IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図1
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図2
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図3
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図4
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図5
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図6
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図7
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図8
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図9
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図10
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図11
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図12
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図13
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図14
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図15
  • 特開-セルフ精算装置およびプログラム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174837
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】セルフ精算装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20231201BHJP
   G07D 7/206 20160101ALI20231201BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G07D7/206
G07G1/12 321L
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178917
(22)【出願日】2023-10-17
(62)【分割の表示】P 2021182928の分割
【原出願日】2018-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯坂 仁志
(72)【発明者】
【氏名】内藤 英浩
(72)【発明者】
【氏名】宮越 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】川口 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】尾籠 直樹
【テーマコード(参考)】
3E041
3E142
【Fターム(参考)】
3E041AA01
3E041BA11
3E041BB03
3E142BA01
3E142EA02
3E142EA04
3E142FA01
3E142GA41
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】店舗で取り扱っている商品券かわかる販売データ処理装置、セルフ精算装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】販売データ処理装置は、登録された商品の精算処理で商品券を使用した決済を実行するものであって、識別部を備える。識別部は、物品を撮像する撮像部が出力した撮像画像と、前記撮像画像から商品および商品券を認識する基準とする情報として所定の記憶部が記憶した基準情報と、を比較して商品および商品券を識別する。また、識別部は、商品登録後の精算処理中に前記撮像部が出力した前記撮像画像については、商品券の前記基準情報と比較する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録された商品の精算処理で商品券を使用した決済を実行する販売データ処理装置において、
物品を撮像する撮像部が出力した撮像画像と、前記撮像画像から商品および商品券を認識する基準とする情報として所定の記憶部が記憶した基準情報と、を比較して商品および商品券を識別するものであって、商品登録後の精算処理中に前記撮像部が出力した前記撮像画像については、商品券の前記基準情報と比較する識別部
を備える販売データ処理装置。
【請求項2】
前記識別部は、精算処理中の識別に際しては、商品券の前記基準情報のうち、前記撮像画像に合致する可能性が高いものを選択肢として出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
商品の購入者による操作を受け付けて、商品券を使用した精算処理を実行するセルフ精算装置において、
物品を撮像して撮像画像を出力する撮像部と、
前記撮像画像から商品および商品券を認識する基準とする基準情報を記憶した記憶部と、
前記撮像画像と前記基準情報とを比較して商品および商品券を識別するものであって、商品登録後の精算処理中に前記撮像部が出力した前記撮像画像については、商品券の前記基準情報と比較する識別部と、
を備えるセルフ精算装置。
【請求項4】
前記識別部は、精算処理中の識別に際しては、商品券の前記基準情報のうち、前記撮像画像に合致する可能性が高いものを選択肢として出力し、
前記識別部が出力した前記選択肢から選ぶ操作が受け付けられると、精算処理を一時停止してアテンダントによる対応を待機する待機部と、
前記アテンダントによる対応が受け付けられると、精算処理の一時停止を解除して再開する解除部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のセルフ精算装置。
【請求項5】
登録された商品の精算処理で商品券を使用した決済を実行する販売データ処理装置のコンピュータを、
物品を撮像する撮像部が出力した撮像画像と、前記撮像画像から商品および商品券を認識する基準とする情報として所定の記憶部が記憶した基準情報と、を比較して商品および商品券を識別するものであって、商品登録後の精算処理中に前記撮像部が出力した前記撮像画像については、商品券の前記基準情報と比較する識別手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
商品の購入者による操作を受け付けて、商品券を使用した精算処理を実行するセルフ精算装置のコンピュータを、
物品を撮像する撮像部が出力した撮像画像と、前記撮像画像から商品および商品券を認識する基準とする情報として所定の記憶部が記憶した基準情報と、を比較して商品および商品券を識別するものであって、商品登録後の精算処理中に前記撮像部が出力した前記撮像画像については、商品券の前記基準情報と比較する識別手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置、セルフ精算装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品券は様々な種類のものが出回っており、店舗によって、取り扱っていないものがある。取扱不可の商品券を決済に用いることはできないが、全ての店員が商品券を確実に区別することは難しい。このため、店員がオペレータとなって操作する販売データ処理装置においては、顧客が提示する商品券が店舗で取り扱っているものであるかを容易に判断可能にすることが求められている。
【0003】
また、顧客がオペレータとなって操作するセルフ精算装置では、従来、顧客が商品券を決済に用いようとする都度、店員が出向いて商品券を確認する運用がとられている。このため、顧客は、手持ちの商品券が店舗で取り扱っていないものである場合にも、店員を待つこととなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、店舗で取り扱っている商品券かわかる販売データ処理装置、セルフ精算装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の販売データ処理装置は、登録された商品の精算処理で商品券を使用した決済を実行するものであって、識別部を備える。識別部は、物品を撮像する撮像部が出力した撮像画像と、前記撮像画像から商品および商品券を認識する基準とする情報として所定の記憶部が記憶した基準情報と、を比較して商品および商品券を識別する。また、識別部は、商品登録後の精算処理中に前記撮像部が出力した前記撮像画像については、商品券の前記基準情報と比較する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態のチェックアウトシステムの構成を示す斜視図である。
図2図2は、POS端末および読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、PLUファイルの構成の一例を示す図であって、PLUファイルの分類例を示す図である。
図4図4は、PLUファイルが含む各辞書のデータ構成の一例を示す図である。
図5図5は、制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、制御部が実行する精算処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第2の実施形態のセルフPOS端末の外観の一例を示す斜視図である。
図8図8は、セルフPOS端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図9図9は、制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図10図10は、セルフPOS端末が行う精算処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11図11は、制御部が表示部に表示させた選択画面の一例を示す図である。
図12図12は、制御部が表示部に表示させた指示画面の一例を示す図である。
図13図13は、制御部が表示部に表示させた選択画面の一例を示す図である。
図14図14は、制御部が表示部に表示させた案内画面の一例を示す図である。
図15図15は、制御部が表示部に表示させた指示画面の一例を示す図である。
図16図16は、制御部が表示部に表示させたエラー画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
実施形態について図面を用いて説明する。図1は、チェックアウトシステム1の構成を示す斜視図である。チェックアウトシステム1は、販売データ処理装置の一例であって、POS端末11、ドロワ21、および読取装置101を備えている。本実施形態におけるオペレータ(操作者)は、店員である。
【0008】
ドロワ21は、チェックアウト台51上に載置され、上面にPOS端末11が載置される。ドロワ21は、金銭を収納する箱であり、POS端末11によって開放動作の制御を受ける。
【0009】
POS端末11は、読取装置101により読み取られた商品の登録と、登録した商品の代金の精算および決済を行う。POS端末11は、キーボード22、表示デバイス23、顧客用表示デバイス24、およびタッチパネル25を備えている。キーボード22は、POS端末11本体部の上面に設けられ、オペレータによって操作される。
【0010】
表示デバイス23は、キーボード22を操作するオペレータから見てキーボード22よりも奥側に配置され、オペレータに向けて設けられた表示面23aに情報を表示する。タッチパネル25は、表示面23aに重ねて設けられていて、オペレータが触れた位置における表示デバイス23の表示内容に応じた操作を受け付ける。
【0011】
顧客用表示デバイス24は、表示デバイス23よりもさらに奥側に配置され、顧客に提供する情報を表示する表示面24aを備えている。なお、顧客用表示デバイス24は、図1では表示面24aを図中手前側に向けているが、顧客への情報提供が好適に行われるよう表示面24aの向きを任意に調節可能である。
【0012】
読取装置101は、カウンタ台151上面の荷受面152に載置される。カウンタ台151は、横長のテーブルであって、POS端末11が載ったチェックアウト台51とL字を形成するように配置されている。
【0013】
荷受面152には、商品Aを収納する買物カゴ153が載置される。買物カゴ153には、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ153aと、第1の買物カゴ153aから読取装置101を挟んだ位置に位置付けられる第2の買物カゴ153bとがある。なお、買物カゴ153は、いわゆるカゴ形状のものに限らず、例えば、第1の買物カゴ153aがトレーなどであって、第2の買物カゴ153bがドーナツ店などの店舗において用いられる紙箱などであってもよい。
【0014】
読取装置101は、POS端末11とデータ送受信自在に接続されている。読取装置101は、ハウジング102、読取窓103、表示・操作部104、キーボード107、カード読取溝108、顧客用表示デバイス109、および読取部110(図2参照)を備えている。
【0015】
ハウジング102は、薄い矩形の筐体である。読取窓103は、透明の素材で形成され、ハウジング102の正面の一部を構成している。表示・操作部104は、タッチパネル105および表示デバイス106を備え、ハウジング102の上部に取り付けられている。タッチパネル105は、表示デバイス106の表面に重ねて設けられている。キーボード107は、表示・操作部104の右隣に設けられている。
【0016】
カード読取溝108は、クレジットカードなどの磁気テープに記憶された情報を読み取るカードリーダの一部であって、キーボード107の右隣に設けられている。顧客用表示デバイス109は、オペレータから見て表示・操作部104の裏面左奥側に配置され、顧客に情報を提供する。読取部110は、読取窓103の奥側に、撮像部164(図2参照)を備えている。
【0017】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ153aには、一取引にかかる商品Aが収納されている。商品Aは、オペレータによって第2の買物カゴ153bへと移動される。この移動過程で、商品Aが読取装置101の読取窓103に向けられる。
【0018】
この際、読取窓103の奥側に配置された撮像部164は商品Aを撮像する。読取装置101は、撮像部164により撮像された画像(撮像画像)に含まれる商品Aの全部または一部を検出する。読取装置101は、撮像画像に商品Aの全部または一部が含まれることを検出した場合、その撮像画像をPOS端末11へ出力する。
【0019】
POS端末11は、商品Aの各々について、商品Aの売上登録にかかる情報と商品Aの画像とが関連付けられたPLUファイルF1(詳細は後述する。図3参照)を参照して、撮像画像から特定の物品である商品Aを認識することで売上登録を行う商品Aを特定し、その特定された商品AのID、分類、名称、単価などの売上登録にかかる情報を、売上マスタファイル(不図示)などに記録して売上登録を行う。
【0020】
図2は、POS端末11および読取装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末11は、情報処理を実行する制御部60を備える。制御部60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU61(Central Processing Unit)に、ROM62(Read Only Memory)とRAM63(Random Access Memory)とがバス接続されて構成されている。ROM62には、CPU61によって実行されるプログラムが記憶されている。
【0021】
POS端末11のCPU61には、前述したドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル25、および顧客用表示デバイス24が接続されている。これら(ドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル25、および顧客用表示デバイス24)は、制御部60による制御を受ける。
【0022】
キーボード22は、「1」、「2」、「3」…などの数字や「×」という乗算の演算子が上面に表示されているテンキー22d、仮締めキー22e、および締めキー22fを含む。仮締めキー22eは、当該仮締めキー22eの操作受付時までに登録された商品にかかる精算を開始する指示を受け付ける。締めキー22fは、預かり金額を確定する指示を受け付ける。
【0023】
なお、読取装置101の表示・操作部104も、上述のテンキー22d、仮締めキー22e、および締めキー22fに相当するキーを、備えている。
【0024】
POS端末11のCPU61には、HDD64(Hard Disk Drive)が接続されている。HDD64は、記憶部の一例であって、プログラムや各種ファイルを記憶している。HDD64に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末11の起動時に、その全部または一部がRAM63にコピーされてCPU61により順次実行される。HDD64に記憶されているプログラムの一例は、販売データ処理用のプログラムPRである。HDD64に記憶されているファイルの一例は、ストアコンピュータSCから配信されて格納されたPLUファイルF1である。
【0025】
PLUファイルF1は、店舗に陳列して販売する商品Aの各々について、商品Aの売上登録にかかる情報と、その商品Aの画像との関連付けが設定された商品ファイルである。図3は、PLUファイルF1の構成の一例を示す図であって、PLUファイルF1の分類例を示す図である。
【0026】
PLUファイルF1は、農産物辞書F11、青果辞書F12、鮮魚辞書F13、精肉辞書F14、商品券辞書F15に分けられている。農産物辞書F11、青果辞書F12、鮮魚辞書F13、精肉辞書F14、商品券辞書F15は、コードシンボルが付与されていない商品の情報を記憶する辞書である。PLUファイルF1は、これらの各辞書の他、コードシンボルが付与された商品の情報についても記憶する。
【0027】
図4は、PLUファイルF1が含む各辞書のデータ構成の一例を示す図であって、各辞書F11~F15のうち、(a)青果辞書F12および(b)商品券辞書F15のデータ構成の例を示す図である。図4に示すように、PLUファイルF1は、商品に関する情報(ID、分類、名称、単価など)と、その商品を撮像した画像と、特徴量とを、商品A毎に格納する。
【0028】
商品券辞書F15は、多くの種類が存在する商品券について、分類、名称、単価などの情報、画像および特徴量を格納する。ここで、特徴量は、撮像画像から商品および商品券を認識する基準とする情報である基準情報の一例である。また、商品券辞書F15は、使用可/不可を設定する項目を備えている。この項目で「可」とされている商品券は当該店舗で取り扱い中(決済に使用可能)である。またこの項目で「不可」とされている商品券は当該店舗で取り扱い不可(決済に使用不可能)である。
【0029】
図2に戻り、POS端末11のCPU61には、通信インターフェース71が接続されている。通信インターフェース71は、ストアコンピュータSCとのデータ通信を実行する。ストアコンピュータSCは、店舗サーバとも呼ばれ、店舗のバックヤードなどに設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(不図示)には、POS端末11に配信されるPLUファイルF1が格納されている。
【0030】
さらに、接続インターフェース72が、POS端末11のCPU61と読取装置101とを接続して、CPU61と読取装置101との間のデータの送受信を可能としている。また、POS端末11のCPU61には、レシートなどに印字を行うプリンタ26が接続されている。POS端末11は、制御部60の制御のもと、一取引の取引内容をレシートに印字する。
【0031】
読取装置101は、制御部160を備える。制御部160は、CPU161にROM162とRAM163とがバス接続されて構成されている。ROM162には、CPU161によって実行されるプログラムが記憶されている。CPU161には、撮像部164、音声出力部165が接続されている。撮像部164、音声出力部165は、制御部160によって動作が制御される。表示・操作部104は接続インターフェース171を介してPOS端末11に接続されている。表示・操作部104はPOS端末11の制御部60によって動作が制御される。
【0032】
撮像部164は、例えばカラーCCDイメージセンサやカラーCMOSイメージセンサなどである。撮像部164は、制御部160の制御に従い、読取窓103越しに物品を撮像し、撮像画像を出力する。例えば撮像部164では30fpsの動画像の撮像を行う。撮像部164が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像はRAM163に保存される。
【0033】
音声出力部165は、予め設定された警告音などを発生するための音声回路とスピーカなどである。音声出力部165は、制御部160の制御の下で警告音などの音声による報知を行う。
【0034】
さらに、CPU161には、POS端末11の接続インターフェース72に接続して、POS端末11との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース172が接続されている。制御部160の制御の下、読取装置101の撮像部164によって撮像された画像(商品Aの全部または一部を含む画像)は、接続インターフェース172を介して出力され、接続インターフェース72を介してPOS端末11に入力される。
【0035】
次に、CPU161、CPU61がプログラムを順次実行することで実現される制御部160、制御部60の機能部について、図5を参照して説明する。図5は、制御部160および制御部60の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
図5に示すように、読取装置101の制御部160は、プログラムを順次実行することにより、画像取込部1601、物品検出部1602、および画像出力部1603としての機能を実現する。同様に、POS端末11の制御部60は、プログラムを順次実行することにより、物品認識部601、商品登録部602、および商品券受付部603としての機能を実現する。
【0037】
画像取込部1601は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164に撮像動作を開始させる。画像取込部1601は、撮像動作開始後に撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を順次取り込む。画像取込部1601によるフレーム画像の取り込みは、RAM163に保存された順に行われる。
【0038】
物品検出部1602は、画像取込部1601により取り込まれたフレーム画像に含まれる物品(商品Aや商品券)の全部または一部を、例えばパターンマッチング技術などを用いて検出する。具体的には、取り込まれたフレーム画像を二値化した画像から輪郭線などを抽出する。次いで、直近のフレーム画像から抽出された輪郭線と、今回のフレーム画像から抽出された輪郭線とを比較し、変更があった部分、すなわち、売上登録のために読取窓103に向けられた商品の写り込みを検出する。
【0039】
画像出力部1603は、画像取込部1601が取り込んだフレーム画像のうち物品検出部1602により物品の全部または一部が検出されたものを、接続インターフェース172を介してPOS端末11へ出力する。
【0040】
POS端末11の物品認識部601は、識別部の一例である。物品認識部601は、撮像部164が出力した撮像画像と基本情報とを比較して、撮像画像に含まれる物品(商品Aや商品券)を識別する。
【0041】
物品認識部601は、PLUファイルF1の画像を参照して、読取装置101の撮像部164により撮像された商品Aの全部または一部の画像から、特徴量として色合いや表面の凹凸状況などの表面の状態を得ることによって、特定の物品として商品Aを認識する。
【0042】
なお、特徴量は、例えば、商品や商品券の標準的な形状、表面の色合い、模様、凹凸状況等の外観の特徴をパラメータ化したものである。POS端末11は、物品認識部601の認識結果により、PLUファイルF1に予め記憶されている商品の中から読取装置101が読み取った商品を特定する。
【0043】
このように画像中に含まれる物品を認識することは一般物体認識(generic object recognition、オブジェクト認識)と呼ばれている。
【0044】
商品登録部602は、物品認識部601により認識された商品と関連する売上登録にかかる情報、すなわち、読取装置101が出力する撮像画像から特定された商品のID、分類、名称、単価などを売上マスタファイルなどに記録して売上登録を行う。
【0045】
ここで、POS端末11は、商品の登録を終えると精算処理に移る。物品認識部601は、商品登録後の精算処理中に撮像部164が出力した撮像画像については、商品券の基準情報(例えば特徴量)と比較する。つまり物品認識部601は、精算処理中に入力されてきた撮像画像については、PLUファイルF1のうち商品券辞書F15に予め記憶されているもの(商品券)の中から、読取装置101が読み取ったものを推定する。より具体的には、物品認識部601は、商品券辞書F15から、撮像画像の特徴量との類似度が所定の閾値よりも高い商品券の情報を、撮像画像に合致する可能性が高いものとして抽出する。
【0046】
物品認識部601は、抽出した商品券の情報で、使用可/不可の設定が「不可」とされていた場合には、当該商品券が取り扱い不可である旨を、出力する。また、物品認識部601は、抽出した商品券の情報で、使用可/不可の設定が「可」とされていた場合には、当該商品券を選択肢として出力する。
【0047】
ここで、商品券は、発行元によって、券面の色や模様が異なる。以下、同じ発行元(すなわち券面の色や模様が同じ)で券面に記載の金額が異なるものを、同種類で異金額の商品券とする。
【0048】
物品認識部601は、一般物体認識によって商品券を認識するため、商品券の券面に記載されている金額をも、券面の模様として認識する。このため、物品認識部601は、金額を数値として認識しない。よって、物品認識部601は、類似度が高い商品券として、各種の商品券からある種類の商品券で金額が異なるものを、選択肢として出力する。
【0049】
なお、OCR(Optical Character Recognition/Reader、光学的文字認識)技術を適用することにより、券面に記載の金額を示す数字を読み取ることが可能になる。しかしながら、この場合にも、OCR読み取りの精度は、正しい結果が必ず得られると言えるまでには至っていないので、人間(店員)による金額確認が必要である。これに対して、商品券の種類を誤認識することは少なくなっており、また同種の商品券に異なる金額は2~3パターン程度であることが多い。よって現段階では、同種類で異金額の商品券全てを選択肢として提示して選択を店員に委ねるようにするのが好適と考えられる。
【0050】
商品券受付部603は、物品認識部601が抽出した商品券の画像を選択肢として表示デバイス23に表示させ、タッチパネル25により選択肢から選択する操作を受け付ける。オペレータは、まず、選択肢とされた商品券の種類が、顧客から受け取った商品券と合致するか確認し、合致すれば、選択肢から、顧客から受け取った商品券の券面の金額と合致するものを選択する。選択する操作は、タッチパネル25の、選択する選択肢が表示されている位置に触れることで行われる。これを受けて、POS端末11の制御部60は、購入金額に対して商品券分の入金があったとし、購入金額から商品券分の入金を差し引いた残金(残額ともいう)があればこれを請求する。
【0051】
商品券は多くの種類が存在するので、顧客が出した商品券が店舗で利用を受け付けているものであるか否かをオペレータが判断するのは困難であるが、上記により、撮像部164で撮像した商品券の画像データを、商品券辞書F15と照らし合わせることができるので、商品券と対照表とを目視にて比較する煩雑さをなくすことができる。
【0052】
次に、チェックアウトシステム1の動作について詳細に説明する。図6は、制御部60が実行する精算処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0053】
制御部60は、オペレータによる所定の操作を受けて、精算処理を開始する。精算処理を開始させるための操作を受け付けるのは、仮締めキー22eもしくは表示・操作部104が備える仮締めキー22e相当のキーである。
【0054】
また、以下では、精算処理中の画面表示や操作受付を、POS端末11の表示デバイス23やタッチパネル25、キーボード22で行う場合を例に説明するが、実施にあたっては、読取装置101の表示・操作部104(表示デバイス106やタッチパネル105、キーボード107)によって行うようにしても構わない。
【0055】
精算処理において、制御部60は、表示デバイス23によって、精算の選択肢を示す(ステップS1)。チェックアウトシステム1においては、現金、クレジットカード、および商品券の各選択肢による決済が可能である。制御部60は、表示デバイス23に、各選択肢を判別可能な文字や図柄を含むボタンを表示させるなどし、各ボタンへの操作をタッチパネル25により受け付ける。オペレータは、顧客からの聞き取りや商品券の提示などに基づいて、決済を上述の選択肢のどれで行うかを宣言する操作を、タッチパネル25により行う。
【0056】
オペレータの操作により商品券による決済が選択されると(ステップS2のYes)、制御部60は、物品認識部601が商品券を認識するまで待機する(ステップS3のNo)。物品認識部601は、商品券を認識すると(ステップS3のYes)、認識した商品券について、商品券辞書F15の使用可/不可の設定を参照し、当該商品券が店舗で取り扱っているものであるかを判断する(ステップS4)。
【0057】
ステップS4において、取り扱い可の商品券であると物品認識部601が判断した場合(ステップS4のYes)、商品券受付部603は、物品認識部601が認識した商品券の候補を、選択肢として表示デバイス23に表示させる(ステップS5)。ここで選択肢とされるのは同種類で異金額の商品券である。
【0058】
次に、商品券受付部603は、候補からの選択を待機する(ステップS6のNo)。オペレータは、顧客から受け取った商品券の券面に記載された金額に合致する選択肢を選択する。選択肢を選択する操作を商品券受付部603が受け付けると(ステップS6のYes)、制御部60は、残金の決済を行う(ステップS7)。ステップS7では、制御部60は、具体的には、例えば、ステップS6で選択された商品券の金額を精算金額から差し引いて残金を算出し、当該残金が正の数であれば当該残金の決済を現金などで受け付ける。
【0059】
ステップS2において、商品券以外の選択肢(現金、クレジットカードなど)が選択された場合(ステップS2のNo)、制御部60は、他の手段(現金、クレジットカードなど)での決済を行う(ステップS8)。
【0060】
また、ステップS3で認識した商品券が取り扱い不可であると物品認識部601が判断した場合(ステップS4のNo)、制御部60は、商品券が取り扱い不可であることを、表示デバイス23に表示することにより、オペレータに報知する(ステップS9)。
【0061】
以上のように、本実施形態によれば、商品券が店舗の取り扱い対象であるかを、店員の記憶によらずに判断することができる。これにより、商品券に詳しい店員でなくとも、店舗で取り扱っている商品券をスムーズに受け入れて精算および決済を進めることが可能となる。また、店舗で取り扱っていない商品券にて決済してしまうなどの不都合を排除することが可能となる。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態においては、第1の実施形態で説明した部分と同じ部分についての説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分について説明し、説明に際し、第1の実施形態で既出のものについては同じ符号を用いる。
【0063】
図7は、セルフPOS端末2の外観の一例を示す斜視図である。セルフPOS端末2は、セルフ精算装置の一例である。セルフPOS端末2は、顧客自身がオペレータ(操作者)となって商品の登録および決済を行う装置であって、セルフチェックアウト装置とも呼ばれる。
【0064】
セルフPOS端末2は、顧客が、購入する商品を自ら登録して決済を行うための端末である。セルフPOS端末2は、正面右側に設けられた第1荷置台210と、正面左側に設けられた第2荷置台220と、正面中央に設けられた第1筐体230とを備える。
【0065】
セルフPOS端末2を使用する顧客は、購入する商品を入れたカゴ等を第1荷置台210に載置する。また、顧客は、登録が完了した商品を入れる袋を第2荷置台220に載置する。顧客は、第1筐体230に載置された装置を使用して、カゴから取り出した商品を登録する。そして、顧客は、登録した商品を、第2荷置台220に載置した袋に入れる。顧客は、この登録をカゴに収集した其々の商品に対して行う。顧客は、其々の商品の登録が完了した場合に、第1筐体230が備える装置を使用して、登録された商品の決済処理を行う。このような手順により、顧客は、購入する商品の登録処理と決済処理とを行う。
【0066】
更に詳しくは、第2荷置台220は、台座221と、袋掛けフック222と、一時置台223とを備える。袋掛けフック222と、一時置台223とは、台座221に設けられた支柱224に支持されて、台座221の上方に設けられている。台座221は、例えば袋より大きい商品等の袋に入れるのに適さない商品等が載置される台である。袋掛けフック222は、登録した商品を入れる袋を吊り下げるフックである。一時置台223は、例えば壊れやすい商品等の袋詰めに注意を要する商品を一時的に載置する台である。
【0067】
第1筐体230は、硬貨や紙幣等の入金や出金を実行する入出金部231(図8参照)を内部に備える。また、第1筐体230は、硬貨投入口232と、硬貨払出口233と、紙幣投入口234と、紙幣払出口235とを備える。硬貨投入口232は、顧客が商品の代金として入出金部231に入金する硬貨の入金口である。硬貨払出口233は、釣銭として入出金部231から出金する硬貨の出金口である。紙幣投入口234は、顧客が商品の代金として入出金部231に入金する紙幣の入金口である。紙幣払出口235は、釣銭として入出金部231から出金する紙幣の出金口である。なお、入出金部231が格納する紙幣及び硬貨の在高(或いは数量)は、公知の技術により金種毎に計数されているとする。
【0068】
セルフPOS端末2は、第1筐体230の上面に、第2筐体240と、表示部250と、ハンディスキャナ260と、リーダライタ270と、警告灯280とを備える。
【0069】
第2筐体240は、スキャナ241(図8参照)と、プリンタ242(図8参照)とを内部に備える。また、第2筐体240は、スキャナ241が、商品に付されたバーコード等のコードシンボルに登録された商品コードを読み取る読取窓243を備える。読取窓243は、スキャナ241が射出したレーザ光を第2筐体240の外部に透過させるとともに、レーザ光の反射光を第2筐体240の内部に透過させる。
【0070】
また、スキャナ241は、コードシンボルが付されていない商品について、商品の画像を撮像して、一般物体認識処理によって、撮像された商品の商品名称を認識する。ここに、スキャナ241は、第1の実施形態における撮像部164相当の機能を果たす。したがって、スキャナ241は、撮像部の一例である。
【0071】
なお、スキャナ241は、先ず読取窓243にかざされた商品にコードシンボルが付されているかを認識する。そして、スキャナ241は、コードシンボルが付されている場合にはコードシンボルの読み取りを行う。一方、コードシンボルが付されていない場合には、スキャナ241は、一般物体認識による商品の認識を行う。
【0072】
第2筐体240は、プリンタ242が出力したレシート等を排出するレシート発行口244を備える。プリンタ242は、取引処理された商品の売上情報を用紙に印字したレシートを、レシート発行口244から排出する。
【0073】
また、第2筐体240は、第2筐体240の上部に設けられた表示部250を支持する。表示部250は、第1の実施形態における表示デバイス23および表示デバイス106に相当する機能を果たすもので、例えば液晶ディスプレイ等である。表示部250は、認識された商品の候補である候補商品の情報を表示する。また、表示部250は、登録した商品の商品情報等を表示する。さらに、表示部250は、顧客にセルフPOS端末2の操作方法を知らせるための案内画面や、商品の合計金額や預かり金額、釣銭額等を表示するとともに、支払い方法の選択をする精算画面等を表示する。
【0074】
表示部250は、セルフPOS端末2を操作するタッチパネル251を備える。タッチパネル251は、第1の実施形態におけるタッチパネル25およびタッチパネル105に相当する機能を果たす。タッチパネル251は、表示部250上の操作(タッチ)された箇所を検知して、表示部250が表示している表示要素に応じた操作要求がなされたものと判断する。
【0075】
ハンディスキャナ260は、手持ち型のスキャナである。ハンディスキャナ260は、商品が重い場合や商品が大きい場合等、商品に付されたバーコード等を読取窓243にかざすことが困難な場合に使用される。
【0076】
リーダライタ270は、クレジットカードや電子マネー等の電子決済に用いるカード媒体等の記憶媒体から、電子決済に関する情報の読み取りおよび書き込みを実行する。
【0077】
警告灯280は、例えば赤色等で点滅することによって、セルフPOS端末2に異常が発生したことを店員に報知する。また、警告灯280は、顧客が、セルフPOS端末2を誤って操作したことを店員に報知する。
【0078】
次に、図8を用いて、セルフPOS端末2のハードウェア構成について説明する。図8は、セルフPOS端末2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0079】
セルフPOS端末2は、制御部201と、記憶部202と、通信インターフェース204と、入出金部231と、スキャナ241と、プリンタ242と、表示部250と、タッチパネル251と、ハンディスキャナ260と、リーダライタ270と、警告灯280とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス205を介して、互いに接続される。
【0080】
制御部201は、セルフPOS端末2の全体の動作を制御し、セルフPOS端末2が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部201は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、セルフPOS端末2の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリアとしてROM又は記憶部202等に格納されたプログラムを実行する。すなわち、制御部201は、一般的なコンピュータの構成を有する。
【0081】
記憶部202は、HDDやSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部202は、プログラムPRや、セルフPOS端末2を管理するストアコンピュータSCから提供されるPLUファイルF1を記憶する。
【0082】
プログラムPRは、オペレーティングシステムや、セルフPOS端末2が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。プログラムPRには、本実施形態に係る特徴的な機能を実現させるプログラムが含まれる。これらのプログラムを実行することにより、制御部201は、図9に示す各機能部(後述)を実現する。
【0083】
通信インターフェース204は、不図示のネットワークを介して、ストアコンピュータSCやアテンダント端末300と通信するための通信インターフェースである。アテンダント端末300は、アテンダントである店員が使用する端末装置である。アテンダント(店員)は、セルフPOS端末2群を操作中の顧客を、必要に応じて世話するとともに、セルフPOS端末2群を管理・監視する。
【0084】
図9は、制御部201の機能構成の一例を示すブロック図である。制御部201は、画像取込部1601、物品検出部1602、画像出力部1603、物品認識部601、商品登録部602、商品券受付部603、待機部2011および解除部2012として機能する。つまり制御部201は、第1の実施形態における制御部60が備える機能と制御部160が備える機能とを併せ持ち、さらに、待機部2011および解除部2012としての機能を備えている。
【0085】
待機部2011は、物品認識部601が出力した選択肢から選ぶ操作が受け付けられると、精算処理を一時停止してアテンダントによる対応を待機する。解除部2012は、アテンダントによる対応が受け付けられると、精算処理の一時停止を解除して再開する。
【0086】
図10は、セルフPOS端末2が行う精算処理の流れの一例を示すフローチャートである。本処理におけるステップS11~S16は、第1の実施形態において図6に示した精算処理のステップS1~S6に対応するので、説明を省略する。また、本処理におけるステップS19~S21は、第1の実施形態において図6に示した精算処理のステップS7~S9に対応するので、説明を省略する。つまり、本処理においては、前実施形態でのステップS6とステップS7との間に、アテンダントに通知する工程(ステップS17)およびアテンダントが確認する工程(ステップS18)が、増えている。
【0087】
図11は、制御部201が表示部250に表示させた選択画面510の一例を示す図である。選択画面510は、ステップS11において、表示部250に表示される。選択画面510は、現金払い選択ボタン511、クレジットカード決済選択ボタン512、商品券払い選択ボタン513、および係員呼出ボタン514を備えている。
【0088】
現金払い選択ボタン511は、現金によって支払いを行う意向を示すための操作子である。クレジットカード決済選択ボタン512は、クレジットカード決済によって支払いを行う意向を示すための操作子である。商品券払い選択ボタン513は、商品券を支払いに使用する意向を示すための操作子である。係員呼出ボタン514は、アテンダントを呼び出すための操作子である。
【0089】
セルフPOS端末2は、現金、クレジットカード、および商品券による決済を可能としている。顧客は、用いようとする支払い手段に応じて、選択画面510が含むいずれかの選択ボタン511~513を操作する。また、顧客は、不明な点について質問するなどの用件がある場合には、係員呼出ボタン514を操作する。顧客がいずれかのボタン511~514を操作すると、タッチパネル251が、顧客が触れた位置に応じた信号を出力し、当該信号に基づいて制御部201が処理を行う。
【0090】
図12は、制御部201が表示部250に表示させた指示画面520の一例を示す図である。指示画面520は、ステップS12がYesのとき、つまり、選択画面510において商品券払い選択ボタン513が操作を受けると、制御部201が表示部250に表示させる。
【0091】
指示画面520は、案内文521と、係員呼出ボタン524とを備えている。係員呼出ボタン524は、アテンダントを呼び出すための操作子である。案内文521は、例えば「お持ちの商品券を読取窓にかざしてください」など、商品券をスキャナ241に読み込ませる動作を促す内容である。
【0092】
図13は、制御部201が表示部250に表示させた選択画面530の一例を示す図である。選択画面530は、ステップS15において、商品券受付部603が表示部250に表示させる。
【0093】
選択画面530は、商品券選択ボタン531~533と、該当なしボタン535とを備えている。商品券選択ボタン531~533は、物品認識部601が出力した選択肢の各々に対応している。つまり、例えば選択肢が3種類の場合、第1の選択肢を選択するためのボタンとして商品券選択ボタン531が表示され、第2の選択肢を選択するためのボタンとして商品券選択ボタン532が表示され、第3の選択肢を選択するためのボタンとして商品券選択ボタン533が表示される。
【0094】
該当なしボタン535は、商品券選択ボタン531~533が示す選択肢が、読取窓243にかざした商品券と一致しない場合に、その旨を報知するためのボタンである。この該当なしボタン535が操作を受けた場合、制御部201は、例えば、アテンダントを呼ぶようにしてもよいし、或いは、ステップS11に処理を戻してもよい。
【0095】
図14は、制御部201が表示部250に表示させた案内画面540の一例を示す図である。案内画面540は、ステップS16がYesのとき、つまり、選択画面530において商品券選択ボタン531~533のいずれかが操作されると、待機部2011が表示部250に表示させる。
【0096】
案内画面540は、案内文541を含んでいる。案内文541は、例えば「商品券を確認いたします しばらくお待ちください」など、オペレータである顧客に待機を依頼する内容である。
【0097】
待機部2011は、案内画面540を表示するとともに、アテンダント端末300に、商品券の使用が希望されているセルフPOS端末2を特定可能な情報を通知し(ステップS17)、アテンダントによる確認が行われるのを待機する(ステップS18のNo)。
【0098】
待機部2011からの通知を受けたアテンダント端末300は、商品券の使用が希望されているセルフPOS端末2を特定可能な情報を、報知する。ここでの報知は、例えば、表示デバイスに文字や図柄を表示させたり、スピーカで音声を発したりすることにより、行われる。
【0099】
アテンダント端末300による報知を受けたアテンダントは、商品券の使用が希望されているセルフPOS端末2まで出向く。そしてアテンダントは、顧客から商品券を受け取り、当該商品券の真贋および金額を確認する。当該商品券がステップS16で選択された商品券と合致していれば(ステップS18のYes)、アテンダントは、精算処理をステップS19へと進めるための操作を行う。
【0100】
図15は、制御部201が表示部250に表示させた指示画面550の一例を示す図である。指示画面550は、ステップS19において、制御部201が表示部250に表示させる。
【0101】
指示画面550は、案内文551、金額表示552、および投入完了ボタン556を備えている。案内文551は、例えば「残金は以下の通りです 現金を投入してください」など、オペレータである顧客に残金相当の入金を促す内容である。金額表示552は、登録した商品の代金から商品券の券面金額を差し引いた残金を示す。投入完了ボタン556は、入金を終えたことを伝えるための操作を受け付ける。投入完了ボタン556が操作を受けると、制御部201は、釣銭の算出および出金に進む。
【0102】
図16は、制御部201が表示部250に表示させたエラー画面560の一例を示す図である。エラー画面560は、ステップS21において、制御部201が表示部250に表示させる。
【0103】
エラー画面560は、案内文561、係員呼出ボタン564および戻るボタン567を備えている。案内文561は、「この商品券は当店でお取扱いできません」など、読取窓243にかざされた商品券が取り扱い中でないことを顧客に伝える内容である。係員呼出ボタン564は、アテンダントを呼び出すための操作子である。戻るボタン567は、「お支払方法の選択に戻る」との表記を備えるなど、その機能を顧客に示す。戻るボタン567が操作を受けると、制御部201は、処理をステップS11に戻す。
【0104】
以上のように、本実施形態によれば、商品券が店舗の取り扱い対象であるかについて、店員によらずにチェックアウトシステム1が判断することができる。
【0105】
これにより、アテンダントは、取り扱い対象の商品券による決済が求められている場合にのみ出向いて、真贋および金額を確認するようになるので、従来の顧客が商品券を決済に用いようとする度に店員が出向いて商品券を確認する運用に比べ、商品券が店舗の取り扱い対象でない場合にはアテンダントの呼び出しに至らない分だけ、アテンダントの負担を軽減することができる。同様に、顧客が、手持ちの商品券が店舗で取り扱っていないものである場合にも、店員を待つような不都合を排除することができる。
【0106】
また、アテンダントが、商品券に詳しくなくとも、店舗で取り扱っている商品券をスムーズに受け入れて精算および決済を進めることが可能となる。また、店舗で取り扱っていない商品券にて決済してしまうなどの不都合を排除することが可能となる。
【0107】
(変形例)
いわゆるセミセルフチェックアウトシステムにおける実施形態について、以下に述べる。セミセルフチェックアウトシステムは、登録装置と会計装置とを備えている。登録装置は、販売データ処理装置の一例であって、第1の実施形態における読取装置101のような構成で、商品登録を担当する。会計装置は、セルフ精算装置の一例であって、第2の実施形態におけるセルフPOS端末2から荷置台210,220やスキャナ241を除いたような構成で、決済を担当する。
【0108】
上述のような構成のセミセルフチェックアウトシステムにおいて、店員がオペレータとして操作する登録装置で、商品券を受け付けるのであれば、第1の実施形態のような精算処理を行う。これにより、セミセルフチェックアウトシステムにおいても、商品券で決済する際の利便性を向上させることができる。
【0109】
また、上述のような構成のセミセルフチェックアウトシステムにおいて、顧客がオペレータとして操作する会計装置で、商品券を受け付けるのであれば、第2の実施形態のような精算処理を行う。これにより、セミセルフチェックアウトシステムにおいても、商品券で決済する際の利便性を向上させることができる。
【0110】
なお、上記実施形態の販売データ処理装置およびセルフ精算装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0111】
また、上記実施形態の販売データ処理装置およびセルフ精算装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0112】
さらに、上記実施形態の販売データ処理装置およびセルフ精算装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態の販売データ処理装置およびセルフ精算装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0113】
上記実施形態の販売データ処理装置およびセルフ精算装置で実行されるプログラムは、上述した各部(画像取込部1601、物品検出部1602、および画像出力部1603、物品認識部601、商品登録部602、商品券受付部603、待機部2011および解除部2012)を適宜含むモジュール構成となっている。CPU(プロセッサ)は、上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、上記各部を主記憶装置上にロードする。これにより、画像取込部1601、物品検出部1602、および画像出力部1603、物品認識部601、商品登録部602、商品券受付部603、待機部2011および解除部2012が、主記憶装置上に生成される。
【0114】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0115】
1 …チェックアウトシステム
11 …POS端末、21…ドロワ
22 …キーボード、22d…テンキー、22e…仮締めキー、22f…締めキー
23 …表示デバイス、23a…表示面
24 …顧客用表示デバイス、24a…表示面
25 …タッチパネル、26…プリンタ
51 …チェックアウト台
60 …制御部、61…CPU、62…ROM、63…RAM
601…物品認識部、602…商品登録部、603…商品券受付部
64 …HDD、PR…プログラム、F1…PLUファイル
F11…農産物辞書、F12…青果辞書、F13…鮮魚辞書、F14…精肉辞書、
F15…商品券辞書
71 …通信インターフェース、72…接続インターフェース
101 …読取装置、102…ハウジング、103…読取窓
104 …表示・操作部、105…タッチパネル、106…表示デバイス
107 …キーボード、108…カード読取溝、109…顧客用表示デバイス
110 …読取部
151 …カウンタ台、152…荷受面、153(153a、153b)…買物カゴ
160 …制御部、161…CPU、162…ROM、163…RAM
1601…画像取込部、1602…物品検出部、1603…画像出力部
164 …撮像部、165…音声出力部
171、172…接続インターフェース
SC …ストアコンピュータ
2 …セルフPOS端末
210…第1荷置台
220…第2荷置台
221…台座、222…袋掛けフック、223…一時置台、224…支柱
230…第1筐体、231…入出金部
232…硬貨投入口、233…硬貨払出口
234…紙幣投入口、235…紙幣払出口
240…第2筐体、242…プリンタ、243…読取窓、244…レシート発行口
241…スキャナ(撮像部)
250…表示部、251…タッチパネル
260…ハンディスキャナ
270…リーダライタ
280…警告灯
201…制御部、2011…待機部、2012…解除部
202…記憶部、
204…通信インターフェース
205…システムバス
300…アテンダント端末
【先行技術文献】
【特許文献】
【0116】
【特許文献1】特開2015-43182号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の購入者による操作を受け付けて、商品券を使用した精算処理を実行するセルフ精算装置において、
物品を撮像する撮像部が出力した撮像画像と、商品券を認識する基準とする情報である基準情報と、を比較して商品券を識別する識別部と、
登録された商品の代金を精算する精算処理を行う制御部と、
を備え
前記制御部は、
前記識別部により識別した商品券が店舗で取り扱っているかを判断し、
前記識別部により識別した商品券が店舗で取り扱っていない場合に、自装置に備え付けの表示デバイスによって、前記識別部により識別した商品券が取り扱い対象でないことを案内し、
識別した商品券が店舗で取り扱っている場合に、商品券の候補を選択肢として前記表示デバイスに表示させ、
前記選択肢の選択入力があると精算処理を一時停止してアテンダントによる対応を待機し、前記アテンダントによる対応が受け付けられると、精算処理の一時停止を解除して再開する
セルフ精算装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記撮像画像との類似度が高い前記基準情報が示す商品券と、当該商品券と同種類で異金額の商品券と、を示す情報を選択肢として表示する
請求項1に記載のセルフ精算装置。
【請求項3】
商品の購入者による操作を受け付けて、商品券を使用した精算処理を実行するセルフ精算装置のコンピュータを、
物品を撮像する撮像部が出力した撮像画像と、商品券を認識する基準とする情報である基準情報と、を比較して商品券を識別する識別部と、
登録された商品の代金を精算する精算処理を行う制御部と、
として機能させ
前記制御部は、
前記識別部により識別した商品券が店舗で取り扱っているかを判断し、
前記識別部により識別した商品券が店舗で取り扱っていない場合に、自装置に備え付けの表示デバイスによって、前記識別部により識別した商品券が取り扱い対象でないことを案内し、
識別した商品券が店舗で取り扱っている場合に、商品券の候補を選択肢として前記表示デバイスに表示させ、
前記選択肢の選択入力があると精算処理を一時停止してアテンダントによる対応を待機し、前記アテンダントによる対応が受け付けられると、精算処理の一時停止を解除して再開す
ためのプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明の実施形態は、ルフ精算装置およびプログラムに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、店舗で取り扱っている商品券かわかるセルフ精算装置およびプログラムを提供することである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
実施形態のセルフ精算装置は、商品の購入者による操作を受け付けて、商品券を使用した精算処理を実行するものにおいて、物品を撮像する撮像部が出力した撮像画像と、商品券を認識する基準とする情報である基準情報と、を比較して商品券を識別する識別部と、登録された商品の代金を精算する精算処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記識別部により識別した商品券が店舗で取り扱っているかを判断し、前記識別部により識別した商品券が店舗で取り扱っていない場合に、自装置に備え付けの表示デバイスによって、前記識別部により識別した商品券が取り扱い対象でないことを案内し、識別した商品券が店舗で取り扱っている場合に、商品券の候補を選択肢として前記表示デバイスに表示させ、前記選択肢の選択入力があると精算処理を一時停止してアテンダントによる対応を待機し、前記アテンダントによる対応が受け付けられると、精算処理の一時停止を解除して再開する