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特開2023-175017安定性を向上させるための眼内レンズ設計
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175017
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】安定性を向上させるための眼内レンズ設計
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/16 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
A61F2/16
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023182704
(22)【出願日】2023-10-24
(62)【分割の表示】P 2021212480の分割
【原出願日】2017-05-04
(31)【優先権主張番号】62/332,163
(32)【優先日】2016-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/585,901
(32)【優先日】2017-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514185747
【氏名又は名称】クラービスタ メディカル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CLARVISTA MEDICAL,INC.
(71)【出願人】
【識別番号】308032460
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ コロラド,ア ボディー コーポレイト
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF COLORADO,a body corporate
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】カフーク、マリック ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】サスマン、グレン
(72)【発明者】
【氏名】ツァハー、ルドルフ エフ.
(72)【発明者】
【氏名】マクレーン、ポール ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アトキンソン、ロバート イー.
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA25
4C097BB01
4C097EE02
4C097EE03
4C097SA03
4C097SA06
4C097SA07
4C097SA08
(57)【要約】
【課題】例えば、IOLの前後剛性を高めること、IOLの前後寸法を増加すること、及び/又は時間の経過とともに水晶体嚢がつぶれる際にIOLが動きにくくするために水晶体嚢の赤道との接触面積を増加することによってレンズの安定性を向上させる眼内レンズ(IOL)を提供する。
【解決手段】眼内レンズは、前後方向に延びる光軸を画定する光学部分と、光学部分の周辺から半径方向外側に延びるサポート部分と、サポート部分から半径方向外側に延びる支持部と、サポート部分の周辺から前後方向に延びる隆起とを含む。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内レンズであって、
前後方向に延びる光軸を画定する光学部分と、
前記光学部分の周辺から半径方向外側に延びるサポート部分と、
前記サポート部分から半径方向外側に延びる支持部と、
前記サポート部分の周辺から前後方向に延びる隆起と
を含む、眼内レンズ。
【請求項2】
前記隆起は、前記サポート部分の前記周辺から後方にのみ延びる、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項3】
前記隆起は、前記サポート部分の前記周辺から前方にのみ延びる、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項4】
前記隆起は、前記支持部の半径方向外側周辺に沿って延び、前記支持部の先端に向かってテーパしている、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項5】
前記隆起は第一の隆起であり、
前記眼内レンズは、前記サポート部分の前記周辺から前記前後方向に延びる第二の隆起を含む、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項6】
前記第一の隆起及び前記第二の隆起は、間隙によって分離されているという点で別個のものである、請求項5に記載の眼内レンズ。
【請求項7】
前記第一の隆起は前記サポート部分の前記周辺から前方に延び、
前記第二の隆起は前記サポート部分の前記周辺から後方に延びる、請求項5に記載の眼内レンズ。
【請求項8】
前記第一の隆起及び前記第二の隆起は、前記サポート部分の前記周辺から前方にのみ延びる、請求項5に記載の眼内レンズ。
【請求項9】
前記第一の隆起及び前記第二の隆起は、前記サポート部分の前記周辺から後方にのみ延びる、請求項5に記載の眼内レンズ。
【請求項10】
眼内レンズであって、
光学部分と、
前記光学部分の周辺を囲むサポート部分であって、前方に面する表面と後方に面する表面とを含む、サポート部分と、
前記サポート部分から半径方向外側に延びる支持部と、
前記サポート部分の周辺から前後方向に延びる隆起と
を含む、眼内レンズ。
【請求項11】
前記サポート部分は、前記光学部分の前記周辺を囲む連続環状バンドを含む、請求項10に記載の眼内レンズ。
【請求項12】
前記サポート部分は、前記前方に面する表面と前記後方に面する表面との間に画定される厚さを有する、請求項10に記載の眼内レンズ。
【請求項13】
前記サポート部分は全体にわたり一定の厚さを有する、請求項12に記載の眼内レンズ。
【請求項14】
前記光学部分は、前方に面する表面と後方に面する表面とを含み、前記光学部分の前記前方に面する表面と前記後方に面する表面との間に画定される厚さを有し、前記光学部分の少なくとも一部分の前記厚さは前記サポート部分の前記厚さよりも大きい、請求項12に記載の眼内レンズ。
【請求項15】
前記光学部分は光軸を画定し、前記サポート部分の前記前方に面する表面及び前記後方に面する表面の少なくとも1つは前記光軸に実質的に垂直である、請求項10に記載の眼内レンズ。
【請求項16】
前記隆起は半径方向に面する表面を含み、前記半径方向に面する表面は、前記サポート部分の前記前方に面する表面及び前記後方に面する表面の少なくとも1つに実質的に垂直である、請求項10に記載の眼内レンズ。
【請求項17】
眼内レンズであって、
前方に面する表面と後方に面する表面とを有する光学部分と、
前記光学部分から半径方向外側に延びるサポート部分と、
前記サポート部分から半径方向外側に延びる複数の支持部と、
前記支持部の周辺及び前記サポート部分の周辺から前後方向に延びる複数の別個の隆起とを含む、眼内レンズ。
【請求項18】
前記複数の別個の隆起は、前記支持部の前記周辺及び前記サポート部分の前記周辺から前側に延びる別個の隆起の第一の対を含む、請求項17に記載の眼内レンズ。
【請求項19】
前記複数の別個の隆起は、前記支持部の前記周辺及び前記サポート部分の前記周辺から後側に延びる別個の隆起の第二の対を含む、請求項18に記載の眼内レンズ。
【請求項20】
前記複数の別個の隆起は、
前記複数の支持部のうちの第一の支持部の前記周辺及び前記サポート部分の前記周辺の第一部分から前後方向に延びる第一の隆起と、
前記複数の支持部のうちの第二の支持部の前記周辺及び前記サポート部分の前記周辺の第二部分から前後方向に延びる第二の隆起と、
を含み、
前記第一の支持部及び前記第二の支持部は、前記サポート部分の対称位置に対向する側から延び、前記サポート部分の前記周辺の前記第一部分及び前記第二部分は、前記サポート部分の対称位置に対向する側にある、
請求項17に記載の眼内レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2016年5月5日に出願された、「安定性を向上させるための眼内レンズ設計(INTRAOCULAR LENS DESIGNS FOR IMPROVED STABILITY)」と題する米国仮特許出願第62/332,163号明細書の米国特許法第119条(e)に基づく優先権の利益を主張するものであり、その全体を参照によって本願に援用する。
【0002】
本願は、2016年11月3日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計、ツール、及び方法(MODULAR INTROCULAR LENS DESIGNS,TOOLS AND METHODS)」と題する米国特許出願第15/342,806号明細書、2016年7月25日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計、ツール、及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS,TOOLS AND METHODS)」と題する米国特許出願第15/218,658号明細書、2016年6月8日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS AND METHODS)」と題する米国特許出願第15/176,582号明細書、5月9日2016年に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計、ツール、及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS,TOOLS AND METHODS)」と題する、現在は米国特許第9,421,088号明細書である米国特許出願第15/150,360号明細書、2016年5月5日に出願された、「安定性を向上させるための眼内レンズ設計(INTRAOCULAR LENS DESIGNS FOR IMPROVED STABILITY)」と題する米国仮特許出願第62/332,163号明細書、2016年4月5日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計、ツール、及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS,TOOLS AND METHODS)」と題する米国仮特許出願第62/318,272号明細書、2016年2月26日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS AND METHODS)」と題する米国特許出願第15/054,915号明細書、2015年11月17日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS AND METHODS)」と題する米国仮特許出願第62/256,579号明細書、2015年11月4日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計、ツール、及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS,TOOLS AND METHODS)」と題する米国仮特許出願第62/250,780号明細書、2015年8月17日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計、ツール、及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS,TOOLS AND METHODS)」と題する、現在は米国特許第9,364,316号明細書である米国特許出願第14/828,083号明細書、2015年7月24日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS AND METHODS)」と題する、現在は米国特許第9,387,069号明細書である米国特許出願第14/808,022号明細書、2015年1月30日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計、ツール、及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS,TOOLS AND METHODS)」と題する米国仮特許出願第62/110,241号明細書、2015年1月30日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計、ツール、及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS,TOOLS AND METHODS)」と題する米国特許出願第14/610,360号明細書、2014年2月18日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計、ツール、及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS,TOOLS AND METHODS)」と題する米国仮特許出願第61/941,167号明細書、2013年8月16日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS & METHODS)」と題する、現在は米国特許第9,289,287号明細書である米国特許出願第13/969,115号明細書、2013年7月9日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS AND METHODS)」と題する、現在は米国特許第9,125,736号明細書である米国特許出願第13/937,761号明細書、2013年6月3日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS AND METHODS)」と題する米国仮特許出願第61/830,491号明細書、2013年1月23日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS & METHODS)」と題する、現在は米国特許第9,095,424号明細書である米国特許出願第13/748,207号明細書、2012年1月24日に出願された、「IN SITU眼内レンズのレーザーエッチング及び続くレンズ二次挿入(LASER ETCHING OF IN SITU INTRAOCULAR LENS AND SUCCESSIVE SECONDARY LENS IMPLANTATION)」と題する米国仮特許出願第61/589,981号明細書、及び2012年7月30日に出願された、「モジュール式眼内レンズ設計及び方法(MODULAR INTRAOCULAR LENS DESIGNS & METHODS)」と題する米国仮特許出願第61/677,213号明細書に関し、その各々の全体を参照によって本願に援用する。
【0003】
本開示は一般に、眼内レンズ(IOL:intraocular lens)に関する。より詳しくは、本開示は、水晶体嚢内で安定性を向上させるためのIOLの設計の実施形態に関する。
【背景技術】
【0004】
人の眼は、角膜と呼ばれる透明な外側部分を通じて光を透過させ、水晶体により像を網膜に合焦させることによって視力を提供するように機能する。合焦された像の質は、眼球の大きさや形状及び角膜と水晶体の透明さをはじめとする多数の要素に依存する。
【0005】
加齢や病気により水晶体の透明度が低下すると(例えば、曇ると)、網膜へと透過できる光の量が減るため、視力が低下する。このような眼の水晶体の異常は、医学的には白内障として知られる。受け入れられているこの状態に対する治療は、水晶体を水晶体嚢から外科的に取り出し、人工眼内レンズ(IOL)を水晶体嚢に設置することである。米国においては、白内障の水晶体のほとんどが、超音波水晶体乳化吸引術と呼ばれる外科的手技により取り出される。この処置中、水晶体前嚢に切開創(切嚢)を作成し、細い超音波水晶体乳化吸引破砕チップを病変水晶体に挿入して、超音波で振動させる。振動する破砕チップによって水晶体が液化又は乳化し、水晶体を水晶体嚢の外へと吸引してよい状態となる。病変水晶体を取り出したら、IOLに置換する。
【0006】
IOL移植のための白内障手術の後は、光学的結果が最適な状態ではないかもしれない。例えば、術後まもなく、屈折力の補正が正しくなく、「屈折力サプライズ」と呼ばれることのある屈折異常の原因となっていると判断されるかもしれない。これは、一部、術後、水晶体嚢内でIOLが動くことに起因し得る。多くの場合シャインプルーフ写真撮影(例えば、ペンタカム(Pentacam)、オキュラス(Oculus)、ドイツ)を使用して測定される有効レンズ位置(ELP:Effective lens position)は、角膜の前方表面から水晶体の前方表面までの前後距離(前房深度又はACDとして知られる)の尺度である。ELPは、術後に大きく変化する可能性があり、ELPの1.0mmのずれは、視力のジオプトリ3.0の変化に相当する。したがって、術後により安定であり、ELPの変化を軽減し、屈折力サプライズを低減するIOLに対するニーズがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態は、例えば、IOLの前後剛性を高めること、IOLの前後寸法を増加すること、及び/又は時間の経過とともに水晶体嚢がつぶれる際にIOLが動きにくくするために水晶体嚢の赤道との接触面積を増加することによってELP安定性を向上させるIOLを提供する。これらIOLは、非モジュール式、一体式若しくはモノリシック式(即ち、単一部品)、又はモジュール式(複数部品)であってもよい。モジュール式の実施形態では、IOLシステムは、組み合わされるとモジュール式IOLを形成する眼球内ベースと光学部品とを含んでもよい。
【0008】
1つの実施形態において、モジュール式IOLは、半径方向に外側に延びる2つの支持部を有する環状のベースを含む。ベースには中央穴と内周面が画定されてもよく、内周面に沿って半径方向に内側に開放する凹部があってもよい。モジュール式IOLシステムはまた、光学本体を有するレンズを含み、第一及び第二のタブが光学本体から半径方向に外側に延びる。ベースとレンズは、レンズの第一及び第二のタブをベースの凹部の中に入れて組み立てられてもよい。ベースは、アセンブリの前後剛性を高めるためにレンズよりも大きな前後寸法を有してもよい。ベースは、また、水晶体嚢内における前後のずれを軽減するために水晶体嚢内の前後寸法(即ち、水晶体嚢の尖(leaflet)の間)に近い前後寸法を有してもよい。
【0009】
別の実施形態では、モジュール式IOLは、従来のレンズを受け入れるように構成されたベースを含む。ベースは、中心穴と、2つの半径方向外側に延びる支持部と、従来のレンズを支持部とともに受け入れるための内側突起とを有する環状体であってもよい。ベースとレンズは、レンズの周辺がベースの突起上に載り、レンズの支持部がベースのスロット内に延びる状態で組み立てられてもよい。本明細書中に記載される他の実施形態と同様に、ベースは、アセンブリの前後剛性を高めるために、レンズよりも大きな前後寸法を有してもよい。加えて、ベースは、また、水晶体嚢内における前後のずれを軽減するために水晶体嚢内の前後寸法(即ち、水晶体嚢の尖の間)に近い前後寸法を有してもよい。
【0010】
更に別の実施形態では、非モジュール式IOLは、前後剛性を高めるために光学部の周りに拡張環状縁を含む。拡張環状縁は、水晶体嚢内の前後寸法(即ち、水晶体嚢の尖の間)に近い前後寸法を有してもよい。インジェクタによる送達のために折り畳むことができるようにするために縁内に間隙が設けられてもよい。縁は半径方向外側に延びて、光学部と光学部から延びる支持部との間に突出部を形成してもよい。
【0011】
本開示の実施形態によるIOLは、固定単焦点、多焦点、トーリック、調節可能、及びこれらの組合せを含む様々な種類のIOLに適用されてよい。それに加えて、本開示の実施形態によるIOLは、例えば白内障、近視(myopic、near-sighted)、遠視(hyperopic、far-sighted)、乱視眼の重度の屈折異常、水晶体転移、無水晶体症、偽水晶体症、及び核硬化症の治療に使用されてもよい。
【0012】
本開示の実施形態のその他の様々な態様及び利点は、以下の詳細な説明と図面に記されている。
図面は本開示の例示的実施形態を示している。図面は必ずしも正確な縮尺によらず、同じ番号が付された同様の要素を含んでいるかもしれず、寸法(ミリメートル単位)及び角度(度単位)が必ずしも限定ではなく例として含まれているかもしれない。図中、
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】断面で示される人の眼の概略図である。
図2】矢状断面で示されるヒトの眼の水晶体の概略図である。
図3A】本開示によるモジュール式IOLの斜視図である。
図3B図3Aに示すモジュール式IOLの性能を市販のIOLの性能と比較したベンチテストの結果のグラフである。
図4A図3Aに示すモジュール式IOLのベースの、それぞれ、斜視図、上面図、断面図、及び詳細図である。
図4B】同上。
図4C】同上。
図4D】同上。
図5A図3Aに示すモジュール式IOLのレンズの、それぞれ、斜視図、上面図、断面図、及び詳細図である。
図5B】同上。
図5C】同上。
図5D】同上。
図5E】同上。
図6A】本開示による代替的なモジュール式IOLの、それぞれ、斜視図及び断面図である。
図6B】同上。
図7A】本開示による、従来のIOLと共に使用するための代替的なベースの斜視図である。
図7B】同上。
図8A】本開示による非モジュール式IOLの、それぞれ、斜視図、断面図、及び上面図である。
図8B】同上。
図8C】同上。
図9A】本開示による代替的な非モジュール式IOLの斜視図である。
図9B】同上。
図10A】本開示による別の代替的な非モジュール式IOLの、それぞれ、上面図及び断面図である。
図10B】同上。
図11A】本開示による更に別の代替的な非モジュール式IOLの、それぞれ、上面図及び断面図である。
図11B】同上。
図12A】本開示による更なる代替的な非モジュール式IOLの、それぞれ、上面図及び断面図である。
図12B】同上。
図13A】本開示による種々の代替的な非モジュール式IOLの斜視図である。
図13B】同上。
図13C】同上。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、添付の図面に示される本開示の例について詳細に述べる。可能な限り、同一又は同様の部分を参照するために、図面の全体を通して同じ参照番号が使用される。以下の記載では、「約(about)」、「実質的に(substantially)」、「約(approximately)」等の相対的用語は、特段の他の変動値が示されない限り、記載される値、数値その他の考えられる±10%の変動値を示すために使用される。
【0015】
図1を参照すると、人の眼10が断面で示されている。眼10は、いくつかの目的のために光に反応する器官と説明されている。知覚反応を伴う感覚器官として、眼は視力を提供する。網膜24の桿体細胞及び錐体細胞により、色の違いや奥行き感覚を含む知覚反応を伴う光の認識と視力が得られる。それに加えて、人の眼の網膜24内の結像しない光感受性神経節細胞が、瞳孔の大きさの調節、メラトニンホルモンの調節と抑制、及び体内時計の同調に影響を与える光信号を受け取る。
【0016】
眼10は、正確には球でなく、むしろ2つの部分の融合体である。小さい方の前側部分は、より湾曲しており、角膜12と呼ばれ、強膜14と呼ばれる大きい方の部分に連結されている。角膜部12は典型的に、半径約8mm(0.3インチ)である。強膜14は残りの6分の5を構成し、その半径は典型的に約12mmである。角膜12と強膜14は、角膜輪部と呼ばれるリングにより接続される。角膜12は透明であるため、角膜12の代わりに眼の色である虹彩16とその黒い中心である瞳孔が見える。眼10の中を見るには、光が外部に反射されないため、検眼鏡が必要である。眼底(瞳孔の反対の領域)は、黄斑28を含み、特徴的な青白い視神経円盤(視神経乳頭)を示し、この位置において、眼に入る血管が通過し、視神経繊維が眼球から出る。
【0017】
それゆえ、眼10は3つの膜から構成され、3つの透明な構造を取り囲む。最も外側の層は角膜と12と強膜14で構成される。中間の層は脈絡膜20、毛様体22、及び虹彩16からなる。最も内側の層は網膜24であり、これは脈絡膜20の血管及び網膜血管からその循環を得ており、これは検眼鏡の中で見ることができる。これらの膜の中には眼房水、硝子体26、及び柔軟な水晶体30がある。眼房水は2つの領域、すなわち角膜12及び虹彩16と水晶体30の露出領域との間の前眼房と虹彩16と水晶体30との間の後眼房に収容された透明な流体である。水晶体30は、細かい透明な繊維で構成される毛様体堤靭帯32(チン小帯)により毛様体22に懸垂されている。硝子体26は、眼房水よりはるかに大きい透明なゼリーである。
【0018】
水晶体30は眼内の透明な両面凸形状構造であり、角膜12と共に、網膜24に合焦されるように光を屈折させるのを助ける。水晶体30は、その形状を変えることによって、眼の焦点距離を変えて様々な距離で物体にピントを合わせることができるように機能し、それによって関心対象の物体の鮮鋭な実像が網膜24上に形成される。水晶体30のこの調節は調節作用として知られ、写真用カメラのそのレンズの移動による合焦と似ている。
【0019】
水晶体は3つの主要部分、すなわち水晶体包被膜、水晶体上皮細胞、及び水晶体線維細胞を有する。水晶体包被膜は水晶体の最も外側の層を形成し、水晶体線維細胞は水晶体内部の大部分を形成する。水晶体上皮細胞は、水晶体包被膜と水晶体線維細胞の最も外側の層との間に位置し、主として水晶体の前側にあるが、水晶体赤道を少し越えて後方まで延びる。
【0020】
水晶体包被膜は平滑で透明な基底膜であり、水晶体を完全に取り囲む。水晶体包被膜は弾性があり、コラーゲンからなる。これは、水晶体上皮細胞により合成され、その主成分はIV型コラーゲンと硫酸化グリコサミノグリカン(GAG)である。水晶体包被膜は弾性に富み、そのため、水晶体は水晶体包被膜を毛様体22に接続する小帯繊維が緊張していないときにはより球形となる。水晶体包被膜の厚さは、水晶体赤道付近の最も厚い部分から眼底後極部付近の最も薄い部分まで約2~28マイクロメートルと変化する。水晶体包被膜には、水晶体後部より大きい前部の曲率が関係していてもよい。
【0021】
水晶体30の様々な病変や疾患は、IOLで治療されてもよい。例えば、必ずしも限定ではないが、本開示の実施形態によるIOLは、白内障、近視(myopic、near-sighted)、遠視(hyperopic、far-sighted)、及び乱視眼の重度の屈折異常、水晶体転移、無水晶体症、偽水晶体使用、及び核硬化症の治療に使用されてもよい。しかしながら、説明を目的として、本開示のIOLの実施形態を、高齢者に生じることが多い白内障に関して述べる。
【0022】
図2に見られるように、水晶体30の形状は、視軸37の周りでほぼ対称である。しかしながら、水晶体30は矢状面39の周りで対称ではない。むしろ、水晶体30の前側面33は、後側面35の曲率半径(R)よりも大きな曲率半径(R)を有する。赤道直径(D)はより前側にあり、後方水晶体厚さ(T)は前方水晶体厚さ(T)よりも大きい。
【0023】
Rosenら(2006)は、赤道直径D、後方水晶体厚さT、前方水晶体厚さT、及び前方曲率半径Rは年齢と共に変化する一方、後方曲率半径R及びTとTとの比は一定のままであることを示唆するデータを公開している。最適適合の線形方程式を用いて、Rosenらは、これらパラメータに対する以下の年齢依存方程式を記載している(全てmm):
D=0.0138(±0.002)*年齢+8.7(±0.14)(R=0.57;p<0.0001)、
=0.0049(±0.001)*年齢+1.65(±0.075)(R=0.45;p<0.0001)、
=0.0074(±0.002)*年齢+2.33(±0.11)(R=0.44;p<0.0001)、
=0.046(±0.017)*年齢+7.5(±1.13)(R=0.27;p=0.016)、
=-5.5(±0.9)、及び
/T=0.70(±0.13)。
【0024】
これらデータ又は他の実験的に測定されたデータを使用して、例えば、限定的ではないが、平均年齢70歳の高齢患者の白内障などの、特定の年齢群の水晶体の形状及び寸法を示してもよい。このようなデータは、水晶体嚢内に配置するのに利用可能なスペースを決定するのに有用であり得る。例えば、眼用インプラント(IOLなど)は赤道面において中心を定められ、前後高さ「H」がその中心点から半径方向距離「X」にあると仮定する。また、インプラントの前側面及び後側面を半径方向距離Xにおいて水晶体嚢の壁と接触させてインプラントの移動を軽減することが望まれると仮定する。赤道面に沿った、視軸37から任意の所与の半径方向距離(X)における水晶体包被膜の高さ(H)を決定するために数学的モデリングを使用してもよい。
【0025】
総高さHは、前方高さ(H)と後方高さ(H)との合計に等しい。前方高さ(H)は、方程式H=Y-(R-T)によって与えられてもよい。R及びTは実験的に既知であるが、赤道面からの距離(Y)は、方程式Y=(R -X)^0.5によって与えられてもよい。これら方程式を組み合わせると、前方高さは、H=(R -X)^0.5-(R-T)によって与えられてもよく、実験によって得られるデータを用いて解いてもよい。後方高さ(H)は、後方半径(R)及び後方厚さ(T)を用いて同様に計算してもよく、実験によって得られるデータを用いて解いてもよい。前方高さ(H)に後方高さ(H)を加えると視軸から距離(X)における総高さ(H)が得られる。したがって、インプラントが水晶体嚢の前壁及び後壁に接するように、半径方向距離Xにおける眼内インプラントの所望の高さ(H)が推定されてもよい。同文献に記載されている別の数学モデルも使用してよい。
【0026】
以下の詳細な説明では、モジュール式IOLシステム及び非モジュール式IOLシステムの種々の実施形態を記載する。任意の一実施形態に関して記載される特徴は、他の実施形態に適用し、組み込んでもよい。
【0027】
図3Aを参照すると、ベース400とレンズ500は、組み立てられると、モジュール式IOL300の一実施形態を形成する。モジュール式IOL300の概要を以下に述べる。更なる詳細は、参照によって全体が本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第62/318,272号明細書に記載されている。
【0028】
図4A~4Dを参照すると、ベース400が詳細に示されている。図4Aは斜視図であり、図4Bは上面図であり、図4C図4Bの線A-Aに沿った断面図であり、図4D図4Cの円Cの詳細な断面図である。寸法(mm)は例として示され、必ずしも限定ではない。
【0029】
ベース400は、中央穴404を画定する環状リング402を含む。一対の支持部406は環状リング402から半径方向に外側に延びる。環状リング402は、下縁408、上縁410、及び内側に面する凹部412を含み、その中にレンズ500を挿入して、モジュール式IOL300を形成してもよい。
【0030】
環状リング402の上縁410は1つ又は複数のノッチ416を含んでいてもよく、これは術中に、ベース400をより扱いやすくするプローブ(例えば、シンスキ・フック)の挿入口を提供する。支持部406は、ノッチ416と同じ目的で、環状リング402の付近に穴415を含んでいてもよい。一対の四角いエッジ417が環状リング402の後方周辺に沿って延びていてもよく、レンズ500上への細胞増殖(後発白内障、すなわちPCO(posterior capsular opacification))の低減化に役立つ。
【0031】
特に図4Dに関して、凹部412の深い部分は、水平の後面418、水平の前面420、及び垂直の側面又は外面422により画定される四角い形状を有していてもよい。凹部はまた、水平の前面420から半径方向に内側に、前方の外側に向かって延びるフレア状の前面426と、水平後面418から半径方向に内側に、後方の外側に向かって延びるフレア状の後面428も含んでいてよい。後縁408の内径は前縁410の内径より小さくてもよい。この構成により、レンズ500は、前縁410により画定される円形の開口を通って設置されて、後縁の上に着座し、又は載ってもよく、フレア状の前壁426は、フレア状の後壁428と共に、レンズ500のタブ504及び506を凹部412の深い部分の中に案内するための漏斗として機能してもよい。凹部412の中に完全に嵌められた後に、水平な後壁418、水平な前壁420、及び垂直な側壁422は、タブ504及び506の、対応する水平及び垂直面と勘合する形状を形成し、レンズ500のベース400に関する前方、後方、及び半径方向への移動を制限する。
【0032】
図4Dで最も良くわかるように、ベース400は、前後高さH=H+Hを有してもよく、式中、Hは約1mm、Hは、中心点CPから約3.2mmの半径方向距離において約0.5mm、Hは、中心点CPから2.65mmの半径方向距離において約0.5mmである。しかしながら、上述のように、天然水晶体30の後方厚さTは天然水晶体30の前方厚さTよりも大きい。このため、これら相対寸法は調整してもよい。例えば、モジュール式IOL300が水晶体嚢内に移植されるとベース400の矢状中央平面MPが水晶体30の赤道面と整列する(+/-0.5mm)ように、HはHよりも大きく作製してもよい。H/H比は、例えば、約0.7(±0.3)で一定であってもよい。加えて、Hは、水晶体嚢内に移植されると、前縁410の最前部が水晶体30の前側面33に非常に近接し(0.5mm以内)、後縁408の最後部が水晶体30の後側面35に非常に近接する(0.5mm以内)ように選択されてもよい。したがって、例えば、限定的ではないが、Hは、中心点CPから約2.75mm~3.25mmの半径方向距離において約0.5mm~1.0mmであってもよく、Hは、中心点CPから2.25mm~2.50mmの半径方向距離において約0.75mm~1.5mmであってもよく、例えば、約0.7(±0.3)の一定のH/H比を維持する。
【0033】
図5A~5Eを参照すると、レンズ500が詳細に示されている。図5Aは斜視図であり、図5Bは上面図であり、図5C図5Bの線A-Aに沿った断面図であり、図5D図5Cの円Bの詳細断面図であり、図5E図5Bの円Cの詳細上面図である。寸法(mm)は例として示され、必ずしも限定ではない。
【0034】
レンズ500は、光学部分502と1つ又は複数のタブ504及び506を含んでいてもよい。図のように、タブ504は固定され、その一方でタブ506は可動的であってもよい。固定タブ504は貫通穴208を含んでいてもよく、それによってプローブ(例えば、シンスキ・フック)又は同様の器具を使って穴208と係合させ、タブ504を操作してもよい。可動タブ506は、ベース400の穴404の中に送達するための圧縮位置と、ベース400の凹部412の中に配置して、それゆえベース400とレンズ500との間に勘合接続を形成するための圧縮されていない伸展位置(図の通り)との間で作動させてもよい。また、可動タブ506を凹部412に挿入してもよく、固定タブ504を凹部412の中に入れやすくする圧縮位置と、固定タブ504を凹部412の中にさらに挿入して、ベース400とレンズ500との間に勘合接続を形成するための圧縮されていない伸展位置との間で作動させてもよいことも想定される。
【0035】
可動タブ506は2つの部材510及び512を含んでいてもよく、各々の一端は光学部502の縁辺に接続され、もう一方の端は自由であり、それゆえ2つの片持ちばねが形成される。縁514は光学部502の周辺に沿って延び、ばね510及び512を避けて終了していてもよく、それゆえ、ばね510及び512は光学部502の縁辺に当たって完全に圧縮できる。レンズ500の縁514の外径は、ベース400の後縁408の内径より大きくてもよく、それによってレンズ500はベース400の開口404から落ちず、また、レンズ500はその周辺に沿ってベース400の後縁408により円周方向に支持される。案内穴516を有するガセットは2つの部材510及び512間に配置されてもよく、これはプローブによる操作を容易にする。同様に、案内穴508は固定タブ504の中に提供されてもよく、これはタブ504を操作してベース400の凹部412の中に入れるためのプローブ(例えば、シンスキ・フック)又は同様の器具の挿入口を提供する。ノッチ518は固定タブ504に提供されてもよく、これは、ノッチが穴508の反時計回り方向にあるときに前側が(下ではなく)上になることを示す視覚的表示となる非対称を提供する。
【0036】
図5Cにおいてわかるように、光学部502の前側及び後側は、光学部の所望の屈折力(ディオプトリ)に対応する凸形半径を有していてもよい。固定タブ504とばねタブ510及び512は、図のようなフレア状の断面を有していてもよい。より具体的には、また図5Dに示される詳細図からよりよくわかるように、固定タブ504は、光学部502から半径方向に外側に、より薄い内側部分504Bからフレア状のより厚い外側部分504Aへと延びる。穴508は、より薄い内側部分504Bを通じて延びていてもよい。より厚い部分504Aの最も外側の形状は、前述のように凹部412と勘合してベース400に関するレンズ500の前後及び半径方向/横方向の移動を最小化する前方水平面と後方水平面と側面又は外側垂直面による正方形の形状を有する。より厚い部分504Aはまた、インジェクタのプランジャとよりよく係合することになり、レンズ500がインジェクタ内に詰まりにくくする。より薄い部分504Bによっても、ベース400の凹部412を画定する表面から前方及び後方へのオフセット部が提供され、それによってレンズ500とベース400との間が接着しにくくなる。同じフレア状の構成及び関連する利点は、図のように、ばねタブ510及び512の各々にも当てはまる。
【0037】
市販のIOLは典型的に、赤道上の直径(支持部を除く)が約6mmであり、前後厚さが6mmの直径部分で約0.2mm、中央で0.7mmであり、全体の体積は約12mmを提供する。レンズ500は同様の寸法であるが、ベース400により体積は実質的により大きくなる。ベース400は、赤道上の直径(支持部を除く)が約7.8mmであり、前後厚さが約1mmであり、レンズがベース内に配置されたときに全体の体積は約26立方ミリメートル[ベースが13.4mm、支持部が12.5mm]を提供する。それゆえ、組み立てられたモジュール式IOL300の大きさは、体積において、市販されている従来のIOLよりはるかに大きい。この比較的大きい体積は、水晶体嚢をより天然の水晶体のように満たすためのものであり、それゆえ、ベース400とレンズ500の安定性が増し、ベース400の周囲での水晶体嚢の虚脱による術後転移が軽減される。比較として、対応する約180mmの体積の場合、典型的な天然の水晶体の赤道上直径は約10.4mm、前後寸法は約4.0mmである。解剖学的なばらつきにより、天然の水晶体の体積は130mm~250mmの範囲であってもよい。それゆえ、モジュール式IOL300(ベース400とレンズ500)は、天然の水晶体が抽出された後の水晶体嚢の体積のうちの10%を超える部分(約20%~10.4%)を占め、それに対して従来のIOLが占めるのは水晶体の体積の10%以下(約10%~5%)である。換言すれば、モジュール式IOL300は、従来のIOLと比較して、水晶体嚢の体積を約2倍使用する。
【0038】
また、従来のIOLと比較すると、モジュール式IOL300は、ベース400の環状リング402によって、比較的大きな直径、及び歪みに耐える硬質プラットフォームを提供する(即ち、矢状面における剛性が増加することで前後安定性が向上する)。水晶体嚢との表面接触の大幅な相対的増加をもたらす比較的長い弧を描くように延びる支持部406と合わせて、モジュール式IOL300は水晶体嚢内における優れたセンタリング及び安定性を提供する。
【0039】
歪みに耐える能力はモジュール式IOL300の性能と市販のIOL(Alcon型式A60)の性能を比較するベンチテストにおいて実証され、その結果を図3Bに示した。試験セットアップにおいて、試験用IOLを内径10mmの模擬水晶体嚢内に配置し、アセンブリを温浴中に沈めた。試験用IOLが水平方向にある間にその中央に様々な荷重をかけ、生じた下方変位を測定した。図3Bに示される結果からわかるように、市販のIOLはモジュール式IOL300が変位した量のおよそ5倍の量変位し、市販のIOLは、支持部が模擬水晶体嚢から外に変位したため0.058グラムの荷重を支持し損なった。これは、一般的な市販のIOLと比較した場合のモジュール式IOL300の剛性の大幅な相対的増加を実証するものである。
【0040】
この試験セットアップは、F=keqΔxで表され、式中、F=印加される力、keq=等価剛性及びΔx=変位である、2つの単純な支持物を備える梁にかかる中心荷重の力学的モデルと比較され得る。等価剛性は梁の断面慣性モーメント及び梁の材料特性(ヤング率)を考慮する。しかしながら、IOLは(金属などの弾性材料よりもむしろ)プラスチック製であるため、等価剛性は印加される力の範囲にわたって変化する。記載されるベンチテストでは、モジュール式IOL300は、印加した0.032~0.100gの荷重の範囲にわたって約0.5~2.0g/mmの等価剛性を有していた、その一方で、市販のIOLは、印加した0.032~0.044gの荷重の範囲にわたって約0.15~0.20g/mmの等価剛性を有していた。
【0041】
一般に、ベース400とレンズ500とを組み立ててモジュール式IOL300を形成する場合、これらの特徴は、光学部502の中央平面がベース400の中央平面と平行になり、光学部502の中心(前後)軸がベース400の中心(前後)軸と一致し、共線的になるように構成されていてもよい。天然の水晶体包被膜が解剖学的に対称で水晶体包被膜内においてベース400が中央にあると仮定すると、この構成では光学部502の中心軸が水晶体嚢の中心(前後)軸と基本的に整列し、光学部502が中央に置かれる。しかしながら、視軸(中心窩軸)が解剖軸(瞳孔中心線)と整列しない場合があり、この差はκ角と呼ばれる。このような例では、光学部500の中心軸をベース400に対してずらすことで偏位を提供することが望ましい場合がある。これは、例えば、タブ504及びタブ506、凹部412及び/又は支持部406を、光学部502の中心(前後)軸がベース400の中心(前後)軸に対して横方向に(鼻側又はこめかみ側に)ずれるように構成することによって達成されてもよい。
【0042】
例えば、限定的ではないが、ベース400の凹部412を画定する側壁は、支持部406に対してずらされてもよく、そのため光学部502の中心軸がずれる。例えば、0.5mm~2.0mmまで0.5mm間隔で異なるずれを設けることができる。ベース400とレンズ500に角方位マークが設けられてもよく、これはずれの方向(鼻側又はこめかみ側)を示す。同様に、組み立てられたベース400と光学部500の中央平面は、天然の水晶体包被膜の赤道面に対して傾斜していてもよい。この傾きを補償するために、例えば、タブ504及びタブ506、凹部412及び/又は支持部406は、光学部502の中央平面がその反対に傾けられるように構成されていてもよい。
【0043】
ベース400及びレンズ500は、本明細書中に記載されている代替的な実施形態を含め、疎水性アクリル材料を極低温で切削加工及び研磨することによって形成されてもよい。任意選択的に、ベース400は、2つの(前側及び後側)部品を形成し、これらを接着剤で一体に接続することによって製造されてもよい。例えば、2つの部品は、紫外線硬化性接着剤により一体に接続された親水性アクリル樹脂を極低温で切削加工したものであってもよい。あるいは、2つの部品は、接着剤で一体に接続される異なる材料から形成されていてもよい。例えば、前側部品は眼球組織に接着しない親水性アクリル樹脂で形成されていてもよく、後側部品は眼球組織に接着する疎水性アクリル樹脂で形成されていてもよい。
【0044】
別の代替案として、ベース400は第一の部品を極低温切削加工し、第二の部品をオーバーモールドすることによって製造されてもよい。第一の部品は、オーバーモールドされたときに相互に勘合する形状的特徴を含んでいてもよく、それゆえ部品を接続するための接着剤が不要となる。例えば、ベース400は、親水性アクリル樹脂を極低温切削加工して後側部品を形成し、シリコーンなどの成形可能材料の前側部品をオーバーモールドすることによって製造されてもよい。
【0045】
疎水性アクリル樹脂によってベース400とレンズ500は、光干渉断層撮影(OCT:optical coherence tomography)を使って可視化されるが、OCTの可視化を向上させる材料を取り入れることが望ましい場合がある。例示的な「OCT好適」材料には、参照によって本願に援用されるエラーズ(Ehlers)らの米国特許出願公開第2013/0296694号明細書に記載されているように、ポリ塩化ビニル、グリコール修飾ポリ(エチレンテレフタレート)(PET-G)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、及びRADEL(商標)のブランド名で販売されているようなポリフェニルスルホンが含まれるが、これらに限定されない。このようなOCT好適材料は、ベース400又はレンズ500の一部に適用され、又は組み込まれてもよい。
【0046】
例えば、OCT好適材料の同心円リングは、下縁及び上縁408/410の各々に適用されてもよい。リングは、ベースの傾きの検出に役立つように異なる直径を有していてもよい。また、例えば、OCT好適材料はレンズ500のタブ504/506に適用されてもよい。これは、ベース400とレンズ500が眼内で正しく組み立てられたか否かを判断するのに役立つ可能性がある。OCT好適材料の点は、ベース400のうち、光学部500上の対応するOCT好適点と整合する部分に適用されてもよく、これは眼内での正しい組立を示す。
【0047】
中実材料の代わりに、ベース400及びレンズ500は、眼内で後に膨らませることのできる中空材料で作製されてもよい。この構成では、ベース400及びレンズ500は例えば成形シリコーンから作製され、シリンジ及び針を用いて生理食塩水、シリコーンゲル等の液体で膨らませてもよい。針は、眼内に移植後のベース400及びレンズ500の壁を突き刺してこれらの部品を膨らませてもよい。材料は針を抜くと自己封止してもよい。中空材料の代わりに、ベース400及びレンズ500は、加水により膨張するシリコーンヒドロゲルなどのスポンジ状材料で形成されてもよい。いずれの手法も角膜切開創の大きさを小さくすることができ、これは、ベース400とレンズ500を膨らませない状態又は膨張していない状態で送達し、その後、眼内に入れられたところで膨らまされる又は膨張させるからである。
【0048】
一般に、組み立てられたベース400とレンズ500を含むモジュール式IOL300では、本明細書に記載されている代替的な実施形態を含め、ベース400を所定の位置に残したまま、レンズ500を術中、術後の何れにも調整又は交換できる。これが望ましいかもしれないケースの例には、術中に検出された最適に至らない屈折力の結果を矯正するためにレンズ500を交換する場合、術後に検出された最適に至らない屈折力の結果(残留屈折異常)を補正するためにレンズ500を交換する場合、レンズ500をベース400に関して回転しながら調整することにより、トーリック矯正を微調整する場合、レンズ500をベース400に関して横方向に調整することにより、光学部を真の光軸(水晶体嚢の中心ではないかもしれない)と整列させる場合、及び時間を追って変化する患者の光学的ニーズ又は要望に対応するためにレンズ500を交換する場合が含まれるが、これらに限定されない。この場合の例には、これらに限定されないが、当初の光学的矯正の必要性が加齢又は成長と共に変化する成人又は小児のIOL患者、単焦点IOLからプレミアムIOL(トーリック、多焦点、調節又はその他の特徴を持つレンズ技術)にアップグレードしたい患者、そのプレミアムIOLが不満足であり、多焦点IOLにダウングレードしたい患者、及びIOL又は特定の種類のIOLが禁忌である医学的状態を進行させた患者が含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
図6A及び図6Bを参照すると、代替的なモジュール式IOL330がそれぞれ斜視図及び断面図で示されている。代替的なモジュール式IOL330は、上述のように代替的なベース600及びレンズ500を含んでもよい。以下の説明によって理解されるように、代替的なベース600は前縁610及び後縁608以外はベース400に類似してもよく、類似する態様及び利点の記載は参照により本明細書中に援用される。代替的なベース600は、中心穴を画定する環状リングを含む。支持部606の対が環状リングから半径方向外側に延びる。環状リングは、下縁608と、上縁610と、内側に面する凹部612とを含み、内側に面する凹部612にレンズ500を挿入してモジュール式IOL330を形成してもよい。
【0050】
図6Bを特に参照すると、下縁608及び上縁610は、比較的誇張された高さを有することができ、半径方向内側に角度を成して凹部612に通じる漏斗を形成してもよい。この配置構成によって、レンズの作動可能なタブ506は圧縮されてもよく、レンズ500は、前縁610により画定される円形の開口を通って配置されてもよく、前縁610の漏斗形状はタブ504及びタブ506をベース600の凹部612に案内し、勘合する形状を形成してベース600に対する前方、後方及び半径方向のレンズ500の動きを制限する。後縁608の漏斗形状は、レンズ500をベース600に挿入する間にレンズ500が後側に落下するのを防ぐ。
【0051】
ベース600は例として示される寸法を有してもよいが、必ずしも限定的ではない。図6Bで最もよくわかるように、ベース400の縁608及び縁610は、レンズ500の光学部分502の最大厚さの2.0~3.0倍(又はこれを超える)の前後合計高さを有してもよい。例えば、中心点から約2.9mmの半径方向距離における縁608と縁610の合計高さは約3mmであってもよい。上述のように、モジュール式IOL330が水晶体嚢内に移植されたときにベース600の矢状中央平面が水晶体30の赤道面と整列する(+/-0.5mm)ように、後縁608の高さは前縁610の高さよりも高く作製されてもよい。後縁608に対する前縁610の高さの比は、例えば約0.7(±0.3)など1.0未満の値で一定であってもよい。示されるように、前縁610と後縁608の合計高さは、水晶体嚢内に移植されると、前縁610の最前部が水晶体30の前側面33に非常に近接する(0.5mm以内)又は水晶体30の前側面33に押しつけられ、後縁608の最後部が水晶体30の後側面35に非常に近接する(0.5mm以内)又は水晶体30の後側面35に押しつけられるように選択される。
【0052】
図7A及び図7Bを参照すると、従来のIOL100と共に使用するための代替的なベース700が斜視図で示されており、図7Aは、ベース700を単独で示し、図7Bは、ベース700と従来のIOL100を組み合わせて組み立て、モジュール式IOL360を形成したものを示す。代替的なベース700は逆T字スロット730を除いては上述のベース400に類似し、類似の態様及び利点の記載は参照により本明細書に援用される。
【0053】
ベース700は、中心穴704を画定する環状リング702を含む。支持部706の対が環状リング702から半径方向外側に延びる。環状リング702は、下縁708と、上縁710と、内側に面する凹部712とを含み、内側に面する凹部712に従来のIOL100を挿入してモジュール式IOL360を形成してもよい。環状リング702の上縁710は、術中にプローブ(例えば、シンスキ・フック)にアクセスを与えるための1つ以上のノッチ716を含んでもよく、これによってベース700をより容易に操作することを可能にする。支持部706は、環状リング702に隣接する穴715を、ノッチ716と同じ目的で含んでもよい。
【0054】
環状リング702は、従来のIOL100の、対称位置に対向する支持部106を収容するための逆T形スロット730の対を含んでもよい。従来のIOL100の支持部106がスロット730内に配置されると、従来のIOL100の光学部分102の後側面は後縁708の前方表面に載ってもよい。支持部106の角度に適応し、IOL100をベース700に対して回転させたときにIOL100をベース700にロックするために、スロット730の後方部分は、その前方部分よりも大きな幅を有してもよい。ベース700を付加することで従来のIOL100の前後の剛性及び高さを付加し、それによりその安定性を向上させる。
【0055】
図8A図8Cに関しては、概略的に示される非モジュール式IOL800の、それぞれ、斜視図,断面図、及び上面図である。非モジュール式IOL800は、上述の安定性の利点のいくつかを非モジュール式構成で組み込む。IOL800は、例えば、単焦点(固定焦点距離)、調節式(可変焦点距離)、トーリック、多焦点、又は焦点深度を延長させたパターンであってもよい光学部分802を含む。IOL800は、また、光学部分802の周辺から半径方向外側に延びる2つ以上の支持部806を含む。各支持部は、外縁809から半径方向内側に延び、丁寧に(respectfully)外側後方及び外側前方にフレア状に広がった後方フランジ808と前方フランジ810とを含む。各支持部806は、外縁809を光学部802の周辺に接続する接続アーム812を含む。各接続アーム812は、柔軟性を付加するための窓814を含んでもよい。後方フランジ808と前方フランジ810は互いに対して前後方向に圧縮するように構成されており、外縁809の周りで片持ち板ばねのように機能する。
【0056】
図8Aの線B-Bに沿って取られた断面図である図8Bを特に参照すると、後方フランジ808は、水晶体嚢の形状に適合させるために前方フランジ810とは異なるような大きさに作られ、構成されていると理解され得る。上述のように、天然水晶体の後方厚さは天然水晶体の前方厚さよりも厚い。前方フランジ810を水晶体包被膜の前側面33に適合させ、後方フランジ808を水晶体包被膜の後側面35に適合させるために、前方フランジ810は、後方フランジ808の後方高さHと弧長よりも小さい前方高さHと弧長を有してもよい。例えば、IOL800が水晶体嚢内に移植されるとベース800の矢状中央平面MPが水晶体嚢の赤道面と整列する(+/-0.5mm)ように、HはHよりも大きく作製してもよい。H/H比は、例えば、約0.7(±0.3)で一定であってもよい。
【0057】
図8B及び図8Cを特に参照すると、後方フランジ808及び前方フランジ810の半径方向長さ(矢状面の)は、最内エッジが光学部802の視野を妨げないように選択されてもよい。換言すると、後方フランジ808及び前方フランジ810は、外縁809から光学部分802の外径まで半径方向内側に延びてもよく、後方フランジ808及び前方フランジ810の内側エッジは光学部802の外径に適合する弧を形成する。外縁809もまた、弧を形成してもよく、支持部806は天然の水晶体嚢の赤道の円形に適合する。例えば、必ずしも限定的ではなく、支持部806の弧の形状は光学部802の周縁の60°~90°、90°~120°又は120°~150°に延びてもよい。支持部の弧長が大きくなるほど天然の水晶体嚢の赤道との接触面積が大きくなり、水晶体嚢内のIOL800の安定性が高くなるが、これはインジェクタを用いる小切開を通じたIOL800の送達性とバランスをとらなければならない。
【0058】
図9A及び図9Bを参照すると、代替的な非モジュール式IOL900及び950がそれぞれ斜視図で示されている。IOL900及びIOL950は支持部が、安定性を向上させるためのフレア状フランジを含むという点で上述のIOL800と類似しており、類似の態様及び利点の記載は参照により本明細書に援用される。
【0059】
図9Aを特に参照すると、IOL900は、例えば、単焦点(固定焦点距離)、調節式(可変焦点距離)、トーリック、多焦点、又は焦点深度を延長させたパターンであってもよい光学部分902を含む。IOL900は、また、光学部分902の周辺から半径方向外側に延びる2つ以上の支持部906を含む。各支持部906は、外縁909から半径方向内側に延び、丁寧に(respectfully)外側後方及び外側前方にフレア状に広がった後方フランジ908と前方フランジ910とを含む。各支持部906は、外縁909を光学部902の周辺に接続する接続アーム912の対を含む。接続アーム912の対のそれぞれは、柔軟性を付加するための窓914を含んでもよい。後方フランジ908と前方フランジ910は互いに対して前後方向に圧縮するように構成されており、外縁909の周りで片持ち板ばねのように機能する。IOL800と比較すると、IOL900のフランジ908及びフランジ910は、外縁909から光学部902に延びる半径方向長さ(矢状面の)がより小さい。加えて、接続アーム912とフランジ908及びフランジ910との間に、内部接続部に沿って外縁909まで間隙911が設けられ、フランジ908及びフランジ910が圧縮し、光学部902に向かって折り畳まれるためのスペースを提供する。間隙911は、外縁909とフランジ908及びフランジ910との間の接続部が弾性ヒンジとして機能することを可能にするとともに、フランジ908及びフランジ910が、大きさ及び寸法が異なり得る水晶体嚢の壁の内側により合致することを可能にする。
【0060】
図9Bを参照すると、IOL950はIOL900に類似しており、類似の態様及び利点の記載は、参照により本明細書中に援用される。IOL950は、(接続アーム912よりもむしろ)曲線アーム916を含む1つ以上の支持部906を含み、曲線アーム916は光学部902の周辺から延びて外縁909を形成し、外縁909からフランジ908及びフランジ910が延びる。前述の実施形態と同様に、曲線アーム916とフランジ908及びフランジ910との間の接続部が弾性ヒンジとして機能するように、曲線アーム916に対するフランジ908及びフランジ910の柔軟性を高めるための間隙911が外縁909に沿って設けられている。
【0061】
図10A及び図10Bを参照すると、代替的な非モジュール式IOL1000が概略的に示されている。図10Aは、IOL1000の上面図であり、図10Bは、図10Aの線B-Bに沿って取られた断面図である。IOL1000は、例えば、単焦点(固定焦点距離)、調節式(可変焦点距離)、トーリック、多焦点、又は焦点深度を延長させたパターンであってもよい光学部分1002を含む。IOL1000は、また、光学部分1002から外側に延びる支持部1006の対を含む。ガセットプレート1004の対が支持部1006を光学部分1002に接続している。従来のIOLは光学部分から延びる支持部を提供するが、IOL1000はガセットプレート1004を用いて支持部1006の取付位置を半径方向外側に押し、これによって矢状面におけるIOLの前後剛性を相対的に高める。IOL1000は、また、支持部1006と、支持部1006とガセットプレート1004の接合部を除いた光学部1002の周辺及びガセットプレート1004の周辺に、後方に延びる隆起1008を含む。隆起1008は矢状面におけるIOL1000の断面慣性モーメントを増加し、これにより支持部1006の柔軟性に影響を及ぼすことなくIOL1000の剛性及び安定性を高める。断面図に見られるように、隆起1008は、示されるように、光学部分1002上の細胞増殖を阻止するための内側隅肉部と外側の四角いエッジを有してもよい。例えば、必ずしも限定的ではなく、支持部は、13mmの外側長さを有してもよく(支持部先端から支持部先端まで)、光学部は、5mm~6mmの直径を有してもよく、ガセットプレート1004は、1mm~2mmの平均矢状幅を有してもよい。したがって、直径5.0mmの光学部1002において、支持部1006は、直径7.0mm~9.0mmのガセットプレート1004に取り付けてもよい。
【0062】
図11A及び図11Bを参照すると、別の代替的な非モジュール式IOL1100が概略的に示されている。図11Aは、IOL1100の上面図であり、図11Bは、図11Aの線B-Bに沿って取られた断面斜視図である。以下の説明によって理解されるように、IOL1100は、隆起1108に関して以外はIOL1000に類似し得る。類似の態様及び利点の記載は参照により本明細書に援用される。IOL1100は、例えば、単焦点(固定焦点距離)、調節式(可変焦点距離)、トーリック、多焦点、又は焦点深度を延長させたパターンであってもよい光学部分1102を含む。IOL1102は、また、光学部分1102から外側に延びる支持部1106の対を含む。ガセットプレート1104の対が支持部1006を光学部分1102に接続している。従来のIOLは光学部分から延びる支持部を提供するが、IOL1100はガセットプレート1104を用いて支持部1106の取付位置を半径方向外側に押し、これによって矢状面におけるIOLの前後剛性を相対的に高める。IOL1100は、また、光学部1102の周辺に延び、前方と後方の両方に延びる隆起1108を含む。隆起1108は矢状面におけるIOL1100の断面慣性モーメントを増加し、これによりガセットプレート1104又は支持部1106の柔軟性に影響を及ぼすことなくIOL1100の剛性及び安定性を高める。断面図に見られるように、隆起1108は楕円形で丸みがあってもよい。
【0063】
図12A及び図12Bを参照すると、更に別の代替的な非モジュール式IOL1200が概略的に示されている。図12Aは、IOL1200の上面図であり、図12Bは、図12Aの線B-Bに沿って取られた断面図である。以下の説明によって理解されるように、IOL1200は、ガセット又はサポート部分1204及び1つ以上の隆起1208に関して以外はIOL1000に類似し得る。類似の態様及び利点の記載は参照により本明細書に援用される。
【0064】
IOL1200は、例えば、単焦点(固定焦点距離)、調節式(可変焦点距離)、トーリック、多焦点、又は焦点深度を延長させたパターンであってもよい光学部分1202を含む。IOL1200は、また、光学部分1202から外側に延びる支持部1206の対を含む。又はサポート部分1204は、光学部分1220の周辺に延び、支持部1206を光学部分1202に接続する。従来のIOLは光学部分から延びる支持部を提供するが、IOL1200はサポート部分1204を用いて支持部1206の取付位置を半径方向外側に押し、これによって矢状面におけるIOL1200の前後剛性を相対的に高める。
【0065】
サポート部分1204は光学部1202を囲んでもよい。例えば、サポート部分1204は、光学部1202の半径方向外側周辺の周りに同心円状に全360°延びてもよい。一例では、サポート部分1204は、光学部1202の周りにバンドを形成する環状プレートを含んでもよい。プレートは、その内側周縁と外側周縁との間に実質的に一定の幅を有してもよい。
【0066】
サポート部分1204は、前方に面する表面1204aと後方に面する表面1204bとを含んでもよい。サポート部分1204の前方に面する表面1204a及び後方に面する表面1204bのうちの少なくとも1つは、光学部1202の光軸1202aに実質的に垂直に延びてもよい。光学部1202は、湾曲した前方に面する表面1202b及び/又は湾曲した後方に面する表面1202cを有してもよい。環状凹状領域1203がIOL1200の前側面及び/又は後側面に形成されてもよく、環状凹状領域1203において、それぞれサポート部分1204の前方に面する表面1204a及び1202bと光学部1202との間に成された角度及び/又はそれぞれサポート部分1204の後方に面する表面1204b及び1202cと光学部1202との間に成された角度によって、サポート部分1204が光学部1202に接する。
【0067】
サポート部分1204の前方に面する表面1204aと後方に面する表面1204bとの間で測定されるサポート部分1204の厚さは、光学部1202の半径方向外側周辺の厚さ(光学部1202の前方に面する表面1202bの周辺と後方に面する表面1202cの周辺との間で測定される)に実質的に等しくてもよい。付加的に又は代替的に、サポート部分1204の厚さは、支持部1206の厚さ(支持部1206の前方に面する表面1206aと後方に面する表面1206bとの間で測定される)に実質的に等しくてもよい。
【0068】
IOL1200は、また、1つ以上の突起又は隆起1208を含んでもよい。1つ以上の隆起1208は、サポート部分1204の半径方向外側周辺及び支持部1206の1つ以上の部分の周囲に、これに沿って及び/又はこの周りに延びてもよい。一例では、1つ以上の隆起1208は、サポート部分1204の前方に面する表面1204aから前方に延びる1つ以上の隆起を含んでもよい。例えば、1つ以上の前方に延びる隆起は隆起1208a及び/又は隆起1208bを私の(my)含む。付加的に又は代替的に、1つ以上の隆起1208は、サポート部分1204の後方に面する表面1204bから後方に延びる1つ以上の隆起を含んでもよい。例えば、1つ以上の後方に延びる隆起は、隆起1208c及び/又は隆起1208dを含んでもよい。1つ以上の隆起1208は、光学部1202、サポート部分1204及び支持部1206を含むIOL1200全体の、矢状面における断面慣性モーメントを増加してもよく、これによってその剛性及び安定性を高める。図12A及び図12Bは前方に延びる隆起1208a及び1208bの対と後方に延びる隆起1208c及び1208dの対を示すが、より少数の隆起を用いてもよいと考えられる。例えば、IOL1200は、前方に延びる隆起1208a及び1208bのみ又は後方に延びる隆起1208c及び1208dのみを含んでもよい。
【0069】
図12Bの断面図に見られるように、1つ以上の隆起1208は、光学部1202上への細胞増殖を軽減するために四角の形状を有してもよい。例えば、隆起1208a、1208b、1208c及び1208dの1つ以上は、サポート部分1204の前方に面する表面1204a及び/又は後方に面する表面1204bに実質的に垂直に延びる反対側の表面1208e及び1208fを含んでもよい。付加的に又は代替的に、反対側の表面1208e及び1208fは、互いに実質的に平行に延びてもよい。付加的に又は代替的に、隆起1208a、1208b、1208c及び1208dの1つ以上は、サポート部分1204の前方に面する表面1204a及び/又は後方に面する表面1204bに実質的に平行に延びる端面1208gを含んでもよい。表面1208fは、サポート部分1204及び/又は支持部1206の半径方向外側周辺表面と面一であってもよい。
【0070】
隆起1208aは、支持部1206のうちの1つの外側湾曲部上に、これに沿って、又はこの周りに延びてもよく、この支持部1206の先端で、又はこの支持部1206の先端に近接してテーパしてもよい(例えば、高さが減少してもよい)。テーパ状部分は隆起1208aの第一端部を画定してもよい。隆起1208aはその第一端部の反対側に第二端部を有してもよい。第二端部はテーパしてもよい(例えば、高さが減少してもよい)。隆起1208aの第二端部のテーパリングは、第一端部のテーパリングよりも大きな傾きを有してもよい。隆起1208b、1208c及び1208dは同様の形状であってもよい。
【0071】
光学部1202の前方に面する表面1202bが隆起1208a及び/若しくは隆起1208bの前方に延びてもよい、並びに/又は光学部1202の後方に面する表面1202cが隆起1208c及び/若しくは隆起1208dの後方に延びてもよいように、これらテーパ状端部の間において隆起1208a、1208b、1208c及び1208dは高さ(サポート部分1204の表面に対して前後方向に測定される)を有してもよい。隆起1208a、1208b、1208c、1208dの1つ以上は、そのテーパ状端部の間に一定の高さを有し得ることも考えられる。
【0072】
図12Aで最もよくわかるように、隆起1208aと隆起1208bは、間隙によって分離された別個の隆起であってもよい。付加的に又は代替的に、隆起1208cと隆起1208dは、間隙によって分離された別個の隆起であってもよい。例えば、光学部分1202への支持部1206の半径方向の圧縮を可能にするために支持部1206の内側湾曲部から隆起を排除してもよい。
【0073】
隆起1208aは、第一の曲線部1208hと第二の曲線部1208iとを含んでもよい。第一の曲線部1208hと第二の曲線部1208iは、光学部1202の斜視図で見ると実質的に凹状であってもよい。第一曲線部1208hと第二の曲線部1208iとが接する場所で、これらは隆起1208aの凸状部1208jを形成してもよい。隆起1208b、1208c及び/又は1208dは同様の形状であってもよい。
【0074】
1つ以上の隆起1208は対で配置されてもよい。例えば、隆起1208a、1208bは、第一の前方対又は隆起を形成してもよい、及び/又は隆起1208c、1208dは第二の後方隆起対を形成してもよい。隆起1208a及び隆起1208bの対に関しては、隆起のうちの1つの端部部分はもう一方の隆起の反対側の端部部分を越えて、もう一方の隆起の中間部分の方に延びてもよい。類似の構成が隆起1208c及び隆起1208dの対に対して存在してもよい。
【0075】
図13A図13Cを参照すると、種々の代替的な非モジュール式IOL1300A、1300B及び1300Cが斜視図で示されている。各IOL1300は、例えば、単焦点(固定焦点距離)、調節式(可変焦点距離)、トーリック、多焦点、又は焦点深度を延長させたパターンであってもよい光学部分1302を含む。各IOL1300は、また、接続アーム1312を介して光学部分1302に接続された2つ以上の支持部1306を含む。支持部が曲線であり、水晶体包被膜の内部赤道との接触に加えて半径方向のばね力を提供する従来のIOLと比較すると、接続アーム1312は、支持部1306から独立した半径方向のばね力を提供し、支持部1306は、接続アーム1312の半径方向の圧縮から独立した水晶体包被膜の内部赤道との同量の接触面積を維持するために環状であってもよい。この構成は、水晶体嚢の大きさを問わず、水晶体嚢内でのIOL1300のより一定の安定性を提供する。例えば、支持部1306は光学部1302の周縁の60°~90°、90°~120°又は120°~150°に延びてもよく、約4.0~5.0mmの一定半径を有してもよい。接続アーム1312は、例えば、複数バー片持ち(ジグザグ)ばね1312A、単一バー片持ち(曲線)ばね1312B又は複数板ばね1312Cの形態であってもよい。
【0076】
開示に関する以上の記述は、例示と説明を目的として提示されている。以上は、本開示を本明細書中で開示されている形態(複数の場合もある)に限定しようとしていない。本開示には1つ又は複数の実施形態及び特定の変形型及び改良型の説明が含まれているが、例えば本開示を理解した後に当業者の技能と知識の一部とされるもの等、その他の変形型及び改良型も本開示の範囲に包含される。意図されているのは、代替的、互換可能、及び/又は同等の構造、機能、範囲、又はステップを含めた代替的実施形態を、かかる代替的、互換可能、及び/又は同等の構造、機能、範囲、又はステップが本明細書中で開示されているか否かに関わりなく、また、特許可能な何れの主題も公衆に献呈することを意図せずに、可能な限り、特許請求されているものに含める権利を取得することである。
(付記)
好ましい実施形態として、上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
[項目1]
眼内レンズであって、
前後方向に延びる光軸を画定する光学部分と、
前記光学部分の周辺から半径方向外側に延びるサポート部分と、
前記サポート部分から半径方向外側に延びる支持部と、
前記サポート部分の周辺から前後方向に延びる隆起と
を含む、眼内レンズ。
[項目2]
前記隆起は、前記サポート部分の前記周辺から後方にのみ延びる、項目1に記載の眼内レンズ。
[項目3]前記隆起は、前記サポート部分の前記周辺から前方にのみ延びる、項目1に記載の眼内レンズ。
[項目4]
前記隆起は、前記支持部の半径方向外側周辺に沿って延び、前記支持部の先端に向かってテーパしている、項目1に記載の眼内レンズ。
[項目5]
項目1に記載の眼内レンズであって、前記隆起は第一の隆起であり、前記眼内レンズは、前記サポート部分の前記周辺から前記前後方向に延びる第二の隆起を含む、眼内レンズ。
[項目6]
前記第一の隆起及び前記第二の隆起は、間隙によって分離されているという点で別個のものである、項目5に記載の眼内レンズ。
[項目7]
前記第一の隆起は前記サポート部分の前記周辺から前方に延び、前記第二の隆起は前記サポート部分の前記周辺から後方に延びる、項目5に記載の眼内レンズ。
[項目8]
前記第一の隆起及び前記第二の隆起は、前記サポート部分の前記周辺から前方にのみ延びる、項目5に記載の眼内レンズ。
[項目9]
前記第一の隆起及び前記第二の隆起は、前記サポート部分の前記周辺から後方にのみ延びる、項目5に記載の眼内レンズ。
[項目10]
眼内レンズであって、
光学部分と、
前記光学部分の周辺を囲むサポート部分であって、前方に面する表面と後方に面する表面とを含む、サポート部分と、
前記サポート部分から半径方向外側に延びる支持部と、
前記サポート部分の周辺から前後方向に延びる隆起と
を含む、眼内レンズ。
[項目11]
前記サポート部分は、前記光学部分の前記周辺を囲む連続環状バンドを含む、項目10に記載の眼内レンズ。
[項目12]
前記サポート部分は、前記前方に面する表面と前記後方に面する表面との間に画定される厚さを有する、項目10に記載の眼内レンズ。
[項目13]
前記サポート部分は全体にわたり一定の厚さを有する、項目12に記載の眼内レンズ。
[項目14]
前記光学部分は、前方に面する表面と後方に面する表面とを含み、前記光学部分の前記前方に面する表面と前記後方に面する表面との間に画定される厚さを有し、前記光学部分の少なくとも一部分の前記厚さは前記サポート部分の前記厚さよりも大きい、項目12に記載の眼内レンズ。
[項目15]
前記光学部分は光軸を画定し、前記サポート部分の前記前方に面する表面及び前記後方に面する表面の少なくとも1つは前記光軸に実質的に垂直である、項目10に記載の眼内レンズ。
[項目16]
前記隆起は半径方向に面する表面を含み、前記半径方向に面する表面は、前記サポート部分の前記前方に面する表面及び前記後方に面する表面の少なくとも1つに実質的に垂直である、項目10に記載の眼内レンズ。
[項目17]
眼内レンズであって、
前方に面する表面と後方に面する表面とを有する光学部分と、
前記光学部分から半径方向外側に延びるサポート部分と、
前記サポート部分から半径方向外側に延びる複数の支持部と、
前記支持部の周辺及び前記サポート部分の周辺から前後方向に延びる複数の別個の隆起とを含む、眼内レンズ。
[項目18]
前記複数の別個の隆起は、前記支持部の前記周辺及び前記サポート部分の前記周辺から前側に延びる別個の隆起の第一の対を含む、項目17に記載の眼内レンズ。
[項目19]
前記複数の別個の隆起は、前記支持部の前記周辺及び前記サポート部分の前記周辺から後側に延びる別個の隆起の第二の対を含む、項目18に記載の眼内レンズ。
[項目20]
前記複数の別個の隆起は、
前記複数の支持部のうちの第一の支持部の前記周辺及び前記サポート部分の前記周辺の第一部分から前後方向に延びる第一の隆起と、
前記複数の支持部のうちの第二の支持部の前記周辺及び前記サポート部分の前記周辺の第二部分から前後方向に延びる第二の隆起と、
を含み、
前記第一の支持部及び前記第二の支持部は、前記サポート部分の対称位置に対向する側から延び、前記サポート部分の前記周辺の前記第一部分及び前記第二部分は、前記サポート部分の対称位置に対向する側にある、
項目17に記載の眼内レンズ。
[項目21]
眼内レンズシステムであって、
a.ベースであって、環状本体であって、前記環状本体内に延びる中心穴を有し、前記環状本体の内側周縁の周りに延びる凹部を画定する環状本体と、前記環状本体から半径方向外側に延びる2つの支持部と、前記環状本体の前側面の周りに延びる上縁と、前記環状本体の後側面の周りに延びる下縁とを含み、前記上縁及び前記下縁は半径方向内側に角度を成して前記凹部に通じる漏斗を形成している、ベースと、
b.レンズであって、光学部分と、前記光学部分から半径方向外側に延びる2つのタブとを含み、前記レンズは前記環状本体の前記中心穴に配置されており、前記タブは前記凹部に配置されている、レンズと
を含む、眼内レンズシステム。
[項目22]
前記上縁及び前記下縁は、前記光学部分の最大厚さの少なくとも2倍の大きさである合計高さを有する、項目21に記載の眼内レンズシステム。
[項目23]
前記上縁及び前記下縁は、前記光学部分の最大厚さの少なくとも3倍の大きさである合計高さを有する、項目21に記載の眼内レンズシステム。
[項目24]
前記上縁及び前記下縁は、前記環状本体の前記周縁全体の周りに延びる、項目21に記載の眼内レンズシステム。
[項目25]
前記後縁の高さは前記前縁の高さよりも高い、項目21に記載の眼内レンズシステム。
[項目26]
前記前縁の前記高さを前記後縁の前記高さで除すると1よりも小さい比に等しい、項目25に記載の眼内レンズシステム。
[項目27]
前記比は約0.7である、項目26に記載の眼内レンズシステム。
[項目28]
前記光学部分は固定焦点距離を有する、項目21に記載の眼内レンズシステム。
[項目29]
眼内レンズシステムであって、
a.ベースであって、環状本体であって、前記環状本体内に延びる中心穴を有し、前記環状本体の内側周縁の周りに延びる後方内側突起を画定し、前記環状本体の前側面から前記後方内側突起まで延びる2つのスロットも画定する環状本体と、前記環状本体から半径方向外側に延びる2つの支持部とを含む、ベースと、
b.光学部分と、前記光学部分から半径方向外側に延びる2つの支持部と、を含むレンズとを含み、
前記レンズは前記環状本体の前記中心穴に配置されており、前記突起の前側面上に載り、前記レンズの前記支持部は前記スロット内に配置されており、前記環状本体から半径方向外側に延びる、
眼内レンズシステム。
[項目30]
眼内レンズであって、
a.光学部分と、
b.前記光学部分の周辺から半径方向外側に延びる2つ以上のアームと、
c.各アームから半径方向外側に延びる支持部であって、各支持部は、外縁と、半径方向内側に延び、前記縁から後側にフレア状に広がる後方フランジと、半径方向内側に延び、前記縁から前側にフレア状に広がる前縁とを含む、支持部と
を含む、眼内レンズ。
[項目31]
前記後方フランジ及び前記前方フランジは互いに対して前後方向に圧縮するように構成されており、前記外縁の周りで片持ち板ばねのように機能する、項目30に記載の眼内レンズ。
[項目32]
前記フランジは、前記光学部分の最大厚さの少なくとも2倍の大きさである合計高さを有する、項目31に記載の眼内レンズ。
[項目33]
前記後方フランジの高さは前記前方フランジの高さよりも高い、項目32に記載の眼内レンズ。
[項目34]
前記前縁の前記高さを前記後縁の前記高さで除すると1よりも小さい比に等しい、項目33に記載の眼内レンズ。
[項目35]
前記比は約0.7である、項目34に記載の眼内レンズ。
[項目36]
前記光学部分は固定焦点距離を有する、項目31に記載の眼内レンズ。
[項目37]
眼内レンズであって、
a.光学部分と、
b.前記光学部分の周辺から半径方向外側に延びる2つ以上のガセットプレートと、
c.各ガセットプレートから半径方向外側に延びる支持部と、
d.前記光学部分の外側周辺及び前記ガセットプレートの周りに延びる隆起と
を含む、眼内レンズ。
[項目38]
前記隆起は後方に延びる、項目37に記載の眼内レンズ。
[項目39]
前記隆起は前方及び後方に延びる、項目37に記載の眼内レンズ。
[項目40]
前記隆起は前記支持部の外側周辺に沿って延び、各支持部の先端に向かってテーパしている、項目37に記載の眼内レンズ。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C