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特開2023-175176四角錘モジュールによる立体トラス構造およびそれに用いる単位モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175176
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】四角錘モジュールによる立体トラス構造およびそれに用いる単位モジュール
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/19 20060101AFI20231205BHJP
【FI】
E04B1/19 A
E04B1/19 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087493
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】523360212
【氏名又は名称】テトラモジュール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(72)【発明者】
【氏名】梶川 泰司
(57)【要約】
【課題】モジュールの組み合せでトラス構造を形成するので施工の合理化が図れ、しかも、必要な強度が得られ、安定したトラス構造として組み立てることができ、モジュール以外の連結部材を用いることなく、モジュールだけの組み合わせで立体トラス構造を構築することが可能となり、組立を少ない工数で簡易かつ迅速に行うことができる。
【解決手段】細長接合面を有するフレームで形成し、この細長接合面は四角錘の稜線を平面的に削り取った面である四角錘モジュールであり、この四角錘モジュール同士をフレームの細長接合面同士を重ね合させて上下逆転の組合せにより立体トラスを形成した。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長接合面を有するフレームで形成し、この細長接合面は四角錘の稜線を平面的に削り取った面である四角錘モジュールであり、この四角錘モジュール同士をフレームの細長接合面同士を重ね合させて上下逆転の組合せにより立体トラスを形成したことを特徴とする四角錘モジュールによる立体トラス構造。
【請求項2】
細長接合面は、四角錘の底面の中心から各四角錘の稜線に対して垂直線を設け、その垂線に直交するように平面に削り取った面である請求項1記載の四角錘モジュールによる立体トラス構造。
【請求項3】
四角錘モジュールは底部の四角形に隅部に架け渡す斜材を配設した請求項1記載の四角錘モジュールによる立体トラス構造。
【請求項4】
斜材も細長接合面を有するフレームによる請求項2記載の四角錘モジュールによる立体トラス構造。
【請求項5】
四角錘モジュールは底部の四角形は正方形、長方形、平行四辺形のいずれかを選択する請求項1または請求項2記載の四角錘モジュールによる立体トラス構造。
【請求項6】
四角錐を想定し、四角錐の稜線部分となるフレームを細長接合面を有する部材で形成し、その端部を連結して四角錐モジュールに組み立てたことを特徴とした四角錘モジュールによる立体トラス構造に用いる単位モジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四角錘モジュールによる立体トラス構造およびそれに用いる単位モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から建築等の構造物の構造形式として、三角錐・四角錐等の多面体構造を基本単位として用いた骨組構造としての立体トラス構造が知られている。
【0003】
四角錐立体トラスではこれを構成する各個材は、3次元方向の部材構成で、トラス個材が座屈しても応力の再配分が考えられ、地震等に対する靱性が期待できる。また四角錐立体トラスは他の立体トラスの部材構成と比較すると、部材数と節点数の少ない経済性に富む立体トラスである。
【0004】
多面体構造を基本単位として用いるということは、多面体構造をユニットまたはモジュールとして構成しこれを組み合わせて立体トラスを形成するという技術思想であり、例えば、四角錐立体トラスに関してのユニットは下記特許文献に例がある。
【特許文献1】特許第3024059号公報
【特許文献2】特公平8-30361号公報
【特許文献3】特開平10―61003号公報
【特許文献4】特開2008―121251号公報
【0005】
特許文献1には、四角錐の稜線に沿う弦材により構成される四角錘形状の多数のメインユニットと、上記複数のメインユニットを相互に連結するための、該メインユニットの底部の対角線に相当する長さを有する連結用弦材とからなる立体トラスが示されている。
【0006】
特許文献2には、棒材により四角錐状に形成し、各角部を連結部としたメインユニットと、棒材により上記メインユニットを相対向する一対の稜線に沿って二分した形の三角錐状に形成し、各角部を連結部としたサイドユニットと、棒材により三角形状に形成して、各角部を連結部とした、コーナーに外方に向けて斜めに立ち上がった状態に配置されるコーナーユニットとを、連結部同士を突き合わせて平面視方形状に連結し、各ユニットの頂部を縦横の弦材により連結してなることを特徴とする立体トラスが示されている。
【0007】
特許文献3には、上弦材とラチス材とを四角錐状のユニットとし、このユニットの下部に設けられた接合部材に下弦材を接合してなる立体トラス構造が示されている。逆四角錐状のユニット相互をボルト留めにて接合するとともに、このユニットの下部に設けられている接合部材に下弦材を接合して立体トラスを構成する
【0008】
特許文献4には、同じ長さの3本の骨組部材が環状に接合された4個の三角形トラスの各底辺を四角形にピン接合して四角錐展開形トラスとし且つその展開形トラスの対の対応する4個の三角頂点をそれぞれ対合させて四角形の底部及び頂面と4側面の三角形対とを有するベクトル平衡体形トラスのユニットとし、その複数ユニットを、2ユニットずつ何れかの側面で対向させ且つ対向する側面の底辺及び頂辺の対応する4節点をそれぞれ前記骨組部材と同じ長さの連結部材で架渡して接合すると共に対向する側面の三角形対の対合節点を相互に接合して側面方向に連結してなる構造物のユニット式骨組構造が示されている。
【0009】
なお、土木構造物ではあるが、立体トラス構造の単位架構となる単位モジュールを造り、単位モジュールを相互に接合して立体トラス構造物を構築するモジュール式骨組構造であり、単位モジュール四面体の稜線部分を細長接合面を有するフレームで形成し、これら細長接合面を有するフレームの端部を連結して四面体状架構であるテトラモジュールに組み立て、細長接合面を有するフレームの相互を細長接合面を接合させて単位モジュールであるテトラモジュール同士を相互に連結して立体トラス構造物を形成する点が記載されているものとして、下記特許文献を挙げることができる。
【特許文献5】特開平11-061707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記四角錐立体トラスの有効性については説明した通りであるが、特許文献1や特許文献2はユニットはパイプ状または棒状の弦材の端部をボルト止めしてなるものであり、立体トラスの形成としてはユニット相互の結合はピン接合である。
【0011】
したがって、ユニット相互の組立もピン接合によるものとなり、組立作業の不安定さがあり、また、立体トラスの構成強度もパイプ状または棒状の弦材自体の強度に頼らざるを得ない。
【0012】
特許文献3は、ユニットのみの組合せで立体トラスを形成できるものではなく、逆四角錐状のユニット相互をボルト留めにて接合するとともに、このユニットの下部に設けられている接合部材に下弦材を接合して立体トラスを構成するというユニット以外の部材も必要となる。
【0013】
特許文献4も複数ユニットの接合はピン接合であり、また、2ユニットを接合する連結部材というユニット以外の部材も必要となる。
【0014】
特許文献5はフレームの接合を利用するものではあるが、要素ブロックはあくまで直方形ないし立方形にブロックを組み立てることを目的としたものである。よって、特許文献5は直方形ないし立方形に要素ブロックを組み立てた後はこの単位ブロックを組み合わせるものであり、立体トラス構造の単位架構となるモジュールを造り、モジュールを相互に接合して増殖させることで、種々の立体トラス構造物の形成ができるものではない。
【0015】
本発明の目的前記従来例の不都合を解消し、モジュールの組み合せでトラス構造を形成するので施工の合理化が図れ、しかも、必要な強度が得られ、安定したトラス構造として組み立てることができ、モジュール以外の連結部材を用いることなく、モジュールだけの組み合わせで立体トラス構造を構築することが可能となり、組立を少ない工数で簡易かつ迅速に行うことができる四角錘モジュールによる立体トラス構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、細長接合面を有するフレームで形成し、この細長接合面は四角錘の稜線を平面的に削り取った面である四角錘モジュールであり、この四角錘モジュール同士をフレームの細長接合面同士を重ね合させて上下逆転の組合せにより立体トラスを形成したことを要旨とするものである。
【0017】
請求項1記載の本発明によれば、モジュールをトラス構造物の構成要素として、これを結晶に例え、モジュールによる量子化を実現し、結晶学における周期性を持たせることができるもので、ある。
【0018】
モジュールの組合せで、四角錐立体トラスの構造体を形成できるものであり、四角錐立体トラスの各個材は、3次元方向の部材構成である。したがって、トラス個材が座屈しても応力の再配分が考えられ、地震力に対する靱性が期待できる。また四角錐立体トラスは他の立体トラスの部材構成と比較すると、部材数と節点数の少ない経済性に富むものである。
【0019】
そして、モジュールを組み合わせるのに、四角錘の稜線部分となるフレームは相互に重なり、2重となるので強度が増し、これが水平材による上弦材と下弦材とこれらを結合する斜材による盤状立体トラス構造物の斜材の部分として立体トラス構造自体が堅牢なものとなる。
【0020】
また、モジュールによるものであり、モジュール以外の連結部材を用いることなく、モジュールだけの組み合わせで可能立体トラス構造を構築することが可能となり、組立を少ない工数で簡易かつ迅速に行うことができ、プレハブ化が向上する。
【0021】
各モジュールは稜線部分となるフレームを細長接合面を接合させて行うことにより、側面方向だけでなく上下方向にもモジュールを積み重ねて安定トラス構造を組み立てることができる。さらに、モジュールを単純に繋ぎ合わせることで形状可変の安定トラス構造を構築できるので、構築後の仕様変更やスペース変化の要求に容易に対処することができる。
【0022】
モジュールのみの組みあわせで構造物の骨組を構築できるので部材の製作や管理が容易であり、組み立てに当たっても同じ形状のモジュールを同じパターンで連結すれば足りるので施工の効率化・コストダウンが図れる。
【0023】
請求項2記載の本発明は、細長接合面は、四角錘の底面の中心から各四角錘の稜線に対して垂直線を設け、その垂線に直交するように平面に削り取った面であることを要旨とするものである。
【0024】
請求項2記載の本発明によれば、四角錘の底面が正方形又は長方形である場合には、フレームの細長接合面は、四角錘の底面の中心から各四角錘の稜線に対して垂直線を設け、その垂線に直交するように平面に削り取った面となる。
【0025】
請求項3記載の本発明は、四角錘モジュールは底部の四角形に隅部に架け渡す斜材を配設したことを要旨とするものである。
【0026】
請求項3記載の本発明によれば、底部の四角形に隅部に架け渡す斜材があることで四角錐の四角形がトラス(三角形)に分割され、強度・剛性に富むものとなる。
【0027】
請求項4記載の本発明は、斜材も細長接合面を有するフレームによることを要旨とするものである。
【0028】
請求項4記載の本発明によれば、前記請求項2の場合は、四角錘モジュールは底部の四角形を囲むフレームは細長接合面が垂直の縦向きなので、四角錘モジュールを上下に重ねるのにこの斜材同士を重ね合させて上下逆転の組合せによりオクテットモジュールとし、このオクテットモジュール同士を組み合わせて立体トラスを形成することができる。
【0029】
請求項5記載の本発明は、四角錘モジュールは底部の四角形は正方形、長方形、平行四辺形のいずれかを選択することを要旨とするものである。
【0030】
請求項5記載の本発明によれば、四角錘モジュールは底部の四角形は正方形、長方形、平行四辺形のいずれの場合でも安定した強度のあるトラス構造を得ることができる。
【0031】
請求項6記載の本発明は、四角錘モジュールによる立体トラス構造に用いる単位モジュールとして、四角錐を想定し、四角錐の稜線部分となるフレームを細長接合面を有する部材で形成し、その端部を連結して四角錐モジュールに組み立てたことを要旨とするものである。
【0032】
請求項6記載の本発明によれば、四角錐モジュールは四角錐の稜線部分となるフレームを細長接合面を有する部材で形成したので、各モジュールは稜線部分となるフレームを細長接合面を接合させて行うことにより、側面方向だけでなく上下方向にもモジュールを積み重ねて安定トラス構造を組み立てることができる。さらに、モジュールを単純に繋ぎ合わせることで形状可変の安定トラス構造を構築できるので、構築後の仕様変更やスペース変化の要求に容易に対処することができる。
【0033】
また、モジュールを組み合わせるのに、四角錘の稜線部分となるフレームは相互に重なり、2重となるので強度が増し、これが水平材による上弦材と下弦材とこれらを結合する斜材による盤状立体トラス構造物の斜材の部分として立体トラス構造自体が堅牢なものとなる。
【発明の効果】
【0034】
以上述べたように本発明の四角錘モジュールによる立体トラス構造およびそれに用いる単位モジュールは、モジュールの組み合せでトラス構造を形成するので施工の合理化が図れ、しかも、必要な強度が得られ、安定したトラス構造として組み立てることができ、モジュール以外の連結部材を用いることなく、モジュールだけの組み合わせで立体トラス構造を構築することが可能となり、組立を少ない工数で簡易かつ迅速に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の四角錘モジュールによる立体トラス構造の1実施形態を示すもので、四角錘モジュールが正四角錘モジュールの場合の斜視図である。
図2】本発明の四角錘モジュールによる立体トラス構造の1実施形態を示すもので、四角錘モジュールが正四角錘モジュールの場合のモジュールの数を増した斜視図である。
図3】本発明で使用する四角錘モジュールが正四角錘モジュールの場合の斜視図である。
図4】本発明で使用する四角錘モジュールが正四角錘モジュールの場合のモジュール相互の組立を示す斜視図である。
図5】本発明で使用する四角錘モジュールの底部の四角形が長方形の場合の斜視図である。
図6】本発明で使用する四角錘モジュールの底部の四角形が長方形の場合のモジュール相互の組立を示す斜視図である。
図7】本発明で使用する四角錘モジュールの底部の四角形が平行四辺形の場合の平面図である。
図8】本発明で使用する四角錘モジュールの底部の四角形が平行四辺形の場合のモジュール相互の組立を示す平面図である。
図9】本発明で使用する四角錘モジュールで錘の高さが低い場合の斜視図である。
図10】本発明で使用する四角錘モジュールで錘の高さが低い場合のモジュール相互の組立を示す斜視図である。
図11】本発明で使用する四角錘モジュールで底部の四角形に斜材を設けた場合の斜視図である。
図12】本発明で使用する四角錘モジュールで底部の四角形に斜材を設けた場合のモジュール相互の組立を示す斜視図である。
図13】本発明で使用する四角錘モジュールで底部の四角形に斜材を設けた場合のモジュールの上下の組立を示す斜視図である。
図14】本発明の四角錘モジュールによる立体トラス構造のモジュールの上下組み合わせによるトラス構造の斜視図である。
図15】ジョイン部材の斜視図である。
図16】本発明で使用する四角錘モジュールで錘の高さが低い場合のモジュールによるトラス構造の斜視図である。
図17】本発明で使用する四角錘モジュールで底部の四角形に斜材を設けた場合のモジュールによるトラス構造の斜視図である。
図18】本発明で使用する四角錘モジュールの底部の四角形が平行四辺形の場合のモジュールによるトラス構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1図2は本発明の本発明の四角錘モジュールによる立体トラス構造の1実施形態を示すもので、立体トラス構造の単位架構(単位モジュールと称する)となる四角錘モジュール20を造り、四角錘モジュール20を相互に接合して立体トラス構造物を構築した。
【0037】
このようにするのに、四角錘モジュール20は細長接合面2を有するフレーム3で形成し、この細長接合面2は四角錘の稜線を平面的に削り取った面であり、四角錘モジュール20同士をフレーム3の細長接合面2同士を重ね合せて上下逆転の組合せにより立体トラスを形成した。
【0038】
四角錘モジュール20について説明する。四角錘モジュール20は底部が四角形の錐体である四角錐を基にするもので、長方錐(底部が長方形である四角錐)、方錐(底部が正方形である四角錐)、正四角錐(直錐である、頂点から底部への垂線が底部の重心を通)方錐)であることを問わない。図3の例は正四角錐の場合、いわゆる「ピラミッド型」を示す。
【0039】
このように四角錘モジュール20は、四角錐ではあるが、正確には四角錐を想定し、四角錐の稜線部分となるフレームを細長接合面2を有するフレーム3で形成し、これら細長接合面2を有するフレーム3の端部をジョイント部材4で連結して底部に四角形Aを有するものとして組み立てた。なお、フレーム3はすべて同一の長さである。図示の正四角錐の場合、底部の四角形Aは正方形である。
【0040】
また、前記細長接合面2は、四角錘モジュール20の底面が正方形もしくは長方形の場合は前記細長接合面2は底面の中心から各四角錘の稜線に対して垂直線を設け、その垂線に直交するように平面に削り取った面である。
【0041】
図5図6は四角錘モジュール20は底部の四角形Aが長方形の場合、図7図8は底部の四角形Aが菱形、平行四辺形の場合を示す。これにより組んだトラス構造を図18に示す。なお、底部の四角形Aが平行四辺形の場合は、前記細長接合面2は、四角錘モジュール20の底面が正方形もしくは長方形の場合は前記細長接合面2は底面の中心から各四角錘の稜線に対して垂直線を設け、その垂線に直交するように平面に削り取った面ではない。
【0042】
さらに図9図10に示すように、四角錘モジュール20は底部の四角形Aに対する錘の高さが前記図3図4に示した正四角錐の場合よりも低いものとしてもよい。
【0043】
なお、前記図示の例は四角錘モジュール20は底部の四角形Aを囲むフレーム3は細長接合面2が垂直の縦向きであるが、図示は省略するが、底部の四角形Aを囲むフレーム3は細長接合面2が下側に向くように水平の横向きとしてもよい。
【0044】
さらに、図11図12に示すように、四角錘モジュール20は底部の四角形Aに角部に架け渡す斜材3aをフレームとして配設することもできる。その場合、斜材3aも細長接合面2を有するフレームである。
【0045】
前記四角錘モジュール20において、細長接合面2を有するフレーム3および斜材3aは図示では帯状角材である長方形細長平板としたが、四角錘モジュール20として組んだ時に外側に向かう面が細長接合面2を有するものであれば、その断面が蒲鉾形もしくは三角形その他の角形、もしくは中空のパイプ状など特に形状を問わない。
【0046】
このようにフレーム3は細長接合面2を有するものであれば種々の断面形状のものを用いることができ、平板、中空管材、H形その他の型鋼、アングル材、チャンネル材のいずれかを選択することが可能である。
【0047】
また、細長接合面2を有するフレーム3および斜材3aの材質も完成する立体トラス構造物の用途によって種々選択でき、鋼、アルミニュウムなどの金属、木、合成樹脂等である。海洋構造物等を対象とする場合防食性の高いチタンを使用することも可能である。
【0048】
ジョイント部材4の材質も同様であり、用途によって種々選択でき、鋼、アルミニュウムなどの金属、木、合成樹脂等である。
【0049】
細長接合面2を有するフレーム3を組み立てるためのジョイント部材4はこの細長接合面2を有するフレーム3により四面体架構に組み立てる事ができるものであれば特に形状を問わずブロック状のものも想定されるが、細長接合面2を有するフレーム3への接合片部5を有するものが組立の容易性上望ましい。
【0050】
フレーム3で四角錘モジュール20を形成するためのジョイント部材4は図15に示すように錘の頂点部分で4本のフレーム3を結合するもの(a)と、底部の四角形Aの角部を形成する3本のフレーム3を結合するもの(b)との2種となるが、前者は細長接合面2を有するフレーム3への接合片部5を4つ平面視で相互に90°の開きで展開し、後者は3つ平面視で相互に90°の開きで展開する。
【0051】
これら接合片部5は天板7もしくは側板(図示せず)で相互に連結するものが好適である。なお、単位モジュールである四角錘モジュール20の相互の接合に支障をきたさないように、長方形細長平板2の端面はジョイント部材4の天井部には覆い被さらないようにし、ジョイント部材4の天板7は図示のように平面視正方形状の天板とする。この天板7の各(辺)縁に接合片部5の端部や側板が連続的に接続している。ジョイント部材4の天板7の中央部にボルト接合用の貫通孔を設けてもよい。
【0052】
前記細長接合面2を有するフレーム3とジョイント部材4との結合に関しては、ジョイント部材4の接合片部5と長方形細長接合面2の結合箇所では、双方を重ね合わせてから固定することや、細長接合面2を有するフレーム3にスリットを形成し、接合片部5をこのスリットへ差し込んで挟み込むものであり、接合片部5とフレーム3の双方の固定はボルト・ナットによる締結や溶接などによる。
【0053】
また、ジョイント部材4の接合片部5が細長接合面2を有するフレーム3の外側で接合する場合と逆に内側で接合する場合とが選択できる。
【0054】
なお、接合片部5が細長接合面2を有するフレーム3の外側で接合する場合は細長接合面2に対してジョイント部材4の接合片部5は突出しないように面一を同じくすれば、ジョイント部材4の存在が細長接合面2を有するフレーム3同士の重ね合わせ接合に邪魔になることはない。
【0055】
以上の四角錘モジュール20を相互に接合して立体トラス構造物を構築するには四角錘モジュール20同士の細長接合面2を有するフレーム3の相互を細長接合面2を接合させて上下逆転の組合せにより行うことが可能である。
【0056】
なお、この四角錘モジュール20の相互を接合し、かつ固定するには、細長接合面2を有するフレーム3の相互をフレーム3の部分で固定する行う場合と、細長接合面2を有するフレーム3同士は固定せずにジョイント部材4相互を結合して行う場合と、その両方を採用する場合とがある。
【0057】
また、細長接合面2を有するフレーム3を重ね合わせての相互をこのフレーム3の部分で固定するには、ボルト・ナットによる締結、溶接、凹凸結合、バンド等による加締めなどの手段で結合することが可能である。
【0058】
図1図2のような水平材による上弦材αと下弦材βとこれらを結合する斜材γによる四角錘トラスの盤状立体トラス構造を形成した場合、四角錘モジュール20稜線部分となるフレーム3は相互に重なり、2重となるので強度が増し、これが斜材の部分であれば立体トラス構造物の斜材が堅牢なものとなる。
【0059】
上弦材αと下弦材βとこれらを結合する斜材γによる盤状立体トラスは、上弦材αおよび下弦材βで構成する格子は四角錘モジュール20の底部の四角形Aの連続体であり、上弦材αで構成する格子と下弦材βで構成する格子の四角形Aと同士は上下位置で重なり合わないものとして、上の四角形Aの角部から下の四角形Aの角部へ斜材γが渡される。
【0060】
このようにして四角錐トラス20は天地を逆にしたものが連続的に並び盤状立体トラス構造が形成できる。
【0061】
四角錘モジュール20は底部の四角形Aを囲むフレーム3は四角錘モジュール20の相互の接合は、斜材γを形成するフレーム3の部分が重なるとともに底部の四角形Aを形成するフレーム3の部分が同士が重なるので上弦材α、下弦材β、とこれらを結合する斜材γがすべて2重なものとなり、形成する盤状立体トラス構造は強度のあるものが得られる。
【0062】
また、四角錘モジュール20の上下の接合においては、前記図11図12に示す底部の四角形Aに角部に架け渡す斜材3aをフレームとして配設した四角錘モジュール20を用いれば、図13に示すように四角錘モジュール20を上下に組むのにこの斜材3aを重ねて接続することが可能である。
【0063】
そして底部の四角形Aに角部に斜材3aを架け渡した四角錘モジュール20においては、斜材3aは四角形Aを形成するフレーム3の四角形枠の中に並び、ブレース的な役割となる。
【0064】
図11は正四角錘のモジュールとた場合で底部の四角形Aは正方形であり、斜材3aはその他のフレーム3の長さの√2倍の長さであるが、図示は省略するが、底面が長方形の場合や平行四辺形の場合には斜材3aはフレーム3の長さは選択的である。
【0065】
図17に斜材3aを有する四角錘モジュール20による盤状立体トラス構造を示す。
【0066】
図9図10に示すような底部の四角形Aに対する錘の高さが低い扁平の四角錘モジュール20の場合は、フレーム3同士を重ねてこれらを正逆に組んだ場合も上下に低いものとなり、盤状のトラス構造も図16に示すように高さの低いものとして組むことができる。
【0067】
盤状のトラス構造を屋根、床、壁等に用いる場合に薄いものが得られる。
【符号の説明】
【0068】
2…細長接合面 3…フレーム
3a…斜材 4…ジョイント部材
5…接合片部 6…側板
7…天板
20…四角錘モジュール
A…四角形
α…上弦材 β…下弦材
γ…斜材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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