(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175178
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】制御装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/18 20090101AFI20231205BHJP
H04W 24/02 20090101ALI20231205BHJP
H04B 17/309 20150101ALI20231205BHJP
【FI】
H04W28/18 110
H04W24/02
H04B17/309
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087497
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】大西 健夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英士
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA12
5K067AA23
5K067DD43
5K067DD44
5K067DD45
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】無線品質の計測結果に基づいて選択又は決定される無線パラメータがターゲット通信品質を達成できる可能性を向上することに寄与する。
【解決手段】制御装置(1)は、基地局(2)から無線端末(3)へのダウンリンク送信又は無線端末(3)から基地局(2)へのアップリンク送信が行われるときの無線品質の確率分布を予測する。制御装置(1)は、得られた確率分布を用いて、ダウンリンク又はアップリンク送信のブロックエラーレート又は信頼性の期待値を計算する。制御装置(1)は、得られた期待値を考慮して、ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
基地局から無線端末へのダウンリンク送信又は前記無線端末から前記基地局へのアップリンク送信が行われるときの無線品質の確率分布を予測し、
前記確率分布を用いて、前記ダウンリンク又はアップリンク送信のブロックエラーレート(BLER)又は信頼性の期待値を計算し、
前記期待値を考慮して、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定する、
よう構成されている、
制御装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記1又はそれ以上のパラメータの決定において、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に課されるBLER又は信頼性要件を考慮するよう構成されている、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記期待値は、前記1又はそれ以上のパラメータに含まれる第1のパラメータの異なる候補値に対応する複数の期待値を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記BLER又は信頼性要件を満足する1又はそれ以上の期待値に対応する1又はそれ以上の候補値の中から、前記第1のパラメータの値を選ぶよう構成されている、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1のパラメータは、Modulation and Coding Scheme (MCS)を含む、
請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1のパラメータは、再送信の最大回数及びパケット複製が使用されるか否かを示すパラメータのうち一方又は両方をさらに含む、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記確率分布は、前記1又はそれ以上のパラメータに含まれる第2のパラメータの異なる候補値に対応する複数の確率分布を含み、
前記期待値は、前記複数の確率分布に対応する複数の期待値を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記BLER又は信頼性要件を満足する1又はそれ以上の期待値に対応する1又はそれ以上の確率分布に対応する1又はそれ以上の候補値の中から、前記第2のパラメータの値を選ぶよう構成されている、
請求項2~5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第2のパラメータは以下のうち1つ又は任意の組み合わせを含む:Multi-Input Multi-Output (MIMO)レイヤの数;Single-User (SU) MIMOとMulti-User (MU) MIMOのどちらが使用されるかを示すパラメータ;前記基地局によるダウンリンク参照信号の送信の時間間隔;前記ダウンリンク参照信号の周波数密度;前記無線端末によるチャネル状態報告の送信の時間間隔;前記無線端末によるアップリンク参照信号の送信の時間間隔;前記アップリンク参照信号の周波数密度;及びサブキャリア間隔、
請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記1又はそれ以上のパラメータの各々の値の決定において、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に課される遅延要件をさらに考慮するよう構成されている、
請求項2~5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
基地局から無線端末へのダウンリンク送信又は前記無線端末から前記基地局へのアップリンク送信が行われるときの無線品質の確率分布を予測すること、
前記確率分布を用いて、前記ダウンリンク又はアップリンク送信のブロックエラーレート(BLER)又は信頼性の期待値を計算すること、及び
前記期待値を考慮して、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定すること、
を備える、制御装置により行われる方法。
【請求項10】
基地局から無線端末へのダウンリンク送信又は前記無線端末から前記基地局へのアップリンク送信が行われるときの無線品質の確率分布を予測すること、
前記確率分布を用いて、前記ダウンリンク又はアップリンク送信のブロックエラーレート(BLER)又は信頼性の期待値を計算すること、及び
前記期待値を考慮して、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定すること、
を備える方法をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信システムに関し、特に無線通信に関するパラメータの決定に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、送信装置によるMCSインデックスの選択について記載されている。送信装置は、Modulation and Coding Scheme (MCS)の第1の候補値MCS_A及び第2の候補値MCS_Bを決定する。MCS_Aは、送信装置と受信装置との間のチャネル品質に基づいて決定され、送信装置と受信装置との間のチャネルにおいてターゲット・ブロック誤り率(Block Error Rate (BLER))を満たすMCSインデックスである。チャネル品質は、例えば、signal to interference plus noise ratio (SINR)、signal to noise ratio (SNR)、又はsignal to interference ratio (SIR)である。これに対して、MCS_Bは、送信データを複数のトランスポートブロックに分割する際のパケット分割数が遅延要求(例えば、遅延の許容時間)に基づいて許容されるパケット分割数以下となるように決定される。そして、送信装置は、MCS_Aを上限としMCS_Bを下限とする範囲をMCSインデックスの選択範囲に設定し、設定された選択範囲の中から何れか1つのMCSインデックスを選択する。これにより、送信データパケットの分割に起因する遅延の発生を抑え、低遅延性を保証できる。なお、送信装置は、ダウンリンクの場合には基地局(e.g., eNB又はgNB)であり、アップリンクの場合には無線端末(e.g., User Equipment (UE))である。受信装置は、ダウンリンクの場合には無線端末であり、アップリンクの場合には基地局である。
【0003】
特許文献2には、基地局(e.g., gNB)及び無線端末(e.g., UE)による第1及び第2のMCSテーブルの選択的な使用について記載されている。各MCSテーブルは、複数のMCSインデックスを異なる変調次数(modulation order)及び符号化率(code rate)の組み合わせに関連付ける。第2のMCSテーブルに規定された最小の符号化率(e.g.,30)は、第1のMCSテーブルに規定された最小の符号化率(e.g., 120)よりも小さい。基地局は、Radio Resource Control (RRC) シグナリング又はDownlink Control Information (DCI)を用いて、ダウンリンク受信及びアップリンク送信の一方又は両方に使用されるMCSテーブルを無線端末に指示する。一例では、第2のMCSテーブルは、低遅延及び高信頼性が要求されるケースに使用されてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/049212号
【特許文献2】国際公開第2020/031357号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Long Term Evolution (LTE) システム及び第5世代(5G)システム等の無線システムにおけるダウンリンク送信では、基地局(e.g., eNB又はgNB)は、無線端末(e.g., UE)から受信したChanel State Information (CSI)報告に基づいてダウンリンク送信のためのMCSを決定する。しかしながら、無線端末がCSI関連参照信号(e.g., CSI-reference signal (CSI-RS))の受信品質(e.g., SINR)を計測したときから基地局がCSI報告に基づいてMCSを決定するまでには遅延(例えば数十ms)がある。また、無線端末によるCSI関連参照信号の計測には誤差が発生し得る。これらの要因のために、ダウンリンク送信が行われるときの無線品質(又はチャネル状態)は、無線端末がCSI関連参照信号を計測したときのそれと異なる可能性がある。この相違は、無線品質(又はチャネル状態)の計測結果に基づいて選択又は決定される無線パラメータ(e.g., MCS)がターゲット通信品質(e.g., ターゲットBLER)を達成できない状況を招くおそれがある。特許文献1及び2は、上述の課題に対する解決策を提供していない。
【0006】
本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、無線品質の計測結果に基づいて選択又は決定される無線パラメータ(e.g., MCS)がターゲット通信品質(e.g., ターゲットBLER)を達成できる可能性を向上することに寄与する装置、方法、及びプログラムを提供することである。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様では、制御装置は、少なくとも1つのメモリ、及び前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、基地局から無線端末へのダウンリンク送信又は前記無線端末から前記基地局へのアップリンク送信が行われるときの無線品質の確率分布を予測するよう構成されている。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記確率分布を用いて、前記ダウンリンク又はアップリンク送信のブロックエラーレート(BLER)又は信頼性の期待値を計算するよう構成されている。さらに、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記期待値を考慮して、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定するよう構成されている。
【0008】
第2の態様では、制御装置により行われる方法は以下のステップを含む:
(a)基地局から無線端末へのダウンリンク送信又は前記無線端末から前記基地局へのアップリンク送信が行われるときの無線品質の確率分布を予測すること、
(b)前記確率分布を用いて、前記ダウンリンク又はアップリンク送信のブロックエラーレート(BLER)又は信頼性の期待値を計算すること、及び
(c)前記期待値を考慮して、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定すること。
【0009】
第3の態様では、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述の第2の態様に係る方法をコンピュータに行わせるための命令群(ソフトウェアコード)を含む。
【発明の効果】
【0010】
上述の態様によれば、無線品質の計測結果に基づいて選択又は決定される無線パラメータ(e.g., MCS)がターゲット通信品質(e.g., ターゲットBLER)を達成できる可能性を向上することに寄与する装置、方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態に係る制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】実施形態に係る制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係る制御装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図6】実施形態に係る制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る制御装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図8】実施形態に係る制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態に係る制御装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図10】実施形態に係る制御装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0013】
以下に説明される複数の実施形態は、独立に実施されることもできるし、適宜組み合わせて実施されることもできる。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を有している。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し、互いに異なる効果を奏することに寄与する。
【0014】
以下に示される複数の実施形態は、Third Generation Partnership Project (3GPP(登録商標)) Long Term Evolution (LTE)システム及び第5世代移動通信システム(5G system)を主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、他の無線通信システムに適用されてもよい。
【0015】
本明細書で使用される場合、文脈に応じて、「(もし)~なら(if)」は、「場合(when)」、「その時またはその前後(at or around the time)」、「後に(after)」、「に応じて(upon)」、「判定(決定)に応答して(in response to determining)」、「判定(決定)に従って(in accordance with a determination)」、又は「検出することに応答して(in response to detecting)」を意味するものとして解釈されてもよい。これらの表現は、文脈に応じて、同じ意味を持つと解釈されてもよい。
【0016】
初めに、複数の実施形態に共通である無線通信システムの構成が説明される。
図1は、複数の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示している。
図1の例では、無線通信システムは、制御装置1、基地局2、及び無線端末3を含む。基地局2は、eNB、gNB、無線局、無線アクセスネットワークノード、又は無線アクセスポイントと呼ばれてもよい。無線端末3は、ユーザ装置(User Equipment (UE))、ユーザ端末、又は無線送受信装置と呼ばれてもよい。
図1に示された各要素(ネットワーク機能)は、例えば、専用ハードウェア(dedicated hardware)上のネットワークエレメントとして、専用ハードウェア上で動作する(running)ソフトウェア・インスタンスとして、又はアプリケーション・プラットフォーム上にインスタンス化(instantiated)された仮想化機能として実装されることができる。
【0017】
基地局2は、エアインタフェースを介して無線端末3と通信する。基地局2は、ダウンリンク信号を無線端末3に送信し、アップリンク信号を無線端末3から受信する。基地局2は、無線端末3を含む複数の無線端末と同時に通信してもよい。無線端末3は、基地局2を含む複数の基地局と同時に通信してもよい。無線端末3又は無線端末3及び基地局2は、製造設備、交通システム、物流システム等の産業アプリケーションに適用されてもよい。例えば、無線端末3は、製造ロボット、automated guided vehicle (AGV)、建設機械、又はその他の都市、ビル、交通網、公共インフラで使用される機器に実装されてもよい。
【0018】
基地局2は、Central Unit (CU) 及び1又はそれ以上のDistributed Units (DUs)を含んでもよい。CUは、CU Control Plane (CU-CP) Unit及び及び1又はそれ以上のCU User Plane (CU-UP) Unitsを含んでもよい。幾つかの実装では、CUは、RRC機能、Service Data Adaptation Protocol(SDAP)レイヤ機能、及びPacket Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ機能をホストしてもよい。一方、DUは、Radio Link Control(RLC)レイヤ、Medium Access Control(MAC)レイヤ、及び一部又は全部の物理(Physical (PHY))レイヤ機能をホストしてもよい。基地局2は、さらに、一部の物理レイヤ又はレイヤ1(e.g., Low PHY)信号処理とRadio Frequency (RF) 信号処理を担う1又はそれ以上のRadio Units (RUs) を含んでもよい。
【0019】
制御装置1は、制御インタフェース上でのデータ収集とアクションを介して、基地局2及びリソースの制御及び最適化を提供する。当該制御インタフェースは、例えば、Open Radio Access Network (O-RAN) E2インタフェースであってもよい。制御装置1は、Radio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC)であってもよいし、それに組み込まれてもよい。制御装置1は、基地局2に組み込まれてもよい。
【0020】
<第1の実施形態>
本実施形態に係る無線通信システムの構成例は、
図1に示された例と同様であってもよい。本実施形態は、制御装置1により行われる動作の例を提供する。
【0021】
図2は、制御装置1の動作の一例を示すフローチャートである。ステップ201では、制御装置1は、基地局2から無線端末3へのダウンリンク送信又は無線端末3から基地局2へのアップリンク送信が行われるときの無線品質の確率分布を予測する。
【0022】
無線品質は、SINR、SNR、SIR、又はReference Signal Received Quality (RSRQ)であってもよい。ダウンリンクの場合、無線品質は、基地局2から送信されるダウンリンクCSI関連参照信号の無線端末3における受信品質であってもよい又はこれに基づいてもよい。アップリンクの場合、無線品質は、無線端末3から送信されるアップリンクCSI関連参照信号の基地局2における受信品質であってもよい又はこれに基づいてもよい。基地局2及び無線端末3が5GシステムのgNB(又はgNB-CU若しくはgNB-DU)及びUEであるなら、ダウンリンクCSI関連参照信号はCSI Reference Signal (CSI-RS)又はSynchronization Signal (SS)であってもよく、アップリンクCSI関連参照信号はSounding Reference Signal (SRS)であってもよい。
【0023】
無線品質の確率分布は、無線品質の確率密度関数(probability density function (PDF))ということもできる。制御装置1は、無線品質データの時系列を基地局2から収集し、これに基づいて無線品質の確率分布を計算、決定、又は導出してもよい。幾つかの実装では、制御装置1は、無線品質の確率分布又は確率密度関数を得るために、人工知能(artificial intelligence(AI))又は機械学習(machine learning(ML)に基づく推論を行ってもよい。AI/ML推論は、訓練された(trained)機械学習モデルに基づく予測又は決定を意味する。制御装置1は、無線品質データの時系列を推論実行のための訓練済み学習モデルへの入力データとして使用してもよい。制御装置1は、訓練された機械学習モデルへ供給される入力データを無線品質データの時系列から生成してもよい。
【0024】
制御装置1は、機械学習モデルの訓練を行ってもよい。あるいは、制御装置1とは異なる装置又はコンピュータシステム(e.g., Non Real time RIC)が機械学習モデルの訓練を行い、訓練された機械学習モデル(i.e., 訓練されたパラメータ(parameters))を制御装置1に供給してもよい。
【0025】
無線品質の確率分布は、様々な要因(factors)の影響を受ける。これらの要因は、無線端末3の機種又はタイプ、無線端末3の移動速度、無線端末3の干渉状況、遮蔽物の有無、CSI関連参照信号の送信の時間間隔、CSI関連参照信号の送信リソースの周波数密度、CSI報告の送信の時間間隔、ビームフォーミングの使用の有無、復調関連参照信号の送信の時間間隔、CSI関連参照信号の送信リソースの周波数密度、復調関連参照信号の送信リソースの周波数密度、Multi-Input Multi-Output (MIMO)の使用の有無、などを含む。機械学習モデルの訓練では、これらの要因がさらに考慮されてもよい。また、訓練された学習モデルから無線品質の確率分布を得るために、制御装置1は、これらの要因を入力データとして用いてもよい。復調関連参照信号は、レシーバにおいて送信信号を復調するために使用される。言い換えると、復調関連参照信号は、チャネル推定のために使用される。基地局2及び無線端末3が5GシステムのgNB(又はgNB-CU若しくはgNB-DU)及びUEであるなら、復調関連参照信号は、Demodulation RS (DMRS)であってもよい。
【0026】
ステップ202では、制御装置1は、予測された無線品質の確率分布を用いて、ダウンリンク又はアップリンク送信のBLER又は信頼性の期待値を計算する。BLERの期待値は、無線品質(e.g., SINR)の確率密度関数とBLER対無線品質(e.g., SINR)カーブとを用いた積分計算により導出できる。例えば、SINRが確率密度関数p(s)を持ち、BLER対SINRカーブがe(s)であるとき、BLERの期待値は以下の積分により得られる:
【数1】
【0027】
信頼性は、通信の信頼性を意味する。信頼性は、1-BLERとして定義されてもよい。この場合、信頼性の期待値は、例えば、BLERの期待値を1から引くことで求めることができる。あるいは、例えば、BLERの期待値は、無線品質(e.g., SINR)の確率密度関数と信頼性対無線品質(e.g., SINR)カーブとを用いた積分計算により導出できる。BLERは、所定の最小回数でデータ(又はデータパケット、トランスポートブロック)を成功裏に送信できない確率と言うことができる。反対に、信頼性は、所定の再送回数でデータを成功裏に送信できる確率と言うことができる。
【0028】
BLER対無線品質カーブは、制御装置1内のメモリ又は制御装置1がアクセス可能な外部のメモリにストアされていてもよい。BLER対無線品質カーブは、SINR及びBLERの計測結果を用いたカーブフィッティング手法により得られてもよい。これに代えて、BLER対無線品質カーブは、SINR及びBLERの計測結果やその他の要因を考慮した機械学習又は深層学習により得られてもよい。
【0029】
ステップ203では、制御装置1は、計算されたBLER又は信頼性の期待値を考慮して、ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定する。制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信に課される通信品質要件を考慮して、ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定してもよい。より具体的には、制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信が通信品質要件を満足できると期待されるように、1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定してもよい。制御装置1は、通信品質要件の達成に影響を与える、言い換えると通信要件と相関関係がある、複数のパラメータを合わせて決定してもよい。この場合、制御装置1は、通信品質要件が満足されるように複数のパラメータの値を相互に調整してもよい。
【0030】
通信品質要件は、BLER又は信頼性要件を含んでもよい。BLER又は信頼性要件は、BLERのターゲット値(e.g., 10-2、10-3)、又は信頼性のターゲット値(e.g., 99 %、99.9 %)を定めてもよい。
【0031】
さらに又はこれに代えて、通信品質要件は、遅延要件を含んでもよい。遅延要件は、遅延制約又は遅延バジェットと言い換えられてもよい。遅延要件は、アプリケーションレイヤでのend-to-end通信に許容される遅延を定めてもよい。あるいは、遅延要件は、無線レイヤでのダウンリンク又はアップリンク送信に許容される遅延を定めてもよい。無線レイヤの許容遅延は、アプリケーションレイヤでのend-to-end通信の許容遅延から導出されてもよい。
【0032】
通信品質要件は、動的に変更又は更新されてもよい。通信品質要件の変更又は更新は、アプリケーション(又はアプリケーションレイヤ)の要求に基づいてもよい。例えば、無線端末3がAGVに搭載されるユースケースを想定するなら、アプリケーションが求める遅延要件は、無線端末3が搭載されたAGVの移動速度に応じて変動し得る。また、この遅延要件は、無線端末3が搭載されたAGVと他のAGVsとの間の距離に応じて変動し得る。
【0033】
制御装置1は、1又はそれ以上のパラメータの値を決定する際に、他の要因、例えば基地局の無線負荷(言い換えると、無線リソースの使用率)を考慮してもよい。例えば、無線リソース使用率が一時的に高い場合に、制御装置1は、信頼性のターゲット値を一時的に緩和してもよい。逆に無線リソース使用率が一時的に低い場合には、制御装置1は、信頼性のターゲット値を一時的に厳しくしてもよい。これにより、長期的な平均の信頼性として、所定の信頼性のターゲット値を満足することが可能となる。
【0034】
図3は、
図2のステップ203における処理の一例を示している。ステップ301では、制御装置1は、BLER又は信頼性要件と遅延要件を取得する。これらの通信品質要件は、制御装置1内のメモリ又は制御装置1がアクセス可能な外部のメモリにストアされていてもよい。制御装置1は、これらの通信品質要件の一部又は全部を得るために、アプリケーション又は他の装置又はコンピュータシステム(e.g., Non Real time RIC)と通信してもよい。
【0035】
ステップ302では、制御装置1は、BLER又は信頼性要件及び遅延要件を共に満足するように、1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定する。
【0036】
図2及び
図3の例において、1又はそれ以上のパラメータは、適応変調符号化のためのModulation and Coding Scheme (MCS)を含んでもよい。MCSはMCSインデックスにより表されてもよい。MCS又はMCSインデックスは、変調次数(modulation order)(又は変調方式)と符号化率(code rate)との組み合せを表す。MCS又はMCSインデックスが大きいほど、変調次数が大きくなり、且つ符号化率が大きくなる。したがって、ある無線品質(e.g., SINR)又はチャネル状態において、MCSインデックスが大きいほど、無線リソース利用効率が向上するが一方でBLERが大きくなる。
【0037】
さらに又はこれに代えて、1又はそれ以上のパラメータは、再送信の最大回数を含んでもよい。再送信の最大回数は、MACサブレイヤでのhybrid automatic repeat request (HARQ)再送信の最大回数であってもよい。再送信回数が大きいほど、BLERが小さくなるが一方で遅延が増加する。
【0038】
さらに又はこれに代えて、1又はそれ以上のパラメータは、パケット複製(duplication)が使用されるか否かを示すパラメータを含んでもよい。LTE及び5Gシステムの場合、パケット複製は、キャリアアグリゲーションにおける又はデュアルコネクティビティのスプリットベアラのための、PDCPレイヤでのパケット(i.e., PDCP Protocol Data Unit (PDU))の複製であってもよい。パケット複製の使用は、BLERの低下又は信頼性の向上に寄与する。一方で、パケット複製の使用は、無線リソース利用効率を下げる。
【0039】
さらに又はこれに代えて、1又はそれ以上のパラメータは、MIMOレイヤの数、若しくはSingle-User (SU) MIMOとMulti-User (MU) MIMOのどちらが使用されるかを示すパラメータ、又は両方を含んでもよい。MIMOレイヤ数は、MIMO送信レイヤ数、空間多重数、又は空間ストリーム数と呼ばれてもよい。一般的に、MIMOレイヤ数又は空間多重数が多いほど干渉が発生しやすい。また、干渉は、SU-MIMOよりMU-MIMOにおいてより発生しやすい。
【0040】
さらに又はこれに代えて、1又はそれ以上のパラメータは、基地局2によるダウンリンク参照信号(e.g., CSI-RS若しくはDMRS又は両方)の送信の時間間隔と周波数密度の一方又は両方を含んでもよい。さらに又はこれに代えて、1又はそれ以上のパラメータは、無線端末3によるチャネル状態報告(e.g., CSI報告)の送信の時間間隔を含んでもよい。さらに又はこれに代えて、1又はそれ以上のパラメータは、無線端末3によるアップリンク参照信号(e.g., SRS若しくはDMRS又は両方)の送信の時間間隔と周波数密度の一方又は両方を含んでもよい。送信の時間間隔は、送信の頻度、送信パターン、又は送信周期と呼ばれてもよい又は置き換えられてもよい。ダウンリンク又はアップリンク参照信号の周波数密度は、参照信号リソースの周波数密度であり、参照信号リソースの周波数配置に依存する。参照信号リソースの周波数密度は、例えば、所定の周波数リソースのセット(e.g., Physical Resource Block (PRB))当たりの参照信号リソース(e.g., Resource Elements (Res)の数として定義されてもよい。ダウンリンク又はアップリンク参照信号の送信の時間間隔と周波数密度は、まとめて、ダウンリンク又はアップリンク参照信号の時間-周波数密度又は送信頻度と呼ばれてもよい。参照信号の送信頻度(若しくは時間-周波数密度)またはCSI報告の送信頻度を増やすことは、SINR確率分布の統計的ばらつき(i.e., 標準偏差及び分散)を小さくすることに寄与する。一方で、参照信号の送信頻度またはCSI報告の送信頻度を増やすことは、無線リソース及び計算リソースの消費を増やす。
【0041】
さらに又はこれに代えて、1又はそれ以上のパラメータは、サブキャリア間隔(subcarrier spacing)を含んでもよい。サブキャリア間隔が大きいほど、周波数方向のダイバーシティが効きやすくなり、実効的なSINR変動が抑えられる傾向にある。また、サブキャリア間隔が大きいほど、遅延が減少する。一方で、サブキャリア間隔が小さいほど、周波数利用効率が向上する。サブキャリア間隔の選択は、Bandwidth Part (BWP) の選択により行われてもよい。
【0042】
上述のように、制御装置1は、1又はそれ以上の通信品質要件(e.g., BLER又は信頼性要件及び遅延要件)が満足されるように複数のパラメータの値を相互に調整してもよい。以下に幾つかの例を示す。
【0043】
制御装置1は、パケット複製の使用有無や複製されたパケットが送信される冗長リンクの数に応じて、各リンクに適用されるMCSを調整してもよい。例えば、BLERが0.01以下であればアプリケーションより要求された遅延要件が達成されることができるなら、制御装置1は、2つの冗長リンクの各々のBLERが0.1以下になるように各リンクに適用されるMCSを調整してもよい。制御装置1は、負荷が高いセル又は基地局のリンクのMCSインデックスを大きくし、負荷が低いセル又は基地局のリンクのMCSインデックスを小さくしてもよい。これは、2つのリンクを合わせた遅延要件達成率を維持しつつ、2つのセル又は基地局の負荷を平準化することに寄与できる。
【0044】
制御装置1は、参照信号の送信頻度又はCSI報告の送信頻度に応じて、MCSを調整してもよい。例えば、ダウンリンクでのCSI-RSの送信頻度を増やし、且つ無線端末3から基地局へのCSI報告の送信頻度を増やすことは、予測されるSINRの確かさを向上させることができる。したがって、この場合には、制御装置1は、BLER要件及び遅延要件を達成するためのMCSインデックスを大きくできる。制御装置1は、MCSインデックスを大きくすることによるダウンリンクリソース使用効率の増加と、参照信号の送信頻度の増加によるダウンリンクリソース使用効率の減少を考慮してもよい。
【0045】
図2及び
図3を参照して説明された動作では、制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信が行われるときの無線品質(e.g., SINR)の確率分布又は確率密度関数を予測し、予測された確率分布又は確率密度関数を用いてダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータ(e.g., MCSインデックス)の値を決定する。言い換えると、制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの値を決定する際に、予想される無線品質の統計的ばらつきを考慮する。このことは、BLER又は信頼性の期待値の推定精度の向上に寄与でき、無線品質の計測結果に基づいて選択又は決定されるパラメータがターゲット通信品質(e.g., ターゲットBLER)を達成できる可能性を向上することに寄与できる。
【0046】
<第2の実施形態>
本実施形態に係る無線通信システムの構成例は、
図1に示された例と同様であってもよい。本実施形態は、第1の実施形態で説明された制御装置1の動作の詳細例を提供する。
【0047】
本実施形態では、制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する第1のパラメータの異なる候補値に対応する複数のBLER又は信頼性の期待値を求める。そして、制御装置1は、BLER又は信頼性要件を満足する1又はそれ以上のBLER又は信頼性の期待値に対応する1又はそれ以上の候補値の中から、ダウンリンク又はアップリンク送信に適用される第1のパラメータの値を選ぶ。第1のパラメータは、MCS(又はMCSインデックス)を含んでもよい。第1のパラメータは、さらに、再送信の最大回数及びパケット複製が使用されるか否かを示すパラメータのうち一方又は両方を含んでもよい。第1のパラメータは、これらとは別のパラメータを含んでもよい。
【0048】
以下では、制御装置1の動作をより詳細に説明する。
図4は、制御装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
図4の例では、第1のパラメータはMCSを少なくとも含む。
【0049】
ステップ401では、制御装置1は、基地局2から無線端末3へのダウンリンク送信又は無線端末3から基地局2へのアップリンク送信が行われるときのSINR確率密度関数を予測する。SINR確率密度関数を求める方法は、第1の実施形態で
図2のステップ201に関して説明された方法のいずれかと同様であってもよい。
【0050】
ステップ402では、制御装置1は、SINR確率密度関数とMCSの複数の候補値に対応する複数のBLER対SINRカーブとを用いて、複数のMCS候補値に関する複数のBLER又は信頼性の期待値を計算する。各MCS候補値に関するBLER又は信頼性の期待値は、SINR確率密度関数と当該MCS候補値に対応するBLER対SINRカーブとを用いた積分計算により導出できる。
【0051】
第1の実施形態に関して説明したのと同様に、複数のBLER対SINRカーブは、制御装置1内のメモリ又は制御装置1がアクセス可能な外部のメモリにストアされていてもよい。各BLER対SINRカーブは、MCS毎のSINR及びBLERの計測結果を用いたカーブフィッティング手法により得られてもよい。これに代えて、各BLER対SINRカーブは、MCS毎のSINR及びBLERの計測結果やその他の要因を考慮した機械学習又は深層学習により得られてもよい。
【0052】
ステップ403では、制御装置1は、BLER又は信頼性要件を満足する1又はそれ以上のBLER又は信頼性期待値に対応する1又はそれ以上のMCS候補値の中から、ダウンリンク又はアップリンク送信に適用されるMCSの値を選ぶ。制御装置1は、他の通品品質要件、例えば遅延要件をさらに考慮してもよい。制御装置1は、BLER又は信頼性要件及び遅延要件を共に満足するように、ダウンリンク又はアップリンク送信に適用されるMCSの値を選んでもよい。
【0053】
図5を参照して、
図4の動作の具体例を説明する。制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信が行われるときのSINR確率密度関数501を予測する。これは、
図4のステップ401に相当する。次に、制御装置1は、SINR確率密度関数501と複数のBLER対SINRカーブ521、522、及び523とを用いて、複数の信頼性期待値を含む結果541、542、及び543を得る。既に説明したように、信頼性期待値は、BLER期待値を1から引くことで計算される。
【0054】
BLER対SINRカーブ521、522、及び523は、互いに、MCSインデックスと再送信の最大回数の異なる組み合わせに関連付けられる。言い換えると、
図5の例では、第1のパラメータは、MCSと再送信の最大回数を含む。具体的には、BLER対SINRカーブ521は、MCSインデックス#20(MCS-20)が使用され、且つ再送信が行われない(つまり、再送信の最大回数が0である、)ときのBLER対SINRカーブである。BLER対SINRカーブ522は、MCSインデックス#10(MCS-10)が使用され、且つ再送信が行われないときのBLER対SINRカーブである。BLER対SINRカーブ523は、MCSインデックス#10(MCS-10)が使用され、且つ1回の再送信が行われるときのBLER対SINRカーブである。
【0055】
結果541は、BLER対SINRカーブ521を用いて得られた信頼性期待値を含む。結果542は、BLER対SINRカーブ522を用いて得られた信頼性期待値を含む。結果543は、BLER対SINRカーブ523を用いて得られた信頼性期待値を含む。一例として、ダウンリンク又はアップリンク送信に課される信頼性要件が99.9 %以上であるなら、制御装置1は、MCSインデックス#10(MCS-10)をダウンリンク又はアップリンク送信のために選択してもよい。
【0056】
図5の例では、結果541、542、及び543の各々は、さらに、最大遅延及び無線負荷を示す。遅延要件がダウンリンク又はアップリンク送信にさらに課されるなら、制御装置1は、MCSインデックスの決定において、最大遅延が遅延要件を満たすMCS又はMCSと再送信の最大回数との組み合わせを選択してもよい。通信品質要件(e.g., 信頼性要件および遅延要件)を満たす複数のMCS候補値があるなら、制御装置1は、基地局2の無線負荷が小さくなるように、ダウンリンク又はアップリンク送信に適用されるMCSを決定してもよい。
【0057】
第1の実施形態と同様に、本実施形態では、制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信が行われるときの無線品質(e.g., SINR)の確率密度関数を予測し、予測された確率密度関数を用いてダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータ(e.g., MCSインデックス)の値を決定する。言い換えると、制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの値を決定する際に、予想される無線品質の統計的ばらつきを考慮する。このことは、BLER又は信頼性の期待値の推定精度の向上に寄与でき、無線品質の計測結果に基づいて選択又は決定されるパラメータがターゲット通信品質(e.g., ターゲットBLER)を達成できる可能性を向上することに寄与できる。
【0058】
<第3の実施形態>
本実施形態に係る無線通信システムの構成例は、
図1に示された例と同様であってもよい。本実施形態は、第1の実施形態で説明された制御装置1の動作の詳細例を提供する。
【0059】
本実施形態では、制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する第2のパラメータの異なる候補値に対応する複数の無線品質確率分布(又は確率密度関数)を求める。さらに、制御装置1は、これら複数の確率分布(又は確率密度関数)に対応する複数のBLER又は信頼性期待値を計算する。そして、制御装置1は、BLER又は信頼性要件を満足する1又はそれ以上のBLER又は信頼性の期待値に対応する1又はそれ以上の候補値の中から、ダウンリンク又はアップリンク送信に適用される第2のパラメータの値を選ぶ。第2のパラメータは以下のうち1つ又は任意の組み合わせを含んでもよい:MIMOレイヤの数;SU-MIMOとMU-MIMOのどちらが使用されるかを示すパラメータ;基地局2によるダウンリンク参照信号の送信の時間間隔;無線端末3によるチャネル状態報告の送信の時間間隔;無線端末3によるアップリンク参照信号の送信の時間間隔;及びサブキャリア間隔。
【0060】
以下では、制御装置1の動作をより詳細に説明する。
図6は、制御装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
図6の例では、第2のパラメータはMIMOレイヤ数を少なくとも含む。
【0061】
ステップ601では、制御装置1は、MIMOレイヤ数の異なる候補値に対応する複数のSINR確率密度関数を予測する。各SINR確率密度関数を求める方法は、第1の実施形態で
図2のステップ201に関して説明された方法のいずれかと同様であってもよい。
【0062】
ステップ602では、制御装置1は、複数のSINR確率密度関数とBLER対SINRカーブとを用いて、複数のMIMOレイヤ数の候補値に関する複数のBLER又は信頼性の期待値を計算する。各MIMOレイヤ数候補値に関するBLER又は信頼性の期待値は、BLER対SINRカーブと当該MIMOレイヤ数候補値に対応するSINR確率密度関数とを用いた積分計算により導出できる。
【0063】
ステップ603では、制御装置1は、BLER又は信頼性要件を満足する1又はそれ以上のBLER又は信頼性期待値に対応する1又はそれ以上のMIMOレイヤ数候補値の中から、ダウンリンク又はアップリンク送信に適用されるMIMOレイヤ数の値を選ぶ。制御装置1は、他の通品品質要件、例えば遅延要件をさらに考慮してもよい。制御装置1は、BLER又は信頼性要件及び遅延要件を共に満足するように、ダウンリンク又はアップリンク送信に適用されるMIMOレイヤ数の値を選んでもよい。
【0064】
図7を参照して、
図6の動作の具体例を説明する。制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信が行われるときのSINR確率密度関数701、702、及び703を予測する。これは、
図6のステップ601に相当する。SINR確率密度関数701、702、及び703は、互いに、MIMOレイヤ数とSU-MIMO又はMU-MIMOの間の選択の異なる組み合わせに対応付けられる。言い換えると、
図7の例では、第2のパラメータは、MIMOレイヤ数とSU-MIMOとMU-MIMOのどちらが使用されるかを示すパラメータとを含む。
【0065】
具体的には、SINR確率密度関数701は、SU-MIMO且つ送信レイヤ数が1であるときのSINR確率密度関数である。SINR確率密度関数702は、SU-MIMO且つ送信レイヤ数が2であるときのSINR確率密度関数である。SINR確率密度関数703は、MU-MIMO且つ送信レイヤ数(又は空間多重数)が2であるときのSINR確率密度関数である。一般的に、MIMOレイヤ数又は空間多重数が多いほど干渉が発生しやすい。また、干渉は、SU-MIMOよりMU-MIMOにおいてより発生しやすい。したがって、SINR確率密度関数701は、他の2つの確率密度関数702及び703よりも統計的ばらつき(i.e., 分散及び標準偏差)が小さい傾向がある。一方、SINR確率密度関数703は、他の2つの確率密度関数701及び702よりも統計的ばらつき(i.e., 分散及び標準偏差)が大きい傾向がある。
【0066】
次に、制御装置1は、複数のSINR確率密度関数701、702、及び703とBLER対SINRカーブ722とを用いて、複数の信頼性期待値を含む結果741、742、及び743を得る。既に説明したように、信頼性期待値は、BLER期待値を1から引くことで計算される。結果741は、SINR確率密度関数701を用いて得られた信頼性期待値を含む。結果742は、SINR確率密度関数702を用いて得られた信頼性期待値を含む。結果743は、SINR確率密度関数703を用いて得られた信頼性期待値を含む。一例として、ダウンリンク又はアップリンク送信に課される信頼性要件が99.9 %以上であるなら、制御装置1は、SU-MIMO且つシングルレイヤ送信、又はSU-MIMO且つデュアルレイヤ送信をダウンリンク又はアップリンク送信のために選択してもよい。
【0067】
図7の例では、結果741、742、及び743の各々は、さらに、最大遅延を示す。遅延要件がダウンリンク又はアップリンク送信にさらに課されるなら、制御装置1は、最大遅延が遅延要件を満たす組み合わせを選択してもよい。一般的に、無線端末3によるアップリンク送信では、送信レイヤ数が小さいほど遅延性能が良いこと、且つSU-MIMOはMU-MIMOよりも遅延性能が良いことが知られている。例えば、信頼性要件が99.9 %以上であり且つ遅延要件が5 ms以下であるなら、制御装置1は、SU-MIMO且つシングルレイヤ送信をダウンリンク又はアップリンク送信のために選択してもよい。
【0068】
第1の実施形態と同様に、本実施形態では、制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信が行われるときの無線品質(e.g., SINR)の確率密度関数を予測し、予測された確率密度関数を用いてダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータ(e.g., MCSインデックス)の値を決定する。言い換えると、制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの値を決定する際に、予想される無線品質の統計的ばらつきを考慮する。このことは、BLER又は信頼性の期待値の推定精度の向上に寄与でき、無線品質の計測結果に基づいて選択又は決定されるパラメータがターゲット通信品質(e.g., ターゲットBLER)を達成できる可能性を向上することに寄与できる。
【0069】
<第4の実施形態>
本実施形態に係る無線通信システムの構成例は、
図1に示された例と同様であってもよい。本実施形態は、第1の実施形態で説明された制御装置1の動作の詳細例を提供する。
【0070】
上述の説明から、当業者であれば、第2の実施形態で説明された方法は第3の実施形態で説明された方法が組み合わせ可能であることを理解できるであろう。本実施形態は、このような組み合わせの具体例を提供する。
【0071】
図8は、制御装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
図8の例では、ダウンリンク又はアップリンク送信に関する第1のパラメータは、MCS(又はMCSインデックス)を少なくとも含む。さらに、
図8の例では、ダウンリンク又はアップリンク送信に関する第2のパラメータはMIMOレイヤ数を少なくとも含む。
【0072】
ステップ801では、制御装置1は、MIMOレイヤ数の異なる候補値に対応する複数のSINR確率密度関数を予測する。各SINR確率密度関数を求める方法は、第1の実施形態で
図2のステップ201に関して説明された方法のいずれかと同様であってもよい。
【0073】
ステップ802では、制御装置1は、制御装置1は、MIMOレイヤ数の候補値及びMCS候補値の異なる組み合わせ関する複数のBLER又は信頼性の期待値を計算する。これらの計算では、制御装置1は、複数のSINR確率密度関数と複数のMCS候補値に対応する複数のBLER対SINRカーブとを用いる。MIMOレイヤ数候補値とMCS候補値の各組み合わせに関するBLER又は信頼性の期待値は、当該MCS候補値に対応するBLER対SINRカーブと当該MIMOレイヤ数候補値に対応するSINR確率密度関数とを用いた積分計算により導出できる。
【0074】
ステップ803では、制御装置1は、BLER又は信頼性要件を満足する1又はそれ以上のBLER又は信頼性期待値に対応する1又はそれ以上のMIMOレイヤ数候補値とMCS候補値の組み合わせの中から、ダウンリンク又はアップリンク送信に適用されるMIMOレイヤ数の値及びMCSの値を選ぶ。制御装置1は、他の通品品質要件、例えば遅延要件をさらに考慮してもよい。制御装置1は、BLER又は信頼性要件及び遅延要件を共に満足するように、MIMOレイヤ数の値及びMCSの値を選んでもよい。
【0075】
図9を参照して、
図8の動作の具体例を説明する。制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信が行われるときのSINR確率密度関数901、902、及び903を予測する。これは、
図8のステップ801に相当する。SINR確率密度関数901、902、及び903は、互いに、MIMOレイヤ数とSU-MIMO又はMU-MIMOの間の選択の異なる組み合わせに対応付けられる。言い換えると、
図9の例では、第2のパラメータは、MIMOレイヤ数とSU-MIMOとMU-MIMOのどちらが使用されるかを示すパラメータとを含む。
【0076】
具体的には、SINR確率密度関数901は、SU-MIMO且つ送信レイヤ数が1であるときのSINR確率密度関数である。SINR確率密度関数902は、SU-MIMO且つ送信レイヤ数が2であるときのSINR確率密度関数である。SINR確率密度関数903は、MU-MIMO且つ送信レイヤ数(又は空間多重数)が2であるときのSINR確率密度関数である。
【0077】
次に、制御装置1は、複数のSINR確率密度関数901、902、及び903と複数のBLER対SINRカーブ921、922、及び923とを用いて、第1及び第2のパラメータの異なる組み合わせに関する複数のBLER又は信頼性期待値を計算する。
図9の例では、制御装置1は、9通りのパラメータ組み合わせに関する9つのBLER又は信頼性期待値を計算してもよい。制御装置1は、通信品質要件(e.g., BLER又は信頼性要件及び遅延要件)を満たすことができるMIMOレイヤ数の値及びMCSの値を選ぶ。
【0078】
第1の実施形態と同様に、本実施形態では、制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信が行われるときの無線品質(e.g., SINR)の確率密度関数を予測し、予測された確率密度関数を用いてダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータ(e.g., MCSインデックス)の値を決定する。言い換えると、制御装置1は、ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの値を決定する際に、予想される無線品質の統計的ばらつきを考慮する。このことは、BLER又は信頼性の期待値の推定精度の向上に寄与でき、無線品質の計測結果に基づいて選択又は決定されるパラメータがターゲット通信品質(e.g., ターゲットBLER)を達成できる可能性を向上することに寄与できる。
【0079】
続いて以下では、上述の複数の実施形態に係る制御装置1の構成例について説明する。
図10を参照すると、制御装置1は、ネットワークインターフェース1001、プロセッサ1002、及びメモリ1003を含む。
【0080】
ネットワークインターフェース2701は、例えば、他のネットワーク要素、機能、又はノードと通信するために使用される。ネットワークインターフェース1001は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0081】
プロセッサ1002は、例えば、マイクロプロセッサ、Micro Processing Unit(MPU))、又はCentral Processing Unit(CPU)であってもよい。プロセッサ1002は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0082】
メモリ1003は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリによって構成される。メモリ1003は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。メモリ1003は、プロセッサ1002から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1002は、ネットワークインターフェース1001又はI/Oインタフェースを介してメモリ1003にアクセスしてもよい。
【0083】
メモリ1003は、上述の複数の実施形態で説明された制御装置1による処理を行うための命令群およびデータを含む1又はそれ以上のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)1004を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ1002は、当該ソフトウェアモジュール1004をメモリ1003から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明された制御装置1の処理を行うよう構成されてもよい。
【0084】
図10を用いて説明したように、上述の実施形態に係る制御装置1が有するプロセッは、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行することができる。プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0085】
上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0086】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0087】
(付記1)
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
基地局から無線端末へのダウンリンク送信又は前記無線端末から前記基地局へのアップリンク送信が行われるときの無線品質の確率分布を予測し、
前記確率分布を用いて、前記ダウンリンク又はアップリンク送信のブロックエラーレート(BLER)又は信頼性の期待値を計算し、
前記期待値を考慮して、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定する、
よう構成されている、
制御装置。
(付記2)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記1又はそれ以上のパラメータの決定において、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に課されるBLER又は信頼性要件を考慮するよう構成されている、
付記1に記載の制御装置。
(付記3)
前記期待値は、前記1又はそれ以上のパラメータに含まれる第1のパラメータの異なる候補値に対応する複数の期待値を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記BLER又は信頼性要件を満足する1又はそれ以上の期待値に対応する1又はそれ以上の候補値の中から、前記第1のパラメータの値を選ぶよう構成されている、
付記2に記載の制御装置。
(付記4)
前記第1のパラメータは、Modulation and Coding Scheme (MCS)を含む、
付記3に記載の制御装置。
(付記5)
前記第1のパラメータは、再送信の最大回数及びパケット複製が使用されるか否かを示すパラメータのうち一方又は両方をさらに含む、
付記4に記載の制御装置。
(付記6)
前記確率分布は、前記1又はそれ以上のパラメータに含まれる第2のパラメータの異なる候補値に対応する複数の確率分布を含み、
前記期待値は、前記複数の確率分布に対応する複数の期待値を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記BLER又は信頼性要件を満足する1又はそれ以上の期待値に対応する1又はそれ以上の確率分布に対応する1又はそれ以上の候補値の中から、前記第2のパラメータの値を選ぶよう構成されている、
付記2~5のいずれか1項に記載の制御装置。
(付記7)
前記第2のパラメータは以下のうち1つ又は任意の組み合わせを含む:Multi-Input Multi-Output (MIMO)レイヤの数;Single-User (SU) MIMOとMulti-User (MU) MIMOのどちらが使用されるかを示すパラメータ;前記基地局によるダウンリンク参照信号の送信の時間間隔;前記ダウンリンク参照信号の周波数密度;前記無線端末によるチャネル状態報告の送信の時間間隔;前記無線端末によるアップリンク参照信号の送信の時間間隔;前記アップリンク参照信号の周波数密度;及びサブキャリア間隔、
付記6に記載の制御装置。
(付記8)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記1又はそれ以上のパラメータの各々の値の決定において、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に課される遅延要件をさらに考慮するよう構成されている、
付記2~7のいずれか1項に記載の制御装置。
(付記9)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記BLER又は信頼性要件及び前記遅延要件を共に満足するように、前記1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定するよう構成されている、
付記8に記載の制御装置。
(付記10)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記無線端末からのチャネル状態報告を用いて、前記確率分布を予測するよう構成されている、
付記1~9のいずれか1項に記載の制御装置。
(付記11)
前記無線品質は、signal to interference plus noise ratio (SINR)を含む、
付記1~10のいずれか1項に記載の制御装置。
(付記12)
前記1又はそれ以上のパラメータは、Modulation and Coding Scheme (MCS)を含む、
付記1又は2に記載の制御装置。
(付記13)
前記1又はそれ以上のパラメータは、Multi-Input Multi-Output (MIMO)レイヤの数、若しくはSingle-User (SU) MIMOとMulti-User (MU) MIMOのどちらが使用されるかを示すパラメータ、又は両方を含む、
付記1又は2に記載の制御装置。
(付記14)
前記1又はそれ以上のパラメータは以下のうち1つ又は任意の組み合わせを含む:Modulation and Coding Scheme (MCS);再送信の最大回数;パケット複製が使用されるか否かを示すパラメータ;Multi-Input Multi-Output (MIMO)レイヤの数;Single-User (SU) MIMOとMulti-User (MU) MIMOのどちらが使用されるかを示すパラメータ;前記基地局によるダウンリンク参照信号の送信の時間間隔;前記ダウンリンク参照信号の周波数密度;前記無線端末によるチャネル状態報告の送信の時間間隔;前記無線端末によるアップリンク参照信号の送信の時間間隔;前記アップリンク参照信号の周波数密度;及びサブキャリア間隔、
付記1又は2に記載の制御装置。
(付記15)
前記制御装置は、前記基地局又はRAN Intelligent Controller(RIC)に配置される、
付記1~14のいずれか1項に記載の制御装置。
(付記16)
基地局から無線端末へのダウンリンク送信又は前記無線端末から前記基地局へのアップリンク送信が行われるときの無線品質の確率分布を予測すること、
前記確率分布を用いて、前記ダウンリンク又はアップリンク送信のブロックエラーレート(BLER)又は信頼性の期待値を計算すること、及び
前記期待値を考慮して、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定すること、
を備える、制御装置により行われる方法。
(付記17)
基地局から無線端末へのダウンリンク送信又は前記無線端末から前記基地局へのアップリンク送信が行われるときの無線品質の確率分布を予測すること、
前記確率分布を用いて、前記ダウンリンク又はアップリンク送信のブロックエラーレート(BLER)又は信頼性の期待値を計算すること、及び
前記期待値を考慮して、前記ダウンリンク又はアップリンク送信に関係する1又はそれ以上のパラメータの各々の値を決定すること、
を備える方法をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【符号の説明】
【0088】
1 制御装置
2 基地局
3 無線端末
1002 プロセッサ
1003 メモリ
1004 モジュール(modules)