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特開2023-174921魚釣用リール及びリール制動調整システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174921
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】魚釣用リール及びリール制動調整システム
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/0155 20060101AFI20231201BHJP
   A01K 89/015 20060101ALI20231201BHJP
   A01K 89/017 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
A01K89/0155
A01K89/015 A
A01K89/017
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023180752
(22)【出願日】2023-10-20
(62)【分割の表示】P 2022068239の分割
【原出願日】2018-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(72)【発明者】
【氏名】新妻 翔
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108EA01
2B108EA15
2B108GA26
2B108GA32
2B108GA38
2B108HE25
2B108HE38
(57)【要約】
【課題】魚釣用リールのスプール制動について、ユーザ個人ごとに応じて好ましい設定とする調整が行えるリール制動調整システムの提供。
【解決手段】スプールの回転を制動パラメータに基づいて制動する機能を有する両軸受リールから釣糸が放出される釣糸放出期間において検出された、前記釣糸に作用する張力に関連する情報である張力関連情報を取得する張力関連情報取得部221と、前記張力関連情報取得部221により取得された張力関連情報の時間経過に応じた変化に基づいて、制動パラメータの補正を行う制動パラメータ補正部222とを備えてリール制動調整システムを構成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣糸を巻回可能なスプールと、前記スプールを制動するスプール制動ユニットと、前記スプール制動ユニットによる制動力を制御可能な制動制御部と、を備える魚釣用リールであって、
リール制動調整装置からの指示を受信可能な通信部を備え、前記通信部が前記リール制動調整装置から制動力に関する指示を受信すると、前記制動制御部は前記指示に基づき前記スプール制動ユニットによる制動力を設定することを特徴とする魚釣用リール。
【請求項2】
釣糸を巻回可能なスプールと、
前記スプールを制動するスプール制動ユニットと、
前記スプール制動ユニットによる制動力を制御可能な制動制御部と、
リール制動調整装置からの指示を受信可能な通信部と、を備え、
前記制動制御部は、前記リール制動調整装置からの制動力に関する指示の前記通信部による受信に伴って、前記指示に基づき前記スプール制動ユニットによる制動力を設定する、魚釣用リール。
【請求項3】
前記スプール制動ユニットは、制動力の時間変化を制御可能であり、
前記制動制御部は、制動力の時間変化を設定可能である、請求項1又は2に記載の釣用リール。
【請求項4】
前記スプール制動ユニットは、釣糸の飛距離に応じた制動力の変化を制御可能であり、
前記制動制御部は、前記釣糸の飛距離に応じた制動力の変化を設定可能である、請求項1から3のいずれかに記載の釣用リール。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の魚釣用リールと、
スプールの制動力を設定可能な制御部、及び、設定した制動力に関する情報を送信する通信部、を有するリール制動調整装置と、
を備えるリール制動調整システム。
【請求項6】
スプールを制動するスプール制動ユニットと、前記スプール制動ユニットによる制動力を制御可能な制動制御部と、スプールの回転センサと、キャスティングごとに対応するキャスティングログを記憶するキャスティングログ記憶部と、前記キャスティングログを演算する制動制御部と、前記スプールの制動力を設定可能なリール制動調整装置と、を備えるリール制動調整システムであって、
前記リール制動調整装置は、前記キャスティングログを表示可能な表示部を備えたことを特徴とするリール制動調整システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用リール及びリール制動調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特にベイトキャスティングリール等の魚釣用リールにおいて、キャスティングの際に生じるバックラッシュを抑止するためのスプール制動をコンピュータの制御により行う技術
が知られている。このようにスプール制動をコンピュータの制御により行う魚釣用リールとして、外部機器から入力した制動力設定情報によりスプール制動の制御パターンを変更可能なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-357601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、外部機器から入力した制動力設定情報に基づいて変更されるスプール制動の制御パターンは、例えば仕掛けの種類、要求される仕掛けの飛び方等を考慮してはいるものの、予め一義的に定められたものである。一方で、キャスティングの技術(癖なども含む)やキャスティングによる仕掛けの飛び方の好みなどは、ユーザごとに異なる。このため、設定された制御パターンによるスプール制動に応じた魚釣用リールの挙動が、ユーザにとって好ましいものであるとは限らない。つまり、特許文献1に記載の技術では、魚釣用リールのスプール制動について、ユーザ個人ごとに応じて好ましい設定とすることが難しい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、魚釣用リールのスプール制動について、ユーザ個人ごとに応じて好ましい設定とする調整が行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の態様1は、釣糸を巻回可能なスプールと、スプールを制動するスプール制動ユニットと、スプール制動ユニットによる制動力を制御可能な制動制御部と、を備える魚釣用リールであって、リール制動調整装置からの指示を受信可能な通信部を備え、通信部がリール制動調整装置から制動力に関する指示を受信すると、制動制御部は指示に基づきスプール制動ユニットによる制動力を設定するように構成される。
【0007】
上述した課題を解決するための本発明の態様2は、釣糸を巻回可能なスプールと、スプールを制動するスプール制動ユニットと、スプール制動ユニットによる制動力を制御可能な制動制御部と、リール制動調整装置からの指示を受信可能な通信部と、を備え、
制動制御部は、リール制動調整装置からの制動力に関する指示の通信部による受信に伴って、その指示に基づきスプール制動ユニットによる制動力を設定するように構成されている。
【0008】
また、本発明の態様3は、上記様態1又は2における魚釣用リールであって、スプール制動ユニットは、制動力の時間変化を制御可能であり、制動制御部は、制動力の時間変化を設定可能なように構成されている。
【0009】
また、本発明の態様4は、上記様態1から3のいずれかの魚釣用リールであって、スプール制動ユニットは、釣糸の飛距離に応じた制動力の変化を制御可能であり、制動制御部は、釣糸の飛距離に応じた制動力の変化を設定可能なように構成されている。
【0010】
また、本発明の態様5は、上記様態1から4のいずれかの魚釣用リールと、スプールの制動力を設定可能な制御部、及び、設定した制動力に関する情報を送信する通信部、を有するリール制動調整装置と、を備えるように構成されている。
【0011】
また、本発明の態様6は、スプールを制動するスプール制動ユニットと、スプール制動ユニットによる制動力を制御可能な制動制御部と、スプールの回転センサと、キャスティングごとに対応するキャスティングログを記憶するキャスティングログ記憶部と、キャスティングログを演算する制動制御部と、スプールの制動力を設定可能なリール制動調整装置と、を備えるリール制動調整システムであって、
リール制動調整装置は、キャスティングログを表示可能な表示部を備えるように構成される。
【発明の効果】
【0012】
これらの構成によれば、簡易により詳細な制動力の設定を行うことができ、かつ的確にキャスティング条件の最適化ができる魚釣用リール及び制動力制御システムを提供することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、魚釣用リールのスプール制動について、ユーザ個人ごとに応じて好ましい挙動とする調整が行えるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態のリール制動調整システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態のベイトキャスティングリールにおけるスプール制動に関する構成例を示す図である。
図3】本実施形態におけるユーザ端末装置の構成例を示す図である。
図4】本実施形態におけるユーザ端末装置が制動パラメータの調整に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図5】本実施形態の張力変化提示エリアにおいて提示される張力変化の一例を示す図である。
図6】本実施形態における張力変化の事例を示す図である。
図7】本実施形態における制動パラメータ補正に対応する張力変化の一例を示す図である。
図8】本実施形態における補正案内画面の態様例を示している。
図9】本実施形態におけるユーザ端末装置が制動パラメータの調整に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
図1を参照して、本実施形態のリール制動調整システムの構成例について説明する。
【0015】
同図のリール制動調整システムは、ベイトキャスティングリール100と、ユーザ端末装置200(リール制動調整装置の一例)とを備える。
【0016】
ベイトキャスティングリール100は、魚釣用リールにおける両軸受リールの一種であり、ユーザが釣りをする際に釣竿RDに装着して使用する。ベイトキャスティングリール100は、釣竿RDに設けられたリール取付台座(リールシート)に対して取り付けられることで、釣竿RDへの装着が行われる。
【0017】
ユーザ端末装置200は、ユーザが所持する端末装置である。
【0018】
同図において、ユーザ端末装置200は、例えばスマートフォン等の携帯型の端末装置である例を示している。しかしながら、ユーザ端末装置200は、例えば据え置き型やラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよい。このようにユーザ端末装置200が、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等である場合、ユーザ端末装置200には、リール制動調整機能に対応するアプリケーションソフトウェア(リール制動調整アプリケーションソフトウェア)がインストールされる。
なお、ユーザ端末装置200は、例えば本実施形態のリール制動調整機能に特化された専用の端末であってもよい。
【0019】
ベイトキャスティングリール100とユーザ端末装置200とは、ケーブルCBLにより接続されることで、相互に通信が可能に接続される。また、ケーブルCBLで接続されることにより、例えばベイトキャスティングリール100が備えるコンピュータに対してユーザ端末装置200から電源を供給するようにしてもよい。
なお、ベイトキャスティングリール100とユーザ端末装置200とは、無線により通信可能に接続されてよい。この場合には、例えばベイトキャスティングリール100のコンピュータはバッテリにより駆動されるようにしてよい。
【0020】
ベイトキャスティングリール100は、キャスティングにより仕掛けが飛ばされてスプール101に巻かれた釣糸が放出されることに伴い、釣糸が巻かれたスプール101自体が回転する。このため、ベイトキャスティングリール100では、キャスティングに際して、例えば釣糸が放出される速度に対してスプール101の回転速度が速くなった場合にバックラッシュが生じる。
そこで、本実施形態のベイトキャスティングリール100は、キャスティングに応じてスプール101が回転している際のバックラッシュを防止するため、スプール101を制動することが可能に構成される。
なお、以降の説明において、スプール101の制動については「スプール制動」と記載し、ベイトキャスティングリール100のコンピュータによるスプール制動に関する制御については「スプール制動制御」と記載する場合がある。
【0021】
図2は、ベイトキャスティングリール100におけるスプール制動に関する構成例を示している。
スプール制動ユニット102は、スプール101を制動する部位である。スプール制動ユニット102は、制動磁石1021と、直列接続された複数のコイル1022と、スイッチ素子1023とを備える。
【0022】
制動磁石1021は、スプール101(図1)と一体回転可能に設けられる。具体的に、制動磁石1021は、スプール101のスプール軸101aに対して固定されるようにして設けられる。制動磁石1021は、例えば、極異方性着磁された円筒形の磁石である。
コイル1022は、制動磁石1021の外周側に所定の隙間をあけて筒状に配置される。コイル1022は、コギングを防止してスプール101の回転をスムーズにするためにコアレスタイプのものが採用されている。さらにヨークも設けられていない。コイル1022は、巻回された芯線が制動磁石1021に対向して制動磁石1021の磁場内に配置されるように略矩形に巻回されている。同図では、コイル1022を4つ設けた例を示している。4つのコイル1022は、それぞれは円弧状に湾曲して形成され、全体としては概ね筒状に形成される。直列接続された複数のコイル1022の両端は、スイッチ素子1023と接続される。
【0023】
スイッチ素子1023は、例えば電界効果トランジスタを備えて構成される。スイッチ素子1023は、制動磁石1021とコイル1022との相対回転により発生する電流をオンオフする。制動制御部109は、スイッチ素子1023による電流のオンオフのデューティ比を変更することで、スプール101の制動を制御する。
スプール制動ユニット102にて発生される制動力(制動強度)は、スイッチ素子1023のオン時間が長いほど(デューティ比が大きいほど)強くなる。
【0024】
スイッチ素子1023は整流回路104と接続される。整流回路104は、スイッチ素子1023によりオンオフされる電流に応じた電圧を整流して蓄電素子105に出力する。つまり、蓄電素子105は、キャスティングに際してスプール101が回転することに応じてコイル1022にて発生された電力を蓄積する。蓄電素子105は、例えば電解コンデンサを備えて構成されてよい。蓄電素子105にて蓄積された電力は、通信部106、回転速度センサ107、モード選択部108、制動制御部109、記憶部110等の電源として供給される。
【0025】
通信部106は、ユーザ端末装置200と通信を実行する。図1との対応では、通信部106は、ケーブルCBLと接続するためのコネクタを備える。また、ユーザ端末装置200と無線で通信を行う場合、通信部106は、所定の無線通信方式に対応して通信が可能に構成される。
【0026】
回転速度センサ107は、スプール101の回転速度を検出する。回転速度センサ107は、例えば、投光部と受光部とを有する投受光型の光電スイッチを備えて構成される。スプール101のフランジ部の外側面には、回転方向に間隔を隔てて配置された複数のスリットが形成されている。回転速度センサ107は、投光部と受光部とにより、スリットを通過する光を検出することにより、スプール101の回転速度を検出する。
なお、回転速度センサ107としてのスプール101の回転速度を検出する方式については特に限定されない。また、回転速度センサ107は、ベイトキャスティングリール100において、スプール101の回転速度が検出可能な箇所であれば、どこに設けられてもよい。
【0027】
モード選択部108は、予め定められた複数のスプール制動モードのうちからいずれかを選択するために設けられている。複数のスプール制動モードでは、例えば要求する仕掛けの飛距離や、風等に影響される状況等に適合させるようにして、それぞれ異なる制動強度や制動タイミングが予め定められている。
制動タイミングは、スプール制動が作動するタイミングであって、例えばスプール制動の開始タイミングと終了タイミングとにより示されてよい。また、1回のキャスティングに応じて釣糸が放出される期間(釣糸放出期間)におけるスプール制動の作動は断続に複数回行われてもよく、この場合には、制動タイミングは、1回のスプール制動ごとのスプール制動の開始タイミングと終了タイミングとを示す。
また、モード選択部108は、ベイトキャスティングリール100に設けられたスプール制動モード選択のためのモード選択操作子を含み、モード選択操作子に対して行われた操作に応じて、選択されたスプール制動モードを示す信号を制動制御部109に出力する。
【0028】
制動制御部109は、スプール制動に関する制御を実行する。制動制御部109としての機能は、ベイトキャスティングリール100が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することによって実現される。
制動制御部109は、モード選択部108から出力された信号に応じてスプール制動モードを設定する。制動制御部109は、設定されたスプール制動モードに対応する制動パラメータに基づいてスイッチ素子1023のオンオフを制御することで、スプール制動モードに応じたスプール制動制御を行う。制動制御部109が利用する制動パラメータは、制動パラメータ記憶部1102に記憶されている。
【0029】
また、制動制御部109は、キャスティングに際してスプール101から放出される釣糸に作用する張力を検出する。スプール101の回転速度の変化率(Δω/Δt)とスプール101の慣性モーメントJとで求めることができる。キャスティングにより釣糸が放出される期間においてスプール101の回転速度は変化する。この回転速度と、スプール101が釣糸からの張力を受けずに単独で自由回転していたと仮定した場合の仮定回転速度との差は釣糸からの張力により発生した回転駆動力(駆動トルク)によるものである。駆動トルクは、回転速度の変化率を(Δω/Δt)とスプール101の慣性モーメントとを乗算して求めることができる。制動制御部109は、例えばこのように求めた駆動トルクと、釣糸の作用点の半径とに基づいて張力を算出(検出)することができる。
【0030】
制動制御部109は、1回のキャスティングごとに対応する釣糸放出期間において、例えば一定時間ごとに検出された張力の情報(張力ログ)を含むキャスティングログを、キャスティングログ記憶部1101に記憶させる。
【0031】
記憶部110は、スプール制動に関連する情報を記憶する。記憶部110は、例えばベイトキャスティングリール100が備える不揮発性メモリを備えて構成されてよい。不揮発性メモリとしては、例えばフラッシュメモリ等を挙げることができる。
同図の記憶部110は、キャスティングログ記憶部1101と制動パラメータ記憶部1102とを備える。
【0032】
キャスティングログ記憶部1101は、キャスティングごとに対応するキャスティングログを記憶する。キャスティングログは、対応のキャスティングに伴って記録された1以上のデータ項目を含むログデータであり、データ項目として張力ログを含む。
【0033】
制動パラメータ記憶部1102は、制動制御部109がスプール制動制御に用いる制動パラメータを記憶する。制動パラメータ記憶部1102は、スプール制動モードごとに対応する制動パラメータを記憶する。また、1つのスプール制動モードに対応する制動パラメータは、釣糸放出期間においてスプール制動が作動するタイミング(制動タイミング)と、制動が作動する期間における制動強度とを含む。
【0034】
図3を参照して、ユーザ端末装置200の構成例について説明する。同図のユーザ端末装置200は、通信部201、制御部202、表示部203、操作部204、及び記憶部205を備える。
通信部201は、ベイトキャスティングリール100の通信部106と通信を実行する。図1との対応では、通信部201は、ケーブルCBLと接続するためのコネクタを備える。また、ベイトキャスティングリール100と無線で通信を行う場合、通信部201は、所定の無線通信方式に対応して通信が可能に構成される。
【0035】
制御部202は、本実施形態のリール制動調整に関する制御を実行する。制御部202としての機能は、ユーザ端末装置200において備えられるCPUがプログラムを実行することにより実現される。ユーザ端末装置200がスマートフォンやパーソナルコンピュータ等である場合、制御部202としての機能は、インストールされたリール制動調整アプリケーションソフトウェアとしてのプログラムをインストールすることによって実現される。
同図の制御部202は、張力関連情報取得部221及び制動パラメータ補正部222を備える。
【0036】
張力関連情報取得部221は、ベイトキャスティングリール100のスプール101から釣糸が放出される釣糸放出期間において検出された、釣糸に作用する張力に関連する情報(張力関連情報)を取得する。具体的に、本実施形態の張力関連情報取得部221は、張力関連情報として、ベイトキャスティングリール100のキャスティングログ記憶部1101に記憶されたキャスティングログに含まれる張力ログを取得する。
制動パラメータ補正部222は、張力関連情報取得部221により取得された張力関連情報の時間経過に応じた変化に基づいて、制動パラメータの補正を行う。具体的に、制動パラメータ補正部222は、張力関連情報取得部221により取得された張力の情報(張力ログ)に基づいて、釣糸放出期間における時間経過に応じた張力変化を推定する。張力関連情報取得部221が取得する張力ログは、1回のキャスティングに対応する釣糸放出期間において時間(時刻)ごとに対応付けられた張力を示す。張力関連情報取得部221は、張力ログが示す、釣糸放出期間内の時間ごとの張力を、張力変化の推定結果として得るようにしてよい。制動パラメータ補正部222による制動パラメータの補正については後述する。
【0037】
表示部203は、制御部202の制御に応じて表示を行う。
操作部204は、ユーザ端末装置200が備えるボタン等の操作子や、ユーザ端末装置200が備える操作デバイス、ユーザ端末装置200に接続される操作デバイス等を、一括して示す。例えば、表示部203がタッチパネルとして構成される場合、操作部204には、タッチパネルを構成するタッチパッド等のデバイスが含まれる。
記憶部205は、ユーザ端末装置200に対応する各種の情報を記憶する。
【0038】
続いて、本実施形態における制動パラメータの調整について説明する。
本実施形態のベイトキャスティングリール100は、前述のようにユーザのモード選択操作子に対する操作に応じて選択されたスプール制動モードを設定可能とされている。これにより、ユーザは、例えばそのときの仕掛け、状況、ユーザのキャスティングの癖等に対応させて最も適切なスプール制動モードを設定してキャスティングを行える。
しかしながら、スプール制動モードのそれぞれに対応する制動パラメータは、例えばベイトキャスティングリール100のメーカー側で標準として定めたパラメータ値が固定的に設定されたものとなっている。
一方で、ユーザはそれぞれ、キャスティングの仕方に癖を持っている。このようなキャスティングの仕方の癖はユーザごとに異なる。このため、同じ制動パラメータによりスプール制動を行ったとしても、例えば或るユーザは、制動が弱くバックラッシュが起こり気味であると感じたり、別のユーザは、制動が強く飛距離が出にくいと感じたりする。
このように、スプール制動モードのそれぞれに対応して制動パラメータを設定したとしても、ベイトキャスティングリール100の挙動をユーザ個人のそれぞれに合わせることは難しい。このために、当然のこととして、設定された制動パラメータによる釣糸の放出状態等のベイトキャスティングリール100の挙動が自分には合わないという場合が生じ得る。
【0039】
特許文献1に記載されるように、外部機器から入力した制動力設定情報に基づいてスプ
ール制動の制御パターンを変更する技術が知られている。しかしながら、このような技術を本実施形態に適用した場合には、例えばメーカー側で設定された制動パラメータを、異なるパラメータ値による制動パラメータで書き換えることになる。この場合、変更された制動パラメータも、結局は、メーカーとは異なる観点から標準とした定められたパラメータ値が固定的に設定されている。従って、特許文献1に記載の技術によっても、メーカー側で制動パラメータを定めた場合と同様に、ベイトキャスティングリール100の挙動をユーザ個人のそれぞれの感覚に合わせることは難しい。
そこで、本実施形態においては、ユーザがユーザ端末装置200を操作して、自分の感覚に合わせるように制動パラメータを変更、調整できるように構成される。
【0040】
図4のフローチャートは、ユーザ端末装置200が制動パラメータの調整に関連して実行する処理手順例を示している。
ステップS101:制動パラメータの調整を行うにあたり、まず、ユーザは、ユーザ端末装置200とベイトキャスティングリール100とを通信可能に接続する。そのうえで、ユーザは、ユーザ端末装置200を操作して、ベイトキャスティングリール100のキャスティングログ記憶部1101に記憶されているキャスティングログをユーザ端末装置200に取得させるための操作を行う。
【0041】
制動パラメータを取得する操作に対応してユーザ端末装置200に表示される操作画面(制動パラメータ取得画面)では、例えば、キャスティングログ記憶部1101に記憶されているキャスティングログのリストが提示される。このような制動パラメータ取得画面においては、キャスティングログのリスト項目ごとに、対応のキャスティングログについての見出しとして、キャスティングが行われた日時(キャスティング日時)、キャスティング時に設定されていたスプール制動モード等が示されてよい。この場合、キャスティングログには、張力ログとともに、キャスティング日時、対応のスプール制動モード等の情報が含まれてよい。
ユーザは、提示されたキャスティングログのリスト項目のうちから、ユーザ端末装置200に取得させるべきキャスティングログのリスト項目を選択したうえで、取得の実行を指示する操作(キャスティングログ取得指示操作)を行う。
ユーザ端末装置200の動作として、張力関連情報取得部221は、上記の制動パラメータ取得画面を表示部203に表示させる。そのうえで、張力関連情報取得部221は、表示された制動パラメータ取得画面に対して行われたキャスティングログ取得指示操作に応じて、選択されたリスト項目に対応するキャスティングログを、キャスティングログ記憶部1101から取得する。
【0042】
ステップS102:また、張力関連情報取得部221は、ステップS101により取得されたキャスティングログにおいて示されるスプール制動モードに対応する制動パラメータを、ベイトキャスティングリール100の制動パラメータ記憶部1102から取得する。
制動パラメータ補正部222は、取得された制動パラメータを、例えば制御部202が備えるRAMに記憶させる。
【0043】
ステップS103:制動パラメータ補正部222は、ステップS101にて取得されたキャスティングログに含まれる張力ログを利用して、取得されたキャスティングログが対応するキャスティング時の釣糸放出期間における張力変化を推定する。
【0044】
ステップS104:制動パラメータ補正部222は、ステップS103により推定された張力変化を反映させた補正案内画面を表示部203に表示させる。
補正案内画面においては、例えば図5に準じた態様で、釣糸放出期間T1における時間経過に応じた張力変化L11を示す張力変化提示エリアが配置される。また、同図においては、張力変化L11とともに釣糸放出期間T1における時間経過に応じたスプール101の回転速度変化L12が示されている。
制動パラメータ補正部222は、張力変化L11については、ステップS101にて取得されたキャスティングログに含まれる張力ログに基づいて表示することができる。
また、同図のように回転速度変化L12も併せて示す場合には、キャスティングログにおいて、釣糸放出期間T1において時刻(一定時間)ごとに対応付けられたスプールの回転速度を含めるようにする。そのうえで、制動パラメータ補正部222は、ステップS101にて取得されたキャスティングログに含まれるスプールの回転速度に基づいて表示させる。あるいは、制動パラメータ補正部222は、張力ログにより示される張力と、ベイトキャスティングリール100のスプール101の慣性モーメントとに基づいて、スプール101の回転速度を算出してもよい。この場合、スプール101の慣性モーメントは、例えばベイトキャスティングリール100から取得してもよいし、リール制動調整アプリケーションソフトウェアのデータとしてユーザ端末装置200に記憶されていたものを利用してもよい。
また、同図においては、釣糸放出期間T1においてスプール制動が作動する作動期間T11が帯状で示されている。
【0045】
ステップS105:制動パラメータ補正部222は、補正案内画面が表示されている状態のもとで、ユーザの制動パラメータを補正する操作が行われたか否かについて判定する。
ステップS106:制動パラメータを補正する操作が行われた場合、制動パラメータ補正部222は、RAMに記憶されている制動パラメータのパラメータ値を、操作に応じて指定された値に変更する。
【0046】
ここで、ユーザが行う制動パラメータ補正の操作の一例について説明する。
図6は、釣糸放出期間における張力変化の事例として3パターンを示している。同図に示される3パターンの張力変化のうち、張力変化L1は、釣糸放出期間において最初に釣糸の放出が開始されるリリース開始期間Tsを経過してから、「0」に近い値が得られている状態となっている。このような張力変化L1は、ベイトキャスティングリール100においてバックラッシュが十分に抑止されるとともに、制動も過剰にかかっていないことから仕掛けの飛距離も十分に得られる状態に対応する。つまり、強度、タイミング等に関してスプール制動が適切に働いている状態である。
また、張力変化L2は、リリース開始期間Tsを経過してから、「0」に対して一定より大きい値となるタイミングが多い傾向にある。このような張力変化L2は、制動強度が強めな状態に対応する。このような状態の場合、バックラッシュの発生は十分に抑制されるが、仕掛けの飛距離が十分に得られなくなるという点では、制動強度が適切であるとはいえない。
また、張力変化L3は、リリース開始期間Tsを経過してから、「0」に対して一定より小さい値となっている傾向にある。このような張力変化L3は、制動強度が弱い状態に対応する。このような状態の場合、制動が強いことによる飛距離への影響は十分に少ないものの、バックラッシュが発生しやすくなるという点では、制動強度が適切であるとはいえない。
【0047】
図5に例示した張力変化L11は、図6に示される張力変化L3と同様に、リリース開始期間後において「0」よりも小さい値となっている傾向であることから、制動強度が弱めの状態に対応しているといえる。
例えば、ユーザが、バックラッシュが発生しやすいと感じていた場合に、図5に示される張力変化提示エリアの状態を見ることで、その原因が、スプール制動の制動強度が弱いためであることを把握できる。
また、図示は省略するが、補正案内画面においては、ステップS102により取得された制動パラメータのパラメータ値を変更する操作が可能な制動パラメータ操作エリアが配置されている。例えば、制動パラメータが「制動タイミング」と、制動が有効なタイミングでの「制動強度」との2つである場合、制動パラメータ操作エリアにおいては、「制動タイミング」と「制動強度」とのそれぞれについての現在のパラメータ値が所定の態様により示されている。「制動タイミング」は、例えばパラメータ値として開始タイミングと終了タイミングとが示されている。
この場合、ユーザは、制動パラメータ操作エリアに対して、制動強度のパラメータ値を所望の値にまで大きくするように補正する操作を行う。また、ユーザは、例えばバックラッシュの抑制のため、スプール制動が効く期間の終了タイミングを遅くしてみたいと思ったのであれば、制動パラメータ操作エリアに対して、制動タイミングにおける終了タイミングを所定時間遅くするように補正する操作を行えばよい。このように、ユーザが制動パラメータのパラメータ値を補正する操作に応じて、制動パラメータ操作エリアにおける制動パラメータのパラメータ値は、補正後の値に変更される。
【0048】
ステップS107:ステップS106の処理の後、あるいはステップS105にて制動パラメータを補正する操作の行われないことが判定された場合、制動パラメータ補正部222は、制動パラメータ更新トリガが発生したか否かについて判定する。
ステップS106における制動パラメータの変更は、ステップS102にて取得され、RAMに記憶された制動パラメータに対するものである。従って、ステップS106による制動パラメータの変更は、未だベイトキャスティングリール100側には反映されていない。このため、制動パラメータを補正する操作によって変更した制動パラメータを、ベイトキャスティングリール100に反映させるためには、RAMに記憶されている制動パラメータにより、ベイトキャスティングリール100の制動パラメータ記憶部1102に記憶されている制動パラメータを更新する必要がある。制動パラメータ更新トリガは、制動パラメータ補正部222に、制動パラメータ記憶部1102の制動パラメータの更新を指示するトリガである。
制動パラメータ更新トリガは、ユーザが行う制動パラメータ更新指示操作に応じて発生する。制動パラメータ更新指示操作は、一例として、補正案内画面に配置された所定のボタンに対する操作であってよい。
【0049】
ステップS108:ステップS107にて制動パラメータ更新トリガの発生したことが判定された場合、制動パラメータ補正部222は、ベイトキャスティングリール100の制動パラメータ記憶部1102に記憶されている制動パラメータを更新するための制御を実行する。具体的に、制動パラメータ補正部222は、現在においてRAMに記憶されている制動パラメータを含む制動パラメータ更新要求を、通信部201からベイトキャスティングリール100に送信させてよい。
ベイトキャスティングリール100において、制動制御部109は、通信部106にて受信された制動パラメータに含まれる制動パラメータにより、制動パラメータ記憶部1102に記憶される制動パラメータを更新する。
【0050】
ステップS107にて制動パラメータ更新トリガが発生しないことが判定された場合、あるいはステップS108の処理の後は、ステップS105に処理が戻される。これにより、ユーザは、制動パラメータを補正するための操作を繰り返し行うことができる。
【0051】
なお、制動パラメータ更新トリガは、リール制動調整アプリケーションソフトウェアの終了やバックグラウンド状態への遷移に移行する際に、ステップS106による制動パラメータの変更が未だベイトキャスティングリール100に反映されていない場合にも発生されるようにしてよい。これにより、例えば、ユーザが制動パラメータ更新指示操作を行わずにリール制動調整アプリケーションソフトウェアを終了、もしくはバックグラウンドの状態とさせた場合であっても、ユーザが最後に補正した制動パラメータのパラメータ値をベイトキャスティングリール100に反映させることができる。
【0052】
例えば、図5に例示したベイトキャスティングリール100の挙動に対して、前述のようにユーザがバックラッシュを抑制させるように制動パラメータを補正し、補正された制動パラメータによりベイトキャスティングリール100の制動パラメータを更新した。
この後において、例えばユーザがベイトキャスティングリール100によりキャスティングを行ったときのキャスティングログに基づいて補正案内画面を表示させた場合、補正案内画面の張力変化提示エリアにおける張力変化L11(及び回転速度変化L12)は、図7のように変化している。つまり、張力変化L11としては、リリース開始期間後において「0」に近い値となっており、バックラッシュが十分に抑制され、かつ飛距離にも損失を与えにくい状態である。
【0053】
なお、制動パラメータ補正部222は、ユーザが制動パラメータを変更する操作を行ったことに応じて、変更後の制動パラメータの設定によりキャスティングを行った場合の張力変化、回転速度変化等をシミュレーションしてもよい。シミュレーションにあたっては、一例として、予め定めた制動パラメータの変化率と張力の増減率との関係に基づいて行うようにされてよい。
そのうえで、シミュレーション結果を補正案内画面にて表示するようにしてもよい。シミュレーション結果は、例えば、図7に準じた態様で表示されてよい。
【0054】
なお、上記の説明では、釣糸放出期間におけるキャスティング時の張力変化ができるだけ「0」に近づくように補正することが好ましいとの観点で、ユーザが制動パラメータの補正を行っている場合を例に挙げている。
しかしながら、本実施形態のもとでは、ユーザは、あくまでも、キャスティング時のベイトキャスティングリール100の挙動が自分の好みに合うように制動パラメータの補正を行えばよい。
例えば、ユーザによっては、ある程度はバックラッシュ気味になる状態が発生してもよいからスプール制動をあまり効かせないほうを好む場合がある。この場合、ユーザは、張力変化ができるだけ「0」に近づくようにするのではなく、張力変化が自分の好みにあうような「0」より小さい所定値に近づく結果となるように制動パラメータを補正すればよい。
逆に、ユーザによっては、飛距離はある程度犠牲にしてもよいので、バックラッシュが確実に抑制されるようなベイトキャスティングリール100の挙動が好みであるという場合がある。この場合、張力変化が自分の好みにあうような「0」より大きい所定値に近づく結果となるように制動パラメータを補正すればよい。
即ち、本実施形態においては、ユーザは、自分の好みに合うように制動パラメータを補正することができる。そして、ユーザは、補正を行うにあたり、張力変化提示エリアにて示される張力変化により、現状の制動パラメータの設定のもとで自分がキャスティングを行った際のベイトキャスティングリール100の挙動を把握できることから、自分の好みに合わせた補正を的確に行うことが可能になる。
【0055】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態においては、制動パラメータの補正は、ユーザが、制動パラメータのパラメータ値を変更する操作を行うというものである。この場合、きめ細かに補正することができる。その一方で、ユーザによっては、あまり細かく設定しなくとも、ある程度にまで自分の好みに応じたベイトキャスティングリール100の挙動に近づけられるのであれば、簡易な操作で補正を行いたいとの要望もある。そこで、本実施形態においては、簡易な操作による制動パラメータの補正も行えるようにする。
【0056】
図8は、本実施形態のユーザ端末装置200の表示部203にて表示される補正案内画面の態様例を示している。同図の補正案内画面は、表示部203がタッチパネルとして構成されていることに応じて、ユーザが指等の操作体を表示部203の表示面に接触させることで操作が可能とされている場合を例に挙げる。
【0057】
同図の補正案内画面においては、制動トルク提示エリアAR11、パラメータ値変更エリアAR12、ステータスエリアAR13、及び更新指示ボタンBT11が配置されている。
【0058】
制動トルク提示エリアAR11は、制動パラメータ補正部222により推定された張力変化に対応して導出された、釣糸放出期間におけるスプール制動の制動トルク変化が示されるエリアである。
制動トルクが大きくなるのに応じて対応の時刻における張力は大きくなり、制動トルクが小さくなるのに応じて対応の時刻における張力は小さくなる。ユーザは、制動トルク提示エリアAR11における制動トルク変化を見ることで、釣糸放出期間においてどのように張力が変化しているのかを把握できる。
【0059】
また、制動トルク提示エリアAR11においては、スプール制動の制動強度について評価した結果を示す制動強度評価表示が行われる。一具体例として、制動パラメータ補正部222は、釣糸放出期間における制動強度について、「適切」、「強い」、「弱い」の3段階での評価を行う。このような制動強度表示に対応する制動強度の評価について、制動パラメータ補正部222は、予め定められた標準の張力変化(釣糸放出期間における時刻ごとにおける張力の標準値)に対する、張力変化の乖離度合いに基づいて実行してよい。
そのうえで、制動パラメータ補正部222は、制動トルク提示エリアAR11において示される時間(釣糸放出期間)を、制動強度が強いと評価された評価区間、制動強度が適切と評価された評価区間、制動強度が弱いと評価された評価区間との3種の評価区間で区分して示す。
制動トルク提示エリアAR11において、制動強度が強いと評価された評価区間は、張力が適正範囲よりも大きい区間であることを示し、制動強度が適切な評価区間は、張力が適正範囲内である区間であることを示し、制動強度が弱い評価区間は、張力が適正範囲よりも小さい区間であることを示す。
例えば3種の評価区間ごとに、それぞれ異なる所定の色を施すようにすることで、3種の評価区間をユーザが視覚的に区別することができる。一具体例として、制動強度が強いと評価された評価区間は赤色、制動強度が適切と評価された評価区間は緑色、制動強度が弱いと評価された評価区間は青色、といったように色を分けて設定することができる。
なお、制動強度に応じた評価区間の区分数は、特に限定されるものではない。例えば制動強度が強いと評価された評価区間と、制動強度が弱いと評価された評価区間とのそれぞれについて、制動強度に応じてさらに区分してよい。この場合には、例えば、制動強度が強いと評価された評価区間においてさらに区分された区間については、制動強度が強くなるのに応じて、赤色が段階的に濃くなっていくように設定してよい。また、制動強度が弱いと評価された評価区間においてさらに区分された区間については、制動強度が弱くなるのに応じて、青色が段階的に薄くなっていくように設定してよい。
このような制動強度評価表示を見ることで、ユーザは、これまでの制動パラメータの設定のもとで自分がキャスティングを行った際のベイトキャスティングリール100の挙動について、制動強度の適正さとして感覚的に把握することができる。
【0060】
パラメータ値変更エリアAR12は、制動パラメータの値(パラメータ値)を変更する操作が行われるエリアである。
ステータスエリアAR13は、ユーザ端末装置200とベイトキャスティングリール100との接続状態を示す表示が行われるエリアである。
更新指示ボタンBT11は、制動パラメータ更新指示操作が行われるボタンである。
【0061】
本実施形態の補正案内画面によっては、ユーザは、制動パラメータの補正として、簡易マニュアル補正とセミオート補正とのいずれによっても行うことが可能とされている。
簡易マニュアル補正は、ユーザが釣糸放出期間において補正対象とする評価区間を指定したうえで、指定された評価区間の制動強度のパラメータ値を変更する操作を行うことによって行われる制動パラメータの補正である。この場合、制動タイミングについては、ユーザが任意に指定するのではなく、評価区間のうちから選択することができるので、この点で補正の手順が簡易化されている。
セミオート補正は、ユーザが釣糸放出期間において補正対象とする評価区間を指定する操作を行ったことに応じて、ユーザ端末装置200が、指定された評価区間における制動強度のパラメータ値を、予め定められた標準としての張力変化に基づく値(自動補正値)に補正するというものである。
【0062】
ユーザは、簡易マニュアル補正とセミオート補正とのいずれかを行うにあたり、まず、補正対象とする評価区間を指定する操作(区間指定操作)を行う。区間指定操作は、制動トルク提示エリアAR11において示されるグラフ上に配置されたポインタPTに対する操作として行われる。ポインタPTは、制動トルク提示エリアAR11における制動トルクのグラフの時間(横軸)に沿って移動させる操作が可能とされている。このようにポインタPTを移動させる操作は、例えばポインタPTを指でタッチした状態のまま横方向に指を移動させるスワイプ操作であってよい。なお、制動トルク提示エリアAR11において、補正対象として指定された評価区間が他の評価区間と区別できるように表示の態様が変更されてよい。
【0063】
ユーザは、簡易マニュアル補正を行う場合、上記の区間指定操作を行った後において、パラメータ値変更エリアAR12に対する操作によって、補正対象として指定された評価区間における制動強度のパラメータ値を変更する操作を行う。同図の例では、パラメータ値変更エリアAR12において設けられたアップボタン、ダウンボタンを操作することにより、制動強度のパラメータ値を増減可能にされた態様が示されている。また、パラメータ値変更エリアAR12においては、現在における制動強度のパラメータ値が表示されるようになっている。
【0064】
また、セミオート補正を行う場合、ユーザは、上記の区間指定操作を行った後において、制動強度の自動補正値への変更を指示する操作として、補正対象とする評価区間の下に位置する状態のポインタPTに対して、タップ操作を行う。このタップ操作が行われたことに応じて、制動パラメータ補正部222は、補正対象として指定された評価区間の制動パラメータを自動補正値とするセミオート補正を行う。
制動強度を自動補正値とするセミオート補正は、以下のように行われてよい。例えば、制動パラメータ補正部222は、一例として、リリース開始期間後における張力変化が「0」で継続される状態を標準の張力変化とする。そのうえで、制動パラメータ補正部222は、推定された張力変化について、標準の張力変化にできるだけ近づくように、制動強度のパラメータ値を変更する。
このように、セミオート補正では、ユーザは、ポインタPTを用いて補正対象とする評価区間を指定のうえで、タップ操作を行いさえすれば、ユーザ端末装置200が補正対象とされた評価区間における制動強度を自動補正値に変更するようにされている。ただし、このようにして得られる自動補正値は、あくまでも予め標準として定めた張力変化に対応するものであることから、自動補正値がそのままユーザのキャスティングに適合するとは限らない。この場合、ユーザは、例えばさらに自分のキャスティングに適合するように、簡易マニュアル補正を行ってよい。
【0065】
上記のように簡易マニュアル補正またはセミオート補正により制動パラメータを変更すると、ユーザは、変更後の制動パラメータをベイトキャスティングリール100に設定するために、更新指示ボタンBT11に対する操作を行う。更新指示ボタンBT11に対する操作が行われたことに応じて、ユーザ端末装置200は、RAMに記憶された制動パラメータで、ベイトキャスティングリール100の制動パラメータ記憶部1102に記憶されている対応の制動パラメータを更新する制御を実行する。
【0066】
図9のフローチャートは、本実施形態のユーザ端末装置200が制動パラメータの調整に関連して実行する処理手順例を示している。
ステップS201~S203の処理は、図4のステップS101~S103と同様でよい。
【0067】
ステップS204:制動パラメータ補正部222は、ステップS103により推定された張力変化に基づいて、釣糸放出期間における制動強度について評価する。制動パラメータ補正部222は、前述のように釣糸放出期間を制動強度の評価に応じた評価区間により区分した評価結果を得る。
【0068】
ステップS205:制動パラメータ補正部222は、図8に例示した態様の補正案内画面を表示部203に表示させる。この際、制動パラメータ補正部222は、制動トルク提示エリアAR11のグラフにおいて評価区間が示されるようにする。
【0069】
ステップS206:制動パラメータ補正部222は、補正案内画面が表示されている状態のもとで、ユーザによる区間指定操作が行われたか否かについて判定する。
ステップS207:ステップS206にて区間指定操作の行われたことが判定された場合、制動パラメータ補正部222は、区間指定操作により指定された評価区間を、釣糸放出期間における補正対象の区間として設定する。
【0070】
ステップS208:ステップS207の処理の後、制動パラメータ補正部222は、制動パラメータの自動補正値への変更を指示する操作が行われたか否かについて判定する。制動パラメータの自動補正値への変更を指示する操作は、ポインタPTに対するタップ操作である。
ステップS209:ステップS208にて制動強度のパラメータ値の自動補正値への変更を指示する操作の行われたことが判定された場合には、セミオート補正が指示されたことになる。そこで、この場合の制動パラメータ補正部222は、制動強度のパラメータ値を自動補正値に変更する。つまり、制動パラメータ補正部222は、例えば、ステップS203により推定された張力変化が予め標準として定められた張力変化に最も近づくように制動強度のパラメータ値を変更する。
【0071】
ステップS210:ステップS208にて制動強度のパラメータ値の自動補正値への変更を指示する操作は行われないことが判定された場合、制動パラメータ補正部222は、パラメータ値変更エリアAR12に対するパラメータ値を変更する操作が行われたか否かについて判定する。
ステップS211:ステップS210にてパラメータ値変更エリアAR12に対するパラメータ値を変更する操作の行われたことが判定された場合、制動パラメータ補正部222は、マニュアル補正として、以下の処理を実行する。つまり、制動パラメータ補正部222は、パラメータ値変更エリアAR12に対する操作による指定に応じて制動強度のパラメータ値を変更する。
【0072】
ステップS209またはステップS211の処理の後、あるいはステップS206にて区間指定操作の行われなかったことが判定された場合には、ステップS212の処理が実
行される。
ステップS212とステップS213の処理は、図4のステップS107、S108と同様となる。ステップS212にて制動パラメータ更新トリガが発生していないと判定された場合、また、ステップS213の処理の後は、ステップS206に処理が戻されることで、ユーザは、簡易マニュアル補正またはセミオート補正による制動パラメータの補正をやり直すことができる。
【0073】
なお、第2実施形態においては、簡易マニュアル補正とセミオート補正とのいずれかによる制動パラメータの補正が可能なように構成されていたが、さらにフルオート補正による制動パラメータの補正が行われるようにされてよい。
フルオート補正は、例えばユーザがオート補正の実行を指示する操作を行ったことに応じて、釣糸放出期間における各評価区間の張力変化が標準の張力変化に最も近づくように、制動強度を自動補正値に変更する補正を行うというものである。このようなフルオート補正は、例えば補正案内画面にフルオート補正実行指示ボタンを配置し、フルオート補正実行指示ボタンに対する操作が行われたことに応じて実行されるようにしてよい。
さらに、フルオート補正として、例えば所定のアルゴリズムに従って制動タイミングを自動補正値に補正したうえで、変更された制動タイミングにおいてスプール制動が有効なタイミングでの制動強度を自動補正値に補正するようにしてもよい。
また、第2実施形態においては、第1実施形態のように、ユーザの操作に応じて、制動タイミングと制動強度とを変更するマニュアル補正も行えるようにされてよい。
【0074】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
上記各実施形態の変形例として、ベイトキャスティングリール100の制動パラメータ記憶部1102に対して、補正後の制動パラメータとともに、生体認証に用いるユーザのテンプレートを対応付けて記憶させてもよい。
本変形例においては、ユーザ端末装置200において生体認証のテンプレートとしての生体情報を取得するための生体情報センサが備えられる。また、ベイトキャスティングリール100には、生体認証に用いる生体情報を取得するための生体情報センサが備えられる。なお、本実施形態における生体認証の方式については特に限定されるものではなく、指紋認証、虹彩認証、静脈認証、声紋認証等をはじめとして所定の方式が採用されてよい。
【0075】
ユーザは、ユーザ端末装置200により補正した制動パラメータによりベイトキャスティングリール100の制動パラメータ記憶部1102に記憶される制動パラメータを更新させる際に、ユーザ端末装置200の生体情報センサに生体情報を取得させる。ユーザ端末装置200は、制動パラメータ記憶部1102に記憶される制動パラメータの更新を制御する際に、補正により変更された制動パラメータとともに、取得された生体情報を、ベイトキャスティングリール100に送信する。ベイトキャスティングリール100は、受信された制動パラメータにより制動パラメータ記憶部1102に記憶される制動パラメータを更新する際に、更新後の制動パラメータに対して受信された生体情報を対応付けて制動パラメータ記憶部1102に記憶させる。
そして、ユーザは、ベイトキャスティングリール100を使用して釣りを行うにあたり、ベイトキャスティングリール100の生体情報センサにより自分の生体情報を取得させる。ベイトキャスティングリール100の制動制御部109は、生体情報センサにより取得された生体情報と一致するテンプレートが対応付けられた制動パラメータを制動パラメータ記憶部1102から読み出す。制動制御部109は、読み出した制動パラメータによりスプール制動の制御を実行する。
このような構成であれば、1つのベイトキャスティングリール100を複数のユーザが使い回すような状況において、ベイトキャスティングリール100を使用して釣りを行う
ユーザ個人に対応した制動パラメータによるスプール制動を行わせることができる。
【0076】
なお、上記各実施形態においては、補正案内画面において張力変化を表示させ、表示された張力変化に基づいて補正が行われるようにされていた。しかしながら、変形例として、補正案内画面において表示されたスプールの回転速度に基づいて補正が行われるようにされてよい。補正案内画面にて表示されるスプールの回転速度は、前述のように、キャスティングログに含めることができる。あるいは、スプールの回転速度は、張力ログにより示される張力とスプールの慣性モーメントとに基づいて算出されてもよい。釣糸放出期間におけるスプールの回転速度は、釣糸に作用する張力に応じて変化するものであることから、張力関連情報の1つとして扱われる。
ユーザは、補正案内画面において表示される、釣糸放出期間におけるスプールの回転速度を確認する。ユーザは、表示を確認した結果、回転速度が想定よりも低くなるように変化している区間がある場合には、当該区間において制動が強くなっていると判断し、当該区間の制動強度を弱くするように補正する操作を行うことができる。あるいは、同じ表示を確認した場合において、回転速度が想定よりも低くなるように変化している区間において、ユーザがバックラッシュを防ごうとしてサミングを行っていた場合には、逆に、当該区間における制動強度が弱かったと判断できる。そこで、この場合のユーザは、制動強度を強くするように補正する操作を行って、当該区間においてサミングが不要となるようにすることができる。
【0077】
なお、上記各実施形態の構成は、ベイトキャスティングリールに限定されない。本実施形態の構成は、ベイトキャスティングリール以外の両軸受リールのほかにも、キャスティングにより釣糸が放出されることに伴ってスプールが回転することでバックラッシュの発生する可能性のあるような魚釣用リールに適用されてよい。
【0078】
なお、上記各実施形態におけるベイトキャスティングリール100やユーザ端末装置200としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のベイトキャスティングリール100やユーザ端末装置200としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
100 ベイトキャスティングリール
101 スプール
101a スプール軸
102 スプール制動ユニット
104 整流回路
105 蓄電素子
106 通信部
107 回転速度センサ
108 モード選択部
109 制動制御部
110 記憶部
200 ユーザ端末装置
201 通信部
202 制御部
203 表示部
204 操作部
205 記憶部
221 張力関連情報取得部
222 制動パラメータ補正部
1021 制動磁石
1022 コイル
1023 スイッチ素子
1101 キャスティングログ記憶部
1102 制動パラメータ記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-10-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚釣用リールと、
前記魚釣用リールと通信可能で、スプール制動制御を調整可能な外部機器としてのリール制動調整装置と、
を備えるリール制動調整システムであって、
前記魚釣用リールは、
釣糸を巻回可能なスプールと、
前記スプールの回転を制動するスプール制動ユニットと、
前記スプール制動ユニットによる制動力を制動力設定情報に基づいて制御可能な制動制御部と、
前記リール制動調整装置と通信可能な第1通信部と、
を有し、
前記リール制動調整装置は、
生体認証に用いる生体情報を取得するための生体情報センサと、
前記生体情報センサによって取得された前記生体情報に基づいて前記制動力設定情報を生成する制御部と、
前記制御部によって生成された前記制動力設定情報を前記魚釣用リールに送信可能な第2通信部と、
を有する、リール制動調整システム。
【請求項2】
前記生体情報センサは、
指紋認証、虹彩認証、静脈認証、声紋認証の少なくともいずれか一つの生体認証の方式によって生体情報を取得する、
請求項1に記載のリール制動調整システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
スイッチ素子1023は整流回路104と接続される。整流回路104は、スイッチ素子1023によりオンオフされる電流に応じた電圧を整流して蓄電素子105に出力する。つまり、蓄電素子105は、キャスティングに際してスプール101が回転することに応じてコイル1022にて発生された電力を蓄積する。蓄電素子105は、例えば電解コンデンサを備えて構成されてよい。蓄電素子105にて蓄積された電力は、第1通信部106、回転速度センサ107、モード選択部108、制動制御部109、記憶部110等の電源として供給される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
第1通信部106は、ユーザ端末装置200と通信を実行する。図1との対応では、第1通信部106は、ケーブルCBLと接続するためのコネクタを備える。また、ユーザ端末装置200と無線で通信を行う場合、第1通信部106は、所定の無線通信方式に対応して通信が可能に構成される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
図3を参照して、ユーザ端末装置200の構成例について説明する。同図のユーザ端末装置200は、第2通信部201、制御部202、表示部203、操作部204、及び記憶部205を備える。
第2通信部201は、ベイトキャスティングリール100の第1通信部106と通信を実行する。図1との対応では、第2通信部201は、ケーブルCBLと接続するためのコネクタを備える。また、ベイトキャスティングリール100と無線で通信を行う場合、第2通信部201は、所定の無線通信方式に対応して通信が可能に構成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
ステップS108:ステップS107にて制動パラメータ更新トリガの発生したことが判定された場合、制動パラメータ補正部222は、ベイトキャスティングリール100の制動パラメータ記憶部1102に記憶されている制動パラメータを更新するための制御を実行する。具体的に、制動パラメータ補正部222は、現在においてRAMに記憶されている制動パラメータを含む制動パラメータ更新要求を、第2通信部201からベイトキャスティングリール100に送信させてよい。
ベイトキャスティングリール100において、制動制御部109は、第1通信部106にて受信された制動パラメータに含まれる制動パラメータにより、制動パラメータ記憶部1102に記憶される制動パラメータを更新する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
100 ベイトキャスティングリール
101 スプール
101a スプール軸
102 スプール制動ユニット
104 整流回路
105 蓄電素子
106 第1通信部
107 回転速度センサ
108 モード選択部
109 制動制御部
110 記憶部
200 ユーザ端末装置
201 第2通信部
202 制御部
203 表示部
204 操作部
205 記憶部
221 張力関連情報取得部
222 制動パラメータ補正部
1021 制動磁石
1022 コイル
1023 スイッチ素子
1101 キャスティングログ記憶部
1102 制動パラメータ記憶部
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3