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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175248
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20231205BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231205BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20231205BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G09F9/00 346D
G09F9/30 330
H05K1/02 J
H05K1/02 N
H05K1/02 B
G09F9/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087601
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 義典
(72)【発明者】
【氏名】小出 元
【テーマコード(参考)】
5C094
5E338
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA04
5C094BA03
5C094BA23
5C094CA19
5C094DA13
5C094DB01
5C094DB02
5C094EA05
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB02
5C094FB12
5E338AA03
5E338AA12
5E338AA13
5E338AA16
5E338BB55
5E338BB75
5E338CC01
5E338CC04
5E338CD02
5E338CD15
5E338EE11
5G435AA01
5G435BB04
5G435CC09
5G435EE42
5G435HH12
(57)【要約】
【課題】 表示特性の低下を抑制することのできる表示装置を提供する。
【解決手段】 表示装置は、表示パネル2と、第1配線基板(F1)と、第1導電材と、を備える。表示パネル2は、基材20と、複数の画素PXと、複数のパッドpと、第1接続面SA1を含む第1電源線SL1と、を有する。上記第1配線基板は、第1接続面SA1と対向している。上記第1導電材は、第1接続面SA1と上記第1配線基板との間に位置し、第1電源線SL1と上記第1配線基板とを接続している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域及び前記表示領域の外側の非表示領域に位置した基材と、
前記基材の上方に配置され前記表示領域に位置した複数の画素と、
前記基材の上方に配置され前記非表示領域に位置した複数のパッドと、
前記基材の上方に配置され前記非表示領域のうち前記表示領域と前記複数のパッドとの間に位置し第1接続面を含む第1電源線と、
を有する表示パネルと、
前記第1接続面と対向した第1配線基板と、
前記第1接続面と前記第1配線基板との間に位置し前記第1電源線と前記第1配線基板とを接続した第1導電材と、を備える、
表示装置。
【請求項2】
第2配線基板と、
他の第1導電材と、をさらに備え、
前記第1電源線は、前記第1接続面から離れた他の第1接続面をさらに含み、
前記第2配線基板は、前記他の第1接続面と対向し、
前記他の第1導電材は、前記他の第1接続面と前記第2配線基板との間に位置し前記第1電源線と前記第2配線基板とを接続している、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルは、
前記基材の上方に配置され前記表示領域に位置し前記非表示領域にて前記第1電源線に電気的に接続された第1電極をさらに有し、
前記第1電極は、前記複数の画素に電気的に接続されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1電源線は、第1方向に延出し、
前記表示領域と前記複数のパッドとは、前記第1方向に交差する第2方向に前記第1電源線を挟んでいる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
第2導電材をさらに備え、
前記表示パネルは、
前記基材の上方に配置され前記非表示領域のうち前記第1電源線と前記複数のパッドとの間に位置し第2接続面を含み前記第1電源線の電位と異なる電位に設定される第2電源線をさらに有し、
前記第1配線基板は、前記第2接続面とさらに対向し、
前記第2導電材は、前記第2接続面と前記第1配線基板との間に位置し前記第2電源線と前記第1配線基板とを接続している、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルは、
前記基材の上方に配置され前記表示領域に位置し前記第1電源線と交差し前記非表示領域にて前記第2電源線に電気的に接続された第2電極をさらに有し、
前記第2電極は、前記複数の画素に電気的に接続されている、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1電源線及び前記第2電源線は、それぞれ第1方向に延出し、
前記表示領域と前記複数のパッドとは、前記第1方向に交差する第2方向に前記第1電源線及び前記第2電源線を挟んでいる、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1接続面及び前記第2接続面は、前記第2方向に並んでいる、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1接続面及び前記第2接続面は、前記第1方向に並んでいる、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の画素は、互いに交差する第1方向及び第2方向にマトリクス状に配置され、
前記表示パネルは、
前記基材の上方に配置され前記表示領域を前記第1方向に延出する複数の走査線であって、各々の前記走査線は、前記複数の画素のうち前記第1方向に並んだ複数の画素に電気的に接続されている、前記複数の走査線と、
前記基材の上方に配置され前記表示領域を前記第2方向に延出する複数の信号線であって、各々の前記信号線は、前記複数の画素のうち前記第2方向に並んだ複数の画素に電気的に接続されている、前記複数の信号線と、
前記基材の上方に配置され前記非表示領域に位置した複数の周辺配線と、をさらに有し、
各々の前記周辺配線は、
前記基材と前記第1電源線との間に位置し前記第1電源線と交差した第1接続配線と、
一方で前記第1接続配線に電気的に接続され他方で前記複数のパッドのうち少なくとも一のパッドに電気的に接続された第2接続配線と、
一方で前記第1接続配線に電気的に接続され他方で前記複数の信号線のうち少なくとも一の信号線に電気的に接続された第3接続配線と、を有する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1配線基板は、フレキシブルプリント回路基板である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1電源線は、
第1金属線と、
前記第1金属線の上に積層された第2金属線と、
前記第2金属線の上に形成され前記第1接続面を含む透明導電層と、を有する、
請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示パネルとして、自発光素子である発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いたLED表示パネルが知られている。近年では、より高精細な表示パネルとして、マイクロLEDと称される微小な発光ダイオードをアレイ基板に実装した表示パネル(以下、マイクロLED表示パネルと称する)が開発されている。
【0003】
マイクロLEDディスプレイは、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイと異なり、表示領域に、チップ状の多数のマイクロLEDが実装されて形成されるため、高精細化と大型化の両立が容易であり、次世代の表示パネルとして注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-85904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態は、表示特性の低下を抑制することのできる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る表示装置は、
表示領域及び前記表示領域の外側の非表示領域に位置した基材と、
前記基材の上方に配置され前記表示領域に位置した複数の画素と、
前記基材の上方に配置され前記非表示領域に位置した複数のパッドと、
前記基材の上方に配置され前記非表示領域のうち前記表示領域と前記複数のパッドとの間に位置し第1接続面を含む第1電源線と、
を有する表示パネルと、
前記第1接続面と対向した第1配線基板と、
前記第1接続面と前記第1配線基板との間に位置し前記第1電源線と前記第1配線基板とを接続した第1導電材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る表示装置の構成を示す斜視図である。
図2図2は、上記表示装置を示す回路図であり、複数本の走査線、複数本の信号線、第1電源線、第2電源線、複数本の延出線、複数本のリード線、複数本の周辺配線等を示す図である。
図3図3は、上記表示装置を示す他の回路図であり、第1電極等を示す図である。
図4図4は、上記表示装置を示す他の回路図であり、第2電極等を示す図である。
図5図5は、上記実施形態の表示パネルを示す回路図であり、副画素等を示す等価回路図である。
図6図6は、上記表示パネルの表示領域を示す部分断面図である。
図7図7は、上記表示パネルの非表示領域を示す平面図である。
図8図8は、図7に示した上記表示パネルを線VIII-VIIIに沿って示す断面図であり、配線基板及び導電材を併せて示す図である。
図9図9は、図8に示した上記表示パネルを示す部分断面図であり、第1電源線等を示す図である。
図10図10は、図7に示した上記表示パネルを線X-Xに沿って示す断面図である。
図11図11は、上記表示装置の一部を示す平面図であり、第1電源線、第2電源線、制御線、第2電極、配線基板、及び複数の導電材を示す図である。
図12図12は、図11の配線基板を示す平面図であり、複数の配線及び複数のパッドを示す図である。
図13図13は、上記実施形態の変形例1に係る表示装置の一部を示す平面図であり、第1電源線、第2電源線、制御線、第2電極、配線基板、及び複数の導電材を示す図である。
図14図14は、図13の配線基板を示す平面図であり、複数の配線及び複数のパッドを示す図である。
図15図15は、上記実施形態の変形例2に係る表示装置を示す回路図であり、第1電極等を示す図である。
図16図16は、比較例1に係る表示装置を示す回路図であり、第1電極、第1電源線、第2電源線等を示す図である。
図17図17は、比較例2に係る表示装置を示す回路図であり、第1電極、複数の第1電源線、複数の第2電源線等を示す図である。
図18図18は、比較例3に係る表示装置を示す回路図であり、第1電極、第1電源線、第2電源線等を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態及び変形例について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(一実施形態)
まず、一実施形態に係る表示装置について説明する。図1は、一実施形態に係る表示装置1の構成を示す斜視図である。図1は、第1方向Xと、第1方向Xに垂直な第2方向Yと、第1方向X及び第2方向Yに垂直な第3方向Zによって規定される三次元空間を示している。なお、第1方向X及び第2方向Yは、互いに直交しているが、90°以外の角度で交差してもよい。また、本実施形態において、第3方向Zを上と定義し、第3方向Zと反対側の方向を下と定義する。「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、第1部材から離れて位置していてもよい。
【0010】
以下、本実施形態においては、表示装置1が自発光素子であるマイクロ発光ダイオード(以下、マイクロLED(Light Emitting Diode)と称する)を用いたマイクロLED表示装置である場合について主に説明する。
【0011】
図1に示すように、表示装置1は、表示パネル2、駆動ICチップIC1、配線基板F1、配線基板F2、配線基板F3、配線基板F4、配線基板Fa、制御モジュールCM等を備えている。
表示パネル2は、一例では矩形の形状を有している。図示した例では、表示パネル2の第1辺EXは、第1方向Xと平行であり、表示パネル2の第2辺EYは、第2方向Yと平行である。第3方向Zは、表示パネル2の厚さ方向に相当する。表示パネル2の主面は、第1方向Xと第2方向Yとにより規定されるX-Y平面に平行である。表示パネル2は、表示領域DA、及び表示領域DA以外の非表示領域NDAを有している。図示した例では、非表示領域NDAは、表示領域DAの外側の領域であり、表示領域DAを囲んでいる。表示領域DAは画像を表示する領域である。
【0012】
表示パネル2は、表示領域DAに位置した複数の画素PXを備えている。複数の画素PXは、例えば第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。本実施形態において、表示領域DAの形状は、四角形であるが、これに限らず、四角形以外の多角形、円形等であってもよい。また、表示領域DAのサイズは非表示領域NDAのサイズより大きいが、これに限らず、表示領域DAのサイズは非表示領域NDAのサイズより小さくともよい。
【0013】
表示パネル2のアレイ基板3は、非表示領域NDAに位置した第1電源線SL1及び第2電源線SL2を備えている。第1電源線SL1及び第2電源線SL2は、それぞれ複数の画素PXに電気的に接続されている。
駆動ICチップIC1は、アレイ基板3の非表示領域NDAの上に実装されている。駆動ICチップIC1は、複数の画素PXに電気的に接続され、複数の画素PXを駆動するように構成されている。
【0014】
配線基板F1、配線基板F2、配線基板F3、配線基板F4、及び配線基板Faは、それぞれ、一方でアレイ基板3に連結され、他方で制御モジュールCMに連結されている。配線基板F1、配線基板F2、配線基板F3、及び配線基板F4は、それぞれ第1電源線SL1及び第2電源線SL2に電気的に接続されている。そのため、制御モジュールCMは、配線基板F1、配線基板F2、配線基板F3、及び配線基板F4を介して第1電源線SL1の電位を第1電位に固定したり、第2電源線SL2の電位を第2電位に固定したり、することができる。これにより、第1電源線SL1は複数の画素PXに第1定電圧を与えることができ、第2電源線SL2は複数の画素PXに第2定電圧を与えることができる。
【0015】
配線基板Faは、駆動ICチップIC1に電気的に接続されている。そのため、制御モジュールCMは、配線基板Faを介して駆動ICチップIC1に各種の信号(例えば、映像信号)を与え駆動ICチップIC1の駆動を制御することができ、ひいては複数の画素PXの駆動を制御することができる。
【0016】
配線基板F1、配線基板F2、配線基板F3、配線基板F4、及び配線基板Faの各々は、フレキシブル配線基板である。例えば、配線基板F1、配線基板F2、配線基板F3、配線基板F4、及び配線基板Faの各々は、フレキシブルプリント回路基板(FPC:flexible printed circuit)で形成されている。配線基板F1、配線基板F2、配線基板F3、配線基板F4、及び配線基板Faの各々は、複数の配線及び複数のパッドを有し、電子部品が取り付けられていない状態にある基板である。
【0017】
但し、配線基板F1、配線基板F2、配線基板F3、配線基板F4、及び配線基板Faの各々は、PWB(printed wiring board)、PCB(printed circuit board)等のリジッド基板でもよく、フレキシブル基板とリジッド基板とを組み合わせたリジッドフレキシブル基板であってもよい。
【0018】
図2は、表示装置1を示す回路図であり、複数本の走査線Sgb,Sgc,Sgd、複数本の信号線VL、第1電源線SL1、第2電源線SL2、複数本の延出線Sgr、複数本のリード線LE1,LE2,LE3,LE4、複数本の周辺配線等を示す図である。なお、図2において、各種の配線の全てについて図示していない。
【0019】
図2に示すように、表示パネル2は、光透過性及び絶縁性を有する基材(基板)20、複数の画素PX、各種配線、走査線駆動回路YDR1,YDR2、信号線駆動回路XDR、及びOLB(outer lead bonding)の複数のパッドpを備えている。複数の画素PXは、基材20の上方に配置され、表示領域DAにて第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列されている。
【0020】
複数のパッドpは、非表示領域NDAのうち第1辺EXに近接して設けられ、第1方向Xに並べられている。複数のパッドpは、基材20の上方に配置されている。駆動ICチップIC1は、アレイ基板3の上に設けられ、第2方向Yにて表示領域DAと複数のパッドpとの間に位置している。駆動ICチップIC1は、複数のパッドpに電気的に接続されている。
【0021】
走査線駆動回路YDR1及び走査線駆動回路YDR2は、非表示領域NDAに位置し、第1方向Xに表示領域DAを挟んでいる。信号線駆動回路XDRは、非表示領域NDAに位置している。信号線駆動回路XDRは、第2方向Yにて、表示領域DAと駆動ICチップIC1との間に位置し、表示領域DAに隣り合っている。
【0022】
各種配線は、複数本の第1走査線Sgbと、複数本の第2走査線Sgcと、複数本の第3走査線Sgdと、複数本の信号線VLと、複数本の延出線Sgrと、第1電源線SL1と、第2電源線SL2と、制御線SL3と、複数本のリード線LE1,LE2,LE3,LE4と、を有している。
【0023】
第1電源線SL1、第2電源線SL2、及び制御線SL3は、それぞれ第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔を置いて設けられている。第1電源線SL1、第2電源線SL2、及び制御線SL3は、第2方向Yにて、信号線駆動回路XDRと駆動ICチップIC1との間に位置している。第1電源線SL1、第2電源線SL2、及び制御線SL3のうち、第1電源線SL1は信号線駆動回路XDRに最も近接し、制御線SL3は駆動ICチップIC1に最も近接し、第2電源線SL2は第1電源線SL1と制御線SL3との間に位置している。
【0024】
第2走査線Sgc、及び第3走査線Sgdは、それぞれ表示領域DAにて第1方向Xに延出し、非表示領域NDAにて走査線駆動回路YDR1に接続されている。第1走査線Sgbは、表示領域DAにて第1方向Xに延出し、非表示領域NDAにて走査線駆動回路YDR2に接続されている。第1走査線Sgb、第2走査線Sgc、及び第3走査線Sgdは、それぞれ基材20の上方に配置されている。第1走査線Sgb、第2走査線Sgc、及び第3走査線Sgdは、それぞれ複数の画素PXのうち第1方向Xに並んだ複数の画素PXに電気的に接続されている。
【0025】
配線基板Faは、複数のパッドpに電気的に接続されている。走査線駆動回路YDR1,YDR2は、駆動ICチップIC1に電気的に接続されている。走査線駆動回路YDR1,YDR2には、駆動ICチップIC1よりスタートパルス信号STV、クロック信号CKV等が与えられる。なお、上記制御モジュールCMは、駆動ICチップIC1を介すること無しにスタートパルス信号STV、クロック信号CKV等を走査線駆動回路YDR1,YDR2に与えてもよい。スタートパルス信号STV、クロック信号CKV等の信号に基づき、走査線駆動回路YDR1は、第2走査線Sgc、及び第3走査線Sgdを駆動するように構成されている。同様に、走査線駆動回路YDR2は、第1走査線Sgbを駆動するように構成されている。
【0026】
信号線VLは、表示領域DAにて第2方向Yに延出し、非表示領域NDAにて信号線駆動回路XDRに接続されている。信号線駆動回路XDRは、選択回路で構成されている。走査線駆動回路YDR1,YDR2及び信号線駆動回路XDRは、非表示領域NDAにて基材20の上方に形成され、駆動ICチップIC1とともに駆動部7を構成している。信号線VLは、基材20の上方に配置されている。各々の信号線VLは、複数の画素PXのうち第2方向Yに並んだ複数の画素PXに電気的に接続されている。
【0027】
延出線Sgrは、表示領域DAにて第2方向Yに延出し、非表示領域NDAにて信号線駆動回路XDRと交差している。リード線LE1は、制御線SL3と駆動ICチップIC1との間に位置し、一方で駆動ICチップIC1に電気的に接続されている。リード線LE2は、第2方向Yに延出し、第1電源線SL1、第2電源線SL2、及び制御線SL3と交差している。リード線LE2は、リード線LE1と信号線駆動回路XDRとを接続している。
【0028】
上記制御モジュールCMは、配線基板Fa、パッドp、駆動ICチップIC1、リード線LE1、リード線LE2等を介して信号線駆動回路XDRに映像信号を与え、信号線駆動回路XDRは信号線VLに映像信号を与える。
【0029】
リード線LE3は、制御線SL3と駆動ICチップIC1との間に位置し、一方で駆動ICチップIC1に電気的に接続され、他方で制御線SL3に電気的に接続されている。リード線LE4は、制御線SL3と信号線駆動回路XDRとの間に位置し、第2方向Yに延出し、第1電源線SL1及び第2電源線SL2と交差している。リード線LE4は、一方で制御線SL3に電気的に接続され、他方で延出線Sgrに電気的に接続されている。
上記制御モジュールCMは、配線基板Fa、パッドp、駆動ICチップIC1、リード線LE3、制御線SL3、リード線LE4等を介して延出線Sgrを定電位Vcに固定することができる。
【0030】
上記制御モジュールCMは、駆動ICチップIC1とともに、走査線駆動回路YDR1,YDR2及び信号線駆動回路XDRを制御する。制御モジュールCMは、外部から供給されるデジタル映像信号及び同期信号を受け取り、垂直走査タイミングを制御する垂直走査制御信号、及び水平走査タイミングを制御する水平走査制御信号を同期信号に基づいて発生させる。
【0031】
そして、制御モジュールCMは、駆動ICチップIC1とともに、これら垂直走査制御信号及び水平走査制御信号をそれぞれ走査線駆動回路YDR1、YDR2及び信号線駆動回路XDRに供給し、水平及び垂直走査タイミングに同期してアナログ映像信号を信号線駆動回路XDRに供給する。
【0032】
信号線駆動回路XDRは、水平走査制御信号の制御により各水平走査期間において順次得られるアナログ映像信号(Vsig)を複数の信号線VLに選択的に供給する。制御モジュールCMは、第1電源線SL1を高電位(Pvdd)に固定し、第2電源線SL2を低電位(Pvss)に固定し、制御線SL3を定電位(Vc)に固定する。
【0033】
図3は、表示装置1を示す他の回路図であり、第1電極EL1等を示す図である。
図3に示すように、アレイ基板3は、基材20の上方に配置された複数本の延出線SLa及び延出線SL4を備えている。延出線SL4は、非表示領域NDAに位置し、第1方向Xに延出している。延出線SL4及び第1電源線SL1は、第2方向Yに表示領域DAを挟んでいる。
複数本の延出線SLaは、表示領域DAにて、それぞれ第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔を置いて設けられている。各々の延出線SLaは、一方で第1電源線SL1に電気的に接続され、他方で延出線SL4に電気的に接続されている。
【0034】
複数本の延出線SLa及び延出線SL4は第1電極EL1を構成している。上述したことから、第1電極EL1は、基材20の上方に配置され、表示領域DAに位置し、非表示領域NDAにて第1電源線SL1に電気的に接続されている。第1電極EL1は、上記複数の画素PXに電気的に接続されている。
【0035】
本実施形態において、第1電源線SL1は、高電位Pvddに固定される高電位電源線である。上記制御モジュールCMの高電位電源は、配線基板F1乃至F4等を介して第1電源線SL1を高電位Pvddに固定することができる。そのため、第1電源線SL1に接続されている第1電極EL1(延出線SLa等)も高電位Pvddに固定される。第1電源線SL1は、非表示領域NDAのうち表示領域DAと複数のパッドpとの間に位置している。本実施形態において、第1電源線SL1は、信号線駆動回路XDRと第2電源線SL2との間に位置している。
【0036】
第1電極EL1は、基材20の上方に配置され、非表示領域NDAにて第1電源線SL1に電気的に接続されている。表示領域DAと複数のパッドpとは、第2方向Yに第1電源線SL1を挟んでいる。
【0037】
図4は、表示装置1を示す他の回路図であり、第2電極EL2等を示す図である。
図4に示すように、アレイ基板3は、基材20の上方に配置された複数本の延出線SLb1及び複数本の延出線SLb2を備えている。複数本の延出線SLb1は、表示領域DAにて、それぞれ第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔を置いて設けられている。複数本の延出線SLb2は、表示領域DAにて、それぞれ第2方向Yに延出し、複数本の延出線SLb1と交差し、第1方向Xに間隔を置いて設けられている。
【0038】
複数本の延出線SLb1及び複数本の延出線SLb2は、一体に形成され、表示領域DAにて格子状の形状を有している。各々の延出線SLb2は、非表示領域NDAにて、第2方向Yに延出し、信号線駆動回路XDR及び第1電源線SL1と交差し、第2電源線SL2に接続されている。
【0039】
複数本の延出線SLb1及び複数本の延出線SLb2は、第2電極EL2を構成している。上述したことから、第2電極EL2は、基材20の上方に配置され、表示領域DAに位置し、非表示領域NDAにて信号線駆動回路XDR及び第1電源線SL1と交差し、非表示領域NDAにて第2電源線SL2に電気的に接続されている。第2電極EL2は、上記複数の画素PXに電気的に接続されている。
【0040】
本実施形態において、第2電源線SL2は、低電位Pvssに固定される低電位電源線である。低電位Pvssは、高電位Pvddより低い。上記制御モジュールCMの低電位電源は、配線基板F1乃至F4等を介して第2電源線SL2を低電位Pvssに固定することができる。そのため、第2電源線SL2に接続されている第2電極EL2(延出線SLb2等)も低電位Pvssに固定される。第2電源線SL2は、非表示領域NDAのうち第1電源線SL1と複数のパッドpとの間に位置している。本実施形態において、第2電源線SL2は、第1電源線SL1と制御線SL3との間に位置している。第2電源線SL2は、第1電源線SL1の電位(高電位Pvdd)と異なる電位(低電位Pvss)に設定される。
【0041】
第2電極EL2は、基材20の上方に配置され、表示領域DAに位置し、第1電源線SL1と交差し、非表示領域NDAにて第2電源線SL2に電気的に接続されている。表示領域DAと複数のパッドpとは、第2方向Yに第1電源線SL1、第2電源線SL2等を挟んでいる。
【0042】
図5は、本実施形態の表示パネル2を示す回路図であり、副画素SP等を示す等価回路図である。
図5に示すように、各々の画素PXは、複数の副画素SPを有している。各々の副画素SPは、発光素子10と、発光素子10に駆動電流を与える画素回路と、を含んでいる。発光素子10は、例えば自己発光素子であり、本実施形態では、マイクロ発光ダイオード(以下、マイクロLED(Light Emitting Diode)と称する)である。本実施形態の表示装置1は、マイクロLED表示装置である。
【0043】
各副画素SPの画素回路は、電圧信号からなる映像信号Vsigに応じて発光素子10の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、リセットスイッチRST、画素スイッチSST、出力スイッチBCT、駆動トランジスタDRT、保持容量Cs、及び補助容量Cadを有している。保持容量Cs及び補助容量Cadは、キャパシタである。補助容量Cadは発光電流量を調整するために設けられる素子であり、場合によっては不要となり得る。
【0044】
第1電極EL1(第1電源線SL1)は、複数の画素PX(複数の副画素SP)に電気的に接続されている。第2電極EL2(第2電源線SL2)は、複数の画素PX(複数の副画素SP)に電気的に接続されている。
【0045】
リセットスイッチRST、画素スイッチSST、出力スイッチBCT、及び駆動トランジスタDRTは、TFT(薄膜トランジスタ)により構成されている。本実施形態において、リセットスイッチRST、画素スイッチSST、出力スイッチBCT、及び駆動トランジスタDRTは、同一導電型、例えばNチャネル型のTFTにより構成されている。なお、リセットスイッチRST、画素スイッチSST、出力スイッチBCT、及び駆動トランジスタDRTの一以上は、Pチャネル型のTFTにより構成されていてもよい。その場合、Nチャネル型のTFTとPチャネル型のTFTを同時に形成してもよい。リセットスイッチRST、画素スイッチSST、及び出力スイッチBCTは、スイッチとして機能すればよく、TFTで構成されていなくともよい。
【0046】
本実施形態に係る表示装置1において、駆動トランジスタDRT及び各スイッチをそれぞれ構成したTFTは全て同一工程、同一層構造で形成され、半導体層に多結晶シリコンを用いたトップゲート構造の薄膜トランジスタである。なお、半導体層は、非晶質シリコン、酸化物半導体等、多結晶シリコン以外の半導体を利用してもよい。
【0047】
リセットスイッチRST、画素スイッチSST、出力スイッチBCT、及び駆動トランジスタDRTは、それぞれ、第1端子、第2端子、及び制御端子を有している。本実施形態では、第1端子をソース電極、第2端子をドレイン電極、制御端子をゲート電極としている。
【0048】
副画素SPの画素回路において、駆動トランジスタDRT及び出力スイッチBCTは、第1電源線SL1と第2電源線SL2との間で発光素子10と直列に接続されている。第1電源線SL1(高電位Pvdd)は例えば10Vの電位に設定され、第2電源線SL2(低電位Pvss)は、例えば1.5Vの電位に設定されている。
【0049】
出力スイッチBCTにおいて、ドレイン電極は第1電源線SL1に接続され、ソース電極は駆動トランジスタDRTのドレイン電極に接続され、ゲート電極は第1走査線Sgbに接続されている。これにより、出力スイッチBCTは、第1走査線Sgbに与えられる制御信号BGによりオン(導通状態)、オフ(非導通状態)制御される。出力スイッチBCTは、制御信号BGに応答して、発光素子10の発光時間を制御する。
【0050】
駆動トランジスタDRTにおいて、ドレイン電極は出力スイッチBCTのソース電極に接続され、ソース電極は発光素子10の一方の電極(ここでは陽極)に接続されている。発光素子10の他方の電極(ここでは陰極)は、第2電源線SL2に接続されている。駆動トランジスタDRTは、映像信号Vsigに応じた電流量の駆動電流を発光素子10に出力する。
【0051】
画素スイッチSSTにおいて、ソース電極は信号線VLに接続され、ドレイン電極は駆動トランジスタDRTのゲート電極に接続され、ゲート電極は信号書き込み制御用ゲート配線として機能する第2走査線Sgcに接続されている。画素スイッチSSTは、第2走査線Sgcから供給される制御信号SGによりオン、オフ制御される。そして、画素スイッチSSTは、制御信号SGに応答して、画素回路と信号線VLとの接続、非接続を制御し、信号線VLから映像信号Vsigと初期化信号Viniを画素回路に取り込む。
【0052】
リセットスイッチRSTは、駆動トランジスタDRTのソース電極と延出線Sgrとの間に接続されている。リセットスイッチRSTのゲート電極はリセット制御用ゲート配線として機能する第3走査線Sgdに接続されている。上記のように、延出線Sgrは、制御線SL3(上記制御モジュールCMの定電位電源)に接続され、定電位Vc(リセット電位)に固定される。
【0053】
延出線Sgrには定電位Vcのリセット信号Vrstが供給される。リセットスイッチRSTは、第3走査線Sgdを通して与えられる制御信号RGに応じて、導通状態(オン)又は非導通状態(オフ)に切替えられる。リセットスイッチRSTがオン状態に切替えられることにより、駆動トランジスタDRTのソース電極の電位を定電位Vcにリセットすることができる。
【0054】
保持容量Csは、駆動トランジスタDRTのゲート電極とソース電極との間に接続されている。補助容量Cadは、駆動トランジスタDRTのソース電極と定電位の配線としての第1電源線SL1との間に接続されている。
【0055】
走査線駆動回路YDR1,YDR2は、図示しないシフトレジスタ、出力バッファ等を含み、上記スタートパルス信号STVを順次次段のシフトレジスタに転送し、出力バッファを介して各行の副画素SPに4種類の制御信号、すなわち、制御信号BG,SG,RGを供給する。これにより、第1走査線Sgb、第2走査線Sgc、及び第3走査線Sgdは、それぞれ制御信号BG、SG、RGにより駆動される。
【0056】
なお、図3において説明した副画素SPの回路構成は一例であり、少なくとも駆動トランジスタDRT及び発光素子10を含むものであれば、副画素SPの回路構成は他の構成であっても構わない。例えば図5において説明した副画素SPの回路構成のうちの一部の素子が省略されていてもよいし、他の素子が追加されてもよい。
【0057】
次に、図6を参照して、駆動トランジスタDRT、画素電極PE、発光素子10、共通電極CE等の構造について説明する。図6は表示パネル2の表示領域DAを示す部分断面図である。なお、図6では、表示パネル2を、表示面、すなわち光出射面が上方を向き、背面が下方を向くように描いている。
【0058】
図6に示すように、表示パネル2は、基材20と、基材20の上に設けられた絶縁層21,22,23,24,25,26と、複数の画素PXと、を備えている。基材20は、表示領域DA及び表示領域DAの外側の非表示領域NDAに位置している。複数の画素PXは、基材20の上方に配置され、表示領域DAに位置し、複数色の副画素SPを含んでいる。
【0059】
基材20としては、主に、石英、無アルカリガラス等のガラス基板、又はポリイミド等の樹脂基板を用いることができる。基材20の材質は、TFTを製造する際の処理温度に耐える材質であればよい。基材20が可撓性を有する樹脂基板である場合、表示装置1をシートディスプレイとして構成することができる。樹脂基板としては、ポリイミドに限らず、他の樹脂材料を用いてもよい。なお、基材20にポリイミド等を用いる場合、基材20を有機絶縁層又は樹脂層と称した方が適当な場合があり得る。
【0060】
絶縁層21は、基材20の上に設けられている。絶縁層21の上に、各種のTFTが形成されている。表示領域DAにおいて、絶縁層21の上に、駆動トランジスタDRT等が形成されている。駆動トランジスタDRT等のTFTは、半導体層SCと、ゲート電極GEと、第1電極E1と、第2電極E2と、を備えている。
【0061】
半導体層SCは、絶縁層21の上に配置されている。絶縁層22は、絶縁層21及び半導体層SCの上に設けられている。ゲート電極GEは、絶縁層22の上に配置され、半導体層SCのチャネル領域と対向している。本実施形態において、駆動トランジスタDRTは、ダブルゲート型TFTであり、2つのゲート電極GEを備えている。絶縁層23は、絶縁層22及びゲート電極GEの上に設けられている。第1電極E1及び第2電極E2は、絶縁層23の上に配置されている。第1電極E1及び第2電極E2は、それぞれ絶縁層22及び絶縁層23に形成されたコンタクトホールを通り、対応する半導体層SCに電気的に接続されている。本実施形態において、絶縁層23の上に延出線SLaがさらに設けられている。
【0062】
絶縁層24は、絶縁層23、第1電極E1、第2電極E2、及び延出線SLaの上に設けられている。絶縁層24は、複数の駆動トランジスタDRT等の複数のTFTを覆っている。絶縁層24には複数のコンタクトホールh1,h2が形成されている。コンタクトホールh1は、第1電極E1の上面を露出させている。コンタクトホールh2は、延出線SLaの上面を露出させている。
【0063】
絶縁層24の上に、導電層CL1が設けられている。導電層CL1は、コンタクトホールh2を通って延出線SLaに接し、延出線SLaに電気的に接続されている。なお、導電層CL1は、コンタクトホールh1を囲んだ開口を有している。
【0064】
絶縁層25は、絶縁層24及び導電層CL1の上に設けられている。絶縁層25はコンタクトホールh1で囲まれたコンタクトホールh3を有し、コンタクトホールh3はコンタクトホールh1とともに第1電極E1の上面を露出させている。導電層CL2は、絶縁層25の上に配置されている。導電層CL2は、絶縁層25に形成されたコンタクトホールh3を通り第1電極E1に接し、第1電極E1に電気的に接続されている。本実施形態において、導電層CL1及び導電層CL2は、絶縁層25を挟んで対向し、絶縁層25とともに上記補助容量Cadを形成している。
【0065】
本実施形態において、絶縁層25の上に延出線SLb2(第2電極EL2)がさらに設けられている。絶縁層26は、絶縁層25、導電層CL2、及び延出線SLb2の上に設けられている。絶縁層26にはコンタクトホールh4,h5が形成され、コンタクトホールh4は導電層CL2の上面を露出させ、コンタクトホールh5は延出線SLb2(第2電極EL2)の上面を露出させている。
【0066】
画素電極PEは、絶縁層26の上に配置されている。画素電極PEは、絶縁層26に形成されたコンタクトホールh4を通り導電層CL2に接し、導電層CL2に電気的に接続されている。画素電極PEは、導電層CL2を介して駆動トランジスタDRTの第1電極E1に電気的に接続されている。画素電極PEには、駆動トランジスタDRTから電流値が制御された信号が与えられる。
【0067】
本実施形態において、アレイ基板3は、コンタクト電極CONを有している。コンタクト電極CONは、絶縁層26の上に設けられ、画素電極PEに絶縁距離を置いて位置している。コンタクト電極CONは、絶縁層26に形成されたコンタクトホールh5を通り延出線SLb2(第2電極EL2)に接し、延出線SLb2に電気的に接続されている。
【0068】
ここで、絶縁層21,22,23,24,25,26は、無機絶縁材料又は有機絶縁材料で形成されている。本実施形態において、絶縁層21,22,23,25は、無機絶縁材料として、例えばシリコン酸化物(SiO2)、又はシリコン窒化物(SiN)で形成されている。
絶縁層24,26は、有機絶縁材料として、感光性アクリル樹脂等の樹脂材料で形成されている。絶縁層24,26は、それぞれ発光素子10と対向する側に平坦面を有し、平坦化層として機能している。
【0069】
半導体層SCは、ポリシリコンとして低温ポリシリコンで形成されている。但し、半導体層SCは、アモルファスシリコン、酸化物半導体等、ポリシリコン以外の半導体で形成されていてもよい。ゲート電極GEは、導電材料として金属で形成されている。例えば、ゲート電極GEは、MoW(モリブデン・タングステン)で形成されている。なお、ゲート電極GE等、絶縁層22の上に形成される配線や電極を、1stメタルと称する場合がある。
【0070】
第1電極E1、第2電極E2、及び延出線SLaは、同層に位置し、同一の導電材料として金属で形成さている。例えば、第1電極E1、第2電極E2、及び延出線SLaは、それぞれ三層積層構造(Ti系/Al系/Ti系)が採用され、Ti(チタン)、Tiを含む合金等Tiを主成分とする金属材料からなる第1層と、Al(アルミニウム)、Alを含む合金等Alを主成分とする金属材料からなる第2層と、Ti、Tiを含む合金等Tiを主成分とする金属材料からなる第3層と、を有している。上記第2層は上記第1層の上に位置し、上記第3層は上記第2層の上に位置している。第1電極E1等は、いわゆるTATで形成されている。なお、延出線SLa等、絶縁層23の上に形成される配線や電極を、2ndメタルと称する場合がある。
【0071】
駆動トランジスタDRT等のスイッチは、基材20の上方に設けられ、絶縁層24で覆われている。ここではトップゲート型のTFTを例として説明しているが、TFTはボトムゲート型のTFTであってもよい。
導電層CL1は、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料で形成されている。
【0072】
導電層CL2及び延出線SLb2(第2電極EL2)は、導電材料として金属で形成されている。例えば、導電層CL2及び延出線SLb2(第2電極EL2)は、二層積層構造を有し、Ti、Tiを含む合金等Tiを主成分とする金属材料からなる第1層と、Al、Alを含む合金等Alを主成分とする金属材料からなる第2層と、を有している。上記第2層は上記第1層の上に位置している。なお、延出線SLb2等、絶縁層25の上に形成される配線や電極を、3rdメタルと称する場合がある。
【0073】
画素電極PE及びコンタクト電極CONは、導電材料として金属で形成されている。例えば、画素電極PE及びコンタクト電極CONは、二層積層構造を有し、Ti、Tiを含む合金等Tiを主成分とする金属材料からなる第1層と、Al、Alを含む合金等Alを主成分とする金属材料からなる第2層と、を有している。画素電極PE及びコンタクト電極CONにおいて、Al又はAl合金で形成された第2層は最上層である。例えば、コンタクト電極CONの最上層は、共通電極CEと対向する側に位置している。画素電極PE及びコンタクト電極CONは、同層に位置し、同一の導電材料として金属で形成さている方が望ましい。なお、画素電極PE及びコンタクト電極CONが金属で形成さている場合、画素電極PE等、絶縁層26の上に形成される電極を、4thメタルと称する場合がある。
【0074】
上述した導電層CL2、延出線SLb2(第2電極EL2)、画素電極PE、及びコンタクト電極CONは、それぞれ、単一の導電層、三層積層構造、又は二層積層構造を有していればよい。
【0075】
三層積層構造において、導電層CL2、延出線SLb2(第2電極EL2)、画素電極PE、及びコンタクト電極CONは、それぞれTi系/Al系/Ti系に限らず、Mo系/Al系/Mo系であってもよい。Mo系/Al系/Mo系において、例えば、画素電極PEは、Mo(モリブデン)、Moを含む合金等Moを主成分とする金属材料からなる第1層と、Al、Alを含む合金等Alを主成分とする金属材料からなる第2層と、Mo、Moを含む合金等Moを主成分とする金属材料からなる第3層と、を有している。その場合、画素電極PE等は、いわゆるMAMで形成されている。
【0076】
二層積層構造において、例えば、画素電極PEは、Mo、Moを含む合金等Moを主成分とする金属材料からなる第1層と、Al、Alを含む合金等Alを主成分とする金属材料からなる第2層と、を有してもよい。なお、導電層CL2及び画素電極PEは、透明導電材料で形成されてもよい。
上記のように、表示パネル2のアレイ基板3は、基材20から画素電極PE及びコンタクト電極CONまでの積層構造を有している。
【0077】
表示パネル2は、接続層LA1及び接続層LA2を有している。接続層LA1は、画素電極PEの上に配置され、画素電極PEに電気的に接続されている。平面視において、接続層LA1は、コンタクトホールh4に重なっていない。接続層LA2は、コンタクト電極CONの上に配置され、コンタクト電極CONに電気的に接続されている。平面視において、接続層LA2は、コンタクトホールh5に重なっていない。接続層LA1は画素電極PEの最上層に接し、接続層LA2はコンタクト電極CONの最上層に接している。本実施形態において、接続層LA1,LA2は、それぞれ半田で形成されている。
【0078】
表示領域DAにおいて、画素電極PEの上方に発光素子10が実装されている。詳しくは、発光素子10は、接続層LA1の上に実装されている。発光素子10は、第1極性電極としての陽極ANと、第2極性電極としての陰極CAと、光を放出する発光層LIと、を有している。複数の発光素子10は、第1色の発光色を有する発光素子、第2色の発光色を有する発光素子、及び第3色の発光色を有する発光素子を含んでいる。本実施形態において、第1色は赤色(R)であり、第2色は緑色(G)であり、第3色は青色(B)である。
【0079】
各々の発光素子10において、陽極ANは、複数の画素電極PEのうち対応する一の画素電極PEと対向する側の面に位置し、画素電極PEに電気的に接続されている。本実施形態において、陽極ANは、接続層LA1の上に位置し、接続層LA1に接している。各々の発光素子10において、陰極CAは、陽極ANが位置する面とは反対側の面に位置している。各々の発光素子10において、発光層LIは、陽極ANと陰極CAとの間に位置している。
【0080】
表示パネル2は、樹脂層31及び共通電極CEを有している。絶縁層26、画素電極PE、コンタクト電極CON、接続層LA1、接続層LA2、及び発光素子10の上に、樹脂層31が設けられている。樹脂層31は、複数の発光素子10の間の空隙部に充填されている。樹脂層31は、絶縁層26と対向する側とは反対側に平坦面を有している。そのため、樹脂層31は、平坦化層である。樹脂層31は、発光素子10のうち陰極CAの表面を露出させている。
【0081】
なお、樹脂層31は、発光素子10の陰極CAまで達しないような厚みを有してもよい。共通電極CEが形成される表面には発光素子10の実装に伴う凹凸の一部が残存しているが、共通電極CEを形成する材料が段切れすることなく連続的に覆うことができればよい。
【0082】
共通電極CEは、少なくとも表示領域DAに位置し、樹脂層31及び複数の発光素子10の上に配置され、複数の発光素子10を覆っている。共通電極CEは、複数の陰極CAに接触し、複数の陰極CAと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の副画素SPで共用されている。
共通電極CEは、発光素子10からの出射光を取り出すために、透明電極として形成する必要があり、透明な導電材料として例えばITOを用いて形成されている。
【0083】
共通電極CEは、樹脂層31に形成された複数のコンタクトホールh6を通り複数の画素PXのコンタクト電極CONに電気的に接続されている。本実施形態において、共通電極CEは、複数のコンタクトホールh6を通り、複数の画素PXの接続層LA2に接している。共通電極CEはコンタクト電極CONではなく接続層LA2に接しているため、共通電極CEと接続層LA2との間にオーミック接触を作ることができる。
【0084】
上記のように、表示パネル2は、基材20から共通電極CEまでの構造を有している。本実施形態に係る発光素子10を表示素子として用いる表示装置1は、例えば以上のように構成されている。なお、必要に応じて、共通電極CEの上にカバーガラス等のカバー部材、偏光板等の光学層、タッチパネル基板等が設けられてもよい。
【0085】
図7は、表示パネル2のアレイ基板3の非表示領域NDAを示す平面図である。
図7に示すように、アレイ基板3は、基材20の上方に配置され、非表示領域NDAに位置した複数の周辺配線を有している。複数の周辺配線は、第1電源線SL1、第2電源線SL2、制御線SL3、リード線LE1、リード線LE2、リード線LE3、リード線LE4、リード線LE5、延出線Sgrの端部、延出線SLb2の端部、延出線SLaの端部等を含んでいる。
【0086】
第1電源線SL1、第2電源線SL2、及び制御線SL3は、上述したように、それぞれ第1方向Xに延出している。本実施形態において、第1電源線SL1及び複数の延出線SLaは、同一材料で一体に形成されている。各々の延出線SLaは、第1電源線SL1から連続的に形成されている。
【0087】
第1接続配線としてのリード線LE2は、第1電源線SL1、第2電源線SL2、及び制御線SL3と交差している。
第2接続配線としてのリード線LE1は、平面視にてリード線LE2に重なっている。リード線LE1は、一方で、絶縁層23に形成されたコンタクトホールCH1を通り、リード線LE2に接し、リード線LE2に電気的に接続されている。リード線LE1は、他方で、駆動ICチップIC1に電気的に接続さている。
第3接続配線としてのリード線LE5は、平面視にてリード線LE2に重なっている。リード線LE5は、一方で、絶縁層23に形成されたコンタクトホールCH2を通り、リード線LE2に接し、リード線LE2に電気的に接続されている。リード線LE5は、他方で、信号線駆動回路XDRに電気的に接続され、信号線駆動回路XDRを介して複数の信号線VLのうち少なくとも一の信号線VLに電気的に接続されている。
【0088】
リード線LE4は、第2方向Yに延出し、第1電源線SL1及び第2電源線SL2と交差している。
制御線SL3は、平面視にて複数のリード線LE4に重なっている。制御線SL3と一のリード線LE4とに注目すると、制御線SL3は、絶縁層23に形成されたコンタクトホールCH3を通り、リード線LE4に接し、リード線LE4に電気的に接続されている。
延出線Sgrは、平面視にてリード線LE4に重なっている。延出線Sgrは、絶縁層23に形成されたコンタクトホールCH4を通り、リード線LE4に接し、リード線LE4に電気的に接続されている。
【0089】
第1電源線SL1は、金属線ML1及び第1透明導電層TL1を有している。金属線ML1は、第1方向Xに延出している。第1透明導電層TL1は、平面視にて金属線ML1に重なっている。本実施形態において、第1電源線SL1は、複数の第1透明導電層TL1を有している。複数の第1透明導電層TL1と、配線基板F1,F2,F3,F4とは、一対一で対応している。
【0090】
第2電源線SL2は、金属線ML2及び第2透明導電層TL2を有している。金属線ML2は、第1方向Xに延出している。第2透明導電層TL2は、平面視にて金属線ML2に重なっている。本実施形態において、第2電源線SL2は、複数の第2透明導電層TL2を有している。複数の第2透明導電層TL2と、配線基板F1,F2,F3,F4とは、一対一で対応している。
【0091】
絶縁層24は、第1開口OP1、第2開口OP2、及び第3開口OP3を有している。本実施形態において、絶縁層24は、複数の第1開口OP1、複数の第2開口OP2、及び複数の第3開口OP3を有している。
複数の第1開口OP1と、複数の第1透明導電層TL1とは、一対一で対応している。第1開口OP1は、平面視にて、対応する第1透明導電層TL1に重なった領域に形成され、対応する第1透明導電層TL1を表示パネル2の外側に露出させている。
【0092】
複数の第2開口OP2と、複数の第2透明導電層TL2とは、一対一で対応している。第2開口OP2は、平面視にて、対応する第2透明導電層TL2に重なった領域に形成され、対応する第2透明導電層TL2を表示パネル2の外側に露出させている。
第2開口OP2及び第3開口OP3は、第1方向Xに距離を置いて絶縁層24に形成されている。各々の第3開口OP3は、平面視にて、第2電源線SL2に重なった領域に形成されている。絶縁層24は、第3開口OP3にて第2電源線SL2の所定の領域を露出させている。
【0093】
延出線SLb2は、平面視にて、第2電源線SL2及び第3開口OP3に重なっている。延出線SLb2は、第3開口OP3を通って第2電源線SL2に接し、第2電源線SL2に電気的に接続されている。
【0094】
図8は、図7に示した表示パネル2を線VIII-VIIIに沿って示す断面図であり、配線基板F1及び導電材(CN1,CN2)を併せて示す図である。
図8に示すように、リード線LE2は、絶縁層22の上に設けられている。リード線LE2は、1stメタルである。
【0095】
金属線ML1、金属線ML2、制御線SL3、リード線LE1、及びリード線LE5は、2ndメタルであり、絶縁層23の上に設けられている。なお、リード線LE2(第1接続配線)は、基材20と第1電源線SL1との間に位置し、かつ、基材20と第2電源線SL2との間に位置している。
【0096】
第1透明導電層TL1は、絶縁層24の上に設けられ、第1開口OP1を通って金属線ML1に接している。第1電源線SL1は、基材20の上方に配置され、第1接続面SA1を含んでいる。本実施形態において、第1透明導電層TL1が第1接続面SA1を含んでいる。
【0097】
第2透明導電層TL2は、絶縁層24の上に設けられ、第2開口OP2を通って金属線ML2に接している。第2電源線SL2は、基材20の上方に配置され、第2接続面SA2を含んでいる。本実施形態において、第2透明導電層TL2が第2接続面SA2を含んでいる。
【0098】
配線基板F1は、絶縁性を有する基材50、絶縁層51、絶縁層52、配線WL1、配線WL2、導電層CL3、パッドPD1、パッドPD2等を備えている。配線WL1は、基材50と絶縁層51との間に設けられている。配線WL2及び導電層CL3は、絶縁層51と絶縁層52との間に設けられている。導電層CL3は、絶縁層51に形成されたコンタクトホールを通って配線WL1に接し、配線WL1に電気的に接続されている。
【0099】
パッドPD1は、絶縁層52に形成されたコンタクトホールを通って導電層CL3に接し、導電層CL3に電気的に接続されている。パッドPD2は、絶縁層52に形成されたコンタクトホールを通って配線WL2に接し、配線WL2に電気的に接続されている。配線基板F1のうち、パッドPD1は第1接続面SA1と対向し、パッドPD2は第2接続面SA2と対向している。
【0100】
第1導電材CN1は、第1接続面SA1と配線基板F1のパッドPD1との間に位置し、第1電源線SL1と配線基板F1とを接続している。第2導電材CN2は、第2接続面SA2と配線基板F1のパッドPD2との間に位置し、第2電源線SL2と配線基板F1とを接続している。第1導電材CN1及び第2導電材CN2は、例えばACF(異方性導電フィルム)である。
【0101】
配線基板F1と表示パネル2(アレイ基板3)との接続には、ACFを利用した熱圧着法が用いられる。この方法により、アレイ基板3の第1電源線SL1と配線基板F1のパッドPD1との電気的接続が確保され、アレイ基板3の第2電源線SL2と配線基板F1のパッドPD2との電気的接続が確保される。
【0102】
なお、配線基板F2と表示パネル2との接続関係、配線基板F3と表示パネル2との接続関係、配線基板F4と表示パネル2との接続関係は、図8を用いて説明した配線基板F1と表示パネル2(アレイ基板3)との接続関係と同様である。
例えば、配線基板F2と表示パネル2との接続関係に注目する。第1電源線SL1は、配線基板F1と対向した第1接続面SA1から第1方向Xに離れ配線基板F2と対向した他の第1接続面をさらに含んでいる。第2電源線SL2は、配線基板F1と対向した第2接続面SA2から第1方向Xに離れ配線基板F2と対向した他の第2接続面をさらに含んでいる。他の第1導電材は、上記他の第1接続面と配線基板F2との間に位置し第1電源線SL1と配線基板F2とを接続している。他の第2導電材は、上記他の第2接続面と配線基板F2との間に位置し第2電源線SL2と配線基板F2とを接続している。
【0103】
図9は、図8に示した表示パネル2を示す部分断面図であり、第1電源線SL1等を示す図である。
図9に示すように、金属線ML1は、2ndメタルであり、金属線ML2、制御線SL3、リード線LE1、リード線LE5、延出線Sgr、信号線VL、第1電極E1、第2電極E2、延出線SLa等とともに同層に位置し、同一の導電材料として金属で形成さている。
【0104】
金属線ML1は、第1金属線ML1aと、第1金属線ML1aの上に積層された第2金属線ML1bと、第2金属線ML1bの上に積層された第3金属線ML1cと、を有している。本実施形態において、第1金属線ML1aはTiを主成分とする金属材料で形成され、第2金属線ML1bはAlを主成分とする金属材料で形成され、第3金属線ML1cはTiを主成分とする金属材料で形成されている。第1透明導電層TL1は、第3金属線ML1cの上に形成され、第1接続面SA1を含んでいる。
なお、金属線ML1等は、TATに限らず、MAMで形成されてもよい。
【0105】
図10は、図7に示した表示パネル2を線X-Xに沿って示す断面図である。図10に示すように、リード線LE2及びリード線LE4は、それぞれ1stメタルであり、絶縁層22の上に設けられている。金属線ML2は2ndメタルであり、絶縁層23の上に設けられている。第2透明導電層TL2は、金属線ML2及び絶縁層24の上に設けられ、金属線ML2とともに第2電源線SL2を形成している。
【0106】
絶縁層25は、第2透明導電層TL2の第2接続面SA2と対向する領域及び延出線SLb2と対向する領域を覆っていない。延出線SLb2は、3rdメタルであり、第2電源線SL2の金属線ML2の上に設けられ、金属線ML2に接し、金属線ML2に電気的に接続されている。第2電源線SL2は、絶縁層26で覆われている。
【0107】
図11は、表示装置1の一部を示す平面図であり、第1電源線SL1、第2電源線SL2、制御線SL3、第2電極EL2、配線基板F2、及び複数の導電材(CN1,CN2)を示す図である。図11に示すように、配線基板F2は、第1電源線SL1の第1接続面SA1及び第2電源線SL2の第2接続面SA2に重なっている。本実施形態において、第1接続面SA1及び第2接続面SA2は、第2方向Yに並んでいる。第1接続面SA1及び第2接続面SA2は、それぞれ第1方向Xに延出している。
【0108】
第1導電材CN1は、第1接続面SA1と配線基板F2との間に位置し、第1電源線SL1と配線基板F2とを接続している。第2導電材CN2は、第2接続面SA2と配線基板F2との間に位置し、第2電源線SL2と配線基板F2とを接続している。
【0109】
図12は、図11の配線基板F2を示す平面図であり、複数の配線WL1,WL2及び複数のパッドPD1,PD2,PD3,PD4を示す図である。図12に示すように、配線基板F2は、複数の配線WL1、複数の配線WL2、複数のパッドPD1、複数のパッドPD2、複数のパッドPD3、及び複数のパッドPD4を備えている。配線WL1の一端にパッドPD1が電気的に接続され、配線WL1の他端にパッドPD3が電気的に接続されている。また、配線WL2の一端にパッドPD2が電気的に接続され、配線WL2の他端にパッドPD4が電気的に接続されている。
【0110】
配線基板F2の複数のパッドPD1を第1接続面SA1に対向させるため、複数のパッドPD1は第1方向Xに並べられている。配線基板F2の複数のパッドPD2を第2接続面SA2に対向させるため、複数のパッドPD2は第1方向Xに並べられている。配線基板F2の複数のパッドPD3,PD4は制御モジュールCMに接続されている。
【0111】
上記のように構成された第1の実施形態に係る表示装置1によれば、表示装置1は、表示パネル2と、配線基板F1と、第1導電材CN1と、を備えている。表示パネル2は、基材20、複数の画素PX、複数のパッドp、及び第1電源線SL1を有している。基材20は、表示領域DA及び非表示領域NDAに位置している。複数の画素PXは、基材20の上方に配置され、表示領域DAに位置している。複数のパッドpは、基材20の上方に配置され、非表示領域NDAに位置している。第1電源線SL1は、基材20の上方に配置され、非表示領域NDAのうち表示領域DAと複数のパッドpとの間に位置し、第1接続面SA1を含んでいる。
【0112】
配線基板F1は第1接続面SA1と対向している。第1導電材CN1は、第1接続面SA1と配線基板F1との間に位置し、第1電源線SL1と配線基板F1とを接続している。表示パネル2のうち第1電源線SL1に、配線基板F1と電気的に接続するためのパッドの機能を持たせている。そのため、パッドpを介すること無しに第1電源線SL1に給電することができ、第1電源線SL1の電位を固定することができる。
【0113】
第1電源線SL1は、それぞれパッドとして機能する複数の第1接続面SA1を有している。複数の配線基板F1,F2,F3,F4を用いることで、第1電源線SL1への多点給電化を図ることができる。
また、制御モジュールCMから第1電源線SL1に電流を流す際、電流は複数の配線基板F1,F2,F3,F4に分散される。そのため、オーミックドロップ(IRドロップ)の改善を図ることができる。
【0114】
上記のことから、第1電源線SL1の電位は、高電位Pvddに良好に固定される。同様に、第2電源線SL2の電位は、低電位Pvssに良好に固定される。ひいては、第1電極EL1の電位及び第2電極EL2の電位をそれぞれ良好に固定することができる。上述したことから、表示特性の低下を抑制することのできる表示装置1を得ることができる。
【0115】
(上記実施形態の変形例1)
次に、上記実施形態の変形例1に係る表示装置1について説明する。表示装置1は、本変形例1で説明する構成以外、上記実施形態と同様に構成されている。図13は、本変形例1に係る表示装置1の一部を示す平面図であり、第1電源線SL1、第2電源線SL2、制御線SL3、第2電極EL2、配線基板F2、及び複数の導電材(CN1,CN2)を示す図である。
【0116】
図13に示すように、第1接続面SA1及び第2接続面SA2は、それぞれ第1方向Xに延出している。本実施形態において、第1接続面SA1及び第2接続面SA2は、第1方向Xに並んでいる。第1接続面SA1及び第2接続面SA2を第1方向Xに並べるため、金属線ML1及び金属線ML2のそれぞれの形状は上記実施形態と相違している。
金属線ML1のうち延出線SLb2が重なった領域と比較した場合、金属線ML1のうち第1接続面SA1が重なった領域は金属線ML2側に突出し、金属線ML1のうち第2方向Yに第2接続面SA2と対向する領域は表示領域DA側に凹んでいる。金属線ML2のうち延出線SLb2が重なった領域と比較した場合、金属線ML2のうち第2接続面SA2が重なった領域は金属線ML1側に突出し、金属線ML2のうち第2方向Yに第1接続面SA1と対向する領域は制御線SL3側に凹んでいる。
【0117】
図14は、図13の配線基板F2を示す平面図であり、複数の配線WL1,WL2及び複数のパッドPD1,PD2,PD3,PD4を示す図である。図14に示すように、複数のパッドPD1のグループと、複数のパッドPD2のグループとは、第1方向Xに隣り合っている。同様に、複数のパッドPD3のグループと、複数のパッドPD4のグループとは、第1方向Xに隣り合っている。
【0118】
複数の配線WL1,WL2は、第1方向Xに並べられている。上記実施形態(図12)と異なり、配線WL1と配線WL2とを第3方向Zに重ねる必要はない。配線WL1と配線WL2とを同層に形成することができるため、配線基板F2の積層数を減らすことができ、配線基板F2の構造の簡略化を図ることができる。
本変形例1においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。配線基板F2の構造の簡略化を図る際、例えば、導電層CL3無しに配線基板F2を形成することができる。そのため、配線基板F2の内部抵抗の増大を抑制することができる。
【0119】
(上記実施形態の変形例2)
次に、上記実施形態の変形例2に係る表示装置1について説明する。表示装置1は、本変形例2で説明する構成以外、上記実施形態と同様に構成されている。図15は、本変形例2に係る表示装置1を示す回路図であり、第1電極EL1等を示す図である。
【0120】
図15に示すように、上記実施形態(図3)と比較し、表示パネル2は第1方向Xのサイズが大きく、表示装置1は駆動ICチップIC2、配線基板Fb、配線基板F5、配線基板F6、及び配線基板F7をさらに備えている。駆動ICチップIC2は駆動ICチップIC1と同様に構成され、配線基板Fbは配線基板Faと同様に構成されている。
【0121】
第1電源線SL1の電位及び第2電源線SL2の電位は、それぞれ7つの配線基板F1乃至F7を介して固定される。第1電源線SL1及び第2電源線SL2のそれぞれの第1方向Xのサイズが大きくなっても、給電点数を増やすことで、第1電源線SL1の電位及び第2電源線SL2の電位をそれぞれ良好に固定することができる。
本変形例2においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0122】
(比較例1)
次に、比較例1に係る表示装置1について説明する。表示装置1は、本比較例1で説明する構成以外、上記実施形態と同様に構成されている。図16は、本比較例1に係る表示装置1を示す回路図であり、第1電極EL1、第1電源線SL1、第2電源線SL2等を示す図である。
【0123】
図16に示すように、表示装置1は、配線基板F1乃至F4無しに形成されている。第1電源線SL1はパッドとして機能する第1接続面SA1無しに形成され、OLBのパッドpに電気的に接続されている。同様に、第2電源線SL2はパッドとして機能する第2接続面SA2無しに形成され、OLBのパッドpに電気的に接続されている。制御モジュールCMは、配線基板Fa、パッドp等を介して第1電源線SL1に給電したり、第2電源線SL2に給電したりする。
【0124】
本比較例1によれば、パッドp等を介して第1電源線SL1及び第2電源線SL2のそれぞれの電位を固定することになる。そのため、パッドp等を介する分、給電抵抗が高くなることになる。
【0125】
また、単一の配線基板Faに複数のパッドpを対向させるため、複数のパッドpは第1方向Xに集約して設けられている。そのため、第1電源線SL1及び第2電源線SL2は、それぞれ部分的に第1方向X及び第2方向Yから傾斜した方向に延出している。第1電源線SL1及び第2電源線SL2のそれぞれの長さが長くなる分、第1電源線SL1及び第2電源線SL2のそれぞれの抵抗が高くなることになる。
上述したことから、本比較例1において、表示特性の低下を抑制することのできる表示装置1を得ることは困難である。
【0126】
(比較例2)
次に、比較例2に係る表示装置1について説明する。表示装置1は、本比較例2で説明する構成以外、上記比較例1と同様に構成されている。図17は、本比較例2に係る表示装置1を示す回路図であり、第1電極EL1、複数の第1電源線SL1,SL5、複数の第2電源線SL2,SL6,SL7等を示す図である。
【0127】
図17に示すように、表示パネル2は延出線SL4無しに形成されている。表示装置1は、配線基板Fbをさらに備えている。表示パネル2は、第1電源線SL5、複数の第2電源線SL6,SL7、及びOLBの複数のパッドdをさらに備えている。第1電源線SL5は、非表示領域NDAに設けられている。第1電源線SL5及び第1電源線SL1は、第2方向Yに表示領域DAを挟んでいる。
【0128】
複数のパッドdは、非表示領域NDAに設けられ、第1方向Xに並べられている。複数のパッドdは、表示パネル2のうち第1辺EXとは反対側の辺に近接して設けられている。複数の第2電源線SL6,SL7は、非表示領域NDAのうち第1電源線SL5と複数のパッドdとの間に設けられている。第1電源線SL5、第2電源線SL6、及び第2電源線SL7は、それぞれ複数のパッドdを介して配線基板Fbに電気的に接続されている。
【0129】
本比較例2において、第1電源線SL1と第1電源線SL5の両側から第1電極EL1に給電を行うことができる。そのため、上記比較例1より第1電極EL1の電位良好に固定し易い。同様に、第2電源線SL2と第2電源線SL6,SL7の両側から第2電極EL2に給電を行うことができる。そのため、上記比較例1より第2電極EL2の電位良好に固定し易い。
【0130】
上述したことから、本比較例2において、表示特性の低下を抑制することのできる表示装置1を得ることができる。但し、表示領域DAを第2方向Yに挟むように電源線、パッド、配線基板等を表示装置1に設ける必要がある。そのため、表示装置1の用途が限定されることに留意する必要がある。また、透明用途等の場合、図17に示したように配線基板Fbを配置することは、制約が大きいことに留意する必要がある。
【0131】
(比較例3)
次に、比較例3に係る表示装置1について説明する。表示装置1は、本比較例3で説明する構成以外、上記比較例1と同様に構成されている。図18は、本比較例3に係る表示装置1を示す回路図であり、第1電極EL1、第1電源線SL1、第2電源線SL2等を示す図である。
【0132】
図18に示すように、表示装置1は、配線基板Fb,Fcをさらに備えている。複数のパッドpは、3つの領域にそれぞれ集約されている。第1電源線SL1及び第2電源線SL2を、それぞれ第1方向X及び第2方向Yから傾斜した方向に延出させる必要が無い。第1電源線SL1及び第2電源線SL2のそれぞれの長さが不所望に長くなることは無いため、第1電源線SL1及び第2電源線SL2のそれぞれの抵抗は高くなり難い。
【0133】
但し、本比較例3において、パッドp等を介して第1電源線SL1及び第2電源線SL2のそれぞれの電位を固定することになる。本比較例3において、表示特性の低下を抑制することのできる表示装置1を得ることは困難である。
【0134】
本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0135】
1…表示装置、2…表示パネル、3…アレイ基板、10…発光素子、20…基材、
PX…画素、SP…副画素、PE…画素電極、CE…共通電極、VL…信号線、
Sgb,Sgc,Sgd…走査線、Sgr…延出線、SL1…第1電源線、
SL2…第2電源線、SL3…制御線、SL4,SLa,SLb1,SLb2…延出線、
EL1…第1電極、EL2…第2電極、LE…リード線、ML1,ML2…金属線、
ML1a…第1金属線、ML1b…第2金属線、ML1c…第3金属線、
TL1…第1透明導電層、TL2…第2透明導電層、SA1…第1接続面、
SA2…第2接続面、p…パッドF…配線基板、CN1…第1導電材、
CN2…第2導電材、CM…制御モジュール、DA…表示領域、NDA…非表示領域、
Pvdd…高電位、Pvss…低電位、X…第1方向、Y…第2方向、Z…第3方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18