IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電動車 図1
  • 特開-電動車 図2
  • 特開-電動車 図3
  • 特開-電動車 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174985
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】電動車
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/45 20100101AFI20231201BHJP
   B62M 6/50 20100101ALI20231201BHJP
【FI】
B62M6/45
B62M6/50
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023181919
(22)【出願日】2023-10-23
(62)【分割の表示】P 2018066522の分割
【原出願日】2018-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】福岡 裕二
(57)【要約】
【課題】押し歩き操作に対する誤操作を起因とした電動自転車の自走を抑え、安全性を高める。
【解決手段】電動自転車1は、電動モータ21を備える電動自転車1であって、ペダル17への踏力に基づく人力駆動力に、電動モータ21による第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、電動モータ21による第二補助駆動力を車体10への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部221と、第二モードを実行するための操作を受け付ける操作部40と、電動自転車1の移動を検出する移動検出部(車速センサ243)とを備え、制御部221は、操作部40が前記操作を受け付けている受付状態と、移動検出部が電動自転車1の移動を検出している検出状態とが重なった期間に、第二モードを実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータを備える電動自転車であって、
ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に、前記電動モータによる第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、前記電動モータによる第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は前記第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部と、
前記第二モードを実行するための操作を受け付ける操作部と、
前記電動自転車の移動を検出する移動検出部とを備え、
前記制御部は、前記操作部が前記操作を受け付けている受付状態と、前記移動検出部が前記電動自転車の移動を検出している検出状態とが重なった期間に、前記第二モードを実行する
電動自転車。
【請求項2】
前記制御部は、前記受付状態が発生した後に前記検出状態が発生した場合には、前記検出状態が所定時間または所定距離だけ継続した後に、前記第二モードを実行する
請求項1に記載の電動自転車。
【請求項3】
前記制御部は、前記検出状態が発生した後に前記受付状態が発生した場合には、前記受付状態が発生した直後に前記第二モードを実行する
請求項1または2に記載の電動自転車。
【請求項4】
前記電動自転車の停止動作を検出する停止検出部を備え、
前記制御部は、前記第二モードの実行中に、前記停止検出部が前記停止動作を検出した場合には、前記第二モードを停止する
請求項1~3のいずれか1項に記載の電動自転車。
【請求項5】
ブレーキレバーに対する操作を検出するブレーキセンサを備え、
前記制御部は、前記第二モードの実行中に、前記ブレーキセンサが前記ブレーキレバーに対する操作を検出した場合には、前記第二モードを停止する
請求項1~4のいずれか1項に記載の電動自転車。
【請求項6】
ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に、電動モータによる第一補助駆動力を電動自転車に付加して走行する第一モードと、前記電動モータによる第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は前記第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する際に、
前記第二モードを実行するための操作を受け付ける操作部が前記操作を受け付けている受付状態と、前記電動自転車の移動を検出する移動検出部が前記電動自転車の移動を検出している検出状態とが重なった期間に、前記第二モードを実行する
電動自転車の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動自転車及び電動自転車の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動モータを備え、電動自転車の押し歩き時に電動モータの補助駆動力の発揮を可能とした電動自転車が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この電動自転車によれば、電動自転車の押し歩き操作をすることにより、押し歩き時に電動モータによる補助駆動力を得ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4118985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、押し歩きモードを備えた電動自転車では、ユーザの押し歩き操作に基づいて補助駆動力が生じ、電動自転車が所定速度まで加速する。このため、ユーザが誤って押し歩き操作を行った場合には、ユーザの意図に反して電動自転車が自走する。この自走はユーザを混乱させるだけでなく、事故を発生させる一因にもなりうる。
【0005】
本発明は、押し歩き操作に対する誤操作を起因とした電動自転車の自走を抑え、安全性を高めることができる電動自転車及び電動自転車の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る電動自転車は、電動モータを備える電動自転車であって、ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に、電動モータによる第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、電動モータによる第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部と、第二モードを実行するための操作を受け付ける操作部と、電動自転車の移動を検出する移動検出部とを備え、制御部は、操作部が操作を受け付けている受付状態と、移動検出部が電動自転車の移動を検出している検出状態とが重なった期間に、第二モードを実行する。
【0007】
また、本発明の一態様に係る電動自転車の制御方法は、ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に、電動モータによる第一補助駆動力を電動自転車に付加して走行する第一モードと、電動モータによる第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する際に、第二モードを実行するための操作を受け付ける操作部が操作を受け付けている受付状態と、電動自転車の移動を検出する移動検出部が電動自転車の移動を検出している検出状態とが重なった期間に、前記第二モードを実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、押し歩き操作に対する誤操作を起因とした電動自転車の自走を抑え、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る電動自転車の側面図である。
図2図2は、実施の形態に係る電動自転車のハンドル及び操作部の斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る電動自転車の構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態に係る電動自転車の制御方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
また、以下の説明において、「前方」とは、電動自転車の走行時の進行方向であり、「後方」とはその反対方向である。具体的には、電動自転車のサドルに対してハンドル側が「前方」である。「左右方向」は、前後方向に対して直交する方向である。
【0013】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る電動自転車1の構成について説明する。
【0014】
図1は、実施の形態に係る電動自転車1を示す側面図である。
【0015】
電動自転車1は、第一モードと、第二モードとを有する。第一モードは、例えばアシストモードであり、ペダル17へのユーザの踏力に基づく車体10の前進を補助する。第二モードには、例えば押し歩きモード又は自走モードが含まれる。押し歩きモードでは、ユーザが電動自転車1を押して歩くときに、ユーザによる車体10を前へ押す力に基づいて、車体10の前進が補助される。自走モードでは、電動自転車1を支えながら進むときの車体10の前進が補助される。
【0016】
電動自転車1は、車体10と、車体10に取り付けられたモータ駆動ユニット20と、操作部40と、バッテリー50と、前照灯60と、クランク回転センサ31と、踏力センサ33と、電流センサ130と、車速センサ243と、変速段計測部70とを備える。
【0017】
車体10は、フレーム11と、前輪12と、後輪13と、ハンドル14と、サドル15と、クランク16と、ペダル17と、スプロケット18と、チェーン19とを備える。
【0018】
フレーム11は、ヘッドパイプ111と、メインフレーム112と、立パイプ113と、フォーク114と、チェーンステー115とを備える。ヘッドパイプ111は、前輪12を支持するフォーク114及びハンドル14を、ヘッドパイプ111の軸を中心に回転自在に支持する。ハンドル14を左右に回すことで、フォーク114に支持された前輪12の向きを左右に回転させることができる。
【0019】
メインフレーム112は、ヘッドパイプ111と立パイプ113とを連結する部分である。メインフレーム112の下端部には、クランク16及びモータ駆動ユニット20が取り付けられている。本実施の形態に係る電動自転車1は、クランク16とモータ駆動ユニット20とが一体化された、いわゆるセンターユニット方式の電動自転車1である。
【0020】
立パイプ113は、サドル15を着脱可能に支持する。具体的には、立パイプ113には、サドル15を支持するシートポストが挿入されて固定される。本実施の形態では、立パイプ113に、バッテリー50が着脱可能に取り付けられている。
【0021】
フォーク114は、前輪12を回転自在に支持する。前輪12を支持するフォーク114には、前照灯60が取り付けられている。チェーンステー115は、後輪13を回転自在に支持する。
【0022】
図2は、実施の形態に係る電動自転車1のハンドル14及び操作部40の斜視図である。
【0023】
図2に示すように、ハンドル14には、一対のグリップ141及びブレーキレバー142が左右に設けられている。一対のグリップ141は、適切な姿勢で乗車された場合に、手で握られる部分である。また、一対のグリップ141は、電動自転車1を押して又は支えて歩く際にも手で握られて、前方への押力を受ける。一対のグリップ141の少なくとも一方には、握る力又は押力を検知するグリップセンサが設けられていてもよい。
【0024】
一対のブレーキレバー142は、前輪12及び後輪13の各々に取り付けられた、図示しないブレーキ装置の動作レバーである。一方のブレーキレバー142を操作することで、前輪12に取り付けられたブレーキ装置が駆動され、前輪12に対して機械的な制動力を与える。他方のブレーキレバー142を操作することで、後輪13に取り付けられたブレーキ装置が駆動され、後輪13に対して機械的な制動力を与える。
【0025】
ブレーキレバー142には、ブレーキセンサ143(図3参照)が設けられており、このブレーキセンサ143がブレーキレバー142に対する操作を検出するようになっている。
【0026】
一対のブレーキレバー142の一方(本実施の形態では左側のブレーキレバー142)の近傍には、操作部40が設けられている。操作部40は、前照灯60を点灯させるライトスイッチ(図示省略)、電源スイッチ41(図3参照)等を備えた端末装置である。また、操作部40は、機械式の手動スイッチ42を備えている。手動スイッチ42は、第二モードを実行するための押し歩き操作を受け付ける。手動スイッチ42は、例えばモーメンタリ型のスイッチである。具体的には、ユーザによって手動スイッチ42が押下されている期間には、操作部40は、第二モードを実行するための第二モードオン信号を制御装置22(後述)に出力し続ける。一方、手動スイッチ42が押下されていない期間には、操作部40は、第二モードオン信号を制御装置22に出力しない。
【0027】
図1に示すように、サドル15は、ユーザが適切な姿勢で乗車した場合に、人(ユーザ)が座る部分である。
【0028】
クランク16は、クランク軸161と、一対のクランクアーム162とを有する。クランクアーム162は、メインフレーム112の両側に1つずつ設けられており、左右方向に延びるクランク軸161の両端に固定されている。クランクアーム162の一方端がクランク軸161に固定され、他方端には、ペダル17が回転自在に固定されている。ペダル17に踏力が加えられた場合、クランクアーム162がクランク軸161を中心に回転し、当該回転による人力駆動力がスプロケット18及びチェーン19を介して後輪13に伝達される。第一モードで動作する場合には、踏力に基づく人力駆動力と、当該人力駆動力に付加された電動モータ21による第一補助駆動力とが後輪13に伝達される。
【0029】
モータ駆動ユニット20は、電動モータ21及び制御装置22が、樹脂製又は金属製の筐体に収納されてユニット化されている。
【0030】
電動モータ21は、制御装置22による制御に基づいて、バッテリー50からの電力を受けて駆動する。電動モータ21の回転トルクは後輪13のスプロケットに伝達されて、後輪13が回転する。回転トルクは、第一補助駆動力及び第二補助駆動力を意味する。また、電動モータ21は、モータ出力を出さない非駆動時に回生電力を発生させてバッテリー50を充電する回生動作を行うことができ、回生ブレーキとして作動することができる。
【0031】
電動モータ21は、第一補助駆動力及び第二補助駆動力となるモータである。電動モータ21は、第一モードを実行中に、ペダル17への踏力に基づく人力駆動力に、第一補助駆動力を付加する。また、電動モータ21は、第二モードを実行中に、電動自転車1に対する押して又は支えて歩く力に、第二補助駆動力を付加する。
【0032】
図3は、実施の形態に係る電動自転車1の構成を示すブロック図である。
【0033】
図3に示すように、制御装置22は、クランク回転センサ31、踏力センサ33、電流センサ130、車速センサ243、変速段計測部70などのセンサによるセンシング情報に基づいて、電動モータ21の動作を制御する。本実施の形態では、制御装置22は、モータ駆動ユニット20の筐体の内部に収納されているが、これに限らない。制御装置22は、モータ駆動ユニット20とは別体で設けられていてもよい。
【0034】
制御装置22は、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)などで実現され、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどで構成されている。あるいは、制御装置22は、専用の電子回路で実現されてもよい。
【0035】
制御装置22には、電動モータ21、クランク回転センサ31、踏力センサ33、電流センサ130、車速センサ243、変速段計測部70、電源スイッチ41、操作部40、バッテリー50及び前照灯60が接続されている。制御装置22には、各スイッチに対する操作信号、及び、各センサによる検出結果が入力される。
【0036】
クランク回転センサ31及び踏力センサ33は、クランク軸161の近傍に配置されている。電流センサ130は、電動モータ21の回転軸の近傍に配置されている。
【0037】
クランク回転センサ31は、単位時間当たりのクランク16の回転数を検出することができる。クランク回転センサ31は、歯車状の回転体と、回転体の歯を挟むように配置された光出射部と受光部とを有する光検出器とを有することで実現する。なお、クランク回転センサ31は、クランク16の回転数を検出することができればいかなる構成でもよい。
【0038】
電流センサ130は、電動モータ21に流れる電流値を算出する回路であり、電流値を示す電流情報を出力する。電流センサ130は、モータ回転センサ32と、モータトルクセンサ131とを有する。電流センサ130は、モータ回転センサ32が検知した単位時間当たりの電動モータ21の回転数と、モータトルクセンサ131が検知した電動モータ21のトルクとを用いて電流値を算出する。なお、電流値の算出は、モータ回転センサ32、及びモータトルクセンサ131がそれぞれ単独でも行うことが可能である。このため、電流値の算出には、モータ回転センサ32、及びモータトルクセンサ131の両方を必ず用いる必要はない。
【0039】
モータ回転センサ32は、電動モータ21の回転軸と一体的に回転する磁石と、ホールICとを有する。ホールICは、磁石の回転に応じて変化する磁界の変化を検出することで、単位時間当たりの磁石の回転数、すなわち、電動モータ21の回転数を検出する。なお、モータ回転センサ32は、電動モータ21の回転数を検出することができればいかなる構成でもよい。
【0040】
モータトルクセンサ131は、電動モータ21のトルクを検出することができる。モータトルクセンサ131は、例えば磁歪式、歪みゲージ式、光学式等のトルクセンサであるが、これに限定されず、電動モータ21のトルクを検出することができればいかなる構成でもよい。
【0041】
踏力センサ33は、磁歪式のトルクセンサであり、ペダル17への人力駆動力に基づいてクランク軸161が回転することにより発生する人力駆動力を検出する。踏力センサ33は、コイルと、磁歪発生部とを有する。例えば、ペダル17に踏力が加えられて人力駆動力が発生した場合に、磁歪発生部に歪みが発生する。磁歪発生部には、透磁率が増加する部位と減少する部位とが発生する。このコイルのインダクタンス差を検出することで、人力駆動力を検出する。なお、踏力センサ33の構成は特に限定されず、ペダル17への人力駆動力が検出できればいかなる構成でもよい。人力駆動力は、踏力と同義である。
【0042】
車速センサ243は、例えば、フォーク114の下端部に設けられている。車速センサ243は、前輪12の回転から電動自転車1の走行速度を検出し、走行速度を示す速度情報を制御装置22に送信する。つまり、車速センサ243は、電動自転車1の移動を検出する移動検出部である。車速センサ243は、例えば、速度センサ等である。車速センサ243は、電動自転車1の走行速度に関する速度情報を制御装置22に出力する。速度センサは、例えば、ホイルセンサなどであってもよいが、対地速度により算出するサイクルコンピュータであってもよく、電動自転車1の速度を検知することができればいかなる構成でもよい。
【0043】
変速段計測部70は、後輪13の変速段を計測し、変速段を示す情報を制御装置22へ送信する。変速段の計測は、例えば、変速段切替装置が出力する変速段を示す情報を制御部221に出力することで実現してもよい。
【0044】
制御装置22は、クランク回転センサ31、踏力センサ33、電流センサ130、車速センサ243、変速段計測部70などのセンサによるセンシング情報に基づいて、電動モータ21の動作、つまり、適切な第一補助駆動力及び第二補助駆動力を付与するための電動モータ21の出力を制御する。本実施の形態では、制御装置22は、モータ駆動ユニット20の筐体の内部に収納されているが、これに限らない。制御装置22は、モータ駆動ユニット20とは別体で設けられていてもよい。
【0045】
制御装置22は、バッテリー50から供給される電力を、電動モータ21及び前照灯60に供給する。
【0046】
制御装置22は、制御部221を有する。制御部221は、電動自転車1の動作モードに応じて、電動モータ21を駆動する。具体的には、制御部221は、第一モードと第二モードとを有し、第一モードと第二モードとを切り替えて実行する。
【0047】
第一モードの一例であるアシストモードは、ペダル17への踏力に基づく人力駆動力に、電動モータ21による第一補助駆動力を付加して走行するモードである。アシストモードは、電源スイッチ41が押下されて電源がオンされた後、ユーザが電動自転車1に乗車している場合に実行される。具体的には、アシストモードは、踏力センサ33で検知したペダル17への踏力が所定の閾値より大きい場合に実行される。
【0048】
第二モードは、電動モータ21による第二補助駆動力を車体10への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させるモード(押し歩きモード又は自走モード)を有する。つまり、押し歩きモードは、電源がオン状態で、ユーザが電動自転車1を押し歩く際に、電動モータ21による第二補助駆動力を車体10に付加するモードである。押し歩きモードは、ユーザが電動自転車1に乗車しておらず、電動自転車1の車体10を押しながら歩く場合に実行される。
【0049】
自走モードは、電動自転車1をユーザが支えた状態で、電動モータ21による第二補助駆動力を車体10に付加して自走させるモードである。自走モードは、押し歩きモードと同様に、人が電動自転車1に乗車しておらず、電動自転車1の車体10を支えながら歩く場合に実行される。自走モードにおいて、ユーザは、車体10を前方に押す力を加えていない。
【0050】
なお、押し歩きモードと自走モードとは、車体10に対する前方への押す力の有無によって判別可能である。制御部221は、例えば、グリップ141などに設けられたグリップセンサなどによって前方への押す力の有無を検知し、検知結果に応じて押し歩きモードと自走モードとを切り替えて実行してもよい。あるいは、制御部221は、押し歩きモードと自走モードと判別することなく、第二補助駆動力を付加する第二モードとして実行してもよい。
【0051】
制御部221は、アシストモードを実行する場合、ペダル17への踏力と電動自転車1の走行速度とに基づいて、電動モータ21が生成する第一補助駆動力の大きさを決定する。ペダル17への踏力は、踏力センサ33による検出結果から得られる。電動自転車1の走行速度は、車速センサ243によって算出される。
【0052】
なお、クランク16の回転数と電動自転車1の速度とを予め対応付けたテーブルが、制御装置22のメモリに記憶されていてもよい。制御部221は、当該テーブルを参照することで、クランク16の回転数から電動自転車1の走行速度を決定してもよい。
【0053】
アシストモードにおける第一補助駆動力は、電動自転車1の走行速度に応じて異なるが、例えば、ペダル17への踏力の2倍以下の大きさである。例えば、制御部221は、電動自転車1の走行速度が時速10km未満の場合に、電動モータ21を駆動することで、ペダル17への踏力の2倍以下の第一補助駆動力を発生させる。制御部221は、速度が時速24km以上の場合は、電動モータ21に第一補助駆動力を発生させない。制御部221は、速度が時速10km以上24km未満の場合には、電動モータ21を駆動することで、速度に応じて定められた第一補助駆動力を発生させる。
【0054】
制御部221は、受付状態と検出状態とが重なっている期間に第二モードを実行する。受付状態とは、第二モードを実行するための操作(押し歩き操作)を操作部40が受け付けている状態である。具体的には、受付状態は、ユーザによって手動スイッチ42が押下されることにより、操作部40から制御装置22に第二モードオン信号が出力されている状態である。受付状態は、押し歩き時に電動自転車1に対して第二補助駆動力を付加して欲しいという意思をユーザが示している状態であるとも言える。
【0055】
検出状態とは、移動検出部である車速センサ243が電動自転車1の移動を検出している状態である。具体的には、検出状態は、車速センサ243が検出した走行速度がゼロよりも大きくなっている状態である。検出状態は、電動自転車1の走行時に発生し、押し歩き時においても発生する。ここで、押し歩き時においては、踏力センサ33は人力駆動力を検出しない。このため、制御部221は、踏力センサ33の検出結果に基づいて、走行時に発生した検出状態か、押し歩き時に発生した検出状態かを判断することができる。換言すると、踏力センサ33が人力駆動力を検出していない場合における検出状態は、電動自転車1を押し歩こうとする意思をユーザが示している状態であるとも言える。
【0056】
このように、第二モードは、受付状態と検出状態とが重なった期間に実行されるので、例えばユーザが電動自転車1の停車時(非検出状態)に手動スイッチ42を誤操作したとしても、第二モードは実行されない。
【0057】
制御部221は、計時部222を有している。計時部222は、検出状態が継続した時間を計時する。制御部221は、受付状態が発生した後に検出状態が発生した場合には、計時部222の計時結果が所定時間以上となると、第二モードを実行する。このように、受付状態と検出状態とが揃ってから、検出状態が所定時間継続した後に第二モードが実行されるので、例えばユーザが手動スイッチ42を誤操作した直後に電動自転車1をわずかに移動させただけでは第二モードは実行されない。
【0058】
なお、制御部221は、検出状態が発生し始めてからの継続時間と、その間に車速センサ243が検出した走行速度とに基いて、検出状態が発生してからの距離を算出することが可能である。制御部221は、検出状態が所定距離だけ継続した後に第二モードを実行してもよい。
【0059】
所定時間または所定時間は、電動自転車1を押し歩こうとするユーザの意思が反映される時間または距離とする。例えば、所定時間は1秒以上であればよく、所定距離は50cm以上であればよい。
【0060】
一方、制御部221は、検出状態が発生した後に受付状態が発生した場合には、受付状態が発生した直後に第二モードを実行する。例えば、ユーザが電動自転車1を押し歩いている最中に手動スイッチ42を操作する際には、すでにユーザの電動自転車1を押し歩く意思が反映された状態である。この場合、受付状態が発生した直後に第二モードが実行されるので、時間的なロスを抑えることができる。
【0061】
制御部221は、第二モードの実行中に、受付状態及び検出状態の少なくとも一方が解除された場合には、第二モードを停止する。受付状態の解除とは、第二モードを実行するための操作を操作部40が受け付けていない状態である。具体的には、ユーザによる手動スイッチ42の押下がなくなり、操作部40から制御装置22に第二モードオン信号が出力されていない状態である。検出状態の解除とは、移動検出部である車速センサ243が電動自転車1の移動を検出していない状態である。具体的には、車速センサ243が検出した走行速度がゼロとなった状態である。
【0062】
制御部221は、車速センサ243の検出結果に基づいて、電動自転車1の停止動作を検出する停止検出部としても機能する。停止動作とは、電動自転車1が完全に停止するまでの動作である。具体的には、制御部221は、車速センサ243の検出結果がその直前よりも減速していたり、負の加速度を示している場合には、電動自転車1が停止動作を行っていると判断する。制御部221は、第二モードの実行中に、電動自転車1の停止動作を検出した場合には第二モードを停止する。また、制御部221は、第二モードの実行中に、ブレーキセンサ143がブレーキレバー142に対する操作を検出した場合には、第二モードを停止する。これらの場合には、電動自転車1の走行速度がゼロとなる前に、第二モードは停止される。
【0063】
なお、第二モードは、ペダル17への踏力が所定の閾値より大きい場合には実行されなくてもよい。つまり、第一モードと第二モードとは、排他的に実行される。
【0064】
制御部221は、第二モードを実行する場合、電動自転車1の走行速度が予め定められた上限値を超えないように、電動モータ21に第二補助駆動力を生成させる。第二モードにおける第二補助駆動力は、例えば、電動自転車1の速度が時速6km未満になる大きさである。ここでは、電動自転車1の走行速度の上限値が時速6kmとしたが、3kmでもよく、特に限定されない。
【0065】
バッテリー50は、電動モータ21の駆動用の電力を貯める蓄電池である。バッテリー50は、例えば、二次電池であるが、キャパシタなどであってもよい。バッテリー50は、電動モータ21に電気的に接続されている。具体的には、バッテリー50は電動モータ21に対して電力を供給するとともに、電動モータ21からの回生電力を充電する。
【0066】
[電動自転車の制御方法]
図4は、実施の形態に係る電動自転車1の制御方法の流れを示すフローチャートである。
【0067】
ここでは、予め電源スイッチ41がオンされている場合を想定し、電動自転車1に対して第二モードを実行させる処理について説明する。なお、第二モードの実行中に電源スイッチ41がオフになると、電動モータ21に対する電力供給が停止されるので、第二モードも停止する。
【0068】
ステップS1では、制御部221は、受付状態と検出状態とが重なったか否かを判断し、重なっている場合にはステップS2に移行し、重なっていない場合にはその状態を継続する。
【0069】
ステップS2では、制御部221は、受付状態と検出状態とが重なる際に、受付状態が先に発生していたか否かを判断し、受付状態が先に発生していた場合にはステップS3に移行し、検出状態が先に発生していた場合にはステップS4に移行する。
【0070】
ステップS3では、制御部221は、検出状態が所定時間継続されたか否かを判断し、所定時間継続された場合にはステップS4に移行し、所定時間継続されていない場合にはステップS1に移行する。
【0071】
ステップS4では、制御部221は第二モードを実行する。つまり、先に受付状態が発生してから受付状態と検出状態とが揃った場合(ステップS2でYES)には、揃ってから所定時間経過後に第二モードが実行される。一方、先に検出状態が発生してから受付状態と検出状態とが揃った場合(ステップS2でNO)には、揃った直後から第二モードが実行される。いずれの場合でも、第二モードの実行開始時には、電動自転車1は走行している。このため、制御部221は、第二モード実行直前の電動自転車1の走行速度に対応するように、第二モードでの電動モータ21の起動速度を漸増させてもよい。これにより、第二モード実行直後の衝撃を緩和することができる。
【0072】
ステップS5では、制御部221は、車速センサ243の検出結果に基づいて、電動自転車1の停止動作を検出したか否かを判断し、検出した場合にはステップS8に移行し、検出しなかった場合にはステップS6に移行する。
【0073】
ステップS6では、制御部221は、ブレーキセンサ143の検出結果に基づいて、ブレーキレバー142に対する操作を検出したか否かを判断し、検出した場合にはステップS8に移行し、検出しなかった場合にはステップS7に移行する。
【0074】
ステップS7では、制御部221は、受付状態が解除されたか否かを判断し、解除された場合にはステップS8に移行し、解除されていない場合にはステップS5に移行する。
【0075】
ステップS8では、制御部221は、第二モードを停止する。このように、第二モードは、受付状態と検出状態とが重なった期間に実行される。制御部221は、第二モードの停止後においては、この処理を終了し最初に戻る。
【0076】
[作用効果]
次に、本実施の形態における電動自転車1及び電動自転車1の制御方法の作用効果について説明する。
【0077】
上述したように、本実施の形態に係る電動自転車1は、電動モータ21を備える電動自転車1であって、ペダル17への踏力に基づく人力駆動力に、電動モータ21による第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、電動モータ21による第二補助駆動力を車体10への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部221と、第二モードを実行するための操作(押し歩き操作)を受け付ける操作部40と、電動自転車1の移動を検出する移動検出部(車速センサ243)とを備え、制御部221は、操作部40が前記操作を受け付けている受付状態と、移動検出部が電動自転車1の移動を検出している検出状態とが重なった期間に、第二モードを実行する。
【0078】
また、本実施の形態に係る電動自転車1の制御方法は、ペダル17への踏力に基づく人力駆動力に、電動モータ21による第一補助駆動力を電動自転車1に付加して走行する第一モードと、電動モータ21による第二補助駆動力を車体10への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する際に、第二モードを実行するための操作を受け付ける操作部40が前記操作を受け付けている受付状態と、電動自転車1の移動を検出する移動検出部が電動自転車1の移動を検出している検出状態とが重なった期間に前記第二モードを実行する。
【0079】
このように、第二モードは、受付状態と検出状態とが重なった期間に実行されるので、例えばユーザが電動自転車1の停車時に手動スイッチ42を誤操作したとしても、第二モードは実行されない。つまり、ユーザの意図に反した電動自転車1の自走を抑制することができる。したがって、押し歩き操作に対する誤操作を起因とした電動自転車1の自走を抑え、安全性を高めることができる。
【0080】
また、第二モードの実行開始時は、受付状態と検出状態とが重なった期間であるので、電動自転車1が走行しているときである。つまり、第二モードにおいては電動自転車1の走行時に電動モータ21が起動する。このため、電動自転車1の停車時から電動モータ21を駆動する場合と比べても、電動モータ21や各駆動部に対する負荷を低減することができる。電動モータ21に対する負荷が小さければ、起電力も小さくすることができ、結果的にバッテリー50に対する負荷も抑えることができる。また、各駆動部に対する負荷が小さければ、それだけ各駆動部に対する補強も少なくすることができる。これにより、電動自転車1自体の重量増加を抑えることができる。
【0081】
また、制御部221は、受付状態が発生した後に検出状態が発生した場合には、検出状態が所定時間または所定距離だけ継続した後に第二モードを実行する。
【0082】
このように、受付状態と検出状態とが揃ってから、検出状態が所定時間継続した後に第二モードが実行されるので、例えばユーザが手動スイッチ42を誤操作した直後に電動自転車1をわずかに移動させただけでは第二モードは実行されない。したがって、電動自転車1の安全性をより高めることができる。
【0083】
また、制御部221は、検出状態が発生した後に受付状態が発生した場合には、受付状態が発生した直後に第二モードを実行する。
【0084】
例えば、ユーザが電動自転車1を押し歩いている最中に手動スイッチ42を操作する場合は、すでにユーザの電動自転車1を押し歩く意思が反映された状態である。この場合、受付状態が発生した直後に第二モードが実行されるので、第二モードの実行開始までの時間的なロスを抑えることができる。
【0085】
また、電動自転車1は、電動自転車1の停止動作を検出する停止検出部(制御部221)を備え、制御部221は、第二モードの実行中に、停止検出部が停止動作を検出した場合には第二モードを停止する。
【0086】
例えば、ユーザがなんらかの危険を察知して電動自転車1を停車させる動作を行った場合には、その動作を起因として電動自転車1も停止動作を行う。制御部221は、この電動自転車1の停止動作に基づいて第二モードを停止するので、電動モータ21による第二補助駆動力の付加が停止される。したがって、電動自転車1を迅速に停車させることができ、安全性をより高めることができる。
【0087】
また、電動自転車1は、ブレーキレバー142に対する操作を検出するブレーキセンサ143を備え、制御部221は、第二モードの実行中に、ブレーキセンサ143がブレーキレバー142に対する操作を検出した場合には、第二モードを停止する。
【0088】
例えば、押し歩き時にユーザがブレーキレバー142を操作した場合には、制御部221が第二モードを停止するので、電動モータ21による第二補助駆動力の付加が停止される。したがって、電動自転車1を迅速に停車させることができ、安全性をより高めることができる。
【0089】
(その他)
以上、本発明に係る電動自転車及び電動自転車の制御方法について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0090】
例えば、上記の実施の形態では、移動検出部として車速センサ243を例示した。移動検出部は、電動自転車1の移動を検出することができるものならば如何なるものを採用することができる。その他の移動検出部としては、例えば、ハンドルのグリップに設けられたグリップセンサと、電動自転車1自体の振動を検出する振動センサ、GPSセンサなどが挙げられる。グリップセンサの場合には、グリップセンサが前方への押力を検出した際に、電動自転車1の移動を検出したものとする。また、振動センサの場合には、振動センサが電動自転車1自体の振動を検出した際に、電動自転車1の移動を検出したものとする。
【0091】
また、上記の実施の形態では、計時部は、制御装置に設けられているが、制御部に設けられていてもよく、制御装置の外部に設けられていてもよい。
【0092】
また、上記実施の形態において、制御装置の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0093】
また、制御装置22の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0094】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0095】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0096】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1 電動自転車
10 車体
14 ハンドル
17 ペダル
21 電動モータ
40 操作部
142 ブレーキレバー
143 ブレーキセンサ
221 制御部(停止検出部)
243 車速センサ(移動検出部)
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータを備える電動車であって、
第一の速度を上限として前記電動モータによる第一補助駆動力を車体に付加して走行する第一モードと、前記第一の速度よりも低い第二の速度を上限として前記電動モータによる第二補助駆動力を車体に付加して走行する第二モードとを切り替えて実行する制御部と、
前記第二モードを実行するための操作を受け付ける操作部と、
前記電動車の移動を検出する移動検出部とを備え、
前記制御部は、前記操作部が前記操作を受け付けている受付状態と、前記移動検出部が前記電動車の移動を検出している検出状態とが重なった期間に、前記第二モードを実行し、
前記操作部が操作され前記第二モードを実行しているときは、前記第一モードに切り替えることができない、
電動車
【請求項2】
前記車体への押力を検出するセンサを有し、
前記制御部は、前記センサの検出結果に応じて前記第二補助駆動力を前記車体に付加する、
請求項1に記載の電動車
【請求項3】
前記移動検出部は、GPSセンサである、
請求項1または2に記載の電動車
【請求項4】
前記電動モータに流れる電流値を算出する電流センサと、
変速段を計測する変速段計測部とを有し、
前記制御部は、前記移動検出部、前記電流センサ及び前記変速段計測部のセンシング情報に基づいて、前記電動モータの動作を制御する、
請求項1または2に記載の電動車
【請求項5】
前記移動検出部は、前記電動車の走行速度を検出し、
前記制御部は、前記第二モードを実行する直前の走行速度に応じて前記電動モータの起動速度を制御する
請求項1または2に記載の電動車
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、電動車に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明は、押し歩き操作に対する誤操作を起因とした電動車の自走を抑え、安全性を高めることができる電動車を提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る電動車は、電動モータを備える電動車であって、第一の速度を上限として電動モータによる第一補助駆動力を車体に付加して走行する第一モードと、第一の速度よりも低い第二の速度を上限として電動モータによる第二補助駆動力を車体に付加して走行する第二モードとを切り替えて実行する制御部と、第二モードを実行するための操作を受け付ける操作部と、電動車の移動を検出する移動検出部とを備え、制御部は、操作部が操作を受け付けている受付状態と、移動検出部が電動車の移動を検出している検出状態とが重なった期間に、第二モードを実行し、前記操作部が操作され前記第二モードを実行しているときは、前記第一モードに切り替えることができない
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】