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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174827
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】固体撮像装置、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/704 20230101AFI20231201BHJP
   H04N 25/702 20230101ALI20231201BHJP
【FI】
H04N25/704
H04N25/702
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178803
(22)【出願日】2023-10-17
(62)【分割の表示】P 2022067585の分割
【原出願日】2017-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 圭一郎
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CY17
5C024EX12
5C024EX43
5C024EX52
5C024GX03
5C024GY31
(57)【要約】
【課題】より低い製造上の難易度で、位相差画素を設けることができるようにする。
【解決手段】複数の画素が2次元状に配列された画素アレイ部を備え、画素アレイ部は、近傍の同色の画素からなる画素群が規則的に配列された配列パターンを有し、配列パターンに配列される複数の画素群のうち、光の入射側の一部を遮光した画素からなる画素群である遮光画素群を構成する画素は、同一の方向側が遮光されている固体撮像装置が提供される。本技術は、例えば、位相差検出用の画素を有するCMOSイメージセンサに適用することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがオンチップレンズと光電変換素子を有する複数の画素が2次元状に配列された画素アレイ部を備え、
前記画素アレイ部は、近傍の同一の波長帯に対応した画素からなる画素群が規則的に配列された配列パターンを有し、
前記配列パターンは、
光の入射側の一部を遮光した画素からなる位相差検出用の遮光画素群と、
前記遮光画素群を除いた撮像用の画素群と
を有する
固体撮像装置。
【請求項2】
各画素群に含まれる画素は、2×2で配列される
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記遮光画素群に含まれる画素は、2×2で配列され、全ての画素は光の入射側の一部が遮光される
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記遮光画素群に含まれる画素は、同一の方向が遮光される
請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記撮像用の画素群に含まれる画素は、前記遮光画素群に含まれる画素よりも受光面積が大きい
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記遮光画素群に含まれる画素が対応する波長帯と、前記撮像用の画素群のうち少なくとも1つの画素群に含まれる画素が対応する波長帯とは異なる
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記遮光画素群に含まれる画素が対応する波長帯と、前記撮像用の画素群に含まれる画素が対応する波長帯とは異なる
請求項6に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
それぞれがオンチップレンズと光電変換素子を有する複数の画素が2次元状に配列された画素アレイ部を備え、
前記画素アレイ部は、近傍の同一の波長帯に対応した画素からなる画素群が規則的に配列された配列パターンを有し、
前記配列パターンは、
光の入射側の一部を遮光した画素からなる位相差検出用の遮光画素群と、
前記遮光画素群を除いた撮像用の画素群と
を有する
固体撮像装置を含む撮像部と、
前記遮光画素群の出力から得られる位相差検出の結果に基づいて、オートフォーカス制御を行う制御部と
を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像装置、及び電子機器に関し、特に、より低い製造上の難易度で、位相差画素を設けることができるようにした固体撮像装置、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オートフォーカスの速度向上を図るために、位相差検出用の画素(以下、位相差画素という)を配置した固体撮像装置が使用されている。
【0003】
この種の位相差画素の構造としては、1つのオンチップレンズに対し、フォトダイオード等の光電変換素子を複数埋め込むことで、瞳分割する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、画素アレイ部において、2次元状に配列される複数の画素の配列パターンとして、近傍の同色の画素(同色の2×2の4画素)で画素回路を共有した共有画素を、規則的に配列した配列パターンが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-12127号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近傍の同色の画素からなる共有画素を規則的に配列した配列パターンを採用する場合において、位相差画素を設ける際に、1つのオンチップレンズに対し、複数の光電変換素子を設けようとすると、一般的に、製造上の難易度が高くなる。
【0007】
すなわち、1つのオンチップレンズに対し、複数の光電変換素子を設けた構造からなる共有画素においては、1つの光電変換素子を設ける構造からなる通常の画素と比べて、一般的にオンチップレンズのサイズを大きくする必要がある。また、通常の画素と位相差画素とでは、その駆動方法を変える必要がある。
【0008】
そのため、画素の構造を部分的に変更する必要があることから、製造上の観点からすれば、難易度が高くなるので、より低い製造上の難易度で、位相差画素を設けるための技術が求められていた。
【0009】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より低い製造上の難易度で、位相差画素を設けることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一側面の固体撮像装置は、それぞれがオンチップレンズと光電変換素子を有する複数の画素が2次元状に配列された画素アレイ部を備え、前記画素アレイ部は、近傍の同一の波長帯に対応した画素からなる画素群が規則的に配列された配列パターンを有し、前記配列パターンは、光の入射側の一部を遮光した画素からなる位相差検出用の遮光画素群と、前記遮光画素群を除いた撮像用の画素群とを有する固体撮像装置である。
【0011】
本開示の一側面の固体撮像装置においては、それぞれがオンチップレンズと光電変換素子を有する複数の画素が2次元状に配列された画素アレイ部が設けられ、前記画素アレイ部が、近傍の同一の波長帯に対応した画素からなる画素群が規則的に配列された配列パターンを有し、前記配列パターンが、光の入射側の一部を遮光した画素からなる位相差検出用の遮光画素群と、前記遮光画素群を除いた撮像用の画素群とを有している。
【0012】
本開示の一側面の電子機器は、それぞれがオンチップレンズと光電変換素子を有する複数の画素が2次元状に配列された画素アレイ部を備え、前記画素アレイ部は、近傍の同一の波長帯に対応した画素からなる画素群が規則的に配列された配列パターンを有し、前記配列パターンは、光の入射側の一部を遮光した画素からなる位相差検出用の遮光画素群と、前記遮光画素群を除いた撮像用の画素群とを有する固体撮像装置を含む撮像部と、前記遮光画素群の出力から得られる位相差検出の結果に基づいて、オートフォーカス制御を行う制御部とを備える電子機器である。
【0013】
本開示の一側面の電子機器においては、それぞれがオンチップレンズと光電変換素子を有する複数の画素が2次元状に配列された画素アレイ部が設けられ、前記画素アレイ部が、近傍の同一の波長帯に対応した画素からなる画素群が規則的に配列された配列パターンを有し、前記配列パターンが、光の入射側の一部を遮光した画素からなる位相差検出用の遮光画素群と、前記遮光画素群を除いた撮像用の画素群とを有している固体撮像装置を含む撮像部が設けられる。そして、前記遮光画素群の出力から得られる位相差検出の結果に基づいて、オートフォーカス制御が行われる。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一側面によれば、より低い製造上の難易度で、位相差画素を設けることができる。
【0015】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示に係る技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図2】単一画素の飽和電子量を説明する図である。
図3】分割画素の加算飽和電子量を説明する図である。
図4】本開示に係る技術を適用した画素の構造を説明する図である。
図5】アナログ信号加算処理を説明する図である。
図6】画素アレイ部に配列される複数の画素の平面レイアウトを示す図である。
図7】左遮光画素群の構造の例を示す図である。
図8】右遮光画素群の構造の例を示す図である。
図9】画素アレイ部に配列される複数の画素の構造を示す断面図である。
図10】アナログ信号加算処理で得られる画素信号の例を示す図である。
図11】本開示に係る技術を適用した画素の構成を示す回路図である。
図12】本開示に係る技術を適用した固体撮像装置を有する電子機器の構成例を示すブロック図である。
図13】本開示に係る技術を適用した固体撮像装置の使用例を示す図である。
図14】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図15】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本開示に係る技術(本技術)の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
【0018】
1.固体撮像装置の構成
2.本技術の実施の形態
3.変形例
4.電子機器の構成
5.固体撮像装置の使用例
6.移動体への応用例
【0019】
<1.固体撮像装置の構成>
【0020】
(固体撮像装置の構成例)
図1は、本開示に係る技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0021】
図1のCMOSイメージセンサ10は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いた固体撮像装置の一例である。CMOSイメージセンサ10は、光学レンズ系(不図示)を介して被写体からの入射光(像光)を取り込んで、撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
【0022】
図1において、CMOSイメージセンサ10は、画素アレイ部11、垂直駆動回路12、カラム信号処理回路13、水平駆動回路14、出力回路15、制御回路16、及び入出力端子17を含んで構成される。
【0023】
画素アレイ部11には、複数の画素群200が2次元状(行列状)に配列される。画素群200は、同色の4つの画素100(2×2の4画素)から構成される。
【0024】
各画素群200は、同色の4つの画素100として、赤(R)、緑(G)、又は青(B)のカラーフィルタに応じた、赤(R)の画素、緑(G)の画素、又は青(B)の画素から構成される。また、画素群200は、同色の4つの画素100により画素回路が共有された共有画素として構成される。
【0025】
画素群200において、同色の各画素100は、光電変換素子としてのフォトダイオード(PD)と、転送トランジスタをそれぞれ有して構成される。また、画素群200においては、同色の4つの画素100によって、画素回路としてのリセットトランジスタ、増幅トランジスタ、及び選択トランジスタが共有されている。
【0026】
なお、詳細は後述するが、画素アレイ部11には、位相差画素としての白(W)の画素(2×2の4画素)から構成される遮光画素群が、繰り返しパターンで散在して配置されている。位相差画素は、位相差検出用の画素であって、PDAF(Phase Detection Auto Focus)画素などとも称される。
【0027】
垂直駆動回路12は、例えばシフトレジスタによって構成され、所定の画素駆動線21を選択して、選択された画素駆動線21に画素100又は画素群200を駆動するための駆動信号(パルス)を供給し、行単位で画素100又は画素群200を駆動する。
【0028】
すなわち、垂直駆動回路12は、画素アレイ部11の各画素100又は各画素群200を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素100のフォトダイオードにおいて受光量に応じて生成された電荷(信号電荷)に基づく画素信号を、垂直信号線22を通してカラム信号処理回路13に供給する。
【0029】
カラム信号処理回路13は、画素群200の列ごとに配置されており、1行分の画素群200から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。例えば、カラム信号処理回路13は、画素固有の固定パターンノイズを除去するための相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)、及びAD(Analog Digital)変換等の信号処理を行う。
【0030】
水平駆動回路14は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路13の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路13の各々から画素信号を水平信号線23に出力させる。
【0031】
出力回路15は、カラム信号処理回路13の各々から水平信号線23を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。なお、出力回路15は、例えば、バッファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。
【0032】
制御回路16は、CMOSイメージセンサ10の各部の動作を制御する。
【0033】
また、制御回路16は、垂直同期信号、水平同期信号、及びマスタクロック信号に基づいて、垂直駆動回路12、カラム信号処理回路13、及び水平駆動回路14などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。制御回路16は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路12、カラム信号処理回路13、及び水平駆動回路14などに出力する。
【0034】
入出力端子17は、外部と信号のやりとりを行う。
【0035】
以上のように構成される、図1のCMOSイメージセンサ10は、CDS処理、及びAD変換処理を行うカラム信号処理回路13が画素列ごとに配置されたカラムAD方式と呼ばれるCMOSイメージセンサとされる。また、図1のCMOSイメージセンサ10は、例えば、裏面照射型のCMOSイメージセンサとすることができる。
【0036】
<2.本技術の実施の形態>
【0037】
ところで、画素アレイ部11(図1)に配列される画素の構造として、飽和電子量(Qs)をアップさせるために、画素を分割して、それらの分割画素で得られる飽和電子量を足し合わせる構造が知られている。
【0038】
例えば、図2のAには、1つのオンチップレンズ111の直下に、光電変換素子としてのフォトダイオード112を形成した構造の断面図を示している。
【0039】
また、図2のBには、横軸を、フォトダイオード112(図2のA)の深さ(PD深さ)とし、縦軸を、ポテンシャルとしたときのフォトダイオード112の飽和電子量(Qs)を表している。ただし、フォトダイオード112の深さとしては、光の入射面と反対側の面の深さを、深さD1で表し、光の入射面側の深さを、深さD2で表している。
【0040】
一方で、図3のAには、フォトダイオード112(図2のA)を、フォトダイオード112-1とフォトダイオード112-2に2分割した場合の構造の断面図を示している。ここでは、フォトダイオード112-1に対し、オンチップレンズ111-1が形成され、フォトダイオード112-2に対し、オンチップレンズ111-2が形成されている。
【0041】
また、図3のBには、横軸を、PD深さとし、縦軸を、ポテンシャルとしたときの飽和電子量(Qs)として、左側に、フォトダイオード112-1(図3のA)の飽和電子量を表し、右側に、フォトダイオード112-2(図3のA)の飽和電子量を表している。ただし、フォトダイオード112-1とフォトダイオード112-2の深さとしては、光の入射面と反対側の面の深さを、深さD1で表し、光の入射面側の深さを、深さD2で表している。
【0042】
ここでは、フォトダイオード112-1の飽和電子量と、フォトダイオード112-2の飽和電子量とを加算することで得られる飽和電子量(以下、加算飽和電子量という)について考える。すなわち、図2のBに示した単一画素としてのフォトダイオード112の飽和電子量と、図3のBに示した分割画素としてのフォトダイオード112-1とフォトダイオード112-2の加算飽和電子量とを比べれば、下記の式(1)の関係が成立する。
【0043】
分割画素の加算飽和電子量 > 単一画素の飽和電子量 ・・・(1)
【0044】
このような関係を有することから、例えば、2μmのサイズからなる画素を製造する場合には、2μmのサイズからなる単一画素の飽和電子量よりも、1μmのサイズからなる分割画素の加算飽和電子量のほうが大きくなる。そのため、同一のサイズの画素で、飽和電子量のアップを実現して、高感度の画素を製造するためには、分割画素の構造を採用すればよい。
【0045】
ここで、分割画素の構造としては、例えば、図4に示すような構造とすることができる。すなわち、図4に示すように、一辺が、L2 = 2μmのサイズからなる色画素を配置する場合に、一辺が、L1 = 1μmのサイズからなる同色の分割画素が4つ配置されるようにすることで、飽和電子量のアップを実現することができる。換言すれば、ここでは、近傍の同色の4画素(2×2画素)からなる画素群が、画素回路を共有した共有画素として構成されていると言える。
【0046】
なお、図4においては、画素アレイ部11に配列された画素100のi行j列を、画素100(i,j)と表記し、近傍の同色の4画素(2×2画素)から構成される画素群200のk行l列を、画素群200(k,l)と表記している。
【0047】
また、以下の説明では、カラーフィルタとして、赤(R)のカラーフィルタが設けられ、このRカラーフィルタを透過した光から、赤(R)成分の光に対応した電荷が得られる画素を、R画素と表記する。また、緑(G)のカラーフィルタを透過した光から、緑(G)成分の光に対応した電荷が得られる画素を、G画素と表記する。また、青(B)のカラーフィルタを透過した光から、青(B)成分の光に対応した電荷が得られる画素を、B画素と表記する。
【0048】
例えば、図4に示した画素アレイ部11における8行8列の画素配列において、左上の画素100の配置位置を画素100(1,1)で表せば、R画素100(1,5),R画素100(1,6),R画素100(2,5),及びR画素100(2,6)の赤(R)の4画素(共有画素)により、R画素群200(1,3)が構成される。
【0049】
また、G画素100(1,7),G画素100(1,8),G画素100(2,7),及びG画素100(2,8)の緑(G)の4画素(共有画素)により、G画素群200(1,4)が構成される。さらに、G画素100(3,5),G画素100(3,6),G画素100(4,5),及びG画素100(4,6)の緑(G)の4画素(共有画素)により、G画素群200(2,3)が構成される。
【0050】
また、B画素100(3,7),B画素100(3,8),B画素100(4,7),及びB画素100(4,8)の青(B)の4画素(共有画素)により、B画素群200(2,4)が構成される。
【0051】
このように、画素アレイ部11においては、赤(R)の4画素(2×2画素)から構成されるR画素群200と、緑(G)の4画素(2×2画素)から構成されるG画素群200と、青(B)の4画素(2×2画素)から構成されるB画素群200とが、規則的に配列され、ベイヤー配列となっている。
【0052】
なお、ベイヤー配列とは、緑(G)のG画素が市松状に配され、残った部分に、赤(R)のR画素と、青(B)のB画素とが一列ごとに交互に配される配列パターンである。
【0053】
そして、R画素群200を構成する4つのR画素100は、画素回路を共有した共有画素として構成されているため、4つのR画素100から得られる画素信号(アナログ信号)が、浮遊拡散領域(FD:Floating Diffusion)で加算され、R成分の信号(R画素信号)が生成される。
【0054】
同様に、G画素群200では、画素回路を共有した共有画素となる4つのG画素100から得られる画素信号(アナログ信号)が加算され、G成分の信号(G画素信号)が生成される。同様にまた、B画素群200では、画素回路を共有した共有画素となる4つのB画素100から得られる画素信号(アナログ信号)が加算され、B成分の信号(B画素信号)が生成される。
【0055】
その結果として、図5に示すように、ベイヤー配列に配置された画素群200のうち、R画素群200から4画素分の画素信号が加算されたR画素信号が得られ、G画素群200から4画素分の画素信号が加算されたG画素信号が得られ、B画素群200から4画素分の画素信号が加算されたB画素信号が得られることになる。
【0056】
図4の説明に戻り、ここで、画素アレイ部11において、画素群200(2,2)が配置される領域に注目すれば、ベイヤー配列であれば、本来、B画素群200(2,2)が配置されるはずであるが、ここでは、左遮光画素群200(2,2)が配置されている。この左遮光画素群200は、画素回路を共有した共有画素となる4つの左遮光画素100から構成され、4画素分の画素信号が加算されることで、図5に示すような左遮光画素信号が得られる。ここで、左遮光画素100は、光の入射側から見た場合に、左側の領域が遮光されている画素である。
【0057】
なお、詳細は後述するが、画素アレイ部11においては、左遮光画素100とともに、右側の領域が遮光されている画素である右遮光画素100から構成される右遮光画素群200が、繰り返しパターンで散在して配置されている。右遮光画素群200では、4画素分の画素信号が加算されることで、右遮光画素信号が得られる。そして、このようにして得られる左遮光画素信号と右遮光画素信号に基づき、2つの画像の位相差が検出されることになる。
【0058】
(画素の平面レイアウト)
図6は、画素アレイ部11に配列される複数の画素100の平面レイアウトを示す図である。
【0059】
図6においては、画素アレイ部11に2次元状に配列される複数の画素100のうち、光の入射側から見て、左上の領域に配列される64行64列の領域における画素100を例示している。ここでは、近傍の同色の4画素により同色の画素群200が構成されている。なお、図6の平面レイアウトには、説明を分かりやすくするために、画素群200のk行l列に対応した行番号と列番号が図示されている。
【0060】
すなわち、図6の画素アレイ部11においては、赤(R)の4画素(2×2画素)から構成されるR画素群200と、緑(G)の4画素(2×2画素)から構成されるG画素群200と、青(B)の4画素(2×2画素)から構成されるB画素群200とが、規則的に配列され、ベイヤー配列となっている。
【0061】
また、画素群200(2,2)が配置される領域に注目すれば、B画素群200(2,2)の代わりに、左遮光画素群200(2,2)が配置されている。
【0062】
ここで、図7に示すように、左遮光画素群200(2,2)は、左遮光画素100(3,3),左遮光画素100(3,4),左遮光画素100(4,3),及び左遮光画素100(4,4)の4画素(共有画素)から構成される。
【0063】
例えば、左遮光画素100(3,3)は、光の入射側から見た場合に、左側の領域(図中の黒色で表した領域)が遮光されている。また、左遮光画素100(3,4),左遮光画素100(4,3),及び左遮光画素100(4,4)についても、左遮光画素100(3,3)と同様に、左側の領域(図中の黒色で表した領域)が遮光されている。
【0064】
すなわち、これらの4つの左遮光画素100により構成される左遮光画素群200(2,2)においては、左遮光画素100(3,3),左遮光画素100(3,4),左遮光画素100(4,3),及び左遮光画素100(4,4)は共に、左側の領域が遮光され、同一の方向に遮光されている(同一の方向側が遮光されている)。
【0065】
図6の説明に戻り、画素アレイ部11において、画素群200(2,10),画素群200(14,6),及び画素群200(14,14)は、画素群200(2,2)と同様に、B画素群200の代わりに、左遮光画素群200が配置されている。
【0066】
そして、左遮光画素群200(2,10),左遮光画素群200(14,6),及び左遮光画素群200(14,14)においては、左遮光画素群200(2,2)と同様に、4つの左遮光画素100の左側の領域が遮光され、同一の方向に遮光されている(同一の方向側が遮光されている)。
【0067】
また、画素群200(6,2)が配置される領域に注目すれば、B画素群200(6,2)の代わりに、右遮光画素群200(6,2)が配置されている。
【0068】
ここで、図8に示すように、右遮光画素群200(6,2)は、右遮光画素100(11,3),右遮光画素100(11,4),右遮光画素100(12,3),及び右遮光画素100(12,4)の4画素(共有画素)から構成される。
【0069】
例えば、右遮光画素100(11,3)は、光の入射側から見た場合に、右側の領域(図中の黒色で表した領域)が遮光されている。また、右遮光画素100(11,4),右遮光画素100(12,3),及び右遮光画素100(12,4)についても、右遮光画素100(11,3)と同様に、右側の領域(図中の黒色で表した領域)が遮光されている。
【0070】
すなわち、これらの4つの右遮光画素100により構成される右遮光画素群200(6,2)においては、右遮光画素100(11,3),右遮光画素100(11,4),右遮光画素100(12,3),及び右遮光画素100(12,4)は共に、右側の領域が遮光され、同一の方向に遮光されている(同一の方向側が遮光されている)。
【0071】
図6の説明に戻り、画素アレイ部11において、画素群200(6,10),画素群200(10,6),及び画素群200(10,14)は、画素群200(6,2)と同様に、B画素群200の代わりに、右遮光画素群200が配置されている。
【0072】
そして、右遮光画素群200(6,10),右遮光画素群200(10,6),及び右遮光画素群200(10,14)においては、右遮光画素群200(6,2)と同様に、4つの右遮光画素100の右側の領域が遮光され、同一の方向に遮光されている(同一の方向側が遮光されている)。
【0073】
このように、画素アレイ部11においては、2×2の4つのR画素100からなるR画素群200と、2×2の4つのG画素100からなるG画素群200と、2×2の4つのB画素100からなるB画素群200とが、ベイヤー配列により配列されるが、B画素群200の一部が、左遮光画素群200又は右遮光画素群200に置き換えられている。
【0074】
具体的には、画素アレイ部11において、2行目に、左遮光画素群200(2,2)と左遮光画素群200(2,10)が配置され、6行目に、右遮光画素群200(6,2)と右遮光画素群200(6,10)が配置されている。また、10行目に、右遮光画素群200(10,6)と右遮光画素群200(10,14)が配置され、14行目に、左遮光画素群200(14,6)と左遮光画素群200(14,14)が配置されている。
【0075】
言い換えれば、画素アレイ部11において、2列目に、左遮光画素群200(2,2)と右遮光画素群200(6,2)が配置され、6列目に、右遮光画素群200(10,6)と左遮光画素群200(14,6)が配置されている。また、10列目に、左遮光画素群200(2,10)と右遮光画素群200(6,10)が配置され、14列目に、右遮光画素群200(10,14)と左遮光画素群200(14,14)が配置されている。
【0076】
すなわち、画素アレイ部11においては、遮光領域が左右対称になっている左遮光画素群200と右遮光画素群200とが、位相差検出用の画素(位相差画素)として組となっており、それらの左右の遮光画素群で得られる左遮光画素信号と右遮光画素信号に基づき、位相差検出用の画像が生成され、位相差が検出されることになる。
【0077】
例えば、図6においては、左遮光画素群200(2,2)と右遮光画素群200(6,2)との組、左遮光画素群200(2,10)と右遮光画素群200(6,10)との組、左遮光画素群200(14,6)と右遮光画素群200(10,6)との組、及び左遮光画素群200(14,14)と右遮光画素群200(10,14)との組を、位相差画素のペアにすることができる。
【0078】
なお、図6の画素アレイ部11においては、B画素群200の代わりに、左遮光画素群200と右遮光画素群200が配置される場合を例示したが、R画素群200又はG画素群200の代わりに、左遮光画素群200と右遮光画素群200が配置されるようにしてもよい。
【0079】
また、左遮光画素群200と右遮光画素群200とは、同色の画素群200に限らず、異なる色の画素群200の代わりに配置されるようにしてもよい。例えば、左遮光画素群200が、B画素群200の代わりに配置される場合において、右遮光画素群200を、G画素群200の代わりに配置されるようにしてもよい。
【0080】
また、図6に示した配列パターンは、画素アレイ部11において、繰り返しパターンで散在して配置される左遮光画素群200と右遮光画素群200の配置の一例であって、左遮光画素群200と右遮光画素群200とは、一定間隔で複数並べて配置するのであれば、他のパターンで配置するようにしてもよい。なお、上述した説明では、画素アレイ部11において、色画素群200が、ベイヤー配列で規則的に配列される場合を一例に説明したが、他の配列パターンを採用してもよい。
【0081】
(画素の断面の構造)
図9は、画素アレイ部11に配列される複数の画素100の構造を示す断面図である。
【0082】
図9には、左遮光画素群200を含む画素群200の断面として、3行目の画素100のX1-X1'断面を図示している。また、図9には、左遮光画素群200及び右遮光画素群200を含まない画素群200の断面として、7行目の画素100のX2-X2'断面を図示している。
【0083】
ここでも、左上の画素100の配置位置を画素100(1,1)で表せば、X1-X1'断面の対象となるのは、G画素100(3,1),G画素100(3,2),左遮光画素100(3,3),左遮光画素100(3,4),G画素100(3,5),G画素100(3,6),B画素100(3,7),及びB画素100(3,8)とされる。
【0084】
ただし、G画素100(3,1)とG画素100(3,2)は、G画素群200(2,1)に含まれ、左遮光画素100(3,3)と左遮光画素100(3,4)は、左遮光画素群200(2,2)に含まれる。また、G画素100(3,5)とG画素100(3,6)は、G画素群200(2,3)に含まれ、B画素100(3,7)とB画素100(3,8)は、B画素群200(2,4)に含まれる。
【0085】
図9のX1-X1'断面に示すように、各画素100では、オンチップレンズ111の直下に、フォトダイオード112(不図示)が形成されているが、オンチップレンズ111と、フォトダイオード112が形成されるシリコン層との間の領域には、カラーフィルタ113と遮光部114が設けられている。
【0086】
G画素100(3,1)とG画素100(3,2)、及びG画素100(3,5)とG画素100(3,6)では、Gカラーフィルタ113が形成され、B画素100(3,7)とB画素100(3,8)では、Bカラーフィルタ113が形成されている。
【0087】
左遮光画素100(3,3)と左遮光画素100(3,4)においては、カラーフィルタ113が形成されておらず、オンチップレンズ111により集光された光が、そのままフォトダイオード112に入射される。換言すれば、左遮光画素100は、白(W)成分の光に対応したW画素であって、左遮光画素群200は、白(W)の画素(同色の画素)である4つの左遮光画素100から構成されているとも言える。
【0088】
また、正方単位のG画素100(3,1)は、光の入射側から見て正方格子状に設けられる遮光部114によって、隣り合う画素との間が遮光されている。遮光部114は、例えば、タングステン(W)やアルミニウム(Al)等の金属により形成される。
【0089】
G画素100(3,2),左遮光画素100(3,3),左遮光画素100(3,4),G画素100(3,5),G画素100(3,6),B画素100(3,7),及びB画素100(3,8)についても、G画素100(3,1)と同様に、正方格子状に設けられる遮光部114によって、隣り合う画素との間が遮光されている。
【0090】
ここで、左遮光画素100(3,3)と左遮光画素100(3,4)において、遮光部114は、隣り合う画素との間を遮光するだけでなく、その左側の領域を遮光するために、光の入射面側に拡張され、他の画素と比べて、フォトダイオード112に入射する光の入射面が狭められている。これにより、図7に示したように、左遮光画素100(3,3)と左遮光画素100(3,4)は、光の入射側から見た場合に、遮光部114によって左側の領域が遮光されることになる。
【0091】
一方で、X2-X2'断面の対象となるのは、G画素100(7,1),G画素100(7,2),B画素100(7,3),B画素100(7,4),G画素100(7,5),G画素100(7,6),B画素100(7,7),及びB画素100(7,8)とされる。
【0092】
G画素100(7,1)とG画素100(7,2)、及びG画素100(7,5)とG画素100(7,6)では、Gカラーフィルタ113が形成され、B画素100(7,3),B画素100(7,4)、及びB画素100(7,7)とB画素100(7,8)では、Bカラーフィルタ113が形成されている。
【0093】
G画素100(7,1),G画素100(7,2),B画素100(7,3),B画素100(7,4),G画素100(7,5),G画素100(7,6),B画素100(7,7),及びB画素100(7,8)においては、光の入射側から見て正方格子状に設けられる遮光部114によって、隣り合う画素との間が遮光されている。
【0094】
なお、図示はしていないが、右遮光画素100の断面は、上述した左遮光画素100と同様に、遮光部114が、隣り合う画素との間を遮光するだけでなく、光の入射面側に拡張され、フォトダイオード112に入射する光の入射面が狭められることで、その右側の領域が遮光される。これにより、図8に示したように、右遮光画素100は、光の入射側から見た場合に、遮光部114によって右側の領域が遮光されることになる。
【0095】
以上のように、本技術を適用した左遮光画素群200は、光の入射側から見た場合に、左側の領域が遮光された画素である左遮光画素100を4つ配置することで構成され、それらの4つの左遮光画素100は、すべて同じ方向に遮光されている。また、本技術を適用した右遮光画素群200は、光の入射側から見た場合に、右側の領域が遮光された画素である右遮光画素100を4つ配置することで構成され、それらの4つの右遮光画素100は、すべて同じ方向に遮光されている。
【0096】
このように、近傍の4画素をすべて同じ方向に遮光した遮光画素群として、遮光領域が左右対称となる左遮光画素群200と右遮光画素群200とを設けることで、左遮光画素群200と右遮光画素群200とが位相差画素の組になって、位相差を検出することが可能となる。
【0097】
ここで、図9の断面図などに示したように、左遮光画素群200を構成する左遮光画素100と、右遮光画素群200を構成する右遮光画素100とは、他の色画素と同様に、1つのオンチップレンズ111に対し、1つのフォトダイオード112を設けた構造となっている。
【0098】
そのため、近傍の同色の画素(4画素)からなる共有画素を規則的に配列した配列パターンを採用する場合に、位相差画素を設けるときでも、位相差画素(遮光画素)のオンチップレンズ111のサイズと、他の色画素(R画素、G画素、及びB画素)のオンチップレンズ111のサイズを同じにすることができる。また、位相差画素(遮光画素)は、他の色画素(通常の画素)と同様に、近傍の同色の画素(4画素)からなる共有画素として構成されるため、その駆動方法を変える必要がない。
【0099】
よって、画素アレイ部11において、本技術を適用した遮光画素(左遮光画素群200と右遮光画素群200)を配置することで、画素100の構造を部分的に変更する必要がなく、より低い製造上の難易度で、位相差画素を設けることが可能となる。
【0100】
(アナログ加算処理)
次に、図10及び図11を参照して、各画素群200を構成する4画素(共有画素)から得られる画素信号(アナログ信号)を加算する処理の詳細を説明する。
【0101】
図10は、アナログ信号加算処理で得られる画素信号の例を示す図である。なお、図10の平面レイアウトには、図6の平面レイアウトに対応させて、画素群200のk行l列に対応した行番号と列番号が図示されている。
【0102】
画素アレイ部11において、各画素群200を構成する4つの同色の画素100は、浮遊拡散領域(FD:Floating Diffusion)を共有している。
【0103】
そのため、画素アレイ部11において、ベイヤー配列に配置された画素群200のうち、R画素群200では、4つのR画素100のフォトダイオード112のそれぞれにより生成された電荷が、1つの浮遊拡散領域(FD)に転送されて加算(アナログ加算)され、その結果得られる信号電圧に応じたR画素信号が出力される。
【0104】
また、G画素群200では、4つのG画素100のフォトダイオード112で、それぞれ生成された電荷が、1つの浮遊拡散領域(FD)で加算され、G画素信号が出力される。さらに、B画素群200では、4つのB画素100のフォトダイオード112で、それぞれ生成された電荷が、1つの浮遊拡散領域(FD)で加算され、B画素信号が出力される。
【0105】
また、左遮光画素群200では、4つの左遮光画素100のフォトダイオード112で、それぞれ生成された電荷が、1つの浮遊拡散領域(FD)で加算され、左遮光画素信号が出力される。さらに、右遮光画素群200では、4つの右遮光画素100のフォトダイオード112で、それぞれ生成された電荷が、1つの浮遊拡散領域(FD)で加算され、右遮光画素信号が出力される。
【0106】
ここで、遮光領域が左右対称となる左遮光画素群200と右遮光画素群200とが位相差画素の組になって、左遮光画素信号と右遮光画素信号に基づき、位相差検出用の画像が生成されることで、位相差を検出することができる。
【0107】
また、ベイヤー配列に配置された画素群200のうち、左遮光画素群200と右遮光画素群200が配置された領域については、近傍の他の色画素100の情報に基づき、補間処理が行われることで、R画素信号、G画素信号、又はB画素信号が得られる。これにより、ベイヤー配列に応じたR画素信号、G画素信号、及びB画素信号が得られる。
【0108】
ここで、ベイヤー配列に配置された画素群200は、浮遊拡散領域(FD)を共有した4画素からなる構造、いわば、画素を分割して、その分割画素で得られる飽和電子量(Qs)を足し合わせる構造を有している。そのため、上述の図2及び図3を参照して説明したように、各画素群200では、同一のサイズの画素を分割せずに構成した構造と比べて、飽和電子量(Qs)をアップさせることができる。
【0109】
図11は、本開示に係る技術を適用した画素の構成を示す回路図である。
【0110】
図11には、画素アレイ部11において画素100が配列される画素領域の一部の領域を図示しており、同色の4つの画素100により画素群200が構成されている。図11において、画素群200を構成する4つの同色の画素100は、浮遊拡散領域(FD)を共有している。また、図11において、転送トランジスタや選択トランジスタに対する駆動信号(SEL,TRG)は、垂直駆動回路12(図1)から供給される。
【0111】
画素群200において、各画素100は、フォトダイオード112の他に、転送トランジスタを有している。各画素100においては、転送トランジスタが、そのゲートに入力される駆動信号TRGに従い、オン/オフの動作を行うことで、フォトダイオード112により光電変換された電荷(信号電荷)が、4画素で共有された浮遊拡散領域(FD)に転送される。
【0112】
浮遊拡散領域(FD)は、各画素100の転送トランジスタと、画素群200で共有されるリセットトランジスタ及び増幅トランジスタとの接続点に形成されている。リセットトランジスタは、そのゲートに入力される駆動信号RSTに従い、オン/オフの動作を行うことで、浮遊拡散領域(FD)に蓄積されている電荷が排出される。
【0113】
浮遊拡散領域(FD)は、各画素100の転送トランジスタにより転送されてくる電荷を蓄積する機能を有している。浮遊拡散領域(FD)の電位は、蓄積された電荷量に応じて変調される。増幅トランジスタは、そのゲートに接続された浮遊拡散領域(FD)の電位変動を入力信号電圧とする増幅器として動作し、その出力信号電圧は、選択トランジスタを介して垂直信号線(VSL)22に出力される。
【0114】
選択トランジスタは、そのゲートに入力される駆動信号SELに従い、オン/オフの動作を行うことで、増幅トランジスタからの電圧信号を、垂直信号線(VSL)22に出力する。
【0115】
このように、画素群200は、4画素共有とされ、各画素100は、フォトダイオード112と転送トランジスタをそれぞれ有している。また、画素群200においては、4画素(共有画素)によって、浮遊拡散領域(FD)が共有されており、当該共有画素の画素回路として、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ、及び選択トランジスタが、共有トランジスタとして構成されている。
【0116】
なお、画素アレイ部11においては、列方向の2つの画素群200によっても、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ、及び選択トランジスタからなる共有トランジスタが共有されている。
【0117】
より具体的には、図11に示した画素アレイ部11における画素配列において、左上の画素100の配置位置を画素100(1,1)で表せば、1行目と2行目の画素群200においては、各画素群200で、浮遊拡散領域(FD)がそれぞれ共有されているが、列方向の上下の画素群200が組になって、共有トランジスタも共有されている。
【0118】
例えば、1列目のG画素群200(1,1)とR画素群200(2,1)とが組になって、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ、及び選択トランジスタが、共有トランジスタとなっている。
【0119】
ここで、G画素群200(1,1)を構成する4画素のうち、G画素100(1,1)では、転送トランジスタが、駆動信号TRG6に従って動作することで、フォトダイオード112により生成された電荷が、浮遊拡散領域(FD)に転送される。同様に、G画素100(1,2),G画素100(2,1),及びG画素100(2,2)においても、駆動信号TRG7,駆動信号TRG4,及び駆動信号TRG5に従い、転送トランジスタによって、フォトダイオード112からの電荷が、浮遊拡散領域(FD)に転送される。
【0120】
G画素群200(1,1)を構成する4画素で共有された浮遊拡散領域(FD)では、G画素100(1,1),G画素100(1,2),G画素100(2,1),及びG画素100(2,2)のフォトダイオード112のそれぞれから転送される電荷が加算(アナログ加算)され、その加算電荷に応じた電圧が、増幅トランジスタに入力される。なお、この浮遊拡散領域(FD)における電荷の加算は、FD加算とも称される。
【0121】
そして、増幅トランジスタでは、4画素で共有された浮遊拡散領域(FD)の電位変動が、ゲートへの入力信号電圧とされ、その出力信号電圧が、選択トランジスタを介して垂直信号線(VSL1)22-1に出力されることになる。
【0122】
なお、増幅トランジスタや選択トランジスタ等の共有トランジスタは、G画素群200(1,1)と組になるR画素群200(2,1)とで共有されている。
【0123】
また、1行目と2行目の画素群200において、2列目のB画素群200(1,2)とG画素群200(2,2)の組と、3列目のG画素群200(1,3)とR画素群200(2,3)の組と、4列目のB画素群200(1,4)とG画素群200(2,4)の組については、1列目のG画素群200(1,1)とR画素群200(2,1)と同様に構成されている。
【0124】
また、3行目と4行目の画素群200は、1行目と2行目の画素群200と同様に構成され、各画素群200で、浮遊拡散領域(FD)がそれぞれ共有されるとともに、列方向の上下の画素群200が組になって、共有トランジスタも共有されている。
【0125】
ここで、図11においては、駆動信号SEL1がLレベルとなって、1行目と2行目の画素群200で共有された選択トランジスタがオフ状態になる一方で、駆動信号SEL0がHレベルとなって、3行目と4行目の画素群200で共有された選択トランジスタがオン状態になることで、3行目又は4行目の画素群200が選択されている。
【0126】
このとき、駆動信号TRG0ないしTRG3がLレベルとなって、4行目の画素群200の各画素100の転送トランジスタがオフ状態になる一方で、駆動信号TRG4ないしTRG7がHレベルとなって、3行目の画素群200の各画素100の転送トランジスタがオン状態になることで、各画素100のフォトダイオード112により生成された電荷が、4画素で共有された浮遊拡散領域(FD)に転送される。
【0127】
図11では、選択トランジスタと転送トランジスタが共にオン状態になる3行目の画素群200を、太枠で囲っている。すなわち、3行目の画素群200において、4画素で共有された浮遊拡散領域(FD)では、当該4画素のフォトダイオード112のそれぞれから転送される電荷が加算され、その加算電荷に応じた電圧が、増幅トランジスタに入力される。
【0128】
そして、3行目の画素群200において、増幅トランジスタでは、4画素で共有された浮遊拡散領域(FD)の電位変動が、ゲートへの入力信号電圧とされ、その出力信号電圧が、選択トランジスタを介して垂直信号線(VSL1,VSL3,VSL5,VSL7)22に出力される。
【0129】
ここで、垂直信号線(VSL1)22-1は、カラム信号処理回路13(図1)内の比較器210-1に接続されている。比較器210-1は、そこに入力される、垂直信号線(VSL1)22-1からの信号電圧(Vx)と、DAC(不図示)からのランプ波(Ramp)の参照電圧(Vref)とを比較し、その比較結果に応じたレベルの出力信号を出力する。
【0130】
また、比較器210-2ないし比較器210-4においては、参照電圧と比較される信号電圧が、垂直信号線(VSL3)22-3,垂直信号線(VSL5)22-5,又は垂直信号線(VSL7)22-7からの信号電圧に代わるほかは、比較器210-1と同様であって、その比較結果に応じたレベルの出力信号が出力される。
【0131】
なお、カラム信号処理回路13では、比較器210からの出力信号に基づき、リセットレベル又は信号レベルのカウントが行われることで、AD変換が行われる。
【0132】
また、図11においては、R画素群200,G画素群200,及びB画素群200におけるアナログ加算処理について説明したが、左遮光画素群200及び右遮光画素群200についても同様に、4画素で、浮遊拡散領域(FD)が共有され、各画素のフォトダイオード112のそれぞれにより生成された電荷がアナログ加算されて出力される。
【0133】
<3.変形例>
【0134】
(固体撮像装置の他の例)
また、上述した実施の形態では、画素が2次元状に配列されてなるCMOSイメージセンサに適用した場合を例に挙げて説明したが、本技術はCMOSイメージセンサへの適用に限られるものではない。すなわち、本技術は、画素が2次元配列されてなるX-Yアドレス方式の固体撮像装置全般に対して適用可能である。
【0135】
さらに、本技術は、可視光の入射光量の分布を検知して画像として撮像する固体撮像装置への適用に限らず、赤外線やX線、あるいは粒子等の入射量の分布を画像として撮像する固体撮像装置全般に対して適用可能である。
【0136】
(遮光画素の他の例)
なお、上述した説明では、遮光画素(遮光画素群)として、左側の領域が遮光された画素である左遮光画素100(左遮光画素群200)と、右側の領域が遮光された画素である右遮光画素100(右遮光画素群200)について説明したが、遮光画素は、同一の方向に遮光されていればよく、遮光領域が左右対称の遮光画素の組み合わせに限定されるものではない。例えば、遮光画素(遮光画素群)としては、遮光領域が上下対称の遮光画素(遮光画素群)として、上側の領域が遮光された画素である上遮光画素(上遮光画素群)と、下側の領域が遮光された画素である下遮光画素(下遮光画素群)との組み合わせを採用することができる。
【0137】
(位相差検出の他の例)
また、上述した説明では、遮光領域が左右対称となる左遮光画素群200と右遮光画素群200とが、位相差画素のペアになることで、位相差が検出されるとして説明したが、位相差の検出手法によっては、必ずしも、左遮光画素群200と右遮光画素群200とが、位相差画素のペアになる必要はない。
【0138】
また、上述した説明では、画素群200が、近傍の同色の画素100(4画素)から構成されるとして説明したが、4つの画素から構成される画素群(共有画素)は、4つの分割画素から構成される画素(共有画素)として捉えるようにしてもよく、本技術を適用するに際して、4画素からなる画素群と、4分割画素からなる画素とは、実質的に同一の意味をなしている。
【0139】
<4.電子機器の構成>
【0140】
図12は、本開示に係る技術を適用した固体撮像装置を有する電子機器の構成例を示すブロック図である。
【0141】
電子機器1000は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、スマートフォンやタブレット型端末等の携帯端末装置などの撮像機能を有する電子機器である。
【0142】
電子機器1000は、レンズ部1011、撮像部1012、信号処理部1013、制御部1014、表示部1015、記録部1016、操作部1017、通信部1018、電源部1019、及び駆動部1020から構成される。また、電子機器1000において、信号処理部1013、制御部1014、表示部1015、記録部1016、操作部1017、通信部1018、及び電源部1019は、バス1021を介して相互に接続されている。
【0143】
レンズ部1011は、ズームレンズやフォーカスレンズ等から構成され、被写体からの光を集光する。レンズ部1011により集光された光(被写体光)は、撮像部1012に入射される。
【0144】
撮像部1012は、本開示に係る技術を適用したイメージセンサ(例えば、図1のCMOSイメージセンサ10)等の固体撮像装置を含んで構成される。撮像部1012としてのイメージセンサは、レンズ部1011を介して受光した光(被写体光)を電気信号に光電変換し、その結果得られる信号を、信号処理部1013に供給する。
【0145】
なお、このイメージセンサの画素アレイ部には、所定の配列パターンで規則的に配列された複数の画素として、被写体光に応じた撮像画像を生成するための信号を生成する画素(通常の画素)と、位相差検出を行うための信号を生成する画素(位相差画素)とが含まれる。
【0146】
例えば、上述したCMOSイメージセンサ10(図1)においては、通常の画素が、R画素100(R画素群200)、G画素100(G画素群200)、及びB画素100(B画素群200)に相当し、位相差画素が、左遮光画素100(左遮光画素群200)及び右遮光画素100(右遮光画素群200)に相当している。
【0147】
信号処理部1013は、撮像部1012から供給される信号を処理する信号処理回路である。例えば、信号処理部1013は、DSP(Digital Signal Processor)回路などとして構成される。
【0148】
信号処理部1013は、撮像部1012からの信号を処理して、静止画又は動画の画像データを生成し、表示部1015又は記録部1016に供給する。また、信号処理部1013は、撮像部1012(イメージセンサの位相差画素)からの信号に基づき、位相差を検出するためのデータ(位相差検出用データ)を生成し、制御部1014に供給する。
【0149】
制御部1014は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサなどとして構成される。制御部1014は、電子機器1000の各部の動作を制御する。
【0150】
表示部1015は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示装置として構成される。表示部1015は、信号処理部1013から供給される画像データを処理し、撮像部1012により撮像された静止画又は動画を表示する。
【0151】
記録部1016は、例えば、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体として構成される。記録部1016は、信号処理部1013から供給される画像データを記録する。また、記録部1016は、制御部1014からの制御に従い、記録されている画像データを提供する。
【0152】
操作部1017は、例えば、物理的なボタンのほか、表示部1015と組み合わせて、タッチパネルとして構成される。操作部1017は、ユーザによる操作に応じて、電子機器1000が有する各種の機能についての操作指令を出力する。制御部1014は、操作部1017から供給される操作指令に基づき、各部の動作を制御する。
【0153】
通信部1018は、例えば、通信インターフェース回路などとして構成される。通信部1018は、所定の通信規格に従い、無線通信又は有線通信によって、外部の機器との間でデータのやりとりを行う。
【0154】
電源部1019は、信号処理部1013、制御部1014、表示部1015、記録部1016、操作部1017、及び通信部1018の動作電源となる各種の電源を、これらの供給対象に対して適宜供給する。
【0155】
また、制御部1014は、信号処理部1013から供給される位相差検出用データに基づき、2つの画像の位相差を検出する。そして、制御部1014は、位相差の検出結果に基づき、フォーカスを合わせる対象の物体(合焦対象物)に対し、フォーカスが合っているかどうかを判定する。制御部1014は、合焦対象物にフォーカスが合っていない場合には、フォーカスのずれ量(デフォーカス量)を算出し、駆動部1020に供給する。
【0156】
駆動部1020は、例えば、モータやアクチュエータ等から構成され、ズームレンズやフォーカスレンズ等からなるレンズ部1011を駆動する。
【0157】
駆動部1020は、制御部1014から供給されるデフォーカス量に基づき、レンズ部1011のフォーカスレンズの駆動量を算出し、その駆動量に応じてフォーカスレンズを移動させる。なお、合焦対象物に対し、フォーカスが合っている場合には、駆動部1020は、フォーカスレンズの現在位置を維持させる。
【0158】
電子機器1000は、以上のように構成される。
【0159】
本技術は、以上説明したように、イメージセンサ等の撮像部1012に適用される。具体的には、CMOSイメージセンサ10(図1)は、撮像部1012に適用することができる。イメージセンサ等の撮像部1012に本技術を適用することで、画素アレイ部に配列される画素として、近傍の同色の画素からなる画素群(FDを共有する4画素からなる共有画素)を規則的に配列した配列パターンを採用する場合において、位相差画素を設けるときに、より低い製造上の難易度で、位相差画素を設けることができる。
【0160】
<5.固体撮像装置の使用例>
【0161】
図13は、本開示に係る技術を適用した固体撮像装置の使用例を示す図である。
【0162】
CMOSイメージセンサ10(図1)は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。すなわち、図13に示すように、鑑賞の用に供される画像を撮影する鑑賞の分野だけでなく、例えば、交通の分野、家電の分野、医療・ヘルスケアの分野、セキュリティの分野、美容の分野、スポーツの分野、又は、農業の分野などにおいて用いられる装置でも、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0163】
具体的には、鑑賞の分野において、例えば、デジタルカメラやスマートフォン、カメラ機能付きの携帯電話機等の、鑑賞の用に供される画像を撮影するための装置(例えば、図12の電子機器1000)で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0164】
交通の分野において、例えば、自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0165】
家電の分野において、例えば、ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、テレビ受像機や冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。また、医療・ヘルスケアの分野において、例えば、内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0166】
セキュリティの分野において、例えば、防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。また、美容の分野において、例えば、肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0167】
スポーツの分野において、例えば、スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。また、農業の分野において、例えば、畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0168】
<6.移動体への応用例>
【0169】
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0170】
図14は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0171】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図14に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
【0172】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0173】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0174】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0175】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0176】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0177】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0178】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0179】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12030に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0180】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図14の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0181】
図15は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0182】
図15では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
【0183】
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0184】
なお、図15には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0185】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0186】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0187】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0188】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0189】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、図1のCMOSイメージセンサ10は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、位相差検出に基づいたオートフォーカス制御を行うことができる。また、本開示に係る技術では、画素(複数の画素からなる画素群)の飽和電子量(Qs)を上げて、高感度のイメージセンサを実現することができるため、例えば、より高品質な撮像画像を取得して、より正確に歩行者等の障害物を認識することが可能になる。
【0190】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0191】
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0192】
(1)
複数の画素が2次元状に配列された画素アレイ部を備え、
前記画素アレイ部は、近傍の同色の画素からなる画素群が規則的に配列された配列パターンを有し、
前記配列パターンに配列される複数の画素群のうち、光の入射側の一部を遮光した画素からなる画素群である遮光画素群を構成する画素は、同一の方向側が遮光されている
固体撮像装置。
(2)
前記画素は、1つのオンチップレンズに対し、1つの光電変換素子を形成している
前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
前記画素群は、2×2の4画素から構成され、
前記遮光画素群を構成する4画素は、同一の方向側が遮光されている
前記(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記画素群は、近傍の同色の画素で画素回路を共有した共有画素として構成され、浮遊拡散領域を共有している
前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(5)
前記遮光画素群は、光の入射側から見た場合に、左側の領域が遮光された画素からなる第1の遮光画素群、又は右側の領域が遮光された画素からなる第2の遮光画素群を含み、
前記第1の遮光画素群と前記第2の遮光画素群とが組になって、前記配列パターンに配列される
前記(1)ないし(4)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(6)
前記画素アレイ部において、
前記複数の画素は、行列状に配列され、
前記第1の遮光画素群は、行方向に所定の画素間隔で、規則的に配列され、
前記第2の遮光画素群は、行方向に所定の画素間隔で、規則的に配列される
前記(5)に記載の固体撮像装置。
(7)
前記画素アレイ部において、
前記複数の画素は、行列状に配列され、
前記第1の遮光画素群と前記第2の遮光画素群とは、列方向に所定の画素間隔で、規則的に配列される
前記(5)又は(6)に記載の固体撮像装置。
(8)
前記第1の遮光画素群と前記第2の遮光画素群とは、同色の画素からなる前記画素群の配置位置に対応して配置される
前記(5)ないし(7)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(9)
前記複数の画素は、赤(R)、緑(G)、及び青(B)のカラーフィルタに応じて、赤(R)の画素、緑(G)の画素、及び青(B)の画素を含み、
前記第1の遮光画素群と前記第2の遮光画素群とは、白(W)の画素として構成される
前記(8)に記載の固体撮像装置。
(10)
前記配列パターンは、ベイヤー配列である
前記(1)ないし(9)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(11)
前記第1の遮光画素群と前記第2の遮光画素群を構成する画素は、位相差検出用の画素として構成される
前記(4)ないし(9)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(12)
複数の画素が2次元状に配列された画素アレイ部を備え、
前記画素アレイ部は、近傍の同色の画素からなる画素群が規則的に配列された配列パターンを有し、
前記配列パターンに配列される複数の画素群のうち、光の入射側の一部を遮光した画素からなる画素群である遮光画素群を構成する画素は、同一の方向側が遮光されている
固体撮像装置を含む撮像部と、
前記遮光画素群の出力から得られる位相差検出の結果に基づいて、オートフォーカス制御を行う制御部と
を備える電子機器。
【符号の説明】
【0193】
10 CMOSイメージセンサ, 11 画素アレイ部, 12 垂直駆動回路, 21 画素駆動線, 22 垂直信号線, 100 画素, 111 オンチップレンズ, 112 フォトダイオード, 113 カラーフィルタ, 114 遮光部, 200 画素群, 210 比較器, 1000 電子機器, 1012 撮像部, 1014 制御部, 1020 駆動部, 12031 撮像部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15