IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電動車両用モータ 図1
  • 特開-電動車両用モータ 図2
  • 特開-電動車両用モータ 図3
  • 特開-電動車両用モータ 図4
  • 特開-電動車両用モータ 図5
  • 特開-電動車両用モータ 図6
  • 特開-電動車両用モータ 図7
  • 特開-電動車両用モータ 図8
  • 特開-電動車両用モータ 図9
  • 特開-電動車両用モータ 図10
  • 特開-電動車両用モータ 図11
  • 特開-電動車両用モータ 図12
  • 特開-電動車両用モータ 図13
  • 特開-電動車両用モータ 図14
  • 特開-電動車両用モータ 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175187
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】電動車両用モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/14 20060101AFI20231205BHJP
   B60K 7/00 20060101ALI20231205BHJP
   B62M 7/12 20060101ALN20231205BHJP
【FI】
H02K7/14 C
B60K7/00
B62M7/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087510
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井口 卓郎
【テーマコード(参考)】
3D235
5H607
【Fターム(参考)】
3D235AA23
3D235BB18
3D235CC42
3D235GA13
3D235GA59
3D235GB42
5H607AA00
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607BB17
5H607CC09
5H607DD02
5H607DD19
5H607FF01
5H607GG01
5H607GG08
5H607JJ03
5H607JJ04
5H607JJ05
5H607JJ06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】出力を維持しつつ、軽量化することができる電動車両用モータを提供する。
【解決手段】電動車両用モータ10は、中心軸Cxに沿って延びるシャフトを有するステータ20と、前記ステータの径方向外方に配置され、中心軸を中心としてシャフトに回転可能に取り付けられるロータ30と、を有する。ロータは、マグネット32が配置される環状のロータ筒部31と、ロータ筒部の径方向外方に配置されるリム50と、ロータ筒部の外周面を保持するとともに、リムの径方向内方に保持される筒部ホルダ40と、ロータ筒部及び前記筒部ホルダの少なくとも軸方向一方に配置され、シャフトに回転可能に支持されるとともに筒部ホルダに締結されるカバー部材61,62と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸に沿って延びるシャフトを有するステータと、
前記ステータの径方向外方に配置され、前記中心軸を中心として前記シャフトに回転可能に取り付けられるロータと、を有し、
前記ロータは、
内周面にマグネットが配置される環状のロータ筒部と、
前記ロータ筒部の径方向外方に配置されるリムと、
前記ロータ筒部の外周面を保持するとともに、前記リムの径方向内方に保持される筒部ホルダと、
前記シャフトに回転可能に支持されるとともに前記筒部ホルダに締結されるカバー部材と、を有する電動車両用モータ。
【請求項2】
前記筒部ホルダは、前記中心軸と交差する方向に拡がる固定部を有し、
前記カバー部材は、前記固定部に締結される請求項1に記載の電動車両用モータ。
【請求項3】
前記固定部は、
前記中心軸を中心とする周方向に延びて周方向に配列される複数の第1固定部と、
前記中心軸を中心とする周方向に延びて周方向に配列され、前記第1固定部と軸方向に離れる複数の第2固定部と、を有し、
前記筒部ホルダは、前記第1固定部と前記第2固定部とを連結する複数の連結部を有し、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、同数であり、前記中心軸に沿う方向から見て、前記第1固定部の少なくとも一部が、周方向において隣り合う前記第2固定部の間の空間と前記中心軸に沿う方向に並んで配置され、
半数の前記連結部は、前記第1固定部の周方向一方の端部と前記第2固定部の周方向他方の端部とを連結し、残りの前記連結部は、前記第1固定部の周方向他方の端部と前記第2固定部の周方向一方の端部とを連結する請求項2に記載の電動車両用モータ。
【請求項4】
前記連結部は、径方向内方に径方向外方に凹む凹部を有し、
前記ロータ筒部は、外周面から径方向外方に突出して前記凹部に嵌る凸部を有する請求項3に記載の電動車両用モータ。
【請求項5】
前記固定部は、
前記ロータ筒部よりも軸方向一方側に配置される第1固定部と、
前記ロータ筒部よりも軸方向他方側に配置される第2固定部と、を有する請求項2に記載の電動車両用モータ。
【請求項6】
前記筒部ホルダは、
環状の前記第1固定部を有する第1ホルダ部材と、
環状の前記第2固定部を有する第2ホルダ部材と、を有し、
前記第1ホルダ部材は、
前記第1固定部の径方向内方から軸方向他方に延びて周方向に配列されるとともに、前記ロータ筒部の外周面と接触する複数の第1保持板部を有し、
前記第2ホルダ部材は、
前記第2固定部の径方向内方から軸方向一方に延びて周方向に配列されるとともに、前記ロータ筒部の外周面と接触する複数の第2保持板部を有し、
前記第1保持板部及び前記第2保持板部は、周方向に交互に配列される請求項5に記載の電動車両用モータ。
【請求項7】
前記第1ホルダ部材は、
前記第1固定部から軸方向他方に延び、前記第1保持板部よりも径方向外方に配置される複数の第1支持板部を有し、前記第1保持板部と前記第1支持板部とが周方向に交互に配列され、
前記第2ホルダ部材は、前記第2固定部から軸方向一方に延び、前記第2保持板部よりも径方向外方に配置される複数の第2支持板部を有し、前記第2保持板部と前記第2支持板部とが周方向に交互に配列され、
前記第1支持板部が、前記第2保持板部の径方向外面と径方向に対向して配置され、
前記第2支持板部が、前記第1保持板部の径方向外面と径方向に対向して配置される請求項6に記載の電動車両用モータ。
【請求項8】
前記第1保持板部が前記第2支持板部に固定され、前記第2保持板部が前記第1支持板部に固定される請求項7に記載の電動車両用モータ。
【請求項9】
前記第1支持板部は、前記第2固定部に接触し、前記第2支持板部は、前記第1固定部に接触する請求項7に記載の電動車両用モータ。
【請求項10】
前記第1保持板部は前記第2固定部に接触し、前記第2保持板部は前記第1固定部に接触する請求項6又は請求項7に記載の電動車両用モータ。
【請求項11】
前記第1保持板部、前記第2保持板部、前記ロータ筒部及び前記リムを一体的に固定する溶接部を有する請求項6に記載の電動車両用モータ。
【請求項12】
前記カバー部材の外縁部は、前記リムに接触する請求項3、請求項6及び請求項7のいずれかに記載の電動車両用モータ。
【請求項13】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の電動車両用モータを有する、電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両用のモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヨークを形成する円筒部にカバー部が固定される車両を駆動するためのインホイールモータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-83649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したインホイールモータでは、カバー部を円筒部に直接固定する構成であるため、円筒部に十分な厚みが必要であり、インホイールモータの重量が重くなる恐れがあった。
【0005】
そこで本発明は、出力を維持しつつ、軽量化することができる電動車両用モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な電動車両用モータは、中心軸に沿って延びるシャフトを有するステータと、前記ステータの径方向外方に配置され、前記中心軸を中心として前記シャフトに回転可能に取り付けられるロータと、を有する。前記ロータは、内周面にマグネットが配置される環状のロータ筒部と、前記ロータ筒部の径方向外方に配置されるリムと、前記ロータ筒部の外周面を保持するとともに、前記リムの径方向内方に保持される筒部ホルダと、軸方向において前記ロータ筒部及び前記筒部ホルダの少なくとも一方に配置され、前記シャフトに回転可能に支持されるとともに前記筒部ホルダに締結されるカバー部材と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の例示的な電動車両用モータによれば、出力を維持しつつ、軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態の電動車両用モータの断面図である。
図2図2は、図1に示す電動車両用モータの斜視図である。
図3図3は、電動車両用モータの分解斜視図である。
図4図4は、ステータ及びロータの斜視図である。
図5図5は、ステータ及びロータの分解斜視図である。
図6図6は、ステータの分解斜視図である。
図7図7は、電動車両の構成例を示す概念図である。
図8図8は、第1変形例のステータの分解斜視図である。
図9図9は、第2変形例の電動車両用モータの断面図である。
図10図10は、図9に示すロータの一部を切断した斜視図である。
図11図11は、電動車両用モータの分解斜視図である。
図12図12は、筒部ホルダの斜視図である。
図13図13は、ロータの分解斜視図である。
図14図14は、第3変形例のロータの斜視図である。
図15図15は、図14に示すロータの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態にかかる電動車両用モータについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
本明細書において、図1に示す電動車両用モータ10の中心軸Cxと平行な方向を「軸方向」と称する。中心軸Cxと直交する径方向を単に「径方向」と称し、中心軸Cxを中心とする周方向を単に「周方向」と称する。なお、軸方向に沿う方向の一方を、「軸方向一方C1」と称し、軸方向一方C1と反対側を「軸方向他方C2」と称する。また径方向において中心に向かう方向を「径方向内方D1」と称し、径方向において中心から離れる方向を「径方向外方D2」と称する。さらに、周方向に沿う方向の一方を「周方向一方R1」と称し、周方向一方R1と反対側を「周方向他方R2」と称する。
【0011】
また、本明細書において、「環状」は、中心軸Cxを中心とする周方向の全域に渡って切れ目が無く、連続的に一繋がりとなる形状に加えて、中心軸Cxを中心とする全域の一部に1以上の切れ目を有する形状を含む。また、中心軸Cxを中心として、中心軸Cxと交差する曲面において閉曲線を描く形状も含む。
【0012】
また、方位、線、及び面のうちのいずれかと他のいずれかとの位置関係において、「平行」は、両者がどこまで延長しても全く交わらない状態のみならず、実質的に平行である状態を含む。また、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者が互いに90度で交わる状態のみならず、実質的に垂直である状態及び実質的に直交する状態を含む。つまり、「平行」、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者の位置関係に本発明の主旨を逸脱しない程度の角度ずれがある状態を含む。
【0013】
なお、これらは単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係、方向、及び名称などを限定する意図はない。
【0014】
<電動車両用モータ10>
図1は、電動車両用モータ10の断面図である。図2は、図1に示す電動車両用モータ10の斜視図である。図3は、電動車両用モータ10の分解斜視図である。図4は、ステータ及びロータの斜視図である。図5は、ステータ及びロータの分解斜視図である。図6は、ロータの分解斜視図である。図2に示す電動車両用モータ10では、第1カバー部材61及び第2カバー部材62の図示を省略している。また、図6では、リム50の図示を省略している。
【0015】
電動車両用モータ10は、ステータ20と、ロータ30と、軸受部70と、を有する。電動車両用モータ10において、ロータ30は、ステータ20の径方向外方D2に配置されて、ステータ20と径方向に対向する。
【0016】
<ステータ20>
ステータ20は、シャフト21と、ステータホルダと22と、ステータコア23と、コイル24とを有する。
【0017】
<シャフト21>
シャフト21は、円柱形状であり、中心軸Cxに沿って軸方向に延びる。すなわち、ステータ20は、中心軸Cxに沿って延びるシャフト21を有する。本実施形態では、シャフト21は、固定軸であり、例えば、電動車両100の車体130(後述する図15参照)に固定される。
【0018】
<ステータホルダ22>
ステータホルダ22は、内筒部221と、外筒部222と、筒連結部223と、フランジ部224とを有する。図1図5等に示すとおり、内筒部221は、中心軸Cxに沿って延びる筒状である。シャフト21は、内筒部221を貫通しており、内筒部221は、シャフト21に固定される。シャフト21の内筒部221への固定方法として、圧入を挙げることができるが、これに限定されない。例えば、溶接、接着、溶着、ねじ止め等の固定方法を採用することも可能である。また、固定方法としては、これらに限定されず、シャフト21と内筒部221とを強固に固定できる方法を広く採用することができる。
【0019】
外筒部222は、中心軸Cxに沿って延びる筒状であり、内筒部221の径方向外方D2に配置される。そして、外筒部222は、内筒部221と径方向に対向する。筒連結部223は、外筒部222の軸方向一方C1の端部より径方向内方D1に延びる。筒連結部223の径方向内方D1の端部は、内筒部221に固定される。つまり、筒連結部223は、内筒部221と外筒部222とを連結する板状である。なお、図2図5に示すように、筒連結部223は、軸方向に貫通する貫通孔を複数個有する。筒連結部223は、貫通孔を有することで、軽量化できるとともに、内部に気流を流入させることができ、電動車両用モータ10の冷却効率を高めることができる。
【0020】
図1に示すように、フランジ部224は、外筒部222の軸方他方C2の端部より径方向外方D2に拡がる。フランジ部224は、中心軸Cxと直交する方向に拡がる環状である。ステータ20において、外筒部222の外周面には、ステータコア23が取り付けられる。ステータコア23は、ステータホルダ22の軸方向一方側から取り付けられる。このとき、ステータコア23の軸方向他方C2の端部が、フランジ部224の軸方向一方C1の端面に接触する。これにより、軸方向において、ステータコア23をステータホルダ22に対して位置決めされる。このように、ステータコア23が、ステータホルダ22に位置決めして取り付けられることで、ロータ30の後述するマグネット32と径方向に正確に対向する。
【0021】
<ステータコア23>
ステータコア23は、磁性体材料を用いて形成される。本実施形態において、ステータコア23は、電磁鋼板を軸方向に積層した積層体である。ステータコア23は、コアバック231と、複数のティース232と、を有する。コアバック231は、マグネット32よりも径方向内方D1に配置され、中心軸Cxを囲む環状である。コアバック231は、ステータホルダ22の外筒部222の外周面に固定される。
【0022】
複数のティース232は、コアバック231から径方向外方D2に延びて、周方向に配列される。ステータコア23では、不図示のインシュレータが少なくともティース232を覆う。インシュレータは、樹脂などの電気絶縁性を有する材料で形成される。インシュレータに覆われた各ティース232に導線を巻き付け、コイル24が形成される(図1参照)。導線は、例えば、エナメル被覆銅線、絶縁部材で被覆された金属線などである。
【0023】
各々ティース232に配置されたコイル24は、不図示の渡線で電気的に接続される。なお、本実施形態において、渡線は、導線の一部である。但し、この例示に限定されず、渡線は、導線とは別部材であってよい。各々のコイル24に駆動電流が供給されると、ステータ20は励磁される。ステータ20の励磁によって、ロータ30が駆動される。
【0024】
<ロータ30>
ロータ30は、軸方向に延びる中心軸Cxを中心にして回転可能である。本実施形態では、ロータ30は、シャフト21に対して回転可能である。すなわち、ロータ30は、ステータ20の径方向外方に配置され、中心軸Cxを中心としてシャフト21に回転可能に取り付けられる。ロータ30は、ロータ筒部31と、複数のマグネット32と、筒部ホルダ40と、リム50と、を有する。
【0025】
<ロータ筒部31>
ロータ筒部31は、中心軸Cxを囲んで軸方向に延びる環状である。ロータ筒部31は、磁性体材料を用いて形成される。本実施形態では、長方形状の鉄板を曲げて筒状に形成している。なお、ロータ筒部31は、周方向の端部同士を固定した環状であってもよいし、端部同士は、固定しない構成であってもよい。ロータ筒部31の周方向の端部同士を固定しない場合であっても、径方向外方D2を筒部ホルダ40に保持されるため、ロータ筒部31は、一定の直径の環状に維持される。
【0026】
<マグネット32>
複数のマグネット32は、ロータ筒部31の内周面に固定される。すなわち、ロータ30は、内周面にマグネット32が配置される環状のロータ筒部31を有する。複数のマグネット32は、周方向に配列される。マグネット32は、例えば、溶接によってロータ筒部31に固定される。なお、マグネット32のロータ筒部31への固定方法は、溶接に限定されず、接着、溶接、ねじ止め、かしめ等を挙げることができる。さらに、これらの固定方法に限定されるものではなく、固定方法は、マグネット32をロータ筒部31に強固に固定できる固定方法を広く採用することができる。
【0027】
マグネット32の径方向内面の磁極(N極及びS極)は、周方向に隣り合うマグネット32の径方向内面の磁極と異なる。本実施形態のロータ30では、複数のマグネット32を周方向に配列した構成としているが、これに限定されず、マグネットは、中心軸Cxを囲む環状のマグネットであってもよい。環状のマグネットの場合、内周面が周方向に異なる磁極が交互に並んで配置される。なお、本実施形態のロータ30において、複数のマグネット32は、周方向に互いに接触して配置されるが、これに限定されず、一定の隙間を開けて配置されてもよい。
【0028】
本実施形態にかかるロータ30において、マグネット32は、ロータ筒部31に接触して配置される。そして、ロータ筒部31は、磁性体材料で形成される。そのため、ロータ筒部31は、マグネット32のヨークとしての役割を果たす。例えば、マグネット32の磁力が十分に強い場合等、ヨークが不要な場合、ロータ筒部31は非磁性体材料を用いて形成されてもよい。また、ロータ筒部31及びマグネット32間に、ロータ筒部31とは別のヨークが配置されてもよい。この場合、ロータ筒部31とヨークとは、強固に固定されていることが好ましい。
【0029】
<筒部ホルダ40>
図3図6に示すように、筒部ホルダ40は、環状である。筒部ホルダ40は、例えば、鉄板等の金属板を折り曲げて形成される。筒部ホルダ40は、中心軸Cxと交差する方向に拡がる固定部400を有する。固定部400は、第1固定部41と、第2固定部42と、連結部43と、を有する。固定部400において、第1固定部41は軸方向一方C1、第2固定部42は、軸方向他方C2に配置される。さらに説明すると、固定部400は、ロータ筒部31よりも軸方向一方C1側に配置される第1固定部41と、ロータ筒部31よりも軸方向他方C2側に配置される第2固定部42と、を有する。
【0030】
<固定部400>
第1固定部41は、中心軸Cxと直交する方向に拡がる板状である。第1固定部41は、周方向に沿って延びる形状を有する。筒部ホルダ40は、複数の第1固定部41を有する。本実施形態にかかる筒部ホルダ40において、第1固定部41は16個である。全ての第1固定部41は、同じ大きさ及び形状の外形を有する。そして、16個の第1固定部41は、周方向に等間隔で配置される。すなわち、複数の第1固定部41は、中心軸Cxを中心とする周方向に延びて周方向に配列される。なお、第1固定部41は、これに限定されず、他の第1固定部41とは異なる形状の第1固定部41を有する構成であってもよい。また、複数の第1固定部41の周方向の間隔が、少なくとも一部で異なっていてもよい。
【0031】
第1固定部41の径方向内面は、中心軸Cxを中心とする円筒を形成する曲面形状である。さらに説明すると、第1固定部41の径方向内面は、ロータ筒部31の径方向外面と同じ曲率の曲面である。
【0032】
第1固定部41の一部は、軸方向に貫通する第1ねじ締結部441を有する。本実施形態の筒部ホルダ40は、8個の第1ねじ締結部441を有する。換言すると、第1ねじ締結部441が形成された第1固定部41と、第1ねじ締結部441が形成されない第1固定部41とが周方向に交互に配置される。第1固定部41の第1ねじ締結部441は、例えば、バーリング加工で形成され、軸方向一方C1の端面から軸方向一方C1に突出する。第1ねじ締結部441には、内周面に雌ねじ(不図示)が形成される。なお、第1ねじ締結部441の加工方法は、バーリング加工に限定されず、内周面に雌ねじを形成できる方法を広く採用することができる。
【0033】
第1ねじ締結部441をこのように構成することで、第1ねじ締結部441及び第1ねじ締結部441にねじ止めされる後述のねじBtの先端と、ロータ筒部31との干渉が抑制される。
【0034】
第2固定部42は、第1固定部41と同様、中心軸Cxと直交する方向に拡がる板状である。第2固定部42は、周方向に沿って延びる形状を有する。筒部ホルダ40は、複数の第2固定部42を有する。本実施形態にかかる筒部ホルダ40において、第2固定部42は、第1固定部41と同様、16個である。全ての第2固定部42は、同じ大きさ及び形状の外形を有する。そして、16個の第2固定部42は、周方向に等間隔で配置される。すなわち、複数の第2固定部42は、中心軸Cxを中心とする周方向に延びて周方向に配列され、第1固定部41と軸方向に離れる。なお、第2固定部42は、これに限定されず、他の第2固定部42とは異なる形状の第2固定部42を有する構成であってもよい。また、複数の第2固定部42の周方向の間隔が、少なくとも一部で異なっていてもよい。
【0035】
第2固定部42の径方向内面は、中心軸Cxを中心とする円筒を形成する曲面形状である。さらに説明すると、第2固定部42の径方向内面は、ロータ筒部31の径方向外面と同じ曲率の曲面である。
【0036】
第2固定部42の一部は、軸方向に貫通する第2ねじ締結部442を有する。本実施形態の筒部ホルダ40は、8個の第2ねじ締結部442を有する。換言すると、第2ねじ締結部442が形成された第2固定部42と、第2ねじ締結部442が形成されない第2固定部42とが周方向に交互に配置される。第2固定部42の第2ねじ締結部442は、例えば、バーリング加工で形成され、軸方向他方C2の端面から軸方向他方C2に突出する。第2ねじ締結部442には、内周面に雌ねじ(不図示)が形成される。なお、第2ねじ締結部442の加工方法は、バーリング加工に限定されず、内周面に雌ねじを形成できる方法を広く採用することができる。
【0037】
筒部ホルダ40において、第1固定部41と第2固定部42とは、周方向にずれて配置される。つまり、第2固定部42は、少なくとも一部が周方向に隣り合う第1固定部41の間の隙間と軸方向に対向する。換言すると、第1固定部41及び第2固定部42は、同数であり、中心軸Cxに沿う方向から見て、第1固定部41は、周方向において少なくとも一部が隣り合う第2固定部42の間の空間と軸方向に並ぶ。
【0038】
筒部ホルダ40は、中心軸Cxに沿って延びるとともに第1固定部41と第2固定部42とを連結する複数(本実施形態では32個)の連結部43を有する。32個の連結部43のうち、16個(半数)の連結部43は、第1固定部41の周方向一方R1の端部と第2固定部42の周方向他方R2の端部とを連結する。そして、残りの連結部43は、第1固定部41の周方向他方R2の端部と第2固定部42の周方向一方R1の端部とを連結する。
【0039】
すなわち、半数の連結部16は、第1固定部41の周方向一方R1の端部と第2固定部42の周方向他方R2の端部とを連結し、残りの連結部43は、第1固定部41の周方向他方R2の端部と第2固定部42の周方向一方R1の端部とを連結する。連結部43の径方向内面は、中心軸Cxを中心とし、ロータ筒部31の径方向外面と同じ曲率の曲面である。これにより、連結部43は、ロータ筒部31と接触して配置される。
【0040】
筒部ホルダ40の径方向内方D1には、マグネット32が固定されたロータ筒部31が固定される。さらに詳しく説明すると、筒部ホルダ40の連結部43の径方向内方D1の面が、ロータ筒部31の外周面が接触しており、連結部43とロータ筒部31とが固定される。連結部43とロータ筒部31との固定は、例えば、溶接による。しかしながら、連結部43とロータ筒部31との固定方法は、溶接に限定されず、接着、溶着、ねじ止め等を採用してもよい。固定方法は、筒部ホルダ40とロータ筒部31とを強固に固定することができる方法を広く採用することができる。
【0041】
筒部ホルダ40は、径方向に展開して見たとき、方形波状に構成される。筒部ホルダ40は、弾性変形可能な材料で形成されており、筒部ホルダ40は、弾性変形によって、内径を広げることができる。このように、筒部ホルダ40を弾性変形させることで、ロータ筒部31を取り付けやすい。
【0042】
例えば、筒部ホルダ40をロータ筒部31よりも、小さく形成しておき、弾性変形で広げた後、取り付けるようにすることで、筒部ホルダ40の弾性力で、ロータ筒部31を保持できる。このようにすることで、ロータ筒部31を筒部ホルダ40に正式に固定するまでの間、ロータ筒部31のずれを抑制できる。これにより、ロータ筒部31を筒部ホルダ40に固定するときの作業性を高めることができる。
【0043】
<リム50>
リム50は、中心軸Cxを囲む環状であり、ロータ筒部31の径方向外方D2に配置される。リム50は、軸方向の両端から径方向外方D2に拡がるリムフランジ51を有する。リムフランジ51には、タイヤ170の一部(例えば、ビード171)が固定される(図1参照)。これにより、タイヤ170とリム50とで囲まれる空間が密閉され、内部に空気をためることができる。なお、本実施形態の電動車両用モータ10では、チューブを使用しない、つまり、チューブレスタイヤを用いている状態を参照して説明している。しかしながら、これに限定されず、チューブを用いるチューブドタイヤを用いることもできる。
【0044】
リム50は、軸方向の中央に径方向内方D1に突出する突出部52が設けられる。突出部52の径方向内方D1の端部には、筒部ホルダ40が固定される。さらに説明すると、筒部ホルダ40の連結部43の径方向外方D2の端面が、突出部52の内周面に固定される。すなわち、筒部ホルダ40は、ロータ筒部31の外周面を保持するとともに、リム50の径方向内方D1に保持される。リム50と筒部ホルダ40との固定は、ここでは、溶接にて行われる。なお、リム50と筒部ホルダ40との固定は、溶接に限定されず、接着、溶着、ねじ止め等であってもよい。リム50と筒部ホルダ40とが、強固に固定される固定方法を広く採用することができる。
【0045】
<第1カバー部材61>
第1カバー部材61は、ロータ30の軸方向一方C1側の端部を覆う。第1カバー部材61は、筒部611と、カバー部612と、エンドキャップ613と、を有する。
【0046】
筒部611は、軸方向に延びる筒状でありシャフト21を囲む。筒部611の軸方向他方C2の端部には、軸受部70が取り付けられる軸受保持部614が形成される。軸受保持部614はシャフト21を囲む筒状であり、カバー部612よりも軸方向他方C2に配置される。軸受保持部614は、軸受部70を介してシャフト21に取り付けられる。これにより、第1カバー部材61は、シャフト21に対して回転可能に配置される。
【0047】
ここで、軸受部70について説明する。軸受部70は、転がり軸受であり、外輪71と、内輪72と、ボール73とを有する。本実施形態にかかる軸受部70は、ボールを用いるボールベアリングとしているが、これに限定されず、円柱状の転動体を用いる構成であってもよい。また、第1カバー部材61をシャフト21に対して、円滑かつ安定して回転可能に支持可能であれば、転がり軸受以外の構成の軸受を採用してもよい。
【0048】
第1カバー部材61において、外輪71が第1カバー部材61の軸受保持部614に固定され、内輪72がシャフト21に固定される。外輪71の軸受保持部614への固定は、圧入を採用することができる。また、これ以外にも、溶接、接着等の固定方法を採用してもよい。同様に、内輪72のシャフト21への固定は、圧入を採用することができる。また、これ以外にも、溶接、接着等の固定方法を採用してもよい。
【0049】
筒部611の軸方向一方C1の端部の内部には、エンドキャップ613が取り付けられる。エンドキャップ613は、シャフト21を囲む環状であり、シャフト21及び筒部611間を覆う。エンドキャップ613は軸受部70よりも外方(つまり、軸方向一方C1)に配置される。これにより、塵埃、液体等の異物の軸受部70への進入を抑制し、軸受部70を長期間にわたり、安定して動作させることができる。また、異物の電動車両用モータ10の内部への侵入も抑制される。電動車両用モータ10は、長期間にわたり安定して駆動される。
【0050】
カバー部612は、円環状である。カバー部612は、筒部611の軸方向の中間部分から径方向外側に拡がる。第1カバー部材61では、筒部611とカバー部612とは、一体的に形成されているが、これに限定されず、別体で形成して、圧入、溶接、接着、溶着、かしめ等の固定方法で固定してもよい。
【0051】
図1に示すように、カバー部612の径方向外方D2の端部には、カバーフランジ615が設けられる。カバーフランジ615は、凹部616と、貫通孔617とを有する。凹部は、カバーフランジ615の軸方向他方C2の端面から軸方向一方C1に凹む。貫通孔617は、軸方向に貫通する貫通孔である。凹部616と貫通孔617とは、軸方向に重なる。さらに説明すると、貫通孔617は、凹部616の軸方向における底面からカバーフランジ615の軸方向一方C1の端面に貫通する。
【0052】
そして、凹部616及び貫通孔617は、筒部ホルダ40の第1固定部41の第1ねじ締結部441と軸方向に重なる位置に設けられる。各凹部は、第2ねじ締結部441を収容可能な形状である。そして、全ての第1ねじ締結部441をそれぞれ凹部616に挿入することで、第1カバー部材61は、筒部ホルダ40に対して位置決めされる。そして、ねじを第1カバー部材61の外側から貫通孔617に挿入し、第1ねじ締結部441にねじ止めする。すなわち、カバー部材62は、固定部400に締結される。
【0053】
このとき、第1カバー部材61は、筒部ホルダ40に固定される。第1カバー部材61のカバーフランジ615の外縁部は、リム50と接触する。すなわち、カバー部材61の外縁部は、リム50に接触する。これにより、第1カバー部材61とリム50との隙間から、塵、埃、液体等の異物が侵入することを抑制できる。
【0054】
<第2カバー部材62>
第2カバー部材62は、ロータ30の軸方向他方C2側の端部を覆う。詳細な形状は、異なる場合があるが、第2カバー部材62は、第1カバー部材61と対応する部材である。つまり、筒部ホルダ40の軸方向一方C1側に固定される第1カバー部材61に対し、第2カバー部材62は、筒部ホルダ40の軸方向他方C2側に固定される。
【0055】
第2カバー部材62は、筒部621と、カバー部622と、エンドキャップ623と、を有する。
【0056】
筒部621は、第1カバー部材61の筒部611と対応する。筒部621は、シャフト21を囲む。筒部621の軸方向一方C1の端部には、軸受部70が取り付けられる軸受保持部624が形成される。軸受保持部624はシャフト21を囲む筒状であり、カバー部622よりも軸方向一方C1に配置される。軸受保持部624は、軸受部70を介してシャフト21に取り付けられる。これにより、第2カバー部材62は、シャフト21に対して回転可能に配置される。
【0057】
筒部621の軸方向他方C2の端部の内部には、エンドキャップ623が取り付けられる。エンドキャップ623は、第1カバー部材61のエンドキャップ613と対応する。これにより、塵埃、液体等の異物の軸受部70への進入を抑制し、軸受部70を長期間にわたり、安定して動作させることができる。また、異物の電動車両用モータ10の内部への侵入も抑制される。電動車両用モータ10は、長期間にわたり安定して駆動される。
【0058】
カバー部622は、第1カバー部材61のカバー部612と対応する。カバー部622は、筒部621の軸方向の中間部分から径方向外側に拡がる。第2カバー部材62では、筒部621とカバー部622とは、一体的に形成されているが、これに限定されず、別体で形成して、圧入、溶接、接着、溶着、かしめ等の固定方法で固定してもよい。
【0059】
図1に示すように、カバー部622の径方向外方D2の端部には、カバーフランジ625を有する。カバーフランジ625は、第1カバー部材61のカバーフランジ615と対応する。図2に示すように、カバーフランジ625は、凹部626と、貫通孔627とを有する。凹部626は、カバーフランジ625の軸方向一方C1の端面から軸方向他方C2に凹む。貫通孔627は、軸方向に貫通する。凹部626と貫通孔627とは、軸方向に重なる。さらに説明すると、貫通孔627は、凹部626の軸方向における底面からカバーフランジ625の軸方向他方C2の端面に貫通する。
【0060】
そして、凹部626及び貫通孔627は、筒部ホルダ40の第2固定部42の第2ねじ締結部442と軸方向に重なる位置に設けられる。各凹部626は、第2ねじ締結部442を収容可能な形状である。そして、全ての第2ねじ締結部442をそれぞれ凹部626に挿入することで、第2カバー部材62は、筒部ホルダ40に対して位置決めされる。そして、ねじBtを第2カバー部材62の外側から貫通孔627に挿入し、第2ねじ締結部442にねじ止めする。すなわち、カバー部材62は、固定部400に締結される。
【0061】
このとき、第2カバー部材62は、筒部ホルダ40に固定される。第2カバー部材62のカバーフランジ625の径方向外縁部は、リム50と接触する。すなわち、カバー部材61の外縁部は、リム50に接触する。これにより、第2カバー部材62とリム50との隙間から、塵、埃、液体等の異物が侵入することを抑制できる。
【0062】
第1カバー部材61及び第2カバー部材62が、筒部ホルダ40に固定されることで、ロータ30はシャフト21に回転可能に支持される。換言すると、ロータ30は、ステータ20に回転可能に支持される。
【0063】
ロータ30が筒部ホルダ40を介してリム50に固定される構成とすることで、第1カバー部材61及び第2カバー部材62をロータ筒部31に直接、ねじ止めしなくてよい。ロータ筒部31は、マグネット32の保持に必要な厚みでよく、さらには、マグネット32のヨークとして利用できる最低限の厚みであればよい。そのため、ロータ筒部31の径方向の厚みを薄くすることができる。
【0064】
そのため、筒部ホルダ40を用いる本実施形態の構成は、第1カバー部材61及び第2カバー部材62をロータ筒部に直接固定する構成に比べて軽量化できる。
【0065】
なお、電動車両用モータ10の軸方向の両側にカバー部材を有しているが、これに限定されない。軸方向のどちらか一方に形成されていてもよい。すなわち、カバー部材61、62は、軸方向においてロータ筒部31及び筒部ホルダ32の少なくとも一方に配置され、シャフト21に回転可能に支持されるとともに筒部ホルダ40に締結される。
【0066】
電動車両用モータ10をこのように構成することで、ロータ筒部31に直接カバー部材を取り付ける構成に比べて、ロータ筒部31の径方向の幅を小さくすることができる。また、金属板を折り曲げて形成した筒部ホルダ40を用いることでロータ筒部31に直接カバー部材を取り付ける場合に比べて軽量化することができる。これにより、電動車両用モータ10の出力トルクの低下を抑制しつつ、ロータを軽量化することができる。
【0067】
<電動車両100>
本実施形態では、電動車両用モータ10は、いわゆるインホイールモータであり、電動車両100に搭載される。図7は、電動車両100の構成例を示す概念図である。図7に示す電動車両100は、電動二輪車である。電動車両100は、電動車両用モータ10を有する。電動車両100では、コイル33の間を電気的に接続する渡線をコアバック231よりも径方向内方D1に配置することにより、電動車両100が搭載する電動車両用モータ10の軸方向サイズの増加を抑制できる。なお、電動車両用モータ10は電動二輪車以外の電動車両100に搭載される構成であってもよい。
【0068】
電動車両100は、前輪110と、後輪120と、車体130と、ハンドル140と、MCU(Motor Control Unit)150と、バッテリー160と、をさらに有する。前輪110及び後輪120は、車体130に対して回転可能に取り付けられる。前輪110及び後輪120には、タイヤ170が取り付けられている。
【0069】
電動車両用モータ10は、後輪120に配置される。後輪120は、電動車両用モータ10と、電動車両用モータ10のリム50に取り付けられるタイヤ170と、を有する。なお、前輪110は、リム50にハブ及びスポーク(いずれも不図示)が取り付けられた車輪である。タイヤ170は、前輪110にも取り付けられる。
【0070】
車体130の前部には、ハンドル140が取り付けられる。MCU150は、車体130の内部に配置される。MCU150は、モータを制御するコントローラであり、電動車両用モータ10及びバッテリー160を制御する。バッテリー160は、車体130の内部に配置される。さらに説明すると、MCU150は、バッテリー160から電動車両用モータ10に供給される電力を制御しており、MCUの制御によって、電動車両用モータ10の出力トルク、回転数等が制御される。バッテリー160は、充放電可能な二次電池である。バッテリー160は、電動車両用モータ10に電力を供給する。本実施形態では、バッテリー160には、リチウムイオン電池が採用される。
【0071】
本実施形態の電動車両100において、バッテリー160は、電動車両用モータ10にのみ電力を供給する、つまり、駆動用のバッテリーである。電動車両100には、MCU150等、電動車両用モータ10以外の伝送品に電力を供給する、つまり、電装品用のサブバッテリー(不図示)を備える。なお、バッテリー160が、サブバッテリーを兼ねてもよい。
【0072】
上述したとおり、本実施形態にかかる電動車両用モータ10では、ロータ30が軽量化されている。そのため、電動車両100自体の軽量化が可能である。また、ロータ30の軽量化に基づく省電力化によって、バッテリー160の電気容量を増加させることなく、電動車両100の1充電における航続距離を長くすることができる。
【0073】
<第1変形例>
第1変形例のロータ30aについて図面を参照して説明する。図8は、第1変形例のロータ30aの分解斜視図である。なお、図8に示すロータ30aでは、リムの図示を省略している。また、ロータ30aでは、筒部ホルダ40aの連結部43aが凹部431を有し、ロータ筒部31aの外周面に凸部311を有する点で、ロータ30と異なる。ロータ30aのその他の構成は、ロータ30と同様の構成を有する。そのため、ロータ30aのロータ30と実質上同じ構成については、同じ符号を付すとともに詳細な説明は省略する。図8に示すロータ30aでは、リム50の図示を省略している。
【0074】
図8に示すロータ30aにおいて、筒部ホルダ40aの連結部43aは、径方向内方D1の端部に径方向外方D2に凹む凹部431を有する。また、ロータ筒部31aの径方向外方D2の面には、径方向外方D2に突出する凸部311を有する。すなわち、連結部43aは、径方向内方D1の軸方向における中央部分に径方向外方D2に凹む凹部431を有し、ロータ筒部31aは、外周面から径方向外方D2に突出し凹部431に嵌る凸部311を有する。
【0075】
そして、ロータ筒部31aの径方向外方D2に筒部ホルダ40aを配置したとき、凸部311が凹部431に嵌る。これにより、ロータ筒部31aを筒部ホルダ40aに最終的に固定する前の状態で、ロータ筒部31aの筒部ホルダ40aに対する移動が制限される。このため、ロータ筒部31aを筒部ホルダ40aに固定する作業性を高めることができる。
【0076】
<第2変形例>
第2変形例の電動車両用モータ10bについて図面を参照して説明する。図9は、第2変形例の電動車両用モータ10bの断面図である。図10は、ロータ30bの一部を切断した斜視図である。図11は、電動車両用モータ10bの分解斜視図である。図12は、筒部ホルダ40bの斜視図である。図13は、ロータ30bの分解斜視図である。
【0077】
図9に示すとおり、第2変形例の電動車両用モータ10bにおいて、筒部ホルダ40bが、電動車両用モータ10の筒部ホルダ40と異なる。電動車両用モータ10bのこれ以外の点は、電動車両用モータ10と実質上同じである。そのため、電動車両用モータ10bの電動車両用モータ10と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明を省略する。
【0078】
<ロータ30b>
図9図10に示すように、ロータ30bは、ロータ筒部31と、マグネット32と、筒部ホルダ40bと、リム50と、を有する。
【0079】
<筒部ホルダ40b>
図11図13に示すように、筒部ホルダ40bは、第1ホルダ部材401と、第2ホルダ部材402とを有する。筒部ホルダ40bは、軸方向一方C1に第1ホルダ部材401が配置されて、軸方向他方C2に第2ホルダ部材402が配置される。
【0080】
第1ホルダ部材401は、第1固定部41bと、第1保持板部45とを有する。第1固定部41bは、中心軸Cxと直交する方向に拡がる環状である。すなわち、筒部ホルダ40bは、環状の第1固定部41bを有する第1ホルダ部材401を有する。第1固定部41bには第1ねじ締結部441が形成される。第1ねじ締結部441は、第1固定部41bの軸方向一方C1の端面から軸方向一方C1に突出する。第1ホルダ部材401は、8個の第1ねじ締結部441を有し、8個の第1ねじ締結部44は、周方向に等間隔で配置される。なお、少なくとも一部の周方向の間隔が、他の間隔と異なる構成であってもよい。
【0081】
第1ホルダ部材401は、16個の第1保持板部45を有する。第1保持板部45は、第1固定部41bの径方向内方D1の端部から軸方向他方C2に延びる。第1保持板部45は、径方向に見て長方形板状である。第1保持板部45は、第1固定部41bと一体的に形成される。すなわち、第1ホルダ部材401は、第1固定部41bの径方向内方D1から軸方向他方C2に延び、周方向に配列されるとともにロータ筒部31の外周面と接触する複数の第1保持板部45を有する。
【0082】
なお、本実施形態の第1ホルダ部材401において第1保持板部45は第1固定部41bの径方向内方D1から径方向内方D1に延びる部材を、軸方向他方C2に折り曲げて形成される。つまり、第1ホルダ部材401は、プレス加工で形成される。
【0083】
このように、径方向に延びる部材を軸方向に折り曲げるプレス加工で形成することができるため、第1ホルダ部材401を製造するために特殊な金型、製造装置等を必要としない。そのため、第1ホルダ部材401を容易に製造することができる。第1ホルダ部材401において、第1保持板部45は、弾性変形可能である。なお、第1ホルダ部材401の製造は、プレス加工以外の加工方法で製造することも可能である。
【0084】
第1ホルダ部材401は、16個の第1保持板部45を有する。16個の第1保持板部45は、周方向に等間隔で配置される。周方向に隣り合う第1保持板部45の間には、第1保持板部45を配置可能な程度の間隔をあけて配置される。
【0085】
第2ホルダ部材402は、第1ホルダ部材401と同様の構成を有する。第2ホルダ部材402は、第2固定部42bと、第2保持板部46とを有する。第2固定部42bは、環状であり、第1固定部41bと同様の構成である。すなわち、筒部ホルダ40bは、環状の第2固定部42bを有する第1ホルダ部材402を有する。また、第2保持板部46は、第2固定部42bの径方向内方D1の端部から軸方向一方C1に向かって延びる。第2保持板部46は、第1保持板部45と同様の構成であり、径方向に見て長方形状の板状である。
【0086】
すなわち、第2ホルダ部材402は、第2固定部42bの径方向内方D1から軸方向一方C1に延び、周方向に配列されるとともにロータ筒部31の外周面と接触する複数の第2保持板部46を有する。
【0087】
第2固定部42bには第2ねじ締結部442が形成される。第2ねじ締結部442は、第2固定部42bの軸方向他方C2の端面から軸方向他方C2に突出する。第2ホルダ部材402は、8個の第2ねじ締結部442を有し、8個の第2ねじ締結部442は、周方向に等間隔で配置される。なお、少なくとも一部の周方向の間隔が、他の間隔と異なる構成であってもよい。
【0088】
筒部ホルダ40bにおいて、マグネット32が固定されたロータ筒部31の外周面は、軸方向一方C1側から第1ホルダ部材401に、軸方向他方C2側から第2ホルダ部材402にそれぞれ保持される。以下に、第1ホルダ部材401及び第2ホルダ部材402による、ロータ筒部31の保持の詳細について説明する。
【0089】
軸方向一方C1から第1ホルダ部材401をロータ筒部31の径方向外方D2に配置する。このとき、複数の第1保持板部45がロータ筒部31の外周面に接触する。上述のとおり、第1保持板部45は、弾性変形可能であるため、第1ホルダ部材401は、第1保持板部45でロータ筒部31を保持する。
【0090】
図9に示すとおり、第1固定部41bの径方向外方D2の端部は、リム50の径方向内方D1の端部と軸方向に重なるため、第1固定部41bは、リム50の内部を通過できない。そのため、第1ホルダ部材401でロータ筒部31の外周面を保持する場合、径方向におけるリム50とロータ筒部31との隙間に、第1保持板部45を収容する。なお、リム50に第1固定部41bを取り付ける場合、ロータ筒部31、第1ホルダ部材401及びリム50を同時に組み付けてもよいし、一旦、ロータ筒部31を第1ホルダ部材401で保持した後、リム50に組み付けてもよい。
【0091】
そして、第1ホルダ部材401で保持されたロータ筒部31の軸方向他方C2から、第2ホルダ部材402を取り付ける。このとき、第2ホルダ部材402の第2保持板部46は、第1ホルダ部材401の周方向に隣り合う第1保持板部45の間に配置される。すなわち、第1保持板部45と第2保持板部46とは、周方向に交互に配列される。なお、第1ホルダ部材401及び第2ホルダ部材402を同一の形状として形成しても、第1ホルダ部材401及び第2ホルダ部材402でロータ筒部31の外周面を保持できる。
【0092】
以上示した、第1ホルダ部材401及び第2ホルダ部材402は、プレス加工で形成されるため、専用の金型、特殊な製造装置等が不要であり、製造工程を簡略化することができる。これにより、電動車両用モータ10bの製造時における、生産性高めることができる。
【0093】
また、第1保持板部45及び第2保持板部46は、径方向外方D2の端面で、リム50の内面と接触する。つまり、第1保持板部45及び第2保持板部46がロータ筒部31とリム50との径方向の隙間に嵌る。これにより、ロータ筒部31、マグネット32及びこれらを保持する筒部ホルダ40bが、リム50の径方向内方D1に取り付けられる。
【0094】
図9図11等に示すように、第1固定部41bは、ロータ筒部31の軸方向一方C1の端面から離れて配置される。同様に、第2固定部42bは、ロータ筒部31の軸方向他方C2の端面から離れて配置される。このように構成することで、ねじ止めにて、第1カバー部材61及び第2カバー部材62を取り付けたとき、ねじの先端のロータ筒部31への干渉を抑制できる。
【0095】
また、金属板を折り曲げて形成する第1ホルダ部材401及び第2ホルダ部材402に第1カバー部材61及び第2カバー部材62を取り付ける構成とすることで、ロータ筒部31を薄くすることができる。これにより、ロータ30bを軽量化することができる。
【0096】
図11に示すとおり、ロータ30bは、リム50の径方向内方D1の端部と、筒部ホルダ40bの第1保持板部45及び第2保持板部46とを、溶接にて固定する溶接部34
を有する。詳しく説明すると、リム50の径方向内方D1の端部は、筒部ホルダ40bの第1保持板部45及び第2保持板部46と接触する。そのため、軸方向一方C1側の第1固定部41bとリム50との間から溶接装置を挿入し、第1保持板部45及び第2保持板部46と、リム50との接触線に沿って溶接を行うことで、溶接部34が形成される。このとき、周方向に隣り合う第1保持板部45と第2保持板部46との間には隙間から溶材が侵入する。
【0097】
これにより、溶接部34は、第1ホルダ部材401、第2ホルダ部材402及びロータ筒部31とリム50とを一体的に固定することができる。すなわち、溶接部34は、第1保持板部45、第2保持板部46、ロータ筒部31及びリム50を一体的に溶接する。つまり、1回の溶接工程で、第1ホルダ部材401、第2ホルダ部材402、ロータ筒部31及びリム50を一体的に固定することができる。なお、溶接部34は、ロータ30bの全周に渡って形成されてもよい。しかしながら、溶接による部材の歪みを抑制するため、溶接部34は、周方向の複数の点、換言すると、周方向に一定の長さで複数箇所に分けて形成してもよい。
【0098】
このように、溶接工程を1回にまとめることができるため、ロータ30bの製造に要する手間及び時間を低く抑えて製造効率を高めることができる。なお、本実施形態の筒部ホルダ40bにおいて、第1保持板部45の軸方向他方C2の端部が第2固定部42bに接触し、第2保持板部46の軸方向一方C1の端部が第1固定部41bに接触してもよい。このように構成することで、筒部ホルダ40bの剛性を高め、ロータ30bの動作時の歪が抑制される。その結果、電動車両100の走行安定性を高めることができる。
【0099】
さらに、第2変形例にかかる筒部ホルダ40bでは、第1ホルダ部材401と第2ホルダ部材402とを同一の部材とすることができる。第1ホルダ部材401と第2ホルダ部材402とを同一の部材とすることで、部品の製造にかかる工程を減らすことができる。
【0100】
また、第1保持板部45が第2固定部42bに接触し、第2保持板部46が第1固定部41bに接触してもよい。このように構成することで、筒部ホルダ40bの剛性を高めることができる。これにより、シャフト21に対するリム50の角度の変化を抑制できる。
【0101】
<第3変形例>
第3変形例の電動車両用モータについて図面を参照して説明する。図14は、第3変形例のロータの斜視図である。図15は、図14に示すロータの分解斜視図である。
【0102】
図14図15に示すとおり、第3変形例の電動車両用モータの筒部ホルダ40cは、第1ホルダ部材403が第1支持板部47を有し、第2ホルダ部材404が第2支持板部48を有する点で、第2変形例の電動車両用モータ10bと異なる。電動車両用モータのこれ以外の点は、電動車両用モータ10bと実質上同じである。そのため、電動車両用モータの電動車両用モータ10bと実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明を省略する。
【0103】
第1ホルダ部材403は、第1固定部41cと、第1保持板部45と、第1支持板部47とを有する。第1固定部41cは、第1ホルダ部材401の第1固定部41bと対応する。つまり、環状の板材である。第1支持板部47は第1固定部41cから軸方向他方C2に延びる板状である。第1支持板部47は、第1保持板部45と略同じ大きさの板状の部材である。軸方向から見て、第1支持板部47は、第1保持板部45よりも径方向外方D2に配置される。すなわち、第1ホルダ部材403は、第1固定部41cから軸方向他方C2に延び、第1保持板部45よりも径方向外方D2に配置される複数の第1支持板部47を有する。
【0104】
第1ホルダ部材403は、第1保持板部45及び第1支持板部47を、それぞれ、8個ずつ有する。そして、第1保持板部45と第1支持板部47とは、周方向に交互に並んで配置される。すなわち、第1保持板部45と第1支持板部47とが周方向に交互に配列される。なお、第1保持板部45と第1支持板部47の個数は、それぞれ8個に限定されない。第1保持板部45と第1支持板部47とは、同数であることが好ましい。
【0105】
第2ホルダ部材404は、第2固定部42cと、第2保持板部46と、第2支持板部48とを有する。第2固定部42cは、第2ホルダ部材402の第2固定部42bと対応する。つまり、環状の板材である。第2支持板部48は第2固定部42cから軸方向他方C2に延びる板状である。第2支持板部48は、第2保持板部46と略同じ大きさの板状の部材である。軸方向から見て、第2支持板部48は、第2保持板部46よりも径方向外方D2に配置される。すなわち、第2ホルダ部材404は、第2固定部42cから軸方向一方C1に延び、第2保持板部46よりも径方向外方D2に配置される複数の第2支持板部48を有する。
【0106】
第2ホルダ部材404は、第2保持板部46及び第2支持板部48を、それぞれ、8個ずつ有する。そして、第2保持板部46と第2支持板部48とは、周方向に交互に並んで配置される。すなわち、第2保持板部46と第2支持板部48とが周方向に交互に配列される。なお、第2保持板部46と第2支持板部48の個数は、それぞれ8個に限定されない。第2保持板部46と第2支持板部48とは、同数であることが好ましい。
【0107】
筒部ホルダ40cにおいて、マグネット32が固定されたロータ筒部31の外周面は、軸方向一方C1側から第1ホルダ部材403に、軸方向他方C2側から第2ホルダ部材404にそれぞれ保持される。以下に、第1ホルダ部材403及び第2ホルダ部材404による、ロータ筒部31の保持の詳細について説明する。
【0108】
軸方向一方C1側から第1ホルダ部材403をロータ筒部31の径方向外方D2に配置する。このとき、8個の第1保持板部45がロータ筒部31の外周面に接触する。上述のとおり、第1保持板部45は、弾性変形可能であるため、第1ホルダ部材403は、第1保持板部45でロータ筒部31を保持する。
【0109】
また、軸方向他方C2側から第2ホルダ部材404をロータ筒部31の径方向外方D2に配置する。このとき、8個の第2保持板部46は、ロータ筒部31の外周面と接触する。また、第2保持板部46は、周方向において第1保持板部45の間に配置される。さらに、第1支持板部47は、第2保持板部46の径方向外方D2に配置される。また、第2支持板部48は、第1保持板部45の径方向外方D2に配置される。
【0110】
そして、第1支持板部47が、第2保持板部46の径方向外面と径方向に対向して配置され、第2支持板部58が、第1保持板部45の径方向外面と径方向に対向して配置される。
【0111】
そして、筒部ホルダ40cを介してロータ筒部31をリム50に固定する場合、第1支持板部47及び第2支持板部48の径方向外方D2の面がリム50と接触する。つまり、第1支持板部47及び第2支持板部48の径方向外方D2の面がリム50に溶接される。このような構成とすることで、ロータ筒部31の外周面とリム50の径方向内方D1の端面との間の隙間が大きい場合であっても、ロータ筒部31をリム50に強固に固定することができる。
【0112】
第1保持板部45が第2支持板部48に固定され、第2保持板部46が第1支持板部47に固定されてもよい。このように構成することで、筒部ホルダ40cの剛性を高めることができる。ロータ30cの動作時の歪が抑制され、その結果、電動車両100の走行安定性を高めることができる。
【0113】
なお、本実施形態の筒部ホルダ40cにおいて、第1支持板部47が第2固定部42cに接触し、第2支持板部48が第1固定部41cに接触してもよい。このように構成することで、筒部ホルダ40bの剛性を高め、ロータ30bの動作時の歪が抑制される。その結果、電動車両100の走行安定性を高めることができる。
【0114】
本実施形態の筒部ホルダ40cにおいて、第1ホルダ部材403及び第2ホルダ部材404は、プレス加工で作製してもよい。
【0115】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0116】
(1)中心軸に沿って延びるシャフトを有するステータと、ステータの径方向外方に配置され、中心軸を中心としてシャフトに回転可能に取り付けられるロータと、を有する。ロータは、内周面にマグネットが配置される環状のロータ筒部と、ロータ筒部の径方向外方に配置されるリムと、ロータ筒部の外周面を保持するとともに、リムの径方向内方に保持される筒部ホルダと、軸方向においてロータ筒部及び筒部ホルダの少なくとも一方に配置され、シャフトに回転可能に支持されるとともに筒部ホルダに締結されるカバー部材と、を有する電動車両用モータ。
【0117】
(2)筒部ホルダが、中心軸と交差する方向に拡がる固定部を有し、カバー部材は、固定部に締結される(1)に記載の電動車両用モータ。
【0118】
(3)固定部は、中心軸を中心とする周方向に延びて周方向に配列される複数の第1固定部と、中心軸を中心とする周方向に延びて周方向に配列され、第1固定部と軸方向に離れる複数の第2固定部と、を有する。筒部ホルダは、第1固定部と第2固定部とを連結する複数の連結部を有し、第1固定部及び第2固定部は、同数であり、中心軸に沿う方向から見て、第1固定部の少なくとも一部は、周方向において隣り合う第2固定部の間の空間と中心軸に沿う方向に並んで配置される。半数の連結部は、第1固定部の周方向一方の端部と第2固定部の周方向他方の端部とを連結し、残りの連結部は、第1固定部の周方向他方の端部と第2固定部の周方向一方の端部とを連結する(2)に記載の電動車両用モータ。
【0119】
(4)連結部は、径方向内端に径方向外側に凹む凹部を有する。ロータ筒部は、外周面から径方向外側に突出して凹部に嵌る凸部を有する(3)に記載の電動車両用モータ。
【0120】
(5)固定部は、ロータ筒部よりも軸方向一方に配置される第1固定部と、ロータ筒部よりも軸方向他方に配置される第2固定部と、を有する(2)に記載の電動車両用モータ。
【0121】
(6)筒部ホルダは、環状の第1固定部を有する第1ホルダ部材と、環状の第2固定部を有する第2ホルダ部材と、を有し、第1ホルダ部材は、第1固定部の径方向内方から軸方向他方に延びて周方向に配列されるとともに、ロータ筒部の外周面と接触する複数の第1保持板部を有する。第2ホルダ部材は、第2固定部の径方向内方から軸方向一方に延びて周方向に配列されるとともに、ロータ筒部の外周面と接触する複数の第2保持板部を有する。第1保持板部及び前記第2保持板部は、周方向に交互に配列される(5)に記載の電動車両用モータ。
【0122】
(7)第1ホルダ部材は、第1固定部から軸方向他方に延び、第1保持板部よりも径方向外方に配置される複数の第1支持板部を有し、第1保持板部と第1支持板部とが周方向に交互に配列され、第2ホルダ部材は、第2固定部から軸方向一方に延び、第2保持板部よりも径方向外方に配置される複数の第2支持板部を有する。第2保持板部と第2支持板部とが周方向に交互に配列される。第1支持板部が、第2保持板部の径方向外面と径方向に対向して配置される。第2支持板部が、前記第1保持板部の径方向外面と径方向に対向して配置される(6)に記載の電動車両用モータ。
【0123】
(8)第1保持板部が第2支持板部に固定され、第2保持板部が第1支持板部に固定される(7)に記載の電動車両用モータ。
【0124】
(9)第1支持板部は、第2固定部に接触し、第2支持板部は、第1固定部に接触する(8)又は(9)に記載の電動車両用モータ。
【0125】
(10)第1保持板部は第2固定部に接触し、第2保持板部は第1固定部に接触する(6)から(9)に記載の電動車両用モータ。
【0126】
(11)第1保持板部、第2保持板部、ロータ筒部及びリムを一体的に固定する溶接部を有する(6)~(10)に記載の電動車両用モータ。
【0127】
(12)カバー部材の外縁部は、リムに接触する(3)~(11)のいずれかに記載の電動車両用モータ。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明の構成は、電動車両を駆動させるためのモータとして利用することが可能である。
【符号の説明】
【0129】
100 電動車両
110 前輪
120 後輪
130 車体
140 ハンドル
150 MCU
160 バッテリー
170 タイヤ
171 ビード
10、10a、10b
電動車両用モータ
20 ステータ
21 シャフト
22 ステータホルダ
221 内筒部
222 外筒部
223 筒連結部
224 フランジ部
23 ステータコア
231 コアバック
232 ティース
24 コイル
30、30a、30b、30c ロータ
31、31a ロータ筒部
311 凸部
32 マグネット
33 コイル
34 溶接部
40、40a、40b、40c 筒部ホルダ
400 固定部
401 第1ホルダ部材
402 第2ホルダ部材
403 第1ホルダ部材
404 第2ホルダ部材
41、41b、41c 第1固定部
42、42b、42c 第2固定部
43、43a 連結部
431 凹部
44 締結部
45 第1保持板部
46 第2保持板部
47 第1支持板部
48 第2支持板部
50 リム
51 リムフランジ
52 溝
61 第1カバー部材
611 筒部
612 カバー部
613 エンドキャップ
614 軸受保持部
615 カバーフランジ
616 凹部
617 貫通孔
62 第2カバー部材
621 筒部
622 カバー部
623 エンドキャップ
624 軸受保持部
625 カバーフランジ
626 凹部
627 貫通孔
70 軸受部
71 外輪
72 内輪
73 ボール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15