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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174801
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】電極の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/26 20060101AFI20231201BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20231201BHJP
   B05C 9/14 20060101ALI20231201BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20231201BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20231201BHJP
   B05C 5/02 20060101ALN20231201BHJP
   B05C 9/06 20060101ALN20231201BHJP
【FI】
B05D1/26 Z
B05C11/10
B05C9/14
H01M4/139
H01M4/13
B05C5/02
B05C9/06
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176525
(22)【出願日】2023-10-12
(62)【分割の表示】P 2019125789の分割
【原出願日】2019-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大亮
(72)【発明者】
【氏名】上田 一道
【テーマコード(参考)】
4D075
4F041
4F042
5H050
【Fターム(参考)】
4D075AC02
4D075AC05
4D075AC80
4D075AC88
4D075AC91
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA04
4D075DB01
4D075DB06
4D075DB07
4D075DC18
4D075DC19
4D075DC21
4D075EA10
4D075EB51
4D075EC01
4D075EC02
4D075EC30
4F041AA05
4F041AA12
4F041AB01
4F041BA05
4F041BA13
4F041CA03
4F041CA13
4F041CA17
4F041CA22
4F042AA06
4F042AA22
4F042AB00
4F042BA04
4F042BA07
4F042BA08
4F042BA12
4F042BA25
4F042CB02
4F042CB08
4F042CB10
4F042DB02
4F042DB12
4F042DC03
4F042DD00
4F042DF23
4F042ED02
5H050AA19
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB02
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB09
5H050CB11
5H050CB12
5H050CB20
5H050FA02
5H050GA22
5H050GA29
5H050HA04
5H050HA07
5H050HA10
(57)【要約】
【課題】塗工装置の構成を簡素化し、塗工装置の稼働に要する作業時間を短縮するとともに、塗工液の混合を低減することができる電極の製造方法を提供する。
【解決手段】塗工装置2は、連続搬送される被塗工基材100に対して複数の塗工液111、112を同時に塗工可能なダイヘッド3Aを備える。ダイヘッド3Aは、一対のダイブロック4A、4Bと、一対のダイブロック4A、4Bの間に、複数の塗工液111、112がそれぞれ流れる複数の流路53、55及び複数の吐出口54、56を形成するシムプレート5Aとを備える。複数の吐出口54、56は、被塗工基材100の幅方向Wに対して所定の距離L1だけ離間して配置される。電極の製造方法は、ダイヘッド3Aを用いて複数の塗工液を同時に塗工する工程を含み、第1の吐出口54から吐出される第1の塗工液の上部又は下部に、第2の吐出口56から吐出される第2の塗工液の少なくとも一部が配置されるように塗工される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続搬送される被塗工基材に対して、ダイヘッドを用いて複数の塗工液を同時に塗工する工程を含む電極の製造方法であって、
前記ダイヘッドは、
前記被塗工基材の搬送方向に沿って対向配置される一対のダイブロックと、
前記一対のダイブロックに挟持され、前記一対のダイブロックの間に、前記複数の塗工液がそれぞれ流れる複数の流路、及び、前記複数の流路にそれぞれ連通する複数の吐出口を形成するシムプレートと、を備え、
前記複数の吐出口は、
第1の吐出口と、前記第1の吐出口に対して前記被塗工基材の幅方向の片側又は両側に配置される第2の吐出口とであり、
前記シムプレートは、
前記一対のダイブロックにそれぞれ接触する第1の接触面及び第2の接触面と、
前記第1の吐出口及び前記第1の吐出口に連通する前記流路として、前記第1の接触面及び前記第2の接触面の間を貫通するように形成された流路孔と、
前記第2の吐出口及び前記第2の吐出口に連通する前記流路として、前記第1の接触面及び前記第2の接触面の少なくとも一方に形成された流路溝と、を有し、
前記第1の吐出口及び前記第2の吐出口は、
前記幅方向に対して所定の距離だけ離間して配置され、
前記第1の吐出口から吐出される第1の塗工液は、活物質を含み、前記第1の吐出口を介して前記被塗工基材に塗工され、乾燥されることで活物質層を形成し、
前記第2の吐出口から吐出される第2の塗工液は、絶縁物を含み、前記第2の吐出口を介して前記被塗工基材に塗工され、乾燥されることで絶縁層を形成し、
前記第1の塗工液の上部又は下部に前記第2の塗工液の少なくとも一部が配置されるように塗工される、
電極の製造方法。
【請求項2】
前記第2の塗工液の前記幅方向の一端部が、前記第1の塗工液と重なった状態で配置され、
前記第2の塗工液の前記幅方向の他端部が、前記第1の塗工液と重なることなく配置されるように塗工される、
請求項1に記載の電極の製造方法。
【請求項3】
前記第1の塗工液の下部に前記第2の塗工液の幅方向の一部が配置されるように塗工される、
請求項2に記載の電極の製造方法。
【請求項4】
前記第2の塗工液の粘度は、前記第1の塗工液の粘度の0.05~50%である、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電極の製造方法。
【請求項5】
前記第1の吐出口の開口面積は、前記第2の吐出口の開口面積よりも広い、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電極の製造方法。
【請求項6】
前記幅方向に対する前記第1の吐出口の幅は、前記幅方向に対する前記第2の吐出口の幅よりも広い、
請求項5に記載の電極の製造方法。
【請求項7】
前記シムプレートの厚さ方向に対する前記第1の吐出口の高さは、前記厚さ方向に対する前記第2の吐出口の高さよりも高い、
請求項5又は請求項6に記載の電極の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン二次電池等には、集電体の表面に活物質層及び絶縁層が形成された電池用電極が用いられる。このような電池用電極は、塗工装置を用いて、活物質等を含む塗工液と、絶縁性物質等を含む塗工液とを、両者の一部が重なるように集電体の表面に塗工し、乾燥させることで製造される。
【0003】
例えば、特許文献1には、スラリ状の電極材料を塗工する第1のダイコータと、スラリ状の絶縁材料を塗工する第2のダイコータと、を備える製造装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-69833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された製造装置は、第1のダイコータと、第2のダイコータとをそれぞれ備えるため、製造装置の構成が複雑化し、製造装置の稼働に要する作業時間(例えば、段取り作業時間や保守作業時間等)が長くなるという問題点があった。また、特許文献1に開示された製造装置は、スラリ状の電極材料を塗工した後、そのスラリ状の電極材料の上にスラリ状の絶縁材料を重ねるようにして塗工するため、電極材料と絶縁材料とが混合しやすいという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、塗工装置の構成を簡素化し、塗工装置の稼働に要する作業時間を短縮するとともに、塗工液の混合を低減することができる電極の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するものであって、本発明の一実施形態に係る電極の製造方法は、
連続搬送される被塗工基材に対して、ダイヘッドを用いて複数の塗工液を同時に塗工する工程を含む電極の製造方法であって、
前記ダイヘッドは、
前記被塗工基材の搬送方向に沿って対向配置される一対のダイブロックと、
前記一対のダイブロックに挟持され、前記一対のダイブロックの間に、前記複数の塗工液がそれぞれ流れる複数の流路、及び、前記複数の流路にそれぞれ連通する複数の吐出口を形成するシムプレートと、を備え、
前記複数の吐出口は、
第1の吐出口と、前記第1の吐出口に対して前記被塗工基材の幅方向の片側又は両側に配置される第2の吐出口とであり、
前記シムプレートは、
前記一対のダイブロックにそれぞれ接触する第1の接触面及び第2の接触面と、
前記第1の吐出口及び前記第1の吐出口に連通する前記流路として、前記第1の接触面及び前記第2の接触面の間を貫通するように形成された流路孔と、
前記第2の吐出口及び前記第2の吐出口に連通する前記流路として、前記第1の接触面及び前記第2の接触面の少なくとも一方に形成された流路溝と、を有し、
前記第1の吐出口及び前記第2の吐出口は、
前記幅方向に対して所定の距離だけ離間して配置され、
前記第1の吐出口から吐出される第1の塗工液は、活物質を含み、前記第1の吐出口を介して前記被塗工基材に塗工され、乾燥されることで活物質層を形成し、
前記第2の吐出口から吐出される第2の塗工液は、絶縁物を含み、前記第2の吐出口を介して前記被塗工基材に塗工され、乾燥されることで絶縁層を形成し、
前記第1の塗工液の上部又は下部に前記第2の塗工液の少なくとも一部が配置されるように塗工される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態に係る電極の製造方法によれば、複数の塗工液をそれぞれ塗工する複数の吐出口を備えるダイヘッドを用いて複数の塗工液を同時に塗工する工程を含む。そのため、複数の塗工液が1つのダイヘッドにより塗工されるので、塗工装置の構成を簡素化し、塗工装置の稼働に要する作業時間を短縮することができる。
【0009】
また、複数の吐出口は、所定の距離だけ離間して配置される。そのため、塗工された直後の複数の塗工液の間には隙間が生じるが、複数の塗工液は、時間経過に伴って被塗工基材の幅方向にそれぞれ広がることにより、一方の塗工液の上部又は下部に他方の塗工液が配置される。したがって、複数の塗工液が層状に積層されるので、複数の塗工液の混合を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態に係る製造システム1の全体を示す概略構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るダイヘッド3Aを示し、(a)は全体斜視図、(b)は分解斜視図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係るダイヘッド3Aを示し、(a)は正面図、(b)はA-A線断面図、(c)は下面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る塗工装置2の動作を説明するための説明図であり、(a)は正面図、(b)は上面図である。
図5】電極シート100に塗工された第1のスラリ111及び第2のスラリ112を示し、(a)はB-B線断面図、(b)はC-C線断面図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係るダイヘッド3Bを示し、(a)は正面図、(b)はD-D線断面図、(c)は下面図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係るダイヘッド3Cを示し、(a)は全体斜視図、(b)は分解斜視図である。
図8】本発明の第4の実施形態に係るダイヘッド3Dを示し、(a)は全体斜視図、(b)は分解斜視図である。
図9】本発明の第5の実施形態に係るシムプレート5Eを示し、(a)は全体斜視図、(b)は分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を参照しつつ説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る製造システム1の全体を示す概略構成図である。
【0013】
(製造システム1の構成)
電池用電極の製造システム1は、電極シート100の表面に活物質層121及び絶縁層122を形成することにより、例えば、リチウムイオン二次電池の電極として用いられる電池用電極を製造するシステムである。本実施形態では、電池用電極の製造システム1に、塗工装置2を適用した場合について説明する。
【0014】
電極シート100は、シート状の集電体として機能する被塗工基材である。電極シート100は、例えば、厚さが5~20μm程度の長尺帯状の金属箔である。電極シート100は、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、ステンレス、チタン等の金属材料で形成されている。
【0015】
活物質層121は、活物質を含む第1のスラリ111(第1の塗工液)を電極シート100の表面に塗工し、乾燥させることで形成される。活物質層121の厚さは、例えば、30~300μmの範囲で適宜設定される。
【0016】
第1のスラリ111は、活物質の他に、例えば、結着剤、その他添加剤等を混合し、溶媒に溶解させることにより調製される。第1のスラリ111の粘度は、B型粘度計を用いて、20℃、せん断速度3.4s-1におけるペースト粘度として、例えば、1~15Pa・sの範囲である。正極用の活物質としては、例えば、リチウム・ニッケル複合酸化物、リチウム・コバルト複合酸化物、リチウム・マンガン複合酸化物、リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物等のリチウムと遷移金属との複合酸化物等である。負極用の活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料、ケイ素、スズ等のリチウムを吸蔵可能な金属やその合金又は酸化物、リチウム金属、リチウム合金等のリチウム系金属、ポリアセン、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等である。
【0017】
絶縁層122は、絶縁性物質を含む第2のスラリ112(第2の塗工液)を電極シート100の表面に塗工し、乾燥させることで形成される。絶縁層122の厚さは、例えば、5~30μmの範囲で適宜設定される。
【0018】
第2のスラリ112は、絶縁性物質の他に、例えば、結着剤、その他添加剤等を混合し、溶媒に溶解させることにより調製される。第2のスラリ112の粘度は、B型粘度計を用いて、20℃、せん断速度3.4s-1におけるペースト粘度として、例えば、0.5~3.0Pa・sの範囲であり、第1のスラリ111の粘度に対して、例えば、0.05~50%の範囲である。絶縁性物質としては、例えば、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO)等の無機酸化物である。
【0019】
なお、第1のスラリ111及び第2のスラリ112の各材料の混合比は、電池の仕様や用途等に応じて適宜変更される。
【0020】
製造システム1は、ロール状に巻かれた電極シート100を巻き出す巻き出し装置10と、巻き出し装置10から巻き出された電極シート100に対して第1のスラリ111及び第2のスラリ112を塗工する塗工装置2と、第1のスラリ111及び第2のスラリ112の溶媒成分を乾燥させて除去することにより、電極シート100の表面に活物質層121及び絶縁層122を形成する乾燥炉11と、電極シート100をロール状に巻き取る巻き取り装置12と、巻き出し装置10と巻き取り装置12との間に配置された複数の搬送ロール13と、CPU等の演算処理回路により構成され、塗工装置2を含む製造システム1の各部の動作を制御する制御装置14と、を備える。
【0021】
本明細書では、電極シート100が連続搬送される方向、すなわち、電極シート100の長尺方向を「搬送方向R」とし、電極シート100の短尺方向を「幅方向W」とする。
【0022】
電極シート100は、巻き出し装置10を上流側、巻き取り装置12を下流側として、複数の搬送ロール13により搬送方向Rに沿って連続搬送される。
【0023】
制御装置14は、電極シート100に所定の張力を付与するとともに、電極シート100の搬送速度が、例えば、5~100m/分の範囲となるように、複数の搬送ロール13の回転速度を制御する。なお、搬送ロール13の配置や数は適宜変更してもよい。
【0024】
(塗工装置2の構成)
塗工装置2は、電極シート100に対して第1のスラリ111及び第2のスラリ112を同時に塗工可能なダイヘッド3Aと、ダイヘッド3Aに第1のスラリ111を供給する第1のスラリ供給部21と、ダイヘッド3Aに第2のスラリ112を供給する第2のスラリ供給部22と、を備える。
【0025】
ダイヘッド3Aの先端部は、電極シート100に対して所定の間隔Gをあけて配置される。
【0026】
第1のスラリ供給部21は、第1のスラリ111を貯留する第1のスラリタンク210と、第1のスラリタンク210とダイヘッド3Aとの間を接続する第1のスラリ配管211と、第1のスラリ配管211に設けられ、第1のスラリ111を供給するときの供給量や供給のオンオフを調節する第1のポンプ212及び第1の開閉バルブ213と、を備える。
【0027】
第2のスラリ供給部22は、第1のスラリ供給部21と同様に構成されており、第2のスラリ112を貯留する第2のスラリタンク220と、第2のスラリタンク220とダイヘッド3Aとの間を接続する第2のスラリ配管221と、第2のスラリ配管221に設けられ、第2のスラリ112を供給するときの供給量や供給のオンオフを調節する第2のポンプ222及び第2の開閉バルブ223と、を備える。
【0028】
(ダイヘッド3Aの構成)
図2は、本発明の第1の実施形態に係るダイヘッド3Aを示し、(a)は全体斜視図、(b)は分解斜視図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係るダイヘッド3Aを示し、(a)は正面図、(b)はA-A線断面図、(c)は下面図である。
【0029】
ダイヘッド3Aは、電極シート100の搬送方向Rに沿って対向配置される一対のダイブロック4A、4Bと、一対のダイブロック4A、4Bに挟持されるシムプレート5Aと、を備える。
【0030】
一対のダイブロック4A、4Bの各々は、シムプレート5Aを挟持して固定するためのボルト(不図示)を貫通させる複数のボルト孔40を有する。一対のダイブロック4A、4Bのうち、第1のダイブロック4Aは、搬送方向Rの上流側に配置され、第2のダイブロック4Bは、搬送方向Rの下流側に配置される。
【0031】
一対のダイブロック4A、4Bの一方は、第1のスラリ配管211に接続されて第1のスラリ111が流入する第1の流入孔41と、第2のスラリ配管221に接続されて第2のスラリ112が流入する第2の流入孔42と、を有する。本実施形態では、第1のダイブロック4Aは、第1の流入孔41を有し、第1の流入孔41の出口側に、凹部43が形成されている。また、第2のダイブロック4Bは、第2の流入孔42を有する。
【0032】
シムプレート5Aは、平板状の部材で構成されている。シムプレート5Aは、一対のダイブロック4A、4Bにそれぞれ接触する第1の接触面50A及び第2の接触面50Bと、電極シート100に対して所定の間隔Gをあけて配置される塗工面50Cと、第1の接触面50A及び第2の接触面50Bの間を貫通するように形成された流路孔51と、第1の接触面50A及び第2の接触面50Bの少なくとも一方に形成された流路溝52と、複数のボルト孔57と、を有する。本実施形態では、流路溝52は、第2の接触面50Bに形成されている。
【0033】
シムプレート5Aは、第1の接触面50A及び第2の接触面50Bを一対のダイブロック4A、4Bにそれぞれ接触させた状態で、一対のダイブロック4A、4Bに挟持される。このとき、流路孔51は、一対のダイブロック4A、4Bの間に、第1のスラリ111が流れる第1の流路53と、第1の流路53に連通する第1の吐出口54を形成する。また、流路溝52は、一対のダイブロック4A、4Bの間に、第2のスラリ112が流れる第2の流路55と、第2の流路55に連通する第2の吐出口56を形成する。
【0034】
第1の流路53は、その両端部において、第1の流入孔41及び凹部43と、第1の吐出口54とにそれぞれ連通する。
【0035】
第2の流路55は、その両端部において、第2の流入孔42と、第2の吐出口56とにそれぞれ連通する。第2の流路55は、第1の流路53と交差することなく、複数のボルト孔57よりも内側(シムプレート5Aの幅方向Wの中心線O1側)を通過するように配置される。第2の流路55の経路の長さが短いほど、第2のポンプ222の吐出圧は低く設定される。なお、第2の流入孔42として、ボルト孔40を用いるようにしてもよい。
【0036】
第2の流路55は、塗工面50Cに対して所定の角度θ(例えば、90°)をなすように形成されている。角度θが大きくなるほど、第1の吐出口54及び第2の吐出口56から電極シート100に塗工された直後の第1のスラリ111及び第2のスラリ112が混合することが抑制される。
【0037】
第1の吐出口54は、シムプレート5Aの幅方向Wの中心線O1を含む位置に配置される。第2の吐出口56は、第1の吐出口54に対して幅方向Wの片側に配置される。第1の吐出口54と、第2の吐出口56とは、幅方向Wに対して所定の距離(以下、「離間距離」という)L1だけ離間して配置される。
【0038】
離間距離L1は、第1の吐出口54から電極シート100に塗工された第1のスラリ111が幅方向Wに広がるとともに、第2の吐出口56から電極シート100に塗工された第2のスラリ112が幅方向Wに広がったときに、第1のスラリ111の上部又は下部に第2のスラリ112が重なって配置されるように設定される。具体的には、離間距離L1は、例えば、0.5~2.0mmである。本実施形態では、離間距離L1は、第1のスラリ111及び第2のスラリ112が幅方向Wにそれぞれ広がったとき、第1のスラリ111の下部に第2のスラリ112の幅方向Wの少なくとも一部が重なって配置されるように、設定されている。
【0039】
第1の吐出口54の開口面積は、前記第2の吐出口56の開口面積よりも広く設定される。
【0040】
幅方向Wに対する第1の吐出口54の幅W1は、幅方向Wに対する第2の吐出口56の幅W2よりも広く設定される。幅W1は、例えば、550mm~560mmであるのに対し、幅W2は、例えば、3mm~4mmである。第2の吐出口56の幅W2は、第1の吐出口54の幅W1に対して、例えば、0.35~0.80%の範囲である。また、第2の吐出口56の幅W2は、離間距離L1に対して、例えば、150~800%の範囲である。
【0041】
シムプレート5Aの厚さ方向Tに対する第1の吐出口54の高さT1は、厚さ方向Tに対する第2の吐出口56の高さT2よりも高く設定される。高さT1は、例えば、1.0mm~1.5mmであるのに対し、高さT2は、例えば、0.3mm~1.0mmである。第2の吐出口56の高さT2は、第1の吐出口54の高さT1に対して、例えば、10~100%の範囲である。
【0042】
本実施形態では、高さT1は、流路孔51の深さ、すなわち、シムプレート5Aの厚さに等しく、高さT2は、流路溝52の深さに等しい。なお、流路孔51や流路溝52の形状及びサイズは、図2図3に示すものに限られず、適宜変更してもよい。また、流路溝52の断面形状は、四角形状に限られず、例えば、三角形状でもよいし、半円状でもよい。
【0043】
(製造システム1の動作)
次に、上記構成を有する製造システム1の動作について、図4図5を参照しつつ説明する。
【0044】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る塗工装置2の動作を説明するための説明図であり、(a)は正面図、(b)は上面図である。図5は、電極シート100に塗工された第1のスラリ111及び第2のスラリ112を示し、(a)はB-B線断面図、(b)はC-C線断面図である。なお、図4図5では、電極シート100を湾曲状ではなく、直線状に記載した。
【0045】
まず、ロール状の電極シート100が巻き出し装置10に準備されると、制御装置14が、複数の搬送ロール13を制御することにより、電極シート100が、搬送方向Rに沿って連続搬送される。
【0046】
このとき、制御装置14は、第1のポンプ212及び第1の開閉バルブ213を制御することにより、第1のスラリ111がダイヘッド3Aに供給される。また、制御装置14は、第2のポンプ222及び第2の開閉バルブ223を制御することにより、第2のスラリ112がダイヘッド3Aに供給される。
【0047】
そして、第1のスラリ111は、第1の流入孔41及び第1の流路53を流れて、第1の吐出口54から吐出される。また、第2のスラリ112は、第2の流入孔42及び第2の流路55を流れて、第2の吐出口56から吐出される。
【0048】
このようにして、第1のスラリ111が、第1の吐出口54を介して電極シート100に塗工されるとともに、第2のスラリ112が、第2の吐出口56を介して電極シート100に塗工されることにより、塗工工程が行われる。
【0049】
第1のスラリ111及び第2のスラリ112が塗工された直後は、図5(a)に示すように、両者の間には、幅方向Wに対して隙間Sが生じる。隙間Sは、第1の吐出口54と第2の吐出口56とが、離間距離L1だけ離間されて配置されているために生じたものである。
【0050】
第1のスラリ111及び第2のスラリ112は、ペースト状であるため、第1のスラリ111及び第2のスラリ112が電極シート100に塗工されてからその塗工された部分の電極シート100が乾燥炉11に到達するまでの時間経過に伴って、第1のスラリ111が幅方向Wに徐々に広がっていくとともに、第2のスラリ112が、幅方向Wに徐々に広がっていく。
【0051】
そして、隙間Sが、第1のスラリ111及び第2のスラリ112で埋められて、図5(b)に示すように、第1のスラリ111の下部に第2のスラリ112の幅方向Wの一部が重なって配置されることにより、配置工程が行われる。すなわち、第1のスラリ111及び第2のスラリ112が、幅方向Wにそれぞれ広がったとき、第2のスラリ112のうち第1のスラリ111側に位置する一端部112aを含む部分は、第2のスラリ112と重なった状態で配置され、第2のスラリ112のうち第1のスラリ111側に位置しない他端部112bを含む部分は、第2のスラリ112と重なることなく配置される。
【0052】
ここで、第1のスラリ111と第2のスラリ112とが重なったラップ部分の幅を、ラップ幅W3とすると、ラップ幅W3は、例えば、1mm以下に設定される。ラップ幅W3は、第1の吐出口54のサイズ(幅W1、高さT1)、第2の吐出口56のサイズ(幅W2、高さT2)、第1の吐出口54と第2の吐出口56との間の離間距離L1、第1のスラリ111及び第2のスラリ112の粘度、電極シート100と塗工面10Cとの間の間隔G、電極シート100の搬送速度、第1のポンプ212及び第2のポンプ222の回転数、並びに、第1の開閉バルブ213及び第2の開閉バルブ223の開度等のパラメータにより調整される。
【0053】
次に、第1のスラリ111及び第2のスラリ112が、図5(b)に示すように、配置された状態で、電極シート100が乾燥炉11を通過することにより、乾燥工程が行われる。その結果、電極シート100の表面には、電極シート100の幅方向Wに対して、活物質層121のみが形成された部分と、活物質層121と絶縁層122とが重なって形成されたラップ部分と、絶縁層122のみが形成された部分とが設けられる。
【0054】
そして、活物質層121及び絶縁層122が形成された電極シート100は、巻き取り装置12に順次巻き取られる。製造システム1は、各工程を連続的に行うことにより、電池用電極を製造する。
【0055】
以上のように、第1の実施形態に係る塗工装置2によれば、ダイヘッド3Aが、第1のスラリ111及び第2のスラリ112をそれぞれ塗工する第1の吐出口54及び第2の吐出口56を備える。そのため、複数の塗工液が1つのダイヘッド3Aにより塗工されるので、塗工装置2の構成を簡素化し、塗工装置2の稼働に要する作業時間を短縮することができる。
【0056】
また、第1の吐出口54及び第2の吐出口56は、離間距離L1だけ離間して配置される。そのため、塗工された直後の第1のスラリ111及び第2のスラリ112の間には隙間Sが生じるが、第1のスラリ111及び第2のスラリ112は、時間経過に伴って幅方向Wにそれぞれ広がることにより、第1のスラリ111の下部に第2のスラリ112の幅方向Wの一部が重なって配置される。したがって、第1のスラリ111及び第2のスラリ112が層状に積層されるので、第1のスラリ111及び第2のスラリ112の混合を低減することができる。
【0057】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係るダイヘッド3Bを示し、(a)は正面図、(b)はD-D線断面図、(c)は下面図である。
【0058】
第1の実施形態に係る塗工装置2では、第2の吐出口56が、第1の吐出口54に対して幅方向Wの片側に配置される。これに対し、第2の実施形態に係る塗工装置2では、第2の吐出口56A、56Bが、第1の吐出口54に対して幅方向Wの両側に配置されるように、ダイヘッド3Bの構成を変更したものである。基本的な構成は、第1の実施形態と共通するため、構成が異なる部分を中心に説明を省略する。
【0059】
ダイブロック4Aは、2つの第2の流入孔42A、42Bを有する。なお、2つの第2の流入孔42A、42Bの各々に第2のスラリ112を供給する構成としては、例えば、第2のスラリ配管221が途中で分岐されていてもよいし、塗工装置2が2つの第2のスラリ供給部22を備えるようにしてもよい。
【0060】
シムプレート5Bは、第2の接触面50Bに形成された2つの流路溝52A、52Bを有する。2つの流路溝52A、52Bの各々は、一対のダイブロック4A、4Bの間に、第2のスラリ112が流れる第2の流路55A、55Bと、第2の流路55に連通する第2の吐出口56A、56Bを形成する。
【0061】
2つの第2の吐出口56A、56の各々は、第1の吐出口54に対して幅方向Wの両側に配置される。第1の吐出口54と、2つの第2の吐出口56Aの各々とは、幅方向Wに対して離間距離L1だけ離間して配置される。
【0062】
以上のように、第2の実施形態に係る塗工装置2によれば、第2の吐出口56A、56Bが、第1の吐出口54に対して幅方向Wの両側に配置される。そのため、1つのダイヘッド3Bにより、活物質層121に対して幅方向Wの両側に絶縁層122を形成することができる。
【0063】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係るダイヘッド3Cを示し、(a)は全体斜視図、(b)は分解斜視図である。
【0064】
第1の実施形態に係る塗工装置2では、シムプレート5Aが、流路孔51と、流路溝52と、を有する。これに対し、第3の実施形態に係る塗工装置2では、シムプレート5Cが、流路孔51の代わりとなる第1の流路溝52Aと、流路溝52と同様の第2の流路溝52Bと、を有するように、ダイヘッド3Cの構成を変更したものである。基本的な構成は、第1の実施形態と共通するため、構成が異なる部分を中心に説明を省略する。
【0065】
第1の流路溝52A及び第2の流路溝52Bは、第2の接触面50Bに形成されている。なお、第1の流路溝52A及び第2の流路溝52Bの少なくとも一方が、第1の接触面50Aに形成されるようにしてもよい。
【0066】
第1の流路溝52Aは、第1のスラリ111が流れる第1の流路53と、第1の流路53に連通する第1の吐出口54を形成する。また、第2の流路溝52Bは、第2のスラリ112が流れる第2の流路55と、第2の流路55に連通する第2の吐出口56を形成する。
【0067】
以上のように、第3の実施形態に係る塗工装置2によれば、シムプレート5Cが有する複数の流路溝52A、52Bが、第1のスラリ111及び第2のスラリ112をそれぞれ塗工するための流路53、55及び吐出口54、56を構成するため、シムプレート5Cを容易に製造することができる。
【0068】
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態に係るダイヘッド3Dを示し、(a)は全体斜視図、(b)は分解斜視図である。
【0069】
第1の実施形態に係る塗工装置2では、シムプレート5Aが、流路孔51と、流路溝52と、を有する。これに対し、第4の実施形態に係る塗工装置2では、シムプレート5Dが、流路孔51と同様の第1の流路孔51Aと、流路溝52の代わりとなる第2の流路孔51Bと、を有するように、ダイヘッド3Dの構成を変更したものである。基本的な構成は、第1の実施形態と共通するため、構成が異なる部分を中心に説明を省略する。
【0070】
第1の流路孔51Aは、第1のスラリ111が流れる第1の流路53と、第1の流路53に連通する第1の吐出口54を形成する。また、第2の流路孔51Bは、第2のスラリ112が流れる第2の流路55と、第2の流路55に連通する第2の吐出口56を形成する。
【0071】
以上のように、第4の実施形態に係る塗工装置2によれば、シムプレート5Dが有する複数の流路孔51A、51Bが、第1のスラリ111及び第2のスラリ112をそれぞれ塗工するための流路53、55及び吐出口54、56を構成するため、シムプレート5Dを容易に製造することができる。
【0072】
(第5の実施形態)
図9は、本発明の第5の実施形態に係るシムプレート5Eを示し、(a)は全体斜視図、(b)は分解斜視図である。
【0073】
第1の実施形態に係る塗工装置2では、シムプレート5Aが、平板状の部材で構成されている。これに対し、第5の実施形態では、シムプレート5Eが、複数のシム6A、6Bを積層することで構成されるように、シムプレート5Eの作製方法を変更したものである。基本的な構成は、第1の実施形態と共通するため、構成が異なる部分を中心に説明を省略する。
【0074】
第1のシム6Aは、第1のダイブロック4A側に配置される。第1のシム6Aは、中心線O1を含む位置にT字状に形成された第1の開口部61を有する。
【0075】
第2のシム6Bは、第2のダイブロック4B側に配置される。第2のシム6Bには、第1の開口部61と同じ位置に、第1の開口部61と同じ形状及びサイズで形成された第2の開口部62と、第2の開口部60Bに対して幅方向Wの片側に細長く形成された第3の開口部63と、を有する。
【0076】
シムプレート5Eは、厚さ方向Tに対して、第1のシム6Aと第2のシム6Bとを積層することで、第1の開口部61及び第2の開口部62が、流路孔51として機能し、第3の開口部63が、流路溝52として機能する。なお、シム6A、6Bの積層枚数は、2つに限られず、3つ以上でもよい。また、シム6A、6Bの厚さは、それぞれ異なるものでもよい。
【0077】
以上のように、第5の実施形態に係る塗工装置2によれば、シムプレート5Eが、複数のシム6A、6Bを積層することで構成されている。そのため、流路孔51や流路溝52の形状が複雑な場合でもシムプレート5Eを容易に製造することができる。
【0078】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0079】
例えば、上記第1乃至第5の実施形態を適宜組み合わせてもよく、第2の実施形態乃至第4の実施形態に係るシムプレート5B~5Dを、第5の実施形態に係るシムプレート5Eのように、複数のシムを積層することで製作するようにしてもよい。その場合には、シムの積層枚数や、各シムの厚さ、開口部の形状及びサイズを適宜変更してもよい。
【0080】
また、上記第1乃至第5の実施形態に係るシムプレート5A~5Eは、塗工装置2に対して交換可能に構成されるようにしてもよい。その場合には、1つの塗工装置2が、複数のシムプレート5A~5Eを交換して使用してもよいし、複数の塗工装置2が、1つのシムプレート5Aを共用するようにしてもよい。
【0081】
また、第1乃至第5の実施形態では、塗工装置2が、複数の吐出口として、2つ又は3つの吐出口を備えるものとして説明したが、4つ以上の吐出口を備えるものでもよい。また、複数の吐出口から塗工される塗工液は、同じ種類の塗工液でもよいし、異なる種類の塗工液でもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、配置工程において、第1のスラリ111の下部に第2のスラリ112の幅方向Wの一部が重なって配置されるものとして説明した。これに対し、配置工程において、第1のスラリ111の上部に第2のスラリ112の幅方向Wの一部が重なって配置されるようにしてもよい。その場合には、第1の吐出口54及び第2の吐出口56のサイズ、第1の吐出口54と第2の吐出口56との間の離間距離L1、第1のスラリ111及び第2のスラリ112の粘度、電極シート100と塗工面10Cとの間の間隔G、電極シート100の搬送速度、第1のポンプ212及び第2のポンプ222の回転数、並びに、第1の開閉バルブ213及び第2の開閉バルブ223の開度等を変更することで、第1のスラリ111及び第2のスラリ112が電極シート100に塗工されるときの塗工量や、第1のスラリ111及び第2のスラリ112が幅方向Wに広がるときの速度を調整すればよい。
【0083】
また、上記実施形態では、電極シート100は、乾燥工程が行われた後、巻き取り装置12に巻き取られるものとして説明した。これに対し、乾燥工程の後に、別の工程が追加されてもよく、例えば、活物質層121及び絶縁層122が形成された電極シート100を圧延する圧延工程や、電極シート100を所定のサイズに切断する切断工程が追加されてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…製造システム、2…塗工装置、
3A~3D…ダイヘッド、4A,4B…ダイブロック、
5A~5D…シムプレート、6…シム、
10…巻き出し装置、11…乾燥炉、12…巻き取り装置、
13…搬送ロール、14…制御装置、
21…第1のスラリ供給部、22…第2のスラリ供給部、
40…ボルト孔、41…第1の流入孔、
42,42A,42B…第2の流入孔、43…凹部、
50A…第1の接触面、50B…第2の接触面、50C…塗工面、
51,51A,51B…流路孔、52,52A,52B…流路溝、
53…第1の流路、54…第1の吐出口、
55,55A,55B…第2の流路、
56,56A,56B…第2の吐出口、
61…第1の開口部、62…第2の開口部、63…第3の開口部、
100…電極シート、111…第1のスラリ、112…第2のスラリ、
112a…一端部、112b…他端部、
121…活物質層、122…絶縁層、
210…第1のスラリタンク、211…第1のスラリ配管、
212…第1のポンプ、213…第1の開閉バルブ、
220…第2のスラリタンク、221…第2のスラリ配管、
222…第2のポンプ、223…第2の開閉バルブ、
R…搬送方向、T…厚さ方向、W…幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9