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特開2023-175192プリンタドライバ、プリンタドライバの処理方法および画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175192
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】プリンタドライバ、プリンタドライバの処理方法および画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231205BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231205BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G06F3/12 367
G06F3/12 322
G06F3/12 338
H04N1/00 E
H04N1/00 838
B41J29/38 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087519
(22)【出願日】2022-05-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】小方 善貴
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA14
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB25
5C062AB30
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC38
5C062AC41
5C062AE02
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF12
5C062AF13
5C062AF14
5C062BC03
5C062BC06
5C062BD09
(57)【要約】
【課題】印刷機能の制限でドキュメントファイリング機能が有効に設定されている場合においても、従来よりも安全な印刷を可能とするプリンタドライバ、プリンタドライバの処理方法および画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像形成装置に対する画像データの印刷に係る各種設定を設定可能なプリンタドライバであって、前記各種設定には、前記画像データを印刷せずに前記画像形成装置に一時的に保存させ、前記画像形成装置にて所定のコード情報を入力することで前記画像データの印刷を実行するドキュメントファイリング機能の設定が含まれ、前記ドキュメントファイリング機能が所定の管理者権限を有する管理ユーザーによって有効に設定されている場合、所定の管理者権限を有さない非管理ユーザーの設定画面において前記ドキュメントファイリング機能の設定を非表示にする一方で、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報を設定して付与した前記印刷ジョブを前記画像形成装置に送信することを特徴とする。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に対する画像データの印刷に係る各種設定を設定可能なプリンタドライバであって、
前記各種設定には、前記画像データを印刷せずに前記画像形成装置に一時的に保存させ、前記画像形成装置にて所定のコード情報を入力することで前記画像データの印刷を実行するドキュメントファイリング機能の設定が含まれ、
前記ドキュメントファイリング機能が所定の管理者権限を有する管理ユーザーによって有効に設定されている場合、所定の管理者権限を有さない非管理ユーザーの設定画面において前記ドキュメントファイリング機能の設定を非表示にする一方で、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報を設定して付与した前記印刷ジョブを前記画像形成装置に送信することを特徴とするプリンタドライバ。
【請求項2】
前記ドキュメントファイリング機能が管理ユーザーによって有効に設定されている場合、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報を設定して前記印刷ジョブに付与するとともに、予め定められたメッセージボックスを通じて前記コード情報を前記非管理ユーザーに通知する請求項1に記載のプリンタドライバ。
【請求項3】
前記ドキュメントファイリング機能が管理ユーザーによって有効に設定されている場合、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報を設定して前記印刷ジョブに付与するとともに、前記画像形成装置に予め保持されたユーザー情報にアクセスして前記非管理ユーザーのメールアドレスを取得できた場合、前記コード情報を前記メールアドレスに通知する請求項1または2に記載のプリンタドライバ。
【請求項4】
前記各種設定には、ユーザーのメールアドレスの入力設定が含まれ、
前記ドキュメントファイリング機能が管理ユーザーによって有効に設定されている場合、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報を設定して前記印刷ジョブに付与するとともに、前記メールアドレスの入力設定において前記非管理ユーザーのメールアドレスが入力されている場合、前記コード情報を前記メールアドレスに通知する請求項1または2に記載のプリンタドライバ。
【請求項5】
画像形成装置に対する画像データの印刷に係る各種設定を設定可能なプリンタドライバの処理方法であって、
前記各種設定には、前記画像データを印刷せずに前記画像形成装置に一時的に保存させ、前記画像形成装置にて所定のコード情報を入力することで前記画像データの印刷を実行するドキュメントファイリング機能の設定が含まれ、
前記ドキュメントファイリング機能が所定の管理者権限を有する管理ユーザーによって有効に設定されている場合、所定の管理者権限を有さない非管理ユーザーの設定画面において前記ドキュメントファイリング機能の設定を非表示にするドキュメントファイリング設定非表示ステップと、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報を設定して前記印刷ジョブに付与するコード情報付与ステップと、前記コード情報が付与された前記印刷ジョブを前記画像形成装置に送信する印刷ジョブ送信ステップを有することを特徴とするプリンタドライバの処理方法。
【請求項6】
画像形成装置および前記画像形成装置に対する画像データの印刷に係る各種設定を設定可能なプリンタドライバがインストールされたユーザー端末からなる画像形成システムであって、
前記各種設定には、前記画像データを印刷せずに前記画像形成装置に一時的に保存させ、前記画像形成装置にて所定のコード情報を入力することで前記画像データの印刷を実行するドキュメントファイリング機能の設定が含まれ、
前記ユーザー端末において、前記ドキュメントファイリング機能が所定の管理者権限を有する管理ユーザーによって有効に設定されている場合、所定の管理者権限を有さない非管理ユーザーの設定画面において前記ドキュメントファイリング機能の設定を非表示にする一方で、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報の自動設定フラグを付与した前記印刷ジョブを前記画像形成装置に送信し、
前記画像形成装置において、前記印刷ジョブ用のコード情報の自動設定フラグを付与した前記印刷ジョブを受信した場合、前記印刷ジョブ用のコード情報を設定することを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、プリンタドライバ、プリンタドライバの処理方法および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの画像形成装置において、印刷したい文書を他人に見られたり、他の文書に紛れさせたりしないよう、印刷データをMFP内のメモリやハードディスクドライブ(HDD)等の記憶領域に一時的に保存させた後、MFPの操作パネルで保存された印刷データを呼び出して出力するドキュメントファイリング(親展プリント)機能を設定できるプリンタドライバを有するものが知られている。
【0003】
このようなドキュメントファイリング機能を設定できるプリンタドライバの発明として、従来、ユーザインターフェース画面での各設定項目を利用した印刷設定の利用状況を、当該各設定項目毎に所定の利用条件と比較して、当該各設定項目の表示・非表示を制御することを特徴とするプリンタドライバの発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-279894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、所定の管理者権限を有する管理ユーザーが安全なドキュメントファイリング機能を所定の管理者権限を有さない非管理ユーザー(一般ユーザー)に強制させるために、プリンタドライバの設定画面上で当該機能を変更できないようにドキュメントファイリング機能の設定画面を非表示にする(印刷機能の制限を行う)ことがある。
【0006】
しかしながら、管理ユーザーが印刷機能の制限でドキュメントファイリング機能を有効に設定した場合、一般ユーザーのプリンタドライバの設定画面のドキュメントファイリング機能の設定項目が非表示となる。
【0007】
それゆえ、一般ユーザーは、セキュリティ強化のために当該ドキュメントファイリング機能にPINコードを設定したくても、プリンタドライバの設定画面からは設定できないため、PINコードなしでMFP内のフォルダに印刷データを保存せざるをえないという問題があった。
【0008】
この開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、印刷機能の制限でドキュメントファイリング機能が有効に設定されている場合においても、従来よりも安全な印刷を可能とするプリンタドライバ、プリンタドライバの処理方法および画像形成システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この開示によるプリンタドライバは、画像形成装置に対する画像データの印刷に係る各種設定を設定可能なプリンタドライバであって、前記各種設定には、前記画像データを印刷せずに前記画像形成装置に一時的に保存させ、前記画像形成装置にて所定のコード情報を入力することで前記画像データの印刷を実行するドキュメントファイリング機能の設定が含まれ、前記ドキュメントファイリング機能が管理ユーザーによって有効に設定されている場合、非管理ユーザーの設定画面において前記ドキュメントファイリング機能の設定を非表示にする一方で、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報を設定して付与した前記印刷ジョブを前記画像形成装置に送信することを特徴とする。
また、この開示によるプリンタドライバの処理方法は、画像形成装置に対する画像データの印刷に係る各種設定を設定可能なプリンタドライバの処理方法であって、前記各種設定には、前記画像データを印刷せずに前記画像形成装置に一時的に保存させ、前記画像形成装置にて所定のコード情報を入力することで前記画像データの印刷を実行するドキュメントファイリング機能の設定が含まれ、前記ドキュメントファイリング機能が所定の管理者権限を有する管理ユーザーによって有効に設定されている場合、所定の管理者権限を有さない非管理ユーザーの設定画面において前記ドキュメントファイリング機能の設定を非表示にするドキュメントファイリング設定非表示ステップと、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報を設定して前記印刷ジョブに付与するコード情報付与ステップと、前記コード情報が付与された前記印刷ジョブを前記画像形成装置に送信する印刷ジョブ送信ステップを有することを特徴とする。
また、この開示による画像形成システムは、画像形成装置および前記画像形成装置に対する画像データの印刷に係る各種設定を設定可能なプリンタドライバがインストールされたユーザー端末からなる画像形成システムであって、前記各種設定には、前記画像データを印刷せずに前記画像形成装置に一時的に保存させ、前記画像形成装置にて所定のコード情報を入力することで前記画像データの印刷を実行するドキュメントファイリング機能の設定が含まれ、前記ユーザー端末において、前記ドキュメントファイリング機能が所定の管理者権限を有する管理ユーザーによって有効に設定されている場合、所定の管理者権限を有さない非管理ユーザーの設定画面において前記ドキュメントファイリング機能の設定を非表示にする一方で、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報の自動設定フラグを付与した前記印刷ジョブを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置において、前記印刷ジョブ用のコード情報の自動設定フラグを付与した前記印刷ジョブを受信した場合、前記印刷ジョブ用のコード情報を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この開示によれば、印刷機能の制限でドキュメントファイリング機能が有効に設定され、所定の管理者権限を有さない非管理ユーザーがユーザー端末からPINコード等のコード情報を設定できない場合においても、印刷ジョブごとにコード情報の設定および自動付与を行うことで、従来よりも安全な印刷を可能とするプリンタドライバ、プリンタドライバの処理方法および画像形成システムを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この開示の画像形成システムの構成の一例を示す説明図である。
図2図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図3図1のユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
図4図1のデジタル複合機の印刷機能の制限の設定画面の一例を示す説明図である。
図5】印刷機能の制限の設定において、ドキュメントファイリング機能を有効にしていない場合の図1のデジタル複合機の印刷設定画面の一例を示す説明図である。
図6図1のデジタル複合機の印刷機能の制限の設定において、ドキュメントファイリング機能を有効にしたときの設定画面の一例を示す説明図である。
図7】ドキュメントファイリング機能が有効になったときの図1のデジタル複合機の印刷設定画面の一例を示す説明図である。
図8図1のユーザー端末からデジタル複合機への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理を示すフローチャートである。
図9図1のユーザー端末からデジタル複合機への印刷指示を送信する際にプリンタドライバで設定したPINコードをユーザーに知らせるメッセージボックスの一例である。
図10】この開示の実施形態2の画像形成システムにおいて、ユーザー端末からデジタル複合機への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理を示すフローチャートである。
図11】この開示の実施形態2の画像形成システムにおいて、デジタル複合機で設定したPINコードをユーザーに通知するメールの一例である。
図12】この開示の実施形態3の画像形成システムにおいて、ユーザー端末からデジタル複合機への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理を示すフローチャートである。
図13】この開示の実施形態4の画像形成システムにおいて、デジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図14】この開示の実施形態4の画像形成システムにおいて、ユーザー端末からデジタル複合機への印刷指示を送信する際にデジタル複合機でPINコードを付与する処理において、ユーザー端末側の処理を示すフローチャートである。
図15】この開示の実施形態4の画像形成システムにおいて、ユーザー端末からデジタル複合機への印刷指示を送信する際にデジタル複合機でPINコードを付与する処理において、デジタル複合機1側の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この開示において、「画像形成装置」は、プリンタなどの複写(コピー機能)機能を有する複写機や複合機、または複写以外の機能をも含むMFP(Multifunctional Peripheral:多機能周辺装置)など、画像を形成して出力する装置である。
「プリンタドライバ」は、例えば、画像形成装置と通信可能なユーザー端末上で動作するプリンタドライバである。
「ドキュメントファイリング機能」は、印刷したい文書を他人に見られたり、他の文書に紛れさせたりしないよう、印刷データを画像形成装置内のメモリやハードディスクドライブ(HDD)等の記憶領域に一時的に保存させた後、画像形成装置の操作パネルで保存された印刷データを呼び出して出力する機能である。
「管理ユーザー」は、画像形成装置の設定について所定の管理者権限を有するユーザーであり、ドキュメントファイリング機能の有効または無効を設定する権限を有する。
「非管理ユーザー」は、画像形成装置の設定について所定の管理者権限を有さない画像形成装置の一般的なユーザーであり、ドキュメントファイリング機能の有効または無効を設定する権限を有しない。
【0013】
さらに、この開示の好ましい態様について説明する。
【0014】
前記ドキュメントファイリング機能が管理ユーザーによって有効に設定されている場合、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報を設定して前記印刷ジョブに付与するとともに、予め定められたメッセージボックスを通じて前記コード情報を前記非管理ユーザーに通知するものであってもよい。
【0015】
「予め定められたメッセージボックス」は、プリンタドライバの設定に係るメッセージをユーザーに知らせるためにユーザー端末の画面上に表示されるメッセージボックスである。
【0016】
このようにすれば、メッセージボックスを通じて、印刷ジョブごとに自動付与されたコード情報を、印刷ジョブを受け付けた非管理ユーザーのみに知らせるプリンタドライバを実現できる。
【0017】
前記ドキュメントファイリング機能が管理ユーザーによって有効に設定されている場合、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報を設定して前記印刷ジョブに付与するとともに、前記画像形成装置に予め保持されたユーザー情報にアクセスして前記非管理ユーザーのメールアドレスを取得できた場合、前記コード情報を前記メールアドレスに通知するものであってもよい。
【0018】
「前記画像形成装置に予め保持されたユーザー情報」は、画像形成装置に予め保持されたアドレス帳などのユーザーの情報であるが、予め定められたサーバー等に予め保持されたものであってもよい。
【0019】
このようにすれば、画像形成装置から取得した非管理ユーザーのメールアドレスに通知することで、印刷ジョブごとに自動付与されたコード情報を、印刷ジョブの実行指令を行った非管理ユーザーのみに知らせるプリンタドライバを実現できる。
【0020】
前記各種設定には、ユーザーのメールアドレスの入力設定が含まれ、前記ドキュメントファイリング機能が管理ユーザーによって有効に設定されている場合、前記非管理ユーザーから画像データの印刷ジョブを受け付けたときに前記印刷ジョブ用のコード情報を設定して前記印刷ジョブに付与するとともに、前記メールアドレスの入力設定において前記非管理ユーザーのメールアドレスが入力されている場合、前記コード情報を前記メールアドレスに通知するものであってもよい。
【0021】
「ユーザーのメールアドレス」は、管理ユーザーおよび非管理ユーザーを含む画像形成装置の全ユーザーのメールアドレスである。
【0022】
このようにすれば、非管理ユーザーが入力したメールアドレスに通知することで、印刷ジョブごとに自動付与されたコード情報を、印刷ジョブの実行指令を行った非管理ユーザーのみに知らせるプリンタドライバを実現できる。
【0023】
以下、図面を用いてこの開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この開示を限定するものと解されるべきではない。
【0024】
〔実施形態1〕
図1図3に基づき、この開示の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機1を含む画像形成システム100の概略構成について説明する。
【0025】
図1は、この開示の画像形成システム100の構成の一例を示す説明図である。また、図2は、図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、この開示の画像形成システム100は、ネットワーク3を介して接続されたデジタル複合機1およびユーザー端末2A~2Cから構成される。
【0027】
図1の例では、ユーザー端末2Aを所定の管理者権限を有する管理ユーザーが使用し、ユーザー端末2Bを所定の管理者権限を有さない非管理ユーザー(一般ユーザー)である一般ユーザー1が使用し、ユーザー端末2Cを一般ユーザー2が使用しているものとする。
【0028】
なお、以下の説明において、ユーザー端末2A~2Cをまとめてユーザー端末2として説明する。
【0029】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、コピー機能やプリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能を有する複合機やMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの装置である。
【0030】
ユーザー端末2は、デジタル複合機1に画像データを送信し、印刷等のジョブを実行させる。
【0031】
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像データ取得部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、操作パネル16、ユーザー認証部17およびPINコード照合部18を備える。
【0032】
以下、デジタル複合機1の各構成要素について説明する。
【0033】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、各種のインターフェース回路等からなる。
【0034】
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル16等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0035】
画像データ取得部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを設定する部分である。また、ユーザー端末2などの情報処理装置またはファクシミリ装置(不図示)等で設定された画像データを取得する部分である。
【0036】
画像形成部12は、画像データ取得部11によって取得され、画像処理部14によって処理された画像データを用紙上に印刷出力する部分である。
【0037】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体が用いられる。
【0038】
記憶部13は、印刷等のジョブに関する情報や画像データなどジョブの実行に必要なデータを記憶する。
記憶部13は、ユーザー端末2から受け付けた印刷データを一時的に保存する。
また、記憶部13は、ユーザー認証用に記憶されたユーザーのログイン名やパスワードなどの情報を記憶する。
【0039】
なお、データを保持する領域をハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域をフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0040】
画像処理部14は、画像データ取得部11から入力された画像データを適正な電気信号に変換して拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0041】
通信部15は、ネットワーク3を介して、ユーザー端末2と通信を行い、印刷等のジョブの指令や原稿画像データ等を取得する部分である。
【0042】
また、通信部15は、ユーザー端末2や他の画像形成装置、携帯情報端末、情報処理装置、ファクシミリ装置等の外部の装置との通信を行い、メール・FAX等の種々の情報をこれら外部の装置と送受信する部分である。
【0043】
操作パネル16は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部161および操作部162を備える。
【0044】
表示部161は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部161は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
【0045】
表示部161は、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0046】
操作部162は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0047】
ユーザー認証部17は、操作部162から入力されたログイン名やパスワード等の情報と、記憶部13に予め記録された対応情報とを比較することによって、当該ユーザーが正規ユーザーであるか否かの認証を行う部分である。
【0048】
PINコード照合部18は、ユーザー端末2のプリンタドライブによって付与されたPINコードとユーザーによって入力されたPINコードとの照合を行う部分である。
照合の結果、PINコードが一致した場合、記憶部13に一時的に保存された前記PINコードに係る印刷データの印刷を画像形成部12が実行する。
【0049】
<ユーザー端末2の概略構成>
次に、図3に基づき、ユーザー端末2の概略構成を説明する。
【0050】
図3は、図1のユーザー端末2の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ユーザー端末2は、制御部20、記憶部21、画像処理部22、通信部23、表示部24および操作部25を備える。
【0051】
以下、ユーザー端末2の各構成要素について説明する。
【0052】
制御部20は、ユーザー端末2を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
【0053】
制御部20は、ユーザー端末2全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、操作部25等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0054】
記憶部21は、ユーザー端末2の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
【0055】
記憶部21は、デジタル複合機1に対する画像データの印刷に係る各種設定を設定可能なプリンタドライバの実行に必要なデータを記憶する。
当該各種設定には、画像データを印刷せずにデジタル複合機1の記憶部13に一時的に保存させ、デジタル複合機1の操作部162にて所定のPINコードを入力することで前記画像データの印刷を実行するドキュメントファイリング機能の設定が含まれる。
【0056】
なお、データを保持する領域をハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域をフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0057】
画像処理部22は、画像データを適正な電気信号に変換して拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0058】
通信部23は、ネットワーク3を介して、デジタル複合機1と通信を行い、印刷等のジョブの指令や原稿画像データ等を送受信する部分である。
【0059】
また、通信部23は、ネットワーク3を介して、デジタル複合機1、携帯情報端末、情報処理装置、ファクシミリ装置等の外部の装置との通信を行い、メール・FAX等の種々の情報をこれらの装置と送受信する部分である。
【0060】
表示部24は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部24は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
【0061】
表示部24は、ユーザー端末2の動作および状態の表示を行う。
また、表示部24は、プリンタドライブによって設定され、印刷ジョブに付与されたPINコードをユーザーに表示する。
【0062】
操作部25は、ユーザー端末2を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0063】
なお、表示部24および操作部25は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成されるものであってもよい。
【0064】
<この開示の実施形態1の画像形成システム100において、ユーザー端末2からデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理>
次に、図4図9に基づき、この開示の実施形態1の画像形成システム100において、ユーザー端末2からデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理について説明する。
【0065】
図4は、図1のデジタル複合機1の印刷機能の制限の設定画面の一例を示す説明図である。
【0066】
図4に示すように、「印刷機能の制限」の設定画面において、「以下の機能のチェックボックスを有効にすると、常にその機能が有効になります。」というメッセージとともに、有効・無効の設定が可能な機能のリストが表示される。
【0067】
図4の例では、「プリントリリース」、「ドキュメントファイリング」、「ユーザー認証」、「ログイン名にWindowsログイン名を使用する」、「ユーザー名にログイン名を使用する」、「課金コード」の機能がチェックボックスとともに表示されている。
【0068】
管理者権限を有する管理ユーザーは、有効にしたい機能のチェックボックスにチェックを入れた後、「OK」ボタンを押すことにより、その機能を有効にすることができる。
【0069】
図5は、印刷機能の制限の設定において、ドキュメントファイリング機能を有効にしていない場合の図1のデジタル複合機1の印刷設定画面の一例を示す説明図である。
【0070】
ドキュメントファイリング機能を有効にしていない場合、図5に示すように、一般ユーザーのユーザー端末2において、ドキュメントファイリングの設定が可能なように設定画面に表示される。
【0071】
ドキュメントファイリングの設定では、「保存先」、「パスワード」、「PC閲覧用PDF」の各項目が設定可能である。
【0072】
図6は、図1のデジタル複合機1の印刷機能の制限の設定において、ドキュメントファイリング機能を有効にしたときの設定画面の一例を示す説明図である。
図7は、ドキュメントファイリング機能を有効になったときの図1のデジタル複合機1の印刷設定画面の一例を示す説明図である。
【0073】
図6に示すように、デジタル複合機1の印刷機能の制限の設定画面において、ドキュメントファイリング機能にチェックを入れると、図7に示すように、一般ユーザーのユーザー端末2において、ドキュメントファイリングの設定が設定画面に表示されなくなる。
【0074】
このようにして、一般ユーザーがプリンタドライバの設定画面上でドキュメントファイリング機能を変更できないようにできるため、管理ユーザーは、一般ユーザーに安全なドキュメントファイリング機能を強制させることができる。
【0075】
一方、ドキュメントファイリングの設定が設定画面に表示されなくなると、一般ユーザーが、セキュリティ強化のために当該ドキュメントファイリング機能にPINコードを設定したくても、ユーザー端末2のプリンタドライバの設定画面からは設定できないため、PINコードなしでデジタル複合機1内のフォルダに印刷データを保存せざるをえないという問題があった。
【0076】
<この開示の実施形態1のデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理>
次に、図8に基づき、この開示の実施形態1のデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理について説明する。
【0077】
図8は、図1のユーザー端末2からデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理を示すフローチャートである。
【0078】
図8のステップS1において、ユーザー端末2の制御部20は、印刷機能制限でドキュメントファイリング機能が有効であるか否かを判定する(ステップS1)。
【0079】
印刷機能制限でドキュメントファイリング機能が有効でない場合(ステップS1の判定がNoの場合)、ステップS2において、制御部20は、プリンタドライバの印刷設定でドキュメントファイリング機能が設定されているか否かを判定する(ステップS2)。
【0080】
プリンタドライバの印刷設定でドキュメントファイリング機能が設定された場合(ステップS2の判定がYesの場合)、ステップS3において、制御部20は、印刷設定でPINコードが設定されたか否かを判定する(ステップS3)。
【0081】
印刷設定でPINコードが設定された場合(ステップS3の判定がYesの場合)、ステップS4において、制御部20は、設定されたPINコードを印刷ジョブに付与する(ステップS4)。
【0082】
その後、ステップS6において、制御部20は、デジタル複合機1に対し、印刷ジョブのデータを通信部23に送信させる(ステップS6)。
【0083】
一方、ステップS2において、プリンタドライバの印刷設定でドキュメントファイリング機能が設定されていない場合(ステップS2の判定がNoの場合)や、ステップS3において、印刷設定でPINコードが設定されていない場合(ステップS3の判定がNoの場合)、ステップS6において、制御部20は、デジタル複合機1に対し、印刷ジョブのデータを通信部23に送信させる(ステップS6)。
【0084】
また、ステップS1において、印刷機能制限でドキュメントファイリング機能が有効な場合(ステップS1の判定がYesの場合)、ステップS5において、制御部20は、PINコードを設定し、印刷ジョブに付与する(ステップS5)。
【0085】
その後、ステップS6において、制御部20は、デジタル複合機1に対し、印刷ジョブのデータを通信部23に送信させる(ステップS6)。
【0086】
次に、ステップS7において、制御部20は、印刷機能制限でドキュメントファイリング機能が有効か否かを判定する(ステップS7)。
【0087】
印刷機能制限でドキュメントファイリング機能が有効な場合(ステップS7の判定がYesの場合)、ステップS8において、制御部20は、表示部24にステップS5で設定したPINコードをメッセージボックスに表示させた後(ステップS8)、処理を終了する。
【0088】
一方、印刷機能制限でドキュメントファイリング機能が有効でない場合(ステップS7の判定がNoの場合)、処理を終了する。
【0089】
図9は、図1のユーザー端末2からデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にプリンタドライバで設定したPINコードをユーザーに知らせるメッセージボックスの一例である。
【0090】
図9の例において、印刷ジョブにPINコードを付与した旨のメッセージとともに、設定したPINコードがメッセージボックスに表示される。
【0091】
ユーザーは、メッセージボックスに表示されたPINコードをデジタル複合機1の操作部162により入力することで、当該印刷ジョブに係る画像データの呼び出しおよび印刷を実行させることができる。
【0092】
このようにして、印刷機能の制限でドキュメントファイリング機能が有効に設定され、一般ユーザーがユーザー端末2からPINコードを設定できない場合においても、印刷ジョブごとにPINコードの設定および自動付与を行うことで、従来よりも安全な印刷を可能とするデジタル複合機1を実現できる。
【0093】
〔実施形態2〕
次に、図10および図11に基づき、この開示の実施形態2の画像形成システム100において、ユーザー端末2からデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理について説明する。
【0094】
実施形態1においては、印刷機能の制限でドキュメントファイリング機能が有効に設定されている場合、ユーザー端末2でPINコードを設定して印刷ジョブに付与し、デジタル複合機1に送信し、当該PINコードを表示部24に表示させることでユーザーに知らせていた。
【0095】
一方、実施形態2においては、デジタル複合機1の記憶部13に保存されたアドレス帳からユーザーのメールアドレスを取得してPINコードを知らせる点に特徴がある。
【0096】
この開示の実施形態2に係る画像形成システム100の概略構成は、実施形態1(図1図3)と同一であるため、説明を省略する。
【0097】
図10は、この開示の実施形態2の画像形成システム100において、ユーザー端末2からデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理を示すフローチャートである。
【0098】
図10のステップS11~S17の処理はそれぞれ、図8(実施形態1)のステップS1~S7と同じであるため、説明を省略する。
ここでは、図10のステップS18~S21の処理について説明する。
【0099】
ステップS17において、印刷機能制限でドキュメントファイリング機能が有効でない場合(ステップS17の判定がNoの場合)、処理を終了する。
【0100】
一方、印刷機能制限でドキュメントファイリング機能が有効な場合(ステップS17の判定がYesの場合)、ステップS18において、制御部20は、デジタル複合機1の記憶部13に予め保持されたユーザーのアドレス帳を通信部23に取得させる(ステップS18)。
【0101】
なお、ネットワーク3を介して、予め定められたサーバー等に保持されたアドレス帳を取得するようにしてもよい。
【0102】
続くステップS19において、制御部20は、取得したアドレス帳に印刷指示を受け付けたユーザーのメールアドレスがあるか否かを判定する(ステップS19)。
【0103】
アドレス帳にユーザーのメールアドレスがある場合(ステップS19の判定がYesの場合)、ステップS20において、制御部20は、通信部23にステップS15で作成したPINコードを当該ユーザーのメールアドレスに送信させた後(ステップS20)、処理を終了する。
【0104】
図11は、この開示の実施形態2の画像形成システム100において、デジタル複合機1で設定したPINコードをユーザーに通知するメールの一例である。
【0105】
図11の例において、印刷ジョブにPINコードを付与した旨のメッセージとともに、設定したPINコードがメールの文面に表示される。
【0106】
一方、ステップS19の判定において、アドレス帳にユーザーのメールアドレスがない場合(ステップS19の判定がNoの場合)、ステップS21において、制御部20は、表示部24にステップS15で作成したPINコードをメッセージボックスに表示させた後(ステップS21)、処理を終了する。
【0107】
このようにして、印刷機能の制限でドキュメントファイリング機能が有効に設定され、一般ユーザーがユーザー端末2からPINコードを設定できない場合においても、印刷ジョブごとにPINコードの設定および自動付与を行うとともに、設定したPINコードをアドレス帳から取得したユーザーのメールアドレスに送信することで、従来よりも安全な印刷を可能とするデジタル複合機1を実現できる。
【0108】
〔実施形態3〕
次に、図12に基づき、この開示の実施形態3の画像形成システム100において、ユーザー端末2からデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理について説明する。
【0109】
実施形態2においては、デジタル複合機1の記憶部13に保存されたアドレス帳からユーザーのメールアドレスを取得してPINコードを知らせていた。
【0110】
一方、実施形態3においては、印刷設定にユーザーのメールアドレスが入力されている場合、当該メールアドレスにPINコードを送信する点に特徴がある。
【0111】
この開示の実施形態3に係る画像形成システム100の概略構成は、実施形態1(図1図3)と同一であるため、説明を省略する。
【0112】
図12は、この開示の実施形態3の画像形成システム100において、ユーザー端末2からデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理を示すフローチャートである。
【0113】
図12のステップS31~S37の処理はそれぞれ、図8(実施形態1)のステップS1~S7と同じであるため、説明を省略する。
ここでは、図12のステップS38~S40の処理について説明する。
【0114】
ステップS37において、印刷機能制限でドキュメントファイリング機能が有効でない場合(ステップS37の判定がNoの場合)、処理を終了する。
【0115】
一方、印刷機能制限でドキュメントファイリング機能が有効な場合(ステップS37の判定がYesの場合)、ステップS38において、制御部20は、印刷設定に印刷指示を受け付けたユーザーのメールアドレスが入力されているか否かを判定する(ステップS38)。
【0116】
印刷設定にユーザーのメールアドレスが入力されている場合(ステップS38の判定がYesの場合)、ステップS39において、制御部20は、通信部23にステップS35で作成したPINコードを当該ユーザーのメールアドレスに送信させた後(ステップS39)、処理を終了する。
【0117】
一方、印刷設定にユーザーのメールアドレスが入力されていない場合(ステップS38の判定がNoの場合)、ステップS40において、制御部20は、表示部24にステップS35で作成したPINコードをメッセージボックスに表示させた後(ステップS40)、処理を終了する。
【0118】
このようにして、印刷機能の制限でドキュメントファイリング機能が有効に設定され、一般ユーザーがユーザー端末2からPINコードを設定できない場合においても、印刷ジョブごとにPINコードの設定および自動付与を行うとともに、設定したPINコードを印刷設定で入力されたユーザーのメールアドレスに送信することで、従来よりも安全な印刷を可能とするデジタル複合機1を実現できる。
【0119】
〔実施形態4〕
次に、図13図15に基づき、この開示の実施形態4の画像形成システム100において、ユーザー端末2からデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にプリンタドライバでPINコードを付与する処理について説明する。
【0120】
実施形態1~3においては、印刷機能の制限でドキュメントファイリング機能が有効に設定されている場合、ユーザー端末2でPINコードを設定して印刷ジョブに付与し、デジタル複合機1に送信していた。
【0121】
一方、実施形態4においては、印刷機能の制限でドキュメントファイリング機能が有効に設定されている場合、ユーザー端末2ではなく、デジタル複合機1でPINコードを設定させる点に特徴がある。
【0122】
図13は、この開示の実施形態4の画像形成システム100において、デジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0123】
図13において、PINコード設定部19をさらに備えるほかは、この開示の実施形態4に係る画像形成システム100の概略構成は、実施形態1(図1図3)と同一である。
【0124】
図14は、この開示の実施形態4の画像形成システム100において、ユーザー端末2からデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にデジタル複合機1でPINコードを付与する処理において、ユーザー端末2側の処理を示すフローチャートである。
【0125】
図14のステップS41~S44およびS46の処理はそれぞれ、図8(実施形態1)のステップS1~S4およびS6と同じであるため、説明を省略する。
ここでは、図14のステップS45の処理について説明する。
【0126】
ステップS41において、印刷機能制限でドキュメントファイリング機能が有効な場合(ステップS41の判定がYesの場合)、ステップS45において、制御部20は、PINコード自動設定フラグを印刷ジョブに付与する(ステップS45)。
【0127】
続くステップS46において、制御部20は、デジタル複合機1に対し、PINコード自動設定フラグが付与された印刷ジョブのデータを通信部23に送信させる(ステップS46)。
【0128】
図15は、この開示の実施形態4の画像形成システム100において、ユーザー端末2からデジタル複合機1への印刷指示を送信する際にデジタル複合機1でPINコードを付与する処理において、デジタル複合機1側の処理を示すフローチャートである。
【0129】
図15のステップS17において、デジタル複合機1の制御部10は、印刷ジョブにPINコード自動設定フラグが付与されているか否かを判定する(ステップS47)。
【0130】
印刷ジョブにPINコード自動設定フラグが付与されている場合(ステップS47の判定がYesの場合)、ステップS48において、制御部10は、PINコードを設定する(ステップS48)。
【0131】
続くステップS49において、制御部10は、印刷設定に印刷指示を受け付けたユーザーのメールアドレスが入力されているか否かを判定する(ステップS49)。
【0132】
印刷設定にユーザーのメールアドレスが入力されている場合(ステップS49の判定がYesの場合)、ステップS50において、制御部10は、通信部15にステップS48で作成したPINコードを当該ユーザーのメールアドレスに送信させた後(ステップS50)、処理を終了する。
【0133】
一方、印刷設定にユーザーのメールアドレスが入力されていない場合(ステップS49の判定がNoの場合)、ステップS51において、制御部10は、ユーザー端末2に対し、ステップS48で作成したPINコードを通信部15に送信させた後(ステップS51)、処理を終了する。
【0134】
また、ステップS47において、印刷ジョブにPINコード自動設定フラグが付与されていない場合(ステップS47の判定がNoの場合)、処理を終了する。
【0135】
このようにして、印刷機能の制限でドキュメントファイリング機能が有効に設定され、一般ユーザーがユーザー端末2からPINコードを設定できない場合においても、印刷ジョブごとにPINコードの設定および自動付与を行うことで、従来よりも安全な印刷を可能とするデジタル複合機1を実現できる。
【0136】
この開示の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
【0137】
前述した実施の形態の他にも、この開示について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。この開示には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0138】
1:デジタル複合機、 2,2A,2B,2C:ユーザー端末、 3:ネットワーク、 10,20:制御部、 11:画像データ取得部、 12:画像形成部、 13,21:記憶部、 14,22:画像処理部、 15,23:通信部、 16:操作パネル、 17:ユーザー認証部、 18:PINコード照合部、 24,161:表示部、 25,162:操作部、 100:画像形成システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15