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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175083
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】情報伝達支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20231205BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087349
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100172502
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀧 眞輔
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】秋山 恵
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 將人
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 要
(72)【発明者】
【氏名】安森 亮雄
(72)【発明者】
【氏名】湯淺 かさね
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】 現地の出席者と遠隔地の出席者が同時に参加することができる情報伝達支援システムを提供する。
【解決手段】
情報伝達支援システム1が、情報提示者が提示する情報を表示する提示情報表示装置11と、遠隔地の出席者の各々を撮影した映像を表示する遠隔地映像表示装置12と、提示情報表示装置11に表示される情報を撮影するとともに現地の出席者の音声を収音する第1撮影装置を備え、提示情報表示装置11と遠隔地映像表示装置12の少なくとも一方を現地出席者の人数及び/又は座席の配置に応じて水平方向に移動可能とする。
【選択図】 図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を提示する情報提示者を含む現地での出席者である現地出席者及び遠隔地での出席者である遠隔地出席者における情報伝達を支援する情報伝達支援システムであって、
前記情報提示者が提示する情報を表示する提示情報表示装置と、
前記遠隔地出席者の各々を撮影した映像を表示する遠隔地映像表示装置と、
前記提示情報表示装置に表示される前記情報を撮影するとともに、前記現地出席者の音声を収録する第1撮影装置と、を備え、
前記情報表示部及び前記遠隔地映像表示装置の少なくともいずれかは、前記現地出席者の人数及び/又は座席の配置に応じて水平方向に移動可能に構成した
ことを特徴とする、情報伝達支援システム。
【請求項2】
前記遠隔地映像表示装置に配置され、現地及び前記現地出席者を撮影する第2撮影装置と、を備え、
前記遠隔地出席者の各々が用いる遠隔端末により撮影した前記遠隔地出席者の映像を前記遠隔地映像表示装置に表示し、
前記遠隔地端末が備える表示部に、前記情報、前記第1撮影装置の映像、前記第2撮影装置の映像、及び前記遠隔地出席者を撮影した映像の1又は2以上を選択的に表示し、
前記遠隔端末が備える音声出力部に、前記収音した音声を出力する
ことを特徴とする、請求項1記載の情報伝達支援システム。
【請求項3】
前記第一撮影装置は、前記現地の中央付近に配置される
ことを特徴とする、請求項1記載の情報伝達支援システム。
【請求項4】
前記遠隔地映像表示装置は、前記現地出席者の座席の背面側に配置される
ことを特徴とする、請求項1記載の情報伝達支援システム。
【請求項5】
前記遠隔地映像表示装置は、平面視略凸状に湾曲した表示部を備える
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の情報伝達支援システム。
【請求項6】
前記遠隔地映像表示装置は、前記遠隔端末により撮影した映像に含まれる前記遠隔地生徒を略実寸大で表示する
ことを特徴とする、請求項1記載の情報伝達支援システム。
【請求項7】
前記現地出席者は情報伝達者である教師及び現地で授業を受ける現地生徒であり、前記遠隔地出席者は前記授業を遠隔地で受ける遠隔地生徒であり、
前記現地生徒が着座する前記座席は、前記第1撮影装置を左右方向中央とする略扇状に配置され、
前記略扇状の座席の各々は、前記提示情報表示装置を向いて配置される
ことを特徴とする、請求項1記載の情報伝達支援システム。
【請求項8】
前記現地の左右方向の一方に前記座席が配置され、他方に前記遠隔映像地表示装置が配置される
ことを特徴とする、請求項7記載の上方伝達支援システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報伝達支援システムに関し、具体的には、現地の出席者と遠隔地の出席者が同時に参加することができる情報伝達支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、学校その他の施設における授業を、情報処理システムを用いてネットワーク通信により遠隔地から受講するものとして、例えば特許文献1のオンライン教育方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-092340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報通信技術の進歩により、昨今では、文字情報や音声情報に限られず、教室や教師を撮影した動画情報を多数の生徒が同時に受信することができるようになった。
【0005】
また、企業における従業員の働き方が変化しており、従来のような、従業員が一箇所に集合して作業や会議を行うのみでなく、遠隔地の拠点やリモートオフィス、或いは従業員の自宅で作業や会議を行う業務形態が普及しており、この様な業務形態を支援する情報システムとしても、従来技術は有用である。
【0006】
さらには、昨今では感染症対策その他の目的により、教室や会議室、作業施設その他の現地に出席者全てが集まることを避け、出席者の一部のみが現地に集合し、他の出席者は遠隔地からの参加を求められることも増えている。
【0007】
これに対して従来技術では、現地で行われる授業を録画してブロードキャスト配信したり、或いは、出席者の全てが遠隔地から参加することを前提としており、現地の出席者と遠隔地の出席者が混在する場における情報伝達を支援する情報システムが求められていた。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑み、現地の出席者と遠隔地の出席者が同時に参加することができる情報伝達支援システムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するためになされた本発明に係る情報伝達支援システムは、情報を提示する情報提示者を含む現地での出席者である現地出席者及び遠隔地での出席者である遠隔地出席者における情報伝達を支援する情報伝達支援システムであって、前記情報提示者が提示する情報を表示する提示情報表示装置と、前記遠隔地出席者の各々を撮影した映像を表示する遠隔地映像表示装置と、前記提示情報表示装置に表示される前記情報を撮影するとともに、前記現地出席者の音声を収録する第1撮影装置と、を備え、前記情報表示部及び前記遠隔地映像表示装置の少なくともいずれかは、前記現地出席者の人数及び/又は座席の配置に応じて水平方向に移動可能に構成したことを特徴としている。
【0010】
本発明に係る情報伝達支援システムは、前記遠隔地映像表示装置に配置され、現地及び前記現地出席者を撮影する第2撮影装置と、を備え、前記遠隔地出席者の各々が用いる遠隔端末により撮影した前記遠隔地出席者の映像を前記遠隔地映像表示装置に表示し、前記遠隔地端末が備える表示部に、前記情報、前記第1撮影装置の映像、前記第2撮影装置の映像、及び前記遠隔地出席者を撮影した映像の1又は2以上を選択的に表示し、前記遠隔端末が備える音声出力部に、前記収音した音声を出力するようにしてもよい。
【0011】
本発明に係る情報伝達支援システムは、前記第一撮影装置は、前記現地の中央付近に配置されるようにしてもよい。
【0012】
本発明に係る情報伝達支援システムは、前記遠隔地映像表示装置は、前記現地出席者の座席の背面側に配置されるようにしてもよい。
【0013】
本発明に係る情報伝達支援システムは、前記遠隔地映像表示装置は、平面視略凸状に湾曲した表示部を備えるようにしてもよい。
【0014】
本発明に係る情報伝達支援システムは、前記遠隔地映像表示装置は、前記遠隔端末により撮影した映像に含まれる前記遠隔地生徒を略実寸大で表示するようにしてもよい。
【0015】
本発明に係る情報伝達支援システムは、前記現地出席者は情報伝達者である教師及び現地で授業を受ける現地生徒であり、前記遠隔地出席者は前記授業を遠隔地で受ける遠隔地生徒であり、前記現地生徒が着座する前記座席は、前記第1撮影装置を左右方向中央とする略扇状に配置され、前記略扇状の座席の各々は、前記提示情報表示装置を向いて配置されるようにしてもよい。
【0016】
本発明に係る情報伝達支援システムは、前記現地の左右方向の一方に前記座席が配置され、他方に前記遠隔地映像表示装置が配置されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の構成によれば、第1撮影装置や第2撮影装置により現地の映像及び音声を撮影して遠隔地出席者が閲覧し、遠隔地出席者の各々を撮影した映像は遠隔地映像表示装置に表示される。これにより、現地出席者と遠隔地出席者は互いを視認することができるので、現地の出席者と遠隔地の出席者が同時に情報伝達に参加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施例に係る情報伝達支援システムの構成を示す図である。
図2】本発明の第1の実施例に係る情報伝達支援システムにおける構成及び什器設備の配置を示す斜視図である。
図3】本発明の第1の実施例に係る情報伝達支援システムにおける構成及び什器設備の配置を示す平面図である。
図4】本発明の第1の実施例に係る情報伝達支援システムにおける遠隔地映像表示部の画面構成を示す図である。
図5】本発明の第1の実施例に係る情報伝達支援システムにおける遠隔地端末に表示される一覧画面の構成を示す図である。
図6】本発明の第1の実施例に係る情報伝達支援システムにおける遠隔地端末に表示される拡大画面の構成を示す図である。
図7】本発明の第2の実施例に係る情報伝達支援システムにおける構成及び什器設備の配置を示す斜視図である。
図8】本発明の第3の実施例に係る情報伝達支援システムにおける構成及び什器設備の配置を示す斜視図である。
図9】本発明の第4の実施例に係る情報伝達支援システムにおける構成及び什器設備の配置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の例について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報伝達支援システム1の構成を示す図であり、図2は、第1の実施形態における情報伝達支援システム1の構成及び現地4の設備什器の配置を示す斜視図であり、図3は、第1の実施形態における情報伝達支援システム1の構成及び現地4の設備什器の配置を示す平面図である。図1~3で示すように、第1の実施形態における情報伝達支援システム1は、提示情報表示部11と、遠隔地映像表示部12と、第1撮影装置13と、第2撮影装置14と、現地端末15から構成されている。
【0020】
また、第1の実施形態における情報伝達支援システム1は、現地4である教室において、教師が現地生徒及び遠隔地生徒に対して授業を行う際の情報伝達を支援するものである。したがって、第1の実施形態において、現地の出席者である出席者は情報提示者である教師と現地生徒から構成され、遠隔地の出席者である遠隔地出席者は遠隔地生徒から構成される。
【0021】
提示情報表示部11は、情報を提示する情報提示者である教師が提示する情報を表示する。第1の実施形態における情報伝達支援システム1は前述のとおり、授業における情報伝達を支援する情報システムであり、提示情報表示部11に表示される情報は上記授業に用いられる資料である。
【0022】
第1の実施形態における提示情報表示部11は、ディスプレイ装置111と、フレーム112から構成されている。また、フレーム112の下端側にはキャスター113が設けられており、後述する現地4を水平方向に移動可能に構成されている。なお、提示情報表示部11として用いる装置は、後述する現地端末15により表示する情報を選択できるものであればよく、例えば、ディスプレイ装置に代えてプロジェクタ及びスクリーンによって提示情報表示部11を構成するようにしてもよい。
【0023】
遠隔地映像表示部12は、遠隔地3の出席者である遠隔地出席者の各々を撮影した映像を表示する。第1の実施形態における遠隔地出席者は遠隔地3で授業に参加する遠隔地生徒であり、遠隔地生徒の各々は後述する遠隔地端末31を用いて授業に参加する。遠隔地端末31は、当該遠隔地端末31を使用する遠隔地生徒を撮影し、当該撮影された映像が後述する中継装置2を介して遠隔地映像表示部12に表示される。
【0024】
第1の実施形態における遠隔地映像表示部12は、具体的には、背面投射型のプロジェクタ121aと、平面スクリーン121bからなる表示部121と、表示部121を載置するフレーム122から構成されている。フレーム122の下端側にはキャスター123が設けられており、遠隔地映像表示部12を、現地生徒を含む現地出席者の人数及び/又は座席42の配置に応じて、現地4を水平方向に移動可能に構成されている。なお、提示情報表示部11と遠隔地映像表示部12の双方を水平方向に移動可能とするか、或いは一方のみ水平方向に移動可能とするかは任意に選択してよい。また、例えば現地4が教室その他の部屋であり、当該部屋の一部又は全部の壁面が移動壁として天井その他に設けられたレール等に沿って移動可能な場合には、当該移動壁に遠隔地映像表示部12を設けることにより水平方向に移動可能な構成としてもよい。
【0025】
第1撮影装置13は、前述の提示情報表示部11に表示される情報、すなわち、情報提示者である教師が提示する情報を撮影するとともに、教師及び現地生徒である現地出席者の音声を収録する。撮影した映像及び収録した音声は、後述する中継装置2を介して後述する遠隔地端末31により再生される。なお、第1の実施形態において第1撮影装置13はカメラ131とマイク132が一体に構成された装置であるが、第1撮影装置13を具体的にどのように構成するかは任意に選択してよく、例えば周知のカメラ及びマイクを組合わせて第1撮影装置13として構成するようにしてもよい。
【0026】
第2撮影装置14は、遠隔地映像表示部12に配置され、現地4及び現地出席者を撮影するカメラである。第1撮影装置13により撮影した映像と同様に、第2撮影装置14により撮影された映像は中継装置2を介して後述する遠隔地端末31により再生される。
【0027】
現地端末15は、教師である情報提示者、又は、教師以外の現地出席者である現地生徒が操作する端末であり、提示情報表示部11に表示する情報を選択する端末である。第1の実施形態において、現地端末15はラップトップ型のコンピュータであり、キーボードやマウスその他の入力デバイスを操作することにより、提示情報表示部11に表示する情報を選択する。なお、現地端末15はラップトップ型コンピュータ以外の装置を用いて構成するようにしてもよく、例えばスマートフォンやタブレット型コンピュータその他の携帯端末を用いてもよいし、或いは、後述する現地4である教室に配置された据置型のパーソナル・コンピュータを用いてもよい。
【0028】
第1の実施形態では、上記接続方法として、現地端末15と提示情報表示部11がHDMI(登録商標)規格のケーブルにより接続されている。この構成により、現地端末15のディスプレイに表示された情報と同一の情報が提示情報表示部11に表示されが、提示情報表示部11に表示される情報をどのように現地端末15により操作するかは任意に選択してよく、例えば、現地端末15及び提示情報表示部11の双方が後述するネットワーク5を介して中継装置2と接続するように構成して、現地端末15の操作により中継装置2を介して現地端末15の表示を制御するようにしてもよい。
【0029】
第1の実施形態における情報伝達システム1を構成する提示情報表示部11、遠隔地映像表示部12、第1撮影装置13、第2撮影装置14、及び、現地端末15は、情報伝達を行う現地4に設置されている。
【0030】
現地4は、情報提示者を含む現地出席者が集合する場所である。現地4としては、例えば教室や会議室その他の部屋を用いてよいし、或いは、講堂その他の施設の一部の領域をもって現地4としてもよい。また、現地4は建築物又は建築物の一部である必要はなく、前述の情報伝達システム1の構成を配置することができれば、例えば運動場その他の場所或いは当該場所の一部の領域をもって現地4としてよい。なお、第1の実施形態では、現地4として教室を用いる。
【0031】
中継装置2は、現地4と遠隔地3の間で映像、音声、画像、文字その他の情報を相互通信する。第1の実施形態では、提示情報表示部11に表示された情報と、第1撮影装置13が撮影した映像及び集音した音声と、第2撮影装置14が撮影した映像は、中継装置2を介して遠隔地端末31にブロードキャスト送信され、遠隔地端末31の表示部31a及び音声出力部31dにより出力される。また、遠隔地端末31の撮影部31bが撮影した映像は、中継装置2を介して遠隔地映像表示部12に送信され、遠隔地映像表示部12の表示部121に表示される。
【0032】
遠隔地端末31は、遠隔地3で授業に参加する遠隔地生徒である遠隔地出席者が使用する端末である。遠隔地端末31として用いる端末は、前述の現地端末15と同様にラップトップ型コンピュータや、スマートフォン或いはタブレットコンピュータその他の携帯端末でもよいし、遠隔地3に設置された据置型のパーソナル・コンピュータを用いてもよい。なお、第1の実施形態における遠隔地端末31は、ディスプレイである表示部31aと、カメラである撮影部31bと、マイクである音声入力部31cと、スピーカである音声出力部31dを備えている。
【0033】
ネットワーク5は、情報伝達支援システム1の構成と、中継装置2と、遠隔地端末31の間で通信を行うコンピュータ・ネットワークである。ネットワーク5としては周知のコンピュータ・ネットワークを用いてよく、例えばインターネットその他の広域ネットワークや、広域ネットワークを用いて構成されたVPN(Virtual Private Network)を用いてよい。
【0034】
以上が、第1の実施形態に係る情報伝達支援システム1の構成である。次いで、第1の実施形態に係る情報伝達支援システム1の構成、及び現地の什器設備の配置について説明する。
【0035】
前述の通り、第1の実施形態において現地4は教室であり、図2及び図3で示すように、現地4である教室の前方に提示情報表示部11が設置されている。
【0036】
提示情報表示部11の後方、すなわち、提示情報表示部11と現地生徒が着座する座席42の間には教卓41が配置されており、当該教卓41には現地端末15が載置されている。
【0037】
第1の実施形態では、現地4の中央付近に第1撮影装置13が設置されており、カメラ131により提示情報表示部11に表示された情報を、教師41と共に撮影できるように構成されている。
【0038】
また、第1撮影装置13が備えるマイク132は、教師である情報提示者と現地生徒からなる現地出席者の音声を集音する。
【0039】
現地4の後方、すなわち、現地生徒が着座する座席42の背面側には、遠隔地映像表示部12が配置されている。第1の実施形態における授業は、教師が、現地生徒及び遠隔地表示部12に表示される遠隔地生徒42と対面する構成となっている。
【0040】
また、第1の実施形態では、現地生徒が着座する座席42は、第1撮影装置13を左右方向中央とする略扇状に配置されており、当該略扇状に配置された座席42の各々は、現地4の前方に配置された提示情報表示部11を向いて配置されている。
【0041】
以上が、第1の実施形態における情報伝達支援システム1の構成及び現地4の設備什器の配置である。
【0042】
次いで、第1の実施形態における、遠隔地映像表示部12及び遠隔地端末31の画面構成について説明する。図4は、第1の実施形態における遠隔地映像表示部12の表示画面W1の構成を示す図である。図4で示すように、第1の実施形態において、遠隔地映像表示部12の表示画面W1には、遠隔地3で授業を受ける遠隔地生徒の各々を遠隔地端末31の撮影部31bにより撮影した映像W11が表示されている。なお、第1の実施形態において映像W11は、映像W11に含まれる遠隔地生徒が略実寸大で表示されるように構成されている。
【0043】
図5は、遠隔地端末31の表示部31aに表示される一覧画面W2の構成を示す図であり、図6は、遠隔地端末31の表示部31aに表示される拡大画面W3の構成を示す図である。
【0044】
遠隔地端末31は、情報伝達支援システム1と中継装置2を介して接続されると、図5で示す一覧画面W2を表示部31aに表示するように構成されている。一覧画面W2は、遠隔地生徒の操作により拡大表示可能な情報を一覧表示する画面であり、第1の実施形態では、提示情報表示部11に表示されている提示情報W21と、第1撮影装置13により撮影される第1撮影映像W22と、第2撮影装置14により撮影される第2撮影映像W23と、遠隔地生徒の各々を遠隔地端末31により撮影した遠隔地映像W24のサムネイルが一覧表示されている。
【0045】
遠隔地生徒が上記一覧画面W2の何れかのサムネイルを選択すると、当該サムネイルを拡大表示する拡大表示画面W3が遠隔地端末31の表示部31aに表示される。図6で示すように、拡大表示画面W3には、遠隔地生徒が選択した任意の拡大映像W31と、当該映像W31を除くサムネイルW32から構成されている。拡大表示画面W3において、サムネイルW32の任意の一を遠隔地生徒が選択した場合には、当該選択したサムネイルの映像が拡大映像W31に表示される。第1の実施形態では、上記のように、一覧画面W2又は拡大画面W3において、提示情報表示部11に表示された情報と、第1撮影装置13により撮影された映像と、第2撮影装置14により撮影された映像と、遠隔地生徒である遠隔地生徒の各々を遠隔地端末31により撮影した映像を選択的に拡大映像W31として表示することができる構成となっている。
【0046】
また、前述のように、遠隔地端末31は、中継装置2を介して第1撮影装置13により集音した音声が送信されており、一覧画面W2又は拡大画面W3が表示されている間において、当該音声が遠隔地端末31の音声出力部31dにより出力される。
【0047】
第1の実施形態の説明は以上である。第1の実施形態では、教室である現地4の前方から後方に向かって、提示情報表示部11、現地端末15、第1撮影装置13を左右方向中心として略扇状に配された座席42、遠隔地映像表示部12が設置されている。また、遠隔地映像表示部12には、遠隔地生徒である遠隔地出席者の各々を撮影した映像が略実寸大となるように表示されており、教師は、現地生徒及び遠隔地生徒と対面して授業における情報伝達をすることができ、現地生徒だけでなく、遠隔地生徒の反応その他に応じた説明を行うことができる。
【0048】
第1の実施形態では、マイク132を備える第1撮影装置13が現地4の中央付近に配置されており、現地生徒は第1撮影装置13を左右方向中心として略扇状に配置された座席42に着座する。このとき、各座席42は第1撮影装置13の前方に配置された提示情報表示部11に向かって配置されているので、教師及び現地生徒の発話を効率良く集音することができる。例えば、現地4として講堂その他の広い施設の一部領域を用いる場合に、同一の施設の他の領域を同時に他の授業で使用する際には、施設内で複数の授業の音声が生じるが、第1の実施形態の構成では、第1撮影装置13を中心付近として教師が前方に位置し、現地生徒が後方に略扇状に位置することにより、効率良く各自の授業における音声を集音することができる。
【0049】
また、現地生徒の後方すなわち背面側に略実寸大で遠隔地生徒の各々が表示された遠隔地映像表示部12が配置されていることにより、現地生徒は自身の後方に遠隔地生徒が着座しているのと同様に授業を受けることができる。遠隔地端末31では第1撮影装置13が撮影する提示情報表示部11の映像と、第2撮影装置14が撮影する現地4の映像、すなわち、現地4を遠隔地映像表示部12から撮影した映像を選択的に表示することができるので、遠隔地生徒は現地4の後方に着座しているのと同様に授業を受けることができるので、現地生徒及び遠隔地生徒の双方が臨場感のある授業を受けることができる。
【0050】
また、第1の実施形態における遠隔地映像表示部12はフレーム122の下端側にキャスター123が設けられており、遠隔地映像表示部12を、現地生徒を含む現地出席者の人数及び/又は座席42の配置に応じて、現地4を水平方向に移動可能に構成されている。この構成により、第1の実施形態では、現地生徒の人数や座席42の配置に応じて遠隔地映像表示部12の配置を柔軟に変更することができる。
【0051】
次いで、本発明の第2の実施形態に係る情報伝達支援システムについて説明する。図7は、第2の実施形態における情報伝達支援システム1の構成及び現地4の設備什器の配置を示す斜視図である。第1の実施形態では、前述のように、現地生徒の背面側に遠隔地映像表示部12を配置しているが、第2の実施形態では、図7で示すように、教室である現地4の提示情報表示装置11側を前方として、左右方向の一方に現地生徒が着座する座席42を配置し、他方に遠隔地映像表示部12配置している。
【0052】
また、第2の実施形態において、遠隔地映像表示部12は、平面視において略凸型に湾曲した湾曲スクリーン121cを含む表示部121を備えており、教師及び現地生徒が遠隔地生徒を視認し易いものとなっている。
【0053】
第2の実施形態では、現地生徒と遠隔地生徒の映像を表示する遠隔地映像表示部12が左右に並ぶように構成されており、現地生徒及び遠隔地生徒が互いの存在を視認し易く、臨場感のある授業を受けることができる。
【0054】
次いで、本発明の第3の実施形態に係る情報伝達支援システムについて説明する。図8は、第3の実施形態における情報伝達支援システム1の構成及び現地4の設備什器の配置を示す斜視図である。図8で示すように、第3の実施形態では、現地4の中央付近に、第1撮影装置13に加えてテーブル43が設置されている。第3の実施形態では、教師と、現地生徒と、遠隔地生徒の映像を表示する遠隔地映像表示部12が、テーブル43を囲って位置するように構成されており、テーブル43を含む現地4と、現地出席者である教師及び現地生徒を第2撮影装置14により撮影した映像が遠隔地端末31に表示される。これにより、模型や図面等の教材その他の資料を用いて授業における情報伝達を支援することができる。また、テーブル43として用いる什器は任意に選択してよく、例えば天板がホワイトボードとなるテーブルを用いた場合には、当該ホワイトボードに教師及び/又は現地生徒が記載した文字や図形を遠隔地生徒と共有することができる。或いは、テーブル43として水平設置型のインタラクティブホワイトボードを用いてネットワーク5を介して遠隔地端末31と接続するように構成した場合には、遠隔地端末31を用いて遠隔地生徒が当該インタラクティブボードに文字や図形等を記載することができるので、双方向の情報伝達を支援することができる。
【0055】
次いで、本発明の第4の実施形態に係る情報伝達支援システムについて説明する。図9は、第4の実施形態における情報伝達支援システム1の構成及び現地4の設備什器の配置を示す斜視図である。図9で示すように、第4の実施形態では、現地4の周囲にパーティション44が設置されている。また、第1~第3の実施形態では、遠隔地映像表示部12としてプロジェクタ及びスクリーンを用いているが、第4の実施形態では遠隔地映像表示部12はディスプレイ装置124を備えている。第4の実施形態では、現地4の周囲に設置するパーティション44を備えることで、講堂その他の広い施設の一部領域を容易に現地4として、情報伝達を行うことができる。
【0056】
本発明の実施形態の説明は以上である。なお、本発明の実施の形態はこれに限られない。例えば、第4の実施形態では現地4の周囲にパーティション44が設置される構成であるが、当該パーティション44を第1の実施形態において設置するようにしてもよい。また、提示情報表示部11と遠隔地映像表示部12の具体的な構成についても、現地4や伝達する情報の種類、現地及び遠隔地の出席者に応じて任意に変更してよく、例えば、第1の実施形態における提示情報表示部11はキャスター113が設置されたフレーム112を備えて現地4を水平方向に移動可能に構成されているが、例えば現地4である教室の教卓41側壁面にディスプレイ装置111を固定的に設置して、これを提示情報表示部11として用いるようにしてもよい。また、第2の実施形態において、遠隔地映像表示部12をディスプレイ装置124を用いて構成するようにしてもよい。
【0057】
その他の具体的な構成も本実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 情報伝達支援システム
11 提示情報表示部
12 遠隔地映像表示部
121 表示部
121a プロジェクタ
121b 平面スクリーン
122 フレーム
123 キャスター
13 第1撮影装置
131 カメラ
132 マイク
14 第2撮影装置
15 現地端末
2 中継装置
31 遠隔地端末
31a 表示部
31b 撮影部
31c 音声入力部
31d 音声出力部
4 現地
41 教卓
42 座席
5 ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9