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特開2023-175081結晶型固体レーザー媒質複合体及びその製造方法
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  • 特開-結晶型固体レーザー媒質複合体及びその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175081
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】結晶型固体レーザー媒質複合体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/042 20060101AFI20231205BHJP
   H01S 3/16 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H01S3/042
H01S3/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087344
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】501387666
【氏名又は名称】スパークリングフォトン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】金田 道寛
【テーマコード(参考)】
5F172
【Fターム(参考)】
5F172AE01
5F172AL08
5F172NN06
5F172NS04
(57)【要約】
【課題】
ファイバーレーザー並みのビーム品質を得ながら、固体レーザーならではの熱伝導率・耐光強度・単位長レーザー利得を得ることのできる、固体レーザー結晶の細化構造、及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
結晶型固体レーザー媒質と、前記結晶型固体レーザー媒質と熱膨張係数が近似した高熱伝導材とから成り、前記結晶型固体レーザー媒質と前記高熱伝導材とが接合していることを特徴とする結晶型固体レーザー媒質であり、結晶型固体レーザー媒質に補強材を接合する接合工程、接合された結晶型固体レーザー媒質と補強材を共に研磨する研磨工程、を少なくとも含むことを特徴とする結晶型固体レーザー媒質の製造方法により得られる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶型固体レーザー媒質と、
前記結晶型固体レーザー媒質と熱膨張係数が近似した高熱伝導材とから成り、
前記結晶型固体レーザー媒質と前記高熱伝導材とが接合している
ことを特徴とする結晶型固体レーザー媒質複合体。
【請求項2】
前記結晶型固体レーザー媒質の直径又は辺長が1mm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の結晶型固体レーザー媒質複合体。
【請求項3】
前記結晶型固体レーザー媒質の直径又は辺長が0.5mm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の結晶型固体レーザー媒質複合体。
【請求項4】
前記結晶型固体レーザー媒質の直径又は辺長が0.1mm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の結晶型固体レーザー媒質複合体。
【請求項5】
1mm以下の直径又は辺長を有する結晶型固体レーザー媒質複合体の製造方法であって、
結晶型固体レーザー媒質に補強材を接合する接合工程、
接合された結晶型固体レーザー媒質と補強材を共に研磨する研磨工程、
を少なくとも含むことを特徴とする結晶型固体レーザー媒質複合体の製造方法。
【請求項6】
前記補強材は、前記結晶型固体レーザー媒質と熱膨張係数が近似している
ことを特徴とする請求項5に記載の結晶型固体レーザー媒質複合体の製造方法。
【請求項7】
前記接合工程は、光学的透過性化学接着剤による接合、金属接合、拡散接合の何れかによる
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の結晶型固体レーザー媒質複合体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶型固体レーザー媒質複合体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザー技術は、固体レーザーを中心に発展してきた。一方、レーザーの応用技術はレーザーレーダー、大型インフラストラクチャーの非破壊検査、空中ドローン・水中ドローン・EV(電動車両)の遠隔給電等のように、レーザーの持つ高速性(光速度:30万km/s:マッハ88万)と直進性を利用した遠隔作用・遠隔計測の開発が進んでいる。この場合、レーザーには、遠方で精度良くレーザーを集束・照射できるビーム品質が良い特性が求められる。このようなことから、近年では、ビーム品質が良いファイバーレーザーが注目されている。
【0003】
ファイバーレーザーの特徴は、細径コア(2~40μm)に起因するレーザー発振ビームの(M2値・BPP値に代表される)ビーム品質の良さにある。他方、ファイバーコアは、主として素材を石英(ガラス質・非晶質)とするものであり、固体レーザーの結晶素材と比較すると、熱伝導率・耐光強度・単位長レーザー利得という観点では劣るものであり、特に高出力パルス発振では難点がある。換言すれば、熱伝導率・耐光強度・単位長レーザー利得の点では、固体レーザーが有利であるものの、固体レーザーには、ビーム品質に難点が存在することになる。特許文献1には、Nd:YAGを媒質とする固体レーザーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-54838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
結晶素材を細化すれば、固体レーザーでもビーム品質を向上させることが理屈の上では可能であるが、実際のところ、そう簡単にはいかない。固体レーザーの製作に際しては、単結晶レーザー媒質であれば、図5(a)に示されるように、単結晶育成法により引き上げられたブールBから、セラミックレーザー媒質であれば、図5(b)に示されるように、柱状ロッドRから、実際に使用するレーザー媒質を切り出すことになるところ、切り出し工程、両端面光学研磨工程で発生する割れやチップ防止の観点から、直径ないし辺長dを小さくするには限界があるからである。特許文献1の固体レーザー媒質が直径3mmであることからも理解されるように、加工可能な直径ないし辺長dの限界は数mmといったところである。
【0006】
このような状況に鑑み、本発明は、ファイバーレーザー並みのビーム品質を得ながら、固体レーザーならではの熱伝導率・耐光強度・単位長レーザー利得を得ることのできる、固体レーザー結晶の細化構造、及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の結晶型固体レーザー媒質複合体は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
結晶型固体レーザー媒質と、前記結晶型固体レーザー媒質と熱膨張係数が近似した高熱伝導材とから成り、前記結晶型固体レーザー媒質と前記高熱伝導材とが接合していることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の結晶型固体レーザー媒質複合体の製造方法は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
1mm以下の直径又は辺長を有する結晶型固体レーザー媒質複合体の製造方法であって、結晶型固体レーザー媒質に補強材を接合する接合工程、接合された結晶型固体レーザー媒質と補強材を共に研磨する研磨工程、を少なくとも含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る結晶型固体レーザー媒質複合体の構造を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る結晶型固体レーザー媒質複合体の製造方法の製造工程の前半の段階を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る結晶型固体レーザー媒質複合体の製造方法の製造工程の後半の段階を示す図である。
図4】本発明の実施形態が採用し得るレーザー媒質の物性を示す表である。
図5】従来の結晶型固体レーザー媒質を示す斜視図であり、(a)はブールから製作される例を、(b)は柱上ロッドから製作される例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る結晶型固体レーザー媒質複合体の実施の形態の一例を図面に基づいて説明するが、以下の図面は説明を目的に作成されたもので、分かりやすくするため、説明に不要な部材を意図的に図示していない場合がある。また、説明のため、部材を意図的に大きくまたは小さく図示している場合があり、正確な縮尺を示す図面ではない。なお、以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0011】
(結晶型固体レーザー媒質複合体の構造)
図1は、本発明の実施形態に係る結晶型固体レーザー媒質複合体の構造を示す斜視図である。複合体は、結晶型固体レーザー媒質1と、後述するように製造に際して補強材となる高熱伝導材2とから成る。
【0012】
本発明の実施形態において、結晶型固体レーザー媒質1は、Nd:YAGである。また、Cr:Al23(ルビー)を採用しても良い。この他、ドーピングされるレーザー活性物質としては、Nd(ネオジウム)やHo(ホルミウム)、Tm(ツリウム)、Er(エルビウム)、Yb(イッテルビウム)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオディウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)、V(バナジウム)、Ni(ニッケル)から選択され、酸化物結晶としては、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、YAP(イットリウム・アルミニウム・ペロブスカイト)、YVO4(イットリウム・バナデート)、GGG(ガリウム・ガドリニウム・ガーネット)、Al23(サファイア)、アレキサンドライト、GdVO4(ガドリニウム・バナデート)、Y23、Sc23、Lu23、GSGG(ガリウム・スカンジウム・ガドリニウム・ガーネット)、等から選択することができる。
【0013】
高熱伝導材2は、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、Al23(サファイア)、Y23、Sc23、Lu23等の酸化物結晶から、採用した結晶型固体レーザー媒質1と熱膨張係数が近似したものが選択される。本実施形態においては、YAGが採用されている。レーザー活性物質のドーピングの有無によって、熱膨張係数は然程変わらないからである。また、Al23(サファイア)も、Nd:YAGに対して熱膨張係数が近似している範囲といえるため、本実施形態において採用し得るものである。
【0014】
結晶型固体レーザー媒質1と高熱伝導材2とは、後述するように、光学的透過性を持った化学的接着剤による接合、低融点金属による接合、拡散接合方法等の適宜の接合方法により接合される。
【0015】
図1から理解されるように、レーザー活性物質がドーピングされている増幅媒質は、図1の中央の結晶型固体レーザー媒質1である。一方、図中において、結晶型固体レーザー媒質1の左右に位置している高熱伝導材2はドーピングされていないため、増幅媒質としては機能しない。
【0016】
ところで、遠方に精度良くレーザーを照射できる性能に関係するビーム品質を示すM2値は、次の式で表される。
2=πω0θ/λ (式1)
式1において、ω0はビームウエスト、θはレーザーの発散角、λは発信波長である。M2がビームウエストと発散角との積であることから、結晶型固体レーザー媒質1の開口断面積が小さい程、レーザー発振モードが改善される。先述したように、これまで、高いビーム品質を得るためには、ファイバーコアを用いるより他なかった。固体レーザーでは細化に限界があったためである。しかし、本発明の実施形態に係る結晶型固体レーザー媒質複合体は、1mm、0.5mm、0.1mm、或いは、それよりも小さいサイズの結晶型固体レーザー媒質1を用いることができることから、ファイバーレーザー並みのビーム品質を得ることが可能である。
【0017】
本発明の実施形態に係る結晶型固体レーザー媒質複合体によれば、図1に示されるように、結晶型固体レーザー媒質1の左右両側に高熱伝導材2がフラップの如く配置されており、かつ、結晶型固体レーザー媒質1と高熱伝導材2の熱膨張率は相互に近似した値となるものが選択されている。このことから、放熱面積が拡大して、放熱効率が向上する。結晶はファイバー母材であるガラス非晶質と比較すると約10倍、熱伝導率が良い。このように、結晶型固体レーザー媒質1の中心部を効率的に冷却する事が可能になり、結晶型固体レーザー媒質1の平均温度が低下してレーザー発振効率が上昇する。また、レーザー媒質の熱平衡に達する時間が縮小し、レーザーパルス発振時にはパルス幅が減少することになる。
【0018】
(結晶型固体レーザー媒質複合体の構造の製造工程)
本発明の実施形態に係る結晶型固体レーザー媒質複合体の製造方法の各工程について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る結晶型固体レーザー媒質複合体の製造方法の製造工程の前半の段階を示す図であり、図3は、本発明の実施形態に係る結晶型固体レーザー媒質複合体の製造方法の製造工程の後半の段階を示す図である。
【0019】
図2(a)において、高熱伝導材2として、Al23(サファイア)、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、Y23、Sc23、Lu23の中から、結晶型固体レーザー媒質1と熱膨張係数が近似したものを用意するのが望ましい。ただし、接合方法として適宜のものを選択することによって、熱膨張係数が異なる場合の組み合わせが排除されるものではない。次いで、基準面となる面(図中の左側面)を研磨する。
【0020】
図2(b)において、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、YVO4(イットリウム・バナデート)、YLF(イットリウムリチウムフロライド)、GGG(ガリウム・ガドリニウム・ガーネット)、Al23(サファイア)、アレキサンドライト、GdVO4(ガドリニウム・バナデート)、Y23、Sc23、Lu23、GSGG、等から選択される酸化物結晶に対して、Nd(ネオジウム)、Ho(ホルミウム)、Tm(ツリウム)、Er(エルビウム)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオディウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)、V(バナジウム)、Ni(ニッケル)の中から選択されるレーザー活性物質がドーピングされた結晶型固体レーザー媒質1を用意し、高熱伝導材2と接合される面(図中の左側面)を研磨する。一方、高熱伝導材2についても、結晶型固体レーザー媒質1と接合される面(図中の右側面)を研磨する。
【0021】
図2(c)において、光学的透過性を持った化学的接着剤による接合、低融点金属による接合、拡散接合方法等の適宜の接合方法により、結晶型固体レーザー媒質1と高熱伝導材2とを接合する。例えば、サファイアとNd:YAGの組み合わせ等、熱膨張係数の近似したもの同士の組み合わせの接合であれば、真空雰囲気で高温度で圧縮させて、接合界面の原子が拡散されることによって接合がなされる拡散接合が望ましい。熱膨張係数が異なるもの同士の組み合わせの接合であれば、接合部の歪を逃がすために、低融点金属(例えば、インジウム)による接合が望ましい。
【0022】
図2(d)において、高熱伝導材2として、Al23(サファイア)、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、Y23、Sc23、Lu23の中から、結晶型固体レーザー媒質1と熱膨張係数が近似したものを用意する。この際、図2(a)において用意した高熱伝導材2と同じ素材を用意するが、必ずしも、同じ素材でなくともよい。そして、結晶型固体レーザー媒質1の高熱伝導材2と接合される面(図中の右側面)を研磨する。この際の研磨は、単に、接合面を平滑にすることのみを目的とするものではなく、結晶型固体レーザー媒質1を細化することをも目的として行われる。図2(d)から見て取れるように、研磨が終了した時点で、図中の左右方向の厚さについての細化が施されたことになる。一方、高熱伝導材2についても、結晶型固体レーザー媒質1と接合される面(図中の左側面)を研磨する。
【0023】
図3(e)において、光学的透過性を持った化学的接着剤による接合、低融点金属による接合、拡散接合方法等の適宜の接合方法により、結晶型固体レーザー媒質1と高熱伝導材2とを接合する。例えば、サファイアとNd:YAGの組み合わせ等、熱膨張係数の近似したもの同士の組み合わせの接合であれば、真空雰囲気で高温度で圧縮させて、接合界面の原子が拡散されることによって接合がなされる拡散接合が望ましい。熱膨張係数が異なるもの同士の組み合わせの接合であれば、接合部の歪を逃がすために、低融点金属(例えば、インジウム)による接合が望ましい。
【0024】
結晶型固体レーザー媒質1に対して、フラップの如く高熱伝導材2が接合された後に、図面における上下方向の厚さについての細化工程が行われる。先ず、図3(f)に示すように、基準面となる図中下面についての研磨が行われる。
【0025】
最後に、図3(g)に示すように、結晶型固体レーザー媒質1を細化するための研磨が行われる。この際、結晶型固体レーザー媒質1の両側に位置する高熱伝導材2は、割れやチップを防止するための補強材としての機能を果たすことになる。そして、最終的に、辺長をdとする結晶型固体レーザー媒質1と高熱伝導材2とから成る複合体が完成する。このdの値は、従前の製造方法に依る固体レーザーでは実現が困難ないし不可能であった、1mm、0.5mm、0.1mm或いはそれよりも小さい値となる。
【0026】
以上のようにして得られた結晶型固体レーザー媒質複合体は、ファイバーレーザー並みのビーム品質を得ることが可能でありつつも、結晶型固体レーザー媒質1の中心部を効率的に冷却する事が可能になり、結晶型固体レーザー媒質1の平均温度が低下してレーザー発振効率が上昇し、また、レーザー媒質の熱平衡に達する時間が縮小し、レーザーパルス発振時にはパルス幅が減少することになる。
【0027】
しかし、本発明は、ビーム品質を向上させるために、細化した結晶型固体レーザー媒質を得る製造方法について発明したものに止まるものでないことは、明確に理解される必要がある。フラップの如き高熱伝導材2は、製造過程の途中で研磨のための補強材として用いられるだけでなく、最終生成物においても残されるものであり、新規な構造によって、熱伝導率の向上に寄与するものだからである。本出願は、新規構造の結晶型固体レーザー媒質複合体についての物の発明とともに、その製造方法の発明を開示するものである。
【0028】
参考までに、本発明の実施形態が採用し得るレーザー媒質の物性につき、図4に示しておく。表より、ファイバーレーザーのレーザー媒質であるアクティブ・ファイバーの母材は石英(Quartz)であり、その熱伝導率は結晶質固体レーザー媒質の10分の1程度、高熱伝導補強材として想定しているサファイアの30分の1とレーザー媒質としての特性は良くない。そのため、レーザー媒質温度が上昇し、レーザー利得が低い。また、熱による断面方向の屈折率分布が均一ではなく、発振するレーザービーム品質が低下する。
【0029】
以上、本発明の実施形態に係る結晶型固体レーザー媒質複合体及びその製造方法について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。本明細書において、辺長のサイズについても示したが、本発明については、数値に臨海的意義を見出す数値限定発明として整理されるものではなく、従前には、想定されていなかった、ファイバーレーザーに引けを取らないビーム品質を固体レーザーで得るという新たな着眼点の下で、それを実現するための構造及び製造方法を提案したものであるということは明確に理解されるべきである。
【符号の説明】
【0030】
1 結晶型固体レーザー媒質
2 高熱伝導材
B 単結晶育成法により引き上げられたブール
R レーザー媒質の柱状ロッド
図1
図2
図3
図4
図5