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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175086
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】食材調理容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/26 20060101AFI20231205BHJP
   B65D 81/34 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B65D81/26 M
B65D81/34 F
B65D81/34 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087356
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】522214406
【氏名又は名称】芝野 智之
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 成則
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】芝野 智之
【テーマコード(参考)】
3E013
3E067
【Fターム(参考)】
3E013BA24
3E013BB01
3E013BC04
3E013BD01
3E013BD11
3E013BE02
3E013BH08
3E013BH16
3E013BH32
3E013BH38
3E013BH68
3E013BH70
3E013BJ01
3E013CB01
3E013CC06
3E067AA16
3E067AB01
3E067BA01A
3E067BB14A
3E067CA07
3E067CA24
3E067DA08
3E067FA01
3E067FC01
3E067GB08
(57)【要約】
【課題】湯切り若しくは水切りに係る液体を外部に捨てることなく湯切り若しくは水切りして食材を食することができる食材調理容器を提供する。
【解決手段】湯切り若しくは水切り時に開かれる貫通孔31が形成された中板30で第1の空間40と第2の空間50とに上下に仕切られた2重構造からなり、上の第1の空間40に湯戻し若しくは水戻しする食材41が収容され、下の第2の空間50に、湯切り若しくは水切りした湯又は水を吸収して膨張する吸水剤51が収容される食材調理容器であって、第1の空間40の側壁に沿って配設され、一端に第2の空間50に開く第1の開口61と他端に第1の空間40の上部で開く第2の開口61とを有する中空空気抜き部材60を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯切り若しくは水切り時に開かれる貫通孔が形成された中板で第1の空間と第2の空間とに上下に仕切られた2重構造からなり、上の第1の空間に湯戻し若しくは水戻しする食材が収容され、下の第2の空間に、前記湯切り若しくは水切りに係る湯又は水を吸収して膨張する吸水剤が収容される食材調理容器であって、
一端に前記第2の空間内で開く第1の開口と他端に前記食材調理容器の上部で開く第2の開口とを有する中空空気抜き部材
を具備することを特徴とする食材調理容器。
【請求項2】
前記中空空気抜き部材は、前記第1の空間の側壁に沿って配設されていることを特徴とする請求項1に記載の食材調理容器。
【請求項3】
前記吸水剤は、水と反応することにより冷却効果を有する材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の食材調理容器。
【請求項4】
前記中板の貫通孔に前記第1の空間側から剥離自在に貼設され、前記貫通孔を塞ぐ第1の剥離シールと、
前記中空空気抜き部材の第2の開口に剥離自在に貼設され、前記第2の開口を塞ぐ第2の剥離シールと、
をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の食材調理容器。
【請求項5】
前記第1の剥離シール及び第2の剥離は一体に成形されており、前記湯切り若しくは水切り時に同時に剥離されることを特徴とする請求項4に記載の食材調理容器。
【請求項6】
前記中板の下面に設けられ、前記吸水剤の膨張により前記貫通孔及び前記第2の開口を閉じる閉機構、
をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の食材調理容器。
【請求項7】
前記閉機構は、前記第2の空間内に配設され、前記吸水剤の膨張により上に押し上げられて前記貫通孔及び前記第1の開口を閉じるシート部材を含むことを特徴とする請求項8に記載の食材調理容器。
【請求項8】
前記シート部材は、前記中板の前記貫通孔及び前記第1の開口が形成された箇所に対応して配設され、少なくとも一端が前記中板の下面に固設されていることを特徴とする請求項7に記載の食材調理容器。
【請求項9】
前記シート部材は、その上面に前記貫通孔及び前記第1の開口に対応して形成され、前記貫通孔及び前記第1の開口に嵌合する複数の突起部を有することを特徴とする請求項7に記載の食材調理容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯戻し若しくは水戻して食に供する食材の調理収容に適した食材調理容器に関する。
【背景技術】
【0002】
簡単に調理が可能な食材として、湯戻しして食するカップ焼きそば、カップ春雨、カップスパゲティ、生麺タイプのカップラーメン、カップうどん、及びカップ等に収容された餃子、シウマイ等の飲茶食材等が知られており、また、水戻しして食するカップそば、カップうどん等も知られている。
【0003】
これらの食材は、カップに湯又は水を注いで湯戻し若しくは水戻しした後に、湯切り、水切り操作が必要になる。
【0004】
上記湯切り操作を容易にした従来のこの種の食材調理容器としては、特許文献1に開示した「湯切り孔付き蓋材」を用いたものが知られている。この特許文献1に開示した「湯切り孔付き蓋材」を用いた食材調理容器は、湯切り孔形成用摘み3を掴んで外蓋11の紙層12を内蓋15から剥離することにより内蓋15に湯切り孔9を形成し、この湯切り孔9を通して容器内の湯切りに係る液体を外部に捨てるように構成されている。
【0005】
しかし、上記構成の湯切りを必要とする食材や水切りを必要とする食材は、湯切り若しくは水切りをした湯、水等の液体を捨てる場所のない環境下においては食することができない。そして、このことがコンビニエンスストア等におけるこの種の食材の販売の大きな障害となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-96879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、湯切り若しくは水切りに係る液体を外部に捨てることなく湯切り若しくは水切りして食材を食することができる食材調理容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、湯切り若しくは水切り時に開かれる貫通孔が形成された中板で第1の空間と第2の空間とに上下に仕切られた2重構造からなり、上の第1の空間に湯戻し若しくは水戻しする食材が収容され、下の第2の空間に、前記湯切り若しくは水切りに係る湯又は水を吸収して膨張する吸水剤が収容される食材調理容器であって、一端に前記第2の空間内で開く第1の開口と他端に前記食材調理容器の上部で開く第2の開口とを有する中空空気抜き部材を具備することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記中空空気抜き部材は、前記第1の空間の側壁に沿って配設されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記吸水剤は、水と反応することにり冷却効果を有する材料からなることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項の発明において、前記中板の貫通孔に前記第1の空間側から剥離自在に貼設され、前記貫通孔を塞ぐ第1の剥離シールと、前記中空空気抜き部材の第2の開口に剥離自在に貼設され、前記第2の開口を塞ぐ第2の剥離シールと、をさらに具備することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記第1の剥離シール及び第2の剥離は一体に成形されており、前記湯切り若しくは水切り時に同時に剥離されることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項の発明において、前記中板の下面に設けられ、前記吸水剤の膨張により前記貫通孔及び前記第2の開口を閉じる閉機構、をさらに具備することを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記閉機構は、前記第2の空間内に配設され、前記吸水剤の膨張により上に押し上げられて前記貫通孔及び前記第1の開口を閉じるシート部材を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記シート部材は、前記中板の前記貫通孔及び前記第1の開口が形成された箇所に対応して配設され、少なくとも一端が前記中板の下面に固設されていることを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項7の発明において、前記シート部材は、その上面に前記貫通孔及び前記第1の開口に対応して形成され、前記貫通孔及び前記第1の開口に嵌合する複数の突起部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、湯切り若しくは水切り時に開かれる貫通孔が形成された中板で第1の空間と第2の空間とに上下に仕切られた2重構造からなり、上の第1の空間に湯戻し若しくは水戻しする食材が収容され、下の第2の空間に、前記湯切り若しくは水切りに係る湯又は水を吸収して膨張する吸水剤が収容される食材調理容器であって、一端に前記第2の空間内で開く第1の開口と他端に前記食材調理容器の上部で開く第2の開口とを有する中空空気抜き部材を具備して構成したので、湯切り若しくは水切り時に第1の空間内の湯又は水を第2の空間に容易に導いて第2の空間内の吸水剤に吸収させることができ、これにより湯切り若しくは水切りに係る液体を外部に捨てることなく食することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明に係る食材調理容器の一実施例を示す断面図及び上面図である。
図2図2は、図1に示した食材調理容器の中板に設けた貫通孔を湯切り若しくは水切り後に閉じる閉機構の一例を説明する断面図である。
図3図3は、図1に示した食材調理容器を用いた食材の調理方法を説明する図である。
図4図4は、図1に示した食材調理容器を用いた食材の調理方法を説明する図である。
図5図5は、図1に示した食材調理容器の中板に設けた貫通孔を湯切り若しくは水切り後に閉じる閉機構の他の例を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための実施例について、願書に添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る食材調理容器の一実施例を示すもので、図1(A)は、その断面図、図1(B)は、その上面図である。
【0021】
図1(A)、(B)に示す実施例1の食材調理容器100おいて、この食材調理容器100は、蓋体10と容器本体20から構成され、容器本体20の中間部には中板30が設けられ、この中板30により画成される中板30の上面と蓋体10の下面との間の上の第1の空間40と、容器本体20の底面と中板30の下面との間の下の第2の空間50とからなる2重構造に形成される。
【0022】
そして、上の第1の空間40には、調理対象である食材41等が収容され、下の第2の空間50には、吸水剤51が収容される。ここで、吸水剤51としては、吸水により膨張する周知の吸水剤を用いることができる。また、中板30は、容器本体20と一体成形されているが、別体として構成するようにしてもよい。
【0023】
第1の空間40に収容される食材41としては、例えば湯戻しした後に湯切りして食するカップ焼きそばを想定しているが、カップ焼きそば以外の湯戻しして食するカップ春雨、カップスパゲティ、生麺タイプのカップラーメン、カップうどん、及びカップ等に収容された餃子、シウマイ等の飲茶食材又は水戻しして食するカップそば、カップうどん又はこんにゃくや生めん、タピオカ等であってもよい。
【0024】
さて、この実施例の食材調理容器100には、第1の空間40の側壁に沿って配設され、一端に第2の空間50内で開く第1の開口61と他端に第1の空間40の上部で開く第2の開口62とを有する中空空気抜き部材60が設けられている。
【0025】
この中空空気抜き部材60は後に詳述するように、第1の空間40に収容した食材41の湯切り時若しくは水切り時に、第1の空間40内の湯又は水を第2の空間50に容易に導いて第2の空間50内の吸水剤に吸収させることができるようにするために設けられたものである。
【0026】
容器本体20の中間部に設けられる上記中板30には、図1(B)に示すように、複数の貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第2の開口部62を塞ぐ剥離シール32が貼設されている。この剥離シール32には、第1の空間40に収容された食材41の湯切り時若しくは水切り時に、外部から把持される延材部33が設けられている。なお、上記延材部33の代わりに剥離シール32に取り付けた紐等を設けるようにしてもよい。また、剥離シール32の延材部33は、蓋体10を開ける前は第1の空間40内に収容するようにしてもよい。
【0027】
また、上記実施例では、貫通孔31を塞ぐ第1の剥離シールと、中空空気抜き部材60の第2の開口部62を塞ぐ第2の剥離シールとを一体化した剥離シール32を用いたが、貫通孔31を塞ぐ第1の剥離シールと、中空空気抜き部材60の第2の開口部62を塞ぐ第2の剥離シールとを別体として構成してもよい。
【0028】
第1の空間40内の食材41の湯切り時若しくは水切り時には、容器本体20の外部から延材部33を把持して引くことにより、剥離シール32を第1の空間40側から剥がして貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第2の開口部62を開き、これにより第1の空間40の湯又は水をこの貫通孔31を通って、第2の空間50に導いて、吸水剤51に吸収させる。
【0029】
このとき、上記中空空気抜き部材60がないと、第2の空間50は密閉空間となっているため、中板30の貫通孔31を開いても、第1の空間40の湯又は水をこの貫通孔31を通って、第2の空間50に流れない。
【0030】
さて、この実施例の食材調理容器100には、上記貫通孔31を通った湯切り若しくは水切り後に、貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61を第2の空間側50から閉じるための閉機構が設けられている。
【0031】
この閉機構は、中板30の上記貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61が形成された箇所に対応して配設され、一端が中板30の下面に固設され、他端が自由端を形成している弾性体からなるシート部材34から構成される。このシート部材34は、湯切り若しくは水切りに際しては、その弾性力により貫通孔31を開いたままに維持するが、湯切り若しくは水切りに係る湯又は水が第2の空間50に流れ、吸水剤51に吸収されて、この吸水剤51は膨張すると、この吸水剤51の膨張に伴って、シート部材34はその弾性力に抗して上に押し上げられ、貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61を自動的に閉じるように機能する。
【0032】
図2は、上記貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61を湯切り若しくは水切り後に閉じる閉機構の詳細を説明する断面図である。
【0033】
図2(A)に示すように、上記湯戻し、若しくは水戻し湯切り、若しくは水切り前においては、中板30の貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第2の開口62は、その上面側から貼られた剥離シール32により閉じられている。
【0034】
この状態において、剥離シール32が第1の空間40側から剥がされると、湯切り若しくは水切りに係る湯又は水は、図2(B)に示すように、貫通孔31を通って第1の空間40から第2の空間50に流れる。
【0035】
このとき、第2の空間40内の空気は中空空気抜き部材60の第1の開口61から中空空気抜き部材60、中空空気抜き部材60の第2の開口62を通って流れるので、湯切り若しくは水切りに係る湯又は水を貫通孔31を通って容易に第1の空間40から第2の空間50に容易に流れる。この第2の空間50に流れた湯又は水は、第2の空間50内に収容されている吸水剤51に吸水される。
【0036】
第2の空間50内に収容されている吸水剤51は、湯切り、若しくは水切りに係る湯又は水の吸収により膨張し、図2(C)に示すように、シート材34の弾性力に抗して、シート材34を下から上に押し上げ、その結果、貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61は、シート材34により塞がれ、貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61は閉じられることになる。
【0037】
図3図4は、図1に示した食材調理容器100を用いた食材41の調理方法を説明する図である。
【0038】
図3(A)に示すように、この食材調理容器100の第1の空間40には、調理対象である食材41が収容され、第2の空間50には、吸水剤41が収容されている。
【0039】
この状態で、蓋体10を開け、図3(B)に示すように、第1の空間40に必要な湯又は水60等の液体Lを注ぎ、第1の空間40内の食材41の湯戻し若しくは水戻しを行う。
【0040】
第1の空間40内の湯又は水等の液体Lが所定量に達すると、容器本体20に蓋体10を乗せて蓋をする。
【0041】
所要時間経過して、第1の空間40内の食材41等の湯戻し若しくは水戻しが完了する(図3(C))と、図4(D)に示すように、容器本体20から蓋体10を外す。そして、剥離シール32の延在部33を引くことにより、剥離シール32を剥離し、中板30の貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第2の開口部62を開く。これにより、第1の空間40内の湯又は水等の液体Lは、貫通孔31を通って第2の空間50に流れ、湯切り若しくは水切りが行われる。
【0042】
この時、中板30の上記貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61に対応して配設されたシート材34は、その弾性力で貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第2の開口部62から離間しているので、第2の空間40内の空気は中空空気抜き部材60の第1の開口61、中空空気抜き部材60、中空空気抜き部材60の第2の開口62を通って流れ、第1の空間40内の湯切り若しくは水切り係る湯又は水等の液体Lは、容易に中板30の貫通孔31を通って下に流れることができ、容器全体を傾けたりしなくて確実かつ有効な湯切り若しくは水切りを行うことができる。
【0043】
第1の空間40から第2の空間50に流れ込んだ湯切りに係る湯又は水等の液体Lは、図4(D)に示すように、第2の空間40内の吸水剤51により吸収され、吸水剤51は徐々に膨張する。
【0044】
この吸水剤51の膨張により、シート材34は下から上に押し上げられ、図4(E)に示すように、中板30の上記貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61は、このシート材34により下から閉じられ、この食材41の調理が終了する。
【0045】
上記構成によると、中板30の上記貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61は、湯切り若しくは水切り後に、シート材34により閉じられるので、第2の空間50の吸水剤51に吸収された湯又は水等の液体Lが湯切り若しくは水切りした食材41に逆流して触れる虞は生じず、また、吸水剤51から発生するガス等も湯切り若しくは水切りした食材41に触れる虞もない。
【0046】
図5は、上記貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61を湯切り若しくは水切り後に閉じる閉機構の詳細の他の構成例を説明する断面図である。
【0047】
図5においては、中板30の上記貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61に対応して配設されるシート材34の上面に、上記貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61に対応して形成され、該貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61にそれぞれ嵌合する突起部35を有している。その他の構成は図2に示した構成と同様である。
【0048】
すなわち、図5(A)の状態で、剥離シール32が第1の空間40側から剥がされると、湯切り若しくは水切りに係る湯又は水は、図5(B)に示すように、貫通孔31を通って第1の空間40から第2の空間50に流れ、このとき第2の空間40内の空気は中空空気抜き部材60の第1の開口61、中空空気抜き部材60、中空空気抜き部材60の第2の開口62を通って流れ、第2の空間50に流れた湯又は水は、第2の空間50内に収容されている吸水剤51に吸水される。
【0049】
第2の空間50内に収容されている吸水剤51は、湯切り、若しくは水切りに係る湯又は水の吸収により膨張し、図5(C)に示すように、シート材34を下から上に押し上げられ、その結果、貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61は、シート材34により塞がれ、貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61は閉じられる。
【0050】
ここで、シート材34には、中板30の貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61に対応して突起部35が形成されているので、図5(C)の状態において、シート材34の突起部35は、中板30の貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61に嵌合し、これにより貫通孔31及び中空空気抜き部材60の第1の開口61をより確実に閉じることができる。
【0051】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。
【0052】
例えば、上記第2の空間に収容される吸水剤を水と反応することにより冷却効果を有する材料から構成すれば、水戻した第1の空間の食材を冷却状態に維持させることができる。
【0053】
また、本発明に係る食材調理容器は、湯切り若しくは水切りに係る液体を外部に捨てることなく第1の空間に収容した食材を食することができるので、例えば、この食材調理容器をぬいぐるみ等に収容して持ち歩けば、場所、時を選ばずにこの種の食材を食することが可能になる。
【符号の説明】
【0054】
10…蓋体
20…容器本体
30…中板
31…貫通孔
32…剥離シール
33…延在部
34…シート部材
35…突起部
40…第1の空間
41…食材
50…第2の空間
51…吸水剤
60…中空空気抜き部材
61…第1の開口
62…第2の開口
100…食材調理容器
L…液体
図1
図2
図3
図4
図5