(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174950
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】無線ノード及び無線通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20231201BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20231201BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20231201BHJP
【FI】
H04W56/00
H04W16/26
H04W92/20 110
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023181163
(22)【出願日】2023-10-20
(62)【分割の表示】P 2020572020の分割
【原出願日】2019-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】武田 和晃
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD30
5K067EE06
5K067EE72
(57)【要約】
【課題】無線ノード間における送信タイミングを適切に調整すること。
【解決手段】本開示の一態様に係る無線ノードは、上流ノードでの第1の下り無線リンクへの送信タイミング調整において残留し得るオフセットに関する情報を前記第1の下り無線リンクから受信する受信部と、前記オフセットに関する情報に基づいて、下流ノードに向かう第2の下り無線リンクへの送信タイミングを制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流ノードでの第1の下り無線リンクへの送信タイミング調整において残留し得るオフセットに関する情報を前記第1の下り無線リンクから受信する受信部と、
前記オフセットに関する情報に基づいて、下流ノードに向かう第2の下り無線リンクへの送信タイミングを制御する制御部と、
を備えた無線ノード。
【請求項2】
無線ノードが、
上流ノードでの第1の下り無線リンクへの送信タイミング調整において残留し得るオフセットに関する情報を前記第1の下り無線リンクから受信し、
前記オフセットに関する情報に基づいて、下流ノードに向かう第2の下り無線リンクへの送信タイミングを制御する、
無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線ノード及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Universal Mobile Telecommunication System(UMTS)ネットワークにおいて、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(Long Term Evolution(LTE))が仕様化された。また、LTEからの更なる広帯域化および高速化を目的として、LTEの後継システムも検討されている。LTEの後継システムには、例えば、LTE-Advanced(LTE-A)、Future Radio Access(FRA)、5th generation mobile communication system(5G)、5G plus(5G+)、Radio Access Technology(New-RAT)、New Radio(NR)などと呼ばれるシステムがある。
【0003】
将来の無線通信システム(例えば、5G)に関して、アクセスリンクとバックホール(Backhaul;BH)リンクを統合するIntegrated Access and Backhaul(IAB)の技術について検討されている(非特許文献1)。無線ノードの一例であるIABノードは、ユーザ端末(User Equipment(UE))と、無線のアクセスリンクを形成すると共に、他のIABノード及び/又は無線基地局と無線のBHリンクを形成する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TR 38.874 V16.0.0 “3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Study on Integrated Access and Backhaul (Release 16)”,December 2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、無線ノード間における送信タイミングの調整については検討が不十分である。
【0006】
本開示の一態様は、無線ノード間における送信タイミングを適切に調整することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る無線ノードは、上流ノードでの第1の下り無線リンクへの送信タイミング調整において残留し得るオフセットに関する情報を前記第1の下り無線リンクから受信する受信部と、前記オフセットに関する情報に基づいて、下流ノードに向かう第2の下り無線リンクへの送信タイミングを制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、無線ノード間におけるデータの送信タイミングを適切に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施の形態に係るIABノードの構成例を示す図である。
【
図3】本実施の形態に係る無線区間のタイミングアライメント(timing alignment)を説明するための図である。
【
図4】本実施の形態に係るマルチホップトポロジーと残留誤差を説明するための図である。
【
図5】本実施の形態に係る子IABノードが複数の親IABノードを有する例を示す図である。
【
図6】本実施の形態に係る残留誤差符号を説明するための図である。
【
図7】本開示に係るIABノード及びユーザ端末のハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
(本実施の形態)
<システム構成>
図1は、無線通信システムの構成例を示す。
【0012】
無線通信システム1は、無線ノードの一例である複数のIABノード10A~10Cと、ユーザ端末の一例であるUE20とを含む。以下、IABノード10A~10Cを区別しないで説明する場合には、「IABノード10」のように、参照符号のうち共通番号のみを使用することがある。
【0013】
IABノード10A~10Cは、それぞれ、無線通信によって、他のIABノード10に接続する。
図1に示すように、IABノード10Bは、IABノード10A及びIABノード10Cに接続する。IABノード10AとIABノード10Bとの関係に注目すると、IABノード10AはIABノード10Bよりも1つ上流に位置する。別言すると、IABノード10BはIABノード10Aよりも1つ下流に位置する。よって、IABノード10AはIABノード10Bにとっての親IABノード、IABノード10BはIABノード10Aにとっての子IABノードと呼ばれてよい。ここで、「下流」はIABドナーから遠ざかる方向であり、「上流」はIABドナーに近づく方向である。
【0014】
IABノード10A~10Cは、それぞれ、無線通信可能なエリアであるセルを形成する。すなわち、IABノード10は、基地局としての機能を有する。セル内のUE20は、当該セルを形成するIABノード10に無線接続できる。
【0015】
IABノード10AがIABドナーである場合、IABノード10Aは、ファイバBH等の送受信手段を通じて、コアネットワーク(Core Network(CN))等の通信システムに接続する。なお、ファイバBHは、光ファイバに限らず、データを送受信できる手段であればよい。また、IABノード10Aとコアネットワーク等の間の送受信手段は、大容量の無線を用いたものであってもよい。なお、無線通信システム1に含まれるIABノード10の数及びUE20の数は、
図1の例に限られない。例えば、IABノード10Bに接続される親IABノード10Aは、2以上であってもよい。また、IABノード10Bに接続される子IABノード10Cは、2以上であってもよい。また、IABノード10Bに接続されるUE20は、2以上であってもよい。
【0016】
図1に示すLとその添え字は以下を示す。
・L
P,DLは、親IABノード10AからIABノード10BへのDownlink(DL;下りリンク)を示す。
・L
P,ULは、IABノード10Bから親IABノード10AへのUplink(UL;上りリンク)を示す。
・L
C,DLは、IABノード10Bから子IABノード10CへのDLを示す。
・L
C,ULは、子IABノード10CからIABノード10BへのULを示す。
・L
A,DLは、IABノード10BからUE20へのDLを示す。
・L
A,ULは、UE20からIABノード10BへのULを示す。
【0017】
LA,DL及び/又はLA,ULは、アクセスリンクと呼ばれる。LP,DL、LP,UL、LC,DL及び/又はLC,ULは、BHリンクと呼ばれる。
【0018】
<IABノード>
図2は、IABノード10の構成例を示す。
【0019】
図2に示すように、IABノード10は、制御部100と、Mobile-Termination(MT)102と、Distributed Unit(DU)103とを有する。なお、MT102及びDU103は、機能ブロックであってよい。以下、MT102の機能を表現する場合、MTのように参照符号を付さずに表現し、DU103の機能を表現する場合、DUのように参照符号を付さずに表現する場合がある。また、DU103は、基地局に相当する機能を有してよい。また、DU103は、無線部分の処理を行う張出局と、無線部分以外の処理を行う集約局とを備える基地局における、張出局に相当する機能を有してもよい。また、MT102の一例は、端末に相当する機能を有してよい。
【0020】
IABノード10BのMT102は、親IABノード10AとのBHリンク(以下「親リンク」という)を制御する。IABノード10BのDU103は、子IABノード10CとのBHリンク、及び/又は、UE20とのアクセスリンクを制御する。以下、子IABノード10CとのBHリンク及び/又はUE20とのアクセスリンクを、「子リンク」という。
【0021】
制御部100は、MT102及びDU103を制御する。なお、後述するIABノード10の動作は、当該制御部100がMT102及びDU103を制御することによって実現されてよい。また、制御部100は、各種情報を記憶するための記憶部を備えてもよい。
【0022】
親リンクと子リンクとの間には、半二重制約(half-duplex constraint)が適用されてよい。半二重制約を実現するために、親リンクと子リンクには、Time Division Multiplexing(TDM)が適用されてよい。この場合、時間リソースは、親リンクと子リンクのうちの何れか一方が利用できてよい。なお、TDMの適用は一例であり、例えば、Frequency Division Multiplexing(FDM)、又は、Space Division Multiplexing(SDM)が適用されてもよい。
【0023】
親リンクにおける時間リソース(以下「MTリソース」という)には、次の何れかのタイプが設定される。
・DLタイプが設定されたMTリソース(以下「MT-D」という)は、LP,DLとして利用される。
・ULタイプが設定されたMTリソース(以下「MT-U」という)は、LP,ULとして利用される。
・Flexible(FL)タイプが設定されたMTリソース(以下「MT-F」という)は、LP,DL又はLP,ULとして利用される。
【0024】
MTリソースは、親IABノード10Aとの通信に用いられるリソース、親IABノード10Aとのバックホールリンクの通信に用いられるリソース、或いは、サービングセルとの通信に用いられるリソースといった他の表現に読み替えられてもよい。また、MTリソースは、第1の無線区間のリソースの一例であってもよい。
【0025】
子リンクにおける時間リソース(以下「DUリソース」という)には、次の何れかのタイプが設定される。
・DLタイプが設定されたDUリソース(以下「DU-D」という)は、LC,DL又はLA,DLとして利用されてよい。
・ULタイプが設定されたDUリソース(以下「DU-U」という)は、LC,UL又はLA,ULとして利用されてよい。
・FLタイプが設定されたDUリソース(以下「DU-F」という)は、LC,DL、LC,UL、LA,DL又はLA,ULとして利用されてよい。
・Not-Available(NA)タイプが設定されたDUリソース(以下「DU-NA」という)は、子リンクには利用されない。
【0026】
DUリソースは、子IABノード10C及び/又はUE20との通信に用いられるリソース、子IABノード10Cとのバックホールリンク及び/又はUE20とのアクセスリンクとの通信に用いられるリソースといった他の表現に読み替えられてもよい。また、DUリソースは、第2の無線区間のリソースの一例であってもよい。
【0027】
さらに、DU-D、DU-U及びDU-Fには、次の何れかのタイプが設定される。
・Hardタイプが設定されたDUリソースは、子リンクに利用され、親リンクに利用されない。以下、Hardタイプが設定されたDUリソースを「DU(H)」と表現する場合がある。
・Softタイプが設定されたDUリソースは、親IABノード10Aからの明示的及び/又は暗示的な指示によって、子リンクに利用できるかどうか(以下「利用可能性(Availability)」という)が決定される。以下、Softタイプが設定されたDUリソースを「DU(S)」と表現する場合がある。
【0028】
なお、DUリソースにおける、DL、FL、FL及びNAの設定、並びに、Soft及びHardの設定については、準静的(Semi-static)に設定されてもよい。例えば、これらDU向けの設定は、RRCパラメータによって設定されてもよい。RRCは、Radio Resource Controlの略である。なお、RRCパラメータは、RRCシグナリング、RRCメッセージ、又はRRC設定といった他の用語に読み替えられてよい。また、これらDU向けの設定は、F1-APパラメータによって設定されてもよい。なお、F1-APパラメータは、F1-APシグナリング、又はF1-APメッセージといった他の用語に読み替えられてよい。
【0029】
<検討>
IABノード10間のOver-The-Air(OTA)における送信タイミングのアライメントについて説明する。なお、アライメントは、整列、位置合わせ、位置揃え、又は、同期といった他の用語に読み替えられてもよい。
【0030】
送信タイミングのアライメントのために、IABノード10は、DL送信タイミングを、DL受信タイミングよりもTA/2+Tdelta時間分、前方(ahead)にセットしてよい。なお、TAは、Timing Advanceの略である。
【0031】
Tdeltaは、親IABノード10AにおけるDL送信タイミングとUL受信タイミングとの間のオフセットといった要因を考慮するための値である。当該要因は、例えば、送信から受信へのスイッチング時間、及び/又は、ハードウェアの悪化(impairments)などである。Tdeltaは、親IABノード10Aから子IABノード10Bへシグナリングされてよい。
【0032】
TAは、UL送信タイミングとDL受信タイミングとの間のタイミングギャップを示す値である。TAは、既存のメカニズムに基づいて導出されてよい。
【0033】
IABノード10間の無線区間において用いるTdeltaについて、例えば、以下の検討が不十分である。
・Tdeltaの値の範囲と粒度
・Tdeltaの非周期的又は周期的な更新
・Tdeltaに含まれる、IABノードのタイミングを調整する(adjust)ための、他のタイミング悪化要因
・IABノード10Bが複数(multiple)の親IABノード10Aを有する場合におけるタイミングアライメント
【0034】
次に、
図3を参照して、タイミングアライメントの一例について説明する。
【0035】
例えば、
図3に示すように、親IABノード10Aにおける、DL送信タイミングとUL受信タイミングと間のズレを、2T
delta時間分とする。また、親IABノード10Aから子IABノード10Bへの伝搬遅延時間を、T
propとする。この場合、親IABノード10Aは、子IABノード10BのMTのUL送信タイミングに適用するTAが、2T
prop+2T
deltaとなるように指示をしてよい。そして、子IABノード10Bは、DUのDL送信タイミングを、MTのDL受信タイミングよりも、TA/2-T
delta時間分、前方にセットしてよい。これにより、親IABノード10AのDL送信タイミングと、子IABノード10BのDUのDL送信タイミングとがアライメントされる。なお、「算出」は、「決定」又は「判断」といった他の用語に読み替えられてもよい。
【0036】
T
deltaの粒度の限界により、
図4に示すようなマルチホップトポロジーでは、ホップ数が増加するにつれてDL送信タイミングには、残留誤差(residual error)が蓄積され得る。
【0037】
例えば、
図4に示すように、IABドナーに対してIABノード#1~#4が直列に接続されるマルチホップトポロジーを想定する。IABドナーが指示するT
delta1には、残留誤差ε
1が含まれ得る。同様に、IABノード#1~#3が指示するT
delta2~T
delta4には、それぞれ、残留誤差ε
2~ε
4が含まれ得る。したがって、IABノード#4は、IABノード#3から指示されたTA
4及びT
delta4を用いて、DUのDL送信タイミングのアライメントを行った場合、T
delta4に蓄積された残留誤差ε
1~ε
4により、DUのDL送信タイミングと、上流のIABノード10のDL送信タイミングとの間にて、送信タイミングがアライメントされない可能性がある。
【0038】
また、
図5に示すように、子IABノード10Bが複数の親IABノード10A#1,#2を有する場合に、子IABノード10BがDL送信タイミングをどのように決定するについて、検討が不十分である。
【0039】
すなわち、親IABノード10AにおけるTdeltaの生成方法、及び、親IABノード10Aから指示されたTdeltaの子IABノード10Bにおける使用方法について、検討が不十分である。以下、当該検討が不十分な点に対する新たな提案について説明する。
【0040】
<提案>
Tdeltaの生成、及び、指示されたTdeltaに基づくDL送信タイミングの決定は、複数のIABノード10が、タイミングアライメントのためのDL送信タイミングを適切に決定できるために、仕様化(specify)されてよい。
【0041】
次に、親IABノード10AにおけるTdeltaの生成方法、及び、子IABノード10BにおけるDL送信タイミングの決定方法について説明する。
【0042】
<親IABノード10AにおけるTdeltaの生成方法>
次に、親IABノード10AでのTdeltaの生成方法の例として、(A1)及び(A2)を説明する。なお、(A1)及び(A2)は、両方が適用されてもよいし、何れか一方が適用されてもよい。
【0043】
(A1)
Tdeltaは、TA/2-Tdeltaに基づいて子IABノード10BのDL送信タイミングが、親IABノード10AのDL送信タイミングに揃えられるために、生成されてよい。
【0044】
この場合、Tdeltaの粒度は限られるため、残留誤差が存在し得る。なお、残留誤差は、残留オフセット(residual offset)といった他の用語に読み替えられてもよい。
【0045】
予期される(expected)残留誤差の正(positive)又は負(negative)を示す情報(以下「残留誤差符号」という)は、Tdeltaの値と共に、子IABノード10Bへ指示(例えばシグナリング)されてよい。この場合、子IABノード10Bは、指示された残留誤差符号とは反対の符号方向に残留誤差を丸めてTdeltaを生成してよい。
【0046】
図6を参照して一例を説明する。
図6に示すように、親IABノード10Aは、子IABノード10Bへ指示できるT
deltaの粒度は限られるため、算出した粒度のT
deltaの値を、指示するT
deltaの粒度に丸めてよい。すなわち、親IABノード10Aは、算出した粒度のT
deltaの値に対して端数処理を行ってよい。ここで、親IABノード10Aは、算出した粒度のT
deltaを、小さくなる方向(以下「負方向」という)、又は、大きくなる方向(以下「正方向」という)の何れかに丸めてよい。そして、親IABノード10Aは、算出した粒度のT
deltaを、負方向に丸めた場合は、負の残留誤差符号を生成し、正方向に丸めた場合は、正の残留誤差符号を生成してよい。
【0047】
子IABノード10Bもまた、Tdeltaを算出し、この算出した粒度のTdeltaを、さらに下流のIABノード10Cへ指示するTdeltaの粒度に丸める。このとき、子IABノード10Bは、算出した粒度のTdeltaの値を、親IABノード10Aから指示された残留誤差符号とは反対の符号の方向に丸めてよい。例えば、子IABノード10Bは、親IABノード10Aから正の残留誤差符号が指示された場合、算出した粒度のTdeltaの値を、負方向に丸めてよい。例えば、子IABノード10Bは、親IABノード10Aから負の残留誤差符号が指示された場合、算出した粒度のTdeltaの値を、正方向に丸めてよい。
【0048】
残留誤差符号は、例えば、次の(B1)及び/又は(B2)のように扱われてよい。
【0049】
(B1)予期される残留誤差の絶対値が極めて小さい(例えば第1の閾値未満である)場合、残留誤差符号は、無視されてよい。例えば、子IABノード10Bは、算出した粒度のTdeltaにおいて予期される残留誤差の絶対値が第1の閾値未満である場合、指示された残留誤差符号を無視して、算出した粒度のTdeltaを丸めてよい。例えば、親IABノード10Aは、算出した粒度のTdeltaにおいて予期される残留誤差の絶対値が第1の閾値未満である場合、子IABノード10Bに対して残留誤差符号を指示しなくてもよい。
【0050】
(B2)予期される残留誤差の絶対値が少し大きい(例えば第2の閾値以上である)場合、親IABノード10Aによって指示された残留誤差符号とは反対の符号が選択されてよい。例えば、子IABノード10Bは、算出した粒度のTdeltaにおいて予期される残留誤差の絶対値が第2の閾値以上である場合、当該算出した粒度のTdeltaを、指示された残留誤差符号とは反対の符号の方向に丸めてよい。この(B2)は、正方向の残留誤差の絶対値と負方向の残留誤差の絶対値とが同等の大きさ(例えば当該2つの残留誤差の絶対値の差分が第3の閾値未満)である場合に適用されてよい。また、算出した粒度のTdeltaは、正方向の残留誤差の絶対値と負方向の残留誤差の絶対値との差分が第3の閾値以上である場合、残留誤差の絶対値の小さい符号方向に丸められてよい。
【0051】
上記(A1)のTdeltaの生成方法によれば、各IABノード10において、Tdeltaが残留誤差を互いに打ち消す方向に丸められるため、ホップ数の増加に伴う残留誤差の蓄積を抑制できる。よって、各IABノード10のDL送信タイミングがアライメントされる。
【0052】
(A2)
IABノード10が正確な時刻同期ソース(例えば、Global Navigation Satellite System(GNSS))を有する場合、子IABノードに指示されるTdeltaは、当該時刻同期ソースを用いて調整されてよい。
【0053】
すなわち、IABノード10Bが時刻同期ソースを有する場合、DL送信タイミングは、親IABノード10AからのDL受信タイミング、TA及びTdeltaに基づいて、決定されてよい。一方、IABノード10Bが指示するTdeltaは、当該時刻同期ソースを用いて調整されてよい。
【0054】
この場合、Tdeltaは、TA/2-Tdeltaに基づく子IABノード10BのDL送信タイミングが、時刻同期ソースによって導出される理想的なDL送信タイミングとアライメントされるために、生成されてよい。
【0055】
また、親IABノード10Aは、無線通信システム1のネットワークが意図するDL送信タイミングの絶対時刻(つまり理想的なDL送信タイミング)に関する情報を、子IABノード10Bへ指示してもよい。
【0056】
また、時刻同期ソースを有するIABノード10からのホップオーダー(hop order)が、Tdeltaと共に、子IABノード10Bへ指示されてよい。
【0057】
上記(A2)のTdeltaの生成方法によれば、時刻同期ソースを有するIABノード10において算出されるTdeltaにおいて、残留誤差の蓄積がリセットされるため、ホップ数の増加に伴う残留誤差の蓄積を抑制できる。よって、各IABノード10のDL送信タイミングがアライメントされる。
【0058】
<子IABノード10BにおけるDL送信タイミングの決定方法>
次に、親IABノード10Aから指示されたTdeltaに基づく子IABノード10BでのDL送信タイミングの決定方法の例として、(Alt.C1)及び(Alt.C2)を説明する。なお、(Alt.C1)及び(Alt.C2)は、何れか一方が適用されてよい。
【0059】
(Alt.C1)
図5に例示するように、子IABノード10Bが複数の親IABノード10A#1,#2を有する場合、子IABノード10Bは、タイミングアライメントの目的において、次の動作を行ってよい。すなわち、子IABノード10Bは、複数の親IABノード10A#1,#2のうち、より小さいホップオーダーの親IABノード10Aを1つ選択してよい。タイミングアライメントの目的とは、例えば、DL送信タイミングの決定の目的、及び/又は、T
deltaの生成の目的であってよい。
【0060】
ホップオーダーは、親IABノード10Aから指示されてよい。当該指示されるホップオーダーは、IABドナーからのホップオーダーであってよい。或いは、当該指示されるホップオーダーは、上述した時刻同期ソースを有するIABノード10からのホップオーダーであってよい。
【0061】
より小さなホップオーダーの親IABノード10Aによって導出された値(例えばTdelta)と、より大きなホップオーダーの親IABノード10Aによって導出された値(例えばTdelta)との差分は、より大きなホップオーダーを有する親IABノード10Aへ報告されてよい。すなわち、DL送信タイミングは、1つの親IABノード10Aからの指示に基づいて決定されてよい。一方で、Tdeltaの指示は、子IABノード10Bからの当該報告を用いて調整されてよい。これにより、より大きなホップオーダーを有する親IABノード10Aは、子IABノード10Bから報告された当該差分を用いて、Tdeltaの精度を向上させることができる。
【0062】
(Alt.C2)
DL送信タイミングは、複数の親IABノード10Aの各々が導出した値(例えばTdelta)の平均値によって導出されてよい。この場合、以下の(Alt.C2-1)、(Alt.C2-2)及び(Alt.C2-3)のうちの何れか1つが適用されてよい。
【0063】
(Alt.2-1)平均化は、複数の親IABノード10Aが共通のホップオーダーを有する場合に許可されてよい。或いは、平均化は、複数の親IABノード10Aのホップオーダーが所定の範囲内である場合に許可されてよい。或いは、平均化は、複数の親IABノード10Aにおけるホップオーダーの差分が所定の範囲内である場合に許可されてよい。
【0064】
(Alt.2-2)平均化は、親IABノード10Aのホップオーダーに関わらず、許可されてよい。
【0065】
(Alt.2-3)ホップオーダーに基づく重み付けを伴う平均化が許可されてもよい。例えば、より小さいホップオーダーを伴うIABノード10には、平均化において、より大きな重み付けが適用されてよい。
【0066】
上記の指示されたTdeltaに基づくDL送信タイミングの決定方法によれば、子IABノード10Bは、複数の親IABノード10Aを有する場合であっても、Tdeltaに基づいて、DL送信タイミングを決定できる。
【0067】
<本実施の形態のまとめ>
本実施の形態では、IABノード10Bは、上流ノードでの第1の下り無線リンクへの送信タイミング調整において残留し得るオフセットに関する情報を第1の無線リンクから受信する受信部と、オフセットに関する情報に基づいて、下流ノードに向かう第2の下り無線リンクへの送信タイミングを制御する制御部と、を備える。ここで、オフセットに関する情報には、上述の残留誤差符号が含まれてよい。また、ホップオーダーに応じてオフセットに関する情報が変化し得るため、オフセットに関する情報には、上述のホップオーダーを示す情報が含まれてよい。
【0068】
上記構成によれば、ホップ数の増加に伴う残留誤差の蓄積を抑制できるので、各IABノード10のDL送信タイミングがアライメントされる。
【0069】
<ハードウェア構成等>
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0070】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0071】
例えば、本開示の一実施の形態における基地局、ユーザ端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図7は、本開示の一実施の形態に係るIABノード及びUEのハードウェア構成の一例を示す図である。上述のIABノード10及びUE20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0072】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。IABノード10及びUE20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0073】
IABノード10及びUE20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0074】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の制御部100、MT102、及びDU103などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0075】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、UE20の制御部は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0076】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0077】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0078】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、IABノード10及びUE20が備えるアンテナなどは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0079】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0080】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0081】
また、IABノード10及びUE20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0082】
<情報の通知、シグナリング>
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0083】
<適用システム>
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0084】
<処理手順等>
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0085】
<基地局の動作>
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0086】
<入出力の方向>
情報等(※「情報、信号」の項目参照)は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0087】
<入出力された情報等の扱い>
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0088】
<判定方法>
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0089】
<態様のバリエーション等>
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
【0090】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0091】
<ソフトウェア>
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0092】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0093】
<情報、信号>
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0094】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0095】
<「システム」、「ネットワーク」>
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0096】
<パラメータ、チャネルの名称>
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0097】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0098】
<基地局>
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0099】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0100】
<移動局>
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0101】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0102】
<基地局/移動局>
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0103】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
【0104】
<用語の意味、解釈>
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0105】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0106】
<参照信号>
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0107】
<「に基づいて」の意味>
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0108】
<「第1の」、「第2の」>
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0109】
<「手段」>
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0110】
<オープン形式>
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0111】
<TTI等の時間単位、RBなどの周波数単位、無線フレーム構成>
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。
時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。
【0112】
サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0113】
ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0114】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0115】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0116】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0117】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0118】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0119】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0120】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0121】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0122】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0123】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0124】
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0125】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0126】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0127】
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0128】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0129】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0130】
<最大送信電力>
本開示に記載の「最大送信電力」は、送信電力の最大値を意味してもよいし、公称最大送信電力(the nominal UE maximum transmit power)を意味してもよいし、定格最大送信電力(the rated UE maximum transmit power)を意味してもよい。
【0131】
<冠詞>
本開示において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0132】
<「異なる」>
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本開示の一態様は、無線通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0134】
10,10A,10B,10C IABノード
20 UE
100 制御部
102 MT
103 DU