(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175076
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】紙葉類処理システム
(51)【国際特許分類】
G07D 11/26 20190101AFI20231205BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20231205BHJP
B65B 57/06 20060101ALI20231205BHJP
B65B 57/10 20060101ALI20231205BHJP
B65B 57/14 20060101ALI20231205BHJP
G07D 11/235 20190101ALI20231205BHJP
【FI】
G07D11/26
B65B57/00 A
B65B57/06
B65B57/10 D
B65B57/14
G07D11/235
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087326
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】品川 夏奈子
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA05
3E141AA11
3E141CA02
3E141EA06
3E141FA10
3E141FB01
(57)【要約】
【課題】紙葉類の検査で異常が発生した場合でもその後の工程での動作遅延を抑制する。
【解決手段】紙葉類処理システムにおいて、検査装置は、投入された所定枚数の連番付きの紙葉類を1枚ずつ搬送する搬送部と、搬送部によって搬送されている紙葉類を検査する検査部と、検査部によって異常と判定された紙葉類がなかった場合に、所定枚数の紙葉類を、連番の順序を維持した状態で帯封して施封束にする施封部と、施封束と同等の寸法であって識別用情報が付与されている代替束を貯留する貯留部と、検査部によって異常と判定された紙葉類があった場合に、貯留部に貯留されている代替束の識別用情報と異常と判定された紙葉類の検査情報とを対応付ける処理を行う異常処理部と、施封部によって帯封された施封束を排出するとともに、代替束を、異常と判定された紙葉類を含む所定枚数の前記紙葉類からなる施封束の代わりとして排出する排出部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査装置と包装装置とを含む紙葉類処理システムであって、
前記検査装置は、
投入された所定枚数の連番付きの紙葉類を1枚ずつ搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されている前記紙葉類を検査する検査部と、
前記検査部によって異常と判定された前記紙葉類がなかった場合に、前記所定枚数の前記紙葉類を、連番の順序を維持した状態で帯封して施封束にする施封部と、
前記施封束と同等の寸法であって識別用情報が付与されている代替束を貯留する貯留部と、
前記検査部によって異常と判定された前記紙葉類があった場合に、前記貯留部に貯留されている前記代替束の前記識別用情報と異常と判定された前記紙葉類の検査情報とを対応付ける処理を行う異常処理部と、
前記施封部によって帯封された施封束を排出するとともに、前記代替束を、異常と判定された前記紙葉類を含む前記所定枚数の前記紙葉類からなる施封束の代わりとして排出する排出部と、を備える紙葉類処理システム。
【請求項2】
前記識別用情報は、二次元コードである、請求項1に記載の紙葉類処理システム。
【請求項3】
前記包装装置は、
投入された前記代替束に付与された前記二次元コードの情報を読み取る情報読取部と、
前記情報読取部によって読み取られた読み取り情報に基づいて、前記代替束と投入された正常な施封束の対応が正しいか否かを判定する判定部と、を備える、請求項2に記載の紙葉類処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紙葉類処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、連番が印字された紙葉類(紙幣、有価証券、宝くじなど)を検査する場合がある。その場合、従来の紙葉類処理システムでは、例えば、まず、検査装置は、未施封の所定枚数(例えば千枚)の紙葉類が投入されると、それらの紙葉類を1枚ずつ検査し、施封を行って施封束(例えば千枚施封束(以下、「千枚束」ともいう。))を排出する。そして、作業者は、複数の施封束を束群(例えば千枚束群)として専用台車に積載し、専用台車を包装装置へ移動させ、包装装置に束群を投入する。そうすると、包装装置は、束群に対して包装を行う。
【0003】
以下では、検査装置で検査されて合格、不合格となった紙葉類を、それぞれ、正常紙、異常紙とも称する。検査装置は、異常紙を、搬送経路から離脱させて所定箇所に集積させる。その際、紙葉類の連番を維持するために、検査装置の運転を停止し、異常紙のあった箇所に作業者が代替紙を挿入する。その後、検査装置は、運転を再開し、搬出された施封束に代替紙が混入している旨の印字を行う。
【0004】
さらにその後、別工程にて差し替え用の正常紙が準備できると、作業者は、代替紙の含まれている施封束を破封して代替紙を取り除いて正常紙に差し替える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、検査装置で異常紙が発生したときに、専用台車への施封束の搭載順序維持のため、正常紙に差し替えられた施封束が準備できるまで専用台車への施封束の積載を待たなければならない。そのため、次工程の包装装置での動作開始が遅れるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の実施形態は、紙葉類の検査で異常が発生した場合でもその後の工程での動作遅延を抑制することができる紙葉類処理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の紙葉類処理システムは、検査装置と包装装置とを含む。前記検査装置は、投入された所定枚数の連番付きの紙葉類を1枚ずつ搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送されている前記紙葉類を検査する検査部と、前記検査部によって異常と判定された前記紙葉類がなかった場合に、前記所定枚数の前記紙葉類を、連番の順序を維持した状態で帯封して施封束にする施封部と、前記施封束と同等の寸法であって識別用情報が付与されている代替束を貯留する貯留部と、前記検査部によって異常と判定された前記紙葉類があった場合に、前記貯留部に貯留されている前記代替束の前記識別用情報と異常と判定された前記紙葉類の検査情報とを対応付ける処理を行う異常処理部と、前記施封部によって帯封された施封束を排出するとともに、前記代替束を、異常と判定された前記紙葉類を含む前記所定枚数の前記紙葉類からなる施封束の代わりとして排出する排出部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の紙葉類処理システムの全体構成図である。
【
図2】
図2は、実施形態の個別千枚、千枚施封束、ダミー束を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態の紙葉類処理システムの機能構成図である。
【
図4】
図4は、実施形態の検査装置による動作の概要を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態の検査装置の構造図である。
【
図6】
図6は、実施形態の包装装置の概要を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態の検査装置による処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態の包装装置による処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を用いて、本発明の紙葉類処理システムの実施形態について説明する。
【0010】
まず、
図1~
図6を参照して、紙葉類処理システムSの構成について説明する。
図1は、実施形態の紙葉類処理システムSの全体構成図である。
図2は、実施形態の個別千枚A、千枚施封束B、ダミー束Dを模式的に示す図である。
図3は、実施形態の紙葉類処理システムSの機能構成図である。
【0011】
図4は、実施形態の検査装置2による動作の概要を模式的に示す図である。
図5は、実施形態の検査装置2の構造図である。
図6は、実施形態の包装装置3の概要を示す図である。なお、以下において、「千枚施封束」と「千枚束」は同義である。また、「不良」とは広義の「異常」の一態様である。
【0012】
図1に示すように、紙葉類処理システムSは、管理装置1と、検査装置2と、包装装置3と、を備える。紙葉類処理システムSは、検査装置2による検査を経た紙葉類を所定枚数毎に帯封処理するシステムである。紙葉類にはその紙面に連番が印字されており、紙葉類は帯封処理によって番号順に束ねられるようになっている。このような紙葉類としては、例えば、連番が印字された紙幣、有価証券(株券など)、宝くじ等がある。
【0013】
管理装置1は、
図3に示すように、情報処理部11と、プリンタ12と、キーボード/マウス13と、表示モニタ14と、を有する。情報処理部11は、例えば、パーソナルコンピュータ本体であり、プリンタ12、キーボード/マウス13、表示モニタ14、検査装置2、包装装置3と信号の入出力を行うインターフェース回路を備えている。
【0014】
以下、検査装置2について説明する。検査機制御部201は、情報処理部11とは別に設けられた制御ユニットであり、例えば集積回路等の電子部品が実装されたプリント基板を有する。ただし、これに限定されず、検査機制御部201と情報処理部11は一体に構成されていてもよい。
【0015】
検査機制御部201は、各部202~215を統括的に制御する。具体的には、検査機制御部201は、各部202~215の制御、紙葉類の計数、判定結果に基づく区分、紙葉類の搬送中の監視、制御回路等の自己診断、運転停止時の操作案内や異常内容の表示等を行う。さらに、検査機制御部201は、検査装置2における紙葉類の集計データ、各種判定結果、トラブル発生時の状況(発生時刻、内容、復帰時間等)等に関する情報を情報処理部11に出力する。
【0016】
以下、
図4、
図5も併せて参照する。送出部202は、積層状態の紙葉類を1枚ずつ送り出す。送出部202は、不図示のカバーを開けることで、千枚程度の紙葉類(未施封の個別千枚A。
図2)を投入可能な構成となっている。送出部202は、積層状態の紙葉類の最上紙を1枚ずつ送り出す送出ドラム(不図示)を有する。送出ドラムは、その周面に当接した最上紙を吸着し、吸着したその紙葉類を回転によって送り出す構成となっている。
【0017】
また、送出部202は、バックアップ装置(不図示)を有する。バックアップ装置は、積層状態の紙葉類を底から上昇させ、その最上紙を送出ドラムに当接させる。送出部202においては、紙面に印字された番号(連番)の順に紙葉類が積層状態でストックされる。送出部202においては、例えば最上紙が下3桁印字「001」から始まり、最下紙が下4桁印字「N000」で終わるようにストックされる(Nは整数)。すなわち、千番単位で紙葉類が番号の順にストックされる。
【0018】
搬送部203は、投入され送出部202から送り出された所定枚数の連番付きの紙葉類を搬送経路に沿って1枚ずつ搬送する。搬送経路は、検査装置2においてU字を横向きに回転させたような経路(主経路)を形成している。また、搬送経路では、検査装置2において主経路に各種の分岐経路が接続されている。搬送部203は、紙葉類を1枚ずつ搬送するための構成として、複数の搬送ローラー、搬送ガイド等を有する。
【0019】
検査部204は、搬送部203によって搬送されている紙葉類を検査する。検査部204は、例えば、カメラ、光源、センサ、画像処理手段、判定手段等を有する。検査部204は、搬送経路の主経路に沿って複数設けられている。検査部204は、搬送経路に沿って移動中の紙葉類の紙面に印字された番号の読み取り検査や、紙葉類の重搬送、スキュー(斜め搬送)、種類、形状、厚さ、裏表、汚れ、破損の有無等の検査を行い、正常(合格)か異常(不合格)かの判定を行う。なお、この判定は情報処理部11や検査機制御部201によって行われてもよい。
【0020】
正常紙集積部205は、複数の検査部204における検査の結果、全てにおいて正常と判定された正常判定紙葉類を集積する。正常紙集積部205は、
図5に示すように、3つ設けられており、一の正常紙集積部205に正常判定紙葉類を100枚集積したら、次の正常紙集積部205に100枚集積するよう、集積場所を順次切り替え可能に構成されている。
【0021】
異常紙集積部206は、検査部204による検査の結果、異常と判定された異常判定紙葉類のうち、検査部204において番号の読み取りのみができなかったものを搬送経路から離脱させて集積する。検査部204において異常と判定された紙葉類であっても、その他のもの(後述の不良紙葉類)は、差し替えが必須な損紙等である可能性が高いため、異常紙集積部206には集積されず、不良紙集積部208に集積される。
【0022】
異常紙集積部206は、搬送経路において正常紙集積部205の下流側に設置されている。異常紙集積部206は、少なくとも一枚の異常判定紙葉類を集積可能な構成となっている。そして、検査機制御部201は、異常紙集積部206に異常判定紙葉類が区分された後、運転を自動停止する。異常紙集積部206は、不図示のカバーを開けることで、集積された異常判定紙葉類を取り出し可能に構成されている。
【0023】
後続紙集積部207は、検査部204による検査の結果、異常と判定されたときに、異常判定紙葉類の後続の紙葉類であって搬送経路に送出済みのものを搬送経路から離脱させて集積する。後続紙集積部207は、当該後続の紙葉類を番号の順に集積する。後続紙集積部207は、不図示のカバーを開けることで、集積された後続の紙葉類を、番号の順に積層されたそのままの状態で取り出し可能に構成されている。
【0024】
不良紙集積部208は、不良紙葉類を搬送経路から離脱させて集積する。不良紙葉類とは、検査部204による番号読取以外の検査において異常と判定された紙葉類である。不良紙集積部208は、
図5に示すように、3つ設けられており、検査の種類に応じて不良紙が区分されるようになっている。
【0025】
百枚施封部209は、正常紙集積部205に集積された100枚の紙葉類を帯封する。百枚施封部209は、正常紙集積部205に対応して3つ設けられている。
【0026】
百枚束移動部210は、百枚施封部209において束になった紙葉類を搬送する。百枚束移動部210は、コンベア、リフタ各機構から構成されている。
【0027】
千枚施封部211は、帯封された100枚の紙葉類を、10束帯封し、千枚の束(千枚施封束B。
図2)とするものである。このような紙葉類の帯封部は、帯セット、帯フィーダ、帯ヒータ、ワインダ、プレス各機構から構成されている。
【0028】
なお、百枚施封部209と千枚施封部211は、検査部204によって異常と判定された紙葉類がなかった場合に、所定枚数の紙葉類を、連番の順序を維持した状態で帯封して施封束にする施封部を構成する。
【0029】
千枚束移動部212は、千枚施封部211において千枚束になった紙葉類を搬送する。
【0030】
ラベル貼付部213は、千枚束になった紙葉類の所定位置にラベルを貼り付ける。ラベル貼付部213は、ラベルの発行手段、貼付手段、排出手段の各機構から構成されている。ラベル貼付部213は、千枚束の紙葉類の情報に基づく印字を施したラベルを発行し、その束の所定位置に貼り付け、そのラベル貼り付け済みの束を一時保管、集積し、その後、束群として外部に排出する。なお、後述のダミー束D(代替束。
図2)にはラベルを貼付しない。
【0031】
ダミー束貯留部214(貯留部)は、施封束(千枚束)と同等の寸法であって二次元コードQ(識別用情報)が付与されているダミー束Dを貯留する。
【0032】
また、検査機制御部201(異常処理部)は、検査部204によって異常と判定された紙葉類があった場合に、ダミー束貯留部214に貯留されているダミー束Dの二次元コードQと異常と判定された紙葉類の検査情報(何番目の紙葉類が不合格になったかなど)とを対応付ける処理を行う。なお、この処理は情報処理部11で行ってもよい。いずれにしても、この処理による情報は包装装置3でも利用可能となるように情報処理部11によって管理する。
【0033】
排出部215は、千枚施封部211によって帯封された施封束を、
図4の右手前方向に排出する。また、排出部215は、ダミー束Dを、異常と判定された紙葉類を含む所定枚数の紙葉類からなる施封束の代わりとして、
図4の右手前方向に排出する。排出された施封束とダミー束Dは、千枚束群Gを構成する。
【0034】
また、排出部215は、異常束E(検査の結果、異常のあった場合の束)を、
図4の左手前方向に排出する。なお、異常束Eでは、異常紙の位置にダミー券が差し入れられている。
【0035】
以上で検査装置2の構成の説明を終了する。作業者は、検査装置2から排出された千枚施封束Bとダミー束D(千枚束群G)を専用台車4に積載し、専用台車4を次工程の包装装置3に運搬する。また、それと並行して、別工程にて、別の作業者は、異常束Eに対して、正常紙を準備して異常紙と差し替えることで正常束F(
図6)とし、その正常束Fを次工程の包装装置3に持ち込む。
【0036】
次に、包装装置3について説明する。以下、
図6も併せて参照する。包装機制御部31は、情報処理部11とは別に設けられた制御ユニットであり、例えば集積回路等の電子部品が実装されたプリント基板を有する。ただし、これに限定されず、包装機制御部31と情報処理部11は一体に構成されていてもよい。包装機制御部31は、各部32~37を統括的に制御する。
【0037】
また、
図6に示すように、検査装置2から排出された千枚施封束Bとダミー束Dが積載された専用台車4ごと、束供給部33に投入される。束搬送部34は、専用台車4から千枚施封束Bとダミー束Dを1束ずつ切り出して自動搬送する。
【0038】
搬送されている束がダミー束Dであった場合、作業者は、手投入部35(作業場所)にて、別工程で準備した正常束F(正常な施封束)とダミー束Dを差し替える。その際、情報読取部32は、ダミー束Dに付与された二次元コードQの情報を読み取る。そして、包装機制御部31(判定部)は、情報読取部32によって読み取られた読み取り情報に基づいて、ダミー束Dと差し替え用の正常束Fの対応が正しいか否かを判定(照合)する。なお、この判定は、情報処理部11で行ってもよい。
【0039】
判定結果がNGの場合、作業者により所定の対応が行われる。判定結果がOKの場合、以下の処理が継続される。
【0040】
十束集積部36は、正常な千枚束(正常束Fを含む)を連続10束集積する。十束包装部37は、その連続10束を包装し、十束封Cとして排出する。
【0041】
次に、
図7を参照して、検査装置2による処理について説明する(適宜他図参照)。
図7は、実施形態の検査装置2による処理を示すフローチャートである。
【0042】
まず、ステップS21において、検査装置2は、投入された個別千枚Aを取得する。
【0043】
次に、ステップS22において、検査部204は、個別千枚Aを1枚ずつ検査する。
【0044】
次に、種々の工程の後、ステップS23において、千枚施封部211は、千枚を1束に施封する。
【0045】
次に、ステップS24において、検査機制御部201は、千枚すべてが正常か否かを判定し、Yesの場合はステップS25に進み、Noの場合はステップS26に進む。
【0046】
ステップS25において、排出部215は、束を正常束として排出する(
図4の右手前方向)。
【0047】
ステップS26において、排出部215は、束を異常束として排除する(
図4の左手前方向)。
【0048】
次に、ステップS27において、検査機制御部201は、ダミー束Dの二次元コードQと異常束情報(異常に関する検査情報)を対応付ける処理を行う。
【0049】
次に、ステップS28において、排出部215は、異常束の代わりにダミー束Dを排出する(
図4の右手前方向)。
【0050】
次に、
図8を参照して、包装装置3による処理について説明する(適宜他図参照)。
図8は、実施形態の包装装置3による処理を示すフローチャートである。
【0051】
まず、ステップS31において、包装装置3は、専用台車4によって投入された千枚束群(千枚施封束Bとダミー束D)を取得する。
【0052】
次に、ステップS32において、包装装置3は、千枚束群(千枚施封束Bとダミー束D)から1束ずつ取り出す。取り出された各束は束搬送部34によって搬送される。
【0053】
次に、ステップS33において、包装機制御部31は、束がダミー束Dか否かを判定し、Yesの場合はステップS34に進み、Noの場合はステップS37に進む。なお、ダミー束Dか否かの判定は、例えば、カメラ(不図示)によって撮影した画像を用いて束における二次元コードQの有無などに基づいて行う。
【0054】
ステップS34において、情報読取部32は、ダミー束Dの二次元コードQを読み取る。
【0055】
次に、ステップS35において、包装機制御部31は、読み取り情報に基づいて、ダミー束Dと差し替え用の正常束Fの対応が正しいか否かを判定する。ここでは、判定結果がOKであったものとする。判定結果がNGの場合は、作業員が所定の対応を行う。
【0056】
次に、ステップS36において、作業員は、手投入部35にてダミー束Dと正常束Fを差し替える。次に、ステップS37に移る。なお、ステップS35とステップS36の順番は逆でもよい。
【0057】
ステップS37において、十束包装部37は、10束ずつ包装し、十束封Cとして排出する。
【0058】
このように、本実施形態の紙葉類処理システムSによれば、紙葉類の検査で異常が発生した場合でも、異常束の代わりにダミー束Dを用いることで、紙葉類の連番を維持するという制約を守りながら、その後の包装装置3における工程での動作遅延を抑制することができる。
【0059】
また、ダミー束Dにおける識別用情報として予め付与された二次元コードQを用いて、検査における異常の発生時に検査情報と二次元コードQを対応付けることで、十束封Cそのものに差し替え情報を付与することができる。
【0060】
なお、本実施形態の検査装置2や包装装置3で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。また、当該プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0061】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0062】
例えば、包装装置3において、ダミー束Dと正常束Fの差し替えは、作業者による手作業に限定されず、所定の機構を設けて自動的に行うようにしてもよい。
【0063】
また、ダミー束Dにおける識別用情報は、二次元コードQに限定されず、ほかに、二次元コード以外の文字や記号などの情報や、RFID(Radio Frequency Identification)などの無線タグを用いてもよい。無線タグを用いる場合は、無線タグと検査情報を対応付けてもよいし、あるいは、無線タグに検査情報を書き込むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…管理装置、2…検査装置、3…包装装置、4…専用台車、11…情報処理部、12…プリンタ、13…キーボード/マウス、14…表示モニタ、31…包装機制御部、32…情報読取部、33…束供給部、34…束搬送部、35…手投入部、36…十束集積部、37…十束包装部、201…検査機制御部、202…送出部、203…搬送部、204…検査部、205…正常紙集積部、206…異常紙集積部、207…後続紙集積部、208…不良紙集積部、209…百枚施封部、210…百枚束移動部、211…千枚施封部、212…千枚束移動部、213…ラベル貼付部、214…ダミー束貯留部、215…排出部、A…個別千枚、B…千枚施封束、C…十束封、D…ダミー束、E…異常束、F…正常束、G…千枚束群、S…紙葉類処理システム