで伝送され、
前記契約確認アプリケーションは、ノンスクランブルで伝送され、
前記プロモーションアプリケーションは、ノンスクランブルで伝送され、
前記連動アプリケーションは、スクランブルされて伝送される
(2)又は(3)に記載の受信装置。
(5)
前記契約確認アプリケーション、前記プロモーションアプリケーション、及び、前記連動アプリケーションは、データとして伝送され、
前記制御情報には、アプリケーションを制御するためのアプリケーション制御情報と、データ伝送に関する情報を含むデータ伝送情報が含まれる
(2)乃至(4)のいずれかに記載の受信装置。
(6)
前記有料の放送サービスとして、単一のサービスが提供され、
前記放送コンテンツ、前記制御情報、前記アプリケーション制御情報、前記データ伝送情報、前記契約確認アプリケーション、前記プロモーションアプリケーション、及び、前記連動アプリケーションは、前記有料の放送サービスのストリームとして伝送される
(5)に記載の受信装置。
(7)
前記有料の放送サービスとして、複数のサービスが提供され、
前記放送コンテンツ、前記制御情報、及び、前記連動アプリケーションは、前記有料の放送サービスのストリームとして伝送され、
前記アプリケーション制御情報、前記データ伝送情報、前記契約確認アプリケーション、及び、前記プロモーションアプリケーションは、他の有料の放送サービスと共通のストリームとして伝送される
(5)に記載の受信装置。
(8)
前記契約確認アプリケーションにおいて、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための機能は、API(Application Programming Interface)により提供される
(1)乃至(7)のいずれかに記載の受信装置。
(9)
メディアトランスポート方式として、MMT(MPEG Media Transport)方式が採用され、
前記契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報は、MPT(MMT Package Table)に配置されるアクセス制御記述子に記述されるアプリケーション起動フラグである
(1)乃至(8)のいずれかに記載の受信装置。
(10)
受信装置の受信方法において、
前記受信装置が、
有料の放送サービスとして提供される、スクランブルされて伝送される放送コンテンツを受信し、
前記放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報に含まれる、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報に応じて、前記契約確認アプリケーションを取得し、
前記契約確認アプリケーションの動作を制御する
ステップを含む受信方法。
(11)
有料の放送サービスとして提供される放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報であって、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報を含む前記制御情報を生成する生成部と、
スクランブルされて伝送される前記放送コンテンツとともに、ノンスクランブルで伝送される前記制御情報を送信する送信部と
を備える送信装置。
(12)
前記送信部は、前記契約確認アプリケーションが存在している場合、前記契約確認アプリケーションとともに、前記放送コンテンツを紹介するためのプロモーションアプリケーションと、スクランブルが解除された前記放送コンテンツに連動して実行される連動アプリケーションを送信する
(11)に記載の送信装置。
(13)
前記契約確認アプリケーションは、ノンスクランブルで伝送され、
前記プロモーションアプリケーションは、ノンスクランブルで伝送され、
前記連動アプリケーションは、スクランブルされて伝送される
(12)に記載の送信装置。
(14)
前記契約確認アプリケーション、前記プロモーションアプリケーション、及び、前記連動アプリケーションは、データとして伝送され、
前記制御情報には、アプリケーションを制御するためのアプリケーション制御情報と、データ伝送に関する情報を含むデータ伝送情報が含まれる
(12)又は(13)に記載の送信装置。
(15)
前記有料の放送サービスとして、単一のサービスが提供され、
前記放送コンテンツ、前記制御情報、前記アプリケーション制御情報、前記データ伝送情報、前記契約確認アプリケーション、前記プロモーションアプリケーション、及び、前記連動アプリケーションは、前記有料の放送サービスのストリームとして伝送される
(14)に記載の送信装置。
(16)
前記有料の放送サービスとして、複数のサービスが提供され、
前記放送コンテンツ、前記制御情報、及び、前記連動アプリケーションは、前記有料の放送サービスのストリームとして伝送され、
前記アプリケーション制御情報、前記データ伝送情報、前記契約確認アプリケーション、及び、前記プロモーションアプリケーションは、他の有料の放送サービスと共通のストリームとして伝送される
(14)に記載の送信装置。
(17)
メディアトランスポート方式として、MMT方式が採用され、
前記契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報は、MPTに配置されるアクセス制御記述子に記述されるアプリケーション起動フラグである
(11)乃至(16)のいずれかに記載の送信装置。
(18)
送信装置の送信方法において、
前記送信装置が、
有料の放送サービスとして提供される放送コンテンツの構成に関する情報を含む制御情報であって、前記有料の放送サービスの契約の有無を確認するための契約確認アプリケーションの存在の有無を示す情報を含む前記制御情報を生成し、
スクランブルされて伝送される前記放送コンテンツとともに、ノンスクランブルで伝送される前記制御情報を送信する
ステップを含む送信方法。
【符号の説明】
【0259】
1 放送通信システム, 10 送信装置, 20 受信装置, 30 サーバ, 80 伝送路, 90 インターネット, 119 アプリケーション生成部, 120 アプリケーション処理部, 121 MMT-SI生成部, 122 MMT-SI処理部, 123 TLV-SI生成部, 124 TLV-SI処理部, 125 スケジューラ, 126 マルチプレクサ, 127 スクランブラ, 128 送信部, 212 チューナ, 213 デスクランブラ, 214 CASプラットフォーム, 215 デマルチプレクサ, 216 システム制御部, 218 メモリ, 225 アプリケーション制御部, 226 アプリケーションエンジン, 227 通信部, 900 コンピュータ, 901 CPU