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特開2023-174811薬物療法デリバリーシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174811
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】薬物療法デリバリーシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
A61F9/007 170
A61F9/007 160
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023177495
(22)【出願日】2023-10-13
(62)【分割の表示】P 2021510839の分割
【原出願日】2019-08-29
(31)【優先権主張番号】62/724,425
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジェイ.ローバー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー シー.トウラー
(57)【要約】
【課題】良好な眼の薬剤デリバリーデバイスなどを提供すること。
【解決手段】眼の薬剤デリバリーデバイスは開示されている。様々な実施形態において、眼の薬剤デリバリーデバイスは、周囲組織への薬剤の分配を計量するように構成された微孔質本体を形成するように一緒に配置された複数の微孔質層を含む。幾つかの実施形態において、眼の薬剤デリバリーデバイスは、組織の内部成長に抵抗するように構成された1つ以上の部分、及び、組織の内部成長を許容するように構成された1つ以上の部分を含む。幾つかの実施形態において、眼の薬剤デリバリーデバイスは、緑内障の治療に有用な1つ以上の薬剤をデリバリーする。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を分配するためのインプラント可能なデリバリーデバイスであって、
組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む第一の微孔質層、
組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む第二の微孔質層、
組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含む、前記第一の微孔質層に結合された第三の微孔質層、及び、
前記第三の微孔質層と前記第二の微孔質層との間に画定される、薬剤を受容するためのリザーバ、
を含み、
前記第三の微孔質層は、前記デリバリーデバイスがインプラントされるときに前記薬剤が前記リザーバから溶出される速度を計量するように構成されている、デバイス。
【請求項2】
前記リザーバが前記第三の微孔質層と第四の微孔質層との間に画定されるように、前記第二の微孔質層に結合された第四の微孔質層をさらに含む、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記第四の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、前記第四の微孔質層は前記薬剤に対して透過性である、請求項2記載のデバイス。
【請求項4】
前記第四の微孔質層は前記薬剤に対して不透過性である、請求項2記載のデバイス。
【請求項5】
前記第四の層はエラストマーを含む、請求項4記載のデバイス。
【請求項6】
前記第一の微孔質層は、前記第三の微孔質層を露出するように構成されたアパチャを含む、請求項1~5のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項7】
前記第二の微孔質層と前記第三の微孔質層との間の分離を維持するために前記リザーバ内に配置された1つ以上の構造スペーサーをさらに含む、請求項1~6のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項8】
前記リザーバは、その場で補充されそして空にされるように構成されている、請求項1~7のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項9】
前記リザーバは、その中に薬剤を収容するように膨張するように構成されている、請求項1~8のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項10】
前記第一の微孔質層及び前記第二の微孔質層の少なくとも1つは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を含む、請求項1~9のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項11】
前記第三の微孔質層の第一の部分は薬剤に対して不透過性であり、前記第三の微孔質層の第二の部分は薬剤に対して透過性である、請求項1~10のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項12】
前記第三の微孔質層の第一の部分はエラストマーを含む、請求項11記載のデバイス。
【請求項13】
前記デリバリーデバイスは眼内にインプラント可能である、請求項1~12のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項14】
前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である、請求項13記載のデバイス。
【請求項15】
薬剤を分配するためのインプラント可能なデリバリーデバイスであって、
第一の内面及び対向する第二の内面を含むリザーバを画定するための、第二の微孔質層に結合された第一の微孔質層、及び、外面を有する本体、
を含み、
前記リザーバが薬剤で満たされているときに、前記第一の内面は前記第二の内面から分離可能であり、
前記第一の内面は所定の期間にわたって薬剤の分配を計量するように構成されており、前記第一の内面は、組織の内部成長に抵抗するように構成されており、そして、
前記本体の外面は、組織の内部成長を許容するように構成されている、デバイス。
【請求項16】
前記第一の内面の少なくとも一部は薬剤に対して透過性である、請求項15記載のデバイス。
【請求項17】
前記第二の内面は薬剤に対して不透過性である、請求項15又は請求項16記載のデバイス。
【請求項18】
前記第二の内面はエラストマーを含む、請求項17記載のデバイス。
【請求項19】
前記リザーバは、その場で補充されそして空にされるように構成されている、請求項15~18のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項20】
前記リザーバは、その中に薬剤を収容するように膨張するように構成されている、請求項15~19のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項21】
前記第一の微孔質層及び前記第二の微孔質層の少なくとも1つは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を含む、請求項15~20のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項22】
前記第一の内面の第一の部分は薬剤に対して不透過性であり、前記第一の内面の第二の部分は薬剤に対して透過性である、請求項15~21のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項23】
前記第一の内層の第一の部分は、エラストマーを含む、請求項22記載のデバイス。
【請求項24】
前記デリバリーデバイスは、眼内にインプラント可能である、請求項15~23のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項25】
前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である、請求項15~24のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項26】
薬剤を分配するためのデリバリーデバイスであって、
第一の微孔質層、第二の微孔質層及び第三の微孔質層を含む微孔質本体、及び、
前記第一の微孔質層と前記第三の微孔質層との間に配置された薬剤リザーバ、
を含み、
前記第一の微孔質層は前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層の間に位置し、前記第一の微孔質層は組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層はそれぞれ、組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む、デバイス。
【請求項27】
前記第一の微孔質層は、ある期間にわたって薬剤を分配するための計量部分を含む、請求項26記載のデバイス。
【請求項28】
前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層は前記デリバリーデバイスの外部を画定している、請求項26又は請求項27記載のデバイス。
【請求項29】
前記第一の微孔質層は前記第二の微孔質層に結合されている、請求項26~28のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項30】
前記第二の微孔質層は、前記第一の微孔質層を露出するように構成されたアパチャを含む、請求項29記載のデバイス。
【請求項31】
前記薬剤リザーバは、その場で補充されそして空にされるように構成されている、請求項26~30のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項32】
前記薬剤リザーバは、その中に薬剤を収容するように膨張するように構成されている、請求項26~31のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項33】
前記第一の微孔質層、前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層の少なくとも1つは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を含む、請求項26~32のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項34】
前記第一の微孔質層は、薬剤に対して透過性である第一の部分、及び、薬剤に対して不透過性である第二の部分を含み、前記第一の微孔質層の第二の部分はエラストマーを含む、請求項26~33のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項35】
前記デリバリーデバイスは眼内にインプラント可能である、請求項26~34のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項36】
前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である、請求項27~35のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項37】
薬剤リザーバを画定する内部を取り囲む外部を有する薬剤計量デバイスであって、
第一の微孔質層及び第二の微孔質層を含む第一の層、及び、
前記薬剤リザーバが前記第一の層と第二の層との間に画定されるように前記第一の層に結合された第二の層、
を含み、
第一の微孔質層は組織の内部成長に抵抗するように構成されており、前記第二の微孔質層は組織の内部成長を許容するように構成されており、前記第一の微孔質層は前記内部の一部を画定し、前記第二の微孔質層は前記外部の一部を画定しており、前記第一の層の前記第一の微孔質層の一部は、前記薬剤リザーバ内で使い捨て可能な薬剤に対して透過性である、デバイス。
【請求項38】
前記薬剤リザーバは、前記第一の層及び前記第二の層の非結合部分が互いに対して自由に撓むように、互いに結合されていない前記第一の層及び前記第二の層の部分の間に画定されている、請求項37記載のデバイス。
【請求項39】
前記第二の層は、第三の微孔質層及び第四の微孔質層を含み、前記第二の層の前記第三の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するように構成されており、前記第二の層の前記第四の微孔質層は、組織の内部成長を許容するように構成されており、前記第二の層の前記第三の微孔質層は、前記内部の一部を画定し、前記第四の微孔質層は、前記外部の一部を画定している、請求項37又は請求項38記載のデバイス。
【請求項40】
前記第一の層の第一の微孔質層及び第二の微孔質層は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項37~39のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項41】
前記第一の層の前記第一の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、前記第一の層の前記第二の微孔質層は、組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む、請求項37~40のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項42】
前記第二の層の前記第三の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、前記第二の層の前記第四の微孔質層は、組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む、請求項39~41のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項43】
前記第二の層の前記第三の微孔質層は、前記第二の層の前記第三の微孔質層が薬剤に対して不透過性であるようにエラストマーを含む、請求項39~42のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項44】
前記第一の層の前記第一の微孔質層は、薬剤に対して透過性である第一の部分及び薬剤に対して不透過性である第二の部分を含み、前記第一の層の前記第一の微孔質層の第二の部分はエラストマーを含む、請求項37~43のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項45】
前記デリバリーデバイスは眼内にインプラント可能である、請求項37~44のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項46】
前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である、請求項45記載のデバイス。
【請求項47】
前記薬剤は、粒子の流体懸濁液内に含まれる、請求項45記載のデバイス。
【請求項48】
前記第一の層の前記第一の微孔質層は、粒子が前記第一の微孔質層を通過するのを防ぐサイズの複数の細孔を含む、請求項47記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月29日に出願された仮出願第62/724,425号の利益を主張し、あらゆる目的のためにその全体を参照により本明細書に取り込む。
【背景技術】
【0002】
背景
房水は、眼の前房を満たし、眼内圧又は眼内の体液圧に寄与する流体である。高眼圧症は、眼内圧又は眼内の体液圧が上昇されている眼の状態である。未治療の高眼圧症は、緑内障を含む病気につながる可能性があり、その結果、罹患した目の視力は、徐々に、時には永久に失われることがある。
【0003】
高眼圧症、特に緑内障を治療するために多くの試みがなされてきた。そのような試みには、罹患した眼の眼内圧を下げるように設計されたドレナージデバイスのインプラント処置を含む外科的処置ならびに薬剤投与が挙げられる。これらの治療法の目標は、生活の質を改善し、眼内圧を下げることで視覚機能を維持することである。
【0004】
薬物投与は、典型的には、患者によって自己投与されなければならない点眼薬の形態であるが、インプラント可能な長期ドラッグデリバリーデバイスは、特定の場合に使用されうる。インプラント可能な長期ドラッグデリバリーデバイスは、典型的には、眼の外側に存在するか(例えば、眼球外アプローチ)、あるいは、眼の前房内にインプラントされる(前房内アプローチ)。
【0005】
薬剤デリバリーへの眼球外アプローチは、様々な課題を提示する。効果的であるために、眼球外アプローチは、眼の生物学的プロセスを介して、眼の結膜層を通って眼の前房に十分な量の薬剤を輸送することを必要とする。ヒトの涙液膜の継続的なフラッシングメカニズムなどの明らかな自然のメカニズム、ならびに、結膜によって形成される眼の内部への自然の障壁は、眼球外アプローチの有効性を複雑にし、時間の経過とともに最適に満たない用量デリバリーをもたらす。したがって、眼球外アプローチは、時折、有効期間を延長するために過剰量の薬剤を投与することを含む。
【0006】
他方、前房内アプローチは、眼の前房内のデバイスへのアクセス及びデバイスの配置を得るために、眼の様々な組織層を貫通する穿刺を必要とする、より侵襲的なアプローチである。前房内アプローチは、薬剤が吸収性(生体吸収性)のデバイスと関連して投与される場合に、デバイスの分解性がデバイスの脱落及び前房内での浮遊につながる可能性があるために、さらに複雑である。さらに、デバイスの除去及び交換は、眼の組織への外傷が必要である。
【発明の概要】
【0007】
要旨
1つの例(「例1」)によれば、薬剤を分配するためのインプラント可能なデリバリーデバイスは、組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む第一の微孔質層、組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む第二の微孔質層、組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含む、前記第一の微孔質層に結合された第三の微孔質層、及び、前記第三の微孔質層と前記第二の微孔質層との間に画定される、薬剤を受容するためのリザーバを含み、前記第三の微孔質層は、前記デリバリーデバイスがインプラントされるときに前記薬剤が前記リザーバから溶出される速度を計量するように構成されている。
【0008】
別の例(「例2」)によれば、例1に加えて、前記インプラント可能なデリバリーデバイスは、前記リザーバが前記第三の微孔質層と第四の微孔質層との間に画定されるように、前記第二の微孔質層に結合された第四の微孔質層をさらに含む。
【0009】
別の例(「例3」)によれば、例2に加えて、前記第四の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、前記第四の微孔質層は前記薬剤に対して透過性である。
【0010】
別の例(「例4」)によれば、例2に加えて、前記第四の微孔質層は薬剤に対して不透過性である。
【0011】
別の例(「例5」)によれば、例4に加えて、前記第四の層はエラストマーを含む。
【0012】
別の例(「例6」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記第一の微孔質層は、前記第三の微孔質層を露出するように構成されたアパチャを含む。
【0013】
別の例(「例7」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記インプラント可能なデリバリーシステムは、前記第二の微孔質層と前記第三の微孔質層との間の分離を維持するために前記リザーバ内に配置された1つ以上の構造スペーサを含む。
【0014】
別の例(「例8」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記リザーバは、その場で補充されそして空にされるように構成されている。
【0015】
別の例(「例9」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記リザーバは、その中に薬剤を収容するように膨張するように構成されている。
【0016】
別の例(「例10」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記第一の微孔質層及び前記第二の微孔質層の少なくとも1つは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を含む。
【0017】
別の例(「例11」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記第三の微孔質層の第一の部分は薬剤に対して不透過性であり、前記第三の微孔質層の第二の部分は薬剤に対して透過性である。
【0018】
別の例(「例12」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記第三の微孔質層の第一の部分はエラストマーを含む。
【0019】
別の例(「例13」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記デリバリーデバイスは眼内にインプラント可能である。
【0020】
別の例(「例14」)によれば、例13に加えて、前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である。
【0021】
別の例(「例15」)によれば、薬剤を分配するためのインプラント可能なデリバリーデバイスは、第一の内面及び対向する第二の内面を含むリザーバを画定するための、第二の微孔質層に結合された第一の微孔質層、及び、外面を有する本体を含み、前記リザーバが薬剤で満たされているときに、前記第一の内面は前記第二の内面から分離可能であり、前記第一の内面は所定の期間にわたって薬剤の分配を計量するように構成されており、前記第一の内面は、組織の内部成長に抵抗するように構成されており、前記本体の外面は、組織の内部成長を許容するように構成されている。
【0022】
別の例(「例16」)によれば、例15に加えて、前記第一の内面の少なくとも一部は薬剤に対して透過性である。
【0023】
別の例(「例17」)によれば、例15~16に加えて、前記第二の内面は薬剤に対して不透過性である。
【0024】
別の例(「例18」)によれば、例17に加えて、前記第二の内面はエラストマーを含む。
【0025】
別の例(「例19」)によれば、例15~18に加えて、前記リザーバは、その場で補充されそして空にされるように構成されている。
【0026】
別の例(「例20」)によれば、例15~19に加えて、前記リザーバは、その中に薬剤を収容するように膨張するように構成されている。
【0027】
別の例(「例21」)によれば、例15~20に加えて、前記第一の微孔質層及び前記第二の微孔質層の少なくとも1つは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を含む。
【0028】
別の例(「例22」)によれば、例15~21に加えて、前記第一の内面の第一の部分は薬剤に対して不透過性であり、前記第一の内面の第二の部分は薬剤に対して透過性である。
【0029】
別の例(「例23」)によれば、例22に加えて、前記第一の内層の第一の部分は、エラストマーを含む。
【0030】
別の例(「例24」)によれば、例15~23に加えて、前記デリバリーデバイスは、眼内にインプラント可能である。
【0031】
別の例(「例25」)によれば、例15~24に加えて、前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である。
【0032】
別の例(「例26」)によれば、薬剤を分配するためのデリバリーデバイスは、第一の微孔質層、第二の微孔質層及び第三の微孔質層を含む微孔質本体、ここで、前記第一の微孔質層は前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層の間に位置し、前記第一の微孔質層は組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、ここで、前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層はそれぞれ、組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む、及び、前記第一の微孔質層と前記第三の微孔質層との間に配置された薬剤リザーバを含む。
【0033】
別の例(「例27」)によれば、例26に加えて、前記第一の微孔質層は、ある期間にわたって薬剤を分配するための計量部分を含む。
【0034】
別の例(「例28」)によれば、例26~27に加えて、前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層は前記デリバリーデバイスの外部を画定している。
【0035】
別の例(「例29」)によれば、例26~28に加えて、前記第一の微孔質層は前記第二の微孔質層に結合されている。
【0036】
別の例(「例30」)によれば、例29に加えて、前記第二の微孔質層は、前記第一の微孔質層を露出するように構成されたアパチャを含む。
【0037】
別の例(「例31」)によれば、例26~30に加えて、前記薬剤リザーバは、その場で補充されそして空にされるように構成されている。
【0038】
別の例(「例32」)によれば、例26~31に加えて、前記薬剤リザーバは、その中に薬剤を収容するように膨張するように構成されている。
【0039】
別の例(「例33」)によれば、例26~32に加えて、前記第一の微孔質層、前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層の少なくとも1つは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を含む。
【0040】
別の例(「例34」)によれば、例26~33に加えて、前記第一の微孔質層は、薬剤に対して透過性である第一の部分、及び、薬剤に対して不透過性である第二の部分を含み、前記第一の微孔質層の第二の部分はエラストマーを含む。
【0041】
別の例(「例35」)によれば、例26~34に加えて、前記デリバリーデバイスは眼内にインプラント可能である。
【0042】
別の例(「例36」)によれば、例27~35に加えて、前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である。
【0043】
別の例(「例37」)によれば、薬剤リザーバを画定する内部を取り囲む外部を有する薬剤計量デバイスであって、前記デバイスは、第一の微孔質層及び第二の微孔質層を含む第一の層、ここで、前記第一の微孔質層は組織の内部成長に抵抗するように構成されており、前記第二の微孔質層は組織の内部成長を許容するように構成されており、前記第一の微孔質層は前記内部の一部を画定し、前記第二の微孔質層は前記外部の一部を画定している、及び、前記薬剤リザーバが前記第一の層と第二の層との間に画定されるように前記第一の層に結合された第二の層、ここで、前記第一の層の前記第一の微孔質層の一部は、前記薬剤リザーバ内で使い捨て可能な薬剤に対して透過性である、を含む。
【0044】
別の例(「例38」)によれば、例37に加えて、前記薬剤リザーバは、前記第一の層及び前記第二の層の非結合部分が互いに対して自由に撓むように、互いに結合されていない前記第一の層及び前記第二の層の部分の間に画定されている。
【0045】
別の例(「例39」)によれば、例37~38に加えて、前記第二の層は、第三の微孔質層及び第四の微孔質層を含み、前記第二の層の前記第三の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するように構成されており、前記第二の層の前記第四の微孔質層は、組織の内部成長を許容するように構成されており、前記第二の層の前記第三の微孔質層は、前記内部の一部を画定し、前記第四の微孔質層は、前記外部の一部を画定している。
【0046】
別の例(「例40」)によれば、例37~39に加えて、前記第一の層の第一の微孔質層及び第二の微孔質層は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む。
【0047】
別の例(「例41」)によれば、例37~40に加えて、前記第一の層の前記第一の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、前記第一の層の前記第二の微孔質層は、組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む。
【0048】
別の例(「例42」)によれば、例39~41に加えて、前記第二の層の前記第三の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、前記第二の層の前記第四の微孔質層は、組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む。
【0049】
別の例(「例43」)によれば、例39~42に加えて、前記第二の層の前記第三の微孔質層は、前記第二の層の前記第三の微孔質層が薬剤に対して不透過性であるようにエラストマーを含む。
【0050】
別の例(「例44」)によれば、例37~43に加えて、前記第一の層の前記第一の微孔質層は、薬剤に対して透過性である第一の部分及び薬剤に対して不透過性である第二の部分を含み、前記第一の層の前記第一の微孔質層の第二の部分はエラストマーを含む。
【0051】
別の例(「例45」)によれば、例37~44に加えて、前記デリバリーデバイスは眼内にインプラント可能である。
【0052】
別の例(「例46」)によれば、例45に加えて、前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である。
【0053】
別の例(「例47」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記薬剤は、粒子の流体懸濁液内に含まれる。
【0054】
別の例(「例48」)によれば、さらに例47に加えて、前記第一の層の前記第一の微孔質層は、粒子が前記第一の微孔質層を通過するのを防ぐサイズの複数の細孔を含む。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示の実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に取り込まれ、その一部を構成し、実施例を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0056】
図1A図1Aは、幾つかの実施形態による、眼内にインプラントされた薬剤デリバリーシステムの図である。
【0057】
図1B図1Bは、幾つかの実施形態による、眼内にインプラントされた薬剤デリバリーシステムを示す図1Aの詳細図である。
【0058】
図2図2は、幾つかの実施形態による、線2-2に沿って取られた図4に示された、膨張状態の薬剤デリバリーシステムの断面図である。
【0059】
図3図3は、幾つかの実施形態による、線2-2に沿って取られた図4に示された、収縮状態の薬剤デリバリーシステムの断面図である。
【0060】
図4図4は、幾つかの実施形態による薬剤デリバリーシステムの正面図である。
【0061】
図5図5は、幾つかの実施形態による薬剤デリバリーシステムの断面図である。
【0062】
図6図6は、幾つかの実施形態による薬剤デリバリーシステムの断面図である。
【0063】
図7図7は、幾つかの実施形態による、線7-7に沿って取られた図6に示された、薬剤デリバリーシステムの断面図である。
【0064】
図8図8は、幾つかの実施形態による薬剤デリバリーシステムの断面図である。
【0065】
図9図9は、幾つかの実施形態による、線9-9に沿って取られた図8に示された薬剤デリバリーシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
詳細な説明
当業者は、本開示に提供される本発明の概念の様々な実施形態が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張されている場合があり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0067】
本開示は、患者の眼に薬剤をデリバリーするためのシステム、デバイス及び方法に関する。様々な実施形態において、薬剤は、例えば、罹患した眼の視力を徐々に、時に永久に損失を引き起こすことがある、望ましくない高レベルから眼内圧を低下させることにより、高眼圧症及び/又は緑内障を治療するように構成された眼用薬剤である。様々な実施形態において、本開示による薬剤デリバリーシステムは、1つ以上の異なる薬剤の薬剤放出速度を測定するように構成され、したがって、複数の薬剤の複数の異なる放出速度を含む、複数の異なる放出速度を提供するように構成されうる。適切な眼薬の幾つかの例としては、プロスタグランジン類似体(PGA)(例えば、ラタノプロスト)などの治療薬、又は他の薬剤クラスの治療薬が挙げられ、他の薬剤クラスの治療薬としては、チモロールなどのβ-遮断薬、酒石酸ブリモニジンなどのα-2作動薬、又はドルゾラミドなどの炭酸脱水酵素阻害剤、炭酸脱水酵素阻害剤及びβ遮断薬の化合物、及び、α-作動薬及びβ-遮断薬の化合物が挙げられ、PGAと組み合わせて投与できる。
【0068】
幾つかの実施形態において、そのような薬剤デリバリーシステムは、インプラント部位からの薬剤デリバリーシステムの除去を必要とせずに、インプラントされ、その場で1回以上低侵襲的に補充可能であるように構成されている。サイズ及び結膜下の標的インプラント処置位置を考えると、インプラント処置手順は、針の穿刺及び小さな切開が一般的に行われる手術室の外で行うことができる。さらに、幾つかのシステム例は、薬剤デリバリーシステムとそれがインプラントされる組織との間の微小運動を低減するのを支援するための特徴部を含む。微小運動は時に周囲組織の刺激を引き起こし、それは異物組織反応を引き起こし、過度の瘢痕形成、インプラントされたデバイスの最終的な侵食及び/又は部位感染を引き起こすことがあることが知られている。
【0069】
幾つかの実施形態による薬剤デリバリーシステム1000が図1Aに示されている。図示のように、薬剤デリバリーシステム1000は、眼5000の結膜5002と強膜5004との間で眼5000内にインプラントされる。前房5006も示される。薬剤デリバリーシステム1000は、一般に、薬剤デリバリーシステム1000からの薬剤放出を計量するように構成された1つ以上の部分、ならびに、細胞浸潤及び/又は組織付着を促進又は許容するように構成された1つ以上の部分を含む。薬剤は、単一の治療剤(例えば、薬剤)を含むことができ、又は、複数の治療剤を含むことができる。薬剤デリバリーシステム1000は、複数の異なる放出速度で複数の異なる薬剤の薬物放出速度を測定するように構成されうる。
【0070】
図1B図1Aの領域1Bの詳細図であり、結膜下空間5008内にインプラントされている薬剤デリバリーシステム1000を示している。示されるように、結膜下空間5008は、眼5000の結膜5002と強膜5004との間に形成されたポケットである。図1A及び1Bに示された結膜下空間5008は、既知の方法に従って形成することができる。幾つかの実施形態において、薬剤デリバリーシステム1000は、結膜切開を通してなど、外部から(例えば、眼の外側から)インプラント可能である。幾つかの実施形態において、輪部接合部の近くで結膜放射状切開が行われ、強膜を露出させ、薬剤デリバリーシステム1000を配置するための結膜下ポケットを形成するために、結膜の鈍的切開が行われる。他の実施形態において、薬剤デリバリーシステム1000は、透明角膜切開などを通して内部的に(例えば、眼の内側から)インプラントされ、強膜5004を通って、切開された結膜下空間5008中に配置される。
【0071】
幾つかの実施形態において、薬剤デリバリーシステム1000は、縫合、接着剤などによって、又は他の既知の方法に従って、強膜5004又は他の周囲組織にさらに固定されうる。薬剤デリバリーシステム1000は、インプラント処置時に永久的又は半永久的に固定されることができるが、薬剤デリバリーシステム1000はまた、初期的に一時的に固定され(又は初期的に全く固定されず)、その後に、細胞浸潤及び組織付着を促進又は許容するように構成された薬剤デリバリーシステム1000の1つ以上の部分により、強膜5004又は他の周囲組織に固定されうる。
【0072】
図1A及び1Bを引き続き参照すると、薬剤デリバリーシステム1000は、少なくとも第一の層1100及び第二の層1200を含む。第一の層及び第二の層1100及び1200は、一般に、図1Bに示されるように、第一の層及び第二の層1100及び1200の間に画定される薬剤リザーバ1300を提供するように一緒に結合される。薬剤リザーバ1300は、一般に、薬剤デリバリーシステム1000によるその後のデリバリーのために薬剤を堆積させることができる包囲された空間である。一般に、薬剤デリバリーシステム1000は、指定された期間にわたって薬剤リザーバ1300内に配置された薬剤の放出速度を測定するように構成されている。例えば、薬剤は、薬剤リザーバ1300内に配置又は堆積されることができ、薬剤デリバリーシステム1000は、眼の1つ以上の欠陥又は状態を治療するための所定の治療計画に従って薬剤を放出するように構成されうる。
【0073】
さらに、薬剤デリバリーシステム1000は、その場で(例えば、最初に薬剤デリバリーシステム1000をインプラント処置部位から除去することを必要とせずに)低侵襲的にその場で補充可能及び/又は空にすることができる。幾つかのそのような実施形態において、第一の層及び第二の層1100及び1200の1つ以上は、第一の層及び/又は第二の層1100の完全性を有意に危険にさらすことなく、薬剤リザーバの補充又は空にする動作中にカニューレで繰り返し穴を開けることができるように構成されている。幾つかの実施形態において、この完全性は、第一の層及び/又は第二の層1100及び1200をエラストマー性材料でコーティング又は吸収することによって達成することができる。
【0074】
ここで、図2~4を参照すると、薬剤デリバリーシステム1000が示されている。図2は、図4に示される薬剤デリバリーシステムの線2-2に沿って取られた膨張状態(すなわち、薬剤リザーバ1300が第一の層及び第二の層1100と1200との間で分離が画定されるように薬剤リザーバ1300が膨張されている)で示された薬剤デリバリーシステム1000の断面図である。幾つかの実施形態において、膨張状態は、薬剤リザーバ1300内の薬剤の存在に対応する。図3は、収縮状態で示されている、図4に示された薬剤デリバリーシステムの線2-2に沿って取られた薬剤デリバリーシステム1000の断面図であり、収縮状態は、例えば、薬剤リザーバ1300が空であるか、又は、第一の層及び第二の層1100及び1200の間の分離を引き起こすのに十分な量の薬剤が不足しているときなどである。図4は、薬剤デリバリーシステム1000の正面図である。
【0075】
図2に示されるように、第一の層及び第二の層1100及び1200は、第一の層及び第二の層1100及び1200の1つ以上の部分に沿って一緒に結合され、一方、第一の層及び第二の層1100及び1200の他の1つ以上の部分は結合されないままである。第一の層及び第二の層1100及び1200の結合されていない部分は、互いに自由に分離したままである。様々な実施形態において、第一の層及び第二の層1100及び1200の結合されていない部分は、薬剤リザーバ1300を画定するために互いに分離するように動作可能である。
【0076】
幾つかの実施形態において、第一の層及び第二の層1100及び1200は、図2に示されるように、薬剤デリバリーシステム1000の周辺縁1002の周りで一緒に結合されうる。しかしながら、第一の層及び第二の層1100及び1200は、周辺縁1002の内部の1つ以上の領域を含む他の領域で追加的又は代替的に結合されうることを理解されたい。周辺縁1002は、一般に、薬剤デリバリーシステム1000の周辺の周りに延在している縁である。周辺縁1002は、均一、不均一、連続又は不連続であることができる。例えば、幾つかの実施形態において、周辺縁1002は、1つ以上の半径方向に延在しているタブ又はペタルを含むことができる(例えば、薬剤デリバリーシステム1000は、スカラップ状の周辺縁を含むことができる)。幾つかの実施形態において、これらのタブ又はペタルは、薬剤デリバリーシステム1000を強膜5004などの周囲組織に結合するための結合領域として作用することができる。
【0077】
図2に示されるように、第一の層及び第二の層1100及び1200は、周辺縁1002で、及び/又は、周辺縁1002のちょうど半径方向内側の領域に沿って一緒に結合されて、周辺縁1002に隣接して延在する結合領域を形成する。結合領域は環状形状であり、所望に応じて周辺縁1002から半径方向内向きに延在することができる。図2に示されるように、薬剤リザーバ1300は、第一の層及び第二の層1100及び1200の間に画定され、ここで、第一の層及び第二の層1100及び1200は結合されないままである。第一の層及び第二の層1100及び1200は、薬剤デリバリーシステム1000の周辺縁1002の半径方向内側にある1つ以上の位置又は領域を含む、複数の区別される位置又は領域でさらに一緒に結合されうることが理解される。周辺縁の内側にある1つ以上の追加の領域を結合することは、薬剤デリバリーシステム1000の膨張プロファイルを制御するのに役立つことができる。
【0078】
第一の層及び第二の層1100及び1200のうちの1つ以上は、薬剤リザーバ1300が膨張されるときに弾性的又は塑性的に変形するように構成されうる。さらに、幾つかの実施形態において、第一の層及び第二の層1100及び1200の1つは非弾性であることができ、これは、薬剤デリバリーシステム1000の拡張プロファイルを制御するのに役立つことができる。
【0079】
様々な実施形態において、第一の層及び第二の層1100及び1200の一方又は両方は、薬剤の放出を計量するように構成された1つ以上の領域を含む。これらの計量領域は、膜、層又はフィルム、あるいはコーティングの形態であることができる。幾つかの実施形態において、第一の層及び第二の層1100及び1200のうちの1つ以上は、細胞浸潤又は組織の内部成長及び付着を許容又は促進するように構成された1つ以上の領域を含む。細胞浸潤及び組織付着は、一般に、材料が線維芽細胞浸潤を許容するのに十分に多孔性である場合に発生する。したがって、薬剤デリバリーシステム1000は、組織の内部成長及び付着を許容するように構成された膜、層、フィルム及び/又はコーティングを含むことができる。
【0080】
少なくとも1つの実施形態において、第一の層及び/又は第二の層1100及び1200は、複数の膜層から形成されることができる。例えば、図2及び図3に示されるように、第一の層1100は第一の膜層1110及び第二の膜層1120を含むことができる。第一の層1100の第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120は、集合的に第一の層1100を画定する。層1100は、第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120に加えて、膜層を含むことができる。
【0081】
幾つかの実施形態において、第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120のうちの1つ以上は、微孔質微細構造を含むことができる。例えば、第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120のうちの1つ以上は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)などの生体適合性材料を含むことができる。さらに、第一の層1100の第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120のうちの1つ以上は、微孔質であっても又はなくてもよい生体適合性ポリマーを含む他の生体適合性材料から形成されることができ、前記生体適合性ポリマーとしては、限定するわけではないが、ポリウレタン、シリコーン、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、ポリオレフィン、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、アクリルコポリマー及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。
【0082】
第一の膜層及び/又は第二の膜層は、1つ以上のシート又はフィルムの形態であることができ、それらは、個々の又は多繊維ストランドを含む、編物、織物及び/又は不織布の形態を含むことができる。幾つかの実施形態において、第一の膜層及び/又は第二の膜層1110及び1120は、ポリマー材料の複数のシート又はフィルムから形成されうる。幾つかの実施形態において、シート又はフィルムは、ラミネート化されるか又はさもなければ機械的に結合されて、第一の層1100の第一の膜層及び/又は第二の膜層1110及び1120を形成することができる。シート又はフィルムの結合は、様々なメカニズムによって達成されることができ、前記メカニズムとしては、熱処理、高圧圧縮、1つ以上の接着剤などの結合剤、ラミネート化又は当業者に知られている他の適切な方法が挙げられる。
【0083】
幾つかの実施形態において、隣接して配置された膜層(例えば、第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120)及び/又はそのような膜層を形成する材料の層は、熱的方法を介して部分的又は完全に結合されることができ、ここで、材料を形成する各ポリマーは融解温度以上にされる。幾つかの実施形態において、そのような熱プロセスは、材料又は材料の層の間の接着又は凝集結合の形成を促進する。幾つかの実施形態において、隣接して配置された膜層及び/又はそのような膜層を形成する材料の層は、材料の少なくとも1つがその融解温度以上になる熱的方法によって部分的又は完全に結合されうる。そのような熱プロセスは、材料又は材料の層の間の接着性又は凝集結合の形成を促進することができる。幾つかの実施形態において、1つ以上の適切な接着剤は利用され、十分に結合された界面を提供する。隣接して配置された膜層及び/又はそのような膜層を形成する材料の層は、1つ以上の区別される位置で一緒に結合されて、得られた構造を通って延在する安定化構造を形成することができる。
【0084】
幾つかの実施形態において、第一の層1100及び/又は第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120、及び/又は、第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120が形成されるシート又はフィルムは、1つ以上のプロセスに供されて、その微細構造を変更することができる。幾つかの実施形態において、そのようなプロセスとしては、限定するわけではないが、材料コーティングプロセス、表面プレコンディショニングプロセス及び/又は穿孔プロセスが挙げられる。材料コーティングプロセスを利用して、ポリマー材料(金属塩(例えば、炭酸銀)及び有機化合物(例えば、クロルヘキシジンジアセテート)など)に1つ以上の薬物又は抗菌コーティングを適用することができる。ポリマーマトリックスの即座の湿潤化を含む湿潤化を可能にするための親水性コーティングはまた、ポリマー表面が一般に疎水性であるときに適用することができる。抗菌成分を含む表面コーティングを追加又は代替的に適用して、手術後の創傷治癒中に自然に発生する身体の炎症反応を軽減することができる。抗増殖性化合物(例えば、ミトマイシンC、5-フルオラシル)により材料表面を追加又は代替的に変性して、周囲組織反応を緩和することができる。
【0085】
幾つかの実施形態において、Zagglの米国特許第9,849,629号明細書に説明されているように、1つ以上の表面プレコンディショニングプロセスを利用して、例示的な微細構造(例えば、しわ、折り目又は他の幾何学的面外構造)を示す層を形成することができる。このような表面プレコンディショニングは、手術後のより大胆な初期炎症段階を促進し、多孔質デバイスと組織との間の初期の安定した界面を提供することができる。幾つかの実施形態において、ヘパリンコーティングを追加的又は代替的に適用して、外科的インプラント処置手順後のフィブリノーゲン蓄積を含む細胞形成を最小限に抑えるのを支援することができる。
【0086】
幾つかの実施形態において、1つ以上の穿孔プロセスを利用して、第一の層1100の第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120のうちの1つ以上に複数の穿孔又は細孔を形成して、所望の多孔度を達成することができる。すなわち、任意の隙間、細孔(微細構造を構成するフィブリルとノードとの間の空隙)、及び/又は、ポリマー材料内に自然に発生するチャネルへの依存に加えて、1つ以上の穿孔プロセスを利用することができる。
【0087】
第一の層1100の第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120は、異なる多孔度及び/又は異なる細胞浸潤ポテンシャルなどの異なる材料特性を有する膜層を達成するために異なる方法で処理されうることが理解される。幾つかの実施形態において、第一の層の第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120は、いかなる処理工程にも供されなくてよい。
【0088】
幾つかの実施形態において、第一の膜層1110(本明細書で薬剤計量膜層とも呼ばれる)は、薬剤が第一の膜層1110を通過する速度、したがって薬剤が薬剤デリバリーシステム1000により放出される速度を計量するように構成されている。様々な実施形態において、第一の膜層1110はまた、細胞浸潤及び付着に抵抗するように構成されている。幾つかの実施形態において、第一の膜層1110は、1つ以上の薬剤に対する透過性を維持しながら、細胞浸潤に抵抗する、妨害する又はさもなければ最小限に抑制するようなサイズ及び形状の隙間、穿孔、細孔、チャネル又はそれらの組み合わせを含む。第一の層1100の第一の膜層1110の隙間、穿孔、細孔又はチャネルは、例えば、約1~約2ミクロンよりも小さい(又はよりも小さい平均サイズを有する)ことができるが、用途に応じて様々な寸法を選択できる。細胞の内部成長及び付着に抵抗性があることにより、第一の層1100の第一の膜層1110は、薬剤リザーバ1300内に配置された薬剤と薬剤デリバリーシステム1000を取り巻く組織との間の分離を維持するように動作する。この分離は、薬剤デリバリーシステム1000によって薬剤が放出される、制御された安定した速度を維持するように動作する。
【0089】
第二の膜層1120(本明細書で内部成長膜層とも呼ばれる)は、細胞浸潤及び付着を促進又は許容するように構成されている。したがって、第二の膜層1120は、一般に、細胞浸潤を促進又は許容するようなサイズ及び形状の隙間、穿孔、細孔、チャネル又はそれらの組み合わせを含む。したがって、第二の膜層1120は、一般に、第一の層1100の第一の膜層1110の隙間、穿孔、細孔又はチャネルの平均サイズを超える平均サイズを有する隙間、穿孔、細孔、チャネル又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、第二の膜層1120は、20ミクロン~100ミクロンのサイズ(又は平均サイズ)の範囲の隙間、穿孔、細孔又はチャネルを含むことができるが、様々な寸法は考えられる。例えば、他の実施形態において、隙間、穿孔、細孔又はチャネルのサイズ(又は平均サイズ)は、150ミクロンを超えることができる。したがって、第一の膜層1110は、薬剤が薬剤デリバリーシステム1000によって放出される、制御された安定した速度を計量及び維持するように動作するが、第二の膜層1120は、細胞の内部成長及び組織付着を許容することによって薬剤デリバリーシステム1000の生体統合を促進するのを支援する。細胞の内部成長及び組織付着は、微小運動を最小限に抑えるのに役立つ。
【0090】
幾つかの実施形態において、第一の膜層1100の第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120の間の界面は、第一の膜層1110への細胞浸潤に対する境界として作用する。すなわち、幾つかの実施形態において、第一の層1100は、細胞浸潤及び増殖が第二の膜層1120内に限定され、第一の膜層1110へ入らないように構成されている。したがって、様々な実施形態において、第二の膜層1120内の細胞浸潤及び増殖は、一般に、第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120の間の境界まで伝播することができる。幾つかの実施形態において、第一の層1100は、第一の層1100の第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120の間の境界を横切る細胞浸潤及び増殖の可能性を防止又は最小限に抑制するように構成されうる。
【0091】
添付の図面に示される薬剤デリバリーシステム1000の第一の層1100(及び第一の層1100の対応する第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120)は卵形であるが、第一の膜層及び第二の膜1110及び1120、したがって第一の層1100は、薬剤デリバリーシステム1000が結膜下ポケットなどの組織内にインプラント可能であるという意図した目的を効果的に実現し、薬剤デリバリーシステム1000の薬剤リザーバ1300内に配置された薬剤の、薬剤デリバリーシステム1000を取り巻く組織の1つ以上の領域への放出を引き起こすように動作可能である限り、他の形状及び/又はサイズから形成されることができることも理解されたい。例えば、第一の膜層及び第二の膜層1110及び1120、したがって第一の層1100は、形状がインプラント処置を妨害し又は薬剤リザーバ1300が薬剤を分配できないようにしない限り、所望に応じて、正方形、矩形、台形又は他の任意の多角形又は非多角形(例えば、豆形)であることができる。
【0092】
図2及び3に示されるように、薬剤デリバリーシステム1000の第二の層1200は、第一の膜層1210及び第二の膜層1220を含む。第二の層1200の第一の膜層1210は、薬剤が第一の膜層1210を通過する速度、したがって薬剤が薬剤デリバリーシステム1000によって放出される速度を計量するように第二の層1200の第一の膜層1210が構成されている点で、第一の層1100の第一の膜層1110と同様である。様々な実施形態において、第一の膜層1210はまた、細胞浸潤及び付着に抵抗するように構成されている。したがって、第一の膜層1210は、一般に、第一の層1100の第一の膜層1110について上で論じたものと一貫する隙間、穿孔、細孔、チャネル又はそれらの組み合わせを含む。
【0093】
第二の層1200の第二の膜層1220は、第二の層1200の第二の膜層1220が細胞浸潤及び付着を促進又は許容するように構成されているという点で、第一の層1100の第二の膜層1120と同様である。したがって、第二の膜層1220は、一般に、第一の層1100の第二の膜層1120について上で論じたものと一貫する隙間、穿孔、細孔、チャネル又はそれらの組み合わせを含む。したがって、様々な実施形態において、薬剤デリバリーシステム1000は、第一の膜層1210が薬剤に対して透過性であり、細胞浸潤及び組織付着に抵抗するように構成されており、第二の膜層1220が薬剤に対して透過性であり、細胞浸潤及び組織付着を促進又は許容するように構成されている、第一の膜層1210及び第二の膜層1220から形成される第二の層1200を含む。
【0094】
幾つかの実施形態において、第二の層1200の第一の膜層及び第二の膜層1210及び1220の間の界面は、第一の膜層1210への細胞浸潤に対する境界として作用する。すなわち、幾つかの実施形態において、第二の層1200は、細胞浸潤及び増殖が第二の膜層1220に限定され、第一の膜層1210へ入らないように構成されている。したがって、様々な実施形態において、第二の膜層1220内の細胞浸潤及び増殖は、一般に、第一の膜層及び第二の膜層1210及び1220の間の境界まで伝播することができるが、通過することはできない。幾つかの実施形態において、第二の層1200は、第二の層1200の第一の膜層及び第二の膜層1210及び1220の間の境界を横切る細胞浸潤及び増殖の可能性を防止又は最小限に抑制するように構成されうる。第二の層1200は、第一の膜層及び第二の膜層1210及び1220に加えて、膜層を含むことができることを理解されたい。
【0095】
上記の第一の層1100と同様に、第二の層1200は、添付の図に示されているもの以外の形状及び/又はサイズ(例えば、正方形、矩形、台形、豆形又は任意の他の多角形又は非多角形)から形成されることができ、ただし、薬剤デリバリーシステム1000は、組織内にインプラント可能であり、薬剤リザーバ1300内に配置された薬剤を薬剤デリバリーシステム1000を取り巻く組織の1つ以上の領域に放出させるように動作可能であるという意図された目的を効果的に実現する。
【0096】
図2及び3に示されるように、第一の層1100は、第一の膜層1110が第二の層1200(特に第二の層1200の第一の膜層1210)に隣接して位置するように配向され、第二の層1200(特に第二の層1200の第一の膜層1210)に対向される第一の面1102を含み又はさもなければ露出される。すなわち、幾つかの実施形態において、第一の膜層1100は、第一の膜層1110が第二の膜層1120と第二の層1200との間に位置するように配置されている。このような構成は、第一の層1100の第一の膜層1110が薬剤リザーバ1300を少なくとも部分的に画定することを提供する。すなわち、様々な実施形態において、薬剤リザーバ1300は、薬剤が薬剤リザーバ1300から放出される速度を計量するように構成された1つ以上の薬剤計量膜層(例えば、第一の膜層1110)によって少なくとも部分的に画定されている。そのような構成はまた、第一の層1100の第二の膜層1120が、第一の面1102の反対側の第二の面1104を含み、薬剤デリバリーシステム1000の外部を部分的に画定することを提供する。すなわち、様々な実施形態において、薬剤デリバリーシステム1000の外部は、1つ以上の組織内部成長膜層(例えば、第二の膜層1120)によって少なくとも部分的に画定され、それは、上記のように、細胞浸潤及び組織付着を促進又は許容するように構成されている。薬剤デリバリーシステム1000の1つ以上の外面に沿った組織の内部成長及び付着を促進又は許容することは、薬剤デリバリーシステム1000と、薬剤デリバリーシステム1000が界面形成する周囲組織との間の微小運動を最小限に抑えるのに役立つ。
【0097】
同様に、図2及び図3に示されるように、第二の層1200は、第二の層1200の第一の膜層1210が第一の層1100(特に第一の層1100の第一の膜層1110)に隣接して位置するように配向され、第一の層1100(特に第一の層1100の第一の膜層1210の第一の面1102)に対向する第一の面1202を含むか又はさもなければ露出される。すなわち、幾つかの実施形態において、第二の層1200は、第一の膜層1210が第二の膜層1220と第一の層1100との間に位置されるように配置される。そのような構成はまた、第二の層1200の第一の膜層1210が、薬剤デリバリーリザーバ1300を少なくとも部分的に画定することを提供する。このような構成はまた、第二の層1200の第二の膜層1220は第一の面1202の反対側の第二の面1204を含み、薬剤デリバリーシステム1000の外部を部分的に画定していることを提供する。したがって、図2及び3に示されるように、薬剤デリバリーシステム1000の外部は、それぞれ第一の層及び第二の層1100及び1200の第二の膜層1120及び1220によって少なくとも部分的に画定される。さらに、図2及び3に示されるように、薬剤リザーバ1300は、それぞれ第一の層及び第二の層1100及び1200の第一の膜層1110及び1210によって部分的に画定される。示されるように、薬剤リザーバ1300は、第一の層及び第二の層1100及び1200の第一の膜層1110及び1210の部分により画定されており、その部分は結合されないままであるか、又はさもなければ、互いに結合されておらず、一緒に結合された第一の層及び第二の層1100及び1200の第一の膜層1110及び1210の部分の半径方向内側に位置する。
【0098】
様々な実施形態において、第一の層及び第二の層1100及び1200(その様々な膜層を含む)は、熱処理、高圧圧縮、1つ以上の接着剤などの結合剤、それらの組み合わせ、又は当業者に知られている他の技術など既知の方法に従って互いに接続又は結合されうる。
【0099】
幾つかの実施形態において、第一の層及び第二の層1100及び1200の第一の面1102及び1202は、それぞれ、第一の層及び第二の層1100及び1200の第一の面1102及び1202の1つ以上の部分が互いに結合されていないままであるように、薬剤デリバリーシステム1000の周辺縁1002に沿って結合されている。幾つかの実施形態において、そのような結合されていない領域は、互いに対して自由にスライド、並進、作動、分離又は別の方法で移動する。第一の層及び第二の層1100及び1200の非結合部分又は非接合部分の間のこの相対運動は、薬剤リザーバ1300の体積が、薬剤リザーバ1300に存在する薬剤の量によって変化しうることを提供する。例えば、薬剤デリバリーシステム1000は、薬剤リザーバ1300が第一の体積を有する第一の構成と、薬剤リザーバ1300が前記第一の体積よりも大きい第二の体積を有する第二の構成とを含む、状態又は構成の間で移行可能であることができる。
【0100】
図3は、薬剤リザーバ1300が収縮している(例えば、薬剤を欠いているか又は無視できる量で含む)第一の構成の薬剤デリバリーシステム1000を示し、一方、図2は、薬剤リザーバ1300が膨張されている(例えば、薬剤で完全に又は少なくとも部分的に満たされている)第二の構成の薬剤デリバリーシステム1000を示している。幾つかの実施形態において、薬剤デリバリーシステム1000は、膨張状態の薬剤デリバリーシステム1000のプロファイルと比較して、収縮状態の比較的平坦なプロファイル(例えば、比較的均一な断面)を採用する。例えば、図4に示されるように、薬剤デリバリーシステム1000は、膨張状態でブリスター又はピローの形状を採用することができる。しかしながら、薬剤デリバリーシステム1000は、薬剤がないとき及び/又は薬剤が充填されているときの任意の望ましい形状又はサイズを採用するように構成することができる。
【0101】
薬剤デリバリーシステム1000は薬剤をデリバリーするように構成されており、薬剤デリバリーシステム1000はその場で補充し又は空にすることができるので、薬剤デリバリーシステム1000はその場で第一の構成と第二の構成との間で移行可能であることが理解される。
【0102】
さらに、薬剤リザーバ1300は、カニューレ、針又は他の適切な器具又は方法を介してその場でアクセスされ、薬剤リザーバ1300から薬剤を追加又は除去することができる。
【0103】
図2に示される薬剤デリバリーシステム1000は、薬剤が、第一の層及び第二の層1100及び1200の両方を介して薬剤デリバリーシステム1000から計量可能かつ分配可能であるように構成されている。すなわち、幾つかの実施形態において、薬剤デリバリーシステム1000は、薬剤に対して透過性である第一の層及び第二の層1100及び1200を含む。特に、幾つかの実施形態において、薬剤は、それぞれ第一の層及び第二の層1100及び1200の第一の膜層1110及び1210を通過し、それぞれ第一の層及び第二の層1100及び1200の第二の膜層1120及び1220を通過することによって、薬剤デリバリーシステム1000から放出される。
【0104】
しかしながら、他の実施形態において、薬剤デリバリーシステムは、薬剤が第一の層及び第二の層の両方ではないが、一方又は他方を介して薬剤デリバリーシステムから計量及び分配されるように構成されうる。すなわち、幾つかの実施形態において、薬剤デリバリーシステムは、第一の層及び第二の層の第一のものが薬剤に対して透過性であり、第一の層及び第二の層の他方が薬剤に対して不透過性であるように構成されうる。例えば、ここで図5を参照すると、薬剤デリバリーシステム2000は示され、薬剤透過性の第一の層2100及び薬剤不透過性の第二の層2200を含む。図5に示される薬剤デリバリーシステム2000の第一の層2100は、第一の膜層2110(第一の膜層1110に類似する)及び第二の膜層2120(第二の膜層1120に類似する)を含み、ここで、第一の膜層2110は薬剤に対して透過性であり、指定された期間にわたって薬剤リザーバ2300内に配置された薬剤の放出速度を計量するように構成され、細胞浸潤及び組織付着に抵抗するように構成されており、第二の膜層2120は薬剤に対して透過性であり、細胞浸潤及び組織付着を促進又は許容するように構成されている点で図2~4に示される第一の層1100と類似している。上記の薬剤デリバリーシステム1000の第一の層1100と同様に、薬剤デリバリーシステム2000の第一の層2100は、第一の面2102及び第二の面2104を含む。
【0105】
図5に示される薬剤デリバリーシステム2000の第二の層2200は、第一の面2202及び第二の面2204を含み、第一の膜層2210及び第二の膜層2220から形成され、ここで、第一の膜層2210は薬剤に対して不透過性である。図5に示される薬剤デリバリーシステム2000の第二の膜層2220は、図5に示される第二の膜層2220が細胞浸潤及び組織付着を促進又は許容するように構成されている点で、図2~4に示される第二の膜層1220と類似している。しかしながら、前の例とは異なり、第一の膜層2210は、薬剤リザーバ2300内に配置された薬剤に対して不透過性である。あるいは、薬剤デリバリーシステム2000は、第一の層2100が薬剤不透過性であるが、第二の層2200が薬剤透過性であるように構成されうる。薬剤透過性層(例えば、第一の層又は第二の層2100又は2200)は、細胞浸潤及び組織付着に抵抗するように構成された第一の薬剤透過性膜層、及び/又は、細胞浸潤及び組織付着を促進又は許容するように構成された第二の薬剤透過性膜層を含むことができる。次に、薬剤不透過性層(例えば、第一の層又は第二の層2100又は2200)は、細胞浸潤及び組織付着に抵抗するように構成された第一の薬剤不透過性膜層、及び/又は、細胞浸潤及び組織付着を促進又は許容するように構成された第二の薬剤不透過性膜層を含むことができる。
【0106】
図5を引き続き参照すると、第二の膜層2220は、本明細書で論じられる任意の生体適合性材料、例えば、生体適合性ポリマーから形成されることができ、それはエラストマー又はエラストマー性材料とさらに組み合わされて薬剤に対して不透過性である複合材料を形成する。例えば、第二の膜層2220は、細孔がフィブリルのマトリックス(例えば、ePTFE)内の空間であるノード及びフィブリルを有する微孔質ポリマー膜と、その中に存在するエラストマー性材料などのシーリング材料とを含む複合材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、シーリング材料をポリマー膜に吸収させて、薬剤不透過性膜層を形成することができる。複数のタイプのフルオロポリマー(及び非フルオロポリマー)膜及び複数のタイプのエラストマー性材料を組み合わせて、本開示の範囲内にある複合材料を形成することができることを理解されたい。エラストマー性材料は、本開示の範囲内にある、複数のエラストマー、ならびに、無機充填剤、治療薬、放射線不透過性マーカーなどの複数のタイプの非エラストマー性成分を含むことができることも理解されたい。
【0107】
幾つかの実施形態において、様々な膜層は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から形成されるが、薬剤不透過性膜層の形成に使用するのに適した他の生体適合性ポリマーを使用することができ、限定するわけではないが、ウレタン、シリコーン(オルガノポリシロキサン)、シリコン-ウレタンのコポリマー、スチレン/イソブチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリエチレン-コ-ポリ(酢酸ビニル)、ポリエステルコポリマー、ナイロンコポリマー、フッ素化炭化水素ポリマー及びコポリマー又は上述のいずれかの混合物が挙げられる。
【0108】
様々な実施形態において、エラストマー又はエラストマー性材料は、ペルフルオロメチルビニルエーテル及びテトラフルオロエチレン、(ペル)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、テトラフルオロエチレン及びペルフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー、シリコーン、フルオロエラストマー、ウレタン又はTFE/PMVEコポリマーを含むことができる。
【0109】
図5に示される薬剤デリバリーシステム2000を引き続き参照すると、薬剤透過性の第一の層2100及び薬剤不透過性の第二の層2200を含むことにより、薬剤デリバリーシステム2000は、薬剤リザーバ2300内に配置された薬剤を一方向に計量及び分配するように構成されうる。すなわち、幾つかの実施形態において、薬剤デリバリーシステム2000は、薬剤が第一の層及び第二の層2100及び2200の一方を介して計量及び放出されるが、第一の層及び第二の層2100及び2200の他方を介して計量及び放出されることのないように構成することができる。したがって、これらの実施形態において、薬剤デリバリーシステム2000は、第二の方向に(例えば、第二の層2200を通して)薬剤を放出することなく、第一の方向に(例えば、第一の層2100を通して)薬剤を放出するように構成されうる。このタイプの制御放出を提供すると、指定された組織への薬剤の分配を指向するのを支援する。例えば、薬剤は、強膜組織に向かう方向に放出されうるが、一方で、結膜組織に向かう方向への薬剤の放出を最小限に抑えることができ、これは、眼の内部での病態を治療するのに有用でありうる。あるいは、薬剤は、結膜組織に向かう方向に放出されうるが、一方、強膜組織に向かう方向への薬剤の放出を最小限に抑えることができ、これは、眼の外部に影響を与える状態(例えば、ドライアイ)など、眼の他の状態を治療するのに有用であることができる。結膜に分配された薬剤が周囲の血管系によって吸収され、患者の解剖学的構造の他の領域に輸送される可能性があるので、結膜組織に向かう方向に薬剤を放出することは、身体の他の領域又は部位を治療するために使用されうる。第一の層及び第二の層2100及び2200に関して本明細書で使用されるときに、第一及び第二という用語は、一般的な識別子であり、したがって、層2100及び2200は、トップ、ボトム、下部、側部などの代替の一般的な識別子と併せて参照されうることを理解されたい。したがって、層2100が「第一」という用語と併せて上記で言及され、層2200が「第二」という用語と併せて上記で言及されるが、層2100及び2200は代替的に第一の層2200及び第二の層2100と言及されうることを理解されたい。つまり、「第一」及び「第二」という用語は、層2100及び2200の一般的な識別子以上のものを表すと理解されるべきではない。
【0110】
幾つかの実施形態において、第一の層及び第二の層のうちの1つ以上は、1つ以上の薬剤透過性部分及び1つ以上の薬剤不透過性部分を含むように構成されうる。ここで、図6及び図7に目を向けると、薬剤デリバリーシステム3000が示され、第一の層3100及び第二の層3200を含む。第二の層3200は、図5に示され、上記された薬剤デリバリーシステム2000の第二の層2200と形態及び構造が一貫しており、第一の膜層3210、第二の膜層3220、第一の面3202及び第二の面3204を含む。一方、第一の層3100は、図6及び図7に示される第一の層3100が、薬剤に対して透過性である第一の部分3112及び薬剤に対して不透過性である第二の部分3114を有する第一の膜層3110を含むという点で、前の第一の層の例とは異なる。第一の膜層3110は、指定された期間にわたって薬剤リザーバ1300内に配置された薬剤の放出速度を測定するように構成されている。第二の膜層3120は、上記の図5に示される薬剤デリバリーシステム1000の第二の膜層3120と同様である。
【0111】
様々な実施形態において、第一の膜層3110の第一の部分3112は、一般に、薬剤リザーバ3300内に配置された薬剤が第一の部分3112を通して放出されうるようなサイズ及び形状である間隙、穿孔、細孔、チャネル又は他の放出特徴部を含む。幾つかの実施形態において、第一の層3100によって薬剤リザーバ3300内に配置された薬剤の放出を計量することは、第一の膜層3110の計量する第一の部分3112の表面積を増加(又は代替的に減少)することによって調整又はさもなければ制御されうる。幾つかの実施形態において、計量する第一の部分3112の表面積を第一の表面積から第二のより大きな表面積に増加させることは、単位時間あたりの薬剤デリバリーシステム3000によって放出される薬剤の量の増加に関連される。同様に、計量する第一の部分3112の表面積を第一の表面積から第二のより小さな表面積に減少させることは、単位時間あたりの薬剤デリバリーシステム3000によって放出される薬剤の量の減少と関連されている。
【0112】
例えば、薬剤デリバリーシステムが、第一のサイズ(例えば、体積)を有する薬剤リザーバと、第一の表面積を有し、単位面積あたりの第一の放出速度を有する第一の材料を含む第一の薬剤計量膜層とを含むならば、薬剤デリバリーシステムは、単位時間あたりの第一の薬剤放出速度及び第一の期間の薬剤の放出の計量に関連している。薬剤リザーバのサイズが、計量膜層の第一の表面積及び第一の材料を維持しながら、第一のサイズから第二のより大きなサイズに増加するならば、薬剤デリバリーシステムは、第一の期間よりも長い第二の期間の薬剤の放出を計量するように動作可能であることが理解されるべきである。他方、計量膜層の第一の材料及び薬剤リザーバの第一のサイズが維持されながら、計量膜層の第一の表面積が、第二の減少した表面積に減少されるならば、薬剤デリバリーシステムは、第一の期間よりも長い第三の期間の薬剤の放出を計量するように動作可能であることを理解されたい。さらに、薬剤リザーバの第一のサイズ及び計量膜層の第一の材料が維持されながら、計量膜層の第一の材料が、単位面積当たりの第二の減少した放出速度を有する第二の材料に変更されるならば、薬剤デリバリーシステムは、第一の期間よりも長い第四の期間にわたって薬剤の放出を計量するように動作可能であることを理解されたい。上記の概念の組み合わせを利用して、単位時間あたりに放出される薬剤の量を増加させながら、薬剤放出期間を維持することができる。例えば、計量膜層の第一の材料を維持しながら、計量膜層の表面積の第一の表面積から第二の増加した表面積への増加と組み合わせて、薬剤リザーバのサイズが第一のサイズから第二のより大きいサイズに増加されるならば、薬剤デリバリーシステムは、第一の期間中に放出される薬剤の量を増加させるように動作可能であることを理解されたい。
【0113】
異なる材料は、例えば、異なる微細構造(例えば、微細構造に存在する隙間、穿孔、細孔、チャネル又は他の放出特徴部の量及び/又はサイズの増加)に基づいて、単位面積あたりの異なる流速を有しうることも理解されたい。したがって、異なる材料を追加的又は代替的に選択して、薬剤リザーバ内に配置された薬剤の放出を計量する程度又は量を調整又は制御することができる。
【0114】
したがって、本明細書で論じられる様々な薬剤デリバリーシステムは、関連する大きな薬剤計量表面積に起因する本質的に高い薬剤の放出速度を有せずに、比較的大きな薬剤リザーバ、あるいは、関連する低い薬剤計量表面積に起因する本質的に低い薬剤の放出速度を有せずに、比較的小さな薬剤リザーバを含む構成を提供する。低い放出速度と組み合わせた比較的大きな薬剤リザーバは、薬剤を補充するための介入を必要とせずに長期間(例えば、数週間、数ヶ月、1年又はそれ以上)インプラントすることができる薬剤デリバリーシステム1000を提供する。逆に、高い放出速度と組み合わせた比較的小さな薬剤リザーバは、オーバーサイズでなく、通常の眼の動作(例えば、瞬き及び眼球運動)を妨げることなく、高速で薬剤をインプラント及び分配することができる薬剤デリバリーシステムを提供する。
【0115】
さらに、より粗い分子構造を有する薬剤は、一般に、薬剤デリバリーシステムが、薬剤が薬剤計量膜層の材料を通過することができるようなサイズに対応する隙間、細孔、チャネル及び/又は他の放出特徴部を有する微細構造を含むことを必要とすることを理解されたい。したがって、異なる薬剤を投与する際に使用するために、異なる薬剤デリバリーシステムを選択することができることが理解される。
【0116】
図6及び7に示される薬剤デリバリーシステム3000を引き続き参照すると、第一の層3100の第一の膜層3110は、1つ以上の材料、例えば、本明細書で論じられる任意の生体適合性材料のシート又はフィルムから形成されることができるが、ここで、1つ以上の材料のシート又はフィルムは、薬剤不透過性の第二の部分3114において、エラストマー又はエラストマー性材料などのシーリング材料とさらに組み合わされている。したがって、幾つかの実施形態において、第一の層3100の第一の膜層3110の薬剤不透過性の第二の部分3114は複合材構造を含むことができる。幾つかの実施形態において、第一の層3100の第一の膜層3110の薬剤不透過性の第二の部分3114は、シーリング材料で選択的に吸収及び/又はコーティングされた第一の層3100の第一の膜層3110の部分に対応することができる。すなわち、様々な実施形態において、第一の層3100の第一の膜層3110は、第一の膜層3110の1つ以上の部分がシーリング材料を含むように構成されることができ、第一の膜層3110の1つ以上の他の部分はシーリング材料を含まず、シーリング材料を含む第一の膜層3110の部分は薬剤不透過性の第二の部分3114に対応し、シーリング材料を含まない第一の膜層3110の部分は薬剤計量の第一の部分3112に対応する。
【0117】
図6及び図7に示される薬剤デリバリーシステム3000は、卵形の薬剤計量の第一の部分3112を含み、前記薬剤計量の第一の部分3112は、薬剤計量の第一の部分3112は、薬剤の放出を計量するという意図された目的を効果的に実現する限り、添付の図に示されるもの以外の他の形状及び/又はサイズ(例えば、正方形、矩形、台形、豆形又は他の任意の多角形又は非多角形)から形成されることができる。したがって、薬剤計量の第一の部分3112と薬剤不透過性の第二の部分3114との間に画定される境界は、上記と一貫する任意の適切な形状を画定しうることが理解されるべきである。
【0118】
また、図7に示される薬剤デリバリーシステム3000は、単一の中央に配置された薬剤計量の第一の部分3112のみを含むが、第一の層3100の第一の膜層3110は、複数の区別される薬剤計量の第一の部分3112を含むことができることも理解されたい。同様に、第一の層3100の第一の膜層3110の薬剤計量の第一の部分3112は、中央に配置される必要はなく、代わりに、中央位置からオフセットされた位置に配置されうると理解されたい。
【0119】
様々な実施形態において、薬剤デリバリーシステムは、本明細書で論じられる薬剤計量膜層のうちの1つ以上が、患者の解剖学的構造の組織表面に露出され得るように構成されうる。例えば、ここで図8及び図9に目を向けると、薬剤デリバリーシステム4000は示され、第一の層4100及び第二の層4200を含む。第二の層4200は、第二の層4200が薬剤に対して不透過性であり、薬剤不透過性の第一の膜層4210、及び、細胞浸潤及び組織付着を促進又は許容するように構成された第二の膜層4220を含む点で、図5に示され、上記で論じられたような薬剤デリバリーシステム2000の第二の層2200と同様である。図5に示される薬剤デリバリーシステム2000と同様に、第二の層4200は第一の面4202及び第二の面4204を含む。
【0120】
図8及び図9に示される第一の層4100は、しかしながら、図8及び図9に示される第一の層4100が第一の膜層4110の一部を露出するアパチャ又はレリーフを含む点で、前の第一の層の例と異なる。第一の膜層4110は、指定された期間にわたって薬剤リザーバ4300内に配置された薬剤の放出速度を測定するように構成されている。特に、図8及び9に示されるように、第二の膜層4120は、第二の膜層4120の本体4122に形成されたアパチャ4124を含み、第一の層4100の第二の膜層4120におけるアパチャ4124は第一の膜層4110を露出するように作用する。インプラントされると、第一の層4100の第一の膜層4110の1つ以上の部分は組織に直接露出され、一方、第二の膜層4120は、第一の膜層4110と組織表面との間の分離を維持するように作用する。
【0121】
第一の層4100の第一の膜層4110の直接露出は、組織へのより効果的かつ効率的なドラッグデリバリーを可能にするのに役立つ。第一の膜層4110と組織表面との間の分離を維持することは、第一の膜層4110と組織との間の微小運動を最小限に抑えるのに役立つ。上で論じられたように、微小運動を最小限に抑えることは、微小刺激を最小限に抑えるのに役立つ。
【0122】
したがって、様々な実施形態において、薬剤デリバリーシステム4000は、薬剤透過性の第一の層4100及び薬剤不透過性の第二の層4200を含み、第一の層4100は、第一の膜層4110及び第二の膜層4120を含み、第一の膜層4110は、薬剤に対して透過性であり、細胞浸潤及び組織付着に抵抗するように構成されており、第二の膜層4120は、薬剤に対して透過性であり、細胞浸潤及び組織付着を促進又は許容するように構成されており、第二の膜層4120は、インプラントされたときに、第一の膜層4110の1つ以上の部分が組織に露出され、一方、インプラント中に、第二の膜層4120が組織と第一の膜層4110の1つ以上の他の部分との間に配置されるように構成されている。
【0123】
幾つかの実施形態において、本明細書で論じられる様々な薬剤デリバリーシステムは、薄いパック形状の部材として形作られる。薬剤デリバリーシステムは、0.5ミリメートル(0.5mm)以下、例えば、0.1ミリメートル(0.1mm)~0.5ミリメートル(0.5mm)などの外部対向表面の間の厚さ(例えば、第一の層1100の第二の面1104と第二の層1200の第二の面1204との間で測定される距離)を含むことができるが、様々な寸法が考えられる。例えば、人体の異なる解剖学的構造が与えられると、厚さが通常の眼の機能(例えば、旋回及び瞬き)を実質的に妨害しないかぎり、薬剤デリバリーシステムは、本開示の主旨又は範囲から逸脱することなく、0.5ミリメートル(0.5mm)を超えることができる。
【0124】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される様々な薬剤デリバリーシステムは、5ミリメートル~15ミリメートルの範囲の直径(又は主軸を横切る幅)を有することができる。特定の実施形態において、本明細書に開示される薬剤デリバリーシステムは、10ミリメートルの直径(又は主軸を横切る幅)を有することができる。薬剤デリバリーシステムが卵形である実施形態において、薬剤デリバリーシステムは、最大約30ミリメートルの(例えば、楕円形の)主寸法及び最大約10ミリメートルの対応する副寸法を含むことができる。しかし、上で論じたように、人体の異なる解剖学的構造が与えられると、薬剤デリバリーシステムは、サイズが通常の眼の機能(例えば、旋回及び瞬き)を実質的に妨害しないかぎり、本開示の主旨又は範囲から逸脱することなく、そのような寸法(例えば、15、10及び30ミリメートル)を超えることができる。同様に、本明細書に開示される薬剤デリバリーシステムは、薬剤デリバリーシステムが周囲組織による吸収のための十分な程度の薬剤を溶出するように動作可能であるかぎり、本開示の主旨又は範囲から逸脱することなく、5ミリメートル未満の直径(又は主軸を横切る幅)を含むことができる。本明細書で論じられる形状及びサイズは、限定的なものと見るべきでない。
【0125】
さらに、上記の薬剤デリバリーシステムは、単一の薬剤リザーバを含むものとして記載されているが、上記の薬剤デリバリーシステムのいずれも、複数のリザーバを含むことができることを理解されたい。これらのリザーバは、流体的に結合されているか、又は互いに分離されていることができる。幾つかの実施形態において、各リザーバは、同じ又は異なる薬剤を収容するように構成されうる。したがって、幾つかの実施形態において、本明細書で論じられる薬剤デリバリーシステムは、同じリザーバから、又は複数の異なるリザーバのいずれかから、複数の異なる薬剤をデリバリーするように構成されうる。
【0126】
さらに、様々な実施形態において、薬剤は、薬剤の計量を助けるのに役立つ生体吸収性粒子上に装填されるか又はさもなければその中に取り込まれうることを理解されたい。幾つかの実施形態において、粒子は分散液とされて注入され又はさもなければその場で薬剤リザーバ内にデリバリーされうるサイズであることができる(例えば、薬剤デリバリーシステムが患者の眼内にインプラントされる間に)。すなわち、幾つかの例において、薬剤は、粒子の流体懸濁液中に含まれることができる。様々な実施形態において、充填された又は部分的に充填された薬剤微孔質リザーバは、その場で(例えば、注射器又は他の適切な手段を介して)アクセスされることができ、経時にわたって一定の薬剤デリバリーを維持するために、リザーバの内容物(例えば、粒子)を除去し及び/又は新鮮な粒子で再装填されうる。様々な実施形態において、薬剤リザーバ内の粒子の流体懸濁液の配置は、注射器又は他の適切なデリバリー手段を介して達成されうる。
【0127】
幾つかの実施形態において、本明細書で論じられる薬剤デリバリーシステムは、薬剤微孔質リザーバが薬剤リザーバ内の粒子を保持し、分散キャリア流体(例えば、水)が薬剤デリバリーシステムの1つ以上の層を通ってリザーバを出るのを可能にするように構成されている。例えば、幾つかの実施形態において、薬剤リザーバを画定する材料(例えば、第一、第二、第三又は第四の微孔質層のうちの1つ以上)は、流体懸濁液の粒子が材料を通過するのを防ぐように構成された微細構造を含むことができる。例えば、第一の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するように構成されることができ、流体懸濁液の粒子が材料を通過するのを防止する隙間、穿孔、細孔、チャネル又はそれらの組み合わせを含むことができる。幾つかの実施形態において、粒子は、薬剤(単独で又は流体との溶液中で)が、身体による吸収のために薬剤リザーバの内部から薬剤デリバリーシステムの外部へ微孔質リザーバの1つ以上の層を通して浸透、拡散又はさもなければ通過できるように、経時的に分解又は崩壊するように構成されている。幾つかの実施形態において、分散キャリア流体及び粒子の溶液の濃度は、経時とともに変化するか又は変化されうる。例えば、粒子は、リザーバ内の粒子の濃度を増加させるために、分散キャリア流体に(例えば、その場で)添加されうる。追加的又は代替的に、分散キャリア流体を添加して、リザーバ内の粒子の濃度を低下させることができる。
【0128】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される様々な薬剤デリバリーシステムは、追加的又は代替的に、1つ以上のステント、ストラット及び/又は補強要素などの1つ以上の構造スペーサを含むことができる。1つ以上の構造スペーサは、リザーバを形成する微孔質層の間の分離を維持するために、リザーバに組み込まれ、統合され、結合され又はさもなければリザーバ内に配置されうる。そのような構造スペーサは、本明細書で論じられる任意の適切な生体適合性材料(例えば、天然材料、又は金属及びポリマーなどの合成材料)から形成することができる。
【0129】
本出願の本発明の範囲は、一般的にならびに特定の実施形態及び実施例に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態及び実施例において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。同様に、本明細書で論じられる実施形態及び実施例で論じられる様々な構成要素は、組み合わせることができる。したがって、実施形態及び実施例は、本発明の範囲の変形及び変形を網羅することが意図されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0129
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0129】
本出願の本発明の範囲は、一般的にならびに特定の実施形態及び実施例に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態及び実施例において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。同様に、本明細書で論じられる実施形態及び実施例で論じられる様々な構成要素は、組み合わせることができる。したがって、実施形態及び実施例は、本発明の範囲の変形及び変形を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
薬剤を分配するためのインプラント可能なデリバリーデバイスであって、
組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む第一の微孔質層、
組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む第二の微孔質層、
組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含む、前記第一の微孔質層に結合された第三の微孔質層、及び、
前記第三の微孔質層と前記第二の微孔質層との間に画定される、薬剤を受容するためのリザーバ、
を含み、
前記第三の微孔質層は、前記デリバリーデバイスがインプラントされるときに前記薬剤が前記リザーバから溶出される速度を計量するように構成されている、デバイス。
(態様2)
前記リザーバが前記第三の微孔質層と第四の微孔質層との間に画定されるように、前記第二の微孔質層に結合された第四の微孔質層をさらに含む、態様1記載のデバイス。
(態様3)
前記第四の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、前記第四の微孔質層は前記薬剤に対して透過性である、態様2記載のデバイス。
(態様4)
前記第四の微孔質層は前記薬剤に対して不透過性である、態様2記載のデバイス。
(態様5)
前記第四の層はエラストマーを含む、態様4記載のデバイス。
(態様6)
前記第一の微孔質層は、前記第三の微孔質層を露出するように構成されたアパチャを含む、態様1~5のいずれか1項記載のデバイス。
(態様7)
前記第二の微孔質層と前記第三の微孔質層との間の分離を維持するために前記リザーバ内に配置された1つ以上の構造スペーサーをさらに含む、態様1~6のいずれか1項記載のデバイス。
(態様8)
前記リザーバは、その場で補充されそして空にされるように構成されている、態様1~7のいずれか1項記載のデバイス。
(態様9)
前記リザーバは、その中に薬剤を収容するように膨張するように構成されている、態様1~8のいずれか1項記載のデバイス。
(態様10)
前記第一の微孔質層及び前記第二の微孔質層の少なくとも1つは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を含む、態様1~9のいずれか1項記載のデバイス。
(態様11)
前記第三の微孔質層の第一の部分は薬剤に対して不透過性であり、前記第三の微孔質層の第二の部分は薬剤に対して透過性である、態様1~10のいずれか1項記載のデバイス。
(態様12)
前記第三の微孔質層の第一の部分はエラストマーを含む、態様11記載のデバイス。
(態様13)
前記デリバリーデバイスは眼内にインプラント可能である、態様1~12のいずれか1項記載のデバイス。
(態様14)
前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である、態様13記載のデバイス。
(態様15)
薬剤を分配するためのインプラント可能なデリバリーデバイスであって、
第一の内面及び対向する第二の内面を含むリザーバを画定するための、第二の微孔質層に結合された第一の微孔質層、及び、外面を有する本体、
を含み、
前記リザーバが薬剤で満たされているときに、前記第一の内面は前記第二の内面から分離可能であり、
前記第一の内面は所定の期間にわたって薬剤の分配を計量するように構成されており、前記第一の内面は、組織の内部成長に抵抗するように構成されており、そして、
前記本体の外面は、組織の内部成長を許容するように構成されている、デバイス。
(態様16)
前記第一の内面の少なくとも一部は薬剤に対して透過性である、態様15記載のデバイス。
(態様17)
前記第二の内面は薬剤に対して不透過性である、態様15又は態様16記載のデバイス。
(態様18)
前記第二の内面はエラストマーを含む、態様17記載のデバイス。
(態様19)
前記リザーバは、その場で補充されそして空にされるように構成されている、態様15~18のいずれか1項記載のデバイス。
(態様20)
前記リザーバは、その中に薬剤を収容するように膨張するように構成されている、態様15~19のいずれか1項記載のデバイス。
(態様21)
前記第一の微孔質層及び前記第二の微孔質層の少なくとも1つは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を含む、態様15~20のいずれか1項記載のデバイス。
(態様22)
前記第一の内面の第一の部分は薬剤に対して不透過性であり、前記第一の内面の第二の部分は薬剤に対して透過性である、態様15~21のいずれか1項記載のデバイス。
(態様23)
前記第一の内層の第一の部分は、エラストマーを含む、態様22記載のデバイス。
(態様24)
前記デリバリーデバイスは、眼内にインプラント可能である、態様15~23のいずれか1項記載のデバイス。
(態様25)
前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である、態様15~24のいずれか1項記載のデバイス。
(態様26)
薬剤を分配するためのデリバリーデバイスであって、
第一の微孔質層、第二の微孔質層及び第三の微孔質層を含む微孔質本体、及び、
前記第一の微孔質層と前記第三の微孔質層との間に配置された薬剤リザーバ、
を含み、
前記第一の微孔質層は前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層の間に位置し、前記第一の微孔質層は組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層はそれぞれ、組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む、デバイス。
(態様27)
前記第一の微孔質層は、ある期間にわたって薬剤を分配するための計量部分を含む、態様26記載のデバイス。
(態様28)
前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層は前記デリバリーデバイスの外部を画定している、態様26又は態様27記載のデバイス。
(態様29)
前記第一の微孔質層は前記第二の微孔質層に結合されている、態様26~28のいずれか1項記載のデバイス。
(態様30)
前記第二の微孔質層は、前記第一の微孔質層を露出するように構成されたアパチャを含む、態様29記載のデバイス。
(態様31)
前記薬剤リザーバは、その場で補充されそして空にされるように構成されている、態様26~30のいずれか1項記載のデバイス。
(態様32)
前記薬剤リザーバは、その中に薬剤を収容するように膨張するように構成されている、態様26~31のいずれか1項記載のデバイス。
(態様33)
前記第一の微孔質層、前記第二の微孔質層及び前記第三の微孔質層の少なくとも1つは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を含む、態様26~32のいずれか1項記載のデバイス。
(態様34)
前記第一の微孔質層は、薬剤に対して透過性である第一の部分、及び、薬剤に対して不透過性である第二の部分を含み、前記第一の微孔質層の第二の部分はエラストマーを含む、態様26~33のいずれか1項記載のデバイス。
(態様35)
前記デリバリーデバイスは眼内にインプラント可能である、態様26~34のいずれか1項記載のデバイス。
(態様36)
前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である、態様27~35のいずれか1項記載のデバイス。
(態様37)
薬剤リザーバを画定する内部を取り囲む外部を有する薬剤計量デバイスであって、
第一の微孔質層及び第二の微孔質層を含む第一の層、及び、
前記薬剤リザーバが前記第一の層と第二の層との間に画定されるように前記第一の層に結合された第二の層、
を含み、
第一の微孔質層は組織の内部成長に抵抗するように構成されており、前記第二の微孔質層は組織の内部成長を許容するように構成されており、前記第一の微孔質層は前記内部の一部を画定し、前記第二の微孔質層は前記外部の一部を画定しており、前記第一の層の前記第一の微孔質層の一部は、前記薬剤リザーバ内で使い捨て可能な薬剤に対して透過性である、デバイス。
(態様38)
前記薬剤リザーバは、前記第一の層及び前記第二の層の非結合部分が互いに対して自由に撓むように、互いに結合されていない前記第一の層及び前記第二の層の部分の間に画定されている、態様37記載のデバイス。
(態様39)
前記第二の層は、第三の微孔質層及び第四の微孔質層を含み、前記第二の層の前記第三の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するように構成されており、前記第二の層の前記第四の微孔質層は、組織の内部成長を許容するように構成されており、前記第二の層の前記第三の微孔質層は、前記内部の一部を画定し、前記第四の微孔質層は、前記外部の一部を画定している、態様37又は態様38記載のデバイス。
(態様40)
前記第一の層の第一の微孔質層及び第二の微孔質層は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、態様37~39のいずれか1項記載のデバイス。
(態様41)
前記第一の層の前記第一の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、前記第一の層の前記第二の微孔質層は、組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む、態様37~40のいずれか1項記載のデバイス。
(態様42)
前記第二の層の前記第三の微孔質層は、組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、前記第二の層の前記第四の微孔質層は、組織の内部成長を許容するサイズの複数の細孔を含む、態様39~41のいずれか1項記載のデバイス。
(態様43)
前記第二の層の前記第三の微孔質層は、前記第二の層の前記第三の微孔質層が薬剤に対して不透過性であるようにエラストマーを含む、態様39~42のいずれか1項記載のデバイス。
(態様44)
前記第一の層の前記第一の微孔質層は、薬剤に対して透過性である第一の部分及び薬剤に対して不透過性である第二の部分を含み、前記第一の層の前記第一の微孔質層の第二の部分はエラストマーを含む、態様37~43のいずれか1項記載のデバイス。
(態様45)
前記デリバリーデバイスは眼内にインプラント可能である、態様37~44のいずれか1項記載のデバイス。
(態様46)
前記薬剤は、緑内障を治療するための眼用薬剤である、態様45記載のデバイス。
(態様47)
前記薬剤は、粒子の流体懸濁液内に含まれる、態様45記載のデバイス。
(態様48)
前記第一の層の前記第一の微孔質層は、粒子が前記第一の微孔質層を通過するのを防ぐサイズの複数の細孔を含む、態様47記載のデバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を分配するためのインプラント可能なデリバリーデバイスであって、
微孔質本体を形成する複数の微孔質層と、
前記複数の微孔質層の間に画定され及び膨張状態と収縮状態との間で移行するように構成されたリザーバと、
を含み、
前記複数の微孔質層中の前記微孔質層の1つは、組織の内部成長を許容するサイズの細孔を含み、前記複数の微孔質層中の前記微孔質層のもう1つは組織の内部成長に抵抗するサイズの複数の細孔を含み、
前記膨張状態において前記リザーバは前記薬剤を受容し、前記微孔質層の少なくとも1つは前記薬剤の放出速度を測定するように構成されている。インプラント可能なデリバリーデバイス。
【外国語明細書】