(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017477
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】建築物用廃プラ土台
(51)【国際特許分類】
E04C 3/28 20060101AFI20230131BHJP
E04B 1/58 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
E04C3/28
E04B1/58 503Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121777
(22)【出願日】2021-07-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】521328065
【氏名又は名称】株式会社クボタ工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100209129
【弁理士】
【氏名又は名称】山城 正機
(72)【発明者】
【氏名】窪田 義浩
【テーマコード(参考)】
2E125
2E163
【Fターム(参考)】
2E125AA18
2E125AB12
2E125AC21
2E125AG03
2E125AG21
2E125AG23
2E125AG25
2E125BF04
2E125CA44
2E125EA12
2E163FA12
2E163FE03
(57)【要約】
【課題】異種材料を用いることなく強固に部材同士を接合することができ、しかも、建設現場で部材をカットすることなく使用することができるとともに大量生産が可能な建築物用廃プラ土台を提供する。
【解決手段】本発明の建築物用廃プラ土台は、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう設けられた凹部111を備える第一柱状部材110と、凹部121に係合可能となるよう、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう設けられた凸部121を備える第二柱状部材120と、込栓部材130とを有する。凸部121及び凹部111には、込栓部材130が嵌入可能な込栓穴部112、122が、凸部121と凹部111とを係合させた際に幅方向に貫通するように形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう設けられた凹部を備える第一柱状部材と、
前記凹部に係合可能となるよう、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう設けられた凸部を備える第二柱状部材と、
込栓部材とを有し、
前記凸部及び前記凹部には、前記込栓部材が嵌入可能な込栓穴部が、前記凸部と前記凹部とを係合させた際に幅方向に貫通するように形成される、
建築物用廃プラ土台。
【請求項2】
前記凹部は、前記雌部材を建築基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成される、
請求項1に記載の建築物用廃プラ土台。
【請求項3】
前記凸部が形成される高さの残部には、長手方向に段を形成するよう引っ込む引込部が形成され、
前記凹部が形成される高さの残部には、長手方向に突出する段部が形成されるとともに、
前記引込部と前記段部の長手方向の長さは略同一に設定される、
請求項1又は請求項2に記載の建築物用廃プラ土台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物用廃プラ土台に関し、特に、木造建築物の土台として廃プラスチック由来の材料を用いた際の部材同士の接合のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、木造建築物は、コンクリート製の基礎の周縁の上面に沿って土台と呼ばれる構造材を水平に配置し、土台の上に建築物を建てている。
【0003】
一般的に、土台の材料としては柱状の木材が使用される。
【0004】
ところで、木材は湿気を帯びやすいため長期間に及んだ使用は腐食の原因になりやすい。さらに、シロアリの被害にあう場合があるため、長期間に及び性能を発揮し続けることは難しい。しかも、木材は再生することができず、焼却する以外の処理方法はない。つまり、今の木造住宅は寿命や腐食等の被害に起因して使い捨てせざるを得ないという側面を持つ。
【0005】
一方、現代社会においては、多種多様な形で樹脂製材料が使用されており、樹脂製材料でできた製品を触れない日はないくらい、樹脂製材料にあふれている。樹脂製材料はリサイクルされ、他の樹脂製製品に再生することができるため、樹脂製材料を有効に活用することは、エネルギーや材料のリサイクルの観点から非常に重要である。
【0006】
このような観点から、木造建築物の土台として、回収されたプラスチック製品を再生して製造したいわゆる廃プラスチックによって形成したものを使用する技術や、合成樹脂によって形成したものを使用する技術が、特許文献1や特許文献2に開示されている(特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004-19331号公報
【特許文献2】特開2005-299211号公報
【0008】
特許文献1に開示された発明によると、廃プラスチックを木粉と混合して押出成形することによって成形された土台を使用するため、シロアリの被害を受けることもなく、十分な強度を有する建築物用土台を提供することができる。
【0009】
また、特許文献2に開示された発明においては、樹脂又はコンクリートによって成形された土台本体を使用するため、腐食やシロアリによる被害を受けることなく、十分な強度や耐久性を有する土台を提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように廃プラスチックを含む樹脂製の土台を使用する場合、製造コストの高さがネックとなる。特に、樹脂製の土台の場合、木製土台とは異なり、建設現場での臨機応変な加工が難しいため、構造で成形したものをそのまま使用する必要があり、コスト高の原因となる。
【0011】
ところで、建築物用土台を設置する建築基礎は、代表的には長方形の形状に敷設されるため、建築基礎の上に設置される土台も、いくつかの部材をつなぎ合わせて建築基礎と同じ形状にする必要がある。
【0012】
一般的な木製土台を用いる場合には、木製土台同士を金属プレートなどの治具とボルトを用いて結合するが、樹脂製の材料で金属プレートなどの治具とボルトを用いて結合しようとすると、樹脂製材料と金属ボルトとの相性の面で問題が生じる。また、異種材料同士の接合を行うことになるため、材料費が余計にかかり、かつ、大量生産に向かないため、さらに製造コストが上昇することになる。
【0013】
さらに、木製土台であれば、建築基礎の大きさに応じて、部材をカットするなどして寸法を合わせて土台を接合することができるが、樹脂製土台の場合、工場で成形された状態のものをそのまま使用することが想定されているため、現場でカットして寸法を合わせることは難しい。
【0014】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、異種材料を用いることなく強固に部材同士を接合することができ、しかも、建設現場で部材をカットすることなく使用することができるとともに大量生産が可能な建築物用廃プラ土台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の発明者らは、鋭意創作の結果、込栓を用いた接合手段を用いることで上記課題を解決可能であることを見出し、本発明に至った。
【0016】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0017】
第1の特徴に係る建築物用廃プラ土台は、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう設けられた凸部を備える第一柱状部材と、凸部に係合可能となるよう、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう設けられた凹部を備える第二柱状部材と、込栓部材とを有する。凸部及び凹部には、込栓部材が嵌入可能な込栓穴部が、凸部と凹部とを係合させた際に幅方向に貫通するように形成される。
【0018】
第1の特徴に係る発明によれば、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう設けられた凸部を備える第一柱状部材と、凸部に係合可能となるよう、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう設けられた凹部を備える第二柱状部材とを有するため、凸部と凹部を係合させることで、互いの柱状部材の端部同士を突き合わせることができる。そして、凸部と凹部とを係合させた際に幅方向に貫通するように形成された込栓穴部に込栓部材を嵌入させて部材同士を結合するため、金属プレートやボルト等の金属製品を用いることなく、部材同士を強固に結合することができる。
【0019】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、凹部は、第一柱状部材を建築基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成される。
【0020】
第2の特徴に係る発明によると、凹部が、第一柱状部材を建築基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成されるため、第一柱状部材を基礎上に載置した状態で、第二柱状部材を上方から鉛直方向に組み合わせることができる。つまり、側方や長手方向から水平方向にスライドさせることなく第一柱状部材と第二柱状部材を結合させることができ、多様な種類の建築基礎に適用することができる。
【0021】
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であって、凸部が形成される高さの残部には、長手方向に段を形成するよう引っ込む引込部が形成され、凹部が形成される高さの残部には、長手方向に突出する段部が形成される。引込部と段部の長手方向の長さは略同一に設定される。
【0022】
第3の特徴に係る発明によると、引込部と段部の長手方向の長さは略同一に設定されるため、凸部と凹部が組み合わされた際に、引込部と段部は互いに隙間なく係合することができる。そのため、柱状部材同士を突き合わせた際に、上方への移動が制限されることとなり、より強固な結合手段を実現することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、異種材料を用いることなく強固に部材同士を接合することができ、しかも、建設現場で部材をカットすることなく使用することができるとともに大量生産が可能な建築物用廃プラ土台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明に係る建築物用廃プラ土台100の斜視図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係るL型雌部材210の斜視図である。
【
図3】
図3は、第二実施形態に係るT型雌部材310の斜視図である。
【
図4】
図4は、第三実施形態に係る十字型雌部材410の斜視図である。
【
図5】
図5は、第四実施形態に係るI型雄部材520の斜視図である。
【
図6】
図6は、第五実施形態に係るI型雄雌部材620の斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明に係る建築物用廃プラ土台100を用いて構成した建築物の土台の模式図である。
【
図8】
図8は、本発明に係る建築物用廃プラ土台100を用いて構成した別の例に係る建築物の土台の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0026】
なお、本発明において、廃プラ又は廃プラスチックとは、廃棄ないし回収された樹脂製材料を再生した材料を指すものとし、その成分や組成によって廃プラ又は廃プラスチックという用語が指す技術範囲が狭められるものではない。
【0027】
[本発明に係る建築物用廃プラ土台の基本構成]
図1を用いて、本発明に係る建築物用廃プラ土台100の基本構成を説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る建築物用廃プラ土台100の斜視図を示す。
【0029】
第一実施形態に係る建築物用廃プラ土台100は、本発明における第一柱状部材の一実施形態である雌部材110と、本発明における第二柱状部材の一実施形態である雄部材120と、込栓部材130によって構成される。
【0030】
雌部材110と雄部材120はそれぞれの端部同士を組み合わせて接合する、所定の幅、所定の高さ及び所定の長さを有する柱状部材であり、雌部材110と雄部材120の幅及び高さは略同一に設定される。そして、雌部材110の凹部111と、雄部材120の凸部121は、それぞれの端部において互いに係合する形状および大きさに形成される。
【0031】
すなわち、雄部材120の端部において、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう凸部121が形成される。
【0032】
また、雌部材110の端部において、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう凹部111が形成される。しかも、凹部111は、雌部材110を基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するように形成される。
【0033】
その結果、雌部材110の端部上側には二つの角部111S、111Sが形成される。凸部121と凹部111はそれぞれ同じ幅、同じ高さ及び同じ長さを有するため、凹部111と凸部121は係合可能となり、雌部材110と雄部材120の端部同士を突き合わせることができる。
【0034】
また、二つの角部111Sと凸部121には、それぞれ、後述する込栓部材130が嵌入可能な第一込栓穴部112及び第二込栓穴部122が略水平方向に形成される。
【0035】
また、雄部材120の端部における凸部121が形成される高さの残部には、長手方向に段を形成するよう引っ込む引込部123が形成され、雌部材110の端部における凹部111が形成される高さの残部には、長手方向に突出する段部113が形成される。引込部123と段部113の長手方向の長さは略同一に設定され、凸部121と凹部111が組み合わされた際に、引込部123と段部113は互いに隙間なく係合する。
【0036】
込栓部材130は廃プラスチックで形成された略円筒形状の部材であり、第一込栓穴部112及び第二込栓穴部122に嵌入可能な直径を有し、雌部材110及び雄部材120の幅と略同じ長さを有する。
[本発明に係る建築物用廃プラ土台の結合方法]
【0037】
このように形成された雌部材110と雄部材120を結合する際には、凹部111と凸部121が係合するよう組み合わされる。その際、雌部材110の二つの角部111Sに穿設された第一込栓穴部112と雄部材120の凸部121に穿設された第二込栓穴部122は一直線上に連通する。
【0038】
そして、連通した第一込栓穴部112及び第二込栓穴部122に込栓部材130を打ち込んで嵌入することで、雌部材110と雄部材120とが互いに結合される。
【0039】
その際、雌部材110の端部であって、基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう凹部111が形成され、雄部材120の端部において、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう凸部121が形成されるため、
図1に示すように、雌部材110を基礎上に載置した状態で、雄部材120を上方から鉛直方向に組み合わせることで、雌部材110と雄部材120の端部同士を突き合わせることができる。つまり、側方や長手方向から水平方向にスライドさせることなく雌部材110と雄部材120を結合させることができる。
【0040】
このように、高さ方向から柱状部材同士を組み合わせることができることは、建築基礎上に設置される建築物用土台としては有利な効果を奏する。というのも、一般に、建築基礎の上面からはアンカーボルトが突出しているため、建築基礎上において建築物用土台を水平方向にスライドさせるためには、建築物用土台の下面に、アンカーボルトが貫通しかつスライドできる分の長さを有する孔を形成する必要がある。建築基礎上においてアンカーボルトを設置する位置やアンカーボルトの大きさは、建築物によって異なるため、様々なアンカーボルトに適合可能な建築物用土台を構成するためには、建築物用土台の下面に大きな孔を形成しなければならない。
【0041】
そこで、本発明に係る建築物用廃プラ土台100においては、雄部材120の端部において、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう凸部121が形成され、雌部材110の端部かつ基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう凹部111が形成される。このようにすることで、建築基礎上に載置した雌部材110に対し、雄部材120を高さ方向から結合させることができるため、水平方向にスライド移動させる必要がない。そのため、様々な配置や形状のアンカーボルトに対応可能な土台を構築することができる。
【0042】
また、本発明に係る建築物用廃プラ土台100においては、雌部材110の凹部111や雄部材120の凸部121が形成されている部位の残部には、それぞれ、長手方向に突出する段部113と長手方向に引っ込む引込部123とが形成されている。段部113と引込部123の長手方向の長さは略同一となっているため、段部113の上から引込部123が覆い被さるように組み合わされることで、雌部材110の鉛直方向のずれを回避することができる。
【0043】
そして、本発明に係る建築物用廃プラ土台100においては、凹部111と凸部121、及び、段部113と引込部123を組み合わせた状態で、第一込栓穴部112と第二込栓穴部122に込栓部材130を打ち込んで嵌入することで、雌部材110と雄部材120を強固に結合することができる。
【0044】
雌部材110及び雄部材120と同様に廃プラスチックで形成された込栓部材130を使用して結合することで、一般に木製土台の結合に使用されるような金属プレートなどの治具が不要となり、異種材料の結合を考慮する必要がない。そのため、安価で製造できる。また、結合用の込栓部材130も含め、すべての部材が廃プラスチックという樹脂製材料で形成されるので、型を用いて複数個を大量に製造することができ、量産性も高い。
【0045】
本発明のように込栓と穴部を利用した結合方法は、日本の木製部材同士の結合方法として利用されてきている。木製部材同士を結合する際、込栓も木製の部材を使用するが、槌で込栓を穴部に打ち込んで結合する際、木製の込栓や部材が衝撃に伴って破損することがある。部材が破損すると、強度を確保することができず、建築物の土台を構成する構造物としては好ましくない。
【0046】
本発明においては、雌部材110、雄部材120及び込栓部材130はいずれも廃プラスチックつまり樹脂によって形成されているため、槌で打ち込んだとしても、木製の場合と異なり破損することなく、部材同士を強固に結合することができる。
【0047】
[第一実施形態に係るL型雌部材の構成]
次に、
図2を用いて、建築物用廃プラ土台を構成する雌部材のうち、第一実施形態に係るL型雌部材210の全体構成を説明する。なお、L型雌部材210は本発明における第一柱状部材の一実施形態である。
【0048】
図2は、第一実施形態に係るL型雌部材210の斜視図を示したものである。理解を助けるため、異なる角度から見た二つの斜視図を示す。
【0049】
図2に示すように、第一実施形態に係るL型雌部材210は、柱状の部材をL字状に屈曲した本体部によって形成され、L型雌部材210は所定の幅及び高さを有する。
【0050】
また、L字状に形成されたL型雌部材210の本体部の両端部には、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう凹部211が形成される。また、凹部211は、L型雌部材210を基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成される。その結果、一の端部上側には二つの角部211S、211Sが形成される。
【0051】
また、それぞれの角部211Sには、込栓部材130が嵌入可能な込栓穴部212が形成される。
【0052】
また、L型雌部材210の端部における凹部211が形成される高さの残部には、長手方向に突出する段部213が形成される。段部213の長手方向の長さは係合する雄部材の引込部の長手方向の長さと略同一に設定され、L型雌部材210と他の雄部材が組み合わされた際に、引込部と段部213は互いに隙間なく係合する。
【0053】
なお、L型雌部材210の略中心部には、建築物の柱を挿入するための孔が形成されていてもよい。
【0054】
このようにして形成されたL型雌部材210は、建築基礎上に配置する土台の四隅の部材として配設される。
【0055】
L型雌部材210の両端部には凹部211が形成されているため、L型雌部材210には雄部材が接続されることとなるが、上述した通り、L型雌部材210を基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう凹部211が形成されため、L型雌部材210を建築基礎上の隅部に載置した状態で、他の雄部材を鉛直方向から結合させることができる。そのため、水平方向にスライド移動させることなく、隅部の土台を構築することができる。
【0056】
[第二実施形態に係るT型雌部材の構成]
次に、
図3を用いて、建築物用廃プラ土台を構成する雌部材のうち、第二実施形態に係るT型雌部材310の全体構成を説明する。なお、T型雌部材310は本発明における第一柱状部材の一実施形態である。
【0057】
図3は、第二実施形態に係るT型雌部材310の斜視図を示したものである。
【0058】
図3に示すように、第二実施形態に係るT型雌部材310は、柱状の部材をT字状に枝分かれさせた本体部によって形成され、T型雌部材310は所定の幅及び高さを有する。
【0059】
また、T字状に形成されたT型雌部材310の本体部の三か所の端部には、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう凹部311が形成される。また、凹部311は、T型雌部材310を基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成される。その結果、一の端部上側には二つの角部311S、311Sが形成される。
【0060】
また、それぞれの角部311Sには、込栓部材130が嵌入可能な込栓穴部312が形成される。
【0061】
また、T型雌部材310の端部における凹部311が形成される高さの残部には、長手方向に突出する段部313が形成される。段部313の長手方向の長さは係合する雄部材の引込部の長手方向の長さと略同一に設定され、T型雌部材310と他の雄部材が組み合わされた際に、引込部と段部313は互いに隙間なく係合する。
【0062】
なお、T型雌部材310の略中心部には、建築物の柱を挿入するための孔が形成されていてもよい。
【0063】
このようにして形成されたT型雌部材310は、建築基礎上に配置する土台において、周縁から内方に枝分かれする際の部材として配設される。
【0064】
T型雌部材310の三か所の端部には凹部311が形成されているため、T型雌部材310には雄部材が接続されることとなるが、上述した通り、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう凹部311が形成されため、T型雌部材310を建築基礎上の周縁部に載置した状態で、他の雄部材を鉛直方向から結合させることができる。そのため、水平方向にスライド移動させることなく、周縁部の土台を構築することができる。
【0065】
[第三実施形態に係る十字型雌部材の構成]
次に、
図4を用いて、建築物用廃プラ土台を構成する雌部材のうち、第三実施形態に係る十字型雌部材410の全体構成を説明する。なお、十字型雌部材410は本発明における第一柱状部材の一実施形態である。
【0066】
図4は、第三実施形態に係る十字型雌部材410の斜視図を示したものである。
【0067】
図4に示すように、第三実施形態に係る十字型雌部材410は、柱状の部材を十字状に枝分かれした本体部によって形成され、十字型雌部材410は所定の幅及び高さを有する。
【0068】
また、十字状に形成された十字型雌部材410の本体部の四か所の端部には、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう凹部411が形成される。また、凹部411は、十字型雌部材410を基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成される。その結果、一の端部上側には二つの角部411S、411Sが形成される。
【0069】
また、それぞれの角部411Sには、込栓部材130が嵌入可能な込栓穴部412が形成される。
【0070】
また、十字型雌部材410の端部における凹部411が形成される高さの残部には、長手方向に突出する段部413が形成される。段部413の長手方向の長さは係合する雄部材の引込部の長手方向の長さと略同一に設定され、十字型雌部材410と他の雄部材が組み合わされた際に、引込部と段部413は互いに隙間なく係合する。
【0071】
なお、十字型雌部材410の略中心部には、建築物の柱を挿入するための孔が形成されていてもよい。
【0072】
このようにして形成された十字型雌部材410は、建築基礎上に配置する土台において、周縁から内方に枝分かれする部材同士を接続する部材として配設される。
【0073】
十字型雌部材410の四か所の端部には凹部311が形成されているため、十字型雌部材410には雄部材が接続されることとなるが、上述した通り、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう凹部411が形成されため、十字型雌部材410を建築基礎上の周縁部から内方に載置した状態で、他の雄部材を鉛直方向から結合させることができる。そのため、水平方向にスライド移動させることなく、周縁から内方の土台を構築することができる。
【0074】
[第四実施形態に係るI型雄部材の構成]
次に、
図5を用いて、建築物用廃プラ土台を構成する雄部材のうち、第四実施形態に係るI型雄部材520の全体構成を説明する。なお、I型雄部材520は本発明における第二柱状部材の一実施形態である。
【0075】
図5は、第四実施形態に係るI型雄部材520の斜視図を示したものである。
【0076】
図5に示すように、第三実施形態に係るI型雄部材520は、柱状に形成されたI字状つまり直線状の本体部によって形成され、所定の幅、所定の高さ及び所定の長さを有する。
【0077】
また、I字状に形成されたI型雄部材520の本体部の両端部には、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう凸部521が形成される。
【0078】
また、それぞれの凸部521には、込栓部材130が嵌入可能な込栓穴部522が形成される。
【0079】
また、I型雄部材520の端部における凸部521が形成される高さの残部には、長手方向に段を形成するよう引っ込む引込部523が形成される。引込部523の長手方向の長さは係合する雌部材の段部の長手方向の長さと略同一に設定され、I型雄部材520と他の雌部材が組み合わされた際に、引込部523と段部は互いに隙間なく係合する。
【0080】
このようにして形成されたI型雄部材520は、建築基礎上に配置する土台において、他の部材の凹部同士を接続する部材として配設される。
【0081】
例えば、I型雄部材520は、L型雌部材210同士、L型雌部材210とT型雌部材310、L型雌部材210と十字型雌部材410、T型雌部材310同士、T型雌部材310と十字型雌部材410、十字型雌部材410同士を接続する際に、それぞれの雌部材の凹部に両端部の凸部521が係合することで、それぞれの部材間に配置される。
【0082】
I型雄部材520の両端部には凸部521が形成されているため、I型雄部材520には雌部材が接続されることとなるが、上述した通り、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう凸部521が形成されため、他の雌部材を建築基礎上に載置した状態で、I型雄部材520を鉛直方向から結合させることができる。そのため、水平方向にスライド移動させることなく、土台を構築することができる。
【0083】
[第五実施形態に係るI型雄雌部材の構成]
次に、
図6を用いて、建築物用廃プラ土台を構成する部材のうち、第五実施形態に係るI型雄雌部材620全体構成を説明する。なお、I型雄雌部材620は本発明における第一柱状部材及び第二柱状部材の一実施形態である。
【0084】
図6は、第五実施形態に係るI型雄雌部材620の斜視図を示したものである。
【0085】
図6に示すように、第五実施形態に係るI型雄雌部材620は、柱状の部材によって形成されたI字状つまり直線状の本体部によって形成され、所定の幅、所定の高さ及び所定の長さを有する。
【0086】
また、I字状に形成されたI型雄雌部材620の本体部の一方の端部には、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう凹部621が形成され、他方の端部には、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう凸部622が形成される。また、凹部621は、I型雄雌部材620を基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成される。その結果、一の端部上側には二つの角部621S、621Sが形成される。
【0087】
また、一方の端部に形成された二つの角部621Sと他方の端部に形成された凸部622には、込栓部材130が嵌入可能な込栓穴部623、624が形成される。
【0088】
また、I型雄雌部材620の一方の端部における凹部621が形成される高さの残部には、長手方向に突出する段部625が形成され、他方の端部における凸部622の長手方向に段を形成するよう引っ込む引込部626が形成される。段部625と引込部626の長手方向の長さは略同一に設定され、その長さは、他の部材の段部ないし引込部の長さと略同等に設定される。そのため、I型雄雌部材620と他の部材が組み合わされた際に、引込部626と他の部材の段部は互いに隙間なく係合し、段部625と他の部材の引込部は隙間なく係合する。
【0089】
このようにして形成されたI型雄雌部材620は、建築基礎上に配置する土台において、他のI型雄雌部材620と接続されることで、長尺の土台を構築することができる。つまり、一のI型雄雌部材620の凹部621と他のI型雄雌部材620の凸部622が係合し、I型雄雌部材620同士を接続することができる。
【0090】
また、第五実施形態に係るI型雄雌部材620の凸部622は、L型雌部材210の凹部211、T型雌部材310の凹部311、十字型雌部材410の凹部411と係合する。
【0091】
さらに、I型雄雌部材620の凹部621は、I型雄部材520の凸部521と係合する。
【0092】
I型雄雌部材620の一端部には凹部621が形成されているため、他の部材の凸部が接続されることとなるが、上述した通り、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう凹部621が形成されため、I型雄雌部材620を建築基礎上に載置した状態で、他の部材を鉛直方向から結合させることができる。そのため、水平方向にスライド移動させることなく、土台を構築することができる。
【0093】
また、I型雄雌部材620の他端部には凸部622が形成されているため、他の部材の凹部が接続されることとなるが、上述した通り、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう凸部622が形成されため、他の部材を建築基礎上に載置した状態で、I型雄雌部材620を鉛直方向から結合させることができる。そのため、水平方向にスライド移動させることなく、土台を構築することができる。
【0094】
[本発明に係る建築物用廃プラ土台を用いた土台の構成]
次に、
図7を用いて、本発明に係る建築物用廃プラ土台を用いて建築物の土台を構成する実施例を示す。
【0095】
図7は、本発明に係る建築物用廃プラ土台を用いて構成した建築物の土台の模式図を示したものである。
【0096】
図7に示すように、全体として長方形の形状を呈する建築において、その四隅にL型雌部材210を配置する。また、四隅に配置したL型雌部材210同士を結ぶ線の中央に、中央にT型雌部材310を配置する。L型雌部材210とT型雌部材310を接続するために、I型雄部材520とI型雄雌部材620を用いる。このように、L型雌部材210、T型雌部材310、I型雄部材520及びI型雄雌部材620を用いることで、土台の周縁部を形成することができる。
【0097】
そして、建築基礎の中央部に十字型雌部材410を配置し、十字型雌部材410とT型雌部材310の間を、I型雄部材520を用いて、あるいは、I型雄部材520とI型雄雌部材620を用いて接続する。
【0098】
また、図示は省略するが、それぞれの部材同士は込栓部材130で結合される。
【0099】
ここで、四隅に配置したL型雌部材210の両端部には凹部211と長手方向に突出する段部213が形成される。そのため、最初にL型雌部材210を載置した状態で、その両端部にI型雄部材520やI型雄雌部材620の凸部側を鉛直方向から接続することができる。
【0100】
また、T型雌部材310及び十字型雌部材410においても同様に、すべての端部に凹部と段部が形成される。そのため、T型雌部材310や十字型雌部材410を載置した状態で、それらの端部にI型雄部材520やI型雄雌部材620の凸部側を鉛直方向から接続することができる。
【0101】
したがって、建築基礎にから鉛直上向きに突出するアンカーボルトによる影響を受けることなく、土台を構成することができる。
【0102】
また、
図7に示すような単純な形状の建築基礎だけでなく、様々な形状の基礎においても、限られた種類の部材(本発明においては五種類の部材)を組み合わせることによって土台を構築することができる。そのため、建設現場に応じていちいち部材を製造する必要がなく、汎用の部材として大量生産が可能となる。そのため、廃プラスチックによって製造される製品が製品化されるためのネックとなるコストを削減することができ、安価な建築土台の構築方法を提供することができる。
【0103】
また、
図8に示すように、I型雄雌部材620を使用せず、直線部分は全てI型雄部材520によって接続するようにしてもよい。その場合、現場の建築基礎の形状や大きさ、及び、L型雌部材210、T型雌部材310や十字型雌部材410の大きさに応じて、I型雄部材520の長さを変更することになるが、部材同士を接続する中間の部材の使用が一つで済むため、複数個の直線状部材を繋ぎ合わせて接続する
図7の例よりも強度が高くなる。
【0104】
以上、まとめると、本発明の効果は以下の通りとなる。
【0105】
本発明は、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう設けられた凸部を備える第一柱状部材と、凸部に係合可能となるよう、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう設けられた凹部を備える第二柱状部材と、込栓部材とを有し、凸部及び凹部には、込栓部材が嵌入可能な込栓穴部が、凸部と凹部とを係合させた際に幅方向に貫通するように形成される、建築物用廃プラ土台である。
【0106】
所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう設けられた凸部を備える第一柱状部材と、凸部に係合可能となるよう、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう設けられた凹部を備える第二柱状部材とを有するため、凸部と凹部を係合させることで、互いの柱状部材の端部同士を突き合わせることができる。そして、凸部と凹部とを係合させた際に幅方向に貫通するように形成された込栓穴部に込栓部材を嵌入させて部材同士を結合するため、金属プレートやボルト等の金属製品を用いることなく、部材同士を強固に結合することができる。
【0107】
また、凹部は、第一柱状部材を建築基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成される。
【0108】
凹部が、第一柱状部材を建築基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成されるため、第一柱状部材を基礎上に載置した状態で、第二柱状部材を上方から鉛直方向に組み合わせることができる。つまり、側方や長手方向から水平方向にスライドさせることなく第一柱状部材と第二柱状部材を結合させることができ、多様な種類の建築基礎に適用することができる。
【0109】
また、凸部が形成される高さの残部には、長手方向に段を形成するよう引っ込む引込部が形成され、凹部が形成される高さの残部には、長手方向に突出する段部が形成される。そして、引込部と段部の長手方向の長さは略同一に設定される。
【0110】
引込部と段部の長手方向の長さは略同一に設定されるため、凸部と凹部が組み合わされた際に、引込部と段部は互いに隙間なく係合することができる。そのため、柱状部材同士を突き合わせた際に、上方への移動が制限されることとなり、より強固な結合手段を実現することができる。
【0111】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0112】
例えば、本発明における雌部材110の凹部111及び雄部材120の凸部121は、共に、軸方向長さ60mm、幅30mm、高さ60mmであるが、これに限ったものではない。また、段部113及び引込部123は、共に、軸方向長さ15mm、高さ60mmであるが、これに限ったものではない。
【0113】
また、本発明における込栓部材130の直径及び対応する込栓穴部の直径は18mmであるが、これに限ったものではない。また、込栓部材130は円筒形状のものを例示したがこれに限ったものでなく、断面矩形状の角柱状部材であっても構わない。そして、対応する込栓穴部の断面形状も矩形状としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
この発明の建築物用廃プラ土台は、木造住宅のみならず、様々な建造物の土台として適用することができる。
【符号の説明】
【0115】
100 建築物用廃プラ土台
110 雌部材(第一柱状部材)
111 凹部
112 第一込栓穴部
113 段部
120 雄部材(第二柱状部材)
121 凸部
122 第二込栓穴部
123 引込部
130 込栓部材
【手続補正書】
【提出日】2021-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう設けられた凹部を備える第一柱状部材と、
前記凹部に係合可能となるよう、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう設けられた凸部を備える第二柱状部材と、
込栓部材とを有し、
前記凸部が形成される高さの残部には、長手方向に段を形成するよう引っ込む引込部が形成され、
前記凹部が形成される高さの残部には、長手方向に突出する段部が形成されるとともに、
前記引込部と前記段部の長手方向の長さは略同一に設定されるものであり、
前記凸部及び前記凹部には、前記込栓部材が嵌入可能な込栓穴部が、前記凸部と前記凹部とを係合させた際に幅方向に貫通するように形成される、
建築物用廃プラ土台。
【請求項2】
前記凹部は、前記第一柱状部材を建築基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成される、
請求項1に記載の建築物用廃プラ土台。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
第1の特徴に係る建築物用廃プラ土台は、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう設けられた凸部を備える第一柱状部材と、凸部に係合可能となるよう、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう設けられた凹部を備える第二柱状部材と、込栓部材とを有する。このとき、凸部が形成される高さの残部には、長手方向に段を形成するよう引っ込む引込部が形成され、凹部が形成される高さの残部には、長手方向に突出する段部が形成されるとともに、引込部と段部の長手方向の長さは略同一に設定される。そして、凸部及び凹部には、込栓部材が嵌入可能な込栓穴部が、凸部と凹部とを係合させた際に幅方向に貫通するように形成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
第1の特徴に係る発明によれば、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に突出するよう設けられた凸部を備える第一柱状部材と、凸部に係合可能となるよう、所定の幅及び所定の高さを有する部位が長手方向に陥没するよう設けられた凹部を備える第二柱状部材とを有するため、凸部と凹部を係合させることで、互いの柱状部材の端部同士を突き合わせることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
また、凸部が形成される高さの残部に引っ込むよう形成された引込部と、凹部が形成される高さの残部に突出するよう形成された段部の長手方向の長さは略同一に設定されるため、凸部と凹部が組み合わされた際に、引込部と段部は互いに隙間なく係合することができる。そのため、柱状部材同士を突き合わせた際に、上方への移動が制限されることとなり、より強固な結合手段を実現することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
そして、凸部と凹部とを係合させた際に幅方向に貫通するように形成された込栓穴部に込栓部材を嵌入させて部材同士を結合するため、金属プレートやボルト等の金属製品を用いることなく、部材同士を強固に結合することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、凹部は、第一柱状部材を建築基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
第2の特徴に係る発明によると、凹部が、第一柱状部材を建築基礎上に載置した際に上面となる面において、所定の幅及び所定の長さを有する部位が高さ方向に陥没するよう形成されるため、第一柱状部材を基礎上に載置した状態で、第二柱状部材を上方から鉛直方向に組み合わせることができる。つまり、側方や長手方向から水平方向にスライドさせることなく第一柱状部材と第二柱状部材を結合させることができ、多様な種類の建築基礎に適用することができる。