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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175109
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】乗客コンベアの電力供給制御装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 29/00 20060101AFI20231205BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20231205BHJP
   H02P 27/06 20060101ALI20231205BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20231205BHJP
【FI】
B66B29/00 H
B66B31/00 E
H02P27/06
H02M7/48 L
H02M7/48 M
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087390
(22)【出願日】2022-05-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】森上 敦史
【テーマコード(参考)】
3F321
5H505
5H770
【Fターム(参考)】
3F321AA05
3F321DA00
3F321DB00
3F321DD01
3F321GA07
3F321HA18
5H505AA03
5H505BB03
5H505CC05
5H505DD03
5H505FF04
5H505FF05
5H505HA05
5H505HA06
5H505HB01
5H505JJ03
5H770BA01
5H770CA02
5H770DA03
5H770FA03
5H770FA11
5H770FA13
5H770GA06
5H770JA17W
5H770JA17Z
5H770LA03W
5H770LB00
5H770LB10
(57)【要約】
【課題】装置の大型化を抑制することができる乗客コンベアの電力供給制御装置を得ることを目的とする。
【解決手段】電力供給制御装置は、コンバーター2と平滑コンデンサ3とインバーター4とを有する電力変換回路10の平滑コンデンサ3に予備充電する充電回路14、充電回路14に接続されている蓄電部15、及び、インバーター4を制御するインバーター制御部11を備え、充電回路14は、待機モードが設定されている場合、平滑コンデンサ3を予備充電し、駆動モードが設定されている場合、主電源1から供給される電力により蓄電部15を充電し、インバーター制御部11は、主電源1からの電力供給が遮断した場合、電力供給元を主電源1から蓄電部15に切り替えるとともに、電動機108が減速して停止するように、インバーター4を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバーターと、インバーターと、前記コンバーターと前記インバーターとの間に設けられている平滑コンデンサとを有しており、主電源からの電力を電動機に供給する電力変換回路、
前記平滑コンデンサに接続されており、前記主電源から供給される電力により前記平滑コンデンサを予備充電する充電制御部、
前記充電制御部に接続されている蓄電部、及び、
前記主電源から供給される電力により動作し、前記インバーターを制御するインバーター制御部を備え、
前記充電制御部は、乗客コンベアの動作モードとして待機モードが設定されている場合、前記平滑コンデンサを予備充電し、前記動作モードとして駆動モードが設定されている場合、前記主電源から供給される電力により前記蓄電部を充電し、
前記インバーター制御部は、前記主電源からの電力供給が遮断した場合、電力供給元を前記主電源から前記蓄電部に切り替えるとともに、前記電動機が減速して停止するように、前記インバーターを制御する、乗客コンベアの電力供給制御装置。
【請求項2】
前記蓄電部は、満充電となっておらず、且つ前記主電源からの電力供給が遮断した場合、前記平滑コンデンサに溜まっている電力により充電される、請求項1記載の乗客コンベアの電力供給制御装置。
【請求項3】
前記インバーター制御部は、前記主電源からの電力供給が遮断した場合、前記蓄電部からの電力を、照明装置に供給する、請求項1または2記載の乗客コンベアの電力供給制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗客コンベアの電力供給制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の乗客コンベアの非常時運転装置には、充放電制御部と、蓄電装置と、インバーター制御部とが備えられている。充放電制御部は、乗客コンベアの通常運転時に蓄電装置を充電し、停電時に蓄電装置が放電するように、蓄電装置を制御する。インバーター制御部は、停電時において、蓄電装置からの放電により電動機が駆動するように、インバーターを制御する。また、インバーター制御部は、蓄電装置の残存容量が少なくなった場合、電動機の回転数を下げて乗客コンベアが停止するように、インバーターを制御する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-182456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の乗客コンベアの非常時運転装置においては、蓄電装置の充放電を制御するために、専用の充放電制御部が備えられている。このため、装置が大型化する。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、装置の大型化を抑制することができる乗客コンベアの電力供給制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る乗客コンベアの電力供給制御装置は、コンバーターと、インバーターと、コンバーターとインバーターとの間に設けられている平滑コンデンサとを有しており、主電源からの電力を電動機に供給する電力変換回路、平滑コンデンサに接続されており、主電源から供給される電力により平滑コンデンサを予備充電する充電制御部、充電制御部に接続されている蓄電部、及び、主電源から供給される電力により動作し、インバーターを制御するインバーター制御部を備え、充電制御部は、乗客コンベアの動作モードとして待機モードが設定されている場合、平滑コンデンサを予備充電し、動作モードとして駆動モードが設定されている場合、主電源から供給される電力により蓄電部を充電し、インバーター制御部は、主電源からの電力供給が遮断した場合、電力供給元を主電源から蓄電部に切り替えるとともに、電動機が減速して停止するように、インバーターを制御する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の乗客コンベアの電力供給制御装置によれば、装置の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1における乗客コンベアの概略構成を示す側面図である。
図2図1に示す電力供給制御装置の構成を示す図である。
図3図2に示す制御本体部の動作を示すフローチャートである。
図4】実施の形態1の制御本体部の各機能を実現する処理回路の第1例を示す構成図である。
図5】実施の形態1の制御本体部の各機能を実現する処理回路の第2例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における乗客コンベアの概略構成を示す側面図である。
【0011】
図1の乗客コンベア100において、トラス101は、下階と上階との間に架設されている。トラス101内には、搬送体107が支持されている。搬送体107は、複数の踏段が無端状に連結されて構成されている。搬送体107は、循環することにより乗客を搬送する。
【0012】
トラス101上には、一対の欄干105及び一対の移動手摺106が設けられている。図1においては、一対の欄干105のうちの一方、及び一対の移動手摺106のうちの一方のみが示されている。各移動手摺106は、対応する欄干105に設けられている。また、各移動手摺106は、搬送体107に同期して循環する。
【0013】
各欄干105には、複数の照明装置111が移動手摺106に沿って設けられている。各照明装置111は、欄干105及び搬送体107を照らすことができる。
【0014】
トラス101内には、電動機108及び制御盤109が設けられている。
【0015】
電動機108は、図示しない駆動スプロケットを回転させる。駆動スプロケットの回転により、搬送体107及び各移動手摺106が循環する。
【0016】
制御盤109は、乗客コンベア100の運転、即ち、乗客コンベア100内の各種機器の動作を制御する。制御盤109は、電力供給制御装置110を有している。電力供給制御装置110は、電動機108に電力を供給する。
【0017】
図2は、図1に示す電力供給制御装置の構成を示す図である。
【0018】
図2において、電力供給制御装置110は、電力変換回路10、インバーター制御部11、主回路コンタクタ12、制御用電源13、充電回路14、蓄電部15、第1リレー16a、第2リレー16b、及び照明回路17を備えている。図2においては、インバーター制御部11をINV制御部11と表記している。また、図2において、主電源1は、交流電力を供給する三相交流電源である。
【0019】
電力変換回路10は、主電源1からの電力を電動機108に供給する。電力供給回路10は、コンバーター2と、平滑コンデンサ3と、インバーター4とを有している。図2においては、コンバーター2をCNV2と表記し、インバーター4をINV4と表記している。
【0020】
コンバーター2は、主電源1からの交流電力を直流電力に変換する。
【0021】
平滑コンデンサ3は、コンバーター2とインバーター4との間に設けられている。また、平滑コンデンサ3は、コンバーター2による整流後の直流電力を平滑化する。
【0022】
インバーター4は、平滑コンデンサ3によって平滑化された直流電力を、設定周波数の交流電力に変換する。
【0023】
制御用電源13は、主電源1のうちの単相交流電圧を直流電圧に変換する。また、制御用電源13は、インバーター制御部11及び充電回路14に直流電力を供給する。
【0024】
充電回路14は、平滑コンデンサ3に接続されている。充電回路14の正極側と平滑コンデンサ3の正極側とは、主回路コンタクタ12を介して接続されている。
【0025】
充電回路14は、主電源1から供給される電力を、制御用電源13を介して受けて、平滑コンデンサ3を予備充電する。充電回路14は、予備充電を行うことにより、平滑コンデンサ3を突入電流から保護する。
【0026】
蓄電部15は、充電回路14に接続されている蓄電装置である。また、蓄電部15の正極側と充電回路14の正極側とは、主回路コンタクタ12を介して接続されている。
【0027】
また、蓄電部15は、平滑コンデンサ3に接続されている。蓄電部15の正極側と平滑コンデンサ3の正極側とは、抵抗R及びダイオードDを介して接続されている。ここで、ダイオードDは、予備充電時、図示しない放電回路の操作時などに、蓄電部15から平滑コンデンサ3へ放電されないようにするため、備えられている。
【0028】
インバーター制御部11は、インバーター制御回路6と制御本体部8とを有する。図2においては、インバーター制御回路6をINV制御回路6と表記している。
【0029】
制御本体部8は、インバーター制御回路6、主回路コンタクタ12、第1リレー16a、第2リレー16b、及び照明回路17を制御する。また、制御本体部8は、乗客コンベア100全体の制御及び管理を行う。
【0030】
制御本体部8は、第2リレー16bを介して制御用電源13に接続されている。また、制御本体部8は、第1リレー16aを介して蓄電部15に接続されている。
【0031】
また、制御本体部8には、インバーター制御回路6及び照明回路17のそれぞれに電力を供給するための端子が備えられている。
【0032】
インバーター制御回路6は、制御本体部8から供給される電力により動作する。また、インバーター制御回路6は、制御本体部8からの制御指令に応じて、インバーター4の制御を行う。
【0033】
照明回路17は、制御本体部8から供給される電力により動作する。また、照明回路17は、制御本体部8から供給される電力を、照明装置111に供給する。このため、制御本体部8は、照明回路17を介して、照明装置に供給することができる。
【0034】
主回路コンタクタ12は、制御本体部8からの制御指令に応じて、接点の開閉を行う。主回路コンタクタ12は、接点として、主接点12a、ブレーク接点12b、及びメーク接点12cを有している。
【0035】
主接点12aは、主電源1と電力供給回路10との間の電路を開閉する。ブレーク接点12bは、充電回路14と平滑コンデンサ3との間の電路を開閉する。メーク接点12cは、充電回路14と蓄電部15との間の電路を開閉する。
【0036】
主接点12a、ブレーク接点12b、及びメーク接点12cは、互いに連動して動作する。このため、主接点12aがオンになると、ブレーク接点12bはオフになり、メーク接点12cはオンになる。また、主接点12aがオフになると、ブレーク接点12bはオンになり、メーク接点12cはオフになる。
【0037】
第1リレー16aは、蓄電部15と制御本体部8との間の電路を開閉する。第2リレー16bは、制御用電源13と制御本体部8との間の電路を開閉する。
【0038】
第1リレー16aと第2リレー16bとは、制御本体部8からの制御指令に応じて、互いに連動して電路の開閉を行う。また、第1リレー16aはブレーク接点であり、第2リレー16bはメーク接点である。このため、第1リレー16aがオンになると、第2リレー16bはオフになる。また、第1リレー16aがオフになると、第2リレー16bはオンになる。
【0039】
次に、電力供給制御装置110の動作について説明する。
【0040】
主電源1が投入されると、初期状態として、第1リレー16aがオフとなり、第2リレー16bがオンとなる。また、主電源1が投入されると、制御用電源13は、主電源1からの電力を、充電回路14と制御本体部8とに供給する。
【0041】
制御本体部8は、主電源1が投入されると、制御用電源13から供給される電力により起動して、動作を開始する。このとき、制御本体部8は、乗客コンベア100の動作モードを待機モードに設定する。また、制御本体部8は、待機モード時における電路制御として、主回路コンタクタ12の主接点12aをオフにし、ブレーク接点12bをオンにし、メーク接点12cをオフにする。
【0042】
充電回路14は、主電源1が投入されると、制御用電源13から供給される電力により、動作を開始する。また、充電回路14は、ブレーク接点12bがオンであるため、平滑コンデンサ3への予備充電を開始する。このとき、メーク接点12cがオフであるため、充電回路14から蓄電部15への電力供給は行われない。
【0043】
平滑コンデンサ3への充電が完了し、且つその他の初期化処理が完了した後、制御本体部8は、乗客コンベア100の動作モードを駆動モードに設定する。また、制御本体部8は、駆動モード時における電路制御として、主回路コンタクタ12の主接点12aをオンにし、ブレーク接点12bをオフにし、メーク接点12cをオンにする。
【0044】
駆動モード時においては、主接点12aがオンになるため、主電源1から電動機108への電力供給が行われる。また、駆動モード時においては、ブレーク接点12bがオフになるため、充電回路14から平滑コンデンサ3への電力供給は停止する。また、駆動モード時においては、メーク接点12cがオンになるため、充電回路14から蓄電部15への電力供給が行われる。このため、駆動モード時において、蓄電部15は、主電源1から供給される電力により充電する。
【0045】
インバーター制御回路6は、制御本体部8から電力供給を受けるとともに、制御本体部8からインバーター4への制御指令を受け取る。インバーター制御回路6は、制御指令に応じて、インバーター4を動作させる。
【0046】
乗客コンベア100が、管理者のキー操作によって停止すると、再び待機モードとなる。待機モード時においては、メーク接点12cがオフになるため、充電回路14から蓄電部15への電力供給が停止する。また、待機モード時においては、ブレーク接点12bがオンになるため、平滑コンデンサ3への充電が行われる。
【0047】
また、メンテナンスを行う場合、主電源1からの電力供給を遮断した上で、平滑コンデンサ3に溜まっている電力を放電させる必要がある。これに対し、実施の形態1においては、図2に示すように、平滑コンデンサ3と蓄電部15とが接続されている。このため、蓄電部15は、満充電でない場合、平滑コンデンサ3に溜まっている電力により充電される。
【0048】
なお、平滑コンデンサ3から蓄電部15への充電が完了した後においても、未だ平滑コンデンサ3に電力が残っている場合、保守作業者は、図示しない放電回路を操作する。この操作により、平滑コンデンサ3に残っている電力は、放電回路により取り除かれる。
【0049】
図3は、図2に示す制御本体部8の動作を示すフローチャートである。図3のフローチャートは、主に乗客コンベア100の駆動中に停電が発生したときの動作を示している。また、図3のフローチャートは、繰り返し実行される。
【0050】
制御本体部8は、ステップS101において、主電源1からの電力供給が遮断したかどうかを判定する。制御本体部8は、制御用電源13から供給される電力が閾値以下に低下すると、主電源1からの電力供給が遮断したと判定し、処理をステップS102に進める。
【0051】
一方、制御本体部8は、制御用電源13から供給される電力が閾値以下に低下しない場合、主電源1からの電力供給が遮断していないと判定し、図3のフローチャートの処理を終了する。
【0052】
制御本体部8は、ステップS102において、第1リレー16aをオンにし、第2リレー16bをオフにする。これにより、制御本体部8は、電力供給元を主電源1から蓄電部15に切り替える。
【0053】
制御本体部8は、ステップS103において、電動機108が設定減速度により減速して停止するように、インバーター制御回路6を介してインバーター4を制御する。
【0054】
制御本体部8は、電動機108を停止させた後、ステップS104において、インバーター制御回路6への電力供給を停止し、照明回路17のみに電力を供給する。これにより、制御本体部8は、蓄電部15からの電力を、照明装置111に供給する。
【0055】
主電源1が復旧すると、乗客コンベア100は待機モードに設定された状態で起動する。よって、充電回路14は、主電源1から供給される電力により、再び平滑コンデンサ3への予備充電を開始する。
【0056】
このような実施の形態1における充電回路14は、主電源1から供給される電力により平滑コンデンサ3を予備充電する。また、充電回路14は、乗客コンベア100の動作モードとして待機モードが設定されている場合、平滑コンデンサ3を予備充電する。また、充電回路14は、動作モードとして駆動モードが設定されている場合、主電源1から供給される電力により蓄電部15を充電する。
【0057】
このため、実施の形態1の電力供給制御装置110においては、平滑コンデンサ3に予備充電を行う既存構成を共用して、蓄電部15を充電することができる。従って、蓄電部15を充電するための専用の充電制御部を備える必要がなくなり、装置の大型化を抑制することができる。
【0058】
また、インバーター制御部11は、主電源1からの電力供給が遮断した場合、電力供給元を主電源1から蓄電部15に切り替える。このため、インバーター制御部11は、主電源1からの電力供給が遮断しても、乗客コンベア100の管理及び制御を継続して行うことができる。
【0059】
また、インバーター制御部11は、主電源1からの電力供給が遮断した場合、電動機108が減速して停止するように、インバーター4を制御する。このため、インバーター制御部11は、乗客コンベア100を緩やかに停止させることができる。
【0060】
また、蓄電部15は、満充電となっておらず、且つ主電源1からの電力供給が遮断した場合、平滑コンデンサ3に溜まっている電力により充電を行う。このため、平滑コンデンサ3に溜まっている余分な電力を有効活用することができる。
【0061】
また、インバーター制御部11は、主電源1からの電力供給が遮断した場合、蓄電部15からの電力を、照明装置111に供給する。このため、停電発生時においても、照明装置111を点灯させることができる。従って、乗客が避難するときの視認性を向上させることができる。
【0062】
なお、乗客コンベア100は、図1に示すエスカレーターに限らず、動く歩道であってもよい。この場合、動く歩道は、水平タイプであってもよく、傾斜タイプであってもよい。また、搬送体107は、ベルトコンベアタイプであってもよい。
【0063】
また、非常口の方向を示す方向表示器を、乗客コンベア100の降り口に設けておき、制御本体部8は、主電源1からの電力供給が遮断した場合、この方向表示器を点灯させてもよい。この場合、停電発生時に乗客が避難しやすくなる。
【0064】
また、実施の形態1の制御本体部8の各機能は、処理回路によって実現される。図4は、実施の形態1の制御本体部8の各機能を実現する処理回路の第1例を示す構成図である。第1例の処理回路600は、専用のハードウェアである。
【0065】
処理回路600は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものに該当する。また、制御本体部8の各機能それぞれを個別の処理回路600により実現してもよい。もしくは、制御本体部8の各機能をまとめて処理回路600により実現してもよい。
【0066】
また、図5は、実施の形態1の制御本体部8の各機能を実現する処理回路の第2例を示す図である。第2例の処理回路700は、プロセッサ710及びメモリ720を備えている。
【0067】
処理回路700において、制御本体部8の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述される。そして、ソフトウェア及びファームウェアは、メモリ720に格納される。プロセッサ710は、メモリ720に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。
【0068】
メモリ720に格納されるプログラムは、上述した各部の手順あるいは方法を、コンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ720とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリが該当する。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリ720に該当する。
【0069】
上述した各部の機能について、一部が専用のハードウェアにより実現され、一部がソフトウェアまたはファームウェアにより実現されてもよい。
【0070】
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 主電源、2 コンバーター、3 平滑コンデンサ、4 インバーター、10 電力変換回路、11 インバーター制御部、14 充電回路(充電制御部)、15 蓄電部、100 乗客コンベア、108 電動機、110 電力供給制御装置、111 照明装置。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバーターと、インバーターと、前記コンバーターと前記インバーターとの間に設けられている平滑コンデンサとを有しており、主電源からの電力を電動機に供給する電力変換回路、
前記平滑コンデンサに接続されており、前記主電源から供給される電力により前記平滑コンデンサを予備充電する充電制御部、
前記充電制御部に接続されている蓄電部、及び、
前記主電源から供給される電力により動作し、前記インバーターを制御するインバーター制御部を備え、
前記充電制御部は、乗客コンベアの動作モードとして待機モードが設定されている場合、前記平滑コンデンサを予備充電し、前記動作モードとして駆動モードが設定されている場合、前記主電源から供給される電力により前記蓄電部を充電し、
前記インバーター制御部は、前記主電源からの電力供給が遮断した場合、電力供給元を前記主電源から前記蓄電部に切り替えるとともに、前記電動機が減速して停止するように、前記インバーターを制御し、
前記蓄電部は、満充電となっておらず、且つ前記主電源からの電力供給が遮断した場合、前記平滑コンデンサに溜まっている電力により充電される、乗客コンベアの電力供給制御装置。
【請求項2】
前記インバーター制御部は、前記主電源からの電力供給が遮断した場合、前記蓄電部からの電力を、照明装置に供給する、請求項1記載の乗客コンベアの電力供給制御装置。